JP6078222B2 - 粘着剤組成物、および粘着シート類 - Google Patents

粘着剤組成物、および粘着シート類 Download PDF

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本発明は、アクリル系の粘着剤組成物に関する。さらに詳細には、帯電防止性粘着剤組成物とそれを用いた粘着シート類に関する。特に本発明の粘着シート類は、静電気が発生しやすいプラスチック製品などに用いられ、なかでも特に、液晶ディスプレイなどに用いられる偏光板、波長板、位相差板、光学補償フィルム、反射シート、輝度向上フィルムなどの光学部材表面を保護する目的で用いられる表面保護フィルムとして有用である。
粘着シート類は、常温で短時間、わずかな圧力を加えるだけ接着することができ、各種物品の接合に様々な用途で用いられている。また、粘着シート類は凝集力と弾性を持っているので適度に接着する反面、硬い平滑面から剥がすこともでき、表面保護フィルムとしても利用されている。
表面保護フィルムは、一般的に保護フィルム側に塗布された粘着剤層を介して被保護体に貼り合わせ、被保護体の加工、搬送時に生じる傷や汚れを防止する目的で用いられる。例えば、液晶ディスプレイのパネルに用いられる偏光板や波長板などの光学部材は、表面保護フィルムが光学部材に粘着剤層を介して貼り合わされることにより形成されている。これら光学部材に用いられる表面保護フィルムは、一般に粘着面を保護する目的でセパレーターなるものが用いられている。そして、このセパレーターは表面保護フィルムを光学部材に貼り合わせる際に剥離し、除去される。
一般に表面保護フィルムを構成する保護フィルムや粘着剤、およびセパレーターは、プラスチック材料により構成されているために電気絶縁性が高く、摩擦や剥離の際に静電気が発生する。したがって、表面保護フィルムからセパレーターを剥離する際にも静電気が発生してしまう。この剥離の際に発生する静電気により、表面保護フィルムにゴミが付着し、光学部材を汚染してしまうという問題が生じる。そこで、このような不具合を防止するために表面保護フィルムに各種帯電防止処理が施されている。
これまでに、これらの静電気の帯電を抑制する試みとして、粘着剤に低分子の界面活性剤を添加し、粘着剤中から界面活性剤を被保護体に転写させて帯電防止する方法(たとえば、特許文献1参照)が開示されている。しかし、かかる方法においては、添加した低分子の界面活性剤が粘着剤表面にブリードし易く、表面保護フィルムに適用した場合、被保護体への汚染が懸念される。したがって、低分子の界面活性剤を添加した粘着剤を光学部材用保護フィルムに適用した場合には、特に光学部材の光学特性を損なう問題を有している。
また、帯電防止剤を粘着剤層に含有させた粘着シート類(たとえば、特許文献2参照)が開示されている。かかる粘着シート類においては、粘着剤表面に帯電防止剤がブリードするのを抑制するために、ポリエーテルポリオール化合物とアルカリ金属塩からなる帯電防止剤をアクリル系粘着剤に添加している。しかし、かかる粘着シート類を用いても、帯電防止剤等のブリード現象は避けられず、その結果、実際に表面保護フィルムに適用した場合に、経時や高温条件下の処理を施すと、ブリード現象により被保護体から表面保護フィルムが部分的に浮き上がる現象が発生してしまう問題を有している。
上述のように、これらのいずれにおいても、いまだ上記問題点をバランスよく解決できうるものではなく、静電気の帯電や腐食性が特に深刻な問題となる電子機器関連の技術分野において、帯電防止性表面保護フィルムへのさらなる改良要請に対応することは難しい。
特開平9−165460号公報 特開平6−128539号公報
そこで、本発明の目的は、従来の帯電防止性粘着シート類における問題点を解消すべく、剥離した際の帯電防止性に優れ、保護体への汚染性が低減された、接着信頼性の優れた帯電防止性粘着剤組成物、およびそれを用いた帯電防止性粘着シート類を提供することにある。
本発明者らは、上記の目的を達成するため、ベースポリマーの主成分となる単量体成分について鋭意検討した結果、(メタ)アクリル酸アルキレンオキサイド付加物15〜100重量%を単量体成分として使用し、得られたアクリル系(共)重合体を架橋剤で架橋させることにより、剥離した際の帯電防止性に優れ、被保護体への汚染性が低減された帯電防止性粘着剤組成物が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の粘着剤組成物は、(メタ)アクリル酸アルキレンオキサイド付加物15〜100重量%、前記以外の炭素数1〜14であるアルキル基を有する(メタ)アクリル系モノマー0〜85重量%、およびその他の重合性モノマー0〜85重量%を単量体成分とする(メタ)アクリル系(共)重合体と、アルカリ金属塩とを含有してなることを特徴とする。
本発明における(メタ)アクリル系(共)重合体とは、アクリル系(共)重合体および/またはメタクリル系(共)重合体をいい、また(メタ)アクリレートはアクリレートおよび/またはメタクリレートをいう。
本発明の粘着剤組成物によると、実施例の結果に示すように、(メタ)アクリル酸アルキレンオキサイド付加物15〜100重量%を単量体成分とし、更にアルカリ金属塩を含有するため、これを架橋した粘着剤層は、被保護体への汚染性が低減され、剥離した際の帯電防止性に優れたものとなる。上記単量体成分を主成分として用いたベースポリマーの架橋物が、かかる特性を発現する理由の詳細は明らかではないが、アクリル酸アルキレンオキサイド中のエーテル基にアルカリ金属塩が配位することでアルカリ金属塩がブリードしにくくなり、優れた帯電防止性と低汚染性を並立して実現していると推測される。
上記(メタ)アクリル(共)重合体において、(メタ)アクリル系(共)重合体の酸価が29以下であることが好ましく、20以下であることがより好ましく、15以下であることが特に好ましい。本発明における(メタ)アクリル(共)重合体の酸価とは、試料1g中に含有する遊離脂肪酸、樹脂酸などを中和するのに必要とする水酸化カリウムのmg数のことをいう。上記酸価が大きな(メタ)アクリル(共)重合体骨格中には、アルカリ金属塩との相互作用が大きいカルボキシル基やスルホネート基等が多数存在することになり、その結果アルカリ金属塩によるイオン伝導が妨げられ、優れた帯電防止能が得られなくなると推測される。上記酸価が29を超える(メタ)アクリル系(共)重合体では、優れた帯電防止能が得られない場合がある。
本発明において、アルカリ金属塩を含むことを特徴とする。アルカリ金属塩を用いて(メタ)アクリル系(共)重合体等との相溶性およびバランスの良い相互作用を得ることにより、剥離した際の帯電防止が図れ、被保護体への汚染性が低減された粘着剤組成物を得ることができる。
上記において用いるアルカリ金属塩としては、リチウム、ナトリウム、カリウムからなる金属塩があげられるが、中でも特に高い解離性を有するリチウム塩が好ましい。
一方、本発明の粘着剤層は、上記いずれかに記載の粘着剤組成物を架橋してなることを特徴とする。本発明の粘着剤層によると、上記の如き作用効果を奏する粘着剤組成物を架橋してなるため、保護体への汚染性が低減され、剥離した際の帯電防止性に優れた粘着剤層となる。このため、特に帯電防止型の粘着剤層として有用となる。また、(メタ)アクリル系(共)重合体の構成単位、構成比率、架橋剤の選択および添加比率等を適宜調節して架橋することにより、より耐熱性に優れた粘着シート類を得ることができる。
また、本発明の粘着シート類は、上記いずれかに記載の粘着剤組成物を架橋してなる粘着剤層を支持フィルム上に形成してなることを特徴とする。本発明の粘着シート類によると、上記の如き作用効果を奏する粘着剤組成物を架橋してなる粘着剤層を備えるため、剥離した際の帯電防止が図れ、被保護体への汚染が低減された粘着シート類となる。このため、特に、静電気の帯電や汚染が特に深刻な問題となる光学・電子部品関連の技術分野における帯電防止性表面保護フィルムとして非常に有用となる。
実施例等で剥離帯電圧の測定に使用した電位測定部の概略構成図
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
本発明の粘着剤組成物は、(メタ)アクリル酸アルキレンオキサイド付加物15〜100重量%、前記以外の炭素数1〜14であるアルキル基を有する(メタ)アクリル系モノマー0〜85重量%、およびその他の重合性モノマー0〜85重量%を単量体成分とする(メタ)アクリル系(共)重合体と、アルカリ金属塩とを含有してなることを特徴とする。
本発明に用いられる(メタ)アクリル系(共)重合体としては、上述したものに該当する粘着性を有する(メタ)アクリル系(共)重合体であれば特に限定されない。
本発明における(メタ)アクリル酸アルキレンオキサイド付加物のオキシアルキレン単位としては、炭素数1〜6のアルキレン基を有するものがあげられ、たとえば、オキシメチレン基、オキシエチレン基、オキシプロピレン基、オキシブチレン基などがあげられる。
また、(メタ)アクリル酸へのオキシアルキレン単位の付加モル数としては、アルカリ金属塩との相溶性の観点から1〜30が好ましく、1〜20がより好ましい。オキシアルキレン鎖の末端は、水酸基のままや、他の官能基等で置換されていてもよいが、架橋密度を適切に制御する上で、アルキル基、フェニル基等で置換されているのが好ましい。
本発明における(メタ)アクリル酸アルキレンオキサイド付加物の具体例としては、たとえば、メトキシ−ジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシ−トリエチレングリコール(メタ)アクリレートなどのメトキシ−ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート型、エトキシ−ジエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシ−トリエチレングリコール(メタ)アクリレートなどのエトキシ−ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート型、ブトキシ−ジエチレングリコール(メタ)アクリレート、ブトキシ−トリエチレングリコール(メタ)アクリレートなどのブトキシ−ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート型、フェノキシ−ジエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシ−トリエチレングリコール(メタ)アクリレートなどのフェノキシ−ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート型、メトキシ−ジプロピレングリコール(メタ)アクリレートなどのメトキシ−ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート型などがあげられる。中でも、エトキシ−ジエチレングリコールアクリレートなどが好適に用いられる。
(メタ)アクリル酸アルキレンオキサイド付加物は単独で使用しても良く、また2種以上を混合して使用しても良いが、全体としての含有量は(メタ)アクリル系(共)重合体の単量体成分中15〜100重量%であることが好ましく、20〜100重量%がより好ましく、25〜100重量%が特に好ましい。(メタ)アクリル酸アルキレンオキサイド付加物の含有量が15重量%よりも少ない場合、アルカリ金属塩との相互作用が不十分となり、アルカリ金属塩のブリード抑制効果および被保護体の汚染低減効果が十分得られないために好ましくない。
また、本発明において、炭素数1〜14であるアルキル基を有する(メタ)アクリル系モノマーを用いることができるが、炭素数2〜13であるアルキル基を有する(メタ)アクリル系モノマーを用いることがより好ましい。たとえば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、へキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、n−ノニル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、n−デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、n−ドデシル(メタ)アクリレート、n−トリデシル(メタ)アクリレート、n−テトラデシル(メタ)アクリレートなどがあげられる。中でも、n−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレートなどが好適に用いられる。
本発明において、炭素数1〜14であるアルキル基を有する(メタ)アクリル系モノマーは、単独で使用しても良いし、また2種以上を混合して使用しても良いが、全体としての含有量は(メタ)アクリル系(共)重合体の単量体成分中0〜85重量%であることが好ましく、0〜80重量%であることがより好ましく、0〜70重量%であることが特に好ましい。炭素数1〜14であるアルキル基を有する(メタ)アクリル系モノマーを用いることにより、アルカリ金属塩との良好な相互作用、および良好な接着性を適宜調節することができる。
炭素数が1〜14であるアルキル基を有する(メタ)アクリル系モノマー以外のその他の重合性モノマーは、(メタ)アクリル系(共)重合体のガラス転移点や剥離性を調整するための重合性モノマーなどを、本発明の効果を損なわない範囲で使用することができる。
(メタ)アクリル系(共)重合体において用いられるその他の重合性モノマーとしては、たとえば、スルホン酸基含有モノマー、リン酸基含有モノマー、シアノ基含有モノマー、ビニルエステルモノマー、芳香族ビニルモノマーなどの凝集力・耐熱性向上成分や、カルボキシル基含有モノマー、酸無水物基含有モノマー、ヒドロキシル基含有モノマー、アミド基含有モノマー、アミノ基含有モノマー、エポキシ基含有モノマー、N−アクリロイルモルホリン、ビニルエーテルモノマー等の接着力向上や架橋化基点として働く官能基を有す成分を適宜用いることができる。これらのモノマー化合物は単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。但し、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基などの酸官能基を有するアクリレートおよび/またはメタクリレートを用いる場合は、アクリル系共重合体の酸価が29以下になるように調整する必要がある。アクリル系共重合体の酸価が29を超えると、帯電特性が悪くなるため好ましくない。アクリル系共重合体の酸価が29以下になる例として、たとえば、カルボキシル基を有するアクリル系ポリマーとして2−エチルヘキシルアクリレートとアクリル酸を共重合したアクリル系ポリマーがあげられるが、この場合、2−エチルヘキシルアクリレートとアクリル酸の合計量100重量部に対して、アクリル酸は3.7重量部以下であることを示す。
前記スルホン酸基含有モノマーとしては、たとえば、スチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、(メタ)アクリルアミドプロパンスルホン酸、スルホプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルオキシナフタレンスルホン酸などがあげられる。
前記リン酸基含有モノマーとしては、たとえば、2−ヒドロキシエチルアクリロイルホスフェートがあげられる。
前記シアノ基含有モノマーとしては、たとえば、アクリロニトリルなどがあげられる。
前記ビニルエステルモノマーとしては、たとえば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ラウリン酸ビニルなどがあげられる。
前記芳香族ビニルモノマーとしては、たとえば、スチレン、クロロスチレン、クロロメチルスチレン、α−メチルスチレンなどがあげられる。
前記カルボキシル基含有モノマーとしては、たとえば、(メタ)アクリル酸、カルボキシエチル(メタ)アクリレート、カルボキシペンチル(メタ)アクリレート、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸などがあげられる。
前記酸無水物基含有モノマーとしては、たとえば、無水マレイン酸、無水イタコン酸などがあげられる。
上記ヒドロキシル基含有モノマーとしては、たとえば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、8−ヒドロキシオクチル(メタ)アクリレート、10−ヒドロキシデシル(メタ)アクリレート、12−ヒドロキシラウリル(メタ)アクリレート、(4−ヒドロキシメチルシクロへキシル)メチルアクリレート、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、ビニルアルコール、アリルアルコール、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテルなどがあげられる。
前記アミド基含有モノマーとしては、たとえば、アクリルアミド、ジエチルアクリルアミドなどがあげられる。
前記アミノ基含有モノマーとしては、たとえば、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレートなどがあげられる。
前記エポキシ基含有モノマーとしては、たとえば、グリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテルなどがあげられる。
前記ビニルエーテルモノマーとしては、たとえば、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテルなどがあげられる。
本発明において、その他の重合性モノマーは、単独で使用しても良く、また2種以上を混合して使用しても良いが、全体としての含有量は(メタ)アクリル系(共)重合体の単量体成分中0〜85重量%であることが好ましく、0〜80重量%であることがより好ましく、0〜70重量%であることが特に好ましい。その他の重合性モノマーを用いることにより、アルカリ金属塩との良好な相互作用、および良好な接着性を適宜調節することができる。
本発明に用いられる(メタ)アクリル系(共)重合体は、重量平均分子量が10万以上500万以下、好ましくは20万以上400万以下、さらに好ましくは30万以上300万以下であることが望ましい。重量平均分子量が10万より小さい場合は、粘着剤組成物の凝集力が小さくなることにより糊残りを生じる傾向がある。一方、重量平均分子量が500万を超える場合は、ポリマーの流動性が低下し偏光板への濡れが不十分となり、偏光板と粘着シート類の粘着剤組成物層との間に発生するフクレの原因となる傾向がある。重量平均分子量はGPC(ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー)により測定して得られたものをいう。
また、粘着性能のバランスが取りやすい理由から、前記(メタ)アクリル系(共)重合体のガラス転移温度(Tg)が0℃以下(通常−100℃以上)、好ましくは−10℃以下であることが望ましい。ガラス転移温度が0℃より高い場合、ポリマーが流動しにくく偏光板への濡れが不十分となり、偏光板と粘着シート類の粘着剤組成物層との間に発生するフクレの原因となる傾向がある。なお、(メタ)アクリル系(共)重合体のガラス転移温度(Tg)は、用いるモノマー成分や組成比を適宜変えることにより前記範囲内に調整することができる。
本発明に用いられる(メタ)アクリル系(共)重合体の重合方法は特に制限されるものではなく、溶液重合、乳化重合、塊状重合、懸濁重合などの公知の方法により重合できる。また、得られる共重合体は、ランダム共重合体、ブロック共重合体など何れでもよい。
本発明に用いられるアルカリ金属塩としては、リチウム、ナトリウム、カリウムからなる金属塩があげられ、具体的には、たとえば、Li、Na、Kよりなるカチオンと、Cl、Br、I、BF 、PF 、SCN、ClO 、CFSO 、(CFSO、(CSO、(CFSOよりなるアニオンから構成される金属塩が好適に用いられる。中でも特にLiBr、LiI、LiBF、LiPF、LiSCN、LiClO、LiCFSO、Li(CFSON、Li(CSON、Li(CFSOCなどのリチウム塩が好ましく用いられる。これらのアルカリ金属塩は単独で使用しても良く、また2種以上を混合して使用しても良い。
上記粘着剤組成物において用いられるアルカリ金属塩の配合量については、(メタ)アクリル系共重合体100重量部に対して、アルカリ金属塩を0.01〜5重量部配合することが好ましく、0.05〜3重量部配合することがより好ましい。0.01重量部より少なくなると十分な帯電特性が得られない場合があり、一方、5重量部より大きくなると被保護体への汚染が増加する傾向があるため、好ましくない。
本発明の粘着剤組成物は、(メタ)アクリル系(共)重合体を適宜架橋することにより、より耐熱性に優れたものとなる。本発明に用いられる架橋剤としては、イソシアネート化合物、エポキシ化合物、メラミン系樹脂、アジリジン誘導体、および金属キレート化合物等が用いられる。中でも、主に適度な凝集力を得る観点から、イソシアネート化合物やエポキシ化合物が特に好ましく用いられる。これらの化合物は単独で使用しても良く、また2種以上を混合して使用しても良い。
イソシアネート化合物としては、たとえば、ブチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートなどの低級脂肪族ポリイソシアネート類、シクロペンチレンジイソシアネート、シクロへキシレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートなどの脂環族イソシアネート類、2,4−トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネートなどの芳香族イソシアネート類、トリメチロールプロパン/トリレンジイソシアネート3量体付加物(商品名コロネートL、日本ポリウレタン工業社製)、トリメチロールプロパン/へキサメチレンジイソシアネート3量体付加物(商品名コロネートHL、日本ポリウレタン工業社製)、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体(商品名コロネートHX、日本ポリウレタン工業社製)などのイソシアネート付加物などがあげられる。これらの化合物は単独で使用しても良く、また2種以上を混合して使用しても良い。
エポキシ化合物としては、たとえば、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン(商品名TETRAD−X、三菱瓦斯化学社製)や1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロへキサン(商品名TETRAD−C、三菱瓦斯化学社製)などがあげられる。これらの化合物は単独で使用しても良く、また2種以上を混合して使用しても良い。
メラミン系樹脂としてはヘキサメチロールメラミン等があげられる。アジリジン誘導体としては、たとえば、市販品としての商品名HDU(相互薬工社製)、商品名TAZM(相互薬工社製)、商品名TAZO(相互薬工社製)等があげられる。これらの化合物は単独で使用しても良く、また2種以上を混合して使用しても良い。
金属キレート化合物としては、金属成分としてアルミニウム、鉄、スズ、チタン、ニッケルなど、キレート成分としてアセチレン、アセト酢酸メチル、乳酸エチルなどがあげられる。これらの化合物は単独で使用しても良く、また2種以上を混合して使用しても良い。
本発明に用いられる架橋剤の含有量は、(メタ)アクリル系(共)重合体100重量部に対し、0.01〜15重量部含有されていることが好ましく、0.5〜10重量部含有されていることがより好ましい。含有量が0.01重量部よりも少ない場合、架橋剤による架橋形成が不十分となり、粘着剤組成物の凝集力が小さくなって、十分な耐熱性が得られない場合もあり、また糊残りの原因となる傾向がある。一方、含有量が15重量部を超える場合、ポリマーの凝集力が大きく、流動性が低下し、偏光板への濡れが不十分となって偏光板と粘着剤組成物層との間に発生するフクレの原因となる傾向がある。また、これらの架橋剤は単独で使用しても良く、また2種以上を混合して使用しても良い。
また、本発明において、架橋剤として、放射線反応性不飽和結合を2個以上有する多官能モノマーを添加することができる。かかる場合には、放射線などを照射することにより粘着剤組成物を架橋させる。一分子中に放射線反応性不飽和結合を2個以上有する多官能モノマーとしては、たとえば、ビニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、ビニルベンジル基などの放射線の照射で架橋処理(硬化)することができる1種または2種以上の放射線反応性を2個以上有する多官能モノマーがあげられる。また、前記多官能モノマーとしては、一般的には放射線反応性不飽和結合が10個以下のものが好適に用いられる。これらの化合物は単独で使用しても良く、また2種以上を混合して使用しても良い。
前記多官能モノマーの具体例としては、たとえば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6へキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン、N,N’−メチレンビスアクリルアミドなどがあげられる。
前記多官能モノマーの使用量は、架橋すべき(メタ)アクリル系(共)重合体とのバランスにより、さらには、粘着シート類の使用用途によって適宣選択される。アクリル粘着剤の凝集力により十分な耐熱性を得るには一般的には、(メタ)アクリル系(共)重合体100重量部に対して、0.1〜30重量部で配合するのが好ましい。また柔軟性、接着性の点から(メタ)アクリル系(共)重合体100重量部に対して、10重量部以下で配合するのがより好ましい。
放射線としては、たとえば、紫外線、レーザー線、α線、β線、γ線、X線、電子線などがあげられるが、制御性および取り扱い性の良さ、コストの点から紫外線が好適に用いられる。より好ましくは、波長200〜400nmの紫外線が用いられる。紫外線は、高圧水銀灯、マイクロ波励起型ランプ、ケミカルランプなどの適宜光源を用いて照射することができる。なお、放射線として紫外線を用いる場合にはアクリル粘着剤に光重合開始剤を添加する。
光重合開始剤としては、放射線反応性成分の種類に応じ、その重合反応の引金となり得る適当な波長の紫外線を照射することによりラジカルもしくはカチオンを生成する物質であればよい。
光ラジカル重合開始剤として、たとえば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、o−ベンゾイル安息香酸メチル−p−ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、α−メチルベンゾイン等のベンゾイン類、ベンジルジメチルケタール、トリクロルアセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロへキシルフェニルケトン等のアセトフェノン類、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、2−ヒドロキシ−4’−イソプロピル−2−メチルプロピオフェノン等のプロピオフェノン類、ベンゾフェノン、メチルベンゾフェノン、p−クロルベンゾフェノン、p−ジメチルアミノベンゾフェノン等のベンゾフェノン類、2−クロルチオキサントン、2−エチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン等のチオキサントン類、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−(エトキシ)−フェニルホスフィンオキサイド等のアシルホスフィンオキサイド類、ベンジル、ジベンゾスベロン、α−アシルオキシムエステルなどがあげられる。これらの化合物は単独で使用しても良く、また2種以上を混合して使用しても良い。
光カチオン重合開始剤として、たとえば、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族ヨードニウム塩、芳香族スルホニウム塩等のオニウム塩や、鉄−アレン錯体、チタノセン錯体、アリールシラノール−アルミニウム錯体などの有機金属錯体類、ニトロベンジルエステル、スルホン酸誘導体、リン酸エステル、フェノールスルホン酸エステル、ジアゾナフトキノン、N−ヒドロキシイミドスルホナートなどがあげられる。これらの化合物は単独で使用しても良く、また2種以上を混合して使用しても良い。光重合開始剤は、アクリル系ポリマー100重量部に対し、通常0.1〜10重量部配合し、0.2〜7重量部の範囲で配合するのが好ましい。
さらにアミン類などの光開始重合助剤を併用することも可能である。前記光開始助剤としては、たとえば、2−ジメチルアミノエチルベンゾエート、ジメチルアミノアセトフェノン、p−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエステルなどがあげられる。これらの化合物は単独で使用しても良く、また2種以上を混合して使用しても良い。重合開始助剤は、(メタ)アクリル系(共)重合体100重量部に対し、0.05〜10重量部配合するのが好ましく、0.1〜7重量部の範囲で配合するのがより好ましい。
さらに本発明の粘着シート類に用いられる粘着剤組成物には、その他の公知の添加剤を含有していてもよく、たとえば、着色剤、顔料などの粉体、界面活性剤、可塑剤、粘着性付与剤、低分子量ポリマー、表面潤滑剤、レベリング剤、酸化防止剤、腐食防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、重合禁止剤、シランカップリング剤、無機または有機の充填剤、金属粉、粒子状、箔状物などを使用する用途に応じて適宜添加することができる。
一方、本発明の粘着剤層は、以上のような粘着剤組成物を架橋してなるものである。また、本発明の粘着シート類は、かかる粘着剤層を支持フィルム上に形成してなるものである。その際、粘着剤組成物の架橋は、粘着剤組成物の塗布後に行うのが一般的であるが、架橋後の粘着剤組成物からなる粘着剤層を支持フィルム等に転写することも可能である。
上述のように任意成分とする光重合開始剤を添加した場合において、前記粘着剤組成物を、被保護体上に直接塗工するか、または支持基材の片面または両面に塗工した後、光照射することにより粘着剤層を得ることができる。通常は、波長300〜400nmにおける照度が1〜200mW/cmである紫外線を、光量400〜4000mJ/cm程度照射して光重合させることにより粘着剤層が得られる。
フィルム上に粘着剤層を形成する方法は特に問わないが、たとえば、前記粘着剤組成物を支持フィルムに塗布し、重合溶剤等を乾燥除去して粘着剤層を支持フィルム上に形成することにより作製される。その後、粘着剤層の成分移行の調整や架橋反応の調整などを目的として養生をおこなってもよい。また、粘着剤組成物を支持フィルム上に塗布して粘着シート類を作製する際には、支持フィルム上に均一に塗布できるよう、該組成物中に重合溶剤以外の一種以上の溶剤を新たに加えてもよい。
また、本発明の粘着剤層の形成方法としては、粘着テープ類の製造に用いられる公知の方法が用いられる。具体的には、たとえば、ロールコート、グラビアコート、リバースコート、ロールブラッシュ、スプレーコート、エアーナイフコート法などがあげられる。
本発明の粘着シート類は、通常、上記粘着剤層の厚みが3〜100μm、好ましくは5〜50μm程度となるように作製する。粘着シート類は、ポリエステルフィルムなどのプラスチックフィルムや、紙、不織布などの多孔質材料などからなる各種の支持体の片面または両面に、上記粘着剤層を塗布形成し、シート状やテープ状などの形態としたものである。
本発明の粘着剤組成物を用いてなる表面保護フィルムを構成する支持体の厚みは、通常5〜200μm、好ましくは10〜100μm程度である。前記支持体には、必要に応じて、シリコーン系、フッ素系、長鎖アルキル系もしくは脂肪酸アミド系の離型剤、シリカ粉等による離型および防汚処理や、酸処理、アルカリ処理、プライマー処理、コロナ処理、プラズマ処理、紫外線処理などの易接着処理、塗布型、練り込み型、蒸着型などの帯電防止処理をすることもできる。
また、前記支持体は、耐熱性及び耐溶剤性を有すると共に可とう性を有するプラスチック基材であることが好ましい。支持体が可とう性を有することにより、ロールコーターなどによって粘着剤組成物を塗布することができ、ロール状に巻き取ることができる。
前記プラスチック基材としては、シート状やフィルム状に形成できるものであれば特に限定されるものでなく、たとえば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−1−ブテン、ポリ−4−メチル−1−ペンテン、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・1−ブテン共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・エチルアクリレート共重合体、エチレン・ビニルアルコール共重合体などのポリオレフィンフィルム、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステルフィルム、ポリアクリレートフィルム、ポリスチレンフィルム、ナイロン6、ナイロン6,6、部分芳香族ポリアミドなどのポリアミドフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリカーボネートフィルムなどがあげられる。
本発明の粘着シート類は必要に応じて粘着面を保護する目的で粘着剤表面にセパレーターを貼り合わせることが可能である。セパレーターを構成する材料としては紙やプラスチックフィルムがあるが、表面平滑性に優れる点からプラスチックフィルムが好適に用いられる。そのフィルムとしては、前記粘着剤層を保護し得るフィルムであれば特に限定されず、たとえば、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリブテンフィルム、ポリブタジエンフィルム、ポリメチルペンテンフイルム、ポリ塩化ビニルフィルム、塩化ビニル共重合体フィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリブチレンテレフタレートフィルム、ポリウレタンフィルム、エチレン−酢酸ビニル共重合体フィルムなどがあげられる。
前記セパレーターの厚みは、通常5〜200μm、好ましくは10〜100μm程度である。前記セパレーターには、必要に応じて、シリコーン系、フッ素系、長鎖アルキル系もしくは脂肪酸アミド系の離型剤、シリカ粉等による離型および防汚処理や、塗布型、練り込み型、蒸着型などの帯電防止処理もすることもできる。
本発明を用いた粘着剤組成物、ならびに粘着シート類は、特に静電気が発生しやすいプラスチック製品などに用いられる。このため、特に、静電気の帯電や汚染が特に深刻な問題となる光学・電子部品関連の技術分野における帯電防止性表面保護フィルムとして非常に有用となる。
以下、本発明の構成と効果を具体的に示す実施例等について説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例等における評価項目は下記のようにして測定を行った。
<アクリル系共重合体の重量平均分子量の測定>
作製したポリマーの重量平均分子量は、GPC(ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー)により測定した。
装置:東ソー社製、HLC−8220GPC
カラム:
サンプルカラム;東ソー社製、TSKguardcolumn Super HZ−H(1本)+TSKgel Super HZM−H(2本)
リファレンスカラム;東ソー社製、TSKgel Super H−RC(1本)
流量:0.6ml/min
注入量:10μl
カラム温度:40℃
溶離液:THF
注入試料濃度:0.2重量%
検出器:示差屈折計
なお、重量平均分子量はポリスチレン換算により算出した。
<ガラス転移温度(Tg)の測定>
ガラス転移温度Tg(℃)は、各モノマーによるホモポリマーのガラス転移温度Tg(℃)として下記の文献値を用い、下記の式により求めた。
式:1/(Tg+273)=Σ[W/(Tg+273)]
(式中、Tg(℃)は共重合体のガラス転移温度、W(−)は各モノマーの重量分率、Tg(℃)は各モノマーによるホモポリマーのガラス転移温度、nは各モノマーの種類を表す。)
2−エチルヘキシルアクリレート:−70℃
2−ヒドロキシエチルアクリレート:−15℃
ブチルアクリレート:−55℃
エトキシ−ジエチレングリコールアクリレート:−70℃
メトキシ−ジプロピレングリコールアクリレート:−40℃(動的粘弾性測定により決定)
アクリル酸:106℃
なお、文献値として「アクリル樹脂の合成・設計と新用途開発」(中央経営開発センター出版部発行)を参照した。
<動的粘弾性測定>
厚さ25μmの粘着シートを折りたたんで約2mmの厚さとし、これをφ7.9mmに打ち抜くことにより、円柱状のペレットを作製してガラス転移温度(Tg)測定用サンプルとした。動的粘弾性装置を用いてこのサンプルの損失弾性率G’’の温度依存性を測定し、得られたG’’カーブが極大となる温度をガラス転移温度(Tg)とした。
装置:レオメトリックス社製、ARES
測定モード:せん断モード
温度範囲:−70℃〜200℃
昇温速度:5℃/min
周波数:1Hz。
<酸価の測定>
酸価は、自動滴定装置(平沼産業社製、COM−550)を用いて測定を行い、下記式より求めた。
A={(Y−X)×f×5.611}/M
A;酸価
Y;サンプル溶液の滴定量(ml)
X;混合溶媒50gのみの溶液の滴定量(ml)
f;滴定溶液のファクター
M;ポリマーサンプルの重量(g)
なお、測定条件は下記の通りである。
サンプル溶液:ポリマーサンプル約0.5gを混合溶媒(重量比:トルエン/2−プロパノール/蒸留水=50/49.5/0.5)50gに溶解してサンプル溶液とした。
滴定溶液:2−プロパノール性水酸化カリウム溶液(0.1N、和光純薬工業社製、石油製品中和価試験用)
電極:ガラス電極;GE−101、比較電極;RE−201
測定モード:石油製品中和価試験1。
<剥離帯電圧の測定>
粘着シートを幅70mm、長さ130mmのサイズにカットし、セパレーターを剥離した後、あらかじめ除電しておいた厚み1mm、幅70mm、長さ100mmのアクリル板に貼り合わせた偏光板(日東電工社製、SEG1425EWVAGS2B、サイズ:幅70mm、長さ100mm)表面に片方の端部が30mmはみ出すようにハンドローラーにて圧着した。23℃×50%RHの環境下に一日放置した後、下記に示すように所定の位置にサンプルをセットした。30mmはみ出した片方の端部を自動巻取り機に固定し、剥離角度150°、剥離速度10m/minとなるように剥離した。剥離した粘着シートをサンプル固定台に設置し、粘着剤表面の電位を、所定の位置に固定してある電位測定機(春日電機社製、KSD−0103)にて測定した。測定は、23℃×50%RHの環境下で行った。
<汚染性の評価>
厚み90μmのトリアセチルセルロースフィルム(富士写真フィルム社製、フジタック)を幅70mm、長さ100mmにカットし、60℃の水酸化ナトリウム水溶液(10重量%)に1分間浸漬した後、蒸留水にて洗浄し被着体を作製した。作製した粘着シートを、幅50mm、長さ80mmのサイズにカットし、セパレーターを剥離した後、上記被着体(蒸留水にて洗浄後、23℃×50%RHの環境下に一日放置したものを使用)に0.25MPaの圧力でラミネートし、評価サンプルを作製した。評価サンプルを23℃×50%RHの環境下に一日放置した後、粘着シートを被着体から手で剥離し、その際の被着体表面の汚染状態を目視にて観察した。評価基準は以下のとおりである。
汚染が認められなかった場合:○
汚染が認められた場合:×。
<浮きの発生の評価>
偏光板(日東電工社製、SEG1425EWVAGS2B)に粘着シートを0.25MPaの圧力でラミネートしたサンプルを幅30mm、長さ30mmのサイズにカットし、偏光板側に貼り合せられているセパレーターを剥離した後、厚み1.3mm、幅65mm、長さ165mmのスライドグラス(松浪硝子工業社製、水縁磨)にハンドローラーにて圧着し評価サンプルとした。評価サンプルを23℃の環境下に一日放置した後、50℃×5atmの環境で40分間オートクレープ処理を行った。その後80℃の環境で2時間放置した後、偏光板から粘着シートが浮いているかどうかを目視にて確認した。評価基準は以下のとおりである。
浮きの発生が認められなかった場合:○
浮きの発生が認められた場合:×。
<粘着力の測定>
厚み90μmのトリアセチルセルロースフィルム(富士写真フィルム社製、フジタック)を幅70mm、長さ100mmにカットし、60℃の水酸化ナトリウム水溶液(10重量%)に1分間浸漬した後、蒸留水にて洗浄し被保護体を作製した。上記被保護体を23℃×50%RHの環境下で1日放置した後、幅20mm、長さ100mmのサイズにカットした粘着シートを0.25MPaの圧力でラミネートし、評価サンプルを作製した。ラミネート後30分間放置した後、万能引張試験機にて剥離速度10m/分剥離角度180°で剥離したときの粘着力を測定した。測定は23℃×50%RHの環境下で行った。
<(メタ)アクリル系共重合体の調製>
〔アクリル系共重合体(A)〕
攪拌羽根、温度計、窒素ガス導入管、冷却器、滴下ロートを備えた四つ口フラスコに2−エチルヘキシルアクリレート140重量部、エトキシ−ジエチレングリコールアクリレート60重量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート8重量部、重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.4重量部、トルエン94重量部、酢酸エチル218重量部を仕込み、緩やかに攪拌しながら窒素ガスを導入し、フラスコ内の液温を65℃付近に保って約6時間重合反応を行い、アクリル系共重合体(A)溶液(40重量%)を調製した。前記アクリル系共重合体(A)の重量平均分子量は50万、ガラス転移温度(Tg)は−68℃、酸価は0であった。
〔アクリル系共重合体(B)〕
攪拌羽根、温度計、窒素ガス導入管、冷却器、滴下ロートを備えた四つ口フラスコにエトキシ−ジエチレングリコールアクリレート200重量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート12重量部、重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.4重量部、トルエン197重量部、酢酸エチル197重量部を仕込み、緩やかに攪拌しながら窒素ガスを導入し、フラスコ内の液温を65℃付近に保って約6時間重合反応を行い、アクリル系共重合体(B)溶液(35重量%)を調製した。前記アクリル系共重合体(B)の重量平均分子量は43万、ガラス転移温度(Tg)は−68℃、酸価は0であった。
〔アクリル系共重合体(C)〕
攪拌羽根、温度計、窒素ガス導入管、冷却器、滴下ロートを備えた四つ口フラスコに2−エチルヘキシルアクリレート140重量部、メトキシ−ジプロピレングリコールアクリレート60重量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート8重量部、重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.4重量部、トルエン47重量部、酢酸エチル265重量部を仕込み、緩やかに攪拌しながら窒素ガスを導入し、フラスコ内の液温を65℃付近に保って約6時間重合反応を行い、アクリル系共重合体(C)溶液(40重量%)を調製した。前記アクリル系共重合体(C)の重量平均分子量は49万、ガラス転移温度(Tg)は−60℃、酸価は0であった。
〔アクリル系共重合体(D)〕
攪拌羽根、温度計、窒素ガス導入管、冷却器、滴下ロートを備えた四つ口フラスコに2−エチルヘキシルアクリレート140重量部、エトキシ−ジエチレングリコールアクリレート60重量部、アクリル酸4重量部、重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.4重量部、トルエン94重量部、酢酸エチル218重量部を仕込み、緩やかに攪拌しながら窒素ガスを導入し、フラスコ内の液温を65℃付近に保って約6時間重合反応を行い、アクリル系共重合体(D)溶液(40重量%)を調製した。前記アクリル系共重合体(D)の重量平均分子量は50万、ガラス転移温度(Tg)は−68℃、酸価は15であった。
〔アクリル系共重合体(E)〕
攪拌羽根、温度計、窒素ガス導入管、冷却器、滴下ロートを備えた四つ口フラスコにブチルアクリレート140重量部、エトキシ−ジエチレングリコールアクリレート60重量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート8重量部、重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.4重量部、トルエン94重量部、酢酸エチル218重量部を仕込み、緩やかに攪拌しながら窒素ガスを導入し、フラスコ内の液温を65℃付近に保って約6時間重合反応を行い、アクリル系共重合体(E)溶液(40重量%)を調製した。前記アクリル系共重合体(E)の重量平均分子量は54万、ガラス転移温度(Tg)は−58℃、酸価は0であった。
〔アクリル系共重合体(F)〕
攪拌羽根、温度計、窒素ガス導入管、冷却器、滴下ロートを備えた四つ口フラスコに2−エチルヘキシルアクリレート140重量部、エトキシ−ジエチレングリコールアクリレート60重量部、重合開始剤としてベンジルジメチルケタール(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、イルガキュア651)0.2重量部を仕込み、緩やかに攪拌しながら窒素ガスを導入し、高圧水銀灯(東芝ライテック社製、SHL−100UVQ−2)による紫外線照射を約3分間重合反応を行い、重合率10%の部分重合物(シロップ)であるアクリル系共重合体(F)溶液(100重量%)を調製した。前記アクリル系共重合体(F)の重量平均分子量は220万、ガラス転移温度(Tg)は−70℃、酸価は0であった。
〔アクリル系共重合体(G)〕
攪拌羽根、温度計、窒素ガス導入管、冷却器、滴下ロートを備えた四つ口フラスコに2−エチルヘキシルアクリレート140重量部、エトキシ−ジエチレングリコールアクリレート60重量部、アクリル酸8重量部、重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.4重量部、トルエン94重量部、酢酸エチル218重量部を仕込み、緩やかに攪拌しながら窒素ガスを導入し、フラスコ内の液温を65℃付近に保って約6時間重合反応を行い、アクリル系共重合体(G)溶液(40重量%)を調製した。前記アクリル系共重合体(G)の重量平均分子量は51万、ガラス転移温度(Tg)は−66℃、酸価は30であった。
〔アクリル系共重合体(H)〕
攪拌羽根、温度計、窒素ガス導入管、冷却器、滴下ロートを備えた四つ口フラスコに2−エチルヘキシルアクリレート180重量部、エトキシ−ジエチレングリコールアクリレート20重量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート8重量部、重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.4重量部、トルエン47重量部、酢酸エチル265重量部を仕込み、緩やかに攪拌しながら窒素ガスを導入し、フラスコ内の液温を65℃付近に保って約6時間重合反応を行い、アクリル系共重合体(H)溶液(40重量%)を調製した。前記アクリル系共重合体(H)の重量平均分子量は50万、ガラス転移温度(Tg)は−68℃、酸価は0であった。
〔アクリル系共重合体(I)〕
攪拌羽根、温度計、窒素ガス導入管、冷却器、滴下ロートを備えた四つ口フラスコに2−エチルヘキシルアクリレート200重量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート8重量部、重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.4重量部、酢酸エチル312重量部を仕込み、緩やかに攪拌しながら窒素ガスを導入し、フラスコ内の液温を65℃付近に保って約6時間重合反応を行い、アクリル系共重合体(I)溶液(40重量%)を調製した。前記アクリル系共重合体(I)の重量平均分子量は54万、ガラス転移温度(Tg)は−68℃、酸価は0であった。
<帯電防止剤溶液の調製>
〔帯電防止剤溶液(a)〕
攪拌羽根、温度計、冷却器、滴下ロートを備えた四つ口フラスコに過塩素酸リチウム5重量部、酢酸エチル20重量部を仕込み、フラスコ内の液温を25℃付近に保って約2時間混合撹拌を行い、帯電防止剤溶液(a)(20重量%)を調製した。
〔帯電防止剤溶液(b)〕
攪拌羽根、温度計、冷却器、滴下ロートを備えた四つ口フラスコにヨウ化リチウム5重量部、酢酸エチル20重量部を仕込み、フラスコ内の液温を25℃付近に保って約2時間混合撹拌を行い、帯電防止剤溶液(b)(20重量%)を調製した。
〔帯電防止剤溶液(c)〕
攪拌羽根、温度計、冷却器、滴下ロートを備えた四つ口フラスコにヨウ化リチウム0.5重量部、ポリプロピレングリコール(ジオール型、数平均分子量2000)9.5重量部、酢酸エチル10重量部を仕込み、フラスコ内の液温を80℃付近に保って約2時間混合撹拌を行い、帯電防止剤溶液(c)(50重量%)を調製した。
〔帯電防止剤溶液(d)〕
攪拌羽根、温度計、冷却器、滴下ロートを備えた四つ口フラスコに過塩素酸リチウム0.2重量部、ポリプロピレングリコール(ジオール型、数平均分子量2000)9.8重量部、酢酸エチル10重量部を仕込み、フラスコ内の液温を80℃付近に保って約2時間混合撹拌を行い、帯電防止剤溶液(d)(50重量%)を調製した。
<実施例1>
〔粘着剤溶液の調製〕
上記アクリル系共重合体(A)溶液(40重量%)を酢酸エチルで20重量%に希釈し、この溶液100重量部に上記帯電防止剤溶液(a)1.0重量部、架橋剤としてトリメチロールプロパン/トリレンジイソシアネート3量体付加物(日本ポリウレタン工業社製、コロネートL、75重量%酢酸エチル溶液)1.1重量部、架橋触媒としてジラウリン酸ジブチルスズ(1重量%酢酸エチル溶液)0.6重量部を加えて混合撹拌し、アクリル系粘着剤溶液(1)を調製した。
〔粘着シートの作製〕
上記アクリル系粘着剤溶液(1)を、帯電防止処理がなされていないポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ38μm)の片面に塗布し、110℃で3分間加熱して、厚さ20μmの粘着剤層を形成した。次いで、前記粘着剤層の表面に、片面にシリコーン処理を施したポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ25μm)のシリコーン処理面を貼合せ、粘着シートを作製した。
<実施例2>
〔粘着剤溶液の調製〕
上記帯電防止剤溶液(a)1.0重量部に代えて、上記帯電防止剤溶液(b)0.7重量部を用いた以外は、実施例1と同様の方法によりアクリル系粘着剤溶液(2)を調製した。
〔粘着シートの作製〕
上記アクリル系粘着剤溶液(1)に代えて、上記アクリル系粘着剤溶液(2)を用いた以外は、実施例1と同様の方法により粘着シートを作製した。
<実施例3>
〔粘着剤溶液の調製〕
上記アクリル系共重合体(A)溶液に代えて、上記アクリル系共重合体(B)溶液を用いた以外は、実施例2と同様の方法によりアクリル系粘着剤溶液(3)を調製した。
〔粘着シートの作製〕
上記アクリル系粘着剤溶液(1)に代えて、上記アクリル系粘着剤溶液(3)を用いた以外は、実施例1と同様の方法により粘着シートを作製した。
<実施例4>
〔粘着剤溶液の調製〕
上記アクリル系共重合体(A)溶液に代えて、上記アクリル系共重合体(C)溶液を用いた以外は、実施例1と同様の方法によりアクリル系粘着剤溶液(4)を調製した。
〔粘着シートの作製〕
上記アクリル系粘着剤溶液(1)に代えて、上記アクリル系粘着剤溶液(4)を用いた以外は、実施例1と同様の方法により粘着シートを作製した。
<実施例5>
〔粘着剤溶液の調製〕
上記アクリル系共重合体(D)溶液(40重量%)を酢酸エチルで20重量%に希釈し、この溶液100重量部に上記帯電防止剤溶液(a)1.0重量部、架橋剤として1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン(三菱瓦斯化学社製、TETRAD−C)0.8重量部を加えて混合撹拌し、アクリル系粘着剤溶液(5)を調製した。
〔粘着シートの作製〕
上記アクリル系粘着剤溶液(1)に代えて、上記アクリル系粘着剤溶液(5)を用いた以外は、実施例1と同様の方法により粘着シートを作製した。
<実施例6>
〔粘着剤溶液の調製〕
上記アクリル系共重合体(A)溶液に代えて、上記アクリル系共重合体(E)溶液を用いた以外は、実施例1と同様の方法によりアクリル系粘着剤溶液(6)を調製した。
〔粘着シートの作製〕
上記アクリル系粘着剤溶液(1)に代えて、上記アクリル系粘着剤溶液(6)を用いた以外は、実施例1と同様の方法により粘着シートを作製した。
<実施例7>
〔粘着剤溶液の調製〕
上記アクリル系共重合体(F)溶液(100重量%)100重量部に、ヨウ化リチウム0.2重量部、多官能モノマーとしてトリメチロールプロパントリアクリレート1.0重量部、重合開始剤としてベンジルジメチルケタール(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、イルガキュア651)0.1重量部を加えて25℃付近に保って約2時間混合撹拌を行い、アクリル系粘着剤溶液(7)を調製した。
〔粘着シートの作製〕
上記アクリル系粘着剤溶液(7)を、帯電防止処理がなされていないポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ38μm)の片面に塗布し、厚さ20μmの粘着剤層を形成した。次いで、前記粘着剤層の表面に、片面にシリコーン処理を施したポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ25μm)のシリコーン処理面を貼合せた。このフィルムシートを、高圧水銀灯(ウシオ電機社製、UVL−4000−N)にて紫外線照射(照度37mW/cm、光量660mJ/cm)を行うことにより粘着シートを作製した。
<実施例8>
〔粘着剤溶液の調製〕
上記アクリル系共重合体(D)溶液に代えて、上記アクリル系共重合体(G)溶液を用いた以外は、実施例5と同様の方法によりアクリル系粘着剤溶液(8)を調製した。
〔粘着シートの作製〕
上記アクリル系粘着剤溶液(1)に代えて、上記アクリル系粘着剤溶液(8)を用いた以外は、実施例1と同様の方法により粘着シートを作製した。
<比較例1>
〔粘着剤溶液の調製〕
上記アクリル系共重合体(A)溶液に代えて、上記アクリル系共重合体(H)溶液を用いた以外は、実施例1と同様の方法によりアクリル系粘着剤溶液(9)を調製した。
〔粘着シートの作製〕
上記アクリル系粘着剤溶液(1)に代えて、上記アクリル系粘着剤溶液(9)を用いた以外は、実施例1と同様の方法により粘着シートを作製した。
<比較例2>
〔粘着剤溶液の調製〕
上記アクリル系共重合体(A)溶液に代えて、上記アクリル系粘着剤溶液(I)を用い、上記帯電防止剤溶液(a)1.0重量部に代えて、上記帯電防止剤溶液(c)4.0重量部を用いた以外は、実施例1と同様の方法によりアクリル系粘着剤溶液(10)を調製した。
〔粘着シートの作製〕
上記アクリル系粘着剤溶液(1)に代えて、上記アクリル系粘着剤溶液(10)を用いた以外は、実施例1と同様の方法により粘着シートを作製した。
<比較例3>
〔粘着剤溶液の調製〕
上記アクリル系共重合体(A)溶液に代えて、上記アクリル系共重合体(I)溶液を用い、上記帯電防止剤溶液(a)1.0重量部に代えて、上記帯電防止剤溶液(d)4.0重量部を用いた以外は、実施例1と同様の方法によりアクリル系粘着剤溶液(11)を調製した。
〔粘着シートの作製〕
上記アクリル系粘着剤溶液(1)に代えて、上記アクリル系粘着剤溶液(11)を用いた以外は、実施例1と同様の方法により粘着シートを作製した。
<比較例4>
〔粘着剤溶液の調製〕
上記アクリル系共重合体(A)溶液に代えて、上記アクリル系共重合体(I)溶液を用い、上記帯電防止剤溶液(a)1.0重量部に代えて、アニオン系界面活性剤であるジアルキルコハク酸エステルソーダ塩(第一工業製薬社製)2.0重量部を用いた以外は、実施例1と同様の方法によりアクリル系粘着剤溶液(12)を調製した。
〔粘着シートの作製〕
上記アクリル系粘着剤溶液(1)に代えて、上記アクリル系粘着剤溶液(12)を用いた以外は、実施例1と同様の方法により粘着シートを作製した。
<比較例5>
〔粘着剤溶液の調製〕
上記帯電防止剤溶液(a)1.0重量部を用いないこと以外は、実施例1と同様の方法によりアクリル系粘着剤溶液(13)を調製した。
〔粘着シートの作製〕
上記アクリル系粘着剤溶液(1)に代えて、上記アクリル系粘着剤溶液(13)を用いた以外は、実施例1と同様の方法により粘着シートを作製した。
上記方法に従い、作製した粘着シートの剥離帯電圧測定、汚染性、浮きの発生、および粘着力の評価を行った。得られた結果を表1に示す。
上記表1の結果より、本発明によって作製された(メタ)アクリル酸アルキレンオキサイド付加物を有するアクリル系共重合体を含む粘着剤組成物を用いた場合(実施例1〜8)、いずれの実施例においても、接着信頼性に優れるとともに、剥離帯電圧が低い値に抑制され、偏光板への汚染、ならびに浮きの発生もないことがわかる。
これに対して、(メタ)アクリル酸アルキレンオキサイド付加物を(メタ)アクリル系(共)重合体の構成単位中10重量%しか含有していない比較例1、(メタ)アクリル酸アルキレンオキサイド付加物を含有していない比較例2〜3、および帯電防止剤としてアニオン系界面活性剤を含有している比較例4のいずれにおいても、剥離帯電圧は低く抑えられているものの、偏光板への汚染の発生が認められた。また、(メタ)アクリル酸アルキレンオキサイド付加物を含有しているがアルカリ金属塩を含有していない比較例5では、偏光板への汚染は認められないものの、剥離帯電圧が0.5kV以上の高い結果となった。さらには、比較例2〜4のいずれにおいても浮きの発生が認められた。したがって、比較例ではいずれも、剥離帯電圧の抑制、偏光板への汚染、ならびに浮きの発生の抑制を並立することができない結果となり、帯電防止性粘着シート用の粘着剤組成物には適さないことが明らかとなった。
よって、本発明の粘着剤組成物は、剥離した際の帯電防止性に優れるとともに、被保護体への汚染性が低減された、接着信頼性の高い粘着剤組成物であることが確認できた。

Claims (5)

  1. (メタ)アクリル酸アルキレンオキサイド付加物15重量%以上、前記以外の炭素数1〜14であるアルキル基を有する(メタ)アクリル系モノマー85重量%以下、およびその他の重合性モノマー85重量%以下を単量体成分とする(メタ)アクリル系(共)重合体、リチウム塩、及び架橋剤を含有してなり、
    前記その他の重合性モノマーが、カルボキシル基含有モノマー、酸無水物基含有モノマー、ヒドロキシル基含有モノマー、アミド基含有モノマー、アミノ基含有モノマー、エポキシ基含有モノマー、N−アクリロイルモルホリン、ビニルエーテルモノマーのいずれか単独又は2種以上であり、
    前記リチウム塩が、LiBr、LiI、LiBF、LiPF、LiSCN、LiCFSO、Li(CFSON、Li(CSON、及び、Li(CFSOCからなる群より選択される少なくとも一種であり、
    前記架橋剤がイソシアネート化合物であり、
    前記(メタ)アクリル系(共)重合体の酸価が、29以下であり、
    前記(メタ)アクリル系(共)重合体の重量平均分子量が、43万以上であり、
    前記(メタ)アクリル系(共)重合体100重量部に対して、前記リチウム塩を0.01〜1重量部、及び、前記イソシアネート化合物を0.01〜4.125重量部含有することを特徴とする粘着剤組成物。
  2. 前記(メタ)アクリル系(共)重合体の重量平均分子量が、300万以下であることを特徴とする請求項1に記載の粘着剤組成物。
  3. 請求項1又は2に記載の粘着剤組成物を架橋してなる粘着剤層。
  4. 請求項1又は2に記載の粘着剤組成物を架橋してなる粘着剤層を支持フィルム上の片面または両面に形成してなることを特徴とする粘着シート類。
  5. 請求項に記載の粘着シート類を光学部材表面用に用いることを特徴とする表面保護フィルム。
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