JP2020100751A - レーザーマーキング用樹脂組成物、およびレーザーマーキング用シート - Google Patents

レーザーマーキング用樹脂組成物、およびレーザーマーキング用シート Download PDF

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Abstract

【課題】レーザー光線により、プラスチックシート表面に、損傷なくマーキングすることが可能なレーザーマーキング用樹脂組成物、さらにこれをシート成形してなるレーザーマーキング用シートを得る。【解決手段】(A)熱可塑性樹脂100重量部に対し、(B)カーボンブラック、チタンブラック、金属酸化物、金属窒化物、および金属硫化物の群から選ばれた少なくとも1種のレーザー光エネルギー吸収剤(ただし、下記(C)〜(D)成分を除く)0.0005〜0.1重量部、(C)アンチモンドープ酸化スズ(ATO)、スズドープ酸化インジウム(ITO)、フッ素ドープ酸化スズ(FTO)、アルミニウムドープ酸化亜鉛(AZO)、ガリウムドープ酸化亜鉛(GZO)、スズドープ酸化亜鉛、およびケイ素ドープ酸化亜鉛、の群から選ばれた少なくとも1種の複合金属酸化物0.05〜1.5重量部、ならびに(D)ケイ酸塩鉱物0.05〜1.5重量部を配合してなる、レーザーマーキング用樹脂組成物、ならびにこの樹脂組成物をシート成形してなるレーザーマーキング用シート。【選択図】なし

Description

本発明は、レーザー光線により、プラスチックシート表面に、損傷なくマーキングすることが可能なレーザーマーキング用樹脂組成物、さらにこれをシート成形してなるレーザーマーキング用シートに関する。
近年、インキを使用しない印刷方法として、IDカード、タグカード、クレジットカード、表示板、認証プレート、キャッシュカード、ETCカードなどで広く用いられているプラスチックシート中にレーザー光エネルギー吸収剤を含有させて、このシートにレーザー光線を照射してプラスチック成形品に印刷するレーザーマーキング法が種々提案されている。そして、このレーザー光エネルギー吸収剤としては、例えばカーボンブラック、チタンブラック、金属窒化物、金属硫化物などが用いられている(特許文献1)。
しかしながら、これまでのレーザー光エネルギー吸収剤をプラスチックシートに適用すると、種々の問題点が発生する。例えば、レーザー光線のエネルギー吸収剤のレーザーマーキングの条件によっては、マーキング時に発生するガスにより透明表皮層が膨れたり、損傷したりする問題がある。また、樹脂の種類によっては、耐熱性について多少の問題が生ずる場合もある。
特開2010−194757号公報
本発明は、IDカード、タグカード、クレジットカード、表示板、認証プレート、キャッシュカード、ETCカードなどで広く用いられているプラスチック製シートに、外観の損傷や発泡がなく、コントラストが良好で、表面平滑性の優れたレーザーマーキングができ、しかも耐熱性に優れる、レーザーマーキング用樹脂組成物、さらにこれを用いたレーザーマーキング用シート提供することにある。
本発明は、以下の請求項1〜10により構成される。
<請求項1>
(A)熱可塑性樹脂100重量部に対し、(B)カーボンブラック、チタンブラック、金属酸化物、金属窒化物、および金属硫化物の群から選ばれた少なくとも1種のレーザー光エネルギー吸収剤(ただし、下記(C)〜(D)成分を除く)0.0005〜0.1重量部、(C)アンチモンドープ酸化スズ(ATO)、スズドープ酸化インジウム(ITO)、フッ素ドープ酸化スズ(FTO)、アルミニウムドープ酸化亜鉛(AZO)、ガリウムドープ酸化亜鉛(GZO)、スズドープ酸化亜鉛、およびケイ素ドープ酸化亜鉛の群から選ばれた少なくとも1種の複合金属酸化物0.05〜1.5重量部、ならびに(D)ケイ酸塩鉱物0.05〜1.5重量部を配合してなる、レーザーマーキング用樹脂組成物。
<請求項2>
(A)熱可塑性樹脂が、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリスチレン、AS樹脂、ABS樹脂、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリエステル、ポリ乳酸樹脂、セルロース系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリオキシメチレン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、およびアクリル樹脂の群から選ばれた少なくとも1種である、請求項1記載のレーザーマーキング用樹脂組成物。
<請求項3>
(B)レーザー光エネルギー吸収剤がカーボンブラックである請求項1または2記載のレーザーマーキング用樹脂組成物。
<請求項4>
(C)複合金属酸化物が、アンチモンドープ酸化スズ(ATO)、および/またはスズドープ酸化インジウム(ITO)である、請求項1〜3いずれかに記載のレーザーマーキング用樹脂組成物。
<請求項5>
(D)ケイ酸塩鉱物が雲母である、請求項1〜4いずれかに記載のレーザーマーキング用樹脂組成物。
<請求項6>
請求項1〜5いずれかに記載のレーザーマーキング用樹脂組成物を、カレンダー加工もしくは溶融押し出ししてなる、レーザーマーキング用シート。
<請求項7>
請求項6記載のレーザーマーキング用シートの少なくとも一面に、請求項1記載の(A)熱可塑性樹脂からなるシートを積層してなる、複層レーザーマーキング用シート。
<請求項8>
請求項1記載の(A)熱可塑性樹脂からなるシートの少なくとも一面に、請求項6記載のレーザーマーキング用シートを積層してなる、複層レーザーマーキング用シート。
<請求項9>
請求項1記載の(A)熱可塑性樹脂と、請求項1〜5いずれかに記載のレーザーマーキング用樹脂組成物とを、溶融共押し出しする、請求項7または8に記載の複層レーザーマーキング用シートの製造方法。
<請求項10>
請求項1記載の(A)熱可塑性樹脂からなるシートと、請求項1〜5いずれかに記載のレーザーマーキング用樹脂組成物からなるシートとを、プレス成形することを特徴とする、請求項7または8に記載の複層レーザーマーキング用シートの製造方法。
本発明によれば、IDカード、タグカード、クレジットカード、表示板、認証プレート、キャッシュカード、ETCカードなどで広く用いられているプラスチック製シートに、外観の損傷や発泡がなく、コントラストが良好で、表面平滑性の優れたレーザーマーキングができ、しかも耐熱性に優れる、レーザーマーキング用樹脂組成物、さらにこれを用いたレーザーマーキング用シート提供することができる。
本発明のレーザーマーキング用樹脂組成物は、(A)熱可塑性樹脂に、3成分系の、(B)レーザー光エネルギー吸収剤、(C)複合金属酸化物、および(D)ケイ酸塩鉱物を配合することにより、外観の損傷や発泡がなく、コントラストが良好で、表面平滑性の優れたレーザーマーキングができ、しかも耐熱性に優れる、レーザーマーキング用樹脂組成物、さらにこれを用いたレーザーマーキング用シート提供することができる。
以下、(A)熱可塑性樹脂、(B)レーザー光エネルギー吸収剤、(C)複合金属酸化物、(D)ケイ酸塩鉱物について説明する。
(A)熱可塑性樹脂
(A)熱可塑性樹脂としては、シート形成可能な熱可塑性樹脂であれば特に限定されないが、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリスチレン、AS樹脂、ABS樹脂、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリエステル、ポリ乳酸樹脂、セルロース系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリオキシメチレン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、アクリル樹脂などが挙げられる。
なかでも、ポリカーボネート、耐熱PETG〔ポリカーボネート/PETG(シクロヘキサンジメタノール共縮合PET)ポリマーアロイ〕、塩化ビニル系樹脂などが好ましい。
特に、塩化ビニル系樹脂(PVC)は、耐熱PETGよりも、熱融着温度が低いため、プレス成形性がよく(プレス設備が簡易で、印刷割れが少ない)、またPVCカードは、二次加工(印刷、抜き加工、昇華転写印刷、エンボス)がよいという利点がある
ここで、上記塩化ビニル系樹脂としては、その種類は特に限定されず、例えば塩化ビニルの単独重合体、酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体、エチレン−塩化ビニル共重合体、プロピレン−塩化ビニル共重合体、塩素化塩化ビニル共重合体、架橋塩化ビニル共重合体等を使用でき、これらは単独でも2種以上の混合物でも使用できる。
なお、塩化ビニル系樹脂には、合成ゴムおよびスチレン系樹脂から選択される1種または2種以上の改質剤を含有させることが望ましい。これにより密着性を阻害することなくカードとしての機械的強度を大幅に向上させることができる。この改質剤の含有量は、上記塩化ビニル系樹脂100重量部に対して2〜50重量部とするのが好ましい。2重量部未満では十分な機械的強度の向上が期待できないし、一方50重量部を超えると、前記好適含有量で得られる強度よりも低下してしまうのみならず、徒にコストを増大させるだけであるので好ましくない。中でも、2〜15重量部とするのがより好ましい。
上記合成ゴムとしては、特に限定されるものではないが、例えばEPR(エチレン−プロピレンゴム)、BR(ブタジエンゴム)、SBR(スチレン−ブタジエンゴム)、NBR(アクリロニトリル−ブタジエンゴム)、アクリル系ゴム、シリコン系ゴム、フッ素系ゴム等が挙げられる。
上記スチレン系樹脂としては、特に限定されるものではないが、例えばABS樹脂(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体)、MBS(メタクリル酸メチル−ブタジエン−スチレン共重合体)、AAS(アクリルゴム−アクリロニトリル−スチレン共重合体)、ACS樹脂(アクリロニトリル−塩素化ポリエチレン−スチレン共重合体)等が挙げられる。
中でも、上記改質剤としては、MBS樹脂、ABS樹脂を用いるのがより好ましく、この場合には少ない添加量でより一層機械的強度を向上させることができる。
なお、塩化ビニル系樹脂には、安定剤を配合することができる。
上記安定剤としては、鉛系安定剤、錫系安定剤、カルシウムや亜鉛等の石鹸系安定剤等が挙げられるが、中でも錫系安定剤のマレート系、メルカプタイド系を用いるのが好ましい。
上記の安定剤は、塩化ビニル系樹脂100重量部に対して0.5〜5重量部の含有量とする必要がある。0.5重量部未満では樹脂の安定化効果が十分に得られずシート状に加工するのが困難となる。一方、5重量部を超えると強度等の物性が低下する上に、添加量の増加に見合う安定化効果の向上が期待できず単にコスト増大を招来するだけである。中でも、塩化ビニル系樹脂100重量部に対して1〜3重量部の含有量とするのが好ましい。
上記塩化ビニル系樹脂中には、そのほか可塑剤、顔料、充填剤(炭酸カルシウム、タルクなど)、帯電防止剤、滑剤、難燃剤、耐衝撃向上剤、紫外線吸収剤等の各種添加剤を必要に応じて適宜配合できる。とりわけ、顔料は隠蔽性を付与するために配合されることが多いが、特に白色顔料が好適に用いられ、その中でも安価でかつ隠蔽性に優れた酸化チタンがより好適である。この顔料の配合量は、塩化ビニル系樹脂100重量部に対して1〜20重量部とするのが好ましい。1重量部未満では十分な隠蔽性を確保できないので好ましくないし、一方20重量部を超えて配合してもそれに見合う隠蔽性向上は期待できず、コスト高になる上に、機械的特性も低下するので好ましくない。中でも、5〜15重量部とするのがより好ましい。 さらに、上記塩化ビニル系樹脂中には、この発明の効果を阻害しない範囲で各種の重合体(合成樹脂)をブレンドすることもできる。
(B)レーザー光エネルギー吸収剤
(B)レーザー光エネルギー吸収剤としては、カーボンブラック、チタンブラック、金属酸化物、金属窒化物、および金属硫化物の群から選ばれた少なくとも1種が挙げられる。
ここで、カーボンブラック、チタンブラック、金属酸化物、金属硫化物、金属窒化物の平均粒子径は、10μm以下、好ましくは5μm以下がよい。10μmを超えるとシート表面にブツや凹凸が発生する。
ここで、平均粒子径とは、(B)レーザー光エネルギー吸収剤そのものを、JIS Z 8825レーザ回折解析法、JIS Z 8828 動的光散乱法、JIS Z 8815 ふるい分け試験法などの試験法で求めることができる値である。
さらに、(B)レーザー光エネルギー吸収剤が一次粒子の集合体から構成された材料である場合には、一次粒子径は20nm以上が好ましく、より好ましくは40nm以上である。一次粒子径が20nm未満だと着色力が高いくなるため、シートの色相が黒くなり、好ましくない。一次粒子の大きさは電子顕微鏡などで測定することができる。
ここで、一次粒子とは、水素結合やファンデルワールス力等の分子間相互力によって数万から百万以上の分子の会合体である単結晶粒子である。一次粒子は微小なため通常はその凝集体や融着体、若しくは該凝集体や融着体の凝集体として確認され、一次粒子の凝集体や融着体、若しくはこれらの凝集体の大きさがここでいう平均粒子径である。
カーボンブラックを例として示すと、カーボンブラックは最小構成単位であるアグリゲートと言われる一次粒子の融着体か、アグリゲートがさらに凝集したアグロメレートとして存在し、アグリゲートの大きさ若しくはアグロメレートの大きさがここでいう平均粒子径である。
金属酸化物としては、酸化物を形成する金属として、亜鉛、マグネシウム、アルミニウム、鉄、チタン、珪素、アンチモン、錫、銅、マンガン、コバルト、ビスマス、バナジウム、ニオブ、モリブデン、ルテニウム、タングステン、パラジウム、銀、白金などが挙げられる。
金属硫化物としては、硫化亜鉛、硫化カドミニウムなどが挙げられる。さらに、金属窒化物としては窒化チタンなどが挙げられる。
このように、レーザー光エネルギー吸収剤としては、カーボンブラック、チタンブラック及び金属酸化物が好適に用いられ、各々単独または併用して用いられる。
以上の(B)レーザー光エネルギー吸収剤の添加量は、(A)熱可塑性樹脂100重量部に対し、0.0005〜0.1重量部、好ましくは0.001〜0.05重量部である。0.0005重量部未満では、レーザー光エネルギーを受けても発色しない、一方0.1重量部を超えると、フィルムが黒くなり、カードの印刷物の鮮やかさが低下する。
(C)複合金属酸化物
(C)複合金属酸化物は、(B)レーザー光エネルギー吸収剤と組み合わせて使用することにより、レーザー光を効率良く発色させるという作用をなす。
詳細には、(B)レーザー光エネルギー吸収剤は、レーザー光で黒く発色するという性質に優れるが、材料自体が黒味を帯びているため、添加されたシート自体が黒くなるという欠点がある。一方、(C)複合金属酸化物は、(B)レーザー光エネルギー吸収剤に比べてシート自体を黒くする作用は小さいが、レーザー光による発色性に乏しい。
これら2種類の化合物を組み合わせることで、レーザー光による発色性(黒く発色する性質)に優れ、添加されたシートも黒色を帯びないものとすることができる。
(C)複合金属酸化物としては、アンチモンドープ酸化スズ(ATO)、スズドープ酸化インジウム(ITO)、フッ素ドープ酸化スズ(FTO)、アルミニウムドープ酸化亜鉛(AZO)、ガリウムドープ酸化亜鉛(GZO)、スズドープ酸化亜鉛、およびケイ素ドープ酸化亜鉛の群から選ばれた少なくとも1種が挙げられ、このうち、好ましくはアンチモンドープ酸化スズ(ATO)、スズドープ酸化インジウム(ITO)、さらに好ましくはアンチモンドープ酸化スズ(ATO)である。
アンチモンドープ酸化スズ(ATO)の具体例は、Nyacol Nano Technologies 社製のNYAOL SN903SDなどが挙げられる。
また、スズドープ酸化インジウム(ITO)の具体例としては、CIKナノテック社製の「ITO−R」などが挙げられる。
(C)複合金属酸化物は、(A)熱可塑性樹脂100重量部に対し、0.05〜1.5重量部、好ましくは0.1〜1重量部である。添加量が0.05重量部未満であると、(B)レーザー光エネルギー吸収剤と組み合わせても十分な発色を得られない場合があり、一方1.5重量部を超えるとレーザーの吸収力が強過ぎ、照射部にヤケおよびスジが起こり外観不良になりやすいことがある。
(D)ケイ酸塩鉱物
(D)ケイ酸塩鉱物は、本発明のレーザーマーキング用樹脂組成物において、レーザーマーキングの際に、照射部において発生するガスに起因する発泡を抑制するものである。
ここで、ケイ酸塩鉱物は、ケイ素原子は4個の酸素原子によって囲まれた四面体構造をとる。鉱物の種類によってこの四面体が連なる度合いは異なり、単独、対、クラスター、環状、鎖状、二本鎖状、層状、3次元網目状など多岐にわたる。ケイ酸塩鉱物はこのアニオン構造の違いによって分類される。
ここで、ケイ酸塩鉱物は、そのアニオン部分の構造によって、
ネソケイ酸塩鉱物(四面体単体)(かんらん石類、ザクロ石類など)、
ソロケイ酸塩鉱物(四面体2量体)(ベスブ石、緑簾石類など)、
サイクロケイ酸塩鉱物(環状)(緑柱石、電気石類など)、
イノケイ酸塩鉱物(単鎖状)(輝石類など)、
イノケイ酸塩鉱物(2本鎖状)(角閃石類など)、
フィロケイ酸塩鉱物(層状)(雲母類や粘土鉱物など)、
テクトケイ酸塩鉱物(3次元網目状)(石英、長石類、沸石類など)
などに分けられる。
本発明では、(D)ケイ酸塩鉱物が、主として発泡抑制剤として用いられることから、特に層状である雲母類が好ましい。
ここで、雲母類(マイカ)としては、マスコバイト、フロゴバイト、バイオタイト、セリサイト等の天然雲母のほか、弗素金雲母、弗素四珪素雲母等の合成雲母が挙げられる。
(D)ケイ酸塩鉱物の添加量は、(A)熱可塑性樹脂100重量部に対し、0.05〜1.5重量部、好ましくは0.1〜1重量部である。添加量が0.05重量部未満であると、照射部に発生する発泡を抑制することができず、一方1.5重量部を超えると、フィルムの透明性が損なわれてカードの印刷物の鮮やかさが低下する。
なお、本発明において、マイカなどの(D)ケイ酸塩鉱物は、(B)レーザー光エネルギー吸収剤や、(C)複合金属酸化物で被覆されたマイカなどであってもよい。このような表面被覆マイカは、メルク社製から商品名「レーザーフレアLS820」(被覆金属酸化物:酸化チタン、酸化ケイ素、酸化アンチモンドープ酸化スズ)、「レーザーフレアLS825」(被覆金属酸化物:酸化アンチモンドープ酸化スズ)、「レーザーフレアLS830」(被覆金属酸化物:酸化チタン、酸化鉄黒)、「レーザーフレアLS835」(被覆金属酸化物:酸化鉄黒)、などを入手して本発明で使用できる。
また、本発明のレーザーマーキング用樹脂組成物は、さらに無機系顔料、有機系顔料、有機染料などの各種着色剤を使用し、種々の色相に着色することも可能である。また、本発明のレーザーマーキング用樹脂組成物には、その他の各種添加剤、例えば、安定剤、酸化防止剤、帯電防止剤、ワックス類、紫外線防止剤などを必要に応じて配合することができ、さらに、難燃剤および各種フィラーを必要に応じて配合することができる。
また、本発明のレーザーマーキング用樹脂組成物は、(A)〜(D)成分、各成分の粉末の単なる混合物でもよいし、これらを溶融混練してペレット状に造粒したものでもよい。
上記樹脂組成物を用いてレーザーマーキング用シートを作製するに際しては、特に限定されるものではないが、以上の各成分をニーダーやミキサー、リボンブレンダーなどでブレンドし、さらにはブレンド物を押出機等でペレット状に加工したものを、カレンダー成形法や押出成形法、インフレーション成形法、プレス成形法、さらにはブレンド物やペレットを有機溶剤に溶解させた後、溶液キャスト法などでシート状に成形される。この中でカレンダー成形加工を行う場合には、通常、上記樹脂組成物に滑剤を含有させる。滑剤としては、パラフィンワックス等の炭化水素系、ステアリン酸等の脂肪酸系、ステアリルアミド等の脂肪酸アミド系、脂肪酸エステル系、アルコール系、金属石鹸系、あるいはアクリル樹脂等の高分子系加工助剤等が挙げられる。
カレンダー加工により本発明のシートを成形する場合、1層の場合は、本発明のレーザーマーキング用樹脂組成物を通常のカレンダー加工によりシート成形する。
なお、本発明のシートが複層のレーザーマーキング用シートの場合には、例えば、本発明のレーザーマーキング用樹脂組成物を用いて、レーザーマーキング用シートを作成する一方、別途、本発明に用いられる(A)熱可塑性樹脂を用いてカレンダー加工して、シートを作成する。
次いで、これらを所定の寸法に打ち抜いて、プレス成形用のシートを作成する。
例えば、本発明に用いられる(A)熱可塑性樹脂シートを一層または二層と、これらの基材層の表裏に、本発明のレーザーマーキング用樹脂組成物からなるシートを積層してプレス成形すればよい。
あるいは、本発明のレーザーマーキング用樹脂組成物からなるシートを一層または二層と、これらの基材層の表裏に、本発明に用いられる(A)熱可塑性樹脂からなるシートを積層してプレス成形すればよい。
プレス成形する場合、例えば本発明のレーザーマーキング用シートと熱可塑性樹脂からなるシートとを一体化するには、基材となる1枚あるいは複数枚重ねたシートの表裏または片方に、レーザーマーキング用シートを積層したものをクロムメッキ鋼板(金型)で挟み、次いで熱可塑性樹脂軟化点から軟化点+50℃の温度範囲で、プレス面圧0.01〜10MPaにて一定時間加圧して熱接着することが好ましい。かかる一体化の際の成形温度が軟化点+50℃温度を超えたり、5MPaを超える圧力下で一体化を行うと、シート全体が圧潰してしまうことがあり、好ましくない。また、かかる一体化の際の成形温度が軟化点温度未満や成形圧力(面圧)を0.1MPa未満の圧力下で一体化を行うと、熱可塑性樹脂シート(またはレーザーマーキング用シート)とレーザーマーキング用シート(または熱可塑性樹脂シート)の密着性が低下してしまい、これによって、成形された熱可塑性樹脂シート(またはレーザーマーキング用シート)とレーザーマーキング用シート(または熱可塑性樹脂シート)の接着性が低下してしまうため好ましくない。
なお、プレス成形する場合、接着剤を必要に応じて用いることができ、接着剤としては、ホットメルト接着剤が好ましい。
ホットメルト系接着剤としては、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−メチルアクリレート共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−ブチルアクリレート共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−無水マレイン酸共重合体、エチレン−エチルアクリレート−無水マレイン酸共重合体、エチレン−グリシジルメタクリレート共重合体、エチレン−グリシジルメタクリレート−酢酸ビニル共重合体、エチレン−グリシジルメタクリレート−メチルアクリレート共重合体、エチレン−メタクリル酸−無水マレイン酸共重合体、エチレン−グリシジルメタクリレート−酢酸ビニル共重合体、無水マレイン酸グラフトポリプロピレン、無水マレイン酸グラフトエチレン−酢酸ビニル共重合体、無水マレイン酸グラフトポリエチレン、等のポリオレフィン系ホットメルト系、ウレタン系接着剤、合成ゴム系ホットメルト系接着剤、ポリエステル系ホットメルト接着剤。ポリアミド系ホットメルト系接着剤、オレフィン系熱可塑性エラストマー系樹脂、スチレン系熱可塑性エラストマー樹脂、ウレタン系熱可塑性エラストマー樹脂、エステル系熱可塑性エラストマー樹脂、アミド系熱可塑性エラストマー樹脂等を用いることができる。
これらのホットメルト系接着剤は、通常、目付量として、0.1〜100g/m2程度用いられる。
さらに、本発明では、レーザーマーキング用シートを、溶融押し出しでシート成形することもできる。
本発明において、レーザーマーキング用シート、例えば、3層の複層レーザーマーキングシートを得るには、各層の樹脂組成物を溶融共押出成形して積層する共押出法により積層することが望ましい。
具体的には、各層の樹脂組成物をそれぞれ配合し、あるいは必要に応じてペレット状にして、Tダイを共有連結した2層以上の多層Tダイ押出機の各ホッパーにそれぞれ投入し、温度150℃〜300℃の範囲で溶融して多層Tダイ共押出し、冷却ロール等で冷却固化して、多層積層体を形成することができる。なお、本発明の溶融共押出成形による複層レーザーマーキングシートは、上記方法に限定されることなく、公知の方法により形成することができる。
なお、本発明のレーザーマーキング用シートが複層(例えば、(A)熱可塑性樹脂シート/レーザーマーキング用樹脂組成物シート/(A)熱可塑性樹脂シート、あるいは、レーザーマーキング用樹脂組成物シート/(A)熱可塑性樹脂シート/レーザーマーキング用樹脂組成物シート)の場合、レーザーマーキング用樹脂組成物シートに用いられる(A)熱可塑性樹脂と、本発明のレーザーマーキング用樹脂組成物に用いられる(A)熱可塑性樹脂は、同一でも、あるいは異なっていてもよい。
得られたレーザーマーキング用シートを連続性又は不連続性のレーザー光線で走査することにより、当該シートに、文字、数字、模様、バーコード、ポイントコード、記号、絵図などを容易に付けることができる。マーキングに用いられるレーザーに制限はなく、用いられるレーザーには、炭酸ガスレーザー、エキシマレーザー及びアルゴンレーザーなどのガスレーザーや、ルビーレーザー、半導体レーザー及びYAGレーザーなどの固体レーザーなどがある。使用される1種の好ましいレーザーは、1064nmの波長で作動するNd:YAGレーザーである。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。
なお、実施例中における各種の評価は、次のようにして実施した。
<白カードの白色性>
カード表面のL値(コニカミノルタ社の色素計 CM−5を用いて測定した値)を測定して、評価した。
〇:L値が88以上
△:L値が87以上、88未満
×:L値が87未満
<発色性色目>
目視で観察した。
〇:良好(黒色に発色)
×:不良(茶色、灰色に発色)
<発色後の発泡>
目視で観察した。
〇:良好(フィルムに膨れがない状態)
×:不良(フィルムに膨れがある状態)
参考例(塩化ビニル系樹脂組成物の調製)
本発明の実施例および比較例に用いられる塩化ビニル系樹脂組成物を調製した。
配合処方は、表1のとおりである。
実施例1
<基材シートの作製>
参考例1で調製された塩化ビニル系樹脂組成物(本発明の(A)成分に相当)100重量部に対し、酸化チタン10重量部を配合しカレンダー加工装置を用いて、加工温度180℃でカレンダー加工して、厚さ0.28mmの基材用シートを得た。これを、さらに、タテ32センチ、ヨコ48センチに裁断して、基材シート(以下「コアシート」と略称する)とした。
<表裏シートの作製>
次に、参考例1で調製した塩化ビニル系樹脂組成物100重量部に対し、カーボンブラック(三菱ケミカルホールディングス社製、#10、一次粒子径=75nm)を0.002重量部、アンチモンドープ酸化スズ被覆マイカ〔メルク社製、Iriotec 8825、アンチモンドープ酸化スズ/マイカ(重量比)=46/54〕0.5重量部を配合して、上記と同様にして、本発明のレーザーマーキング用樹脂組成物を調製し、さらに参考例1と同様にしてカレンダー加工し、厚さ0.1mmのレーザーマーキング用シートを作製した。これを、さらに、タテ32センチ、ヨコ48センチに裁断して、表裏層用シート(以下「OSシート」と略称する)を作成した。
<複層レーザーマーキング用シートの作製>
次に、熱プレス成形により、本発明の複層レーザーマーキング用シートを作製した。
すなわち、熱プレス機の下型上に、まずクッション紙、SUS板、上記OSシート、コアシート2枚、OSシート、SUS板、クッション紙の順に載置し、次いで、熱プレス機の上型を置いて、プレス条件を温度145℃、面圧1.5MPa、保持時間10分で熱プレス成形することにより、本発明の複層レーザーマーキング用シート(カード)を得た。
<レーザー印字>
次に、上記のようにして得られた複層レーザーマーキング用シート(カード)に、下記のようなレーザー印字条件で、常法とおりのバーコードを印字した。
レーザー印字機:
キーエンス社製(ハイブリッドレーザーマーカ)、YVO4レーザー、波長1.064nm
印字条件;
周波数 5〜30kHz、出力 20〜32%、スキャンスピード 1,250mm/s、スポット可変(焦点) −20、印字回数1回
<評価>
レーザーマーキングの結果を表2に示す。
実施例2
実施例1のレーザーマーキング用樹脂組成物の調製において、塩化ビニル系樹脂組成物100重量部に対し、カーボンブラックを0.015重量部、アンチモンドープ酸化スズ被覆マイカ0.2重量部を配合して、実施例1と同様にしてレーザーマーキング用樹脂組成物を作製し、同様にして複層レーザーマーキング用シートを得て、レーザーマーキング印字を行い評価した。
レーザーマーキングの結果を表2に示す。
実施例3
実施例1のレーザーマーキング用樹脂組成物の調製において、塩化ビニル系樹脂組成物100重量部に対し、カーボンブラックを0.035重量部、アンチモンドープ酸化スズ被覆マイカ0.8重量部を配合して、実施例1と同様にしてレーザーマーキング用樹脂組成物を作製し、同様にして複層レーザーマーキング用シートを得て、レーザーマーキング印字を行い評価した。
レーザーマーキングの結果を表2に示す。
実施例4
実施例1のレーザーマーキング用樹脂組成物の調製において、塩化ビニル系樹脂組成物100重量部に対し、カーボンブラックの種類を変更(三菱ケミカルホールディングス社製、#40、一次粒子径=24nm)して、0.002重量部、アンチモンドープ酸化スズ被覆マイカ0.5重量部を配合して、実施例1と同様にしてレーザーマーキング用樹脂組成物を作製し、同様にして複層レーザーマーキング用シートを得て、レーザーマーキング印字を行い評価した。
レーザーマーキングの結果を表2に示す。
比較例1
実施例1のレーザーマーキング用樹脂組成物の調製において、アンチモンドープ酸化スズ被覆マイカを使用せずに、アンチモンドープ酸化スズ(Nyacol Nano Technologies社製、NYACOL SN903SD)を用いる以外、実施例1と同様にしてレーザーマーキング用樹脂組成物を作製し、同様にして複層レーザーマーキング用シートを得て、レーザーマーキング印字を行い評価した。
レーザーマーキングの結果を表3に示す。
比較例1の場合、(D)成分であるマイカを使用していないため、特に発色後に発泡がみられた。
比較例2
実施例1のレーザーマーキング用樹脂組成物の調製において、アンチモンドープ酸化スズ被覆マイカを使用せずに、三酸化ビスマス+三酸化ネオジム(東罐マテリアル・テクノロジー社製、42−920A)を用いる以外、実施例1と同様にしてレーザーマーキング用樹脂組成物を作製し、同様にして複層レーザーマーキング用シートを得て、レーザーマーキング印字を行い評価した。
レーザーマーキングの結果を表3に示す。
比較例2の場合、(C)成分である複合金属酸化物、および(D)成分であるマイカを使用していないため、いずれの評価も芳しくなかった。
比較例3
実施例1のレーザーマーキング用樹脂組成物の調製において、アンチモンドープ酸化スズ被覆マイカを使用せずに、イミニウム色素(日本カーリット社製、CIR−RL)を用いる以外、実施例1と同様にしてレーザーマーキング用樹脂組成物を作製し、同様にして複層レーザーマーキング用シートを得て、レーザーマーキング印字を行い評価した。
レーザーマーキングの結果を表3に示す。
比較例3の場合、(C)成分である複合金属酸化物、および(D)成分であるマイカを使用していないため、いずれの評価も芳しくなかった。
比較例4
実施例1のレーザーマーキング用樹脂組成物の調製において、カーボンブラック(三菱ケミカルホールディングス社製、#10のみを用いる以外、実施例1と同様にしてレーザーマーキング用樹脂組成物を作製し、同様にして複層レーザーマーキング用シートを得て、レーザーマーキング印字を行い評価した。
レーザーマーキングの結果を表3に示す。
比較例4の場合、(C)成分である複合金属酸化物、および(D)成分であるマイカを使用していないため、いずれの評価も芳しくなかった。
比較例5
実施例1のレーザーマーキング用樹脂組成物の調製において、カーボンブラック(三菱ケミカルホールディングス社製、#10の配合量を多く使用する以外、実施例1と同様にしてレーザーマーキング用樹脂組成物を作製し、同様にして複層レーザーマーキング用シートを得て、レーザーマーキング印字を行い評価した。
レーザーマーキングの結果を表3に示す。
比較例5の場合、(B)成分が多すぎて、白色性、発色後の発砲評価が悪かった。
比較例6
実施例1のレーザーマーキング用樹脂組成物の調製において、(C)〜(D)成分の配合量を多く使用する以外、実施例1と同様にしてレーザーマーキング用樹脂組成物を作製し、同様にして複層レーザーマーキング用シートを得て、レーザーマーキング印字を行い評価した。
レーザーマーキングの結果を表3に示す。
比較例5の場合、(C)〜(D)成分が多すぎて、白色性、および発色性色相の評価が悪かった。
本発明のレーザーマーキング用シートは、例えば、自動車部品、瓶及び瓶のキャップ、管、パイプ、容器、カバー、キーボード、ラベル、チップ、セキュリティー文書(例えば、身分証明書又はクレジットカード)、事務用品、家庭用品、学校用品、軍事用品、玩具、及び、当業者により明白に認識されるさらに多くの物品などでも、同様に良好な結果が得られる。レーザーマーキングは、そのような物品を確認し、個人化し、装飾し、フォローアップし、又は、防御するために使用することができる。このマーキングには、例えば、該物品自体、その内容物、価格、寸法、用途、製造年月日若しくは耐久性、ホルダー、所有者、製造業者、販売業者又は原産地などについての情報を含ませることができる。

Claims (10)

  1. (A)熱可塑性樹脂100重量部に対し、(B)カーボンブラック、チタンブラック、金属酸化物、金属窒化物、および金属硫化物の群から選ばれた少なくとも1種のレーザー光エネルギー吸収剤(ただし、下記(C)〜(D)成分を除く)0.0005〜0.1重量部、(C)アンチモンドープ酸化スズ(ATO)、スズドープ酸化インジウム(ITO)、フッ素ドープ酸化スズ(FTO)、アルミニウムドープ酸化亜鉛(AZO)、ガリウムドープ酸化亜鉛(GZO)、スズドープ酸化亜鉛、およびケイ素ドープ酸化亜鉛の群から選ばれた少なくとも1種の複合金属酸化物0.05〜1.5重量部、ならびに(D)ケイ酸塩鉱物0.05〜1.5重量部を配合してなる、レーザーマーキング用樹脂組成物。
  2. (A)熱可塑性樹脂が、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリスチレン、AS樹脂、ABS樹脂、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリエステル、ポリ乳酸樹脂、セルロース系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリオキシメチレン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、およびアクリル樹脂の群から選ばれた少なくとも1種である、請求項1記載のレーザーマーキング用樹脂組成物。
  3. (B)レーザー光エネルギー吸収剤がカーボンブラックである請求項1または2記載のレーザーマーキング用樹脂組成物。
  4. (C)複合金属酸化物が、アンチモンドープ酸化スズ(ATO)、および/またはスズドープ酸化インジウム(ITO)である、請求項1〜3いずれかに記載のレーザーマーキング用樹脂組成物。
  5. (D)ケイ酸塩鉱物が雲母である、請求項1〜4いずれかに記載のレーザーマーキング用樹脂組成物。
  6. 請求項1〜5いずれかに記載のレーザーマーキング用樹脂組成物を、カレンダー加工もしくは溶融押し出ししてなる、レーザーマーキング用シート。
  7. 請求項6記載のレーザーマーキング用シートの少なくとも一面に、請求項1記載の(A)熱可塑性樹脂からなるシートを積層してなる、複層レーザーマーキング用シート。
  8. 請求項1記載の(A)熱可塑性樹脂からなるシートの少なくとも一面に、請求項6記載のレーザーマーキング用シートを積層してなる、複層レーザーマーキング用シート。
  9. 請求項1記載の(A)熱可塑性樹脂と、請求項1〜5いずれかに記載のレーザーマーキング用樹脂組成物とを、溶融共押し出しする、請求項7または8に記載の複層レーザーマーキング用シートの製造方法。
  10. 請求項1記載の(A)熱可塑性樹脂からなるシートと、請求項1〜5いずれかに記載のレーザーマーキング用樹脂組成物からなるシートとを、プレス成形することを特徴とする、請求項7または8に記載の複層レーザーマーキング用シートの製造方法。

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