JP5198913B2 - カード用樹脂組成物及びカード用シート - Google Patents

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Description

本発明は、植物原料由来の樹脂(「植物原料樹脂」という)を主原料とする環境対応型のカード用シート及びこれを形成するためのカード用樹脂組成物に関する。
IDカード、診察券、金銭的価値を有するキャッシュカード、クレジットカードなどの各種情報記録カードは、酸化チタン等の無機充填剤を混合して隠蔽状態としたコア層を設け、このコア層の表面に印刷層を設け、さらに、この印刷層を保護する目的で透明なシートを接着若しくは熱融着させてオーバー層を設けるようにして形成するのが一般的である。また、最近では、カードのIC化が進み、例えば非接触式ICカードなどでは、ICチップとアンテナを備えたインレットシートを2枚のコアシート間に挟んで積層し、各コアシートの表裏両面にオーバーシートを積層して形成することも行われている。
従来、この種のカードの主原料には、ポリエチレンや塩化ビニル樹脂などの石油由来の樹脂が使用されてきたが、大半のカードが使用後に焼却廃棄されていたため、焼却する際の発熱によって燃焼炉を傷めることがあった。また、近年、京都議定書の議決を契機として二酸化炭素の排出量削減や循環型材料導入の機運が高まり、石油由来原料から作られた製品の焼却処理量の軽減が求められており、枯渇性資源である石油の消費量を軽減することは、今後のあらゆる製品開発の重要な課題となっている。情報記録カードの製造分野においても、カードを製造するための原料を、石油由来の樹脂から再生可能資源物質に転換することが重要な開発テーマの一つとなっている。
現在、このような課題の解決策として最も注目されているのが、乳酸系重合体などの植物原料樹脂の利用である。植物原料樹脂の利用量が増えれば、二酸化炭素排出量の削減に貢献できるだけでなく、枯渇性資源の利用量を軽減でき、資源のリサイクル活用にも大きく貢献することができる。特に乳酸系重合体は、植物から得られた澱粉を発酵させて得た乳酸を原料とする植物原料樹脂であり、炭素源が大気中の二酸化炭素であるため、たとえ乳酸系重合体からなる製品を燃焼しても、自然環境中に二酸化炭素として還元され、大気中の二酸化炭素濃度の増減は実質ないとみなすことができる。そればかりか、燃焼熱量がポリエチレンの半分以下であるから、焼却時の発熱によって燃焼炉を傷める度合いを軽減することができる。また、乳酸系重合体は、土中・水中で自然に加水分解が進行し、最終的には微生物により無害な分解物となる生分解性樹脂であるため、焼却量を減らすことができる。さらにまた、乳酸系重合体は、透明性や剛性等に優れており、しかも既に発酵・合成の技術が確立しているため工業的に量産可能であるから、ポリエチレンテレフタレートやポリ塩化ビニルの代替原料として注目されており、情報記録カードの製造分野においても、このような乳酸系重合体を原料として用いる旨の提案が為されている。
例えば特許文献1には、ポリ乳酸系重合体からなるシート状物で、面配向度ΔPが3.0×10-3以上であり、かつシートを昇温したときの結晶融解熱量ΔHmと昇温中の結晶化により発生する結晶化熱量ΔHcとの差(ΔHm−ΔHc)が20J/g以上であることを特徴とする情報記録カ−ド用基材が開示されている。
特許文献2には、ポリ乳酸とガラス転移温度(Tg)が0℃以下である生分解性脂肪族ポリエステルとからなる組成物を主成分とするコア層の両表面に、ポリ乳酸とガラス転移温度(Tg)が0℃以下である生分解性脂肪族ポリエステルとからなる組成物を主成分とするオーバーシートを有する積層体からなる生分解性カードが開示されている。
また、特許文献3には、ポリ乳酸及び脂肪族ポリエステルを含有するコアシートと、ポリ乳酸を含有するオーバーシートとを、熱プレス又は熱融着させることにより、コアシート及びオーバーシートのポリ乳酸部分の結晶化を進行させる生分解性カードの製造方法が開示されている。
特開平08−022618号公報 特開2000−141955号公報 特開2003−334913号公報
上述のように、乳酸系重合体を主原料としてカードを製造する提案がいくつも為されているが、オーバーシートには、透明性のほか、印刷性、接着性、融着性、エンボス文字打刻に耐えられる耐久性など、乳酸系重合体を主成分として用いたのでは達成することが難しい特性が要求されるため、現段階で工業製品化を検討すると、カードのコアシートは乳酸系重合体を主原料として形成する一方、オーバーシートは、一般的にオーバーシート形成用として使用されている樹脂、例えば芳香族ポリエステル系樹脂や、芳香族ポリエステル系樹脂とポリカーボネート系樹脂との混合樹脂(これらをまとめて「芳香族ポリエステル系樹脂等」ともいう)から形成するのが好ましいと言うことができる。
しかし、乳酸系重合体を主成分とするシートは、芳香族ポリエステル系樹脂等を主成分とするシートとの熱融着性が低いため、先ずはこの点を解決する必要があった。
そこで本発明は、芳香族ポリエステル系樹脂等を主成分とするシートとの融着性に優れたカード用シート、並びに該カード用シートを形成するためのカード用樹脂組成物を提供せんとするものである。
本発明は、乳酸系重合体(A)10〜75質量部と、非晶性芳香族ポリエステル系樹脂(B)15〜70質量部と、熱可塑性エラストマー(C)10〜35質量部とを含む混合物((A)(B)(C)の各質量部は3成分合計100質量部に対する質量割合)を含み、必要に応じて無機充填剤(D)を含むカード用樹脂組成物であって、前記熱可塑性エラストマー(C)が、ポリエステル系エラストマー(c1)100〜20質量部とスチレン系エラストマー(c2)0〜80質量部とを含むことを特徴とするカード用樹脂組成物を提案するものである。
このような本発明のカード用樹脂組成物の利用態様としては、例えば本発明のカード用樹脂組成物を用いてなる層を少なくとも1層備えたカード用シートを提供することができるほか、本発明のカード用樹脂組成物を用いてカード用シートの中間層及び表裏層を形成し、且つ、表裏層を構成する樹脂組成物中の芳香族ポリエステル系樹脂(B)の割合を、中間層を構成する樹脂組成物中の芳香族ポリエステル系樹脂(B)の割合よりも多くなるように調整し、これら中間層及び表裏層を積層してなるカード用シートを提供することができる。さらにまた、本発明のカード用樹脂組成物を用いてカード用シートの中間層を形成する一方、芳香族ポリエステル系樹脂(B)を主成分とする樹脂組成物を用いてカード用シートの中間層を形成し、これらを積層してなるカード用シートを提供することができる。
本発明のカード用シートは、カードのコア層を形成するためのコアシートとして、或いはカードのオーバーシート層を形成するためのオーバーシートとして用いることができる。
そして、かかるカード用シートを少なくとも1枚以上積層して熱融着してなるカードを提供することができる。例えば、かかるカード用シートと、芳香族ポリエステル系樹脂等を主成分とするシートとを積層し熱融着してなる構成を備えたカードを提供することができる。
本発明のカード用樹脂組成物を用いて形成してなるシート(「カード用シート」)は、前述の芳香族ポリエステル系樹脂等、すなわち芳香族ポリエステル系樹脂や、芳香族ポリエステル系樹脂とポリカーボネート系樹脂との混合樹脂を主成分として用いてなるシートとの熱融着性に優れているため、例えば本発明のカード用樹脂組成物を用いてコア層を形成するためのコアシートを形成する一方、前記芳香族ポリエステル系樹脂等を主成分として用いてオーバーシートを形成すれば、両者を容易かつ確実に熱融着することができ、耐久性に優れたカードをより容易に製造することができる。
発明を実施するための形態
以下、本発明の実施形態を説明する。但し、本発明の範囲が以下に説明する実施形態に限定されるものではない。
<カード用樹脂組成物>
本発明の実施形態の一例に係るカード用樹脂組成物(以下、「本カード用樹脂組成物」という)は、乳酸系重合体(A)と、非晶性芳香族ポリエステル系樹脂(B)と、熱可塑性エラストマー(C)とを含み、必要に応じてさらに無機充填剤(D)を含む樹脂組成物である。以下、それぞれの成分、配合量などについて詳細に説明する。
(乳酸系重合体(A))
乳酸系重合体は、乳酸を主成分とするモノマーを縮重合してなる重合体であり、本カード用樹脂組成物に使用する乳酸系重合体(A)としては、構造単位がL−乳酸であるポリ(L−乳酸)、構造単位がD−乳酸であるポリ(D−乳酸)、構造単位がL−乳酸及びD−乳酸の両方からなるポリ(DL−乳酸)、或いはこれら二種類以上の組合せからなる混合物を用いることができる。
乳酸には、2種類の光学異性体のL−乳酸およびD−乳酸があり、これら2種の構造単位の割合で乳酸系重合体の結晶性が異なるようになる。例えば、L−乳酸とD−乳酸の割合がおおよそ90:10〜10:90のランダム共重合体では結晶性が無く、ガラス転移温度60℃付近で軟化する完全非結晶性ポリマーとなる。これに対し、L−乳酸とD−乳酸の割合がおおよそ100:0〜90:10、又は10:90〜0:100のランダム共重合体は、前者と同様にガラス転移温度は60℃程度であるが、結晶性を有する結晶性ポリマー若しくは半結晶性ポリマーとなり、その結晶化度は、上記のL−乳酸とD−乳酸の割合によって定まり、溶融押出した後、ただちに急冷することで透明性の優れた非晶性の材料になり、ゆっくり冷却することにより、結晶性の材料となる。ちなみに、L−乳酸のみ、または、D−乳酸のみからなる単独重合体は、180℃以上の融点を有する半結晶性ポリマーとなる。
本カード用樹脂組成物に用いる乳酸系重合体(A)としては、上記の中でも乳酸系重合体中のL−乳酸とD―乳酸の割合が、99:1〜92:8或いは1:99〜8:92、特に98:2〜94:6或いは2:98〜6:94、中でも特に97:3〜95:5或いは3:97〜5:95であるものが好ましい。その理由は次のとおりである。
乳酸系重合体を主成分とする乳酸系重合体系シートを数枚(数層)重ねて加熱しながらプレスして互いに融着させる場合、結晶性が高い乳酸系重合体では、熱プレスのときに結晶化してしまい、融着が困難になるか、或いは、乳酸系重合体が完全に融けきる状態近傍まで加熱温度を設定した場合には、乳酸系重合体は熱プレス時に溶融流動し、カードとして外観の良好なものが得難くなるかのいずれかであるため、結晶性が高い乳酸系重合体は好ましいとは言えない。また、既存の熱プレス機はもともと塩化ビニル樹脂の融着ができるように製作されており、このような熱プレス機における熱プレス可能な温度域は100〜170℃の範囲内、好ましくは110〜160℃、さらに好ましくは120〜150℃の範囲内であるため、既存の熱プレス機を利用しようとすると、前記温度範囲で熱プレスできる乳酸系重合体を選択して用いるのが好ましい。このような点を考慮すると、乳酸系重合体中のL−乳酸とD―乳酸の割合は、99:1〜92:8或いは1:99〜8:92であるのが好ましいと言える。
但し、このL−乳酸とD−乳酸の割合は、この割合で得られる乳酸系重合体樹脂単独で用いてもよいし、これらの割合が異なる乳酸系重合体を複数種混合して用いてもよい。その場合、混合物の重量平均分率による平均値のL−乳酸とD−乳酸の割合が、前記範囲内になるよう調整して混合するのが好ましい。
乳酸系重合体(A)として、乳酸と他のヒドロキシカルボン酸との共重合体を用いることもできる。
共重合される「他のヒドロキシカルボン酸」としては、乳酸の光学異性体(L−乳酸に対してはD−乳酸、D−乳酸に対してはL−乳酸)、グリコール酸、3−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ酪酸、2−ヒドロキシ−n−酪酸、2−ヒドロキシ−3,3−ジメチル酪酸、2−ヒドロキシ−3−メチル酪酸、2−メチル乳酸、2−ヒドロキシカプロン酸等の2官能脂肪族ヒドロキシカルボン酸やカプロラクトン、ブチロラクトン、バレロラクトン等のラクトン類などが挙げられる。
また、乳酸系重合体(A)は、必要に応じ、少量共重合成分として、テレフタル酸のような非脂肪族カルボン酸及び/又はビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物のような非脂肪族ジオールや、乳酸及び/又は乳酸以外のヒドロキシカルボン酸を含んでもよい。また少量の鎖延長剤残基を含んでもよい。
乳酸系重合体(A)を製造するための重合法としては、縮重合法、開環重合法、その他の公知の重合法を採用することができる。例えば、縮重合法では、L−乳酸又はD−乳酸或いはこれらの混合物を直接脱水縮重合して所望組成のポリ乳酸を得ることができる。また、開環重合法(ラクチド法)では、乳酸の環状2量体であるラクチドを、必用に応じて重合調節剤等を用いながら、選ばれた触媒を使用してポリ乳酸を得ることができる。
乳酸系重合体(A)の重量平均分子量は、6万〜70万であるのが好ましく、より好ましくは8万〜40万、特に好ましくは10万〜30万である。分子量が小さすぎると機械物性や耐熱性等の実用物性がほとんど発現されず、大きすぎると溶融粘度が高すぎ成形加工性に劣る。
乳酸系重合体(A)には、市販品を用いることが可能である。代表的なものとしては、三井化学社製「レイシア」シリーズ、Nature Works社製「Nature Works」シリーズなどが挙げられる。
(芳香族ポリエステル系樹脂(B))
芳香族ポリエステル系樹脂(B)は、芳香族ジカルボン酸成分とジオール成分との縮合重合してなる樹脂であればよく、中でも、芳香族ジカルボン酸成分およびジオール成分のうちの片方の成分もしくは両方の成分が単一の化合物から成るのではなく、数種の化合物からなる、いわゆる共重合ポリエステルが好ましい。
共重合ポリエステルの芳香族ジカルボン酸成分としては、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸を含むものが挙げることができるが、これらのカルボン酸の一部が他のジカルボン酸に置換されたものが好ましい。
他のジカルボン酸成分としては、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ネオペンチル酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、p−オキシ安息香酸等が挙げられる。これらは、一種でも二種以上であってもよく、また置換される他のジカルボン酸の量も適宜選択することができる。
共重合ポリエステルのジオール成分としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングルコール、シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。が、これらジオールの一部を他のジオール成分で置換されていてもかまわない。
他のジオール成分としては、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ポリアルキレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、グリセンリン、ペンタエリスリトール、トリメチロール、メトキシポリアルキレングリコール等が挙げられる。これらは、一種でも二種以上であってもよく、また置換される他のジカルボン酸の量も適宜選択することができる。
上記に説明した芳香族ポリエステル系樹脂(共重合ポリエステルを含む)の中でも、本カード用樹脂組成物に用いる芳香族ポリエステル系樹脂(B)としては、実質的に非結晶性のポリエステル系樹脂であることが重要である。
すなわち、芳香族ポリエステル系樹脂の代表例としてポリエチレンテレフタレート(PET)が挙げられるが、このPETは、溶融させた後、急冷すると結晶化せず、非晶状態ではあるが、再び150〜250℃程度の範囲内で加熱すれば結晶化する半結晶性樹脂である。このような樹脂は、実質溶融押出する適正な温度としては、このPETの融点よりも高い270℃以上の温度で加熱する必要がある。したがって、乳酸系重合体と混合し、溶融押出ししようにも270℃以上の温度設定が必要となる訳であるが、この高い温度では乳酸系重合体は熱分解を生じ、溶融押出しシートは得難くなる。仮に、溶融押出ししたシートを急冷して非晶性にしたとしても、カード用シートを重ね合わせて熱プレスした際に結晶化して融着性を生じなくなる。よって、芳香族ポリエステル系樹脂(B)としては、実質的に非結晶性のポリエステル系樹脂であることが重要である。
ここで、「実質的に非結晶性のポリエステル系樹脂」とは、結晶性が低く、プレス融着などの実用上頻繁に行われる熱加工を行っても、結晶化による白濁や融着不良を起こさないものを言う。より具体的には、熱特性を分析する示差走査熱量測定(JIS K7121およびJIS K7122に記載されている方法に基づき)により、求められる融解熱量が、0もしくは15J/g以下である樹脂を、実質的に非晶性のポリエステル系樹脂と見なすことができる。
このような観点を加味すると、好ましい芳香族ポリエステル系樹脂(B)としては、ジカルボン酸成分の一部がテレフタル酸であり、残りのジカルボン酸成分が他のジカルボン酸(例えば1,4−シクロヘキサンジメタノール)で置換されたジカルボン酸成分と、ジオール成分の一部がエチレングリコール成分で、残りのジオール成分が他のジオール成分で置換されたジオール成分とを縮合重合させた芳香族共重合ポリエステルを挙げることができる。
この際、非晶化度を高める観点からは、他のジカルボン酸、特に1,4−シクロヘキサンジメタノール(CHDM)成分を10〜50モル%、中でも12モル%以上、中でも特に15モル%以上含むことが好ましい。上限値は、47モル%以下であるのがより好ましく、45モル%以下であるのがさらに好ましい。
このような芳香族共重合ポリエステルの中でも、テレフタル酸を主成分とするジカルボン酸成分と、エチレングリコール90〜50モル%、より好ましくは80〜60モル%、中でも75〜65モル%及び1,4−シクロヘキサンジメタノール(「CHDM」)10〜50モル%、より好ましくは20〜40モル%、中でも25〜35モル%からなるグリコール成分とが重縮合してなる芳香族共重合ポリエステルが特に好ましい。
芳香族共重合ポリエステルのガラス転位温度(Tg)は、特に制限するものではないが、40〜100℃であるのが好ましく、特に50〜90℃であるのが好ましく、中でも特に60〜80℃であるのが好ましい。
このような芳香族共重合ポリエステルの具体的な製品例としては、例えばポリエチレンテレフタレートの変性体である三菱化学社製「ノバペックス」シリーズ(例えば、ノバペックスPS600)、ポリブチレンテレフタレートの変性体である三菱エンジニアリングプラスチック社製の「ノバデュラン」シリーズ(例えば、ノバデュラン5008)を挙げることができる。また、ポリエチレンテレフタレートにおけるエチレングリコールの約30モル%を、1,4−シクロヘキサンジメタノールで置換したポリエステル樹脂である、イーストマンケミカル社製「Eastar6763」、同じく同様の成分からなる溶融粘度がやや低い「EastarGN119」をはじめとする「Eastar」シリーズを挙げることができる。
芳香族ポリエステル系樹脂(B)は、乳酸系重合体(A)と溶融混合した後の粘度が、JIS K 7367−5(2000年)で測定される固有粘度(IV値)として、0.45〜0.90の範囲内となるものが好ましい。0.45未満では、得られるシートがもろく使用に適さない。また、0.90を越えるものでは、分子量が高すぎ、溶融押出温度を250℃以上に設定する必要があり、これ以上の温度で乳酸系重合体(A)と溶融混合する際には、乳酸系重合体の熱分解が懸念される。
より好ましいIV値としては、0.5〜0.8の範囲内、さらに好ましくは0.55〜0.75の範囲である。
(熱可塑性エラストマー(C))
熱可塑性エラストマーには大きく分けて、スチレン系、オレフィン系、PVC系、ポリエステル系、ウレタン系、アミド系などがあるが、本カード用樹脂組成物に用いる熱可塑性エラストマー(C)としては、ポリエステル系エラストマー(c1)か、或いは、ポリエステル系エラストマー(c1)を主成分として含有し、その他にスチレン系エラストマー、アクリル系エラストマー、ポリオレフィン系エラストマーもしくはポリアミド系エラストマーなどから選ばれる1種類或いは2種類以上のエラストマーが混合したエラストマーが好ましい。中でも、ポリエステル系エラストマー(c1)とスチレン系エラストマー(c2)とを含有するエラストマーが特に好ましい。
熱可塑性エラストマー(C)を添加することで、乳酸系重合体(A)と芳香族ポリエステル系樹脂(B)との相溶性を高めることができ、特にポリエステル系エラストマー(c1)とスチレン系エラストマー(c2)との混合物からなるエラストマーを用いることにより、芳香族ポリエステル系樹脂等を主成分とするシートとの熱融着性を優位に高めることができる。
ポリエステル系エラストマー(c1)とは、ポリエステル系ブロック共重合体を主成分とした熱可塑性エラストマーであり、ハードセグメントとして高融点・高結晶性の芳香族ポリエステル、ソフトセグメントとして非晶性ポリエステルや非晶性ポリエーテルを有するブロック共重合体であるものが好ましい。
スチレン系エラストマー(c2)としては、スチレン成分とエラストマー成分からなり、スチレン成分を10〜50質量%、特に15〜30質量%の割合で含有するものが好ましい。この際のエラストマー成分としては、例えば、ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエンなどの共役ジエン系炭化水素が挙げられ、より具体的にはスチレンとブタジエンとの共重合体(SBS)エラストマー、スチレンとイソプレンとの共重合体(SIS)エラストマー等が挙げられる。例えばクラレ社製「ハイブラー」シリーズ等が挙げられる。
また、上記のSBSエラストマーやSISエラストマーに水素を添加した樹脂(SEBS、SEPS)を用いることもできる。水素を添加したエラストマーの具体例としては、例えば旭化成ケミカルズ社製「タフテックH」シリーズ等が挙げられる。
さらにまた、エラストマー成分が多く含まれる変性スチレン系エラストマーを用いることもできる。中でも上記SEBS及びSEPSの変性体がより好ましく用いられる。具体的には、無水マレイン酸変性SEBS、無水マレイン酸変性SEPS、エポキシ変性SEBS、エポキシ変性SEPSなどが挙げられ、これらの群から選ばれる少なくとも1種が用いられる。
変性スチレン系エラストマーの具体例としては、水添スチレン系熱可塑性エラストマーに反応性の高い官能基で変性したポリマーである旭化成ケミカルズ社製「タフテックM1943」やJSR社製「ダイナロン8630P」やエポキシ化熱可塑性エラストマーであるダイセル化学社製「エポフレンド」シリーズ等が挙げられる。
なお、ポリエステル系エラストマー(c1)とスチレン系エラストマー(c2)とを混合したものとしては、例えば特許3381488号や特許3702704号に開示されている樹脂組成物を用いることもできる。
上記ポリエステル系エラストマー(c1)と上記スチレン系エラストマー(c2)との混合割合は、質量比率でc1:c2=100:0〜20:80であるのが好ましく、より好ましくは、c1:c2=90:10〜30:70、特に80:20〜40:60であるのが好ましい。
熱可塑性エラストマー(C)のMFR(メルトフローレート)は、3〜40(5g/10分〜35g/10分)であることが好ましく、中でも5〜35(10g/10分〜30g/10分)、その中でも10〜30(10g/10分〜30g/10分)がより好ましい。
なお、MFRの値は、JISK−7210に準じ、230℃、荷重21.2N、10分の条件で測定した値である。
なお、熱可塑性エラストマー(C)として市販品を用いることもできる。例えば,三菱化学社製プリマロイA1500,A1600、A1700,A1800,A1900シリーズ等が商業的に入手可能であり、中でもA1500,A1800等が好ましく使用できる。
(無機充填剤(D))
無機充填剤(D)としては、屈折率が2以上である無機充填剤、例えば酸化チタン、チタン酸鉛、チタン酸カリウム、酸化ジルコン、硫化亜鉛、酸化アンチモン、酸化亜鉛などが好ましく、その中でも、屈折率が高い酸化チタンが特に好ましい。
酸化チタンなどの屈折率が高い顔料を含有させることにより、不透明な白色シートとすることができる。
酸化チタンには、アナターゼ型、ルチル型、ブルッカイト型があるが、屈折率が大きくて比較的不活性なルチル型を用いるのが好ましい。
なお、塩素法プロセスで製造された酸化チタン、硫酸法プロセスで製造された酸化チタンのいずれも使用可能である。
また、酸化チタンは、その表面が、シリカ、アルミナ、及びジルコニアの中から選ばれた少なくとも1種類の不活性無機酸化物で被覆処理されたものが好ましい。不活性無機酸化物で被覆処理することにより、酸化チタンの光触媒作用を抑制できるため、製造時及び使用時において、酸化チタンの光触媒作用によって乳酸系重合体が分解されるのを防ぐことができる。
さらに、ベース樹脂への分散性を向上させるため、酸化チタンの表面がシロキサン化合物、シランカップリング剤等から選ばれた少なくとも1種類の無機化合物や、ポリオール、ポリエチレングリコールから選ばれた少なくとも1種類の有機化合物で表面処理された酸化チタンを用いるのがより一層好ましい。
なお、無機充填剤(D)の平均粒子径(D50)は、特に制限するものではないが、0.01μm〜10μmであるのが好ましく、0.05μm〜5μmであるのがより好ましい。0.01μm未満では、樹脂中での分散性が悪くなる可能性あり、10μmを超えると、得られるシートの機械物性、特に耐折強度が低下する可能性があるため、好ましくない。また、得られるシートの表面が粗くなり、印刷したときに、印刷ぬけ等を発生し易くなる可能性もある。
(配合割合)
乳酸系重合体(A)の配合割合は、植物由来である乳酸系重合体をより高い割合で配合する方が、カードにしたときに占める植物由来成分が高まり好ましいものとなるが、一方で乳酸系重合体(A)の配合割合が高くなり過ぎると、耐衝撃性が低下する傾向にあり、芳香族ポリエステル系樹脂等を主成分とするシートとの融着性が低下することになるため、このような点を踏まえて乳酸系重合体(A)の配合割合を調整する必要がある。
芳香族ポリエステル系樹脂(B)を配合する目的は、乳酸系重合体(A)と同様、カードにしたときの剛性を得ることと、カードにする際の芳香族ポリエステル系樹脂等を主成分とするシートとの融着性を補完することなどであるから、このような目的に応じて芳香族ポリエステル系樹脂(B)の配合量を調整する必要がある。
また、熱可塑性エラストマー(C)を配合する主な目的は、乳酸系重合体(A)の耐衝撃性を改良するためと、乳酸系重合体(A)と芳香族ポリエステル系樹脂(B)との相溶性を高めるためなどであるから、このような目的に応じて熱可塑性エラストマー(C)の配合量を調整する必要がある。
以上の点を踏まえて、乳酸系重合体(A)の割合は、(A)(B)及び(C)の合計量(100質量部)に対して10〜75質量部であることが好ましく、20〜65質量部であることがより好ましく、さらに好ましくは25〜60質量部である。10質量部を下回る場合、シートの剛性が不十分になる可能性があり、また、シートの物性の異方性が高まり、熱プレス時後のカードに反りが生じる恐れがある。他方、75質量部を上回る場合、シートの耐衝撃性が低下し、カードにした後でのエンボス文字打刻で割れが生じる恐れがある。
芳香族ポリエステル系樹脂(B)の割合は、熱可塑性エラストマー(C)の含まれる割合から決定されるものであるが、(A)(B)及び(C)の合計量(100質量部)に対して70質量部以下、好ましくは60質量部以下、さらに好ましくは50質量部以下である。芳香族ポリエステル系樹脂(B)の乳酸系重合体と比較した場合での高い耐熱性を効果的に引き出すためには、(A)(B)及び(C)の合計量(100質量部)に対して15質量部以上、特に20質量部以上含まれていることが好ましい。
熱可塑性エラストマー(C)の割合は、(A)(B)及び(C)の合計量(100質量部)に対して10〜35質量部であるのが好ましく、さらに15〜30質量部であるのがより好ましい。10質量部を下回る場合、シートはもろく、特にエンボス文字打刻時にカードが割れたり、また、カードサイズに打ち抜く際に切りかすや、バリが発生したりし易くなることがある。他方、35質量部を上回る場合、シートが軟質化してカードとしての剛性が著しく低下する可能性がある。
無機充填剤(D)は、必要に応じて配合すればよく、配合する場合には、(A)〜(C)からなる樹脂成分100質量部に対し1〜30質量部であるのが重要であり、好ましくは5〜20質量部、より好ましくは7〜15質量部である。一般的にカードに用いるコアシートにおいては、可視光の通過を抑制することが多く、通常は酸化チタン等を数質量%以上混合される。したがって、このような無機充填剤を多量に配合するほど隠蔽性が増すことになる。しかしながら、30質量部を越えて無機充填剤を混合すると、シートの機械強度は低下し、エンボス文字打刻に耐えられなくなる可能性がある。また、カードサイズに打ち抜く際にバリが発生し易くなる可能性もある。
本カード用樹脂組成物には、諸物性を調整する目的、あるいは耐久性を向上する目的で、熱安定剤、光安定剤、光吸収剤、加水分解抑制剤、滑剤、可塑剤、着色剤、顔料等の添加剤を混合することもできる。
加水分解抑制剤の例としては、オキサゾリン化合物、エポキシ化合物およびイソシアネート化合物等を挙げることができ、これら化合物は高分子量体であるものでもよい。
また、シートの滑り性の向上や柔軟性を付与する目的で、乳酸系重合体との共重合成分として挙げた脂肪族ポリエステルもしくは脂肪族・芳香族ポリエステルの単独重合体を混合しても構わない。これらの重合体の重量平均分子量はおおよそ2万〜30万程度である。
(カード用シート)
本カード用樹脂組成物を用いて、次のようにカード用シート(本カード用シートという)を形成することができる。
例えば乳酸系重合体(A)、芳香族ポリエステル系樹脂(B)及び熱可塑性エラストマー(C)を混合し、必要に応じてさらに無機充填剤(D)を添加して混合し、さらに必要に応じてその他の添加剤を混合し、これを加熱溶融しシート成形すればよい。この際、製造方法としては、特に制限されないが、通常用いられる溶融押出法を用いることが好ましい。
製造装置としては、単軸押出機、同方向二軸押出機あるいは異方向二軸押出機等が選択されるが、数種の樹脂を均一に混合、分散させるには同方向二軸押出機を使用するのが望ましい。同方向二軸押出機の使用で、合わせて押出しながら脱水・脱揮装置を備えた、いわゆるベント押出があるとより好ましい。これは、使用する乳酸系重合体や芳香族ポリエステル系樹脂が、水分存在下で加水分解を起こし、分子量低下によりフィルム物性が低下する恐れがあるためである。
原料を混合する方法としては、全て若しくは一部の原料を予め混練してペレット化しておいてもよいし、また、全ての原料をドライブレンドして押出機に投入してもよい。
この時、原料の配合比率によって樹脂の粘度が変化するため、混練条件は適宜調整する必要があるが、通常は樹脂温度が180〜250℃になるように調整してシート形成するのが好ましい。使用する口金としてはTダイ、Iダイ、丸ダイを使用し、これら押出したフラット状物又は円筒状物として引き取り、冷却キャストロールや水、圧空等により冷却し固化させるようにすればよい。
このようにして、本カード用樹脂組成物を用いてなる層を少なくとも1層備えたシートを得ることができる。そして、得られたシートは、そのまま使用して単層のカード用シートとして使用することもできるが、また、上記の如く得られるシート或いは他の種類のシートと積層させて積層構成のカード用シートを形成することもできる。
カード用シートの積層構成としては、例えば、中間層と表裏層とを備え、中間層及び表裏層のいずれの層も、組成は異なるが、いずれも本樹脂組成物に該当する樹脂組成物からなるものを挙げることができる。
このような積層構成において、表裏層を構成する樹脂組成物中の芳香族ポリエステル系樹脂(B)の割合が、中間層を構成する樹脂組成物中の芳香族ポリエステル系樹脂(B)の割合よりも多くすることが好ましく、中でも、表裏層を構成する樹脂組成物中の芳香族ポリエステル系樹脂(B)の割合が、中間層を構成する樹脂組成物中の芳香族ポリエステル系樹脂(B)の割合よりも、20〜40質量部多くなるようにすることが好ましく、特に25〜35質量部多くなるようにすることが特に好ましい。
また、上記の表裏層については、芳香族ポリエステル系樹脂(B)と熱可塑性エラストマー(C)との合計量が、乳酸系重合体(A)よりも多くなるように調製し、中間層は逆に、芳香族ポリエステル系樹脂(B)と熱可塑性エラストマー(C)との合計量が、乳酸系重合体(A)よりも少なくなるように調製するのが好ましい。このように形成すれば、芳香族ポリエステル系樹脂等からなるシートとの融着性をさらに高めることができる。
さらにまた、芳香族ポリエステル系樹脂等からなるシートとの融着性を重視して、中間層は、本樹脂組成物から形成する一方、表裏層は、芳香族ポリエステル系樹脂(B)が50質量%以上、好ましくは60質量%以上、より好ましくは80質量%以上を占める組成とするようにしてもよい。
上記の表裏層を第2層と表記し、上記の中間層を第1層と表記して、より具体的な積層構成を例示すると、芳香族ポリエステル系樹脂等からなるシートとの融着性を考慮して、例えば第2層/第1層/第2層からなる3層構成、第2層/第1層/第2層/第1層/第2層からなる5層構成、第2層/第1層/第2層/第1層/・・・/第2層のからなる多層構成を採用することもできる。
他方、シートのカール性を重視した場合には、第1層/第2層の2層構成、第1層/第2層/第1層/第2層の4層構成、さらには第1層/第2層/・・・/第2層の多層構成などを採用することも可能である。
いずれの積層構成においても、最外層を構成する第2層の厚みは、1μm以上、特に3μm以上、中でも特に5μm以上であるのが好ましい。
なお、本発明の効果を阻害しない範囲で、第1層/第2層間の各層間に厚み10μm以下、好ましくは5μm以下の接着剤層、接着用樹脂層或いはリサイクル樹脂層を介在させたり、第1層と第2層の中間的な層を介在させたりしてもよい。
積層する方法としては、通常に用いられる方法を採用することができる。例えば、複数の押出機からフィードブロック式あるいはマルチマニホールド式にひとつの口金に連結するいわゆる共押出をする方法、巻き出した混合フィルムの表面上に別種のフィルムをロールやプレス板を用いて加熱圧着する方法などを用いることができる。
カード用シートの厚みは、特に制限するものではないが、一般的には10μm〜800μm、好ましくは15μm〜500μm、より好ましくは20μm〜400μmである。
なお、本カード用シートを、カードのコア層を形成するためのコアシートとして使用する場合は、構成する各シートの重ね会わせ枚数にもよるが、厚みとしては20μm〜500μmの範囲で適宜選択するのが好ましい。
このようにして得られたカード用シートは、特に前処理をしなくてもラミネート、コーティング等は行えるが、必要であれば表面処理を行ってもよい。
表面処理としては、物理的な粗面(凹凸)化処理、酸化処理等を挙げることができる。粗面化処理の例としては、サンドブラスト処理、ヘアーライン加工処理がある。酸化処理の例としては、コロナ処理、プラズマ処理、オゾン・紫外線処理、クロム酸処理、火炎処理等を挙げることができる。その他、有機溶剤処理を施してもよい。
また、乳酸系重合体系重合体の結晶化度による耐溶剤性の差異を利用して、良溶媒・貧溶媒を調整して、本発明のフィルム表面を侵食して粗面化する方法を施すことも可能である。この際の良溶媒としては、トルエン、酢酸エチル、THF、MEK、DMF等を挙げることができ、貧溶媒としてはメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ヘキサン等を挙げることができる。
(カード用シートの特徴及び用途)
本樹脂組成物を用いて上記のように形成したシートは、カード用シートとして、特にコアシートとして優れた性能を有する。さらに、前述の芳香族ポリエステル系樹脂等、すなわち芳香族ポリエステル系樹脂や、芳香族ポリエステル系樹脂とポリカーボネート系樹脂との混合樹脂を主成分として用いてなるシートとの熱融着性に優れているため、本樹脂組成物を用いてコアシートを形成する一方、前記芳香族ポリエステル系樹脂等を主成分として用いてオーバーシートを形成すれば、両者を容易かつ確実に熱融着することができ、耐久性に優れたカードをより容易に製造することができるから、カード基材として好ましく用いることができる。但し、両者を接着することも可能である。
なお、芳香族ポリエステル系樹脂等を主成分とするオーバーシートにおける芳香族ポリエステル系樹脂は、上記の芳香族ポリエステル系樹脂(B)と同様の樹脂を挙げることができる。
本樹脂組成物を用いて上記のように形成したシートをコアシートとして使用する場合、例えばコアシートの両面にシルクスクリーン印刷法で絵柄を印刷し、両面にオーバーシートを重ね、2枚のクロムメッキ鋼板で挟み、加熱しながらプレスして熱融着させた後、室温まで冷却し、クロムメッキ板から取り出し、雄型と雌型からなる打ち抜き刃でカード形状に打ち抜くなどしてカードを形成することができる。
また、ICチップとアンテナを備えたインレットシートを2枚のコアシート間に挟んで積層し、各コアシートの表裏両面にオーバーシートを積層するようにして非接触式ICカードを形成することもできる。
(用語の説明)
本発明において「主成分」とは、特に記載しない限り、当該主成分の機能を妨げない範囲で他の成分を含有することを許容する意を包含する。この際、当該主成分の含有割合を特定するものではないが、主成分(2成分以上が主成分樹脂である場合には、これらの合計量)が組成物中の50質量%以上、特に70質量%以上、中でも特に90質量%以上(100%含む)を占めるのが好ましい。
また、一般的に「シート」とは、JISにおける定義上、薄く、一般にその厚さが長さと幅のわりには小さく平らな製品をいい、一般的に「フィルム」とは、長さ及び幅に比べて厚さが極めて小さく、最大厚さが任意に限定されている薄い平らな製品で、通常、ロールの形で供給されるものをいう(日本工業規格JISK6900)。例えば厚さに関して言えば、狭義では100μm以上のものをシートと称し、100μm未満のものをフィルムと称すことがある。しかし、シートとフィルムの境界は定かでなく、本発明において文言上両者を区別する必要がないので、本発明においては、「フィルム」と称する場合でも「シート」を含むものとし、「シート」と称する場合でも「フィルム」を含むものとする。
また、本発明において「カード用シート」とは、カードを製造するために用いるシート、すなわちカード材料としてのシートであり、コア層を形成するためのコアシート及びオーバー層を形成するためのオーバーシートの両方を包含するものである。
また、本発明において、「X〜Y」(X,Yは任意の数字)と表現した場合、特にことわらない限り「X以上Y以下」の意と共に、「好ましくはXより大きい」及び「好ましくはYより小さい」の意を包含する。
以下に実施例を示すが、これらにより本発明は何ら制限を受けるものではない。まず、下記に、実施例及び比較例における物性測定方法を示す。
(1)耐衝撃性の測定方法
ダート型衝撃試験機であるハイドロショット高速衝撃試験機HTM−1型((株)島津製作所製)を用いて耐衝撃性を評価した。
実施例・比較例で得られたシートを100mm×100mmに切り出して試験片とした。この試験片を上記試験機のクランプに固定し、シート中央に錘を落として衝撃を与え、試験片が破壊した時のエネルギー(N・cm)を読み取った。測定温度は23℃、落錘の落下速度は3m/秒であった。
フィルム破壊時のエネルギーが低いほど、耐衝撃性に劣ると評価することができる。
(2)非晶性ポリエステルシートとの融着性評価方法
芳香族系共重合ポリエステルであるPETGを主原料とする非晶性ポリエステルシート(三菱樹脂社製カード用透明オーバーシート「ディアフィクスPG−CHI」、厚さ100μm)を20cm×20cmに切り出してシート(I)を得た。
実施例・比較例で得られたシート(厚さ)を、シート(I)と同サイズに切り出してシート(II)を得た。
これらのシート(I)及びシート(II)を、(I)/(II)/(II)/(I)となるように重ね合わせ、熱プレスにて融着させて積層シート(試験体)を得た。
熱プレスは、昇温・降温可能な上下の加熱板間に、上下それぞれ剛性の十分ある鏡面板を介して試験体を挟み込み、室温から10〜30分かけて加熱し、表1に示す温度まで到達するよう加熱した。この時のプレス圧は、0.1MPa〜0.2MPaの範囲内になるよう調整した。その後、室温まで10分〜30分かけて冷却した。
上記の如く得られた積層シート(試験体)の融着強度を、JIS X 6301(8.1.8)に準じて測定し、各層間の剥離強度が6N/cm以上もしくは剥がせず試験できないほどに融着したかどうかを評価した。
融着温度120℃にて融着した場合を「◎」、120℃では融着しないが、160℃にて融着した場合を「〇」と表記し、良好と判断した。その一方、160℃でも全く融着しないか、或いは融着しても剥離強度が6N/cm未満の場合を「×」と表記し、不良と判断した。
(3)打ち抜き性
上記「(2)非晶性ポリエステルシートとの融着性評価方法」と同様に熱プレスして得られた積層シート((I)/(II)/(II)/(I))を、勘合型(両刃)の打ち抜き器を用いてカード型サイズ(85.6mm×54.0mm)に打ち抜き、打ち抜いたシートの端部に、毛羽立ちや切りかす等が全く付着してない場合を「◎」、毛羽立ちや切りかす等が付着していたが実用上問題ないレベルである場合を「○」と表記し、良好と判断した。その一方、毛羽立ちや切りかす等が付着していて実用上問題があるレベルの場合を「×」と表記し、不良と判断した。
(4)エンボス性の評価方法
上記「(2)非晶性ポリエステルシートとの融着性評価方法」と同様に熱プレスして得られた積層シート((I)/(II)/(II)/(I))を、勘合型(両刃)の打ち抜き器を用いてカード型サイズ(85.6mm×54.0mm)に打ち抜き、得られたシート(端に毛羽立ち等があるものは予め取り除く)を、日本データカード(株)製自動エンボス文字打刻機「DC500」でエンボス文字を打刻した。そして、打刻時あるいは打刻後の各評価を以下のように評価した。
なお、エンボス文字は、JIS X 6301(1979年)の第6項に記されている第1領域には、「1234 5678 9012 3456」の16桁の数字を文字間隔3.6mm、縦4.3mmで、第2領域には「TEST SAMPLE 00/00」と「ABCDEFGHIJ KLMNOPQR STU」の文字を2行に渡り、文字間隔2.54mm、縦3.02mmで打刻した。
[打刻性の評価方法]
エンボス文字を打刻した時に、シートに割れやひびが無いかを評価した。
割れもひびも全く無いものを良好と評価して「○」と表記し、割れ或いはひびが入ったものは不良と評価して「×」と表記した。
[カードの反りの評価方法]
エンボス文字を打刻したシート(カード)について、JIS X 6301(1998年)の第8項に準拠して、カード全体の反りについて評価した。
すなわち、カードの反りで1.5mm以下であったものを良好と評価して「○」と表記し、反りが1.5mmを超えていたものを不良と評価して「×」と表記した。
反りは、定盤にカードをおいて反りによる高さを1級直定規で目分量にて求めた。
[文字高さの評価方法]
エンボス文字を打刻したシート(カード)について、JIS X 6301(1979年)の第6項に準拠して、エンボス文字のカード面からの高さが0.43mm〜0.48mm以内になるものを良好と評価して「○」と表記し、0.43mm〜0.48mmの範囲外であるものを不良と評価して「×」と表記した。
エンボス文字高さは、(株)テクロック社製ダイヤルゲージ(最小目盛単位0.001mm)でカードの厚みとエンボス文字込みのカードの厚みをそれぞれ、下記式より求めた。なお、本測定の対象としたエンボス文字は、第1領域のエンボス文字についてである。
[エンボス文字高さ]=[エンボス文字込みのカードの厚み]−[カード厚み]
(5)総合評価
上記(1)〜(4)の評価結果より、総合的に良好なものを「○」と表記し、良好でないものを「×」と表記した。
次に、本発明の実施例及び比較例で用いた各原料を以下に示す。
[乳酸系重合体(A)]
A−1:乳酸系重合体(L体:D体=95.7:4.3、重量平均分子量約19万)
A−2:乳酸系重合体(L体:D体=89:11、重量平均分子量約18万)
A−3:乳酸系重合体(L体:D体=98.5:1.5、重量平均分子量約20万)
[芳香族ポリエステル系樹脂(B)]
B−1:非晶性芳香族ポリエステル系樹脂(ガラス転移温度(Tg):79℃、固有粘度:0.83dl/g(測定条件JIS K7367−5)、カルボン酸単量体単位:テレフタル酸100モル%、グリコール単量体単位:エチレングリコール68モル%、1,4−シクロヘキサンジメタノール32モル%)
B−2:非晶性芳香族ポリエステル系樹脂(ガラス転移温度(Tg):78℃、固有粘度:0.67dl/g(測定条件JIS K7367−5)、カルボン酸単量体単位:テレフタル酸100モル%、グリコール単量体単位:エチレングリコール68モル%、1,4−シクロヘキサンジメタノール32モル%)
[熱可塑性エラストマー(C)]
C−1:ポリブチレンテレフタレート成分とポリテトラメチレングリコール成分をモル比で75:25の割合で含有してなるブロック共重合体からなるポリエステル系エラストマー(c1)(MFR(測定条件:JIS K7210条件Mに準じて、温度230℃、荷重21.2Nで測定):30)
C−2:ポリブチレンテレフタレート成分とポリテトラメチレングリコール成分をモル比で67:33の割合で含有してなるブロック共重合体からなるポリエステル系エラストマー(c1)と、スチレン−ブタジエンブロック共重合体からなるスチレン系エラストマー(c2)との混合物(c1:c2=74:26)(MFR(測定条件:JIS K7210条件Mに準じて、温度230℃、荷重21.2Nで測定):11)
[無機充填剤(D)]
D−1:石原産業社製二酸化チタン「タイペークCR−60−2」(ルチル型)
(実施例1)
乳酸系重合体(A)としてA−1、芳香族ポリエステル系樹脂(B)としてB−1、及び、熱可塑性エラストマー(C)としてC−1を用いて、これらを質量比45/45/10の割合で混合した。さらにこの混合樹脂100質量部に対して無機充填剤(D)としてのD−1を5質量部を混合して同方向二軸押出機((株)テクノベル製)に供給し、樹脂温度が220℃となるよう溶融混練してストランド状に吐出した後、水冷し、ペレタイザーでペレット状に粉砕し、原料ペレットを得た。
除湿機能のある乾燥機((株)カワタ製作所製乾燥機「チャレンジャーミニ」)を60℃設定にして、上記の原料ペレットを予め4時間以上乾燥した。この乾燥後のペレットを単軸押出機(モダンマシナリー(株)製)に供給し、リップ幅400mm、ギャップ0.7mmのTダイから樹脂温度が210℃になるように設定して押し出し、温度62℃に設定したキャストロールにて約280μm(厚みの厚薄280±20μm)のシートを得た。この時、(内側が冷水循環している)シリコーンゴムロールをキャストロール面とは反対面に接触させてシートの引き取りを安定させた。
このようにして得られたシートについて、上記の各種評価を行い、その結果を表1に示した。
(実施例2、比較例1〜4)
実施例2及び比較例1〜4は、表1に示す樹脂を表1に示す割合で混合し、実施例1と同様にシートを得た。なお、シートを得るときのキャスト温度は、シートに厚みむら等が生じないように、表1に示す60〜70℃の温度範囲で適宜設定した。
このようにして得られた各シートについて、上記の各種評価を行い、その結果を表1に示した。
(実施例3、4)
乳酸系重合体(A)としてA−1、芳香族ポリエステル系樹脂(B)としてB−2、及び、熱可塑性エラストマー(C)としてC−2を用いて、これらを表1に示す割合で混合した。さらにこの混合樹脂100質量部に対して無機充填剤(D)としてのD−1を5質量部を混合し、同方向二軸押出機に供給し、樹脂温度が210℃になるよう溶融混練してストランド状に吐出した後、水冷し、ペレタイザーでペレット状に粉砕し、原料ペレットを得た。
この原料ペレットを用いて実施例1と同様にシートを製造した。得られたシートについて上記の各種評価結果を行い、その結果を表1に示した。
(実施例5)
本実施例では、2種3層の積層シートを作製した。
乳酸系重合体(A)としてA−2およびA−3の混合物を使用し、芳香族ポリエステル系樹脂(B)としてB−2、及び、熱可塑性エラストマー(C)としてC−2を使用し、これらを質量比A−2/A−3/B−2/C−2=30/40/10/20の割合で混合した。さらにこの混合樹脂100質量部に対して無機充填剤(D)としてのD−1を5質量部を混合して同方向二軸押出機((株)テクノベル製)に供給し、樹脂温度が220℃になるよう溶融混練してストランド状に吐出した後、水冷し、ペレタイザーでペレット状に粉砕し、中間層用原料ペレットを得た。
乳酸系重合体(A)としてA−2およびA−3の混合物を使用し、芳香族ポリエステル系樹脂(B)としてB−2、及び、熱可塑性エラストマー(C)としてC−2を使用し、これらを質量比A−2/A−3/B−2/C−2=20/10/60/10の割合で混合した。さらにこの混合樹脂100質量部に対して無機充填剤(D)としてのD−1を5質量部を混合して同方向二軸押出機((株)テクノベル製)に供給し、樹脂温度が220℃になるよう溶融混練してストランド状に吐出した後、水冷し、ペレタイザーでペレット状に粉砕し、表裏層用原料ペレットを得た。
除湿機能のある乾燥機((株)カワタ製作所製乾燥機「チャレンジャーミニ」)を60℃設定にして、上記の中間層用原料ペレット及び表裏層用原料ペレットをそれぞれ予め4時間以上乾燥した。
この乾燥後の中間層用原料ペレットを単軸押出機(モダンマシナリー(株))製に供給する一方、乾燥後の表裏層用原料ペレットを単軸押出機(モダンマシナリー(株))製に供給し、それぞれリップ幅750mm、ギャップ0.7mmの2種3層用マニホールド型のTダイに導いて溶融押し出した。押出温度としては、それぞれ樹脂温度が210℃になるよう設定した。そして、温度62℃に設定したキャストロールにて、表層/中間層/裏層の厚み比が1:8:1になるように押出量を調整して共押出して約280μm(厚みの厚薄280±20μm)のシートを得た。この時、(内側が冷水循環している)シリコーンゴムロールをキャストロール面とは反対面に接触させてシートの引き取りを安定させた。
得られたシートについて、上記の各種評価を行い。その結果を表1に示した。
Figure 0005198913
(考察)
実施例1〜5及び比較例1〜4の評価結果並びに従来までの経験を加味すると、乳酸系重合体(A)は10〜75質量部、非晶性芳香族ポリエステル系樹脂(B)は15〜70質量部、熱可塑性エラストマー(C)は10〜35質量部配合するのが好ましいことが分かった。
また、実施例1〜5の中でも特に実施例3及び4は非晶性ポリエステルシートとの熱融着性に優れていたことより、熱可塑性エラストマー(C)としては、非晶性ポリエステルシートとの熱融着性の観点から、ポリエステル系エラストマーよりも、ポリエステル系エラストマーとスチレン系エラストマーの混合組成物の方が好ましいことが分かった。
また、実施例5の結果などより、中間層と表裏層とを備えたシートにおいて、中間層及び表裏層のいずれも本カード用樹脂組成物に該当する組成物からなる場合、表裏層を構成する樹脂組成物中の芳香族ポリエステル系樹脂(B)の割合が、中間層を構成する樹脂組成物中の芳香族ポリエステル系樹脂(B)の割合よりも多いことが好ましいことが分かった。

Claims (5)

  1. 乳酸系重合体(A)10〜45質量部と、非晶性芳香族ポリエステル系樹脂(B)23〜70質量部と、熱可塑性エラストマー(C)10〜32質量部とを含む混合物((A)(B)(C)の各質量部は3成分合計100質量部に対する質量割合)を含むカード用樹脂組成物であって、
    前記熱可塑性エラストマー(C)が、ポリエステル系エラストマー(c1)100〜20質量部とスチレン系エラストマー(c2)0〜80質量部とを含むことを特徴とするカード用樹脂組成物。
  2. 前記混合物のほかに無機充填剤(D)を含むことを特徴とする請求項1記載のカード用樹脂組成物。
  3. 請求項1又2に記載のカード用樹脂組成物を用いてなる層を少なくとも1層備えたカード用シート。
  4. 中間層と表裏層とを備えたカード用シートであって、中間層及び表裏層のいずれも、請求項1又は2に記載のカード用樹脂組成物を用いてなり、且つ、表裏層を構成する樹脂組成物中の芳香族ポリエステル系樹脂(B)の割合が、中間層を構成する樹脂組成物中の芳香族ポリエステル系樹脂(B)の割合よりも多いことを特徴とするカード用シート。
  5. 中間層と表裏層とを備えたカード用シートであって、中間層は、請求項1又は2に記載のカード用樹脂組成物を用いてなる層であり、表裏層は、芳香族ポリエステル系樹脂(B)を主成分とする層であることを特徴とするカード用シート。
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