JP2020100692A - 被覆された酸化ジルコニウムナノ粒子と極性溶媒と親水性樹脂を含む組成物 - Google Patents

被覆された酸化ジルコニウムナノ粒子と極性溶媒と親水性樹脂を含む組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】酸化ジルコニウム粒子と親水性樹脂を含む組成物であって、該組成物から得られる厚い膜の透明性を良好にできる組成物を提供することを目的とする。【解決手段】R1−COOH、(R1O)3-n−P(O)−(OH)n、(R1)3-n−P(O)−(OH)n、(R1O)−S(O)(O)−(OH)、R1−S(O)(O)−(OH)、(R1)4-m−Si(R4)mからなる群より選択される1以上の化合物で被覆されている酸化ジルコニウムナノ粒子と、極性溶媒と、親水性樹脂を含む組成物であって、前記親水性樹脂の炭素原子数に対する酸素原子数の比(酸素原子数/炭素原子数)が1/3以下であることを特徴とする組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、被覆酸化ジルコニウムナノ粒子と極性溶媒と親水性樹脂を含む組成物に関する。
近年、金属酸化物のナノ粒子は、光学材料、電子部品材料等に様々な機能を発現できる可能性を有しており、各種機能性材料の分野で注目を集めている。特にディスプレイ用基板として、柔軟性を有するプラスチック基板が多く用いられており、プラスチック基板の屈折率を向上させるための金属酸化物ナノ粒子として、特に酸化ジルコニウムナノ粒子が多く用いられている。
前記プラスチック基板の材料としては、加工性に優れる等の理由から、親水性樹脂が用いられることがあり、親水性樹脂と酸化ジルコニウムナノ粒子を複合化させる試みがなされている。前記した複合化に際しては、酸化ジルコニウムナノ粒子を、水、有機溶媒等の溶媒中に分散させた分散液を用意し、該分散液と親水性樹脂とを混合することが通常行われている。
例えば、特許文献1には、平均分散粒径が1nm以上かつ20nm以下の正方晶ジルコニア粒子と、主鎖あるいは側鎖に窒素原子を有する親水性樹脂とを含有してなる有機無機複合体が開示されており、親水性樹脂として、ポリビニルピロリドン及びポリオキサゾリンが挙げられ、該有機無機複合体から得られる100μmの有機膜が、良好な可視光線の透過率を有していることが記載される。
特開2009−235293号公報
ところで、近年では、上記したプラスチック基板の厚膜化が求められることがある。しかし、前記特許文献1では、100μmの有機膜の可視光透過率について検討されているのみで、より厚い膜の透明性については何ら検討されていない。
そこで、本発明は、酸化ジルコニウム粒子と親水性樹脂を含む組成物であって、該組成物から得られる厚い膜の透明性を良好にできる組成物を提供することを目的とする。
本発明は以下の通りである。
[1]R1−COOH、(R1O)3-n−P(O)−(OH)n、(R13-n−P(O)−(OH)n、(R1O)−S(O)(O)−(OH)、R1−S(O)(O)−(OH)、(R14-m−Si(R4mからなる群より選択される1以上の化合物で被覆されている酸化ジルコニウムナノ粒子と、
極性溶媒と、
親水性樹脂を含む組成物であって、
前記R1は、酸素原子、窒素原子および硫黄原子からなる群より選ばれる1以上の元素と炭素原子とを含み、前記R1中の炭素原子、酸素原子、窒素原子および硫黄原子の総原子数が8以下の基であり、前記R4はハロゲン原子又は−OR2であり、前記R2は水素原子又はアルキル基であり、前記nは1または2、前記mは1〜3の整数であり、
前記親水性樹脂の炭素原子数に対する酸素原子数の比(酸素原子数/炭素原子数)が1/3以下であることを特徴とする組成物。
[2]前記R1中、炭素原子数に対する酸素原子、窒素原子及び硫黄原子の和の比(酸素原子、窒素原子及び硫黄原子の和/炭素原子数)が1/7以上1/1以下である[1]に記載の組成物。
[3]前記化合物中、炭素原子数に対する酸素原子数の比(酸素原子数/炭素原子数)が1/6超1/0.2以下である[1]または[2]に記載の組成物。
[4]被覆された酸化ジルコニウムナノ粒子の平均粒子径が1〜100nmである[1]〜[3]のいずれかに記載の組成物。
本発明の組成物は、光路長が長い場合でも透明性に優れるため、本発明の組成物から得られる厚い膜は透明性に優れる。更に好ましい態様の本発明の組成物は、長期経過した後も透明性に優れており、保存安定性に優れるという効果も奏する。
本発明者が検討したところ、前記課題を達成するためには、酸化ジルコニウムナノ粒子と、溶媒と、親水性樹脂を含む組成物(通常、液状)の段階で、長い光路長で測定した際の透明性に優れることが重要であることを見出した。このような組成物を実現するためには、具体的に、特定の化合物で被覆した酸化ジルコニウムナノ粒子と、極性溶媒と、特定の親水性樹脂を用いることが重要である。また、このような組成物は、長期経過後の透明性も良好にできる。
1.被覆された酸化ジルコニウムナノ粒子
親水性樹脂と良好に混合させるための溶媒としては、極性溶媒を用いることが重要であり、本発明における被覆された酸化ジルコニウムナノ粒子は、基R1を有するR1−COOH、(R1O)3-n−P(O)−(OH)n、(R13-n−P(O)−(OH)n、(R1O)−S(O)(O)−(OH)、R1−S(O)(O)−(OH)、(R14-m−Si(R4mからなる群より選択される化合物(以下、単に「化合物(1)」と総称する場合がある)で被覆されているため、水、アルコール等の極性溶媒に対する分散性が高まる。前記R1は、酸素原子、窒素原子および硫黄原子からなる群より選ばれる1以上の元素と炭素原子とを含み、前記R1中の炭素原子、酸素原子、窒素原子および硫黄原子の総原子数が8以下の基であり、前記R4はハロゲン原子又は−OR2であり、前記R2は水素原子又はアルキル基であり、前記nは1または2、前記mは1〜3の整数である。
本発明では、前記R1に含まれる炭素原子、酸素原子、窒素原子および硫黄原子の総原子数を8以下にすることにより、前記化合物(1)の分子量を小さくすることが可能となり、前記被覆された酸化ジルコニウムナノ粒子に占める酸化ジルコニウム成分の割合(質量%)を相対的に高くできる。これにより、酸化ジルコニウムナノ粒子の性能をより強く発揮させることが可能になり、例えば、前記化合物(1)で被覆された酸化ジルコニウムナノ粒子を含む組成物からは、より高屈折率の塗膜を製造できるようになる。前記R1に含まれる炭素原子、酸素原子、窒素原子および硫黄原子の総原子数の下限は、2以上であり、より好ましくは7以下、更に好ましくは5以下、より更に好ましくは4以下、特に好ましくは3以下である。前記被覆された酸化ジルコニウムナノ粒子の金属酸化物濃度を高めるには、R1に含まれる炭素原子、酸素原子、窒素原子および硫黄原子の総原子数は少ない程好ましい。
前記R1の特性は、ハンセン溶解度パラメータ(HSP)でも評価できる。ハンセン溶解度パラメータ(HSP)とは、物質の溶解性の予測に用いられる値である。HSPは、分子間の分散力によるエネルギー(D)、分子間の双極子相互作用によるエネルギー(P)、及び分子間の水素結合によるエネルギー(H)の3つのパラメータにより構成される。これら3つのパラメータは3次元空間における座標とみなすことができる。そして2つの物質(物質1と物質2)のHSPを3次元空間に置いたとき、距離が近ければ近いほど互いに溶解しやすいことを示す。HSP間の距離R3は次の式で与えられる。
(R32=4*(D1−D22+(P1−P22+(H1−H22
〔式中、D、P、Hは物質1のHSPパラメータであり、D2、P2、H2は物質2のHSPパラメータである。〕
エタノールに対する前記R1のHSP距離は、好ましくは0(MPa)1/2以上、より好ましくは5(MPa)1/2以上、更に好ましくは10(MPa)1/2以上であり、好ましくは20(MPa)1/2以下、より好ましくは18(MPa)1/2以下、更に好ましくは17(MPa)1/2以下である。HSP距離を前記範囲内に調整することにより、アルコール類等の極性溶媒に対する酸化ジルコニウムナノ粒子の分散性を高めることが可能となる。
水に対する前記R1のHSP距離は、好ましくは20(MPa)1/2以上、より好ましくは25(MPa)1/2以上、更に好ましくは30(MPa)1/2以上であり、好ましくは41(MPa)1/2以下、より好ましくは39(MPa)1/2以下、更に好ましくは38(MPa)1/2以下である。水に対する前記R1のHSP距離を前記範囲内に調整することにより、水等の極性溶媒に対する酸化ジルコニウムナノ粒子の分散性を高めることが可能となる。
酸化ジルコニウムナノ粒子の分散性を高めるには、前記R1中、炭素原子数に対する酸素原子、窒素原子及び硫黄原子の和の比(酸素原子、窒素原子及び硫黄原子の和/炭素原子数)は、好ましくは1/7以上、より好ましくは1/5以上、更に好ましくは1/3以上であり、好ましくは1/1以下、より好ましくは1/1.3以下、更に好ましくは1/1.6以下である。
また前記R1中、炭素原子数に対する酸素原子数の比(酸素原子数/炭素原子数)は、好ましくは1/7以上、より好ましくは1/5以上、更に好ましくは1/3以上であり、好ましくは1/1以下、より好ましくは1/1.3以下、更に好ましくは1/1.6以下である。前記R1の親水性が高まるため、R1における炭素原子に対して一定比率以上の酸素原子を存在させることは、極性溶媒に対する酸化ジルコニウムナノ粒子の分散性を高めることに寄与する。
前記R1は、例えば、炭化水素基であって、炭化水素基を構成する一部の元素が、酸素原子、窒素原子および硫黄原子からなる群より選ばれる1以上の元素で置換されている基が好ましい。前記炭化水素基に含まれる元素の置換基としては、例えば、エーテル結合、カルボニル基、チオケトン基、スルフィド結合、スルホキシド基、カルバモイル基、>NH基、>N−基などの炭素原子を置換する基;ヒドロキシ基、チオール基、−NH2基、カルボキシル基、シアノ基、ウレイド基、イソシアネート基などの水素原子を置換する基;などが挙げられ、好ましくはエーテル結合、ヒドロキシ基または−NH2基であり、より好ましくはエーテル結合である。
前記R1の炭化水素基としては、鎖式炭化水素基、環式炭化水素基が挙げられ、好ましくは鎖式炭化水素基である。
前記鎖式炭化水素基は、飽和または不飽和のいずれも好ましく、より好ましくは飽和である。また前記鎖式炭化水素基は、直鎖状または分岐状のいずれも好ましく、より好ましくは直鎖状である。前記鎖式炭化水素基は、好ましくは飽和鎖式炭化水素基であり、より好ましくは直鎖状の飽和鎖式炭化水素基である。
前記環式炭化水素基は、飽和または不飽和のいずれも好ましい。
前記R1は、好ましくは酸素原子を含み、より好ましくは水素原子、炭素原子及び酸素原子からなる基である。
前記化合物(1)は、R1−C、R1−O、R1−P、R1−S及びR1−Siのいずれかの部分構造を有しており、このR1−部におけるR1の結合末端は、好ましくは炭素原子である。前記Rの結合末端である炭素原子は、好ましくは式(A−1)〜式(A−4)であり(式中、一重の結合手が前記R1−部の結合手に該当する)、より好ましくは式(A−1)である。なお、式(A−4)において、一つの一重結合と二重結合は、共鳴構造の一態様としての結合でもよい。よって、式(A−4)における一つの一重結合と二重結合には、芳香族環の一部となる場合も含まれる。
Figure 2020100692
前記化合物(1)中、炭素原子数に対する酸素原子数の比(酸素原子数/炭素原子数)は、好ましくは1/6超、より好ましくは1/2以上、更に好ましくは1/1.4以上であり、好ましくは1/0.2以下、より好ましくは1/0.8以下、更に好ましくは1/0.9以下である。前記化合物(1)における炭素原子に対して一定比率以上の酸素原子を存在させることは、極性溶媒に対する酸化ジルコニウムナノ粒子の含有量を高めることに寄与する。
前記R1−COOHとしては、メトキシ酢酸、エトキシ酢酸、3−エトキシプロピオン酸、2−メトキシエトキシ酢酸などのエーテル結合含有カルボン酸;グリオキシル酸、ピルビン酸、レブリン酸、2−オキソ吉草酸、アスパラギン、グルタミン、β−メチルレブリン酸、α−メチルレブリン酸などのカルボニル基含有カルボン酸;メチオニンなどのスルフィド結合含有カルボン酸;グリコール酸、DL−乳酸、2−ヒドロキシイソ酪酸、ジメチロールプロピオン酸、ヒドロキシピバル酸、3−ヒドロキシプロピオン酸、DL−2−ヒドロキシ酪酸、DL−3−ヒドロキシ酪酸、2−ヒドロキシ−2−メチル酪酸、β−ヒドロキシイソ吉草酸、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)酪酸、セリン、トレオニン、4−ヒドロキシシクロヘキサンカルボン酸、(o−,m−,p−)ヒドロキシ安息香酸などのヒドロキシ基含有カルボン酸;チオグリコール酸、チオ乳酸、システインなどのチオール基含有カルボン酸;グリシン、アラニン、2−メチルアラニン、システイン、セリン、トレオニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、メチオニン、リシンなどの−NH2基含有カルボン酸;アスパラギン、グルタミンなどのカルバモイル基含有カルボン酸;アスパラギン酸、グルタミン酸などのジカルボン酸;シアノ酢酸などのシアノ基含有カルボン酸;プロリンなどのカルボキシル基で置換された複素環式化合物;などが挙げられる。
前記(R1O)3-n−P(O)−(OH)nまたは前記(R13-n−P(O)−(OH)nとしては、リン酸メトキシメチル、リン酸ジ(メトキシメチル)、DL−グリセルアルデヒド−3−リン酸、グリセリンホスファートなどが例示される。
前記(R1O)−S(O)(O)−(OH)または前記R1−S(O)(O)−(OH)としては、硫酸メトキシメチル、L−セリン−O−スルファート カリウム塩などが例示される。
前記(R14-m−Si(R4mのうち、R4がハロゲン原子である場合、R4は塩素原子が好ましく、メトキシメチルトリクロロシラン、メトキシエチルトリクロロシラン、(3−アミノプロピル)トリクロロシラン、(3−メルカプトプロピル)トリクロロシラン、2−シアノエチルトリクロロシラン、[3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピル]トリクロロシラン、3−(メチルアミノ)プロピルトリクロロシラン、3−シアノプロピルトリクロロシラン、(3−ウレイドプロピル)トリクロロシラン、(3−イソシアナトプロピル)トリクロロシラン、3−(2−アミノエチルアミノ)プロピルトリクロロシラン、[3−(トリクロロシリル)プロピル]カルバミン酸メチルなどが例示される。
前記(R14-m−Si(R4mのうち、前記R4がOR2である場合、前記R2は水素原子又はアルキル基であり、前記R2は水素原子又は炭素数1〜6(特に1〜4)のアルキル基であることが好ましく、前記R2は炭素数1〜4のアルキル基(特にメチル基又はエチル基)であることがより好ましい。前記R2がアルキル基である場合、前記(R14-m−Si(OR2mとしては、メトキシメチルトリメトキシシラン、メトキシエチルトリエトキシシラン、(3−アミノプロピル)トリメトキシシラン、(3−メルカプトプロピル)トリメトキシシラン、2−シアノエチルトリエトキシシラン、[3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピル]トリメトキシシラン、3−(メチルアミノ)プロピルトリメトキシシラン、3−シアノプロピルトリメトキシシラン、(3−ウレイドプロピル)トリメトキシシラン、(3−イソシアナトプロピル)トリエトキシシラン、3−(2−アミノエチルアミノ)プロピルトリメトキシシラン、[3−(トリメトキシシリル)プロピル]カルバミン酸メチルなどが例示される。
前記mは、2または3が好ましく、3がより好ましい。前記R2が水素原子である場合、前記(R14-m−Si(OR2mとしては、メトキシメチルトリヒドロキシシラン、メトキシエチルトリヒドロキシシラン、(3−アミノプロピル)トリヒドロキシシラン、(3−メルカプトプロピル)トリヒドロキシシラン、2−シアノエチルトリヒドロキシシラン、[3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピル]トリヒドロキシシラン、3−(メチルアミノ)プロピルトリヒドロキシシラン、3−シアノプロピルトリヒドロキシシラン、(3−ウレイドプロピル)トリヒドロキシシラン、(3−イソシアナトプロピル)トリヒドロキシシラン、3−(2−アミノエチルアミノ)プロピルトリヒドロキシシラン、[3−(トリヒドロキシシリル)プロピル]カルバミン酸メチルなどが例示される。
前記(R14-m−Si(R4mで表される化合物は、テトラエトキシシランではないことが好ましく、テトラアルコキシシランではないことがより好ましい。
酸化ジルコニウムナノ粒子を被覆する化合物としてはR1−COOHが好ましく、より好ましくはエーテル結合含有カルボン酸であり、更に好ましくはメトキシ酢酸、エトキシ酢酸、3−エトキシプロピオン酸または2−メトキシエトキシ酢酸であり、特に好ましくはメトキシ酢酸またはエトキシ酢酸である。
前記化合物(1)の量は、被覆された酸化ジルコニウムナノ粒子(すなわち、酸化ジルコニウムナノ粒子を被覆する全ての化合物と酸化ジルコニウムナノ粒子の合計)中、5〜35質量%(好ましくは8質量%以上、より好ましくは10質量%以上、好ましくは33質量%以下、より好ましくは30質量%以下)である。
なお、酸化ジルコニウムナノ粒子が前記化合物(1)で被覆されているとは、化合物(1)が酸化ジルコニウムナノ粒子に化学的に結合した状態及び物理的に結合した状態のいずれをも含む意味であり、化合物(1)がカルボン酸の場合は、例えば、化合物(1)及び/又は化合物(1)由来のカルボキシレートで被覆されていることを意味する。
酸化ジルコニウムナノ粒子は、前記化合物(1)以外の第2の化合物で被覆されていてもよい。第2の化合物としては、例えば、酸化ジルコニウムナノ粒子の原料に混入し得るカルボン酸、又は化合物(1)の原料に混入し得るカルボン酸(但し、化合物(1)を除く;以下、「カルボン酸(2)」と称する場合がある)が挙げられる。第2の化合物は、化合物(1)の被覆効果を阻害しない程度に酸化ジルコニウム粒子に含まれていてもよく、被覆された酸化ジルコニウムナノ粒子中、第2の化合物の量は、好ましくは30質量%以下、より好ましくは10質量%以下、更に好ましくは5質量%以下であり、0.5質量%以上であってもよい。また、酸化ジルコニウムナノ粒子が、化合物(1)とカルボン酸(2)で被覆されている場合、酸化ジルコニウムナノ粒子を被覆する化合物(1)及びカルボン酸(2)の合計量は、化合物(1)とカルボン酸(2)で被覆された酸化ジルコニウムナノ粒子中、例えば40質量%以下であり、30質量%以下が好ましく、より好ましくは20質量%以下であり、また5.5質量%以上が好ましく、7質量%以上がより好ましく、9質量%以上が更に好ましい。
カルボン酸(2)は、炭素数3〜22(好ましくは4〜20)のカルボン酸が好ましく、カルボン酸(2)には、1級カルボン酸、2級カルボン酸および3級カルボン酸のいずれもが含まれる。
1級カルボン酸としては、炭素数4〜20の直鎖状1級カルボン酸、炭素数4〜20の分岐状1級カルボン酸(すなわち、α位以外の炭素原子が枝分かれしたカルボン酸)が好ましい。直鎖状カルボン酸は、好ましくは直鎖状飽和脂肪族カルボン酸であり、具体的には、酪酸、吉草酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、カプリル酸、ノナン酸、デカン酸、ラウリン酸、テトラデカン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リシノール酸などを含む。分岐状1級カルボン酸としては、イソ吉草酸、3,3−ジメチル酪酸、3−メチル吉草酸、イソノナン酸、4−メチル吉草酸、4−メチル−n−オクタン酸、ナフテン酸などが挙げられる。
2級カルボン酸としては、炭素数4〜20の2級カルボン酸が好ましく、具体的にはイソ酪酸、2−メチル酪酸、2−エチル酪酸、2−エチルヘキサン酸、2−メチル吉草酸、2−メチルヘキサン酸、2−メチルヘプタン酸、2−プロピル酪酸、2−ヘキシル吉草酸、2−ヘキシルデカン酸、2−ヘプチルウンデカン酸、2−メチルヘキサデカン酸、4−メチルシクロヘキサンカルボン酸などが挙げられ、2−エチルヘキサン酸、2−ヘキシルデカン酸の1種以上が好ましく、2−エチルヘキサン酸が特に好ましい。
3級カルボン酸としては、炭素数5〜20の3級カルボン酸が好ましく、具体的にはピバル酸、2,2−ジメチル酪酸、2,2−ジメチル吉草酸、2,2−ジメチルヘキサン酸、2,2−ジメチルヘプタン酸、ネオデカン酸などが挙げられる。
酸化ジルコニウムナノ粒子の結晶構造は、立方晶、正方晶、単斜晶であり、正方晶及び立方晶の合計が結晶構造全体の60%以上であることが好ましい。正方晶及び立方晶の合計割合は好ましくは70%以上であり、上限は限定されないが95%であってもよいし、90%であってもよい。
X線回折解析により算出される酸化ジルコニウムナノ粒子の正方晶及び/又は立方晶の結晶子径は、30nm以下が好ましく、20nm以下であることがより好ましい。このようにすることによって、酸化ジルコニウムナノ粒子を含有する組成物の透明率を向上できる。該結晶子径は、より好ましくは20nm以下であり、更に好ましくは15nm以下である。該結晶子径の下限は、通常1nm程度である。
被覆された酸化ジルコニウムナノ粒子の粒子径は、各種電子顕微鏡によって得られた画像を処理することによって得られる平均粒子径によって評価でき、該平均粒子径(平均一次粒子径)は、好ましくは100nm以下、より好ましくは50nm以下、更に好ましくは30nm以下であり、下限は特に限定されないが、通常1nmである。平均粒子径を前記範囲内に調整することで、酸化ジルコニウムナノ粒子を含有する組成物の透明性を高めることができる。
前記平均粒子径は、酸化ジルコニウムナノ粒子を透過型電子顕微鏡(TEM)、電界放射型透過電子顕微鏡(FE−TEM)、電界放射型走査電子顕微鏡(FE−SEM)などで拡大し、無作為に100個の粒子を選択してその長軸方向の長さを測定し、その算術平均を求めることで決定できる。
化合物(1)で被覆された酸化ジルコニウムナノ粒子は、酸化ジルコニウムナノ粒子と化合物(1)を接触させることにより製造される。接触温度は、好ましくは0〜120℃、より好ましくは10〜100℃、更に好ましくは20〜80℃である。また化合物(1)と接触する際、酸化ジルコニウムナノ粒子は、有機溶媒に分散または溶解されていてもよく、前記有機溶媒としては、後述する水熱反応に用いる溶媒が例示される。
酸化ジルコニウムナノ粒子は、例えば、ジルコニウム成分と、カルボン酸(2)とを水熱反応することによって製造される。より具体的には、カルボン酸(2)と、ジルコニウム又はジルコニウム含有化合物とから構成(好ましくは結合体)されるジルコニウム原料物質を水熱反応に供することができる。
ジルコニウム原料物質として、具体的には、(i)カルボン酸(2)と酸化ジルコニウム前駆体との塩、(ii)カルボン酸(2)のジルコニウム塩、および(iii)カルボン酸(2)及び酸化ジルコニウム前駆体、から選ばれる少なくとも1種以上が挙げられ、特に前記(ii)を用いることが好ましい。
前記した酸化ジルコニウム前駆体としては、例えばジルコニウムの水酸化物、塩化物、オキシ塩化物、酢酸塩、オキシ酢酸物、オキシ硝酸物、硫酸塩、炭酸塩、アルコキシド等が含まれる。すなわち、水酸化ジルコニウム、塩化ジルコニウム、オキシ塩化ジルコニウム、酢酸ジルコニウム、オキシ酢酸ジルコニウム、オキシ硝酸ジルコニウム、硫酸ジルコニウム、炭酸ジルコニウム、およびテトラブトキシジルコニウム等のジルコニウムアルコキシド等である。
以下、(i)の場合について、詳述する。尚、塩とは、カルボン酸(2)と酸化ジルコニウム前駆体との量論比で構成される単種類の化合物だけでなく、複合塩や、未反応のカルボン酸(2)又は酸化ジルコニウム前駆体が存在する組成物であってもよい。
前記(i)において、カルボン酸(2)と酸化ジルコニウム前駆体との塩は、中和度が0.1〜0.8(より好ましくは0.2〜0.7)の範囲に調整されたカルボン酸(2)由来のカルボン酸塩含有組成物と酸化ジルコニウム前駆体との反応により得られた、カルボン酸(2)とジルコニウムとの塩であることが好ましい。前記中和度が0.1未満では、カルボン酸(2)化合物の溶解性が低いために前記塩が十分に形成できないことがあり、また0.8を超えるとジルコニウムの水酸化物と推測される多量の白色沈殿が生成して被覆された酸化ジルコニウム粒子の収率が低下する場合がある。中和度は、アルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属により調整されることが好ましく、水溶性の高い塩を形成するアルカリ金属、特にナトリウム及びカリウムが好適である。
前記カルボン酸塩含有組成物と前記酸化ジルコニウム前駆体との割合は、酸化ジルコニウム前駆体1モルに対してカルボキシル基が1モル〜20モルであることが好ましく、1.2〜18モルがより好ましく、1.5〜15モルがさらに好ましい。
前記カルボン酸塩含有組成物と前記酸化ジルコニウム前駆体とを反応させるには、水溶液同士又は水溶液と有機溶媒を混合させるのが好ましい。反応温度は水溶液を保持できる温度であれば特に問わないが、室温から100℃が好ましく、40℃〜80℃がより好ましい。
前記カルボン酸塩含有組成物と前記酸化ジルコニウム前駆体とを反応させて得られた前記塩は、そのまま水熱反応に供してもよいが、不溶性の副生物を濾過や分液等により取り除いておくのが好ましい。
次に(ii)の場合について、詳細に説明する。
(ii)の実施形態では、事前に調製したカルボン酸(2)のジルコニウム塩を用いるものである。上記の様な煩雑な工程を経ることなく、水熱反応に供することが出来る利点がある。但し、容易に入手できる化合物が限られているため、目的とする有機基で被覆された酸化ジルコニウム粒子が得られないことがある。
(ii)の実施形態で用いることが出来るジルコニウム塩としては、オクタン酸ジルコニウム、2−エチルヘキサン酸ジルコニウム、ステアリン酸ジルコニウム、ラウリン酸ジルコニウム、ナフテン酸ジルコニウム、オレイン酸ジルコニウム、リシノール酸ジルコニウム等を例示することが出来る。ジルコニウム塩の純度が低い場合には、精製を施してから用いることもあるが、市販品又は事前に調製した塩をそのまま水熱反応に供することが出来る。
前記(iii)で、用いることの出来る前記酸化ジルコニウム前駆体は、上述した酸化ジルコニウム前駆体と同様である。(iii)の場合において、酸化ジルコニウム前駆体は、炭酸ジルコニウムであることが好ましい。カルボン酸(2)と前記酸化ジルコニウム前駆体との割合は、酸化ジルコニウム前駆体1モルに対して、カルボン酸(2)が0.5モル〜10モルであることが好ましく、1モル〜8モルであることがより好ましく、1.2モル〜5モルであることがさらに好ましい。カルボン酸(2)と前記酸化ジルコニウム前駆体は、そのまま水熱反応に供してもよいし、水熱反応前にあらかじめ反応させておいてもよい。水熱反応前に反応させるには、カルボン酸(2)と酸化ジルコニウム前駆体を有機溶媒中でスラリーにて反応させることが好ましい。その際、反応時に生じる水を取り除きながら反応させることが、反応速度や収率を向上させる意味でも好ましい。反応時に水を抜き出しながら反応を行うため、反応溶媒としては沸点が水よりも高い溶媒を用いることが好ましく、より好ましくは後述する水熱反応に用いる溶媒である。また反応温度は、水を抜き出すことができるように、70℃以上が好ましく、80℃以上がより好ましい。反応温度上限は、180℃以下で、150℃以下がより好ましい。温度が高すぎると、副反応が進みカルボン酸の分解が起きてしまう可能性がある。反応時に水の取出しがうまくいかない場合には、反応圧力を下げて水の沸点を下げて反応させることもできる。
前記(i)〜(iii)の少なくとも1種を、好ましくは水存在下で混合する。この時に、加熱や減圧下で行うことにより、アンモニアや酢酸等の前記酸化ジルコニウム前駆体に含まれる低沸点の化合物を系外へ追い出すことができ、次工程の水熱反応での圧上昇が抑えられるので、好適である。尚、後述の有機溶媒を添加した溶液中で前記反応を行ってもよい。
続いて、水熱反応について説明する。
前記(i)〜(iii)の少なくとも1種を水熱反応に供することで酸化ジルコニウムナノ粒子組成物が得られる。前記(i)〜(iii)だけでは、粘度が高く水熱反応が効率的に進行しない場合には、該(i)〜(iii)に対して良好な溶解性を示す有機溶媒を添加するとよい。
前記有機溶媒としては、炭化水素、ケトン、エーテル、アルコール等を用いることが出来る。水熱反応時に気化する溶媒では十分に反応が進行しない恐れがあるので、常圧下での沸点が120℃以上の有機溶媒が好ましく、140℃以上がより好ましく、150℃以上が更に好ましい。具体的には、デカン、ドデカン、テトラデカン、メシチレン、プソイドクメン、鉱油、オクタノール、デカノール、シクロヘキサノール、テルピネオール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ヘキサンジオール、グリセリン、メタントリメチロール、トルエン、キシレン、トリメチルベンゼン、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)等が例示され、鉱油、ドデカン、テトラデカン、トリメチルベンゼンが好ましい。
前記有機溶媒を添加したことにより2層に分離した場合には、界面活性剤等を添加して均一相状態や懸濁乳化状態にしてもよいが、通常は2層のまま水熱反応に供することが出来る。前記組成物は原料に由来する十分な量の水を含有している場合もあるが、原料中に含まれる水分が無い又は少ない場合には、水熱反応に供する前に水分を添加しておく必要がある。
水熱反応の系内に存在する水分量は、系内に存在する酸化ジルコニウム前駆体又はジルコニウムを含む塩(以下、酸化ジルコニウム前駆体等)のモル数に対する水のモル数(水のモル数/酸化ジルコニウム前駆体等のモル数)で4/1〜100/1が好ましく、8/1〜50/1がより好ましい。4/1未満では水熱反応に長時間を要したり、得られた前記酸化ジルコニウム粒子の粒径が大きくなったりすることがある。一方、100/1超では、系内に存在する酸化ジルコニウム前駆体等が少ないため生産性が低下する以外は特に問題は無い。
水熱反応は、2MPaG(ゲージ圧)以下の圧力で行うのが好ましい。2MPaG超でも反応は進行するが、反応装置が高価になるため工業的には好ましくない。一方、圧力が低すぎると反応の進行が遅くなり、また長時間の反応により前記ナノ粒子の粒径が大きくなったり、酸化ジルコニウムが複数の結晶系を持ったりすることがある為、0.1MPaG以上の圧力下で行うのが好ましく、0.2MPaG以上で行うのがより好ましい。水熱反応の時間は例えば2〜24時間程度である。
2.極性溶媒
本発明における極性溶媒としては、水に対するHSP距離が、好ましくは40(MPa)1/2以下、より好ましくは35(MPa)1/2以下、更に好ましくは30(MPa)1/2以下であり、下限は特に限定されないが、通常0(MPa)1/2以上であることが好ましい。このような極性溶媒としては、例えば水;メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、エチレングリコールなどのアルコール類;酢酸エチル、酢酸プロピルなどのエステル類;ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンなどのアミド類を挙げることができる。極性溶媒は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。好ましい極性溶媒は、水、アルコール類、及びエステル類の少なくとも1種であり、より好ましくは水及びアルコール類の少なくとも1種であり、更に好ましくは、水、メタノール及びエタノールの少なくとも1種である。
3.親水性樹脂
本発明の親水性樹脂は、炭素原子数に対する酸素原子数の比(酸素原子数/炭素原子数)が1/3以下であり、例えばN−ビニルピロリドン、ビニルイミダゾールの単独重合体、または共重合体;ジメチル(メタ)アクリルアミド、ジエチル(メタ)アクリルアミド、イソプロピル(メタ)アクリルアミド等のN−アルキル(メタ)アクリルアミドの単独重合体、または共重合体;ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートのハロゲン化アルキル四級塩の単独重合体、または共重合体;ジメチルアミノメチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等の三級アミンを有する(メタ)アクリルアミド及びその四級塩の単独重合体、または共重合体;(メタ)アクリロイルモルフォリンの単独重合体、または共重合体;のような不飽和結合含有モノマーの単独重合体、または共重合体や、ポリエチレンイミンが挙げられ、N−ビニルピロリドン、ビニルイミダゾールの単独重合体、または共重合体が好ましく、特にN−ビニルピロリドンの単独重合体、または共重合体が好ましい。共重合体の場合、共重合させるモノマーは、共重合体組成として炭素原子に対する酸素原子の比が1/3以下を満たし、かつ水溶性となるものであればよい。炭素原子数に対する酸素原子数の比(酸素原子数/炭素原子数)は1/4以下が好ましく、下限は特に限定されず0であってもよい。前記親水性樹脂のガラス転移温度Tgは100℃以上であることが好ましく、より好ましくは120℃以上であり、更に好ましくは140℃以上であり、ガラス転移温度Tgが高い親水性樹脂を用いることで、使用時に高温となるデバイスにも使用しやすい点で有利である。前記ガラス転移温度Tgの上限は特に限定されないが、例えば200℃であってもよい。前記親水性樹脂の重量平均分子量は、例えば5,000〜1,500,000である。
本発明の組成物中、被覆された酸化ジルコニウムナノ粒子の割合は、2質量%以上が好ましく、より好ましくは5質量%以上であり、更に好ましくは10質量%以上であり、また50質量%以下であってもよく、45質量%以下であってもよく、40質量%以下であってもよい。本発明における被覆された酸化ジルコニウムナノ粒子は、分散性が顕著に優れているため、高濃度の組成物(分散体)であっても、組成物は良好な透明性、特に光路長が長い場合の透明性にも優れており、また長期間経過した後の透明性にも優れており保存安定性に優れる。酸化ジルコニウムナノ粒子が高濃度に分散された組成物は、例えば、屈折率の向上に有利であり、各種用途に応じた屈折率の調整が可能となる。
本発明の組成物中、極性溶媒の割合は、30質量%以上が好ましく、より好ましくは40質量%以上であり、更に好ましくは50質量%以上であり、また90質量%以下が好ましく、より好ましくは85質量%以下であり、更に好ましくは80質量%以下である。
また、被覆された酸化ジルコニウムナノ粒子に対する親水性樹脂の質量比(親水性樹脂/被覆された酸化ジルコニウムナノ粒子)は、0.1以上が好ましく、より好ましくは0.2以上であり、また10以下が好ましく、より好ましくは7以下である。
本発明の組成物の調製方法は特に限定されないが、例えば化合物(1)で被覆された酸化ジルコニウムナノ粒子を極性溶媒に分散した分散液と、親水性樹脂の極性溶媒溶液とをそれぞれ用意し、これらを混合することで調製することができる。
本発明の組成物には、化合物(1)で被覆された酸化ジルコニウムナノ粒子、極性溶媒、上記した所定の親水性樹脂の他、他の添加成分を配合してもよい。かかる添加成分としては、例えば、硬化剤、硬化促進剤、着色剤、離型剤、反応性希釈剤、可塑剤、安定化剤、難燃助剤、架橋剤などを挙げることができる。
本発明の組成物は、光路長1cmで測定した際の可視光透過率を70%以上にすることができ、好ましくは75%以上、より好ましくは80%以上であり、上限は例えば90%である。また光路長1cmで測定した際のヘイズは、25%以下にすることができ、好ましくは23%以下であり、より好ましくは20%以下であり、下限は例えば1%である。更に、本発明の組成物を、23℃の環境下、14日放置した後の、光路長1cmで測定した際の可視光透過率を70%以上にすることができ、好ましくは75%以上、より好ましくは80%以上であり、上限は例えば90%であり、また光路長1cmで測定した際のヘイズを25%以下にすることができ、好ましくは23%以下であり、より好ましくは20%以下であり、下限は例えば1%である。
更に、本発明の組成物の硬化物は、厚さが200μm以上(通常1mm以下、好ましくは500μm以下)であっても、可視光透過率を96%以上(好ましくは97%以上)にすることができ、またヘイズを1.5%以下(好ましくは1.0%以下)にすることができる。
本発明の組成物では、酸化ジルコニウムナノ粒子が良好に分散していることから、反射防止フィルム、ハードコートフィルム、輝度向上フィルム、プリズムフィルム、レンチキュラーシート、マイクロレンズシート等の光学フィルム(又はシート)や、光学用屈折率調整剤、光学用粘接着剤、光導波路、レンズ、触媒、CMP研磨用組成物、電極、キャパシタ、インクジェット記録方法、圧電素子、LED・OLED・有機EL等光取出し向上剤、抗菌剤、歯科用接着剤、太陽電池パネルに使用する集光構造体に好適に用いられる。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する。本発明は以下の実施例によって制限を受けるものではなく、前記、後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
下記実施例で開示される物性は、以下の方法により測定した。
(i)結晶構造の解析
酸化ジルコニウムナノ粒子の結晶構造は、X線回折装置(リガク社製、RINT−TTRIII)を用いて解析した。測定条件は以下の通りである。
X線源:CuKα(0.154nm)
X線出力設定:50kV、300mA
サンプリング幅:0.0200°
スキャンスピード:10.0000°/min
測定範囲:10〜75°
測定温度:25℃
(ii)正方晶、単斜晶の割合の定量
X線回折装置(リガク社製、RINT−TTRIII)を用いて算出される値を元に、計算ソフト(リガク社製、PDXL)を用いて参照強度比法(RIP法)により定量した(ピークの帰属も計算ソフトの指定に従った)。
(iii)X線回折解析による結晶子径算出
酸化ジルコニウムナノ粒子の結晶子径は、X線回折装置(リガク社製、RINT−TTRIII)によって解析及び算出される30°のピークの半値幅を元に、計算ソフト(リガク社製、PDXL)を用いて算出した。
なお、X線回折測定では酸化ジルコニウムナノ粒子の立方晶と正方晶を区別することが難しく、立方晶が存在する場合でもその割合は正方晶の割合としてカウントされる。
(iv)重量(質量)減少率の測定
TG−DTA(熱重量−示差熱分析)装置により、空気雰囲気下、室温から800℃まで10℃/分で酸化ジルコニウムナノ粒子を昇温し、該粒子の重量(質量)減少率を測定した。この重量(質量)減少率により、酸化ジルコニウムナノ粒子を被覆している被覆剤の割合を知ることができる。
(v)電子顕微鏡による平均一次粒子径の測定
被覆された酸化ジルコニウム粒子の平均一次粒子径は、超高分解能電界放出型走査電子顕微鏡(日立ハイテクノロジーズ社製、S−4800)で観察することによって測定した。倍率15万倍で被覆された酸化ジルコニウム粒子を観察し、任意の100個の粒子について、各粒子の長軸方向の長さを測定し、その平均値を平均一次粒子径とした。
(vi)組成液の可視光透過率及びヘイズの測定
下記実施例で、調製直後の組成液、及び23℃の条件下、14日経過した後の組成液について、光路長1cmのセルに組成液を充填し、濁度計(日本電色工業社製、NDH−7000)にて、可視光透過率及びヘイズを測定した。
(vii)硬化膜の可視光透過率及びヘイズの測定
下記実施例で得られた組成液を、ガラス基板上に塗布し、乾燥することで、膜厚が200μmの膜を得た。ガラス基板ごと、上記(vi)と同様の濁度計を用いて可視光透過率とヘイズを測定した。
実施例1
(1)2−エチルヘキサン酸及び/又は2−エチルヘキサン酸由来のカルボキシレートで被覆された酸化ジルコニウムナノ粒子(被覆された酸化ジルコニウム粒子1)の作製
2−エチルヘキサン酸ジルコニウムミネラルスピリット溶液(90.4g、2−エチルヘキサン酸ジルコニウム含有率44質量%、第一稀元素化学工業社製)に純水(15.5g)を混合し、200mLの水熱合成容器に仕込んだ。この容器を190℃まで加熱し、該温度で16時間保持して反応させた。水熱合成の際の圧力は、1.3MPaG(ゲージ圧)であった。反応後、水熱合成反応溶液から水を分液して取り除いた。
水を除去した後の水熱合成反応液上層を、180℃で加熱して有機溶媒を除去して得られた酸化ジルコニウムナノ粒子の結晶構造を確認したところ、正方晶と単斜晶に帰属される回折線が検出され、回折線の強度から、正方晶と単斜晶の割合は74/26で、その粒子径(正方晶及び/又は立方晶の結晶子径)は5nmであった。電子顕微鏡による平均一次粒子径の測定結果は11nmであった。また酸化ジルコニウムナノ粒子の重量(質量)減少率は、14質量%であった。従って、被覆する2−エチルヘキサン酸及び/又は2−エチルヘキサン酸由来のカルボキシレートは、酸化ジルコニウムナノ粒子全体の14質量%であることが分かった。
(2)メトキシ酢酸と、2−エチルヘキサン酸及び/又は2−エチルヘキサン酸由来のカルボキシレートとで被覆された酸化ジルコニウムナノ粒子(被覆された酸化ジルコニウム粒子2)の作製
水を除去した後の水熱合成反応液上層50gとメトキシ酢酸(エタノールに対するR1のハンセン溶解度パラメータ(HSP)距離は14(MPa)1/2)5gを60℃で30分撹拌混合した。次いで、n−ヘキサンを添加した後に凝集粒子を濾過により分離した。その後、分離した凝集粒子をn−ヘキサン中に添加、10分撹拌後、凝集粒子を濾過により分離し、得られた粒子を室温にて真空乾燥することで、メトキシ酢酸で被覆された酸化ジルコニウムナノ粒子2を得た。
この粒子の結晶構造を確認したところ、正方晶と単斜晶に帰属される回折線が検出され、回折線の強度から、正方晶と単斜晶の割合は74/26で、その粒子径(正方晶及び/又は立方晶の結晶子径)は5nmであった。また酸化ジルコニウムナノ粒子の重量(質量)減少率は、11質量%であった。従って、被覆する2−エチルヘキサン酸、2−エチルヘキサン酸由来のカルボキシレート及びメトキシ酢酸の質量は、酸化ジルコニウムナノ粒子全体の11質量%であることが分かった。
(3)被覆された酸化ジルコニウム粒子2の水分散液の作製
1gの被覆された酸化ジルコニウム粒子2と、1gの水を混合し、均一になるまで撹拌することで、被覆された酸化ジルコニウム粒子2の水分散液を得た。
(4)組成液の作製
ポリビニルピロリドン((株)日本触媒製、K−30、重量平均分子量100,000)の20質量%水溶液5gに、前記した水分散液10gを配合し、均一になるまで撹拌することで、被覆された酸化ジルコニウムナノ粒子2と水とポリビニルピロリドンを含む組成液1を得た。前記組成液1中の、被覆された酸化ジルコニウムナノ粒子2に対するポリビニルピロリドンの質量比(ポリビニルピロリドン/被覆された酸化ジルコニウムナノ粒子2)は0.2であった。
実施例2
ポリビニルピロリドン((株)日本触媒製、K−30)の20質量%水溶液10gに、実施例1の(3)で得られた被覆された酸化ジルコニウム粒子2の水分散液4gを配合し、均一になるまで撹拌することで、被覆された酸化ジルコニウムナノ粒子2と水とポリビニルピロリドンを含む組成液2を得た。前記組成液2中の、被覆された酸化ジルコニウムナノ粒子2に対するポリビニルピロリドンの質量比(ポリビニルピロリドン/被覆された酸化ジルコニウムナノ粒子2)は1であった。
実施例3
ポリビニルピロリドン((株)日本触媒製、K−30)の20質量%水溶液12gに、実施例1の(3)で得られた被覆された酸化ジルコニウム粒子2の水分散液0.96gを配合し、均一になるまで撹拌することで、被覆された酸化ジルコニウムナノ粒子2と水とポリビニルピロリドンを含む組成液3を得た。前記組成液3中の、被覆された酸化ジルコニウムナノ粒子2に対するポリビニルピロリドンの質量比(ポリビニルピロリドン/被覆された酸化ジルコニウムナノ粒子2)は5であった。
実施例4
ポリビニルピロリドン((株)日本触媒製、K−85、重量平均分子量:1,050,000)の20質量%水溶液5gに、実施例1の(3)で得られた被覆された酸化ジルコニウム粒子2の水分散液10gを配合し、均一になるまで撹拌することで、被覆された酸化ジルコニウムナノ粒子2と水とポリビニルピロリドンを含む組成液4を得た。前記組成液4中の、被覆された酸化ジルコニウムナノ粒子2に対するポリビニルピロリドンの質量比(ポリビニルピロリドン/被覆された酸化ジルコニウムナノ粒子2)は0.2であった。
実施例5
ポリビニルピロリドン((株)日本触媒製、K−85)の20質量%水溶液10gに、実施例1の(3)で得られた被覆された酸化ジルコニウム粒子2の水分散液4gを配合し、均一になるまで撹拌することで、被覆された酸化ジルコニウムナノ粒子2と水とポリビニルピロリドンを含む組成液5を得た。前記組成液5中の、被覆された酸化ジルコニウムナノ粒子2に対するポリビニルピロリドンの質量比(ポリビニルピロリドン/被覆された酸化ジルコニウムナノ粒子2)は1であった。
実施例6
ポリビニルピロリドン((株)日本触媒製、K−85)の20質量%水溶液12gに、実施例1の(3)で得られた被覆された酸化ジルコニウム粒子2の水分散液0.96gを配合し、均一になるまで撹拌することで、被覆された酸化ジルコニウムナノ粒子2と水とポリビニルピロリドンを含む組成液6を得た。前記組成液6中の、被覆された酸化ジルコニウムナノ粒子2に対するポリビニルピロリドンの質量比(ポリビニルピロリドン/被覆された酸化ジルコニウムナノ粒子2)は5であった。
実施例1〜6について、上記測定方法で測定した結果を表1に示す。
Figure 2020100692
表1から、化合物(1)、酸化ジルコニウムナノ粒子、所定の親水性樹脂を含む本発明の組成物は、光路長の長い場合の透明性に優れ、このような組成物を硬化させた200μmの膜は、透明性に優れていることが分かる。また、本発明の組成物は、所定期間経過後にも透明性が維持できていることが分かる。

Claims (4)

  1. 1−COOH、(R1O)3-n−P(O)−(OH)n、(R13-n−P(O)−(OH)n、(R1O)−S(O)(O)−(OH)、R1−S(O)(O)−(OH)、(R14-m−Si(R4mからなる群より選択される1以上の化合物で被覆されている酸化ジルコニウムナノ粒子と、
    極性溶媒と、
    親水性樹脂を含む組成物であって、
    前記R1は、酸素原子、窒素原子および硫黄原子からなる群より選ばれる1以上の元素と炭素原子とを含み、前記R1中の炭素原子、酸素原子、窒素原子および硫黄原子の総原子数が8以下の基であり、前記R4はハロゲン原子又は−OR2であり、前記R2は水素原子又はアルキル基であり、前記nは1または2、前記mは1〜3の整数であり、
    前記親水性樹脂の炭素原子数に対する酸素原子数の比(酸素原子数/炭素原子数)が1/3以下であることを特徴とする組成物。
  2. 前記R1中、炭素原子数に対する酸素原子、窒素原子及び硫黄原子の和の比(酸素原子、窒素原子及び硫黄原子の和/炭素原子数)が1/7以上1/1以下である請求項1に記載の組成物。
  3. 前記化合物中、炭素原子数に対する酸素原子数の比(酸素原子数/炭素原子数)が1/6超1/0.2以下である請求項1または2に記載の組成物。
  4. 被覆された酸化ジルコニウムナノ粒子の平均粒子径が1〜100nmである請求項1〜3のいずれかに記載の組成物。
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