JP2020100638A - 慢性腎臓病患者の治療におけるクエン酸第二鉄の使用 - Google Patents

慢性腎臓病患者の治療におけるクエン酸第二鉄の使用 Download PDF

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Abstract

【課題】慢性腎臓病患者のを治療するためのクエン酸第二鉄の使用の提供。【解決手段】慢性腎臓病患者において血清リンレベルを低下させ及び/もしくは制御し、血清重炭酸塩レベルを増加させ、1以上の鉄貯蔵パラメータを改善し(例えば、血清フェリチンレベルを増加させ、トランスフェリン飽和度(TSAT)を増加させ、ヘモグロビン濃度を増加させ)、鉄吸収を増加させ、鉄貯蔵を維持し、鉄欠乏を治療し、貧血を治療し、IV鉄の必要性を低下させ、並びに/又は赤血球生成刺激剤(ESA)の必要性を低下させるための、クエン酸第二鉄の使用。該クエン酸第二鉄が、1日当たり最大12gの量で、少なくとも52週間にわたって該ESRD患者に経口投与されるように用いられることを特徴とする。【選択図】なし

Description

(分野)
本明細書に開示される方法及び組成物は、一般に、慢性腎臓病(CKD)患者を治療するた
めのクエン酸第二鉄の使用に関する。
(背景)
慢性腎臓病(CKD)とは、老廃物を排泄し、尿を濃縮し、電解質を保存する腎臓の能力が
段階的かつ進行性に失われることである。米国国立腎臓財団(U.S. National Kidney Foun
dation)は、腎臓病のタイプ(臨床診断)にかかわらず、腎損傷の有無及び腎機能のレベル
によって慢性腎臓病を定義している。腎機能の主な尺度は、糸球体濾過量(GFR)であり、
これは、多くの場合、血清からのクレアチニンクリアランス及び尿クレアチニン濃度とし
て推定される。慢性腎臓病又は慢性腎不全は、3カ月以上の間、60ml/分未満のGFRを有す
るものと定義されている。米国国立腎臓財団は、GFRに基づく腎機能障害の5ステージ分類
を提案している:
Figure 2020100638
上の表に示されているように、ステージ1は最も重度が低く、ステージ5、すなわち、ES
RDは、最も重度が高い。CKDの初期段階、例えば、ステージ1〜4では、透析は、通常、必
要とされない。したがって、CKDの初期段階を経験している患者は、非透析依存性慢性腎
臓病を有するといわれる。そのような患者は、一般に、非透析慢性腎臓病(ND-CKD)患者と
も呼ばれる。貧血は、通常、透析が必要になるずっと前の、GFRが60cc/分未満であるCKD
ステージ3で初めて現われるが、貧血は、CKDのどのステージでも現れ得る。ステージ5で
は、患者は、週に数回の透析治療を必要とし得る。腎臓の変性プロセスが始まると、CKD
における腎機能は、末期腎臓病(ESRD、ステージ5)へと不可逆的に悪化する。ESRDに罹患
している患者は、透析又は腎移植なしで生存することができない。
米国国立腎臓財団によれば、約2,600万人の米国成人がCKDを有し、その他の何百万人も
の人に高いリスクがある。CKDの初期段階を経験している患者は、通常、年齢が一致した
非CKD一般集団と比較して、患者1人当たり年間14,000米$〜22,000米$の医療費増を負担
している。しかしながら、CKDと関連する費用増及び有害転帰の一部を、予防対策、早期
検出、及び早期治療によって予防し、又は遅延させることができるという証拠が増えつつ
ある。
鉄欠乏及び貧血は、ESRDを含むCKDの一般的な合併症である。貧血は、循環赤血球質量
の減少の臨床症状であり、通常、低血中ヘモグロビン濃度によって検出される。適切に機
能する腎臓は、エリスロポエチンを産生する。エリスロポエチンは、赤血球前駆体の増殖
及び分化を刺激し、それにより、最終的に赤血球生成(赤血球産生)をもたらすホルモンで
ある。CKDの腎臓では、エリスロポエチン産生が損なわれ、エリスロポエチン欠乏及び付
随する赤血球生成の欠乏が生じることが多い。貧血は、有害な心血管転帰、ESRD、死亡、
及び生活の質の低下と関連している(Macdougallの文献、Curr Med Res Opin(2010) 26:47
3-482)。腎機能が低下するので、CKDにおける貧血の罹患率は増加する。非透析慢性腎臓
病患者の約50%が貧血となり、CKD患者が透析を開始する時までに、最大70%が貧血とな
る(Macdougallの文献、上記、及びMcClellanらの文献、Curr Med Res Opin(2004) 20: 15
01-1510)。
鉄欠乏は、CKD患者における貧血の大きな一因である。推定される罹患率は、25〜70%
の範囲である(Hsuらの文献、J Am Soc Nephrol(2002) 13: 2783-2786; Gotloibらの文献
、J Nephrol(2006) 19: 161-167; Mafraらの文献、J Ren Nutr(2002) 12: 38-41 ; Kalan
tar-Zadehらの文献、Am J Kidney Dis(1995) 26: 292-299;及びPostらの文献、Int Urol
Nephrol(2006) 38: 719-723)。原因としては、鉄の摂取もしくは吸収の減少、炎症の結果
としての鉄捕捉、失血、及び赤血球生成刺激剤(ESA)に応答した赤血球産生への鉄使用の
増加が挙げられる(Fishbaneらの文献、Am J Kidney Dis(1997) 29: 319-333; Kooistraら
の文献、Nephrol Dial Transplant(1998) 13: 82-88;及びAkmalらの文献、Clin Nephrol(
1994) 42: 198-202)。CKDステージに応じて、CKD患者の20〜70%は、低い鉄指数を示す(Q
uinbiらの文献、Nephrol Dial Transplant(2011) 26: 1599-1607)。米国における100万人
を上回るCKDステージ3又は4患者は、鉄欠乏に罹患していると推定される。低い鉄貯蔵(「
絶対的」鉄欠乏)又は赤血球生成の要求を満たすために利用可能な鉄の不足(「機能的」鉄
欠乏)のいずれかの存在は、CKD患者におけるヘモグロビンレベルの低下と顕著に相関する
。鉄欠乏は、例えば、食料摂取からの鉄の不足、鉄利用の増加、胃腸による鉄吸収の不良
、並びに腎不全及び細菌異常増殖による広範性の吸収不良、並びに胃腸出血を含む、任意
の1以上の複数の要因に起因し得る(Macdougallの文献、上記)。
CKD患者の貧血及び/又は鉄欠乏に対する現在の標準的ケアは、赤血球生成刺激剤(ESA)
の投与及び/又は鉄補給である。国立腎臓財団腎臓病転帰品質イニシアティブの指針によ
り、CKDステージ1〜5を有し、かつ透析を受けていない患者に対して経口用又は経静脈用
のいずれかの鉄が推奨された(「鉄剤の使用:慢性腎臓病における貧血に対するKDOQI臨床
実践指針及び臨床実践勧告(Using iron agents: KDOQI clinical practice guidelines a
nd clinical practice recommendations for anemia in chronic kidney disease)」、Am
J Kidney Dis(2006) 47: S58-S70を参照されたい)。第二鉄形態の鉄(別名、鉄(III)又は
Fe3+)は、経口投与されたときにバイオアベイラビリティが低いことが昔から知られてい
る。したがって、CKD患者における鉄補給用の経口製剤は、通常、第一鉄形態の鉄(別名、
鉄(II)又はFe2+)を含有する。グルコン酸第一鉄、フマル酸第一鉄、及び硫酸第一鉄を含
む、いくつかの第一鉄経口鉄製剤が治療に利用可能である。最も一般的な経口鉄補給剤は
、硫酸第一鉄であり、これは、鉄欠乏症のCKD患者を治療するための十分な用量を提供す
るために1日に最大3回投与することができる。しかしながら、一部のCKD患者では、経静
脈鉄は、有害な副作用のために忍容性が低いか、又は鉄の十分な体内貯蔵を維持する効果
がない。副作用としては、一般に、胃腸障害、例えば、下痢、吐き気、膨満、及び腹部不
快感が挙げられる。さらに、それらが通常投与される頻度のために、経口第一鉄形態は、
患者に錠剤負担を課し、顕著なマイナスの胃腸の副作用を有し、これは、経口治療レジメ
ンに対するノンコンプライアンスをもたらす(Mehdiらの文献、上記)。
代替法は、CKD患者に経静脈鉄を投与することである。いくつかの研究により、経静脈
鉄製剤は、経口第二鉄補給剤又は経口第一鉄補給剤よりも、CKD患者における鉄欠乏及び/
又は貧血の治療に効果的であることが示された(Mehdiらの文献、上記)。CKD患者の治療の
ための有効な経静脈製剤としては、カルボキシマルトース第二鉄、フェルモキシトール、
グルコン酸第二鉄、鉄スクロース、及び鉄デキストランが挙げられる。しかしながら、経
静脈鉄は、アナフィラキシー及び死亡などの短期的リスク、並びにアテローム性動脈硬化
症、感染症の発症、及び死亡の増加を含む、長期毒性と関連する(Quinibiの文献、Arznei
mittelforschung(2010) 60:399-412)。さらに、多くのCKD診療所、特に、コミュニティサ
イトは、透析センターのインフラがないため、経静脈鉄を投与するには設備が不十分であ
る。このため、CKD鉄欠乏症患者の大部分が経静脈鉄治療を受けないままになっている。
したがって、CKD患者の治療のための改善された方法を開発する必要がある。
(概要)
本開示のある態様は、非透析CKD(ND-CKD)患者及び末期腎臓病(ESRD)患者を含むCKD患者
において、血清リンレベルを低下させ及び/もしくは制御し、血清重炭酸塩レベルを増加
させ、1以上の鉄貯蔵パラメータを改善し(例えば、血清フェリチンレベルを増加させ、ト
ランスフェリン飽和度(TSAT)を増加させ、ヘモグロビン濃度を増加させ)、鉄吸収を増加
させ、鉄貯蔵を維持し、鉄欠乏を治療し、貧血を治療し、IV鉄の必要性を低下させ、並び
に/又は赤血球生成刺激剤(ESA)の必要性を低下させるために使用することができる臨床的
に安全かつ有効なリン酸塩結合剤を提供する。ある態様において、該リン酸塩結合剤は、
CKD患者への長期投与、例えば、少なくとも56週間(56週を含む)の連続投与に臨床的に安
全かつ有効である。
本開示のある実施態様によれば、リン酸塩結合剤として行政によって販売承認される候
補は、本明細書に開示されるクエン酸第二鉄(別名、KRX-0502(クエン酸第二鉄)、実施例1
参照)である。前臨床研究により、食事性リンに結合し、食事性リンの腸内吸収を減少さ
せ、及び血清リン酸塩レベルを低下させる本明細書に開示されるクエン酸第二鉄の能力が
示された(Mathewらの文献、J Am Soc Nephrol(2006) 17: 357A; Voormolenらの文献、Nep
hrol Dial Transplant(2007) 22: 2909-2916;及びTonelliらの文献、Circulation(2005)
112: 2627-2633)。ESRD患者における本明細書に開示されるクエン酸第二鉄(例えば、KRX-
0502(クエン酸第二鉄))に関する4つの臨床研究が実施され、KRX-0502(クエン酸第二鉄)研
究新薬(IND)申請の一部として米国食品医薬品局に報告された。これらの研究の1つである
第3相長期研究(本明細書に記載)により、本明細書に開示されるクエン酸第二鉄(別名、KR
X-0502)が、4週間の有効性評価期間にわたって、プラセボと比べた血清リンの極めて統計
的に有意な変化を示し、52週間の安全性評価期間にわたって、活性対照薬物と比較したと
き、ESRD患者において、フェリチン及びトランスフェリン飽和度(TSAT)を増加させ、経静
脈鉄及び赤血球生成刺激剤の使用を低下させることが確認された。
本開示によれば、本明細書に開示されるクエン酸第二鉄を臨床的に安全かつ有効なリン
酸塩結合剤として用いて、非透析CKD(ND-CKD)患者及び末期腎臓病(ESRD)患者を含むCKD患
者において、血清リンレベルを制御し及び/もしくは低下させ、血清重炭酸塩レベルを増
加させ、1以上の鉄貯蔵パラメータを改善し(例えば、血清フェリチンレベルを増加させ、
トランスフェリン飽和度(TSAT)を増加させ、ヘモグロビン濃度を増加させ、鉄吸収を増加
させ)、鉄貯蔵を維持し、鉄欠乏を治療し、貧血を治療し、IV鉄の必要性を低下させ、並
びに/又は赤血球生成刺激剤(ESA)の必要性を低下させることができることが分かった。
一態様において、本開示は、それを必要とする患者において血清リンを低下させ及び/
又は制御する方法を提供する。いくつかの実施態様において、本方法は、クエン酸第二鉄
を、CKD患者、例えば、末期腎臓病患者に、210mg〜2,520mgの範囲の第二鉄の用量で経口
投与することを含み、ここで、該クエン酸第二鉄は、2.00〜2.50mg/dlの血清リンの平均
低下をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、各々の剤形が210m
gの第二鉄を含む、1グラムの錠剤剤形で投与される。いくつかの実施態様において、該患
者に、1日当たり最大18の錠剤剤形が投与される。いくつかの実施態様において、該患者
に、1日当たり6つの錠剤剤形が投与される。いくつかの実施態様において、該クエン酸第
二鉄は、該患者による食事又は間食の摂取後1時間以内に投与される。いくつかの実施態
様において、該患者は、該クエン酸第二鉄の投与前に少なくとも3カ月間、週3回の血液透
析で、又は腹膜透析で処置された。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、
約16m2/gを超えるBET活性表面積を有する。いくつかの実施態様において、BET活性表面積
は、約16m2/g〜約20m2/gの範囲である。いくつかの実施態様において、BET活性表面積は
、約27.99m2/g〜約32.34m2/gの範囲である。いくつかの実施態様において、BET活性表面
積は、27.99m2/g、28.87m2/g、及び32.34m2/gから選択される。いくつかの実施態様にお
いて、該クエン酸第二鉄は、1.88〜4.0mg/cm2/分の固有溶出率を有する。
別の態様において、本開示は、それを必要とする患者において血清リンを低下させる方
法を提供する。いくつかの実施態様において、本方法は、クエン酸第二鉄を、CKD患者、
例えば、末期腎臓病患者に、210mg〜2,520mgの範囲の第二鉄の用量で経口投与することを
含み、ここで、該クエン酸第二鉄は: 12週間にわたって投与したとき、1.90、1.91、1.92
、1.93、1.94、1.95、1.96、1.97、1.98、1.99、2.00、2.01、2.02、2.03、2.04、2.05、
2.06、2.07、2.08、2.09、及び2.10mg/dlから選択される血清リンの平均低下; 24週間に
わたって投与したとき、2.10、2.11、2.12、2.13、2.14、2.15、2.16、2.17、2.18、2.19
、2.20、2.21、2.22、2.23、2.24、及び2.25mg/dl血清リンの平均低下; 36週間にわたっ
て投与したとき、2.10、2.11、2.12、2.13、2.14、2.15、2.16、2.17、2.18、2.19、及び
2.20mg/dlから選択される血清リンの平均低下; 48週間にわたって投与したとき、1.95、1
.96、1.97、1.98、1.99、2.00、2.01、2.02、2.03、2.04、2.05、2.06、2.07、2.08、2.0
9、2.10、2.11、2.12、2.13、2.14、及び2.15mg/dlから選択される血清リンの平均低下;
並びに52週間にわたって投与したとき、1.95、1.96、1.97、1.98、1.99、2.00、2.01、2.
02、2.03、2.04、2.05、2.06、2.07、2.08、2.09、2.10、2.11、2.12、2.13、2.14、2.15
、2.16、2.17、2.18、2.19、2.20、2.21、2.22、2.23、2.24、2.25、2.26、2.27、2.28、
2.29、及び2.30mg/dlから選択される血清リンの平均低下をもたらす。いくつかの実施態
様において、該クエン酸第二鉄は、12週間にわたって投与したとき、2.00mg/dlの血清リ
ンの平均低下をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、24週間に
わたって投与したとき、2.20mg/dlの血清リンの平均低下をもたらす。いくつかの実施態
様において、該クエン酸第二鉄は、36週間にわたって投与したとき、2.20mg/dlの血清リ
ンの平均低下をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、48週間に
わたって投与したとき、2.10mg/dlの血清リンの平均低下をもたらす。いくつかの実施態
様において、該クエン酸第二鉄は、52週間にわたって投与したとき、2.10mg/dlの血清リ
ンの平均低下をもたらす。
また別の態様において、本開示は、それを必要とする患者において血清重炭酸塩を増加
させる方法を提供する。いくつかの実施態様において、本方法は、クエン酸第二鉄を、CK
D患者、例えば、末期腎臓病患者に、210mg〜2,520mgの範囲の第二鉄の用量で経口投与す
ることを含み、ここで、該クエン酸第二鉄は、少なくとも52週間にわたって投与したとき
、0.70、0.71、0.72、0.73、0.74、0.75、0.76、0.77、0.78、0.79、及び0.80mEq/Lから
選択される血清重炭酸塩の増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第
二鉄は、0.71mEq/Lの血清重炭酸塩濃度の平均増加をもたらす。いくつかの実施態様にお
いて、該クエン酸第二鉄は、各々の剤形が210mgの第二鉄を含む、1グラムの錠剤剤形で投
与される。いくつかの実施態様において、該患者に、1日当たり最大18の錠剤剤形が投与
される。いくつかの実施態様において、該患者に、1日当たり6つの錠剤剤形が投与される
。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、該患者による食事又は間食の摂取
後1時間以内に投与される。いくつかの実施態様において、該患者は、該クエン酸第二鉄
の投与前に少なくとも3カ月間、週3回の血液透析で、又は腹膜透析で処置された。いくつ
かの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、約16m2/gを超えるBET活性表面積を有する
。いくつかの実施態様において、BET活性表面積は、約16m2/g〜約20m2/gの範囲である。
いくつかの実施態様において、BET活性表面積は、約27.99m2/g〜約32.34m2/gの範囲であ
る。いくつかの実施態様において、BET活性表面積は、27.99m2/g、28.87m2/g、及び32.34
m2/gから選択される。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、1.88〜4.0mg/
cm2/分の固有溶出率を有する。
また別の態様において、本開示は、それを必要とする患者において鉄貯蔵を維持する方
法を提供する。いくつかの実施態様において、本方法は、クエン酸第二鉄を、CKD患者、
例えば、非透析慢性腎臓病患者又は末期腎臓病患者に、1日当たり約1g〜約18gの範囲の量
で経口投与することを含む。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、1グラ
ムの錠剤剤形で投与される。いくつかの実施態様において、該患者に、1日当たり最大18
の錠剤剤形が投与される。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、約16m2/g
を超えるBET活性表面積を有する。いくつかの実施態様において、BET活性表面積は、約16
m2/g〜約20m2/gの範囲である。いくつかの実施態様において、BET活性表面積は、約27.99
m2/g〜約32.34m2/gの範囲である。いくつかの実施態様において、BET活性表面積は、27.9
9m2/g、28.87m2/g、及び32.34m2/gから選択される。いくつかの実施態様において、該ク
エン酸第二鉄は、1.88〜4.0mg/cm2/分の固有溶出率を有する。
また別の態様において、本開示は、それを必要とする患者において1以上の鉄貯蔵パラ
メータを改善する方法を提供する。いくつかの実施態様において、本方法は、クエン酸第
二鉄を、CKD患者、例えば、非透析慢性腎臓病患者又は末期腎臓病患者に、1日当たり約1g
〜約18gの範囲の量で経口投与することを含む。いくつかの実施態様において、少なくと
も1つの鉄貯蔵パラメータは、血清フェリチンレベル、トランスフェリン飽和度(TSAT)、
ヘモグロビン濃度、ヘマトクリット値、全鉄結合能、鉄吸収レベル、血清鉄レベル、肝臓
鉄レベル、脾臓鉄レベル、及びこれらの組合せから選択することができる。いくつかの実
施態様において、該クエン酸第二鉄は、1グラムの錠剤剤形で投与される。いくつかの実
施態様において、該患者に、1日当たり最大18の錠剤剤形が投与される。いくつかの実施
態様において、該クエン酸第二鉄は、約16m2/gを超えるBET活性表面積を有する。いくつ
かの実施態様において、BET活性表面積は、約16m2/g〜約20m2/gの範囲である。いくつか
の実施態様において、BET活性表面積は、約27.99m2/g〜約32.34m2/gの範囲である。いく
つかの実施態様において、BET活性表面積は、27.99m2/g、28.87m2/g、及び32.34m2/gから
選択される。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、1.88〜4.0mg/cm2/分の
固有溶出率を有する。
別の実施態様において、少なくとも1つの鉄貯蔵パラメータはヘマトクリット値であり
、及び改善することは、患者のヘマトクリット値を増加させることを含む。他の実施態様
において、少なくとも1つの鉄貯蔵パラメータはヘモグロビン濃度であり、及び改善する
ことは、患者のヘモグロビン濃度を増加させることを含む。また他の実施態様において、
少なくとも1つの鉄貯蔵パラメータは全鉄結合能であり、及び改善することは、患者の全
鉄結合能を減少させることを含む。また他の実施態様において、少なくとも1つの鉄貯蔵
パラメータはトランスフェリン飽和度であり、及び改善することは、患者のトランスフェ
リン飽和度を増加させることを含む。また他の実施態様において、少なくとも1つの鉄貯
蔵パラメータは血清鉄レベルであり、及び改善することは、患者の血清鉄レベルを増加さ
せることを含む。また他の実施態様において、少なくとも1つの鉄貯蔵パラメータは肝臓
鉄レベルであり、及び改善することは、患者の肝臓鉄レベルを増加させることを含む。ま
た他の実施態様において、少なくとも1つの鉄貯蔵パラメータは脾臓鉄レベルであり、及
び改善することは、患者の脾臓鉄レベルを増加させることを含む。また他の実施態様にお
いて、少なくとも1つの鉄貯蔵パラメータは血清フェリチンレベルであり、及び改善する
ことは、患者の血清フェリチンレベルを増加させることを含む。
また別の実施態様において、少なくとも1つの鉄貯蔵パラメータは血清フェリチンレベ
ルであり、及び本開示は、それを必要とする患者において血清フェリチンを増加させる方
法を提供する。いくつかの実施態様において、本方法は、クエン酸第二鉄を、CKD患者、
例えば、末期腎臓病患者に、210mg〜2,520mgの範囲の第二鉄の用量で経口投与することを
含み、ここで、該クエン酸第二鉄は、少なくとも52週間にわたって投与したとき、該患者
における150〜310、151〜309、152〜308、153〜307、154〜306、155〜306、155〜305、15
5〜304、155〜303、及び155〜302ng/mlから選択される血清フェリチンの平均増加をもた
らす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、150〜305ng/mlの血清フェリ
チンの平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、各々の
剤形が210mgの第二鉄を含む、1グラムの錠剤剤形で投与される。いくつかの実施態様にお
いて、該患者に、1日当たり最大18の錠剤剤形が投与される。いくつかの実施態様におい
て、該患者に、1日当たり6つの錠剤剤形が投与される。いくつかの実施態様において、該
クエン酸第二鉄は、該患者による食事又は間食の摂取後1時間以内に投与される。いくつ
かの実施態様において、該患者は、該クエン酸第二鉄の投与前に少なくとも3カ月間、週3
回の血液透析で、又は腹膜透析で処置された。いくつかの実施態様において、該クエン酸
第二鉄は、約16m2/gを超えるBET活性表面積を有する。いくつかの実施態様において、BET
活性表面積は、約16m2/g〜約20m2/gの範囲である。いくつかの実施態様において、BET活
性表面積は、約27.99m2/g〜約32.34m2/gの範囲である。いくつかの実施態様において、BE
T活性表面積は、27.99m2/g、28.87m2/g、及び32.34m2/gから選択される。いくつかの実施
態様において、該クエン酸第二鉄は、1.88〜4.0mg/cm2/分の固有溶出率を有する。
また別の実施態様において、少なくとも1つの鉄貯蔵パラメータはトランスフェリン飽
和度(TSAT)であり、及び本開示は、それを必要とする患者においてトランスフェリン飽和
度(TSAT)を増加させる方法を提供する。いくつかの実施態様において、本方法は、クエン
酸第二鉄を、CKD患者、例えば、末期腎臓病患者に、210mg〜2,520mgの範囲の第二鉄の用
量で経口投与することを含み、ここで、該クエン酸第二鉄は、少なくとも52週間にわたっ
て投与したとき、5〜10%のTSATの平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、
該クエン酸第二鉄は、6〜9%の該患者におけるトランスフェリン飽和度(TSAT)の平均増加
をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、8%の該患者における
トランスフェリン飽和度(TSAT)の平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該
クエン酸第二鉄は、各々の剤形が210mgの第二鉄を含む、1グラムの錠剤剤形で投与される
。いくつかの実施態様において、該患者に、1日当たり最大18の錠剤剤形が投与される。
いくつかの実施態様において、該患者に、1日当たり6つの錠剤剤形が投与される。いくつ
かの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、該患者による食事又は間食の摂取後1時間
以内に投与される。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、約16m2/gを超え
るBET活性表面積を有する。いくつかの実施態様において、BET活性表面積は、約16m2/g〜
約20m2/gの範囲である。いくつかの実施態様において、BET活性表面積は、約27.99m2/g〜
約32.34m2/gの範囲である。いくつかの実施態様において、BET活性表面積は、27.99m2/g
、28.87m2/g、及び32.34m2/gから選択される。いくつかの実施態様において、該クエン酸
第二鉄は、1.88〜4.0mg/cm2/分の固有溶出率を有する。
また別の実施態様において、少なくとも1つの鉄貯蔵パラメータはヘモグロビン濃度で
あり、及び本開示は、それを必要とする患者においてヘモグロビン濃度を増加させる方法
を提供する。いくつかの実施態様において、本方法は、クエン酸第二鉄を、CKD患者、例
えば、末期腎臓病患者に、210mg〜2,520mgの範囲の第二鉄の用量で経口投与することを含
み、ここで、該クエン酸第二鉄は、少なくとも52週間にわたって投与したとき、0.3〜0.6
g/dlの該患者におけるヘモグロビン濃度の平均増加をもたらす。いくつかの実施態様にお
いて、該クエン酸第二鉄は、0.3〜0.5g/dlの該患者におけるヘモグロビン濃度の平均増加
をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、0.4g/dlのヘモグロビ
ン濃度の平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、各々
の剤形が210mgの第二鉄を含む、1グラムの錠剤剤形で投与される。いくつかの実施態様に
おいて、該患者に、1日当たり最大18の錠剤剤形が投与される。いくつかの実施態様にお
いて、該患者に、1日当たり6つの錠剤剤形が投与される。いくつかの実施態様において、
該クエン酸第二鉄は、該患者による食事又は間食の摂取後1時間以内に投与される。いく
つかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、約16m2/gを超えるBET活性表面積を有す
る。いくつかの実施態様において、BET活性表面積は、約16m2/g〜約20m2/gの範囲である
。いくつかの実施態様において、BET活性表面積は、約27.99m2/g〜約32.34m2/gの範囲で
ある。いくつかの実施態様において、BET活性表面積は、27.99m2/g、28.87m2/g、及び32.
34m2/gから選択される。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、1.88〜4.0m
g/cm2/分の固有溶出率を有する。
また別の態様において、本開示は、それを必要とする患者において鉄吸収を増加させる
方法を提供する。いくつかの実施態様において、本方法は、クエン酸第二鉄を、CKD患者
、例えば、非透析慢性腎臓病患者又は末期腎臓病患者に、1日当たり約1g〜約18gの範囲の
量で経口投与することを含む。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、1グ
ラムの錠剤剤形で投与される。いくつかの実施態様において、該患者に、1日当たり最大1
8の錠剤剤形が投与される。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、約16m2/
gを超えるBET活性表面積を有する。いくつかの実施態様において、BET活性表面積は、約1
6m2/g〜約20m2/gの範囲である。いくつかの実施態様において、BET活性表面積は、約27.9
9m2/g〜約32.34m2/gの範囲である。いくつかの実施態様において、BET活性表面積は、27.
99m2/g、28.87m2/g、及び32.34m2/gから選択される。いくつかの実施態様において、該ク
エン酸第二鉄は、1.88〜4.0mg/cm2/分の固有溶出率を有する。
また別の態様において、本開示は、それを必要とする患者において鉄欠乏を治療する方
法を提供する。いくつかの実施態様において、本方法は、クエン酸第二鉄を、CKD患者、
例えば、非透析慢性腎臓病患者又は末期腎臓病患者に、1日当たり約1g〜約18gの範囲の量
で経口投与することを含む。いくつかの実施態様において、該鉄欠乏は貧血である。いく
つかの実施態様において、該治療は、該患者における12.0g/dl及び7.4mmol/Lから選択さ
れるレベル又はそれを上回るヘモグロビンレベルをもたらす。他の実施態様において、該
治療は、該患者における13.0g/dl及び8.1mmol/Lから選択されるレベル又はそれを上回る
ヘモグロビンレベルをもたらす。また他の実施態様において、該治療は、該患者における
6.8mmol/L、7.1mmol/L、7.4mmol/L、及び8.1mmol/Lから選択されるレベル又はそれを上回
るヘモグロビンレベルをもたらす。また他の実施態様において、該治療は、該患者におけ
る11.0g/dl、11.5g/dl、12.0g/dl、及び13.0g/dlから選択されるレベル又はそれを上回る
ヘモグロビンレベルをもたらす。いくつかの実施態様において、該治療は、疲労、目眩、
蒼白、脱毛、興奮、衰弱、異食症、脆い又は亀裂のある爪、プランマー・ヴィンソン症候
群、免疫機能障害、氷食症、レストレスレッグ症候群、及びそれらの組合せから選択され
る少なくとも1つの鉄欠乏の症状を軽減する。いくつかの実施態様において、該クエン酸
第二鉄は、1グラムの錠剤剤形で投与される。いくつかの実施態様において、該患者に、1
日当たり最大18の錠剤剤形が投与される。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二
鉄は、約16m2/gを超えるBET活性表面積を有する。いくつかの実施態様において、BET活性
表面積は、約16m2/g〜約20m2/gの範囲である。いくつかの実施態様において、BET活性表
面積は、約27.99m2/g〜約32.34m2/gの範囲である。いくつかの実施態様において、BET活
性表面積は、27.99m2/g、28.87m2/g、及び32.34m2/gから選択される。いくつかの実施態
様において、該クエン酸第二鉄は、1.88〜4.0mg/cm2/分の固有溶出率を有する。
また別の態様において、本開示は、CKD患者、例えば、末期腎臓病患者において経静脈(
IV)鉄使用を低下させる方法を提供する。いくつかの実施態様において、本方法は、クエ
ン酸第二鉄を、該患者に、210mg〜2,520mgの範囲の第二鉄の用量で経口投与することを含
み、ここで、該クエン酸第二鉄は、少なくとも52週間にわたって投与したとき、末期腎臓
病患者にIV鉄を投与する必要性を、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、及び60%
から選択される量だけ低下させる。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、
51.0、51.1、51.2、51.3、51.4、51.5、51.6、51.7、51.9、及び52.0%から選択される平
均累積IV鉄摂取の平均低下をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄
は、51.6%の平均累積IV鉄摂取の平均低下をもたらす。いくつかの実施態様において、該
クエン酸第二鉄は、各々の剤形が210mgの第二鉄を含む、1グラムの錠剤剤形で投与される
。いくつかの実施態様において、該患者に、1日当たり最大18の錠剤剤形が投与される。
いくつかの実施態様において、該患者に、1日当たり6つの錠剤剤形が投与される。いくつ
かの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、該患者による食事又は間食の摂取後1時間
以内に投与される。いくつかの実施態様において、該患者は、該クエン酸第二鉄の投与前
に少なくとも3カ月間、週3回の血液透析で、又は腹膜透析で処置された。いくつかの実施
態様において、該クエン酸第二鉄は、約16m2/gを超えるBET活性表面積を有する。いくつ
かの実施態様において、BET活性表面積は、約16m2/g〜約20m2/gの範囲である。いくつか
の実施態様において、BET活性表面積は、約27.99m2/g〜約32.34m2/gの範囲である。いく
つかの実施態様において、BET活性表面積は、27.99m2/g、28.87m2/g、及び32.34m2/gから
選択される。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、1.88〜4.0mg/cm2/分の
固有溶出率を有する。
また別の態様において、本開示は、CKD患者、例えば、末期腎臓病患者において赤血球
生成刺激剤(ESA)の使用を低下させる方法を提供する。いくつかの実施態様において、本
方法は、クエン酸第二鉄を、該患者に、210mg〜2,520mgの範囲の第二鉄の用量で経口投与
することを含み、ここで、該クエン酸第二鉄は、少なくとも52週間にわたって投与したと
き、該患者に1以上のESAを投与する必要性を、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29
、及び30%の量だけ低下させる。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、27
.0、27.1、27.2、27.3、27.4、27.5、27.6、27.7、27.9、及び28.0%から選択されるESA
摂取中央値の減少をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、27.1
%の平均累積IV鉄摂取の平均低下をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸
第二鉄は、各々の剤形が210mgの第二鉄を含む、1グラムの錠剤剤形で投与される。いくつ
かの実施態様において、該患者に、1日当たり最大18の錠剤剤形が投与される。いくつか
の実施態様において、該患者に、1日当たり6つの錠剤剤形が投与される。いくつかの実施
態様において、該クエン酸第二鉄は、該患者による食事又は間食の摂取後1時間以内に投
与される。いくつかの実施態様において、該患者は、該クエン酸第二鉄の投与前に少なく
とも3カ月間、週3回の血液透析で、又は腹膜透析で処置された。いくつかの実施態様にお
いて、該クエン酸第二鉄は、約16m2/gを超えるBET活性表面積を有する。いくつかの実施
態様において、BET活性表面積は、約16m2/g〜約20m2/gの範囲である。いくつかの実施態
様において、BET活性表面積は、約27.99m2/g〜約32.34m2/gの範囲である。いくつかの実
施態様において、BET活性表面積は、27.99m2/g、28.87m2/g、及び32.34m2/gから選択され
る。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、1.88〜4.0mg/cm2/分の固有溶出
率を有する。
(詳細な説明)
いくつかの態様において、本開示は、クエン酸第二鉄を用いて、慢性腎臓病(CKD)患者
において、血清リンレベルを低下させ及び/もしくは制御し、血清重炭酸塩レベルを増加
させ、1以上の鉄貯蔵パラメータを改善し(例えば、血清フェリチンレベルを増加させ、ト
ランスフェリン飽和度(TSAT)を増加させ、ヘモグロビン濃度を増加させ)、鉄吸収を増加
させ、鉄貯蔵を維持し、鉄欠乏を治療し、貧血を治療し、IV鉄の必要性を低下させ、並び
に/又は赤血球生成刺激剤(ESA)の必要性を低下させる方法を提供する。どの場合も、本方
法は、クエン酸第二鉄を、非透析CKD(ND-CKD)患者及び末期腎臓病(ESRD)患者を含むCKD患
者に投与することを含む。いくつかの態様において、クエン酸第二鉄の投与は、例えば、
最大52週間(52週を含む)を含む長期間にわたって行われる。いくつかの実施態様において
、クエン酸第二鉄の投与は、最大56週間(56週を含む)にわたって行われる。
これらの開示された方法の各々において、クエン酸第二鉄を、CKD患者に、少なくとも5
2週間、及びいくつかの実施態様において、最大56週間(56週を含む)又はそれより長い期
間にわたって投与することができる。さらに、これらの方法の各々において、クエン酸第
二鉄を、CKD患者に、210mgの第二鉄を含有する1gの錠剤又はカプレットの剤形で経口投与
することができる。最大18の錠剤又はカプレットを1日かけて投与することができる。
本開示は、CKD患者に投与し得る、鉄補給剤でもあり得る医薬組成物も提供する。該組
成物/鉄補給剤は、クエン酸第二鉄及び下記のような他の医薬として許容し得る成分を含
む。該組成物/鉄補給剤は、鉄をCKD患者に提供するために製剤化され、該組成物/鉄補給
剤によって提供される鉄の量は、CKD患者において、鉄吸収を増加させ、1以上の鉄貯蔵パ
ラメータを改善し、鉄欠乏を治療し、及び/又は貧血を治療するのに十分である。該組成
物/鉄補給剤は、下記のような、任意の数の形態で提供することができる。特に、該組成
物/鉄補給剤は、経口錠剤剤形として提供することができる。
次に、クエン酸第二鉄、剤形、組成物、合成方法、及び使用方法の特定の実施態様につ
いて詳細に言及する。開示される実施態様は、特許請求の範囲の限定を意図するものでは
ない。それとは反対に、特許請求の範囲は、全ての代替物、修飾物、及び等価物を含むこ
とを意図するものである。
(クエン酸第二鉄の治療的使用)
以下でより詳細に示すように、本明細書に開示されるのは、非透析CKD(ND-CKD)患者及
び末期腎臓病(ESRD)患者を含むCKD患者において、血清リンレベルを低下させ及び/もしく
は制御し、血清重炭酸塩レベルを増加させ、1以上の鉄貯蔵パラメータを改善し(例えば、
血清フェリチンレベルを増加させ、トランスフェリン飽和度(TSAT)を増加させ、ヘモグロ
ビン濃度を増加させ)、鉄吸収を増加させ、鉄貯蔵を維持し、鉄欠乏を治療し、貧血を治
療し、IV鉄の必要性を低下させ、並びに/又は赤血球生成刺激剤(ESA)の必要性を低下させ
るために使用することができる方法及び剤形である。
したがって、様々な態様において、本明細書に開示されるクエン酸第二鉄をCKD患者に
投与して、血清リンを低下させ及び/又は制御することができる。様々な態様において、
本明細書に開示されるクエン酸第二鉄をCKD患者に投与して、血清重炭酸塩を増加させる
ことができる。様々な態様において、本明細書に開示されるクエン酸第二鉄をCKD患者に
投与して、血清フェリチンを増加させること、トランスフェリン飽和度(TSAT)を増加させ
ること、及びヘモグロビン濃度を増加させることを含め、1以上の鉄貯蔵パラメータを改
善することができる。様々な態様において、本明細書に開示されるクエン酸第二鉄をCKD
患者に投与して、鉄吸収を増加させることができる。様々な態様において、本明細書に開
示されるクエン酸第二鉄をCKD患者に投与して、鉄貯蔵を維持することができる。様々な
態様において、本明細書に開示されるクエン酸第二鉄をCKD患者に投与して、鉄欠乏を治
療することができる。様々な態様において、本明細書に開示されるクエン酸第二鉄をCKD
患者に投与して、貧血を治療することができる。様々な態様において、本明細書に開示さ
れるクエン酸第二鉄をCKD患者に投与して、IV鉄及び/又は赤血球生成刺激剤(ESA)の必要
性を低下させることができる。
CKD患者を治療する方法も開示される。様々な態様において、本開示は、血清リンを低
下させ及び/又は制御する方法であって、クエン酸第二鉄をCKD患者に経口投与することを
含む方法を提供し、ここで、該クエン酸第二鉄は、血清リンの低下をもたらす。様々な態
様において、本開示は、血清重炭酸塩を増加させる方法であって、クエン酸第二鉄をCKD
患者に経口投与することを含む方法を提供し、ここで、該クエン酸第二鉄は、血清重炭酸
塩の増加をもたらす。様々な態様において、本開示は、1以上の鉄貯蔵パラメータを改善
する方法であって、クエン酸第二鉄をCKD患者に経口投与することを含む方法を提供し、
ここで、該クエン酸第二鉄は、1以上の鉄貯蔵パラメータの改善をもたらす。様々な態様
において、本開示は、血清フェリチンを増加させる方法であって、クエン酸第二鉄をCKD
患者に経口投与することを含む方法を提供し、ここで、該クエン酸第二鉄は、血清フェリ
チンの増加をもたらす。様々な態様において、本開示は、トランスフェリン飽和度(TSAT)
を増加させる方法であって、クエン酸第二鉄をCKD患者に経口投与することを含む方法を
提供し、ここで、該クエン酸第二鉄は、TSATの増加をもたらす。様々な態様において、本
開示は、ヘモグロビン濃度を増加させる方法であって、クエン酸第二鉄をCKD患者に経口
投与することを含む方法を提供し、ここで、該クエン酸第二鉄は、ヘモグロビン濃度の増
加をもたらす。様々な態様において、本開示は、鉄吸収を増加させる方法であって、クエ
ン酸第二鉄をCKD患者に経口投与することを含む方法を提供し、ここで、該クエン酸第二
鉄は、鉄吸収の増加をもたらす。様々な態様において、本開示は、鉄貯蔵を維持する方法
であって、クエン酸第二鉄をCKD患者に経口投与することを含む方法を提供し、ここで、
該クエン酸第二鉄は、鉄貯蔵の維持をもたらす。様々な態様において、本開示は、鉄欠乏
を治療する方法であって、クエン酸第二鉄をCKD患者に経口投与することを含む方法を提
供し、ここで、該クエン酸第二鉄は、鉄欠乏の治療をもたらす。様々な態様において、本
開示は、貧血を治療する方法であって、クエン酸第二鉄をCKD患者に経口投与することを
含む方法を提供し、ここで、該クエン酸第二鉄は、貧血の治療をもたらす。様々な態様に
おいて、本開示は、CKD患者において経静脈(IV)鉄使用を低下させる方法であって、クエ
ン酸第二鉄をCKD患者に経口投与することを含む方法を提供し、ここで、該クエン酸第二
鉄は、該CKDにIV鉄を投与する必要性を低下させる。様々な態様において、本開示は、CKD
患者において赤血球生成刺激剤(ESA)を低下させる方法であって、クエン酸第二鉄をCKD患
者に経口投与することを含む方法を提供し、ここで、該クエン酸第二鉄は、投与された場
合、該CKD患者に1以上のESAを投与する必要性を低下させる。これらの方法の各々におい
て、該クエン酸第二鉄は、最大56週間(56週を含む)を含む、最大52週間(52週を含む)の期
間にわたって投与することができる。
(慢性腎臓病患者)
様々な態様において、本明細書に開示されるクエン酸第二鉄を任意の慢性腎臓病(CKD)
患者に投与して、CKDと関連する状態及び障害のいずれか、例えば、本明細書に記載され
る状態及び障害を治療する。糸球体濾過量(GFR)が、3カ月間、<60ml/分/1.73m2である全
ての個体は、腎損傷の有無にかかわらず、CKDを有すると分類される。透析又は腎移植の
どちらかを必要とするCKDの個体は、通常、末期腎臓病(ESRD)患者と呼ばれる。したがっ
て、患者が、CKDの透析非依存的な初期段階の最後に到達している場合、該患者は、伝統
的に、ESRD患者と分類される。その時より前は、これらの患者は、透析非依存的CKD患者
と呼ばれる。しかしながら、透析をまだ開始していない、又は移植が勧められていない、
進行期、例えば、ステージ5のCKDを有する患者も、通常、透析非依存的なCKD患者と呼ば
れる。
非透析CKD(ND-CKD)患者とは、初期の慢性腎臓病と診断された患者及び透析を受けるよ
うに医学的にまだ指示されていない患者である。上述のように、米国国立腎臓財団は、慢
性腎臓病の5つのステージを定義した。通常、患者は、透析が医学的に必要となる前に、
ステージ1から4を経て進行する。
本明細書で使用されるように、ND-CKDは、慢性腎臓病と診断されたが、クエン酸第二鉄
の投与中は透析を受けていない全ての患者を含むことが意図される。そのような患者とし
ては、例えば、今まで透析を受けたことがない患者、及びいくつかの実施態様において、
透析を受けたことがあるが、クエン酸第二鉄の投与中は透析を受けていない患者を挙げる
ことができる。
様々な態様において、ESRD患者とは、通常、後期の慢性腎臓病と診断された患者である
。場合により、「末期腎臓病」という語句は、第5ステージのCKDを示すために使用される
。したがって、本明細書で使用されるように、ESRD患者とは、進行期、例えば、ステージ
5のCKDを有する患者、並びに血液透析もしくは腹膜透析のどちらかを開始した患者及び/
又は医療提供者によって腎移植が勧められている患者である。
いくつかの実施態様において、CKD患者は、以下の特徴: 2.5mg/dL〜8.0mg/dLの血清リ
ンレベル;リン酸塩結合剤から取り除いたとき、6.0mg/dL以上の血清リンレベル; 3〜18ピ
ル/日の酢酸カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸ランタン、セベラマー(炭酸塩もしくは塩
酸塩もしくは同等のセベラマー粉末)、リン酸塩結合剤としての役割を果たす任意の他の
薬剤、又は上記のいずれかの組合せを服用している; 1000mg/L未満の血清フェリチンレベ
ルを有する;スクリーニング時に50%未満のトランスフェリン飽和度レベル(TSAT)を有す
る; 1年を超える平均余命を有する;或いは上記のいずれかの組合せのうちの1つ又は複数
を示す。
さらに、CKD患者は、クエン酸第二鉄以外のリン結合剤を服用していてもよいが、これ
は必要とされない。CKD患者は、哺乳動物であることができ、いくつかの実施態様におい
て、ヒトである。いくつかの実施態様において、CKD患者は、任意の年齢及び/又は重量の
女性又は男性である。いくつかの実施態様において、CKD患者は、少なくとも18歳であり
、かつ少なくとも3カ月間、週3回の血液透析、及び/又は腹膜透析を受けている男性又は
非妊娠、非授乳期の女性である。
(血清リン)
リン酸塩は、広範囲の細胞過程に極めて重要である。それは、骨格の主要な構成要素の
うちの1つであり、かつDNA及びRNAを構成する核酸の不可欠な構成要素である。さらに、
アデノシン三リン酸(ATP)のリン酸結合は、全ての細胞機能に必要とされるエネルギーを
担持している。リン酸塩は、骨、血清、及び尿中の緩衝剤として機能し、酵素及びタンパ
ク質へのリン酸基の付加並びに/又は酵素及びタンパク質からのリン酸基の欠失は、それ
らの活性の調節のための共通機構である。リン酸塩が有する影響の大きさを考慮すると、
そのホメオスタシスは、当然のことながら、高度に調節された過程である。
CKD患者は、通常、血清リン酸塩のレベルの上昇を示す。非CKD患者では、正常な血清リ
ン酸塩レベルは、0.81mmol/L〜1.45mmol/Lであるべきである。しかしながら、CKD患者で
は、腎機能が失われ、体が尿からリン酸塩を排泄するその能力を失うので、血清リン酸塩
レベルは、通常、顕著に増加している。これは、CKD患者が、通常、高リン血症を経験す
ることを意味する。高リン血症は、血液中のリン酸塩のレベルが異常に上昇している電解
質平衡異常である。高リン血症は、大多数のCKD患者で発症し、通常、二次性副甲状腺機
能亢進症及び腎性骨ジストロフィーの進行を伴う。さらに、高リン血症は、最近、透析患
者における心血管死の増加と関連付けられている。血清リンの適切な制御は、二次性副甲
状腺機能亢進症の進行を軽減するために、並びに血管石灰化及び心血管死のリスクを低下
させるために、CKD患者の臨床管理において重要である。CKD患者において血清リン酸塩レ
ベルを制御するために取られる典型的な対策としては、食事性リン制限、透析、及び経口
リン酸塩結合剤が挙げられる。残念ながら、食事制限は、進行期のCKD、例えば、ESRDで
は限られた効果しかない。したがって、CKD患者においてリンの食事性吸収を制限するた
めには、経口リン酸塩結合剤が必要である。
本明細書に開示される方法に従って治療されるCKD患者は、血清リン酸塩レベルの改善
を経験し得る。いくつかの実施態様において、本明細書に開示される方法に従って治療さ
れるCKD患者は、血清リン酸塩レベルの減少を経験する。いくつかの実施態様において、
本開示は、CKD患者において血清リンを低下させる方法であって、クエン酸第二鉄を、CKD
患者、例えば、末期腎臓病患者又は非透析慢性腎臓病患者に経口投与することを含む方法
を提供し、ここで、該クエン酸第二鉄は、該患者における血清リンの低下をもたらす。い
くつかの実施態様において、本開示は、CKD患者における高リン血症の治療のための方法
であって、クエン酸第二鉄を、CKD患者、例えば、末期腎臓病患者又は非透析慢性腎臓病
患者に経口投与することを含む方法を提供し、ここで、該クエン酸第二鉄は、該患者にお
ける血清リンの低下をもたらす。いくつかの実施態様において、本開示は、血清リンを低
下させる方法であって、クエン酸第二鉄を、末期腎臓病患者に、210mg〜2,520mgの範囲の
第二鉄の用量で経口投与することを含む方法を提供し、ここで、該クエン酸第二鉄は、該
患者における血清リンの低下をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二
鉄は、12週間にわたって投与される。いくつかの実施態様において、24週間にわたり、い
くつかの実施態様において、36週間にわたり、いくつかの実施態様において、48週間にわ
たり、いくつかの実施態様において、52週間にわたり、及びいくつかの実施態様において
、最大56週間(56週を含む)にわたる。いくつかの実施態様において、53週間にわたる。い
くつかの実施態様において、54週間にわたり、いくつかの実施態様において、55週間にわ
たる。いくつかの実施態様において、56週間にわたる。
いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、1.00〜3.00mg/dlの血清リンの平
均低下をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、1.10〜2.90mg/d
lの血清リンの平均低下をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は
、1.20〜2.80mg/dlの血清リンの平均低下をもたらす。いくつかの実施態様において、該
クエン酸第二鉄は、1.30〜2.70mg/dlの血清リンの平均低下をもたらす。いくつかの実施
態様において、該クエン酸第二鉄は、1.40〜2.60mg/dlの血清リンの平均低下をもたらす
。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、1.50〜2.50mg/dlの血清リンの平
均低下をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、1.60〜2.40mg/d
lの血清リンの平均低下をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は
、1.70〜2.30mg/dlの血清リンの平均低下をもたらす。いくつかの実施態様において、該
クエン酸第二鉄は、1.80〜2.20mg/dlの血清リンの平均低下をもたらす。いくつかの実施
態様において、該クエン酸第二鉄は、1.90〜2.10mg/dlの血清リンの平均低下をもたらす
。上記の範囲は、効率目的でこの形式で開示されており、上記の範囲のいずれかを、任意
の方法、製剤、又はこれらの組合せと組み合わせることができる。
いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、1.00〜1.25mg/dl、1.00〜1.50mg/
dlの血清リンの平均低下をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は
、1.00〜1.75mg/dlの血清リンの平均低下をもたらす。いくつかの実施態様において、該
クエン酸第二鉄は、1.00〜2.00mg/dlの血清リンの平均低下をもたらす。いくつかの実施
態様において、該クエン酸第二鉄は、2.00〜2.25mg/dlから選択される血清リンの平均低
下をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、2.00〜2.50mg/dlか
ら選択される血清リンの平均低下をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸
第二鉄は、2.00〜2.75mg/dlから選択される血清リンの平均低下をもたらす。いくつかの
実施態様において、該クエン酸第二鉄は、2.00〜3.00mg/dlから選択される血清リンの平
均低下をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、1.00〜2.25mg/d
lから選択される血清リンの平均低下をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエ
ン酸第二鉄は、1.00〜2.50mg/dlから選択される血清リンの平均低下をもたらす。いくつ
かの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、1.00〜2.75mg/dlから選択される血清リン
の平均低下をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、1.00〜3.00
mg/dlから選択される血清リンの平均低下をもたらす。いくつかの実施態様において、該
クエン酸第二鉄は、2.00〜2.50mg/dlの血清リンの平均低下をもたらす。上記の範囲は、
効率目的でこの形式で開示されており、上記の範囲のいずれかを、任意の方法、製剤、又
はこれらの組合せと組み合わせることができる。
いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、1.00を超える血清リンの平均低下
をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、1.10を超える血清リン
の平均低下をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、1.20超から
選択される血清リンの平均低下をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第
二鉄は、1.30を超える血清リンの平均低下をもたらす。いくつかの実施態様において、該
クエン酸第二鉄は、1.40を超える血清リンの平均低下をもたらす。いくつかの実施態様に
おいて、該クエン酸第二鉄は、1.50を超える血清リンの平均低下をもたらす。いくつかの
実施態様において、該クエン酸第二鉄は、1.60を超える血清リンの平均低下をもたらす。
いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、1.70を超える血清リンの平均低下を
もたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、1.80を超える血清リンの
平均低下をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、1.90を超える
血清リンの平均低下をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、2.
00を超える血清リンの平均低下をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第
二鉄は、2.10を超える血清リンの平均低下をもたらす。いくつかの実施態様において、該
クエン酸第二鉄は、2.20を超える血清リンの平均低下をもたらす。いくつかの実施態様に
おいて、該クエン酸第二鉄は、2.30を超える血清リンの平均低下をもたらす。いくつかの
実施態様において、該クエン酸第二鉄は、2.40を超える血清リンの平均低下をもたらす。
いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、2.50を超える血清リンの平均低下を
もたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、2.60を超える血清リンの
平均低下をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、2.70を超える
血清リンの平均低下をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、2.
80を超える血清リンの平均低下をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第
二鉄は、2.90mg/dlを超える血清リンの平均低下をもたらす。上記の限度は、効率目的で
この形式で開示されており、上記の限度のいずれかを、任意の方法、製剤、下で開示され
る下限、又はこれらの組合せと組み合わせることができる。
いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、3.00mg/dl未満の血清リンの平均
低下をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、2.90mg/dl未満の
血清リンの平均低下をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、2.
80mg/dl未満の血清リンの平均低下をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン
酸第二鉄は、2.70mg/dl未満の血清リンの平均低下をもたらす。いくつかの実施態様にお
いて、該クエン酸第二鉄は、2.60mg/dl未満の血清リンの平均低下をもたらす。いくつか
の実施態様において、該クエン酸第二鉄は、2.50mg/dl未満の血清リンの平均低下をもた
らす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、2.40mg/dl未満の血清リンの
平均低下をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、2.30mg/dl未
満の血清リンの平均低下をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は
、2.20mg/dl未満の血清リンの平均低下をもたらす。いくつかの実施態様において、該ク
エン酸第二鉄は、2.10mg/dl未満の血清リンの平均低下をもたらす。いくつかの実施態様
において、該クエン酸第二鉄は、2.00mg/dl未満の血清リンの平均低下をもたらす。いく
つかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、1.90mg/dl未満の血清リンの平均低下を
もたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、1.80mg/dl未満の血清リ
ンの平均低下をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、1.70mg/d
l未満の血清リンの平均低下をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二
鉄は、1.60mg/dl未満の血清リンの平均低下をもたらす。いくつかの実施態様において、
該クエン酸第二鉄は、1.50mg/dl未満の血清リンの平均低下をもたらす。いくつかの実施
態様において、該クエン酸第二鉄は、1.40mg/dl未満の血清リンの平均低下をもたらす。
いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、1.30mg/dl未満の血清リンの平均低
下をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、1.20mg/dl未満の血
清リンの平均低下をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、1.10
mg/dl未満の血清リンの平均低下をもたらす。上記の限度は、効率目的でこの形式で開示
されており、上記の限度のいずれかを、任意の方法、製剤、上で開示された上限、又はこ
れらの組合せと組み合わせることができる。
いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、12週間にわたって投与したとき、
約1.90、1.91、1.92、1.93、1.94、1.95、1.96、1.97、1.98、1.99、2.00、2.01、2.02、
2.03、2.04、2.05、2.06、2.07、2.08、2.09、及び2.10mg/dlのうちの1つの血清リンの平
均低下をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、12週間にわたっ
て投与したとき、約2.00mg/dlの血清リンの平均低下をもたらす。いくつかの実施態様に
おいて、該クエン酸第二鉄は、24週間にわたって投与したとき、約2.10、2.11、2.12、2.
13、2.14、2.15、2.16、2.17、2.18、2.19、2.20、2.21、2.22、2.23、2.24、及び2.25mg
/dlのうちの1つの血清リンの平均低下をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエ
ン酸第二鉄は、24週間にわたって投与したとき、約2.20mg/dlの血清リンの平均低下をも
たらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、36週間にわたって投与した
とき、約2.10、2.11、2.12、2.13、2.14、2.15、2.16、2.17、2.18、2.19、及び2.20mg/d
lのうちの1つの血清リンの平均低下をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン
酸第二鉄は、36週間にわたって投与したとき、約2.20mg/dlの血清リンの平均低下をもた
らす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、48週間にわたって投与したと
き、1.95mg/dl、1.96、1.97、1.98、1.99、2.00、2.01、2.02、2.03、2.04、2.05、2.06
、2.07、2.08、2.09、2.10、2.11、2.12、2.13、2.14、及び2.15mg/dlのうちの1つの血清
リンの平均低下をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、48週間
にわたって投与したとき、約2.10mg/dlの血清リンの平均低下をもたらす。いくつかの実
施態様において、該クエン酸第二鉄は、52週間にわたって投与したとき、約1.95mg/dl、1
.96、1.97、1.98、1.99、2.00、2.01、2.02、2.03、2.04、2.05、2.06、2.07、2.08、2.0
9、2.10、2.11、2.12、2.13、2.14、2.15、2.16、2.17、2.18、2.19、2.20、2.21、2.22
、2.23、2.24、2.25、2.26、2.27、2.28、2.29、及び2.30mg/dlのうちの1つの血清リンの
平均低下をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、52週間にわた
って投与したとき、約2.10mg/dlの血清リンの平均低下をもたらす。いくつかの実施態様
において、該クエン酸第二鉄は、56週間にわたって投与したとき、52週のベースラインか
ら測定して、約.20、0.21、0.22、0.23、0.24、0.25、0.26、0.27、0.28、0.29、0.30、0
.31、0.32、0.33、0.34、及び0.35mg/dlのうちの1つの血清リンの平均低下をもたらす。
いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、56週間にわたって投与したとき、52
週のベースラインから測定して、0.30mg/dlの血清リンの平均低下をもたらす。
いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、20〜35%から選択される血清リン
の平均低下をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、20〜35%、
22〜33%、及び25〜30%から選択される血清リンの平均低下をもたらす。いくつかの実施
態様において、該クエン酸第二鉄は、27〜28.5%の血清リンの平均低下をもたらす。いく
つかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、27〜28.4%の血清リンの平均低下をもた
らす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、20%超、21%超、22%超、23
%超、24%超、25%超、26%超、27%超、28%超、29%超、30%超、31%超、32%超、33
%超、及び34%超から選択される血清リンの平均低下をもたらす。いくつかの実施態様に
おいて、該クエン酸第二鉄は、35%未満、34%未満、33%未満、32%未満、33%未満、32
%未満、31%未満、30%未満、29%未満、28%未満、27%未満、26%未満、25%未満、24
%未満、23%未満、22%未満、及び21%未満から選択される血清リンの平均低下をもたら
す。
いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、12週間にわたって投与したとき、
1.90、1.91、1.92、1.93、1.94、1.95、1.96、1.97、1.98、1.99、2.00、2.01、2.02、2.
03、2.04、2.05、2.06、2.07、2.08、2.09、及び2.10mg/dlから選択される血清リンの平
均低下をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、12週間にわたっ
て投与したとき、2.00mg/dlの血清リンの平均低下をもたらす。いくつかの実施態様にお
いて、該クエン酸第二鉄は、24週間にわたって投与したとき、2.10、2.11、2.12、2.13、
2.14、2.15、2.16、2.17、2.18、2.19、2.20、2.21、2.22、2.23、2.24、及び2.25mg/dl
から選択される血清リンの平均低下をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン
酸第二鉄は、24週間にわたって投与したとき、2.20mg/dlの血清リンの平均低下をもたら
す。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、36週間にわたって投与したとき
、2.10、2.11、2.12、2.13、2.14、2.15、2.16、2.17、2.18、2.19、及び2.20mg/dlから
選択される血清リンの平均低下をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第
二鉄は、36週間にわたって投与したとき、2.20mg/dlの血清リンの平均低下をもたらす。
いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、48週間にわたって投与したとき、1.
95、1.96、1.97、1.98、1.99、2.00、2.01、2.02、2.03、2.04、2.05、2.06、2.07、2.08
、2.09、2.10、2.11、2.12、2.13、2.14、及び2.15mg/dlから選択される血清リンの平均
低下をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、48週間にわたって
投与したとき、2.10mg/dlの血清リンの平均低下をもたらす。いくつかの実施態様におい
て、該クエン酸第二鉄は、52週間にわたって投与したとき、1.95、1.96、1.97、1.98、1.
99、2.00、2.01、2.02、2.03、2.04、2.05、2.06、2.07、2.08、2.09、2.10、2.11、2.12
、2.13、2.14、2.15、2.16、2.17、2.18、2.19、2.20、2.21、2.22、2.23、2.24、2.25、
2.26、2.27、2.28、2.29、及び2.30mg/dlから選択される血清リンの平均低下をもたらす
。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、52週間にわたって投与したとき、
2.10mg/dlの血清リンの平均低下をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸
第二鉄は、56週間にわたって投与したとき、52週のベースラインから測定して、0.20、0.
21、0.22、0.23、0.24、0.25、0.26、0.27、0.28、0.29、0.30、0.31、0.32、0.33、0.34
、及び0.35mg/dlから選択される血清リンの平均低下をもたらす。いくつかの実施態様に
おいて、該クエン酸第二鉄は、56週間にわたって投与したとき、52週のベースラインから
測定して、0.30mg/dlの血清リンの平均低下をもたらす。
いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、表Aに示すような血清リンの平均
低下をもたらす:
表A:
Figure 2020100638
1 最終観察繰越法(Last observation carried forward)を欠測データに用いた。
2 LS平均治療差及びp-値は、治療を固定効果とし、ベースラインを共変量とするANCOVAモ
デルによって求められる。
いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、表Bに示すような血清リンの平均
低下をもたらす:
表B:
Figure 2020100638
1 最終観察繰越法を欠測データに用いた。
いくつかの実施態様において、本明細書に開示される方法に従って治療されるCKD患者
、例えば、ESRD患者は、その血清リンレベルの維持を経験し、その結果、その血清リンレ
ベルは、クエン酸第二鉄の投与の間、実質的に不変であり続ける。
(血清重炭酸塩)
代謝性アシドーシスは、体が過剰な量の酸を産生するときに、及び/又は腎臓が体から
十分な酸を除去していないときにCKD患者で生じる状態である。抑制されなければ、代謝
性アシドーシスは酸血症を引き起こし、その場合、血液のpHは、体による水素の産生増加
及び/又は体による腎臓での重炭酸塩(HCO3-)形成不能が原因で、7.35未満に下がる。CKD
患者における代謝性アシドーシスの結果は、昏睡及び死を含め、重大であり得る。したが
って、CKD患者が、その血流中の重炭酸塩の正常なレベルを維持することは重要である。
非CKD患者について、血清重炭酸塩の一般的な基準は、それぞれ、22mEq/L〜28mEq/L、又
は22mmol/L〜28mmol/Lの範囲である。しかしながら、CKD患者では、腎臓が重炭酸塩を産
生するその能力を失うので、血清重炭酸塩濃度は大きく低下し得る。
本明細書に開示される方法に従って治療されるCKD患者は、血清重炭酸塩濃度の増加を
経験し得る。いくつかの実施態様において、本明細書に開示される方法に従って治療され
るCKD患者は、血清重炭酸塩濃度の増加を経験する。いくつかの実施態様において、本開
示は、CKD患者、例えば、ESRD患者又はND-CKD患者において血清重炭酸塩濃度を増加させ
る方法であって、クエン酸第二鉄をCKD患者に経口投与することを含む方法を提供し、こ
こで、該クエン酸第二鉄は、該患者における血清重炭酸塩濃度の増加をもたらす。いくつ
かの実施態様において、本開示は、血清重炭酸塩濃度を増加させる方法であって、クエン
酸第二鉄を、CKD患者に、210mg〜2,520mgの範囲の第二鉄の用量で経口投与することを含
む方法を提供し、ここで、該クエン酸第二鉄は、該患者における血清重炭酸塩濃度の増加
をもたらす。いくつかの実施態様において、該患者に、1日当たり最大18の錠剤剤形が投
与される。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、12週間にわたって、いく
つかの実施態様において、36週間にわたって、いくつかの実施態様において、52週間にわ
たって、及びいくつかの実施態様において、最大56週間(56週を含む)にわたって投与され
る。
いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、0.1〜1.0mEq/Lの該患者における
血清重炭酸塩濃度の平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二
鉄は、0.70、0.71、0.72、0.73、0.74、0.75、0.76、0.77、0.78、0.79、及び0.80mEq/L
から選択される該患者における血清重炭酸塩濃度の平均増加をもたらす。いくつかの実施
態様において、該クエン酸第二鉄は、0.71mEq/Lの該患者における血清重炭酸塩濃度の平
均増加をもたらす。
いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、0.70mEq/L超の血清重炭酸塩濃度
の平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、0.71mEq/L
超の血清重炭酸塩濃度の平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸
第二鉄は、0.72mEq/L超の血清重炭酸塩濃度の平均増加をもたらす。いくつかの実施態様
において、該クエン酸第二鉄は、0.73mEq/L超の血清重炭酸塩濃度の平均増加をもたらす
。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、0.74mEq/L超の血清重炭酸塩濃度
の平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、0.75mEq/L
超の血清重炭酸塩濃度の平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸
第二鉄は、0.76mEq/L超の血清重炭酸塩濃度の平均増加をもたらす。いくつかの実施態様
において、該クエン酸第二鉄は、0.77mEq/L超の血清重炭酸塩濃度の平均増加をもたらす
。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、0.78mEq/L超の血清重炭酸塩濃度
の平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、0.79mEq/L
超の血清重炭酸塩濃度の平均増加をもたらす。上記の限度は、効率目的でこの形式で開示
されており、上記の限度のいずれかを、任意の方法、製剤、下で開示される下限、又はこ
れらの組合せと組み合わせることができる。
いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、0.80mEq/L未満の血清重炭酸塩濃
度の平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、0.79mEq/
L未満の血清重炭酸塩濃度の平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエ
ン酸第二鉄は、0.78mEq/L未満の血清重炭酸塩濃度の平均増加をもたらす。いくつかの実
施態様において、該クエン酸第二鉄は、0.77mEq/L未満の血清重炭酸塩濃度の平均増加を
もたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、0.76mEq/L未満の血清重
炭酸塩濃度の平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、
0.75mEq/L未満の血清重炭酸塩濃度の平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において
、該クエン酸第二鉄は、0.74mEq/L未満の血清重炭酸塩濃度の平均増加をもたらす。いく
つかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、0.73mEq/L未満の血清重炭酸塩濃度の平
均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、0.72mEq/L未満
の血清重炭酸塩濃度の平均増加をもたらす。上記の限度は、効率目的でこの形式で開示さ
れており、上記の限度のいずれかを、任意の方法、製剤、上で開示された上限、又はこれ
らの組合せと組み合わせることができる。
いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、52週間にわたって投与したとき、
0.71mEq/Lの血清重炭酸塩濃度の平均増加をもたらす。
いくつかの実施態様において、本明細書に開示される方法に従って治療されるCKD患者
、例えば、ESRD患者は、その血清重炭酸塩濃度の維持を経験し、その結果、その血清重炭
酸塩レベルは、クエン酸第二鉄の投与の間、実質的に不変であり続ける。
(鉄貯蔵パラメータ)
CKD患者は、全身鉄状態のマーカーの低下又は不足を示し得る。これは、CKD患者が、適
切な鉄レベルを維持するための十分な鉄をその体内に貯蔵していない可能性があることを
意味する。先進工業国で暮らしている、栄養状態の良好な大部分の非CKDの人々は、約4〜
5グラムの鉄をその体内に貯蔵している。この鉄のうちの約2.5gは、血液を通じて酸素を
運ぶヘモグロビンに含まれる。残りの約1.5〜2.5グラムの鉄の大部分は、全ての細胞に存
在する鉄結合複合体に含まれるが、これは、骨髄並びに肝臓及び脾臓などの臓器に、より
高度に濃縮されている。鉄の肝貯蔵は、非CKDの体における鉄の主な生理的予備力である
。体の全鉄含有量のうち、約400mgが、酸素貯蔵(ミオグロビン)又はエネルギーを生産す
るレドックス反応を行うこと(シトクロムタンパク質)などの細胞過程に鉄を使用するタン
パク質に利用される。貯蔵鉄に加えて、通常、約3〜4mgの少量の鉄が、トランスフェリン
と呼ばれるタンパク質に結合した血液血漿を通じて循環する。その毒性のために、遊離の
可溶性第一鉄(鉄(II)又はFe2+)は、通常、体内では低濃度で維持される。
鉄欠乏により、体内の貯蔵鉄がまず枯渇する。体によって利用される鉄の大部分は、ヘ
モグロビンに必要とされるので、鉄欠乏性貧血は、鉄欠乏の主な臨床症状である。組織へ
の酸素運搬は人の生命にとって非常に重要であるので、重篤な貧血は、その臓器から酸素
を奪うことによって、ND-CKD患者及びESRD患者を含むCKDの人々を害し、又は死なせる。
鉄欠乏症のCKD患者は、細胞が細胞内プロセスに必要とされる鉄を使い果たすよりもずっ
と前に、酸素の枯渇が原因で生じる臓器障害に苦しみ、場合によっては、そのために死ぬ
こともある。
CKD患者が適度な健康を維持するのに十分な鉄貯蔵を有するかどうかを決定するために
測定することができる全身鉄状態のいくつかのマーカーがある。これらのマーカーは、循
環鉄貯蔵、鉄結合複合体に貯蔵される鉄、又はその両方に関するものであり得、一般に、
鉄貯蔵パラメータとも呼ばれる。鉄貯蔵パラメータとしては、例えば、ヘマトクリット値
、ヘモグロビン濃度(Hb)、全鉄結合能(TIBC)、トランスフェリン飽和度(TSAT)、血清鉄レ
ベル、肝臓鉄レベル、脾臓鉄レベル、及び血清フェリチンレベルを挙げることができる。
これらのうち、ヘマトクリット値、ヘモグロビン濃度(Hb)、全鉄結合能(TIBC)、トランス
フェリン飽和度(TSAT)、及び血清鉄レベルは、一般に、循環鉄貯蔵として知られている。
肝臓鉄レベル、脾臓鉄レベル、及び血清フェリチンレベルは、一般に、貯蔵鉄又は鉄結合
複合体に貯蔵される鉄と呼ばれる。
いくつかの実施態様において、本開示は、それを必要とする患者において1以上の鉄貯
蔵パラメータを改善する方法を提供する。いくつかの実施態様において、本方法は、クエ
ン酸第二鉄を、CKD患者、例えば、非透析慢性腎臓病患者又は末期腎臓病患者に、1日当た
り約1g〜約18gの範囲の量で経口投与することを含む。いくつかの実施態様において、少
なくとも1つの鉄貯蔵パラメータは、血清フェリチンレベル、トランスフェリン飽和度(TS
AT)、ヘモグロビン濃度、ヘマトクリット値、全鉄結合能、鉄吸収レベル、血清鉄レベル
、肝臓鉄レベル、脾臓鉄レベル、及びこれらの組合せから選択され得る。いくつかの実施
態様において、該クエン酸第二鉄は、1グラムの錠剤剤形で投与される。いくつかの実施
態様において、該患者に、1日当たり最大18の錠剤剤形が投与される。いくつかの実施態
様において、該クエン酸第二鉄は、12週間にわたって、いくつかの実施態様において、36
週間にわたって、いくつかの実施態様において、52週間にわたって、及びいくつかの実施
態様において、最大56週間(56週を含む)にわたって投与される。
別の実施態様において、少なくとも1つの鉄貯蔵パラメータはヘマトクリット値であり
、及び改善することは、該患者のヘマトクリット値を増加させることを含む。他の実施態
様において、少なくとも1つの鉄貯蔵パラメータはヘモグロビン濃度であり、及び改善す
ることは、該患者のヘモグロビン濃度を増加させることを含む。また他の実施態様におい
て、少なくとも1つの鉄貯蔵パラメータは全鉄結合能であり、及び改善することは、該患
者の全鉄結合能を減少させることを含む。また他の実施態様において、少なくとも1つの
鉄貯蔵パラメータはトランスフェリン飽和度であり、及び改善することは、該患者のトラ
ンスフェリン飽和度を増加させることを含む。また他の実施態様において、少なくとも1
つの鉄貯蔵パラメータは血清鉄レベルであり、及び改善することは、該患者の血清鉄レベ
ルを増加させることを含む。また他の実施態様において、少なくとも1つの鉄貯蔵パラメ
ータは肝臓鉄レベルであり、及び改善することは、該患者の肝臓鉄レベルを増加させるこ
とを含む。また他の実施態様において、少なくとも1つの鉄貯蔵パラメータは脾臓鉄レベ
ルであり、及び改善することは、該患者の脾臓鉄レベルを増加させることを含む。また他
の実施態様において、少なくとも1つの鉄貯蔵パラメータは血清フェリチンレベルであり
、及び改善することは、該患者の血清フェリチンレベルを増加させることを含む。
(血清フェリチン)
フェリチンの肝貯蔵は、体内の貯蔵鉄の主な供給源である。フェリチンは、鉄を貯蔵し
、それを制御された形で放出する細胞内タンパク質である。医学的に、血液試料中及び/
又は肝組織の試料中に存在するフェリチンの量は、肝臓に貯蔵される鉄の量を反映する(
とはいえ、フェリチンは遍在性であり、肝臓に加えて、体内の多くの他の組織に見出すこ
とができる)。フェリチンは、鉄を肝臓に無毒な形態で貯蔵し、それをそれが必要とされ
る部位に輸送する役割を果たす。非CKD患者では、基準範囲と呼ばれることもある正常フ
ェリチン血液血清レベルは、通常、男性で30〜300ng/ml、女性で15〜200ng/mlである。し
かしながら、CKD患者では、フェリチンによって結合され、肝臓に貯蔵されることができ
る鉄の量が減少している(これは、体が鉄を吸収及び貯蔵するその能力を失うために起こ
る)ので、血清フェリチンレベルは、通常、顕著に低下している。
いくつかの実施態様において、本明細書に開示される方法に従って治療されるCKD患者
は、血清フェリチンレベルの増加を経験する。いくつかの実施態様において、本開示は、
それを必要とする患者において血清フェリチンを増加させる方法であって、クエン酸第二
鉄を、CKD患者、例えば、ESRD患者又はND-CKD患者に経口投与することを含む方法を提供
し、ここで、該クエン酸第二鉄は、血清フェリチンの増加をもたらす。いくつかの実施態
様において、本開示は、血清フェリチンを増加させる方法であって、クエン酸第二鉄を、
CKD患者に、210mg〜2,520mgの範囲の第二鉄の用量で経口投与することを含む方法を提供
し、ここで、該クエン酸第二鉄は、該患者における血清フェリチンの増加をもたらす。い
くつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、12週間にわたって、いくつかの実施態
様において、24週間にわたって、いくつかの実施態様において、36週間にわたって、いく
つかの実施態様において、48週間にわたって、及びいくつかの実施態様において、52週間
にわたって投与される。
いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、100〜400ng/mlの血清フェリチン
の平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、110〜390ng
/mlの血清フェリチンの平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸
第二鉄は、120〜380ng/mlの血清フェリチンの平均増加をもたらす。いくつかの実施態様
において、該クエン酸第二鉄は、130〜370ng/mlの血清フェリチンの平均増加をもたらす
。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、約140〜360ng/mlの血清フェリチ
ンの平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、150〜350
ng/mlの血清フェリチンの平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン
酸第二鉄は、160〜340ng/mlの血清フェリチンの平均増加をもたらす。いくつかの実施態
様において、該クエン酸第二鉄は、170〜330ng/mlの血清フェリチンの平均増加をもたら
す。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、180〜320ng/mlの血清フェリチ
ンの平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、190〜310
ng/mlの血清フェリチンの平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン
酸第二鉄は、200〜300ng/mlの血清フェリチンの平均増加をもたらす。いくつかの実施態
様において、該クエン酸第二鉄は、210〜290ng/mlの血清フェリチンの平均増加をもたら
す。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、220〜280ng/mlの血清フェリチ
ンの平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、230〜270
ng/mlの血清フェリチンの平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン
酸第二鉄は、240〜260ng/mlの血清フェリチンの平均増加をもたらす。いくつかの実施態
様において、該クエン酸第二鉄は、100〜400ng/mlの血清フェリチンの平均増加をもたら
す。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、100〜375ng/mlの血清フェリチ
ンの平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、100〜350
ng/mlの血清フェリチンの平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン
酸第二鉄は、100〜325ng/mlの血清フェリチンの平均増加をもたらす。いくつかの実施態
様において、該クエン酸第二鉄は、100〜300ng/mlの血清フェリチンの平均増加をもたら
す。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、100〜275ng/mlの血清フェリチ
ンの平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、150〜310
ng/mlの血清フェリチンの平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン
酸第二鉄は、151〜309ng/mlの血清フェリチンの平均増加をもたらす。いくつかの実施態
様において、該クエン酸第二鉄は、152〜308ng/mlの血清フェリチンの平均増加をもたら
す。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、153〜307ng/mlの血清フェリチ
ンの平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、154〜306
ng/mlの血清フェリチンの平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン
酸第二鉄は、155〜306ng/mlの血清フェリチンの平均増加をもたらす。いくつかの実施態
様において、該クエン酸第二鉄は、155〜305ng/mlの血清フェリチンの平均増加をもたら
す。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、155〜304ng/mlの血清フェリチ
ンの平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、155〜303
ng/mlの血清フェリチンの平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン
酸第二鉄は、155〜302ng/mlの血清フェリチンの平均増加をもたらす。いくつかの実施態
様において、該クエン酸第二鉄は、150〜305ng/mlの血清フェリチンの平均増加をもたら
す。上記の範囲は、効率目的でこの形式で開示されており、上記の範囲のいずれかを、任
意の方法、製剤、又はこれらの組合せと組み合わせることができる。
いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、52週間にわたって投与したとき、
302ng/mlの血清フェリチンの平均増加をもたらす。
いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、100ng/mlを超える血清フェリチン
の平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、110ng/mlを
超える血清フェリチンの平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸
第二鉄は、120ng/mlを超える血清フェリチンの平均増加をもたらす。いくつかの実施態様
において、該クエン酸第二鉄は、130ng/mlを超える血清フェリチンの平均増加をもたらす
。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、140ng/mlを超える血清フェリチン
の平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、150ng/mlを
超える血清フェリチンの平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸
第二鉄は、160ng/mlを超える血清フェリチンの平均増加をもたらす。いくつかの実施態様
において、該クエン酸第二鉄は、170ng/mlを超える血清フェリチンの平均増加をもたらす
。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、180ng/mlを超える血清フェリチン
の平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、190ng/mlを
超える血清フェリチンの平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸
第二鉄は、200ng/mlを超える血清フェリチンの平均増加をもたらす。いくつかの実施態様
において、該クエン酸第二鉄は、210ng/mlを超える血清フェリチンの平均増加をもたらす
。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、220ng/mlを超える血清フェリチン
の平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、230ng/mlを
超える血清フェリチンの平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸
第二鉄は、240ng/mlを超える血清フェリチンの平均増加をもたらす。いくつかの実施態様
において、該クエン酸第二鉄は、250ng/mlを超える血清フェリチンの平均増加をもたらす
。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、260ng/mlを超える血清フェリチン
の平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、270ng/mlを
超える血清フェリチンの平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸
第二鉄は、280ng/mlを超える血清フェリチンの平均増加をもたらす。いくつかの実施態様
において、該クエン酸第二鉄は、290ng/mlを超える血清フェリチンの平均増加をもたらす
。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、300ng/mlを超える血清フェリチン
の平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、310ng/mlを
超える血清フェリチンの平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸
第二鉄は、320ng/mlを超える血清フェリチンの平均増加をもたらす。いくつかの実施態様
において、該クエン酸第二鉄は、330ng/mlを超える血清フェリチンの平均増加をもたらす
。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、340ng/mlを超える血清フェリチン
の平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、350ng/mlを
超える血清フェリチンの平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸
第二鉄は、360ng/mlを超える血清フェリチンの平均増加をもたらす。いくつかの実施態様
において、該クエン酸第二鉄は、370ng/mlを超える血清フェリチンの平均増加をもたらす
。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、380ng/mlを超える血清フェリチン
の平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、390ng/mlを
超える血清フェリチンの平均増加をもたらす。上記の限度は、効率目的でこの形式で開示
されており、上記の限度のいずれかを、任意の方法、製剤、下で開示される下限、又はこ
れらの組合せと組み合わせることができる。
いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、400ng/ml未満から選択される血清
フェリチンの平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、
390ng/ml未満の血清フェリチンの平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該
クエン酸第二鉄は、380ng/ml未満の血清フェリチンの平均増加をもたらす。いくつかの実
施態様において、該クエン酸第二鉄は、370ng/ml未満の血清フェリチンの平均増加をもた
らす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、360ng/ml未満の血清フェリチ
ンの平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、350ng/ml
未満の血清フェリチンの平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸
第二鉄は、340ng/ml未満の血清フェリチンの平均増加をもたらす。いくつかの実施態様に
おいて、該クエン酸第二鉄は、330ng/ml未満の血清フェリチンの平均増加をもたらす。い
くつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、320ng/ml未満の血清フェリチンの平均
増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、310ng/ml未満の血
清フェリチンの平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は
、300ng/ml未満の血清フェリチンの平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、
該クエン酸第二鉄は、290ng/ml未満の血清フェリチンの平均増加をもたらす。いくつかの
実施態様において、該クエン酸第二鉄は、280ng/ml未満の血清フェリチンの平均増加をも
たらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、270ng/ml未満の血清フェリ
チンの平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、260ng/
ml未満の血清フェリチンの平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン
酸第二鉄は、250ng/ml未満の血清フェリチンの平均増加をもたらす。いくつかの実施態様
において、該クエン酸第二鉄は、240ng/ml未満の血清フェリチンの平均増加をもたらす。
いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、230ng/ml未満の血清フェリチンの平
均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、220ng/ml未満の
血清フェリチンの平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄
は、210ng/ml未満の血清フェリチンの平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において
、該クエン酸第二鉄は、200ng/ml未満の血清フェリチンの平均増加をもたらす。いくつか
の実施態様において、該クエン酸第二鉄は、190ng/ml未満の血清フェリチンの平均増加を
もたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、180ng/ml未満の血清フェ
リチンの平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、170n
g/ml未満の血清フェリチンの平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエ
ン酸第二鉄は、160ng/ml未満の血清フェリチンの平均増加をもたらす。いくつかの実施態
様において、該クエン酸第二鉄は、150ng/ml未満の血清フェリチンの平均増加をもたらす
。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、140ng/ml未満の血清フェリチンの
平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、130ng/ml未満
の血清フェリチンの平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二
鉄は、120ng/ml未満の血清フェリチンの平均増加をもたらす。いくつかの実施態様におい
て、該クエン酸第二鉄は、110ng/ml未満の血清フェリチンの平均増加をもたらす。上記の
限度は、効率目的でこの形式で開示されており、上記の限度のいずれかを、任意の方法、
製剤、上で開示された上限、又はこれらの組合せと組み合わせることができる。
いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、52週間にわたって投与したとき、
約280、281、282、283、284、285、286、287、288、289、290、291、292、293、294、295
、296、297、298、299、300、301、302、303、304、305、306、307、308、309、及び310m
g/dlから選択される血清フェリチンの平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において
、該クエン酸第二鉄は、52週間にわたって投与したとき、302mg/dlの血清フェリチンの平
均増加をもたらす。
いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、約1〜100%の血清フェリチンの平
均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、約10〜90%の血
清フェリチンの平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は
、約20〜80%の血清フェリチンの平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該
クエン酸第二鉄は、約30〜70%の血清フェリチンの平均増加をもたらす。いくつかの実施
態様において、該クエン酸第二鉄は、約40〜60%の血清フェリチンの平均増加をもたらす
いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、40、41、42、43、44、45、46、47
、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、及び60%から選択される血清フェ
リチンの平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、48.0
、48.1、48.2、48.3、48.4、48.5、48.6、48.7、48.9、49.0、49.1、49.2、49.3、49.4、
49.5、49.6、49.7、49.8、49.9、50.0、50.1、50.2、50.3、50.4、50.5、50.6、50.7、50
.8、50.9、及び50.8%から選択される血清フェリチンの平均増加をもたらす。いくつかの
実施態様において、該クエン酸第二鉄は、50.8%の血清フェリチンの平均増加をもたらす
。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、52週間にわたって投与したとき、
50.8%の血清フェリチンの平均増加をもたらす。
いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、1%を超える血清フェリチンの平
均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、10%を超える血
清フェリチンの平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は
、20%を超える血清フェリチンの平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該
クエン酸第二鉄は、30%を超える血清フェリチンの平均増加をもたらす。いくつかの実施
態様において、該クエン酸第二鉄は、40%を超える血清フェリチンの平均増加をもたらす
。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、50%を超える血清フェリチンの平
均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、60%を超える血
清フェリチンの平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は
、70%を超える血清フェリチンの平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該
クエン酸第二鉄は、80%を超える血清フェリチンの平均増加をもたらす。いくつかの実施
態様において、該クエン酸第二鉄は、90%を超える血清フェリチンの平均増加をもたらす
。上記の限度は、効率目的でこの形式で開示されており、上記の限度のいずれかを、任意
の方法、製剤、下で開示される下限、又はこれらの組合せと組み合わせることができる。
いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、100%未満の血清フェリチンの平
均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、90%未満の血清
フェリチンの平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、
80%未満の血清フェリチンの平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエ
ン酸第二鉄は、70%未満の血清フェリチンの平均増加をもたらす。いくつかの実施態様に
おいて、該クエン酸第二鉄は、60%未満の血清フェリチンの平均増加をもたらす。いくつ
かの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、50%未満の血清フェリチンの平均増加をも
たらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、40%未満の血清フェリチン
の平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、30%未満の
血清フェリチンの平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄
は、20%未満の血清フェリチンの平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該
クエン酸第二鉄は、10%未満の血清フェリチンの平均増加をもたらす。上記の限度は、効
率目的でこの形式で開示されており、上記の限度のいずれかを、任意の方法、製剤、上で
開示された上限、又はこれらの組合せと組み合わせることができる。
いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、52週間にわたって投与したとき、
49.0、49.1、49.2、49.3、49.4、49.5、49.6、39.7、49.8、49.9、及び50.0%から選択さ
れる血清フェリチンの平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第
二鉄は、52週間にわたって投与したとき、49.2%の血清フェリチンの平均増加をもたらす
いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、表Cに示す血清フェリチンの平均
増加をもたらす:
表C:
Figure 2020100638
1 最終観察繰越法を欠測データに用いた。
2 LS平均治療差及びp-値は、治療を固定効果とし、ベースラインを共変量とするANCOVAモ
デルによって求められる。
いくつかの実施態様において、本明細書に開示される方法に従って治療されるCKD患者
、例えば、ESRD患者は、その血清フェリチンレベルの維持を経験し、その結果、その血清
フェリチンレベルは、クエン酸第二鉄の投与の間、実質的に不変であり続ける。
(トランスフェリン飽和度(TSAT))
貯蔵鉄に加えて、通常、約3〜4mgの少量の鉄が、トランスフェリンと呼ばれるタンパク
質に結合した血液血漿を通じて循環する。したがって、血清鉄レベルは、タンパク質のト
ランスフェリンに結合している、血液中に循環している鉄の量によって表すことができる
。トランスフェリンは、1個又は2個の第二鉄(鉄(III)又はFe3+)イオンに結合することが
できる、肝臓によって産生される糖タンパク質である。これは、最も一般的かつ動的な血
液中の鉄の担体であり、したがって、全身で使用するための貯蔵鉄を輸送する身体能力の
必須構成要素である。トランスフェリン飽和度(又はTSAT)は、百分率として測定され、血
清鉄と全鉄の結合能の比に100を乗じたものとして計算される。この値は、鉄に結合する
ことができるトランスフェリンの総量に対して、どのくらいの血清鉄が実際に結合してい
るかを臨床医に知らせる。例えば、35%のTSAT値は、血液試料中のトランスフェリンの利
用可能な鉄結合部位の35%が鉄によって占められていることを意味する。非CKD患者では
、典型的なTSAT値は、男性で約15〜50%、女性で12〜45%である。しかしながら、CKD患
者では、トランスフェリンによって結合されることができる鉄の量が減少している(これ
は、体が鉄を吸収及び貯蔵するその能力を失うために起こる)ので、TSAT値は、通常、顕
著に低下している。
いくつかの実施態様において、本明細書に開示される方法に従って治療されるCKD患者
は、TSAT値の増加を経験する。いくつかの実施態様において、本開示は、それを必要とす
る患者においてトランスフェリン飽和度(TSAT)を増加させる方法であって、クエン酸第二
鉄を、CKD患者、例えば、ESRD患者又はND-CKD患者に経口投与することを含む方法を提供
し、ここで、該クエン酸第二鉄は、該患者におけるTSATの増加をもたらす。いくつかの実
施態様において、本開示は、トランスフェリン飽和度(TSAT)を増加させる方法であって、
クエン酸第二鉄を、末期腎臓病患者に、210mg〜2,520mgの範囲の第二鉄の用量で経口投与
することを含む方法を提供し、ここで、該クエン酸第二鉄は、該患者におけるTSATの増加
をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、12週間にわたって、い
くつかの実施態様において、24週間にわたって、いくつかの実施態様において、36週間に
わたって、いくつかの実施態様において、48週間にわたって、及びいくつかの実施態様に
おいて、52週間にわたって投与される。
いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、1〜20%のトランスフェリン飽和
度(TSAT)の平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、1
〜15%のトランスフェリン飽和度(TSAT)の平均増加をもたらす。いくつかの実施態様にお
いて、該クエン酸第二鉄は、1〜12%のトランスフェリン飽和度(TSAT)の平均増加をもた
らす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、5〜12%のトランスフェリン
飽和度(TSAT)の平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は
、5〜10%のトランスフェリン飽和度(TSAT)の平均増加をもたらす。いくつかの実施態様
において、該クエン酸第二鉄は、6〜9%のトランスフェリン飽和度(TSAT)の平均増加をも
たらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、8%のトランスフェリン飽
和度(TSAT)の平均増加をもたらす。
いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、1%超のトランスフェリン飽和度(
TSAT)の平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、2%超
のトランスフェリン飽和度(TSAT)の平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、
該クエン酸第二鉄は、3%超のトランスフェリン飽和度(TSAT)の平均増加をもたらす。い
くつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、4%超のトランスフェリン飽和度(TSAT
)の平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、5%超のト
ランスフェリン飽和度(TSAT)の平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該ク
エン酸第二鉄は、6%超のトランスフェリン飽和度(TSAT)の平均増加をもたらす。いくつ
かの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、7%超のトランスフェリン飽和度(TSAT)の
平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、8%超のトラ
ンスフェリン飽和度(TSAT)の平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエ
ン酸第二鉄は、9%超のTSATの平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該ク
エン酸第二鉄は、10%超のTSATの平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該
クエン酸第二鉄は、11%超のTSATの平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、
該クエン酸第二鉄は、12%超のTSATの平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において
、該クエン酸第二鉄は、13%超のTSATの平均増加をもたらす。いくつかの実施態様におい
て、該クエン酸第二鉄は、14%超のTSATの平均増加をもたらす。いくつかの実施態様にお
いて、該クエン酸第二鉄は、15%超のTSATの平均増加をもたらす。いくつかの実施態様に
おいて、該クエン酸第二鉄は、16%超のTSATの平均増加をもたらす。いくつかの実施態様
において、該クエン酸第二鉄は、17%超のTSATの平均増加をもたらす。いくつかの実施態
様において、該クエン酸第二鉄は、18%超のTSATの平均増加をもたらす。いくつかの実施
態様において、該クエン酸第二鉄は、19%超のTSATの平均増加をもたらす。上記の限度は
、効率目的でこの形式で開示されており、上記の範囲のいずれかを、任意の方法、製剤、
下で開示される下限、又はこれらの組合せと組み合わせることができる。
いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、20%未満のトランスフェリン飽和
度(TSAT)の平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、19
%未満のTSATの平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は
、18%未満のTSATの平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二
鉄は、17%未満のTSATの平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸
第二鉄は、16%未満のTSATの平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエ
ン酸第二鉄は、15%未満のTSATの平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該
クエン酸第二鉄は、14%未満のTSATの平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において
、該クエン酸第二鉄は、13%未満のTSATの平均増加をもたらす。いくつかの実施態様にお
いて、該クエン酸第二鉄は、12%未満のTSATの平均増加をもたらす。いくつかの実施態様
において、該クエン酸第二鉄は、11%未満のTSATの平均増加をもたらす。いくつかの実施
態様において、該クエン酸第二鉄は、10%未満のTSATの平均増加をもたらす。いくつかの
実施態様において、該クエン酸第二鉄は、9%未満のTSATの平均増加をもたらす。いくつ
かの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、8%未満のTSATの平均増加をもたらす。い
くつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、7%未満のTSATの平均増加をもたらす
。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、6%未満のTSATの平均増加をもた
らす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、5%未満のTSATの平均増加を
もたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、4%未満のTSATの平均増
加をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、3%未満のTSATの平
均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、2%未満のTSAT
の平均増加をもたらす。上記の限度は、効率目的でこの形式で開示されており、上記の範
囲のいずれかを、任意の方法、製剤、上で開示された上限、又はこれらの組合せと組み合
わせることができる。
いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、52週間にわたって投与したとき、
5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、及び18
%から選択されるトランスフェリン飽和度(TSAT)の平均増加をもたらす。いくつかの実施
態様において、該クエン酸第二鉄は、52週間にわたって投与したとき、8%のトランスフ
ェリン飽和度(TSAT)の平均増加をもたらす。
いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、表Dに示すトランスフェリン飽和
度(TSAT)の平均増加をもたらす:
表D:
Figure 2020100638
1 最終観察繰越法を欠測データに用いた。
2 LS平均治療差及びp-値は、治療を固定効果とし、ベースラインを共変量とするANCOVAモ
デルによって求められる。
いくつかの実施態様において、本明細書に開示される方法に従って治療されるCKD患者
、例えば、ESRD患者は、そのTSAT値の維持を経験し、その結果、そのトランスフェリン飽
和度(TSAT)値は、クエン酸第二鉄の投与の間、実質的に不変であり続ける。
(ヘマトクリット値)
充填細胞体積又は赤血球体積率とも呼ばれるヘマトクリット値は、血液中の赤血球の体
積百分率である。非CKD患者について、ヘマトクリット値は、通常、男性で血液体積の約4
5%、女性で血液体積の約40%である。しかしながら、CKD患者では、ヘマトクリット値は
、鉄吸収の不足及び/又は鉄貯蔵能の不足が原因で、顕著に減少していることが多い。
本明細書に開示されるクエン酸第二鉄をCKD患者に投与して、ヘマトクリット値を増加
させることができる。投与の正確なタイミングは、例えば、CKD患者によって経験されるC
KDの重症度、患者が経験している又は経験していない鉄吸収のレベル、及び治療を施す医
療専門家の判断によって、必然的に患者毎に異なる。いくつかの実施態様において、本開
示は、それを必要とする患者においてヘマトクリット値を増加させる方法であって、クエ
ン酸第二鉄を、CKD患者、例えば、ESRD患者又はND-CKD患者に経口投与することを含む方
法を提供し、ここで、該クエン酸第二鉄は、該患者のヘマトクリット値の増加をもたらす
。いくつかの実施態様において、本開示は、CKD患者においてヘマトクリット値を増加さ
せる方法であって、クエン酸第二鉄を、該患者に、210mg〜2,520mgの範囲の第二鉄の用量
で経口投与することを含む方法を提供し、ここで、該クエン酸第二鉄は、該患者のヘマト
クリット値の増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、52週
間にわたって投与される。いくつかの実施態様において、該増加は、1%〜30%である。
いくつかの実施態様において、該増加は、1%〜20%である。いくつかの実施態様におい
て、該増加は、1%〜15%であり、いくつかの実施態様において、該増加は、1%〜12%で
あり、いくつかの実施態様において、該増加は、1%〜10%であり、いくつかの実施態様
において、該増加は、1%〜9%であり、いくつかの実施態様において、該増加は、1%〜8
%であり、いくつかの実施態様において、該増加は、1%〜7%であり、いくつかの実施態
様において、該増加は、1%〜6%であり、いくつかの実施態様において、該増加は、1%
〜5%であり、いくつかの実施態様において、該増加は、1%〜4%であり、いくつかの実
施態様において、該増加は、1%〜3%であり、及びいくつかの実施態様において、該増加
は、1%〜2%である。
いくつかの実施態様において、本明細書に開示される方法に従って治療されるCKD患者
、例えば、ESRD患者は、そのヘマトクリット値レベルの維持を経験し、その結果、その血
液中の赤血球の全体積は、クエン酸第二鉄の投与の間、実質的に不変であり続ける。
(ヘモグロビン濃度)
平均赤血球ヘモグロビン濃度又はMCHCとも呼ばれるヘモグロビン濃度は、所与の体積の
充填赤血球中のヘモグロビンタンパク質の濃度の尺度である。これは、通常、ヘモグロビ
ンタンパク質の総量をヘマトクリット値で除することにより計算される。ヘモグロビン濃
度を、質量又は重量分率として測定し、百分率(%)として示すこともできる。しかしなが
ら、血液血漿中の1g/mlの赤血球密度及びごくわずかなヘモグロビン損失を仮定すると、
数字上、ヘモグロビン濃度の質量又はモル濃度測定値と質量又は重量分率(%)は、同一で
ある。非CKD患者について、ヘモグロビン濃度の典型的な質量又はモル濃度測定値は、そ
れぞれ、32g/dl〜36g/dl、又は4.9mmol/L〜5.5mmol/Lの範囲である。しかしながら、CKD
患者では、体が鉄を吸収及び貯蔵するその能力を失うので、ヘモグロビン濃度は大きく低
下し得る。
いくつかの実施態様において、本明細書に開示される方法に従って治療されるCKD患者
は、ヘモグロビン濃度の増加を経験する。いくつかの実施態様において、本開示は、それ
を必要とする患者においてヘモグロビン濃度を増加させる方法であって、クエン酸第二鉄
を、CKD患者、例えば、ESRD患者又はND-CKD患者に経口投与することを含む方法を提供し
、ここで、該クエン酸第二鉄は、該患者におけるヘモグロビン濃度の増加をもたらす。い
くつかの実施態様において、本開示は、ヘモグロビン濃度を増加させる方法であって、ク
エン酸第二鉄を、CKD患者に、210mg〜2,520mgの範囲の第二鉄の用量で経口投与すること
を含む方法を提供し、ここで、該クエン酸第二鉄は、該患者におけるヘモグロビン濃度の
増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、12週間にわたって
、いくつかの実施態様において、24週間にわたって、いくつかの実施態様において、36週
間にわたって、いくつかの実施態様において、48週間にわたって、及びいくつかの実施態
様において、52週間にわたって投与される。
いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、0.1〜5.0g/dlのヘモグロビン濃度
の平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、0.1〜4.0g/
dlのヘモグロビン濃度の平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸
第二鉄は、0.1〜3.0g/dlのヘモグロビン濃度の平均増加をもたらす。いくつかの実施態様
において、該クエン酸第二鉄は、0.1〜2.0g/dlのヘモグロビン濃度の平均増加をもたらす
。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、0.1〜1.0g/dlのヘモグロビン濃度
の平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、0.2〜0.9g/
dlのヘモグロビン濃度の平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸
第二鉄は、0.3〜0.8g/dlのヘモグロビン濃度の平均増加をもたらす。いくつかの実施態様
において、該クエン酸第二鉄は、0.3〜0.7g/dlのヘモグロビン濃度の平均増加をもたらす
。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、0.3〜0.6g/dlのヘモグロビン濃度
の平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、0.3〜0.5g/
dlのヘモグロビン濃度の平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸
第二鉄は、0.4g/dlのヘモグロビン濃度の平均増加をもたらす。
いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、0.1g/dl超のヘモグロビン濃度の
平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、0.2g/dl超の
ヘモグロビン濃度の平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二
鉄は、0.3g/dl超のヘモグロビン濃度の平均増加をもたらす。いくつかの実施態様におい
て、該クエン酸第二鉄は、0.4g/dl超のヘモグロビン濃度の平均増加をもたらす。いくつ
かの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、0.5g/dl超のヘモグロビン濃度の平均増加
をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、0.6g/dl超のヘモグロ
ビン濃度の平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、0.
7g/dl超のヘモグロビン濃度の平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該ク
エン酸第二鉄は、0.8g/dl超のヘモグロビン濃度の平均増加をもたらす。いくつかの実施
態様において、該クエン酸第二鉄は、0.9g/dl超のヘモグロビン濃度の平均増加をもたら
す。上記の限度は、効率目的でこの形式で開示されており、上記の限度のいずれかを、任
意の方法、製剤、下で開示される下限、又はこれらの組合せと組み合わせることができる
いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、1.0g/dl未満のヘモグロビン濃度
の平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、0.9g/dl未
満のヘモグロビン濃度の平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸
第二鉄は、0.8g/dl未満のヘモグロビン濃度の平均増加をもたらす。いくつかの実施態様
において、該クエン酸第二鉄は、0.7g/dl未満のヘモグロビン濃度の平均増加をもたらす
。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、0.6g/dl未満のヘモグロビン濃度
の平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、0.5g/dl未
満のヘモグロビン濃度の平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸
第二鉄は、0.4g/dl未満のヘモグロビン濃度の平均増加をもたらす。いくつかの実施態様
において、該クエン酸第二鉄は、0.3g/dl未満のヘモグロビン濃度の平均増加をもたらす
。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、0.2g/dl未満のヘモグロビン濃度
の平均増加をもたらす。上記の限度は、効率目的でこの形式で開示されており、上記の限
度のいずれかを、任意の方法、製剤、上で開示された上限、又はこれらの組合せと組み合
わせることができる。
いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、表Eに示すヘモグロビン濃度の平
均増加をもたらす:
表E:
Figure 2020100638
1 最終観察繰越法を欠測データに用いた。
2 LS平均治療差及びp-値は、治療を固定効果とし、ベースラインを共変量とするANCOVAモ
デルによって求められる。
いくつかの実施態様において、本明細書に開示される方法に従って治療されるCKD患者
、例えば、ESRD患者は、そのヘモグロビン濃度の維持を経験し、その結果、そのヘモグロ
ビンレベルは、クエン酸第二鉄の投与の間、実質的に不変であり続ける。
(全鉄結合能(TIBC))
全鉄結合能(TIBC)は、鉄をタンパク質トランスフェリンと結合させる血液の能力の尺度
である。TIBCは、通常、血液試料を採取し、該試料が担持することができる鉄の最大量を
測定することにより測定される。したがって、TIBCは、血液中で鉄を輸送するタンパク質
であるトランスフェリンを間接的に測定するものである。非CKD患者について、TIBCの典
型的な質量又はモル濃度測定値は、それぞれ、250〜370μg/dL又は45〜66μmol/Lの範囲
にある。しかしながら、CKD患者では、体が、ヘモグロビンを産生するよう、鉄を赤血球
前駆細胞に送達するために、より多くのトランスフェリンを産生しなければならないので
、TIBCは、通常、これらのレベルを上回って増加している。
いくつかの実施態様において、本明細書に開示される方法に従って治療されるCKD患者
は、TIBCの低下を経験する。いくつかの実施態様において、本開示は、それを必要とする
患者においてTIBCを低下させる方法であって、クエン酸第二鉄を、CKD患者、例えば、ESR
D患者又はND-CKD患者に経口投与することを含む方法を提供し、ここで、該クエン酸第二
鉄は、該患者のTIBCの低下をもたらす。いくつかの実施態様において、本開示は、CKD患
者においてTIBCを低下させる方法であって、クエン酸第二鉄を、該患者に、210mg〜2,520
mgの範囲の第二鉄の用量で経口投与することを含む方法を提供し、ここで、該クエン酸第
二鉄は、該患者のTIBCの低下をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二
鉄は、52週間にわたって投与される。いくつかの実施態様において、該低下は、0.1%〜3
0%であり、いくつかの実施態様において、該低下は、0.1%〜28%であり、いくつかの実
施態様において、該低下は、0.1%〜26%であり、いくつかの実施態様において、該低下
は、0.1%〜25%であり、いくつかの実施態様において、該低下は、0.1%〜24%であり、
いくつかの実施態様において、該低下は、0.1%〜23%であり、いくつかの実施態様にお
いて、該低下は、0.1%〜22%であり、いくつかの実施態様において、該低下は、0.1%〜
21%であり、いくつかの実施態様において、該低下は、0.1%〜20%であり、いくつかの
実施態様において、該低下は、0.1%〜15%であり、いくつかの実施態様において、該低
下は、0.1%〜10%であり、及びいくつかの実施態様において、該低下は、0.1%〜5%で
ある。
いくつかの実施態様において、本明細書に開示される方法に従って治療されるCKD患者
、例えば、ESRD患者は、そのTIBCの維持を経験し、その結果、そのTIBCレベルは、クエン
酸第二鉄の投与の間、実質的に不変であり続ける。
(鉄吸収)
CKD患者は、鉄枯渇及び貧血などの他の健康問題を引き起こし得る鉄吸収の低下又は不
足に苦しむことがある。ヒトの場合、食品又は栄養補助食品から吸収される鉄の大部分は
、小腸で、特に、十二指腸内膜に存在する特殊な腸細胞によって、十二指腸で吸収される
。これらの細胞は、該細胞が鉄を腸管腔から体内に移動させるのを可能にする特殊な輸送
体分子を有する。吸収されるためには、食事性鉄は、ヘムなどのタンパク質の一部として
存在しなければならないか、又はそれは、第一鉄(鉄(II)又はFe2+)形態でなければならな
い。腸細胞は、第二鉄(鉄(III)又はFe3+)を第一鉄に還元する第二鉄レダクターゼ酵素Dcy
tbを発現する。二価金属輸送体タンパク質は、その後、腸細胞の細胞膜を越えて、細胞内
に鉄を輸送する。
非CKDの人では、体は、これらの段階のうちの1つ又は複数に関連するタンパク質の発現
レベルを変化させることによって、鉄レベルを調節する。例えば、鉄欠乏性貧血に応答し
て、細胞は、腸管腔から吸収される鉄の量を増加させるために、一層多くのDcytb酵素及
び一層多くの金属輸送体タンパク質を産生することができる。CKD患者では、これらの段
階のうちの1つ又は複数を調節する体の能力が損なわれ、これがさらに、鉄吸収の低下又
は不足をもたらす。
本明細書に開示される方法に従って治療されるCKD患者は、鉄吸収の増加を経験し得る
。いくつかの実施態様において、吸収される鉄は、該CKD患者に投与されるクエン酸第二
鉄によって提供され;腸管腔から体内に吸収されるのは、第二鉄イオンである。クエン酸
第二鉄は経口投与されるので、鉄吸収の増加は、腸を通じて生じる。任意の理論に束縛さ
れることを望まないが、鉄吸収の増加は、該CKD患者に投与されるクエン酸第二鉄中のク
エン酸塩の存在によるものであり得ると考えられる。いくつかの研究により、クエン酸塩
と組み合わせた鉄(クエン酸の共役塩基)の投与が、食事供給源から吸収される鉄の量を顕
著に(例えば、数倍)増加させる働きをすることが示されている(例えば、Ballotらの文献
、Br. J. Nutr.(1987) 57, 331-343; Gilloolyらの文献、Br. J. Nutr.(1983) 49, 331-3
42; Zhangらの文献、Eur. J. Nutr.(2007) 46, 95-102;及びSalovaaraらの文献、J. Agri
c. Food Chem.(2002) 50, 6233-6238を参照されたい)。
本明細書に開示されるクエン酸第二鉄をCKD患者に投与して、鉄吸収を増加させること
ができる。投与の正確なタイミングは、例えば、CKD患者によって経験されるCKDのステー
ジ、患者が経験している又は経験していない鉄吸収のレベル、及び治療を施す医療専門家
の判断によって、必然的に患者毎に異なる。いくつかの実施態様において、本開示は、末
期腎臓病患者において鉄吸収を増加させる方法であって、クエン酸第二鉄を該患者に経口
投与することを含む方法を提供し、ここで、該クエン酸第二鉄は、該患者によって吸収さ
れる鉄の量の増加をもたらす。いくつかの実施態様において、本開示は、末期腎臓病患者
において鉄吸収を増加させる方法であって、クエン酸第二鉄を、該患者に、210mg〜2,520
mgの範囲の第二鉄の用量で経口投与することを含む方法を提供し、ここで、該クエン酸第
二鉄は、該患者によって吸収される鉄の量の増加をもたらす。いくつかの実施態様におい
て、クエン酸第二鉄は、52週間にわたって投与される。
(鉄欠乏及び貧血)
上記のように、先進工業国で暮らしている、栄養状態の良好な大部分の非CKDの人々は
、約4〜5グラムの鉄を、何らかの方法で(例えば、循環鉄又は貯蔵鉄又はその両方として)
、その体内に貯蔵している。この量の減少は、鉄欠乏を表し、これは、CKD患者によく見
られる。鉄欠乏の症状は、該状態が鉄欠乏性貧血に進行する前に、CKD患者で生じ得る。
鉄欠乏の症状としては、例えば、とりわけ、疲労、目眩、蒼白、脱毛、興奮、衰弱、異食
症、脆い又は亀裂のある爪、プランマー・ヴィンソン症候群(舌、咽頭、及び食道を覆う
粘膜の有痛性萎縮)、免疫機能障害、氷食症、並びにレストレスレッグ症候群を挙げるこ
とができる。
本明細書に開示される方法に従って治療されるCKD患者は、鉄欠乏の改善を経験し得る
。いくつかの実施態様において、本明細書に開示される方法に従って治療されるCKD患者
は、鉄欠乏の減少を経験する。この減少は、CKD患者の体内の鉄の総量が本明細書に開示
されるクエン酸第二鉄の投与によって増加するために起こり得る。いくつかの実施態様に
おいて、本明細書に開示される方法に従って治療されるCKD患者は、鉄欠乏の1以上の症状
の減少を経験し、ここで、該症状は、疲労、目眩、蒼白、脱毛、興奮、衰弱、異食症、脆
い又は亀裂のある爪、プランマー・ヴィンソン症候群(舌、咽頭、及び食道を覆う粘膜の
有痛性萎縮)、免疫機能障害、氷食症、レストレスレッグ症候群、並びに前記の組合せか
ら選択される。いくつかの実施態様において、本明細書に開示される方法に従って治療さ
れるCKD患者は、鉄欠乏の1以上の症状の消失を経験し、ここで、該症状は、疲労、目眩、
蒼白、脱毛、興奮、衰弱、異食症、脆い又は亀裂のある爪、プランマー・ヴィンソン症候
群(舌、咽頭、及び食道を覆う粘膜の有痛性萎縮)、免疫機能障害、氷食症、レストレスレ
ッグ症候群、並びに前記の組合せから選択される。
いくつかの実施態様において、鉄欠乏は、貧血である。いくつかの実施態様において、
鉄欠乏は、鉄欠乏性貧血である。鉄欠乏性貧血は、循環赤血球のレベルの低さを特徴とし
、CKD患者では、鉄の不十分な食事摂取、吸収、及び/又は貯蔵によって生じ得る。赤血球
は、ヘモグロビンタンパク質中に結合した鉄を含有し、通常、体内の鉄の量が不足してい
るときは生成されない。
鉄欠乏性貧血は、通常、蒼白(皮膚及び粘膜内の酸素ヘモグロビンの低下によって生じ
る血色の悪さ)、疲労、立ちくらみ、並びに衰弱を特徴とする。しかしながら、鉄欠乏性
貧血の兆候は、CKD患者間で異なり得る。CKD患者における鉄欠乏はゆっくりと発症する傾
向があるので、該疾患への適応が起こり得、これは、しばらくの間、認識されないまま進
むことがある。場合により、CKD患者は、とりわけ、呼吸困難(dyspnea)(呼吸困難(troubl
e breathing))、異食症(異常な強迫的食物渇望)、OCD型の衝動強迫及び強迫観念をもたら
すことが多い不安症、興奮又は悲嘆、狭心症、便秘、眠気、耳鳴、口腔内潰瘍、動悸、脱
毛、失神又は気が遠くなる感じ、鬱病、労作時の息切れ、筋肉の痙攣、淡黄色の皮膚、ヒ
リヒリ感(しびれ)又は灼熱感、月経周期の停止、月経過多期、社会性の発達の遅れ、舌炎
(舌の炎症又は感染)、口角炎(口角の炎症性病変)、匙状爪(スプーン形の爪)又は弱いもし
くは脆い爪、食欲不振、掻痒症(全身の痒み)、プランマー・ヴィンソン症候群(舌、咽頭
、及び食道を覆う粘膜の有痛性萎縮)、及びレストレスレッグ症候群を発症することがあ
る。
貧血は、通常、患者由来の血液試料から測定される全血算値に基づいて診断される。通
常、試料中の赤血球の総数、ヘモグロビンレベル、及び赤血球のサイズをフローサイトメ
トリーによって報告する自動計数器が利用される。しかしながら、試料中の赤血球の総数
を計数し、貧血を診断するために、顕微鏡スライド上の染色された血液スメアを、顕微鏡
を用いて調べることができる。多くの国々では、貧血の存在を決定するために、4つのパ
ラメータ(赤血球数、ヘモグロビン濃度、平均赤血球体積、及び赤血球分布幅)が測定され
る。世界保健機構は、ヘモグロビンレベル(Hb)についての特定の閾値を設定しており、そ
のため、CKD患者のヘモグロビンレベルがその値を下回ったときに、貧血の診断を行うこ
とができる。その値は: 0.5〜5.0歳の子供では、Hb=11.0g/dL又は6.8mmol/L; 5〜12歳の
子供では、Hb=11.5g/dL又は7.1mmol/L; 12〜15歳の十代では、Hb=12.0g/dL又は7.4mmol
/L; 15歳以上の非妊娠女性では、Hb=12.0g/dL又は7.4mmol/L;妊娠女性では、Hb=11.0g/
dL又は6.8mmol/L;及び15歳を超える男性では、Hb=13.0g/dL又は8.1mmol/Lである。
本明細書に開示される方法に従って治療されるCKD患者は、貧血の改善を経験し得る。
本明細書に開示される方法に従って治療されるCKD患者は、鉄欠乏性貧血の改善を経験し
得る。いくつかの実施態様において、本明細書に開示される方法に従って治療されるCKD
患者は、貧血又は鉄欠乏性貧血の1以上の症状の減少を経験する。いくつかの実施態様に
おいて、本明細書に開示される方法に従って治療されるCKD患者は、貧血又は鉄欠乏性貧
血の1以上の症状の消失を経験する。いくつかの実施態様において、貧血又は鉄欠乏性貧
血の1以上の症状は、蒼白、疲労、立ちくらみ、衰弱、呼吸困難、異食症、不安症、興奮
又は悲嘆、狭心症、便秘、眠気、耳鳴、口腔内潰瘍、動悸、脱毛、失神又は気が遠くなる
感じ、鬱病、労作時の息切れ、筋肉の痙攣、淡黄色の皮膚、ヒリヒリ感(しびれ)又は灼熱
感、月経周期の停止、月経過多期、社会性の発達の遅れ、舌炎、口角炎、匙状爪、食欲不
振、掻痒症、プランマー・ヴィンソン症候群、レストレスレッグ症候群、及び前記の組合
せから選択される。
いくつかの実施態様において、本明細書に開示される方法に従って治療されるCKD患者
は、ヘモグロビンレベルが閾値レベルを超えて上昇し、及び/又は維持されるので、貧血
及び/又は鉄欠乏性貧血の改善を経験し得る。いくつかの実施態様において、CKD患者にお
いて貧血を治療する方法であって、クエン酸第二鉄を該CKD患者に経口投与することを含
む方法が開示され、ここで、該クエン酸第二鉄は、11.0g/dL、11.5g/dL、12.0g/dL、及び
13.0g/dLから選択されるレベルを含む、11.0g/dL〜13.0g/dLの範囲のレベル又はそれを上
回るCKD患者におけるヘモグロビンレベルをもたらす。いくつかの実施態様において、CKD
患者において貧血を治療する方法であって、クエン酸第二鉄を該CKD患者に経口投与する
ことを含む方法が開示され、ここで、該クエン酸第二鉄は、6.8mmol/L、7.1mmol/L、7.4m
mol/L、及び8.1mmol/Lから選択されるレベル又はそれを上回るCKD患者におけるヘモグロ
ビンレベルをもたらす。いくつかの実施態様において、男性CKD患者において貧血を治療
する方法であって、クエン酸第二鉄を該男性CKD患者に経口投与することを含む方法が開
示され、ここで、該クエン酸第二鉄は、13.0g/dL及び8.1mmol/Lから選択されるレベル又
はそれを上回る該男性CKD患者におけるヘモグロビンレベルをもたらす。いくつかの実施
態様において、女性CKD患者において貧血を治療する方法であって、クエン酸第二鉄を該
女性CKD患者に経口投与することを含む方法が開示され、ここで、該クエン酸第二鉄は、1
2.0g/dL及び7.4mmol/Lから選択されるレベル又はそれを上回る該女性CKD患者におけるヘ
モグロビンレベルをもたらす。
いくつかの実施態様において、CKD患者において貧血を治療する方法で使用するための
クエン酸第二鉄が開示され、ここで、該クエン酸第二鉄は、11.0g/dL、11.5g/dL、12.0g/
dL、及び13.0g/dLから選択されるレベルを含む、11.0g/dL〜13.0g/dLの範囲のレベル又は
それを上回る該CKD患者におけるヘモグロビンレベルをもたらす。いくつかの実施態様に
おいて、CKD患者において貧血を治療する方法で使用するためのクエン酸第二鉄が開示さ
れ、ここで、該クエン酸第二鉄は、6.8mmol/L、7.1mmol/L、7.4mmol/L、及び8.1mmol/Lか
ら選択されるレベル又はそれを上回る該CKD患者におけるヘモグロビンレベルをもたらす
。いくつかの実施態様において、男性CKD患者において貧血を治療する方法で使用するた
めのクエン酸第二鉄が開示され、ここで、該クエン酸第二鉄は、13.0g/dL及び8.1mmol/L
から選択されるレベル又はそれを上回る該男性CKD患者におけるヘモグロビンレベルをも
たらす。いくつかの実施態様において、女性CKD患者において貧血を治療する方法で使用
するためのクエン酸第二鉄が開示され、ここで、該クエン酸第二鉄は、12.0g/dL及び7.4m
mol/Lから選択されるレベル又はそれを上回る該女性CKD患者におけるヘモグロビンレベル
をもたらす。
(経静脈鉄)
CKD患者は、鉄欠乏のリスクがあり得るか、又は鉄欠乏を罹患し得る。鉄欠乏症又は低
鉄血症とも呼ばれる鉄欠乏は、よくあるタイプの栄養欠乏であり、体が腸管腔から鉄を吸
収し、及び/又は長期使用のために鉄を貯蔵するその能力を失うために、CKD患者で起こり
得る。体内の鉄の損失又は減少が、例えば、食事からの十分な鉄の摂取によって補われな
い場合、鉄欠乏が時間経過とともに発症し得る。鉄欠乏の状態が直されないままでいると
、それは、鉄欠乏性貧血へと至り得る。したがって、治療されない、長期の鉄欠乏の直接
的な結果は、鉄欠乏性貧血、場合によっては、貧血であり得る。
CKD患者では、通常、鉄欠乏性貧血を治療することができる手段が3つある。第一の手法
は、鉄を豊富に含む食品を食べることによるものである。それで不十分ならば、臨床医は
、経口鉄補給剤を処方してもよい。しかしながら、多くの経口鉄補給剤は、CKD患者にお
いて数々の有害な副作用を引き起こし、これは、患者のノンコンプライアンスをもたらす
。CKD患者が経口鉄補給剤を服用することができない場合、該患者は経静脈鉄補給を受け
なければならない可能性がある。
経静脈(IV)鉄補給は、筋肉への、又は静脈内への針による注射によって、鉄を送達する
方法である。IV鉄を受けているCKD患者は、経口鉄を服用することができないので、通常
、そのようにする。特に、ESRD患者は、透析を受けており、透析中に血液を失うことが多
い。これらの患者は、通常、赤血球生成刺激剤(ESA-下記参照)も服用しており、それが理
由で、同じく追加の鉄を必要とする場合がある。経静脈鉄は、鉄溶液を含むIVバッグに取
り付けられている針を通してCKD患者の静脈内に送達される。処置は、医院又は診療所で
行われ、医師がどの治療を処方したかによって、最長で数時間かかる場合がある。CKD患
者は、通常、その鉄レベルが妥当なものとなるまで、数回の診察にわたって鉄注射を受け
る。場合により、CKD患者は、恒久的なIV鉄補給を必要とする場合がある。
IV鉄補給の副作用としては、とりわけ:吐き気及び差し込みを含む胃腸痛;呼吸困難;発
疹を含む皮膚の問題;胸痛;低血圧;並びにアナフィラキシーが挙げられる。
本明細書に開示される方法に従って治療されるCKD患者は、IV鉄補給の必要性の減少を
経験し得る。いくつかの実施態様において、本明細書に開示される方法に従って治療され
るCKD患者は、累積的IV鉄補給の減少を経験する。いくつかの実施態様において、本開示
は、それを必要とする患者において経静脈(IV)鉄使用を低下させる方法であって、クエン
酸第二鉄を、CKD患者、特に、ESRD患者に経口投与することを含む方法を提供し、ここで
、該クエン酸第二鉄は、該患者におけるIV鉄使用の低下をもたらす。いくつかの実施態様
において、本開示は、末期腎臓病患者において経静脈(IV)鉄使用を低下させる方法であっ
て、クエン酸第二鉄を、該患者に、210mg〜2,520mgの範囲の第二鉄の用量で経口投与する
ことを含む方法を提供し、ここで、該クエン酸第二鉄は、該患者におけるIV鉄使用の低下
をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、52週間にわたって投与
される。
いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、1〜100%の平均累積IV鉄摂取の平
均低下をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、10〜90%の平均
累積IV鉄摂取の平均低下をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は
、20〜80%の平均累積IV鉄摂取の平均低下をもたらす。いくつかの実施態様において、該
クエン酸第二鉄は、30〜70%の平均累積IV鉄摂取の平均低下をもたらす。上記の範囲は、
効率目的でこの形式で開示されており、上記の範囲のいずれかを、任意の方法、製剤、又
はこれらの組合せと組み合わせることができる。
いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、40〜60%の平均累積IV鉄摂取の平
均低下をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、50、51、52、53
、54、55、56、57、58、59、及び60%から選択される平均累積IV鉄摂取の平均低下をもた
らす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、51.0、51.1、51.2、51.3、51
.4、51.5、51.6、51.7、51.9、及び52.0%から選択される平均累積IV鉄摂取の平均低下を
もたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、51.6%の平均累積IV鉄摂
取の平均低下をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、52週間に
わたって投与したとき、51.6%の平均累積IV鉄摂取の平均低下をもたらす。
いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、10%を超える平均累積IV鉄摂取の
平均低下をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、20%を超える
平均累積IV鉄摂取の平均低下をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二
鉄は、30%を超える平均累積IV鉄摂取の平均低下をもたらす。いくつかの実施態様におい
て、該クエン酸第二鉄は、40%を超える平均累積IV鉄摂取の平均低下をもたらす。いくつ
かの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、50%を超える平均累積IV鉄摂取の平均低下
をもたらす。
いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、100%未満から選択される平均累
積IV鉄摂取の平均低下をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、
90%未満の平均累積IV鉄摂取の平均低下をもたらす。いくつかの実施態様において、該ク
エン酸第二鉄は、80%未満の平均累積IV鉄摂取の平均低下をもたらす。いくつかの実施態
様において、該クエン酸第二鉄は、70%未満の平均累積IV鉄摂取の平均低下をもたらす。
いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、60%未満の平均累積IV鉄摂取の平均
低下をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、50%未満の平均累
積IV鉄摂取の平均低下をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、
40%未満の平均累積IV鉄摂取の平均低下をもたらす。いくつかの実施態様において、該ク
エン酸第二鉄は、30%未満の平均累積IV鉄摂取の平均低下をもたらす。いくつかの実施態
様において、該クエン酸第二鉄は、20%未満の平均累積IV鉄摂取の平均低下をもたらす。
いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、10%未満の平均累積IV鉄摂取の平均
低下をもたらす。上記の限度は、効率目的でこの形式で開示されており、上記の限度のい
ずれかを、任意の方法、製剤、上で開示された上限、又はこれらの組合せと組み合わせる
ことができる。
いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、60%を超える平均累積IV鉄摂取の
平均低下をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、70%を超える
平均累積IV鉄摂取の平均低下をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二
鉄は、%を超える平均累積IV鉄摂取の平均低下をもたらす。いくつかの実施態様において
、該クエン酸第二鉄は、90%を超える平均累積IV鉄摂取の平均低下をもたらす。上記の限
度は、効率目的でこの形式で開示されており、上記の限度のいずれかを、任意の方法、製
剤、下で開示される下限、又はこれらの組合せと組み合わせることができる。
いくつかの実施態様において、本明細書に開示される方法に従って治療されるCKD患者
、例えば、ESRD患者は、必要とされるIV鉄補給の量の維持を経験し、その結果、該CKD患
者によって受容されるIV鉄補給の総量は、クエン酸第二鉄の投与の間、実質的に不変であ
り続ける。
(赤血球生成刺激剤)
上で示された、CKD患者における鉄欠乏性貧血を制御する手段に加えて、CKD患者、特に
、ESRD患者は、貧血を制御するために、1以上の赤血球生成刺激剤(ESA)を服用することも
できる。ESAは、体が赤血球を産生するのを助けることによって作用する。これらの赤血
球は、その後、骨髄から血流中に放出され、そこで血液鉄レベルの維持を助ける。
一般にESAと略記される赤血球生成刺激剤は、体内での赤血球産生(赤血球生成)を刺激
するサイトカインであるエリスロポエチンと構造及び/又は機能が類似している薬剤であ
る。典型的なESAは、構造的かつ生物学的に、天然タンパク質のエリスロポエチンと類似
している。市販のESAの例としては、エリスロポエチン(Epo)、エポエチンアルファ(Procr
it/Epogen)、エポエチンベータ(NeoRecormon)、ダルべポエチンアルファ(Aranesp)、及び
メトキシポリエチレングリコール-エポエチンベータ(Mircera)が挙げられる。米国での販
売が現在許可されている2つのESAは、エポエチンアルファ(Procrit, Epogen)及びダルべ
ポエチンアルファ(Aranesp)である。
ESAは、一般に、ESRD患者に投与される。これらの患者は、十分なエリスロポエチンを
産生することができないので、通常、ヘモグロビンレベルがより低い。ESA使用によって
最もよく生じる副作用としては、とりわけ:高血圧;腫脹;発熱;目眩;吐き気;及び注射部位
での疼痛が挙げられる。これらの副作用に加えて、ESA使用によって生じるいくつかの安
全性の問題がある。ESAは、静脈血栓塞栓症(静脈内の血栓)のリスクを高める。ESAは、ヘ
モグロビンをあまりに高く上昇させることもあり、これにより、患者の心臓発作、脳卒中
、心不全、及び死のリスクが高まる。
本明細書に開示される方法に従って治療されるCKD患者は、ヘモグロビンレベルを維持
するために必要とされるESAの量の減少を経験し得る。いくつかの実施態様において、本
明細書に開示される方法に従って治療されるCKD患者は、ESA使用の減少を経験する。いく
つかの実施態様において、本開示は、CKD患者、特に、ESRD患者においてESA使用を低下さ
せる方法であって、クエン酸第二鉄を該患者に経口投与することを含む方法を提供し、こ
こで、該クエン酸第二鉄は、該患者におけるESA使用の低下をもたらす。いくつかの実施
態様において、本開示は、末期腎臓病患者においてESA使用を低下させる方法であって、
クエン酸第二鉄を、該患者に、210mg〜2,520mgの範囲の第二鉄の用量で経口投与すること
を含む方法を提供し、ここで、該クエン酸第二鉄は、該患者におけるESA使用の低下をも
たらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、52週間にわたって投与され
る。
いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、1〜50%となるESA摂取中央値の減
少をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、10〜40%となるESA
摂取中央値の減少をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、20〜
30%となるESA摂取中央値の減少をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸
第二鉄は、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、及び30%から選択されるESA摂取
中央値の減少をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、27.0、27
.1、27.2、27.3、27.4、27.5、27.6、27.7、27.9、及び28.0%から選択されるESA摂取中
央値の減少をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、27.1%のES
A摂取中央値の減少をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、52
週間にわたって投与したとき、27.1%のESA摂取中央値の減少をもたらす。
いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、20%を超える平均累積IV鉄摂取の
平均低下をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、21%を超える
平均累積IV鉄摂取の平均低下をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二
鉄は、22%を超える平均累積IV鉄摂取の平均低下をもたらす。いくつかの実施態様におい
て、該クエン酸第二鉄は、23%を超える平均累積IV鉄摂取の平均低下をもたらす。いくつ
かの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、24%を超える平均累積IV鉄摂取の平均低下
をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、25%を超える平均累積
IV鉄摂取の平均低下をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、26
%を超える平均累積IV鉄摂取の平均低下をもたらす。いくつかの実施態様において、該ク
エン酸第二鉄は、27%を超える平均累積IV鉄摂取の平均低下をもたらす。いくつかの実施
態様において、該クエン酸第二鉄は、28%を超える平均累積IV鉄摂取の平均低下をもたら
す。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、29%を超える平均累積IV鉄摂取
の平均低下をもたらす。上記の限度は、効率目的でこの形式で開示されており、上記の限
度のいずれかを、任意の方法、製剤、下で開示される下限、又はこれらの組合せと組み合
わせることができる。
いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、30%未満の平均累積IV鉄摂取の平
均低下をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、29%未満の平均
累積IV鉄摂取の平均低下をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は
、28%未満の平均累積IV鉄摂取の平均低下をもたらす。いくつかの実施態様において、該
クエン酸第二鉄は、27%未満の平均累積IV鉄摂取の平均低下をもたらす。いくつかの実施
態様において、該クエン酸第二鉄は、26%未満の平均累積IV鉄摂取の平均低下をもたらす
。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、25%未満の平均累積IV鉄摂取の平
均低下をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、24%未満の平均
累積IV鉄摂取の平均低下をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は
、23%未満の平均累積IV鉄摂取の平均低下をもたらす。いくつかの実施態様において、該
クエン酸第二鉄は、22%未満の平均累積IV鉄摂取の平均低下をもたらす。いくつかの実施
態様において、該クエン酸第二鉄は、21%未満の平均累積IV鉄摂取の平均低下をもたらす
。上記の限度は、効率目的でこの形式で開示されており、上記の限度のいずれかを、任意
の方法、製剤、上で開示された上限、又はこれらの組合せと組み合わせることができる。
いくつかの実施態様において、本明細書に開示される方法に従って治療されたCKD患者
、特に、ESRD患者は、ヘモグロビンレベルを維持するために必要とされるESAの量の維持
を経験し、その結果、該患者によるESA使用の総量は、クエン酸第二鉄の投与の間、実質
的に不変であり続ける。
(経口鉄補給剤)
いくつかの実施態様において、本開示は、CKD患者において鉄吸収を増加させるのに有
効な量のクエン酸第二鉄を含む経口鉄補給剤を提供する。いくつかの実施態様において、
本開示は、CKD患者において鉄貯蔵を維持するのに有効な量のクエン酸第二鉄を含む経口
鉄補給剤を提供する。いくつかの実施態様において、本開示は、CKD患者において1以上の
鉄貯蔵パラメータを改善するのに有効な量のクエン酸第二鉄を含む経口鉄補給剤を提供す
る。いくつかの実施態様において、該1以上の鉄貯蔵パラメータは、ヘマトクリット値、
ヘモグロビン濃度(Hb)、全鉄結合能(TIBC)、トランスフェリン飽和度(TSAT)、血清鉄レベ
ル、肝臓鉄レベル、脾臓鉄レベル、及び血清フェリチンレベルから選択される。いくつか
の実施態様において、本開示は、CKD患者において鉄欠乏を治療するのに有効な量のクエ
ン酸第二鉄を含む経口鉄補給剤を提供する。いくつかの実施態様において、本開示は、CK
D患者において貧血を治療するのに有効な量のクエン酸第二鉄を含む経口鉄補給剤を提供
する。
いくつかの実施態様において、本開示は、210mgの用量の第二鉄を有するクエン酸第二
鉄を含む経口鉄補給剤を提供する。いくつかの実施態様において、クエン酸第二鉄を含む
経口鉄補給剤は、第二鉄の用量が210mg〜2,520mgの範囲となるように投与することができ
る。
いくつかの実施態様において、本開示は、CKD患者において鉄吸収を増加させるための
経口鉄補給剤の製造で使用するためのクエン酸第二鉄を提供する。いくつかの実施態様に
おいて、本開示は、CKD患者において鉄貯蔵を維持するための経口鉄補給剤の製造で使用
するためのクエン酸第二鉄を提供する。いくつかの実施態様において、本開示は、CKD患
者において1以上の鉄貯蔵パラメータを改善するための経口鉄補給剤の製造で使用するた
めのクエン酸第二鉄を提供する。いくつかの実施態様において、該1以上の鉄貯蔵パラメ
ータは、ヘマトクリット値、ヘモグロビン濃度(Hb)、全鉄結合能(TIBC)、トランスフェリ
ン飽和度(TSAT)、血清鉄レベル、肝臓鉄レベル、脾臓鉄レベル、及び血清フェリチンレベ
ルから選択される。いくつかの実施態様において、本開示は、CKD患者において鉄欠乏を
治療するための経口鉄補給剤の製造で使用するためのクエン酸第二鉄を提供する。いくつ
かの実施態様において、本開示は、CKD患者において貧血を治療するための経口鉄補給剤
の製造で使用するためのクエン酸第二鉄を提供する。
いくつかの実施態様において、本開示は、210mgの用量の第二鉄を含む経口鉄補給剤の
製造で使用するためのクエン酸第二鉄を提供する。
(クエン酸第二鉄)
様々な態様において、本開示は、CKD患者において、血清リンレベルを低下させ及び/も
しくは制御し、血清重炭酸塩レベルを増加させ、1以上の鉄貯蔵パラメータを改善し(例え
ば、血清フェリチンレベルを増加させ、トランスフェリン飽和度(TSAT)を増加させ、ヘモ
グロビン濃度を増加させ)、鉄吸収を増加させ、鉄貯蔵を維持し、鉄欠乏を治療し、貧血
を治療し、IV鉄の必要性を低下させ、並びに/又は赤血球生成刺激剤(ESA) の必要性を低
下させるためのクエン酸第二鉄の使用に関する。様々な態様において、本開示は、CKD患
者において、血清リンレベルを低下させ及び/もしくは制御し、血清重炭酸塩レベルを増
加させ、1以上の鉄貯蔵パラメータを改善し(例えば、血清フェリチンレベルを増加させ、
トランスフェリン飽和度(TSAT)を増加させ、ヘモグロビン濃度を増加させ)、鉄吸収を増
加させ、鉄貯蔵を維持し、鉄欠乏を治療し、貧血を治療し、IV鉄の必要性を低下させ、並
びに/又は赤血球生成刺激剤(ESA)の必要性を低下させるためのクエン酸第二鉄及び医薬と
して許容し得る結合剤を含む医薬組成物の使用に関する。
したがって、本明細書に開示されるのは、クエン酸第二鉄の製剤及びクエン酸第二鉄を
含む医薬組成物である。様々な実施態様において、クエン酸第二鉄製剤、及び該クエン酸
第二鉄製剤を含む医薬組成物は、特定の溶出、錠剤化、及び崩壊基準を満たす。様々な態
様において、該医薬組成物は、活性成分としてのクエン酸第二鉄と、結合剤とを含むこと
ができる。該医薬組成物は、滑沢剤及び/又は崩壊剤(これは、いくつかの実施態様におい
て、結合剤と同じであり得る)も含むことができる。
本明細書での使用について開示されているクエン酸第二鉄製剤のある実施態様は、米国
特許第7,767,851号、第8,093,423号、第8,299,298号、及び第8,338,642号、並びにPCT公
開WO 2004/074444号、WO 2007/022435号、WO 2007/089571号、WO 2007/089577号、及びWO
2011/011541号にも開示されている。しかしながら、該クエン酸第二鉄製剤のある実施態
様は、本開示に特有である。本明細書に開示されるクエン酸第二鉄製剤は、市販又は化学
等級形態のクエン酸第二鉄と比べて増大したBET活性表面積を示す。BET理論は、固体表面
への気体分子の物理的吸着を説明するものである。この理論は、材料の比表面積の測定の
根拠として役立つ。この理論は、非常に正確な形での材料の表面積の計算を可能にし、そ
れにより、それ以外の方法では同じ材料であるように見える別々の製剤の違いを見分ける
ことができる。例えば、活性炭は、それが極めて多孔性となり、それにより、非常に大き
い表面積を有するように加工されている炭素の形態である。活性炭は、BET理論から導き
出される計算を用いて、約3000m2g-1の表面積を有することが実験的に明らかにされてい
る。この表面積は、同じ材料でできているとしても、炭素の他の調製物の活性表面積より
も顕著に大きい。
いくつかの実施態様において、本明細書に開示されるクエン酸第二鉄製剤は、16m2/gを
超えるBET活性表面積を有する。いくつかの実施態様において、本明細書に開示される高
純度クエン酸第二鉄製剤は、20m2/gを超えるBET活性表面積を有する。いくつかの実施態
様において、本明細書に開示される高純度クエン酸第二鉄製剤は、25m2/gを超えるBET活
性表面積を有する。いくつかの実施態様において、本明細書に開示される高純度クエン酸
第二鉄製剤は、30m2/gを超えるBET活性表面積を有する。いくつかの実施態様において、
本明細書に開示される高純度クエン酸第二鉄製剤は、35m2/gを超えるBET活性表面積を有
する。いくつかの実施態様において、本明細書に開示される高純度クエン酸第二鉄製剤は
、40m2/gを超えるBET活性表面積を有する。いくつかの実施態様において、本明細書に開
示される高純度クエン酸第二鉄製剤は、45m2/gを超えるBET活性表面積を有する。いくつ
かの実施態様において、本明細書に開示される高純度クエン酸第二鉄製剤は、50m2/gを超
えるBET活性表面積を有する。いくつかの実施態様において、本明細書に開示されるクエ
ン酸第二鉄製剤は、16.17m2/g〜19.85m2/gの範囲のBET活性表面積を有する。いくつかの
実施態様において、本明細書に開示されるクエン酸第二鉄製剤は、16.17m2/g及び19.85m2
/gから選択されるBET活性表面積を有する。いくつかの実施態様において、本明細書に開
示されるクエン酸第二鉄製剤は、27m2/gを超えるBET活性表面積を有する。いくつかの実
施態様において、本明細書に開示されるクエン酸第二鉄製剤は、27.99m2/g〜32.34m2/gの
範囲のBET活性表面積を有する。いくつかの実施態様において、本明細書に開示されるク
エン酸第二鉄製剤は、28.5m2/g〜31.5m2/gの範囲のBET活性表面積を有する。いくつかの
実施態様において、本明細書に開示されるクエン酸第二鉄製剤は、27.99m2/g、28.87m2/g
、及び32.34m2/gから選択されるBET活性表面積を有する。いくつかの実施態様において、
本明細書に開示されるクエン酸第二鉄製剤は、28.5m2/g、29.1m2/g、30.6m2/g、及び31.5
m2/gから選択されるBET活性表面積を有する。これは、クエン酸第二鉄の他の製剤、例え
ば、本開示の出願日の時点で公知かつ市販されている化学等級製剤とは際立って対照的で
ある。クエン酸第二鉄の市販等級製剤は、本開示のクエン酸第二鉄製剤よりも実質的に小
さいBET活性表面積を有する。したがって、本明細書に開示されるクエン酸第二鉄製剤は
、吸着又は化学反応に利用可能な顕著により大きい表面積を有し、本明細書に開示される
クエン酸第二鉄の製剤は、市販の製剤よりも実質的に反応性が高くなっている。
PCT公開WO2004/074444号に開示されている方法によって製造される5つのクエン酸第二
鉄製剤について測定されたBET活性表面積が明らかにされている。これらのBET活性表面積
を、クエン酸第二鉄の市販等級製剤のBET活性表面積と比較して、下の表1に示す:
表1.様々な形態のクエン酸第二鉄のBET活性表面積
Figure 2020100638
PCT公開WO2011/011541号に開示されている方法によって製造される5つのクエン酸第二
鉄製剤について測定されたBET活性表面積が明らかにされている。これらのBET活性表面積
を、クエン酸第二鉄の市販等級製剤のBET活性表面積と比較して、下の表2に示す:
表2. BET活性表面積
Figure 2020100638
1 PCT公開WO 2011/011541号の実施例10から引用。
2 PCT公開WO 2011/011541号の実施例10から引用。
3 PCT公開WO 2011/011541号の実施例11から引用。
4 PCT公開WO 2011/011541号の実施例11から引用。
5 PCT公開WO 2011/011541号の実施例11から引用。
本明細書に開示される方法によって製造される4つの追加のクエン酸第二鉄製剤につい
てのBET活性表面積も明らかにされている。これらのBET活性表面積を、クエン酸第二鉄の
市販等級製剤のBET活性表面積と比較して、下の表3に示す:
表3. BET活性表面積
Figure 2020100638
表1、2、及び3に開示されているクエン酸第二鉄製剤の実施態様のBET活性表面積は、こ
のように、市販等級クエン酸第二鉄のBET活性表面積よりも顕著に大きい。
表4は、本明細書に開示されるクエン酸第二鉄の第二鉄のアッセイ含有量を示す。第二
鉄のアッセイ含有量は、表4に示す各々のクエン酸第二鉄の製剤中の第二鉄の量を表す。
いくつかの実施態様において、第二鉄のアッセイ含有量は、約20%w/wを上回るか又はそ
れを超える。いくつかの実施態様において、第二鉄のアッセイ含有量は、21.2%w/wであ
る。いくつかの実施態様において、第二鉄のアッセイ含有量は、22.1%w/wである。いく
つかの実施態様において、第二鉄のアッセイ含有量は、22.4%w/wである。いくつかの実
施態様において、第二鉄のアッセイ含有量は、21%w/w〜23%w/wである。
表4:クエン酸第二鉄含量
Figure 2020100638
本明細書に開示されるクエン酸第二鉄は、鉄(III)とクエン酸の錯体である。いくつか
の態様において、鉄(III)対クエン酸のモル比は、1:0.70〜1:0.78である。いくつかの態
様において、鉄(III)対クエン酸のモル比は、1:0.69〜1:0.87である。いくつかの態様に
おいて、鉄(III)対クエン酸のモル比は、1:0.75〜1:1.10である。いくつかの態様におい
て、鉄(III)対クエン酸のモル比は、1:0.78〜1:0.95である。いくつかの態様において、
鉄(III)対クエン酸のモル比は、1:0.80〜1:0.92である。いくつかの態様において、鉄(II
I)対クエン酸のモル比は、1:0.81〜1:0.91である。いくつかの態様において、鉄(III)対
クエン酸のモル比は、1:0.75〜1:1.15である。いくつかの態様において、鉄(III)対クエ
ン酸のモル比は、1:0.80〜1:1.10である。
いくつかの態様において、鉄(III)対水のモル比は、1:0.32〜1:0.42である。いくつか
の態様において、鉄(III)対水のモル比は、1:0.32〜1:0.46である。いくつかの態様にお
いて、鉄(III)対水のモル比は、1:1.8〜1:3.2である。いくつかの態様において、鉄(III)
対水のモル比は、1:1.8〜1:3.2である。いくつかの態様において、鉄(III)対水のモル比
は、1:2.4〜1:3.1である。いくつかの態様において、鉄(III)対水のモル比は、1:2.7〜1:
3.1である。
本明細書に開示されるクエン酸第二鉄製剤は、市販又は化学等級形態のクエン酸第二鉄
と比べて、より可溶性である。溶出試験では、5分以内に溶出した本開示のクエン酸第二
鉄のパーセンテージは、装置IIを用いて、USP<711>容器中で、クエン酸第二鉄製剤に対し
て行われた溶出試験において、91%以上であり、15分以内では96%以上、30分以内では96
%以上、及び60分以内では、95%以上である。表5は、本開示によるクエン酸第二鉄の4つ
の例示的バッチについての溶出試験データを示す。溶出試験に使用される特定の標準は、
100という基準値を設定するものであり、したがって、あるバッチが100%を超えて溶出す
る程度まで、それは、その標準と比べた溶出率である。
表5.溶出試験データ
Figure 2020100638
したがって、いくつかの実施態様において、15分以内に溶出したクエン酸第二鉄のパー
センテージは、装置IIを用いてUSP<711>容器中で行われた溶出試験において80%以上であ
る。いくつかの実施態様において、15分以内に溶出したクエン酸第二鉄のパーセンテージ
は、装置IIを用いてUSP<711>容器中で行われた溶出試験において85%以上である。いくつ
かの実施態様において、15分以内に溶出したクエン酸第二鉄のパーセンテージは、装置II
を用いてUSP<711>容器中で行われた溶出試験において90%以上である。いくつかの実施態
様において、15分以内に溶出したクエン酸第二鉄のパーセンテージは、装置IIを用いてUS
P<711>容器中で行われた溶出試験において91%以上である。いくつかの実施態様において
、15分以内に溶出したクエン酸第二鉄のパーセンテージは、装置IIを用いてUSP<711>容器
中で行われた溶出試験において95%以上である。いくつかの実施態様において、15分以内
に溶出したクエン酸第二鉄のパーセンテージは、装置IIを用いてUSP<711>容器中で行われ
た溶出試験において96%以上である。いくつかの実施態様において、15分以内に溶出した
クエン酸第二鉄のパーセンテージは、装置IIを用いてUSP<711>容器中で行われた溶出試験
において97%以上である。いくつかの実施態様において、15分以内に溶出したクエン酸第
二鉄のパーセンテージは、装置IIを用いてUSP<711>容器中で行われた溶出試験において10
0%以上である。
本明細書に開示されるクエン酸第二鉄製剤は、市販又は化学等級形態のクエン酸第二鉄
と比べて、より可溶性である。本明細書に開示されるクエン酸第二鉄製剤のこの溶解度の
増加は、本明細書に開示されるクエン酸第二鉄製剤の特有の、顕著に大きい活性表面積の
結果であると考えられる。固有溶出率は、一定の表面積の条件下での純物質の溶出率と定
義される。原薬の固有溶出率及び生体利用率は、その固体状態特性の影響を受け、該特性
には:結晶化度、無定形性、多形性、水和、溶媒和、粒径、及び粒子表面積が含まれる。
測定される固有溶出率は、これらの固体状態特性に左右され、通常、一定の温度、撹拌速
度、及びpHを維持しながら、材料の一定の表面積を適当な溶出媒体に露出させることによ
って決定される。
いくつかの実施態様において、本明細書に開示されるクエン酸第二鉄製剤は、2.28mg/c
m2/分を上回る固有溶出率を有する。いくつかの実施態様において、本明細書に開示され
るクエン酸第二鉄製剤は、2.28mg/cm2/分を超える固有溶出率を有する。いくつかの実施
態様において、本明細書に開示されるクエン酸第二鉄製剤は、2.99mg/cm2/分の固有溶出
率を有する。いくつかの実施態様において、本明細書に開示されるクエン酸第二鉄製剤は
、2.28mg/cm2/分〜2.99mg/cm2/分の範囲の固有溶出率を有する。いくつかの実施態様にお
いて、本明細書に開示されるクエン酸第二鉄製剤は、2.28mg/cm2/分及び2.99mg/cm2/分か
ら選択される固有溶出率を有する。これは、クエン酸第二鉄の他の製剤、例えば、公知か
つ市販の化学等級製剤とは際立って対照的である。クエン酸第二鉄の市販等級製剤は、本
開示のクエン酸第二鉄製剤よりも実質的に低い固有溶出率を有する。したがって、本明細
書に開示されるクエン酸第二鉄製剤は、顕著により高い固有溶出率を有し、本明細書に開
示されるクエン酸第二鉄の製剤は、市販の製剤よりも実質的に可溶性が高くなっている。
固有溶出率を、本開示に従って製造されるクエン酸第二鉄の製剤について決定した。平
均固有溶出率を、クエン酸第二鉄の市販等級製剤の溶出率と比較して、下の表6に示す:
表6.固有溶出率
Figure 2020100638
表6に開示されているクエン酸第二鉄製剤の固有溶出率は、このように、市販等級のク
エン酸第二鉄の固有溶出率よりも顕著に高い。
(製造方法)
本開示によって提供されるクエン酸第二鉄の製剤の例示的な製造方法は、米国特許第7,
767,851号、第8,093,423号、第8,299,298号、及び第8,338,642号、並びにPCT公開WO 2004
/074444号、WO 2007/022435号、WO 2007/089571号、WO 2007/089577号、及びWO 2011/011
541号に開示されている。
(投与様式)
本明細書に開示されるクエン酸第二鉄は、ヒト用医薬品で有利に使用することができる
。本明細書に開示されるように、本明細書に開示されるクエン酸第二鉄は、CKD患者にお
いて、血清リンレベルを低下させ及び/もしくは制御し、血清重炭酸塩レベルを増加させ
、1以上の鉄貯蔵パラメータを改善し(例えば、血清フェリチンレベルを増加させ、トラン
スフェリン飽和度(TSAT)を増加させ、ヘモグロビン濃度を増加させ)、鉄吸収を増加させ
、鉄貯蔵を維持し、鉄欠乏を治療し、貧血を治療し、IV鉄の必要性を低下させ、並びに/
又は赤血球生成刺激剤(ESA)の必要性を低下させるのに有用である。本明細書に開示され
るクエン酸第二鉄は、鉄補給剤として有利に使用することもできる。様々な態様において
、本明細書に開示されるクエン酸第二鉄は、経口投与することができる。いくつかの実施
態様において、該クエン酸第二鉄は、経口剤形で投与される。いくつかの実施態様におい
て、該クエン酸第二鉄は、経口錠剤剤形で投与される。いくつかの実施態様において、該
錠剤は、カプレットの形態である。
上記の疾患及び/もしくは状態を治療するために使用する場合、又は鉄補給剤として使
用する場合、本明細書に開示されるクエン酸第二鉄は、単独で、又は他の薬剤と組み合わ
せて投与又は適用することができる。本明細書に開示されるクエン酸第二鉄は、単独で、
又はCKD患者において、血清リンレベルを低下させ及び/もしくは制御し、血清重炭酸塩レ
ベルを増加させ、1以上の鉄貯蔵パラメータを改善し(例えば、血清フェリチンレベルを増
加させ、トランスフェリン飽和度(TSAT)を増加させ、ヘモグロビン濃度を増加させ)、鉄
吸収を増加させ、鉄貯蔵を維持し、鉄欠乏を治療し、貧血を治療し、IV鉄の必要性を低下
させ、並びに/もしくは赤血球生成刺激剤(ESA)の必要性を低下させることが知られている
他の薬剤を含む、他の医薬活性物質と組み合わせて、投与又は適用することもできる。
治療方法は上で開示されており、クエン酸第二鉄を患者に210mg〜2,520mgの範囲の第二
鉄の用量で経口投与することを含む。したがって、本明細書に開示されるクエン酸第二鉄
は、経口投与することができる。様々な態様において、本明細書に開示されるクエン酸第
二鉄は、1グラムのクエン酸第二鉄及び約210mgの用量の第二鉄を含む経口錠剤剤形で投与
してもよい。
本明細書に開示されるクエン酸第二鉄は、腸管腔からの鉄の吸収を強化し、及び吸収後
の鉄の貯蔵を強化/維持する働きをする。鉄の吸収及び貯蔵の強化は、CKD患者に投与され
るクエン酸第二鉄中のクエン酸塩の存在によるものであり得ると考えられる。任意の理論
に束縛されることを望まないが、いくつかの研究により、クエン酸塩と組み合わせた鉄(
クエン酸の共役塩基)の投与が、食事供給源から吸収される鉄の量を顕著に(例えば、数倍
)増加させる働きをすることが示されている(例えば、Ballotらの文献、Br. J. Nutr.(198
7) 57, 331-343; Gilloolyらの文献、Br. J. Nutr.(1983) 49, 331-342; Zhangらの文献
、Eur. J. Nutr.(2007) 46, 95-102;及びSalovaaraらの文献、J. Agric. Food Chem.(200
2) 50, 6233-6238を参照されたい)。
本明細書に開示されるクエン酸第二鉄は、いくつかの実施態様において、1日に1回、い
くつかの実施態様において、1日に2回、いくつかの実施態様において、1日に3回、いくつ
かの実施態様において、1日に3回以上、投与することができる。様々な態様において、該
クエン酸第二鉄は、1日のうちで分割される日用量の形態で投与してもよい。例として、
クエン酸第二鉄の1日用量は6グラムであってもよく、その6グラムを、午前中に2グラムを
服用し、午後に2グラムを服用し、夜に最後の2グラムを服用して、1日で合計6グラムとな
るように、1日の間に分散させてもよい。
本明細書に開示されるクエン酸第二鉄を用いて、CKD患者において、血清リンレベルを
低下させ及び/もしくは制御し、血清重炭酸塩レベルを増加させ、1以上の鉄貯蔵パラメー
タを改善し(例えば、血清フェリチンレベルを増加させ、トランスフェリン飽和度(TSAT)
を増加させ、ヘモグロビン濃度を増加させ)、鉄吸収を増加させ、鉄貯蔵を維持し、鉄欠
乏を治療し、貧血を治療し、IV鉄の必要性を低下させ、並びに/又は赤血球生成刺激剤(ES
A)の必要性を低下させると同時に、既知の形態の経口鉄補給剤(例えば、第一鉄含有補給
剤)及び/又はIV鉄補給剤と関連する薬物副作用を軽減することもできる。
(医薬組成物及び鉄補給剤)
本明細書に開示されるのは、本明細書に開示されるクエン酸第二鉄製剤及び結合剤を含
むクエン酸第二鉄含有医薬組成物である。いくつかの実施態様において、該医薬組成物は
、CKD患者に鉄補給剤として提供することができる。いくつかの実施態様において、該医
薬組成物は、CKD患者に、リン酸塩結合剤として、及び/又はCKD患者において血清リンレ
ベルを低下させ及び/もしくは制御し、血清重炭酸塩レベルを増加させ、1以上の鉄貯蔵パ
ラメータを改善し(例えば、血清フェリチンレベルを増加させ、トランスフェリン飽和度(
TSAT)を増加させ、ヘモグロビン濃度を増加させ)、鉄吸収を増加させ、鉄貯蔵を維持し、
鉄欠乏を治療し、貧血を治療し、IV鉄の必要性を低下させ、並びに/又は赤血球生成刺激
剤(ESA)の必要性を低下させるために提供することができる。様々な実施態様において、
該医薬組成物は、特定の溶出、錠剤化、及び/又は崩壊基準を満たす。様々な態様におい
て、該医薬組成物は、活性成分としてのクエン酸第二鉄と、結合剤とを含むことができる
。該医薬組成物は、滑沢剤及び/又は崩壊剤(これは、いくつかの実施態様において、結合
剤と同じであり得る)も含むことができる。いくつかの実施態様において、該医薬組成物
は、経口錠剤剤形である。
本開示によって提供される医薬組成物及び経口錠剤剤形のある実施態様は、PCT公開WO
2011/011541号に開示されている。しかしながら、他の実施態様は、本開示に特有である
(経口錠剤剤形及び経口鉄補給剤)
一態様において、該医薬組成物は、クエン酸第二鉄及び結合剤を含む錠剤である。本明
細書で使用されるように、「錠剤」は、例えば、打錠機を用いた、圧縮力により製造され
る材料である。他の実施態様において、錠剤は、クエン酸第二鉄、結合剤、滑沢剤、及び
崩壊剤を含むことができる。いくつかの実施態様において、単一の錠剤は、210mg用量の
第二鉄を有する1グラムのクエン酸第二鉄を含む。いくつかの実施態様において、錠剤を
用いて、CKD患者において、血清リンレベルを低下させ及び/もしくは制御し、血清重炭酸
塩レベルを増加させ、1以上の鉄貯蔵パラメータを改善し(例えば、血清フェリチンレベル
を増加させ、トランスフェリン飽和度(TSAT)を増加させ、ヘモグロビン濃度を増加させ)
、鉄吸収を増加させ、鉄貯蔵を維持し、鉄欠乏を治療し、貧血を治療し、IV鉄の必要性を
低下させ、並びに/又は赤血球生成刺激剤(ESA)の必要性を低下させることができる。いく
つかの実施態様において、錠剤をCKD患者に経口鉄補給剤として投与することができる。
いくつかの実施態様において、錠剤及び/又は経口鉄補給剤は、クエン酸第二鉄が、錠
剤及び/又は経口鉄補給剤中に、製剤の約65重量%を超える、製剤の約70重量%を超える
、製剤の約75重量%を超える、製剤の約80重量%を超える、製剤の約85重量%を超える、
製剤の約90重量%を超える、及び製剤の約92%にも達する値で存在する、高度に薬物負荷
されたものと特徴付けることができる。約80重量%のクエン酸第二鉄、約85重量%のクエ
ン酸第二鉄、及び約90重量%のクエン酸第二鉄などの中間値も、クエン酸第二鉄錠剤及び
/又は経口鉄補給剤で使用することができる。これらの高充填重量パーセントで製造され
る錠剤及び/又は経口鉄補給剤の特徴は、例えば、結合剤、結合剤の量、崩壊剤、崩壊剤
の量、使用される製剤化方法(例えば、造粒、直接圧縮)、錠剤化パラメータなどの変数に
よって制御される。したがって、錠剤及び/又は経口鉄補給剤が作られ、それが微量のラ
ミネーション又はキャッピングを有する場合、上記の変数のうちの1つ又は複数を変化さ
せることによって、該ラミネーション又はキャッピングを補正することができる。
様々な実施態様において、錠剤及び/又は経口鉄補給剤は、1以上の結合剤、1以上の滑
沢剤、及び1以上の崩壊剤の中から選択される1以上の成分を含有する。
結合剤は、当技術分野で公知の任意の結合剤であることができる。限定するものではな
いが、結合剤の例としては、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピル
メチルセルロース(HPMC)、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸、グアーガム、アラビアゴ
ム、キサンタンゴム、カルボポル(carbolpol)、セルロースゴム(カルボキシメチルセルロ
ース)、エチルセルロース、マルトデキストリン、PVP/VA、ポビドン、微結晶性セルロー
ス、デンプン、部分又は完全アルファ化デンプン、及びメチルセルロースのうちの1つ又
は複数を挙げることができる。クエン酸第二鉄錠剤及び/又は経口鉄補給剤中で使用され
る場合、マルトデキストリン、PVP/VA、及びメチルセルロースは、即放性結合剤として機
能する。
結合剤の組合せを用いて、結合剤の効果を制御し、変化させることができることも理解
されるべきである。例えば、結合剤系を、微結晶性セルロースの有無にかかわらず、ヒド
ロキシプロピルセルロース及びポリビニルピロリドン(ポビドン)から作製することができ
る。ヒドロキシプロピルセルロース及びポビドンのうちの一方又は両方をアルファ化デン
プンと置き換えることができる。
様々な態様において、錠剤及び/又は経口鉄補給剤は、滑沢剤を含むことができる。ク
エン酸第二鉄錠剤及び/又は経口鉄補給剤用の滑沢剤の一例として、ステアリン酸マグネ
シウム、ステアリン酸カルシウム、フマル酸ステアリルナトリウム、及び組合せを使用す
ることができる。他の好適な滑沢剤としては、ポリエチレングリコール(3350を上回る分
子量)、ラウリル硫酸ナトリウム、タルク、鉱油、ロイシン、及びポロキサマーのうちの1
つ又は複数が挙げられる。
様々な態様において、錠剤及び/又は経口鉄補給剤は、崩壊剤を含むことができる。崩
壊剤を錠剤及び/又は経口鉄補給剤に含めることができる。崩壊剤は、結合剤と同じもの
又は異なるものであることができる。限定するものではないが、例として、微結晶性セル
ロースは、結合剤と崩壊剤の両方の性質を有しており、微結晶性セルロースは、錠剤及び
/又は経口鉄補給剤中の唯一の結合剤/崩壊剤として使用することができる。他の好適な崩
壊剤の例としては、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、グリコール酸デン
プンナトリウム、及びデンプンが挙げられる。
結合剤は、錠剤及び/又は経口鉄補給剤中に、約4.5重量%〜約30重量%の範囲の量で存
在することができる。崩壊剤は、錠剤及び/又は経口鉄補給剤中に、約1.5重量%〜約15重
量%の範囲の量で存在することができる。様々な実施態様において、いくつかの非デンプ
ン崩壊剤は、より低い重量パーセント、例えば、わずか0.25%程度で使用されることが多
く、したがって、錠剤及び/又は経口鉄補給剤中に存在する崩壊剤は、いくつかの条件で
は、わずか0.25%程度であり得る。
滑沢剤は、錠剤及び/又は経口鉄補給剤中に、約0.5重量%〜約3重量%の範囲の量で存
在することができる。微結晶性セルロースなどのいくつかの成分は、崩壊剤と結合剤の両
方の性質をもって機能することができることが理解されるべきである。
個々の錠剤及び/又は経口鉄補給剤の重量は、製造されるべき最終投薬量;例えば、125m
g、250mg、500mg、667mg、750mg、及び1,000mgのクエン酸第二鉄によって決まる。いくつ
かの実施態様において、錠剤は、1グラムのクエン酸第二鉄、したがって、210mgの用量の
第二鉄を含む。
様々な実施態様において、錠剤及び/又は経口鉄補給剤を、Opadry懸濁液又は同等物を
穿孔パンコーターで用いて、約2%〜5%の重量増までコーティングする。ステアリン酸カ
ルシウム及びOpadryパープルを、それぞれ、異なる滑沢剤もしくはコーティング系に置き
換えるか、又はそれらとともに使用することができる。
他のバリエーションにおいて、錠剤及び/又は経口鉄補給剤は、水分含有量が低い。一
実施態様において、LOD%で測定したときの錠剤の水分含有量は、20%未満である。別の
実施態様において、LOD%で測定したときの錠剤の水分含有量は、19%未満である。別の
実施態様において、LOD%で測定したときの錠剤の水分含有量は、18%未満である。別の
実施態様において、LOD%で測定したときの錠剤の水分含有量は、17%未満である。別の
実施態様において、LOD%で測定したときの錠剤の水分含有量は、16%未満である。別の
実施態様において、LOD%で測定したときの錠剤の水分含有量は、15%未満である。別の
実施態様において、LOD%で測定したときの錠剤の水分含有量は、14%未満である。別の
実施態様において、LOD%で測定したときの錠剤の水分含有量は、13%未満である。別の
実施態様において、LOD%で測定したときの錠剤の水分含有量は、12%未満である。別の
実施態様において、LOD%で測定したときの水分含有量は、11%未満である。別の実施態
様において、LOD%で測定したときの水分含有量は、10%未満である。別の実施態様にお
いて、LOD%で測定したときの錠剤の水分含有量は、9%未満である。別の実施態様におい
て、LOD%で測定したときの錠剤の水分含有量は、8%未満である。別の実施態様において
、LOD%で測定したときの錠剤の水分含有量は、7%未満である。別の実施態様において、
LOD%で測定したときの錠剤の水分含有量は、6%未満である。別の実施態様において、LO
D%で測定したときの錠剤の水分含有量は、5%未満である。
LOD(乾燥減量)は、熱重量水分測定の方法である。熱重量分析過程において、材料の水
分は、加温中に揮発する物質を含み、したがって、該材料の質量損失の一因となる。水と
同時に、これは、アルコール又は分解産物も含み得る。熱重量測定法(赤外線、ハロゲン
、マイクロ波、又はオーブンを用いて乾燥させる)を使用する場合、水と他の揮発性成分
とは区別されない。
いくつかの実施態様において、錠剤及び/又は経口鉄補給剤は、約1000mg、約667mg、約
500mg、約250mg、及び約125mgから選択される量のクエン酸第二鉄を含む。いくつかの実
施態様において、錠剤及び/又は経口鉄補給剤は、1グラム(1000mg)のクエン酸第二鉄を含
む。いくつかの実施態様において、錠剤及び/又は経口鉄補給剤は、約210mgの第二鉄を含
有する1グラムのクエン酸第二鉄を含む。
いくつかの実施態様において、錠剤及び/又は経口鉄補給剤は、1.3グラムのクエン酸第
二鉄を含む。いくつかの実施態様において、錠剤及び/又は経口鉄補給剤は、1.5グラムの
クエン酸第二鉄を含む。いくつかの実施態様において、錠剤及び/又は経口鉄補給剤は、1
.6グラムのクエン酸第二鉄を含む。いくつかの実施態様において、錠剤及び/又は経口鉄
補給剤は、100mg、125mg、150mg、175mg、200mg、225mg、250mg、275mg、300mg、325mg、
350mg、375mg、400mg、425mg、450mg、475mg、500mg、525mg、550mg、575mg、600mg、625
mg、650mg、675mg、700mg、725mg、750mg、775mg、800mg、825mg、850mg、875mg、900mg
、925mg、950mg、975mg、1000mg、1025mg、1050mg、1075mg、1100mg、1125mg、1150mg、1
175mg、1200mg、1225mg、1250mg、1275mg、1300mg、1325mg、1350mg、1375mg、1400mg、1
425mg、1450mg、1475mg、1500mg、1525mg、1550mg、1575mg、1600mg、1625mg、1650mg、1
675mg、1700mg、1725mg、1750mg、1775mg、1800mg、1825mg、1850mg、1875mg、1900mg、1
925mg、1950mg、1975mg、及び2000mgから選択される量のクエン酸第二鉄を含む。
いくつかの実施態様において、錠剤及び/又は経口鉄補給剤は、約65重量%〜92重量%の
クエン酸第二鉄;約4.5重量%〜30重量%の結合剤;及び0.5重量%〜3重量%の滑沢剤を含む。
いくつかの実施態様において、滑沢剤は、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カル
シウム、及びフマル酸ステアリルナトリウムのうちの1つ又は複数から選択される。
いくつかの実施態様において、錠剤及び/又は経口鉄補給剤は、65重量%〜92重量%の
クエン酸第二鉄及び4.5重量%〜30重量%の結合剤を含み、ここで、該錠剤の平均表面積
対質量比は、1グラム当たり1m2以上であり、及びここで、該錠剤のLOD%水は、20%水w/w
未満である。いくつかの実施態様において、錠剤及び/又は経口鉄補給剤の平均表面積対
質量比は、1グラム当たり5m2以上であることができる。いくつかの実施態様において、錠
剤及び/又は経口鉄補給剤の平均表面積対質量比は、1グラム当たり10m2以上であることが
できる。いくつかの実施態様において、錠剤及び/又は経口鉄補給剤は、少なくとも70重
量パーセントのクエン酸第二鉄を含む。いくつかの実施態様において、錠剤及び/又は経
口鉄補給剤は、少なくとも80重量パーセントのクエン酸第二鉄を含む。いくつかの実施態
様において、錠剤及び/又は経口鉄補給剤は、少なくとも90重量パーセントのクエン酸第
二鉄を含む。いくつかの実施態様において、結合剤は、ヒドロキシプロピルセルロース(H
PC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸
、グアーガム、アラビアゴム、キサンタンゴム、カルボポル、セルロースゴム(カルボキ
シメチルセルロース)、エチルセルロース、マルトデキストリン、PVP/VA、ポビドン、微
結晶性セルロース、デンプン(部分又は完全アルファ化デンプン)、及びメチルセルロース
のうちの1つ又は複数を含む。いくつかの実施態様において、錠剤及び/又は経口鉄補給剤
のLOD%水は、15%水w/w未満である。いくつかの実施態様において、錠剤及び/又は経口
鉄補給剤のLOD%水は、10%水w/w未満である。いくつかの実施態様において、錠剤及び/
又は経口鉄補給剤は、微結晶性セルロース、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビ
ドン、デンプングリコール酸ナトリウム、及びデンプンのうちの1つ又は複数から選択さ
れる崩壊剤をさらに含む。いくつかの実施態様において、錠剤及び/又は経口鉄補給剤は
、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、及びフマル酸ステアリルナトリ
ウムのうちの1つ又は複数から選択される滑沢剤をさらに含む。いくつかの実施態様にお
いて、錠剤及び/又は経口鉄補給剤は、0.5%〜3%の滑沢剤を含む。いくつかの実施態様
において、結合剤は、アルファ化デンプンを含む。いくつかの実施態様において、滑沢剤
は、ステアリン酸カルシウム及びフマル酸ステアリルナトリウムを含む。いくつかの実施
態様において、錠剤及び/又は経口鉄補給剤中のクエン酸第二鉄の少なくとも80%は、試
験法USP<711>で測定したとき60分以下の時間で溶出させられる。いくつかの実施態様にお
いて、錠剤及び/又は経口鉄補給剤は、約1000mgのクエン酸第二鉄を含む。いくつかの実
施態様において、錠剤及び/又は経口鉄補給剤は、約667mgのクエン酸第二鉄を含む。いく
つかの実施態様において、錠剤及び/又は経口鉄補給剤は、約500mgのクエン酸第二鉄を含
む。
表7は、本開示の一実施態様によるクエン酸第二鉄錠剤及び/又は経口鉄補給剤用の製剤
を提供する:
表7.クエン酸第二鉄錠剤及び/又は経口鉄補給剤の製剤化
Figure 2020100638
*-精製水は製造プロセスの乾燥段階で除去される
表8は、本開示の一実施態様によるクエン酸第二鉄錠剤及び/又は経口鉄補給剤用の製剤
を提供する:
表8:
Figure 2020100638
(1)-ステアリン酸カルシウム又はフマル酸ステアリルナトリウムのどちらかを滑沢剤とし
て使用する
*-精製水は除去される
表9は、本開示の一実施態様によるクエン酸第二鉄錠剤及び/又は経口鉄補給剤用の製剤
を提供する:
表9:
Figure 2020100638
表10は、本開示の一実施態様によるクエン酸第二鉄錠剤及び/又は経口鉄補給剤用の製
剤を提供する:
表10:
Figure 2020100638
*精製水は除去される。
表11は、本開示の一実施態様によるクエン酸第二鉄錠剤及び/又は経口鉄補給剤用の製
剤を提供する:
表11:
Figure 2020100638
*精製水は除去される。
(投薬)
本明細書に開示される錠剤及び/又は経口鉄補給剤は、多くの用量のクエン酸第二鉄を
収容するように作製することができる。個々の錠剤及び/又は経口鉄補給剤の重量は、製
造されるべき最終投薬量;例えば、1錠当たり125mg、250mg、500mg、667mg、750mg、及び1
,000mgのクエン酸第二鉄によって決まり得る。様々な態様において、該クエン酸第二鉄は
、約210mgの第二鉄を含有する1グラムのクエン酸第二鉄を含む錠剤剤形で提供される。投
与される錠剤及び/又は経口鉄補給剤の数は、投与されるべきクエン酸第二鉄の所望の量
に適合するように調整することができる。例えば、CKD患者が、単回投与で毎日4グラムの
クエン酸第二鉄を服用するように指示される場合、該CKD患者は、各々1グラムのクエン酸
第二鉄を含む4つの錠剤及び/又は経口鉄補給剤を服用してもよいし、又は各々500mgのク
エン酸第二鉄を含む8つの錠剤及び/又は経口鉄補給剤を服用してもよい。
いくつかの実施態様において、CKD患者に投与されるクエン酸第二鉄の日用量は、210mg
〜3,780mgの範囲の第二鉄の用量で、1グラム〜18グラムであることができる。いくつかの
実施態様において、各錠剤が210mgの用量の第二鉄を有する1グラムのクエン酸第二鉄を含
む1以上の錠剤は、CKD患者において血清リンレベルを低下させ及び/もしくは制御し、血
清重炭酸塩レベルを増加させ、1以上の鉄貯蔵パラメータを改善し(例えば、血清フェリチ
ンレベルを増加させ、トランスフェリン飽和度(TSAT)を増加させ、ヘモグロビン濃度を増
加させ)、鉄吸収を増加させ、鉄貯蔵を維持し、鉄欠乏を治療し、貧血を治療し、IV鉄の
必要性を低下させ、並びに/又は赤血球生成刺激剤(ESA)の必要性を低下させるために投与
される。
いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、1日当たり1錠の日用量で投与され
、該錠剤は、210mgの第二鉄を含有する1グラムのクエン酸第二鉄を含み、総日用量は、1
グラムのクエン酸第二鉄及び210mgの第二鉄になる。いくつかの実施態様において、該ク
エン酸第二鉄は、1日当たり2錠の日用量で投与され、各々の錠剤は、210mgの第二鉄を含
有する1グラムのクエン酸第二鉄を含み、総日用量は、2グラムのクエン酸第二鉄及び420m
gの第二鉄になる。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、1日当たり3錠の
日用量で投与され、各々の錠剤は、210mgの第二鉄を含有する1グラムのクエン酸第二鉄を
含み、総日用量は、3グラムのクエン酸第二鉄及び630mgの第二鉄になる。いくつかの実施
態様において、該クエン酸第二鉄は、1日当たり4錠の日用量で投与され、各々の錠剤は、
210mgの第二鉄を含有する1グラムのクエン酸第二鉄を含み、総日用量は、4グラムのクエ
ン酸第二鉄及び840mgの第二鉄になる。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄
は、1日当たり5錠の日用量で投与され、各々の錠剤は、210mgの第二鉄を含有する1グラム
のクエン酸第二鉄を含み、総日用量は、5グラムのクエン酸第二鉄及び1,050mgの第二鉄に
なる。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、1日当たり6錠の日用量で投与
され、各々の錠剤は、210mgの第二鉄を含有する1グラムのクエン酸第二鉄を含み、総日用
量は、6グラムのクエン酸第二鉄及び1,260mgの第二鉄になる。いくつかの実施態様におい
て、該クエン酸第二鉄は、1日当たり7錠の日用量で投与され、各々の錠剤は、210mgの第
二鉄を含有する1グラムのクエン酸第二鉄を含み、総日用量は、7グラムのクエン酸第二鉄
及び1,470mgの第二鉄になる。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、1日当
たり8錠の日用量で投与され、各々の錠剤は、210mgの第二鉄を含有する1グラムのクエン
酸第二鉄を含み、総日用量は、8グラムのクエン酸第二鉄及び1,680mgの第二鉄になる。い
くつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、1日当たり9錠の日用量で投与され、各
々の錠剤は、210mgの第二鉄を含有する1グラムのクエン酸第二鉄を含み、総日用量は、9
グラムのクエン酸第二鉄及び1,890mgの第二鉄になる。いくつかの実施態様において、該
クエン酸第二鉄は、1日当たり10錠の日用量で投与され、各々の錠剤は、210mgの第二鉄を
含有する1グラムのクエン酸第二鉄を含み、総日用量は、10グラムのクエン酸第二鉄及び2
,100mgの第二鉄になる。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、1日当たり1
1錠の日用量で投与され、各々の錠剤は、210mgの第二鉄を含有する1グラムのクエン酸第
二鉄を含み、総日用量は、11グラムのクエン酸第二鉄及び2,310mgの第二鉄になる。いく
つかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、1日当たり12錠の日用量で投与され、各
々の錠剤は、210mgの第二鉄を含有する1グラムのクエン酸第二鉄を含み、総日用量は、12
グラムのクエン酸第二鉄及び2,520mgの第二鉄になる。いくつかの実施態様において、該
クエン酸第二鉄は、1日当たり13錠の日用量で投与され、各々の錠剤は、210mgの第二鉄を
含有する1グラムのクエン酸第二鉄を含み、総日用量は、13グラムのクエン酸第二鉄及び2
,730mgの第二鉄になる。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、1日当たり1
4錠の日用量で投与され、各々の錠剤は、210mgの第二鉄を含有する1グラムのクエン酸第
二鉄を含み、総日用量は、14グラムのクエン酸第二鉄及び2,940mgの第二鉄になる。いく
つかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、1日当たり15錠の日用量で投与され、各
々の錠剤は、210mgの第二鉄を含有する1グラムのクエン酸第二鉄を含み、総日用量は、15
グラムのクエン酸第二鉄及び3,150mgの第二鉄になる。いくつかの実施態様において、該
クエン酸第二鉄は、1日当たり16錠の日用量で投与され、各々の錠剤は、210mgの第二鉄を
含有する1グラムのクエン酸第二鉄を含み、総日用量は、16グラムのクエン酸第二鉄及び3
,360mgの第二鉄になる。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、1日当たり1
7錠の日用量で投与され、各々の錠剤は、210mgの第二鉄を含有する1グラムのクエン酸第
二鉄を含み、総日用量は、17グラムのクエン酸第二鉄及び3,570mgの第二鉄になる。いく
つかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、1日当たり18錠の日用量で投与され、各
々の錠剤は、210mgの第二鉄を含有する1グラムのクエン酸第二鉄を含み、総日用量は、18
グラムのクエン酸第二鉄及び3,780mgの第二鉄になる。
(実施例)
以下の実施例は、本明細書に開示されるクエン酸第二鉄の使用を詳細に記載するもので
ある。材料と方法の両方に対する多くの修正が、本開示の範囲を逸脱することなく行われ
得ることが当業者には明らかであろう。
(実施例1)
(透析を受けている末期腎臓病(ESRD)患者におけるリン酸塩結合剤としてのクエン酸第二
鉄の3期の58週間試験)
この試験の第一の目的は、次の通りであった:
1.血液透析又は腹膜透析のいずれかを受けている末期腎臓病患者における最大12(12)カ
プレット/日のKRX-0502(クエン酸第二鉄)の52週間にわたる長期安全性を決定すること
2. 4週間の無作為化非盲検プラセボ対照有効性評価期間におけるKRX-0502(クエン酸第
二鉄)の有効性を決定すること。
(研究の理論的根拠)
以前の臨床試験により、クエン酸第二鉄が、週3回の血液透析を受けているESRD患者に
おいて、血清リンレベルを低下させることができることが示された。これらの試験では、
最大約12g/日のクエン酸第二鉄が4週間使用された。
本臨床試験により、安全性評価期間内の52週間の実薬対照及び4週間の無作為化非盲検
プラセボ対照有効性評価期間内のプラセボと比較したときの56週間の治療期間にわたる血
清リンレベルの制御及び維持におけるクエン酸第二鉄の長期安全性が決定された。
(研究設計)
本試験は、3期の多施設安全性及び有効性臨床試験であった。第一の期間は、2週間の休
薬(休薬期間)であり、第二の期間は、52週間の無作為化非盲検実薬対照安全性評価(安全
性評価期間)であり、第三の期間は、安全性評価期間中、クエン酸第二鉄による治療に無
作為に割り付けられた患者のみでの4週間の無作為化非盲検プラセボ対照有効性評価(有効
性評価期間)であった。
(第1期(休薬期間))
患者を、最大約2週間、その時点のリン酸塩結合剤から休薬させた。休薬期間中、≧6.0
mg/dLの血清リンを達成する患者のみを安全性評価期間に移した。休薬中、≧6.0mg/dLの
血清リンを達成しなかった患者をスクリーニング不適格者とした。
(第2期(安全性評価期間))
休薬後、患者を、PI及び/又は患者の判断により、クエン酸第二鉄群、又は酢酸カルシ
ウム、炭酸セベラマー、もしくは酢酸カルシウムと炭酸セベラマーの任意の組合せのいず
れかの実薬対照群のどちらかに、2:1で無作為に割り付けた。クエン酸第二鉄と実薬対照
薬はどちらも、スポンサーによって提供された。患者は、52週間にわたる安全性評価のた
めの無作為化割当てに従った。患者が、少なくとも2回連続受診して、12カプレット/日の
クエン酸第二鉄又は12ピル/日の酢酸カルシウム及び/もしくは炭酸セベラマーを80%以上
順守し、かつ>8.0mg/dLの血清リンを有していた場合、該患者を治療不適格者とみなし、
治験薬を中止したが、引き続き、全ての試験診察を完了した。クエン酸第二鉄又は実薬対
照薬を中止し、患者をその担当の腎臓専門医のケアに戻したが、引き続き、全ての試験診
察及び転帰について追跡調査した。
(第3期(有効性評価期間))
安全性評価期間の後、クエン酸第二鉄による治療に無作為に割り付けられた患者は、4
週間の無作為化非盲検プラセボ対照有効性評価期間に入った。有効性評価期間に入った患
者を、クエン酸第二鉄又はプラセボによる治療に、1:1で再び無作為に割り付けた。
栄養士は、研究で支給されるビタミンDが豊富な食物のリストを、休薬期間中又は無作
為化診察時のどちらかで患者に提供し、該患者に、試験を通してできる限り、ビタミンD
が豊富な食物に関して一貫した食事を維持するように指示した。有効性評価期間の開始前
30日以内に、栄養士は、ビタミンDが豊富な食物のリストを患者とともに再検討し、患者
に、できれば試験の終わりまで、ビタミンDが豊富な食物に関して一貫した食事を維持す
るよう努めるように念を押した。栄養士は、有効性評価期間中のクエン酸第二鉄又はプラ
セボの割当てについては知らされなかった。
安全性及び有効性を評価するために、研究を通して、検査室測定を実施した。投与され
る用量及び具体的なIV鉄製剤(必要な場合)は、PIの判断に委ねられた。経口鉄療法は許可
されなかった。カルシウム含有薬物は、投与されるにしても、食物摂取の2時間以内には
許可されなかった(カルシウム含有薬物は、血清カルシウムを上昇させる目的で、食物摂
取の2時間以上前又は食物摂取後又は就寝前には許可された)。ビタミンC補給剤は許可さ
れなかった。患者は、少量のビタミンCを含む水溶性ビタミン(例えば、Centrum、Nephroc
aps、Renaphro)を毎日服用することは認められたが、これらの患者は、それを、食物摂取
の2時間以上前又は食物摂取後又は就寝前に服用するよう指示された。IV鉄療法は、フェ
リチンレベルが>1000マイクログラム/Lであるか、又はTSATが>30%である場合、許可さ
れなかった。これらのパラメータ以外のIV鉄を受けることが患者の最善の利益と考えられ
れば、臨床コーディネーティングセンター(CCC)に相談し、承認及び文書化された場合、
プロトコルの例外とみなされなかった。
(研究期間)
試験期間は、約18〜24カ月とし、約6〜8カ月を、患者スクリーニング、休薬期間、及び
無作為化に割り当て、12カ月を安全性評価期間に割り当て、1(1)カ月を有効性評価期間に
割り当てた。
(研究集団)
スクリーニング診察(0回目の診察)前に少なくとも3カ月、週3回の血液透析を受けてい
るか、又は腹膜透析を受けているESRD患者であって、その時点で、≧3かつ<18ピル/日の
酢酸カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸ランタン、及び/又はセベラマー(炭酸塩もしくは
塩酸塩もしくはセベラマー錠と同等のセベラマー粉末)、或いはリン酸塩結合剤として働
く任意の他の薬剤、或いはこれらの薬剤の任意の組合せを服用している者に登録の資格が
あった。米国に約20〜40施設及びイスラエルに約5〜10施設あると予想された。最大で約7
75人の患者をスクリーニングし、約350人の患者をクエン酸第二鉄群又は実薬対照群に無
作為に割り付けた。約25〜50カ所の各施設は、約35人以下の患者を割り付けるよう求めら
れた。
(組み入れ基準:)
・男性、又は非妊娠、非授乳期の女性
・18歳以上
・スクリーニング診察(0回目の診察)前の少なくとも直近3カ月間、週3回の血液透析を受
けているか、又は腹膜透析を受けている
・スクリーニング診察(0回目の診察)時に、≧2.5mg/dLかつ<8.0mg/dLの血清リンレベル
・休薬期間(2回目又は3回目の診察)中、≧6.0mg/dLの血清リン
・スクリーニング診察(0回目の診察)時に患者によって報告される、3〜18ピル/日の酢酸
カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸ランタン、及び/又はセベラマー(炭酸塩もしくは塩酸
塩もしくは同等のセベラマー粉末)、或いはリン酸塩結合剤として働く任意の他の薬剤、
或いはこれらの薬剤の任意の組合せの服用
・スクリーニング診察(0回目の診察)時に、<1000マイクログラム/Lの血清フェリチン及
び<50%のTSAT
・その時点のリン酸塩結合剤を中断し、クエン酸第二鉄又は実薬対照群に無作為に割り付
けられることを受け入れること
・インフォームドコンセントを受け入れ、それを与えることができること
・1年以上の平均余命
(除外基準:)
・スクリーニング診察(0回目の診察)前6カ月以内の副甲状腺摘出
・活動症候性胃腸出血又は炎症性腸疾患
・スクリーニング診察(0回目の診察)前3カ月以内の(透析部でルーチンに行われる)3カ月
に1回の検査の全てにおいて報告される≧10.0mg/dLの血清リンレベル
・最近5年以内の悪性腫瘍歴(CCCが承認すれば、治療済みの子宮頸癌又は非黒色腫皮膚癌
は許可される場合がある)
・経口鉄療法の絶対的必要性
・ビタミンC(マルチビタミン[Nephrocaps、Renaphroなど]も認められる)の絶対的必要性
・食事と一緒のカルシウム、マグネシウム、又はアルミニウム含有薬物の絶対的必要性
・経口鉄含有製品への不耐性
・経口投与される酢酸カルシウム及び炭酸セベラマーへの不耐性
(治験薬)
KRX-0502(クエン酸第二鉄)は、本研究で検討中の薬物であった。該薬物は、カプレット
として投与され、各々のカプレットは、約210mgの第二鉄を含有する1グラム(1,000mg)の
クエン酸第二鉄を含んでいた。
(治験薬投与)
血清リンの標的目標値は、3.5〜5.5mg/dLであった。
クエン酸第二鉄、実薬対照、及びプラセボを治験薬とみなした。休薬期間後に≧6.0mg/
dLの血清リンレベルを有する適格な患者をクエン酸第二鉄群又は実薬対照群に2:1の比で
無作為に割り付けた。クエン酸第二鉄に無作為に割り付けられた患者については、開始用
量は、6カプレット/日であった。実薬対照群に無作為に割り付けられた患者については、
リン酸塩結合剤の開始用量は、(患者が同じリン酸塩結合剤を服用し続けた場合)休薬期間
の開始直前に投与された最後の用量であったか、又は患者が結合剤を変えた場合、添付文
書の手引きを受けたPIの判断に委ねられた。しかしながら、リン酸塩結合剤の過去の用量
が12ピル/日を超える患者について、実薬対照群に無作為に割り付けられた場合、その実
薬対照薬の開始用量は、PIの判断に委ねられたが、12ピル/日を超えることはない。試験
期間中、酢酸カルシウムの667mgカプセル及び炭酸セベラマーの800mg錠が使用され、Kery
x Biopharmaceuticals社(Keryx)によって供給された。
血清リン及びカルシウムを、5回目の診察(第1週)時に、4回目の診察(無作為化診察)後
の最初の12週間2週間毎に、及び安全性評価期間の残りの期間毎月、チェックした。有効
性評価期間中、血清リン及びカルシウムを毎週採取した。これらの値が、治験薬投与の指
針となった。治験薬の服用中、他のリン酸塩結合剤の使用は許可されなかった。クエン酸
第二鉄の用量調整は、用量設定スケジュールによって導かれた。52週間の安全性評価期間
を通した酢酸カルシウム及び炭酸セベラマーの用量設定は、これらの薬剤についてのその
時点の添付文書に準拠し、及び/又は施設PIの判断に委ねられた。
患者は、治験薬を、食事もしくは間食とともに、又は食事もしくは間食の1時間以内に
経口で服用した。患者は、その食事又は間食を摂取してから1時間以上が経過している場
合、治験薬を服用しないように指示された。各施設のPI又は被委任者は、治験薬を患者に
調剤し、該患者にその投与の仕方を教えた。間食したために、又は食事を取り忘れたため
に、一部の患者は、ある特定の日に異なるピルの分配を必要とすることが認識された。食
事に合わせた分配がどうであれ、患者がプロトコルによって要求される1日当たりのピル
の総数を服用している場合、CCCによる承認の必要はなかった(例えば、開始用量のクエン
酸第二鉄6g/日を服用する患者は、朝食とともに1カプレット、間食とともに1カプレット
、昼食とともに2カプレット、夕食とともに2カプレットを服用してもよい)。
(検査による評価)
血液透析を受けている患者については、血液試料を、可能であれば、その週の第二又は
第三の透析期間の透析前に取得した。月曜日、水曜日、又は金曜日に透析される血液透析
を受けている患者については、全ての血液試料を、可能であれば、水曜日又は金曜日の透
析前に採取した。火曜日、木曜日、又は土曜日に透析される患者については、全ての血液
試料を、可能であれば、木曜日又は土曜日の透析前に採取した。イスラエルでは、これら
の収集方法は、施設によって異なることが許された。試験関連分析用に各患者から収集さ
れる血液の総量は、1回の診察につき約15mlであった。
腹膜透析を受けている患者については、血液試料を、研究プロトコル通りに、透析部又
は診療所のどちらかで収集した。
血清リン及びカルシウムは、スクリーニング(0回目の診察)時; 1回目の診察(第-2週)後
の休薬期間中、毎週; 4回目の診察(無作為化診察)時; 52週間の安全性評価期間の5回目の
診察(第1週)、6回目の診察(第2週)、7回目の診察(第4週)、8回目の診察(第6週)、9回目の
診察(第8週)、10回目の診察(第10週)、11回目の診察(第12週)、12回目の診察(第16週)、1
3回目の診察(第20週)、14回目の診察(第24週)、15回目の診察(第28週)、16回目の診察(第
32週)、17回目の診察(第36週)、18回目の診察(第40週)、19回目の診察(第44週)、20回目
の診察(第48週)、及び21回目の診察(第52週)時;並びに有効性評価期間の22回目の診察(第
53週)、23回目の診察(第54週)、24回目の診察(第55週)、及び25回目の診察(第56週)時に
実施された。
完全血球測定(CBC)(白血球[WBC]数、白血球型[WBC像]、赤血球[RBC]数、ヘマトクリッ
ト値[HCT]、ヘモグロビン[Hgb]、赤血球指数、血小板(platelet)[血小板(thrombocyte)]
数)は、無作為化診察(4回目の診察)時; 52週間の安全性評価期間の11回目の診察(第12週)
、14回目の診察(第24週)、17回目の診察(第36週)、20回目の診察(第48週)、及び21回目の
診察(第52週)時;並びに有効性評価期間の25回目の診察(第56週)時に行われた。
完全化学プロファイル(ナトリウム、カリウム、塩化物、血液尿素窒素(BUN)、クレアチ
ニン、グルコース[無作為]、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ[AST]、アラニン
アミノトランスフェラーゼ[ALT]、アルカリ性リン酸塩[ALP]、総ビリルビン、総タンパク
質、アルブミン、及びアルブミン調整カルシウム)は、無作為化診察(4回目の診察)時; 52
週間の安全性評価期間の11回目の診察(第12週)、14回目の診察(第24週)、17回目の診察(
第36週)、20回目の診察(第48週)、及び21回目の診察(第52週)時;並びに有効性評価期間の
25回目の診察(第56週)時に行われた。
血清鉄、フェリチン、TSAT、及び全鉄結合能を含む鉄の検討は、スクリーニング(0回目
の診察)時;無作為化診察(4回目の診察)時; 52週間の安全性評価期間の7回目の診察(第4週
)、9回目の診察(第8週)、11回目の診察(第12週)、12回目の診察(第16週)、13回目の診察(
第20週)、14回目の診察(第24週)、15回目の診察(第28週)、16回目の診察(第32週)、17回
目の診察(第36週)、18回目の診察(第40週)、19回目の診察(第44週)、20回目の診察(第48
週)、及び21回目の診察(第52週)時;並びに有効性評価期間の25回目の診察(第56週)時に行
われた。
無傷副甲状腺ホルモン(iPTH)レベルは、無作為化診察(4回目の診察)時;安全性評価期間
中の11回目の診察(第12週)、17回目の診察(第36週)、及び21回目の診察(第52週)時;並び
に有効性評価期間の25回目の診察(第56週)時に行われた。
血清ビタミン(25-ジヒドロキシ-ビタミンD3、ビタミンA、ビタミンB-12、ビタミンE、
ビタミンK、及び葉酸)は、無作為化診察(4回目の診察)時;並びに安全性評価期間中の11回
目の診察(第12週)、17回目の診察(第36週)、及び21回目の診察(第52週)時に行われた。
脂質プロファイル(総コレステロール、低密度リポタンパク質[LDL]、高密度リポタンパ
ク質[HDL]、及びトリグリセリド)は、無作為化診察(4回目の診察)時;安全性評価期間中の
11回目の診察(第12週)、17回目の診察(第36週)、及び21回目の診察(第52週)時に行われた
血清アルミニウムは、無作為化診察(4回目の診察)時及び21回目の診察(第52週)時に行
われた。
血清重炭酸塩は、地域の検査室で実施され、無作為化診察(4回目の診察)時;安全性評価
期間中の11回目の診察(第12週)、14回目の診察(第24週)、17回目の診察(第36週)、20回目
の診察(第48週)、及び21回目の診察(第52週)時;並びに有効性評価期間の25回目の診察(第
56週)時に行われた。
地域で収集及び測定される血清重炭酸塩を除き、全ての検査は、Spectra Clinical Res
earch, Rockleigh, NJ, USAによって実施された。
(統計的考察:有効性)
別途明記されない限り、全ての仮説を0.05の両側有意水準で検定し、95%信頼区間を両
側とした。全ての解析を、SASバージョン9を用いて実施した。
データベースロックの前に、詳細な統計解析計画(SAP)を完成させ、ファイルに入れた
。データ解析計画は、統計解析で使用される方法に関する下記のものよりも包括的な説明
を含んでいた。データ解析計画は、該解析を実施するために使用される規則及びデータ取
扱い規約、並びに欠測データを説明するために使用される手順も含んでいた。
まとめの集計では、観察の回数、平均値、標準偏差、中央値、最小値、最大値、及び連
続変数についての適当なパーセンタイル値、並びにカテゴリーデータについてのカテゴリ
ー別の数及びパーセンテージを示した。まとめには、治療群別の、及び適切な場合、全体
的な、データが提示されている。データ一覧には、全ての入手可能な有効性及び安全性デ
ータが含まれる。
有効性解析は、少なくとも1用量の治験薬を服用した全ての患者からなる全解析(FA)集
団に基づくものであり、ベースライン有効性評価及び少なくとも1回のポストベースライ
ン有効性評価を提供した。安全性解析は、少なくとも1用量の治験薬を服用した全ての患
者からなる安全性集団に基づくものであった。
2つの独特かつ個別のベースライン評価があった。安全性評価期間のベースラインは、
無作為化診察(4回目の診察)であり、「第0週のベースライン」と定義された。有効性評価
期間のベースラインは、安全性評価期間の最後の診察(21回目の診察、第52週)であり、「
研究ベースライン」と定義された。
この試験の主要有効性転帰は、研究ベースライン(21回目の診察、第52週)から有効性評
価期間の終わり(25回目の診察、第56週)までの血清リンの変化に対する、プラセボと比べ
たクエン酸第二鉄の効果である。主要有効性変数を、治療を固定効果とし、研究ベースラ
インを共変量として、ANCOVAモデルで解析した。治療間差を推定し、該差の両側95%信頼
区間を提示した。
この試験の二次エンドポイントは、以下のものを含む:
(1.第52週におけるベースラインからのフェリチンの変化)
ベースライン(4回目の診察)と比較したときの第52週におけるベースラインからのフェ
リチンの変化。この変数を、LOCF法を用いて解析する。ANCOVAを利用する。本モデルは、
治療(固定効果)及びベースライン(共変量)を含む。感度解析を、MMRM法を用いて実施する
(2.第52週におけるベースラインからのTSATの変化)
ベースライン(4回目の診察)と比較したときの第52週におけるベースラインからのTSAT
の変化。この変数を、LOCF法を用いて解析する。ANCOVAを利用する。本モデルは、治療(
固定効果)及びベースライン(共変量)を含む。感受性解析を、MMRM法を用いて実施する。
(3. 52週間にわたるIV鉄の累積使用)
無作為化から第52週までの累積的IV鉄摂取を治療群間で比較する。この変数を、ANCOVA
法を用いて、主要有効性変数として同様に解析する。全ての上記の比較についての治療差
の両側95%信頼区間を提示する。
(4. 52週間にわたるEPO(ESA)の累積使用)
無作為化から第52週まで投与される累積的EPO(ESA)を治療群間で比較する。この変数を
、ANCOVA法を用いて、主要有効性変数として同様に解析する。全ての上記の比較について
の治療差の両側95%信頼区間を提示する。
クエン酸第二鉄と全ての実薬対照結合剤の治療差、並びに4回目の診察のベースライン
からの血清リン、リン×カルシウムの積、及び血清カルシウムの変化に関する第12週(11
回目の診察)における単剤としてのクエン酸第二鉄と炭酸セベラマーの差を解析する。こ
の変数を、LOCF法を用いて解析する。ANCOVAを利用する。本モデルは、治療(固定効果)及
び4回目の診察のベースライン(共変量)を含む。MMRM法を用いる解析を感度解析として実
施する。治療効果の最小二乗平均推定値及び治療効果の両側95%信頼区間(CI)を導出する
。治療差の両側95%信頼区間の下限が対照の最小二乗平均の20%以内である場合、非劣性
が主張される。
(5.リン目標値を達成する患者のパーセンテージ)
1.第12週、第24週、第36週、第48週、第52週、及び第56週でリン目標値(≦5.5mg/dL)を
達成する患者のパーセンテージ-これらの変数をχ二乗検定で解析する。パーセンテージ
での治療間差を推定し、該差の両側95%信頼区間を、連続性補正なしで正規近似を用いて
算出する。
2. 4週間の有効性評価期間中、治験薬を服用し続けている患者についての、第56週でリ
ン目標値(≦5.5mg/dL)を達成する患者のパーセンテージ-これらの変数をχ二乗検定で解
析する。パーセンテージでの治療間差を推定し、該差の両側95%信頼区間を、連続性補正
なしで正規近似を用いて算出する。
3. 4週間の有効性評価期間中の任意の時点で≧9.0mg/dLの血清リンを得る患者のパーセ
ンテージ-これらの変数をχ二乗検定で解析する。パーセンテージでの治療間差を推定し
、該差の両側95%信頼区間を、連続性補正なしで正規近似を用いて算出する。
(6.血清リン濃度の変化)
1.ベースライン(4回目の診察)と比較したときの第12週、第24週、第36週、第48週、及
び第52週における血清リン濃度の変化。この変数を、LOCF法を用いて解析する。ANCOVAを
利用する。本モデルは、治療(固定効果)及びベースライン(共変量)を含む。
(7.他の検査測定量の変化)
1.ベースライン(4回目の診察)と比較したときの第12週、第24週、第36週、第48週、及
び第52週における血清カルシウム濃度の変化。この変数を、LOCF法を用いて解析する。AN
COVAを利用する。本モデルは、治療(固定効果)及びベースライン(共変量)を含む。
2.ベースライン(4回目の診察)と比較したときの第12週、第24週、第36週、及び第48週
におけるフェリチン及びTSATの変化。この変数を、LOCF法を用いて解析する。ANCOVAを利
用する。本モデルは、治療(固定効果)及びベースライン(共変量)を含む。
3.ベースライン(4回目の診察)と比較したときの第12週、第24週、第36週、第48週、及
び第52週における血清鉄及びTIBC変化。この変数を、LOCF法を用いて解析する。ANCOVAを
利用する。本モデルは、治療(固定効果)及びベースライン(共変量)を含む。
4.ベースライン(4回目の診察)と比較したときの第12週、第24週、第36週、第48週、及
び第52週におけるCa×Pの積の変化。この変数を、LOCF法を用いて解析する。ANCOVAを利
用する。本モデルは、治療(固定効果)及びベースライン(共変量)を含む。
5.ベースライン(4回目の診察)と比較したときの第12週、第36週、第52週、及び第56週
におけるiPTHの変化。この変数を、LOCF法を用いて解析する。ANCOVAを利用する。本モデ
ルは、治療(固定効果)及びベースライン(共変量)を含む。
6.ベースライン(4回目の診察)と比較したときの第12週、第36週、及び第52週における
血清25-ジヒドロキシ-ビタミンD3、ビタミンA、ビタミンB-12、ビタミンE、ビタミンK、
及び葉酸の変化。この変数を、LOCF法を用いて解析する。ANCOVAを利用する。本モデルは
、治療(固定効果)及びベースライン(共変量)を含む。
7.ベースライン(4回目の診察)と比較したときの第12週、第36週、及び第52週における
血清重炭酸塩濃度の変化。この変数を、LOCF法を用いて解析する。ANCOVAを利用する。本
モデルは、治療(固定効果)及びベースライン(共変量)を含む。
8.ベースライン(4回目の診察)と比較したときの第12週、第24週、第36週、第48週、及
び第52週におけるIV鉄摂取の変化。この変数を、LOCF法を用いて解析する。ANCOVAを利用
する。本モデルは、治療(固定効果)及びベースライン(共変量)を含む。
9.ベースライン(4回目の診察)と比較したときの第12週、第24週、第36週、第48週、及
び第52週における投与されるEPO(ESA)の使用の変化。この変数を、LOCF法を用いて解析す
る。ANCOVAを利用する。本モデルは、治療(固定効果)及びベースライン(共変量)を含む。
10.ベースライン(4回目の診察)と比較したときの第12週、第24週、第36週、第48週、及
び第52週におけるビタミンD補給剤(及びその類似体)並びにSensipar(シナカルセト)の使
用の変化。この変数を、LOCF法を用いて解析する。ANCOVAを利用する。本モデルは、治療
(固定効果)及びベースライン(共変量)を含む。
11.ベースライン(4回目の診察)と比較したときの第12週、第36週、及び第52週における
LDL、HDL、及びトリグリセリドの変化。この変数を、LOCF法を用いて解析する。ANCOVAを
利用する。本モデルは、治療(固定効果)及びベースライン(共変量)を含む。
(統計的考察:安全性)
治療割当て別の有害事象、同時に行われる投薬使用、身体検査、及び連続血液を記録し
、これらをモニタリングすることにより、安全性を評価した。有害事象の割合を、全体と
して、並びに治療割当て別の臓器系の種類、好ましい期間、重症度、及び治験薬との疑わ
しい関係別にまとめた。AEを、治療割り当て別の休薬期間、安全性評価期間、及び有効性
評価期間について個別にまとめた。ベースラインからの検査パラメータの経時的変化を治
療割当て別にまとめた。
(統計的考察:検出力)
約434人の患者を、安全性評価期間中に治療される、クエン酸第二鉄(約288人の患者)又
は実薬対照(約146人の患者)のどちらかに、2:1の比で無作為に割り付けた。この試料サイ
ズは、治療差が1.2であり、共通の標準偏差が2であると仮定すると、5%有意水準でクエ
ン酸第二鉄とプラセボの治療差を検出する少なくとも90%の検出力を提供した。
(結果)
単剤としてのクエン酸第二鉄と炭酸セベラマーの間の第12週における研究ベースライン
からの血清リン、リン×カルシウムの積、及び血清カルシウム変化の治療差(ANCOVA法)、
全解析集団のまとめを表12に示す:
表12:
Figure 2020100638
注記:[1]血清リン、Ca×P、及びCaの変化についてのLS平均治療差及びp-値は、治療を固
定効果とし、第0日のベースラインを共変量とするANCOVAモデルによって求められる。
治療間の差は、LS平均(KRX-0502)−LS平均(対照)として算出される。関心対象のパラメー
タのベースライン観測とベースライン後観測の両方を有する対象のみが含まれた。
治療別の第12週、第24週、第36週、第48週、及び第52週における平均血清リン値及び研
究ベースラインからの変化のまとめ(ANCOVA法)、全解析集団を表13に示す:
表13:
Figure 2020100638
Figure 2020100638
注記:[1]フェリチンの変化についてのLS平均治療差及びp-値は、治療を固定効果とし、第
0日のベースラインを共変量とするANCOVAモデルによって求められる。
治療間の差は、LS平均(KRX-0502)−LS平均(対照)として算出される。関心対象のパラメー
タのベースライン観測とベースライン後観測の両方を有する対象のみが含まれた。
有効性評価期間中の治療及び診察別の平均血清リン値及び第52週のベースラインからの
変化のまとめ(ANCOVA法)、全解析集団を表14に示す:
表14:
Figure 2020100638
注記:[1]血清リンの変化についてのLS平均治療差及びp-値は、治療を固定効果とし、第52
週のベースラインを共変量とするANCOVAモデルによって求められる。
治療間の差は、LS平均(KRX-0502)−LS平均(プラセボ)として算出される。関心対象のパラ
メータのベースライン観測とベースライン後観測の両方を有する対象のみが含まれた。
治療別の第12週、第24週、第36週、第48週、及び第52週における平均フェリチン並びに
研究ベースラインからの変化のまとめ(ANCOVA法)、全解析集団を表15に示す:
表15:
Figure 2020100638
Figure 2020100638
注記:[1]フェリチンの変化についてのLS平均治療差及びp-値は、治療を固定効果とし、第
0日のベースラインを共変量とするANCOVAモデルによって求められる。
治療間の差は、LS平均(KRX-0502)−LS平均(対照)として算出される。関心対象のパラメー
タのベースライン観測とベースライン後観測の両方を有する対象のみが含まれた。
治療別の第12週、第24週、第36週、第48週、及び第52週における平均TSAT並びに研究ベ
ースラインからの変化のまとめ(ANCOVA法)、全解析集団を表16に示す:
表16:
Figure 2020100638
Figure 2020100638
注記:[1]フェリチンの変化についてのLS平均治療差及びp-値は、治療を固定効果とし、第
0日のベースラインを共変量とするANCOVAモデルによって求められる。
治療間の差は、LS平均(KRX-0502)−LS平均(対照)として算出される。関心対象のパラメー
タのベースライン観測とベースライン後観測の両方を有する対象のみが含まれた。
治療別の第12週、第24週、第36週、第48週、及び第52週における平均ヘモグロビン並び
に研究ベースラインからの変化のまとめ(ANCOVA法)、全解析集団を表17に示す:
表17:
Figure 2020100638
Figure 2020100638
注記:[1]フェリチンの変化についてのLS平均治療差及びp-値は、治療を固定効果とし、第
0日のベースラインを共変量とするANCOVAモデルによって求められる。
治療間の差は、LS平均(KRX-0502)−LS平均(対照)として算出される。関心対象のパラメー
タのベースライン観測とベースライン後観測の両方を有する対象のみが含まれた。
治療別の第12週、第24週、第36週、第48週、及び第52週における平均血清重炭酸塩濃度
並びに研究ベースラインからの変化のまとめ(ANCOVA法)、全解析集団を表18に示す:
表18:
Figure 2020100638
Figure 2020100638
注記:[1]フェリチンの変化についてのLS平均治療差及びp-値は、治療を固定効果とし、第
0日のベースラインを共変量とするANCOVAモデルによって求められる。
治療間の差は、LS平均(KRX-0502)−LS平均(対照)として算出される。関心対象のパラメー
タのベースライン観測とベースライン後観測の両方を有する対象のみが含まれた。
治療別の第52週までの累積的IV鉄摂取、全解析集団、重複用量を取り扱うための方法1
のまとめを表19に示す:
表19:
Figure 2020100638
注記:[1]累積IV鉄摂取についてのLS平均治療差及びp-値は、治療を固定効果とするANCOVA
モデルによって求められる。治療間の差は、LS平均(KRX-0502)−LS平均(対照)として算出
される。
注記:[2]第52週までの累積IV鉄摂取に基づく平均1日IV鉄摂取は、全累積IV鉄摂取を、治
験薬を服用した全日数で除したものとして算出される。
注記:[3]重複用量を取り扱うための方法1は、以下の通りである:重複用量は、安全性評価
期間で治験薬を服用している期間中の用量のみを含むよう、日数に基づいて配分される。
注記:[4] ANCOVAの基本前提が満たされない場合、ウィルコクソン順位和検定を用いてp-
値を算出し、CI及びLS平均を削除する。
治療別の第52週まで投与される累積EPO(ESA)、全解析集団、重複用量を取り扱うための
方法1のまとめを表20に示す:
表20:
Figure 2020100638
注記:[1]累積EPO(ESA)摂取についてのLS平均治療差及びp-値は、治療を固定効果とするAN
COVAモデルによって求められる。治療間の差は、LS平均(KRX-0502)−LS平均(対照)として
算出される。
注記:[2]第52週までの累積EPO(ESA)摂取に基づく平均1日IV鉄摂取は、全累積EPO(ESA)摂
取を、治験薬を服用した全日数で除したものとして算出される。
注記:[3]重複用量を取り扱うための方法1は、以下の通りである:重複用量は、安全性評価
期間で治験薬を服用している期間中の用量のみを含むよう、日数に基づいて配分される。
注記:[4] ANCOVAの基本前提が満たされない場合、ウィルコクソン順位和検定を用いてp-
値を算出し、CI及びLS平均を削除する。
(実施例2)
透析を受けていないステージIII〜Vの慢性腎臓病を有する貧血の対象での血清リン及び
鉄欠乏の管理におけるKRX-0502(クエン酸第二鉄)の研究
第2相、概念実証型、多施設無作為化プラセボ対照非盲検臨床試験を実施する。
研究を約5〜7カ月継続し、約8〜12週間を対象のスクリーニングに、2週間を、対象をそ
の時点のリン酸塩結合剤から休薬させることに(リン酸塩結合剤を服用している場合)、12
週間を治験薬による治療に割り当てる。該治験薬は、本明細書に開示されるクエン酸第二
鉄、又はプラセボのどちらかである。本実施例のために、本明細書に開示されるクエン酸
第二鉄をKRX-0502(クエン酸第二鉄)と呼ぶ。
研究の目的は、透析非依存的なステージIII〜Vの慢性腎臓病(CKD)を有する貧血の対象
での血清リン及び鉄欠乏の管理におけるKRX-0502(クエン酸第二鉄)の有効性及び安全性を
決定することである。
最大で約200人の対象をスクリーニングして、約140人の対象に無作為に割り付ける。有
資格対象を、KRX-0502(クエン酸第二鉄)又はプラセボのどちらかに、1:1の比で無作為に
割り付ける。治療群当たり約70人の対象が割り付けられる。2週間の休薬期間及び12週間
の治療期間における脱落率は約20%であり、したがって、約110人の対象が治験薬(KRX-05
02(クエン酸第二鉄)又はプラセボ)による12週間の治療を完了する。約55人の対象が治験
薬(KRX-0502(クエン酸第二鉄)又はプラセボ)による12週間の治療を完了することになって
いる。
試験は、3つの期間:スクリーニング期間、2週間の休薬期間、及び12週間の治療期間か
らなる。約200人の対象を約10〜15の施設でスクリーニングするには、約8〜12週間かかる
。2週間の休薬期間は、リン酸塩結合剤をその時点で服用している対象だけのためのもの
である。
試験には、2つの異なるタイプの貧血ステージIII〜VのCKD対象が登録される。該対象は
、次の通りである: 1)低リン酸食に失敗し、リン酸塩結合剤の服用を開始しておらず(デ
ノボ対象)、かつ貧血歴の報告がある、≧4.5mg/dLかつ<6.0mg/dLの血清リンを有する対
象;又は2)その血清リンを管理するためにリン酸塩結合剤をその時点で服用しており、か
つ貧血歴の報告がある対象。デノボ対象は、休薬期間に入らず、リン酸塩結合剤をその時
点で服用している対象は、2週間の休薬期間に入る。2週間の休薬の後、これらの対象は、
12週間の治療期間に入るために、≧4.5mg/dLかつ<6.0mg/dLの血清リンを有する。
登録は、デノボ対象とリン酸塩結合剤をその時点で服用している対象について階層化さ
れない。
(研究設計/方法)
本試験は、スクリーニング期間、2週間の休薬期間、及び12週間の治療期間からなる3期
の臨床試験である。対象に登録の資格があると決定した後、該対象を、KRX-0502(クエン
酸第二鉄)又はプラセボのどちらかに無作為に割り付ける。該対象を、KRX-0502(クエン酸
第二鉄)又はプラセボのどちらかに、1:1の比で無作為に割り付ける。
リン酸塩結合剤をその時点で服用している対象を2週間の休薬期間に入れ、該2週間の休
薬期間の終了後、KRX-0502(クエン酸第二鉄)又はプラセボのどちらかに無作為に割り付け
る。リン酸塩結合剤を服用していない有資格対象は、直ちに治験薬(KRX-0502(クエン酸第
二鉄)又はプラセボ)の服用を開始する。この対象集団には休薬期間がない。全ての対象は
、12週間の治療期間に入るために、≧4.5mg/dLの血清リンを有する。
治験薬(KRX-0502(クエン酸第二鉄)又はプラセボ)による治療を開始した後、対象を、治
療目標値(3.0〜4.0mg/dLの血清リン)に用量設定する。対象が、12週間の治療期間中、少
なくとも2回連続の診察で、≧6.0mg/dLの血清リンを有する場合、該対象を治療不適格者
とみなし、治験薬を中止し、研究を中断する。
IV鉄及びエリスロポエチン刺激剤(ESA)の使用は、2週間の休薬期間及び12週間の治療期
間中は許可されない。対象のヘモグロビンレベル(Hgb)が、2週間の休薬中、<9.0g/dLで
ある場合、該対象は、スクリーニング不適格者となる。対象のHgbが、12週間の治療期間
中、少なくとも2回連続の診察で<9.0g/dLである場合、該対象を治療不適格者とみなし、
治験薬を中止し、研究を中断する。
血清リン、血清カルシウム、血清クレアチニン(糸球体濾過量を推定するために使用さ
れる)、無傷線維芽細胞成長因子23(FGF23)、無傷副甲状腺ホルモン(iPTH)、並びにいくつ
かの血液学的パラメータ(フェリチン、TSAT、不飽和鉄結合能(UIBC)、TIBC、血清鉄、ヘ
マトクリット値(HCT)、及びHgb)を、スクリーニング時、休薬期間中、4回目の診察(第0週
)時の治験薬(KRX-0502(クエン酸第二鉄)又はプラセボ)の投与前、及び12週間の治療期間
中毎週、決定する。
尿中リンを、12週間の治療期間中の4回目の診察(第0週)時、7回目の診察(第4週)時、及
び9回目の診察(第8週)時、並びに12週間の治療期間の最後(11回目の診察、第12週)に、治
験薬(KRX-0502(クエン酸第二鉄)又はプラセボ)の投与前に決定する。
この試験の組み入れ基準は、次の通りである:
1.男性、及び非妊娠、非授乳期の女性;
2.18歳を超える;
3.血清リンを制御するための低リン酸食に失敗し、かつ:(i)その血清リンを管理するた
めにリン酸塩結合剤をその時点で服用しており、スクリーニング時に>2.5mg/dLかつ<6.
0mg/dLの血清リンを有するか、又は(ii)リン酸塩結合剤を服用しておらず、スクリーニン
グ時に、≧4.5mg/dLかつ<6.0mg/dLの血清リンレベルを有する、透析を受けていないステ
ージIII〜VのCKD対象;
4.貧血歴の報告がある;
5.<200ng/mLの血清フェリチン及び20%のTSAT;
6.>9.5g/dLかつ<11.5g/dLのヘモグロビン;
7.<60ml/分の糸球体濾過量(GFR);
8.リン酸塩結合剤をその時点で服用している場合、その時点のリン酸塩結合剤を中断し
、休薬期間に入り、KRX-0502(クエン酸第二鉄)又はプラセボのどちらかに無作為に割り付
けられることを受け入れること;並びに
9.インフォームドコンセントを受け入れ、それを与えることができること。
この試験の除外基準は、次の通りである:
1.スクリーニング診察(0回目の診察)前6カ月以内の副甲状腺摘出;
2.スクリーニング診察(0回目の診察)前3カ月以内の症候性胃腸出血、及び炎症性腸疾患
;
3.透析を受けている;
4.無作為化(4回目の診察、第0週)前60日以内にIV鉄が投与された;
5.無作為化(4回目の診察、第0週)前60日以内の輸血;
6.無作為化(4回目の診察、第0週)前3(3)カ月以内に腎臓移植又は透析の開始が予想され
る;
7.鉄欠乏以外の貧血の原因;
8.>1000pg/mlの血清副甲状腺ホルモン;
9.複数の薬物に対するアレルギー歴;
10.過去5年以内の悪性腫瘍歴(承認されれば、治療済みの子宮頸癌又は皮膚癌は許可さ
れる場合がある);
11.経口クエン酸第二鉄に対する過去の不耐性;
12.経口鉄療法の絶対的必要性;
13.ビタミンCの絶対的必要性;しかし、マルチビタミン(すなわち、Centrum、Nephrocap
s、Renaphroなど)は認められる;
14.食事と一緒のカルシウム、マグネシウム、又はアルミニウム含有薬物の絶対的必要
性;
15.研究プロトコルに従う対象の能力を妨げる精神障害;
16.研究中に手術又は入院の予定がある(予定された外来内視鏡下手術(outpatient acce
ss surgery)は認められる);
17.対象が研究を終えられないもしくは終えられそうにない状態にするか、又は研究へ
の最適な参加を妨げ、もしくは対象に重大なリスクをもたらす任意の他の医学的状態;
18.無作為化(4回目の診察、第O週)から30日以内に何らかの治験薬を受けたこと;並びに
19.研究員と協力することできないこと、又はノンコンプライアンス歴。
(治験薬投与)
KRX-0502(クエン酸第二鉄)を、約210mgの第二鉄を含有するクエン酸第二鉄の1グラムカ
プレットとして、クエン酸第二鉄に無作為に割り付けられた対象に供給する。
対応するプラセボを、プラセボに無作為に割り付けられた対象に供給する。
全ての対象が、1日に3カプレットの固定用量のKRX-0502(クエン酸第二鉄)(約630mgの第
二鉄としての約3グラムのクエン酸第二鉄)又はプラセボ(1日に約3個の対応するカプレッ
ト)で治験薬の服用を開始する。血清リンの目標レベルは、3.0〜4.0mg/dLである。対象を
次のように用量設定する:
1.血清リンが目標値(3.0〜4.0mg/dL)に達している場合、用量を調整する必要はない。
2.血清リンが<3.0mg/dLである場合、KRX-0502(クエン酸第二鉄)又はプラセボの用量を
1日に1カプレット減らし、対象の血清リンを7日以内に再検査する。
3.血清リンが>4.0mg/dLである場合、KRX-0502(クエン酸第二鉄)又はプラセボの用量を
1日に1カプレット増やし、対象の血清リンを7日以内に再検査する。
1日当たりのKRX-0502(クエン酸第二鉄)又はプラセボカプレットの最大数は12、すなわ
ち、クエン酸第二鉄は12g/日である。対象が、12週間の治療期間中、少なくとも連続2回
の診察で、≧6.0mg/dLの血清リンを有する場合、該対象を治療不適格者とみなし、治験薬
を中止し、研究を中断する。
対象のHgbが、2週間の休薬中、<9.0g/dLである場合、該対象は、スクリーニング不適
格者である。対象のHgbが、12週間の治療期間中、少なくとも連続2回の診察で、<9.0g/d
Lである場合、該対象を治療不適格者とみなし、治験薬を中止し、研究を中断する。
対象は、食事もしくは間食とともに、又はその食事もしくは間食後1時間以内に、KRX-0
502(クエン酸第二鉄)又はプラセボを経口的に服用する。対象は、その食事又は間食を摂
取してから1時間以上が経過している場合、KRX-0502(クエン酸第二鉄)又はプラセボを服
用しないように指示される。
(統計的考察:有効性)
ベースラインから12週間後の治療の終わりまでの血清リン、フェリチン、及びTSATレベ
ルの変化を一次エンドポイントとする。
この研究は、ベースライン(4回目の診察、第0週)から終点(11回目の診察、第12週)まで
の、リン酸塩結合剤を必要とする、透析を受けていない、貧血ステージIII〜VのCKD対象
における血清リン及び鉄欠乏の管理において、KRX-0502(クエン酸第二鉄)がプラセボより
も統計的に優れていることを示している。
ベースライン(4回目の診察、第0週)から治療の終点(11回目の診察、第12週)までの、カ
ルシウム×リンの積、血清カルシウム、推定糸球体濾過量(eGFR)、尿中リン、重炭酸塩レ
ベル、血清鉄、UIBC、TIBC、iPTH、及び無傷線維芽細胞成長因子23(FGF23)の変化も、二
次エンドポイントとして評価する。
(統計的考察:試料サイズ)
最大で約200人の対象をスクリーニングして、約140人の対象を無作為に割り付ける。有
資格対象を、KRX-0502(クエン酸第二鉄)又はプラセボのどちらかに、1:1の比で無作為に
割り付ける。治療群当たり約70人の対象が割り付けられる。2週間の休薬期間及び12週間
の治療期間における脱落率は約20%であり、したがって、約110人の対象が治験薬(KRX-05
02(クエン酸第二鉄)又はプラセボ)による12週間の治療を完了する。約55人の対象が治験
薬(KRX-0502(クエン酸第二鉄)又はプラセボ)による12週間の治療を完了することになって
いる。
11回目の診察(第12週)時の終点血清リンは、KRX-0502(クエン酸第二鉄)群で約4.3mg/dL
であり、プラセボ処置群で4.6mg/dLである。共通の標準偏差は、約0.5mg/dLである。こ
れらのパラメータに基づき、本試験は、2群間の差を検出する少なくとも80%の検出力を
有する(α=0.05、両側)。
11回目の診察(第12週)時の終点フェリチンレベルは、KRX-0502(クエン酸第二鉄)群で約
300ng/mLであり、プラセボ処置群で150ng/mLである。共通の標準偏差は、約75ng/mLであ
る。これらのパラメータに基づき、本試験は、2群間の差を検出する少なくとも80%の検
出力を有する(α=0.05、両側)。
11回目の診察(第12週)時の終点TSATレベルは、KRX-0502(クエン酸第二鉄)群で約25%で
あり、プラセボ処置群で17%である。共通の標準偏差は、約5%である。これらのパラメ
ータに基づき、本試験は、2群間の差を検出する少なくとも80%の検出力を有する(α=0.
05、両側)。
最後に、本明細書に開示される実施態様を実施する別の方法があることに留意すべきで
ある。したがって、本実施態様は、制限的なものではなく、例示的なものとみなされるべ
きである。さらに、特許請求の範囲は、本明細書に示された詳細に限定されるべきではな
く、その完全な範囲及びその同等物が権利として認められる。
最後に、本明細書に開示される実施態様を実施する別の方法があることに留意すべきで
ある。したがって、本実施態様は、制限的なものではなく、例示的なものとみなされるべ
きである。さらに、特許請求の範囲は、本明細書に示された詳細に限定されるべきではな
く、その完全な範囲及びその同等物が権利として認められる。
本件出願は、以下の構成の発明を提供する。
(構成1)
210mg〜2,520mgの範囲の第二鉄の用量での慢性腎臓病(CKD)患者への経口投与によって
血清リンを低下させる方法において使用するためのクエン酸第二鉄であって、2.00〜2.50
mg/dlの該CKD患者における血清リンの平均低下をもたらす、前記クエン酸第二鉄。
(構成2)
前記クエン酸第二鉄が:
12週間にわたって投与したとき、1.90、1.91、1.92、1.93、1.94、1.95、1.96、1.97、
1.98、1.99、2.00、2.01、2.02、2.03、2.04、2.05、2.06、2.07、2.08、2.09、及び2.10
mg/dlから選択される前記CKD患者における血清リンの平均低下;又は
24週間にわたって投与したとき、2.10、2.11、2.12、2.13、2.14、2.15、2.16、2.17、
2.18、2.19、2.20、2.21、2.22、2.23、2.24、及び2.25mg/dlから選択される前記CKD患者
における血清リンの平均低下;又は
36週間にわたって投与したとき、2.10、2.11、2.12、2.13、2.14、2.15、2.16、2.17、
2.18、2.19、及び2.20mg/dlから選択される前記CKD患者における血清リンの平均低下;
48週間にわたって投与したとき、1.95、1.96、1.97、1.98、1.99、2.00、2.01、2.02、
2.03、2.04、2.05、2.06、2.07、2.08、2.09、2.10、2.11、2.12、2.13、2.14、及び2.15
mg/dlから選択される前記CKD患者における血清リンの平均低下;又は
52週間にわたって投与したとき、1.95、1.96、1.97、1.98、1.99、2.00、2.01、2.02、
2.03、2.04、2.05、2.06、2.07、2.08、2.09、2.10、2.11、2.12、2.13、2.14、2.15、2.
16、2.17、2.18、2.19、2.20、2.21、2.22、2.23、2.24、2.25、2.26、2.27、2.28、2.29
、及び2.30mg/dlから選択される前記CKD患者における血清リンの平均低下;
をもたらす、構成1記載の方法。
(構成3)
210mg〜2,520mgの範囲の第二鉄の用量での慢性腎臓病(CKD)患者への経口投与によって
血清重炭酸塩を増加させる方法において使用するためのクエン酸第二鉄であって、0.1〜1
.0mEq/Lの該CKD患者における血清重炭酸塩の増加をもたらす、前記クエン酸第二鉄。
(構成4)
少なくとも52週間にわたって投与したとき、0.70、0.71、0.72、0.73、0.74、0.75、0.
76、0.77、0.78、0.79、及び0.80mEq/Lから選択される該CKD患者における血清重炭酸塩濃
度の平均増加をもたらす、構成3記載のクエン酸第二鉄。
(構成5)
1g〜18gの範囲の量での慢性腎臓病(CKD)患者への経口投与によって鉄吸収を増加させる
方法において使用するためのクエン酸第二鉄であって、該CKD患者における鉄吸収の増加
をもたらす、前記クエン酸第二鉄。
(構成6)
1g〜18gの範囲の量での慢性腎臓病(CKD)患者への経口投与によって鉄貯蔵を維持する方
法において使用するためのクエン酸第二鉄であって、該CKD患者における鉄貯蔵の維持を
もたらす、前記クエン酸第二鉄。
(構成7)
1g〜18gの範囲の量での慢性腎臓病(CKD)患者への経口投与によって少なくとも1つの鉄
貯蔵パラメータを改善する方法において使用するためのクエン酸第二鉄であって、該CKD
患者における少なくとも1つの鉄貯蔵パラメータの改善をもたらす、前記クエン酸第二鉄

(構成8)
前記少なくとも1つの鉄貯蔵パラメータが、ヘマトクリット値、ヘモグロビン濃度、全
鉄結合能、トランスフェリン飽和度、血清鉄レベル、肝臓鉄レベル、脾臓鉄レベル、血清
フェリチンレベル、及びこれらの組合せから選択される、構成7記載のクエン酸第二鉄。
(構成9)
前記少なくとも1つの鉄貯蔵パラメータがヘマトクリット値であり、及び改善すること
が、前記CKD患者の該ヘマトクリット値を増加させることを含む、構成7又は8記載のクエ
ン酸第二鉄。
(構成10)
前記少なくとも1つの鉄貯蔵パラメータがヘモグロビン濃度であり、及び改善すること
が、前記CKD患者において該ヘモグロビン濃度を増加させることを含む、構成7又は8記載
のクエン酸第二鉄。
(構成11)
210mg〜2,520mgの範囲の第二鉄の用量で投与され、及び0.3〜0.6g/dlの前記CKD患者に
おけるヘモグロビン濃度の平均増加をもたらす、構成10記載のクエン酸第二鉄。
(構成12)
前記少なくとも1つの鉄貯蔵パラメータが全鉄結合能であり、及び改善することが、前
記CKD患者において該全鉄結合能を減少させることを含む、構成7又は8記載のクエン酸第
二鉄。
(構成13)
前記少なくとも1つの鉄貯蔵パラメータがトランスフェリン飽和度(TSAT)であり、及び
改善することが、前記CKD患者において該トランスフェリン飽和度を増加させることを含
む、構成7又は8記載のクエン酸第二鉄。
(構成14)
210mg〜2,520mgの範囲の第二鉄の用量で投与され、及び5〜10%の前記CKD患者における
TSATの平均増加をもたらす、構成13記載のクエン酸第二鉄。
(構成15)
前記少なくとも1つの鉄貯蔵パラメータが血清鉄レベルであり、及び改善することが、
前記CKD患者において該血清鉄レベルを増加させることを含む、構成7又は8記載のクエン
酸第二鉄。
(構成16)
前記少なくとも1つの鉄貯蔵パラメータが肝臓鉄レベルであり、及び改善することが、
前記CKD患者において該肝臓鉄レベルを増加させることを含む、構成7又は8記載のクエン
酸第二鉄。
(構成17)
前記少なくとも1つの鉄貯蔵パラメータが脾臓鉄レベルであり、及び改善することが、
前記CKD患者において該脾臓鉄レベルを増加させることを含む、構成7又は8記載のクエン
酸第二鉄。
(構成18)
前記少なくとも1つの鉄貯蔵パラメータが血清フェリチンレベルであり、及び改善する
ことが、前記CKD患者において該血清フェリチンレベルを増加させることを含む、構成7又
は8記載のクエン酸第二鉄。
(構成19)
210mg〜2,520mgの範囲の第二鉄の用量で投与され、100〜400ng/mlの前記CKD患者におけ
る血清フェリチンの平均増加をもたらす、構成18記載のクエン酸第二鉄。
(構成20)
1g〜18gの範囲の量での慢性腎臓病(CKD)患者への経口投与によって鉄欠乏を治療する方
法において使用するためのクエン酸第二鉄であって、該CKD患者における鉄欠乏の治療を
もたらす、前記クエン酸第二鉄。
(構成21)
疲労、目眩、蒼白、脱毛、興奮、衰弱、異食症、脆い又は亀裂のある爪、プランマー・
ヴィンソン症候群、免疫機能障害、氷食症、レストレスレッグ症候群、及びこれらの組合
せから選択される少なくとも1つの鉄欠乏の症状を軽減する、構成20記載のクエン酸第二
鉄。
(構成22)
前記治療される鉄欠乏が貧血である、構成20記載のクエン酸第二鉄。
(構成23)
11.0g/dl、11.5g/dl、12.0g/dl、及び13.0g/dlから選択されるレベル又はそれを上回る
前記CKD患者におけるヘモグロビンレベルをもたらす、構成22記載のクエン酸第二鉄。
(構成24)
6.8mmol/L、7.1mmol/L、7.4mmol/L、及び8.1mmol/Lから選択されるレベル又はそれを上
回る前記CKD患者におけるヘモグロビンレベルをもたらす、構成22記載のクエン酸第二鉄

(構成25)
前記慢性腎臓病患者が末期腎臓病(ESRD)患者である、構成1〜24のいずれか一項記載の
クエン酸第二鉄。
(構成26)
前記慢性腎臓病患者が非透析慢性腎臓病(ND-CKD)患者である、構成1〜25のいずれか一
項記載のクエン酸第二鉄。
(構成27)
27.99m 2 /g〜32.34m 2 /gのBET活性表面積を有する、構成1〜26のいずれか一項記載のクエ
ン酸第二鉄。
(構成28)
27.99m 2 /g、28.87m 2 /g、及び32.34m 2 /gから選択されるBET活性表面積を有する、構成1
〜27のいずれか一項記載のクエン酸第二鉄。
(構成29)
錠剤剤形で投与される、構成1〜28のいずれか一項記載のクエン酸第二鉄。
(構成30)
前記錠剤剤形が1グラムの前記クエン酸第二鉄を含む、構成29記載のクエン酸第二鉄。
(構成31)
210mg〜2,520mgの範囲の第二鉄の用量での末期腎臓病(ESRD)患者への経口投与によって
経静脈(IV)鉄使用を低下させる方法において使用するためのクエン酸第二鉄であって、該
ESRD患者にIV鉄を投与する必要性を40〜60%の範囲量で低下させる、前記クエン酸第二鉄

(構成32)
少なくとも52週間にわたって投与したとき、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59
、及び60%から選択される前記ESRD患者の平均累積IV鉄摂取の平均低下をもたらす、構成
31記載のクエン酸第二鉄。
(構成33)
210mg〜2,520mgの範囲の第二鉄の用量での末期腎臓病(ESRD)患者への経口投与によって
赤血球生成刺激剤(ESA)の使用を低下させる方法において使用するためのクエン酸第二鉄
であって、該ESRD患者に1以上のESAを投与する必要性を20〜30%の範囲量で低下させる、
前記クエン酸第二鉄。
(構成34)
少なくとも52週間にわたって投与したとき、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29
、及び30%から選択される前記患者のESA摂取中央値の減少をもたらす、構成33記載のク
エン酸第二鉄。
(構成35)
各々の剤形が210mgの第二鉄を含む1グラムの錠剤剤形で投与される、構成31〜34のいず
れか一項記載のクエン酸第二鉄。
(構成36)
前記ESRD患者に、1日当たり最大18の錠剤剤形が投与される、構成35記載のクエン酸第
二鉄。
(構成37)
前記ESRD患者に、1日当たり6つの錠剤剤形が投与される、構成35記載のクエン酸第二鉄

(構成38)
前記患者による食事又は間食の摂取後1時間以内に投与される、構成31〜37のいずれか
一項記載のクエン酸第二鉄。
(構成39)
前記ESRD患者が、前記クエン酸第二鉄の投与前に少なくとも3カ月間、週3回の血液透析
で、又は腹膜透析で処置された、構成31〜38のいずれか一項記載のクエン酸第二鉄。
(構成40)
慢性腎臓病患者において、鉄吸収を増加させ、鉄貯蔵を維持し、1以上の鉄貯蔵パラメ
ータを改善し、鉄欠乏を治療し、又は貧血を治療するのに有効な量のクエン酸第二鉄を含
む、経口鉄補給剤。
(構成41)
錠剤を含む、構成40記載の経口鉄補給剤。
(構成42)
前記錠剤が少なくとも70重量%のクエン酸第二鉄を含む、構成40又は41記載の経口鉄補
給剤。
(構成43)
少なくとも約500mgのクエン酸第二鉄を含む、構成40〜42のいずれか一項記載の経口鉄
補給剤。

Claims (43)

  1. 210mg〜2,520mgの範囲の第二鉄の用量での慢性腎臓病(CKD)患者への経口投与によって
    血清リンを低下させる方法において使用するためのクエン酸第二鉄であって、2.00〜2.50
    mg/dlの該CKD患者における血清リンの平均低下をもたらす、前記クエン酸第二鉄。
  2. 前記クエン酸第二鉄が:
    12週間にわたって投与したとき、1.90、1.91、1.92、1.93、1.94、1.95、1.96、1.97、
    1.98、1.99、2.00、2.01、2.02、2.03、2.04、2.05、2.06、2.07、2.08、2.09、及び2.10
    mg/dlから選択される前記CKD患者における血清リンの平均低下;又は
    24週間にわたって投与したとき、2.10、2.11、2.12、2.13、2.14、2.15、2.16、2.17、
    2.18、2.19、2.20、2.21、2.22、2.23、2.24、及び2.25mg/dlから選択される前記CKD患者
    における血清リンの平均低下;又は
    36週間にわたって投与したとき、2.10、2.11、2.12、2.13、2.14、2.15、2.16、2.17、
    2.18、2.19、及び2.20mg/dlから選択される前記CKD患者における血清リンの平均低下;
    48週間にわたって投与したとき、1.95、1.96、1.97、1.98、1.99、2.00、2.01、2.02、
    2.03、2.04、2.05、2.06、2.07、2.08、2.09、2.10、2.11、2.12、2.13、2.14、及び2.15
    mg/dlから選択される前記CKD患者における血清リンの平均低下;又は
    52週間にわたって投与したとき、1.95、1.96、1.97、1.98、1.99、2.00、2.01、2.02、
    2.03、2.04、2.05、2.06、2.07、2.08、2.09、2.10、2.11、2.12、2.13、2.14、2.15、2.
    16、2.17、2.18、2.19、2.20、2.21、2.22、2.23、2.24、2.25、2.26、2.27、2.28、2.29
    、及び2.30mg/dlから選択される前記CKD患者における血清リンの平均低下;
    をもたらす、請求項1記載の方法。
  3. 210mg〜2,520mgの範囲の第二鉄の用量での慢性腎臓病(CKD)患者への経口投与によって
    血清重炭酸塩を増加させる方法において使用するためのクエン酸第二鉄であって、0.1〜1
    .0mEq/Lの該CKD患者における血清重炭酸塩の増加をもたらす、前記クエン酸第二鉄。
  4. 少なくとも52週間にわたって投与したとき、0.70、0.71、0.72、0.73、0.74、0.75、0.
    76、0.77、0.78、0.79、及び0.80mEq/Lから選択される該CKD患者における血清重炭酸塩濃
    度の平均増加をもたらす、請求項3記載のクエン酸第二鉄。
  5. 1g〜18gの範囲の量での慢性腎臓病(CKD)患者への経口投与によって鉄吸収を増加させる
    方法において使用するためのクエン酸第二鉄であって、該CKD患者における鉄吸収の増加
    をもたらす、前記クエン酸第二鉄。
  6. 1g〜18gの範囲の量での慢性腎臓病(CKD)患者への経口投与によって鉄貯蔵を維持する方
    法において使用するためのクエン酸第二鉄であって、該CKD患者における鉄貯蔵の維持を
    もたらす、前記クエン酸第二鉄。
  7. 1g〜18gの範囲の量での慢性腎臓病(CKD)患者への経口投与によって少なくとも1つの鉄
    貯蔵パラメータを改善する方法において使用するためのクエン酸第二鉄であって、該CKD
    患者における少なくとも1つの鉄貯蔵パラメータの改善をもたらす、前記クエン酸第二鉄
  8. 前記少なくとも1つの鉄貯蔵パラメータが、ヘマトクリット値、ヘモグロビン濃度、全
    鉄結合能、トランスフェリン飽和度、血清鉄レベル、肝臓鉄レベル、脾臓鉄レベル、血清
    フェリチンレベル、及びこれらの組合せから選択される、請求項7記載のクエン酸第二鉄
  9. 前記少なくとも1つの鉄貯蔵パラメータがヘマトクリット値であり、及び改善すること
    が、前記CKD患者の該ヘマトクリット値を増加させることを含む、請求項7又は8記載のク
    エン酸第二鉄。
  10. 前記少なくとも1つの鉄貯蔵パラメータがヘモグロビン濃度であり、及び改善すること
    が、前記CKD患者において該ヘモグロビン濃度を増加させることを含む、請求項7又は8記
    載のクエン酸第二鉄。
  11. 210mg〜2,520mgの範囲の第二鉄の用量で投与され、及び0.3〜0.6g/dlの前記CKD患者に
    おけるヘモグロビン濃度の平均増加をもたらす、請求項10記載のクエン酸第二鉄。
  12. 前記少なくとも1つの鉄貯蔵パラメータが全鉄結合能であり、及び改善することが、前
    記CKD患者において該全鉄結合能を減少させることを含む、請求項7又は8記載のクエン酸
    第二鉄。
  13. 前記少なくとも1つの鉄貯蔵パラメータがトランスフェリン飽和度(TSAT)であり、及び
    改善することが、前記CKD患者において該トランスフェリン飽和度を増加させることを含
    む、請求項7又は8記載のクエン酸第二鉄。
  14. 210mg〜2,520mgの範囲の第二鉄の用量で投与され、及び5〜10%の前記CKD患者における
    TSATの平均増加をもたらす、請求項13記載のクエン酸第二鉄。
  15. 前記少なくとも1つの鉄貯蔵パラメータが血清鉄レベルであり、及び改善することが、
    前記CKD患者において該血清鉄レベルを増加させることを含む、請求項7又は8記載のクエ
    ン酸第二鉄。
  16. 前記少なくとも1つの鉄貯蔵パラメータが肝臓鉄レベルであり、及び改善することが、
    前記CKD患者において該肝臓鉄レベルを増加させることを含む、請求項7又は8記載のクエ
    ン酸第二鉄。
  17. 前記少なくとも1つの鉄貯蔵パラメータが脾臓鉄レベルであり、及び改善することが、
    前記CKD患者において該脾臓鉄レベルを増加させることを含む、請求項7又は8記載のクエ
    ン酸第二鉄。
  18. 前記少なくとも1つの鉄貯蔵パラメータが血清フェリチンレベルであり、及び改善する
    ことが、前記CKD患者において該血清フェリチンレベルを増加させることを含む、請求項7
    又は8記載のクエン酸第二鉄。
  19. 210mg〜2,520mgの範囲の第二鉄の用量で投与され、100〜400ng/mlの前記CKD患者におけ
    る血清フェリチンの平均増加をもたらす、請求項18記載のクエン酸第二鉄。
  20. 1g〜18gの範囲の量での慢性腎臓病(CKD)患者への経口投与によって鉄欠乏を治療する方
    法において使用するためのクエン酸第二鉄であって、該CKD患者における鉄欠乏の治療を
    もたらす、前記クエン酸第二鉄。
  21. 疲労、目眩、蒼白、脱毛、興奮、衰弱、異食症、脆い又は亀裂のある爪、プランマー・
    ヴィンソン症候群、免疫機能障害、氷食症、レストレスレッグ症候群、及びこれらの組合
    せから選択される少なくとも1つの鉄欠乏の症状を軽減する、請求項20記載のクエン酸第
    二鉄。
  22. 前記治療される鉄欠乏が貧血である、請求項20記載のクエン酸第二鉄。
  23. 11.0g/dl、11.5g/dl、12.0g/dl、及び13.0g/dlから選択されるレベル又はそれを上回る
    前記CKD患者におけるヘモグロビンレベルをもたらす、請求項22記載のクエン酸第二鉄。
  24. 6.8mmol/L、7.1mmol/L、7.4mmol/L、及び8.1mmol/Lから選択されるレベル又はそれを上
    回る前記CKD患者におけるヘモグロビンレベルをもたらす、請求項22記載のクエン酸第二
    鉄。
  25. 前記慢性腎臓病患者が末期腎臓病(ESRD)患者である、請求項1〜24のいずれか一項記載
    のクエン酸第二鉄。
  26. 前記慢性腎臓病患者が非透析慢性腎臓病(ND-CKD)患者である、請求項1〜25のいずれか
    一項記載のクエン酸第二鉄。
  27. 27.99m2/g〜32.34m2/gのBET活性表面積を有する、請求項1〜26のいずれか一項記載のク
    エン酸第二鉄。
  28. 27.99m2/g、28.87m2/g、及び32.34m2/gから選択されるBET活性表面積を有する、請求項
    1〜27のいずれか一項記載のクエン酸第二鉄。
  29. 錠剤剤形で投与される、請求項1〜28のいずれか一項記載のクエン酸第二鉄。
  30. 前記錠剤剤形が1グラムの前記クエン酸第二鉄を含む、請求項29記載のクエン酸第二鉄
  31. 210mg〜2,520mgの範囲の第二鉄の用量での末期腎臓病(ESRD)患者への経口投与によって
    経静脈(IV)鉄使用を低下させる方法において使用するためのクエン酸第二鉄であって、該
    ESRD患者にIV鉄を投与する必要性を40〜60%の範囲量で低下させる、前記クエン酸第二鉄
  32. 少なくとも52週間にわたって投与したとき、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59
    、及び60%から選択される前記ESRD患者の平均累積IV鉄摂取の平均低下をもたらす、請求
    項31記載のクエン酸第二鉄。
  33. 210mg〜2,520mgの範囲の第二鉄の用量での末期腎臓病(ESRD)患者への経口投与によって
    赤血球生成刺激剤(ESA)の使用を低下させる方法において使用するためのクエン酸第二鉄
    であって、該ESRD患者に1以上のESAを投与する必要性を20〜30%の範囲量で低下させる、
    前記クエン酸第二鉄。
  34. 少なくとも52週間にわたって投与したとき、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29
    、及び30%から選択される前記患者のESA摂取中央値の減少をもたらす、請求項33記載の
    クエン酸第二鉄。
  35. 各々の剤形が210mgの第二鉄を含む1グラムの錠剤剤形で投与される、請求項31〜34のい
    ずれか一項記載のクエン酸第二鉄。
  36. 前記ESRD患者に、1日当たり最大18の錠剤剤形が投与される、請求項35記載のクエン酸
    第二鉄。
  37. 前記ESRD患者に、1日当たり6つの錠剤剤形が投与される、請求項35記載のクエン酸第二
    鉄。
  38. 前記患者による食事又は間食の摂取後1時間以内に投与される、請求項31〜37のいずれ
    か一項記載のクエン酸第二鉄。
  39. 前記ESRD患者が、前記クエン酸第二鉄の投与前に少なくとも3カ月間、週3回の血液透析
    で、又は腹膜透析で処置された、請求項31〜38のいずれか一項記載のクエン酸第二鉄。
  40. 慢性腎臓病患者において、鉄吸収を増加させ、鉄貯蔵を維持し、1以上の鉄貯蔵パラメ
    ータを改善し、鉄欠乏を治療し、又は貧血を治療するのに有効な量のクエン酸第二鉄を含
    む、経口鉄補給剤。
  41. 錠剤を含む、請求項40記載の経口鉄補給剤。
  42. 前記錠剤が少なくとも70重量%のクエン酸第二鉄を含む、請求項40又は41記載の経口鉄
    補給剤。
  43. 少なくとも約500mgのクエン酸第二鉄を含む、請求項40〜42のいずれか一項記載の経口
    鉄補給剤。
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