JP2020100560A - 結晶積層構造体 - Google Patents

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Abstract

【課題】ドーパントの濃度が高い精度で制御されたGa2O3系結晶膜を備えた結晶積層構造体を提供する。【解決手段】アンドープGa2O3系結晶膜41及びアンドープGa2O3系結晶膜43と、アンドープGa2O3系結晶膜41とアンドープGa2O3系結晶膜43との間に位置し、10nm以下の厚さを有するSiがドープされたGa2O3系結晶膜42と、を備え、Ga2O3系結晶膜42は、アンドープGa2O3系結晶膜41との界面から、アンドープGa2O3系結晶膜43との界面に至るまで、制御された濃度でSiをドープされている、結晶積層構造体4を提供する。【選択図】図3

Description

本発明は、結晶積層構造体に関する。
従来のGa系結晶膜の成長方法として、MBE法により、Snをドーパントとして含むGa系結晶膜を成長させる方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1によれば、Siをドーパントとして用いた場合、Si原料であるSi、SiO、又はSiOの蒸気の蒸気圧を制御することができず、Ga系結晶膜中のSi濃度を制御することが難しい。そこで、Siの代わりにSnをドーパントとして用いて、Ga系結晶膜中のキャリア濃度を高い精度で制御している。
国際公開第2013/080972号
しかしながら、SnをGa系結晶膜のドーパントとして用いた場合、Ga系結晶膜の成長初期にはSnが膜中に取り込まれ難く(ドーピング遅れ)、成長表面にSnが偏析し易いという問題がある。
本発明の目的は、ドーパントの濃度が高い精度で制御されたGa系結晶膜を備えた結晶積層構造体を提供することにある。
本発明の一態様は、上記目的を達成するために、[1]〜[6]の結晶積層構造体を提供する。
[1]第1のアンドープGa系結晶膜及び第2のアンドープGa系結晶膜と、前記第1のアンドープGa系結晶膜と前記第2のアンドープGa系結晶膜との間に位置し、10nm以下の厚さを有するSiドープGa系結晶膜と、を備え、前記SiドープGa系結晶膜は、前記第1のアンドープGa系結晶膜との界面から、前記第2のアンドープGa系結晶膜との界面に至るまで、制御された濃度で前記Siをドープされている、結晶積層構造体。
[2]前記SiドープGa系結晶膜の実効ドナー濃度が、1×1015〜1×1020/cmである、前記[1]に記載の結晶積層構造体。
[3]前記Siの制御された濃度は、3.0×1017/cm〜3.5×1019/cmである、前記[1]に記載の結晶積層構造体。
[4]前記第1のアンドープGa系結晶膜が、Ga系結晶基板上に形成されている、前記[1]〜[3]のいずれか1項に記載の結晶積層構造体。
[5]前記第1のアンドープGa系結晶膜と前記第2のアンドープGa系結晶膜の少なくともいずれか一方が、アンドープGa結晶膜である、前記[1]〜[4]のいずれか1項に記載の結晶積層構造体。
[6]前記第1のアンドープGa系結晶膜と前記第2のアンドープGa系結晶膜の少なくともいずれか一方が、アンドープ(AlGa)結晶膜である、前記[1]〜[4]のいずれか1項に記載の結晶積層構造体。
本発明によれば、ドーパントの濃度が高い精度で制御されたGa系結晶膜を備えた結晶積層構造体を提供することができる。
図1は、第1の実施の形態に係るGa系結晶基板及びGa系結晶膜の垂直断面図である。 図2は、Ga系結晶膜の成長に用いられるMBE装置の構成の一例を示す。 図3は、第3の実施の形態に係る結晶積層構造体の垂直断面図である。 図4は、第3の実施の形態に係る結晶積層構造体の具体例の垂直断面図である。 図5(a)は、ドーパントとして添加されたSiのGa結晶膜及びGa結晶基板中の厚さ方向の濃度分布を示す。図5(b)は、ドーパントとして添加されたSnのGa結晶膜及びGa結晶基板中の厚さ方向の濃度分布を示す。 図6は、Ga粉末を収容したSiOからなる第2のセルの温度と、Ga結晶膜の実効ドナー濃度N−Nとの関係を示す。
〔第1の実施の形態〕
(Ga系結晶膜)
図1は、第1の実施の形態に係るGa系結晶基板及びGa系結晶膜の垂直断面図である。
Ga系結晶膜1は、MBE法を用いてGa系結晶基板2上にGa系単結晶をエピタキシャル成長させることにより形成される。MBE法は、単体あるいは化合物からなる原料をセルと呼ばれる蒸発源で加熱し、加熱により生成された蒸気を分子線として基板表面に供給して、結晶をエピタキシャル成長させる結晶成長方法である。
Ga系結晶膜1は、ドーパントとしてのSiを含むn型のβ−Ga系単結晶からなる。ここで、Ga系単結晶とは、Ga単結晶、又は、Al、In等の元素が添加されたGa単結晶をいう。例えば、Al及びInが添加されたGa単結晶である(GaAlIn(1−x−y)(0<x≦1、0≦y<1、0<x+y≦1)単結晶であってもよい。Alを添加した場合にはバンドギャップが広がり、Inを添加した場合にはバンドギャップが狭くなる。
Ga系結晶基板2はβ−Ga系単結晶からなり、Ga系結晶膜1及びGa系結晶基板2が適用されるデバイスの種類によって、種々のドーパントを含んでもよい。例えば、Ga系結晶膜1及びGa系結晶基板2を横型の半導体素子に適用する場合には、Mg等のドーパントを添加することによりGa系結晶基板2を高抵抗化してもよいし、Ga系結晶膜1及びGa系結晶基板2を縦型の半導体素子に適用する場合には、Si、Sn等のドーパントを添加することによりGa系結晶基板2を低抵抗化してもよい。
Ga系結晶基板2は、例えば、EFG法により作製された、ドーパントが添加されたβ−Ga単結晶インゴットから切り出される。また、FZ法によりβ−Ga単結晶インゴットを作製してもよい。作製されたインゴットは、所望の面方位が主面となるように、例えば1mm程度の厚さにスライス加工され、基板化される。そして、研削研磨工程にて300〜600μm程度の厚さに加工される。
(Ga系結晶膜の製造方法)
図2は、Ga系結晶膜の成長に用いられるMBE装置の構成の一例を示す。このMBE装置3は、真空槽10と、この真空槽10内に支持され、Ga系結晶基板2を保持する基板ホルダ11と、基板ホルダ11に保持されたGa系結晶基板2を加熱するための加熱装置12と、Ga系結晶膜1を構成する原子の原料が充填された複数のセル13(13a、13b、13c)と、セル13を加熱するためのヒータ14(14a、14b、14c)と、真空槽10内に酸素系ガスを供給するガス供給パイプ15と、真空槽10内の空気を排出するための真空ポンプ16とを備えている。基板ホルダ11は、シャフト110を介して図示しないモータにより回転可能に構成されている。
第1のセル13aには、Ga系結晶膜1のGa原料としてのGaが収容されている。第1のセル13aに収容されるGaの形態は特に限定されず、典型的には粉末状、粒子状等の固体である。第1のセル13aは、例えば、PBN(Pyrolytic Boron Nitride)からなる。
第2のセル13bはSiOからなり、Ga系結晶膜1に添加されるSiの原料として用いられる。第2のセル13bにはGaが収容されている。第2のセル13bに収容されるGaの形態は特に限定されず、典型的には粉末状、粒子状等の固体である。通常、第2のセル13bの最大容量の半分程度のGaが収容される。
第3のセル13cには、GaとSi以外の原料、例えば、Ga系結晶膜1がβ−(AlGa1−x単結晶からなる場合のAl原料が収容されている。Ga系結晶膜1がβ−Ga単結晶からなる場合は、第3のセル13cは不要である。
第1のセル13a、第2のセル13b、及び第3のセル13cの開口部にはシャッターが設けられている。
まず、予め作製されたGa系結晶基板2をMBE装置3の基板ホルダ11に取り付ける。次に、真空ポンプ16を作動させ、真空槽10内の気圧を1×10−8Pa程度まで減圧する。そして、加熱装置12によってGa系結晶基板2を加熱する。なお、Ga系結晶基板2の加熱は、加熱装置12の黒鉛ヒータ等の発熱源の輻射熱が基板ホルダ11を介してGa系結晶基板2に熱伝導することにより行われる。
Ga系結晶基板2が所定の温度に加熱された後、ガス供給パイプ15から真空槽10内に例えばオゾンガスや酸素ラジカルのような酸素系ガスを供給する。酸素系ガスのガス分圧は、例えば、5×10−4Paである。
真空槽10内のガス圧が安定するのに必要な時間(例えば5分間)経過後、基板ホルダ11を回転させながら第1のヒータ14aにより第1のセル13a、第2のセル13b、及び必要であれば第3のセル13cを加熱して、Ga系結晶膜1の原料を含む蒸気を発生させ、分子線としてGa系結晶基板2の表面に照射する。これにより、Ga系結晶基板2上にβ−Ga系単結晶がSiを添加されながらエピタキシャル成長し、Ga系結晶膜1が形成される。
第1のセル13aは、例えば900℃に加熱され、第1のセル13aに収容されたGaからGa蒸気が発生する。Ga蒸気のビーム等価圧力(BEP;Beam Equivalent Pressure)は2×10−4Paである。
第2のセル13bは、例えば600〜900℃に加熱され、SiOからなる第2のセル13bと第2のセル13bに収容されたGaから、SiとGaを含む蒸気(以下、Si含有蒸気と呼ぶ)が発生する。第2のセル13bの加熱温度により、Si含有蒸気のビーム等価圧力を変化させ、Ga系結晶膜1中のSi濃度を制御することができる。
ここで、第2のセル13bと第2のセル13bに収容されたGaは、互いに接触した状態で加熱され、Si含有蒸気を発生させる。このようにして発生させたSi含有蒸気を用いることにより、Ga系結晶膜1中のSi濃度を高い精度で制御し、かつSiの濃度分布の均一性を高めることができる。
例えば、SiOからなる第2のセル13bにGaを収容しないで発生させたSi蒸気や、PBN等からなるセルにSi、SiO、SiO等のSi原料を収容して発生させたSi蒸気を用いた場合には、Ga系結晶膜1中のSi濃度を高い精度で制御することができない。また、上述のように、Snをドーパントとして用いた場合には、ドーピング遅れが生じ、Ga系結晶膜1中にSnが偏析するおそれがある。
なお、上記の方法により発生させたSi含有蒸気を用いることによる効果は、本発明者らにより、実験的に確かめられている。
Ga系結晶膜1を構成するβ−Ga系単結晶の成長温度及び成長速度は、例えば、それぞれ540℃、0.01〜10μm/hである。
Ga系結晶膜1の実効ドナー濃度N−N(ドナー濃度Nからアクセプタ濃度Nを引いたもの)は、Ga系結晶膜1中のSi濃度の制御により、例えば、1×1015〜1×1020/cmの範囲で制御される。
〔第2の実施の形態〕
第2の実施の形態は、Si含有蒸気を発生させる方法において、第1の実施の形態と異なる。その他の点については第1の実施の形態と同様であるため、説明を省略又は簡略化する。
第2の実施の形態においては、第2のセル13bはSiOからなるものでなくてもよく、例えば、PBNからなる。また、第2のセル13bは、Si又はSi化合物とGaを収容する。Si化合物は、SiO、SiO、又はこれらの混合物である。Si及びSi化合物の形態は特に限定されず、典型的には粉末状、粒子状等の固体である。
第2のセル13bに収容されたSi又はSi化合物とGaは、互いに接触した状態で加熱され、Si含有蒸気を発生させる。このように、Si原料とGaとを接触させた状態で加熱し、Si含有蒸気を発生させる点において、第1の実施の形態と共通する。
〔第3の実施の形態〕
第3の実施の形態は、第1、2の実施の形態に係るGa系結晶膜の成長方法を用いて形成される結晶積層構造体についての形態である。
図3は、第3の実施の形態に係る結晶積層構造体4の垂直断面図である。結晶積層構造体4は、Ga系結晶基板40と、Ga系結晶基板40上に形成されたアンドープGa系結晶膜41と、アンドープGa系結晶膜41上に直接形成された、Siをドーパントとして含むGa系結晶膜42と、Ga系結晶膜42上に直接形成された第2のアンドープGa系結晶膜43と、を有する。
アンドープGa系結晶膜41、Ga系結晶膜42、及びアンドープGa系結晶膜43からなる積層構造は、Ga系結晶基板40上にGa結晶を成長させる途中でドーパントの添加の開始及び停止を行うことにより形成される。ここで、「アンドープ」とは、意図的にドーパントを添加されていないことをいい、アンドープの結晶膜は、導電性に影響を与える程の濃度のドーパントは含まない。
なお、Ga系結晶基板40とアンドープGa系結晶膜41との間に他のGa系結晶膜が設けられてもよい。
Ga系結晶膜42中のSi濃度は、例えば、3.0×1017/cm以上かつ3.5×1019/cm以下である。
また、Ga系結晶膜42の厚さは10nm以下である。このため、Siの濃度を高い精度で制御できる第1、2の実施の形態に係るGa系結晶膜の成長方法を用いることにより初めて、アンドープGa系結晶膜41、Ga系結晶膜42、及びアンドープGa系結晶膜43からなる積層構造を形成することができる。
なお、Ga系結晶膜を形成する方法として、MBE法以外にPLD(Pulsed Laser Deposition)法、スパッタリング法、MOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition)法、熱CVD法、プラズマCVD法、HVPE(Halide Vapor Phase Epitaxy)法等があるが、これらの方法により結晶積層構造体4を製造することは困難である。
例えば、PLD法とスパッタリング法では、成膜原料として用いるセラミックのGaターゲットの純度が膜の純度を決定するが、現在、世の中に高純度なGaターゲットが存在しないため、無視できない濃度の不純物の混入が避けられず、アンドープGa系結晶膜41、43を形成することができない。
また、MOCVD法、熱CVD法、プラズマCVD法では、原料ガスから不純物が混入するため、やはりアンドープGa系結晶膜41、43を形成することができない。HVPE法では、アンドープGa系結晶膜41、43を形成することができるが、成長レートを低くすることができないため、厚さ10nm以下のGa系結晶膜42を形成することは困難である。
図4は、結晶積層構造体4の具体例である結晶積層構造体5の垂直断面図である。結晶積層構造体5は、例えば、HEMT(High Electron Mobility Transistor)の製造に適している。
結晶積層構造体5は、Ga系結晶基板40と、Ga系結晶基板40上に形成されたアンドープGa系結晶膜54と、アンドープGa系結晶膜54上に直接形成されたアンドープ(AlGa)結晶膜51と、アンドープ(AlGa)結晶膜51上に直接形成され、10nm以下の厚さを有し、3.0×1017/cm以上かつ3.5×1019/cm以下の濃度のSiを含む(AlGa)結晶膜52と、(AlGa)結晶膜52上に直接形成されたアンドープ(AlGa)結晶膜53と、を有する。
結晶積層構造体5においては、結晶積層構造体4のアンドープGa系結晶膜41、Ga系結晶膜42、アンドープGa系結晶膜43として、それぞれアンドープ(AlGa)結晶膜51、(AlGa)結晶膜52、アンドープ(AlGa)結晶膜53が用いられている。また、Ga系結晶基板40とアンドープ(AlGa)結晶膜51との間にはアンドープGa系結晶膜54が形成されている。
アンドープ(AlGa)結晶膜51、(AlGa)結晶膜52、及びアンドープ(AlGa)結晶膜53は(AlGa)単結晶からなる。ここで、(AlGa)単結晶とは、Alが添加されたGa単結晶、すなわち(AlGa1−z単結晶(0≦z<1)をいう。
(実施の形態の効果)
上記第1及び第2の実施の形態によれば、ドーパントの濃度を高い精度で制御し、かつドーパントの濃度分布の均一性を高めることができる、MBE法によるGa系結晶膜の成長方法を提供することができる。また、上記第3の実施の形態によれば、第1及び第2の実施の形態に係るGa系結晶膜の成長方法を用いることにより、Siが添加された薄いGa系結晶膜が2枚のアンドープGa系結晶膜に挟まれた積層構造を含む結晶積層構造体を提供することができる。
ドーパントとしてSi又はSnを用いた場合の、Ga系結晶膜中のドーパントの厚さ方向の濃度分布をSIMS分析により調べた。
本実施例では、ドーパントとしてSiを用いて、図3に示される結晶積層構造体4の製造を試みた。具体的には、Ga系結晶基板40、アンドープGa系結晶膜41、Ga系結晶膜42、アンドープGa系結晶膜43として、それぞれSnが添加されたGa結晶基板、厚さ40nmのアンドープGa結晶膜、厚さ5nmのSiをドーパントとして含むGa結晶膜、厚さ40nmのアンドープGa結晶膜を有する結晶積層構造体4(試料Aとする)の作製を試みた。
また、比較例として、上記の試料1の厚さ5nmのSiをドーパントとして含むGa結晶膜の代わりに、厚さ5nmのSnをドーパントとして含むGa結晶膜を有する結晶積層構造体(試料Bとする)の作製を試みた。
Siが添加されたGa結晶膜を有する試料Aは、第1の実施の形態に係るGa系結晶膜の成長方法により作製した。また、Snが添加されたGa結晶膜を有する試料Bは、第1の実施の形態に係る方法において、第2のセル13bの代わりに、Sn蒸気の発生源としてSnOを収容したPBNからなるセルを用いて作製した。
図5(a)は、ドーパントとしてSiを用いた試料A中の厚さ方向のSiの濃度分布を示す。図5(b)は、ドーパントとしてSnを用いた試料B中の厚さ方向のSnの濃度分布を示す。
図5(a)、(b)の横軸は、Ga結晶膜表面からの深さを示している。図5(a)中の矢印「開」、「閉」は、それぞれSiOからなる第2のセル13bのシャッターを開けた瞬間のGa結晶膜の表面の位置と、閉じた瞬間のGa結晶膜の表面の位置を示している。また、図5(b)中の矢印「開」、「閉」は、それぞれSnOを収容したPBNからなるセルのシャッターを開けた瞬間のGa結晶膜の表面の位置と、閉じた瞬間のGa結晶膜の表面の位置を示している。
図5(a)によれば、Ga結晶膜中のSi濃度は、第2のセル13bのシャッターを開けた瞬間に上昇し、また、閉めた瞬間に低下している。このことから、試料Aの積層構造を設計通りに作製できていることがわかる。
一方、図5(b)によれば、Ga結晶膜中のSn濃度は、ドーピング遅れが生じるために、SnOを収容したセルのシャッターを開けた瞬間から緩やかに濃度が増加し、また、表面偏析の影響により、シャッターを閉めた瞬間から緩やかに濃度が低下している。このことから、試料Bの積層構造が設計通りに作製されていないことがわかる。
上記第1の実施の形態における、Gaを収容したSiOからなる第2のセル13bの加熱温度と、形成されるGa系結晶膜1の実効ドナー濃度N−Nとの関係を実験により調べた。
この実験においては、第2のセル13bに収容するGaとしてGaメタルを用いて、Ga系結晶膜1、Ga系結晶基板2として、それぞれGa結晶膜、Ga結晶基板を用いた。
図6は、Gaメタルを収容したSiOからなる第2のセル13bの温度と、Ga結晶膜の実効ドナー濃度N−Nとの関係を示す。
第2のセル13bの温度が660℃、680℃、750℃のときの実効ドナー濃度は、第1のセル13aと第2のセル13bを用いて形成したGa結晶膜の実効ドナー濃度である。また、第2のセル13bの温度が900℃のときの実効ドナー濃度は、第1のセル13aを用いずに第2のセル13bのみを用いて形成したGa結晶膜の実効ドナー濃度である。
第1の実施の形態の方法によれば、第2のセル13bのみを用いてGa結晶膜を形成したときに実効ドナー濃度が最大となるため、第2のセル13bの温度が900℃のときの実効ドナー濃度である3.5×1019cm−3がGa結晶膜の実効ドナー濃度の最大値とほぼ等しいと考えられる。また、第2のセル13bの温度が660℃のときの実効ドナー濃度が3.6×1017cm−3であることから、Ga結晶膜の制御可能な実効ドナー濃度の下限値はおよそ3.0×1017/cm又はそれよりも小さいと考えられる。なお、Ga結晶膜中のSi濃度と実効ドナー濃度はほとんど等しい。
以上の実験結果から、第1、2の実施の形態の方法によれば、Ga系結晶膜の実効ドナー濃度を少なくともおよそ3.0×1017/cm以上かつ3.5×1019/cm以下の範囲で制御できるといえる。
なお、SiOからなる第2のセル13bにGaを収容せずに加熱したところ、温度を1000℃程度まで上げてもGa結晶膜中にSiは取り込まれなかった。おそらく、SiOの蒸気圧が低いため、第2のセル13bから十分な量のフラックスが発生しなかったことによると考えられる。
このことから、SiOとGaを接触させた状態で加熱し、Si、Ga及びOの間で何らかの化学反応を生じさせ、適度な蒸気圧のSi含有蒸気を生成することが、Ga系結晶膜中のドーパントの濃度を高い精度で制御するために重要であることが確認された。
以上、本発明の実施の形態、実施例を説明したが、本発明は、上記実施の形態、実施例に限定されず、発明の主旨を逸脱しない範囲内において種々変形実施が可能である。
また、上記に記載した実施の形態、実施例は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施の形態、実施例の中で説明した特徴の組合せの全てが発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない点に留意すべきである。
1…Ga系結晶膜、2…Ga系結晶基板、3…MBE装置、13b…第2のセル

Claims (6)

  1. 第1のアンドープGa系結晶膜及び第2のアンドープGa系結晶膜と、
    前記第1のアンドープGa系結晶膜と前記第2のアンドープGa系結晶膜との間に位置し、10nm以下の厚さを有するSiドープGa系結晶膜と、
    を備え、
    前記SiドープGa系結晶膜は、前記第1のアンドープGa系結晶膜との界面から、前記第2のアンドープGa系結晶膜との界面に至るまで、制御された濃度で前記Siをドープされている、
    結晶積層構造体。
  2. 前記SiドープGa系結晶膜の実効ドナー濃度が、1×1015〜1×1020/cmである、
    請求項1に記載の結晶積層構造体。
  3. 前記Siの制御された濃度は、3.0×1017〜3.5×1019/cmである、
    請求項1に記載の結晶積層構造体。
  4. 前記第1のアンドープGa系結晶膜が、Ga系結晶基板上に形成されている、
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の結晶積層構造体。
  5. 前記第1のアンドープGa系結晶膜と前記第2のアンドープGa系結晶膜の少なくともいずれか一方が、アンドープGa結晶膜である、
    請求項1〜4のいずれか1項に記載の結晶積層構造体。
  6. 前記第1のアンドープGa系結晶膜と前記第2のアンドープGa系結晶膜の少なくともいずれか一方が、アンドープ(AlGa)結晶膜である、
    請求項1〜4のいずれか1項に記載の結晶積層構造体。
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