JP2020100311A - 車両シート構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】様々な体型に対応できるとともに良好な座り心地が得られる車両シート構造を提供する。【解決手段】車両シート構造のシートバックは、シートバックパッドと、前記シートバックパッドの背後かつ前記シートバックの左右両側において、略上下方向に延びる一対の縦部材42と、前記一対の縦部材42の間に架け渡される複数の架け渡しワイヤと、前記一対の縦部材42それぞれの第一接続点58同士を接続する第一横部材44Uと、前記一対の縦部材42それぞれの第二接続点60同士を接続する第二横部材44Lと、張力が高まることで、前記第一、第二横部材44U,44Lを互いに近づく方向に引っ張る1以上の調整ワイヤ64U,64Lと、前記調整ワイヤ64U,64Lの張力を調整する調整機構66U,66Lと、を備える。【選択図】図4

Description

本明細書では、乗員が着座するシートクッションと、乗員の上体を背後から支えるシートバックと、を有する車両シート構造を開示する。
車両に搭載されるシートは、着座者が着座するシートクッションと、着座者の上体を背後から支えるシートバックと、を有している。かかる車両シートは、着座者が長時間、快適に過ごせることが求められている。ここで、一般に、人の上体背部は、平坦ではなく、湾曲している。着座者が快適に過ごすためには、シートバックによる上体背部を支持する支持力も、この上体背部の形状にあわせて場所ごとに変化することが望ましい。しかし、上体背部の形状は、人によって異なる。また、同じ人であっても、着衣状態によって、支持力分布の望ましい形態が変化する。
そこで、従来から、シートバックによる支持力を適宜、変更できる技術が提案されている。例えば、特許文献1−3には、こうした支持力変更機能を有した車両シート構造が開示されている。具体的には、特許文献1には、シートバックに設けられた空気袋に注入する空気量を調整することで、腰部を支持する圧力を調整する技術が開示されている。特許文献2,3には、シートバック内に設けられた板の撓み量を変更することで、腰部の支持圧力を調整する技術が開示されている。
特開2009−172145号公報 特開2005−313696号公報 特開2007−013763号公報
しかしながら、特許文献1の技術では、空気袋の配置された箇所のみが局所的に膨らむことになる。そのため、様々な体型に対応することが難しかった。もちろん、空気袋の数を増やし、空気袋ごとに注入する空気量を調整することで、様々な体型に対応しやすくなるが、この場合、コストが増加し、制御も複雑となる。また、特許文献2,3の場合、着座者の上体のすぐ背後に硬い板材が存在することになる。そのため、特許文献2,3の場合、座り心地については、改善の余地があった。
そこで、本明細書では、様々な体型に対応できるとともに良好な座り心地が得られる車両シート構造を開示する。
本明細書で開示する車両シート構造は、乗員が着座するシートクッションと、乗員の上体を背後から支えるシートバックと、を有する車両シート構造であって、前記シートバックは、乗員の上体背部が当接するシートバックパッドと、前記シートバックパッドの背後かつ前記シートバックの左右両側において、略上下方向に延びる一対の縦部材であって、それぞれが第一接続点および前記第一接続点より下方に位置する第二接続点を有する一対の縦部材と、前記シートバックパッドを背後から支えるべく、前記一対の縦部材の間に架け渡される複数の架け渡しワイヤであって、上下方向に間隔を開けて複数設けられる架け渡しワイヤと、前記一対の縦部材それぞれの前記第一接続点同士を接続する第一横部材と、前記一対の縦部材それぞれの前記第二接続点同士を接続する第二横部材と、張力が高まることで、前記第一、第二横部材を互いに近づく方向に引っ張る1以上の調整ワイヤと、前記調整ワイヤの張力を調整する調整機構と、を備えることを特徴とする。
かかる構成とすることで、調整機構により、調整ワイヤの張力が増減でき、第一、第二横部材にかかる上下方向の力を増減できる。ここで、第一、第二横部材が互いに近づくと、第一、第二接続点の上下方向距離が縮み、第一、第二接続点の間の縦部材が余る。その結果、第一、第二接続点の間において、縦部材が、幅方向外側かつ前方に膨らむように撓む。縦部材が、撓むことで、一対の縦部材の間に架け渡された架け渡しワイヤの張力が変化し、シートバックの支持力の大きさ、位置が変化する。つまり、調整機構により、調整ワイヤの張力を調整することで、シートバックの支持力の大きさ、位置が変化する。そして、これにより、様々な体型に対応した支持力が得られる。また、この支持力は、着座者の体型に応じて三次元的に変形可能な架け渡しワイヤにより得られるため、着座者の背後に板材を配する従来技術に比べて、座り心地を向上できる。
この場合、調整ワイヤは、前記第一横部材に取り付けられた第一調整ワイヤと、前記第二横部材に取り付けられるとともに、前記調整機構を介して前記第一調整ワイヤに連結された第二調整ワイヤと、を含み、前記第一横部材および前記第二横部材は、前記第一調整ワイヤ、前記第二調整ワイヤ、前記調整機構を介して、上下に連結されていてもよい。
かかる構成とすることで、第一、第二調整ワイヤの張力を増加させることで、第一、第二横部材を互いに近づけることができる。
この場合、前記調整機構は、前記第一調整ワイヤの張力と、前記第二調整ワイヤの張力と、を互いに独立して調整してもよい。
かかる構成とすることで、第一調整ワイヤの張力と、第二調整ワイヤの張力とに差をつけることができ、縦部材の最も撓む箇所、ひいては、支持力の増加する位置を調整できる。結果として、より様々な体型に対応できる。
また、前記第一、第二横部材は、平面視で、後方に凸になるように湾曲しており、前記第一横部材は、後方に進むにつれ、下方に進むように傾斜しており、前記第二横部材は、後方に進むにつれ、上方に進むように傾斜しており、1以上の前記調整ワイヤは、前記第一横部材に沿って延びる第一調整ワイヤと、前記第二横部材に沿って延びる第二調整ワイヤと、を含み、前記調整機構は、前記第一横部材に取り付けられ、前記第一調整ワイヤの張力を調整する第一調整機構と、前記第二横部材に取り付けられ、前記第二調整ワイヤの張力を調整する第二調整機構と、を含んでもよい。
かかる構成とすることでも、第一、第二調整ワイヤの張力を増加させることで、第一、第二横部材を互いに近づけることができる。
また、前記縦部材のうち前記第一接続点と前記第二接続点の間は、予め、前方かつ幅方向外側に向かって膨らむように湾曲していてもよい。
かかる構成とすることで、調整ワイヤの張力を増加させた際、縦部材を所望の方向に確実に湾曲させることができる。
また、前記シートクッションから立脚するシートバック支持フレームを有し、前記縦部材および前記第一、第二横部材は、吊り下げワイヤにより前記支持フレームに吊り下げ保持されており、前記縦部材の上下両端は、他部材に接続されていない自由端であってもよい。
縦部材の上下両端を自由端とすることで、縦部材がより容易に撓むことができ、支持力をより確実に調整することができる。
また、前記調整機構は、前記調整ワイヤを巻き取る巻き取り機構、前記調整ワイヤの動きを規制するストッパの少なくとも一つを含んでもよい。
かかる構成とすることで、調整機構の構成を簡易化できる。
本明細書で開示する車両シート構造によれば、様々な体型に対応できるとともに良好な座り心地が得られる。
車両シート構造を前方からみた斜視図である。 車両シート構造を後方からみた斜視図である。 シートバックの概略正面図である。 シートバックフレーム、調整ワイヤ、調整機構を背後から見た図である。 調整機構の一例を示す図である。 調整機構の他の一例を示す図である。 シートバックフレームの側面図である。 調整ワイヤの張力を増加させた様子を示す図である。 他の形態の調整ワイヤとシートバックフレームとの背面図である。 他の形態の調整ワイヤとシートバックフレームとの背面図である。 他の形態の調整ワイヤとシートバックフレームとの背面図である。 図11の形態の調整ワイヤとシートバックフレームとの側面図である。
以下、図面を参照して車両用シート10の構成について説明する。図1および図2は、車両用シート10の概略構成を模式的に示す斜視図である。図1は、前方左方から見下ろした状態で車両用シート10を示す図であり、図2は、後方左方から見上げた状態で車両用シート10を示す図である。また、図3は、車両用シート10の概略的な正面図である。なお、図1〜図3では、後述する調整ワイヤ64および調整機構66の図示が省略されている。また、以下の図面において、UP、FR、LHは、それぞれ、車両用シート10に着座する乗員(以下「着座者」という)からみての上方、前方、左方を示している。
この車両用シート10は、乗用車などの自動車に適用されるシートであって、一人の乗員が着座することを想定した一人用シートである。車両用シート10は、車体に直接搭載されるメインフレーム12と、メインフレーム12に支持されるシートクッション14およびシートバック16を有する。なお、図1、図2において、シートクッション14は、クッションパッドを省略した状態で示されている。シートクッション14は、着座者の臀部および大腿を下方から支持し、シートバック16は着座者の上体を後方から支える。
メインフレーム12は、シートクッション14を支持するシートクッション支持フレーム18と、シートバック16を支持するシートバック支持フレーム20を有する。シートクッション支持フレーム18は、車両の前後方向に延びる一対のシートトラック22と、シートクッション14の四隅下方に設けられたシート脚24と、を有する。シートトラック22は、フロアに固定されたロアレール26と、ロアレール26に対してスライド可能なアッパーレール28を含む。シート脚24は、このアッパーレール28と後述するサイドプレート30とを連結する。そして、これにより、車両用シート10は、フロア上に車両の前後方向にスライド可能に搭載される。
シートクッション支持フレーム18は、さらに、シートクッション14の左右に配置された一対のサイドプレート30と、一対のサイドプレート30の間に架け渡される二つの連結バー32と、を含む。サイドプレート30は、概略板形状の部材であり、板厚の方向が左右方向となり、かつ、長尺方向が前後方向となるよう配置されている。二本の連結バー32のうちの一つは、一対のサイドプレート30の前端部同士を連結している。また、二本の連結バー32の他の一つは、一対のサイドプレート30の後端部同士を連結している。
シートクッション14は、シートクッション支持フレーム18で支持されるクッションパン34と、クッションパン34上に取り付けられるクッションパッド(不図示)を含む。クッションパン34は、前方および左右側方をシートクッション支持フレーム18に囲まれるように、シートクッション支持フレーム18の内側に配置されている。クッションパッドは、このクッションパン34の上に取り付けられている。なお、このクッションパンおよびクッションパッドを、シートクッション支持フレーム18に対して移動可能としてもよい。
メインフレーム12の一部であるシートバック支持フレーム20は、正面視において倒立したU字形状を有する。このシートバック支持フレーム20の下端部は、左右方向に沿って延びる軸線周りに回動可能に、シートクッション支持フレーム18の後端部に結合されている。そして、シートクッション支持フレーム18に対してシートバック支持フレーム20を回動させることで、シートバック16の傾きを調節することができる。
シートバック16は、シートバック支持フレーム20に吊り下げ支持されるシートバックフレーム38と、シートバックフレーム38に取り付けられるシートバックパッド40と、を含む。シートバックフレーム38は、車両用シート10の左右両側を略上下方向に沿って延びる一対の縦部材42と、左右の縦部材42をつなぐ略左右方向に沿って配置された二本の横部材44U,44Lを含む。2本の横部材44U,44Lのうち上側に位置する横部材を上側横部材44Uと記し、下側に位置する横部材を下側横部材44Lと記す。上側横部材44Uは、縦部材42の上下方向の中央よりやや上に位置する第一接続点58で二本の縦部材42に接続し、下側横部材44Lは、2本の縦部材42の下端近傍に位置する第二接続点60で、これらに接続している。この上側横部材44Uと下側横部材44Lとの間の中間部62は、着座者の腰部に対応している。なお、以下の説明では、上側と下側を区別しない場合には、添え字U,Lを省略して、単に「横部材44」という。他部材においても同じである。
上側横部材44Uの左右の端部には、後方に向けて突出するばね受けブラケット46が固定されている。ばね受けブラケット46の後端には、板ばねである戻しばね48の後端がそれぞれ固定され、さらに戻しばね48の前端は、シートバック支持フレーム20に固定されている。板ばねである戻しばね48は、板厚方向が略左右方向となるように配置されている。これらの戻しばね48が撓むことにより、シートバック支持フレーム20に対するシートバックフレーム38の左右の移動が許容される。また、戻しばね48の弾性力により、シートバックフレーム38は、車両用シート10の幅の中央の中立位置に戻される。
シートバックフレーム38は、複数の吊り下げワイヤ50A,50B,50Cを介してシートバック支持フレーム20に吊り下げ支持されている。より具体的に説明すると、シートバックパッド40の背面には略円板状の中継ディスク52が取り付けられている。この中継ディスク52は、左右2本ずつの吊り下げワイヤ50A,50Bによりシートバック支持フレーム20から吊り下げ支持されている。また、シートバックフレーム38は、左右それぞれ2本の吊り下げワイヤ50Cにより中継ディスク52から吊り下げられている。
吊り下げワイヤ50Aは、無端状であり、シートバック支持フレーム20上の点と中継ディスク52を巡るように架け渡されている。また、吊り下げワイヤ50Bは、両端が、シートバック支持フレーム20に設けられた肩部ブラケット54上の点に結合され、中間部が中継ディスク52に掛けられている。肩部ブラケット54は、シートバック支持フレーム20から前方および後方に延びており、前端部および後端部に吊り下げワイヤ50Bの両端が結合されている。
それぞれ対をなす左右の吊り下げワイヤ50Aおよび吊り下げワイヤ50Bにより中継ディスク52の左右方向の位置が規定される。より具体的には、1対の吊り下げワイヤ50Aにより中継ディスク52の上下方向の位置が規定され、1対の吊り下げワイヤ50Bにより中継ディスク52の前後方向の位置が規定される。1対の吊り下げワイヤ50Cは、一端がシートバックフレーム38の上側横部材44Uに、他端が下側横部材44Lに結合され、中間部が中継ディスク52に掛けられている。これらのワイヤ50A,50B,50Cで吊り下げ支持されたシートバック16は、中継ディスク52を中心にして前後に延びる軸線周りに振り子のように回動可能となっている。
シートバックフレーム38の左右の縦部材42の間には、複数本の架け渡しワイヤ56が左右方向に架け渡されている。架け渡しワイヤ56は、上下方向に間隔を開けて複数、設けられている。この架け渡しワイヤ56は、シートバックパッド40を後方から支え、着座者からの荷重を受ける。
さらに、シートバック16には、上側横部材44Uおよび下側横部材44Lを互いに近づく方向に引っ張る調整ワイヤ64U,64Lと、当該調整ワイヤ64U,64Lの張力を調整する調整機構66U,66Lと、が設けられている。これについて図4を参照して説明する。図4は、シートバックフレーム38と調整ワイヤ64と、調整機構66だけを図示した背面図である。また、以下の図では、説明を容易にするために、無負荷状態における縦部材42は、湾曲していないストレート形状として図示する。
調整ワイヤとしては、上側横部材44Uに沿って設けられた上側調整ワイヤ64Uと、下側横部材44Lに沿って設けられた下側調整ワイヤ64Lと、がある。調整機構としては、上側調整ワイヤ64Uの張力を調整する上側調整機構66Uと、下側調整ワイヤ64Lの張力を調整する下側調整機構66Lと、があり、二つの調整機構66U,66Lは、上下に連結され、一体化されている。そして、この二つの調整機構66U,66Lは、上側横部材44Uおよび下側横部材44Lの中間高さ、かつ、幅方向略中央に設けられている。
上側調整ワイヤ64Uは、上側横部材44Uの幅方向端部近傍から、当該上側横部材44Uに沿って略水平方向に延びた後、幅方向略中央位置において、上側調整機構66Uに向かって下方に延びる。上側横部材44Uには、この上側調整ワイヤ64Uの経路をガイドするガイド部材68(例えば、上側調整ワイヤ64Uが通るトンネル等)が設けられている。なお、上側調整ワイヤ64Uは、上側横部材44Uの右端から延びる右側ワイヤと、左端から延びる左側ワイヤと、がある。この左右のワイヤは、図4に示すように、上側調整機構66Uにおいて繋がる一本のワイヤである。
同様に、下側調整ワイヤ64Lは、下側横部材44Lの幅方向端部近傍から、当該下側横部材44Lに沿って略水平方向に延びた後、幅方向略中央位置において、下側調整機構66Lに向かって上方に延びる。下側横部材44Lには、この下側調整ワイヤ64Lの経路をガイドするガイド部材68(例えば、上側調整ワイヤ64Uが通るトンネル等)が設けられている。また、下側横部材44Lの右端から延びる右側ワイヤと、左端から延びる左側ワイヤは、図4に示すように、下側調整機構66Lにおいて繋がっている。
そして、かかる構成とすることで、上側横部材44Uと下側横部材44Lは、上側調整ワイヤ64U、上側調整機構66U、下側調整機構66L、および、下側調整ワイヤ64Lを介して、上下に連結されることになる。そして、上側および下側調整ワイヤ64U,64Lの張力が増加すると、上側横部材44Uと下側横部材44Lが互いに近づくことになる。
調整機構66は、調整ワイヤ64の張力を調整するものであれば、その構成は、特に、限定されない。したがって、調整機構66は、例えば、図5に示すように、モータ70と、当該モータ70に連結されたボビン72と、を有する構造でもよい。この場合、ボビン72には、調整ワイヤ64の一部が固着されている。そして、モータ70の駆動に伴い、ボビン72が回転して、調整ワイヤ64が巻き取られると、調整ワイヤ64の張力が増加する。一方、ボビン72が逆回転して、調整ワイヤ64が巻き戻されると、調整ワイヤ64の張力が元に戻る。
また、別の形態として、調整機構66は、調整ワイヤ64を挟み込んで、当該調整ワイヤ64の動きを規制するストッパでもよい。かかるストッパは、例えば、図6に示すように、周面に調整ワイヤ64が通る貫通孔74aが形成された外筒74と、同じく周面に調整ワイヤ64が通る貫通孔76aが形成されるとともに外筒74内で進退する内筒76と、内筒76を一方向に付勢するバネ78と、を有してもよい。そして、バネ78の付勢力により、内筒76の貫通孔76aの位置を外筒74の貫通孔74aに対してズラすことで、二つの貫通孔74a,76aの周縁で調整ワイヤ64を挟み込むことができ、調整ワイヤ64のストッパに対する動きを規制できる。この場合、調整ワイヤ64の張力の変更は、手動または他の機構を用いて行なう。張力を変更する場合には、バネ78の付勢力に抗して内筒76を押し戻し、内筒76の貫通孔76aを、外筒74の貫通孔74aと同軸上に位置させる。そして、この状態で、ストッパに対する調整ワイヤ64の引き出し量を変更すればよい。
以上のように、本例では、上側横部材44Uおよび下側横部材44Lを互いに近づく方向に引っ張る調整ワイヤ64を設けているが、その理由について説明する。一般に、着座者の着座姿勢の安定化と着座疲労の軽減化を図るためには、立位時に人の脊椎が描く逆S字カーブを着座時にも保つとともに、着座時のストレスが集中する腰椎を適度な圧力で支持することが必要とされる。こうしたS字カーブを維持するように腰椎を支持することは、ランバーサポートと呼ばれている。従来から、このランバーサポートを実現するために、シートバック16に、着座者の背中に局所的な圧力を付加する空気袋や板材等を設けておくことが提案されている。こうした従来技術では、空気袋に注入する空気量を調整したり、モータで板材の撓み量を調整したりして、腰椎の支持力を調整している。
しかし、空気袋を利用する従来技術では、空気袋の配置された箇所のみが局所的に膨らむことになる。そのため、様々な体型に対応することが難しかった。もちろん、空気袋の数を増やし、空気袋ごとに注入する空気量を調整することで、様々な体型に対応しやすくなるが、この場合、コストが増加し、制御も複雑となる。また、板材を撓ませる技術の場合、着座者の上体のすぐ背後に硬い板材が存在することになる。そのため、板材を利用する技術では、座り心地については、改善の余地があった。
本例では、調整ワイヤ64を用いて二つの横部材44U,44Lを引っ張ることで、複数の架け渡しワイヤ56の張力、ひいては、着座者の上体の支持力を調整している。その結果、様々な体型に対応できるとともに良好な座り心地が得られる。具体的に、この支持力調整の原理について図7、図8を参照して説明する。図7は、シートバックフレーム38の概略側面図であり、図8は、調整ワイヤ64の張力を増加させた際のシートバックフレーム38の概略背面図である。
図7(a)に示すように、側面視において、上側横部材44Uは、縦部材42に対して角度α1だけ傾斜した状態で取り付けられている。同様に、下側横部材44Lは、縦部材42に対して角度α2だけ傾斜した状態で取り付けられている。この状態で、調整ワイヤ64の張力を増加させた場合、二つの横部材44U,44Lは、互いに近づく方向の力を受ける。この力を受けて、二つの横部材44U,44Lの水平方向に対する角度が変化する。一方、縦部材42は、横部材44U,44Lとの角度α1、α2を維持しようとするため、第一接続点58および第二接続点60における(鉛直方向に対する)傾斜角度が変化する。結果として、図7(b)に示すように、縦部材42は、第一接続点58と第二接続点60との間にある中間部62が、前方に膨らむように湾曲する。
また、二つの横部材44U,44Lの両端は、それぞれ、第一接続点58および第二接続点60において縦部材42に接続されている。この二つの横部材44U,44Lが互いに近づくことで、第一接続点58と第二接続点60との上下方向距離Hが縮まる。第一、第二接続点58,60の上下方向距離Hが縮まることで、縦部材42の長さが余るため、縦部材42が撓むことになる。この縦部材42の撓みは、図7(b)に示すように前後方向についても生じるし、図8に示すように幅方向についても生じる。
なお、本例では、上述したように、シートバックフレーム38は、吊り下げワイヤ50Cで吊り下げ保持されており、縦部材42の上下両端は、どこにも接続されていない自由端となっている。そのため、縦部材42は、比較的容易に撓むことができる。
縦部材42が撓むことにより、第一接続点58と第二接続点60との間にある中間部62では、二つの縦部材42の幅方向距離Wが、無負荷状態(図4の状態)に比べて増加することになる。一対の縦部材42の幅方向距離Wが、増加すると、当然ながら、当該一対の縦部材42に架け渡された架け渡しワイヤ56の張力が増加する。また、縦部材42が前方に湾曲することで、架け渡しワイヤ56は、より前方位置に移動する。架け渡しワイヤ56の張力が増加すれば、当然ながら、着座者の上体背部の支持力が増加する。また、架け渡しワイヤ56が前方に位置すれば、その分、架け渡しワイヤ56が着座者の上体背部から受ける力が大きくなり、支持力(反力)が増加するといえる。
つまり、本例によれば、調整ワイヤ64の張力を増加させると、中間部62、ひいては、着座者の腰部付近における支持力を増加させることができる。さらに、この支持力の増加量は、調整ワイヤ64の張力によって調整できる。また、上側調整ワイヤ64Uの張力と下側調整ワイヤ64Lの張力とに差をつけることで、縦部材42が撓む位置、ひいては、架け渡しワイヤ56による支持力が最も高くなる位置も変更することができる。
つまり、本例によれば、上側調整ワイヤ64Uおよび下側調整ワイヤ64Lの張力を調整することで、シートバック16の支持力の位置や大きさを、着座者の体型に応じて自由に変更できる。また、この支持力は、架け渡しワイヤ56の張力によって実現されている。この架け渡しワイヤ56は、従来技術で用いられていた板材と異なり、着座者の体格に応じて3次元的に変形できるため、より良好な座り心地が得られる。
なお、本例では、調整ワイヤ64を、横部材44U,44Lに沿って延ばしているが、図9に示すように、調整ワイヤ64を水平方向に延ばさず、横部材44Uの中央から直接、調整機構66に向かって延びる構成としてもよい。また、図10に示すように、シートバック16の右側、左側それぞれに調整機構66を設けておき、調整ワイヤ64の張力を右側および左側それぞれで独立して調整できるようにしてもよい。また、これまでの説明では、上側調整ワイヤ64Uの張力および下側調整ワイヤ64Lの張力を互いに独立して調整できるように、上側調整機構66Uと下側調整機構66Lと、を設けている。しかし、調整機構66は、上側および下側で同じ一つのものを用いてもよい。
また、上述の説明では、上側調整ワイヤ64Uと下側調整ワイヤ64Lは、調整機構66を介して接続されているが、上側調整ワイヤ64Uおよび下側調整ワイヤ64Lは、完全に独立していてもよい。これについて図11〜図12を参照して説明する。図11は、他の形態におけるシートバックフレーム38の背面図であり、図12は、図11のシートバックフレーム38の側面図である。図11(a)に示すように、この場合、上側横部材44Uは、後方に進むにつれ、下方に進むように傾斜した状態で縦部材42に取り付けられている。また、下側横部材44Lは、後方に進むにつれ、上方に進むように傾斜した状態で縦部材42に取り付けられている。したがって、側方から見た場合、上側横部材44Uおよび下側横部材44Lは、前方に向かって開いた略ハ字状に取り付けられている。
上側調整機構66Uは、図12に示すように、上側横部材44Uの幅方向中央に取り付けられている。上側調整ワイヤ64Uは、この上側調整機構66Uから、上側横部材44Uに沿って第一接続点58まで延びている。同様に、下側調整機構66Lは、下側横部材44Lの幅方向中央に取り付けられている。下側調整ワイヤ64Lは、この下側調整機構66Lから、下側横部材44Lに沿って第二接続点60まで延びている。
かかる構成において、上側調整ワイヤ64Uおよび下側調整ワイヤ64Lの張力を増加させると、第一接続点58には、斜め下向きかつ幅方向内向きの、第二接続点60には、斜め上向きかつ幅方向内向きの力がかかる。そして、これにより、図11(b)および図12(b)に示すように、第一、第二接続点58,60において、一対の縦部材42の幅方向距離Wが縮まると同時に、第一接続点58と第二接続点60との上下方向距離Hが縮まる。その結果、第一接続点58と第二接続点60との間の中間部62において、縦部材42が、前方かつ幅方向外側に膨らむように撓む。そして、結果として、第一接続点58と第二接続点60との中間高さである腰部付近において、架け渡しワイヤ56の支持力が増加し、腰部が適切に支持される。
なお、この場合でも、上側調整ワイヤ64Uと下側調整ワイヤ64Lそれぞれの張力を個別に調整することで、支持力の増加量や、増加位置を自由に調整できる。そして、これにより、着座者の体格に応じた良好な座り心地を提供できる。
なお、これまでの説明では、主に腰部付近の支持力を調整できる構成を例示している。しかし、本明細書に開示する技術は、横部材44の位置や数を適宜、変更するだけで、腰部に限らず、他の部位の支持力調整にも適用できる。例えば、本明細書の技術は、着座者の胸椎部付近を保持するアッパーサポートに適用してもよい。この場合、着座者の胸椎部の上下両側にも横部材44を設け、調整ワイヤ64で、これら横部材44を近づける方向に引っ張るようにすればよい。
また、これまでの説明では、説明を容易にするために、無負荷状態における縦部材42をストレート形状としているが、縦部材42は、湾曲させたい方向(すなわち、前方かつ幅方向外側)に予め湾曲させていてもよい。かかる構成とすることで、調整ワイヤ64の張力を増加させた際、縦部材42が、確実に、所望の方向に湾曲する。
10 車両用シート、12 メインフレーム、14 シートクッション、16 シートバック、18 シートクッション支持フレーム、20 シートバック支持フレーム、22 シートトラック、24 シート脚、26 ロアレール、28 アッパーレール、30 サイドプレート、32 連結バー、34 クッションパン、38 シートバックフレーム、40 シートバックパッド、42 縦部材、44L 下側横部材、44U 上側横部材、46 ばね受けブラケット、48 戻しばね、50A,50B,50C 吊り下げワイヤ、52 中継ディスク、54 肩部ブラケット、56 架け渡しワイヤ、58 第一接続点、60 第二接続点、62 中間部、64L 下側調整ワイヤ、64U 上側調整ワイヤ、66L 下側調整機構、66U 上側調整機構、68 ガイド部材、70 モータ、72 ボビン、74 外筒、76 内筒、78 バネ。

Claims (1)

  1. 乗員が着座するシートクッションと、乗員の上体を背後から支えるシートバックと、を有する車両シート構造であって、
    前記シートバックは、
    乗員の上体背部が当接するシートバックパッドと、
    前記シートバックパッドの背後かつ前記シートバックの左右両側において、略上下方向に延びる一対の縦部材であって、それぞれが第一接続点および前記第一接続点より下方に位置する第二接続点を有する一対の縦部材と、
    前記シートバックパッドを背後から支えるべく、前記一対の縦部材の間に架け渡される複数の架け渡しワイヤであって、上下方向に間隔を開けて複数設けられる架け渡しワイヤと、
    前記一対の縦部材それぞれの前記第一接続点同士を接続する第一横部材と、
    前記一対の縦部材それぞれの前記第二接続点同士を接続する第二横部材と、
    張力が高まることで、前記第一、第二横部材を互いに近づく方向に引っ張る1以上の調整ワイヤと、
    前記調整ワイヤの張力を調整する調整機構と、
    を備えることを特徴とする車両シート構造。
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