JP2020099233A - 雑草矮化シート及び雑草繁茂抑制方法 - Google Patents

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正二 古川
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利一 永井
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洋平 砂田
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Abstract

【課題】雑草などの草本植物の草丈が高くならないようにして草本植物の繁茂を抑制しつつ、モグラの侵入抑制も図ることができる雑草矮化シートの提供。【解決手段】草本植物の繁茂を抑制するための雑草矮化シート1であって、製編して形成された基材シート2で構成され、基材シート2には、製編により編み目として開口した貫通孔3が分布して配置され、基材シート2の貫通孔3を除く部分の製編ピッチが、0.3〜0.7mmであり、貫通孔3の孔径が、1〜3mmである。【選択図】図1

Description

本発明は、雑草などの草本植物が大きく生長することを抑制するとともに、草本植物の根により利用地の強靱化を図ることができる雑草矮化シート(利用地強靱化シート)、及びそれを用いた雑草繁茂抑制方法に関する。
所定の土地の表面に、栽培や生長を意図しない雑草などの草本植物が繁茂しないようにするため、その土地の表面に除草シートを敷設することがある。
除草シートは、一般に、遮光性を有する材料で形成されており、日光が透過しにくくなっている。このため、除草シートが敷設された土地では、地面に到達する日光の光量が制限されて、草本植物の生育が抑制される。
また、除草シートは、一般に、透水性の低い材料で形成されており、雨水が通過しにくくなっている。このため、除草シートが敷設された土地では、雨水が地面に到達しにくくなり、これによっても草本植物の生育が抑制される。
これらの効果により、除草シートが敷設された土地は、草本植物が生育しにくい環境となる。
ところが、日光を完全に遮断し、雨水の通過を完全に阻止して、草本植物がまったく生えていない環境をつくってしまうと、却って不都合が生じることがある。
例えば、田畑の畦畔に草本植物がまったく生えていない環境をつくると、草本植物の根による土壌の固定効果を利用することができなくなる。その結果、畦畔の上方から浸透した雨水によって畦畔の土壌が軟弱化して、畦畔の崩壊が惹起されるおそれがある。
また、山地や丘陵地などにおける傾斜面、特に、切土や盛土によってつくられる法面においても、草本植物がまったく生えていない環境をつくると、草本植物の根による土壌の固定効果を利用することができなくなる。その結果、法面のさらに上方から浸透した雨水によって法面の土壌が軟弱化して、側溝が流失土砂で埋まりやすくなり、また、法面の浸食、さらには崩落を招くおそれがある。
このため、畦畔や法面においては、草本植物がまったく生えていない環境をつくるのではなく、草本植物の根部を健全な状態で残存させつつ、草本植物の繁茂を抑制することで、上記のような不都合を生じさせないようにすることが望ましいとされている。
そこで、草本植物の根部を健全な状態で残存させつつも、草本植物の地表面上の部分の生育の制限等を可能とする除草シートが、特許文献1に雑草抑制シートとして提案されている。
この雑草抑制シートは、所定の熱可塑性樹脂を材料として形成された一軸延伸糸を用いて平織りされた布状体であって、多数本の一軸延伸糸の各間に形成される間隙の占める割合である空隙率を6%以下としている。これにより、この雑草抑制シートの表面上に降り注いだ雨水がその間隙を所定の割合で通過するので、この雑草抑制シートが敷設された地表に雨水が到達して浸透し、草本植物の根部を健全な状態で残存させることができる。
また、この雑草抑制シートは、積算遮光率を70〜95%としており、日光の透過量が制限されることから、この雑草抑制シートが敷設された土地においては、草本植物の根部を健全な状態で残存させつつも、草本植物の地表面上の部分の生長を制限することができる。
特開2006−025642号公報
ところが、上述した雑草抑制シートを含む従来の除草シートには、以下のような問題があった。
例えば、従来の除草シートでは、全体的な透水性を確保するための空隙を通り抜けて生長した雑草などの草本植物を弱体化させることが困難であった。
特に、平織のような織物で形成された雑草抑制シートでは、空隙を通り抜けて生長した草本植物の茎が太くなるにつれて空隙が拡大しやすいため、空隙を通り抜けた雑草が制約を受けずに、草本植物の地上部が高く生長してしまうことがあった。
また、従来の遮光性を有する除草シートを敷設した土地では、日光が地面に届かず、日光を嫌うモグラの格好の住み処となってしまうことがあった。その結果、モグラが掘ったトンネルが雨水の通り道となって、トンネルの周囲が浸食され、遂には畦畔や法面が崩壊してしまうおそれがあった。さらに、モグラを餌とするイノシシなどの動物が、モグラを探して畦畔や法面を掘り返してしまうこともあった。
また、近年、休耕地などに太陽電池パネルが多数設置されている。太陽電池パネルを設置した土地で雑草などの草本植物が繁茂すると、草丈の高い草本植物によって太陽電池パネルが日陰となってしまうことがある。そこで、地表をアスファルトで舗装したり、除草シートで覆ったりすることが多い。
ところが、アスファルト舗装や除草シートの敷設により、草本植物がまったく生えていない環境をつくると、草本植物の蒸散作用がなくなり、気温の上昇を招いてしまう。その結果、特に夏期に、太陽電池パネルの発電効率が一層低下してしまうことがあった。
このように、畦畔や法面のような傾斜面を有する土地だけでなく、太陽電池パネルの設置用地のような平坦地においても、雑草のような草本植物の地上部が高く生長することを抑制しつつ、モグラの侵入抑制を図ることができる技術が求められていた。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、雑草などの草本植物の草丈が高くならないようにして草本植物の繁茂を抑制しつつ、モグラの侵入抑制も図ることができる雑草矮化シート及びそれを用いた雑草繁茂抑制方法を提供することを目的としている。
上記目的を達成するため、本発明の雑草矮化シートは、草本植物の繁茂を抑制するための雑草矮化シートであって、所定の糸を製編して形成された基材シートで構成され、前記基材シートには、製編により編み目(目合い)として開口した貫通孔が分布して配置され、前記基材シートの前記貫通孔を除く部分の製編ピッチが、0.3〜0.7mmであり、前記貫通孔の孔径が、1〜3mmであることを特徴としている。
また、本発明の雑草繁茂抑制方法は、草本植物の繁茂を抑制する雑草繁茂抑制方法であって、所望の地面に雑草矮化シートを敷設する工程を有し、前記雑草矮化シートは、所定の糸を製編して形成された基材シートで構成され、前記基材シートには、製編により編み目として開口した貫通孔が分布して配置され、前記基材シートの前記貫通孔を除く部分の製編ピッチが、0.3〜0.7mmであり、前記貫通孔の孔径が、1〜3mmであることを特徴としている。
ていることを特徴としている。
本発明における雑草矮化シートは、所定の糸を製編して形成された基材シートで構成されている。
レース編を透かし編みとも称するように、レース編等で製編された基材シートには、一面に無数の隙間が形成されている。このため、本発明の雑草矮化シートを敷設した土地では、雨水が地面に浸透するだけでなく、モグラが嫌う日光がある程度地面に届くことになる。
ところで、基材シートの製編ピッチ(目合い)が狭すぎると、雑草矮化シートで覆われた地面に届く日光が少なくなり過ぎて、モグラの侵入抑制の効果が低下しまう。一方、製編ピッチが広すぎると、基材シート下で発芽した雑草が基材シート一面に生長して繁茂しすぎてしまうともに、一面に繁茂した雑草に遮られて地面に届く日光が更に減少してしまう。
そこで、本発明の発明者は、種々の実験及び検討を重ねた結果、モグラの侵入抑制を図ることができる程度の日光を透過させるとともに、基材シート下で発芽した雑草が基材シートの編み目のピッチの隙間から生長することが困難となる基材シートの製編ピッチが、0.3〜0.7mm、好ましくは、0.4〜0.6mm、より好ましくは、0.5mmであることを見出した。
また、本発明の雑草矮化シートの基材シートには、製編により編み目として開口した貫通孔が分布して配置されている。その結果、敷設された雑草矮化シートのあちらこちらで、これらの貫通孔を貫通して、雑草が生長することができる。
ここで、貫通孔が製編により編み目として形成されているため、貫通孔から生長した雑草の茎が貫通孔を押し広げようとしても、貫通孔は実質的に拡大しない。その結果、ある程度生長した雑草は、その根元で貫通孔によって締め付けられて、維管束を通る水分や養分の移動が妨げられる。このため、ある程度生長した雑草は弱体化して草丈が抑制される。
また、貫通孔からある程度生長した雑草は、根元の茎が貫通孔によって括れるため、台風などの強風時に根元で屈曲されやすい。その結果、ある程度生長した雑草は倒れやすく、この点からも草丈が抑制される。
このように製編された基材シートに対して、例えば平織りのような織物の空隙を貫通孔としたのでは、雑草の茎が太くなるにつれて糸目がずれて貫通孔が押し広げられてしまいやすい。また、パンチにより形成した打抜孔を貫通孔とした場合も、打抜孔の縁で繊維が切断されているため、雑草の茎が太くなるにつれて打抜孔が押し広げられてしまいやすい。
この点、本発明では、貫通孔がレース編等の製編により編み目として形成されているため、雑草の茎によって貫通孔が押し広げられることが実質的に防止される。
ところで、貫通孔の孔径が小さすぎると、貫通孔を貫通して雑草が生長すること自体が困難となってしまう。一方、貫通孔の孔径が大きすぎると、貫通孔による雑草生長の抑制効果が不十分となり、雑草が繁茂しすぎて草丈が高くなりすぎてしまう。
そこで、本発明の発明者は、種々の実験及び検討を重ねた結果、貫通孔から雑草が生長することができ、かつ、雑草の生長が抑制される貫通孔の孔径が1〜3mm、好ましくは、1.5〜2.5mm、より好ましくは2mmであることを見出した。
本発明によれば、雑草の草丈が高くならないようにして雑草の繁茂を抑制しつつ、モグラの侵入抑制も図ることができる雑草矮化シート及びそれを用いた雑草繁茂抑制方法を提供することができる。
本発明の第1実施形態に係る雑草矮化シートの全体を模式的に示す平面図と、その部分拡大図である。 (a)は、本発明の第2実施形態に係る雑草矮化シートの断面図であり、(b)は変形例の雑草矮化シートの断面図である。 本発明の第2実施形態に係る雑草矮化シートの断面図であって、貫通孔が貯水する様子を示す図である。 本発明の第2実施形態に係る雑草矮化シートの断面図であって、エッジ部により植物の茎が弱体化される様子を示す図である。
以下、図面を参照して、本発明の矮化シートの実施形態を説明する。
(第1実施形態)
まず、本発明に係る雑草矮化シートの第1実施形態を説明する。
図1に示す本実施形態に係る雑草矮化シート1は、雑草の繁茂を抑制するための雑草矮化シートであって、所定の糸を製編して形成された基材シート2で構成され、
基材シート2には、製編により編み目として開口した貫通孔3が分布して配置されている。
さらに、基材シート2の周辺部(例えば、四隅付近)には、所定間隔でアンカー孔4が開口している。雑草矮化シート1の敷設にあたっては、アンカー孔4に、楔状のアンカーのような固定具を打ち込むことによって、基材シート2を地面に固定する。アンカー孔4の孔径は、アンカーが貫通できる大きさであればよい。また、アンカー孔4も製編により編み目として形成されていることが好ましい。
例えば、図1に示すように、アンカー孔4を所定の間隔で開口させ、くさび状のアンカーを打ち込むことによって雑草矮化シート1を地面に固定することができる。
[基材シート]
このように、本実施形態の雑草矮化シート1は、所定の糸を製編して形成された基材シート2で構成されている。基材シート2は、好ましくは、2枚以上の筬をもつ経編機(例えば、ラッセル編機)によって製編される経編地(例えば、レース編地)である。
さらに、より好ましくは、基材シート2は、ラッセル(ラッシェル)編のレース編地のなかでも、貫通孔3の孔径がより拡大しにくいジャガード編機で製編されたジャガード編地であるとよい。
図1の下段の部分拡大図に模式的に示すように、レース編を透かし編みとも称するように、レース編等で製編された基材シート2には、一面に無数の隙間が形成されている。このため、本発明の雑草矮化シートを敷設した土地では、雨水が地面に浸透するだけでなく、モグラが嫌う日光がある程度地面に届くことになる。
ところで、基材シートの製編のピッチ(目合い)が狭すぎると、雑草矮化シートで覆われた地面に届く日光が少なくなり過ぎて、モグラの侵入抑制の効果が低下しまう。一方、製編のピッチが広すぎると、基材シート下で発芽した雑草が基材シート一面に生長して繁茂しすぎてしまうともに、一面に繁茂した雑草に遮られて地面に届く日光も更に減少してしまう。
そこで、本発明の発明者は、種々の実験及び検討を重ねた結果、モグラの侵入抑制を図ることができる程度の日光を透過させるとともに、基材シート下で発芽した雑草が基材シート2の製編のピッチの隙間から生長することが困難となる基材シートの製編ピッチが、0.3〜0.7mm、好ましくは、0.4〜0.6mm、より好ましくは、0.5mmであることを見出した。
また、基材シートの製編ピッチは、基材シート2を製編する糸の糸密度として規定することもできる。例えば、糸密度を密にしすぎた場合、遮光度が高くなるとともに、透水度が低くなるので、植物が生えにくくなる。一方、糸密度を粗にしすぎた場合、遮光度が低くなるとともに、透水度が高くなるので、植物が生えすぎて、抑制できなくなる。
そこで、適切な遮光度及び透水度を有することとなる糸密度は、12〜16[本/cm]であることが望ましく、特に、14[本/cm]が最適である。
[基材シートの貫通孔]
また、本実施形態の雑草矮化シート1の基材シート2には、製編により編み目として開口した貫通孔3が分布して配置されている。その結果、敷設された雑草矮化シート1のあちらこちらで、これらの貫通孔3を貫通して、雑草が生長することができる。
しかし、貫通孔3が製編により編み目として形成されているため、貫通孔3から生長した雑草の茎が貫通孔3を押し広げようとしても、貫通孔3は実質的に拡大しない。このため、貫通孔3から生長した雑草の茎は、貫通孔を通過する部分で貫通孔3の孔径よりも太くなることができない。その結果、雑草の根本付近の茎が貫通孔3によって締め付けられて括れて、維管束を通る水分や養分の移動が妨げられ、ある程度生長した雑草は弱体化して草丈が抑制される。
また、貫通孔3からある程度生長した雑草は、茎の根元部分が貫通孔3によって括れているため、台風などの強風時に根元で屈曲されやすい。その結果、ある程度生長した雑草は倒れやすく、この点からも草丈が抑制される。
このように製編された基材シート2に対して、例えば平織りのような織物の空隙を貫通孔としたのでは、雑草の茎が太くなるにつれて糸目がずれて貫通孔が押し広げられやすい。また、パンチにより形成した打抜孔を貫通孔とした場合も、打抜孔の縁で繊維が切断されているため、雑草の茎が太くなるにつれて打抜孔が押し広げられやすい。
この点、本実施形態の雑草矮化シート1では、貫通孔3がレース編等の製編により編み目として形成されているため、雑草の茎によって貫通孔が押し広げられることが実質的に防止される。
[貫通孔の孔径]
ところで、貫通孔3の孔径が小さすぎると、貫通孔3を貫通して雑草が生長すること自体が困難となってしまう。一方、貫通孔3の孔径が大きすぎると、貫通孔3による雑草の生長抑制効果が不十分となり、雑草が繁茂しすぎて草丈が高くなりすぎてしまう。
そこで、本発明の発明者は、種々の実験及び検討を重ねた結果、貫通孔3から雑草がある程度(例えば、数十センチメートル程度)生長することができ、かつ、雑草の生長が抑制される貫通孔3の孔径が1〜3mm、好ましくは、1.5〜2.5mm、より好ましくは2mmであることを見出した。
なお、貫通孔3の形状は、円形に限定されず、例えば、楕円形又は樽形でもよいし、正方形、長方形などの四角形をはじめとする多角形でもよい。貫通孔3の形状が円形以外の場合の孔径の上記数値は、例えば、貫通孔3の最大孔径となる長さの値とするとよい。
[貫通孔の分布]
また、基材シート2に開口している貫通孔3の配置及び分布密度は、例えば、雑草矮化シート1が敷設された土地の表面における植物の生えやすさを考慮して決めるとよい。
本実施形態では、基材シート2の経方向、横方向に隣接する貫通孔3どうしの間隔が、所定の間隔(例えば、5〜10cm)となるように規則正しく貫通孔3が配置されているが、貫通孔3の分布密度はこれに限定されない。
なお、敷設された雑草矮化シート1は、通常、長期間にわたって直射日光に晒される。しかし、特に紫外線強度が強くなる夏期には、雑草矮化シート1上の所々で雑草が適度に繁茂するため、基材シート2に照射する直射日光が適度に弱められることになる。その結果、日光(特に紫外線)による基材シート2の劣化が緩和されて、雑草矮化シート1が長持ちすることになり、耐用年数の向上を図ることができる。
[基材シートの糸]
また、基材シート2を製編する糸は、雑草矮化シート1の屋外での使用を想定し、合成繊維を材料として形成することが望ましい。また、糸は、形成の過程で延伸することを考慮して、延伸効果の大きい熱可塑性樹脂、特に、結晶性樹脂を材料として形成することが望ましい。
これら糸の材料として用いることが可能な合成樹脂の具体例を挙げると、例えば、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン・α−オレフィン共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体等のオレフィン系重合体、ポリ乳酸、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル、ナイロン6、ナイロン66等のポリアミド、アクリルニトリル、ビニロン等が挙げられる。中でも、ビニロンは、耐候性に優れていることから、屋外での使用が想定される雑草矮化シート1の糸の材料として好適である。
また、基材シート2を製編する糸は、いずれも長尺状に形成された合成樹脂製の糸材であって、その形状は、例えば、糸状、紐状、リボン状、帯状、テープ状、モノフィラメントなどの線条等のいずれであってもよい。糸の断面の形状は、矩形、円形、楕円形、長円形、その他異形体のいずれであってもよい。
糸の製造方法としては、例えば、熱可塑性樹脂フィルムを所定の幅の短冊状に切断(スリット)し、これを一軸延伸することによりフラットヤーンを形成し、これを糸として用いる方法とすることができる。また、そのフラットヤーンに撚りをかけたものを糸として用いることができる。
糸の色は、特に限定されるものではないが、例えば、雑草矮化シート1が土壌の表面上に敷設されることを想定し、土壌の色に馴染む色、あるいは、環境を損なわないように落ち着いた色とすることが望ましく、例えば、黒、茶色や緑色等が適している。
また、糸の色は、遮光性を高めるために、入射光の反射率が高い色、例えば、白色、黄色、銀色、白色に近い灰色などとすることもできる。このように反射率の高い色で着色された雑草矮化シート1は、次のような効果を奏する。例えば、この雑草矮化シート1に入射した太陽光は、高い割合でこの雑草矮化シート1の表面にて反射するようになり、この雑草矮化シート1を透過する光が制限される。このため、この雑草矮化シート1が敷設された地表における植物の繁茂を抑制できる。
雑草矮化シート1の糸の太さは、例えば、この雑草矮化シート1に付与すべき強度に応じて決めることができる。
雑草矮化シート1は、所定の土地の表面上に敷設されるため、この上を人が通ることが想定される。よって、雑草矮化シート1は、人に踏みつけられても簡単には破れない程度の強度が必要となる。
一方、糸の太さを太くしすぎると、雑草矮化シート1の柔軟性が低下する。
これらの条件を満たした糸の太さとしては、例えば、500〜2000デニールが適しており、より好ましくは、1000デニールが最適である。
このように、本実施形態の雑草矮化シート1を敷設した土地では、基材シート2がレース編地などの製編されているため、雨水が地面に浸透するだけでなく、モグラが嫌う日光がある程度地面に届くことになる。
これにより、雑草矮化シート1を敷設した土地へのモグラの侵入を抑制し、例えば、モグラが掘ったトンネルによる、畦畔や法面の浸食、崩落の防止を図ることができる。
また、基材シート2に、製編により編み目として開口した貫通孔3から生長した雑草は、貫通孔3が実質的に拡大しないため、ある程度生長すると生長が抑制される。その結果、雑草の根部を残存させつつも、雑草の地表面上の部分の生長が抑制されて、草丈が高くならないように雑草の繁茂が抑制される。
これにより、雑草矮化シート1を敷設した土地、特に、畦畔や法面といった傾斜面の土壌が軟弱化を防止して、土砂の流失を抑制し、傾斜面の浸食、崩落の防止を図ることができる。
さらに、太陽電池パネルを設置した土地、特に、休耕地のような平坦地においても、雑草矮化シート1を施設すれば、草丈が高くならないように雑草を繁茂させることができる。その結果、草丈の高い雑草によって太陽電池パネルが日陰となることが防止されるとともに、雑草の蒸散作用により気温の上昇を抑制して、太陽電池パネルの発電効率が高温により低下することの抑制を図ることができる。
(第2実施形態)
次に、本発明に係る雑草矮化シートの第2実施形態を説明する。
本実施形態の雑草矮化シート1A及び1Bは、図1に示した第1実施形態の雑草矮化シート1と同様の外観を有するが、基材シート2は、撥水加工が施され、貫通孔3は、当該貫通孔3の断面形状として、基材シート2の少なくとも一方の面側において貯水可能な凹形状を有することを特徴としている。
基材シート2の撥水加工に使用する撥水加工剤は、シリコーン系撥水剤、フッ素系撥水剤などの合成繊維に使用される撥水剤を用いることができるが、耐久性の面からフッ素系撥水剤が好ましい。
また、撥水処理方法については、特に限定されるものではないが、パディング法、スプレー法、コーティング法などを採用することができ、中でも撥水剤を含む加工液に経編地を含浸させた後、一定の絞り率によって絞る方法が好ましい。
このような撥水加工を基材シート2に施すことにより、霧状の水滴を通過させながらも、雨水などの比較的大粒な水滴をはじくことができる。
また、本実施形態の基材シート2は、所定の合成繊維で形成された多数本の糸を製編して形成され、好ましくは、2枚以上の筬をもつ経編機(例えば、ラッセル編機)によって製編される経編地(例えば、レース編地)であり、シート厚み方向において多層構造を有している。
さらに、本実施形態においても、基材シート2は、ラッセル(ラッシェル)編のレース編地のなかでも、ジャガード編機で製編されたジャガード編地であることが好ましい。
また、基材シート2は、相互に所定の間隔をおいて開口される複数の貫通孔3を備えている。
貫通孔3は、基材シート2において、例えば、1cm〜30cm、好ましくは、1cm〜20cm、より好ましくは、5cm〜10cmの間隔をおいて開口されていることが好ましい。貫通孔3の間隔は、雑草矮化シート1を敷設する土地の植生に応じて適宜選択するとよい。
また、貫通孔3の孔径は、比較的背の低い(50cm)雑草(の茎)が通り抜け可能な大きさであって、水の有する表面張力により水滴を保持可能な程度の大きさが好ましく、例えば、φ1mm〜φ5mmが好ましい。
特に、貫通孔3は、図2(a)及び図2(b)に示すように、凹状の断面形状を有することが好ましい。
本実施形態に係る雑草矮化シート1A及び1Bは、図2(a)及び図2(b)に示すように、基材シート2の少なくとも一方の面側において貯水可能な凹形状を有している。
この場合、基材シート2において孔径の大きい側が天を向くとともに、孔径の小さい側が土壌側を向くように、雑草矮化シート1A及び1Bを敷設することが好ましい。
また、凹形状は、図2(a)及び図2(b)に示すように、すり鉢形状が好ましい。
このような凹形状により、図3に示すように、撥水加工により経編地に吸収されることなく基材シート2表面に滞在する水を、基材シート2上に点在する複数の貫通孔3に効果的に溜めることができる。また、すり鉢形状により、基材シート2表面に滞在する水を貫通孔3に誘導することができる。
このように、貫通孔3に水滴を溜めることにより、雑草矮化シート1A及び1Bを土壌に敷設したときには、基材シート2上において局所的な部分(貫通孔3)から土壌に対してより多くの水を供給することが可能となり、この貫通孔3に対応する土壌からの雑草の育成を促進しつつ、その他の領域からの雑草の育成を制限することができる。
また、凹形状(すり鉢形状)は、基材シート2の一方の面側のみならず、図2(a)に示すように、他方の面側にも設けることが好ましい。これにより、雑草矮化シート1が天地無用となり、表裏を気にすることなく、敷設することができる。
また、基材シート2の断面形状において、図2(b)に示すように、すり鉢形状に加えて紡錘形状を組合せることが好ましい。このような紡錘形状に有することにより、図3(b)に示すように、紡錘形状の中に水滴を効果的に保持することができる。
なお、凹形状における貫通孔3の内径(最も小さい径)は、φ4mm以下が好ましい。
このような断面形状は、製編される経編地において、シート厚み方向において多層構造を形成することにより実現できる。
例えば、図2(a)及び図2(b)において、ベースとなる経編地21(21a,21b又は21a〜21c)に、柄22を縫いつけることにより、断面すり鉢形状などの凹形状を形成することができる。
また、ベースとなる経編地21も、糸の太さを変化させることにより、図2(a)に示すように、断面すり鉢形状(21a,21b)を形成することができる。
この場合、経編地21aが細い糸の層、経編地21bが太い糸の層となる。
また、同様に、図2(b)に示すように、断面紡錘形状(21a,21b,21c)を形成することができる。
この場合、経編地21bが細い糸の層、経編地21a,21cが太い糸の層となる。
このような多層構造は、2層以上が好ましく、トリコット編、ラッセル編、ジャガード編等により形成されることが好ましいが、これらに限定されるものではない。
基材シート2は、表層の糸条(表糸)と裏層の糸条(裏糸)が繋ぎ糸によって接結されており、繋ぎ糸を複数の筬で構成するとともに、表糸、裏糸、繋ぎ糸の各糸の太さを違えることにより、図2(a)及び図2(b)に示すような複雑な断面形状を形成することができる。
さらに、断面形状内において、貫通孔3の中心に向けて突出するエッジ部31を備えることが好ましい。このエッジ部31は、貫通孔3において最も内側(中心より)の内周に形成されることが好ましい。
このようなエッジ部31を備えることにより、以下の効果を発揮する。
前述したように、貫通孔3は貯水効果を有し、この貫通孔3に対応するところの土壌から雑草が育成しやすいことから、図4に示すように、この貫通孔3を通り抜けて雑草が生えることがある。
この場合、貫通孔3を通り抜けた雑草は、茎が太くなるように成長しようとするが、貫通孔3の孔径によりその成長が阻まれることになる。
さらに、風雨に曝されることにより、横方向等に揺動する雑草の茎等がエッジ部31に当接することになる。このような当接により、雑草の茎等が傷み、雑草自体が弱体化し、その後、枯死することになる。このような弱体化により雑草が枯死するものの、根部は健全な状態で残存していることから、土壌の軟弱化が抑制され、土の流失や法面の崩落を防止することができる。
その後、根部の残存により、新たに発芽するものの、上記の繰り返しとなり、土壌の軟弱化が抑制されることになる。
なお、エッジ部31は、図4(a)に示すように、1つでもよいが(図2(a)に対応)、図4(b)に示すように、複数(31a,31b)あってもよい(図2(b)に対応)。
基材シート2は、黒色の糸により製編された経編地(布状体)であることから、生地全体として透光性及び透水性を有している。
このような経編地により、日光が完全に遮断されることなく、基材シート2の表面上に降り注いだ雨水も編地の間隙を所定の割合で通過するので、この雑草矮化シート1A及び1Bが敷設された地表に雨水が到達して浸透し、植物の根部を健全な状態で残存させつつも植物の地表面上の部分の生育の制限することができる。
また、雑草矮化シート1A及び1Bには、複数本の糸が用いられるが、複数本の糸の一部を、親糸(おやいと)を用いて構成することができる。
親糸は、他の糸よりも太いことから、それら他の糸よりも柔軟性が低く硬質となっている。このことから、このような親糸を複数本の糸の一部として用いることにより、雑草矮化シート1A及び1Bの全体の平面性を保持しつつ、安定的に地面に敷設することができる。
この親糸を雑草矮化シート1A及び1Bに複数本配置する場合、これら複数本の親糸は、等間隔で配置することができる。
そこで、親糸の太さは、例えば、繊度では、他の糸の2倍以上とするのが望ましい。また、親糸の太さは、2000〜20000デニールが適しており、さらに好ましくは、10638デニール(総合番手で0.5番(綿番手による表示))程度が最適である。
親糸は、単糸であってもよく、あるいは、複数本の糸を撚り合わせたものであってもよい。
以上説明したように、本実施形態の雑草矮化シート1A及び1Bによれば、この雑草矮化シート1A及び1Bが敷設された土地の表面に生育している植物が当該雑草矮化シート1A及び1Bにおける各貫通孔3を通り抜けて、当該雑草矮化シート1A及び1Bの表面に出ることができる。これにより、雑草矮化シート1A及び1Bは、植物の繁茂を抑制しつつも、当該雑草矮化シート1A及び1Bの表面上において植物を所定の割合で分布させることができる。
また、雑草は。貫通孔3を通して成長しつつも、貫通孔3の孔径によりその成長が阻まれ、ひいては、エッジ部31により弱体化され、草丈が高くなることが抑制される。
ただし、根部は健全な状態で残存していることから、畦面や法面の土壌の軟弱化が抑制され、土の流失、畦面や法面の崩落を防止することができる。
なお、本実施形態では、貫通孔の断面の凹形状として、すり鉢形状を採用したが、断面形状はこれに限定されない。
以上、本発明について、好ましい実施形態を示して説明したが、本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能であることは言うまでもない。
例えば、上述した実施形態では、貫通孔を円形の開口とした例を説明したが、貫通孔の開口形状はこれに限定されず、例えば、楕円形又は樽形であってもよいし、長方形又は長方形のような四角形であってもよい。
本発明の雑草矮化シート及び雑草繁茂抑制方法は、例えば、道路、鉄道、土手などの法面、田畑の畦畔、及び、太陽光発電パネルの設置用地の地表を覆って雑草の繁茂を抑制するために好適に適用することができる。
1,1A,1B 雑草矮化シート
2 基材シート
3 貫通孔
31 エッジ部
4 アンカー孔

Claims (6)

  1. 草本植物の繁茂を抑制するための雑草矮化シートであって、
    製編して形成された基材シートで構成され、
    前記基材シートには、製編により編み目として開口した貫通孔が分布して配置され、
    前記基材シートの前記貫通孔を除く部分の製編ピッチが、0.3〜0.7mm
    前記貫通孔の孔径が、1〜3mmである
    ことを特徴とする、雑草矮化シート。
  2. 前記基材シートは、レース編地であり、
    前記貫通孔は、レース編みの編み目として開口している
    ことを特徴とする、請求項1記載の雑草矮化シート。
  3. 前記貫通孔は、当該貫通孔の断面形状として、前記基材シートの少なくとも一方の面側において凹形状を有し、
    前記貫通孔は、前記凹形状として、すり鉢形状に形成されるとともに、
    当該貫通孔の中心に向けて突出するエッジ部を有し、
    前記エッジ部は、当該貫通孔の最も中心よりの内周を形成する
    ことを特徴とする請求項1又は2記載の雑草矮化シート。
  4. 前記貫通孔の断面形状は、細い糸により製編される層と、太い糸により製編される層とをシート厚み方向に積層させて形成されている
    ことを特徴とする請求項3記載の雑草矮化シート。
  5. 前記基材シートは、撥水加工が施されている
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の雑草矮化シート。
  6. 草本植物の繁茂を抑制する雑草繁茂抑制方法であって、
    所望の地面に雑草矮化シートを敷設する工程を有し、
    前記雑草矮化シートは、製編して形成された基材シートで構成され、
    前記基材シートには、製編により編み目として開口した貫通孔が分布して配置され、
    前記基材シートの前記貫通孔を除く部分の製編ピッチが、0.3〜0.7mm
    前記貫通孔の孔径が、1〜3mmである
    ことを特徴とする、雑草繁茂抑制方法。
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