JP2020098838A - 熱硬化性樹脂フィルム、絶縁材料、プリント配線板、及びプリント配線板の製造方法 - Google Patents

熱硬化性樹脂フィルム、絶縁材料、プリント配線板、及びプリント配線板の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】導体に重ねて絶縁層を作製する場合に導体と絶縁層との間の未充填を生じにくくできる熱硬化性樹脂フィルム、及び絶縁材料を提供する。【解決手段】熱硬化性樹脂フィルムの硬化物とプリプレグの硬化物とを含む絶縁層を作製するための熱硬化性樹脂フィルムであって、熱硬化性樹脂フィルムが最低溶融粘度を示す第一温度は、プリプレグが最低溶融粘度を示す第二温度よりも低い。【選択図】図1

Description

本開示は、熱硬化性樹脂フィルム、絶縁材料、プリント配線板、及びプリント配線板の製造方法に関する。詳細には、プリント配線板の絶縁層に用いられる熱硬化性樹脂フィルム、この熱硬化性樹脂フィルムを含有する絶縁材料、この絶縁材料の硬化物を備えるプリント配線板、及びプリント配線板の製造方法に関する。
従来、プリント配線板の導体配線を覆う絶縁層を作製するために、樹脂成分と、ガラスクロス等を含有するプリプレグとを含む絶縁材料から絶縁層を作製することが行われている。
特許文献1では、バイアホールを有する基板と、無機フィラーを含有させたプリプレグとの間に、熱溶融可能で熱硬化性を有する樹脂フィルムを配して積層物を形成することで多層プリント配線板を製造することが開示されている。特許文献1の開示によると、基板のバイアホールに樹脂フィルムを溶融させて充填することで、絶縁層を形成する。
特開2003−37362号公報
しかし、特許文献1の樹脂フィルムを用いても導体配線等の導体の隙間を十分に埋められないことがあり、特に導体配線の厚みが大きいと、導体と絶縁層との間の未充填が生じやすくなってしまうという問題があった。
本開示の目的は、導体に重ねて絶縁層を作製する場合に導体と絶縁層との間の未充填を生じにくくできる熱硬化性樹脂フィルム、絶縁材料、及びプリント配線板を提供することにある。
また、本開示の他の目的は、導体に重ねて絶縁層を作製する場合に導体と絶縁層との間に未充填を生じにくくできるプリント配線板の製造方法を提供することにある。
本開示の一態様に係る熱硬化性樹脂フィルムは、熱硬化性樹脂フィルムの硬化物とプリプレグの硬化物とを含む絶縁層を作製するための熱硬化性樹脂フィルムであって、前記熱硬化性樹脂フィルムが最低溶融粘度を示す第一温度は、前記プリプレグが最低溶融粘度を示す第二温度よりも低い。
本開示の一態様に係る絶縁材料は、絶縁層を作製するために用いられる。前記絶縁材料は、前記熱硬化性樹脂フィルムと、プリプレグとを含む。
本開示の一態様に係るプリント配線板は、導体と、前記導体に重なる絶縁層とを備える。前記絶縁層は、前記熱硬化性樹脂フィルムの硬化物及びプリプレグの硬化物と、前記絶縁材料の硬化物とのうちのいずれか一方を含む。
本開示の一態様に係るプリント配線板の製造方法は、導体と、前記導体に重なる絶縁層とを備えるプリント配線板の製造方法である。前記導体と、前記導体上に重なる熱硬化性樹脂フィルムと、前記熱硬化性樹脂フィルム上に重なるプリプレグとを含む積層物を熱プレスする工程を含む。前記熱硬化性樹脂フィルムが最低溶融粘度を示す第一温度は、前記プリプレグが最低溶融粘度を示す第二温度よりも低い。
本開示の一態様の熱硬化性樹脂フィルム、絶縁材料、及びプリント配線板、並びにプリント配線板の製造方法によれば、導体に重ねて絶縁層を作製する場合に導体と絶縁層との間に未充填を生じにくくできるという利点がある。
図1Aは、本開示の実施形態に係る熱硬化性樹脂フィルム、及び熱硬化性樹脂フィルムとプリプレグとを含む絶縁材料と、基材とを積層した状態(積層物)を示す断面図である。図1Bは、本開示の実施形態に係るプリント配線板の概略を示す断面図である。 図2は、本開示の実施形態に係る熱硬化性樹脂フィルム及びプリプレグの温度と溶融粘度の関係を示す溶融粘度曲線の一例である。
まず本実施形態に係る熱硬化性樹脂フィルムの概要について説明する。ただし、以下に説明する実施形態は、本開示の様々な実施形態の一つに過ぎない。以下の実施形態は、本開示の目的を達成できれば設計に応じて種々の変更が可能である。
本実施形態に係る熱硬化性樹脂フィルム1は、熱硬化性樹脂フィルム1の硬化物10とプリプレグ2の硬化物20とを含む絶縁層30を作製するために用いられる。熱硬化性樹脂フィルム1が最低溶融粘度を示す温度(以下、第一温度T1という)は、プリプレグ2が最低溶融粘度を示す温度(以下、第二温度T2という)よりも低い。本明細書において、「最低溶融粘度」は、レオメータ(株式会社ユービーエム 型番 Rheosol G−3000)により、パラレルプレートを使用し昇温速度3℃/min、周波数0.009rad/s、の測定条件で、加熱幅60℃から160℃の範囲で物質の溶融粘度を測定することで得られる。具体的には、上記の条件で測定した結果から得られる温度と溶融粘度との関係を示す溶融粘度曲線(図2の破線(i)及び実線(ii)で示す曲線参照)から最低溶融粘度を確認できる。また、本明細書において、「プリプレグの最低溶融粘度」とは、プリプレグを構成する樹脂成分の最低溶融粘度であり、「プリプレグの溶融粘度」とは、プリプレグを構成する樹脂成分の溶融粘度である。
導体上に絶縁層を作製するには、具体的には、例えば導体配線等の導体と、樹脂フィルムと、プリプレグとを用意し、例えば熱プレス機能を有する装置(以下、熱プレス機という)の金型に、導体上に、樹脂フィルムとプリプレグとが順に重なるように載置し、積層物を作製する。続いて、熱プレス機により、この積層物を熱プレスする。樹脂フィルム及びプリプレグは、熱プレスで加熱及び加圧されることで、加熱初期には溶融して粘度が低下し、流動する。やがて樹脂フィルム及びプリプレグの各々は、硬化を開始する温度に達すると、硬化し始める。熱プレスの加熱温度を更に上げて、樹脂フィルム及びプリプレグが完全に硬化するまで昇温すると、樹脂フィルムの硬化物及びプリプレグの硬化物が得られる。これにより、導体上に、樹脂フィルムの硬化物とプリプレグの硬化物とを含む絶縁層を作製できる。
本実施形態では、導体41上に絶縁層30を作製するにあたって、上記のとおり、熱硬化性樹脂フィルム1が最低溶融粘度を示す第一温度T1は、プリプレグ2が最低溶融粘度を示す第二温度T2よりも低い。このため、熱硬化性樹脂フィルム1は、プリプレグ2よりも先に粘度が低下することで、熱硬化性樹脂フィルム1が導体41の形状に追随して変形しやすい。そのため、熱硬化性樹脂フィルム1と導体41との間に未充填が生じにくい。
より具体的には、加熱による昇温の過程で、熱硬化性樹脂フィルム1の温度が第一温度T1に到達するまでは、熱硬化性樹脂フィルム1は、導体41の形状に追随して変形しやすい。また、プリプレグ2も、プリプレグ2の温度が第一温度T1に到達するまでの間、粘度が低下するため、熱硬化性樹脂フィルム1の変形した形状に追随して変形しうる。熱硬化性樹脂フィルム1は、熱硬化性樹脂フィルム1の温度が第一温度T1に到達後、硬化し始め、溶融粘度が上昇する。そして、熱硬化性樹脂フィルム1は、導体41の形状に追随したまま硬化することができる。一方、プリプレグ2は、プリプレグ2の温度が第一温度T1から第二温度T2に到達するまでの間、熱硬化性樹脂フィルム1が硬化開始した後も、溶融粘度が低下するため、変形し硬化し始めた熱硬化性樹脂フィルム1の形状に追随して変形しやすい。プリプレグ2の第二温度T2に到達後は、プリプレグ2も硬化し始め、プリプレグ2の溶融粘度が上昇する。そして、プリプレグ2は、変形した熱硬化性樹脂フィルム1に追随したまま硬化することができる。
したがって、本実施形態では、導体41上に絶縁層30を作製するにあたって、導体41と絶縁層30との間に未充填を生じにくくすることが実現できる。
絶縁層30を作製するための材料について、より具体的に説明する。
[熱硬化性樹脂フィルム]
熱硬化性樹脂フィルム1は、既に述べたように、熱硬化性樹脂フィルム1の硬化物10とプリプレグ2の硬化物20とを含む絶縁層30を作製するために用いられる。熱硬化性樹脂フィルム1は、硬化することで絶縁層30の一部を構成する材料である。熱硬化性樹脂フィルム1が最低溶融粘度を示す第一温度T1は、プリプレグ2が最低溶融粘度を示す第二温度T2よりも低い。プリプレグ2の詳細については、後述する。
本実施形態の熱硬化性樹脂フィルム1は、熱硬化性樹脂を含有する。熱硬化性樹脂フィルム1は、フィルム状に形成された熱硬化性樹脂の乾燥物又は半硬化物(Bステージ)である。
熱硬化性樹脂は、例えばエポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、フェノール樹脂、ビスマレイミドトリアジン樹脂、熱硬化型ポリフェニレンエーテル樹脂からなる群から選択される少なくとも一種を含む。エポキシ樹脂の例は、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールFノボラック型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、多官能型エポキシ樹脂からなる群から選択される少なくとも一種の成分を含む。なお、熱硬化性樹脂が含みうる成分は、前記には限られない。
熱硬化性樹脂は、例えば硬化剤、硬化促進剤、難燃剤、及び無機充填剤等の適宜の添加剤、並びに溶剤等を更に含有してもよい。硬化剤の例としては、ジアミン系硬化剤、2官能以上のフェノール系硬化剤、酸無水物系硬化剤、ジシアンジアミド、低分子量ポリフェニレンエーテル化合物等が挙げられる。硬化促進剤の例としては、イミダゾール系化合物、第三級アミン系化合物、有機ホスフィン化合物、金属石鹸等が挙げられる。難燃剤としては、ハロゲン系難燃剤、非ハロゲン系難燃剤等が挙げられる。無機充填剤の例としては、シリカ、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、タルク、クレー、マイカ、及びモリブデン化合物等が挙げられる。また、溶剤は、適宜の有機溶剤又は水であってよい。
熱硬化性樹脂フィルム1の最低溶融粘度の下限及び上限は、特に制限されないが、例えば下限は500Pa・s、上限は50,000Pa・sである。
熱硬化性樹脂フィルム1の最低溶融粘度を示す第一温度T1は、100℃以上125℃以下の範囲内であることが好ましい。この場合、プリプレグ2とともに用いても、導体41と絶縁層30との間に未充填を特に生じにくくすることができる。熱硬化性樹脂フィルム1の最低溶融粘度を示す第一温度T1は、102℃以上123℃以下の範囲内であればより好ましく、105℃以上120℃以下の範囲内であれば更に好ましい。
熱硬化性樹脂フィルム1の最低溶融粘度は、プリプレグ2の最低溶融粘度の2倍以上100倍以下であることが好ましい。熱硬化性樹脂フィルム1の最低溶融粘度がプリプレグ2の最低溶融粘度よりも高いと、第一温度T1に到達するまでの間、プリプレグ2は、変形した熱硬化性樹脂フィルム1の形状に追随して変形しやすい。これにより、熱硬化性樹脂フィルム1の溶融時の適度な流動性が維持できうる。そのため、この範囲内であれば、導体41と絶縁層30との間に未充填をより生じにくくすることができる。熱硬化性樹脂フィルム1の最低溶融粘度は、プリプレグ2の最低溶融粘度の4倍以上80倍以下であることがより好ましく、6倍以上50倍以下であることが更に好ましい。
熱硬化性樹脂フィルム1の最低溶融粘度とプリプレグ2の最低溶融粘度との差は、1,000Pa・s以上30,000Pa・s以下の範囲内であることが好ましい。この範囲内であれば、熱硬化性樹脂フィルム1は、導体41と絶縁層30との間に未充填を更に生じにくくすることができる。
熱硬化性樹脂フィルム1の最低溶融粘度は、第一温度T1におけるプリプレグ2の溶融粘度よりも低いことが好ましい。この場合、熱硬化性樹脂フィルム1の温度が第一温度T1に到達するまでの間、プリプレグ2は、変形した熱硬化性樹脂フィルム1の形状に追随して変形しやすい。そのため、熱硬化性樹脂フィルム1が硬化し始める前に、過度に流動しすぎることを抑制できる。そのため、導体41と絶縁層30との間に未充填を特に生じにくくすることができる。第一温度T1における、熱硬化性樹脂フィルム1の最低溶融粘度は、第一温度T1におけるプリプレグ2の溶融粘度の2倍以上であれば好ましく、3倍以上であればより好ましく、5倍以上であれば更に好ましい。
熱硬化性樹脂フィルム1は、例えば次のようにして作製することができる。
上記で説明した熱硬化性樹脂を、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム等の基材上に塗布してフィルム状の皮膜を作製する。必要により、皮膜を加熱することで熱硬化性樹脂フィルム1が得られる。熱硬化性樹脂の塗布方法は、適宜の方法、例えば浸漬法、スプレー法、スピンコート法、ロールコート法、カーテンコート法、及びスクリーン印刷法からなる群から選択される。熱硬化性樹脂フィルム1は、熱硬化性樹脂の乾燥物又は半硬化物(Bステージ)である。
このように作製される熱硬化性樹脂フィルム1から絶縁層30を作製するにあたり、絶縁層30は、導体41に重ねて作製されることが好ましい。熱硬化性樹脂フィルム1では、特に導体41である導体配線42の厚みが、例えば170μm以上であっても、熱硬化性樹脂フィルム1を導体配線42の隙間に効率よく充填することができる。このため、熱硬化性樹脂フィルム1では、厚みの大きい銅箔(厚銅箔ともいう)から形成された導体41(導体配線42)と絶縁層30との間に未充填を生じにくくすることができる。
したがって、本実施形態の熱硬化性樹脂フィルム1は、厚み170μm以上の厚みを有する導体41の絶縁用途に好適に用いることができる。熱硬化性樹脂フィルム1の厚みは、特に制限されず、例えば導体41が導体配線42である場合の導体配線42の残銅率、導体41の厚みなどに応じて適宜調整することができる。例えば、熱硬化性樹脂フィルム1の厚みは、50μm以上500μm以下とすることができる。この場合であっても、導体41の厚みが170μm以上であっても、熱硬化性樹脂フィルム1は、絶縁層30の未充填をより生じにくくすることができる。なお、熱硬化性樹脂フィルム1の厚みは、前記の範囲に限定されない。
[プリプレグ]
本実施形態では、プリプレグ2は、熱硬化性樹脂フィルム1の硬化物10とプリプレグ2の硬化物20とを含む絶縁層30を作製するために用いられる。プリプレグ2は、上記の熱硬化性樹脂フィルム1と同様に、硬化することで絶縁層30の一部を構成する材料である。
プリプレグ2は、樹脂成分21及び繊維基材22を含有する。プリプレグ2は、例えば織布又は不織布等の繊維基材22に、樹脂成分21を含む溶液に含浸させ、加熱して半硬化状態にした材料である。プリプレグ2は、絶縁層30を作製するために用いられると、繊維基材22を含有するため、層間の絶縁性を確保するのに寄与できる。プリプレグ2の第二温度T2は、特に制限されないが、例えば120℃以上155℃以下である。
繊維基材22としては、例えばガラス繊維からなる織布又は不織布、有機繊維からなる織布又は不織布、ガラス繊維以外の無機繊維からなる織布又は不織布、等が挙げられる。有機繊維としては、例えばアラミド繊維、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール(PBO)繊維、ポリベンゾイミダゾール(PBI)繊維、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)繊維、ポリパラフェニレンベンゾビスチアゾール(PBZT)繊維、全芳香族ポリエステル繊維等が挙げられる。繊維基材22の織組織は特に限定されず、例えば平織、及び綾織等が挙げられる。ガラス繊維のガラス組成としては、例えばEガラス、Dガラス、Sガラス、NEガラス、Tガラス、石英等が挙げられる。繊維基材22の具体的な例としては、IPC−4412Aに規定されるEガラスの種々のガラスクロススタイルを挙げることができる。
樹脂成分21は、熱硬化性を有することが好ましい。プリプレグ2を構成する樹脂成分21は、上記の熱硬化性樹脂フィルム1における熱硬化性樹脂と同じであってもよい。ただし、プリプレグ2を構成する樹脂成分21は、第二温度T2が第一温度T1よりも高くなるように選択される。第一温度T1及び第二温度T2は、熱硬化性樹脂フィルム1及びプリプレグ2における樹脂成分を含む樹脂組成物の硬化促進剤の量を変化させることで調整可能である。例えば、硬化促進剤の量を増加させることで第一温度T1及び第二温度T2を低下させることができ、又は硬化促進剤の量を低減させることで第一温度T1及び第二温度T2を上昇させることができる。
なお、プリプレグ2は、上記の関係を満たすものであれば、特に制限されず、市販されているプリプレグであってもよい。プリプレグ2の市販品としては、例えばパナソニック株式会社製のR−1661シリーズ、及びR−1551シリーズ等が挙げられる。
プリプレグ2の厚み及び枚数は、特に制限されないが、例えばプリプレグ2の厚みは、40μm以上200μm以下とすることができる。
絶縁層30を作製するための絶縁材料3は、熱硬化性樹脂フィルム1と、プリプレグ2とを含む。絶縁材料3において、熱硬化性樹脂フィルム1が最低溶融粘度を示す第一温度T1は、プリプレグ2が最低溶融粘度を示す第二温度T2よりも低い。すなわち、絶縁材料3は、上記で説明した熱硬化性樹脂フィルム1及びプリプレグ2をともに含んで構成されうる。そのため、絶縁材料3における熱硬化性樹脂フィルム1及びプリプレグ2の構成は、上記で説明した熱硬化性樹脂フィルム1及びプリプレグ2とそれぞれ同じ構成であってよい。なお、絶縁材料3における、熱硬化性樹脂フィルム1及びプリプレグ2の構成の詳細は、上記で説明した各構成と同じであってよいため、重複する構成については、同じ符号を付して、説明を適宜省略する。
本実施形態では、絶縁材料3から絶縁層30を作製でき、導体41に重ねて絶縁層30を作製する場合に導体41と絶縁層30との間に未充填を生じにくくできる。さらに、本実施形態の絶縁材料3では、導体41上に絶縁層30を作製するにあたって、従来のプリプレグのみから絶縁層を作製する場合に比べて、絶縁層30の寸法安定性を向上させることができる。また、従来の樹脂フィルムのみから絶縁層を作製する場合に比べても、絶縁材料3では、プリプレグ2によって熱硬化性樹脂フィルム1が過度に流動することが抑制されうるため、絶縁層30の寸法安定性を向上させることができる。すなわち、絶縁材料3は、絶縁層30を作製するにあたって、絶縁層30の厚みを安定させることができる。
絶縁材料3の構成は、上記のとおり、熱硬化性樹脂フィルム1とプリプレグ2とを含むものであれば、特に制限されない。絶縁材料3は、熱硬化性樹脂フィルム1とプリプレグ2とから一体に形成されてもよい。
絶縁材料3では、導体41上に絶縁層30を作製するにあたって、導体41と絶縁層30との間の充填性をより向上させることができ、さらに、この場合、導体41上に絶縁層30を作製するにあたって、プリプレグ2のみから絶縁層を作製する場合に比べて、絶縁材料3では、絶縁層30の寸法安定性をより向上させることができる。
図1Aでは、絶縁材料3は、一枚の熱硬化性樹脂フィルム1と一枚のプリプレグ2とから構成されているが、絶縁材料3は、複数枚の熱硬化性樹脂フィルム1と複数枚のプリプレグ2とから構成されていてもよい。また、絶縁材料3は、熱硬化性樹脂フィルム1及びプリプレグ2以外の絶縁性の材料を含んでもよく、例えば熱硬化性樹脂フィルム1の上のプリプレグ2の上に更に重なる絶縁性の材料が重ねられていてもよい。
絶縁層30は、上記の熱硬化性樹脂フィルム1の硬化物10と、プリプレグ2の硬化物20とを含む。熱硬化性樹脂フィルム1の硬化物10及びプリプレグ2の硬化物20は、熱硬化性樹脂フィルム1とプリプレグ2とを硬化させることで得られる。
絶縁層30の作製方法は、特に制限されず、例えば既に説明したように、絶縁層30は、導体41上に熱硬化性樹脂フィルム1と、熱硬化性樹脂フィルム1上にプリプレグ2とを重ねてから熱プレスすることで作製できる。熱プレス時の加熱温度、及び加熱時間の条件、並びに加圧の圧力の条件は適宜設定すればよい。
絶縁層30は、絶縁材料3を、導体41に重ねて作製されることが好ましい。この場合、絶縁材料3は、多層のプリント配線板等の絶縁層を形成するために好適に用いることができる。
絶縁層30の厚みは、特に制限されず、例えば導体41が導体配線42である場合の導体配線42の残銅率、導体41の厚みなどに応じて適宜調整することができる。例えば、絶縁層30の厚みは、5μm以上とすることができる。
なお、図1Bでは、絶縁層30は、一つの熱硬化性樹脂フィルム1の硬化物10と一つのプリプレグ2の硬化物20とから構成されているが、絶縁層30は、複数の熱硬化性樹脂フィルム1の硬化物10と複数のプリプレグ2の硬化物20とから構成されていてもよい。また、絶縁層30は、熱硬化性樹脂フィルム1の硬化物10及びプリプレグ2の硬化物20以外の絶縁性の材料から形成される絶縁性の層を含んでもよく、例えばプリプレグ2の硬化物20上に更に重なる絶縁性の層が重ねられていてもよい。
次に、本実施形態のプリント配線板50について、図1Bを参照して具体的に説明する。
プリント配線板50は、導体41と、導体41に重なる絶縁層30とを備える。絶縁層30は、上記の熱硬化性樹脂フィルム1の硬化物10及びプリプレグ2の硬化物20と、上記の絶縁材料3の硬化物31とのうちのいずれか一方を含む。熱硬化性樹脂フィルム1及びプリプレグ2の構成、並びに絶縁材料3の構成は、上記で説明した各構成と同様であってよい。そのため、熱硬化性樹脂フィルム1、プリプレグ2、及び絶縁材料3について、重複する構成については同じ符号を付して、適宜説明を省略する。
プリント配線板50における絶縁層30は、上記の熱硬化性樹脂フィルム1の硬化物10及びプリプレグ2の硬化物20と、上記の絶縁材料3の硬化物30とのうちのいずれか一方を含むため、プリント配線板50の導体41の隙間における絶縁層30に未充填を生じにくくすることができる。そのため、プリント配線板50は、高い耐熱性及び信頼性を有しうる。
プリント配線板50は、基材40と導体41とが絶縁層30で覆われている(図1B参照)。基材40は、適宜のプリント配線板を作製するために用いられる材料を採用できる。基材40は、絶縁性の層を含む。基材40は、例えば内層材であり、内層材には、内部に予め回路が形成されている内層回路基板、及び厚銅内層基板等が含まれる。導体41は、導体配線42を含む。導体41は、例えば基材40上に形成される。基材40上の導体41は、適宜の方法で作製でき、例えば導体41は、基材40を含有する片面銅張積層板及び両面銅張積層板等における銅箔面にエッチング等によってパターニングして導体配線42が形成されることで作製できる。
導体41の厚みは、170μm以上であることが好ましい。この場合、プリント配線板50は、比較的大きな電流を流すため(大電流化)に要求される産業機器、及び車載基板用途に好適に用いることができる。導体41の厚みは、210μm以上であることがより好ましい。図1A及び図1Bで示すように、導体41の厚みは、例えば導体41にパターン形成された導体配線42の、基材40からの高さdである。導体41の厚みの上限は特に制限されない。
プリント配線板50の厚みは、特に制限されず、適宜調整すればよい。
本実施形態のプリント配線板50の製造方法では、導体41と、導体41に重なる絶縁層30とを備えるプリント配線板50を作製するにあたって、導体41と、導体41上に重なる熱硬化性樹脂フィルム1と、熱硬化性樹脂フィルム1上に重なるプリプレグ2とを含む積層物5を熱プレスする工程を含む。熱硬化性樹脂フィルム1が最低溶融粘度を示す第一温度T1は、プリプレグ2が最低溶融粘度を示す第二温度T2よりも低い。このように作製されるプリント配線板50は、既に述べた熱硬化性樹脂フィルム1の硬化物及びプリプレグ2の硬化物から絶縁層30が形成されているため、導体41と絶縁層30との間に未充填が生じにくい。このため、プリント配線板50は、高い耐熱性及び信頼性を有することができる。
プリント配線板50は、具体的には、次のように作製できる。
まず、基材40上に導体配線42を有する導体41、並びに絶縁材料3(すなわち熱硬化性樹脂フィルム1、及びプリプレグ2)を用意し、熱プレス機の金型の台座に導体41、熱硬化性樹脂フィルム1、及びプリプレグ2の順に重ねて積層物5を作製する。
この積層物5に対し、熱プレスをすることで、積層物5が加熱及び加圧される。加熱及び加圧の際に、熱硬化性樹脂フィルム1及びプリプレグ2は、加熱によって溶融した後、それぞれの最低溶融粘度を示す温度(第一温度T1及び第二温度T2)に到達してから硬化し始める。
本実施形態では、熱プレスする工程において、加熱による昇温の過程で、熱硬化性樹脂フィルム1がプリプレグ2よりも先に粘度が低下し、熱硬化性樹脂フィルム1が導体41の形状に追随して変形しうる。熱硬化性樹脂フィルム1の温度が第一温度T1に到達すると、熱硬化性樹脂フィルム1は、硬化し始めるのに対し、プリプレグ2は、第一温度T1から第二温度T2に到達するまでの間、粘度が低下する。この際、プリプレグ2は、熱硬化性樹脂フィルム1が硬化開始した後も、変形し硬化し始めた熱硬化性樹脂フィルム1の形状に追随して変形しうる。さらに、熱プレスする工程において、熱硬化性樹脂フィルム1及びプリプレグ2は、上記の加熱による昇温の過程で加圧される。そのため、加熱開始から第一温度T1までの間、溶融している熱硬化性樹脂フィルム1を、金型内で導体41に追随しながら変形させやすい。例えば、熱硬化性樹脂フィルム1は、加圧により、金型内で導体41の、例えば導体配線42と導体配線42との間に形成される溝部分の底部まで押し込まれることで、熱硬化性樹脂フィルム1は導体41に追随しやすい。この際、プリプレグ2も加圧により、金型内で溶融しながら変形している熱硬化性樹脂フィルム1の形状に追随させやすくできる。
熱プレスする工程における、熱硬化性樹脂フィルム1の温度が第一温度T1に到達後、プリプレグ2の温度が第二温度T2に到達するまでの間、及びプリプレグ2の温度が第二温度T2に到達後のいずれにおいても、熱硬化性樹脂フィルム1及びプリプレグ2が完全に硬化するまで、更に加熱及び加圧してもよい。熱硬化性樹脂フィルム1及びプリプレグ2が完全に硬化してから、すなわち熱硬化性樹脂フィルム1の硬化物10とプリプレグ2の硬化物20とが形成されてから、加熱を停止し、加圧を解除し、放冷する。これにより、プリント配線板50が作製できる。
熱プレスする工程において、加圧するにあたって、昇温して加熱しながら、加圧の圧力を変化させることができる。例えば、第一温度T1と第二温度T2との間で加圧する圧力を、第一温度T1までに加えた圧力から変化させてもよい。熱プレスする工程では、積層物5を第一温度T1で加熱しかつ第一の圧力でプレスした後、積層物を更に第二温度T2まで加熱しかつ第二の圧力でプレスする過程を含むことが好ましく、第二の圧力は、第一の圧力に対して、1.5倍以上20倍以下であることが好ましい。具体的には、熱プレスする工程では、積層物5を加熱しながら加圧するにあたって、熱硬化性樹脂フィルム1の温度が第一温度T1に到達するまでの間、積層物5を第一圧力で加圧する。続いて、熱硬化性樹脂フィルム1の温度が第一温度T1に到達した後、更に昇温してプリプレグ2の温度が第二温度T2に到達するまでの間に、積層物5を第一圧力の1.5倍以上20倍以下の範囲内の第二圧力で加圧することが好ましい。この場合、導体41を覆う絶縁層30を特に効率よく作製でき、導体41の隙間への充填性を特に向上させることができる。そのため、プリント配線板50の、導体41と絶縁層30との間に、より未充填が生じにくくすることができる。このため、プリント配線板50は、より高い耐熱性及び信頼性を有することができる。
第二の圧力は、第一の圧力に対して、2倍以上15倍以下であることがより好ましく、3倍以上12倍以下であれば更に好ましい。第一の圧力及び第二の圧力は上記の関係を満たすように適宜設定すればよい。例えば第一の圧力は、0.1MPa以上2MPa以下とすることができ、第二の圧力は、第一の圧力に基づき適宜設定される。
熱プレスの昇温時の条件は、適宜設定すればよいが、例えば昇温時の加熱条件は、昇温速度1.5〜4℃/min、加熱時間1時間以上3時間以下とすることができる。また、最高加熱温度は、熱硬化性樹脂フィルム1及びプリプレグ2の組成に応じて適宜設定されるが、最高加熱温度は、第二温度T2よりも高い温度に設定される。第一温度T1到達時から第二温度T2到達までの時間は、例えば5分以上30分以下とすることができる。
プリント配線板50を作製するにあたっては、上記の熱プレスする工程以外の工程を含んでもよい。熱プレスする工程以外の工程は、例えば積層物5を加工する工程、絶縁層30にマーキング印刷する工程、スルーホールを形成する工程、スルーホールをめっきする工程、ソルダーレジスト層を形成する工程等を含む。
以下、本開示を実施例によって、更に詳しく説明する。ただし、本開示は、以下の実施例に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できれば設計に応じて種々の変更が可能である。
(1)プリント配線板の作製
[実施例1〜8、比較例1]
内層材、フィルム材料及びプリプレグ材料として、表1の各欄に記載の材料を準備した。内層材には、表1に記載の「回路厚み」の厚さとなるように、エッチング処理を施してパターニングし、導体配線を形成した。
続いて、熱プレス機の金型の台座に、上記の導体配線が形成された内層材を載置し、内層材の導体配線上にフィルム材料を表1の「使用枚数」の欄に記載の枚数重ねてから、フィルム材料上(複数枚重ねる場合は、フィルム材料の最も上)にプリプレグ材料を表1の「使用枚数」の欄に記載の枚数重ねて積層し積層物を得た。この積層物を、熱プレス機で、フィルム材料の最低溶融粘度を示す第一温度T1まで、表1の成形条件の欄に記載の昇温速度で加熱し、かつ第一の圧力で熱プレスした。フィルム材料の温度が第一温度T1に到達後、熱プレス機内を昇温(昇温速度3℃/min)し、かつプリプレグ材料の温度が第二温度T2に到達するまでの間に、「昇圧後の圧力」の欄に記載の圧力(第二の圧力)となるように昇圧し、熱プレスした。さらに、175℃まで加熱した後、熱プレス機の加熱を停止し、かつ加圧を解除してから放冷した。これにより、導体上に絶縁層を備えるプリント配線板を得た。
なお、各材料の詳細は、以下の通りである。
・内層材:パナソニック株式会社製 製品名:R−1566。
・フィルム材料1:エポキシ樹脂(熱硬化性樹脂)、最低溶融粘度を示す第一温度T1:105℃。
・フィルム材料2:エポキシ樹脂(熱硬化性樹脂)、最低溶融粘度を示す第一温度T1:111℃)。
・プリプレグ材料1:パナソニック株式会社製 製品名:R−1551(樹脂成分:エポキシ樹脂、繊維基材:ガラスクロス(ガラスクロススタイル2116)、最低溶融粘度を示す第一温度T2:142℃)。
・プリプレグ材料2:パナソニック株式会社製 製品名:R−1551(樹脂成分:エポキシ樹脂、繊維基材:ガラスクロス(ガラスクロススタイル2116)、最低溶融粘度を示す第一温度T2:149℃)。
・プリプレグ材料3:パナソニック株式会社製 製品名:R−1551(樹脂成分:エポキシ型樹脂、繊維基材:ガラスクロス(ガラスクロススタイル2116)、最低溶融粘度を示す第一温度T2:118℃)。
(2)評価
(1)で作製したプリント配線板について、以下(2−1)〜(2−3)の評価を行い、その結果を表1に示した。
(2−1)絶縁層の厚み
プリント配線板における絶縁層の厚みを、当該プリント配線板の断面を切断し、顕微鏡により測定した。絶縁層の厚みとは、内層材にパターン形成された回路と熱硬化性樹脂フィルムの硬化物との接触面から、プリプレグの硬化物の表面への長さである。
(2−2)充填性
プリント配線板の外観を目視により観察し、絶縁層にボイドが発生していなければ、評価を「A」、絶縁層の底部(内層材と絶縁層との接触面付近)にボイドが発生していれば評価を「C」とした。絶縁層にボイドが発生していない場合、フィルム材料及びプリプレグ材料を含む絶縁材料は高い充填性を有すると判断できる。
A:絶縁層にボイドが発生していなかった。
C:絶縁層の底部(内層材と絶縁層との接触面付近)にボイドが発生していた。
(2−3)煮沸はんだ耐熱性
プリント配線板を、水浴に浸漬し、水浴を温度100℃まで加熱し、温度100℃、時間2時間の条件で、放置した。2時間経過後、プリント配線板を水浴(湯浴)から取り出し、表面の水分を拭き取ってから、温度288℃まで加熱したはんだ層中に浸漬して20秒間加熱した。20秒経過後、オートクレーブからプリント配線板を取り出し、プリント配線板の外観を目視により観察し、絶縁層に膨れ等の不良が発生していなければ、評価を「A」とし、絶縁層に膨れが発生していれば、評価を「C」とした。絶縁層に膨れ等の不良が発生していない場合、プリント配線板は高い耐熱性を有すると判断できる。
Figure 2020098838
1 熱硬化性樹脂フィルム
2 プリプレグ
3 絶縁材料
5 積層物
10 熱硬化性樹脂フィルムの硬化物
20 プリプレグの硬化物
30 絶縁層
40 基材
41 導体
42 導体配線
50 プリント配線板

Claims (11)

  1. 熱硬化性樹脂フィルムの硬化物とプリプレグの硬化物とを含む絶縁層を作製するための熱硬化性樹脂フィルムであって、
    前記熱硬化性樹脂フィルムが最低溶融粘度を示す第一温度は、前記プリプレグが最低溶融粘度を示す第二温度よりも低い、
    熱硬化性樹脂フィルム。
  2. 前記熱硬化性樹脂フィルムの最低溶融粘度は、前記プリプレグの最低溶融粘度の2倍以上100倍以下である、
    請求項1に記載の熱硬化性樹脂フィルム。
  3. 前記熱硬化性樹脂フィルムの最低溶融粘度と前記プリプレグの最低溶融粘度との差は、1,000Pa・s以上30,000Pa・s未満である、
    請求項1又は2に記載の熱硬化性樹脂フィルム。
  4. 前記熱硬化性樹脂フィルムの最低溶融粘度は、前記第一温度における前記プリプレグの溶融粘度よりも低い、
    請求項1から3のいずれか一項に記載の熱硬化性樹脂フィルム。
  5. 前記第一温度は、100℃以上125℃未満である、
    請求項1から4のいずれか一項に記載の熱硬化性樹脂フィルム。
  6. 前記絶縁層は、導体に重ねて作製される、
    請求項1から5のいずれか一項に記載の熱硬化性樹脂フィルム。
  7. 絶縁層を作製するために用いられる絶縁材料であって、
    前記絶縁材料は、請求項1から6のいずれか一項に記載の熱硬化性樹脂フィルムと、前記プリプレグとを含む、
    絶縁材料。
  8. 導体と、前記導体に重なる絶縁層とを備えるプリント配線板であって、
    前記絶縁層は、請求項1から6のいずれか一項に記載の熱硬化性樹脂フィルムの硬化物及びプリプレグの硬化物と、請求項7に記載の絶縁材料の硬化物とのうちのいずれか一方を含む、
    プリント配線板。
  9. 前記導体の厚みは、170μm以上である、
    請求項8に記載のプリント配線板。
  10. 導体と、前記導体に重なる絶縁層とを備えるプリント配線板の製造方法であって、
    前記導体と、前記導体上に重なる熱硬化性樹脂フィルムと、前記熱硬化性樹脂フィルム上に重なるプリプレグとを含む積層物を熱プレスする工程を含み、
    前記熱硬化性樹脂フィルムが最低溶融粘度を示す第一温度は、前記プリプレグが最低溶融粘度を示す第二温度よりも低い、
    プリント配線板の製造方法。
  11. 前記積層物を熱プレスする工程は、前記積層物を前記第一温度で加熱しかつ第一の圧力でプレスした後、前記積層物を前記第二温度で加熱しかつ第二の圧力でプレスする過程を含み、
    前記第二の圧力は、前記第一の圧力に対して1.5倍以上20倍以下である、
    請求項10に記載のプリント配線板の製造方法。
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