JP2020098098A - 点検用ハンマー装置及びそれを用いた点検方法 - Google Patents

点検用ハンマー装置及びそれを用いた点検方法 Download PDF

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Abstract

【課題】持ち運びが容易でありながら、正確に、客観的に、かつ、容易にコンクリート構造物の状態を把握することができるようにする。【解決手段】頭部10を備える点検用ハンマー装置であって、前記頭部10は、円筒状の本体11と、該本体11の先端に弾性部材13を介して取り付けられた球体12と、前記本体11内に配設された集音装置16及び分析装置と、前記本体11の後端に取り付けられた表示装置18とを有し、前記集音装置16は、前記球体12が検査対象を打撃して生じた前記本体11内の音圧を計測し、前記分析装置は計測された音圧の時刻歴データに基づいて前記検査対象の状態を判断し、前記表示装置18は、前記検査対象の状態に応じて表示態様を変化させる。【選択図】図1

Description

本開示は、点検用ハンマー装置及びそれを用いた点検方法に関するものである。
従来、鉄道、道路等におけるトンネル等のコンクリート構造物の維持管理においては、コンクリート片のはく落につながるコンクリートの浮きや内部空洞を把握するために、打音調査が行われている。このような打音調査では、検査者が、コンクリート面をハンマーを用いて打撃し、その打撃音を聞き分けて、コンクリートの浮きや内部空洞の存在を経験的に判断するようになっている。しかし、このような打音調査は、現場の検査者の熟練度に大きく依存するので、検査者の個人差が検査結果に反映され、また、コンクリートの状態を定量的に把握することができず、さらに、広範囲に亘ってコンクリート構造物を効率良く調査することが困難である。そこで、例えば、コンクリート構造物の状態を客観的に判定するための装置が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
特許第3822802号公報
しかしながら、前記従来の技術では、大きな装置を運搬する必要があり、検査者が簡単に持ち運びすることが不可能である。
ここでは、前記従来の技術の問題点を解決して、持ち運びが容易でありながら、正確に、客観的に、かつ、容易にコンクリート構造物の状態を把握することができる点検用ハンマー装置及びその使用方法を提供することを目的とする。
そのために、点検用ハンマー装置においては、頭部を備える点検用ハンマー装置であって、前記頭部は、円筒状の本体と、該本体の先端に弾性部材を介して取り付けられた球体と、前記本体内に配設された集音装置及び分析装置と、前記本体の後端に取り付けられた表示装置とを有し、前記集音装置は、前記球体が検査対象を打撃して生じた前記本体内の音圧を計測し、前記分析装置は計測された音圧の時刻歴データに基づいて前記検査対象の状態を判断し、前記表示装置は、前記検査対象の状態に応じて表示態様を変化させる。
他の点検用ハンマー装置においては、さらに、前記分析装置は計測された音圧の減衰又は周波数分布を分析し、前記検査対象の状態として健全度を判断する。
更に他の点検用ハンマー装置においては、さらに、前記音圧の減衰は、打撃直後の音圧の最大値と打撃後所定時間経過後の音圧の値との比であり、該比が閾値を超えると前記分析装置は前記健全度が不良と判断する。
更に他の点検用ハンマー装置においては、さらに、前記音圧の周波数分布は、フーリエ変換された音圧の時刻歴データにおける振幅スペクトルの周波数分布であり、該周波数分布が集中していないと前記分析装置は前記健全度がより良好であると判断する。
更に他の点検用ハンマー装置においては、さらに、前記検査対象はコンクリート面であり、前記検査対象の状態は、コンクリートの内部空洞の有無、及び、コンクリートのはく落につながる欠損の有無を含む。
更に他の点検用ハンマー装置においては、さらに、前記表示態様は表示色を含む。
点検用ハンマー装置を用いた点検方法においては、円筒状の本体と、該本体の先端に弾性部材を介して取り付けられた球体と、前記本体内に配設された集音装置及び分析装置と、前記本体の後端に取り付けられた表示装置とを有する頭部を備える点検用ハンマー装置を用いた点検方法であって、前記球体を検査対象に打ち付けて該検査対象を打撃する工程と、前記検査対象を打撃して生じた前記本体内の音圧を前記集音装置によって計測する工程と、計測された音圧の時刻歴データに基づいて前記検査対象の状態を前記分析装置によって判断する工程と、前記表示装置の表示態様を前記検査対象の状態に応じて変化させる工程とを含む。
本開示によれば、点検用ハンマー装置は、持ち運びが容易でありながら、正確に、客観的に、かつ、容易にコンクリート構造物の状態を把握することができる。
本実施の形態における点検用ハンマー装置の頭部の構成を示す概念図である。 本実施の形態における点検用ハンマー装置の頭部の試作品の写真である。 本実施の形態における点検用ハンマー装置が備える分析装置の電子回路の配線図である。 本実施の形態におけるコンクリート面の打音試験の概要を示す写真である。 本実施の形態におけるコンクリート面の打音試験での音圧のスペクトルを示す図である。 本実施の形態におけるコンクリート面の打音試験での音圧の時刻歴データを示す図である。 本実施の形態における点検用ハンマー装置を使用した打音試験での音圧のスペクトルを示す図である。 本実施の形態における点検用ハンマー装置の表示装置の表示態様の例を示す表である。 本実施の形態における点検用ハンマー装置の動作を示すフローチャートである。
以下、実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は本実施の形態における点検用ハンマー装置の頭部の構成を示す概念図、図2は本実施の形態における点検用ハンマー装置の頭部の試作品の写真、図3は本実施の形態における点検用ハンマー装置が備える分析装置の電子回路の配線図である。なお、図1において、(a)は側面透視図、(b)は正面図であり、図2において、(a)は球体、(b)は弾性部材、(c)は付勢部材、(d)は電源、(e)は全体であり、図3において、(a)は処理回路、(b)は収録回路、(c)は表示回路である。
図において、10は、本実施の形態における点検用ハンマー装置の頭部であって、ハンマーヘッドとも称される部分であり、図示されないハンマーの柄の先端部に取り付けられて使用される。なお、前記柄は、一般的なハンマーの柄であれば、いかなるものであってもよく、例えば、木製の柄であってもよいし、鋼等の金属製の柄であってもよい。なお、柄を使用することなく、検査者がその手で頭部10自体を直接把持することもできるが、ここでは、説明の都合上、前記頭部10がハンマーの柄の先端部に取り付けられて使用される場合について説明する。
本実施の形態における点検用ハンマー装置は、好適には、鉄道、道路等におけるトンネルの内壁面のようなコンクリート構造物のコンクリート面における内部の空洞やはく落につながる欠損を検出するために使用される。例えば、検査者がその手で前記柄を把持して、点検用ハンマー装置を振り、前記頭部10の先端をコンクリート構造物のコンクリート面に打ち付けて該コンクリート面を打撃し、その際に発生した打音を分析してコンクリート構造物の状態を定量的に検査して前記欠損を検出するために使用される。なお、前記点検用ハンマー装置の検査対象は、必ずしも鉄道、道路等におけるトンネルの内壁面に限定されるものではなく、コンクリート構造物であればいかなる種類のものであってもよく、コンクリート面であればコンクリート構造物のいかなる部位の面であってもよい。さらに、前記点検用ハンマー装置は、コンクリート面に取り付けられた標識等の添加物の固定状況を確認するために使用されてもよい。
なお、本実施の形態において、点検用ハンマー装置の頭部10の各部及びその他の部材の構成及び動作を説明するために使用される上、下、左、右、前、後等の方向を示す表現は、絶対的なものでなく相対的なものであり、前記頭部10の各部及びその他の部材が図に示される姿勢である場合に適切であるが、その姿勢が変化した場合には姿勢の変化に応じて変更して解釈されるべきものである。
図に示されるように、頭部10は、直線状に延在する細長い概略円筒状の本体11と、該本体11の先端(図1(a)における左端)に取り付けられた球体12とを備える。前記本体11は、例えば、ステンレス鋼等の金属から成り、長さが約180〔mm〕、直径が約30〔mm〕の大きさを有し、内部が空洞の円筒部材である。また、前記球体12は、コンクリート面を打撃する部材であって、例えば、ステンレス鋼等の金属から成り、直径が約32〔mm〕の球状体であるが、必ずしも真球である必要はなく、図2(a)に示されるように、平坦面を有し、該平坦面に付勢部材14の一端が挿入されて係止される係止用開口が形成されていてもよい。さらに、前記球体12は、アルミニウム合金等の鋼以外の金属から成るものであってもよいし、木材等の金属以外の材料から成るものであってもよい。
また、前記頭部10は、さらに、前記本体11の先端に取り付けられた弾性部材13と、前記本体11の空洞内に配設された付勢部材14、基板15、集音装置16及び電源17と、前記本体11の後端(図1(a)における右端)に取り付けられた表示装置18とを備える。
前記弾性部材13は、例えば、図2(b)に示されるような、内径が球体12の直径よりも小さなOリングであり、前記付勢部材14は、例えば、図2(c)に示されるような引張ばねとして機能するコイルスプリングである。前記付勢部材14は、その右側端が本体11内に係止され、その左側端が球体12に係止され、該球体12を本体11の後方(図1(a)における右方)に付勢する、すなわち、引張力を前記球体12に付与する。これにより、前記球体12は、弾性部材13を介して、本体11の先端に押圧された状態で、該本体11の先端に取り付けられる。
前記基板15は、例えば、プリント回路基板等の回路基板であって、その表面又は内部に図示されない集積回路等の能動素子、抵抗、キャパシタ等の受動素子等の電子部品、電気部品等が実装され、図示されない各種の配線が形成されている。
そして、前記基板15上には、集音装置16が実装されている。該集音装置16は、例えば、マイクロフォンであって、球体12がコンクリート面を打撃した際に発生する音である打音を集音する。具体的には、打音の音圧であって、円筒部材である本体11内の音圧を計測する。また、前記基板15には、電源17が接続されている。該電源17は、例えば、図2(d)に示されるような電池ボックスと、該電池ボックスに収容される図示されない電池とを有し、前記基板15、集音装置16、表示装置18等に電力を供給する。さらに、前記基板15には、前記本体11の後端に取り付けられた表示装置18が接続されている。該表示装置18は、例えば、LED、LCD等から成る表示面を有し、該表示面の表示態様が複数種類に変化するようになっている。具体的には、例えば、赤、黄、緑、青、白等に表示色が変化し、連続点灯又は点滅するようになっている。
また、前記基板15は、例えば、図3(a)〜(c)に示されるような処理回路、収録回路、表示回路等を有する分析装置やADコンバータを含んでいるものとする。該分析装置は、集音装置16が計測した音圧を分析し、コンクリートの内部の空洞やはく落につながる欠損を検出し、検出結果を表示装置18に表示させる。
さらに、前記頭部10は、図示されないスイッチを備え、該スイッチがオンとなるように操作されることによって、前記電源17から各部に電力が供給されて各部が動作を開始する。さらに、前記頭部10は、基板15に接続された図示されない外部出力端子を備え、前記分析装置による分析結果、処理データ等は、必要に応じて、画像データ、テキストデータ等の形式のデータとして、前記外部出力端子から図示されないプリンタ、ディスプレイ等の外部の装置に出力することができる。
次に、コンクリート面を打撃して計測される打音のデータについて詳細に説明する。
図4は本実施の形態におけるコンクリート面の打音試験の概要を示す写真、図5は本実施の形態におけるコンクリート面の打音試験での音圧のスペクトルを示す図、図6は本実施の形態におけるコンクリート面の打音試験での音圧の時刻歴データを示す図である。なお、図5及び6において、(a)は欠陥なしの場合の図、(b)は内部空洞ありの場合の図、(c)は巻厚(コンクリートの厚さ)不足の場合の図である。
「背景技術」の項でも述べたように、トンネルをはじめとしたコンクリート構造物の維持管理においては、コンクリート片のはく落につながる欠損である浮きや内部空洞を打音調査によって把握することが行われている。このような人手による打音調査の代替手段として、コンクリート表面を打撃し、コンクリート表面の振動や打撃音を測定して解析する手法が提案されている。
発明者等は、過去に、図4に示されるように、種々の欠陥がある試験体(コンクリートの壁:厚さ50〔cm〕)をインパクトハンマーで打撃し、試験体の表面、すなわち、コンクリート表面から30〔cm〕離れた位置で打音の音圧を計測した(例えば、非特許文献1参照。)。
舩越宏治、津野究、嶋本敬介、上野慎也、西金佑一郎:トンネル覆工を想定したコンクリート試験体の打音試験、第52回地盤工学研究発表会講演集、2017.7
図5には、計測の結果として得られた音圧のスペクトルの例が示されている。なお、図5において、縦軸はフーリエ振幅〔Pa〕を示し、横軸は周波数〔Hz〕を示している。図5(b)に示されるように、内部空洞(空洞範囲50〔cm〕×50〔cm〕、かぶり10〔cm〕)が存在する場合には、周波数1000〔Hz〕付近に明瞭なピークがあることを確認することができる。また、図5(c)に示されるように、巻厚、すなわち、コンクリートの厚さが不足している場合には、図5(a)に示されるような健全な場合と比較すると、周波数1000〔Hz〕以下の帯域で音圧が大きくなる傾向が見られる。
また、図6には、音圧の時刻歴データ(0.16秒間)の例が示されている。なお、図6において、縦軸は音圧〔Pa〕を示し、横軸は時刻〔s〕(秒)を示している。図6(b)に示されるように、内部空洞が存在する場合には、減衰に要する時間が長くなることが分かる。
これらのことから、(1)音圧のスペクトルのピークを検出し、(2)音圧のスペクトルについては4000〔Hz〕以下の成分の分布を把握し、(3)音圧の時刻歴データから音圧の減衰傾向を把握することによって、コンクリート内部の空洞やはく落につながる欠損を検出することができる、と言える。
なお、図4に示されるような計測は、静寂な場所で実施されたので、良好な音圧のデータが得られたが、実際の構造物を対象とした検査では、暗騒音の影響を受けて良好な音圧データが得られないことが懸念される。
しかし、本実施の形態においては、円筒部材である本体11内に配設された集音装置16によって前記本体11内の音圧を計測するので、暗騒音の影響をほとんど受けることなく、良好な音圧データを得ることができる。
次に、本実施の形態における点検用ハンマー装置の動作について説明する。
図7は本実施の形態における点検用ハンマー装置を使用した打音試験での音圧のスペクトルを示す図、図8は本実施の形態における点検用ハンマー装置の表示装置の表示態様の例を示す表、図9は本実施の形態における点検用ハンマー装置の動作を示すフローチャートである。なお、図7において、(a)は欠陥なしの場合の図、(b)は内部空洞ありの場合の図である。
まず、点検用ハンマー装置を使用する検査者が頭部10のスイッチをオンにすると、前記頭部10の各部が動作を開始する。そして、コンクリート構造物のコンクリート面の打撃が行われる前の状態においては、表示装置18の表示態様は、白色での点滅である(ステップS1)。前記検査者は、前記表示装置18の表示態様に基づき、点検用ハンマー装置が打撃前の待機中の状態にあることを認識することができる。なお、前記表示装置18の表示態様は、分析装置の表示回路によって制御される。
続いて、検査者は、点検用ハンマー装置を使用して検査対象であるコンクリート構造物のコンクリート面を打撃する、すなわち、ハンマーで対象面を打撃する(ステップS2)。具体的には、検査者は、頭部10の先端に取り付けられた球体12を対象面であるコンクリート面に打ち付けて該コンクリート面を打撃する。これにより、該コンクリート面の打撃特性を球体12に励起させる。すると、該球体12の振動が音圧として、本体11の内部を伝搬する。そして、音圧の時刻歴が集音装置16によって計測され、計測された音圧の集音装置16からの出力信号は、ADコンバータによってデジタル信号に変換され、分析装置に入力される。
そして、該分析装置は、データ処理を行い、計測された音圧の時刻歴データを分析する(ステップS3)。なお、データ処理が行われているとき、表示装置18の表示態様は、青色での点滅である。
データ処理は、分析装置の処理回路によって行われる。該処理回路は、計測された音圧の時刻歴データのうちの時刻0.01〜0.04〔s〕(秒)のデータを用いて、音圧の減衰や音圧の周波数分布を分析することによって、対象面であるコンクリート面の健全度を判定する。
具体的には、まず、前記処理回路は、処理Aとして、計測された音圧の時刻歴データに基づいて、打撃直後の音圧の最大値と、打撃後所定時間経過後の音圧、すなわち、打撃後0.02〔s〕経過した時点での音圧の値との比A1を算出する。これにより、音圧の減衰を判断することができる。
続いて、前記処理回路は、処理Bを行い、打撃から0.04〔s〕間の音圧の時刻歴データをフーリエ変換し、図7に示されるように、周波数と振幅スペクトルとの大きさの関係を取得する。なお、図7において、縦軸はフーリエ振幅〔Pa〕を最大値で正規化した値を示し、横軸は周波数〔Hz〕を示している。
そして、前記処理回路は、図7に示されるように、前記周波数と振幅スペクトルとの大きさの関係から0〜4000〔Hz〕を抜き出し、200〔Hz〕×20個のブロックに分割する。
さらに、前記処理回路は、各ブロックにおけるフーリエ振幅〔Pa〕の最大値を取得し、0〜200〔Hz〕のブロックを除く19個のブロックのうちで、フーリエ振幅〔Pa〕が最大となる周波数B1を取得する。
さらに、前記処理回路は、周波数B1に対応するフーリエ振幅〔Pa〕の値を1として、20個のブロックすべてにおけるフーリエ振幅〔Pa〕の値を正規化し、正規化されたフーリエ振幅〔Pa〕が0.2以上の振幅スペクトルの部分を含むブロックの個数B2を取得する。図7に示される例において、図7(a)に示されるような健全な欠陥がないコンクリート面の場合には、B2=15であり、図7(b)に示されるような内部空洞が存在するコンクリート面の場合には、B2=2であった。
続いて、前記処理回路は、処理Cを行い、まず、A1が第1の閾値である0.2より大きいか否かを判断する(ステップS3−1)。そして、A1が第1の閾値より大きい場合、前記処理回路は、コンクリート面が不良であるとして、ステップS3−2に進み、表示装置18の表示態様は、赤色の連続点灯と決定する。
また、A1が第1の閾値以下である場合、前記処理回路は、ステップS3−3に進み、A1が第2の閾値である0.05より大きいか否かを判断する。そして、A1が第2の閾値より大きい場合、前記処理回路は、ステップS3−4に進み、B1が第3の閾値である2000より小さく、かつ、B2が第4の閾値である5より小さいか否かを判断する。
そして、B1が第3の閾値である2000より小さく、かつ、B2が第4の閾値である5より小さいとの条件を満たす場合、前記処理回路は、コンクリート面が不良であるとして、ステップS3−2に進み、表示装置18の表示態様は、赤色の連続点灯と決定する。また、B1が第3の閾値である2000より小さく、かつ、B2が第4の閾値である5より小さいとの条件を満たしていない場合、前記処理回路は、コンクリート面が注意を必要とするとして、ステップS3−5に進み、表示装置18の表示態様は、黄色の連続点灯と決定する。
さらに、ステップS3−3において、A1が第2の閾値以下であると判断した場合、前記処理回路は、ステップS3−6に進み、B1が第3の閾値である2000より小さく、かつ、B2が第4の閾値である5より小さいか否かを判断する。そして、B1が第3の閾値である2000より小さく、かつ、B2が第4の閾値である5より小さいとの条件を満たす場合、前記処理回路は、コンクリート面が注意を必要とするとして、ステップS3−5に進み、表示装置18の表示態様は、黄色の連続点灯と決定する。また、B1が第3の閾値である2000より小さく、かつ、B2が第4の閾値である5より小さいとの条件を満たしていない場合、前記処理回路は、コンクリート面が健全であるとして、ステップS3−7に進み、表示装置18の表示態様は、緑色の連続点灯と決定する。
最後に、分析装置の表示回路は、ステップS3における前記処理回路の決定に応じて、表示装置18の表示態様を制御し、該表示装置18は、赤色又は黄色又は緑色を連続点灯する(ステップS4)。
したがって、検査者は、表示装置18の表示態様を視認することによって、検査対象であるコンクリート構造物のコンクリート面の状態を正確に、客観的に、かつ、容易に把握することができる。また、円筒状の本体11内に配設された集音装置16で本体11内の音圧を計測し、この周波数特性からコンクリート面の状態を判断するので、暗騒音を低減することができる。
このように、本実施の形態における点検用ハンマー装置は、頭部10を備える。そして、頭部10は、円筒状の本体11と、本体11の先端に弾性部材13を介して取り付けられた球体12と、本体11内に配設された集音装置16及び分析装置と、本体11の後端に取り付けられた表示装置18とを有し、集音装置16は、球体12が検査対象を打撃して生じた本体11内の音圧を計測し、分析装置は計測された音圧の時刻歴データに基づいて検査対象の状態を判断し、表示装置18は、検査対象の状態に応じて表示態様を変化させる。また、本実施の形態における点検用ハンマー装置を用いた点検方法は、円筒状の本体11と、本体11の先端に弾性部材13を介して取り付けられた球体12と、本体11内に配設された集音装置16及び分析装置と、本体11の後端に取り付けられた表示装置18とを有する頭部10を備える点検用ハンマー装置を用いた点検方法であり、球体12を検査対象に打ち付けて検査対象を打撃する工程と、検査対象を打撃して生じた本体11内の音圧を集音装置16によって計測する工程と、計測された音圧の時刻歴データに基づいて検査対象の状態を分析装置によって判断する工程と、表示装置18の表示態様を検査対象の状態に応じて変化させる工程とを含んでいる。
これにより、点検用ハンマー装置は、持ち運びが容易でありながら、正確に、客観的に、かつ、容易にコンクリート構造物の状態を把握することができる。
また、分析装置は計測された音圧の減衰又は周波数分布を分析し、検査対象の状態として健全度を判断する。さらに、音圧の減衰は、打撃直後の音圧の最大値と打撃後所定時間経過後の音圧の値との比であり、比が閾値を超えると分析装置は健全度が不良であると判断する。さらに、音圧の周波数分布は、フーリエ変換された音圧の時刻歴データにおける振幅スペクトルの周波数分布であり、周波数分布が集中していないと分析装置は健全度がより良好であると判断する。さらに、検査対象はコンクリート面であり、検査対象の状態は、コンクリートの内部空洞の有無、及び、コンクリートのはく落につながる欠損の有無を含んでいる。表示態様は表示色を含んでいる。
なお、本明細書の開示は、好適で例示的な実施の形態に関する特徴を述べたものである。ここに添付された特許請求の範囲内及びその趣旨内における種々の他の実施の形態、修正及び変形は、当業者であれば、本明細書の開示を総覧することにより、当然に考え付くことである。
本開示は、点検用ハンマー装置及びそれを用いた点検方法に適用することができる。
10 頭部
11 本体
12 球体
13 弾性部材
16 集音装置
18 表示装置

Claims (7)

  1. 頭部を備える点検用ハンマー装置であって、
    前記頭部は、円筒状の本体と、該本体の先端に弾性部材を介して取り付けられた球体と、前記本体内に配設された集音装置及び分析装置と、前記本体の後端に取り付けられた表示装置とを有し、
    前記集音装置は、前記球体が検査対象を打撃して生じた前記本体内の音圧を計測し、前記分析装置は計測された音圧の時刻歴データに基づいて前記検査対象の状態を判断し、前記表示装置は、前記検査対象の状態に応じて表示態様を変化させることを特徴とする点検用ハンマー装置。
  2. 前記分析装置は計測された音圧の減衰又は周波数分布を分析し、前記検査対象の状態として健全度を判断する請求項1に記載の点検用ハンマー装置。
  3. 前記音圧の減衰は、打撃直後の音圧の最大値と打撃後所定時間経過後の音圧の値との比であり、該比が閾値を超えると前記分析装置は前記健全度が不良であると判断する請求項2に記載の点検用ハンマー装置。
  4. 前記音圧の周波数分布は、フーリエ変換された音圧の時刻歴データにおける振幅スペクトルの周波数分布であり、該周波数分布が集中していないと前記分析装置は前記健全度がより良好であると判断する請求項2に記載の点検用ハンマー装置。
  5. 前記検査対象はコンクリート面であり、前記検査対象の状態は、コンクリートの内部空洞の有無、及び、コンクリートのはく落につながる欠損の有無を含む請求項1〜4のいずれか1項に記載の点検用ハンマー装置。
  6. 前記表示態様は表示色を含む請求項1〜5のいずれか1項に記載の点検用ハンマー装置。
  7. 円筒状の本体と、該本体の先端に弾性部材を介して取り付けられた球体と、前記本体内に配設された集音装置及び分析装置と、前記本体の後端に取り付けられた表示装置とを有する頭部を備える点検用ハンマー装置を用いた点検方法であって、
    前記球体を検査対象に打ち付けて該検査対象を打撃する工程と、
    前記検査対象を打撃して生じた前記本体内の音圧を前記集音装置によって計測する工程と、
    計測された音圧の時刻歴データに基づいて前記検査対象の状態を前記分析装置によって判断する工程と、
    前記表示装置の表示態様を前記検査対象の状態に応じて変化させる工程とを含むことを特徴とする点検用ハンマー装置を用いた点検方法。
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