JP2020097658A - 食器洗い機用洗浄剤組成物 - Google Patents
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家族の多い家庭やレストランなどで食器洗い機を頻繁に使う場合、又は茶渋汚れや固体脂などの強固な複合汚れを連続して洗う場合などの過酷な使用条件であると、食器や庫内の残菜フィルター周りに汚れが再汚染により蓄積することがある。蓄積される汚れは消費者に対して心理的不安を実感させる場合がある。
一方、食器洗い機用洗浄剤組成物としては、殺菌効果向上を目的として、ポリリジン等の殺菌剤成分を配合したものが提案されている(特許文献2)。特許文献2では、殺菌性の観点からアニオン界面活性剤の配合は好ましくないことが示唆されている。
界面活性剤を多量に含有させることで再汚染を低減することが可能であるが、泡が多量に発生してしまうので、食器洗い機の運転停止を招きかねず好ましくない。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、複合汚れの蓄積防止作用に優れる食器洗い機用洗浄剤組成物を提供することを課題とする。
[1](a)成分、(b)成分及び(c)成分を含み、
前記(a)成分は(a1)成分を含む界面活性剤であり、
前記(b)成分はキレート剤であり、
前記(c)成分はポリリジンであり、
前記(a1)成分は、非石鹸系アニオン界面活性剤であり、
前記(a1)成分の含有量に対する前記(c)成分の含有量の質量比(c)/(a1)が0.002〜0.5である食器洗い機用洗浄剤組成物。
[2]前記(b)成分を無水の酸型として6〜25質量%含む、[1]に記載の食器洗い機用洗浄剤組成物。
[3]前記(b)成分の無水の酸型としての含有量に対する前記(c)成分の含有量の質量比(c)/(b)が0.0001〜0.01である、[1]または[2]に記載の食器洗い機用洗浄剤組成物。
[4]前記(a)成分に占める前記(a1)成分の割合(a1)/(a)が20〜100質量%である、[1]〜[3]のいずれか一項に記載の食器洗い機用洗浄剤組成物。
[5]前記(a)成分を0.1〜10質量%含む、[1]〜[4]のいずれか一項に記載の食器洗い機用洗浄剤組成物。
[6]前記(b)成分が分子量800以下の低分子キレート剤である、[1]〜[5]のいずれか一項に記載の食器洗い機用洗浄剤組成物。
本発明の食器洗い機用洗浄剤組成物は、(a)成分と、(b)成分と、(c)成分を含む。
本発明の食器洗い機用洗浄剤組成物は、液体であってもよいし、粉体であってもよい。
(a)成分は界面活性剤である。(a)成分は非石鹸系アニオン界面活性剤(a1)(以下、「(a1)成分」ともいう)を含む。
(a)成分は、(a1)成分の他、ノニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤からなる群から選択される少なくとも1種の界面活性剤(a2)(以下、「(a2)成分」ともいう)とを含んでいてもよい。
(a)成分は、(a1)成分以外のアニオン界面活性剤を含まない方が好ましい。
(a1)成分は、大別するとスルホン酸塩タイプ、硫酸エステル塩タイプ、カルボン酸塩タイプ、リン酸エステルタイプが挙げられる。
硫酸エステル塩タイプとしては、アルキル硫酸エステル塩、アルケニル硫酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルケニルエーテル硫酸エステル塩等が挙げられる。
カルボン酸塩タイプとしては、アルキルエーテルカルボン酸塩、アミドエーテルカルボン酸塩、スルホコハク酸塩、アミノ酸系アニオン界面活性剤等が挙げられる。
なかでも、複合汚れに対する蓄積防止作用が高いことからスルホン酸塩タイプが好ましく、特にアルカンスルホン酸塩及びジアルキルスルホコハク酸塩が好ましい。
アニオン界面活性剤を構成する塩としては、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム等の金属塩等が挙げられる。
これらの中でも、炭素数14以上、17以下の2級アルカンスルホン酸ナトリウムの混合物が好ましい。
市販品としては、クラリアントジャパン社製 HOSTAPUR SAS30、バイエル社製MERSOLATE H−95、花王株式会社製ラムテルPS等が挙げられる。
R21−X−[(EO)s/(PO)t]−R22 ・・・(a21)
−X−としては、−O−、−COO−、−CONH−等が挙げられる。
R22におけるアルキル基の炭素数は、1〜6であり、1〜3が好ましい。
R22におけるアルケニル基の炭素数は、2〜6であり、2〜3が好ましい。
tは、1〜10の数であり、2〜8が好ましい。
tが1以上の場合、すなわち、化合物(a21)がEO及びPOを有する場合、エチレンオキシド及びプロピレンオキシドの付加方法は特に限定されず、例えば、ランダム付加方法でもよく、ブロック付加方法でもよい。ブロック付加方法としては、例えば、エチレンオキシドを付加した後、プロピレンオキシドを付加する方法、プロピレンオキシドを付加した後、エチレンオキシドを付加する方法、エチレンオキシドを付加した後、プロピレンオキシドを付加し、さらにエチレンオキシドを付加する方法などが挙げられる。
具体的にはライオン・スペシャリティ・ケミカルズ社製のNNAEP、三洋化成社製のサンノニックシリーズ、ナローアクティシリーズ、第一工業製薬社製のノイゲンシリーズ、BASF社製のPlurafac、Lutensolシリーズ、ADEKA社製のプルロニックシリーズ、花王社製のエマルゲンシリーズ等が挙げられる。
R25(OR26)xGy ・・・(a22)
式(a22)中、R25は、直鎖又は分岐鎖の炭素数8以上18以下、好ましくは12以上14以下のアルキル基、アルケニル基又はアルキルフェニル基、好ましくはアルキル基を示し、R26は炭素数2以上4以下のアルキレン基を示し、Gyは炭素数5又は6の還元糖に由来する残基を示す。xは平均付加モル数を示し、0以上5以下の数である。
yはその平均値が1以上5以下となる数を示す。
式(a22)中、R25は、保存安定性の観点から、炭素数8以上、好ましくは10以上、そして、18以下、好ましくは14以下の直鎖又は分岐鎖のアルキル基である。
式(a22)中、xは、保存安定性の観点から、好ましくは0以上、2以下であり、より好ましくは0である。yは、保存安定性の観点から、好ましくは1.1以上、そして、好ましくは1.5以下、より好ましくは1.4以下である。尚、yはプロトンNMR法による測定値である。
式(a22)中、Gは、それらの入手容易性及びコストの点から、グルコース及びフルクトースから選ばれる1種以上の単糖類に由来する残基が挙げられる。また、Gは、マルトース及びスクロースから選ばれる1種以上の多糖類に由来する残基が挙げられる。Gは、グルコースの単糖類に由来する残基が好ましい。
本発明において「脂肪酸アルカノールアミド」とは、たとえば、脂肪酸、脂肪酸アルキルエステル、脂肪酸クロリド又は油脂等と、アルカノールアミン(モノエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン等)と、の反応によって生成するもの、すなわち、脂肪酸モノアルカノールアミド、及び/又は、脂肪酸ジアルカノールアミドを包含する。
「ポリオキシエチレン脂肪酸アルカノールアミド」とは、前記脂肪酸アルカノールアミドにオキシエチレン基が導入されたものをいう。
有機概念図におけるIOBとは、該有機概念図における有機性値(OV)に対する無機性値(IV)の比、即ち「無機性値(IV)/有機性値(OV)」をいう。
該有機概念図とは、藤田穆により提案されたものであり、その詳細は“Pharmaceutical Bulletin”,1954,vol.2,2,pp.163−173;「化学の領域」,1957,vol.11,10,pp.719−725;「フレグランスジャーナル」,1981,vol.50,pp.79−82などで説明されている。即ち、全ての有機化合物の根源をメタン(CH4)とし、他の化合物は全てメタンの誘導体とみなして、その炭素数、置換基、変態部、環などにそれぞれ一定の数値を設定し、そのスコアを加算して有機性値及び無機性値を求める。そして、これらの値を、有機性値をX軸、無機性値をY軸とした図上にプロットしていくものである。この有機概念図は、「有機概念図−基礎と応用−」(甲田善生著、三共出版、1984)等にも示されている。
アルキルアミン化合物としては、第1級アミン、第2級アミン、第3級アミンが挙げられる。具体的には、ヤシアルキルアミン、牛脂アルキルアミン、オレイルアミン、オクチルアミン、ドデシルアミン、オクタデシルアミン、ジ硬化牛脂アルキルアミン、ヤシアルキルジメチルアミン、牛脂アルキルジメチルアミン、ドデシルジメチルアミン、ヘキサデシルジメチルアミン、オクタデシルジメチルアミン、ベヘニルジメチルアミン、ジオレイルメチルアミン、ジデシルメチルアミン、N−ヤシアルキルー1,3−ジアミノプロパン、N−牛脂アルキル−1,3−ジアミノプロパン、N−硬化牛脂アルキルー1,3−ジアミノプロパン、牛脂アルキルジプロピレントリアミンのようなアルキルアミンまたはその塩等が挙げられる。
(a)成分の含有量は、食器洗い機用洗浄剤組成物の総質量に対して、0.1〜10質量%が好ましく、0.3〜5質量%がより好ましく、0.5〜3質量%がさらに好ましい。
(a)成分の含有量が上記好ましい範囲の下限値以上であると、複合汚れに対する蓄積防止作用を発揮しやすい。(a)成分の含有量が上記好ましい範囲の上限値以下であると、過剰な泡立ちを抑制しやすい。
(a1)成分の含有量は、食器洗い機用洗浄剤組成物の総質量に対して、0.1〜10質量%が好ましく、0.3〜5質量%がより好ましく、0.5〜3質量%がさらに好ましい。
(a1)成分の含有量が上記好ましい範囲の下限値以上であると、複合汚れに対する蓄積防止作用を発揮しやすい。(a1)成分の含有量が上記好ましい範囲の上限値以下であると、過剰な泡立ちを抑制しやすい。
(a1)/(a)が上記好ましい範囲の下限値以上であれば、過剰な泡立ちを抑制しつつ、複合汚れに対する蓄積防止作用を発揮しやすい。
(b)成分はキレート剤である。(b)成分としては、特に限定されず、これまで食器洗い機用洗浄剤に用いられてきた一般的なキレート剤を使用できる。(b)成分は分子量800以下の低分子キレート剤、及び分子量800を超える高分子キレート剤のいずれでもよいが、ガラスコップ等の茶渋汚れに対する洗浄力が高まりやすいことから、分子量800以下の低分子キレート剤が好ましい。
なかでも、クエン酸、L−グルタミン酸二酢酸、メチルグリシン二酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、又はこれらの塩が好ましく、クエン酸又はその塩が特に好ましい。
(b)成分を構成する塩としては、アルカリ金属塩が好ましく、ナトリウム塩、カリウム塩がより好ましい。
(b)成分の無水の酸型としての含有量は、食器洗い機用洗浄剤組成物の総質量に対して、6〜25質量%が好ましく、8〜20質量%がより好ましく、10〜15質量%がさらに好ましい。
(b)成分の無水の酸型としての含有量が好ましい下限値以上であると、ガラスコップ等の茶渋汚れに対する洗浄力が高まり、(b)成分の含有量が好ましい上限値以下であると、過剰な泡立ちを抑制しやすい。
(c)成分は、ポリリジンである。ポリリジンとしては、α−ポリ−L−リジン、ε−ポリ−L−リジン、ε−ポリ−D−リジン等が挙げられる。前記ポリリジンはいずれも使用できる。本発明では安全性の面から、α−ポリ−L−リジンおよびε−ポリ−Lリジンを好ましく使用することができる。特に、下記一般式(c1)で表されるε−ポリ−Lリジンが、安全性の観点から好ましい。
式(c1)におけるpは繰り返し数である。pは5〜100であることが好ましく、10〜50であることがより好ましく、13〜27であることがさらに好ましい。
ポリリジンとしては、取り扱いを容易にするために賦形剤や増量剤で加工されたものを使用することができる。
(c)成分の含有量が好ましい下限値以上であると、汚れの蓄積防止作用が十分に発揮され、(c)成分の含有量が好ましい上限値以下であると、(a1)成分との相互作用により複合汚れの蓄積抑制効果が高まりやすい。
(c)/(a1)が上記範囲であることにより、複合汚れに対する蓄積防止効果を発揮できる。また、(c)/(a1)が上記好ましい範囲であることにより、静電相互作用による複合体形成を抑制しやすい。
(c)/(b)が上記好ましい範囲であることにより、複合汚れに対する蓄積防止効果がより向上する。
本発明の食器洗い機用洗浄剤組成物には、本発明の目的を損なわない範囲で、溶剤、ハイドロトロープ剤、分散剤、増粘剤、粘度調整剤、酵素、香料、着色剤、防腐剤、除菌剤、漂白剤、漂白活性化剤などの成分を配合することができる。
溶剤としては、水、エタノール、プロピレングリコールが挙げられる。
酸性増粘多糖類とはグルコースの酸化物であるグルクロン酸、ガラクトースの酸化物であるガラクツロン酸、マンノースの酸化物であるマンヌロン酸などの単糖類酸化物が結合した多糖類を増粘剤としても良い。
酸性増粘多糖類としては:キサンタンガム、ジェランガム、カラギーナン、ペクチン、大豆多糖類、アルギン酸、アラビアガム、カラヤガム、トラガントガム、ヒアルロン酸等が挙げられる。
好ましくは、キサンタンガム、ジェランガム、カラギーナンであり、さらに好ましいのはキサンタンガム、ジェランガムである。
酸性増粘多糖類の含有量としては、該当洗浄剤の全質量に対して、0.05〜1.5質量%が好ましく、0.1〜1質量%が更に好ましく、0.2〜1質量%が最も好ましい。
本発明の食器洗い機用洗浄剤組成物の25℃におけるpHは、食器洗い機に対する腐食性の点から、5以上が好ましい。また、低泡性の点から、11以下が好ましい。より好ましくは6〜10である。
食器洗い機用洗浄剤組成物のpHは、食器洗い機用洗浄剤組成物が液体の場合は25℃に調整し、pHメーター等により測定される値を示す。
食器洗い機用洗浄剤組成物が粉体の場合は、食器洗い機用洗浄剤組成物の6gを純水3000mLに溶解し、25℃に調整し、pHメーター等により測定される値を示す。
本発明の食器洗い機用洗浄剤組成物の製造方法は、特に限定されず、従来公知の製造方法を用いることができる。
液体状の食器洗い機用洗浄剤組成物の製造方法としては、(a)成分、(b)成分、(c)成分及び溶剤と、必要に応じてその他の任意成分とを混合し、pH調整剤を添加してpHを調整することにより製造できる。
食器洗い機用洗浄剤組成物を用いて食器洗い機により洗浄対象物を洗浄する方法としては、洗浄とすすぎの各工程をいずれも有する方法が挙げられる。
洗浄方法としては、たとえば、常温(好ましくは5〜30℃程度)の水道水を食器洗い機庫内に導入して調製される洗浄液を、所定の洗浄温度(洗浄時に循環する洗浄液の温度)まで昇温しながら洗浄対象物を洗浄する工程(以下「洗浄工程」という。)と、洗浄後の洗浄対象物を、常温の水道水ですすぐ工程(以下「すすぎ(1)工程」という。)と、常温の水道水を、好ましくは70〜75℃まで2〜3℃/分で昇温しながら、前記すすぎ(1)工程後の洗浄対象物をさらにすすぐ工程(以下「すすぎ(2)工程」という。)を有する方法が挙げられる。洗浄工程での洗浄時間は、10〜40分間が好ましい。
本発明の食器洗い機用洗浄剤組成物の使用量は、食器洗い機の機種や、食器等の汚れの程度に応じて使用すればよい。また、本発明の食器洗い機用洗浄剤組成物に含まれる(a)成分の含有量が高い場合は、過剰な泡立ちを避ける観点で、使用量を少なめとすることが好ましい。
<(a)成分:界面活性剤>
・(a1)成分:非石鹸系アニオン界面活性剤
a1−1:第2級アルカンスルホン酸ナトリウム(クラリアントジャパン株式会社製、商品名「HOSTAPUR SAS 30A」)。
a1−2:ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム塩(ライオン株式会社製、商品名:「サンノールLMT−1430」。
a1−3:ジ−2エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム(ライオン株式会社製、商品名「リパール870P」)。
a2−1:ポリオキシアルキレンアルキルエーテル(ライオン株式会社製、商品名「NNAEP−3030」)。
a2−2:C18ジメチルアミノプロピルアミド(東邦化学株式会社製、商品名「カチナールMPAS」)。
a2−3:n−ドデシルジメチルアミンオキシド(ライオンスペシャリティケミカルズ株式会社製、商品名「アロモックスDM12D−W(C)」)。
a2−4:ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン(第一工業製薬製、商品名「アミーゲンS」)。
b−1:クエン酸(扶桑化学工業株式会社製、商品名「精製クエン酸(無水)」)。
b−2:メチルグリシン二酢酸(BASF社製、商品名「Torilon M」)。
b−3:L−グルタミン酸二酢酸塩(アクゾノーベル株式会社製、商品名「GL−47−S」)。
b−4:エチレンジアミン四酢酸(アクゾノーベル株式会社、商品名「ディゾルビンZ」)。
b−5:アクリル酸/マレイン酸共重合物ソーダ塩(日本触媒株式会社製、商品名「アクアリックTL−400」)。
c−1:ポリリジン(JNC株式会社製、商品名「ε―ポリリジン」)。
<(cx)成分:比較成分>
cx−1:塩化ジデシルジメチルアンモニウム(ライオン株式会社製、商品名「アーカード210」)。
cx−2:マレイン酸/オレフィン共重合物ソーダ塩(BASF社製、商品名「Sokalan CP9」)。
・pH調整剤:水酸化ナトリウム:48%水酸化ナトリウム(旭硝子株式会社製社製)。
・増粘剤:キサンタンガム(三晶株式会社製、製品名KELZAN T)。
表1〜表6の配合に従い、溶媒の水に、(a)成分と、(b)成分と、(c)成分または(cx)成分と、増粘剤とpH調整剤を溶解することにより、各例の洗浄剤組成物0.8kgをそれぞれ調製した。
なお、表中の配合量は、いずれの成分も純分換算量である。(b)成分の配合量は無水の酸型としての純分換算量である。(cx)/(b)は、(b)成分の無水の酸型としての含有量に対する(cx)成分の含有量の質量比である。
表中の空欄はその成分が配合されていないことを示す。また、「バランス」は、各例の組成物に含まれる全配合成分の合計の配合量(質量%)が100質量%となるように水が配合されていることを意味する。
まず、1Lビーカー(直径12cm)内に、水を組成物全体の50質量%となるように投入した。
HEIDON FBL1200スリーワンモーター(新東科学株式会社製)の撹拌機に直径7.5cm、幅1.5cm、角度45度の4枚羽パドルを装着して前記ビーカー内に挿入し、内容物が飛び散らないように回転数400〜900rpmで撹拌した。
この攪拌を継続した状態で、(a)成分と、(b)成分と、(c)成分または(cx)成分と、増粘剤を、表に記載した各々の配合量で投入し、混合液を得た。
この混合液を25℃に調整し、JIS Z 8802:1984「pH測定方法」に準拠してガラス電極式pHメーター(HM−30G、東亜ディーケーケー株式会社製)でpHを測定しながら、pH7となるまで、pH調整剤を添加した。
そして、組成物全体が100質量%となるように残りの水を加え、前記撹拌機の回転数650rpmとして1分間撹拌することにより各例の洗浄剤組成物を得た。
<評価装置>
食器洗い機として、自動食器洗い乾燥機(パナソニック株式会社製、機種NP−TM2)を用いた。該自動食器洗い乾燥機に設定されている標準コース(通常モード)は下記のとおりである。
液体洗浄剤が投入された後、約5℃の水道水約3Lを庫内に導入して洗浄液を調製する。調製した洗浄液を55℃まで2〜3℃/minで昇温しながら装置内を循環させ、20分間洗浄を行い、その後該洗浄液を排水する。
次いで、新たな水道水約3Lを導入し、2分間装置内を循環させるすすぎと、その後のすすぎ液の排水とを2回繰り返す。すすぎ液の2回目の排水後、新たな水道水約3Lを導入し、70℃まで2〜3℃/minで昇温しながら装置内を20分間循環させる最終すすぎを行い、排水後、30分間送風させながら食器等を乾燥する。
以下の汚れ材料を用意した。
・混合油:牛脂/ラード/バター/サラダ油=3/3/3/1(質量比)の混合油。
・混合汚れ材料:レトルトカレー(ボンカレーゴールド21辛口)200g、生卵(Lサイズ)1個、ご飯150gを混合したもの。ご飯は、自主流通米一類こしひかり相当の米を用い、米と水の量の比は炊飯器の標準として炊飯し、炊飯後12時間以内のものを使用した。
・紅茶:日東紅茶DAY&DAY TEA BAGの1袋を80℃の湯150mLに1分間浸して得た紅茶液。
上記汚れ材料を用いて、以下のようにして汚れ食器を用意した。
・油汚れ皿:半径100mm、高さ15mmの陶器皿に、前記混合油2gを付着させた。
・混合汚れ皿:半径100mm、高さ15mmの陶器皿に前記混合汚れ材料30gをのせ、皿表面を均一に汚染したのち、混合汚れ材料を捨てた。ただし、ご飯は10粒程度残し、スプーンで潰して付着させた。
・汚れコップ:上径63mm、下径53mm、高さ100mmのガラスコップに紅茶10gを入れた。
上記油汚れ皿の2枚と混合汚れ皿の3枚と汚れコップの4個の計9点の汚れ食器を、前記自動食器洗い乾燥機に装填し、各例の洗浄剤組成物を、各々表の「組成物の使用量」の欄に記載した量で投入して標準コース(節電モード)にて洗浄処理を施した。
この汚れ食器の洗浄処理を、一日一回、計30日間連続的に行った後、食器と残菜フィルター周りの汚れ具合を観察、指でさわり、下記の評価基準に基づいて、複合汚れの蓄積評価をした。
5点:目視で初期状態と変化なく、複合汚れを確認できない。
4点:目視で初期状態との差を少し感じるが、複合汚れを確認できない。
3点:目視で初期状態との差を感じるが、複合汚れを確認できない。
2点:目視で初期状態との差を感じ、また複合汚れをわずかに確認できる。
1点:目視で初期状態との差を感じ、また複合汚れをはっきり確認できる。
これに対して、表6の比較例1〜3に示すように、(a1)成分を含む(a)成分、(b)成分、及び(c)成分の内、何れか一つでも欠けると、複合汚れの蓄積が見られた。
また、比較例4、5に示すように、(c)成分に代えて、(c)成分と同様に殺菌作用を有するcx−1を配合しても、複合汚れの蓄積防止効果は得られなかった。(c)成分に代えて、ポリリジンと同様にカチオン性を有するポリマーであるcx−2を配合しても、複合汚れの蓄積防止効果は得られず、却って蓄積が顕著に見られた。
また、(c)成分と(a1)成分の比率が本発明で規定した範囲外である比較例6、7でも、複合汚れの蓄積防止効果は得られなかった。
Claims (6)
- (a)成分、(b)成分及び(c)成分を含み、
前記(a)成分は(a1)成分を含む界面活性剤であり、
前記(b)成分はキレート剤であり、
前記(c)成分はポリリジンであり、
前記(a1)成分は、非石鹸系アニオン界面活性剤であり、
前記(a1)成分の含有量に対する前記(c)成分の含有量の質量比(c)/(a1)が0.002〜0.5である食器洗い機用洗浄剤組成物。 - 前記(b)成分を無水の酸型として6〜25質量%含む、請求項1に記載の食器洗い機用洗浄剤組成物。
- 前記(b)成分の無水の酸型としての含有量に対する前記(c)成分の含有量の質量比(c)/(b)が0.0001〜0.01である、請求項1又は2に記載の食器洗い機用洗浄剤組成物。
- 前記(a)成分に占める前記(a1)成分の割合(a1)/(a)が20〜100質量%である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の食器洗い機用洗浄剤組成物。
- 前記(a)成分を0.1〜10質量%含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の食器洗い機用洗浄剤組成物。
- 前記(b)成分が分子量800以下の低分子キレート剤である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の食器洗い機用洗浄剤組成物。
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