JP2020097658A - 食器洗い機用洗浄剤組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】複合汚れの蓄積防止作用に優れる食器洗い機用洗浄剤組成物を提供する。【解決手段】(a)成分、(b)成分及び(c)成分を含み、前記(a)成分は(a1)成分を含む界面活性剤であり、前記(b)成分はキレート剤であり、前記(c)成分はポリリジンであり、前記(a1)成分は、非石鹸系アニオン界面活性剤であり、前記(a1)成分の含有量に対する前記(c)成分の含有量の質量比(c)/(a1)が0.002〜0.5である食器洗い機用洗浄剤組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、食器洗い機用洗浄剤組成物に関する。
食器洗い機による洗浄には、一般に、専用の洗浄剤(食器洗い機用洗浄剤)が用いられる。
家族の多い家庭やレストランなどで食器洗い機を頻繁に使う場合、又は茶渋汚れや固体脂などの強固な複合汚れを連続して洗う場合などの過酷な使用条件であると、食器や庫内の残菜フィルター周りに汚れが再汚染により蓄積することがある。蓄積される汚れは消費者に対して心理的不安を実感させる場合がある。
食器洗い機の再汚染を抑制することを目的として、アルカノールアミド等のノニオン界面活性剤とキレート剤と酵素を含有する食器洗い機用洗浄剤が開示されている(特許文献1)。
一方、食器洗い機用洗浄剤組成物としては、殺菌効果向上を目的として、ポリリジン等の殺菌剤成分を配合したものが提案されている(特許文献2)。特許文献2では、殺菌性の観点からアニオン界面活性剤の配合は好ましくないことが示唆されている。
特開2014−227445号公報 特開2014−80500号公報
しかし、特許文献1の食器洗い機用洗浄剤は、茶渋と油を含んだ複合汚れの蓄積防止能力は充分ではなく、過酷な使用条件において再汚染物が蓄積される場合があった。
界面活性剤を多量に含有させることで再汚染を低減することが可能であるが、泡が多量に発生してしまうので、食器洗い機の運転停止を招きかねず好ましくない。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、複合汚れの蓄積防止作用に優れる食器洗い機用洗浄剤組成物を提供することを課題とする。
上記の課題を達成するために、本発明は以下の構成を採用した。
[1](a)成分、(b)成分及び(c)成分を含み、
前記(a)成分は(a1)成分を含む界面活性剤であり、
前記(b)成分はキレート剤であり、
前記(c)成分はポリリジンであり、
前記(a1)成分は、非石鹸系アニオン界面活性剤であり、
前記(a1)成分の含有量に対する前記(c)成分の含有量の質量比(c)/(a1)が0.002〜0.5である食器洗い機用洗浄剤組成物。
[2]前記(b)成分を無水の酸型として6〜25質量%含む、[1]に記載の食器洗い機用洗浄剤組成物。
[3]前記(b)成分の無水の酸型としての含有量に対する前記(c)成分の含有量の質量比(c)/(b)が0.0001〜0.01である、[1]または[2]に記載の食器洗い機用洗浄剤組成物。
[4]前記(a)成分に占める前記(a1)成分の割合(a1)/(a)が20〜100質量%である、[1]〜[3]のいずれか一項に記載の食器洗い機用洗浄剤組成物。
[5]前記(a)成分を0.1〜10質量%含む、[1]〜[4]のいずれか一項に記載の食器洗い機用洗浄剤組成物。
[6]前記(b)成分が分子量800以下の低分子キレート剤である、[1]〜[5]のいずれか一項に記載の食器洗い機用洗浄剤組成物。
本発明の食器洗い機用洗浄剤組成物は、複合汚れの蓄積防止作用に優れる。
≪食器洗い機用洗浄剤組成物≫
本発明の食器洗い機用洗浄剤組成物は、(a)成分と、(b)成分と、(c)成分を含む。
本発明の食器洗い機用洗浄剤組成物は、液体であってもよいし、粉体であってもよい。
<(a)成分>
(a)成分は界面活性剤である。(a)成分は非石鹸系アニオン界面活性剤(a1)(以下、「(a1)成分」ともいう)を含む。
(a)成分は、(a1)成分の他、ノニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤からなる群から選択される少なくとも1種の界面活性剤(a2)(以下、「(a2)成分」ともいう)とを含んでいてもよい。
(a)成分は、(a1)成分以外のアニオン界面活性剤を含まない方が好ましい。
(a1)成分は、非石鹸系アニオン界面活性剤である。「非石鹸系アニオン界面活性剤」とは、炭素数8〜24の飽和又は不飽和脂肪酸塩(いわゆる石鹸)を除くアニオン界面活性剤を意味する。
(a1)成分は、大別するとスルホン酸塩タイプ、硫酸エステル塩タイプ、カルボン酸塩タイプ、リン酸エステルタイプが挙げられる。
スルホン酸塩タイプとしては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、アルカンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、α−スルホ脂肪酸塩、α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩、アルキルスルホコハク酸塩、ジアルキルスルホコハク酸等が挙げられる。
硫酸エステル塩タイプとしては、アルキル硫酸エステル塩、アルケニル硫酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルケニルエーテル硫酸エステル塩等が挙げられる。
カルボン酸塩タイプとしては、アルキルエーテルカルボン酸塩、アミドエーテルカルボン酸塩、スルホコハク酸塩、アミノ酸系アニオン界面活性剤等が挙げられる。
上記アニオン界面活性剤は、炭素数8〜18のアルキル基又は炭素数8〜18のアルケニル基を有することが好ましく、炭素数8〜18のアルキル基が好ましい。当該アルキル基又は当該アルケニル基は、直鎖状であってもよく、分岐鎖状であってもよい。
なかでも、複合汚れに対する蓄積防止作用が高いことからスルホン酸塩タイプが好ましく、特にアルカンスルホン酸塩及びジアルキルスルホコハク酸塩が好ましい。
アニオン界面活性剤を構成する塩としては、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム等の金属塩等が挙げられる。
アルカンスルホン酸塩の具体例としては、テトラデカンスルホン酸ナトリウム、ヘキサデカンスルホン酸ナトリウム、及びオクタデカンスルホン酸ナトリウム等が挙げられる。
これらの中でも、炭素数14以上、17以下の2級アルカンスルホン酸ナトリウムの混合物が好ましい。
市販品としては、クラリアントジャパン社製 HOSTAPUR SAS30、バイエル社製MERSOLATE H−95、花王株式会社製ラムテルPS等が挙げられる。
(a2)成分の内ノニオン界面活性剤としては、ポリオキシアルキレン型ノニオン界面活性剤、アルキルポリグリコシド型ノニオン界面活性剤、脂肪族アルカノールアミド型ノニオン界面活性剤、ソルビタン脂肪酸エステル型ノニオン界面活性剤、アルキルモノグリセリルエーテル型ノニオン界面活性剤、脂肪酸モノグリセライド型ノニオン界面活性剤、蔗糖脂肪酸エステル型ノニオン界面活性剤等が挙げられる。
ポリオキシアルキレン型ノニオン界面活性剤としては、下記式(a21)で表される化合物(以下、「化合物(a21)」ともいう)が好ましい。
21−X−[(EO)/(PO)]−R22 ・・・(a21)
式(a21)中、R21は炭素数6〜22の炭化水素基であり、Xは2価の連結基であり、R22は水素原子、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数2〜6のアルケニル基であり、EOはオキシエチレン基を表し、POはオキシプロピレン基を表し、sはEOの平均繰り返し数を表し、1〜20の数であり、tはPOの平均繰り返し数を表し、1〜20の数である。
式(a21)中、R21の炭化水素基の炭素数は、6〜22であり、8〜22が好ましく、10〜18がより好ましい。R21の炭化水素基は、直鎖であっても分岐鎖であってもよく、不飽和結合を有していても有していなくてもよい。
−X−としては、−O−、−COO−、−CONH−等が挙げられる。
22におけるアルキル基の炭素数は、1〜6であり、1〜3が好ましい。
22におけるアルケニル基の炭素数は、2〜6であり、2〜3が好ましい。
−X−が−O−、−COO−又は−CONH−である化合物(a21)は、第1級もしくは第2級の高級アルコール(R21−OH)、高級脂肪酸(R21−COOH)又は高級脂肪酸アミド(R21−CONH)を原料として得られる。これら原料におけるR21は、式(a21)中のR21と同じである。
sは、1〜20の数であり、3〜10が好ましい。
tは、1〜10の数であり、2〜8が好ましい。
tが1以上の場合、すなわち、化合物(a21)がEO及びPOを有する場合、エチレンオキシド及びプロピレンオキシドの付加方法は特に限定されず、例えば、ランダム付加方法でもよく、ブロック付加方法でもよい。ブロック付加方法としては、例えば、エチレンオキシドを付加した後、プロピレンオキシドを付加する方法、プロピレンオキシドを付加した後、エチレンオキシドを付加する方法、エチレンオキシドを付加した後、プロピレンオキシドを付加し、さらにエチレンオキシドを付加する方法などが挙げられる。
化合物(a21)としては、特に、−X−が−O−である化合物(アルコール型ノニオン界面活性剤)、又は、−X−が−COO−であり、R22が炭素数1〜6のアルキル基もしくは炭素数2〜6のアルケニル基である化合物(脂肪酸アルキル(アルケニル)エステル)が好ましい。
−X−が−O−である場合、R21の炭素数は10〜22が好ましく、10〜20がより好ましく、10〜18がさらに好ましい。−X−が−O−である場合、R22は水素原子が好ましい。
−X−が−COO−である場合、R21の炭素数は9〜21が好ましく、11〜21がより好ましい。−X−が−COO−である場合、R22は炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数2〜6のアルケニル基が好ましく、炭素数1〜3のアルキル基がより好ましい。
具体的にはライオン・スペシャリティ・ケミカルズ社製のNNAEP、三洋化成社製のサンノニックシリーズ、ナローアクティシリーズ、第一工業製薬社製のノイゲンシリーズ、BASF社製のPlurafac、Lutensolシリーズ、ADEKA社製のプルロニックシリーズ、花王社製のエマルゲンシリーズ等が挙げられる。
アルキルポリグリコシド型ノニオン界面活性剤としては、下記式(a22)で表されるノニオン界面活性剤が好ましい。
25(OR26 ・・・(a22)
式(a22)中、R25は、直鎖又は分岐鎖の炭素数8以上18以下、好ましくは12以上14以下のアルキル基、アルケニル基又はアルキルフェニル基、好ましくはアルキル基を示し、R26は炭素数2以上4以下のアルキレン基を示し、Gyは炭素数5又は6の還元糖に由来する残基を示す。xは平均付加モル数を示し、0以上5以下の数である。
yはその平均値が1以上5以下となる数を示す。
式(a22)中、R25は、保存安定性の観点から、炭素数8以上、好ましくは10以上、そして、18以下、好ましくは14以下の直鎖又は分岐鎖のアルキル基である。
式(a22)中、xは、保存安定性の観点から、好ましくは0以上、2以下であり、より好ましくは0である。yは、保存安定性の観点から、好ましくは1.1以上、そして、好ましくは1.5以下、より好ましくは1.4以下である。尚、yはプロトンNMR法による測定値である。
式(a22)中、Gは、それらの入手容易性及びコストの点から、グルコース及びフルクトースから選ばれる1種以上の単糖類に由来する残基が挙げられる。また、Gは、マルトース及びスクロースから選ばれる1種以上の多糖類に由来する残基が挙げられる。Gは、グルコースの単糖類に由来する残基が好ましい。
脂肪族アルカノールアミド型ノニオン界面活性剤としては、脂肪酸アルカノールアミド及びポリオキシエチレン脂肪酸アルカノールアミドからなる群より選ばれ、かつ、HLBが9.5以上12未満のノニオン界面活性剤が好ましい。
本発明において「脂肪酸アルカノールアミド」とは、たとえば、脂肪酸、脂肪酸アルキルエステル、脂肪酸クロリド又は油脂等と、アルカノールアミン(モノエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン等)と、の反応によって生成するもの、すなわち、脂肪酸モノアルカノールアミド、及び/又は、脂肪酸ジアルカノールアミドを包含する。
「ポリオキシエチレン脂肪酸アルカノールアミド」とは、前記脂肪酸アルカノールアミドにオキシエチレン基が導入されたものをいう。
「HLB」は、有機概念図におけるIOB×10で示される。
有機概念図におけるIOBとは、該有機概念図における有機性値(OV)に対する無機性値(IV)の比、即ち「無機性値(IV)/有機性値(OV)」をいう。
該有機概念図とは、藤田穆により提案されたものであり、その詳細は“Pharmaceutical Bulletin”,1954,vol.2,2,pp.163−173;「化学の領域」,1957,vol.11,10,pp.719−725;「フレグランスジャーナル」,1981,vol.50,pp.79−82などで説明されている。即ち、全ての有機化合物の根源をメタン(CH)とし、他の化合物は全てメタンの誘導体とみなして、その炭素数、置換基、変態部、環などにそれぞれ一定の数値を設定し、そのスコアを加算して有機性値及び無機性値を求める。そして、これらの値を、有機性値をX軸、無機性値をY軸とした図上にプロットしていくものである。この有機概念図は、「有機概念図−基礎と応用−」(甲田善生著、三共出版、1984)等にも示されている。
脂肪族アルカノールアミド型ノニオン界面活性剤の具体例としては、ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド、ラウリン酸モノエタノールアミド、ミリスチン酸モノエタノールアミド、パルミチン酸モノエタノールアミド、ステアリン酸モノエタノールアミド、イソステアリン酸モノエタノールアミド、ラウリン酸モノイソプロパノールアミド等の脂肪酸モノアルカノールアミド;ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド、ポリオキシエチレンラウリン酸モノエタノールアミド、ポリオキシエチレンミリスチン酸モノエタノールアミド、ポリオキシエチレンパルミチン酸モノエタノールアミド、ポリオキシエチレンステアリン酸モノエタノールアミド、ポリオキシエチレンイソステアリン酸モノエタノールアミド、ポリオキシエチレンラウリン酸モノイソプロパノールアミド等のポリオキシエチレン脂肪酸モノアルカノールアミドが挙げられる。
カチオン界面活性剤としてはアミン化合物、第4級アンモニウム塩、アミンオキシドが挙げられる。
アミン化合物としては、アルキルアミン、アルキルアミドアミン等が挙げられる。油汚れ洗浄力の観点からアルキルアミドアミンが好ましい。
アルキルアミン化合物としては、第1級アミン、第2級アミン、第3級アミンが挙げられる。具体的には、ヤシアルキルアミン、牛脂アルキルアミン、オレイルアミン、オクチルアミン、ドデシルアミン、オクタデシルアミン、ジ硬化牛脂アルキルアミン、ヤシアルキルジメチルアミン、牛脂アルキルジメチルアミン、ドデシルジメチルアミン、ヘキサデシルジメチルアミン、オクタデシルジメチルアミン、ベヘニルジメチルアミン、ジオレイルメチルアミン、ジデシルメチルアミン、N−ヤシアルキルー1,3−ジアミノプロパン、N−牛脂アルキル−1,3−ジアミノプロパン、N−硬化牛脂アルキルー1,3−ジアミノプロパン、牛脂アルキルジプロピレントリアミンのようなアルキルアミンまたはその塩等が挙げられる。
アルキルアミドアミン化合物としては、例えばミリスチン酸ジメチルアミノエチルアミド、ミリスチン酸ジエチルアミノエチルアミド、ミリスチン酸ジプロピルアミノエチルアミド、ミリスチン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ミリスチン酸ジエチルアミノプロピルアミド、ミリスチン酸ジプロピルアミノプロピルアミド、パルミチン酸ジメチルアミノエチルアミド、パルミチン酸ジエチルアミノエチルアミド、パルミチン酸ジプロピルアミノエチルアミド、パルミチン酸ジメチルアミノプロピルアミド、パルミチン酸ジエチルアミノプロピルアミド、パルミチン酸ジプロピルアミノプロピルアミド、ステアリン酸ジメチルアミノエチルアミド、ステアリン酸ジエチルアミノエチルアミド、ステアリン酸ジプロピルアミノエチルアミド、ステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ステアリン酸ジエチルアミノプロピルアミド、ステアリン酸ジプロピルアミノプロピルアミド、アラキジン酸ジメチルアミノエチルアミド、アラキジン酸ジエチルアミノエチルアミド、アラキジン酸ジプロピルアミノエチルアミド、アラキジン酸ジメチルアミノプロピルアミド、アラキジン酸ジエチルアミノプロピルアミド、アラキジン酸ジプロピルアミノプロピルアミド、ベヘン酸ジメチルアミノエチルアミド、ベヘン酸ジエチルアミノエチルアミド、ベヘン酸ジプロピルアミノエチルアミド、ベヘン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ベヘン酸ジエチルアミノプロピルアミド、ベヘン酸ジプロピルアミノプロピルアミド、ミリスチン酸ジメチルアミノエチルメチルアミド、パルミチン酸ジメチルアミノエチルメチルアミド、ステアリン酸ジメチルアミノエチルメチルアミド、アラキジン酸ジメチルアミノエチルメチルアミド、ベヘン酸ジメチルアミノエチルメチルアミド、ミリスチン酸ジメチルアミノプロピルメチルアミド、パルミチン酸ジメチルアミノプロピルメチルアミド、ステアリン酸ジメチルアミノプロピルメチルアミド、アラキジン酸ジメチルアミノプロピルメチルアミド、ベヘン酸ジメチルアミノプロピルメチルアミドなどが挙げられる。
上記の中でも油汚れの洗浄力の観点から、ミリスチン酸ジメチルアミノプロピルアミド、パルミチン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ベヘン酸ジメチルアミノプロピルアミドがより好ましく、パルミチン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ベヘン酸ジメチルアミノプロピルアミドがさらに好ましく、パルミチン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミドが特に好ましい。
第4級アンモニウム塩としては、テトラメチルアンモニウム塩、テトラエチルアンモニウム塩、テトラプロピルアンモニウム塩、テトラブチルアンモニウム塩等のテトラ短鎖(炭素数1〜4のアルキル)アンモニウム塩;オクチルトリメチルアンモニウム塩、デシルトリメチルアンモニウム塩、ドデシルトリメチルアンモニウム塩、テトラデシルトリメチルアンモニウム塩、ラウリルトリメチルアンモニウム塩、セチルトリメチルアンモニウム塩、パルミチルトリメチルアンモニウム塩、ステアリルトリメチルアンモニウム塩、オクチルジメチルエチルアンモニウム塩、デシルジメチルエチルアンモニウム塩、ドデシルジメチルエチルアンモニウム塩、テトラデシルジメチルエチルアンモニウム塩、ラウリルジメチルエチルアンモニウム塩、セチルジメチルエチルアンモニウム塩、ステアリルジメチルエチルアンモニウム塩、オクチルジエチルメチルアンモニウム塩、デシルジエチルメチルアンモニウム塩、ドデシルジエチルメチルアンモニウム塩、テトラデシルジエチルメチルアンモニウム塩、セチルジエチルメチルアンモニウム塩、ステアリルジエチルメチルアンモニウム塩等の長鎖(炭素数8〜18のアルキル)トリ短鎖(炭素数1又は2のアルキル)アンモニウム塩;ジオクチルジメチルアンモニウム塩、ジデシルジメチルアンモニウム塩、ジドデシルジメチルアンモニウム塩、ジテトラデシルジメチルアンモニウム塩、ジセチルジメチルアンモニウム塩、ジステアリルジメチルアンモニウム塩、ジオクチルメチルエチルアンモニウム塩、ジデシルメチルエチルアンモニウム塩、ジドデシルメチルエチルアンモニウム塩、ジテトラデシルメチルエチルアンモニウム塩、ジセチルメチルエチルアンモニウム塩、ジステアリルメチルエチルアンモニウム塩等のジ長鎖(炭素数8〜18のアルキル)ジ短鎖(炭素数1又は2のアルキル)アンモニウム塩;ステアリルジメチルヒドロキシエチルアンモニウム等の長鎖(炭素数8〜18のアルキル)ジ短鎖(炭素数1又は2のアルキル)ヒドロキシアルキル(炭素数1又は2)アンモニウム塩;[3(トリメトキシシリル)]プロピル(ジメチル)オクタデシルアンモニウム塩等のトリアルコキシシリルアルキル基(炭素数4〜10)を有するジ短鎖(炭素数1又は2のアルキル)長鎖(炭素数8〜18のアルキル)アンモニウム塩;アミンナイトレート;ベンジルトリメチルアンモニウム塩;ベンザルコニウム塩;ベンゼトニウム塩等が挙げられる。
アミンオキシドとしては、ラウリルジメチルアミンオキシド、ヤシアルキルジメチルアミンオキシド、n−ドデシルジメチルアミンオキシド等のアルキルジメチルアミンオキシド;ラウリルジエチルアミンオキシド等のアルキルジエチルアミンオキシド;ラウリン酸アミドプロピルジメチルアミンオキシド等のアルカノイルアミドアルキルジメチルアミンオキシド等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、オクタン酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、デカン酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ラウリン酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ミリスチン酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ステアリン酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、オレイン酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、パーム油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、パーム核油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、オクチルジメチルアミノ酢酸ベタイン、デシルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ミリスチルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ステアリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、オレイルジメチルアミノ酢酸ベタイン、オクタン酸アミドプロピルヒドロキシスルホベタイン、デカン酸アミドプロピルヒドロキシスルホベタイン、ラウリン酸アミドプロピルヒドロキシスルホベタイン、ミリスチン酸アミドプロピルヒドロキシスルホベタイン、ステアリン酸アミドプロピルヒドロキシスルホベタイン、オレイン酸アミドプロピルヒドロキシスルホベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルヒドロキシスルホベタイン、パーム油脂肪酸アミドプロピルヒドロキシスルホベタイン、パーム核油脂肪酸アミドプロピルヒドロキシスルホベタイン、オクチルヒドロキシスルホベタイン、デシルヒドロキシスルホベタイン、ラウリルヒドロキシスルホベタイン、ミリスチルヒドロキシスルホベタイン、ステアリルヒドロキシスルホベタイン、オレイルヒドロキシスルホベタイン等が挙げられる。
(a)成分は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。ただし、1種単独で用いる場合の(a)成分は(a1)成分である。
(a)成分の含有量は、食器洗い機用洗浄剤組成物の総質量に対して、0.1〜10質量%が好ましく、0.3〜5質量%がより好ましく、0.5〜3質量%がさらに好ましい。
(a)成分の含有量が上記好ましい範囲の下限値以上であると、複合汚れに対する蓄積防止作用を発揮しやすい。(a)成分の含有量が上記好ましい範囲の上限値以下であると、過剰な泡立ちを抑制しやすい。
(a1)成分は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
(a1)成分の含有量は、食器洗い機用洗浄剤組成物の総質量に対して、0.1〜10質量%が好ましく、0.3〜5質量%がより好ましく、0.5〜3質量%がさらに好ましい。
(a1)成分の含有量が上記好ましい範囲の下限値以上であると、複合汚れに対する蓄積防止作用を発揮しやすい。(a1)成分の含有量が上記好ましい範囲の上限値以下であると、過剰な泡立ちを抑制しやすい。
(a)成分に占める(a1)成分の割合(a1)/(a)は、20〜100質量%であることが好ましく、30〜100質量%であることがより好ましく、50〜100質量%であることがさらに好ましい。
(a1)/(a)が上記好ましい範囲の下限値以上であれば、過剰な泡立ちを抑制しつつ、複合汚れに対する蓄積防止作用を発揮しやすい。
<(b)成分>
(b)成分はキレート剤である。(b)成分としては、特に限定されず、これまで食器洗い機用洗浄剤に用いられてきた一般的なキレート剤を使用できる。(b)成分は分子量800以下の低分子キレート剤、及び分子量800を超える高分子キレート剤のいずれでもよいが、ガラスコップ等の茶渋汚れに対する洗浄力が高まりやすいことから、分子量800以下の低分子キレート剤が好ましい。
低分子キレート剤としては、例えば、エチレンジアミン四酢酸、ニトリロ三酢酸、β−アラニン二酢酸、エチレンジアミン二コハク酸、L−アスパラギン酸−N,N−二酢酸、ジヒドロキシエチルエチレンジアミン二酢酸、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸、クエン酸、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸、グリコールエーテルジアミン四酢酸、L−グルタミン酸二酢酸、1,3−ジアミノ−2−ヒドロキシプロパン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、トリエチレンテトラミン六酢酸、ジヒドロキシエチルグリシン、3−ヒドロキシ−2,2’−イミノジコハク酸、セリン二酢酸、アスパラギン二酢酸、メチルグリシン二酢酸、ヒドロキシエタンジホスホン酸、アミノトリメチレンホスホン酸、トリポリリン酸、又はこれらの塩などが挙げられる。
なかでも、クエン酸、L−グルタミン酸二酢酸、メチルグリシン二酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、又はこれらの塩が好ましく、クエン酸又はその塩が特に好ましい。
高分子キレート剤としては、マレイン酸とアクリル酸との共重合体(以下「マレイン酸/アクリル酸共重合体」と表記する。)又はその塩が好適に挙げられる。
(b)成分を構成する塩としては、アルカリ金属塩が好ましく、ナトリウム塩、カリウム塩がより好ましい。
(b)成分は、1種単独で用いてもよく、2種以上を適宜組み合わせて用いてもよい。
(b)成分の無水の酸型としての含有量は、食器洗い機用洗浄剤組成物の総質量に対して、6〜25質量%が好ましく、8〜20質量%がより好ましく、10〜15質量%がさらに好ましい。
(b)成分の無水の酸型としての含有量が好ましい下限値以上であると、ガラスコップ等の茶渋汚れに対する洗浄力が高まり、(b)成分の含有量が好ましい上限値以下であると、過剰な泡立ちを抑制しやすい。
<(c)成分>
(c)成分は、ポリリジンである。ポリリジンとしては、α−ポリ−L−リジン、ε−ポリ−L−リジン、ε−ポリ−D−リジン等が挙げられる。前記ポリリジンはいずれも使用できる。本発明では安全性の面から、α−ポリ−L−リジンおよびε−ポリ−Lリジンを好ましく使用することができる。特に、下記一般式(c1)で表されるε−ポリ−Lリジンが、安全性の観点から好ましい。
式(c1)におけるpは繰り返し数である。pは5〜100であることが好ましく、10〜50であることがより好ましく、13〜27であることがさらに好ましい。
Figure 2020097658
ε−ポリ−Lリジンはストレプトマイセス(Streptomyces)属の微生物を培養することによって得られ、人体にとって必須アミノ酸であるリジンが縮合してできたポリペプチドである。このポリリジンは体内の酵素等で加水分解されると元の構成成分であるL−リジンになるため安全性が非常に高い。
ポリリジンとしては遊離状のもの及び無機酸もしくは有機酸の塩の形態のもののいずれも使用することができる。塩の形態の場合、好ましくは塩酸、グルコン酸、酢酸であり、より好ましくは塩酸である。
ポリリジンとしては、取り扱いを容易にするために賦形剤や増量剤で加工されたものを使用することができる。
(c)成分の含有量は、食器洗い機用洗浄剤組成物の総質量に対して、0.001〜0.5質量%が好ましく、0.005〜0.1質量%がより好ましく、0.01〜0.05質量%がさらに好ましい。
(c)成分の含有量が好ましい下限値以上であると、汚れの蓄積防止作用が十分に発揮され、(c)成分の含有量が好ましい上限値以下であると、(a1)成分との相互作用により複合汚れの蓄積抑制効果が高まりやすい。
本発明の食器洗い機用洗浄剤組成物中の(a1)成分の含有量に対する(c)成分の含有量の質量比(c)/(a1)は、0.002〜0.5である。(c)/(a1)は、0.003〜0.1であることが好ましく、0.005〜0.05であることがより好ましい。
(c)/(a1)が上記範囲であることにより、複合汚れに対する蓄積防止効果を発揮できる。また、(c)/(a1)が上記好ましい範囲であることにより、静電相互作用による複合体形成を抑制しやすい。
本発明の食器洗い機用洗浄剤組成物中の(b)成分の無水の酸型としての含有量に対する(c)成分の含有量の質量比(c)/(b)は0.0001〜0.01であることが好ましく、0.0005〜0.007であることがより好ましく、0.001〜0.005であることがさらに好ましい。
(c)/(b)が上記好ましい範囲であることにより、複合汚れに対する蓄積防止効果がより向上する。
(c)成分を、(a1)成分を含む(a)成分、及び(b)成分と併用することにより、複合汚れに対する蓄積防止効果を発揮できる。この効果の作用機序は不明であるが、本願発明者は、(a1)成分を含む(a)成分によって洗浄対象物から除去され洗浄水中に分散又は溶解した汚れ成分の再付着が、(a1)成分と(c)成分の複合体、及び(b)成分によって、相乗的に抑制されるためであると推定している。
<任意成分>
本発明の食器洗い機用洗浄剤組成物には、本発明の目的を損なわない範囲で、溶剤、ハイドロトロープ剤、分散剤、増粘剤、粘度調整剤、酵素、香料、着色剤、防腐剤、除菌剤、漂白剤、漂白活性化剤などの成分を配合することができる。
溶剤としては、水、エタノール、プロピレングリコールが挙げられる。
増粘剤として酸性増粘多糖類があげられる。
酸性増粘多糖類とはグルコースの酸化物であるグルクロン酸、ガラクトースの酸化物であるガラクツロン酸、マンノースの酸化物であるマンヌロン酸などの単糖類酸化物が結合した多糖類を増粘剤としても良い。
酸性増粘多糖類としては:キサンタンガム、ジェランガム、カラギーナン、ペクチン、大豆多糖類、アルギン酸、アラビアガム、カラヤガム、トラガントガム、ヒアルロン酸等が挙げられる。
好ましくは、キサンタンガム、ジェランガム、カラギーナンであり、さらに好ましいのはキサンタンガム、ジェランガムである。
酸性増粘多糖類の含有量としては、該当洗浄剤の全質量に対して、0.05〜1.5質量%が好ましく、0.1〜1質量%が更に好ましく、0.2〜1質量%が最も好ましい。
<pH>
本発明の食器洗い機用洗浄剤組成物の25℃におけるpHは、食器洗い機に対する腐食性の点から、5以上が好ましい。また、低泡性の点から、11以下が好ましい。より好ましくは6〜10である。
食器洗い機用洗浄剤組成物のpHは、食器洗い機用洗浄剤組成物が液体の場合は25℃に調整し、pHメーター等により測定される値を示す。
食器洗い機用洗浄剤組成物が粉体の場合は、食器洗い機用洗浄剤組成物の6gを純水3000mLに溶解し、25℃に調整し、pHメーター等により測定される値を示す。
≪食器洗い機用洗浄剤組成物の製造方法≫
本発明の食器洗い機用洗浄剤組成物の製造方法は、特に限定されず、従来公知の製造方法を用いることができる。
液体状の食器洗い機用洗浄剤組成物の製造方法としては、(a)成分、(b)成分、(c)成分及び溶剤と、必要に応じてその他の任意成分とを混合し、pH調整剤を添加してpHを調整することにより製造できる。
≪食器洗い機用洗浄剤組成物の使用方法≫
食器洗い機用洗浄剤組成物を用いて食器洗い機により洗浄対象物を洗浄する方法としては、洗浄とすすぎの各工程をいずれも有する方法が挙げられる。
洗浄方法としては、たとえば、常温(好ましくは5〜30℃程度)の水道水を食器洗い機庫内に導入して調製される洗浄液を、所定の洗浄温度(洗浄時に循環する洗浄液の温度)まで昇温しながら洗浄対象物を洗浄する工程(以下「洗浄工程」という。)と、洗浄後の洗浄対象物を、常温の水道水ですすぐ工程(以下「すすぎ(1)工程」という。)と、常温の水道水を、好ましくは70〜75℃まで2〜3℃/分で昇温しながら、前記すすぎ(1)工程後の洗浄対象物をさらにすすぐ工程(以下「すすぎ(2)工程」という。)を有する方法が挙げられる。洗浄工程での洗浄時間は、10〜40分間が好ましい。
一般的な食器洗い機の標準コースの場合、洗浄工程における洗浄温度が55〜65℃程度、昇温速度が2〜3℃/分程度である。低温コースは、例えば、洗浄温度が35〜45℃程度、昇温速度が1℃/分程度である。
いずれのコースにおいても、本発明の食器洗い機用洗浄剤組成物が液体状の場合、洗浄工程で導入される水道水3リットルあたり、2〜9gの食器洗い機用洗浄剤組成物を使用することが好ましい。
本発明の食器洗い機用洗浄剤組成物の使用量は、食器洗い機の機種や、食器等の汚れの程度に応じて使用すればよい。また、本発明の食器洗い機用洗浄剤組成物に含まれる(a)成分の含有量が高い場合は、過剰な泡立ちを避ける観点で、使用量を少なめとすることが好ましい。
以下、実施例を示して本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の記載によって限定されるものではない。
≪使用成分≫
<(a)成分:界面活性剤>
・(a1)成分:非石鹸系アニオン界面活性剤
a1−1:第2級アルカンスルホン酸ナトリウム(クラリアントジャパン株式会社製、商品名「HOSTAPUR SAS 30A」)。
a1−2:ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム塩(ライオン株式会社製、商品名:「サンノールLMT−1430」。
a1−3:ジ−2エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム(ライオン株式会社製、商品名「リパール870P」)。
・(a2)成分:その他の界面活性剤
a2−1:ポリオキシアルキレンアルキルエーテル(ライオン株式会社製、商品名「NNAEP−3030」)。
a2−2:C18ジメチルアミノプロピルアミド(東邦化学株式会社製、商品名「カチナールMPAS」)。
a2−3:n−ドデシルジメチルアミンオキシド(ライオンスペシャリティケミカルズ株式会社製、商品名「アロモックスDM12D−W(C)」)。
a2−4:ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン(第一工業製薬製、商品名「アミーゲンS」)。
<(b)成分:キレート剤>
b−1:クエン酸(扶桑化学工業株式会社製、商品名「精製クエン酸(無水)」)。
b−2:メチルグリシン二酢酸(BASF社製、商品名「Torilon M」)。
b−3:L−グルタミン酸二酢酸塩(アクゾノーベル株式会社製、商品名「GL−47−S」)。
b−4:エチレンジアミン四酢酸(アクゾノーベル株式会社、商品名「ディゾルビンZ」)。
b−5:アクリル酸/マレイン酸共重合物ソーダ塩(日本触媒株式会社製、商品名「アクアリックTL−400」)。
<(c)成分:ポリリジン>
c−1:ポリリジン(JNC株式会社製、商品名「ε―ポリリジン」)。
<(cx)成分:比較成分>
cx−1:塩化ジデシルジメチルアンモニウム(ライオン株式会社製、商品名「アーカード210」)。
cx−2:マレイン酸/オレフィン共重合物ソーダ塩(BASF社製、商品名「Sokalan CP9」)。
<任意成分>
・pH調整剤:水酸化ナトリウム:48%水酸化ナトリウム(旭硝子株式会社製社製)。
・増粘剤:キサンタンガム(三晶株式会社製、製品名KELZAN T)。
≪洗浄剤組成物の調製≫
表1〜表6の配合に従い、溶媒の水に、(a)成分と、(b)成分と、(c)成分または(cx)成分と、増粘剤とpH調整剤を溶解することにより、各例の洗浄剤組成物0.8kgをそれぞれ調製した。
なお、表中の配合量は、いずれの成分も純分換算量である。(b)成分の配合量は無水の酸型としての純分換算量である。(cx)/(b)は、(b)成分の無水の酸型としての含有量に対する(cx)成分の含有量の質量比である。
表中の空欄はその成分が配合されていないことを示す。また、「バランス」は、各例の組成物に含まれる全配合成分の合計の配合量(質量%)が100質量%となるように水が配合されていることを意味する。
洗浄剤組成物の調製は、具体的には以下の手順で行った。
まず、1Lビーカー(直径12cm)内に、水を組成物全体の50質量%となるように投入した。
HEIDON FBL1200スリーワンモーター(新東科学株式会社製)の撹拌機に直径7.5cm、幅1.5cm、角度45度の4枚羽パドルを装着して前記ビーカー内に挿入し、内容物が飛び散らないように回転数400〜900rpmで撹拌した。
この攪拌を継続した状態で、(a)成分と、(b)成分と、(c)成分または(cx)成分と、増粘剤を、表に記載した各々の配合量で投入し、混合液を得た。
この混合液を25℃に調整し、JIS Z 8802:1984「pH測定方法」に準拠してガラス電極式pHメーター(HM−30G、東亜ディーケーケー株式会社製)でpHを測定しながら、pH7となるまで、pH調整剤を添加した。
そして、組成物全体が100質量%となるように残りの水を加え、前記撹拌機の回転数650rpmとして1分間撹拌することにより各例の洗浄剤組成物を得た。
≪評価方法≫
<評価装置>
食器洗い機として、自動食器洗い乾燥機(パナソニック株式会社製、機種NP−TM2)を用いた。該自動食器洗い乾燥機に設定されている標準コース(通常モード)は下記のとおりである。
標準コース(通常モード):
液体洗浄剤が投入された後、約5℃の水道水約3Lを庫内に導入して洗浄液を調製する。調製した洗浄液を55℃まで2〜3℃/minで昇温しながら装置内を循環させ、20分間洗浄を行い、その後該洗浄液を排水する。
次いで、新たな水道水約3Lを導入し、2分間装置内を循環させるすすぎと、その後のすすぎ液の排水とを2回繰り返す。すすぎ液の2回目の排水後、新たな水道水約3Lを導入し、70℃まで2〜3℃/minで昇温しながら装置内を20分間循環させる最終すすぎを行い、排水後、30分間送風させながら食器等を乾燥する。
<汚れ材料>
以下の汚れ材料を用意した。
・混合油:牛脂/ラード/バター/サラダ油=3/3/3/1(質量比)の混合油。
・混合汚れ材料:レトルトカレー(ボンカレーゴールド21辛口)200g、生卵(Lサイズ)1個、ご飯150gを混合したもの。ご飯は、自主流通米一類こしひかり相当の米を用い、米と水の量の比は炊飯器の標準として炊飯し、炊飯後12時間以内のものを使用した。
・紅茶:日東紅茶DAY&DAY TEA BAGの1袋を80℃の湯150mLに1分間浸して得た紅茶液。
<汚れ食器>
上記汚れ材料を用いて、以下のようにして汚れ食器を用意した。
・油汚れ皿:半径100mm、高さ15mmの陶器皿に、前記混合油2gを付着させた。
・混合汚れ皿:半径100mm、高さ15mmの陶器皿に前記混合汚れ材料30gをのせ、皿表面を均一に汚染したのち、混合汚れ材料を捨てた。ただし、ご飯は10粒程度残し、スプーンで潰して付着させた。
・汚れコップ:上径63mm、下径53mm、高さ100mmのガラスコップに紅茶10gを入れた。
<洗浄試験>
上記油汚れ皿の2枚と混合汚れ皿の3枚と汚れコップの4個の計9点の汚れ食器を、前記自動食器洗い乾燥機に装填し、各例の洗浄剤組成物を、各々表の「組成物の使用量」の欄に記載した量で投入して標準コース(節電モード)にて洗浄処理を施した。
この汚れ食器の洗浄処理を、一日一回、計30日間連続的に行った後、食器と残菜フィルター周りの汚れ具合を観察、指でさわり、下記の評価基準に基づいて、複合汚れの蓄積評価をした。
(評価基準)
5点:目視で初期状態と変化なく、複合汚れを確認できない。
4点:目視で初期状態との差を少し感じるが、複合汚れを確認できない。
3点:目視で初期状態との差を感じるが、複合汚れを確認できない。
2点:目視で初期状態との差を感じ、また複合汚れをわずかに確認できる。
1点:目視で初期状態との差を感じ、また複合汚れをはっきり確認できる。
上記30日間洗浄処理を繰り返した後の評価を、各例について3回ずつ行った。各例の3回の評価結果の平均を各表に示す。
Figure 2020097658
Figure 2020097658
Figure 2020097658
Figure 2020097658
Figure 2020097658
Figure 2020097658
表1〜表5の結果に示されるように、実施例の洗浄剤組成物は、食器と残菜フィルター周り何れについても、複合汚れの蓄積が少なかった。
これに対して、表6の比較例1〜3に示すように、(a1)成分を含む(a)成分、(b)成分、及び(c)成分の内、何れか一つでも欠けると、複合汚れの蓄積が見られた。
また、比較例4、5に示すように、(c)成分に代えて、(c)成分と同様に殺菌作用を有するcx−1を配合しても、複合汚れの蓄積防止効果は得られなかった。(c)成分に代えて、ポリリジンと同様にカチオン性を有するポリマーであるcx−2を配合しても、複合汚れの蓄積防止効果は得られず、却って蓄積が顕著に見られた。
また、(c)成分と(a1)成分の比率が本発明で規定した範囲外である比較例6、7でも、複合汚れの蓄積防止効果は得られなかった。

Claims (6)

  1. (a)成分、(b)成分及び(c)成分を含み、
    前記(a)成分は(a1)成分を含む界面活性剤であり、
    前記(b)成分はキレート剤であり、
    前記(c)成分はポリリジンであり、
    前記(a1)成分は、非石鹸系アニオン界面活性剤であり、
    前記(a1)成分の含有量に対する前記(c)成分の含有量の質量比(c)/(a1)が0.002〜0.5である食器洗い機用洗浄剤組成物。
  2. 前記(b)成分を無水の酸型として6〜25質量%含む、請求項1に記載の食器洗い機用洗浄剤組成物。
  3. 前記(b)成分の無水の酸型としての含有量に対する前記(c)成分の含有量の質量比(c)/(b)が0.0001〜0.01である、請求項1又は2に記載の食器洗い機用洗浄剤組成物。
  4. 前記(a)成分に占める前記(a1)成分の割合(a1)/(a)が20〜100質量%である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の食器洗い機用洗浄剤組成物。
  5. 前記(a)成分を0.1〜10質量%含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の食器洗い機用洗浄剤組成物。
  6. 前記(b)成分が分子量800以下の低分子キレート剤である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の食器洗い機用洗浄剤組成物。
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