以下、本発明の一実施形態について図面を参照しながら説明する。本実施形態では「情報処理装置」の一例として遠隔共有を行う電子黒板装置の例を説明するが、電子黒板装置に限定するものではなく、PCなどの情報処理装置であってもよい。
〔第1実施形態〕
(システム構成)
図1は、第1実施形態に係る情報処理システムの一例の構成図である。図1の情報処理システム1は、ユーザ情報サーバ装置10と、複数の外部サービス群システム12と、電子黒板装置14とが、インターネットやLANなどのネットワーク16を介して通信可能に接続されている。ユーザ情報サーバ装置10と電子黒板装置14とは電子黒板システムを構成する。ユーザ情報サーバ装置10と電子黒板装置14とは、電子黒板システム外部の外部サービス群システム12と連携して動作し、電子黒板装置14に関連した機能を提供する。
外部サービス群システム12が提供する外部サービス群は、グループウェアとも呼ばれるものであり、同じ外部サービス群に属する各サービスが同じ認証情報(IDとパスワードの組み合わせ、アクセストークン等)で利用できるものである。
例えば外部サービス群は、ユーザサービス、ストレージサービス、スケジュールサービス、共有サイトサービス等から構成されるOffice365(登録商標)等の統合サービスを指す。外部サービス群はユーザサービス、ストレージサービス、スケジュールサービス、共有サイトサービス等のサービスを同一のユーザアカウントで利用できる形で提供される。
複数の外部サービス群は例えば異なる会社により提供されている。そのため、例えば、一人のユーザがA社の外部サービス群、及びB社の外部サービス群を利用するような場合が想定される。なお、異なる会社というのは一例であって、同じ会社によって複数の外部サービス群が提供されてもよい。外部サービス群システム12は一台以上のコンピュータにより実現される。
ユーザ情報サーバ装置10は、ユーザ情報一覧(図7参照)などを保存し、電子黒板装置14から利用される。ユーザ情報サーバ装置10は、同一ネットワークセグメント上になくてもよい。また、ユーザ情報サーバ装置10は、電子黒板装置14に内蔵されていてもよい。ユーザ情報サーバ装置10は、一台以上のコンピュータにより実現される。
電子黒板装置14は例えば電子ペンや手により描画された画像を表示する。また、電子黒板装置14はUSBメモリ、ケーブルを介して接続されるPC、又は、外部サービス群システム12などから読み出した電子ファイルの画像を表示することもできる。電子黒板装置14は、ICカード認証や顔認証など、ユーザの認証を行う認証機能が設けられている。
電子黒板装置14は、「情報処理装置」の一例である。但し、「情報処理装置」は、電子黒板装置に限らず、複数のユーザによる利用可能な情報処理装置であれば、如何なる情報処理装置であってもよい。なお、図1に示す情報処理システム1の構成は、一例である。例えば、電子黒板装置14の機能の一部は、ユーザ情報サーバ装置10、外部サービス群システム12、またはその他のサーバ装置等に設けられてもよい。また、例えば、ユーザ情報サーバ装置10の機能の一部は、電子黒板装置14、外部サービス群システム12、またはその他のサーバ装置等に設けられてもよい。
(コンピュータのハードウェア構成)
図2は、コンピュータの一例のハードウェア構成図である。例えば、図1に示すユーザ情報サーバ装置10および外部サービス群システム12の各機能は、図2に示すハードウェア構成を有するコンピュータによって実現される。
図2に示すコンピュータ500は、入力装置501、表示装置502、外部I/F503、RAM504、ROM505、CPU506、通信I/F507、およびHDD508を備えており、各装置がバスBによって相互に接続されている。なお、入力装置501および表示装置502は、必要なときにコンピュータ500に接続されて利用されるものであってもよい。
入力装置501はキーボードやマウス、タッチパネルなどを含み、ユーザが各操作信号を入力するのに用いられる。表示装置502はディスプレイ等を含み、コンピュータ500による処理結果を表示する。
通信I/F507はコンピュータ500を各種ネットワークに接続するインターフェースである。これにより、コンピュータ500は通信I/F507を介してデータ通信を行うことができる。
また、HDD508は、プログラムやデータを格納している不揮発性の記憶装置の一例である。格納されるプログラムやデータには、コンピュータ500全体を制御する基本ソフトウェアであるOS、及びOS上において各種機能を提供するアプリケーションなどがある。なお、コンピュータ500はHDD508に替え、記憶媒体としてフラッシュメモリを用いるドライブ装置(例えばソリッドステートドライブ:SSD)を利用するものであってもよい。
外部I/F503は、外部装置とのインターフェースである。外部装置には、記録媒体503aなどがある。これにより、コンピュータ500は外部I/F503を介して記録媒体503aの読み取り及び/又は書き込みを行うことができる。記録媒体503aにはフレキシブルディスク、CD、DVD、SDメモリカード、USBメモリ、SIMカードなどがある。
ROM505は、電源を切ってもプログラムやデータを保持することができる不揮発性の半導体メモリ(記憶装置)の一例である。ROM505にはコンピュータ500の起動時に実行されるBIOS、OS設定、及びネットワーク設定などのプログラムやデータが格納されている。RAM504はプログラムやデータを一時保持する揮発性の半導体メモリ(記憶装置)の一例である。
CPU506は、ROM505やHDD508などの記憶装置からプログラムやデータをRAM504上に読み出し、処理を実行することで、コンピュータ500全体の制御や機能を実現する演算装置である。CPU506は1つのプロセッサ又は複数のプロセッサで実現されていてもよい。
(電子黒板装置のハードウェア構成)
図3は、電子黒板装置の一例のハードウェア構成図である。電子黒板装置14は、CPU601、ROM602、RAM603、SSD604、ネットワークコントローラ605、外部記憶コントローラ606、キャプチャデバイス611、GPU612、ディスプレイコントローラ613、センサコントローラ614、接触センサ615、電子ペンコントローラ616、RFタグリーダ617、およびカメラ618を備えている。
CPU601は電子黒板装置14全体の動作を制御する。ROM602はCPU601の駆動に用いられるプログラムを記憶する。RAM603はCPU601のワークエリアとして使用される。SSD604は電子黒板装置14用のプログラム等の各種データを記憶する。ネットワークコントローラ605はネットワーク16との通信を制御する。外部記憶コントローラ606はUSBメモリ5等の記録媒体との通信を制御する。
また、電子黒板装置14は、キャプチャデバイス611、GPU(Graphics Processing Unit)612、ディスプレイコントローラ613、センサコントローラ614、接触センサ615、電子ペンコントローラ616、RFタグリーダ617及びカメラ618を備えている。
キャプチャデバイス611はPC6又はカメラ618からの映像情報を静止画又は動画ファイルとして取り込む。GPU612はグラフィクスを専門に扱う。ディスプレイコントローラ613はGPU612からの出力画像をディスプレイ3やテレビ会議端末7へ出力するために画面表示の制御及び管理を行う。センサコントローラ614は接触センサ615の処理を制御する。接触センサ615はディスプレイ3上に電子ペン4やユーザの手H等が接触したことを検知する。
接触センサ615は赤外線遮断方式による座標の入力及び座標の検出を行う。座標の入力及び座標の検出を行う方法は、ディスプレイ3の上側両端部に設置された2つ受発光装置がディスプレイ3に平行して複数の赤外線を放射し、ディスプレイ3の周囲に設けられた反射部材によって反射されて、受光素子が放射した光の光路と同一の光路上を戻って来る光を受光する方法である。接触センサ615は物体によって遮断された2つの受発光装置が放射した赤外線のIDをセンサコントローラ614に出力する。センサコントローラ614は物体の接触位置である座標位置を特定する。
また、接触センサ615は、赤外線遮断方式に限らず、静電容量の変化を検知することにより接触位置を特定する静電容量方式のタッチパネル、対向する2つの抵抗膜の電圧変化によって接触位置を特定する抵抗膜方式のタッチパネル、接触物体が表示部に接触することによって生じる電磁誘導を検知して接触位置を特定する電磁誘導方式のタッチパネルなどの種々の検出手段を用いてもよい。
電子ペンコントローラ616は、電子ペン4と通信することで、ディスプレイ3へのペン先のタッチやペン尻のタッチの有無を判定する。なお、電子ペンコントローラ616は電子ペン4のユーザが握る部分や、その他の電子ペン4の部分のタッチの有無を判定するようにしてもよい。
RFタグリーダ617はICカード630に埋め込まれたRFタグからICカード630に固有の識別情報を無線通信で読み取る。RFタグリーダ617は電子黒板装置14に内蔵されていても、電子黒板装置14に外付けされていてもよい。なお、ICカード630はスマートフォンなどのスマートデバイスが内蔵するものでもよい。また、電子黒板装置14はユーザを識別可能な識別情報を取得できるのであればRFタグリーダ617以外を利用してもよく、生体認証装置(指紋、掌紋、虹彩など)やバーコード読み取り装置等を利用してもよい。
電子黒板装置14は、CPU601、ROM602、RAM603、SSD604、ネットワークコントローラ605、外部記憶コントローラ606、キャプチャデバイス611、GPU612、センサコントローラ614、電子ペンコントローラ616、およびRFタグリーダ617を互いに電気的に接続するための、アドレスバスやデータバス等のバスライン620を備えている。なお、電子黒板装置14用のプログラムは、CD−ROM等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して流通させるようにしてもよい。
(情報処理システム1の機能構成)
図4は、第1実施形態に係る情報処理システムの一例の機能構成図である。図4に示す情報処理システム1において、外部サービス群システム12は、ユーザサービス40およびストレージサービス44を有する。
ユーザサービス40は、例えば図5に示すサービスアカウント情報を保存している。図5はサービスアカウント情報の一例の構成図である。図5のサービスアカウント情報は、外部サービス群システム12を利用するユーザ(外部サービスのユーザ)のユーザID、名前、およびメールアドレスを含む。
ストレージサービス44は、ユーザのファイルを保存・読み出すことができ、例えば図6に示すストレージ情報を保存している。図6はストレージ情報の一例の構成図である。例えば図6のストレージ情報は、ファイルやフォルダの所有者ユーザ、ファイルやフォルダの種別、及び、ファイルやフォルダの名前を含む。このように、ストレージ情報はユーザ毎に所有するファイルやフォルダの種別、ファイルやフォルダの名前を管理している。
ユーザ情報サーバ装置10は、ユーザ情報部20を有する。ユーザ情報部20は、図7に例示するユーザ情報一覧、および、図8に例示するサービス情報一覧を保存している。図7は、ユーザ情報一覧の一例の構成図である。図8は、サービス情報一覧の一例の構成図である。
図7のユーザ情報一覧は、電子黒板システムにおいて管理されるユーザ(電子黒板システムのユーザ)のユーザID、名前、パスワード、設定情報、サービス情報、および識別情報を含む。図8のサービス情報一覧は、電子黒板システムのユーザのユーザIDと、外部サービスのユーザのユーザIDとを対応付ける情報であって、サービス情報、電子黒板システムのユーザID、アドレス情報、外部サービスのユーザID、および外部サービスの認証トークンを含む。
ユーザ情報一覧に含まれているサービス情報は、図8に例示するサービス情報一覧からサービス情報を特定するための情報である。ユーザ情報一覧に含まれている識別情報は、ICカード630を一意に識別するための識別情報である。例えば、図7に例示する識別情報「ICCARD−123」は、「user001」が付与されたユーザが所持するICカード630を一意に識別するための識別情報である。図7のユーザ情報一覧を利用することで、識別情報により識別されたユーザのサービス情報を図8のサービス情報一覧から特定できる。
図8のサービス情報一覧は、ユーザが外部サービス群システム12を利用するためのサービス情報の一覧である。サービス情報は、1人のユーザに対して外部サービス群ごとにアカウント(ユーザID、名前、メールアドレス)がある。各ユーザは1以上の外部サービス群のアカウントを所持している。例えば1人のユーザが2つの外部サービス群を利用している場合は、1人のユーザに対して2つのサービス情報が存在することになる。つまり、サービス情報は、いずれの外部サービス群のアカウント情報かを関係なしに、本情報処理システム1を利用するすべてのアカウント情報を一意に識別するための識別子である。なお、アドレス情報、及び、外部サービスのユーザIDは、外部サービス群システム12への接続情報の一例である。外部サービスの認証トークンは外部サービス群システム12の認証情報の一例である。
電子黒板装置14は、ファイル読込部52、ファイル送信部54、参加者管理部56、黒板表示部58、およびICカード検出部64を備える。
ICカード検出部64は、RFタグリーダ617によって実現される機能である。ICカード検出部64は、ユーザのICカード630から識別情報を読み取る。
参加者管理部56は、ICカード検出部64が読み取った識別情報をユーザ情報サーバ装置10に送信して、ユーザ情報サーバ装置10のユーザ情報部20から識別情報に対応するユーザのサービス情報を取得する。参加者管理部56は、ユーザ情報部20から取得したユーザのサービス情報を、ファイル読込部52およびファイル送信部54に送信する。
ファイル読込部52は、外部サービス群システム12のストレージサービス44からファイルを読み込む。ファイル読込部52は、ストレージサービス44から読み込むファイルをユーザに選択させるUIを持つ。
ファイル送信部54は、保存対象のファイル(例えば、黒板表示部58によって表示された板書内容を示すファイル)をストレージサービス44に送信することにより、当該ファイルをストレージサービス44に保存する。ファイル送信部54は、保存対象のファイルの保存先のフォルダをユーザに選択させるUIを持つ。
黒板表示部58は、各種情報をディスプレイ3(図3参照)に表示する機能である。例えば、黒板表示部58は、ファイル読込部52によってストレージサービス44から読み込まれたファイルを、ディスプレイ3に表示する。また、例えば、黒板表示部58は、ユーザによって書き込まれた板書内容を、ディスプレイ3に表示する。
(参加者管理部56の詳細な機能構成)
図9は、第1実施形態に係る参加者管理部56の詳細な機能構成を示すブロック図である。図9に示すように、参加者管理部56は、認証部56A、登録部56B、判断部56C、および制限部56Dを有する。
認証部56Aは、「認証手段」の一例であり、ユーザのログイン認証を行う。具体的には、認証部56Aは、RFタグリーダ617によってICカード630から識別情報が読み取られると、当該識別情報が適正であるか否かを判断し、当該識別情報が適正であると判断した場合は、ユーザのログインを認証する。なお、認証部56Aは、所定条件を満たしたユーザが所有するリソースへのアクセスを制限した後で、所定条件を満たしたユーザがリソースへ再度アクセスする場合には、当該ユーザのログイン認証を再度要求する。
登録部56Bは、「登録手段」の一例であり、認証部56Aによってログイン認証されたユーザのログイン状態等を示す参加者一覧情報(図10参照)を、参加者一覧(図10参照)に登録する。なお、参加者一覧は、電子黒板装置14が備えるメモリ(例えば、図3に示すRAM603、SSD604等)に格納されている情報である。
判断部56Cは、「判断手段」の一例であり、参加者一覧に登録されている複数のユーザの各々について、所定条件を満たしたか否かを判断する。本実施形態において、判断部56Cが判断する所定条件は、参加者一覧に登録されているいずれかのユーザが、ログイン認証されてからの経過時間(すなわち、参加者一覧に示されている最終認証時刻からの経過時間)が所定時間に達した場合である。
制限部56Dは、「制限手段」の一例であり、参加者一覧に登録されているいずれかのユーザについて、所定条件を満たしたと判断された場合、当該ユーザが所有するリソースへのアクセスを制限する。本実施形態では、制限部56Dは、「ユーザが所有するリソースへのアクセスの制限」として、ストレージサービス44においてユーザが所有するフォルダからのファイルの読出し、および、ストレージサービス44においてユーザが所有するフォルダへのファイルの保存の双方を禁止する。なお、制限部56Dが制限している間も、一度認証した参加者は、参加者一覧に登録されたままである。
(参加者一覧の一例)
図10は、第1実施形態に係る情報処理システムに用いられる参加者一覧の一例を示す図である。図10に示すように、参加者一覧は、複数のユーザの各々の参加者一覧情報が、登録部56Bによって登録されている。各参加者一覧情報は、電子黒板システムのユーザID、ユーザ名、認証状態、最終認証時刻、および配布先情報を含む。
参加者一覧において、認証部56Aによるユーザのログイン認証がなされると、当該ユーザの参加者一覧情報の認証状態に「ON」が設定され、且つ、最終認証時刻にログイン認証がなされたときのシステム時刻が設定される。
また、参加者一覧において、判断部56Cによって電子黒板装置14からユーザが遠ざかったと判断されると、当該ユーザの参加者一覧情報の認証状態に「OFF」が設定される。また、各参加者一覧情報において、配布先情報には、全てのユーザに対してファイルを一斉配布する際に使用する、配布先の電子メールアドレスが設定される。
(情報処理システムの処理概要)
図11は、第1実施形態に係る情報処理システム1による処理概要を説明するための図である。図11では、会議室において、3人のユーザ(Mary,Sato,Saito)が、電子黒板装置14を利用して会議を行う例を表している。
1.各ユーザは、電子黒板装置14を利用するために、RFタグリーダ617にICカード630をかざすことにより、電子黒板装置14によってログイン認証してもらう必要がある。なお、ユーザのログイン認証は、その他の方法(例えば、ユーザIDおよびパスワードを入力する方法)によるものであってもよい。
2.電子黒板装置14によるログイン認証がなされたユーザは、参加者一覧に参加者一覧情報が登録され、これにより、電子黒板装置14による参加者としての認識が可能となる。
3.各ユーザは、ログイン認証がなされると、電子黒板装置14から、ストレージサービス44における自身が所有するストレージ(これに限らず、スケジュールサービス、共有サイトサービス等であってもよい)に対して、アクセス(ファイルの読み出しおよびファイルの保存)が可能となる。
4.ユーザは、電子黒板装置14が設置されている会議室から退去すると、自動的にログイン状態が未認証状態となる。本実施形態では、ユーザのログイン認証がなされてから一定時間(例えば3分)が経過すると、そのユーザは自動的に未認証状態となる。なお、「認証状態」とは、ログインして参加者一覧に登録され、リソースも使える状態(認証ON)を意味する。また、「未認証状態」とは、ログインして参加者一覧に登録されているが、リソースは使えない状態(認証OFF)を意味する。また、「ログアウト状態」とは、参加者一覧に含まれないか一度含まれた後削除され、リソースも使えない状態を意味する。
5.ユーザが未認証状態になると、電子黒板装置14からは、当該ユーザのストレージにアクセスできなくなる。よって、他のユーザが、会議室から退去したユーザのストレージに不正にアクセスしてしまうことを防止することができる。
6.電子黒板装置14は、会議終了後に、ディスプレイ3に表示されている板書内容を示すファイルを、電子メール(これに限らず、外部ストレージ、ファイルサーバ等へのファイル送信等であってもよい。)によって、参加者一覧に示されている全てのユーザ(すなわち、未認証状態であるユーザも含む)の電子メールアドレスに対して、一斉送信することができる。
但し、電子黒板装置14は、自ら意図的にログアウトしたユーザに対しては、板書内容を示すファイルを配布しない。また、電子黒板装置14は、ログイン認証がなされたユーザに加えて、その他のユーザ(例えば、スケジュールに登録されているユーザ)に対しても、板書内容を示すファイルを一斉配布してもよい。
このように、本実施形態の情報処理システム1は、ユーザが会議室から退去すると、電子黒板装置14からは、当該ユーザのストレージに自動的にアクセスできなくなる。このため、本実施形態の情報処理システム1によれば、会議室から退去したユーザ以外の他のユーザが、会議室から退去したユーザのストレージに不正にアクセスしてしまうことを防止することができる。
(電子黒板装置14による処理の手順)
図12および図13は、第1実施形態に係る電子黒板装置14による処理の手順を示すフローチャートである。
電子黒板装置14では、まず、最初にログインするユーザが、ICカード630をRFタグリーダ617にかざす(ステップS1201)。このとき、RFタグリーダ617が、ICカード630から識別情報を読み取る。
次に、参加者管理部56の判断部56Cが、参加者一覧の監視を開始する(ステップS1202)。以降、判断部56Cは、参加者一覧に登録されている各ユーザについて、ログイン認証されてからの経過時間を、所定時間間隔(例えば、1秒間隔)で算出する。そして、判断部56Cは、参加者一覧に登録されているいずれかのユーザが、ログイン認証されてからの経過時間が所定時間(例えば、3分)に達した場合、当該ユーザが電子黒板装置14から遠ざかったと判断する。この場合、判断部56Cは、当該ユーザの参加者一覧情報の認証状態に「OFF」を設定する。
次に、参加者管理部56が、ステップS1201で読み取られた識別情報をユーザ情報サーバ装置10に送信して、当該識別情報に対応するユーザのサービス情報を、ユーザ情報サーバ装置10から取得する(ステップS1203)。
例えば、ICカード630から取得した識別情報が「ICCARD−123」であった場合、図7のユーザ情報一覧から、当該識別情報に対応するユーザID「user001」が特定される。そして、参加者管理部56は、図8に示すサービス情報のうち、ユーザID「user001」に対応するサービス情報「Service11」,「Service12」を取得する。図14は、第1実施形態に係る参加者管理部56によって取得されたサービス情報の一例を示す図である。
次に、参加者管理部56の登録部56Bが、ステップS1201で読み取られた識別情報に対応するユーザの参加者一覧情報(電子黒板システムのユーザID、ユーザ名、認証状態、最終認証時刻、および配布先情報)を、参加者一覧に登録する(ステップS1204)。
次に、参加者管理部56が、次にログインするユーザが、RFタグリーダ617にICカード630をかざしたか否かを判断する(ステップS1205)。ステップS1205において、「次にログインするユーザがICカード630をかざした」と判断された場合(ステップS1205:Yes)、電子黒板装置は、ステップS1203へ処理を戻し、次にログインするユーザに関し、サービス情報の取得および参加者一覧情報の登録を行う。
一方、ステップS1205において、「次にログインするユーザがICカード630をかざしていない」と判断された場合(ステップS1205:No)、電子黒板装置14は、ステップS1206へ処理を進める。
ステップS1206では、ファイル読込部52が、電子黒板装置14のディスプレイ3にユーザ毎に表示されているいずれかのユーザ個別情報表示画面1300(図17参照)において、ファイル読込ボタンが押下されたか否かを判断する。ステップS1206において、「ファイル読込ボタンが押下されていない」と判断された場合(ステップS1206:No)、電子黒板装置14は、ステップS1212へ処理を進める。
一方、ステップS1206において、「ファイル読込ボタンが押下された」と判断された場合(ステップS1206:Yes)、ファイル読込部52は、押下されたファイル読込ボタンに対応するユーザの参加者一覧情報を参加者一覧から参照し、当該ユーザの認証状態がONであるか否かを判断する(ステップS1207)。
ステップS1207において、「認証状態がONではない」と判断された場合(ステップS1207:No)、ファイル読込部52が、黒板表示部58を介して、電子黒板装置14のディスプレイ3に認証エラー画面1400(図18参照)を表示して(ステップS1208)、所定の再認証処理を実行する(ステップS1209)。そして、電子黒板装置14は、ステップS1206へ処理を戻す。
所定の再認証処理とは、例えば、ログイン認証を再実行するように促す画面をディスプレイ3に表示したり、ユーザがRFタグリーダ617にICカード630を再びかざしたときに、ログイン認証を再実行したりする処理である。この再認証処理において、ユーザが再度ログイン認証された場合、当該ユーザの参加者一覧情報における認証状態に再び「ON」が設定される。図12に示す例では、この再認証処理の後、ステップS1206へ処理を戻すようにしているが、これに限らない。例えば、この再認証処理において、ユーザが再度ログイン認証された場合、ファイル読込部52は、ステップS1210へ処理を進めて、ファイル選択画面をディスプレイ3に表示するようにしてもよい。
一方、ステップS1207において、「認証状態がONである」と判断された場合(ステップS1207:Yes)、ファイル読込部52が、黒板表示部58を介して、図15に例示するファイル選択画面1100を、電子黒板装置14のディスプレイ3に表示する(ステップS1210)。
図15は、第1実施形態に係る電子黒板装置14のディスプレイ3に表示されるファイル選択画面の一例を示す図である。図15に示すファイル選択画面1100は、ファイル読込ボタンを押下したユーザが、ストレージサービス44における自身のストレージから任意のファイルを読み込む際に、読込対象とするフォルダおよびファイルを選択する画面である。
次に、ファイル読込部52が、ファイル選択画面1100において選択されたファイルを、ストレージサービス44から読み込み、当該ファイルを、黒板表示部58を介して、電子黒板装置14のディスプレイ3に表示する(ステップS1211)。そして、電子黒板装置14は、ステップS1212へ処理を進める。
ステップS1212では、参加者一覧に登録された複数のユーザが、電子黒板装置14を使用した打ち合わせを開始する。この打ち合わせでは、各ユーザが、電子黒板装置14に対する書き込み等を行うことができる。
その後、ファイル送信部54が、電子黒板装置14のディスプレイ3にユーザ毎に表示されているいずれかのユーザ個別情報表示画面1300(図17参照)において、ファイル保存ボタン1330が押下されたか否かを判断する(ステップS1213)。ステップS1213において、「ファイル保存ボタン1330が押下されていない」と判断された場合(ステップS1213:No)、電子黒板装置14は、ステップS1219へ処理を進める。
一方、ステップS1213において、「ファイル保存ボタン1330が押下された」と判断された場合(ステップS1213:Yes)、ファイル送信部54は、押下されたファイル保存ボタンに対応するユーザの参加者一覧情報を参加者一覧から参照し、当該ユーザの認証状態がONであるか否かを判断する(ステップS1214)。
ステップS1214において、「認証状態がONではない」と判断された場合(ステップS1214:No)、ファイル送信部54が、黒板表示部58を介して、電子黒板装置14のディスプレイ3に認証エラー画面1400(図18参照)を表示して(ステップS1215)、ステップS1209と同様の所定の再認証処理を実行する(ステップS1216)。そして、電子黒板装置14は、ステップS1213へ処理を戻す。
一方、ステップS1214において、「認証状態がONである」と判断された場合(ステップS1214:Yes)、ファイル送信部54が、図16に例示する保存フォルダ選択画面1200を、黒板表示部58を介して、電子黒板装置14のディスプレイ3に表示する(ステップS1217)。
図16は、第1実施形態に係る電子黒板装置14のディスプレイ3に表示される保存フォルダ選択画面の一例を示す図である。図16に示す保存フォルダ選択画面1200は、ファイル保存ボタンを押下したユーザが、ストレージサービス44における自身のストレージにファイルを保存する際に、保存対象とするフォルダを選択する画面である。
次に、ファイル送信部54が、保存フォルダ選択画面1200で選択されたフォルダに、電子黒板装置14のディスプレイ3に表示されている板書内容を示すファイルを保存する(ステップS1218)。そして、電子黒板装置14は、ステップS1219へ処理を進める。
ステップS1219では、ユーザが会議終了ボタン1500(図17参照)を押したとき、ファイル送信部54が、参加者一覧に示されている全てのユーザ(すなわち、未認証状態であるユーザも含む)の電子メールアドレス(参加者一覧の配布先情報に示されている電子メールアドレス)に対して、電子黒板装置14のディスプレイ3に表示されている板書内容を示すファイルを、一斉配布する。
その後、参加者管理部56の判断部56Cが、参加者一覧の監視を終了する(ステップS1220)。そして、情報処理システム1は、図12および図13に示す一連の処理を終了する。
なお、電子黒板装置14は、ユーザが会議終了ボタン1500を押したとき、ICカード630でログインした全てのユーザのログオフ処理を行う。また、電子黒板装置14は、ユーザが会議終了ボタン1500を押したとき、参加者一覧に設定されている全ての設定値をクリアする。また、電子黒板装置14は、ユーザが会議終了ボタン1500を押したとき、当該電子黒板装置14のディスプレイ3に表示されている板書内容を消去する。なお、電子黒板装置14は、ユーザが会議終了ボタン1500を押したとき、自装置をスリープ状態や電源オフ状態に切り替えるようにしてもよい。
(ユーザ個別情報表示画面および認証エラー画面の一例)
図17は、第1実施形態に係る電子黒板装置14のディスプレイ3に表示されるユーザ個別情報表示画面の一例を示す図である。図18は、第1実施形態に係る電子黒板装置14のディスプレイ3に表示される認証エラー画面の一例を示す図である。
図17に示す例では、電子黒板装置14のディスプレイ3に対し、参加者一覧に登録されている全てのユーザ(Mary,Sato,Saito)の各々の、ユーザ個別情報表示画面1300が表示されている。ユーザ個別情報表示画面1300は、ログイン認証状態1310、ファイル読込ボタン1320、およびファイル保存ボタン1330を含んでいる。また、ユーザ個別情報表示画面1300は、参加者一覧からユーザを削除するログアウトボタンを有してもよい。ログアウトボタンを押した場合はユーザ個別情報表示画面1300が表示領域から消える。
ログイン認証状態1310は、ユーザのログイン認証状態が表示される。例えば、ログイン認証状態1310は、ユーザのログイン認証状態が認証状態にあるとき(すなわち、参加者一覧の認証状態に「ON」が設定されているとき)、「認証済」が表示され、ユーザのログイン認証状態が未認証状態にあるとき(すなわち、参加者一覧の認証状態に「OFF」が設定されているとき)、「未認証」が表示される。
なお、ログイン認証状態1310は、「制限手段によってリソースへのアクセスが制限されているか否かを識別可能な情報」の一例である。但し、「制限手段によってリソースへのアクセスが制限されているか否かを識別可能な情報」は、少なくともログイン認証状態が可能なものであれば、その他の文字列、画像、記号、図形等であってもよい。
ファイル読込ボタン1320は、ストレージサービス44における、対応するユーザのストレージからファイルを読み込む際に、ユーザによって押下される。例えば、ファイル読込ボタン1320が押下されると、電子黒板装置14のディスプレイ3には、ファイル選択画面1100(図15参照)が表示される。但し、対応するユーザのログイン認証状態が未認証状態にあるとき、当該ユーザのストレージからのファイル読み込みは禁止され、図18に示すように、電子黒板装置14のディスプレイ3に、認証エラー画面1400が表示される。図18に示すように、認証エラー画面1400は、ICカード630によるログイン認証を再度行うようにすることをユーザに促すメッセージが示されている。
ファイル保存ボタン1330は、ストレージサービス44における、対応するユーザのストレージにファイルを保存する際に、ユーザによって押下される。例えば、ファイル保存ボタン1330が押下されると、電子黒板装置14のディスプレイ3には、保存フォルダ選択画面1200(図16参照)が表示される。但し、対応するユーザのログイン認証状態が未認証状態にあるとき、当該ユーザのストレージへのファイル保存は禁止され、図18に示すように、電子黒板装置14のディスプレイ3に、認証エラー画面1400が表示される。
なお、ユーザ個別情報表示画面1300は、ユーザ自身が意図的にログオフするための、ログオフボタンをさらに含んでもよい。
また、図17に示す例では、電子黒板装置14のディスプレイ3に対し、会議終了ボタン1500が表示されている。会議終了ボタン1500がユーザによって押下されると、電子黒板装置14による会議が終了し、参加者一覧に登録されている全てのユーザ(すなわち、未認証状態のユーザも含む)の電子メールアドレスに対して、ディスプレイ3に表示されている板書内容を示すファイルが、電子メールによって一斉送信される。
なお、ユーザ個別情報表示画面1300(またはユーザ毎のアイコン)及び、会議終了ボタン1500、その他、参加者の追加ボタンや削除ボタン、参加者のスケジュールを取得する取得ボタン、他の装置の遠隔接続先を表示する遠隔接続ボタン等を、1つのウィンドウとして、あるいは複数のウィンドウとして含む操作パネルを、電子黒板装置14のディスプレイ3に表示してもよい。
(電子黒板装置14による処理のシーケンス)
図19および図20は、第1実施形態に係る電子黒板装置14による処理のシーケンスを示すシーケンス図である。
<シーケンス1.1.〜1.7.>
電子黒板装置14では、まず、ユーザが、ICカード630をRFタグリーダ617(ICカード検出部64)にかざす(シーケンス1.1.)。このとき、RFタグリーダ617が、ICカード630から識別情報を読み取る(シーケンス1.2.)。
次に、ICカード検出部64が、ICカード630から読み取られた識別情報を、参加者管理部56へ通知する(シーケンス1.3.)。次に、参加者管理部56(判断部56C)が、参加者一覧の監視を開始する(シーケンス1.4.)。
次に、参加者管理部56が、ICカード検出部64から通知された識別情報を、ユーザ情報サーバ装置10のユーザ情報部20に送信することにより、ユーザ情報部20にサービス情報を要求する(シーケンス1.5.)。その結果、参加者管理部56は、ユーザ情報部20から送信されてくるサービス情報を取得する(シーケンス1.6.)。
次に、参加者管理部56(登録部56B)が、ICカード検出部64から通知された識別情報に対応するユーザの参加者一覧情報(電子黒板システムのユーザID、ユーザ名、認証状態、最終認証時刻、および配布先情報)を、参加者一覧に登録する(シーケンス1.7.)。
<シーケンス2.1.〜シーケンス2.10.>
その後、ユーザが、電子黒板装置14のディスプレイ3に表示されているユーザ個別情報表示画面1300(図17参照)において、ファイル読込ボタンを押下する(シーケンス2.1.)。この場合、参加者管理部56が、シーケンス1.6.で取得されたサービス情報をファイル読込部52に送信して、ファイル選択画面の表示をファイル読込部52に要求する(シーケンス2.2.)。
これに応じて、ファイル読込部52は、ユーザの参加者一覧情報を参加者一覧から参照し、当該ユーザの認証状態を確認する(シーケンス2.3.)。ここで、ユーザの認証状態が「ON」である場合、ファイル読込部52は、ストレージサービス44に対して、ファイルおよびフォルダの一覧を要求する(シーケンス2.4.)。このとき、ファイル読込部52は、参加者管理部56から取得したサービス情報に含まれる外部サービスの認証トークンを用いて、ストレージサービス44にアクセスする。その結果、ファイル読込部52は、ストレージサービス44から送信されてくるファイルおよびフォルダの一覧を取得する(シーケンス2.5.)。
次に、ファイル読込部52は、シーケンス2.5.で取得されたファイルおよびフォルダの一覧を含むファイル選択画面1100(図15参照)を、ディスプレイ3に表示する(シーケンス2.6.)。
その後、ユーザによって、ファイル選択画面1100において任意のファイルが選択されると(シーケンス2.7.)、ファイル読込部52は、ストレージサービス44に対して、選択されたファイルの取得要求を送信する(シーケンス2.8.)。このとき、ファイル読込部52は、参加者管理部56から取得したサービス情報に含まれる外部サービスの認証トークンを用いて、ストレージサービス44にアクセスする。その結果、ファイル読込部52は、ストレージサービス44から送信されてくるファイルを取得する(シーケンス2.9.)。さらに、ファイル読込部52は、シーケンス16.で取得されたファイルを、黒板表示部58を介して、ディスプレイ3に表示する(シーケンス2.10.)。
<シーケンス3.1.>
その後、参加者一覧に登録された複数のユーザが、電子黒板装置14を使用した打ち合わせを実施する(シーケンス3.1.)。この打ち合わせでは、各ユーザが、電子黒板装置14に対する書き込み等を行うことができる。
<シーケンス4.1.〜4.10.>
その後、ユーザが、電子黒板装置14のディスプレイ3に表示されているユーザ個別情報表示画面1300(図17参照)において、ファイル保存ボタンを押下する(シーケンス4.1.)。この場合、参加者管理部56が、シーケンス1.6.で取得されたサービス情報をファイル送信部54に送信して、保存フォルダ選択画面の表示をファイル送信部54に要求する(シーケンス4.2.)。
これに応じて、ファイル送信部54は、ユーザの参加者一覧情報を参加者一覧から参照し、当該ユーザの認証状態を確認する(シーケンス4.3.)。ここで、ユーザの認証状態が「ON」である場合、ファイル送信部54は、ストレージサービス44に対して、フォルダの一覧を要求する(シーケンス4.4.)。このとき、ファイル送信部54は、参加者管理部56から取得したサービス情報に含まれる外部サービスの認証トークンを用いて、ストレージサービス44にアクセスする。その結果、ファイル送信部54は、ストレージサービス44から送信されてくるフォルダの一覧を取得する(シーケンス4.5.)。
次に、ファイル送信部54は、シーケンス4.5.で取得されたフォルダの一覧を含む保存フォルダ選択画面1200(図16参照)を、ディスプレイ3に表示する(シーケンス4.6.)。
その後、ユーザによって、保存フォルダ選択画面1200において任意のフォルダが選択されると(シーケンス4.7.)、ファイル送信部54は、黒板表示部58に対して、板書内容の取得を要求する(シーケンス4.8.)。その結果、ファイル送信部54は、黒板表示部58から送信されてくる板書内容を取得する(シーケンス4.9.)。そして、ファイル送信部54は、シーケンス4.9.で取得された板書内容を示すファイルを、ストレージサービス44のユーザによって選択されたフォルダに保存する(シーケンス4.10.)。このとき、ファイル送信部54は、参加者管理部56から取得したサービス情報に含まれる外部サービスの認証トークンを用いて、ストレージサービス44にアクセスする。
<シーケンス5.1.〜5.7.>
その後、ユーザが会議終了ボタン1500(図17参照)を押したとき(シーケンス5.1.)、ファイル送信部54が、黒板表示部58に対して、板書内容の取得を要求する(シーケンス5.2.)。その結果、ファイル送信部54は、黒板表示部58から送信されてくる板書内容を取得する(シーケンス5.3.)。
そして、ファイル送信部54は、参加者一覧に示されている全てのユーザ(すなわち、未認証状態であるユーザも含む)の電子メールアドレス(参加者一覧の配布先情報に示されている電子メールアドレス)を含む、電子メールアドレスの一覧を作成する(シーケンス5.4.)。さらに、ファイル送信部54は、電子メールアドレスの一覧に示されている各電子メールアドレスに対して、シーケンス5.3.で取得された板書内容を示すファイルを送信する(シーケンス5.5.)。
その後、参加者管理部56の判断部56Cが、参加者一覧の監視を終了する(シーケンス5.6.)。さらに、参加者管理部56が、所定の終了処理(例えば、ICカード630でログインした全てのユーザのログオフ処理、参加者一覧に設定されている全ての設定値のクリア、黒板表示部58に対してディスプレイ3に表示されている板書内容を消去させる処理、自装置をスリープ状態や電源オフ状態に切り替える処理、等)を行う(シーケンス5.7.)。
〔第2実施形態〕
次に、第2実施形態を説明する。この第2実施形態では、第1実施形態からの変更点について説明する。なお、この第2実施形態において、第1実施形態と同様の構成部については、第1実施形態と同様の符号を付し、詳細な説明を省略する。
(情報処理システム1の機能構成)
図21は、第2実施形態に係る情報処理システムの一例の機能構成図である。第2実施形態に係る情報処理システム1は、電子黒板装置14の代わりに電子黒板装置14Aを備える点で、第1実施形態に係る情報処理システム1と異なる。電子黒板装置14Aは、顔追跡部66をさらに備える点で、電子黒板装置14と異なる。
顔追跡部66は、カメラ618(図3参照)によって撮像された画像に対し、参加者一覧に登録されている全てのユーザの顔を追跡する。例えば、顔追跡部66は、公知の画像認識技術を用いて、各ユーザの顔の特徴点を表す特徴点情報(図22参照)に基づいて、各ユーザの顔を追跡する。なお、カメラ618は、電子黒板装置14Aの前方の画像を撮像するものとする。これにより、カメラ618は、電子黒板装置14Aの設置場所(例えば、会議室)に存在する各ユーザの顔を含む画像を撮像することができる。
第2実施形態では、参加者管理部56の判断部56Cが判断する所定条件は、参加者一覧に登録されているいずれかのユーザが、カメラ618によって撮像された画像に写し出されなくなった場合である。
例えば、顔追跡部66は、所定時間間隔(例えば、30秒間隔)で、参加者一覧に登録されている各ユーザが、カメラ618によって撮像された画像に写しだされているか否かを確認する。そして、例えば、顔追跡部66によって、参加者一覧に登録されているいずれかのユーザが、所定回数(例えば、5回)連続で、カメラ618によって撮像された画像に写しだされていないことが確認された場合、判断部56Cは、当該ユーザが電子黒板装置14Aから遠ざかったと判断する。
そして、第1実施形態と同様に、参加者管理部56の制限部56Dは、判断部56Cによって電子黒板装置14Aから遠ざかったと判断されたユーザを未認証状態にして、当該ユーザが所有するリソース(ストレージサービス44におけるファイルおよびフォルダ)へのアクセスを制限する。
例えば、顔追跡部66は、ユーザがICカード630をかざしたときに、カメラ618にユーザの顔の画像を撮像させる。そして、顔追跡部66は、ユーザの顔の画像からユーザの特徴点を抽出し、当該ユーザの特徴点データを、そのユーザのユーザIDと対応付けて、特徴点情報リスト(図22参照)に登録する。すなわち、顔追跡部66は、ユーザがICカード630をかざす毎に、そのユーザの特徴点データを、特徴点情報リストに登録する。但し、これに限らず、各ユーザの特徴点データを、予めユーザIDと対応付けて、電子黒板装置14A、ユーザ情報サーバ装置10等に格納しておいてもよい。
(特徴点情報の一例)
図22は、第2実施形態に係る電子黒板装置14Aに用いられる特徴点情報の一例を示す図である。図22に示す特徴点情報リストでは、複数のユーザの各々について、ユーザIDに対し、ユーザの顔の特徴点を示す特徴点データが対応付けられている。
(電子黒板装置14Aによる処理の手順)
図23は、第2実施形態に係る電子黒板装置14Aによる処理の手順を示すフローチャートである。図23に示すフローチャートは、ステップS1204の次に、ステップS2300が設けられている点で、図12に示す第1実施形態のフローチャートと異なる。ステップS2300では、カメラ618が、当該カメラ618に最も近いユーザの顔の画像を撮像する。そして、顔追跡部66が、カメラ618によって撮像された画像から、ユーザの特徴点を抽出する。さらに、顔追跡部66が、抽出されたユーザの特徴点を示す特徴点データを、ユーザIDと対応付けて特徴点情報リストに登録する。そして、顔追跡部66が、登録された特徴点データを用いて、ユーザの追跡を開始する。
(電子黒板装置14Aによる参加者一覧の更新処理の手順)
図24は、第2実施形態に係る電子黒板装置14Aによる参加者一覧の更新処理の手順を示すフローチャートである。
まず、顔追跡部66が、参加者一覧に登録されている各ユーザの追跡を開始する(ステップS2401)。次に、顔追跡部66が、参加者一覧に登録されている各ユーザについて、カメラ618によって撮像された画像に写し出されているか否かを判断する(ステップS2402)。
次に、顔追跡部66が、カメラ618によって撮像された画像に写し出されていないユーザが存在したか否かを判断する(ステップS2403)。ステップS2403において、「画像に写し出されていないユーザが存在しない」と判断された場合(ステップS2403:No)、電子黒板装置14Aは、ステップS2408へ処理を進める。
一方、ステップS2403において、「画像に写し出されていないユーザが存在する」と判断された場合(ステップS2403:Yes)、顔追跡部66が、ユーザが画像に写し出されていない回数が5回連続であるか否かを判断する(ステップS2404)。
ステップS2404において、「ユーザが画像に写し出されていない回数が5回連続ではない」と判断された場合(ステップS2404:No)、電子黒板装置14Aは、ステップS2408へ処理を進める。
一方、ステップS2404において、「ユーザが画像に写し出されていない回数が5回連続である」と判断された場合(ステップS2404:Yes)、参加者管理部56の判断部56Cが、画像に写し出されていないユーザが退出した(すなわち、電子黒板装置14Aから遠ざかった)と判断する(ステップS2405)。そして、参加者管理部56の制限部56Dが、退出したと判断されたユーザの参加者一覧情報における認証状態に「OFF」を設定する(ステップS2406)。
その後、顔追跡部66が、退出したと判断されたユーザを、追跡対象から除外して、電子黒板装置14Aは、ステップS2408へ処理を進める。
ステップS2408では、顔追跡部66が、30秒間スリープする。その後、電子黒板装置14Aは、ステップS2402へ処理を戻す。
(電子黒板装置14Aによる処理のシーケンス)
図25は、第2実施形態に係る電子黒板装置14Aによる処理のシーケンスを示すシーケンス図である。図25に示すシーケンス1.1.〜1.12.は、電子黒板装置14Aによって実行されるシーケンス1.1.〜1.7.との相違点を示すものである。すなわち、電子黒板装置14Aは、図19に示すシーケンス1.1.〜1.7.の代わりに、図25に示すシーケンス1.1.〜1.12.を実行する。
<シーケンス1.1.〜1.12.>
電子黒板装置14Aでは、まず、ユーザが、ICカード630をRFタグリーダ617(ICカード検出部64)にかざす(シーケンス1.1.)。このとき、RFタグリーダ617が、ICカード630から識別情報を読み取る(シーケンス1.2.)。
次に、ICカード検出部64が、ICカード630から読み取られた識別情報を、参加者管理部56へ通知する(シーケンス1.3.)。次に、参加者管理部56が、顔追跡部66に対して、参加者一覧に登録されている各ユーザの追跡開始を指示する(シーケンス1.4.)。
次に、参加者管理部56が、ICカード検出部64から通知された識別情報を、ユーザ情報サーバ装置10のユーザ情報部20に送信することにより、ユーザ情報部20にサービス情報を要求する(シーケンス1.5.)。その結果、参加者管理部56は、ユーザ情報部20から送信されてくるサービス情報を取得する(シーケンス1.6.)。
次に、参加者管理部56(登録部56B)が、ICカード検出部64から通知された識別情報に対応するユーザの参加者一覧情報(電子黒板システムのユーザID、ユーザ名、認証状態、最終認証時刻、および配布先情報)を、参加者一覧に登録する(シーケンス1.7.)。
次に、参加者管理部56が、ICカード検出部64から通知された識別情報を、顔追跡部66に通知する(シーケンス1.8.)。顔追跡部66は、カメラ618に対して、ユーザの顔の画像の撮影を指示する(シーケンス1.9.)。その結果、顔追跡部66は、カメラ618によって撮像されたユーザの顔の画像を取得する(シーケンス1.10.)。
そして、顔追跡部66は、シーケンス1.10.で取得されたユーザの顔の画像から、ユーザの顔の特徴点データを抽出する(シーケンス1.11.)。さらに、顔追跡部66は、シーケンス1.11.で抽出された特徴点データを、参加者管理部56から通知された識別情報と対応付けて、特徴点情報リストに登録する(シーケンス1.12.)。
以上、上記各実施形態の電子黒板装置14,14Aは、ユーザのログイン認証を行う認証部56Aと、認証部56Aによってログイン認証されたユーザを参加者一覧に登録する登録部56Bと、参加者一覧に登録されている複数のユーザの各々について、所定条件を満たしたか否かを判断する判断部56Cと、参加者一覧に登録されているいずれかのユーザについて、所定条件を満たしたかと判断された場合、ユーザを参加者一覧に登録したままで、当該ユーザが所有するリソースへのアクセスを制限する制限部56Dとを備える。これにより、上記各実施形態の電子黒板装置14,14Aは、電子黒板装置14,14Aから一部のユーザが遠ざかった際に、当該ユーザが所有するリソースに対して、他のユーザが不正にアクセスすることを防止することができる。
〔第3実施形態〕
次に、第3実施形態を説明する。この第3実施形態では、第1実施形態からの変更点について説明する。なお、この第3実施形態において、第1実施形態と同様の構成部については、第1実施形態と同様の符号を付し、詳細な説明を省略する。
(システム構成)
図26は、第3実施形態に係る情報処理システムの一例の構成図である。図26に示す情報処理システム1は、機器管理サーバ11およびPC18をさらに備える点、および、電子黒板装置14の代わりに電子黒板装置14Bを備える点で、第1実施形態の情報処理システム1(図1参照)と異なる。機器管理サーバ11およびPC18は、ネットワーク16に接続されており、ネットワーク16を介して電子黒板装置14Bと通信可能である。
機器管理サーバ11は、後述する機器管理情報などを保存し、電子黒板装置14Bから利用される。機器管理サーバ11は一台以上のコンピュータにより実現される。なお、図1の構成図ではユーザ情報サーバ装置10と機器管理サーバ11とが分かれている例を示したが、ユーザ情報サーバ装置10と機器管理サーバ11とを1つのサーバ装置で実現してもよい。
PC18は、「端末装置」の一例であり、ネットワーク16を介して電子黒板装置14Bに遠隔接続可能である。ユーザは、PC18から電子黒板装置14Bに遠隔接続することにより、遠隔地から電子黒板装置14Bを用いて行われている会議に参加することができる。
(情報処理システムの処理概要)
図27は、第3実施形態に係る情報処理システム1による処理概要を説明するための図である。図27では、会議室において、3人のユーザ(Mary,Sato,Saito)が、電子黒板装置14Bを利用して会議を行う例を表している。
1.各ユーザは、電子黒板装置14Bを利用するために、RFタグリーダ617にICカード630をかざすことにより、電子黒板装置14Bによってログイン認証してもらう必要がある。なお、ユーザのログイン認証は、その他の方法(例えば、ユーザIDおよびパスワードを入力する方法)によるものであってもよい。
2.電子黒板装置14Bによるログイン認証がなされたユーザは、参加者一覧に参加者一覧情報が登録され、これにより、電子黒板装置14Bによる参加者としての認識が可能となる。
3.各ユーザは、ログイン認証がなされると、電子黒板装置14Bから、ストレージサービス44における自身が所有するストレージ(これに限らず、スケジュールサービス、共有サイトサービス等であってもよい)に対して、アクセス(ファイルの読み出しおよびファイルの保存)が可能となる。
4.ユーザは、電子黒板装置14Bが設置されている会議室から退去すると、自動的にログイン状態が未認証状態となる。本実施形態では、ユーザのログイン認証がなされてから一定時間(例えば3分)が経過すると、そのユーザは自動的に未認証状態となる。なお、「認証状態」とは、ログインして参加者一覧に登録され、リソースも使える状態(認証ON)を意味する。また、「未認証状態」とは、ログインして参加者一覧に登録されているが、リソースは使えない状態(認証OFF)を意味する。また、「ログアウト状態」とは、参加者一覧に含まれないか一度含まれた後削除され、リソースも使えない状態を意味する。
5.ユーザが未認証状態になると、電子黒板装置14Bからは、当該ユーザのストレージにアクセスできなくなる。よって、他のユーザが、会議室から退去したユーザのストレージに不正にアクセスしてしまうことを防止することができる。図27では、ユーザ「Mary」が会議室から退出したことにより、ユーザ「Mary」が自動的に未認証状態となり、よって、ユーザ「Mary」の個人ストレージにアクセスできなくなる例を表している。
6.会議室から退出したユーザは、外部の端末装置から電子黒板装置14Bに遠隔接続することにより、遠隔地からテレビ会議や会議の遠隔共有に参加することができる。図27では、会議室から退出したユーザ「Mary」が、居室のPC18から電子黒板装置14Bに遠隔接続する例を表している。このとき、PC18では、ログインしたユーザ「Mary」のユーザIDに基づいて、ユーザ「Mary」が参加者となっている会議が行われている機器(すなわち、図27では電子黒板装置14B)が、遠隔接続先の候補として提示される。これにより、ユーザ「Mary」は、PC18から電子黒板装置14Bへの遠隔接続を容易に行うことができる。
7.電子黒板装置14Bは、会議終了後に、ディスプレイ3に表示されている板書内容を示すファイルを、電子メール(これに限らず、外部ストレージ、ファイルサーバ等へのファイル送信等であってもよい。)によって、参加者一覧に示されている全てのユーザ(すなわち、認証状態であるユーザと未認証状態であるユーザを含む)の電子メールアドレスに対して、一斉送信することができる。
但し、電子黒板装置14Bは、自ら意図的にログアウトしたユーザに対しては、板書内容を示すファイルを配布しない。また、電子黒板装置14Bは、ログイン認証がなされたユーザに加えて、その他のユーザ(例えば、スケジュールに登録されているユーザ)に対しても、板書内容を示すファイルを一斉配布してもよい。
このように、第3実施形態の情報処理システム1では、会議室から退出したユーザの個人ストレージに他のユーザが不正にアクセスできない状態を維持したまま、会議室から退出したユーザが、遠隔地の端末装置から電子黒板装置14Bにアクセスする際に、遠隔接続先の候補をユーザに提示することができる。これにより、会議室から退出したユーザは、遠隔地の端末装置から電子黒板装置14Bに容易に遠隔接続して、テレビ会議や会議の遠隔共有に再び参加することができる。
(情報処理システムの機能構成)
図28は、第3実施形態に係る情報処理システムの一例の機能構成図である。
図28に示すように、機器管理サーバ11は、機器管理部30および機器管理情報部32を備える。機器管理情報部32は、機器管理情報(図29参照)を保持する。機器管理部30は、機器管理情報部32が保持する機器管理情報を更新する。例えば、機器管理部30は、電子黒板装置14Bによる会議が開始されたときに、電子黒板装置14Bの参加者管理部56からの要求に応じて、その会議の参加者のユーザIDが示された機器管理情報を、機器管理情報部32に登録する。
PC18は、遠隔接続部70を備える。遠隔接続部70はIPアドレスを利用して電子黒板装置14Bと遠隔接続を行うことにより、電子黒板装置14Bとの間で、板書内容やカメラ画像/マイク音声などの遠隔共有を行う。例えば、遠隔接続部70は、PC18に導入された遠隔接続アプリ(または、PC18の電子黒板アプリ・遠隔共有アプリ)等のアプリケーションによって実現される。遠隔接続部70は、遠隔接続アプリの起動時に、ユーザにログイン情報(例えば、ユーザIDおよびパスワード)の入力を求めるログイン画面を表示する。遠隔接続部70は、ログイン画面にログイン情報が入力されると、ユーザ情報サーバ装置10のユーザ情報部20に、ログイン情報を送信する。ユーザ情報部20は、ログイン情報に一致するユーザIDを、遠隔接続部70に返送する。
また、遠隔接続部70は、機器管理サーバ11から機器管理情報を取得し、ユーザ情報部20から取得したユーザIDに基づいて、当該機器管理情報の中から、ログインしたユーザが参加している会議が行われている機器を、遠隔接続先の候補として検索する。遠隔接続部70は、遠隔接続先の候補が検索された場合、遠隔接続先の候補をユーザに提示するための接続先推奨画面(図36参照)を表示する。遠隔接続部70は、遠隔接続先の候補が検索されなかった場合、遠隔接続先をユーザに選択させるための接続先選択画面(図37参照)を表示する。
電子黒板装置14Bは、遠隔接続部60を備える。遠隔接続部60は、PC18の遠隔接続部70からの遠隔接続の要求を受け、遠隔接続部70に対して、板書内容の共有、カメラ映像共有、マイク音声の共有のうちどれか1つ以上を行う。
また、この第3実施形態では、電子黒板装置14Bの参加者管理部56は、テレビ会議の開始時に、機器管理サーバ11に対し、参加者一覧(図10参照)に登録されたユーザのユーザIDおよび機器IPを送信して、機器管理サーバ11が保持する機器管理情報(図29参照)を更新させることができる。
(機器管理情報の一例)
図29は、機器管理情報部32によって保持される機器管理情報の一例を示す図である。図29に示すように、機器管理情報は、電子黒板装置14BのIPアドレスと、その電子黒板装置14Bを用いた会議の参加者のユーザID(すなわち、その電子黒板装置14BにログインしたユーザのユーザID)との対応付けがなされた情報である。この機器管理情報は、電子黒板装置14Bによる会議が開始または参加者が順次参加したときに、電子黒板装置14Bの参加者管理部56からの要求に応じて、機器管理部30によって、機器管理情報部32に登録される。
電子黒板装置14Bで会議が開始されたときとは、例えば電子黒板装置14Bで実施する会議の最初の参加者が電子黒板装置14Bで受け付けた認証に成功したときを指す。その他、最初の参加者が電子黒板装置14Bを起動し操作を開始したとき、または、会議のスケジュールの開始時刻に到達したとき、などでもよい。この会議の開始時に電子黒板装置14Bの機器IPアドレス、最初の参加者の認証に基づくユーザID等の参加者情報等を、電子黒板装置14Bが機器管理サーバ11に送信する。さらに会議の二番目以降の参加者が会議に順次参加し、電子黒板装置14Bでの認証に成功する都度、認証に基づく参加者のユーザID等の参加者情報と、電子黒板装置14Bの機器IPアドレス等を電子黒板装置14Bから機器管理サーバ11に送信し、機器IPアドレス毎に、参加者を追加して蓄積する。このようして蓄積された機器管理情報により、電子黒板装置14Bによる会議にどの参加者が参加しているかを特定することが可能となる。また、この機器管理情報により、端末装置から遠隔接続を行うユーザに対して、遠隔接続先の電子黒板装置14Bを提示することが可能となる。
なお、機器管理情報は、さらに電子黒板装置14B等から送信される個々の電子黒板装置のID情報を有し、電子黒板装置のID情報毎に、機器IPアドレスや参加者一覧を管理してもよい。その場合、電子黒板装置のID情報を推奨表示可能であり、機器IPが変化した時でも、電子黒板装置のID情報で接続先の電子黒板装置を特定したり、各装置で選択させたりしてもよい。また電子黒板装置のID情報は、参加者への推奨時に選択させやすくするために、管理者等により、電子黒板装置14Bもしくは機器管理サーバ11等に入力、作成、編集させてもよい。
(電子黒板装置14Bによる処理の手順)
図30および図31は、第3実施形態に係る電子黒板装置14Bによる処理の手順を示すフローチャートである。
電子黒板装置14Bでは、まず、最初にログインするユーザが、ICカード630をRFタグリーダ617にかざす(ステップS3001)。このとき、RFタグリーダ617が、ICカード630から識別情報を読み取る。
次に、参加者管理部56の判断部56Cが、参加者一覧の監視を開始する(ステップS3002)。以降、判断部56Cは、参加者一覧に登録されている各ユーザについて、ログイン認証されてからの経過時間を、所定時間間隔(例えば、1秒間隔)で算出する。そして、判断部56Cは、参加者一覧に登録されているいずれかのユーザが、ログイン認証されてからの経過時間が所定時間(例えば、3分)に達した場合、当該ユーザが電子黒板装置14Bから遠ざかったと判断する。この場合、判断部56Cは、当該ユーザの参加者一覧情報の認証状態に「OFF」を設定する。
次に、参加者管理部56が、ステップS3001で読み取られた識別情報をユーザ情報サーバ装置10に送信して、当該識別情報に対応するユーザのサービス情報(図14参照)を、ユーザ情報サーバ装置10から取得する(ステップS3003)。
次に、参加者管理部56の登録部56Bが、ステップS3001で読み取られた識別情報に対応するユーザの参加者一覧情報(電子黒板システムのユーザID、ユーザ名、認証状態、最終認証時刻、および配布先情報)を、参加者一覧に登録する(ステップS3004)。
次に、参加者管理部56が、機器管理サーバ11に、参加者一覧に登録されたユーザのユーザIDおよび電子黒板装置14Bの機器IPを送信し、機器管理情報(図29参照)を更新させる(ステップS3005)。例えば、参加者管理部56は、一人目のユーザが参加者一覧に登録されたとき、機器管理サーバ11が保持する機器管理情報に、一人目のユーザのユーザIDと、電子黒板装置14BのIPアドレスとの対応付けがなされたレコードを追加させる。そして、参加者管理部56は、二人目以降のユーザが参加者一覧に登録されたとき、二人目以降のユーザのユーザIDを、機器管理サーバ11が保持する機器管理情報の上記レコードに追加させる。
以降、ステップS3006〜S3021は、第1実施形態(図19および図20)で説明したステップS3005〜S3020と同様であるため、ここでは説明を省略する。
(電子黒板装置14Bによる処理のシーケンス)
図32および図33は、第3実施形態に係る電子黒板装置14Bによる処理のシーケンスを示すシーケンス図である。
<シーケンス1.1.〜1.7.>
電子黒板装置14Bでは、まず、ユーザが、ICカード630をRFタグリーダ617(ICカード検出部64)にかざす(シーケンス1.1.)。このとき、RFタグリーダ617が、ICカード630から識別情報を読み取る(シーケンス1.2.)。
次に、ICカード検出部64が、ICカード630から読み取られた識別情報を、参加者管理部56へ通知する(シーケンス1.3.)。次に、参加者管理部56(判断部56C)が、参加者一覧の監視を開始する(シーケンス1.4.)。
次に、参加者管理部56が、ICカード検出部64から通知された識別情報を、ユーザ情報サーバ装置10のユーザ情報部20に送信することにより、ユーザ情報部20にサービス情報を要求する(シーケンス1.5.)。その結果、参加者管理部56は、ユーザ情報部20から送信されてくるサービス情報を取得する(シーケンス1.6.)。
次に、参加者管理部56(登録部56B)が、ICカード検出部64から通知された識別情報に対応するユーザの参加者一覧情報(電子黒板システムのユーザID、ユーザ名、認証状態、最終認証時刻、および配布先情報)を、参加者一覧に登録する(シーケンス1.7.)。
次に、参加者管理部56が、機器管理サーバ11に、参加者一覧に登録されたユーザのユーザIDおよび電子黒板装置14Bの機器IPを送信し、機器管理サーバ11が保持する機器管理情報(図29参照)を更新させる(ステップS3005)。
以降、シーケンス2.1.〜5.7は、第1実施形態(図19および図20)で説明したシーケンス2.1.〜5.7と同様であるため、ここでは説明を省略する。
(PC18等による処理の手順)
図34は、第3実施形態に係るPC18等の遠隔の情報処理装置で、電子黒板装置等へ遠隔接続を行う際の処理の手順を示すフローチャートである。
PC18では、まず、遠隔接続アプリケーションの遠隔接続部70が、ログイン画面を表示する(ステップS3401)。そして、遠隔接続部70が、ログイン画面に対するIDおよびパスワードの入力を受け付ける(ステップS3402)。そして、遠隔接続部70が、IDおよびパスワードをユーザ情報サーバ装置10のユーザ情報部20に送信し、ユーザ情報部20から返送されるユーザIDを含むユーザ情報(ユーザIDに対応するユーザ情報)を取得する(ステップS3403)。
次に、遠隔接続部70が、機器管理サーバ11から機器管理情報を取得する(ステップS3404)。そして、遠隔接続部70が、ステップS3404で取得された機器管理情報の中に、遠隔接続先の候補(すなわち、ステップS3403で取得したユーザIDと対応付けられている機器)が含まれているか否かを判断する(ステップS3405)。
ステップS3405において、遠隔接続先の候補が含まれていると判断された場合(ステップS3405:Yes)、遠隔接続部70が、遠隔接続先の候補をユーザに提示するための接続先推奨画面(図36参照)を表示する(ステップS3406)。そして、遠隔接続部70が、接続先推奨画面において「OK」が選択されたか否かを判断する(ステップS3407)。
ステップS3407において、「OK」が選択されたと判断された場合(ステップS3407:Yes)、遠隔接続部70が、遠隔接続先の候補に対して遠隔接続を行う(ステップS3409)。そして、PC18は、図34に示す一連の処理を終了する。
ステップS3407において、「OK」が選択されなかったと判断された場合(ステップS3407:No)、遠隔接続先をユーザに選択させるための接続先選択画面(図37参照)を表示する(ステップS3408)。そして、遠隔接続部70が、接続先選択画面で選択された遠隔接続先に対して遠隔接続を行う(ステップS3409)。そして、PC18は、図34に示す一連の処理を終了する。
ステップS3405において、遠隔接続先の候補が含まれていないと判断された場合(ステップS3405:No)、遠隔接続部70が、遠隔接続先をユーザに選択させるための接続先選択画面(図37参照)を表示する(ステップS3408)。そして、遠隔接続部70が、接続先選択画面で選択された遠隔接続先に対して遠隔接続を行う(ステップS3409)。そして、PC18は、図34に示す一連の処理を終了する。
(PC18等による処理のシーケンス)
図35は、第3実施形態に係るPC18等の遠隔の情報処理装置で、電子黒板装置等へ遠隔接続を行う際の処理のシーケンスを示すシーケンス図である。
まず、PC18の遠隔接続アプリケーションの遠隔接続部70が、ログイン画面を表示する(シーケンス1.)。そして、ユーザが、ログイン画面に対してログイン情報(ユーザIDおよびパスワード)を入力する(シーケンス2.)。そして、PC18の遠隔接続部70が、ユーザIDの取得要求とともに、ログイン情報をユーザ情報サーバ装置10のユーザ情報部20に送信する(シーケンス3.)。その結果、PC18の遠隔接続部70が、ユーザ情報部20から返送されるユーザIDを含むユーザ情報(ユーザIDに対応するユーザ情報)を取得する(シーケンス4.)。
続いて、PC18の遠隔接続部70が、機器管理情報の取得要求を機器管理サーバ11の機器管理部30に送信する(シーケンス5.)。その結果、PC18の遠隔接続部70が、機器管理部30から返送されてくる機器管理情報を取得する(シーケンス6.)。そして、PC18の遠隔接続部70が、機器管理情報の中から遠隔接続先の候補(すなわち、ユーザ情報部20から取得したユーザIDと対応付けられている機器)を検索する(シーケンス7.)。
ここでは、遠隔接続先の候補が検索されたものとし、PC18の遠隔接続部70が、遠隔接続先の候補をユーザに提示するための接続先推奨画面(図36参照)を表示する(シーケンス8.)。そして、ユーザが接続先推奨画面において「OK」または「キャンセル」を選択する(シーケンス9.)。
シーケンス9.において「キャンセル」が選択された場合、PC18の遠隔接続部70が、遠隔接続先をユーザに選択させるための接続先選択画面(図37参照)を表示する(シーケンス10.)。そして、ユーザが接続先選択画面において、遠隔接続先を選択したうえで「OK」を選択すると(シーケンス11.)、PC18の遠隔接続部70が、接続先選択画面で選択された遠隔接続先に対して遠隔接続を行う(シーケンス12.)。その後、ユーザは、遠隔接続を終了させたい場合、PC18の遠隔接続部70に対して、終了を指示する(シーケンス13.)。
一方、シーケンス9.において「OK」が選択された場合、PC18の遠隔接続部70が、遠隔接続先の候補に対して遠隔接続を行う(シーケンス12.)。その後、ユーザは、遠隔接続を終了させたい場合、PC18の遠隔接続部70に対して、終了を指示する(シーケンス13.)。
図34および図35に示す一連の処理により、ユーザは、PC18から、遠隔接続先の候補として提示された電子黒板装置14Bに対して容易に遠隔接続することができる。この遠隔接続により、PC18および電子黒板装置14Bの遠隔共有が可能となる。例えば、PC18の遠隔接続部70は、電子黒板装置14Bの画面を、当該PC18が備えるディスプレイに表示させることができる。また、例えば、PC18の遠隔接続部70は、電子黒板装置14Bにおいて、マイクに入力された音声、および、カメラによって撮像された画像を、電子黒板装置14Bから受信して、PC18から出力させることができる。また、例えば、PC18の遠隔接続部70は、PC18において、マイクに入力された音声、および、カメラによって撮像された画像を、電子黒板装置14Bに送信して、電子黒板装置14Bに出力させることができる。また、例えば、PC18の遠隔接続部70は、電子黒板装置14Bを介して、当該PC18のユーザの個人ストレージにアクセス(ファイル取得、ファイル共有等)することができる。
なお、図34および図35に示す処理の一部は、ユーザ情報サーバ装置10や、電子黒板装置14Bの遠隔接続部60が行うようにしてもよい。例えば、ユーザ情報サーバ装置10や、電子黒板装置14Bの遠隔接続部60が、PC18等の他の装置から遠隔接続先の検索要求を受けて、機器管理情報の中から遠隔接続先の候補を検索して、接続先推奨画面または接続先選択画面を、PC18等の装置に表示させるようにしてもよい。
また、電子黒板装置14Bから他の装置へ遠隔接続する際にも、電子黒板装置14B上に、PC18等の他の情報処理装置及び他の電子黒板装置を含めた接続先の推奨表示をしてもよい。
また、図34および図35の例は、「Mary」が電子黒板装置14Bの設置されている会議室から退出し、電子黒板装置14B上では「Mary」は参加者一覧には登録されているがログイン後一定時間経過(第1実施形態)または、画像に所定回数映し出されていない(第2実施形態)ことで、「未認証状態」となっているときにPC18から遠隔接続した場合を説明した。この状態で図27の7.の様に電子黒板装置14Bから板書等の会議資料を一斉配布するときは宛先(または保存先)として認証状態と未認証状態の参加者に送信されるため、「Mary」は退出後、PC18から遠隔接続しても、配信を受けることができる。
一方で、「Mary」は会議室から退出する時に電子黒板装置14Bの画面上で、自身を参加者一覧からログアウトや削除する等の操作を行うことによりログアウト状態にすること場合がある。この場合は電子黒板装置14Bで参加者一覧に含まれないログアウト状態になっているため、「Mary」がPC18等から遠隔接続した場合には、電子黒板装置14Bの参加者一覧に登録(追加)、もしくは再登録してもよい。これによって電子黒板装置14Bで参加者から一度外れることや、参加者に元々含まれていないことがあっても、電子黒板装置14Bからの会議資料等の一斉配布時の宛先(メール送信先・ファイル保存先)として遠隔接続した参加者(Mary)のIDと紐づく宛先を含めることができる。
さらに、電子黒板装置14Bで参加者一覧に含まれないログアウト状態になっているときに、「Mary」がPC18等から電子黒板装置14Bに遠隔接続した場合には、「Mary」を参加者一覧に追加した上で「未認証状態」としてもよい。これによって資料配布先に含められるとともに、会議室にいる参加者に対しては電子黒板装置14Bから「Mary」の個人ストレージへのアクセスを制限することができる。
(接続先推奨画面の一例)
図36は、第3実施形態に係るPC18において表示される接続先推奨画面の一例を示す図である。図36に示す接続先推奨画面3600は、機器管理情報の中から遠隔接続先の候補が検索されたときに、PC18が備えるディスプレイに表示される画面の一例である。図36に示すように、接続先推奨画面3600には、遠隔接続先の候補の機器のIPアドレスと、その機器を用いて行われるテレビ会議の参加者とが示されている。なお、図36では、PC18のログインユーザのユーザIDが「user003」である場合を例示している。PC18の遠隔接続部70は、接続先推奨画面3600において「OK」ボタンが選択された場合、遠隔接続先の候補に遠隔接続を行う。一方、PC18の遠隔接続部70は、接続先推奨画面3600において「キャンセル」ボタンが選択された場合、図37に例示する接続先選択画面3700をディスプレイに表示させる。
(接続先選択画面の一例)
図37は、第3実施形態に係るPC18において表示される接続先選択画面の一例を示す図である。図37に示す接続先選択画面3700は、機器管理情報の中から遠隔接続先の候補が検索されなかったとき、または、ユーザが遠隔接続先の候補に遠隔接続することを望まなかったときに、PC18が備えるディスプレイに表示される画面の一例である。図37に示すように、接続先選択画面3700には、PC18から遠隔接続可能な複数の機器(すなわち、機器管理情報に示されている全ての機器)が表示されている。接続先選択画面3700において、各機器には、チェックボックスが設けられている。ユーザは、任意の機器のチェックボックスを選択したうえで、「OK」ボタンを選択することにより、PC18を選択された機器に遠隔接続させることができる。なお、図37に示す例では、遠隔接続先の候補の機器のチェックボックスが自動的に選択された状態となっているが、このような選択がなされないようにしてもよい。
なお、電子黒板装置14Bで、参加者のログインが未、またはログアウト操作や参加者一覧から外す操作を行った場合、電子黒板装置14Bの参加者一覧に含まれていないために、PC18での接続先推奨画面3600に、電子黒板装置14Bが表示されない可能性がある。この場合、PC18から遠隔接続する参加者は、PC18に表示される接続先選択画面3700で接続先を選択して電子黒板装置14Bに接続してもよい。また電子黒板装置14Bで、ログアウト操作や参加者一覧から外す操作を行った場合でも、一度ログインした参加者は全てログイン済み参加者リストとして電子黒板装置14Bに保持し、ログイン済み参加者リストを元に、PC18等遠隔接続する装置に接続先推奨画面を表示してもよい。
(電子黒板装置14BおよびPC18による画面共有の一例)
図38は、第3実施形態に係る電子黒板装置14BおよびPC18による画面共有の一例を示す図である。図38では、PC18の遠隔接続部70が電子黒板装置14Bに遠隔接続したことにより、電子黒板装置14Bに表示されている画面3800が、PC18のディプレイにも表示されている状態を表している。電子黒板装置14Bに表示されている画面3800と、PC18に表示されている画面3800とは、互いに同期し、遠隔共有しているため、電子黒板装置14Bにおいて画面3800の表示内容が変更された場合、PC18においても画面3800の表示内容が同様に変更されることとなる。なお、PC18の遠隔接続部70は、画面3800の遠隔操作が可能である。すなわち、PC18の遠隔接続部70は、電子黒板装置14Bに表示されている画面3800に対して遠隔操作(例えば、書込み、選択、ファイル表示等)を行うことができる。この場合も、PC18においても画面3800の表示内容が同様に変更されることとなる。
なお、図38では「Mary」は会議室から退席したため、会議室の電子黒板装置14Bの画面3800で「Mary」は「未認証状態」となっている。またその画面3800がPC18の画面上に遠隔共有されている。そのため電子黒板装置14B側で、会議室にいる参加者が「Mary」のストレージへアクセスすることを制限しながらも、電子黒板装置14Bから板書等の会議で共有した情報を「Mary」のIDに紐づく宛先へメール送信・ファイル送信することができる。なお、「Mary」はPC18側では遠隔接続アプリケーションで「認証状態」となり遠隔接続アプリケーションの画面から「Mary」の個人ストレージのファイルの閲覧や書込み、及び、画面やファイルの電子黒板装置14Bへの遠隔共有を可能としてもよい。
また、図38で、「Mary」がPC18等遠隔の装置でログインしたこと、PC18が電子黒板装置14Bと遠隔接続したこと、または、「Mary」が参加者一覧に登録されたことを、電子黒板装置14B上のユーザ個別情報表示画面1300や、ユーザ個別情報表示を含む操作パネルの参加者一覧等に表示し、電子黒板装置14Bの会議室の参加者に知らせてもよい。この電子黒板装置14Bでの、遠隔の装置でのログインや遠隔接続の表示は、各参加者がどの装置から参加しているかが分かるようにユーザ個別情報表示画面1300毎に、装置を示す名称やIDを表示したり、装置毎に色を変えて表示したりしてもよい。電子黒板装置14Bは例えば装置毎の参加者を対応づけて記憶する機器管理情報を取得することで、参加者一覧の参加者毎にどの装置で参加したかを記憶して表示することが可能である。
また、電子黒板装置14Bのユーザ個別情報表示画面1300には、例えばPC18でログインし遠隔接続した参加者によるメッセージを掲載することも可能である。例えば、PC18の遠隔接続アプリで例えば会議資料を送ってほしい等のメッセージを入力すると、ユーザ情報サーバ装置10にそのメッセージが送信され、メッセージがユーザ情報一覧等のユーザ情報に紐づいて記憶され、ユーザ情報を取得した電子黒板装置14Bがユーザ個別情報表示画面1300にメッセージを表示する方法で実現してもよい。
(機器管理サーバ11およびPC18およびのハードウェア構成図)
図39は、第3実施形態に係る情報処理システムに用いられる機器管理サーバ11およびPC18のハードウェア構成図である。
図39に示されているように、機器管理サーバ11およびPC18は、コンピュータによって構築されており、図39に示されているように、CPU301、ROM302、RAM303、HD304、HDD(Hard Disk Drive)コントローラ305、ディスプレイ306、外部機器接続I/F(Interface)308、ネットワークI/F309、データバス310、キーボード311、ポインティングデバイス312、DVD−RW(Digital Versatile Disk Rewritable)ドライブ314、メディアI/F316を備えている。
これらのうち、CPU301は、機器管理サーバ11およびPC18全体の動作を制御する。ROM302は、IPL等のCPU301の駆動に用いられるプログラムを記憶する。RAM303は、CPU301のワークエリアとして使用される。HD304は、プログラム等の各種データを記憶する。HDDコントローラ305は、CPU301の制御にしたがってHD304に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。ディスプレイ306は、カーソル、メニュー、ウィンドウ、文字、又は画像などの各種情報を表示する。外部機器接続I/F308は、各種の外部機器を接続するためのインターフェースである。この場合の外部機器は、例えば、USB(Universal Serial Bus)メモリやプリンタ等である。ネットワークI/F309は、通信ネットワーク16を利用してデータ通信をするためのインターフェースである。データバス310は、図39に示されているCPU301等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等である。
また、キーボード311は、文字、数値、各種指示などの入力のための複数のキーを備えた入力手段の一種である。ポインティングデバイス312は、各種指示の選択や実行、処理対象の選択、カーソルの移動などを行う入力手段の一種である。DVD−RWドライブ314は、着脱可能な記録媒体の一例としてのDVD−RW313に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。なお、DVD−RWに限らず、DVD−R等であってもよい。メディアI/F316は、フラッシュメモリ等の記録メディア315に対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御する。
(端末装置のバリエーション)
なお、電子黒板装置14Bに対して遠隔接続を行う「端末装置」は、PCに限らない。「端末装置」は、少なくとも電子黒板装置14Bに対して遠隔接続を行い、電子黒板装置14Bとの遠隔共有が可能な装置であれば、如何なる装置であってもよい。例えば、「端末装置」として、図41〜図42に例示するように、スマートフォン、ビデオ会議端末、またはプロジェクタを用いるようにしてもよい。また、本発明は、他の電子黒板装置から電子黒板装置14Bへの遠隔接続を行う、電子黒板装置の間での遠隔共有にも適用可能である。
(端末装置の一例:スマートフォン)
図40は、第3実施形態に係る情報処理システムに用いられる端末装置の一例であるスマートフォンのハードウェア構成図である。図40に示されているように、スマートフォン400は、CPU401、ROM402、RAM403、EEPROM404、CMOSセンサ405、撮像素子I/F406、加速度・方位センサ407、メディアI/F409、GPS受信部411を備えている。
これらのうち、CPU401は、スマートフォン400全体の動作を制御する。ROM402は、CPU401やIPL等のCPU401の駆動に用いられるプログラムを記憶する。RAM403は、CPU401のワークエリアとして使用される。EEPROM404は、CPU401の制御にしたがって、スマートフォン用プログラム等の各種データの読み出し又は書き込みを行う。CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサ405は、CPU401の制御に従って被写体(主に自画像)を撮像して画像データを得る内蔵型の撮像手段の一種である。なお、CMOSセンサではなく、CCD(Charge Coupled Device)センサ等の撮像手段であってもよい。撮像素子I/F406は、CMOSセンサ405の駆動を制御する回路である。加速度・方位センサ407は、地磁気を検知する電子磁気コンパスやジャイロコンパス、加速度センサ等の各種センサである。メディアI/F409は、フラッシュメモリ等の記録メディア408に対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御する。GPS受信部411は、GPS衛星からGPS信号を受信する。
また、スマートフォン400は、遠距離通信回路412、CMOSセンサ413、撮像素子I/F414、マイク415、スピーカ416、音入出力I/F417、ディスプレイ418、外部機器接続I/F(Interface)419、近距離通信回路420、近距離通信回路420のアンテナ420a、及びタッチパネル421を備えている。
これらのうち、遠距離通信回路412は、通信ネットワークを介して、他の機器と通信する回路である。CMOSセンサ413は、CPU401の制御に従って被写体を撮像して画像データを得る内蔵型の撮像手段の一種である。撮像素子I/F414は、CMOSセンサ413の駆動を制御する回路である。マイク415は、音を電気信号に変える内蔵型の回路である。スピーカ416は、電気信号を物理振動に変えて音楽や音声などの音を生み出す内蔵型の回路である。音入出力I/F417は、CPU401の制御に従ってマイク415及びスピーカ416との間で音信号の入出力を処理する回路である。ディスプレイ418は、被写体の画像や各種アイコン等を表示する液晶や有機EL(Electro Luminescence)などの表示手段の一種である。外部機器接続I/F419は、各種の外部機器を接続するためのインターフェースである。近距離通信回路420は、NFC(Near Field Communication)やBluetooth(登録商標)等の通信回路である。タッチパネル421は、利用者がディスプレイ418を押下することで、スマートフォン400を操作する入力手段の一種である。
また、スマートフォン400は、バスライン410を備えている。バスライン410は、図40に示されているCPU401等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等である。
(端末装置の一例:ビデオ会議端末)
図41は、第3実施形態に係る情報処理システムに用いられる端末装置の一例であるビデオ会議端末のハードウェア構成図である。図41に示されているように、ビデオ会議端末700は、CPU701、ROM702、RAM703、フラッシュメモリ704、SSD705、メディアI/F707、操作ボタン708、電源スイッチ709、バスライン710、ネットワークI/F711、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサ712、撮像素子I/F、マイク714、スピーカ715、音入出力I/F716、ディスプレイI/F717、外部機器接続I/F(Interface)718、近距離通信回路719、近距離通信回路719のアンテナ719aを備えている。
これらのうち、CPU701は、ビデオ会議端末700全体の動作を制御する。ROM702は、IPL等のCPU701の駆動に用いられるプログラムを記憶する。RAM703は、CPU701のワークエリアとして使用される。フラッシュメモリ704は、通信用プログラム、画像データ、及び音データ等の各種データを記憶する。SSD705は、CPU701の制御にしたがってフラッシュメモリ704に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。なお、SSDに代えてHDDを用いてもよい。メディアI/F707は、フラッシュメモリ等の記録メディア706に対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御する。操作ボタン708は、ビデオ会議端末700の宛先を選択する場合などに操作されるボタンである。電源スイッチ709は、ビデオ会議端末700の電源のON/OFFを切り換えるためのスイッチである。
また、ネットワークI/F711は、インターネット等の通信ネットワーク16を利用してデータ通信をするためのインターフェースである。CMOSセンサ712は、CPU701の制御に従って被写体を撮像して画像データを得る内蔵型の撮像手段の一種である。なお、CMOSセンサではなく、CCD(Charge Coupled Device)センサ等の撮像手段であってもよい。撮像素子I/F713は、CMOSセンサ712の駆動を制御する回路である。マイク714は、音を電気信号に変える内蔵型の回路である。スピーカ715は、電気信号を物理振動に変えて音楽や音声などの音を生み出す内蔵型の回路である。音入出力I/F716は、CPU701の制御に従ってマイク714及びスピーカ715との間で音信号の入出力を処理する回路である。ディスプレイI/F717は、CPU701の制御に従って外付けのディスプレイに画像データを送信する回路である。外部機器接続I/F718は、各種の外部機器を接続するためのインターフェースである。近距離通信回路719は、NFC(Near Field Communication)やBluetooth(登録商標)等の通信回路である。
また、バスライン710は、図41に示されているCPU701等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等である。
ディスプレイ720は、被写体の画像や操作用アイコン等を表示する液晶や有機EL(Electro Luminescence)等によって構成された表示手段の一種である。また、ディスプレイ720は、ケーブルによってディスプレイI/F717に接続される。このケーブルは、アナログRGB(VGA)信号用のケーブルであってもよいし、コンポーネントビデオ用のケーブルであってもよいし、HDMI(High-Definition Multimedia Interface)(登録商標)やDVI(Digital Video Interactive)信号用のケーブルであってもよい。
なお、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサ712は、CPU401の制御に従って被写体を撮像して画像データを得る内蔵型の撮像手段の一種である。なお、CMOSセンサではなく、CCD(Charge Coupled Device)センサ等の撮像手段であってもよい。外部機器接続I/F718には、USBケーブル等によって、外付けカメラ、外付けマイク、及び外付けスピーカ等の外部機器がそれぞれ接続可能である。外付けカメラが接続された場合には、CPU701の制御に従って、内蔵型のCMOSセンサ712に優先して、外付けカメラが駆動する。同じく、外付けマイクが接続された場合や、外付けスピーカが接続された場合には、CPU701の制御に従って、それぞれが内蔵型のマイク714や内蔵型のスピーカ715に優先して、外付けマイクや外付けスピーカが駆動する。
また、記録メディア706は、ビデオ会議端末700に対して着脱自在な構成となっている。また、CPU701の制御にしたがってデータの読み出し又は書き込みを行う不揮発性メモリであれば、フラッシュメモリ704に限らず、EEPROM等を用いてもよい。
(端末装置の一例:プロジェクタ)
図42は、第3実施形態に係る情報処理システムに用いられる端末装置の一例であるプロジェクタのハードウェア構成図である。図42に示すように、プロジェクタ800は、CPU(Central Processing Unit)801、ROM(Read Only Memory)802、RAM(Random Access Memory)803、メディアI/F(Interface)807、操作部808、電源スイッチ809、バスライン810、ネットワークI/F811、LED(Light Emitting Diode)駆動回路814、LED光源815、投写デバイス816、投写レンズ817、外部機器接続I/F(Interface)818、ファン駆動回路819、冷却ファン820を備えている。
これらのうち、CPU801は、プロジェクタ800全体の動作を制御する。ROM802は、CPU801の駆動に用いられるプログラムを記憶する。RAM803は、CPU801のワークエリアとして使用される。
メディアI/F807は、フラッシュメモリ等の記録メディア806に対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御する。
操作部808は、種々のキー、ボタン及びLED等が配設されており、ユーザによるプロジェクタ800の電源のON/OFF以外の各種操作を行うのに使用される。例えば、操作部808は、投写画像の大きさの調整操作、色調の調整操作、ピント調整操作、キーストン調整操作等の指示操作を受け付けて、受け付けた操作内容をCPU801に出力する。
電源スイッチ809は、プロジェクタ800の電源のON/OFFを切り換えるためのスイッチである。
バスライン810は、図42に示されているCPU801等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等である。
ネットワークI/F811は、インターネット等の通信ネットワークを利用してデータ通信をするためのインターフェースである。
LED駆動回路814は、CPU801の制御下で、LED光源815の点灯及び消灯を制御する。
LED光源815は、LED駆動回路814の制御によって点灯されると、投写光を投写デバイス816に照射する。
投写デバイス816は、外部機器接続I/F818等を介して与えられた画像データに基づいて、空間光変調方式によりLED光源815からの投写光を変調して得た変調光を、投写レンズ817を通して、スクリーンの投写面へ画像として投写する。投写デバイス816としては、例えば、液晶パネルまたはDMD(Digital Micromirror Device)等が用いられている。上記LED駆動回路814、LED光源815、投写デバイス816及び投写レンズ817は、全体として、画像データに基づいて投写面に投写画像を投写する投写部(投写手段)として機能している。
外部機器接続I/F818は、直接、PC(Personal Computer)が接続され、PCとの間で、制御信号や画像データを取得する。
ファン駆動回路819は、CPU801及び冷却ファン820に接続されており、CPU801からの制御信号に基づいて、冷却ファン820の駆動/駆動停止を行う。
冷却ファン820は、回転することで、プロジェクタ800内部の空気を排気して、プロジェクタ800内部を冷却する。
また、CPU801は、電源電力が供給されると、ROM802に予め記憶されている制御プログラムに従って起動し、LED駆動回路814に制御信号を与えてLED光源815を点灯させるとともに、ファン駆動回路819に制御信号を与えて冷却ファン820を所定の定格回転数で回転させる。また、プロジェクタ800は、電源回路21からの電源電力の供給が開始されると、投写デバイス816が画像表示可能状態になり、更に、他の種々の構成要素へ電源回路から電力が供給される。
また、プロジェクタ800は、電源スイッチ809がOFF操作されると、電源スイッチ809から電源OFF信号がCPU801に送られ、CPU801は、電源OFF信号を検知すると、LED駆動回路814へ制御信号を与えてLED光源815を消灯させる。CPU801は、その後、所定時間が経過すると、ファン駆動回路819へ制御信号を与えて冷却ファン820を停止させるとともに、自身で自身の制御処理を終了させ、最後に電源回路へ指示を与えて電源電力の供給を停止させる。
本発明は、具体的に開示された上記の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲から逸脱することなく、種々の変形や変更が可能である。なお、本実施形態で説明した情報処理システム1は一例であって、用途や目的に応じて様々なシステム構成例があることは言うまでもない。
例えば、ユーザが情報処理装置から遠ざかったか否かの判断方法は、上記実施形態で説明した方法に限らない。例えば、BlueTooth(登録商標)やRFIDのような中距離の通信手段を用い、ユーザの通信端末との通信を常時行うようにし、ユーザの通信端末との通信ができなくなった場合に、当該ユーザが情報処理装置から遠ざかったと判断するようにしてもよい。
なお、本発明の「情報処理装置」は、少なくともログイン認証されたユーザによるリソースへのアクセスが可能な装置であればよく、電子黒板装置に限られない。本発明の「情報処理装置」は、例えば、PJ(Projector:プロジェクタ)、IWB(Interactive White Board:相互通信が可能な電子式の黒板機能を有する白板)、デジタルサイネージ等の出力装置、HUD(Head Up Display)装置、産業機械、撮像装置、集音装置、医療機器、ネットワーク家電、ノートPC(Personal Computer)、携帯電話、スマートフォン、タブレット端末、ゲーム機、PDA(Personal Digital Assistant)、デジタルカメラ、ウェアラブルPCまたはデスクトップPC等であってもよい。
また、上記で説明した実施形態の各機能は、一又は複数の処理回路によって実現することが可能である。ここで、本明細書における「処理回路」とは、電子回路により実装されるプロセッサのようにソフトウェアによって各機能を実行するようプログラミングされたプロセッサや、上記で説明した各機能を実行するよう設計されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(digital signal processor)、FPGA(field programmable gate array)や従来の回路モジュール等のデバイスを含むものとする。
また、実施例に記載された装置群は、本明細書に開示された実施形態を実施するための複数のコンピューティング環境のうちの1つを示すものにすぎない。ある実施形態では、実施例に記載された装置群の少なくともいずれか1つは、サーバクラスタといった複数のコンピューティングデバイスを含む。複数のコンピューティングデバイスは、ネットワークや共有メモリなどを含む任意のタイプの通信リンクを介して互いに通信するように構成されており、本明細書に開示された処理を実施する。また、実施例に記載された装置群の少なくともいずれかの装置の機能は、実施例に記載された装置群の他の装置によって実行することができる。また、実施例に記載された装置群におけるいずれかの装置と他の装置の各要素は、1つのサーバ装置にまとめられていても良いし、複数の装置に分けられていても良い。
また、遠隔共有には、離れた場所に設置された複数の電子黒板装置間で、電子黒板装置上に表示している画面の共有や、画面の共同編集(遠隔での電子黒板機能の実行)を行うことや、電子黒板装置が有するカメラでカメラに映る会議参加者等の利用者の画像及び映像の共有、また、電子黒板装置から取得した、個人や共有ストレージ等にあるファイルなどの共有・共同編集及び送受信等を含む。なおここでの画面共有とは、離れた場所に設置された複数の電子黒板装置間で、それぞれの電子黒板装置の画面に同じ内容を表示し、内容を遠隔会議で議論するために用いることなどを指し、共同編集とは同じ画面に複数の遠隔会議装置から書き込み合ったり、ファイル編集しあったりすることなどを指す。