JP2020096076A - 熱電変換モジュール、および、その製造方法 - Google Patents

熱電変換モジュール、および、その製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】経時的な劣化の発生を抑制する。【解決手段】熱電変換モジュール100は、マンガンシリサイドによって形成されている熱電変換素子10pと、ニッケルによって形成されている電極31と、熱電変換素子10pと電極31との間に設けられているバリア層21pとを備える。バリア層21pは、コバルトシリサイドによって形成されている第1バリア層211と、第1バリア層211と電極31との間に位置する第2バリア層212とを有する。第2バリア層212は、第1バリア層211を形成するコバルトシリサイドよりもコバルト元素の割合が大きいコバルトシリサイドで形成されている。【選択図】図2

Description

本発明は、熱電変換モジュール、および、その製造方法に関する。
熱電変換モジュールは、熱エネルギーと電気エネルギーとの間を変換する熱電変換素子を含むモジュールである。熱電変換素子は、ゼーベック効果を利用して熱エネルギーを電気エネルギーに変換可能であると共に、ペルチェ効果を利用して電気エネルギーを熱エネルギーに変換可能である。
熱電変換モジュールにおいては、熱電変換素子と電極とが接合部材を介して接合されている。接合部材は、熱応力の緩和および構成元素の拡散防止のために、さまざまな構成が提案されている。
特開2014−86623号公報 特開2011−249492号公報 特開2011−3559号公報 特開2017−45840号公報 特開平7−202274号公報
近年、中温領域(300℃〜600℃)の廃熱エネルギーを有効的に電気エネルギーに変換可能な熱電変換モジュールが求められている。このような熱電変換モジュールにおいて、熱電変換素子は、たとえば、マンガンシリサイド(MnSi)などのシリサイドを用いて形成されており、電極は、たとえば、ニッケル(Ni)などの導電材料によって形成されている。しかしながら、この場合、熱電変換素子と電極との間の接合が劣化し、熱電変換モジュールの出力が低下する場合がある。
具体的には、熱電変換モジュールの使用に伴って高温側の電極と熱電変換素子と間の接合部分における抵抗が上昇し、熱電変換モジュールの内部抵抗が高くなるために、出力の低下が生ずる。これは、熱電変換モジュールの使用に伴って熱電変換素子と電極との間において相互に構成元素が拡散して、接合部分に発生するボイドが増加するために、クラックが発生することに起因する。この他に、構成元素の拡散に伴って形成される化合物に起因して、接合部分において熱膨張係数の差が大きくなり、クラックが発生する場合がある。
上記のように、熱電変換モジュールは、使用に伴って経時的な劣化が生ずる。
したがって、本発明が解決しようとする課題は、経時的な劣化の発生を抑制可能な熱電変換モジュール、および、その製造方法を提供することを目的とする。
本発明の熱電変換モジュールは、マンガンシリサイドによって形成されている熱電変換素子と、ニッケルによって形成されている電極と、熱電変換素子と電極31との間に設けられているバリア層とを備える。バリア層は、コバルトシリサイドによって形成されている第1バリア層と、第1バリア層と電極との間に位置する第2バリア層とを有する。第2バリア層は、第1バリア層を形成するコバルトシリサイドよりもコバルト元素の割合が大きいコバルトシリサイドで形成されている。
本発明によれば、経時的な劣化の発生を抑制可能な熱電変換モジュール、および、その製造方法を提供することができる。
図1は、実施形態に係る熱電変換モジュールの構成の要部を模式的に示す断面図である。 図2は、実施形態に係る熱電変換モジュールにおいて、バリア層が形成された部分を拡大して示す断面図である。
以下より、発明の実施形態について図面を用いて説明する。なお、発明は、図面の内容に限定されない。また、図面は、概略を示すものであって、各部の寸法比などは、現実のものとは必ずしも一致しない。その他、同一の構成要素については、同一の符号を付し、重複する説明は適宜省略する。
[A]構成
図1は、実施形態に係る熱電変換モジュール100の構成の要部を模式的に示す断面図である。
図1に示すように、本実施形態に係る熱電変換モジュール100は、熱電変換素子10p,10nと電極31,32とバリア層21p,21n,22p,22nとを有し、中温領域(300℃〜600℃)の廃熱エネルギーを有効的に電気エネルギーに変換可能に構成されている。熱電変換モジュール100を構成する各部について順次説明する。
[A−1]熱電変換素子10p,10n
熱電変換素子10p,10nは、導電型がp型であるp型熱電変換素子10pと、導電型がn型であるn型熱電変換素子10nとを含み、熱電変換材料で形成されている。
p型熱電変換素子10pは、熱電変換材料としてマンガンシリサイド(マンガン珪化物)を用いて形成されている。たとえば、p型熱電変換素子10pは、MnSi1.75(MnSi)で形成されている。
n型熱電変換素子10nは、熱電変換材料としてマグネシウムシリサイド(マグネシウム珪化物)を用いて形成されている。たとえば、n型熱電変換素子10nは、MgSiで形成されている。
[A−2]電極31,32
電極31,32は、熱電変換モジュール100において高温側に配置される高温側電極31と、熱電変換モジュール100において低温側に配置される低温側電極32とを含み、導電材料で形成されている。
高温側電極31は、導電材料としてニッケル(Ni)を用いて形成されている。高温側電極31は、たとえば、ニッケルまたはニッケル合金で形成されている。
低温側電極32は、導電材料として銀(Ag)を用いて形成されている。低温側電極32は、たとえば、銀または銀合金で形成されている。
[A−3]バリア層21p,21n,22p,22n
バリア層21p,21n,22p,22nは、熱電変換素子10p,10nと電極31,32との間に設けられている。バリア層21p,21n,22p,22nは、熱電変換素子10p,10nと電極31,32との間において構成元素が相互に拡散することを防止するバリアとして機能するように構成されている。また、バリア層21p,21n,22p,22nは、熱電変換素子10p,10nと電極31,32との間を接合する接合部として機能するように構成されている。
ここでは、p型熱電変換素子10pと高温側電極31との間にバリア層21pが設けられ、p型熱電変換素子10pと低温側電極32との間にバリア層22pが設けられている。そして、n型熱電変換素子10nと高温側電極31との間にバリア層21nが設けられ、n型熱電変換素子10nと低温側電極32との間にバリア層22nが設けられている。
図2は、実施形態に係る熱電変換モジュール100において、バリア層21pが形成された部分を拡大して示す断面図である。
図2に示すように、バリア層21pは、第1バリア層211と第2バリア層212とを含み、p型熱電変換素子10pから高温側電極31へ向かって、第1バリア層211と第2バリア層212とが順に並ぶように構成されている。
[A−3−1]第1バリア層211
バリア層21pにおいて、第1バリア層211は、第2バリア層212よりもp型熱電変換素子10pに近い側に位置している。本実施形態では、第1バリア層211は、コバルトシリサイドによって形成されている。具体的には、第1バリア層211は、CoSiからなり、ニッケル成分がp型熱電変換素子10pに拡散することを防止する。更に、第1バリア層211は、応力緩和層として機能する。
[A−3−2]第2バリア層212
バリア層21pにおいて、第2バリア層212は、第1バリア層211よりも高温側電極31に近い側に位置している。つまり、第2バリア層212は、第1バリア層211と高温側電極31との間に位置している。本実施形態では、第2バリア層212は、第1バリア層211を形成するコバルトシリサイドよりもコバルト元素の割合が大きいコバルトシリサイドで形成されている。具体的には、第2バリア層212は、CoSiとCoSiとの一方からなり、拡散防止層として機能する。第2バリア層212は、ニッケル成分がp型熱電変換素子10pに拡散することを防止すると共に、シリコン成分が高温側電極31へ拡散することを抑制する。
第1バリア層211の厚みは、10μm以上100μm以下であることが好ましい。
本範囲の下限値以上である場合には、Ni元素の拡散を防止する効果を奏することができる。
本範囲の上限値以下である場合には、バリア層が厚くなるに従って気泡等の混入により膜が粗密となり、欠陥がふえることで脆くなることを防止する効果を奏することができる。
第2バリア層212の厚みは、10μm以上100μm以下であることが好ましい。
本範囲の下限値以上である場合には、Si元素の拡散を防止する効果を奏することができる。
本範囲の上限値以下である場合には、バリア層が厚くなるに従って気泡等の混入により膜が粗密となり、欠陥がふえることで脆くなることを防止する効果を奏することができる。
[A−4]作用・効果
本実施形態の熱電変換モジュール100では、p型熱電変換素子10p、バリア層21p、高温側電極31の順で、熱膨張係数が大きくなるように構成されている。
具体的には、各部を構成する材料について、熱膨張係数(0℃以上550℃以下の範囲における平均線膨張係数)は、下記の通りである。
・MnSi1.75・・・11×10−6/K
・CoSi・・・12×10−6/K
・CoSi・・・12×10−6/K
・CoSi・・・15×10−6/K
・Ni・・・16×10−6/K
本実施形態では、バリア層21pとp型熱電変換素子10pとの間の熱膨張係数の差、および、バリア層21pと高温側電極31との間の熱膨張係数の差が、p型熱電変換素子10pと高温側電極31との間の熱膨張係数の差よりも小さい。このため、本実施形態では、応力を低減可能である。その結果、本実施形態では、熱膨張係数の差に起因してクラックが発生することを効果的に防止可能であって、経時的な劣化の発生を抑制可能である。
更に、本実施形態では、ニッケル成分がp型熱電変換素子10pに拡散することを第1バリア層211が抑制する。これと共に、ニッケル成分がp型熱電変換素子10pに拡散すること、および、シリコン成分が高温側電極31へ拡散することを第2バリア層212が抑制する。このため、本実施形態では、p型熱電変換素子10pと第1バリア層211との接合界面の近傍、および、高温側電極31と第2バリア層212との接合界面の近傍において、元素拡散に起因するボイドの形成等が抑制可能である。その結果、本実施形態では、元素拡散に起因してクラックが発生することを効果的に防止可能であって、経時的な劣化の発生を抑制可能である。
[B]製造方法
本実施形態の熱電変換モジュール100の製造方法に関して説明する。ここでは、熱電変換モジュール100においてバリア層21pが形成された部分(図2参照)を形成する方法に関して、主に説明する。
[B−1]積層体形成工程
熱電変換モジュール100を製造する際には、まず、積層体の形成を実施する(積層体形成工程)。
積層体は、高温側電極31とバリア層21pとp型熱電変換素子10pとが順に並ぶ部分を含むように設けられている。積層体において、バリア層21pは、p型熱電変換素子10pから高温側電極31へ向かって、第1バリア層211と第2バリア層212とが順次設けられている(図2参照)。
ここでは、上述したように、ニッケルによって高温側電極31を形成し、マンガンシリサイドによってp型熱電変換素子10pを形成する。そして、コバルトシリサイド(たとえば、CoSi)によって第1バリア層211を形成し、第1バリア層211を形成するコバルトシリサイドよりもコバルト元素の割合が大きい材料で第2バリア層212を形成する。たとえば、CoSiによって第1バリア層211を形成し、CoSiとCoSiとCoとのいずれか1つの材料で第2バリア層212を形成する。
第1バリア層211の形成および第2バリア層212の形成は、たとえば、塗布法によって行われる。
この場合には、まず、第1バリア層211の形成で用いる材料の粉体が溶媒に分散したペースト、および、第2バリア層212の形成で用いる材料の粉体が溶媒に分散したペーストを準備する。
ペーストに含まれる粉体は、材料が複数の構成元素で構成されている場合、その複数の構成元素が固溶した固溶体の粉体が用いられる。たとえば、第1バリア層211の材料がCoSiである場合には、コバルト元素が1に対してシリコン元素が2である含有割合で固溶された固溶体の粉体が用いられる。また、第2バリア層212の材料がCoSiである場合には、コバルト元素が1に対してシリコン元素が1である含有割合で固溶された固溶体の粉体が用いられる。
そして、その粉体は、平均粒子径が、たとえば、3μm以上25μm以下であって、アルコール類やエステル類などの有機溶媒に分散されている。
そして、たとえば、p型熱電変換素子10pに第1バリア層211のペーストを塗布し乾燥させた後に、その乾燥した第1バリア層211に第2バリア層212のペーストを塗布し乾燥させる。塗布は、たとえば、スクリーン印刷法やスピンコート法で実行される。乾燥温度は、ペーストに含まれる材料の粉末が焼結せずに、ペーストに含まれる溶媒が揮発する温度であって、たとえば、100℃以下である。
その後、乾燥した第2バリア層212に高温側電極31の積層を行うことで、上記の積層体を形成する。たとえば、AgCuペースト(図示省略)を介して高温側電極31に第2バリア層212が設けられる。
上記においては、p型熱電変換素子10pに第1バリア層211と第2バリア層212と高温側電極31とを順次設ける場合について説明したが、これに限らない。高温側電極31に第2バリア層212と第1バリア層211とp型熱電変換素子10pとを順次設けてもよい。
また、塗布法の他に、蒸着法、CVD法、スパッタ法などの薄膜成膜法によって、第1バリア層211の形成および第2バリア層212の形成を実行してもよい。
[B−2]熱処理工程
上記のように積層体の形成を実施した後には、上記の積層体について熱処理を実行する(熱処理工程)。
ここでは、たとえば、放電プラズマ焼結で熱処理を実行することによって、上記の積層体に関して焼結を行う。焼結温度は、たとえば、800℃以上850℃以下である。
本実施形態では、第1バリア層211および第2バリア層212は、焼成前と焼成後との間において組成が同様である。このため、各層の熱膨張係数が設計通りになるように、各層を形成することができる。
[C]変形例
上記の実施形態では、バリア層21pが第1バリア層211および第2バリア層212の2層で構成される例を示したが、これに限らない。バリア層21pは、第1バリア層211および第2バリア層212以外に、他の層を含んでいてもよい。
以下より、熱電変換モジュール100の実施例および比較例に関して表1を用いて説明する。表1では、実施例および比較例の概要を示している。なお、理解を容易にするため、実施例および比較例の説明では、上記の実施形態と同様に、各部に符号を付している。
Figure 2020096076
[1]試料の作製
[1−1]実施例1
実施例1においては、まず、高温側電極31とバリア層21pとp型熱電変換素子10pとが順に並ぶ積層体を形成した。
ここでは、表1に示すように、バリア層21pは、第1バリア層211と第2バリア層212とを含み、p型熱電変換素子10pから高温側電極31へ向かって、第1バリア層211と第2バリア層212とが順次設けられている積層体を形成した(図2参照)。
具体的には、MnSi1.75からなる角柱状の焼結体をp型熱電変換素子10pとして準備するとともに、Niで形成された板状体を高温側電極31として準備した。この他に、表1に示すように、第1バリア層211の形成のために、CoSiの粉体(平均粒子径10μm)がアクリル系の有機溶媒に分散したペーストを準備すると共に、第2バリア層212の形成のために、CoSiの粉体(平均粒子径10μm)がアクリル系の有機溶媒に分散したペーストを準備した。
そして、p型熱電変換素子10pに第1バリア層211のペーストを塗布し乾燥させた後に、その乾燥した第1バリア層211に第2バリア層212のペーストを塗布し乾燥させた。その後、乾燥した第2バリア層212に高温側電極31の積層を行うことで、上記の積層体を形成した。
つぎに、上記の積層体について熱処理を実行した。ここでは、温度が850℃である条件で10分間の焼結処理を熱処理として実行した。
これにより、第1バリア層211の厚み、および、第2バリア層212の厚みが下記になるように、本実施例の試料が作製された。
・第1バリア層211の厚み・・・30μm
・第2バリア層212の厚み・・・30μm
[1−2]実施例2
実施例2においては、表1に示すように、実施例1の場合と異なり、第2バリア層212の形成のために、CoSiの粉体(平均粒子径10μm)がアクリル系の有機溶媒に分散したペーストを準備した。そして、このペーストを用いて、第2バリア層212の形成を実行した。この点を除き、本実施例では、実施例1と同様な条件で試料の作製を行った。
[1−3]比較例1
比較例1においては、表1に示すように、実施例1の場合と異なり、バリア層21pの形成を実行しなかった。つまり、p型熱電変換素子10pに高温側電極31を直接的に設けることによって、試料の作製を行った。
[1−4]比較例2
比較例2においては、表1に示すように、実施例1の場合と異なり、バリア層21pは、第1バリア層211と第2バリア層212との積層構造でなく、単層構造である。ここでは、CoSiの粉体を含むペーストを用いて、単層構造であるバリア層21pを形成した。この点を除き、本比較例では、実施例1と同様な条件で試料の作製を行った。なお、単層構造であるバリア層21pの厚みは、30μmであった。
[1−5]比較例3
比較例3においては、表1に示すように、実施例1の場合と異なり、バリア層21pは、第1バリア層211と第2バリア層212との積層構造でなく、単層構造である。ここでは、CoSiの粉体を含むペーストを用いて、単層構造であるバリア層21pを形成した。この点を除き、本比較例では、実施例1と同様な条件で試料の作製を行った。なお、単層構造であるバリア層21pの厚みは、30μmであった。
[1−6]比較例4
比較例4においては、表1に示すように、実施例1の場合と異なり、CoSiの粉体を含むペーストを用いて第1バリア層211を形成し、CoSiの粉体を含むペーストを用いて第2バリア層212を形成した。この点を除き、本実施例では、実施例1と同様な条件で試料の作製を行った。
[1−7]比較例5
比較例5においては、表1に示すように、実施例1の場合と異なり、CoSiの粉体を含むペーストを用いて第1バリア層211を形成し、Coの粉体を含むペーストを用いて第2バリア層212を形成した。この点を除き、本実施例では、実施例1と同様な条件で試料の作製を行った。
[2]評価方法
上記のように作製した各例の試料に関して、表1に示すように、各種の評価を行った。
ここでは、各評価を行うために、各例の試料に関してヒートサイクル試験を実行した。ヒートサイクル試験の一サイクルは、下記の(a)から(d)を順次実行するように構成されており、この一サイクルを10回繰り返し実行した。
(a)100℃の温度環境下に1分間保持、
(b)500℃に昇温、
(c)500℃の温度環境下に1分間保持、
(d)100℃に降温
そして、ヒートサイクル試験を実行した後に、各種の評価を行った。ここでは、ニッケル拡散、シリコン拡散、クラック、および、抵抗の経時変化に関して、評価を行った。各評価の内容について順次説明する。
[2−1]ニッケル拡散,シリコン拡散
ニッケル拡散およびシリコン拡散について評価を行う際には、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて各例の試料の断面を観察した。そして、試料の断面において各部の界面部分を観察することによって、ニッケルの拡散によって形成されるニッケル拡散層の厚み、および、シリコンの拡散によって形成されるシリコン拡散層の厚みを求めた。そして、下記に示す基準で評価を行った。
・○:拡散層(ニッケル拡散層、シリコン拡散層)の厚みが15μm未満である場合(拡散が僅かである場合)
・△:拡散層(ニッケル拡散層、シリコン拡散層)の厚みが15μm以上25μm未満である場合(実用上、問題ない場合)
・×:拡散層(ニッケル拡散層、シリコン拡散層)の厚みが25μm以上である場合(実用上、問題になる場合)
[2−2]クラック
クラックについて評価を行う際には、光学顕微鏡を用いて各例の試料を観察した。そして、下記に示す基準で評価を行った。
・○:p型熱電変換素子10pにクラックの発生無し
・×:p型熱電変換素子10pにクラックの発生有り
[2−3]抵抗の経時変化
抵抗の経時変化について評価を行う際には、各例の試料について抵抗を測定した。そして、ヒートサイクル試験実行前の抵抗値と、ヒートサイクル試験の実行後の抵抗値とに基いて、下記に示す基準で評価を行った。
・◎:抵抗の増加が5%未満である場合
・○:抵抗の増加が5%以上10%未満である場合
・△:抵抗の増加が10%以上50%未満である場合
・×:抵抗の増加が50%以上である場合
[3]評価結果
表1に示すように、実施例1および実施例2は、バリア層21pが第1バリア層211と第2バリア層212との積層構造である。そして、第2バリア層212は、第1バリア層211を形成するコバルトシリサイドよりもコバルト元素の割合が大きいコバルトシリサイドで形成されている。このため、実施例1および実施例2は、ニッケル拡散およびシリコン拡散が殆どなく、クラックの発生が無く、かつ、抵抗の増加が小さい。したがって、実施例1および実施例2は、良好な結果であった。特に、実施例1のように、第2バリア層212がCoSiで形成されている場合には、抵抗の増加が極めて小さかった。
比較例1は、バリア層21pがない構造である。このため、比較例1は、ニッケル拡散およびシリコン拡散が多く、クラックが発生し、かつ、抵抗の増加が大きかった。
比較例2および比較例3は、バリア層21pが積層構造でなく、単層構造である。このため、比較例2および比較例3は、各評価項目の一部については実現可能であるが、全部については実現できなかった。具体的には、比較例2のように、バリア層21pがCoSiからなる単層である場合には、クラックが発生し、かつ、抵抗の増加が大きかった。これに対して、比較例3のように、バリア層21pがCoSiからなる単層である場合には、ニッケル拡散およびシリコン拡散が多く、かつ、抵抗の増加が大きかった。
比較例4および比較例5は、バリア層21pが第1バリア層211と第2バリア層212との積層構造である。しかし、比較例4では、第2バリア層212は、第1バリア層211を形成するコバルトシリサイドよりもコバルト元素の割合が小さいコバルトシリサイドで形成されている。比較例5においては、第2バリア層212は、コバルトで形成されており、コバルトシリサイドでは形成されていない。このため、比較例4および比較例5は、各評価項目の一部については実現可能であるが、全部については実現できなかった。具体的には、比較例4の場合には、シリコン拡散が多く、クラックが発生し、かつ、抵抗の増加が大きかった。比較例5の場合には、シリコン拡散が多く、かつ、抵抗の増加が大きかった。
10n…n型熱電変換素子、10p…p型熱電変換素子、21p,21n,22p,22n…バリア層、31…高温側電極、32…低温側電極、100…熱電変換モジュール、211…第1バリア層、212…第2バリア層

Claims (4)

  1. マンガンシリサイドによって形成されている熱電変換素子と、
    ニッケルによって形成されている電極と、
    前記熱電変換素子と前記電極との間に設けられているバリア層と
    を備える熱電変換モジュールであって、
    前記バリア層は、
    コバルトシリサイドによって形成されている第1バリア層と、
    前記第1バリア層と前記電極との間に位置する第2バリア層と
    を有し、
    前記第2バリア層は、前記第1バリア層を形成するコバルトシリサイドよりもコバルト元素の割合が大きいコバルトシリサイドで形成されている、
    熱電変換モジュール。
  2. 前記第1バリア層は、CoSiからなり、
    前記第2バリア層は、CoSiとCoSiとの一方からなる、
    請求項1に記載の熱電変換モジュール。
  3. 前記第1バリア層の厚みは、10μm以上100μm以下であり、
    前記第2バリア層の厚みは、10μm以上100μm以下である、
    請求項1または2に記載の熱電変換モジュール。
  4. 熱電変換素子と、電極と、前記熱電変換素子と前記電極との間に設けられているバリア層とを備え、前記バリア層が、第1バリア層と、前記第1バリア層と前記電極との間に位置する第2バリア層とを有する積層体を形成する積層体形成工程と、
    前記積層体について熱処理を実行する熱処理工程と
    を有する熱電変換モジュールの製造方法であって、
    前記積層体形成工程では、
    マンガンシリサイドによって前記熱電変換素子を形成し、
    ニッケルによって前記電極を形成し、
    コバルトシリサイドによって前記第1バリア層を形成し、
    前記第1バリア層を形成するコバルトシリサイドよりもコバルト元素の割合が大きい材料で前記第2バリア層を形成する、
    熱電変換モジュールの製造方法。
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