JP2020094969A - 触媒温度算出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】電気加熱式の触媒の温度を高精度で算出可能とする。【解決手段】信号生成部8は、EHC2への通電を行う通電部3の出力電圧より低い電圧を有する検出用信号を生成し、その検出用信号をEHC2に与える。電圧検出部9は、EHC2に印加される電圧を検出する。電流検出部10は、EHC2に流れる電流を検出する。温度推定部11は、電圧検出信号Sbと電流検出信号Scとに基づいてEHC2の直流抵抗を検出し、その検出結果に基づいてEHC2の温度を推定する。逆流阻止部12は、通電部3と信号生成部8との間に信号生成部8側をアノードとして接続されたダイオードを有し、通電部3から信号生成部8へと流れる電流を阻止する。電圧検出部9は、ダイオードのアノード側の電圧に基づいてEHC2に印加される電圧を検出する。ダイオード特性推定部13は、ダイオードの順方向電圧に起因して電圧検出部9による電圧の検出値に生じる誤差を補正する。【選択図】図1

Description

本発明は、車両に設けられる内燃機関の排気を浄化する電気加熱式の触媒の温度を算出する触媒温度算出装置に関する。
従来、内燃機関の排気を浄化する電気加熱式の触媒が設けられる車両は、その触媒の温度をフィードバック制御するためのシステムであるEHCシステムを備えている。なお、以下では、電気加熱式の触媒のことをEHCとも呼ぶこととする。EHCシステムには、EHCの温度を速やかに所望する目標温度まで上昇させる制御を実現するため、例えば特許文献1に開示されるようなEHCの温度を算出する触媒温度算出装置が設けられる。
EHCの温度は、その直流抵抗と相関があることが知られている。なお、以下では、直流抵抗のことを電気特性とも呼ぶこととする。そこで、従来の触媒温度算出装置では、EHCに対して高電圧が通電される期間にEHCに流れる電流およびEHCに印加される電圧が計測される。そして、従来の触媒温度算出装置では、電流および電圧の計測値からEHCの電気特性が算出され、その電気特性に基づいてEHCの温度が推定される。
特開2011−231709号公報
例えばハイブリッド車などの電動車両は、高電圧バッテリを備えており、その高電圧バッテリによりEHCへの通電が行われる。この場合、高電圧バッテリから電力供給を受けるインバータおよびインバータにより駆動されるモータの動作に伴って生じる高電圧ノイズが高電圧バッテリの出力に重畳する。そのため、このような環境下では、高電圧ノイズの影響により、触媒温度算出装置による電流および電圧の計測誤差が大きくなり、その結果、温度の算出精度が低下するおそれがある。
また、上記構成では、EHCの電流および電圧が計測される際、EHCに対して高電圧を通電する通電部から上記計測を行うための構成へと電流が流れるおそれがある。そこで、このような電流である逆流を阻止する逆流阻止部が設けられる。この場合、故障率および装置の製造コストを低く抑えるという観点から、逆流阻止部としてMOSFETなどのスイッチング素子ではなくダイオードが用いられるとともに、電圧検出回路などの上記計測を行うための構成を低電圧系の部品で構成することが考えられる。
このような構成において、電圧検出回路は、ダイオードのアノード側の電圧に基づいてEHCに印加される電圧を検出することになる。ダイオードの順方向電圧が温度に応じて変化することから、上記構成では、回路温度が変化すると、EHCに印加される電圧の検出値が変化してしまい、その結果、EHCの電気特性の算出精度、ひいてはEHCの温度の推定精度が低下する。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、電気加熱式の触媒の温度を高精度で算出することができる触媒温度算出装置を提供することにある。
請求項1に記載の触媒温度算出装置は、車両に設けられる内燃機関の排気を浄化するものであり且つ通電されて発熱する電気加熱式の触媒の温度を算出する。触媒温度算出装置は、信号生成部(8、62、112、122)、触媒に印加される電圧を検出する電圧検出部(9、71、91)、触媒に流れる電流を検出する電流検出部(10)および温度推定部(11)を備える。信号生成部は、車両のボディアースを基準とした電源から電力供給を受け、触媒への通電を行う通電部の出力電圧より低い電圧を有する検出用信号を生成し、その検出用信号を触媒に与えることができる。温度推定部は、検出用信号が触媒に与えられる検出期間における電圧検出部による電圧の検出値および電流検出部による電流の検出値に基づいて触媒の直流抵抗を検出し、その検出結果に基づいて触媒の温度を推定する。
上記構成では、触媒への通電を行う通電部の出力電圧より低い電圧を有する検出用信号が触媒に与えられる検出期間に、触媒に印加される電圧および触媒に流れる電流が検出される。そのため、上記構成によれば、従来技術において説明した高電圧ノイズが通電部の出力電圧に重畳するような場合でも、その影響により、電圧および電流の検出誤差が大きくなることがない。そのため、上記構成では、数秒程度の平均化処理などを実施することなく、温度の推定精度を良好に維持することができる。
したがって、上記構成によれば、電気加熱式の触媒の温度を高精度で算出可能としつつ、その応答性を高めることができるという優れた効果が得られる。そして、このような効果を奏する触媒温度算出装置を用いた触媒の温度を制御するEHCシステムによれば、運転条件または始動条件に関わらず温度のフィードバック制御が成立することになり、車両の排気エミッションの改善に寄与することができる。特に、ゼロエミッション達成のために触媒の温度を短時間で目標温度まで昇温する必要があるEHCシステムほど、高応答の温度フィードバック制御が必要となることから、上記構成の触媒温度算出装置を用いるメリットが大きくなる。
車両絶縁の法規対応の観点から、比較的高い電圧により触媒への通電を行う通電部は、車両のボディアースとの間で絶縁されている必要がある。そこで、上記構成の触媒温度算出装置において、信号生成部は、検出用信号の出力ノードと車両のボディアースを基準とした電源との間を絶縁する絶縁部(8a、19)を有している。このような構成によれば、検出用信号の出力ノードに接続される触媒、ひいては通電部と、車両のボディアースとの間の絶縁を確保することができる。
上記構成において、触媒に流れる電流を検出するためには、検出用信号の出力ノードから触媒へと至る信号ラインに直列に介在する検出抵抗が設けられるのが一般的である。ここで、仮に、信号生成部が絶縁部を備えていない構成であるとすると、上記検出抵抗として、絶縁法規を満足できる程度に高い抵抗値のものを用いる必要が生じる。比較的高い抵抗値の検出抵抗を用いると、次のような問題が生じる。
すなわち、検出期間に触媒に印加される電圧は、検出用信号の電圧を、検出抵抗と触媒の直流抵抗とにより分圧した電圧となる。そのため、検出抵抗の抵抗値が高いほど、検出期間における触媒への印加電圧および触媒に流れる電流が小さくなり、電圧検出部による電圧の検出精度および電流検出部による電流の検出精度が低下するおそれがある。これに対し、上記構成のように信号生成部が絶縁部を備えた構成である場合、検出抵抗の抵抗値を低く抑えることができるため、電圧および電流の検出精度を高めることができる。
また、上記構成では、通電部と、通電部の出力電圧より低い電圧を有する検出用信号を生成する信号生成部との両方が、触媒に対して電圧を印加することができるようになっている。そのため、通電部により触媒への通電が行われている期間、通電部から信号生成部へと電流が流れるおそれがある。そのため、上記構成の触媒温度算出装置は、通電部と信号生成部との間に信号生成部側をアノードとして接続された逆流阻止用ダイオード(24)を有し、通電部により触媒への通電が行われている期間において通電部から信号生成部へと流れる電流を阻止する逆流阻止部(12)を備えている。
この場合、電圧検出部は、逆流阻止用ダイオードのアノード側の電圧に基づいて触媒に印加される電圧を検出するようになっている。上記構成によれば、従来技術において述べたように、故障率および装置の製造コストを低く抑えることができるものの、触媒の温度の推定精度が低下するおそれがある。そこで、上記構成の触媒温度算出装置は、逆流阻止用ダイオードの順方向電圧に起因して電圧検出部による電圧の検出値に生じる誤差を補正する誤差補正部(13)を備えている。このような構成によれば、逆流阻止用ダイオードの順方向電圧の温度特性に起因する直流抵抗の検出誤差が低減され、その結果、触媒の温度の算出精度を一層高めることができる。
上記構成において、触媒に接続される各種のハーネス距離が長いほどサージ電圧が高くなる可能性がある。そこで、ハーネス長を短くするため、触媒温度算出装置を構成する各回路は、触媒の近傍、つまり内燃機関に近い箇所に搭載されることがある。このように、各回路が内燃機関に近い箇所に搭載されると、逆流阻止用ダイオードが含まれる各回路の温度変化が大きくなり、上述した順方向電圧の温度特性に起因する温度の推定精度の低下が一層顕著になるおそれがある。しかし、上記構成によれば、上述した誤差補正部を備えているため、このような温度変化が大きい環境に触媒温度算出装置の各回路が搭載された場合でも、触媒の温度の算出精度を良好に維持することができる。
第1実施形態に係るEHCシステムの構成を模式的に示す図 第1実施形態に係る触媒温度算出装置の具体的な構成例を示す図 第1実施形態に係る電圧検出部および電流検出部の具体的な構成例を示す図 絶縁電源の変形例を示す図その1 絶縁電源の変形例を示す図その2 第2実施形態に係る触媒温度算出装置の具体的な構成例を示す図 第3実施形態に係る触媒温度算出装置の具体的な構成例を示す図 第4実施形態に係る電圧検出部の具体的な構成例を示す図 第5実施形態に係る触媒温度算出装置の具体的な構成例を示す図 第6実施形態に係る電圧検出部および電流検出部の具体的な構成例を示す図 第7実施形態に係る触媒温度算出装置の具体的な構成例を示す図 第8実施形態に係る触媒温度算出装置の具体的な構成例を示す図
以下、本発明の複数の実施形態について図面を参照して説明する。なお、各実施形態において実質的に同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
(第1実施形態)
以下、第1実施形態について図1〜図5を参照して説明する。
<EHCシステムの構成>
図1に示すEHCシステム1は、例えばハイブリッド車などの車両に設けられるものであり、EHC2を加熱するとともにEHC2の温度が所望する目標温度となるように温度フィードバック制御を行う。EHC2は、車両に設けられる内燃機関の排気を浄化するものであり且つ通電されて発熱する電気加熱式の触媒である。EHCシステム1は、通電部3、通電制御部4、ECU5、触媒温度算出装置6などを備えている。通電部3は、高圧電源7から電力供給を受け、高圧電源7の電圧に応じた電圧を出力し、その出力電圧をEHC2に印加することができる。
高圧電源7は、車両に搭載されるバッテリのうち、比較的高い電圧(例えば数百V)を出力する高電圧バッテリである。なお、以下では、EHC2に対して通電部3が印加する電圧のことを高電圧とも呼ぶこととする。通電部3は、高電圧の給電経路に直列に介在する例えばIGBTなどのスイッチング素子を備えた電源回路、つまりスイッチング電源として構成されている。このような構成により、通電部3は、EHC2に対する高電圧の印加、つまりEHC2への通電を実行および停止することができる。
通電部3の動作、具体的には通電部3によるEHC2への通電の実行および停止は、通電制御部4により制御される。通電制御部4には、触媒温度算出装置6から出力されるEHC2の温度推定値を表す温度検出信号Saが与えられている。また、通電制御部4には、ECU5からEHC2への通電の実行および停止のタイミングなどを指令する指令信号が与えられている。
通電制御部4は、温度検出信号Saが表すEHC2の温度推定値およびECU5から与えられる指令信号に基づいて通電部3の動作を制御する。また、通電制御部4は、EHC2の温度推定値などをECU5へと送信する。ECU5は、電池ECUおよびエンジンECUである。電池ECUは、高圧電源7を監視する機能などを有する電子制御装置である。エンジンECUは、車両の様々な運転状態における各種センサ信号に基づいて各種アクチュエータを統合的に制御し、最適なエンジン状態での動作を実現する電子制御装置である。
触媒温度算出装置6は、EHC2の温度を算出するものであり、信号生成部8、電圧検出部9、電流検出部10、温度推定部11、逆流阻止部12、ダイオード特性推定部13などを備えている。信号生成部8は、低圧電源14から電力供給を受け、通電部3の出力電圧より低い電圧を有する検出用信号を生成し、その検出用信号をEHC2に与えることができる。信号生成部8の動作、具体的には検出用信号をEHC2に与えるか否かは、通電制御部4により制御される。
信号生成部8は、検出用信号の出力ノードと低圧電源14との間を絶縁する絶縁部8aを備えている。低圧電源14は、車両に搭載されるバッテリのうち、比較的低い電圧(例えば12V、24Vなど)を出力する低電圧バッテリである。このような低電圧バッテリである低圧電源14は、車両のボディアースを基準とした電源となっている。
電圧検出部9は、EHC2に印加される電圧を検出する。電圧検出部9から出力される電圧の検出値を表す電圧検出信号Sbは、温度推定部11に与えられる。電流検出部10は、EHC2に流れる電流を検出する。電流検出部10から出力される電流の検出値を表す電流検出信号Scは、温度推定部11に与えられる。温度推定部11は、電圧検出信号Sbおよび電流検出信号Scに基づいてEHC2の温度を推定する。
具体的には、温度推定部11は、検出用信号がEHC2に与えられる検出期間における電圧検出信号Sbが表す電圧の検出値および電流検出信号Scが表す電流の検出値に基づいて、EHC2の直流抵抗を算出する。なお、以下では、直流抵抗のことを電気特性と呼ぶことがある。本実施形態では、温度推定部11は、通電制御部4とともに1つの演算・制御部として構成されている。このような演算・制御部は、CPU、ROM、RAMなどを含むマイクロコンピュータなどから構成される。温度推定部11および通電制御部4は、演算・制御部のCPUがROMなどに記憶されたプログラムを実行することにより実現されている、つまりソフトウェアにより実現されている。
EHC2の温度は、EHC2の仕様などに依存するが、その電気特性と相関がある。温度推定部11には、使用されるEHC2の温度と電気特性との相関を表すテーブルが記憶されている。温度推定部11は、上述したようにして算出した電気特性および上記テーブルに基づいてEHC2の温度を推定する。温度推定部11から出力される温度の推定値を表す温度検出信号Saは、前述したように通電制御部4に与えられる。
上記構成では、高圧電源7から電力供給を受ける通電部3と、低圧電源14から電力供給を受ける信号生成部8との両方が、EHC2に対して電圧を印加することができるようになっている。そのため、通電部3によりEHC2への通電が行われている期間、通電部3から信号生成部8へと電流が流れるおそれがある。逆流阻止部12は、このような電流である逆流を阻止するために設けられている。
詳細は後述するが、この場合、逆流阻止部12は、通電部3と信号生成部8との間に、信号生成部8側をアノードとして接続された逆流阻止用ダイオードを有する構成となっている。また、この場合、電圧検出部9は、上記した逆流阻止用ダイオードのアノード側の電圧に基づいてEHC2に印加される電圧を検出する構成となっている。ダイオード特性推定部13は、上記した逆流阻止用ダイオードの特性、具体的には順方向電圧を推定(検出)し、その順方向電圧に起因して電圧検出部9による電圧の検出値に生じる誤差を補正するものであり、誤差補正部に相当する。
詳細は後述するが、ダイオード特性推定部13は、逆流阻止用ダイオードと同等の特性を有する誤差補正用ダイオードを備えている。なお、本明細書等における「同等」および
同じ」とは、各値が完全に一致するものだけでなく、目的とする効果を奏するのであれば、各値に若干の差があり厳密には一致していないようなものも含む。
<触媒温度算出装置の具体構成>
上記したような機能を有する触媒温度算出装置6の具体的な構成としては、例えば図2に示すような構成を採用することができる。図2に示す構成において、信号生成部8は、検出用信号として直流電圧を生成し、その直流電圧をEHC2に印加することができる構成となっている。
信号生成部8は、絶縁電源15、抵抗16、17およびOPアンプ18を備えている。絶縁電源15は、絶縁型のDC/DCコンバータであり、低圧電源14から電源線L1、L2を介して供給される直流電圧VBを任意の電圧値を有する直流電圧Vdに変換し、電源線L3、L4を介して出力する。なお、電源線L2は、車両のボディアースに接続されている。また、電源線L4の電位は、触媒温度算出装置6を含むEHCシステム1の基準電位となる。絶縁電源15は、トランス19、例えばNチャネル型MOSFETであるスイッチング素子20、ダイオード21およびコンデンサ22を備えている。
トランス19は、前述した絶縁部8aとして機能するもので、一次巻線19aおよび二次巻線19bを備えている。一次巻線19aの一方の端子は電源線L1に接続され、その他方の端子はスイッチング素子20のドレインに接続されている。スイッチング素子20のソースは、電源線L2に接続されている。図示は省略しているが、スイッチング素子20のゲートには、通電制御部4により生成されるゲート駆動信号が与えられている。スイッチング素子20は、そのゲート駆動信号に応じて、所定の周波数でオンオフされる、つまりスイッチング動作される。
二次巻線19bの一方の端子はダイオード21を順方向に介して電源線L3に接続され、その他方の端子は電源線L4に接続されている。コンデンサ22は、電源線L3、L4間に接続されている。上記構成の絶縁電源15では、スイッチング素子20のスイッチング動作により、直流電圧Vdが生成される。
抵抗16、17は、電源線L3、L4間に直列接続されており、絶縁電源15から出力される直流電圧Vdを、それらの抵抗比に応じた分圧比で分圧する。OPアンプ18は、電源線L3、L4を介して直流電圧Vdの供給を受けて動作する。OPアンプ18は、その反転入力端子と出力端子が接続されており、ボルテージフォロアとして機能する。OPアンプ18の非反転入力端子には、抵抗16、17の相互接続ノードであるノードN1の電圧、つまり直流電圧Vdが分圧された分圧電圧が与えられている。
OPアンプ18の出力端子は、信号生成部8における検出用信号の出力ノードとなるノードN2に接続されている。したがって、上記構成の信号生成部8では、OPアンプ18から出力される直流電圧が検出用信号に相当する。この場合、検出用信号となる直流電圧の電圧値は、抵抗16、17の抵抗比により定まる分圧比に応じて、所望する値に設定されている。上記構成の信号生成部8は、絶縁部8aとして機能するトランス19により、車両のボディアースを基準とした低圧電源14との絶縁が確保されている。
図2に示す構成では、EHC2に流れる電流を検出するため、信号生成部8のノードN2からEHC2へと至る信号ラインに直列に介在する検出抵抗23が設けられている。具体的には、検出抵抗23の一方の端子はノードN2に接続され、その他方の端子はノードN3に接続されている。ノードN3には、前述した逆流阻止部12が有する逆流阻止用ダイオードに相当するダイオード24のアノードが接続されている。
ダイオード24のカソードは、ノードN4に接続されている。つまり、ダイオード24は、通電部3と信号生成部8との間に、信号生成部8側をアノードとして接続されている。ノードN4と、電源線L4に接続されるノードN5との間には、EHC2が接続されている。電流検出部10には、検出抵抗23の各端子電圧が与えられている。電流検出部10は、その検出対象となる電流が流れる経路に直列に介在する検出抵抗23の各端子電圧の差に基づいてEHC2に流れる電流を検出する。
電圧検出部9は、信号生成部8とダイオード24との相互接続ノードに相当するノードN3の電圧に基づいてEHC2に印加される電圧を検出する。ただし、この場合、ノードN3の電圧VN3は、下記(1)式に示すように、ノードN4、N5間の電圧であるEHC2に実際に印加される電圧VEHCに対し、ダイオード24の順方向電圧Vfが加えられた電圧となる。
N3=VEHC+Vf …(1)
電圧Vfは、ダイオード24の温度に応じて変化するため、電圧検出部9がノードN3の電圧を直接モニタする構成では、電圧の検出精度が低下するおそれがある。そこで、本実施形態の構成では、ノードN3の電圧がダイオード25を順方向に介して電圧検出部9へと入力されている。つまり、この場合、電圧検出部9は、ノードN3の電圧を、ダイオード25を順方向に介してモニタする構成となっている。
ダイオード25は、前述したダイオード特性推定部13の誤差補正用ダイオードに相当する。したがって、ダイオード25としては、順方向電圧などの特性が、ダイオード24と同等であるものが用いられる。上記構成によれば、電圧検出部9は、ダイオード25のカソードの電圧に基づいてEHC2に印加される電圧を検出する。より詳細には、電圧検出部9は、電源線L4の電位を基準としたダイオード25のカソードの電圧、つまりダイオード25のカソードおよびノードN5間の電圧に基づいてEHC2に印加される電圧を検出する。
このような構成によれば、ダイオード25のカソードの電圧、つまり電圧検出部9に入力される検出電圧VDETは、下記(2)式により表される。ただし、ダイオード25の順方向電圧を電圧Vfsとする。
DET=VEHC+Vf−Vfs …(2)
上述したように、ダイオード25は、順方向電圧などの特性がダイオード24と同等であるため、電圧Vfおよび電圧Vfsは、下記(3)式に示すように、概ね同等の電圧となる。
Vf≒Vfs …(3)
上記(2)式および(3)式から、検出電圧VDETは、下記(4)式のように表すことができる。
DET≒VEHC …(4)
上記(4)式から明らかなように、上記構成の電圧検出部9は、EHC2に実際に印加される電圧VEHCと概ね同等の電圧となる検出電圧VDETに基づいて、EHC2に印加される電圧を検出することができる。
上記構成では、絶縁電源15のスイッチング素子20の動作が制御されることにより、通電部3によるEHC2への通電が停止されている期間にOPアンプ18の出力電圧がEHC2に印加されるようになっている。したがって、本実施形態では、検出用信号がEHC2に与えられる検出期間は、通電部3によるEHC2への通電が停止されている期間となる。
このような検出期間においてEHC2に印加される電圧、つまりノードN4およびノードN5間の電圧は、OPアンプ18の出力電圧に応じた一定の直流電圧となる。なお、この電圧の値は、前述したように、抵抗16、17による分圧比に応じて所望する値に設定することができる。また、このような検出期間にEHC2に流れる電流は、EHC2に一定の電圧が印加されていることから、その一定の電圧に応じた一定の電流となる。
なお、この場合、EHC2としては、その直流抵抗と温度とに相関があるものが用いられる。温度推定部11は、EHC2に一定の直流電圧が印加されるとともに一定の電流が流れる検出期間における電圧検出信号Sbおよび電流検出信号Scに基づいてEHC2の直流抵抗を検出し、その検出結果に基づいてEHC2の温度を推定する。
<電圧検出部および電流検出部の具体構成>
電圧検出部9および電流検出部10の具体的な構成としては、例えば図3に示すような構成を採用することができる。図3に示すように、電圧検出部9は、増幅回路26、低域通過フィルタ27およびA/D変換器28を備えている。なお、以下では、低域通過フィルタのことをLPFと省略するとともに、A/D変換器のことをADCと省略することとする。
増幅回路26は、OPアンプ29および抵抗30により構成されている。OPアンプ29は、電源線L3、L4を介して直流電圧Vdの供給を受けて動作する。OPアンプ29は、その反転入力端子と出力端子が接続されており、ボルテージフォロアとして機能する。OPアンプ29の非反転入力端子には、抵抗30を介して検出対象の電圧であるダイオード25のカソードの電圧が与えられる。このような構成により、増幅回路26は、OPアンプ29の出力端子から、検出対象の電圧に応じた電圧を出力する。
LPF27は、抵抗31およびコンデンサ32からなるRCフィルタである。抵抗31は、OPアンプ29の出力端子およびコンデンサ32の一方の端子の間に接続されている。コンデンサ32の他方の端子は、電源線L4に接続されている。抵抗31およびコンデンサ32の相互接続ノードであるノードN6は、ADC28の入力端子に接続されている。ADC28は、ノードN6の電圧、つまりLPF27の出力電圧をデジタル信号に変換して出力する。ADC28から出力されるデジタル信号は、電圧検出信号Sbとして温度推定部11に与えられる。
また、図3に示すように、電流検出部10は、増幅回路33、LPF34およびADC35を備えている。増幅回路33は、OPアンプ36および抵抗37〜40により構成されている。OPアンプ36は、電源線L3、L4を介して直流電圧Vdの供給を受けて動作する。OPアンプ36の非反転入力端子および反転入力端子には、それぞれ抵抗37および抵抗38を介して検出抵抗23の各端子電圧が与えられる。
OPアンプ36の非反転入力端子は、抵抗39を介して電源線L4に接続されている。OPアンプ36の反転入力端子は、抵抗40を介して、その出力端子に接続されている。このような構成により、増幅回路33は、OPアンプ36の出力端子から、検出抵抗23の各端子電圧の差電圧を増幅した電圧を出力する。
LPF34は、抵抗41およびコンデンサ42からなるRCフィルタである。抵抗41は、OPアンプ36の出力端子およびコンデンサ42の一方の端子の間に接続されている。コンデンサ42の他方の端子は、電源線L4に接続されている。抵抗41およびコンデンサ42の相互接続ノードであるノードN7は、ADC35の入力端子に接続されている。ADC35は、ノードN7の電圧、つまりLPF34の出力電圧をデジタル信号に変換して出力する。ADC35から出力されるデジタル信号は、電流検出信号Scとして温度推定部11に与えられる。
車両に搭載される高電圧バッテリである高圧電源7の出力には、高圧電源7から電力供給を受ける図示しないインバータおよびインバータにより駆動される図示しないモータの動作に伴って生じる高電圧ノイズが重畳する。電圧検出部9および電流検出部10は、このような高電圧ノイズが重畳した電圧に基づいて、電圧および電流を検出する構成となっている。そこで、電圧検出部9および電流検出部10には、このような高電圧ノイズの影響を除去するためのLPF27および34が設けられている。
以上説明したように、本実施形態の触媒温度算出装置6は、通電部3の出力電圧より低い電圧を有する検出用信号を生成し、その検出用信号をEHC2に与えることができる信号生成部8を備えている。そして、この場合、検出用信号がEHC2に与えられる検出期間に、EHC2に印加される電圧およびEHC2に流れる電流が検出される。そのため、上記構成によれば、高圧電源7で発生する高電圧ノイズが通電部3の出力電圧に重畳するような場合でも、その影響により、電圧および電流の検出誤差が大きくなることがない。そのため、本実施形態の触媒温度算出装置6では、数秒程度の平均化処理などを実施することなく、温度の推定精度を良好に維持することができる。
したがって、本実施形態の触媒温度算出装置6によれば、EHC2の温度を高精度で算出可能としつつ、その応答性を高めることができるという優れた効果が得られる。そして、このような効果を奏する触媒温度算出装置6を用いたEHCシステム1によれば、運転条件または始動条件に関わらず温度のフィードバック制御が成立することになり、車両の排気エミッションの改善に寄与することができる。特に、ゼロエミッション達成のためにEHC2の温度を短時間で目標温度まで昇温する必要があるシステムほど、高応答の温度フィードバック制御が必要となることから、上記構成の触媒温度算出装置6を用いるメリットが大きくなる。
車両絶縁の法規対応の観点から、例えば数百Vといった比較的高い電圧によりEHC2への通電を行う通電部3は、車両のボディアースとの間で絶縁されている必要がある。そこで、本実施形態の信号生成部8は、検出用信号の出力ノードと車両のボディアースを基準とした低圧電源14との間を絶縁する絶縁部8aを備えている。このような構成によれば、検出用信号の出力ノードに接続されるEHC2、ひいては通電部3と、車両のボディアースとの間の絶縁を確保することができる。
一般に、EHCの温度を算出する触媒温度算出装置において、EHCに流れる電流を検出するためには、検出用信号の出力ノードからEHCへと至る信号ラインに直列に介在する検出抵抗が設けられる。ここで、仮に、信号生成部8が絶縁部8aを備えていない構成であるとすると、上記検出抵抗として、絶縁法規を満足できる程度に高い抵抗値のものを用いる必要が生じる。比較的高い抵抗値の検出抵抗を用いると、次のような問題が生じる。
すなわち、検出期間にEHC2に印加される電圧は、検出用信号の電圧を、検出抵抗23とEHC2の直流抵抗とにより分圧した電圧となる。そのため、検出抵抗23の抵抗値が高いほど、検出期間におけるEHC2への印加電圧およびEHC2に流れる電流が小さくなり、電圧検出部9による電圧の検出精度および電流検出部10による電流の検出精度が低下するおそれがある。これに対し、本実施形態の構成のように信号生成部8が絶縁部8aを備えた構成である場合、検出抵抗23の抵抗値を低く抑えることができるため、電圧および電流の検出精度を高めることができる。
また、本実施形態では、通電部3と、通電部3の出力電圧より低い電圧を有する検出用信号を生成する信号生成部8との両方が、EHC2に対して電圧を印加することができる構成となっている。そのため、通電部3によりEHC2への通電が行われている期間、通電部3から信号生成部8へと電流、つまり逆流が生じる可能性があり、このような逆流が流れると信号生成部8が故障するおそれがある。
そこで、触媒温度算出装置6は、通電部3と信号生成部8との間に信号生成部8側をアノードとして接続されたダイオード24を有し、通電部3によりEHC2への通電が行われている期間において通電部3から信号生成部8へと流れる電流を阻止する逆流阻止部12を備えている。このような構成によれば、通電部3によりEHC2への通電が行われている期間における逆流の発生を確実に防止することができる。
この場合、電圧検出部9は、ダイオード24のアノード側の電圧に基づいてEHC2に印加される電圧を検出するようになっている。このようにすれば、電圧検出部9には、通電部3から出力される高電圧が印加されることがない。そのため、電圧検出部9に対し、高電圧から回路素子を保護するための構成、つまり過電圧保護のための構成などを付与する必要がなく、電圧検出部9の回路規模を小さく抑えることができる。したがって、上記構成によれば、故障率および装置の製造コストを低く抑えることができる。
ただし、上記構成では、従来技術で述べたように、ダイオード24の順方向電圧の影響により、電圧検出部9によるEHC2への印加電圧の検出精度、ひいては温度推定部11によるEHC2の温度の推定精度が低下するおそれがある。そこで、本実施形態の触媒温度算出装置6は、ダイオード24の順方向電圧に起因して電圧検出部9による電圧の検出値に生じる誤差を補正するダイオード特性推定部13を備えている。このような構成によれば、ダイオード24の順方向電圧の温度特性に起因するEHC2の直流抵抗の検出誤差が低減され、その結果、EHC2の温度の算出精度を一層高めることができる。
この場合、ダイオード特性推定部13は、ダイオード24と同等の特性を有するダイオード25を備えた構成である。また、電圧検出部9は、ダイオード24のアノード側の電圧であるノードN3の電圧を、ダイオード25を順方向に介してモニタする構成となっている。このような構成によれば、電圧検出部9は、EHC2に実際に印加される電圧VEHCと概ね同等の電圧となる検出電圧VDETに基づいて、EHC2に印加される電圧を検出することが可能となり、その結果、電圧の検出精度が一層向上する。
上記構成において、EHC2に接続される各種のハーネス距離が長いほどサージ電圧が高くなる可能性がある。そこで、ハーネス長を短くするため、触媒温度算出装置6を構成する各回路は、EHC2の近傍、つまり内燃機関に近い箇所に搭載されることがある。このように、各回路が内燃機関に近い箇所に搭載されると、ダイオード24が含まれる各回路の温度変化が大きくなり、上述した順方向電圧の温度特性に起因する温度の推定精度の低下が一層顕著になるおそれがある。しかし、上記構成によれば、上述したダイオード特性推定部13を備えているため、このような温度変化が大きい環境に触媒温度算出装置6の各回路が搭載された場合でも、EHC2の温度の算出精度を良好に維持することができる。
EHC2は、その直流抵抗が低いほど、その温度を速やかに上昇させることができる。ただし、EHC2の直流抵抗が低くなると、検出抵抗23の抵抗値によっては、電圧および電流の検出精度が低下するおそれがある。これは、前述したように、検出期間にEHC2に印加される電圧が、検出用信号の電圧を検出抵抗23とEHC2の直流抵抗とにより分圧した電圧となることに起因している。
しかし、本実施形態では、信号生成部8が絶縁部8aを備えていることから、検出抵抗23の抵抗値を低く抑えることができるため、EHC2として、直流抵抗の低いものを採用することができる。本実施形態では、EHC2として、例えば、通電部3と車両のボディアースとの間の絶縁抵抗より小さい直流抵抗を有するものを採用することができる。そして、上記構成の触媒温度算出装置6と、直流抵抗の低いEHC2とを採用したEHCシステム1によれば、EHC2の温度を素早く上昇させることが可能となり、排気エミッションを一層改善することができる。
本実施形態では、検出用信号がEHC2に与えられる検出期間には、通電部3によるEHC2への通電が停止されるようになっている。このような構成によれば、高圧電源7において発生する高電圧ノイズが電圧検出部9および電流検出部10の検出動作に与える影響を一層低減することができ、その結果、電圧および電流の検出誤差を一層小さく抑えることができる。
<絶縁電源の変形例>
本実施形態のように、検出用信号を生成する信号生成部に絶縁電源が含まれるような構成とする場合、その絶縁電源としては、種々の構成を採用することができる。例えば、信号生成部に用いられる絶縁電源として、図4および図5に示すような構成を採用することができる。
図4に示す絶縁電源15Aは、一般的なフライバック方式の絶縁電源15に対し、ダイオード43が追加された構成となっている。ダイオード43は、電源線L3、L4間に、電源線L4側をアノードとして接続されている。また、図5に示す絶縁電源15Bは、絶縁電源15Aに対し、インダクタ44が追加されている。インダクタ44は、ダイオード21、43の共通のカソードと、電源線L3との間に接続されている。つまり、絶縁電源15Bは、一般的なフォワード方式の絶縁電源の構成となっている。これらの構成によっても、絶縁電源15と同様、トランス19を絶縁部8aとして機能させることができる。
(第2実施形態)
以下、第1実施形態に対し触媒温度算出装置の具体的な構成が変更された第2実施形態について図6を参照して説明する。
<第1実施形態における課題>
第1実施形態の触媒温度算出装置6において、検出抵抗23の抵抗値は、前述したように低く抑えることが可能であり、比較的小さい値(例えば100Ω)となっている。一方、電圧検出部9の入力抵抗となる抵抗30の抵抗値は、検出抵抗23の抵抗値に比べて大きい値となっている。
そのため、検出用信号がEHC2に与えられる検出期間において、信号生成部8からEHC2へと流れる電流、つまりダイオード24に流れる電流に比べ、信号生成部8から電圧検出部9へと流れる電流、つまりダイオード25に流れる電流が小さくなる。一般に、ダイオードの順方向電圧は、そのダイオードに流れる電流に応じて変化する。したがって、第1実施形態の構成では、ダイオード24、25の特性が同一であったとしても、上述したように各ダイオード24、25に流れる電流が異なることから、検出期間におけるダイオード24の順方向電圧Vfとダイオード25の順方向電圧Vfsとは互いに異なる値となる。
そのため、第1実施形態の構成では、電圧検出部9に入力される検出電圧VDETとEHC2に実際に印加される電圧VEHCとに差が生じ、それに伴い電圧検出部9による電圧の検出値、ひいては温度推定部11によるEHC2の温度の推定結果に誤差が生じる可能性があった。本実施形態では、このような点を改善するため、触媒温度算出装置の具体的な構成として、以下において説明するような構成が採用されている。
<触媒温度算出装置の具体構成>
図6に示すように、本実施形態の触媒温度算出装置51は、図2に示した第1実施形態の触媒温度算出装置6に対し、抵抗52が追加されている。この場合、ダイオード25のカソードは、抵抗52を介して電源線L4に接続されている。抵抗52は、ダイオード25と直列接続された誤差補正用抵抗に相当する。
上記構成において、検出抵抗23、ダイオード25および抵抗52は、信号生成部8の出力ノードであるノードN2とEHC2の低電位側端子に接続されるノードN5との間に直列接続されている。そして、抵抗52は、EHC2の直流抵抗の抵抗値と同等の抵抗値を有している。そのため、上記構成によれば、検出期間において、ダイオード24に流れる電流と、ダイオード25に流れる電流とが同等の電流となる。
このように、抵抗52は、検出期間において、ダイオード25に対し、ダイオード24に流れる電流と同等の電流を流す電流供給部として機能する。本実施形態では、ダイオード25および抵抗52により、ダイオード特性推定部13が構成されている。この場合、電圧検出部9は、ダイオード25および抵抗52の相互接続ノードであるノードN8の電圧に基づいてEHC2に印加される電圧を検出する。より詳細には、電圧検出部9は、電源線L4の電位を基準としたノードN8の電圧、つまり抵抗52の各端子電圧に基づいてEHC2に印加される電圧を検出する。
以上説明したように、本実施形態の構成によれば、検出用信号がEHC2に与えられる検出期間において、ダイオード24に流れる電流とダイオード25に流れる電流とが同等の電流となり、ダイオード24、25の各順方向電圧Vf、Vfsが同等の電圧となる。したがって、本実施形態によれば、前述したダイオード24、25に流れる電流の違いに起因する電圧の検出誤差、ひいては温度の推定誤差の発生が抑制され、その結果、電圧検出部9による電圧の検出精度、ひいては温度推定部11によるEHC2の温度の推定精度を一層向上することができる。
(第3実施形態)
以下、上記各実施形態に対し触媒温度算出装置の具体的な構成が変更された第3実施形態について図7を参照して説明する。
<上記各実施形態における課題>
上記各実施形態の触媒温度算出装置6、51では、ダイオード24、25の個体差による順方向電圧Vf、Vfsのばらつきの影響により、電圧検出部9による電圧の検出値、ひいては温度推定部11によるEHC2の温度の推定結果に誤差が生じる可能性がある。以下、このような誤差が生じる理由について説明する。なお、以下では、順方向電圧Vf、Vfsを区別する必要がない場合、それらを順方向電圧Vfと総称することがある。
まず、ダイオードの理論式により下記(5)式が導出される。そして、その(5)式を順方向電圧Vfについて解くと下記(6)式が導出される。ただし、検出用信号の電流、つまり検出期間にノードN2からEHC2へと流れる電流をIOUTとし、ダイオードの逆バイアス時における飽和電流をIとし、電子の電荷をqとし、結合係数、つまりキャリアの再結合電流に対する補正値をnとし、ボルツマン定数をkとし、温度をTとする。
Figure 2020094969
補正値nおよび飽和電流Iは、ダイオードの個体差に応じて、ばらつきが生じる値である。そのため、ダイオード24、25の順方向電圧Vfには、これら2つの値に起因して、ダイオード24、25の個体差に応じた比較的大きなばらつきが生じる。これにより、触媒温度算出装置6、51では、電圧検出部9による電圧の検出値、ひいては温度推定部11によるEHC2の直流抵抗の検出結果および温度の推定結果に誤差が生じるおそれがある。本実施形態では、このような点を改善するため、触媒温度算出装置の具体的な構成として、以下において説明するような構成が採用されている。
<触媒温度算出装置の具体構成>
図7に示すように、本実施形態の触媒温度算出装置61は、図6に示した第2実施形態の触媒温度算出装置51に対し、信号生成部8に代えて信号生成部62を備えている点などが異なる。信号生成部62は、検出用信号の電圧を複数段階に切り替え可能な構成となっている。本実施形態では、信号生成部62は、検出用信号の電圧を、第1段階および第2段階の2段階に切り替え可能な構成となっている。なお、以下では、第1段階の電圧のことを第1電圧とも呼び、第2段階の電圧のことを第2電圧とも呼ぶ。この場合、第1電圧および第2電圧の関係は、「第1電圧<第2電圧」となっている。
信号生成部62における検出用信号の電圧の切り替えなどの動作は、通電制御部4により制御される。信号生成部62は、信号生成部8に対し、抵抗63および例えばNチャネル型MOSFETであるスイッチング素子64が追加されている。スイッチング素子64のドレインは、抵抗63を介してノードN1に接続され、そのソースは、電源線L4に接続されている。図示は省略しているが、スイッチング素子64のゲートには、通電制御部4により生成されるゲート駆動信号が与えられている。スイッチング素子64は、そのゲート駆動信号に応じてオンオフされる。
上記構成では、スイッチング素子64がオンのとき、ノードN1の電圧、ひいてはOPアンプ18から出力される直流電圧は、直流電圧Vdを、抵抗16の抵抗値と、抵抗17および抵抗63の並列合成抵抗値と、により定まる分圧比で分圧した電圧となる。また、上記構成では、スイッチング素子64がオフのとき、ノードN1の電圧、ひいてはOPアンプ18から出力される直流電圧は、直流電圧Vdを、抵抗16の抵抗値と、抵抗17の抵抗値と、により定まる分圧比で分圧した電圧となる。
この場合、スイッチング素子64がオンのときのノードN1の電圧が前述した第1電圧に相当するとともに、スイッチング素子64がオフのときのノードN1の電圧が前述した第2電圧に相当する。このように、上記構成では、検出用信号となる直流電圧は、第1電圧と、その第1電圧より高い第2電圧と、の2段階に切り替えられる。第1電圧の値および第2電圧の値は、抵抗16、17および63の各抵抗値により定まる分圧比に応じて、所望する値に設定されている。
本実施形態では、次のようにしてEHC2の直流抵抗が検出されるようになっている。すなわち、信号生成部62は、検出用信号の電圧を2段階に切り替え可能な構成となっている。つまり、この場合、EHC2に与えられる検出用信号の電圧を変化させることができる構成となっている。検出期間において、検出用信号の電圧を変化させれば、電圧検出部9による電圧の検出値および電流検出部10による電流の検出値も、その変化と同様に変化する。温度推定部11は、検出用信号の電圧が第1電圧から第2電圧へと切り替えられた際における電圧検出部9による電圧の検出値の差分および電流検出部10による電流の検出値の差分に基づいてEHC2の直流抵抗を検出する。
ここで、検出用信号の電流IOUTが1mAより大きく、且つ、ダイオード24、25として飽和電流Iが1μA未満である一般的な汎用ダイオードを採用したとすると、上記(6)式から下記(7)式が導出される。また、検出用信号の電圧が第1電圧から第2電圧へと切り替えられた際における順方向電圧Vfの変化量である差電圧ΔVfは、下記(8)式により表される。ただし、検出用信号の電圧が第1電圧に切り替えられた際における電流IOUTをIOUT1とし、検出用信号の電圧が第2電圧に切り替えられた際における電流IOUTをIOUT2とする。
Figure 2020094969
上記(8)式に示すように、差電圧ΔVfには、飽和電流Iが含まれていない。そのため、ダイオード24、25の順方向電圧Vfの変化量である差電圧ΔVfには、補正値nに起因して、ダイオード24、25の個体差に応じた比較的小さなばらつきが生じるだけとなる。したがって、本実施形態のように、電圧の検出値の差分および電流の検出値の差分に基づいてEHC2の直流抵抗を検出する手法によれば、前述したダイオード24、25の個体差に起因する電圧の検出誤差、ひいては温度の推定誤差の発生が低減され、その結果、電圧検出部9による電圧の検出精度、ひいては温度推定部11によるEHC2の温度の推定精度を一層向上することができる。
(第4実施形態)
以下、上記各実施形態に対し電圧検出部の具体的な構成が変更された第4実施形態について図8を参照して説明する。
<電圧検出部の具体構成>
図8に示すように、本実施形態の電圧検出部71は、図3に示した電圧検出部9に対し、増幅回路26に代えて増幅回路72を備えている点などが異なる。増幅回路72は、増幅回路26に対し、抵抗73、74が追加されている。抵抗73は、OPアンプ29の反転入力端子と電源線L4との間に接続されている。抵抗74は、OPアンプ29の反転入力端子と出力端子との間に接続されている。このような構成により、増幅回路72は、反転増幅器として機能する。
以上説明したように、本実施形態の電圧検出部71によれば、検出対象の電圧を増幅することができるため、その検出精度が向上する。また、電圧検出部71は、上記各実施形態における電圧検出部9と同様、EHC2に実際に印加される電圧VEHCと概ね同等の電圧となる電圧に基づいて、EHC2に印加される電圧を検出する構成となっており、その検出値には検出抵抗23による電圧降下分などは含まれない。したがって、本実施形態の構成によれば、電圧検出部71のADC28の入力レンジを最大限に活用するように、増幅回路72の増幅率を設定することができる。このようにすれば、ADC28での分解能が向上し、その結果、電圧の検出精度、ひいてはEHC2の温度の推定精度を一層向上することができる。
(第5実施形態)
以下、第3実施形態に対し触媒温度算出装置の具体的な構成が変更された第5実施形態について図9を参照して説明する。
<触媒温度算出装置の具体構成>
図9に示すように、本実施形態の触媒温度算出装置81は、図7に示した第3実施形態の触媒温度算出装置61に対し、ダイオード25および抵抗52に代えてダイオード82および抵抗83を備えている点などが異なる。ダイオード82は、誤差補正用ダイオードに相当するものであり、そのアノードはノードN2に接続されている。ダイオード82のカソードは、抵抗83を介して電源線L4に接続されている。抵抗83は、ダイオード82と直列接続された誤差補正用抵抗に相当する。
上記構成において、ダイオード82および抵抗83は、信号生成部8の出力ノードであるノードN2とEHC2の低電位側端子に接続されるノードN5との間に直列接続されている。そして、抵抗83は、検出抵抗23の抵抗値とEHC2の直流抵抗の抵抗値との和と同等の抵抗値を有している。そのため、上記構成によれば、検出期間において、ダイオード24に流れる電流と、ダイオード82に流れる電流とが同等の電流となる。
このように、抵抗83は、検出期間において、ダイオード82に対し、ダイオード24に流れる電流と同等の電流を流す電流供給部として機能する。本実施形態では、ダイオード82および抵抗83により、ダイオード特性推定部13が構成されている。この場合、電圧検出部9は、ダイオード82および抵抗83の相互接続ノードであるノードN9の電圧に基づいてEHC2に印加される電圧を検出する。より詳細には、電圧検出部9は、電源線L4の電位を基準としたノードN9の電圧、つまり抵抗83の各端子電圧に基づいてEHC2に印加される電圧を検出する。
以上説明したように、本実施形態の構成によれば、検出用信号がEHC2に与えられる検出期間において、ダイオード24に流れる電流とダイオード82に流れる電流とが同等の電流となり、ダイオード24、82の各順方向電圧Vf、Vfsが同等の電圧となる。したがって、本実施形態によれば、前述したダイオード24、82に流れる電流の違いに起因する電圧の検出誤差、ひいては温度の推定誤差の発生が抑制され、その結果、電圧検出部9による電圧の検出精度、ひいては温度推定部11によるEHC2の温度の推定精度を一層向上することができる。
ダイオード82および抵抗83によりダイオード特性推定部13が構成された本実施形態の構成と、ダイオード25および抵抗52によりダイオード特性推定部13が構成された第2、第3実施形態の構成とには、それぞれ次のような特徴がある。以下、第2、第3実施形態の構成をダイオード特性推定部13の第1構成例と称するとともに、本実施形態の構成をダイオード特性推定部13の第2構成例と称することとする。
第1構成例では、誤差補正用抵抗に相当する抵抗52の抵抗値は、EHC2の直流抵抗の抵抗値に等しく設定する必要がある。しかし、EHC2の直流抵抗の抵抗値と温度には相関がある。そのため、EHC2の直流抵抗の抵抗値は、例えば−10℃では5Ωになるとともに600℃では15Ωになる、という具合に温度に応じて変化する。そのため、第1構成例では、抵抗52の抵抗値を、例えば上記温度内の抵抗値の中心値(例えば10Ω)に設定したとしても、実際のEHC2の直流抵抗が上記したような範囲で変化することから、それに起因する電圧の検出誤差、ひいては温度の推定誤差が生じるおそれがある。
一方、第2構成例では、誤差補正用抵抗に相当する抵抗83の抵抗値は、EHC2の直流抵抗の抵抗値に検出抵抗23の抵抗値を加えた抵抗値と等しい値であればよい。検出抵抗23の抵抗値(例えば100Ω)は、EHC2の直流抵抗の抵抗値(例えば5〜15Ω)に比べ、十分に高い値となっている。そのため、EHC2の温度が変化することにより、その直流抵抗の抵抗値が変化したとしても、EHC2の直流抵抗の抵抗値に検出抵抗23の抵抗値を加えた抵抗値の変化は小さい。そのため、第2構成例では、EHC2の温度変化によって直流抵抗の値が多少変化したとしても、それにより、ダイオード24に流れる電流とダイオード82に流れる電流とに大きな差が生じることはない。したがって、第2構成例によれば、第1構成例に比べ、誤差補正用抵抗の抵抗値の設定がし易くなるというメリットがある。
第2構成例では、電圧検出部9は、EHC2に実際に印加される電圧VEHCと概ね同等の電圧に対し検出抵抗23による電圧降下分を加えた電圧を検出する構成となっている。したがって、第2構成例では、電圧検出部9のADC28の入力レンジを検出対象の電圧だけで最大限に活用することができないため、その分だけ、分解能が低下し、その結果、電圧の検出精度を十分に高めることができない。
一方、第1構成例では、電圧検出部9は、EHC2に実際に印加される電圧VEHCと概ね同等の電圧となる電圧に基づいて、EHC2に印加される電圧を検出する構成となっており、その検出値には検出抵抗23による電圧降下分などは含まれない。したがって、第1構成例によれば、電圧検出部9のADC28の入力レンジを最大限に活用することができるため、第2構成例に比べ、分解能が向上し、その結果、電圧の検出精度が向上する。
(第6実施形態)
以下、第5実施形態に対し電圧検出部の具体的な構成が変更された第6実施形態について図10を参照して説明する。
<電圧検出部および電流検出部の具体構成>
図10に示すように、本実施形態の電圧検出部91は、図3に示した電圧検出部9に対し、増幅回路26に代えて増幅回路92、93を備えている点などが異なる。増幅回路92は、増幅回路26に対し、抵抗94が追加されている。抵抗94は、OPアンプ29の反転入力端子と出力端子との間に接続されている。この場合も、OPアンプ29は、ボルテージフォロアとして機能する。
増幅回路93は、OPアンプ95および抵抗96〜100により構成されている。OPアンプ95は、電源線L3、L4を介して直流電圧Vdの供給を受けて動作する。OPアンプ95の非反転入力端子には、抵抗96を介して増幅回路92のOPアンプ29の出力電圧が与えられている。OPアンプ95の反転入力端子には、抵抗97を介して電流検出部10の増幅回路33のOPアンプ36の出力電圧が与えられている。
OPアンプ95の非反転入力端子は、抵抗98を介して電源線L3に接続されているとともに、抵抗99を介して電源線L4に接続されている。OPアンプ95の反転入力端子は、抵抗100を介して、その出力端子に接続されている。このような構成により、増幅回路93は、OPアンプ95の出力端子から、OPアンプ29の出力電圧とOPアンプ36の出力電圧との差電圧を増幅した電圧を出力する。この場合、増幅回路93の出力電圧は、LPF27を介してADC28に入力されている。
上記構成において、OPアンプ29の出力電圧は、電源線L4を基準としたノードN9の電圧に相当するものであり、EHC2に実際に印加される電圧VEHCと概ね同等の電圧に対し検出抵抗23による電圧降下分を加えた電圧である。また、上記構成において、OPアンプ36の出力電圧は、検出抵抗23の端子間電圧、つまり検出抵抗23による電圧降下分に相当する。そして、上記構成では、OPアンプ95の出力電圧、つまりOPアンプ29の出力電圧からOPアンプ36の出力電圧を減算した電圧が、LPF27を介してADC28に入力されるようになっている。そのため、上記構成では、ADC28に入力される電圧は、EHC2に実際に印加される電圧VEHCと概ね同等の電圧となる。したがって、本実施形態によれば、電圧検出部9のADC28の入力レンジを最大限に活用することができるため、分解能が向上し、その結果、電圧の検出精度が向上する。
(第7実施形態)
以下、第1実施形態に対し触媒温度算出装置の具体的な構成が変更された第7実施形態について図11を参照して説明する。
<触媒温度算出装置の具体構成>
図11に示すように、本実施形態の触媒温度算出装置111は、触媒温度算出装置6に対し、ダイオード25が省かれている点、信号生成部8に代えて信号生成部112を備えている点などが異なる。
本実施形態の構成では、ノードN3の電圧が電圧検出部9へと入力されている。つまり、この場合、電圧検出部9は、ノードN3の電圧を直接モニタする構成となっている。信号生成部112は、信号生成部8に対し、ダイオード113、抵抗114およびOPアンプ115が追加されている。ダイオード113のカソードは、OPアンプ18の出力端子に接続され、そのアノードは、抵抗114を介して電源線L3に接続されている。
OPアンプ115は、電源線L3、L4を介して直流電圧Vdの供給を受けて動作する。OPアンプ115は、その反転入力端子と出力端子が接続されており、ボルテージフォロアとして機能する。OPアンプ115の非反転入力端子には、ダイオード113および抵抗114の相互接続ノードであるノードN10の電圧が与えられている。OPアンプ115の出力端子は、信号生成部112の出力ノードとなるノードN11に接続されている。
上記構成の信号生成部112では、OPアンプ115から出力される直流電圧が検出用信号に相当する。この場合も、検出用信号となる直流電圧の電圧値は、抵抗16、17の抵抗比により定まる分圧比に応じて所望する値に設定することができるが、第1実施形態の構成における検出用信号の電圧値よりもダイオード113の順方向電圧だけ高い電圧値となる。この場合、ダイオード113、抵抗114およびOPアンプ115によりダイオード特性推定部13が構成されており、ダイオード113は、誤差補正用ダイオードに相当する。したがって、ダイオード113としては、ダイオード25と同様、順方向電圧などの特性が、ダイオード24と同等であるものが用いられる。
上記構成によれば、信号生成部112から出力される検出用信号の電圧は、OPアンプ18の出力電圧よりもダイオード113の順方向電圧だけ高い電圧であり、ダイオード113の温度特性に依存して変化する。一方、検出期間に、EHC2に印加される電圧は、検出用信号の電圧よりもダイオード24の順方向電圧だけ低い電圧となる。また、この場合、電圧検出部9は、ノードN3、つまりダイオード24のアノード側の電圧を直接モニタする構成となっている。このような本実施形態の構成によっても、第1実施形態と同様、ダイオード24の順方向電圧の温度特性に起因するEHC2の直流抵抗の検出誤差が低減され、その結果、EHC2の温度の算出精度を一層高めることができる。
(第8実施形態)
以下、第3実施形態に対し触媒温度算出装置の具体的な構成が変更された第8実施形態について図12を参照して説明する。
<触媒温度算出装置の具体構成>
図12に示すように、本実施形態の触媒温度算出装置121は、図7に示した第3実施形態の触媒温度算出装置61に対し、信号生成部62に代えて信号生成部122を備えている点などが異なる。
信号生成部122は、信号生成部62に対し、トランジスタ123および抵抗124が追加されている点などが異なる。トランジスタ123は、PNP形バイポーラトランジスタであり、そのエミッタは抵抗124を介して電源線L3に接続されている。この場合、OPアンプ18の反転入力端子は、トランジスタ123のエミッタに接続され、その出力端子はトランジスタ123のベースに接続されている。
上記構成によれば、OPアンプ18の作用により、トランジスタ123のコレクタ電流が一定の電流となるように、トランジスタ123の導通状態が制御される。具体的には、スイッチング素子64がオンのときには、トランジスタ123のコレクタ電流が第1電圧に応じた一定の第1電流となるように、トランジスタ123の導通状態が制御される。また、スイッチング素子64がオフのときには、トランジスタ123のコレクタ電流が第2電圧に応じた一定の第2電流となるように、トランジスタ123の導通状態が制御される。
上記構成の信号生成部122では、トランジスタ123のコレクタ電流、つまりトランジスタ123のコレクタから検出抵抗23側へと流れる直流電流が検出用信号に相当する。つまり、信号生成部122は、検出用信号の電流を2段階に切り替え可能な構成となっている。この場合、検出用信号となる直流電流の電流値、つまり第1電流の値および第2電流の値は、抵抗16、17、63の各抵抗値により定まる分圧比および抵抗124の抵抗値に応じて、所望する値に設定されている。
以上説明した本実施形態の構成によっても、上記各実施形態と同様、ダイオード24の順方向電圧の温度特性に起因するEHC2の直流抵抗の検出誤差が低減され、その結果、EHC2の温度の算出精度を一層高めることができる。また、本実施形態の構成によれば、第3実施形態と同様、EHC2に与えられる検出用信号の電圧および電流を変化させることができるため、第3実施形態と同様の作用および効果が得られる。
(その他の実施形態)
なお、本発明は上記し且つ図面に記載した各実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で任意に変形、組み合わせ、あるいは拡張することができる。
上記各実施形態で示した数値などは例示であり、それに限定されるものではない。
本発明は、EHCシステム1に設けられる触媒温度算出装置に限らず、車両に設けられる内燃機関の排気を浄化するEHCの温度を算出する触媒温度算出装置全般に適用することができる。
電圧検出部の具体的な構成としては、図3などに示した構成に限らずともよく、EHCに印加される電圧を検出することができる構成であればよい。また、電流検出部の具体的な構成としては、図3などに示した構成に限らずともよく、EHCに流れる電流を検出することができる構成であればよい。
絶縁部は、絶縁電源15などのトランス19を用いた構成に限らずともよく、検出用信号の出力ノードと低圧電源14との間を絶縁する構成であればよい。例えば、低圧電源14から信号生成部8などへの電力供給ラインをフォトカプラなどにより接続することで、上記絶縁を実現する構成でもよい。
図7などに示した信号生成部62は、検出用信号の電圧を複数段階に切り替え可能な構成であればよく、例えば検出用信号の電圧を3段階以上に切り替え可能な構成であってもよい。また、図12に示した信号生成部122は、検出用信号の電流を複数段階に切り替え可能な構成であればよく、例えば検出用信号の電流を3段階以上に切り替え可能な構成であってもよい。
上記各実施形態では、誤差補正用ダイオードとして、逆流阻止用ダイオードであるダイオード24と同等の特性を有するダイオード25などを用いていたが、これに限らずともよい。誤差補正用ダイオードとして、逆流阻止用ダイオードと特性が異なるダイオードを用いた場合でも、従来技術に比べ、逆流阻止用ダイオードの順方向電圧の温度特性に起因するEHC2の直流抵抗の検出誤差が低減されるため、その結果、EHC2の温度の算出精度を高めることができるという効果が得られる。
本開示は、実施例に準拠して記述されたが、本開示は当該実施例や構造に限定されるものではないと理解される。本開示は、様々な変形例や均等範囲内の変形をも包含する。加えて、様々な組み合わせや形態、さらには、それらに一要素のみ、それ以上、あるいはそれ以下、を含む他の組み合わせや形態をも、本開示の範疇や思想範囲に入るものである。
2…EHC、3…通電部、6、51、61、81、111、121…触媒温度算出装置、7…高圧電源、8、62、112、122…信号生成部、8a…絶縁部、9、71、91…電圧検出部、10…電流検出部、11…温度推定部、12…逆流阻止部、13…ダイオード特性推定部、14…低圧電源、19…トランス、23…検出抵抗、24…ダイオード、25、82、113…ダイオード、52、83…抵抗。

Claims (7)

  1. 車両に設けられる内燃機関の排気を浄化するものであり且つ通電されて発熱する電気加熱式の触媒の温度を算出する触媒温度算出装置であって、
    前記車両のボディアースを基準とした電源から電力供給を受け、前記触媒への通電を行う通電部の出力電圧より低い電圧を有する検出用信号を生成し、その検出用信号を前記触媒に与えることができるものであり、前記検出用信号の出力ノードと前記電源との間を絶縁する絶縁部(8a、19)を有する信号生成部(8、62、112、122)と、
    前記通電部と前記信号生成部との間に前記信号生成部側をアノードとして接続された逆流阻止用ダイオード(24)を有し、前記通電部により前記触媒への通電が行われている期間において前記通電部から前記信号生成部へと流れる電流を阻止する逆流阻止部(12)と、
    前記逆流阻止用ダイオードのアノード側の電圧に基づいて前記触媒に印加される電圧を検出する電圧検出部(9、71、91)と、
    前記触媒に流れる電流を検出する電流検出部(10)と、
    前記検出用信号が前記触媒に与えられる検出期間における前記電圧検出部による電圧の検出値および前記電流検出部による電流の検出値に基づいて前記触媒の直流抵抗を検出し、その検出結果に基づいて前記触媒の温度を推定する温度推定部(11)と、
    前記逆流阻止用ダイオードの順方向電圧に起因して前記電圧検出部による電圧の検出値に生じる誤差を補正する誤差補正部(13)と、
    を備える触媒温度算出装置。
  2. 前記誤差補正部は、前記逆流阻止用ダイオードと同等の特性を有する誤差補正用ダイオード(25、82、113)を備える請求項1に記載の触媒温度算出装置。
  3. 前記誤差補正部は、前記検出期間において、前記誤差補正用ダイオード(25、82)に対し、前記逆流阻止用ダイオードに流れる電流と同等の電流を流す電流供給部(52、83)を備える請求項2に記載の触媒温度算出装置。
  4. 前記電流供給部は、前記誤差補正用ダイオードと直列接続された誤差補正用抵抗を備え、
    前記電圧検出部は、前記誤差補正用抵抗の端子電圧に基づいて前記前記触媒に印加される電圧を検出する請求項3に記載の触媒温度算出装置。
  5. 前記電流検出部は、その検出対象となる電流が流れる経路に直列に介在する検出抵抗(23)の端子電圧に基づいて前記触媒に流れる電流を検出するようになっており、
    前記検出抵抗、前記誤差補正用ダイオード(25)および前記誤差補正用抵抗(52)は、前記信号生成部の出力ノードと前記触媒の低電位側端子との間に直列されており、
    前記誤差補正用抵抗は、前記触媒の直流抵抗の抵抗値と同等の抵抗値を有する請求項4に記載の触媒温度算出装置。
  6. 前記誤差補正用ダイオード(82)および前記誤差補正用抵抗(83)は、前記信号生成部の出力ノードと前記触媒の低電位側端子との間に直列接続されており、
    前記誤差補正用抵抗は、前記触媒の直流抵抗の抵抗値と前記触媒の直流抵抗の抵抗値との和と同等の抵抗値を有する請求項4に記載の触媒温度算出装置。
  7. 前記信号生成部(62、112、122)は、前記検出用信号の電圧または電流を複数段階に切り替え可能な構成である請求項1から6のいずれか一項に記載の触媒温度算出装置。
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