JP6239171B1 - 電力変換装置 - Google Patents
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Abstract
Description
このような制御を実行するには電源側の電圧値を検出する必要があり、直列に接続された複数の抵抗を電源の正極端子側に接続して正極側分圧回路とし、また、直列に接続された複数の抵抗を電源の負極端子側に接続して負極側分圧回路とし、正極側分圧回路と負極側分圧回路によって分圧された分圧値に基づいて電源の正極と負極との間の電圧値を演算することが特許文献1に提案されている。
この発明は、前記課題を解決し、車載用降圧コンバータなどの電力変換装置において、安価な構成で、電力変換器の出力電圧を小さな誤差で検出するように構成した電力変換装
置を提供することを目的とするものである。
図に示すように、車載用の降圧コンバータ1において、少なくとも3つ以上の奇数個の抵抗が直列接続された分圧抵抗2、2つのバッファ3および差動アンプ4から構成される電圧センサ回路を備え、分圧抵抗2が車載用の降圧コンバータ1の出力端子5と基準GND6の間に接続されて、分圧抵抗2の複数の抵抗のうちの中央部の抵抗の両端電圧を、それぞれのバッファ3を介して差動アンプ4で観測するシャント型の電圧検出手法を行い、差動アンプ4の出力に基づいて制御部7が電力変換部8を制御し、車載用降圧コンバータとしての制御が行われ、負荷への電力供給が行われるように構成されている。制御部7は、制御用コントローラICやマイクロコントローラ等によって構成されている。また、電力変換部8は、MOSFETやIGBT、あるいはSiC、GaNなどのワイドギャップ半導体などのスイッチ素子から構成されている。
一方、降圧コンバータ1の筐体が、降圧コンバータ1の出力端子5のマイナス側と同電位であり、かつ、前記筐体と前記負荷のマイナス端子側とが前記ハーネスとは別の金属体(例えば、車のボディーアース)10を介して接続される。すなわち、バッファおよび差動アンプの基準GNDが、負荷の基準電位に第1の部材で接続され、電力変換装置の筐体が、前記出力端子のマイナス側と同電位でありかつ負荷のマイナス端子側に第2の部材で接続されていることになる。
この構成は、仮に筐体電位と制御系GNDが筐体内部で接続された場合、降圧コンバータ1の出力電流経路とセンシングラインのGNDが共通化されることで電力変換器内のスイッチング動作に伴うスイッチングノイズが他の制御信号ラインの重畳してしまうため、自製品動作に起因して誤動作する、いわゆる自家中毒の症状となる。
以下、この発明が適用された実施の形態1の構成について、図面に基づいて説明する。
図2はこの発明の実施の形態1を示す図である。
車載用の降圧コンバータ1おいて、所望の電圧まで増幅、減衰させるため、エラーアンプの入力段にてリファレンス電圧とPWMコントローラなどを用いて、コンバータ制御する手法が取られる。また、回路部分の一部、あるいは全部は、降圧コンバータ1に設けられた制御用コントローラICやマイクロコントローラなどの制御部7の機能として含まれる。
また、分圧抵抗2は、前記車載用降圧コンバータ1の出力端子5と基準GND6との間に接続されて、出力端子5と基準GND6に対して並列接続されていて、そのうち中央部の抵抗の両端電圧を、それぞれのバッファ3を介して前記差動アンプ4で観測するシャント型の電圧検出手法を用い、前記差動アンプ4出力に基づきコンバータ制御がなされる。
また、制御系GNDと筐体電位間の寄生抵抗成分による電圧オフセット誤差を低減できる。
きに、降圧コンバータ1へのリターン電流と筐体あるいは車両シャーシグランドの寄生抵抗による電圧降下が生じるため、本来の観測電位に対し電位である制御系GNDより、負バイアスとなることを示している。
つまり、観測側の電圧センサ回路は、制御系GNDでバッファ3および差動アンプ4にてセンシングする。
一方、低圧バッテリーのマイナス端子を基準とすると、制御系GNDは、筐体電位は車載用降圧コンバータの出力電流に依存して筐体電位により電圧降下するから、制御系GNDよりも低くなる。
図2中の差動アンプ4は、オペアンプ1石と抵抗から構成されるものを例として示したが、この構成に限定したものではなく、計装アンプや複数のオペアンを用いて実現しても良い。
車載用の降圧コンバータ1の出力電圧Voutと前記車載用降圧コンバータと負荷間の一巡抵抗RFG11を図3に概念的に表現する。図中では、一巡抵抗RFG11を基準電位側に配置しているが、出力端子側にも本来寄生抵抗が存在する。ただし、各定数を決める上では基準電位側に配置して検討した方が、次述する条件では厳しい条件となる。
なお、前記RFG抵抗値は物性値の抵抗率で決り、総じて前記車載用コンバータと負荷の配置相対距離に置き換えて差支えないから、30cmから3mの範囲で適応される。
また、前記バッファ3での入力端子寄生容量(数1pFから数100pF)により当該分圧抵抗値を大きくし過ぎると帯域制限が生じる。よって、当該電圧センサとしての応答性を加味すると前記分圧抵抗らの合成抵抗値が、10kΩから100kΩの範囲が適当である。
この実施の形態1によれば、車載用の降圧コンバータにおいて、オフセット誤差対策として一般的に用いられる電圧センシングハーネスが不要となり、かつ、安価な方法で観測対象とする電圧のオフセット誤差軽減、高精度な電圧センシングを実現できるので、前記車載用降圧コンバータの制御性が向上できる。
また、車載用降圧コンバータの負荷に対し、リターン電流専用にハーネスが不要であり、安価な方法で出力電圧の監視が可能となる。
かつ、当該車載用降圧コンバータから出力された大電流のリターン経路の寄生抵抗成分が低い車両シャーシGNDを使用することで電圧降下を軽減できるので、前記車載用降圧コンバータが電圧降下分だけ大きな電圧を出力する必要がない。そのため、前記車載用降圧コンバータの正常な出力範囲と過電圧検知範囲のマージンを確保できる。
また、前述のような車載用降圧コンバータが動作停止している際、負荷である鉛バッテリーからの漏洩電流を低減できる。
図5は、この発明の実施の形態2を示す図である。
実施の形態1では、前記電圧センサ回路の構成をバッファ3および差動アンプ4としたが、これに替えて、この実施の形態2では、図5に示す通り、絶縁アンプを適用したものである。これにより、部品点数を削減できるので回路規模を小さくできる。
図6は、この発明の実施の形態3を示す図である。
実施の形態1では、前記電圧センサ回路の構成をバッファ3および差動アンプ4としたが、これに替えて、この実施の形態3では、図6に示す通り、電圧センサ回路16として、オペアンプから構成される計装アンプを適用したものである。これにより、部品点数を削減できるので回路規模を小さくできる。
この実施の形態3において、更に、図7のように、電圧センサ回路17として、オペアンプを2個以上からなる計装アンプとしても同様の効果を発揮できる。これによっても、同様に部品点数を削減できるので回路規模を小さくできる。
5 出力端子、6 基準GND、7 制御部、8 電力変換部、9 制御系GND、
10 金属体、11 一巡抵抗RFG、12 バッファ入力端電圧V1、
13 バッファ入力端電圧V2、14 保護部品、15 絶縁アンプ、
16、17 電圧センサ
Claims (9)
- 電力変換器と、前記電力変換器の出力端子と前記電力変換器の基準GNDの間に接続され、装置において、少なくとも3つ以上の奇数個の抵抗を直列接続した分圧抵抗、2つのバッファおよび差動アンプから構成される電圧センサ回路を備え、前記分圧抵抗の中央の抵抗の両端電圧を、それぞれ前記バッファを介して前記差動アンプに入力し、前記差動アンプの出力に基づいて前記電力変換器の電力変換制御が行われるようにしたことを特徴とする電力変換装置。
- 前記バッファおよび前記差動アンプの基準GNDが、負荷の基準電位に第1の部材で接続され、前記電力変換装置の筐体が、前記出力端子のマイナス側と同電位でありかつ前記負荷のマイナス端子側に第2の部材で接続されていることを特徴とする請求項1に記載の電力変換装置。
- 前記出力端子から前記負荷の間の電流経路の一巡抵抗が0.1mΩから30mΩの範囲であることを特徴とする請求項2に記載の電力変換装置。
- 前記電力変換装置と前記負荷の相対距離が30cmから3mの範囲に配置されていることを特徴とする請求項2に記載の電力変換装置。
- 前記分圧抵抗の抵抗定数が、前記電力変換器の出力電流の上限と検出すべき最小電圧値に基づいて決定されることを特徴とする請求項1に記載の電力変換装置。
- 前記分圧抵抗の合成抵抗値が、10kΩから100kΩの範囲であることを特徴とする請求項5に記載の電力変換装置。
- 前記バッファの入力前段にサージ保護のための保護用素子が設けられていることを特徴とする特徴とする請求項1に記載の電力変換装置。
- 前記電圧センサ回路のバッファおよび差動アンプに替えて、絶縁アンプを用いたことを特徴とする請求項1に記載の電力変換装置。
- 前記電圧センサ回路のバッファおよび差動アンプに替えて、ゲイン抵抗およびオペアンプ2個以上から構成される計装アンプを用いたことを特徴とする請求項1に記載の電力変換装置。
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