JP2020094538A - 内燃機関の排気浄化装置 - Google Patents

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【課題】誘導加熱方式により、セラミックス基体を早期に加熱すると共に、セラミックス基体以外の部位が加熱されるのを抑制して、セラミックス基体の加熱効率を向上可能な排気浄化装置を提供する。【解決手段】内燃機関の排気浄化装置1は、排気通路EXの一部をなす金属筒状のケーシング11と、ケーシング11に収容され、排気流れ方向を軸方向Xとする筒状の外周壁22の内側に多数の通孔21を有するセラミックス基体2と、外周壁22の外側を取り巻くコイル3及びセラミックス基体2の被加熱領域Aとなる領域内に配置され、軸方向Xに延びる棒状の導電部材群4を有する誘導加熱部5と、を備え、被加熱領域Aの外側を取り囲むと共に、ケーシング11の内周壁に内接して配置され、ケーシング11よりも高透磁率かつ高電気抵抗率の磁性材料からなる磁性体層6を有している。【選択図】図1

Description

本発明は、内燃機関の排気通路に設置される排気浄化装置に関する。
自動車用の排気浄化装置は、排気管に設置される排気浄化触媒や触媒担持フィルタを備えており、例えば、所定の高温に制御された排気を導入して触媒が担持されるセラミックス基体を加熱し、触媒活性温度以上に昇温させている。一方、今後予想される厳しい排気規制を満足させるためには、昇温用の排気をも極力削減する必要があり、また、排気管に排気が排出された直後から排気の浄化を実施可能であることが望ましい。
そこで、排気エネルギに代えて、例えば、電気エネルギによる加熱方式への転換が検討されており、その1つとして、誘導加熱を利用する方式がある。誘導加熱方式では、コイルに交番電流を流して、金属体を誘導加熱しており、コイルで生じる磁束を金属体に効率よく伝えることが重要となる。一例として、特許文献1には、金属担体を用いた排気浄化触媒の排気上流端面に面して、渦巻き状に巻かれたコイルを配置し、その上流側に、周囲雰囲気よりも高透磁率の高透磁率要素として、別の排気浄化触媒を配置した、触媒昇温装置が開示されている。
特開2002−250221号公報
特許文献1に記載される構成では、排気管の内側において、排気浄化触媒の上流に、誘導加熱用のコイルや別の排気浄化触媒が配置されることになるため、圧力損失の増加が懸念される。これに対し、別の排気浄化触媒に代えて、排気管の外側に、高透磁率低渦電流損要素として、金属層と絶縁層を重ねたお椀状の成層部材を配置することも提案されているが、誘導加熱用のコイルは排気管の内側に配置されたままであるため、圧力損失の改善は十分ではなく、成層部材も構成が複雑で実用性が低い。また、排気管は、通常、高耐熱の金属製であり、排気よりも高透磁率の高透磁率要素となり得るため、通電により排気管が誘導加熱されてしまい、本来加熱したい排気浄化触媒の加熱効率が低下するおそれがあった。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、誘導加熱方式により、セラミックス基体を早期に加熱すると共にそれ以外の部位が加熱されるのを抑制して、セラミックス基体の加熱効率を向上可能な排気浄化装置を提供しようとするものである。
本発明の一態様は、
内燃機関の排気通路(EX)の一部をなす金属筒状のケーシング(11)と、
上記ケーシングに収容され、排気流れ方向を軸方向(X)とする筒状の外周壁(22)の内側に、排気が通過する多数の通孔(21)を有するセラミックス基体(2)と、
上記外周壁の外側を取り巻くコイル(3)、及び、上記セラミックス基体の被加熱領域(A)となる領域内に配置され、上記中心軸の方向に延びる棒状の導電部材群(4)を有する誘導加熱部(5)と、を備える、内燃機関の排気浄化装置(1)であって、
上記被加熱領域の外側を取り囲むと共に、上記ケーシングの内周壁に内接して配置され、上記ケーシングよりも高透磁率かつ高電気抵抗率の磁性材料からなる磁性体層(6)を有している、内燃機関の排気浄化装置にある。
上記一態様の構成の排気浄化装置において、誘導加熱部のコイルに交番電流が流れると、セラミックス基体内の導電部材群に誘導電流が発生し、自己発熱により加熱される。このとき、金属製のケーシングに内接して高透磁率の磁性体層が設けられるので、磁束流れがケーシングよりも磁性体層を透過しやすくなる。また、磁性体層はケーシングよりも高電気抵抗率であるため、磁束の透過による誘導加熱が抑制される。このように、ケーシングに内接する磁性体層が磁気シールドとして機能し、セラミックス基体の加熱効率を向上させることができる。
よって、誘導加熱方式により、セラミックス基体を早期に加熱すると共にそれ以外の部位が加熱されるのを抑制して、セラミックス基体の加熱効率を向上可能な排気浄化装置を実現できる。
なお、特許請求の範囲及び課題を解決する手段に記載した括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであり、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
実施形態1における、排気浄化装置の全体構成を示す軸方向断面図。 実施形態1における、排気浄化装置の主要部構成を示す径方向断面図で、図1のII−II断面図。 実施形態1における、排気浄化装置の主要部構成を示す軸方向断面図。 実施形態1における、排気浄化装置のコイル取出部の構成を示す部分拡大断面図。 実施形態1における、排気浄化装置の熱交換媒体流路の構造を説明するための図で、図2のV−V断面図。 実施形態1における、排気浄化装置の熱交換媒体流路の連通路構造を説明するための図で、図5のVI−VI断面図。 試験例1において、実施形態1と比較形態1の排気浄化装置におけるコイル近傍の構成と温度分布を比較して示す軸方向断面図。 試験例1において、実施形態1の排気浄化装置における磁性体層の有無とケーシング温度の時間変化の関係を比較して示す図。 試験例1において、実施形態1の排気浄化装置における熱交換部の作動の有無による磁性体層の温度の時間変化を比較して示す図。 試験例2において、実施形態1の排気浄化装置における磁性体層の軸方向長Lとセラミックス基体直径Dとの比率(L/D)と加熱効率低下率の関係を示す図。 試験例2において、実施形態1の排気浄化装置における磁性体層の軸方向長Lとセラミックス基体の直径Dの関係を示す図。 試験例2において、実施形態1の排気浄化装置における磁性体層の配置例とセラミックス基体の半径rの関係(Lu≧rかつLd≧r)を説明するための図。 実施形態1における、排気浄化装置の磁性体層の配置例とセラミックス基体の半径rの関係(Lu<rかつLd<r)を説明するための図。 実施形態1における、排気浄化装置の磁性体層の配置例とセラミックス基体の半径rの関係(Lu<r又はLd<r)を説明するための図。 実施形態2における、排気浄化装置の主要部構成を示す軸方向断面図。 実施形態2における、排気浄化装置のコイル取出部の構成を示す部分拡大断面図及びそのA−A断面図。 実施形態3における、排気浄化装置の主要部構成を示す径方向断面図。 実施形態3の変形例における、排気浄化装置の主要部構成を示す径方向断面図。
(実施形態1)
内燃機関の排気浄化装置に係る実施形態1について、図面を参照しながら説明する。
図1、図2に示すように、排気浄化装置1は、内燃機関の排気通路である排気管EXの一部をなす金属筒状のケーシング11と、ケーシング11に収容されるセラミックス基体2と、セラミックス基体2を加熱する誘導加熱部5と、ケーシング11の内側に設けられる磁性体層6と、を備えている。
セラミックス基体2は、排気流れ方向を軸方向X(すなわち、中心軸Cの方向)とする筒状の外周壁22の内側に、排気が通過する多数の通孔21を有する。セラミックス基体2の中心軸Cを通り軸方向Xと直交する方向を、以降、径方向Yとする。図2には、誘導加熱部5が配置される排気流れの上流側位置における径方向Yの断面を示している。セラミックス基体2は、例えば、触媒を担持させるための触媒担体として用いられ、多数の通孔21の表面には、図示しない触媒層が形成される。
誘導加熱部5は、セラミックス基体2の外周壁22の外側を取り巻くコイル3と、セラミックス基体2の内部に配置され、軸方向Xに延びる棒状の導電部材群4を有する。このとき、セラミックス基体2の軸方向Xにおいて、導電部材群4が配置される所定の領域を、被加熱領域Aとする(例えば、図1参照)。被加熱領域Aにおいて、導電部材群4は、中心軸Cの周りを取り囲むように、概略均等に配置されている(例えば、図2参照)。このとき、誘導加熱部5は、誘導加熱によって導電部材群4を発熱させて、排気管EXに排気が流入するよりも前に、セラミックス基体2を触媒活性温度以上に昇温させることができる。
磁性体層6は、被加熱領域Aの外側を取り囲むと共に、ケーシング11の内周壁に内接して配置される。磁性体層6は、ケーシング11よりも高透磁率かつ高電気抵抗率の磁性材料にて構成することができる。
これにより、誘導加熱部5によって発生する磁束がケーシング11よりも磁性体層6に流れやすくなり、誘導加熱によるケーシング11の発熱が抑制される。また、高電気抵抗の磁性体層6では、電磁誘導により生じる渦電流が小さくなるので、温度上昇は抑制される。その結果、セラミックス基体2の加熱効率を向上させることが可能となる。
誘導加熱部5のコイル3は、被加熱領域Aの外側において、セラミックス基体2の外周壁22と磁性体層6との間に収容されており、コイル取出部31、32によって外部へ取り出される。このとき、コイル取出部31、32においても、ケーシング11よりも高透磁率かつ高電気抵抗率の磁性材料からなる筒状磁性部材61にて、コイル3の外周を保持することが望ましい。磁性体層6や筒状磁性部材61の詳細は、後述する。
また、排気浄化装置1は、ケーシング11と一体に設けられ、ケーシング11の内側で発生した熱を外部に移動する熱交換部7を、さらに備えることができる。熱交換部7は、磁性体層6を適正な温度に維持して、誘導加熱部5を効果的に作動させ、セラミックス基体2の加熱効率の向上に寄与する。
以下、排気浄化装置1の詳細構成を説明する。
本形態において、内燃機関は、例えば、図示しない自動車用エンジンであり、エンジンから排気管EXに排出される排気Gを浄化するために、排気浄化装置1が設けられる。図1、図2において、浄化装置1は、排気管EXに接続される円筒状のケーシング11を装置外壁部とし、その内側に、円柱状のセラミックス基体2を収容保持している。また、セラミックス基体2を加熱する誘導加熱部5と、磁気シールドのための磁性体層6が設けられる。
ケーシング11には、排気管EXの一部となる拡径された円筒管部に、熱交換部7の熱交換媒体流路71を一体的に設けている。ケーシング11の内側には、磁性体層6が内接配置されており、その内側に、誘導加熱部5を構成するコイル3が配置される。ケーシング11は、例えば、ステンレス鋼等の耐熱性を有する金属材料にて構成することができる。また、セラミックス基体2は、例えば、コーディエライト等のセラミックス材料にて構成することができる。
セラミックス基体2は、両端が開口する円筒状の外周壁22と、その内側に位置する区画壁とが一体となった、セラミックスハニカム構造体として構成される。具体的には、セラミックスハニカム構造体は、区画壁によって囲まれる矩形や六角形等の断面多角形の多数のセル内に、多数の通孔21が形成された構成とすることができる。多数の通孔21は、軸方向Xの一端側から他端側へ延びる、互いに平行な貫通孔である。
図1中に矢印で示すように、排気管EX内には、その軸方向X(例えば、図1の左右方向)に排気Gが流れ、同軸的に配置されるセラミックス基体2の上流側端面(例えば、図1の左端側の端面)23から、多数の通孔21に流入する。排気Gは、多数の通孔21内を、セラミックス基体2の下流側(例えば、図1の右端側)へ向けて流れ、その間に、通孔21の表面に形成される触媒層と接触して浄化される。
誘導加熱部5は、セラミックス基体2の上流側の一部(例えば、図1の左半部)内に配置される導電部材群4と、径方向Yにおいて、セラミックス基体2の外側に配置されるコイル3と、によって構成される。セラミックス基体2は、軸方向Xの中央部から上流側端面23の近傍へ至る一部が、他の部位よりも外周壁22の径が小さい縮径部となっており、この縮径部となる領域を、導電部材群4が収容される被加熱領域Aとしている。コイル3は、被加熱領域Aの外周壁22と磁性体層6との間の空間に収容され、外周壁22の外側を円環状に取り巻くように配置される。ここでは、例えば、2回巻きのコイル3を例示しているが、その巻き数は、特に限定されるものではなく、適宜変更することができる。
被加熱領域Aの外側に対向するケーシング11壁には、一対のコイル取出部31、32が設けられる。コイル取出部31、32内には、コイル3の両端が挿通保持されてケーシング11の外部へ取り出され、排気管EXの外部に設けられるインバータ回路部51に接続される。インバータ回路部51は、例えば、複数のスイッチング素子等を内蔵して、バッテリ52から入力される直流電力を交流電力に変換して出力し、コイル3に交番電流を供給可能とする。バッテリ52は、例えば、車載バッテリである。
導電部材群4は、所定径の棒状体にて構成される多数の導電部材41からなり、セラミックス基体2の中心軸Cの周りに、多数の導電部材41が多重に配置される。本形態では、多数の導電部材41は、中心軸Cに沿って配置される導電部材41と、これを中心とする多重の仮想円上に均等配置される導電部材41からなり、軸方向Xの長さ(以下、軸方向長と略称する)は概略一定である。また、同じ仮想円上に位置する複数の導電部材41は、それぞれ概略同径であり、中心軸Cに近いほど小径となり、外周壁22に近いほど大径となるように構成されている。
多数の導電部材41は、例えば、同材質の導電性金属材料からなる。好適には、ステンレス鋼等の磁性金属材料にて構成されるのがよく、誘導加熱による加熱効率をより高めることができる。セラミックス基体2の部位によって、異なる材質の導電部材41を配置することもできる。
なお、導電部材群4の配置は、セラミックス基体2の各部位において、誘導加熱による所望の発熱量が得られるように、適宜設定することができる。その範囲において、多数の導電部材41の配置や形状は、任意に変更することができ、例えば、同心状に限らず、放射状や渦巻き状に配置されていてもよい。また、多数の導電部材41の軸方向長を部位毎に変更してもよいし、セラミックス基体2の全体で導電部材41の径が一定であってもよい。
導電部材群4の固定方法は、特に限定されないが、例えば、セラミックス基体2の通孔21内に圧入保持することができる。導電部材41の径が通孔21より大きい場合には、通孔21を拡径して、または、通孔21を形成する区画壁に穴あけ加工して、導電部材41を挿通保持させてもよい。
ケーシング11は、内筒12及び外筒13を有する二重筒状構造となっており、その内周壁となる内筒12の内側に接して、磁性体層6が設けられる。磁性体層6は、コイル取出部31、32が設けられる一部を除いて、内筒12の内周面に沿って配置され、コイル3の外側を層状に取り囲む概略円筒のシート体形状を有する。
磁性体層6は、ケーシング11を構成する金属材料よりも高透磁率の磁性材料からなり、誘導加熱部5によって発生する磁束が流れやすくなるので、ケーシング11への磁束の流れを抑制して、ケーシング11の発熱を抑制する。また、磁性体層6は、ケーシング11を構成する金属材料よりも高電気抵抗率の磁性材料からなり、磁束が流れることによって発生する渦電流損が小さくなるので、発熱を抑制する効果が高い。このような磁性材料としては、例えば、酸化物磁性材料が挙げられ、好適には、フェライト系酸化物を含むフェライト系磁性材料が用いられる。
磁性体層6を、フェライト系磁性材料にて構成する場合には、例えば、フェライト系酸化物の粉末材料を用い、所定の形状となるように成形して焼成した焼結体とすることができる。
なお、磁性体層6を構成する磁性材料は、ケーシング11を構成するステンレス鋼等の金属材料よりも高透磁率かつ高電気抵抗率の材料であればよく、例えば、フェライトを主体とする酸化物磁性材料の他、酸化物磁性材料と他の材料とを組み合わせた複合材料であってもよい。その場合には、他の材料としては、ケーシング11よりも高透磁率の材料であることが望ましく、例えば、ケイ素鋼、パーマロイ、アモルファス合金等の金属材料を含んでいてもよい。
ケーシング11には、二重筒状構造の内外筒12、13と一体的に、その内側の磁性体層6と主に熱交換を行うための熱交換部7が設けられる。具体的には、内筒12と外筒13の両筒壁間に、熱交換媒体流路71となる環状空間が形成されており、流路入口部72から導入される熱交換媒体が、熱交換媒体流路71を流通する間に熱交換を行って、流路出口部73から導入されるように構成されている。
図1に示すように、流路入口部72及び流路出口部73は、セラミックス基体2よりも上流側において、ケーシング11に設けられる。具体的には、流路入口部72は、ケーシング11の底部(例えば、図1の下部)となる外筒13の菅壁を貫通して、熱交換媒体流路71に接続され、流路出口部73は、ケーシング11の頂部(例えば、図1の上部)となる外筒13の菅壁を貫通して、熱交換媒体流路71に接続される。
なお、軸方向Xにおいて、ケーシング11の両側には、流路形成部材となる一対のリング状部材74、75が配置され、熱交換媒体流路71の軸方向端部における流路壁を構成している。
また、図2に示すように、内筒12及び外筒13は、それぞれ、分割ケーシングとなる一対の半円筒体にて構成される。各半円筒体の周方向の両端には、それぞれ、一対のフランジ121、131が設けられ、これら一対のフランジ121、131間にガスケット10を挟んで衝合することにより、一体化される。内筒12のフランジ121の端縁部は、外筒13のフランジ131の衝合部の内側へ延出して位置し、例えば、溶接等により一体的に固定される。これにより、内外筒12、13間に形成される環状空間が、隔壁部となるフランジ121によって2つの半円弧状の空間部S1、S2に区画される。
熱交換媒体流路71となる空間には、周方向の全体に、内筒12と外筒13との間を架け渡すように、複数のリブ14が配置されている。複数のリブ14は、中心軸Cの周りに放射状に配置されて外筒13を支持すると共に、空間内を周方向に複数の流路711に区画し、これら複数の流路711が互いに連通して熱交換媒体流路71を構成している。このとき、熱交換媒体流路71に導入される熱交換媒体は、複数の流路711を流通する間に流路壁を介して磁性体層6と熱交換を行い、ケーシング11の内側で発生した熱を外部に移動することができる。
熱交換部7は、主に、誘導加熱部5の作動に伴う磁性体層6及びケーシング11の温度上昇を抑制するための冷却部として用いられる。これにより、磁性体層6を構成する高透磁率かつ高電気抵抗率の磁性材料を、キュリー温度より低い温度に冷却して、その磁気シールド効果を効果的に発揮させることができる。
なお、熱交換部7は、必ずしも冷却用に限らず、例えば、低温の始動時等に、ケーシング11を介してセラミックス基体2を加温するための加温部として用いることもできる。
図3に示すように、磁性体層6は、その軸方向長Lが、被加熱領域Aの軸方向長Laよりも長くなるように形成され(すなわち、L>La)、誘導加熱部5によって発生する磁束が透過する領域を覆うように配置される。具体的には、導電部材群4が配置される被加熱領域A及びコイル3の外側において、被加熱領域Aとその上流側及び下流側の所定の領域を覆い、ケーシング11への磁束の透過を抑制可能な十分な軸方向長Lを有することが望ましい。ここでは、磁性体層6の上流端は、セラミックス基体2の上流側端面23よりも上流側に位置し、下流端は、セラミックス基体2の下流端面24の近傍に位置して、セラミックス基体2の外周壁22の下流側端部を除くほぼ全体を覆っている。
この磁性体層6の軸方向長Lや配置の詳細と、昇温抑制効果との関係は、後述する。
なお、図示されるように、セラミックス基体2の下流側端面24には、その外周縁部に当接する押えリング部材25が設けられる。上流側端面23にも、図示しない押えリング部材が配設され、これらの間にセラミックス基体2を保持することで、ケーシング11内に位置決めすることができる。
図4に示すように、コイル3を外部へ取り出すためのコイル取出部31、32においても、筒状磁性部材61を設けてケーシング11との間を磁気シールドすることが望ましい。具体的には、コイル取出部31、32は、ケーシング11の内筒12及び外筒13を貫通して取出穴を形成する筒状部33と、筒状部33の内側に配置されるガスシール用のガスケット34を有する。筒状磁性部材61はコイル3の外周面に外接してこれを保持した状態で、ガスケット34の内側に配置される。ガスケット34は、筒状部33と筒状磁性部材61との間に挿通嵌合される筒状体で、その一端側に設けられるフランジ部は、外筒13の外側において、筒状部33の端面に密接して配置される。
筒状磁性部材61は、筒状部33及びガスケット34よりも軸方向長(例えば、図4における上下方向長)が長く、筒状磁性部材61の内筒12側の端面は、筒状部33及びガスケット34位置又はそれよりも内側(例えば、図4における下側)に位置する。また、外筒13側の端面は、筒状部33及びガスケット34の端面位置又はそれよりも外側(例えば、図4における上側)に位置する。
筒状磁性部材61も、磁性体層6と同様に、ケーシング11を構成する金属材料よりも高透磁率かつ高電気抵抗率の磁性材料、例えば、フェライト系の酸化物磁性材料にて構成することができる。筒状部33及びガスケット34は、ステンレス鋼等の金属材料にて構成される。
このように構成すると、磁性体層6よりも外側のケーシング11を貫通してコイル3が取り出されるコイル取出部31、32においても、コイル3とケーシング11との間に筒状磁性部材61が配置されることで、コイル3の周りの磁束が筒状磁性部材61を透過しやすくなる。これにより、コイル取出部31、32の外側のケーシング11又はコイル取出部31、32の金属材料への磁束流れを遮断して、誘導加熱を抑制する効果が高まる。
なお、一般にコイル通電により生じる発熱を抑制するために、図示するようにコイル3を中空管状として、内部を熱交換媒体が流れる熱交換媒体流路とすることができる。また、コイル取出部31、32の径方向の外側において、ケーシング11には熱交換媒体流路71が設けられるので、これら流路を流れる熱交換媒体との熱交換によって、筒状磁性部材61の温度上昇を抑制することができる。
図5に示すように、熱交換部7において、熱交換媒体流路71を構成する複数のリブ14は、それぞれ軸方向Xに延びる細長い板状で、隣り合うリブ14の間に、排気流れと平行な複数の流路711を形成している。複数のリブ14は、軸方向Xに形成される流路711の流路壁となり、排気流れの上流側又は下流側の端部から、他方の端部の近傍まで延びている。すなわち、複数のリブ14は、排気流れの上流側又は下流側の端部が交互に開口して、隣り合う流路711間を連通する開口部15を形成しており、開口部15を介して複数の流路711が互いに連通することにより、一連なりの熱交換媒体流路71が形成される。
熱交換媒体は、例えば、エンジン冷却用の冷却水であり、流路入口部72及び流路出口部73は、冷却水ポンプPを備える循環路に接続されて、その一部を構成することができる。熱交換媒体は、冷却水に限らず、例えば、空気でもよく、冷却水ポンプPの代わりに送風ポンプを配置して、空冷式の熱交換部7とすることもできる。
このとき、熱交換媒体流路71は、内筒12の衝合部においては、複数のリブ14と平行なフランジ121が、隣り合う流路711間を区画している。フランジ121の両端は、ケーシング11の両端に配置される一対のリング状部材74、75に接続している。これにより、内筒12と外筒13の間に形成される空間が、フランジ121によって、2つの空間部S1、S2に区画される。これら2つの空間部S1、S2は半円弧状で(例えば、図2参照)、車両に搭載されたときに底部側となる一方に、流路入口部72が接続され、頂部側となる他方に、流路出口部73に接続されると共に、連通路となる連通溝76によって、互いに連通している。連通溝76は、排気流れの下流側に位置するリング状部材75に設けられ、連通溝76内には、フランジ121の衝合部に当接するカバー部材761が収容されている。
図6に示すように、リング状部材75には、熱交換媒体流路71の流路壁となる表面に、一対の連通溝76が形成される。一対の連通溝76は、一対のフランジ121と対向する位置を挟むように、周方向に所定長で形成される円弧状溝であり、連通溝76内に収容されるカバー部材761は、フランジ121との当接面を支持する一対の脚部762が、周方向に配置されている。これにより、連通溝76内の熱交換媒体の流れを妨げることなく、フランジ121の衝合部からの熱交換媒体の漏れを防止可能としている。
これにより、連通溝76を介して、流路入口部72が接続される底部側の空間部S2の流路711と、流路出口部73が接続される頂部側の空間部S1の流路711とが連通する。流路入口部72からケーシング11内に導入される熱交換媒体は、複数の流路711及び連通溝76からなる熱交換媒体流路71を通過する間に、その内側の磁性体層6と熱交換し、流路出口部73からケーシング11外に導出される。
このように、熱交換媒体流路71をセラミックス基体2の外周側に配置することで、被加熱領域Aの誘導加熱を妨げることなく、磁性体層6の温度上昇を抑制可能となる。また、セラミックス基体2の上流側において排気の熱を奪うこともないので、エンジン始動後には排気の熱を利用して、セラミックス基体2の昇温性能を向上させることができる。
また、2つの空間部S1、S2を連通路にて接続し一連なりの熱交換媒体流路71とすると、それぞれの空間部S1、S2に流路入口部72、流路出口部73を別々に設けて2経路の熱交換流路とする必要がなく、装置構成が簡素化できる。なお、ここでは、排気流れの下流側に位置するリング状部材75に連通溝76を設けているが、熱交換媒体流路71の流路711の構成によっては、上流側に位置するリング状部材74に、連通溝76を設けることもできる。また、連通溝76の構成は図示したものに限らず、2つの空間部S1、S2を連通する連通路が構成されていれば、同様の効果が得られる。
次に、上記構成の排気浄化装置1の作用効果について説明する。
図1において、図示しない制御部から通電指令が出力されると、バッテリ52の直流電力がインバータ回路部51にて交流電力に変換されて、コイル3へ交番電流が流れる。これに伴い、コイル3の周りに発生する磁界によって、コイル3の内側のセラミックス基体2に均等配置される複数の導電部材41が誘導加熱される。
すなわち、図3中に矢印で示すように、棒状の導電部材41の内部を交番磁束が通過することによって、導電部材41の表面に渦電流が流れ、ジュール熱が発生する。これにより複数の導電部材41が保持されるセラミックス基体2の上流側が加熱され、触媒の活性化に適した温度に昇温される。
このとき、排気浄化装置1は、コイル3の外側にも金属材料からなるケーシング11が配置されて、誘導加熱されやすい構成となっていることから、本形態では、ケーシング1に内接させて、所定長の磁性体層6を設けている。磁性体層6は、ケーシング11よりも高透磁率の磁性材料からなるので、導電部材41を透過してコイル3の外側へ向かう磁束は、ケーシング11よりも磁性体層6を流れやすくなる。これにより、装置外壁部を構成するケーシング11よりも内側に磁束の流れが集中し、ケーシング11の誘導加熱が抑制される。また、磁性体層6は、ケーシング11よりも高電気抵抗率の磁性材料からなるので、磁束の透過により生じる渦電流量を抑制して、誘導加熱量を低減できる。そのため、ケーシング11及び磁性体層6における発熱が抑制されて、セラミックス基体2の加熱効率が向上し、触媒活性温度に効率よく昇温させることができる。
(試験例1)
図7の上図に示すように、実施形態1の構成と、磁性体層6を設けない比較形態1の構成について、それぞれ誘導加熱部5により加熱したときのケーシング11及びセラミックス基体2の外周部における温度分布をシミュレーションにより求めた。
コイル3への通電条件は、以下の通りとした。導電部材群4の導電部材41及びケーシング11とは、それぞれ、以下の金属材料にて構成し、磁性体層6は、以下の酸化物磁性材料にて構成した。
交流周波数:160kHz
投入電流:250Arms
導電部材41:SUS430
(透磁率:1.3×10-3H/m;電気抵抗率:60×10-8Ω・m(室温)
ケーシング11:SUS440
(透磁率:1.06×10-3H/m;電気抵抗率:64×10-8Ω・m(室温)
磁性体層6:フェライト
(透磁率:2.6×10-3H/m;電気抵抗率:6Ω・m(室温)
図7の下図に比較して示すように、コイル3の外側にケーシング11の内筒12が露出する比較形態1の構成では、コイル3に近接する内筒12の一部の温度が最も高くなっており、軸方向Xにおいて、コイル3から離れるにつれて温度が低下する。これに比べて、コイル3の内側のセラミックス基体2では、コイル3に近い被加熱領域Aの外周部において、導電部材41の周囲の一部に温度上昇が見られるものの、全体に温度が低くなっている。
一方、実施形態1の構成では、コイル3の外側において内筒12に内接して配置される磁性体層6によって、内筒12の温度上昇が抑制されている。また、磁性体層6の温度上昇は小さく、コイル3の内側では、セラミックス基体2の被加熱領域Aの全体に温度上昇が見られる。このように、磁性体層6が配置されることにより、セラミックス基体2の加熱効率が向上することが確認された。
また、図8に示すように、実施形態1と比較形態1の構成について、コイル3への通電開始からのケーシング温度の時間変化を調べた。ケーシング温度は、被加熱領域Aの外側に位置する内筒12の表面温度とし、通電条件は、以下の通りとした。
投入電力:1.7kW
交流周波数:270kHz(比較形態1)
交流周波数:206kHz(実施形態1)
初期温度:室温(約23℃)
なお、実施形態1と比較形態1の交流周波数の違いは、磁性体層6の有無の影響によるものである。
図8において、比較形態1の構成では、通電開始からケーシング温度が徐々に上昇し、180秒で68℃まで上昇した。これに対して、実施形態1の構成では、ケーシング温度は、180秒経過後もほぼ一定で、室温と同等温度であった。このように、磁性体層6の有無がケーシング温度の上昇に大きく影響しており、磁性体層6を設けることで、ケーシング11の昇温を抑制できることが確認された。
さらに、図9に示すように、実施形態1の構成について、熱交換部7の有無による冷却効果を調べるため、熱交換部7の熱交換媒体流路71に冷却水を流通させた場合(すなわち、冷却水:あり)と、冷却水の流通を停止した場合(すなわち、冷却水:なし)とで、磁性体層6の温度変化を計測した。
計測条件は、以下の通りとした。
投入電力:3.3kW
電源周波数:212kHz
初期温度:室温(20℃)
冷却水温度:20℃
冷却水量:10L/min
図9において、冷却水の流通がない場合には、コイル3への通電開始により、フェライト温度が急上昇しており、200℃付近で一旦収束した後、再び徐々に上昇する。これは、磁性体層6を構成するフェライト温度が200℃付近でキュリー点を超えることにより、磁性体層6の磁気シールド効果が低下するためと推測される。これにより、ケーシング11が誘導加熱され始めると、ケーシング11からの熱が伝わることで、磁性体層6が温度上昇してしまう。
これに対し、冷却水を流通させた場合には、フェライト温度はわずかに上昇して安定する。したがって、セラミックス基体2を加熱する際の目標温度が、磁性体層6を構成する磁性材料のキュリー温度よりも高くなる場合には、熱交換部7を作動させて磁性体層6を冷却することが有効であり、セラミックス基体2の加熱効率を向上させることができる。
(試験例2)
図10に示すように、図11に示す実施形態1の構成において、セラミックス基体2の直径Dに対する磁性体層6の軸方向長Lを変化させたときの、加熱効率への影響を調べた。磁性体層6は、軸方向Xにおける中央部が、コイル3の中央位置(すなわち、被加熱領域Aの中央位置;以下、コイル中央位置と略称する)A1の外側に位置するように配置し、軸方向長Lと直径Dとの比率L/Dを0〜3の範囲で変化させた。加熱効率は、誘導加熱部5への投入電力量のうちセラミックス基体2の加熱熱量として用いられた割合として算出され、投入電力の全量が、セラミックス基体2を加熱するための熱量に変換された場合を100%として、その低下率を、加熱効率低下率とした。
図10の左図において、比率L/D=0は、磁性体層6が配置されない場合であり、磁性体層6を配置した場合には、その比率L/Dが大きくなるにつれて、加熱効率低下率が急減する。例えば、図示するように、比率L/D=0を3以下の範囲で変化させたとき、比率L/D=0.5にて加熱効率低下率は20%まで低下し、誘導加熱部5による加熱エネルギの大半が、セラミックス基体2の加熱に利用されたことがわかる。比率L/D=0.5とは、図11において、磁性体層6の軸方向長Lが、セラミックス基体2の直径Dの1/2、すなわち半径rと同じ長さであることを示し、これより軸方向長Lが長くなることで、投入電力の損失が低減し、加熱効率は向上する。
図10の右図に拡大して示すように、比率L/D=0.75以上の範囲では、加熱効率低下率は5%程度まで低下し、セラミックス基体2の加熱効率がさらに向上する。加熱効率低下率は、比率L/D=1以上においても徐々に低下しているが、比率L/D=1.5を超えるとほぼ0となる。したがって、磁性体層6は、その軸方向長Lが、セラミックス基体2の直径Dの1/2以上(すなわち、L/D≧0.5)、好適には、直径Dの3/4以上(すなわち、L/D≧0.75)の長さとなるように設定することで、セラミックス基体2の加熱効率を向上させる効果が高まる。
図12に示すように、磁性体層6は、比率L/Dが上記範囲を満たすと共に、軸方向Xにおいて、コイル中央位置A1から磁性体層6の端面までの長さLbがセラミックス基体2の半径r以上の長さとなることが望ましい(すなわち、Lb≧D/2)。コイル3と磁性体層6の中央位置は一致している必要はなく、その場合には、長さLbとして、コイル中央位置A1よりも排気上流側の長さLuと、排気下流側の長さLdとが、それぞれ上記所定の関係にあるのがよい(すなわち、Lu≧rかつLd≧r)。好ましくは、長さLuと長さLdが、いずれもセラミックス基体2の半径rよりも長くなるように(すなわち、Lu>rかつLd>r)、配置されるのがよい。
このとき、コイル中央位置A1に対して、中心軸Cの位置にある導電部材41までの距離と、磁性体層6の両端までの距離がほぼ同等となる。つまり、図中に矢印で示すように、磁性体層6を透過する磁束が、中心軸Cの位置にある導電部材41を通って、磁性体層6へ戻る閉ループを形成可能となるので、加熱効率の低下を最小限とすることができる。
図13に示すように、磁性体層6は、少なくとも、被加熱領域Aの軸方向長Laよりも長く形成され、被加熱領域Aの両側に延在するように、その外側を覆っていることが望ましい。図示のように、磁性体層6の軸方向長Lがセラミックス基体2の直径Dより短いときは(すなわち、1>L/D≧0.5)、Lu<rかつLd<rとなるが、磁性体層6の両端側(例えば、図中に円で囲む領域)においてケーシング11へ流れる磁束を一部に留めて、ケーシング11の加熱を抑制する効果を得ることができる。
図14に示すように、磁性体層6の軸方向長Lが、セラミックス基体2の直径Dより長いときは(すなわち、L/D≧1)、Lu<r又はLd<rとなるように配置されていてもよい。このとき、磁性体層6は、ケーシング11へ流れる磁束を、コイル中央位置A1より上流側又は下流側(例えば、図中に円で囲む領域)の一部に留めることができ、ケーシング11の加熱を抑制する効果を向上させることができる。
(実施形態2)
内燃機関の排気浄化装置に係る実施形態2について、図15、図16を参照しながら説明する。
本形態における排気浄化装置1の基本構成は、実施形態1と同様であり、セラミックス基体2の形状と保持構造が異なっている。以下、相違点を中心に説明する。
なお、実施形態2以降において用いた符号のうち、既出の実施形態において用いた符号と同一のものは、特に示さない限り、既出の実施形態におけるものと同様の構成要素等を表す。
上記実施形態1では、セラミックス基体2を、被加熱領域Aとなる縮径部を有する形状としたが、セラミックス基体2は、一定径の円柱状であってもよい。その場合には、図15に示すように、セラミックス基体2は、排ガスGが導入される上流側端面23を含む半部を、被加熱領域Aとして、その内部に導電部材群4となる多数の導電部材41を配置する。そして、被加熱領域Aの外側にコイル3を配置して、誘導加熱部5を構成することができる。
また、ケーシング11とセラミックス基体2との間には、耐熱マット層26が配置されている。耐熱マット層26は、セラミックス基体2の下流側半部において、その外周を取り巻く筒状体であり、例えば、セラミックス材料にて構成することができる。これにより、セラミックス基体2は、耐熱マット層26を介してケーシング11の内側に収容保持される。
本形態においても、セラミックス基体2の外側には、ケーシング11に内接して磁性体層6が設けられる。また、ケーシング11には、コイル3を外部へ取り出すためのコイル取出部31、32が設けられると共に、ケーシング11と一体に熱交換部7が設けられる。図16上図に示すように、コイル取出部31、32には、コイル3の外周を保持する筒状磁性部材61が設けられ、熱交換部7には、ケーシング11の内外筒12、13間に熱交換媒体流路71が設けられる。
ここで、図16下図に筒状磁性部材61によるコイル3の保持構造例を示すように、コイル3としては、例えば、円形の外形を有する中空のコイル素線3Aを採用することができる。その場合には、コイル素線3Aの外側を保持する筒状磁性部材61は、例えば、半円形の凹溝621を有する一対の磁性体片62にて構成され、凹溝621の衝合部に形成される円形穴の内側に、コイル素線3Aを密接させて保持する構成とすることができる。
あるいは、コイル3を、例えば、矩形形状の外形を有する中空のコイル素線3Bを採用することもできる。その場合には、コイル素線3Bの外側を保持する筒状磁性部材61は、例えば、断面コ字形の磁性体片63とI字形の磁性体片64との組み合わせによって構成される。コイル素線3Bは、磁性体片63の矩形凹部631と磁性体片64との衝合部に形成される矩形穴の内側に、密接して保持される。
筒状磁性部材61は、例えば、板状の焼結フェライト材からなる磁性体片62〜64を組み合わせて構成され、全体が矩形の外形を有する。上述したように、コイル3の中空部内には、図示されない熱交換媒体流路が接続されて、コイル通電によるジュール発熱を抑制するために、エンジン冷却水等を流通可能となっている。そのため、コイル3の外周に筒状磁性部材61を密接させることで、磁気シールドとして機能させると共に、温度上昇を抑制する効果が得られる。その場合には、筒状磁性部材61の円形穴内に、円形のコイル素線3Aを保持する構成としてもよいが、コイル素線3Bのように外形を矩形とすると、筒状磁性部材61の矩形穴との接触面積が増加することで、冷却効率が向上可能となる。
(実施形態3)
内燃機関の排気浄化装置に係る実施形態3について、図17、図18を参照しながら説明する。本形態における排気浄化装置1の基本構成は、実施形態1と同様であり、ケーシング11と一体に設けられる熱交換媒体流路71の流路構成が異なっている。以下、相違点を中心に説明する。
図17において、排気浄化装置1には、実施形態1と同様の熱交換部7が設けられ、ケーシング11の内筒12と外筒13との間に、熱交換媒体流路71が形成される。熱交換媒体流路71は、複数のリブ14によって区画される複数の流路711が互いに連通して、一連なりの流路となっている。ケーシング11の内筒12と外筒13とは、それぞれ、両端にフランジ121、131を有する一対の半円筒体にて構成される。
ケーシング11内に形成される熱交換媒体流路71は、隔壁部となるフランジ121によって区画される2つの空間部S1、S2を有している。上記実施形態1では、2つの空間部S1、S2を連通させるために、図示しないリング状部材75に連通溝76を設けたが(例えば、図6参照)、本形態では、径方向Yにおいて、フランジ121、131の外側に、一対の連結部77を設けている。連結部77は、概略コの字断面の容器状で、ケーシング11の外筒13の外側に突出する一対のフランジ121、131を覆うように、例えば、溶接等により固定される。連結部77の内側に位置する外筒13には、連結部77の内側の空間により形成される流路771と、外筒13の内側の熱交換媒体流路71とを連通する一対の連通孔132が、外筒13の壁面を貫通して設けられる。
流路771と一対の連通孔132は、2つの空間部S1、S2を連通させる連通路を構成しており、一対の連通孔132は、フランジ121を挟んで対称位置に設けられる。このような構成によっても、連結部77の内側の空間を介して、フランジ121によって区画される2つの空間部S1、S2が連通し、一連なりの熱交換媒体流路71を形成することができる。
あるいは、図18に変形例を示すように、ケーシング11の内筒12及び外筒13を構成する一対の半円筒体の衝合部において、その一方を他方の外側に重なるように延出し、重なり部78を設けることもできる。その場合には、重なり部78の内側に形成される流路781と、外筒13の内側の熱交換媒体流路71とを連通する連通孔133が、外筒13の壁面を貫通して設けられる。
このような構成によっても、内筒12と外筒13との間に設けられる2つの空間部S1、S2が、連通路となる流路771、連通孔132、133によって互いに連通して、一連なりの熱交換媒体流路71が形成される。また、2つの空間部S1、S2を連通させるために、別部材を設ける必要がないので、簡素な構成で、所望の流路を形成することができる。
本発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の実施形態に適用することが可能である。
例えば、上記実施形態では、ケーシング11及びセラミックス基体2を円形の外形形状とした例を示したが、これに限らず、例えば、楕円形であってもよい。また、セラミックス基体2の通孔21となるセル形状は、一定形状であっても、形状や大きさの異なる複数のセルを組み合わせた形状であってもよい。
また、上記実施形態では、自動車用の排ガス浄化触媒への適用例として説明したが、触媒担持フィルタに適用することもできる。さらに、自動車エンジンに限らず、各種装置からの排ガスを浄化する触媒体等、各種用途に任意に使用することができる。
1 排気浄化装置
2 セラミックス基体
21 通孔
22 外周壁
3 コイル
4 導電部材群
41 導電部材
5 誘導加熱部
6 磁性体層
A 被加熱領域

Claims (10)

  1. 内燃機関の排気通路(EX)の一部をなす金属筒状のケーシング(11)と、
    上記ケーシングに収容され、排気流れ方向を軸方向(X)とする筒状の外周壁(22)の内側に、排気が通過する多数の通孔(21)を有するセラミックス基体(2)と、
    上記外周壁の外側を取り巻くコイル(3)、及び、上記セラミックス基体の被加熱領域(A)となる領域内に配置され、上記軸方向に延びる棒状の導電部材群(4)を有する誘導加熱部(5)と、を備える、内燃機関の排気浄化装置(1)であって、
    上記被加熱領域の外側を取り囲むと共に、上記ケーシングの内周壁に内接して配置され、上記ケーシングよりも高透磁率かつ高電気抵抗率の磁性材料からなる磁性体層(6)を有している、内燃機関の排気浄化装置。
  2. 上記コイルは、上記被加熱領域の外側において、上記外周壁と上記磁性体層との間に収容されており、
    上記軸方向において、上記磁性体層の長さLと、上記被加熱領域の長さLaとは、L>Laの関係にある、請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  3. 上記軸方向において、上記磁性体層の長さLと、上記セラミックス基体の直径Dとは、L≧Dの関係にあり、かつ、上記コイルの中央位置から上記磁性体層の端面までの長さLbと、上記セラミックス基体の直径Dとは、Lb≧D/2の関係にある、請求項1又は2に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  4. 上記コイルを上記ケーシングの外部に取り出すためのコイル取出部(31、32)を、さらに備えており、
    上記コイル取出部は、上記ケーシングを貫通して配置される筒状部(33)と、上記筒状部の内側において、上記コイルの外周を保持すると共に、上記ケーシングよりも高透磁率かつ高電気抵抗率の磁性材料からなる筒状磁性部材(61)と、を有している、請求項1〜3のいずれか1項に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  5. 上記コイルは、円形又は矩形形状の外形を有し、上記筒状磁性部材に設けられ、上記コイルの外形形状に沿う円形穴又は矩形穴の内側に密接保持される、請求項4に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  6. 上記磁性体層は、酸化物磁性材料を含む焼結体からなり、
    上記ケーシングは、円弧状の複数の分割ケーシング(11A、11B)からなると共に、複数の上記分割ケーシングが衝合された衝合部の内側に、上記磁性体層が密接保持される、請求項1〜5のいずれか1項に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  7. 上記ケーシングと一体に設けられ、上記ケーシングの内側で発生した熱を外部に移動する熱交換部(7)を、さらに備える、請求項1〜6のいずれか1項に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  8. 上記ケーシングは内筒(12)と外筒(13)とを有する二重筒状であり、上記熱交換部は、上記内筒と上記外筒との間に設けられる熱交換媒体流路(71)を備えている、請求項7に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  9. 上記内筒と上記外筒との間に形成される空間は、隔壁部(121、131)によって、周方向に複数の空間部(S1、S2)に区画されており、複数の上記空間部が連通路(76、771、132、133)を介して互いに連通して、上記熱交換媒体流路を形成している、請求項8に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  10. 上記連通路は、上記軸方向において上記ケーシングの端部に配置されて上記熱交換媒体流路の流路壁となる流路形成部材(74、75)に設けられ、複数の上記空間部を接続する連通溝(76)、又は、上記隔壁部の外側に配置される連結部(77)の内部に形成される流路(771)及び上記流路に面する上記ケーシングに設けられ上記流路を介して複数の上記空間部を接続する連通孔(132)、又は、上記隔壁部の外側に設けられる上記内筒と上記外筒との重なり部(78)に形成されて、複数の上記空間部を接続する連通孔(133)からなる、請求項9に記載の内燃機関の排気浄化装置。
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