JP2019173600A - 内燃機関の排気浄化装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ガス流れの下流側においても、セル間を区画するセル壁を透過してガスが流通可能であり、粒子状物質の捕集性能を向上できるハニカム構造体を提供すること。【解決手段】内燃機関の排気通路EXに設けられる排気浄化装置1は、排気流れ方向Xを中心軸Cの方向とする筒状の外周壁22の内側に、排気が通過する多数の通孔21を有するセラミックス基体2と、誘導加熱部5とを備える。誘導加熱部5は、外周壁22の外側を取り巻くコイル3と、セラミックス基体2の内部に配置され、中心軸Cの方向に延びる棒状の導電部材群4とを備え、導電部材群4は、外周領域51に配置される導電部材41Aを通過する磁気回路の磁気抵抗が相対的に高く、中央領域52に配置される導電部材42Aを通過する磁気回路の磁気抵抗が相対的に低い。【選択図】図1

Description

本発明は、内燃機関の排気通路に設置される排気浄化装置に関する。
自動車等の排気管に設置される排気浄化触媒や触媒担持フィルタは、排気の導入により発生する触媒反応熱を利用して昇温を図っている。一方、今後予想される厳しい排気規制を満足させるためには、排気管に排気が排出される時点までに、排気浄化触媒や触媒担持フィルタを構成するセラミックス基体の全体が、触媒活性温度以上に昇温されていることが望ましい。ところが、触媒反応熱を利用する従来の加熱方式では、排気が流れて来なければ加熱できないことから、触媒反応熱を利用しない加熱方式への転換が必要となっている。
特許文献1には、複数の穴が設けられるセラミックス製のフィルタと、複数の穴の一部に入れられた金属棒と、フィルタの周囲に設置された複数のコイルを有する排気浄化装置が開示されている。フィルタには触媒が付着しており、コイルに交流電流を流すことにより、金属棒を誘導加熱することで、排気に依存することなく、フィルタの温度を触媒の活性化温度以上に加熱可能としている。
特開2016−145533号公報
特許文献1に記載される排気浄化装置は、排気の流通量が少なく、触媒反応熱では昇温されにくいセラミックス基体の外周部に金属棒を設けている。これは、セラミックス基体の外周部の昇温を、誘導加熱によりアシストして、排気の流通量が多いセラミックス基体の中央部との温度の均一化を図るためである。しかしながら、この構成において、排気が排出されるより前に、金属棒を誘導加熱すると、金属棒が配置されているセラミックス基体の外周部のみが加熱され、中央部を昇温させることができない。
そこで、例えば、セラミックス基体の中央部にも金属棒を配置することが考えられるが、誘導加熱では、コイルに近いほど金属棒が加熱されやすく、コイルからの距離が遠くなるセラミックス基体の中央部が加熱されにくい特性がある。そのために、セラミックス基体の温度が不均一になりやすく、中央部と外周部との温度差が大きくなることでヒビやワレにつながるおそれがあった。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、誘導加熱を利用して、セラミックス基体を早期に加熱することができ、しかもセラミックス基体の内部に温度勾配が生じるのを抑制して、セラミックス基体の全体をより均一に加熱することができる排気浄化装置を提供しようとするものである。
本発明の一態様は、
内燃機関の排気通路(EX)に設けられ、排気流れ方向を中心軸(C)の方向(X)とする筒状の外周壁(22)の内側に、排気が通過する多数の通孔(21)を有するセラミックス基体(2)と、
上記外周壁の外側を取り巻くコイル(3)、及び、上記セラミックス基体の内部に配置され、上記中心軸の方向に延びる棒状の導電部材群(4)を有する誘導加熱部(5)と、を備えており、
上記導電部材群は、上記外周壁に接する外周領域(51)に配置される複数の第1導電部材(41A〜41C)と、上記外周領域の内側に位置し上記中心軸を含む中央領域(52)に配置される複数の第2導電部材(42A)とを含んで構成されており、かつ、上記第1導電部材を通過する磁気回路の磁気抵抗が相対的に高く、上記第2導電部材を通過する磁気回路の磁気抵抗が相対的に低い、内燃機関の排気浄化装置(1)にある。
本発明の他の態様は、
内燃機関の排気通路(EX)に設けられ、排気流れ方向を中心軸(C)の方向(X)とする筒状の外周壁(22)の内側に、排気が通過する多数の通孔(21)を有するセラミックス基体(2)と、
上記外周壁の外側を取り巻くコイル(3)、及び、上記セラミックス基体の内部に配置され、上記中心軸の方向に延びる棒状の導電部材群(4)を有する誘導加熱部(5)と、を備えており、
上記導電部材群は、上記外周壁に接する外周領域(51)に配置される複数の第1導電部材(41C)と、上記外周領域の内側に位置し上記中心軸を含む中央領域(52)に配置される複数の第2導電部材(42A)とを含んで構成されており、かつ、上記外周領域に配置される上記第1導電部材の単位角度当たりの数密度が相対的に小さく、上記中央領域に配置される上記第2導電部材の単位角度当たりの数密度が相対的に大きい、内燃機関の排気浄化装置(1)にある。
上記一態様の構成の排気浄化装置において、誘導加熱部のコイルに交番電流が流れると、導電部材群に誘導電流が発生し、自己発熱により加熱される。このとき、一般には、コイルからの距離が近い導電部材ほど、透過する磁束密度が高くなり、誘導加熱量は増加する。そこで、導電部材群のうち、コイルからの距離が近い外周領域では、磁気回路の磁気抵抗を相対的に高くすることで、第1導電部材へ磁束が流れにくくなる。また、コイルからの距離が遠い中央領域では、磁気回路の磁気抵抗を相対的に低くすることで、第2導電部材へ磁束が流れやすくなる。
すなわち、外周領域の第1導電部材を透過する磁束密度が低くなり、中央領域の第2導電部材を透過する磁束密度が高くなることで、磁束密度の差が小さくなり、セラミックス基体の全体に磁束がより均等に流れる。その結果、外周領域の誘導加熱量と中央領域の誘導加熱量とが同等となり、導電部材群により加熱されるセラミックス基体の温度をより均一にして加熱ムラを低減し、温度差によるヒビや割れの発生を抑制することが可能になる。
また、上記他の態様の構成の排気浄化装置では、外周領域に配置される第1導電部材の数密度を小さくして、誘導加熱量を低減する一方、中央領域に配置される第2導電部材の数密度を大きくして、誘導加熱量を増加することができる。この場合にも、導電部材群により加熱されるセラミックス基体の温度をより均一にして加熱ムラを低減し、温度差によるヒビや割れの発生を抑制することが可能になる。
以上のごとく、上記態様によれば、誘導加熱を利用して、セラミックス基体を早期に加熱することができ、しかもセラミックス基体の内部に温度勾配が生じるのを抑制して、セラミックス基体の全体をより均一に加熱することができる排気浄化装置を提供することができる。
なお、特許請求の範囲及び課題を解決する手段に記載した括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであり、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
実施形態1における、排気浄化装置の全体構成を示す軸方向断面図。 実施形態1における、排気浄化装置の主要部構成を示す径方向断面図で、図1のA−A断面図。 実施形態1における、セラミックス基体の部分拡大断面図で図2のIII部拡大図。 実施形態1における、セラミックス基体による導電部材の保持構造の他の例を示す部分拡大断面図。 実施形態1における、排気浄化装置のセラミックス基体を通過する磁束密度分布を説明するための軸方向断面図。 比較形態1における、排気浄化装置のセラミックス基体を通過する磁束密度分布を説明するための軸方向断面図。 試験例1において、実施形態1と比較形態1のセラミックス基体における磁束密度分布を比較して示す軸方向断面図。 試験例1における、セラミックス基体のコイルからの距離と磁束密度との関係を示す図。 試験例1における、セラミックス基体の端面の磁束測定位置と磁束密度との関係を示す図。 試験例1における、セラミックス基体の端面の温度測定位置と温度との関係を示す図。 実施形態2における、排気浄化装置の主要部構成を示す軸方向断面図。 実施形態3における、排気浄化装置の主要部構成を示す軸方向断面図。 実施形態3における、誘導加熱部を構成する第1導電部材の構成を示す拡大図。 実施形態4における、排気浄化装置の主要部構成を示す軸方向断面図。 実施形態5における、排気浄化装置の主要部構成を示す軸方向断面図。 実施形態6における、排気浄化装置の全体構成を示す軸方向断面図。 実施形態6における、排気浄化装置の主要部構成を示す径方向断面図で、図16のA−A断面図。 実施形態7における、排気浄化装置の全体構成を示す軸方向断面図。 実施形態7における、排気浄化装置の主要部構成を示す径方向断面図で、図18のA−A断面図。 実施形態8における、排気浄化装置を構成するセラミックス基体の断面図。 試験例2において、実施形態7、8と実施形態7の基準となるセラミックス基体の構成における温度分布を比較して示す部分断面図。 試験例2における、実施形態7、8と実施形態7の基準となるセラミックス基体の内部の温度差を比較して示す柱状グラフ図。 試験例3において、排気流れ方向における誘導加熱部の配置とセラミックス基体の温度分布の関係を比較して示す図。 試験例3における、誘導加熱部を構成するコイルのセラミックス基体に対する配置例を示す図。 試験例3における、セラミックス基体の端面からのコイルの距離とコイル直径との比率h/Dcと、温度差の改善率と温度低下率との関係を示す図。 試験例3における、比率h/Dcと、セラミックス基体の温度差又は最大温度との関係を示す図。 試験例3における、比率h/Dcと、温度差の改善率と温度低下率との関係を示す図。 試験例3における、比率h/Dcと、コイルとセラミックス基体の中心部又は最外周部との距離の差L−lとの関係を示す図。
(実施形態1)
内燃機関の排気浄化装置に係る実施形態1について、図面を参照しながら説明する。
図1、図2に示すように、排気浄化装置1は、内燃機関の排気通路である排気管EXに設けられるセラミックス基体2と、セラミックス基体2を加熱する誘導加熱部5と、を備えている。セラミックス基体2は、排気流れ方向を中心軸Cの方向(以下、軸方向X)とする筒状の外周壁22の内側に、排気が通過する多数の通孔21を有する。セラミックス基体2の中心軸Cを通り軸方向Xと直交する方向を、以降、径方向Yとする。図2には、誘導加熱部5が配置される排気流れの上流側における径方向Yの断面を示している。
誘導加熱部5は、セラミックス基体2の外周壁22の外側を取り巻くコイル3と、セラミックス基体2の内部に配置され、軸方向Xに延びる棒状の導電部材群4を有する。導電部材群4は、中心軸Cの周りの領域のうち、外周壁22側の外周領域51に配置される複数の第1導電部材41Aと、中心軸C側の中央領域52に配置される複数の第2導電部材42Aとを含んで構成されており、かつ、第1導電部材41Aを通過する磁気回路の磁気抵抗が相対的に高く、第2導電部材42Aを通過する磁気回路の磁気抵抗が相対的に低くなっている。
セラミックス基体2は、触媒を担持させるための触媒担体として用いられ、多数の通孔21の表面には、図示しない触媒層が形成される。このとき、誘導加熱部5は、排気管EXに排気が流入するより前に、誘導加熱によって導電部材群4を発熱させて、セラミックス基体2を触媒活性温度以上に昇温させることができる。導電部材群4のうち、外周領域51に配置される第1導電部材41Aは、第1導電部材群41を構成し、中央領域52に配置される第2導電部材42Aは第2導電部材群42を構成する。
ここで、導電部材群4は、例えば、その全部を基準となる導電部材43A(例えば、図6参照)で構成したときの、基準位置にある導電部材43Aを通過する磁気回路の磁気抵抗に対して、第1導電部材41Aを通過する磁気回路の磁気抵抗がより高くなるように構成される。また、第2導電部材42Aを通過する磁気回路の磁気抵抗は、基準位置にある導電部材43Aを通過する磁気回路の磁気抵抗と同じか、より低くなるように構成される。このとき、第1導電部材41Aを通過する磁気回路の磁気抵抗は、第2導電部材42Aを通過する磁気回路の磁気抵抗よりも高い。基準位置は、例えば、径方向Yにおいて、導電部材43Aを透過する磁束密度の最大値maxと最小値minとの平均値となる位置(例えば、図8参照)とし、その外側を外周領域51、内側を中央領域52とすることができる。
以下、排気浄化装置1の詳細構成を説明する。
本形態において、内燃機関は、例えば、図示しない自動車用エンジンであり、エンジンから排気管EXに排出される排気を浄化するために、排気浄化装置1が設けられる。図1、図2において、浄化装置1は、排気管EXの一部となる拡径された円筒状の管壁11を装置外壁部とし、その内側に、円柱状のセラミックス基体2を収容保持している。
セラミックス基体2は、例えば、コーディエライト等のセラミックス材料にて構成することができる。
セラミックス基体2は、両端が開口する円筒状の外周壁22と、その内側に位置する区画壁23とが一体となった、セラミックスハニカム構造体として構成される。ここでは、例えば、図3に示すように、区画壁23によって、断面多角形(例えば、六角形)の多数のセル25が区画形成されており、多数のセル25により多数の通孔21が形成される。多数の通孔21は、軸方向Xの一端側から他端側へ延びる、互いに平行な貫通孔である。
図1中に矢印で示すように、排気管EX内には、その軸方向X(例えば、図1の左右方向)に排気が流れ、同軸的に配置されるセラミックス基体2の上流側の端面(例えば、図1の左端側の端面)24から、多数の通孔21に流入する。排気は、多数の通孔21内を、セラミックス基体2の下流側(例えば、図1の右端側)へ向けて流れ、その間に、通孔21の表面に形成される触媒層と接触して浄化される。
誘導加熱部5は、セラミックス基体2の上流側の端部(例えば、図1の左端部)に配置される導電部材群4と、径方向Yにおいて、その外側に配置されるコイル3と、コイル3を収容保持するコイル収容部31と、によって構成される。セラミックス基体2が収容される管壁11の外側には、導電部材群4が配置される上流側の端部を取り囲むように、円筒状のコイル収容部31が取り付けられている。コイル3は、コイル収容部31と管壁11との間に形成される円環状の中空部内に収容されて、導電部材群4の外側を円環状に取り巻いている。ここでは、例えば、2回巻きのコイル3を例示しているが、その巻き数は、特に限定されるものではなく、適宜変更することができる。
コイル収容部31の外側壁には、コイル3に接続される一対の通電用端子32、33が設けられる。一対の通電用端子32、33は、排気管EXの外部に設けられるインバータ回路部6に接続されて、コイル3に交流電力を供給する。インバータ回路部6は、例えば、複数のスイッチング素子等を内蔵して、バッテリ61から入力される直流電力を交流電力に変換して出力する。バッテリ61は、例えば、車載バッテリである。
導電部材群4は、外周領域51に配置される第1導電部材群41と、中央領域52に配置される第2導電部材群42からなる。これら第1導電部材群41、第2導電部材群42は、それぞれ、セラミックス基体2の中心軸Cの周りに、第1導電部材41A、第2導電部材42Aが多重に配置されて構成される。
本形態では、第1導電部材41Aは、セラミックス基体2の中心軸Cを中心として、同心状に配置される2つの仮想円51A、51Bに沿って、二重円状に配置されている。また、第2導電部材42Aは、セラミックス基体2の中心軸Cを中心として、同心状に配置される2つの仮想円52A、52Bに沿って、二重円状に配置されている。
このとき、外周領域51において、第1導電部材群41は、第1導電部材41Aを通過する磁気回路の磁気抵抗が相対的に高くなるように、第1導電部材41Aの形状や配置が工夫されている。また、中央領域52において、第1導電部材群42は、第2導電部材42Aを通過する磁気回路の磁気抵抗が相対的に低くなるように、第1導電部材群42の形状や配置が工夫されている。具体的には、第1導電部材41Aは、その軸方向長が、第2導電部材42Aの軸方向長よりも短くなるように構成される。ここでは、例えば、導電部材41Aの軸方向長は、導電部材42Aの1/2程度となっている。
第1導電部材41Aと第2導電部材42Aとは、略同等の直径を有する一定径の棒状体にて構成されており、軸方向長のみが異なっている。軸方向Xにおいて、第1導電部材41A及び第2導電部材42Aの上流端部は、セラミックス基体2の上流側の端面24の近傍に位置し、第1導電部材41Aの下流端部は、第2導電部材42Aの下流端部よりも上流側に位置する。
また、径方向Yにおいて、第1導電部材41A及び第2導電部材42Aは、中心軸Cの周りに放射状に配置される。すなわち、仮想円51A、51B、52A、52B上において、第1導電部材41A及び第2導電部材42Aは、それぞれ周方向に等角度間隔で配置され、中心軸Cを通り放射状に広がる複数の直線上に並んで位置している。
第2導電部材群42の外側の仮想円52B上の第2導電部材42Aの数と、第1導電部材群41の2つの仮想円51A、51B上の第1導電部材41Aの数は、同数であり、単位角度当たりの数密度は一定である。なお、ここでは、第2導電部材群42の内側の仮想円52A上の第2導電部材42Aの数は、外側の仮想円52B上の第2導電部材42Aより少ない数となっており、単位角度当たりの数密度はより小さい。これは、第2導電部材群42が中心軸Cに比較的近い位置にあるからで、内側の仮想円52Aの径をより大きくして、第2導電部材42Aをより多く配置し、数密度を全体で一定とすることもできる。
第1導電部材41A及び第2導電部材42Aは、例えば、セラミックス基体2の通孔21内に保持される。例えば、図3に示すように、第1導電部材41Aの径が、通孔21を形成するセル24の外径以下であるときは、通孔21を拡径して、その内側に第1導電部材41Aを圧入保持することができる。また、図4に示すように、第1導電部材41Aの径が、通孔21を形成するセル24の外径より大きいときは、例えば、複数のセル24を形成する区画壁23に穴あけ加工して、第1導電部材41Aを挿通保持させることができる。その場合は、第1導電部材41Aの周囲の通孔21に、例えば、セラミックス用接着剤26等を充填して第1導電部材41Aを固定することが望ましい。
図3、図4には、第1導電部材41Aが保持された部位を示しているが、第2導電部材42Aについても同様とすることができる。
第1導電部材41A及び第2導電部材42Aは、例えば、同材質の導電性金属材料からなる。好適には、ステンレス鋼等の磁性金属材料にて構成されるのがよく、誘導加熱による加熱効率をより高めることができる。第1導電部材41Aと第2導電部材42Aを異なる材質とすることもできる。
次に、上記構成の排気浄化装置1の作用効果について説明する。
図1において、図示しない制御部から通電指令が出力されると、バッテリ61の直流電力がインバータ回路部6にて交流電力に変換されて、コイル3へ交番電流が流れる。これに伴い、コイル3の周りに発生する磁界によって、コイル3の内側に配置される第1導電部材41A及び第2導電部材42Aが誘導加熱される。すなわち、交番磁束が通過することによって、第1導電部材41A及び第2導電部材42Aの表面に渦電流が流れ、ジュール熱が発生する。
このとき、図5に示すように、第1導電部材41Aの軸方向長を、第2導電部材42Aよりも短くすることで、第1導電部材41A及び第2導電部材42Aを透過する磁束密度を調整し、発生するジュール熱を調整することができる。図6に比較形態1として示すように、第2導電部材42Aと同一長の導電部材43Aを全体に配置して、導電部材群43とした場合には、コイル3からの距離が近い外周側ほど、透過する磁束密度が高くなるために(例えば、図中に実線矢印で示す)、誘導加熱量は増加する。つまり、コイル3からの距離が近い外周領域51で、発熱量が大きくなり、コイル3からの距離が遠い中央領域52で、発熱量が小さくなって、セラミックス基体2を均等に加熱することができない。
そこで、外周領域51と中央領域52の発熱量を調整するために、第1導電部材41Aの軸方向長をより短くする。これにより、第2導電部材42Aの軸方向長との差に相当する長さ分が、導電金属材料から空気層に変わり、磁束が流れにくくなる。そのため、比較形態1の導電部材43Aに比べて、外周領域51の第1導電部材41Aを透過する磁束密度が低くなり(例えば、図5中に点線矢印で示す)、その低下分の磁束が中央領域52へ流れることになって、第2導電部材42Aを透過する磁束密度が増加する(例えば、図5中に実線矢印で示す)。なお、第1導電部材41A及び第2導電部材42Aを透過する磁束の流れ方向は、排気の流れ方向と同方向となっている。
このように、本形態では、金属の方が空気よりも透磁率が大きく磁束が流れやすい(すなわち、磁気抵抗が小さい)性質を利用し、磁束密度が高い導電部材43Aに代えて、軸方向長の短い第1導電部材4Aを配置することで磁気抵抗を大きくする。これにより、第1導電部材群41に磁束が流れにくくなる。その結果、セラミックス基体2の全体に磁束がより均一に流れ、外周領域51と中央領域52の発熱量の差が小さくなって、全体を均等に加熱することが可能になる。
(試験例1)
図7に示すように、実施形態1と比較形態1の構成について、誘導加熱部5により加熱されたセラミックス基体2の磁束密度分布をそれぞれシミュレーションにより求めた。コイル3への通電条件は、以下の通りとした。第1導電部材群41、第2導電部材群42、導電部材群43は、以下に示す同材質の導電金属材料からなる棒状導電部材とした。
通電条件:周波数170kHz
通電量:250Arms
導電金属材料:SUS430(透磁率:1.3×10-3H/m)
図7において、導電部材43Aは、四重円状に配置された導電部材43Aの径方向の位置(右図参照)は、二重円状に配置された第1導電部材41A、第2導電部材42Aの径方向の位置(左図参照)に対応させた。このとき、コイル3から近い順に、コイル3からの距離a、b、c、dとした。また、第1導電部材41Aの軸方向長と、第2導電部材42Aの軸方向長との差を、差分e(左図参照)とした。
このとき、比較形態1の導電部材群43のように、同一長の導電部材43Aを配置した場合には、中央領域52の導電部材43Aよりも、外周領域51の導電部材43Aの磁束密度分布が高く、コイル3に近い外周側ほど磁束密度が高くなっている。これに対して、実施形態1の導電部材群43のように、外周領域51の第1導電部材41Aを短くした場合には、最外周の第1導電部材41Aにおいても、中央領域52の第2導電部材42Aとの磁束密度の差がほとんどなく、全体に均一な磁束密度分布となっている。
この効果を得るには、例えば、図8に示すように、比較形態1の導電部材群43の磁束密度と、コイル3からの距離a、b、c、dの関係を用いて、外周領域51と中央領域52とを区画するのがよい。図8において、コイル3からの距離a、b、c、dが短いほど、導電部材43Aの磁束密度が高くなっており、磁束密度の最大値maxと最小値minとの平均値となる位置は、距離bと距離cの間の距離b寄りにある。そこで、この平均値となる距離を境界として、これよりもコイル3に近い側を第1導電部材群41とし、コイル3から遠い側を第2導電部材群42とすることができる。
このとき、第2導電部材群42となる位置、例えば、距離c、dに対応する位置に配置される第2導電部材42Aの軸方向長は、比較形態1の導電部材43Aと同じであり、第1導電部材群41となる位置、例えば、距離a、bに対応する位置に配置される第1導電部材41Aの軸方向長は、第2導電部材42Aよりも、差分eだけ、短く設定される。その場合、差分eは、導電部材群4を構成する金属の比透磁率をμs(例えば、金属の場合≒100)としたとき、以下の式に基づいて設定するとよい。
e=2(d−a)/μs
このように外周領域51と中央領域52とを適切に区画し、第1導電部材群41と第2導電部材群42の軸方向長を適切に設定することで、図9に示すように、磁束密度の調整が可能となる。すなわち、最外周の磁束測定位置M2にある第1導電部材41Aの磁束密度を、同位置にある比較形態1の導電部材43Aよりも低くし、最内周の磁束測定位置M1にある第2導電部材42Aの磁束密度を、同位置にある比較形態1の導電部材43Aよりも高くして、全体をより均一にすることが可能になる。
そして、図10に示すように、外周領域51の温度測定位置T5〜T7における測定温度を、比較形態1よりも低くし、中央領域52の温度測定位置T1〜T4における測定温度を、比較形態1よりも高くして、全体をより均一にすることが可能になる。
なお、外周領域51の温度測定位置T1は、中心軸Cの位置であり、T2〜T7は、中心軸Cの位置から、それぞれ5mm、10mm、15mm、20mm、25mm、30mmとした。
(実施形態2)
内燃機関の排気浄化装置に係る実施形態2について、図11を参照しながら説明する。
本形態における排気浄化装置1の基本構成は、実施形態1と同様であり、セラミックス基体2を加熱する誘導加熱部5における第1導電部材41Aの形状が異なっている。以下、相違点を中心に説明する。
なお、実施形態2以降において用いた符号のうち、既出の実施形態において用いた符号と同一のものは、特に示さない限り、既出の実施形態におけるものと同様の構成要素等を表す。
図11において、誘導加熱部5は、コイル3と、コイル3の内側に配置される導電部材群4を有している。導電部材群4は、外周領域51に配置される第1導電部材群41と、中央領域52に配置される第2導電部材群42からなり、第1導電部材群41を形成する第1導電部材41Aは、2つの分割片411、412からなる。2つの分割片411、412は、同軸上に間隔をおいて配置されており、軸方向Xにおける合計長は、第2導電部材42Aの軸方向長よりも短くなっている。
本形態の第1導電部材41Aの形状によっても、2つの分割片411、412の間に空気層が配置されることで、第1導電部材群41を透過する磁束量をより低下させ、第2導電部材群42を透過する磁束量をより増加させることができる。その結果、セラミックス基体2の全体に磁束がより均一に流れ、外周領域51と中央領域52の発熱量の差が小さくなって、全体を均等に加熱することが可能になる。
(実施形態3)
内燃機関の排気浄化装置に係る実施形態3について、図12、図13を参照しながら説明する。
本形態における排気浄化装置1の基本構成は、実施形態1と同様であり、セラミックス基体2を加熱する誘導加熱部5における第1導電部材41Aの形状が異なっている。以下、相違点を中心に説明する。
図12において、誘導加熱部5は、コイル3と、コイル3の内側に配置される導電部材群4を有している。導電部材群4は、外周領域51に配置される第1導電部材群41と、中央領域52に配置される第2導電部材群42からなる。図13に示すように、第1導電部材群41を形成する棒状の第1導電部材41Aは、軸方向Xにおける中間部の一部を、他の部分よりも直径が小さくなるように形成された小径部413としている。
コイル3によって導電部材群4に発生する磁束は、ある一定の磁束密度(すなわち、飽和磁束密度)に達すると、それ以上の磁束を透過させられずに飽和する性質がある。一般に、磁束が透過する磁路断面積が小さいほど飽和しやすくなるので、本形態では、この性質を利用し、第1導電部材41Aの一部を細径化させた小径部413とする。このとき、最小断面積414となる小径部413において、磁束密度を飽和させることで、第1導電部材群41を透過する磁束量が低下する。
このようにしても、第1導電部材群41を透過する磁束量をより低下させ、第2導電部材群42を透過する磁束量をより増加させることができる。その結果、セラミックス基体2の全体に磁束がより均一に流れ、外周領域51と中央領域52の発熱量の差が小さくなって、全体を均等に加熱することが可能になる。
(実施形態4)
内燃機関の排気浄化装置に係る実施形態4について、図14を参照しながら説明する。
本形態における排気浄化装置1の基本構成は、実施形態1と同様であり、セラミックス基体2を加熱する誘導加熱部5における第1導電部材41Aの形状が異なっている。以下、相違点を中心に説明する。
図14において、誘導加熱部5は、コイル3と、コイル3の内側に配置される導電部材群4を有している。導電部材群4は、外周領域51に配置される第1導電部材群41と、中央領域52に配置される第2導電部材群42からなる。
上記実施形態1では、第1導電部材群41、第2導電部材群42を、それぞれ同一形状の第1導電部材41A、第2導電部材42Aにて構成したが、本形態では、第1導電部材群41を、軸方向長の異なる棒状の第1導電部材41A、第1導電部材41Bにて構成する。また、第2導電部材群42を、軸方向長の異なる棒状の第2導電部材42A、第2導電部材42Bにて構成している。
第1導電部材群41において、例えば、外側に位置する第1導電部材41Aの軸方向長は、内側に位置する第1導電部材41Bの軸方向長よりも短く、第2導電部材群42において、例えば、内側に位置する第2導電部材42Aの軸方向長は、外側に位置する第2導電部材41Bの軸方向長よりも長い。第1導電部材41Bの軸方向長は、第2導電部材41Bの軸方向長よりも短い。すなわち、径方向Yにおいて、導電部材群4は、中心軸Cに近い最内周の第2導電部材41Aから、外周壁22に近い最外周の第1導電部材41Aに向けて、軸方向長が徐々に短くなるように配置されている。
このように、第1導電部材群41と第2導電部材群42の軸方向長を一律に設定せず、外周壁22に近いほど軸方向長が短くなるように、又は、中心軸Cに近いほど軸方向長が長くなるように、導電部材群41を構成することもできる。これにより、径方向Yにおいて、導電部材群41を透過する磁束密度をより均一にすることができる。
その結果、セラミックス基体2の全体に磁束がより均一に流れ、外周領域51と中央領域52の発熱量の差が小さくなって、全体を均等に加熱することが可能になる。
(実施形態5)
内燃機関の排気浄化装置に係る実施形態5について、図15を参照しながら説明する。
本形態における排気浄化装置1の基本構成は、実施形態1と同様であり、セラミックス基体2を加熱する誘導加熱部5における第1導電部材41Aの配置が異なっている。以下、相違点を中心に説明する。
図15において、誘導加熱部5は、コイル3と、コイル3の内側に配置される導電部材群4を有している。導電部材群4は、外周領域51に配置される第1導電部材群41と、中央領域52に配置される第2導電部材群42からなる。
上記実施形態1では、第1導電部材群41、第2導電部材群42を、軸方向長の異なる第1導電部材41A、第2導電部材42Aにて構成し、その全部を、上流端の位置を揃えてコイル3の内側に配置したが、必ずしもその必要はない。本形態では、例えば、第1導電部材群41を構成する棒状の第1導電部材41Cを、第2導電部材42Aと同じ径と軸方向長を有する同一形状に形成する。また、第1導電部材41Cは、導電部材群4を通る磁束の流れ方向に対して、下流側にずらして配置される。ここでは、軸方向Xにおいて、例えば、第1導電部材41Cの軸方向長の1/2程度が、コイル3の内側の空間に位置し、軸方向長の1/2程度は、コイル3の内側の空間よりも下流に位置する。
このように、第1導電部材群41と第2導電部材群42とを、異なる軸方向長とする代わりに、同一長としてその配置をずらすこともできる。このとき、外周領域51の第1導電部材群41では、第1導電部材41Cの上流側に空気層が形成され、第1導電部材41Cまでの距離が遠くなることによって、磁束が第1導電部材41Cを透過しにくくなる。これにより、コイル3に近い側を透過する磁束密度を低下させ、導電部材群41の全体として、透過する磁束量をより均一にすることができる。
その結果、セラミックス基体2の全体に磁束がより均一に流れ、外周領域51と中央領域52の発熱量の差が小さくなって、全体を均等に加熱することが可能になる。
(実施形態6)
内燃機関の排気浄化装置に係る実施形態6について、図16、図17を参照しながら説明する。
図16において、本形態における排気浄化装置1の基本構成は、実施形態1と同様であり、セラミックス基体2を加熱する誘導加熱部5における第1導電部材41A、第2導電部材42Aの配置が異なっている。誘導加熱部5のコイル3には、一対の通電用端子32、33を介して、インバータ回路部6、バッテリ61が接続されている。以下、相違点を中心に説明する。
図17に示すように、第1導電部材群41を形成する第1導電部材41A、第2導電部材群42を形成する第2導電部材42Aは、中心軸C周りに放射曲線状に配置される。
上記実施形態1では、第1導電部材41A、第2導電部材42Aは、径方向Yにおいて、中心軸C周りに放射状に広がる複数の直線上に配置したが、直線上に並んでいる必要はなく、直線からずれて配置されていてもよい。本形態では、例えば、第1導電部材41A、第2導電部材42Aが、中心軸Cから概略渦状腕形状に延びる複数の曲線上に並ぶように、中心軸C周りに配置されている。
図示は省略するが、実施形態1と同様に、第1導電部材群41を形成する第1導電部材41Aの軸方向長は、第2導電部材群42を形成する第2導電部材42Aの軸方向長よりも短くなっている。また、第1導電部材群41は、2つの仮想円51A、51B上に二重円状に配置され、第2導電部材群42は、中心軸Cの位置と、その周りを同心状に囲む2つの仮想円52A、52B上に二重円状に配置されている。中心軸Cの外側において、単位角度当たりの数密度は、第1導電部材群41、第2導電部材群42で同等となっている。
このようにしても、第1導電部材群41を透過する磁束量をより低下させ、第2導電部材群42を透過する磁束量をより増加させることができる。また、第1導電部材群41、第2導電部材群42が、放射曲線状に配置されることで、導電部材41A、第2導電部材42Aが、径方向Yにおいて重ならない。すなわち、特定の角度方向に偏らず、全体に分散配置されるので、セラミックス基体2の全体に磁束がより均一に流れる。その結果、外周領域51と中央領域52の発熱量の差がより小さくなって、全体を均等に加熱することが可能になる。
(実施形態7)
内燃機関の排気浄化装置に係る実施形態7について、図18、図19を参照しながら説明する。
図18において、本形態における排気浄化装置1の基本構成は、実施形態1と同様であり、セラミックス基体2を加熱する誘導加熱部5における第1導電部材群41、第2導電部材群42の配置及び形状が異なっている。誘導加熱部5のコイル3には、一対の通電用端子32、33を介して、インバータ回路部6、バッテリ61が接続されている。以下、相違点を中心に説明する。
図19に示すように、本形態では、第1導電部材群41を、上記実施形態5と同様の棒状の第1導電部材41Cにて構成し、第2導電部材42Aと同じ径と軸方向長を有する同一形状に形成している。また、上記実施形態6と同様に、第1導電部材41C、第2導電部材42Aを同心状の仮想円51A、51B、52A、52B上に配置すると共に、中心軸C周りに放射曲線状に配置して、配置角度の重なりを抑制している。さらに、中心軸C周りの領域において、中心領域52における単位角度当たりの数密度が相対的に大きく、外周領域51における単位角度当たりの数密度が相対的に小さくなるように配置している。
この場合も、上述したように、導電部材群4の全部を基準となる導電部材43A(例えば、図6参照)とし、単位角度当たりの数密度を一定としたときの、磁束密度の最大値maxと最小値minとの平均値となる位置(例えば、図8参照)を基準として、その外側の外周領域51における単位角度当たりの数密度を、より大きくすることができる。基準となる位置よりも内側の中央領域52では、基準となる配置における単位角度当たりの数密度と同じか、より小さくすることができる。このとき、中心領域52における単位角度当たりの数密度は、外周領域51における単位角度当たりの数密度よりも大きい。
このように、導電部材群4を透過する磁束密度を調整する代わりに、磁束密度が低い第2導電部材42Aの配置数を増加させることで、中心領域52における誘導加熱量を増加させることができる。また、第1導電部材41C、第2導電部材42Aが特定の角度方向に偏らず、分散配置されるので、発熱量のばらつきを抑制することができる。
その結果、外周領域51と中央領域52の発熱量の差が小さくなって、発熱量を同等にすることができ、しかもセラミックス基体2の全体を均等に加熱することが可能になる。
(実施形態8)
内燃機関の排気浄化装置に係る実施形態8について、図20を参照しながら説明する。
本形態における排気浄化装置1の基本構成は、実施形態1と同様であり、セラミックス基体2を加熱する誘導加熱部5における第1導電部材群41、第2導電部材群42の配置及び形状が異なっている。以下、相違点を中心に説明する。
図20に示すように、本形態では、第1導電部材群41を、上記実施形態5と同様の棒状の第1導電部材41Cにて構成し、第2導電部材42Aと同じ径と軸方向長を有する同一形状に形成している。また、上記各実施形態では、第1導電部材41A、第2導電部材42Aを同心円状に配置したが、本形態では、第1導電部材41C、第2導電部材42Aを、概略渦巻き状に配置している。そして、中心軸C周りに概略渦状腕形状に延びる複数の曲線上に並ぶように配置すると共に、中心領域52における単位角度当たりの数密度が相対的に大きく、外周領域51における単位角度当たりの数密度が相対的に小さくなるように配置している。
なお、外周領域51と中央領域52とは、例えば、仮想円53にて区画される。仮想円53は、例えば、上記図8に示したように、基準となる導電部材群4について、磁束密度の最大値maxと最小値minとの平均値となる位置を基にして設定することができる。
この場合も、第1導電部材41C、第2導電部材42Aが、径方向Yにおいて重ならないように、好適には、以下の条件を満足するフィボナッチ数列に基づいて配列されるのがよい。すなわち、第1導電部材41C、第2導電部材42Aの位置が、中心軸Cを原点とするxy平面上の点(x,y)で表されるとき、x座標、y座標は、以下の式を満足するように設定される。
x=a・t/cos{(α・180)・π・t}
y=a・t/sin{(α・180)・π・t}
ただし、α=180・(3−√5)、t=1,2,3,・・・,n
このように、第1導電部材41C、第2導電部材42Aが、フィボナッチ数に対応する非周期的間隔を有する条件を満足するとき、径方向Yにおいて互いに重なり合うことなく、最も分散して配置される。これにより、効率よく磁束を透過させることができ、より均一にセラミックス基体2の全体を加熱することができる。
(試験例2)
図21に示すように、実施形態7、8の構成による効果を確認するために、誘導加熱部5により加熱されたセラミックス基体2の温度分布をそれぞれシミュレーションにより求めた。コイル3への通電条件、第1導電部材群41、第2導電部材群42の材質は、上記試験例1と同様にした。
図21左図には、同心円(基準)として、実施形態7の構成において、第1導電部材41C、第2導電部材42Aが同心円状に配置されると共に、径方向Yにおいて直線上に並ぶように、放射状に配置した基準構成例について、シミュレーション結果を併せて示した。
このとき、図21中図に示すように、基準構成例に比べて、第1導電部材41C、第2導電部材42Aがより分散配置される実施形態7の構成では、外周領域51の温度が相対的に低下し、中央領域52の温度が相対的に上昇する。図21右図に示すように、フィボナッチ数列に基づく実施形態8の構成では、第1導電部材41C、第2導電部材42Aがより分散配置されることで、外周領域51の温度がさらに低下し、セラミックス基体2の全体で温度がより均一になる。
これにより、図22に示すように、基準構成例において、セラミックス基体2の最高温度と最低温度の温度差が約38℃であるのに対し、実施形態7の構成では、温度差が約33℃に低下する。実施形態8の構成では、さらに温度差が約22℃と大きく低下し、導電部材群4の数密度が外周側で小さくなることに加えて、第1導電部材41C、第2導電部材42Aがより分散して配置されることで、局所的な加熱が抑制されて、全体が均一加熱可能になることがわかる。
(試験例3)
誘導加熱部5のコイル3又は導電部材群4の配置による効果を、次のようにして確認した。
図23に示すように、誘導加熱部5のコイル3と導電部材群4の配置を、排気流れ方向における上流端部、中間部、下流端部に変更した場合について、セラミックス基体2の内部における温度分布を比較した。いずれの場合も、コイル3と導電部材群4は、セラミックス基体2の軸方向Xにおいて同等位置にあり、コイル3の内側の領域内に導電部材群4が配置されている。
セラミックス基体2の温度分布は、誘導加熱部5が排気流れの上流端部(図23の左図参照)にあるときに、最も均一となっている。このとき、誘導加熱部5により上流端部が加熱されることで、触媒反応が上流側から開始されることになり、次いで、排ガスが流れ始めると誘導加熱のほか触媒反応熱を利用して、下流側を昇温させることができる。これにより、効率よくセラミックス基体2を昇温可能となり、昇温ムラを抑制できると共に投入電力を抑制できる。
誘導加熱部5が排気流れの中間部(図23の中図参照)にあるときは、中間部の上流の領域で温度が上昇せず、昇温ムラの抑制効果が小さい。誘導加熱部5が排気流れの下流端部(図23の右図参照)にあるときは、中間部の温度がより低くなり、昇温ムラが大きくなる。
このように、誘導加熱部5を設ける場合には、導電部材群4の一部又は全部が、排気流れ方向において、セラミックス基体2の上流側の端部内に配置されることが望ましい。
次に、図24に示すように、誘導加熱部5を、排気流れ方向の上流端部に配置した場合について、コイル3を導電部材群4に対して相対変位させたときの、変位量とセラミックス基体2の内部の温度差の関係を調べた。具体的には、コイル3と導電部材群4の上流側の端部が、セラミックス基体2の上流側の端面24と同位置にある状態から(図24左図参照)、コイル3のみをセラミックス基体2の端面24よりも上流側に変位させ(図24右図参照)、コイル3と、導電部材群4の最外周部との距離l、導電部材群4の中心部との距離Lを変化させた。
距離l及び距離Lは、変位量h=0又は変位量h>0のとき、コイル直径Dcと、導電部材群4の最外周径dを用いて、それぞれ、以下の式で算出される。
・変位量h=0のとき
l=1/2(Dc−d)
L=1/2×Dc
・変位量>0のとき
l=√〔{(Dc−d)2/4}+h2
L=√{(Dc2/4)+h2
ここで、コイル3の上流側への変位量hは、コイル3の上流側の端部とセラミックス基体2の上流側の端面24との距離で表される。また、コイル直径Dcは、コイル3の中心径であり、最外周径dは、導電部材群4の最外周部が位置する仮想円の直径である。
このとき、図25〜図27に示すように、変位量hとコイル直径Dcとの比率h/Dcを変化させることで、セラミックス基体2の最大温度の低下率と温度差の改善率との比率が変化する。また、この関係は、図25に示すように、セラミックス基体2の直径Dとコイル直径Dcとの比率D/Dcによっても変化する。例えば、D/Dc=1のとき、h/Dcが0から大きくなると、すなわち、コイル3が上流側へ変位すると、改善率/温度低下率が向上する。改善率/温度低下率は、h/Dc=0.1の近傍でピークとなり、h/Dc=0.1を超えると徐々に低下する。また、D/Dc=1.3のときも同様の傾向が見られ、改善率/温度低下率がピークとなる位置が、h/Dc=0.1を超える位置へシフトする。
これは、図28に示すように、h/Dcが大きくなるほど、コイル3から導電部材群4の最外周部との距離lと、中心部との距離Lとの差L−lが小さくなるためである。その効果により、図26の左図に示すように、h/Dcが大きくなるほど、温度差は小さくなるが、一方で、図26の右図に示すように、コイル3から離れることで、最大温度は低下する。その結果、図27に示すように、h/Dc=0.1ないしその近傍で、改善率/温度低下率が最大となる。h/Dc=0.15又はh/Dc=0.3では、温度差は改善するが、最大温度が低下するために、改善率/温度低下率は、ほぼ同等となる。
したがって、コイル3を導電部材群4に対して変位させるときは、h/Dcが0.3以下、好適には、h/Dc=0.15未満となるように調整するのがよい。
以上のように、上記実施形態の構成によれば、導電部材群4によりセラミックス基体2の全体をより均一に加熱し、加熱ムラを低減して、温度差によるヒビや割れの発生を抑制することができる。
本発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の実施形態に適用することが可能である。
例えば、上記実施形態では、中心軸Cの周りの領域を、外周領域51と中央領域52とに分けたが、これに限定されるものではなく、3つ以上の領域に分けて、それぞれに異なる形状の導電部材群を配置してもよい。また、これら領域に配置される導電部材群をどう材質としたが、異なる材質とすることもできる。
また、上記実施形態では、自動車用の排ガス浄化触媒への適用例として説明したが、触媒担持フィルタに適用することもできる。その場合、排ガス浄化触媒や触媒担持フィルタの基体となるセラミックス基体2のセル形状は、六角形以外の多角形その他任意の形状とすることができ、複数のセル形状や、大きさの異なるセル形状を組み合わせてもよい。さらに、自動車エンジンに限らず、各種装置からの排ガスを浄化する触媒体等、各種用途に任意に使用することができる。
1 排気浄化装置
2 セラミックス基体
21 外周壁
3 コイル
4 導電部材群
41A〜41C 第1導電部材
42A 第2導電部材
5 誘導加熱部
51 外周領域
52 中央領域

Claims (13)

  1. 内燃機関の排気通路(EX)に設けられ、排気流れ方向を中心軸(C)の方向(X)とする筒状の外周壁(22)の内側に、排気が通過する多数の通孔(21)を有するセラミックス基体(2)と、
    上記外周壁の外側を取り巻くコイル(3)、及び、上記セラミックス基体の内部に配置され、上記中心軸の方向に延びる棒状の導電部材群(4)を有する誘導加熱部(5)と、を備えており、
    上記導電部材群は、上記外周壁に接する外周領域(51)に配置される複数の第1導電部材(41A〜41C)と、上記外周領域の内側に位置し上記中心軸を含む中央領域(52)に配置される複数の第2導電部材(42A)とを含んで構成されており、かつ、上記第1導電部材を通過する磁気回路の磁気抵抗が相対的に高く、上記第2導電部材を通過する磁気回路の磁気抵抗が相対的に低い、内燃機関の排気浄化装置(1)。
  2. 上記導電部材群は、上記第1導電部材の軸方向長が、上記第2導電部材の軸方向長よりも短い、請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  3. 上記導電部材群は、上記第1導電部材が上記中心軸の周りに多重に配置される第1導電部材群(41)と、上記第2導電部材が上記中心軸の周りに多重に配置される第2導電部材群(42)とを有する、請求項1又は2に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  4. 上記第1導電部材群は、上記外周壁に近いほど、上記第1導電部材の軸方向長が短く、上記第2導電部材群は、上記中心軸に近いほど、上記第2導電部材の軸方向長が長い、請求項3に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  5. 上記第1導電部材は、同軸上に間隔をおいて配置される複数の分割片(411、412)からなり、複数の上記分割片の合計長が、上記第2導電部材の軸方向長よりも短い、請求項1〜4のいずれか1項に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  6. 上記第1導電部材は、上記中心軸の方向における一部に他の部分よりも径が小さい小径部(413)を有している、請求項1〜5のいずれか1項に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  7. 内燃機関の排気通路(EX)に設けられ、排気流れ方向を中心軸(C)の方向(X)とする筒状の外周壁(22)の内側に、排気が通過する多数の通孔(21)を有するセラミックス基体(2)と、
    上記外周壁の外側を取り巻くコイル(3)、及び、上記セラミックス基体の内部に配置され、上記中心軸の方向に延びる棒状の導電部材群(4)を有する誘導加熱部(5)と、を備えており、
    上記導電部材群は、上記外周壁に接する外周領域(51)に配置される複数の第1導電部材(41C)と、上記外周領域の内側に位置し上記中心軸を含む中央領域(52)に配置される複数の第2導電部材(42A)とを含んで構成されており、かつ、上記外周領域に配置される上記第1導電部材の単位角度当たりの数密度が相対的に小さく、上記中央領域に配置される上記第2導電部材の単位角度当たりの数密度が相対的に大きい、内燃機関の排気浄化装置(1)。
  8. 上記導電部材群は、上記セラミックス基体の上記中心軸の周りに、上記第1導電部材及び上記第2導電部材が、径方向にずらして配置されている、請求項7に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  9. 上記導電部材群は、上記セラミックス基体の上記中心軸の周りに、上記第1導電部材及び上記第2導電部材が、放射状、放射曲線状又は渦巻き状に配置されている、請求項1〜8のいずれか1項に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  10. 上記誘導加熱部は、排気流れ方向において、上記導電部材群の一部又は全部が、上記セラミックス基体の上流側の端部内に配置される、請求項1〜9のいずれか1項に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  11. 上記誘導加熱部は、排気流れ方向において上流側に位置する上記コイルの上流側の端部が、上記セラミックス基体の端面(24)よりも上流側に変位して配置される、請求項1〜10のいずれか1項に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  12. 上記セラミックス基体の端面から上流側への上記コイルの変位量hと、コイル直径Dcとが、h/Dc<0.15の関係にある、請求項11に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  13. 上記セラミックス基体は、触媒が担持される触媒担体として用いられる、請求項1〜12のいずれか1項に記載の内燃機関の排気浄化装置。
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