JP3719148B2 - 内燃機関の触媒昇温装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は内燃機関の触媒昇温装置に関し、特に、導電体に交番電流を供給して誘導加熱するようにした触媒昇温装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車の内燃機関では、排出される排気ガス中の有害ガス成分、例えば、一酸化炭素(CO)、窒素酸化物(NOx)、および炭化水素(HC)等の成分を大気に放出する前に浄化するために、白金やパラジウム等の貴金属を触媒として担持した排気浄化触媒を排気系に備えている。
【0003】
排気浄化触媒において触媒が触媒作用を行うためには、排気浄化触媒をその活性温度以上に昇温させなければならない。しかしながら特に機関冷間始動時には排気浄化触媒の温度は低く、また排気ガスも低温であるので排気浄化触媒はその活性温度にまで昇温しづらい。このため排気浄化触媒では触媒作用が活発に行われにくい。そこで例えば機関始動時等のように排気浄化触媒の温度が低い時に、排気ガス以外の手段により排気浄化触媒をその活性温度以上にまで加熱して触媒作用の活発化を図ることが望ましい。
【0004】
排気浄化触媒をその活性温度以上にまで昇温させる方法の一つに、特開平6−154623号公報により提案された誘導加熱を用いた方法がある。この特開平6−154623号公報では、誘導加熱用コイルを排気浄化触媒の排気上流端面近傍の外周面周りに配置して、排気浄化触媒の排気上流端面近傍を加熱するようにしている。このような構成にすると、低電力で迅速に排気浄化触媒の排気上流端面近傍を加熱することができる。そして、少なくとも排気浄化触媒の排気上流端面近傍の温度がその活性温度になっていれば、排気ガス中の成分の触媒反応による発熱によって下流部分の触媒を順次加熱するので、排気ガス中のほとんどの有害ガス成分が浄化される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、排気浄化触媒の排気上流端面近傍を活性温度以上にまで上昇させるのに必要な熱量は排気浄化触媒の排気上流端面の領域毎に異なる。ところが、特開平6−154623号公報に記載された構成では、排気浄化触媒の排気上流端面近傍をほぼ均一に加熱するため、排気浄化触媒の排気上流端面近傍の温度をその全面に亘って活性温度以上にまで迅速に上昇させることができない。
【0006】
このような問題に鑑みて、本発明の目的は、誘導加熱により排気浄化触媒の排気浄化触媒の排気上流端面近傍の温度を活性温度にまで迅速に昇温させることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、第1の発明では、機関排気通路に排気浄化触媒を配置すると共に該排気浄化触媒の排気上流端面に面して導電体を配置し、該導電体に交番電流を供給することにより排気浄化触媒の排気上流端面近傍の部分を誘導加熱するようにした内燃機関の触媒昇温装置において、前記排気浄化触媒の排気上流端面近傍の部分の温度を触媒活性温度にまで上昇させるのに必要な熱量が排気上流端面近傍の部分の領域毎に異なるのに対応して、排気浄化触媒の排気上流端面の単位面積当たりに対面する導電体の対面面積を排気浄化触媒の排気上流端面近傍の部分の領域毎に異ならせることにより、誘導加熱による発熱量を排気上流端面近傍の部分の領域毎に異ならせる。すなわち誘導加熱による排気浄化触媒の排気上流端面近傍の部分の発熱量がその部分において領域毎に異なる。
【0008】
第2の発明では、第1の発明において、誘導加熱による発熱量を排気浄化触媒の排気上流端面近傍の部分の中央領域と該中央領域周りの領域とで異ならせる。
【0010】
の発明では、第1または第2の発明において、導電体が排気浄化触媒の排気上流端面に沿って一つの導電材を渦巻き状に巻いて形成されるコイルである。
【0011】
の発明では、第1または第2の発明において、導電体が排気浄化触媒の排気上流端面に沿って同心円を為して並列関係でもって配置される複数の環状導電材からなる。このように導電体を並列関係でもって配置される導電材から構成することにより導電体全体の電気抵抗値が小さくなる。
【0012】
の発明では、第1または第2の発明において、導電体が排気浄化触媒の排気上流端面に沿って互いに間を開けて並列関係でもって配置される複数の導電材からなる。このように導電体を並列関係でもって配置される導電材から構成することにより、導電体全体の電気抵抗値が小さくなる。
【0013】
の発明では、第3〜第5のいずれか一つの発明において、隣り合った導電材間の距離を導電体の領域毎に異ならせることにより排気浄化触媒の排気上流端面の単位面積当たりに対面する導電体の対面面積を異ならせる。
【0014】
の発明では、第3〜第5のいずれか一つの発明において、導電材の太さを導電体の領域毎に異ならせることにより排気浄化触媒の排気上流端面の単位面積当たりに対面する導電体の対面面積を異ならせる。
【0015】
の発明では、第3〜第7のいずれか一つの発明において、排気浄化触媒の排気上流端面を円錐形にすると共に導電体を排気浄化触媒の排気上流端面に対応して円錐形をなして配置する。これによれば導電体の対面面積が排気浄化触媒の排気上流端面に対して平行に延在する導電体の対面面積よりも増加する。
【0016】
の発明では、第3〜第8のいずれか一つの発明において、導電体の横断面の形状を矩形にして該導電体の幅挟の端面が排気ガス流に対面するように導電体を配置する。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、添付の図面を参照して本発明の実施形態を説明する。なお、図中の同じ参照番号は同様な要素を示す。
【0018】
図1は本発明の第一の実施例の触媒昇温装置を含む内燃機関の概略構成図である。図1において、1は触媒コンバータ、2は機関本体、3は機関排気通路である。機関排気通路3は機関本体2の排気ポートに連結される。触媒コンバータ1は機関排気通路3に配置される。触媒コンバータ1は流入口4および流出口5を有する。上記機関本体2から排出された排気ガスは機関排気通路3を介して流入口4から触媒コンバータ1に流入して流出口5において触媒コンバータ1から排出される。このように排気ガスが触媒コンバータ1内を流入口4から流出口5に流れるので以下の説明では流入口4側を排気上流側、流出口5側を排気下流側と称する。
触媒コンバータ1はほぼ円筒形のケーシング6と、ほぼ円筒形の排気浄化触媒7とを具備する。ケーシング6の上流側壁面はほぼ円錐形状である。排気浄化触媒7はその長手軸線がケーシング6の長手軸線と同軸になるようにケーシング6内に収容される。排気浄化触媒7の排気上流端面8は排気浄化触媒7の軸線方向に対して垂直な平坦な面である。しかしながら、排気上流端面8の形状は例えば後述するように円錐形のような別の形状であってもよい。
排気浄化触媒7は一定温度(活性温度)以上で良好な触媒作用を示す触媒である。また排気浄化触媒7の担体は適度の導電性と透磁率とを有する金属製担体、または透磁率と導電性とが高い材料を点在させた適度の導電性と透磁率とを有する担体である。ケーシング6内には排気浄化触媒7の排気上流端面8に面して導電体10が配置される。
【0019】
次に図1〜図3を参照して本実施例の導電体について詳細に説明する。なお図2は図1に示した触媒コンバータの上流側の拡大断面図であり、図3は図2の線III−IIIに沿った触媒コンバータの断面図である。また図2には触媒コンバータの長手軸線に対して図面に向かって左側のみに磁力線を示しているが、実際には磁力線は長手軸線から触媒コンバータの外周へ向かう全ての放射状方向に存在する。
【0020】
図1に示したように本実施例の導電体10はコイルである。コイル10は電気抵抗が低い材料から成る一本の導電材、例えば導線を渦巻き状に巻いて形成される。なお、導線としては、ステンレスや銅を用いることができる。コイル10には交番電流を流すための交番電流発生電源11が接続される。交番電流発生電源11は直流電源に共振回路を組み込んだものである。しかしながら交番電流発生電源11は交流電源でもよい。
【0021】
図2に示したようにコイル10は触媒コンバータ1の長手軸線13(ケーシング6の長手軸線および排気浄化触媒7の長手軸線と同軸)を中心として排気浄化触媒7の排気上流端面8に沿って触媒コンバータ1の外周近傍まで渦巻き状に延びる。またコイル10は排気浄化触媒7の排気上流端面8に空間を開けて面するように配置される。しかしながらコイル10が排気浄化触媒7の排気上流端面8に絶縁体を介して配置されるようにしてもよい。またコイル10を構成する導線の横断面の形状は細長くて矩形である。もちろん導線の横断面の形状は円形や楕円形等の他の断面形状であってもよい。
【0022】
図3に示したようにコイル10の隣り合った導線間の距離(以下、単に導線間距離と称す。)はその中央領域14において最も長く、中央領域から径方向外側に向かうにつれて徐々に短くなり、周辺領域15において最も短い。すなわち本実施例では導線間距離をコイル10の中央領域14から周辺領域15に向かって徐々に短くすることにより導線が比較的多く存在する領域(疎の部分)と、導線が比較的少なく存在する領域(密の部分)とをコイル10に形成している。
次に誘導加熱について説明する。コイル10に交番電流を流すと図2に示したようにコイル10の周りに交番磁界、すなわち磁力線12が形成される。排気浄化触媒7はコイル10周囲の雰囲気(例えば排気ガスや空気)よりも極めて透磁率が高いので磁力線12はコイル10と排気浄化触媒7との間の雰囲気中を通らずに排気浄化触媒7の排気上流端面8近傍の一部分(以下、単に上流端部分と称す。)9を通過する。これにより排気浄化触媒7の上流端部分9に渦電流が発生し(表皮効果)、この渦電流によって排気浄化触媒7の上流端部分9が誘導加熱せしめられる。
【0023】
ところで排気浄化触媒7の上流端部分9の中央領域の部分(以下、単に中央領域部分と称す。)周りの領域の部分(以下、単に周辺領域部分と称す。)はケーシング6を介して大気に隣接しているので当該周辺領域部分からの放熱量は中央領域部分からの放熱量よりも大きい。このため排気浄化触媒7の上流端部分9全体を等しく加熱した場合には周辺領域部分の温度は中央領域部分の温度よりも低くなる傾向にある。したがって排気浄化触媒7の上流端部分9全体の温度をその活性温度にまで上昇させるために必要な熱量は当該上流端部分9の中央領域部分から周辺領域部分に向かって徐々に大きくなる。
ここで本実施例ではコイル10の導線間距離をその中央領域から周辺領域に向かって徐々に短くしている。コイル10の導線間距離が短いほど排気浄化触媒7の排気上流端面8の単位面積当たりに対面するコイル10の対面面積(以下、単にコイル対面面積と称す。)が大きくなる。また交番電流はコイル10を構成する導線の表面近傍を流れることからコイル対面面積が大きいほどコイル10により形成される磁界が強くなり、斯くして誘導加熱による排気浄化触媒7の上流端部分9の発熱量が大きくなる。したがって本実施例によれば誘導加熱による排気浄化触媒7の上流端部分9の発熱量はその中央領域部分から周辺領域部分に向かって徐々に大きくなる。
【0024】
このように本実施例によれば排気浄化触媒7の上流端部分9の温度をその活性温度にまで上昇させるのに必要な発熱量が当該部分9の中央領域部分から周辺領域部分に向かって徐々に大きくなるのに対応して誘導加熱による排気浄化触媒7の上流端部分9の発熱量を当該部分9の中央領域部分から周辺領域部分に向かって徐々に大きくしているので排気浄化触媒7の上流端部分9全体の温度をその活性温度まで迅速に上昇させることができる。
また本実施例では上述したようにコイル10の導線間距離を変えることにより誘導加熱による排気浄化触媒7の上流端部分9の発熱量を当該部分9における領域毎に異ならせている。すなわち本実施例によればコイル10の導線間距離をコイル10における領域毎に異ならせるという単純な構成により誘導加熱による排気浄化触媒7の上流端部分9の発熱量を当該部分9における領域毎に異ならせることができる。
【0025】
なお本実施例ではコイル10の導線間距離をコイル10の中央領域から周辺領域に向かって徐々に短くしているが排気浄化触媒7の上流端部分9における領域毎にその領域の温度を活性温度にまで上昇させるのに必要な熱量によってはコイル10の導線間距離をコイル10の中央領域から周辺領域に向かって徐々に一定の割合で長くしたり、コイル10の導線間距離を不規則に異ならせたりすることもある。すなわちコイル10の導線間距離は排気浄化触媒7の上流端部分9全体の温度を迅速に活性温度にまで上昇させるという観点から排気浄化触媒7の上流端部分9における領域毎にその領域の温度を活性温度にまで上昇させるのに必要な熱量に応じて適宜、設定される。
また上述した実施例において単純に周辺領域におけるコイルの導線間距離を中央領域における導線間距離よりも短くするようにしてもよい。もちろんこの場合、誘導加熱による排気浄化触媒の上流端部分の発熱量は当該部分の中央領域部分よりも周辺領域部分のほうが多くなる。
また本実施例の触媒コンバータ1および排気浄化触媒7はほぼ円筒形であるが例えば楕円形や矩形等の別の形状であってもよく、この場合には導線を円形ではなく触媒コンバータ1や排気浄化触媒7の形状に合わせて楕円形や矩形等の別の形状に巻いてコイルを形成してもよい。
またコイルの導線間距離を異ならせるという構成以外にも導線の横断面の形状を異ならせるという構成によってコイル対面面積を変えるようにしてもよい。
【0026】
また誘導加熱により排気浄化触媒を加熱することには以下のような利点がある。誘導加熱によれば渦電流が流れた部分のみが加熱されるので単位体積当たりの発熱量が大きい。すなわちコイル10を排気浄化触媒7の排気上流端面8に面して配置し、排気浄化触媒7を加熱すると排気浄化触媒7の上流端部分9のみが強力に加熱せしめられる。
また誘導加熱によれば加熱される部分が非常に小さいので当該加熱部分を通過する排気ガスに露出する加熱部分の面積も非常に小さい。このため排気ガスに奪われる加熱部分の熱量が少なく、したがって加熱部分の温度を少ない電力で急激に上昇させることができる。
また交番磁界の浸透深さ(交番磁界が到達する排気上流端面8近傍の部分9の排気浄化触媒7の長手方向における距離)は交番電流の周波数の平方根に反比例する。すなわち交番電流の周波数を高くするという簡単な操作により交番磁界の浸透深さを浅くし、これにより加熱すべき部分を小さくし、排気浄化触媒7の上流端部分9の加熱効率を上昇させることができる。
【0027】
またコイルを排気浄化触媒の排気上流端面に面して配置することには以下のような利点がある。排気浄化触媒の排気上流端面近傍の部分全体の温度をその活性温度まで上昇させるためには少なくとも排気上流端面をその全面に亘って誘導加熱する必要がある。ところが上述した特開平6−154623号公報に記載された構成、すなわち排気浄化触媒の上流端部分をその周囲から誘導加熱するようにした構成ではコイルのほとんどの磁力線が排気浄化触媒の周辺領域の部分にしか到達せず、このため排気浄化触媒の中央領域の部分を十分に誘導加熱することができない。すなわち上記公報に記載の構成によると排気浄化触媒の上流端部分全体を均等に誘導加熱することができない。
【0028】
一方、本実施例の触媒昇温装置では排気浄化触媒の排気上流端面に面してコイルが配置されるので磁力線が排気浄化触媒の上流端部分全体を通過する。このため排気浄化触媒の上流端部分全体を誘導加熱することができる。
【0029】
次に図4を参照して第二実施例の触媒昇温装置について説明する。図4に示したように本実施例ではコイル20の導線間距離はそれぞれ等しく、コイル20の導線の太さはコイル20の中央領域から周辺領域に向かって太くなる。コイルの導線間距離が等しい場合においては導線の太さを太くするほどコイル対面面積が増大する。すなわち本実施例では導線の太さをコイルにおける領域毎に異ならせることによりコイル対面面積をコイルにおける領域毎に異ならせ、斯くして誘導加熱による排気浄化触媒7の上流端部分9の発熱量を当該部分9における領域毎に異ならせている。
もちろん排気浄化触媒7の上流端部分9における領域毎にその領域の温度を活性温度にまで上昇させるのに必要な熱量によってはコイル20の太さをコイル20の中央領域24から周辺領域25に向かって一定の割合で徐々に細くしたり、コイル20の太さを不規則に異ならせたりすることもある。すなわちコイル20の太さは排気浄化触媒7の上流端部分9全体の温度を迅速に活性温度にまで上昇させるという観点から排気浄化触媒7の上流端部分9における領域毎にその領域の温度を活性温度にまで上昇させるのに必要な熱量に応じて適宜、設定される。また第一実施例の考え方と本実施例の考え方とを組み合わせてコイルの導線間距離をコイルにおける領域毎に異ならせると共に導線の太さをコイルにおける領域毎に異ならせるようにしてもよい。
【0030】
次に図5を参照して第三実施例の触媒昇温装置について説明する。図5に示したように本実施例の導電体30は二つのコイル31、32から構成される。各コイル31、32は等しい長さの導線を渦巻き状に巻くことにより形成される。これらコイル31、32は径方向外側に向かって互いに交互に並んで排気浄化触媒7の排気上流端面8の中央領域34から周辺領域35まで延在するように配置される。各コイル31、32は第一実施例のコイル10と同様に形成される。すなわち各コイル31、32の導線間距離はその中央領域34から周辺領域35に向かって徐々に短くなっている。したがって誘導加熱による排気浄化触媒7の上流端部分9の発熱量は当該部分9の中央領域部分から周辺領域部分に向かって徐々に大きくなるので本実施例によれば排気浄化触媒7の上流端部分9全体の温度を迅速にその活性温度にまで上昇させることができる。
また本実施例のコイル31、32は交番電流発生電源11に並列に接続される。このようにコイルが並列に交番電流発生電源11に接続された場合には全体としての電気抵抗が第一実施例のようにコイル10が交番電流発生電源11に直列に接続されている場合の電気抵抗に比べて小さくなる。このためコイル内を電流が流れやすくなり、排気浄化触媒7の上流端部分9の加熱効率が向上する。
【0031】
なお本実施例では各コイル31、32を構成する導線の長さは等しいが排気浄化触媒7の上流端部分9の各領域の温度を活性温度まで上昇させるのに必要な熱量によっては例えばこれらコイル31、32のうち一方を排気浄化触媒7の排気上流端面8の中央領域から周辺領域まで延在させると共に他方のコイルを排気浄化触媒7の排気上流端面8の周辺領域のみに延在させるといったように各コイル31、32を構成する導線の長さが異なっていてもよい。
また本実施例の導電体30は二つのコイルから構成されているが三つ以上のコイルから構成されるようにしてもよい。
【0032】
次に図6を参照して第四実施例の触媒昇温装置について説明する。図6に示したように本実施例の導電体は複数(本実施例では五つ)のコイル40から構成される。これらコイル40のうちの一つは排気浄化触媒7の排気上流端面8の中央領域に配置される。この中央領域に配置されたコイル40はその中心が排気浄化触媒7の軸線と同軸になるように配置される。残りの四つのコイル40は排気浄化触媒7の排気上流端面8の周辺領域に配置される。すなわち残りの四つのコイル40は排気浄化触媒7の排気上流端面8の中央領域に配置されたコイル40と触媒コンバータ1のケーシング6との間に配置される。
本実施例では周辺領域に配置される各コイル40の導線間距離は中央領域に配置されるコイル40の導線間距離よりも短い。このため誘導加熱による排気浄化触媒7の上流端部分9の発熱量はその中央領域部分よりも周辺領域部分のほうが大きい。したがって本実施例によれば排気浄化触媒7の上流端部分9全体の温度を迅速にその活性温度にまで上昇させることができる。
また本実施例においては各コイル40は交番電流発生電源11に並列に接続される。このため各コイル40の電気抵抗が小さいので各コイル40内を電流が流れやすく、したがって排気浄化触媒7の上流端部分9の加熱効率が向上する。
【0033】
なお図7に示したように周辺領域に配置されるコイルを六つとしてもよい。このように周辺領域に配置するコイルの数を増やせばコイル対面面積が増大し、排気浄化触媒7の上流端部分9の加熱効率が向上する。
【0034】
次に図8を参照して第五実施例の触媒昇温装置について説明する。図8に示したように本実施例の導電体50は排気浄化触媒7の排気上流端面8に沿って同心円を為して並列関係でもって配置される複数の環状の導電材、例えば導線から構成される。導電体50の隣り合う導線間の距離(導線間距離)はその中央領域54から周辺領域55に向かって徐々に短くなる。このため誘導加熱による排気浄化触媒7の上流端部分9の発熱量はその中央領域部分よりも周辺領域部分のほうが大きい。したがって本実施例によれば排気浄化触媒7の上流端部分9全体の温度を迅速にその活性温度にまで上昇させることができる。
また本実施例において各導線は交番電流発生電源11に並列に接続される。このため各導線の電気抵抗が小さいので各導線内を電流が流れやすく、したがって排気浄化触媒7の上流端部分9の加熱効率が向上する。
また環状の導線を同心円を為して配置する本実施例の構成では導線間距離を導電体の領域毎に異ならせることが容易である。また導線の太さを各導線毎に異ならせることも容易である。
【0035】
なお導電体を環状の導線を同心円状に並列に接続して構成するのではなく、図9に示したように導線間距離が導電体の中央領域から周辺領域に向かって徐々に短くなるように半円状の複数の導線を並列に接続して導電体を構成してもよい。
【0036】
次に図10および図11を参照して第六実施例の触媒昇温装置について説明する。図10に示したように本実施例では排気浄化触媒7の排気上流端面8の形状はケーシング6の上流側壁面との距離が長手軸線13近傍からケーシング6の外周に向かうにつれて徐々に短くなるようにほぼ円錐形状である。排気浄化触媒7の排気上流端面8をこのような形状にすることにより、排気ガスが排気上流端面8の全面に亘って均等に流入しやすくなる。またコイル60は触媒コンバータ1の長手軸線13を中心として流入口4の周りから排気浄化触媒7のほぼ円錐形状の排気上流端面8に沿って触媒コンバータ1の外周近傍まで円錐形をなして延びる。
本実施例のコイル60は導線間距離が当該コイル60の中央領域から周辺領域に向かって徐々に短くなるように構成される。このため誘導加熱による排気浄化触媒7の上流端部分9の発熱量はその中央領域部分よりも周辺領域部分のほうが大きい。したがって本実施例によれば排気浄化触媒7の上流端部分9全体の温度を迅速にその活性温度にまで上昇させることができる。
また排気上流端面8の形状をほぼ円錐形状としたことにより本実施例におけるコイル対面面積は第一実施例におけるコイル対面面積よりも大きくなり、排気浄化触媒7の上流端部分9の加熱効率が向上する。
【0037】
また図11に示したようにコイル60を構成する導線の横断面の形状は矩形であり、その幅挟の端面が排気ガス流に対面するように配置される。これによればコイル60を排気浄化触媒7の排気上流端面8に沿って配置してもコイル60が排気ガスの流れを阻害することが少なくなる。
なお上述した実施例において導線の太さを太くすることにより排気浄化触媒の排気上流端面近傍の部分における発熱量を増大する場合、コイルがその全体により形成する平面に対して水平な方向の長さを長くし、斯くしてコイル対面面積を増大するように導線の太さを太くする必要がある。
【0038】
【発明の効果】
第1の発明によれば、排気浄化触媒の排気上流端面近傍の部分の温度を触媒活性温度にまで上昇させるのに必要な熱量が当該部分における領域毎に異なるのに対応して誘導加熱による発熱量を排気浄化触媒の排気上流端面近傍の部分の領域毎に異ならせたので、排気浄化触媒の排気上流端面近傍の部分全体の温度を迅速に触媒活性温度にまで昇温させることができる。
【0039】
の発明および第の発明によれば、導電体全体の電気抵抗値が小さいので電流が流れやすくなり、低い電圧でも排気浄化触媒の排気上流端面近傍の部分をより効率的に誘導加熱することができるようになる。
【0040】
の発明によれば、導電体の対面面積が排気浄化触媒の排気上流端面に対して平行に延在する導電体の対面面積よりも増加するので、誘導加熱による加熱効率が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】第一実施例の触媒昇温装置を示す図である。
【図2】図1に示した触媒コンバータの上流側の拡大断面図である。
【図3】図2の線III−IIIに沿った触媒コンバータの断面図である。
【図4】図3と同様な図であって第二実施例の触媒昇温装置を示す図である。
【図5】図3と同様な図であって第三実施例の触媒昇温装置を示す図である。
【図6】図3と同様な図であって第四実施例の触媒昇温装置を示す図である。
【図7】図3と同様な図であって第四実施例の変更例を示す図である。
【図8】図3と同様な図であって第五実施例の触媒昇温装置を示す図である。
【図9】図3と同様な図であって第五実施例の変更例を示す図である。
【図10】図2を同様な図であって第六実施例の触媒昇温装置を示す図である。
【図11】第六実施例のコイルと排気浄化触媒とを示す拡大断面図である。
【符号の説明】
1…触媒コンバータ
2…機関本体
3…機関排気通路
4…流入口
5…流出口
6…ケーシング
7…排気浄化触媒
8…排気上流端面
9…上流端部分
10…コイル
12…磁力線
13…長手軸線

Claims (9)

  1. 機関排気通路に排気浄化触媒を配置すると共に該排気浄化触媒の排気上流端面に面して導電体を配置し、該導電体に交番電流を供給することにより排気浄化触媒の排気上流端面近傍の部分を誘導加熱するようにした内燃機関の触媒昇温装置において、前記排気浄化触媒の排気上流端面近傍の部分の温度を触媒活性温度にまで上昇させるのに必要な熱量が排気上流端面近傍の部分の領域毎に異なるのに対応して、排気浄化触媒の排気上流端面の単位面積当たりに対面する導電体の対面面積を排気浄化触媒の排気上流端面近傍の部分の領域毎に異ならせることにより、誘導加熱による発熱量を排気上流端面近傍の部分の領域毎に異ならせた触媒昇温装置。
  2. 誘導加熱による発熱量を排気浄化触媒の排気上流端面近傍の部分の中央領域と該中央領域周りの領域とで異ならせた請求項1に記載の触媒昇温装置。
  3. 導電体が排気浄化触媒の排気上流端面に沿って一つの導電材を渦巻き状に巻いて形成されるコイルである請求項1または2に記載の触媒昇温装置。
  4. 導電体が排気浄化触媒の排気上流端面に沿って同心円を為して並列関係でもって配置される複数の環状導電材からなる請求項1または2に記載の触媒昇温装置。
  5. 導電体が排気浄化触媒の排気上流端面に沿って互いに間を開けて並列関係でもって配置される複数の導電材からなる請求項1または2に記載の触媒昇温装置。
  6. 隣り合った導電材間の距離を導電体の領域毎に異ならせることにより排気浄化触媒の排気上流端面の単位面積当たりに対面する導電体の対面面積を異ならせた請求項3〜5のいずれか一つに記載の触媒昇温装置。
  7. 導電材の太さを導電体の領域毎に異ならせることにより排気浄化触媒の排気上流端面の単位面積当たりに対面する導電体の対面面積を異ならせた請求項3〜5のいずれか一つに記載の触媒昇温装置。
  8. 排気浄化触媒の排気上流端面を円錐形にすると共に導電体を排気浄化触媒の排気上流端面に対応して円錐形をなして配置した請求項3〜7に記載の触媒昇温装置。
  9. 導電体の横断面の形状を矩形にして該導電体の幅挟の端面が排気ガス流に対面するように導電体を配置した請求項3〜8に記載の触媒昇温装置。
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