JP2020094537A - 内燃機関の排気浄化装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】誘導加熱方式により、セラミックス基体を早期に加熱し、セラミックス基体の加熱効率を向上させることができる排気浄化装置を提供する。【解決手段】内燃機関の排気浄化装置1は、排気通路EXの一部をなす金属筒状のケーシング11と、ケーシング11に収容され、排気流れ方向を軸方向Xとする筒状の外周壁22の内側に多数の通孔21を有するセラミックス基体2と、外周壁22の外側を取り巻くコイル3及びセラミックス基体2の内部に配置され、軸方向Xに延びる棒状の導電部材群4を有する誘導加熱部5と、を備え、ケーシング11の内周壁に内接して配置され、ケーシング11よりも高透磁率かつ高電気抵抗率の磁性材料からなる磁性体層6と、ケーシング11と一体に設けられる熱交換媒体流路71を備え、ケーシング11の内側で発生した熱を外部に移動する熱交換部7を有する。【選択図】図1
Description
本発明は、内燃機関の排気通路に設置される排気浄化装置に関する。
自動車用の排気浄化装置は、排気管に設置される排気浄化触媒や触媒担持フィルタを備えており、例えば、所定の高温に制御された排気を導入して触媒が担持されるセラミックス基体を加熱し、触媒活性温度以上に昇温させている。一方、今後予想される厳しい排気規制を満足させるためには、昇温用の排気をも極力削減する必要があり、また、排気管に排気が排出された直後から排気の浄化を実施可能であることが望ましい。
そこで、排気エネルギに代えて、例えば、電気エネルギによる加熱方式への転換が検討されており、その1つとして、誘導加熱を利用する方式がある。誘導加熱方式では、コイルに交番電流を流して、金属体を誘導加熱しており、コイルで生じる磁束を金属体に効率よく伝えることが重要となる。一例として、特許文献1には、金属担体を用いた排気浄化触媒の排気上流端面に面して、渦巻き状に巻かれたコイルを配置し、その上流側に、周囲雰囲気よりも高透磁率の高透磁率要素として、別の排気浄化触媒を配置した、触媒昇温装置が開示されている。
特許文献1に記載される構成では、排気管の内側において、排気浄化触媒の上流に、誘導加熱用のコイルや別の排気浄化触媒が配置されることになるため、圧力損失の増加が懸念される。これに対し、別の排気浄化触媒に代えて、排気管の外側に、高透磁率低渦電流損要素として、金属層と絶縁層を重ねたお椀状の成層部材を配置することも提案されているが、誘導加熱用のコイルは排気管の内側に配置されたままであるため、圧力損失の改善は十分ではなく、成層部材も構成が複雑で実用性が低い。
また、排気管は、通常、高耐熱の金属製であり、排気よりも高透磁率の高透磁率要素となり得るため、通電により排気管が誘導加熱されてしまうと、本来加熱したい排気浄化触媒の加熱効率が低下するおそれがあった。なお、高透磁率要素としては、金属材料以外の磁性材料を用いることも考えられるが、例えば、高透磁率材料として知られるフェライトはキュリー点を超えると磁気特性を失うため、周囲の雰囲気が触媒活性温度以上の高温となる環境下(例えば、500℃以上)での使用には適さなかった。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、誘導加熱方式により、セラミックス基体を早期に加熱すると共にそれ以外の部位が加熱されるのを抑制して、セラミックス基体の加熱効率を向上可能な排気浄化装置を提供しようとするものである。
本発明の一態様は、
内燃機関の排気通路(EX)の一部をなす金属筒状のケーシング(11)と、
上記ケーシングに収容され、排気流れ方向を軸方向(X)とする筒状の外周壁(22)の内側に、排気が通過する多数の通孔(21)を有するセラミックス基体(2)と、
上記外周壁の外側を取り巻くコイル(3)、及び、上記セラミックス基体の内部に配置され、上記軸方向に延びる棒状の導電部材群(4)を有する誘導加熱部(5)と、を備える、内燃機関の排気浄化装置(1)であって、
上記ケーシングの内周壁に内接して配置され、上記ケーシングよりも高透磁率かつ高電気抵抗率の磁性材料からなる磁性体層(6)と、
上記ケーシングと一体に設けられる熱交換媒体流路(71)を備え、上記ケーシングの内側で発生した熱を外部に移動する熱交換部(7)と、を有している、内燃機関の排気浄化装置にある。
内燃機関の排気通路(EX)の一部をなす金属筒状のケーシング(11)と、
上記ケーシングに収容され、排気流れ方向を軸方向(X)とする筒状の外周壁(22)の内側に、排気が通過する多数の通孔(21)を有するセラミックス基体(2)と、
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上記ケーシングの内周壁に内接して配置され、上記ケーシングよりも高透磁率かつ高電気抵抗率の磁性材料からなる磁性体層(6)と、
上記ケーシングと一体に設けられる熱交換媒体流路(71)を備え、上記ケーシングの内側で発生した熱を外部に移動する熱交換部(7)と、を有している、内燃機関の排気浄化装置にある。
上記一態様の構成の排気浄化装置において、誘導加熱部のコイルに交番電流が流れると、セラミックス基体内の導電部材群に誘導電流が発生し、自己発熱により加熱される。このとき、セラミックス基体の外側において、金属製のケーシングに内接して高透磁率の磁性体層が設けられるので、コイルによって発生する磁束は、ケーシングよりも磁性体層に流れやすくなる。また、磁性体層はケーシングよりも高電気抵抗率であるため、磁束の透過による誘導加熱が抑制される。さらに、高温環境下においても、ケーシングと一体の熱交換媒体流路と熱交換することで、温度上昇が抑制されるので、磁性体層の磁気シールドとしての機能を効果的に発揮して、セラミックス基体の加熱効率を向上することができる。
よって、誘導加熱方式により、セラミックス基体を早期に加熱すると共にそれ以外の部位が加熱されるのを抑制して、セラミックス基体の加熱効率を向上可能な排気浄化装置を実現できる。
なお、特許請求の範囲及び課題を解決する手段に記載した括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであり、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
なお、特許請求の範囲及び課題を解決する手段に記載した括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであり、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
(実施形態1)
内燃機関の排気浄化装置に係る実施形態1について、図面を参照しながら説明する。
図1、図2に示すように、排気浄化装置1は、内燃機関の排気通路である排気管EXの一部をなす金属筒状のケーシング11と、ケーシング11に収容されるセラミックス基体2と、セラミックス基体2を加熱する誘導加熱部5と、ケーシング11の内側に設けられる磁性体層6と、ケーシング11と一体的に設けられる熱交換部7を備えている。
内燃機関の排気浄化装置に係る実施形態1について、図面を参照しながら説明する。
図1、図2に示すように、排気浄化装置1は、内燃機関の排気通路である排気管EXの一部をなす金属筒状のケーシング11と、ケーシング11に収容されるセラミックス基体2と、セラミックス基体2を加熱する誘導加熱部5と、ケーシング11の内側に設けられる磁性体層6と、ケーシング11と一体的に設けられる熱交換部7を備えている。
セラミックス基体2は、排気流れ方向を軸方向X(すなわち、中心軸Cの方向)とする筒状の外周壁22の内側に、排気が通過する多数の通孔21を有する。セラミックス基体2の中心軸Cを通り軸方向Xと直交する方向を、以降、径方向Yとする。図2には、誘導加熱部5が配置される排気流れの上流側位置における径方向Yの断面を示している。セラミックス基体2は、触媒を担持させるための触媒担体として用いられ、多数の通孔21の表面には、図示しない触媒層が形成される。
誘導加熱部5は、セラミックス基体2の外周壁22の外側を取り巻くコイル3と、セラミックス基体2の内部に配置され、軸方向Xに延びる棒状の導電部材群4を有する。導電部材群4は、中心軸Cの周りを取り囲むように、概略均等に配置されている。このとき、誘導加熱部5は、誘導加熱によって導電部材群4を発熱させて、排気管EXに排気が流入するよりも前に、セラミックス基体2を触媒活性温度以上に昇温させることができる。
セラミックス基体2の外側には、ケーシング11の内周壁に内接して、磁性体層6が配置される。磁性体層6は、ケーシング11よりも高透磁率かつ高電気抵抗率の磁性材料にて構成することができる。
これにより、誘導加熱部5によって発生する磁束がケーシング11よりも磁性体層6に流れやすくなり、誘導加熱によるケーシング11の発熱が抑制される。また、高電気抵抗率の磁性体層6では、電磁誘導により生じる渦電流が小さくなるので、温度上昇は抑制される。その結果、セラミックス基体2の加熱効率を向上させることが可能となる。
これにより、誘導加熱部5によって発生する磁束がケーシング11よりも磁性体層6に流れやすくなり、誘導加熱によるケーシング11の発熱が抑制される。また、高電気抵抗率の磁性体層6では、電磁誘導により生じる渦電流が小さくなるので、温度上昇は抑制される。その結果、セラミックス基体2の加熱効率を向上させることが可能となる。
熱交換部7は、ケーシング11と一体に設けられる熱交換媒体流路71を備えており、ケーシング11の内側で発生した熱を外部に移動する。
このように、装置外壁部となるケーシング11に熱交換部7を設け、その内側の磁性体層6と熱交換させることで、高温の排ガス流入時においても、磁性体層6の温度上昇を抑制して適正な温度に維持できる。よって、誘導加熱部5によりセラミックス基体2を効率よく加熱することができる。
このように、装置外壁部となるケーシング11に熱交換部7を設け、その内側の磁性体層6と熱交換させることで、高温の排ガス流入時においても、磁性体層6の温度上昇を抑制して適正な温度に維持できる。よって、誘導加熱部5によりセラミックス基体2を効率よく加熱することができる。
ケーシング11は、例えば、内筒12及び外筒13を有する二重筒状構造であり、内筒12と外筒13との間に架設される複数のリブ14を有する。その場合には、内筒12と外筒13との間に形成される環状空間は、複数のリブ14にて周方向に区画されると共に、周方向に区画された空間が互いに連通して、熱交換媒体流路71を形成している構成とすることができる。
好適には、熱交換部7は、ケーシング11に形成される環状空間に、軸方向Xに延びるリブ14を流路壁とする複数の流路711が形成される構成とする。複数の流路711は、リブ14に形成される開口部15を介して互いに連通して、一連なりの熱交換媒体流路71を形成することができる。
これにより、中空のケーシング11内に形成される熱交換媒体流路71に、熱交換媒体を流通させ、効率よく熱交換を実施することができる。
これにより、中空のケーシング11内に形成される熱交換媒体流路71に、熱交換媒体を流通させ、効率よく熱交換を実施することができる。
以下、排気浄化装置1の詳細構成を説明する。
本形態において、内燃機関は、例えば、図示しない自動車用エンジンであり、エンジンから排気管EXに排出される排気Gを浄化するために、排気浄化装置1が設けられる。図1、図2において、浄化装置1は、排気管EXに接続される円筒状のケーシング11を装置外壁部とし、その内側に、円柱状のセラミックス基体2を収容保持している。また、セラミックス基体2を加熱する誘導加熱部5と、磁気シールドのための磁性体層6が設けられる。
本形態において、内燃機関は、例えば、図示しない自動車用エンジンであり、エンジンから排気管EXに排出される排気Gを浄化するために、排気浄化装置1が設けられる。図1、図2において、浄化装置1は、排気管EXに接続される円筒状のケーシング11を装置外壁部とし、その内側に、円柱状のセラミックス基体2を収容保持している。また、セラミックス基体2を加熱する誘導加熱部5と、磁気シールドのための磁性体層6が設けられる。
ケーシング11には、排気管EXの一部となる拡径された円筒管部に、熱交換部7の熱交換媒体流路71を一体的に設けている。ケーシング11の内側には、磁性体層6が内接配置されており、その内側に、誘導加熱部5を構成するコイル3が配置される。ケーシング11は、例えば、ステンレス鋼等の耐熱性を有する金属材料にて構成することができる。また、セラミックス基体2は、例えば、コーディエライト等のセラミックス材料にて構成することができる。
セラミックス基体2は、両端が開口する円筒状の外周壁22と、その内側に位置する区画壁とが一体となった、セラミックスハニカム構造体として構成される。具体的には、セラミックスハニカム構造体は、区画壁によって囲まれる矩形や六角形等の断面多角形の多数のセル内に、多数の通孔21が形成された構成とすることができる。多数の通孔21は、軸方向Xの一端側から他端側へ延びる、互いに平行な貫通孔である。
図1中に矢印で示すように、排気管EX内には、その軸方向X(例えば、図1の左右方向)に排気Gが流れ、同軸的に配置されるセラミックス基体2の上流側端面(例えば、図1の左端側の端面)23から、多数の通孔21に流入する。排気Gは、多数の通孔21内を、セラミックス基体2の下流側(例えば、図1の右端側)へ向けて流れ、その間に、通孔21の表面に形成される触媒層と接触して浄化される。
誘導加熱部5は、セラミックス基体2の上流側の一部(例えば、図1の左半部)内に配置される導電部材群4と、径方向Yにおいて、セラミックス基体2の外側に配置されるコイル3と、によって構成される。セラミックス基体2は、軸方向Xの中央部から上流側端面23の近傍へ至る一部が、他の部位よりも外周壁22の径が小さい縮径部となっており、この縮径部となる領域を、導電部材群4が収容される被加熱領域Aとしている。コイル3は、被加熱領域Aの外周壁22と磁性体層6との間の空間に収容され、外周壁22の外側を円環状に取り巻くように配置される。ここでは、例えば、2回巻きのコイル3を例示しているが、その巻き数は、特に限定されるものではなく、適宜変更することができる。
被加熱領域Aの外側に対向するケーシング11壁には、一対のコイル取出部31、32が設けられる。コイル取出部31、32内には、コイル3の両端が挿通保持されてケーシング11の外部へ取り出され、排気管EXの外部に設けられるインバータ回路部51に接続される。インバータ回路部51は、例えば、複数のスイッチング素子等を内蔵して、バッテリ52から入力される直流電力を交流電力に変換して出力し、コイル3に交番電流を供給可能とする。バッテリ52は、例えば、車載バッテリである。
導電部材群4は、所定径の棒状体にて構成される多数の導電部材41からなり、セラミックス基体2の中心軸Cの周りに、多数の導電部材41が多重に配置される。本形態では、多数の導電部材41は、中心軸Cに沿って配置される導電部材41と、これを中心とする多重の仮想円上に均等配置される導電部材41からなり、軸方向Xの長さ(以下、軸方向長と略称する)は概略一定である。また、同じ仮想円上に位置する複数の導電部材41は、それぞれ概略同径であり、中心軸Cに近いほど小径となり、外周壁22に近いほど大径となるように構成されている。
多数の導電部材41は、例えば、同材質の導電性金属材料からなる。好適には、ステンレス鋼等の磁性金属材料にて構成されるのがよく、誘導加熱による加熱効率をより高めることができる。セラミックス基体2の部位によって、異なる材質の導電部材41を配置することもできる。
なお、導電部材群4の配置は、セラミックス基体2の各部位において、誘導加熱による所望の発熱量が得られるように、適宜設定することができる。その範囲において、多数の導電部材41の配置や形状は、任意に変更することができ、例えば、同心状に限らず、放射状や渦巻き状に配置されていてもよい。また、多数の導電部材41の軸方向長を部位毎に変更してもよいし、セラミックス基体2の全体で導電部材41の径が一定であってもよい。
なお、導電部材群4の配置は、セラミックス基体2の各部位において、誘導加熱による所望の発熱量が得られるように、適宜設定することができる。その範囲において、多数の導電部材41の配置や形状は、任意に変更することができ、例えば、同心状に限らず、放射状や渦巻き状に配置されていてもよい。また、多数の導電部材41の軸方向長を部位毎に変更してもよいし、セラミックス基体2の全体で導電部材41の径が一定であってもよい。
導電部材群4の固定方法は、特に限定されないが、例えば、セラミックス基体2の通孔21内に圧入保持することができる。導電部材41の径が通孔21より大きい場合には、通孔21を拡径して、または、通孔21を形成する区画壁に穴あけ加工して、導電部材41を挿通保持させてもよい。
ケーシング11は、内筒12及び外筒13を有する二重筒状構造となっており、その内周壁となる内筒12の内側に接して、磁性体層6が設けられる。磁性体層6は、コイル取出部31、32が設けられる一部を除いて、内筒12の内周面に沿って配置され、コイル3の外側を層状に取り囲む概略円筒のシート体形状を有する。
磁性体層6は、ケーシング11を構成する金属材料よりも高透磁率の磁性材料からなり、誘導加熱部5によって発生する磁束が流れやすくなるので、ケーシング11への磁束の流れを抑制して、ケーシング11の発熱を抑制する。また、磁性体層6は、ケーシング11を構成する金属材料よりも高電気抵抗率の磁性材料であり、磁束が流れることによって発生する渦電流損が小さくなるので、発熱を抑制する効果が高い。このような磁性材料としては、例えば、酸化物磁性材料が挙げられ、好適には、フェライト系酸化物を含むフェライト系磁性材料が用いられる。
磁性体層6は、ケーシング11を構成する金属材料よりも高透磁率の磁性材料からなり、誘導加熱部5によって発生する磁束が流れやすくなるので、ケーシング11への磁束の流れを抑制して、ケーシング11の発熱を抑制する。また、磁性体層6は、ケーシング11を構成する金属材料よりも高電気抵抗率の磁性材料であり、磁束が流れることによって発生する渦電流損が小さくなるので、発熱を抑制する効果が高い。このような磁性材料としては、例えば、酸化物磁性材料が挙げられ、好適には、フェライト系酸化物を含むフェライト系磁性材料が用いられる。
磁性体層6を、フェライト系磁性材料にて構成する場合には、例えば、フェライト系酸化物の粉末材料を用い、所定の形状となるように成形して焼成した焼結体とすることができる。
なお、磁性体層6を構成する磁性材料は、ケーシング11を構成するステンレス鋼等の金属材料よりも高透磁率かつ高電気抵抗率の材料であればよく、例えば、フェライトを主体とする酸化物磁性材料の他、酸化物磁性材料と他の材料とを組み合わせた複合材料であってもよい。その場合には、他の材料としては、ケーシング11よりも高透磁率の材料であることが望ましく、例えば、ケイ素鋼、パーマロイ、アモルファス合金等の金属材料を含んでいてもよい。
なお、磁性体層6を構成する磁性材料は、ケーシング11を構成するステンレス鋼等の金属材料よりも高透磁率かつ高電気抵抗率の材料であればよく、例えば、フェライトを主体とする酸化物磁性材料の他、酸化物磁性材料と他の材料とを組み合わせた複合材料であってもよい。その場合には、他の材料としては、ケーシング11よりも高透磁率の材料であることが望ましく、例えば、ケイ素鋼、パーマロイ、アモルファス合金等の金属材料を含んでいてもよい。
ケーシング11には、二重筒状構造の内外筒12、13と一体的に、その内側の磁性体層6と主に熱交換を行うための熱交換部7が設けられる。具体的には、内筒12と外筒13の両筒壁間に、熱交換媒体流路71となる環状空間が形成されており、流路入口部72から導入される熱交換媒体が、熱交換媒体流路71を流通する間に熱交換を行って、流路出口部73から導入されるように構成されている。
図1に示すように、流路入口部72及び流路出口部73は、セラミックス基体2よりも上流側において、ケーシング11に設けられる。具体的には、流路入口部72は、ケーシング11の底部(例えば、図1の下部)となる外筒13の菅壁を貫通して、熱交換媒体流路71に接続され、流路出口部73は、ケーシング11の頂部(例えば、図1の上部)となる外筒13の菅壁を貫通して、熱交換媒体流路71に接続される。
なお、軸方向Xにおいて、ケーシング11の両側には、流路形成部材となる一対のリング状部材74、75が配置され、熱交換媒体流路71の軸方向端部における流路壁を構成している。
なお、軸方向Xにおいて、ケーシング11の両側には、流路形成部材となる一対のリング状部材74、75が配置され、熱交換媒体流路71の軸方向端部における流路壁を構成している。
また、図2に示すように、内筒12及び外筒13は、それぞれ、分割ケーシングとなる一対の半円筒体にて構成される。各半円筒体の周方向の両端には、それぞれ、一対のフランジ121、131が設けられ、これら一対のフランジ121、131間にガスケット10を挟んで衝合することにより、一体化される。内筒12のフランジ121の端縁部は、外筒13のフランジ131の衝合部の内側へ延出して位置し、例えば、溶接等により一体的に固定される。これにより、内外筒12、13間に形成される環状空間が、隔壁部となるフランジ121によって2つの半円弧状の空間部S1、S2に区画される。
熱交換媒体流路71となる空間には、周方向の全体に、内筒12と外筒13との間を架け渡すように、複数のリブ14が配置されている。複数のリブ14は、中心軸Cの周りに放射状に配置されて外筒13を支持すると共に、空間内を周方向に複数の流路711に区画し、これら複数の流路711が互いに連通して熱交換媒体流路71を構成している。このとき、熱交換媒体流路71に導入される熱交換媒体は、複数の流路711を流通する間に流路壁を介して磁性体層6と熱交換を行い、ケーシング11の内側で発生した熱を外部に移動することができる。
熱交換部7は、主に、誘導加熱部5の作動に伴う磁性体層6及びケーシング11の温度上昇を抑制するための冷却部として用いられる。これにより、磁性体層6を構成する高透磁率かつ高電気抵抗率の磁性材料を、キュリー温度より低い温度に冷却して、その磁気シールド効果を効果的に発揮させることができる。
なお、熱交換部7は、必ずしも冷却用に限らず、例えば、低温の始動時等に、ケーシング11を介してセラミックス基体2を加温するための加温部として用いることもできる。
なお、熱交換部7は、必ずしも冷却用に限らず、例えば、低温の始動時等に、ケーシング11を介してセラミックス基体2を加温するための加温部として用いることもできる。
図3に示すように、磁性体層6は、その軸方向長Lが、被加熱領域Aの軸方向長Laよりも長くなるように形成され(すなわち、L>La)、誘導加熱部5によって発生する磁束が透過する領域を覆うように配置される。具体的には、導電部材群4が配置される被加熱領域A及びコイル3の外側において、被加熱領域Aとその上流側及び下流側の所定の領域を覆い、ケーシング11への磁束の透過を抑制可能な十分な軸方向長Lを有することが望ましい。ここでは、磁性体層6の上流端は、セラミックス基体2の上流側端面23よりも上流側に位置し、下流端は、セラミックス基体2の下流端面24の近傍に位置して、セラミックス基体2の外周壁22の下流側端部を除くほぼ全体を覆っている。
この磁性体層6の軸方向長Lや配置の詳細と、昇温抑制効果との関係は、後述する。
なお、図示されるように、セラミックス基体2の下流側端面24には、その外周縁部に当接する押えリング部材25が設けられる。上流側端面23にも、図示しない押えリング部材が配設され、これらの間にセラミックス基体2を保持することで、ケーシング11内に位置決めすることができる。
なお、図示されるように、セラミックス基体2の下流側端面24には、その外周縁部に当接する押えリング部材25が設けられる。上流側端面23にも、図示しない押えリング部材が配設され、これらの間にセラミックス基体2を保持することで、ケーシング11内に位置決めすることができる。
図4に示すように、コイル3を外部へ取り出すためのコイル取出部31、32においても、筒状磁性部材61を設けてケーシング11との間を磁気シールドすることが望ましい。具体的には、コイル取出部31、32は、ケーシング11の内筒12及び外筒13を貫通して取出穴を形成する筒状部33と、筒状部33の内側に配置されるガスシール用のガスケット34を有する。筒状磁性部材61はコイル3の外周面に外接してこれを保持した状態で、ガスケット34の内側に配置される。ガスケット34は、筒状部33と筒状磁性部材61との間に挿通嵌合される筒状体で、その一端側に設けられるフランジ部は、外筒13の外側において、筒状部33の端面に密接して配置される。
筒状磁性部材61は、筒状部33及びガスケット34よりも軸方向長(例えば、図4における上下方向長)が長く、筒状磁性部材61の内筒12側の端面は、筒状部33及びガスケット34位置又はそれよりも内側(例えば、図4における下側)に位置する。また、外筒13側の端面は、筒状部33及びガスケット34の端面位置又はそれよりも外側(例えば、図4における上側)に位置する。
筒状磁性部材61も、磁性体層6と同様に、ケーシング11を構成する金属材料よりも高透磁率かつ高電気抵抗率の磁性材料、例えば、フェライト系の酸化物磁性材料にて構成することができる。筒状部33及びガスケット34は、ステンレス鋼等の金属材料にて構成される。
筒状磁性部材61も、磁性体層6と同様に、ケーシング11を構成する金属材料よりも高透磁率かつ高電気抵抗率の磁性材料、例えば、フェライト系の酸化物磁性材料にて構成することができる。筒状部33及びガスケット34は、ステンレス鋼等の金属材料にて構成される。
このように構成すると、磁性体層6よりも外側のケーシング11を貫通してコイル3が取り出されるコイル取出部31、32においても、コイル3とケーシング11との間に筒状磁性部材61が配置されることで、コイル3の周りの磁束が筒状磁性部材61を透過しやすくなる。これにより、コイル取出部31、32の外側のケーシング11又はコイル取出部31、32の金属材料への磁束流れを遮断して、誘導加熱を抑制する効果が高まる。
なお、一般にコイル通電により生じる発熱を抑制するために、図示するようにコイル3を中空管状として、内部を熱交換媒体が流れる熱交換媒体流路とすることができる。また、コイル取出部31、32の径方向の外側において、ケーシング11には熱交換媒体流路71が設けられるので、これら流路を流れる熱交換媒体との熱交換によって、筒状磁性部材61の温度上昇を抑制することができる。
図5に示すように、熱交換部7において、熱交換媒体流路71を構成する複数のリブ14は、それぞれ軸方向Xに延びる細長い板状で、隣り合うリブ14の間に、排気流れと平行な複数の流路711を形成している。複数のリブ14は、軸方向Xに形成される流路711の流路壁となり、排気流れの上流側又は下流側の端部から、他方の端部の近傍まで延びている。すなわち、複数のリブ14は、排気流れの上流側又は下流側の端部が交互に開口して、隣り合う流路711間を連通する開口部15を形成しており、開口部15を介して複数の流路711が互いに連通することにより、一連なりの熱交換媒体流路71が形成される。
熱交換媒体は、例えば、エンジン冷却用の冷却水であり、流路入口部72及び流路出口部73は、冷却水ポンプPを備える循環路に接続されて、その一部を構成することができる。熱交換媒体は、冷却水に限らず、例えば、空気でもよく、冷却水ポンプPの代わりに送風ポンプを配置して、空冷式の熱交換部7とすることもできる。
このとき、熱交換媒体流路71は、内筒12の衝合部においては、複数のリブ14と平行なフランジ121が、隣り合う流路711間を区画している。フランジ121の両端は、ケーシング11の両端に配置される一対のリング状部材74、75に接続している。これにより、内筒12と外筒13の間に形成される空間が、フランジ121によって、2つの空間部S1、S2に区画される。これら2つの空間部S1、S2は半円弧状で(例えば、図2参照)、車両に搭載されたときに底部側となる一方に、流路入口部72が接続され、頂部側となる他方に、流路出口部73に接続されると共に、連通路となる連通溝76によって、互いに連通している。連通溝76は、排気流れの下流側に位置するリング状部材75に設けられる。
図6に示すように、リング状部材75には、熱交換媒体流路71の流路壁となる表面に、一対の連通溝76が形成される。一対の連通溝76は、一対のフランジ121と対向する位置を挟むように、周方向に所定長で形成される円弧状溝であり、連通溝76内に収容されるカバー部材761は、フランジ121との当接面を支持する一対の脚部762が、周方向に配置されている。これにより、連通溝76内の熱交換媒体の流れを妨げることなく、フランジ121の衝合部からの熱交換媒体の漏れを防止可能としている。
これにより、連通溝76を介して、流路入口部72が接続される底部側の空間部S2の流路711と、流路出口部73が接続される頂部側の空間部S1の流路711とが連通する。流路入口部72からケーシング11内に導入される熱交換媒体は、複数の流路711及び連通溝76からなる熱交換媒体流路71を通過する間に、その内側の磁性体層6と熱交換し、流路出口部73からケーシング11外に導出される。
このように、熱交換媒体流路71をセラミックス基体2の外周側に配置することで、被加熱領域Aの誘導加熱を妨げることなく、磁性体層6の温度上昇を抑制可能となる。また、セラミックス基体2の上流側において排気の熱を奪うこともないので、エンジン始動後には排気の熱を利用して、セラミックス基体2の昇温性能を向上させることができる。
また、2つの空間部S1、S2を連通路にて接続し一連なりの熱交換媒体流路71とすると、それぞれの空間部S1、S2に流路入口部72、流路出口部73を別々に設けて2経路の熱交換流路とする必要がなく、装置構成が簡素化できる。なお、ここでは、排気流れの下流側に位置するリング状部材75に連通溝76を設けているが、熱交換媒体流路71の流路711の構成によっては、上流側に位置するリング状部材74に、連通溝76を設けることもできる。また、連通溝76の構成は図示したものに限らず、2つの空間部S1、S2を連通する連通路が構成されていれば、同様の効果が得られる。
次に、上記構成の排気浄化装置1の作用効果について説明する。
図1において、図示しない制御部から通電指令が出力されると、バッテリ52の直流電力がインバータ回路部51にて交流電力に変換されて、コイル3へ交番電流が流れる。これに伴い、コイル3の周りに発生する磁界によって、コイル3の内側のセラミックス基体2に均等配置される複数の導電部材41が誘導加熱される。
すなわち、図3中に矢印で示すように、棒状の導電部材41の内部を交番磁束が通過することによって、導電部材41の表面に渦電流が流れ、ジュール熱が発生する。これにより複数の導電部材41が保持されるセラミックス基体2の上流側が加熱され、触媒の活性化に適した温度に昇温される。
図1において、図示しない制御部から通電指令が出力されると、バッテリ52の直流電力がインバータ回路部51にて交流電力に変換されて、コイル3へ交番電流が流れる。これに伴い、コイル3の周りに発生する磁界によって、コイル3の内側のセラミックス基体2に均等配置される複数の導電部材41が誘導加熱される。
すなわち、図3中に矢印で示すように、棒状の導電部材41の内部を交番磁束が通過することによって、導電部材41の表面に渦電流が流れ、ジュール熱が発生する。これにより複数の導電部材41が保持されるセラミックス基体2の上流側が加熱され、触媒の活性化に適した温度に昇温される。
このとき、排気浄化装置1は、コイル3の外側にも金属材料からなるケーシング11が配置されて、誘導加熱されやすい構成となっていることから、本形態では、ケーシング1に内接させて、所定長の磁性体層6を設けている。磁性体層6は、ケーシング11よりも高透磁率の磁性材料からなるので、導電部材41を透過してコイル3の外側へ向かう磁束は、ケーシング11よりも磁性体層6を流れやすくなる。これにより、装置外壁部を構成するケーシング11よりも内側に磁束の流れが集中し、ケーシング11の誘導加熱が抑制される。また、磁性体層6は、ケーシング11よりも高電気抵抗率の磁性材料からなるので、磁束の透過により生じる渦電流量を抑制して、誘導加熱量を低減できる。そのため、ケーシング11及び磁性体層6における発熱が抑制されて、セラミックス基体2の加熱効率が向上し、触媒活性温度に効率よく昇温させることができる。
(試験例1)
図7の上図に示すように、実施形態1の構成と、磁性体層6を設けない比較形態1の構成について、それぞれ誘導加熱部5により加熱したときのケーシング11及びセラミックス基体2の外周部における温度分布をシミュレーションにより求めた。
コイル3への通電条件は、以下の通りとした。導電部材群4の導電部材41及びケーシング11とは、それぞれ、以下の金属材料にて構成し、磁性体層6は、以下の酸化物磁性材料にて構成した。
交流周波数:160kHz
投入電流:250Arms
導電部材41:SUS430
(透磁率:1.3×10-3H/m;電気抵抗率:60×10-8Ω・m(室温)
ケーシング11:SUS440
(透磁率:1.06×10-3H/m;電気抵抗率:64×10-8Ω・m(室温)
酸化物磁性材料:フェライト
(透磁率:2.6×10-3H/m;電気抵抗率:6Ω・m(室温)
図7の上図に示すように、実施形態1の構成と、磁性体層6を設けない比較形態1の構成について、それぞれ誘導加熱部5により加熱したときのケーシング11及びセラミックス基体2の外周部における温度分布をシミュレーションにより求めた。
コイル3への通電条件は、以下の通りとした。導電部材群4の導電部材41及びケーシング11とは、それぞれ、以下の金属材料にて構成し、磁性体層6は、以下の酸化物磁性材料にて構成した。
交流周波数:160kHz
投入電流:250Arms
導電部材41:SUS430
(透磁率:1.3×10-3H/m;電気抵抗率:60×10-8Ω・m(室温)
ケーシング11:SUS440
(透磁率:1.06×10-3H/m;電気抵抗率:64×10-8Ω・m(室温)
酸化物磁性材料:フェライト
(透磁率:2.6×10-3H/m;電気抵抗率:6Ω・m(室温)
図7の下図に比較して示すように、コイル3の外側にケーシング11の内筒12が露出する比較形態1の構成では、コイル3に近接する内筒12の一部の温度が最も高くなっており、軸方向Xにおいて、コイル3から離れるにつれて温度が低下する。これに比べて、コイル3の内側のセラミックス基体2では、コイル3に近い被加熱領域Aの外周部において、導電部材41の周囲の一部に温度上昇が見られるものの、全体に温度が低くなっている。
一方、実施形態1の構成では、コイル3の外側において内筒12に内接して配置される磁性体層6によって、内筒12の温度上昇が抑制されている。また、磁性体層6の温度上昇は小さく、コイル3の内側では、セラミックス基体2の被加熱領域Aの全体に温度上昇が見られる。このように、磁性体層6が配置されることにより、セラミックス基体2の加熱効率が向上することが確認された。
また、図8に示すように、実施形態1と比較形態1の構成について、コイル3への通電開始からのケーシング温度の時間変化を調べた。ケーシング温度は、被加熱領域Aの外側に位置する内筒12の表面温度とし、通電条件は、以下の通りとした。
投入電力:1.7kW
交流周波数:270kHz(比較形態1)
交流周波数:206kHz(実施形態1)
初期温度:室温(約23℃)
なお、実施形態1と比較形態1の交流周波数の違いは、磁性体層6の有無の影響によるものである。
投入電力:1.7kW
交流周波数:270kHz(比較形態1)
交流周波数:206kHz(実施形態1)
初期温度:室温(約23℃)
なお、実施形態1と比較形態1の交流周波数の違いは、磁性体層6の有無の影響によるものである。
図8において、比較形態1の構成では、通電開始からケーシング温度が徐々に上昇し、180秒で68℃まで上昇した。これに対して、実施形態1の構成では、ケーシング温度は、180秒経過後もほぼ一定で、室温と同等温度であった。このように、磁性体層6の有無がケーシング温度の上昇に大きく影響しており、磁性体層6を設けることで、ケーシング11の昇温を抑制できることが確認された。
さらに、図9に示すように、実施形態1の構成について、熱交換部7の有無による冷却効果を比較した。誘導加熱部5により、熱交換部7を作動させないときに磁性体層6がキュリー温度(例えば、約200℃)を超える温度となるように電力を投入し、熱交換媒体流路71に冷却水を流通させた場合(すなわち、冷却水:有)と、冷却水の流通を停止した場合(すなわち、冷却水:無)について、磁性体層6を構成するフェライト温度の時間変化を計測した。
計測条件は、以下の通りとした。
投入電力:3.3kW
電源周波数:212kHz
初期温度:室温(約20℃)
冷却水温度:20℃
冷却水量:10L/min
計測条件は、以下の通りとした。
投入電力:3.3kW
電源周波数:212kHz
初期温度:室温(約20℃)
冷却水温度:20℃
冷却水量:10L/min
図9において、冷却水の流通がない場合には、コイル3への通電開始により、フェライト温度が急上昇しており、200℃付近で一旦収束した後、再び徐々に上昇する。これは、磁性体層6を構成するフェライト温度が200℃付近でキュリー点を超えることにより、磁性体層6の磁気シールド効果が低下するためと推測される。これにより、ケーシング11が誘導加熱され始めると、ケーシング11からの熱が伝わることで、磁性体層6が温度上昇してしまう。
これに対し、冷却水を流通させた場合には、フェライト温度はわずかに上昇して安定する。したがって、セラミックス基体2を加熱する際の目標温度が、磁性体層6を構成する磁性材料のキュリー温度よりも高くなる場合には、熱交換部7を作動させて磁性体層6を冷却することが有効であり、セラミックス基体2の加熱効率を向上させることができる。
(実施形態2)
内燃機関の排気浄化装置に係る実施形態2について、図10、図11を参照しながら説明する。本形態における排気浄化装置1の基本構成は、実施形態1と同様であり、ケーシング11に設けられる熱交換部7に、熱交換量増加手段となる流路構成を付加されている点が異なっている。以下、相違点を中心に説明する。
なお、実施形態2以降において用いた符号のうち、既出の実施形態において用いた符号と同一のものは、特に示さない限り、既出の実施形態におけるものと同様の構成要素等を表す。
内燃機関の排気浄化装置に係る実施形態2について、図10、図11を参照しながら説明する。本形態における排気浄化装置1の基本構成は、実施形態1と同様であり、ケーシング11に設けられる熱交換部7に、熱交換量増加手段となる流路構成を付加されている点が異なっている。以下、相違点を中心に説明する。
なお、実施形態2以降において用いた符号のうち、既出の実施形態において用いた符号と同一のものは、特に示さない限り、既出の実施形態におけるものと同様の構成要素等を表す。
図10、図11において、熱交換部7は、上記実施形態1と同様に、内筒12と外筒13との間に形成される熱交換媒体流路71を有し、熱交換媒体流路71は、複数のリブ14によって区画される複数の流路711が互いに連通して形成される。ケーシング11の内筒12と外筒13とは、それぞれ、両端にフランジ121、131を有する一対の半円筒体にて構成されており、フランジ121によって区画される2つの空間部S1、S2は、図示しない連通路(例えば、図5に示す連通溝76)によって接続されている。ケーシング11の内側には、被加熱領域Aの外側を覆うように磁性体層6が配置される。
上記実施形態1では、熱交換媒体流路71を構成する複数の流路711を、流路壁となるリブ14の一方の端部に設けた開口部15によって互いに連通させているが、本形態では、さらに、熱交換量増加手段として、各リブ14に1つ以上の連通孔16を設けている。その場合には、図10に示すように、少なくとも、セラミックス基体2の被加熱領域Aの外側に対向する領域Bにおいて、複数の連通孔16が概略均等に配置される。また、領域Bに加えて、磁性体層6又はセラミックス基体2の端部に対向する領域Cにも、連通孔16が設けられることが好ましい。
具体的には、図12に拡大して示すように、複数の連通孔16は、各リブ14の板面を貫通して、軸方向Xに整列するように設けられる。これにより、隣り合う複数の流路711の間が連通し、複数の連通孔16を介して、上流側の流路711から下流側の流路711へ向けて熱交換媒体の流れが形成されて(例えば、図12中に矢印で示す)、熱交換媒体の流通量を増加させる。好適には、領域Bにおいて、隣り合うリブ14に形成される複数の連通孔16が、軸方向Xと直交する方向に揃わないように、交互にずらして配置すると、熱交換媒体の流れを均等にして、冷却ムラを抑制することができる。
この効果を得るために、領域Bに配置される複数の連通孔16の個数nは、連通孔16の直径をdとしたとき、例えば、被加熱領域Aの軸方向長Laに対して、下記式1を満足するように選択されることが望ましい。
式1:n=0.5×L/d
これにより、加熱されやすい被加熱領域Aの外側において、磁性体層6との熱交換量を増加させて、磁性体層6の加熱を抑制することができる。
領域Cに対応する位置では、少なくとも1つの連通孔16が配置されることが望ましい。これにより、磁性体層6の両端側においても、熱交換量を増加させて、全体を効果的に冷却することができる。
式1:n=0.5×L/d
これにより、加熱されやすい被加熱領域Aの外側において、磁性体層6との熱交換量を増加させて、磁性体層6の加熱を抑制することができる。
領域Cに対応する位置では、少なくとも1つの連通孔16が配置されることが望ましい。これにより、磁性体層6の両端側においても、熱交換量を増加させて、全体を効果的に冷却することができる。
また、図11中に拡大して示すように、複数の連通孔16を、各リブ14に対して傾斜させた構成とすることもできる。具体的には、連通孔16は、その中心軸C2が各リブ14の板面に対して傾斜する方向に貫通する傾斜孔であり、好適には、その中心軸C2が内向きに傾斜するように形成されている。このとき、連通孔16を通過する熱交換媒体は、ケーシング11の内周壁となる内筒12へ向かうように (例えば、図11中に矢印で示す)、熱交換媒体流路71の上流側となる流路711から、下流側となる流路711へ流れる。
このようにすると、連通孔16を通過する熱交換媒体と、ケーシング11の内筒12に内接して設けられる磁性体層6との熱交換が促進され、磁性体層6を冷却する効果がさらに高まる。したがって、磁性体層6の磁気シールドによるセラミックス基体2の加熱効率を向上させることができる。
一般に、熱交換量Qは、熱伝達係数hと温度差ΔTと伝熱面積Sとから、下記式2のように表される。
式2:Q=h・ΔT・S
ここで、熱伝達係数hを増加させるには、各流路711における流速を向上させるか、熱交換媒体の流れを乱すことが有効であり、ここでは、複数の連通孔16により、流速を高めて、熱交換量を増加させることができる。
式2:Q=h・ΔT・S
ここで、熱伝達係数hを増加させるには、各流路711における流速を向上させるか、熱交換媒体の流れを乱すことが有効であり、ここでは、複数の連通孔16により、流速を高めて、熱交換量を増加させることができる。
(試験例2)
図13に示すように、実施形態2の熱交換媒体流路71の流路構成について、リブ14の1つを挟んで隣り合う2つの流路711(例えば、図12中に矩形点線で囲んで示す領域)における流速分布を、シミュレーションにより求めた。図13には、比較のために、連通孔16を設けない実施形態1の流路構成における流速分布を併せて示した。
図13右図に示す実施形態1の流路構成では、上流側の流路711から開口部15を経て下流側の流路711に至るU字流路となっており、開口部15から下流側の流路711へ向かう熱交換媒体の流れが外側へ向かい、リブ14に沿う領域で流速が低くなっている。
図13に示すように、実施形態2の熱交換媒体流路71の流路構成について、リブ14の1つを挟んで隣り合う2つの流路711(例えば、図12中に矩形点線で囲んで示す領域)における流速分布を、シミュレーションにより求めた。図13には、比較のために、連通孔16を設けない実施形態1の流路構成における流速分布を併せて示した。
図13右図に示す実施形態1の流路構成では、上流側の流路711から開口部15を経て下流側の流路711に至るU字流路となっており、開口部15から下流側の流路711へ向かう熱交換媒体の流れが外側へ向かい、リブ14に沿う領域で流速が低くなっている。
一方、図13左図に示すように、実施形態2の流路構成では、上流側の流路711を流通する熱交換媒体の一部が、リブ14に形成される複数の連通孔16を通過している。これにより、上流側の流路711の途中から下流側の流路711へ流入する複数の流れが形成され、下流側の流路711において、リブ14に沿う領域の流速が増大していることがわかる。
さらに、図14に示すように、実施形態2の熱交換媒体流路71の複数箇所において、熱交換部7の有無による冷却効果を比較した。図15に示すように、排気浄化装置1の底部側で熱交換媒体流路71と接する磁性体層6の3つの部位P1〜P3について、磁性体層6を構成するフェライト温度の時間変化を計測した。
温度計測は、ケーシング11の内外筒12、13の衝合部から熱電対を挿入し、流路入口部72が接続される流路711Aに内接する位置P1と、その下流側の流路711Bに内接する位置P2、P3について行った。位置P1〜P3は、被加熱領域Aの略中央部の外側に位置し、位置P2は、流路711A側のリブ14に近接する位置にあり、位置P3は、流路711Aとは反対側のリブ14に近接する位置にある。
温度計測は、ケーシング11の内外筒12、13の衝合部から熱電対を挿入し、流路入口部72が接続される流路711Aに内接する位置P1と、その下流側の流路711Bに内接する位置P2、P3について行った。位置P1〜P3は、被加熱領域Aの略中央部の外側に位置し、位置P2は、流路711A側のリブ14に近接する位置にあり、位置P3は、流路711Aとは反対側のリブ14に近接する位置にある。
誘導加熱部5により、以下の条件で電力を投入し、熱交換媒体流路71に冷却水を流通させた場合(すなわち、冷却水:有)と、冷却水の流通を停止した場合(すなわち、冷却水:無)について、磁性体層6の位置P1〜P3におけるフェライト温度の時間変化を計測した。また、位置P3については、連通孔16を有する実施形態2の構成に加えて、連通孔16を有しない実施形態1の構成におけるフェライト温度の時間変化を併せて計測した。
投入電力:3.3kW
電源周波数:212kHz
初期温度:室温(20℃)
冷却水温度:20℃
冷却水量:10L/min
投入電力:3.3kW
電源周波数:212kHz
初期温度:室温(20℃)
冷却水温度:20℃
冷却水量:10L/min
図14において、冷却水の流通がない場合には、位置P1〜P3のいずれにおいても、コイル3への通電開始と共にフェライト温度が急上昇し、一旦収束した後、再び上昇する同様の傾向を示す。これは、上記図9と同様に、磁性体層6を構成するフェライト温度が200℃付近でキュリー点を超えることによる。これに対し、冷却水を流通させた場合には、いずれもフェライト温度の急上昇は抑制され、通電開始からわずかに上昇して安定する。特に、上記図13に示したように、連通孔16の有無による流速変化が大きくなる位置P2は、連通孔16がない実施形態1の構成では、40秒後に約100℃付近まで温度上昇したのに対して、連通孔16を設けた実施形態2の構成では、位置P1、P3よりも低い温度に維持され、連通孔16の有無による効果の差が見られた。
なお、位置P1と位置P3においては、連通孔16の有無によらず冷却水の流れが生じており、フェライト温度の時間変化はほぼ同じ傾向となると共に、実施形態1、2の構成による差も見られなかった。
このように、連通孔16を設けることによって、熱交換媒体流路71の内部における流速差を小さくし、これに内接する磁性体層6の部分的な温度上昇を抑制して、温度差を小さくすることができることが確認された。
このように、連通孔16を設けることによって、熱交換媒体流路71の内部における流速差を小さくし、これに内接する磁性体層6の部分的な温度上昇を抑制して、温度差を小さくすることができることが確認された。
(実施形態3)
内燃機関の排気浄化装置に係る実施形態3について、図16、図17を参照しながら説明する。本形態における排気浄化装置1の基本構成は、実施形態2と同様であり、ケーシング11に設けられる熱交換部7の連通路16の構成が異なっている。以下、相違点を中心に説明する。
図16において、熱交換部7は、ケーシング11の内筒12と外筒13との間に形成される熱交換媒体流路71を有し、熱交換媒体流路71は、複数のリブ14によって区画される複数の流路711が互いに連通して形成されている。
内燃機関の排気浄化装置に係る実施形態3について、図16、図17を参照しながら説明する。本形態における排気浄化装置1の基本構成は、実施形態2と同様であり、ケーシング11に設けられる熱交換部7の連通路16の構成が異なっている。以下、相違点を中心に説明する。
図16において、熱交換部7は、ケーシング11の内筒12と外筒13との間に形成される熱交換媒体流路71を有し、熱交換媒体流路71は、複数のリブ14によって区画される複数の流路711が互いに連通して形成されている。
上記実施形態2では、複数の流路711を区画する各リブ14に、熱交換量増加手段となる1つ以上の連通孔16を傾斜孔として設けたが、連通孔16の形状は、図17に示すように、種々変更することができる。
具体的には、図17に(a)として示すように、連通孔16をテーパ形状とすることができる。この場合には、連通孔16をリブ14の板面に対して直交する方向に貫通させ、内外筒12、13間に形成される流路711において、熱交換媒体の流れの上流側から下流側へ、拡径するテーパ形状としている。このように、連通孔16の断面積を徐々に広げることで、流速が大となる領域を広げることが可能になる。
具体的には、図17に(a)として示すように、連通孔16をテーパ形状とすることができる。この場合には、連通孔16をリブ14の板面に対して直交する方向に貫通させ、内外筒12、13間に形成される流路711において、熱交換媒体の流れの上流側から下流側へ、拡径するテーパ形状としている。このように、連通孔16の断面積を徐々に広げることで、流速が大となる領域を広げることが可能になる。
なお、連通孔16は、円形断面として、断面積が徐々に広がるようにしてもよいし、円形断面から楕円形断面へ徐々に変化させることで、テーパ形状となるようにしてもよい。
また、図17に(b)として示すように、変形傾斜孔形状の連通孔16としてもよい。この場合には、熱交換媒体の流れの上流側において、連通孔16をリブ14の板面に対して直交する方向に形成し、リブ14の内部で傾斜させている。このとき、連通孔16を、流路外壁となる外筒13の近傍に配置し、流路内壁となる内筒12側へ屈曲するように角度を変えるようにすると、連通孔16を通過する熱交換媒体の流れが、リブ14の近傍において流路内壁面に当たるようになり、この付近の流速を大きくすることができる。
図17に(c)として示すように、傾斜孔形状の連通孔16を複数設けることもできる。この場合には、それぞれの連通孔16がリブ14を通過する際の傾斜角度を変えることで連通孔16を通過する熱交換媒体の流れが、流路内壁面に当たる位置を調整できるので、内筒12の近傍における流速をより均等にすることが可能になる。また、図17に(d)として示すように、傾斜孔形状の連通孔16を平行に複数設けることもできる。この場合には、流路断面積を縮小することで2つないしそれ以上(例えば、図示の例では3つ)の連通孔16を併設し、各連通孔16を通過する熱交換媒体の流速を高めることができる。これにより、熱交換媒体の流速を向上させると共に、連通孔16の全体として流路断面積を大きくすることができる。
(実施形態4)
内燃機関の排気浄化装置に係る実施形態4について、図18、図19を参照しながら説明する。本形態における排気浄化装置1の基本構成は、実施形態2と同様であり、ケーシング11に設けられる熱交換部7において、熱交換量増加手段となる流路構成が異なっている。以下、相違点を中心に説明する。
図18において、熱交換部7は、上記実施形態2と同様に、内筒12と外筒13との間に形成される熱交換媒体流路71を有し、熱交換媒体流路71は、複数のリブ14によって区画される複数の流路711が互いに連通して形成される。ケーシング11の内側には、被加熱領域Aの外側を覆うように磁性体層6が配置される。上記実施形態2では、熱交換量増加手段として、各リブ14に1つ以上の連通路16を設けたが、本形態では、複数の流路711の流路壁に、流路711を通過する熱交換媒体の流れを乱すか又は流路711の表面積を増加可能な凹凸形状部を有する構成としている。
内燃機関の排気浄化装置に係る実施形態4について、図18、図19を参照しながら説明する。本形態における排気浄化装置1の基本構成は、実施形態2と同様であり、ケーシング11に設けられる熱交換部7において、熱交換量増加手段となる流路構成が異なっている。以下、相違点を中心に説明する。
図18において、熱交換部7は、上記実施形態2と同様に、内筒12と外筒13との間に形成される熱交換媒体流路71を有し、熱交換媒体流路71は、複数のリブ14によって区画される複数の流路711が互いに連通して形成される。ケーシング11の内側には、被加熱領域Aの外側を覆うように磁性体層6が配置される。上記実施形態2では、熱交換量増加手段として、各リブ14に1つ以上の連通路16を設けたが、本形態では、複数の流路711の流路壁に、流路711を通過する熱交換媒体の流れを乱すか又は流路711の表面積を増加可能な凹凸形状部を有する構成としている。
具体的には、凹凸形状部として、各流路711の上流側の端部において、流路壁となる内壁12の表面に複数の凸状部17を設けている。複数の凸状部17は、例えばピン状突起や半球状突起とすることができ、各流路711へ熱交換媒体を流入させるリブ14の開口部15の下流側において、隣り合うリブ14間にランダムに配置される。複数の凸状部17は、例えば、2個から数個程度が、流路711の幅方向又は流れ方向に整列せずに、互い違いにずらして配置されるのがよい。
これにより、直線状の流路711を通過する熱交換媒体の流れが乱され又は撹拌されやすくなることで、内筒12に内接する磁性体層6との熱交換を促進可能となる。複数の凸状部17は、内筒12側に設けられると、磁性体層6との接触面積を大きくする効果も得られるが、内筒12側に限らず外筒13側に形成することもできる。
これにより、直線状の流路711を通過する熱交換媒体の流れが乱され又は撹拌されやすくなることで、内筒12に内接する磁性体層6との熱交換を促進可能となる。複数の凸状部17は、内筒12側に設けられると、磁性体層6との接触面積を大きくする効果も得られるが、内筒12側に限らず外筒13側に形成することもできる。
あるいは、図19に変形例として示すように、凹凸形状部として、被加熱領域Aの外側に位置する各流路711の内壁12に、複数のフィン状部18を設けることもできる。複数のフィン状部18は、例えば薄板状とすることができ、少なくとも被加熱領域Aに対応する領域Bにおいて、流路711の流れ方向に対して傾斜配置される。また、磁性体層6又はセラミックス基体2の端部に対応する領域Cに配置することもできる。
これにより、内側に磁性体層6が接する内筒12側において、流路711の表面積を増大させて、流路711を通過する熱交換媒体と磁性体層6との熱交換を促進可能となる。
これにより、内側に磁性体層6が接する内筒12側において、流路711の表面積を増大させて、流路711を通過する熱交換媒体と磁性体層6との熱交換を促進可能となる。
このようにしても、熱交換媒体の流れを乱すことで、上記式2における熱伝達係数hを増加させるか、熱交換媒体と流路壁との伝熱面積Sを増加させることによって、又はその両方によって、熱交換量Qを増加させて、熱交換部7による熱交換効率を向上可能となる。
本発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の実施形態に適用することが可能である。
例えば、上記実施形態では、ケーシング11及びセラミックス基体2を円形の外形形状とした例を示したが、これに限らず、例えば、楕円形であってもよい。また、セラミックス基体2の通孔21となるセル形状は、一定形状であっても、形状や大きさの異なる複数のセルを組み合わせた形状であってもよい。
例えば、上記実施形態では、ケーシング11及びセラミックス基体2を円形の外形形状とした例を示したが、これに限らず、例えば、楕円形であってもよい。また、セラミックス基体2の通孔21となるセル形状は、一定形状であっても、形状や大きさの異なる複数のセルを組み合わせた形状であってもよい。
また、上記実施形態では、自動車用の排ガス浄化触媒への適用例として説明したが、触媒担持フィルタに適用することもできる。さらに、自動車エンジンに限らず、各種装置からの排ガスを浄化する触媒体等、各種用途に任意に使用することができる。
1 排気浄化装置
2 セラミックス基体
21 通孔
22 外周壁
3 コイル
4 導電部材群
41 導電部材
5 誘導加熱部
6 磁性体層
7 熱交換部
2 セラミックス基体
21 通孔
22 外周壁
3 コイル
4 導電部材群
41 導電部材
5 誘導加熱部
6 磁性体層
7 熱交換部
Claims (8)
- 内燃機関の排気通路(EX)の一部をなす金属筒状のケーシング(11)と、
上記ケーシングに収容され、排気流れ方向を軸方向(X)とする筒状の外周壁(22)の内側に、排気が通過する多数の通孔(21)を有するセラミックス基体(2)と、
上記外周壁の外側を取り巻くコイル(3)、及び、上記セラミックス基体の内部に配置され、上記軸方向に延びる棒状の導電部材群(4)を有する誘導加熱部(5)と、を備える、内燃機関の排気浄化装置(1)であって、
上記ケーシングの内周壁に内接して配置され、上記ケーシングよりも高透磁率かつ高電気抵抗率の磁性材料からなる磁性体層(6)と、
上記ケーシングと一体に設けられる熱交換媒体流路(71)を備え、上記ケーシングの内側で発生した熱を外部に移動する熱交換部(7)と、を有している、内燃機関の排気浄化装置。 - 上記ケーシングは、内筒(12)及び外筒(13)を有する二重筒状構造で、上記内筒と上記外筒との間に架設される複数のリブ(14)を有しており、
上記内筒と上記外筒との間に形成される環状空間は、複数の上記リブにて周方向に区画されると共に、周方向に区画された空間が互いに連通して、上記熱交換媒体流路を形成している、請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装置。 - 上記環状空間には、上記軸方向に延びる上記リブを流路壁とする複数の流路(711)が形成されており、複数の上記流路は、上記リブに形成される開口部(15)を介して互いに連通して、上記熱交換媒体流路を形成している、請求項2に記載の内燃機関の排気浄化装置。
- 上記セラミックス基体は、上記導電部材群が配置される領域を被加熱領域(A)としており、
上記熱交換媒体流路は、上記被加熱領域の外周側における熱交換量を増加させる熱交換量増加手段を有している、請求項3に記載の内燃機関の排気浄化装置。 - 上記熱交換量増加手段は、上記リブを貫通して形成されて、隣り合う上記流路を連通する1つ以上の連通孔(16)を有する、請求項4に記載の内燃機関の排気浄化装置。
- 上記連通孔は、複数の上記リブにそれぞれ1つ以上形成され、その中心軸が上記リブの板面に対して傾斜する傾斜孔である、請求項5に記載の内燃機関の排気浄化装置。
- 上記熱交換量増加手段は、上記流路の流路壁に形成されて、上記流路を通過する熱交換媒体の流れを乱すか又は上記流路の表面積を増加可能な凹凸形状部(17、18)を有する、請求項4に記載の内燃機関の排気浄化装置。
- 上記磁性体層は、フェライト系酸化物を含む磁性材料からなる、請求項1〜7のいずれか1項に記載の内燃機関の排気浄化装置。
Priority Applications (1)
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JP2018232705A JP2020094537A (ja) | 2018-12-12 | 2018-12-12 | 内燃機関の排気浄化装置 |
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JP2018232705A Pending JP2020094537A (ja) | 2018-12-12 | 2018-12-12 | 内燃機関の排気浄化装置 |
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-
2018
- 2018-12-12 JP JP2018232705A patent/JP2020094537A/ja active Pending
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