JP2020094463A - 海面処分場埋立域の遮水構造 - Google Patents

海面処分場埋立域の遮水構造 Download PDF

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Abstract

【課題】 海面処分場等の埋立域の法面に敷設される遮水シートと海底面との間の遮水を確実に行う。【解決手段】 海面処分場1の埋立域11を区画するように造成された裏込め工の法面を覆う遮水構造であって、下端部が前記護岸構造物を支持する不透水性地層2アスファルトマスチック密着層35を介して密着された遮水シート20を芯材とする下側遮水層24と、下側遮水層24との間に所定の中間層31が設けられ、下端部が遮水シート20上の区画範囲に充填されたアスファルトマスチック充填層36上に延在して密着された遮水シート21を芯材とする上側遮水層25と、からなる多重遮水層10を捨石マウンド3の法面に構築する。【選択図】 図2

Description

本発明は海面処分場埋立域の遮水構造に係り、特に海面処分場等を建設する際に埋立域を囲むために構築される埋立域の法面に敷設される遮水シートの海底面との間の遮水を確実に行えるようにした海面処分場埋立域の遮水構造に関する。
従来、一般廃棄物及び産業廃棄物の海面最終処分場は、遮水護岸を構築するために、連結部分を遮水構造とした複数のケーソンやセル等の護岸構造物によって区画して建設されている。これらの埋立域側では供用後の護岸構造物及び基礎地盤により囲まれた管理型廃棄物最終処分場から周辺海域及び周辺陸域への保有水の浸出防止を図るために、遮水シート等による各種の遮水構造が施工されている。
これらの遮水構造については、「一般廃棄物の最終処分場及び産業廃棄物の最終処分場に係る技術上の基準を定める省令(以下、基準省令)」(非特許文献1)にその基本構造が明示されている。図10の例は、ケーソン式混成堤護岸によって建設された海面処分場50において、廃棄物70による埋立が完了した状態を示した概略断面図である。この海面処分場50となる埋立域51を区画する護岸構造物として、不透水性地層52上に構築された捨石マウンド53上にケーソン54が設置され、捨石マウンド53の埋立域51側の法面に沿って一重目遮水シート60が敷設されている。一重目遮水シート60上には所定厚の裏込め工61が構築され、その上に二重目遮水シート62が敷設され、さらに二重目遮水シート62全体を覆うように押え捨石63が構築されている。そして、埋立処分される廃棄物70が、この埋立域に搬入、堆積される。最終的に、図10に示したように、予定量の廃棄物70による埋め立て完了後、表層は建設発生土、搬入土71によって覆土される。図11は、従来の技術基準で規定された二重遮水構造としての遮水シート下端の不透水性地層への密着構造の一例を示している。一重目遮水シート60、二重目遮水シート62のいずれの密着構造も同一である。
ところで、海面処分場では,埋立護岸構造物に遮水工が付加された管理型廃棄物埋立護岸として構築される。そのため、基準省令の趣旨に沿って海面処分場の特性に配慮した設計上の指針として「管理型廃棄物埋立護岸設計・施工・管理マニュアル(改訂版)」(以下、設計・施工・管理マニュアル、平成20年8月、(財)港湾空間高度化環境研究センター発行)が作成されている。この設計・施工・管理マニュアルでは、上述した遮水シート60,62の下端は、海底面としての不透水性地層52あるいは深層混合処理土(C.D.M.)等の遮水基盤の表面に敷設長L1=5m以上密着して敷設する構造とすることが規定されている。また、遮水シートの端部60a,62aは、その安定状態を確保するために、アスファルトマスチック充填層66内に位置するように配置されように設計される。
環境庁 法令・告示・通達、"一般廃棄物の最終処分場及び産業廃棄物の最終処分場に係る技術上の基準を定める省令"、[online]、平成10年7月16日改定、環境省、[平成30年9月18日検索]、インターネット<URL:http://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=352M50000102001&openerCode=1>
従来の基準省令、設計・施工・管理マニュアルに基づいた護岸構造物の遮水工の設計では、図10,11に示したように、二重の遮水シート60,62を法面造成の進行に合わせて、ほぼ同様の工程を繰り返して施工しなければならない。また一重目遮水シート60と二重目遮水シート62との間に所定層厚の裏込め工61を構築しなければならない。よって、遮水シート工、裏込め工において、工程および工事量が多く、工事期間の長期化、工事費の増大が問題となる。
ところで、遮水シート60,62の端部が保持されるアスファルトマスチック充填層66は、仕切型枠としてのコンクリートブロック67,67で囲まれた区画内に充填された流動状態のアスファルトマスチックが固化して形成されたものである。この時のアスファルトマスチック充填層66内で密着長(浸透路長)L2は、実験あるいは基準省令に示された不透水性地層(厚さ5m以上かつ透水係数1×10-5cm/秒以下)と同等の浸透時間となるように設計された必要密着長に安全率を乗じた長さ(たとえばL2=1.25m=必要密着長(必要浸透路長)0.5m×安全率2.5)とすることができることが認められた。
よって、遮水シート60,62と不透水性地層52あるいは深層混合処理土(C.D.M.)等の遮水基盤の表面等との密着長についても両者間に薄いアスファルトマスチック密着層64,65を形成することで、上述の敷設長L1を短縮することが可能できると考えられる。
そこで、本発明の目的は上述した従来の技術が有する問題点を解消するための将来的に有効な対応策として、2層の遮水シートを多重の遮水層として敷設するための、不透水性地層表面等の遮水基盤に敷設されてる遮水シートとの間にアスファルトマスチック層を形成することにより、従来2箇所のアスファルトマスチック層を1箇所にすることが可能になり、工事期間、工事費等を大幅に抑え、規定の技術基準を満たした構造物を構築するようにした海面処分場埋立域の遮水構造を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の海面処分場埋立域の遮水構造は、海面処分場埋立域を区画するように造成された護岸構造物の裏込め工の法面を覆う遮水構造であって、下端部が前記護岸構造物を支持する遮水基盤表面に設けられた第1の不透水性遮水材を介して密着された下側遮水シートを芯材とする下側遮水層と、該下側遮水層との間に所定の中間層が設けられ、下端部が前記下側遮水シート上の区画範囲に充填された第2の不透水性遮水材上に延在して密着された上側遮水シートを芯材とする上側遮水層と、からなる多重遮水層が前記裏込め工の法面に構築されたことを特徴とする。前記遮水基盤は、不透水性地層あるいは深層混合処理土層であることが好ましい。
前記多重遮水層は、前記下側遮水層上に所定層厚をなして中間被覆土層が敷設され、該中間被覆土層上に前記上側遮水層が積層されることが好ましい。
前記多重遮水層は、前記法面に沿って下側緩衝保護層が敷設され、該下側緩衝保護層上に前記下側遮水層が積層され、前記上側遮水層上に上側緩衝保護層が敷設されることが好ましい。
前記第2の不透水性遮水材は、前記下側遮水シート上に設置された仕切型枠材で区画された空間に充填されることが好ましい。
前記下側遮水シートは、両面に保護マットが積層されて前記下側遮水層が構成され、前記上側遮水シートは、両面に保護マットが積層されて前記上側遮水層が構成されることが好ましい
前記保護マットは、不織布からなることが好ましい。
前記中間被覆土層は、布製袋型枠内に中詰め材が充填されたマット状体からなることが好ましい。
前記下側緩衝保護層及び前記上側緩衝保護層は、布製袋型枠内に中詰め材が充填されることが好ましい。
前記下側遮水シート及び前記上側遮水シートは、前記仕切型枠材で区画された範囲においてアンカー突起が形成され、前記アンカー突起が前記第2の不透水性遮水材内に埋設されることが好ましい。
前記第1及び第2の不透水性遮水材は、アスファルト系遮水材、土質系遮水材、セメント系遮水材、ケミカル系遮水材のいずれかであることが好ましい。
前記中詰め材は、固化処理土、建設残土、海底堆積土、砂、アスファルト系、土質系、セメント系、ケミカル系充填固化材のいずれかであることが好ましい。
他の発明として本発明は、海面処分場埋立域を区画するように造成された護岸構造物の裏込め工の法面を覆う遮水構造であって、下端部が前記護岸構造物を支持する遮水基盤表面に設けられた第1の不透水性遮水材上に、押さえ捨石あるいは堆積廃棄物の自重による上載荷重で前記遮水基板表面に密着させた下側遮水シートを芯材とする下側遮水層と、該下側遮水層との間に所定の中間層が設けられ、該中間層上に敷設された上側遮水シートを芯材とする上側遮水層とからなる多重遮水層が前記裏込め工の法面に構築されたことを特徴とする。
さらなる他の発明として本発明は、海面処分場埋立域を区画するように造成された護岸構造物の裏込め工の法面を覆う遮水構造であって、下端部が前記護岸構造物を支持する遮水基盤表面に設けられた第1の不透水性遮水材を介して密着され、上面が第2の不透水性遮水材で押さえられた下側遮水シートを芯材とする下側遮水層と、該下側遮水層と同様構成により下端部が前記遮水基盤表面に密着され、前記下側遮水層との間に所定の中間層が設けられ、前記下側遮水層の上方に敷設された上側遮水シートを芯材とする上側遮水層とからなる多重遮水層が前記裏込め工の法面に構築されたことを特徴とする。
上述のさらなる他の発明において、前記下側遮水シートは、遮水基盤表面に設けられた第1の不透水性遮水材上に、押さえ捨石あるいは堆積廃棄物の自重による上載荷重で前記遮水基板表面に密着させることが好ましい。
本発明の海面処分場埋立域の遮水構造の一実施形態が用いられている海面処分場の全体構造を示した側断面図。 図1に示した遮水構造の下部を拡大して示した拡大側断面図。 図1に示した遮水構造の法面での遮水部材の積層状態を拡大して示した拡大側断面図。 図1に示した遮水構造と遮水基盤との密着部を拡大して示した拡大側断面図。 他の実施形態の遮水構造と遮水基盤との密着部を拡大して示した拡大側断面図。 図5の密着部における遮水シートの配置を拡大して示した拡大側断面図。 他の実施形態の遮水構造の下部を拡大して示した拡大側断面図。断面図。 図7に示した遮水構造の法面での遮水部材の積層状態を拡大して示した拡大側断面図。 他の実施形態の遮水構造の下部を拡大して示した拡大側断面図。 従来の海面処分場埋立域の遮水構造の一実施形態が用いられている海面処分場埋立域(海面処分場)の全体構造を示した側断面図。 図10に示した遮水構造の下部を拡大して示した拡大側断面図。
以下、本発明の海面処分場埋立域の遮水構造の実施するための形態について添付図面を参照して説明する。
図1は、本発明の遮水構造を、図10に示した従来の海面処分場と同じ規模の処分場に適用した実施形態を示している。図2は、遮水構造の下部と、遮水基盤の一例としての不透水性地層との密着部を拡大して示している。遮水基盤としては、原位置の不透水性地層あるいは深層混合処理土(C.D.M.)等の改良地盤とがあるが、以下の実施形態の説明では、遮水基盤としての不透水性地層上に遮水構造を構築した例をもとに説明する。
図1には、海面処分場1となる埋立域11を区画する護岸構造物として、不透水性地層2上に造成された捨石マウンド3上にケーソン4が設置されている。ケーソン4は内部に中詰め砂が充填された公知の鉄筋コンクリート製、鋼製、ハイブリッド製の函体からなり、複数の同形のケーソン4を捨石マウンド3上に列状に配置することで、沿岸水域に所定面積、広さからなる埋立域11を区画する護岸構造物として機能する。さらに捨石マウンド3の埋立域側の法面には本発明の多重遮水層が構築されている。多重遮水層10の下端は、図2に示したように、不透水性地層と密着する構造を有している。
多重遮水層10は、保護マット22が積層された2層の遮水シート20,21(下側遮水層24、上側遮水層25)、中間被覆土層31、上下2層の緩衝保護層30,32とから構成されており、所定層厚が確保された積層された遮水層として機能する。さらに多重遮水層10が構築された法面全体を覆うように押え捨石5が構築され、所定規模の埋立域11が造成され、この埋立域11に図10の場合と同様に埋立処分される廃棄物70が搬入されて埋め立てられ、予定量の廃棄物70による埋立完了後、表層は建設発生土、搬入土71によって覆土される。
図3は、図1で示された多重遮水層10の層構成を模式的に示した部分断面図である。多重遮水層10は、同図に示したように、捨石マウンド3の被覆石の法面上に敷設された下側緩衝保護層30と、下側緩衝保護層30に密着して敷設された、両面が保護マット22で挟まれた遮水シート20からなる下側遮水層24と、下側遮水層24上に構築され、上側遮水層との間に所定の離隔を確保する中間被覆土層31と、中間被覆土層31上に密着して敷設され、両面が保護マット22で挟まれた遮水シート21からなる上側遮水層25と、上側遮水層25上に構築され、上側遮水層25を保護する上側緩衝保護層とで構成されている。
多重遮水層10のうち、下側緩衝保護層30、中間被覆土層31、上側緩衝保護層32とはともに、布製袋型枠T内に、中詰め材としてセメント系固化処理土が充填された、所定厚さを有するマット状体である。このマット状体を構築するための布製袋型枠は、2枚の合成繊維(たとえば、ナイロン(登録商標)またはポリエステル繊維)製の織布間を所定長さの間隔保持部材によって連結した、内部に所定の空間を形成可能な袋状体からなる。布製袋型枠Tの内部空間に流動性を有する状態のセメント系固化処理土Sを充填し、固化処理土Sが固化することにより、所定強度のマット状体が構築される。本発明では、型枠の表裏面を構成する布材間に同素材の間隔保持壁材が設けられた、固化処理土Sが充填された状態で連続箱形をなす布製袋型枠が用いられている。同等の機能を果たす布製袋型枠Tの既製品としては、商品名「タコムマット」(太陽工業製)がある。
中詰め材としては、セメント系固化処理土に代えて、現場に搬入された建設残土、建設廃材、現場で供給可能な海底堆積土、海砂、山砂、ベントナイト、フライアッシュ、各種合成樹脂材料等を含む土質系、セメント系、ケミカル系の充填固化材等、もしくはこれらの混合材料を、中詰め、充填して用いることもできる。
布製袋型枠Tを用いたマット状体は、法面上に型枠や足場を設置することなく、裏込め工や捨石マウンド3の法面に沿って敷設された布製袋型枠Tの注入口からセメント系固化処理土S等の硬化材料を、2枚の織布間に充填して硬化させるだけで法面上に迅速に構築することができる。このマット状体の厚さは中間接合糸の長さによって任意に設定できる。本実施形態の場合、緩衝保護層のマット状体の厚さは50〜100mm、中間被覆土層31のマット状体の厚さは500mm程度を想定している。緩衝保護層の層厚が50〜100mm、中間被覆土層31の層厚が500mm程度を確保すれば、布製袋型枠を使用しないで所定層厚にセメント系固化処理土S等の硬化材料を積層して、中間被覆土層、緩衝保護層を構築することもできる。
下側遮水層24、上側遮水層25は同一構成からなり、ともに低密度ポリエチレンシート(LLDPE:厚さ3mm)の遮水シート20(21)を芯材として上下面に保護マット22としての不織布が一体的に積層されている。このように、遮水シートの両面に保護マット22としての不織布を積層して配置することにより、捨石マウンド3の裏込め材料の表面に不織布が接し、裏込め材料と遮水層との間に大きな静止摩擦力と、緩衝作用が確保できる。遮水シートに好適な他の素材としては、ポリ塩化ビニル(PVC)製シート、不織布とPVCシートとの積層シート、熱可塑性系エラストマー(TPE)シート、高密度ポリエチレンシート(HDPE)の単体シート等があり、これらを適宜選択して使用することができる。シート厚としては沈下等による伸びを考慮して1.5〜3.0mm程度とすることが好ましい。
保護マット22は、本実施形態ではポリエチレンテレフタラート(PET)不織布(500g/m2)が用いられている。この2枚の保護マット22で遮水シート20(21)を挟むように積層し、遮水層24(25)を構成する。保護マット22のその他の好適な材料としては、ポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)等を使用することができるが、遮水シートの各面に接する現場状況によっては、遮水シート20(21)の片面のみに保護マット22を使用しても良い。
ここで、本発明の遮水構造の多重遮水層10の下端における不透水性地層2との密着部の構成について、図2、図4を参照して説明する。捨石マウンド3の法面上の多重遮水層10は、図3に示した積層構造からなるが、多重遮水層10を構成する下側遮水層24は、保護マット22が法尻部分まで敷設され、その先端側は遮水シートの先端20aのみが不透水性地層2の表面上に延設されている。このとき遮水シート先端20aの下面と不透水性地層表面2との間には厚さ約15cmの不透水性遮水材としての熱可塑性材料であるアスファルトマスチック密着層35が形成され、遮水シート20と不透水性地層表面2との密着が図られている。不透水性地層2に代えて深層混合処理土(C.D.M.)を遮水基盤とする場合も同様にアスファルトマスチック密着層35を構築することで、遮水シート20の先端20aの密着長Lを短くできる。
なお、従来の遮水工(たとえば図10)のように、アスファルトマスチック密着層35を設けないで、遮水シート20を不透水性地層表面にそのまま敷設する場合には、遮水シート20の先端20aは、捨石マウンド3の法尻部分から不透水性地層2の表面に沿って敷設長L1=5mだけ延長させる。
下側遮水層24の遮水シート20の先端20aにおいて、捨石マウンド3の法尻と、法尻から不透水性地層表面側の約1.25m離れた位置とに2個のコンクリートブロック33,34が載置されている。これらコンクリートブロック33,34は、従来構造と同様に仕切型枠として機能し、これら2個のコンクリートブロック33,34間に、不透水性遮水材としてのアスファルトマスチックが充填され固化したアスファルトマスチック充填層36がそれぞれ形成される。コンクリートブロック33,34は、図2、図4に示したように、本実施形態ではそれぞれコンクリートブロック33(約0.5m×約0.5m)、コンクリートブロック34(約0.5m×約0.6〜0.7m)の断面を有した細長直方体からなり、ブロックの長手方向が法面の法尻の延長方向に沿って延在するように設置されている。法尻側のコンクリートブロック33の高さは、法尻位置での中間被覆土層31の鉛直高さにほぼ等しく、コンクリートブロック33は法尻位置で下側遮水層24の遮水シート20の先端部20aの上に載置され、コンクリートブロック33の上面には上側遮水層25の遮水シート21の先端部21aが延在し、遮水シート20、21の先端20a、21aは、アスファルトマスチック充填層36の上下面に延在するように敷設されている。上述したアスファルトマスチック密着層35、アスファルトマスチック充填層36に用いられた不透水性遮水材としての熱可塑性材料であるアスファルトマスチックに代えて、ベントナイト、フライアッシュ、各種合成樹脂材料等を含む土質系遮水材、セメント系遮水材、ケミカル系遮水材を用いることもできる。
すなわち、本発明では、下側遮水層24の遮水シート20、上側遮水層25の遮水シート21は敷設状態において、いずれも先端部20a、21aがアスファルトマスチック充填層36内において所定の密着長L2(たとえば1.25m=必要密着長0.5m×安全率2.5)が確保されている。なお、本実施形態では、遮水シート上面に不透水性遮水材を用いたアスファルトマスチック被覆層37が所定厚で形成されているが、アスファルトマスチック被覆層37を設けない場合もある。
本発明の実施形態においては、溶融状態のアスファルトマスチックは、図4に拡大して示したように、遮水シート上の所定位置に設置された仕切型枠材としての2個のコンクリートブロック33,34間の空間に充填され、下側の遮水シート20の上面と上側の遮水シート21の上下面に密着した状態で粘弾性体としての機能を保持して固化する。仕切型枠材の材質としてはコンクリートブロック以外に、海中において劣化の進行することのない材質が好ましく、鋼材、石材等があげられる。
以上の説明では、下側の遮水シート20の端部は、アスファルトマスチック密着層35とコンクリートブロック33,34で仕切られた空間に形成されたアスファルトマスチック充填層36との間に挟まれて遮水化が実現されるが、押え層としてのアスファルトマスチック充填層36を用いずに、遮水シート20上に積層される押え捨石や廃棄物の自重による上載荷重によって遮水シート20をアスファルトマスチック密着層35に密着させることも可能である。
図5は、下側遮水層24の遮水シート20の先端のコンクリートブロック33,34内に位置する部位と、上側遮水層25の遮水シート21のコンクリートブロック33,34内に位置する部位とにおいて、遮水シート20,21に、シート裏面にアンカー突起38aが等間隔にわたり形成された遮水シート38(たとえば、商品名スタッドライナー(太陽工業株式会社製))を接合し、コンクリートブロック33,34で仕切られた空間にアスファルトマスチック36を充填した状態を示している。アンカー突起38aが裏面に形成された遮水シート38は、図6(a)に示したような形状からなり、このアンカー突起38aによってアスファルトマスチックとの密着面積、すなわち密着長(浸透路長)を増加させることができる。この結果、上述した遮水シート38とアスファルトマスチックとの密着長を、設計上必要とされる1.25mより短縮することができ、アスファルトマスチックの充填量を減らすことができ、材料コスト、工事コストを抑えることができる。また、図6(a)に示した形状のアンカー突起38aに代えて、図6(b)に示したような断面形がL形をなす遮水シート38と同材質のL形部材38bを遮水シート内面に間隔をあけて並べて融着して同等の効果を奏することができる。また、アンカー突起38a、L形部材38bを組み合わせて使用することもできる。
図7は、多重遮水層10の他の実施形態として、所定の層厚の中間被覆土層31を構成する布製袋型枠Tにおいて、表裏2枚の合成繊維製織布の外面にあらかじめ上述の遮水シート20,21を貼着させた、2枚の遮水シート20,21を一体化させた布製袋型枠Tを用い、この布製袋型枠Tを捨石マウンド3あるいは裏込め石の法面に敷設し、布製袋型枠T内に固化処理土Sを充填させて遮水構造とした実施形態を示している。図8は、この布製袋型枠Tを用いた多重遮水層10を部分的に拡大して示している。中間被覆土層31を構築可能なこの布製袋型枠Tを用いることで、2枚の遮水シート間に中間被覆土層31の層厚分だけ離隔を設けて二重遮水層を一挙に構築することができる。遮水シートの耐久性を考慮して裏込め工等との接触面に不織布等からなる保護マット22を一体的に積層させることも好ましい。
図9は、他の実施形態として、下側遮水層24の遮水シート20、上側遮水層25の遮水シート21の端部をそれぞれの遮水シート20,21ごとに遮水構造を設けるようにした例を示している。また、個々の遮水構造において、アスファルトマスチック充填層36を省略し、押え捨石や堆積廃棄物によって遮水シート20,21をアスファルトマスチック密着層35に押える構造によって遮水シート端部の遮水化を図ることも可能である。
以上の説明において、本発明は種々の実施形態に限定されるものではなく、各請求項に示した範囲内での種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲内で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態も、本発明の技術的範囲に含まれる。
1 海面処分場
2 不透水性地層
3 捨石マウンド
10 多重遮水層
11 埋立域
20,21,38 遮水シート
22 保護マット
24 下側遮水層
25 上側遮水層
30 下側緩衝保護層
31 中間被覆土層
32 上側緩衝保護層
33,34 コンクリートブロック(仕切型枠材)
35 アスファルトマスチック密着層
36 アスファルトマスチック充填層
37 アスファルトマスチック被覆層
S 固化処理土
T 布製袋型枠

Claims (15)

  1. 海面処分場埋立域を区画するように造成された護岸構造物の裏込め工の法面を覆う遮水構造であって、
    下端部が前記護岸構造物を支持する遮水基盤表面に設けられた第1の不透水性遮水材を介して密着された下側遮水シートを芯材とする下側遮水層と、
    該下側遮水層との間に所定の中間層が設けられ、下端部が前記下側遮水シート上の区画範囲に充填された第2の不透水性遮水材上に延在して密着された上側遮水シートを芯材とする上側遮水層と、
    からなる多重遮水層が前記裏込め工の法面に構築されたことを特徴とする海面処分場埋立域の遮水構造。
  2. 前記多重遮水層は、前記下側遮水層上に所定層厚をなして中間被覆土層が敷設され、該中間被覆土層上に前記上側遮水層が積層された請求項1に記載の海面処分場埋立域の遮水構造。
  3. 前記多重遮水層は、前記法面に沿って下側緩衝保護層が敷設され、該下側緩衝保護層上に前記下側遮水層が積層され、
    前記上側遮水層上に上側緩衝保護層が敷設された請求項1または請求項2に記載の海面処分場埋立域の遮水構造。
  4. 前記第2の不透水性遮水材は、前記下側遮水シート上に設置された仕切型枠材で区画された空間に充填された請求項1に記載の海面処分場埋立域の遮水構造。
  5. 前記下側遮水シートは、両面に保護マットが積層されて前記下側遮水層が構成され、前記上側遮水シートは、両面に保護マットが積層されて前記上側遮水層が構成された請求項1に記載の海面処分場埋立域の遮水構造。
  6. 前記保護マットは、不織布からなる請求項5に記載の海面処分場埋立域の遮水構造。
  7. 前記中間被覆土層は、布製袋型枠内に中詰め材が充填されたマット状体からなる請求項2に記載の海面処分場埋立域の遮水構造。
  8. 前記下側緩衝保護層及び前記上側緩衝保護層は、布製袋型枠内に中詰め材が充填されたマット状体からなる請求項3に記載の海面処分場埋立域の遮水構造。
  9. 前記下側遮水シート及び前記上側遮水シートは、前記仕切型枠材で区画された範囲においてアンカー突起が形成され、前記アンカー突起が前記第2の不透水性遮水材内に埋設された請求項4に記載の海面処分場埋立域の遮水構造。
  10. 前記第1及び第2の不透水性遮水材は、アスファルト系遮水材、土質系遮水材、セメント系遮水材、ケミカル系遮水材のいずれかである請求項1に記載の海面処分場埋立域の遮水構造。
  11. 前記中詰め材は、固化処理土、建設残土、海底堆積土、砂、アスファルト系、土質系、セメント系、ケミカル系充填固化材のいずれかである請求項7または請求項8に記載の海面処分場埋立域の遮水構造。
  12. 海面処分場埋立域を区画するように造成された護岸構造物の裏込め工の法面を覆う遮水構造であって、
    下端部が前記護岸構造物を支持する遮水基盤表面に設けられた第1の不透水性遮水材上に、押さえ捨石あるいは堆積廃棄物の自重による上載荷重で前記遮水基板表面に密着させた下側遮水シートを芯材とする下側遮水層と、
    該下側遮水層との間に所定の中間層が設けられ、該中間層上に敷設された上側遮水シートを芯材とする上側遮水層と、
    からなる多重遮水層が前記裏込め工の法面に構築されたことを特徴とする海面処分場埋立域の遮水構造。
  13. 海面処分場埋立域を区画するように造成された護岸構造物の裏込め工の法面を覆う遮水構造であって、
    下端部が前記護岸構造物を支持する遮水基盤表面に設けられた第1の不透水性遮水材を介して密着され、上面が第2の不透水性遮水材で押さえられた下側遮水シートを芯材とする下側遮水層と、
    該下側遮水層と同様構成により下端部が前記遮水基盤表面に密着され、前記下側遮水層との間に所定の中間層が設けられ、前記下側遮水層の上方に敷設された上側遮水シートを芯材とする上側遮水層と、
    からなる多重遮水層が前記裏込め工の法面に構築されたことを特徴とする海面処分場埋立域の遮水構造。
  14. 前記下側遮水シートは、遮水基盤表面に設けられた第1の不透水性遮水材上に、押さえ捨石あるいは堆積廃棄物の自重による上載荷重で前記遮水基板表面に密着された請求項13に記載の海面処分場埋立域の遮水構造。
  15. 前記遮水基盤は、不透水性地層あるいは深層混合処理土層である請求項1、請求項12、請求項13のいずれか1項に記載の海面処分場埋立域の遮水構造。
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