JP2020094241A - 純銅材、電子・電気機器用部材、放熱用部材 - Google Patents
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Abstract
【課題】打ち抜き加工性に優れ、精度良く、かつ、効率的に打ち抜き加工を行うことが可能な純銅材を提供する。【解決手段】Sを除くCuの純度が99.96mass%以上で残部が不可避不純物とされるとともに、Sを20massppm以上1000massppm以下の範囲内で含むことを特徴とする。Pb及びBiの合計含有量が20massppm以下とされていることが好ましい。また、Pの含有量が5massppm以下とされていることが好ましい。【選択図】なし
Description
本発明は、ヒートシンク、厚銅回路、バスバー等の電子・電気機器用部材に適した純銅材であって、特に打ち抜き加工性に優れた純銅材、この純銅材からなる電子・電気機器用部材及び放熱用部材に関する。
従来、厚銅回路、バスバー等の電子・電気機器用部材、及び、ヒートシンク等の放熱用部材においては、導電性及び熱伝導性の高い銅又は銅合金が用いられている。
ここで、電子機器や電気機器等の大電流化にともない、電流密度の低減およびジュール発熱による熱の拡散のために、これら電子機器や電気機器等に使用される電子・電気機器用部材や放熱用部材の大型化、厚肉化が図られている。このため、電子・電気機器用部材及び放熱用部材を構成する材料には、高い導電率及び熱伝導性やプレス加工時の良好な打ち抜き加工性が求められている。
ここで、電子機器や電気機器等の大電流化にともない、電流密度の低減およびジュール発熱による熱の拡散のために、これら電子機器や電気機器等に使用される電子・電気機器用部材や放熱用部材の大型化、厚肉化が図られている。このため、電子・電気機器用部材及び放熱用部材を構成する材料には、高い導電率及び熱伝導性やプレス加工時の良好な打ち抜き加工性が求められている。
ここで、例えば特許文献1−3には、打ち抜き加工性を向上させた銅材料が提案されている。
特許文献1には、Cu−Ni−Si系合金において、S,Se,Te,Sb、Bi等を添加することにより、スタンピング加工性を改善する技術が開示されている。
特許文献2には、Cu−Fe−P系合金において、結晶組織配向性を規定することにより、プレス打ち抜き性を向上させる技術が開示されている。
特許文献3には、Cu−Cr−Sn−Zn系合金において、CrまたはCr化合物を分散させることにより、打ち抜き加工性を向上させる技術が開示されている。
特許文献1には、Cu−Ni−Si系合金において、S,Se,Te,Sb、Bi等を添加することにより、スタンピング加工性を改善する技術が開示されている。
特許文献2には、Cu−Fe−P系合金において、結晶組織配向性を規定することにより、プレス打ち抜き性を向上させる技術が開示されている。
特許文献3には、Cu−Cr−Sn−Zn系合金において、CrまたはCr化合物を分散させることにより、打ち抜き加工性を向上させる技術が開示されている。
ところで、特許文献1−3においては、いずれも各種銅合金を対象として打ち抜き加工性の向上を図ったものである。
ここで、大電流用途の電子・電気機器用部材及び放熱用部材においては、導電性及び熱伝導性に優れていることが要求されるため、上述した銅合金ではなく、導電性及び熱伝導性に特に優れた純銅からなる厚板材が用いられることがある。
なお、厚板材において材料強度が高い場合には、成形加工時においてスプリングバック量が大きくなってしまい、高い寸法精度を確保できなくなり、曲げ加工時等に設備負荷が高くなるおそれがある。このため、厚板材としては、比較的材料強度が低い純銅材を適用することが好ましい。
ここで、大電流用途の電子・電気機器用部材及び放熱用部材においては、導電性及び熱伝導性に優れていることが要求されるため、上述した銅合金ではなく、導電性及び熱伝導性に特に優れた純銅からなる厚板材が用いられることがある。
なお、厚板材において材料強度が高い場合には、成形加工時においてスプリングバック量が大きくなってしまい、高い寸法精度を確保できなくなり、曲げ加工時等に設備負荷が高くなるおそれがある。このため、厚板材としては、比較的材料強度が低い純銅材を適用することが好ましい。
しかしながら、純銅材においては、打ち抜き加工性が特に悪いことで知られており、純銅材を厚肉化することによって、この問題がさらに顕著となっている。このため、純銅材を打ち抜き加工した場合には、寸法精度の低下、打ち抜き屑の発生、金型の摩耗等の問題が生じ、純銅材からなる電子・電気機器用部材及び放熱用部材を精度良く、かつ、効率良く製造することが困難であった。
この発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであって、打ち抜き加工性に優れ、精度良く、かつ、効率的に打ち抜き加工を行うことが可能な純銅材、この純銅材からなる電子・電気機器用部材及び放熱用部材を提供することを目的とする。
この課題を解決するために、本発明者らが鋭意検討した結果、純銅材にSを適量添加してCu−S系化合物を分散させることにより、導電率や熱伝導率、強度等の特性を確保したまま、打ち抜き加工性を向上できるとの知見を得た。また、Sは、純銅材の熱間加工割れを引き起こすことが知られているが、Sの含有量を適正化することによって、熱間加工割れの発生を抑制することができるとの知見を得た。
本発明は、上述の知見に基づいてなされたものであって、本発明の純銅材は、Sを除くCuの純度が99.96mass%以上で、残部が不可避不純物とされるとともに、Sを20massppm以上1000massppm以下の範囲内で含むことを特徴としている。
この構成の純銅材によれば、Sを20massppm以上1000massppm以下の範囲内で含んでいるので、Cu−S系化合物を分散させることができ、打ち抜き加工時にはCu−S系化合物を起点として破壊が起こるため、打ち抜き加工性を向上させることができる。また、Sの含有量を上述の範囲内とすることにより、熱間加工割れの発生を抑制することができる。
さらに、Sを除くCuの純度が99.96mass%以上で、残部が不可避不純物とされているので、銅の純度が十分に高く、純銅材としての導電性や強度等の特性を確保することができ、大電流用途の電子・電気機器用部材及び放熱用部材の素材として適している。
さらに、Sを除くCuの純度が99.96mass%以上で、残部が不可避不純物とされているので、銅の純度が十分に高く、純銅材としての導電性や強度等の特性を確保することができ、大電流用途の電子・電気機器用部材及び放熱用部材の素材として適している。
ここで、本発明の純銅材においては、Pb及びBiの合計含有量が20massppm以下とされていることが好ましい。
不可避不純物として含まれるおそれがあるPb及びBiは、粒界に偏析しやすく、かつ、融点が低いため、熱間加工性を低下させる。よって、不可避不純物として含まれるPb及びBiの合計含有量を20massppm以下に制限することにより、熱間加工割れの発生をさらに抑制することができる。
不可避不純物として含まれるおそれがあるPb及びBiは、粒界に偏析しやすく、かつ、融点が低いため、熱間加工性を低下させる。よって、不可避不純物として含まれるPb及びBiの合計含有量を20massppm以下に制限することにより、熱間加工割れの発生をさらに抑制することができる。
また、本発明の純銅材においては、Pの含有量が5massppm以下とされていることが好ましい。
不可避不純物として含まれるおそれがあるPは、Cu−S系化合物の分布状態に影響を与える作用を有することが判明した。このため、不可避不純物として含まれるPの含有量を5massppm以下に制限することにより、Cu−S系化合物を十分に分散させることができ、打ち抜き加工性をさらに向上させることが可能となる。
不可避不純物として含まれるおそれがあるPは、Cu−S系化合物の分布状態に影響を与える作用を有することが判明した。このため、不可避不純物として含まれるPの含有量を5massppm以下に制限することにより、Cu−S系化合物を十分に分散させることができ、打ち抜き加工性をさらに向上させることが可能となる。
さらに、本発明の純銅材においては、打ち抜き断面における破断面比率が20%以上であることが好ましい。
この場合、打ち抜き加工をした際の断面において、破断面比率が20%以上とされているので、せん断面の比率が十分に低く、打ち抜き加工時におけるバリの発生を抑制でき、寸法精度を向上させることが可能となる。また、金型の摩耗及び打ち抜き屑の発生を抑制することができ、打ち抜き加工を効率良く行うことができる。
この場合、打ち抜き加工をした際の断面において、破断面比率が20%以上とされているので、せん断面の比率が十分に低く、打ち抜き加工時におけるバリの発生を抑制でき、寸法精度を向上させることが可能となる。また、金型の摩耗及び打ち抜き屑の発生を抑制することができ、打ち抜き加工を効率良く行うことができる。
さらに、本発明の純銅材においては、引張強度が500MPa以下であることが好ましい。
この場合、引張強度が500MPa以下であり、純銅材としての特性が確保されているので、大電流用途の電子・電気機器用部材及び放熱用部材の素材として特に適している。
この場合、引張強度が500MPa以下であり、純銅材としての特性が確保されているので、大電流用途の電子・電気機器用部材及び放熱用部材の素材として特に適している。
さらに、本発明の純銅材においては、導電率が90%IACS以上であることが好ましい。
この場合、導電率が90%IACS以上であり、純銅材としての特性が確保されているので、大電流用途の電子・電気機器用部材及び放熱用部材の素材として特に適している。
この場合、導電率が90%IACS以上であり、純銅材としての特性が確保されているので、大電流用途の電子・電気機器用部材及び放熱用部材の素材として特に適している。
そして、本発明の電子・電気機器用部材は、上述の純銅材からなることを特徴としている。
この構成の電子・電気機器用部材によれば、上述の純銅材で構成されているので、形状精度が良く、導電性に優れている。よって、大電流用途においても好適に使用することが可能となる。
この構成の電子・電気機器用部材によれば、上述の純銅材で構成されているので、形状精度が良く、導電性に優れている。よって、大電流用途においても好適に使用することが可能となる。
また、本発明の放熱用部材は、上述の純銅材からなることを特徴としている。
この構成の放熱用部材によれば、上述の純銅材で構成されているので、形状精度が良く、熱伝導性に優れている。よって、発熱量が多い用途においても、効率的に放熱させることが可能となる。
この構成の放熱用部材によれば、上述の純銅材で構成されているので、形状精度が良く、熱伝導性に優れている。よって、発熱量が多い用途においても、効率的に放熱させることが可能となる。
本発明によれば、打ち抜き加工性に優れ、精度良く、かつ、効率的に打ち抜き加工を行うことが可能な純銅材、この純銅材からなる電子・電気機器用部材及び放熱用部材を提供することができる。
以下に、本発明の一実施形態である純銅材について説明する。
本実施形態である純銅材は、厚銅回路、バスバー等の電子・電気機器用部材、及び、ヒートシンク等の放熱用部材の素材として用いられるものであり、前述の電子・電気機器用部材及び放熱用部材を成形する際に、打ち抜き加工が施されるものである。
本実施形態である純銅材は、厚銅回路、バスバー等の電子・電気機器用部材、及び、ヒートシンク等の放熱用部材の素材として用いられるものであり、前述の電子・電気機器用部材及び放熱用部材を成形する際に、打ち抜き加工が施されるものである。
本実施形態である純銅材は、Sを除くCuの純度が99.96mass%以上で、残部が不可避不純物とされるとともに、Sを20massppm以上1000massppm以下の範囲内で含んでいる。すなわち、本実施形態である純銅材は、Sを除くCuの純度が99.96mass%以上の純銅に対して、Sを20massppm以上1000massppm以下の範囲で含有させたものである。
また、本実施形態である純銅材においては、不可避不純物であるPb及びBiの合計含有量が20massppm以下であることが好ましい。
さらに、本実施形態である純銅材においては、不可避不純物であるPの含有量が5massppm以下であることが好ましい。
さらに、本実施形態である純銅材においては、不可避不純物であるPの含有量が5massppm以下であることが好ましい。
また、本実施形態である純銅材においては、打ち抜き試験を実施した際の打ち抜き断面における破断面比率が20%以上とされていることが好ましい。
さらに、本実施形態である純銅材においては、引張強度が500MPa以下であることが好ましい。
また、本実施形態である純銅材においては、導電率が90%IACS超えとされていることが好ましい。
さらに、本実施形態である純銅材においては、引張強度が500MPa以下であることが好ましい。
また、本実施形態である純銅材においては、導電率が90%IACS超えとされていることが好ましい。
ここで、本実施形態の純銅材において、上述のように成分組成、各種特性を規定した理由について以下に説明する。
(Cuの純度:99.96mass%以上)
大電流用途の電子・電気機器用部材及び放熱用部材においては、通電時の発熱を抑制するために、導電性及び熱伝導性に優れていることが要求されており、導電性及び熱伝導性に特に優れた純銅を用いることが好ましい。
そこで、本実施形態である純銅材においては、Sを除くCuの純度を99.96mass%以上に規定している。
なお、Sを除くCuの純度は99.965mass%以上であることが好ましく、99.97mass%以上であることがさらに好ましい。また、Sを除くCuの純度の上限に特に制限はないが、99.999mass%を超える場合には、特別な精錬工程が必要となり、製造コストが大幅に増加するため、99.999mass%以下とすることが好ましい。
大電流用途の電子・電気機器用部材及び放熱用部材においては、通電時の発熱を抑制するために、導電性及び熱伝導性に優れていることが要求されており、導電性及び熱伝導性に特に優れた純銅を用いることが好ましい。
そこで、本実施形態である純銅材においては、Sを除くCuの純度を99.96mass%以上に規定している。
なお、Sを除くCuの純度は99.965mass%以上であることが好ましく、99.97mass%以上であることがさらに好ましい。また、Sを除くCuの純度の上限に特に制限はないが、99.999mass%を超える場合には、特別な精錬工程が必要となり、製造コストが大幅に増加するため、99.999mass%以下とすることが好ましい。
(Sの含有量:20massppm以上1000massppm以下)
Sは、図1の状態図に示すように、Cu中の固溶限が低いため、導電率をほとんど低下させない。一方、Sが粒界に偏析することで、熱間加工性が低下する。
そして、Sを含有させることにより、CuとSとが反応してCu2S等のCu−S系化合物が生成する。このCu−S系化合物が分散していると、打ち抜き加工を実施した際に、上述のCu−S系化合物が破壊の起点となり、打ち抜き加工性が向上することになる。
Sは、図1の状態図に示すように、Cu中の固溶限が低いため、導電率をほとんど低下させない。一方、Sが粒界に偏析することで、熱間加工性が低下する。
そして、Sを含有させることにより、CuとSとが反応してCu2S等のCu−S系化合物が生成する。このCu−S系化合物が分散していると、打ち抜き加工を実施した際に、上述のCu−S系化合物が破壊の起点となり、打ち抜き加工性が向上することになる。
ここで、Sの含有量が20massppm未満では、Cu−S系化合物が十分に生成せず、打ち抜き加工性を向上させることができないおそれがある。一方、Sの含有量が1000massppm超える場合には、熱間加工性が大幅に低下するおそれがある。
以上のことから、本実施形態においては、Sの含有量を20massppm以上1000massppm以下の範囲内に設定している。
なお、打ち抜き加工性をさらに向上させるためには、Sの含有量の下限を25massppm以上とすることが好ましく、30massppm以上とすることがさらに好ましい。一方、熱間加工性の低下をさらに抑制するためには、Sの含有量の上限を900massppm以下とすることが好ましく、800massppm以下とすることがさらに好ましい。
以上のことから、本実施形態においては、Sの含有量を20massppm以上1000massppm以下の範囲内に設定している。
なお、打ち抜き加工性をさらに向上させるためには、Sの含有量の下限を25massppm以上とすることが好ましく、30massppm以上とすることがさらに好ましい。一方、熱間加工性の低下をさらに抑制するためには、Sの含有量の上限を900massppm以下とすることが好ましく、800massppm以下とすることがさらに好ましい。
(Pb及びBiの合計含有量:20massppm以下)
不可避不純物として含まれるPb及びBiは、Cu中の固溶限が低く、かつ、融点が低いため、粒界に偏析することによって、熱間加工性を低下させる。
このため、熱間加工性をさらに向上させる場合には、不可避不純物であるPb及びBiの合計含有量を20massppm以下に制限することが好ましい。
なお、熱間加工性をより向上させる場合には、Pb及びBiの合計含有量を15massppm以下とすることが好ましく、10massppm以下とすることがさらに好ましい。
不可避不純物として含まれるPb及びBiは、Cu中の固溶限が低く、かつ、融点が低いため、粒界に偏析することによって、熱間加工性を低下させる。
このため、熱間加工性をさらに向上させる場合には、不可避不純物であるPb及びBiの合計含有量を20massppm以下に制限することが好ましい。
なお、熱間加工性をより向上させる場合には、Pb及びBiの合計含有量を15massppm以下とすることが好ましく、10massppm以下とすることがさらに好ましい。
(Pの含有量:5massppm以下)
不可避不純物として含まれるPは、Cu−S系化合物の分散状況に影響を与えることが判明した。具体的には、上述のCu−S系化合物が生成する核生成サイト(例えば、粒界、粒内の転位やひずみ)にPが優先的に存在し、Cu−S系化合物の分散を妨げるおそれがある。
このため、Cu−S系化合物をさらに均一に分散させて、打ち抜き加工性を安定して向上させる場合には、不可避不純物であるPの含有量を5assppm以下に制限することが好ましい。
なお、打ち抜き加工性をさらに安定して向上させる場合には、Pの含有量を4massppm以下とすることが好ましく、3massppm以下とすることがさらに好ましい。
不可避不純物として含まれるPは、Cu−S系化合物の分散状況に影響を与えることが判明した。具体的には、上述のCu−S系化合物が生成する核生成サイト(例えば、粒界、粒内の転位やひずみ)にPが優先的に存在し、Cu−S系化合物の分散を妨げるおそれがある。
このため、Cu−S系化合物をさらに均一に分散させて、打ち抜き加工性を安定して向上させる場合には、不可避不純物であるPの含有量を5assppm以下に制限することが好ましい。
なお、打ち抜き加工性をさらに安定して向上させる場合には、Pの含有量を4massppm以下とすることが好ましく、3massppm以下とすることがさらに好ましい。
(その他の不可避不純物)
Pb,Bi,P以外のその他の不可避的不純物としては、Ag,B,Ca,Mg,Sr,Ba,Sc,Y,希土類元素,Ti,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Cr,Mo,W,Mn,Re,Fe,Ru,Os,Co,Se,Te,Rh,Ir,Ni,Pd,Pt,Au,Zn,Cd,Hg,Al,Ga,In,Ge,Sn,As,Sb,Tl,Be,N,C,Si,Li,H,O等が挙げられる。これらの不可避不純物は、導電率を低下させるおそれがあることから、総量で100massppm以下とすることが好ましい。
また、Ti,Mg,Zr,Nb,Ca,V,Ni,Mn及びCrは、Cu中のSと反応し、Cu−S系化合物の生成個数を低減させるおそれがあるとともに、導電率を低下させるおそれがあることから、合計含有量を10massppm以下に制限することが好ましい。
Pb,Bi,P以外のその他の不可避的不純物としては、Ag,B,Ca,Mg,Sr,Ba,Sc,Y,希土類元素,Ti,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Cr,Mo,W,Mn,Re,Fe,Ru,Os,Co,Se,Te,Rh,Ir,Ni,Pd,Pt,Au,Zn,Cd,Hg,Al,Ga,In,Ge,Sn,As,Sb,Tl,Be,N,C,Si,Li,H,O等が挙げられる。これらの不可避不純物は、導電率を低下させるおそれがあることから、総量で100massppm以下とすることが好ましい。
また、Ti,Mg,Zr,Nb,Ca,V,Ni,Mn及びCrは、Cu中のSと反応し、Cu−S系化合物の生成個数を低減させるおそれがあるとともに、導電率を低下させるおそれがあることから、合計含有量を10massppm以下に制限することが好ましい。
(打ち抜き断面における破断面比率:20%以上)
打ち抜き試験を行った際の断面を観察した際に、図2に示すように、せん断によって形成された面をせん断面とし、それ以外の面を破断面とした場合に、破断面比率=(破断面面積)/(せん断面面積+破断面面積)が20%以上であれば、打ち抜き加工時にバリが生じにくく、寸法精度が向上することになる。また、金型の摩耗及び打ち抜き屑の発生を抑制することが可能となる。
打ち抜き試験を行った際の断面を観察した際に、図2に示すように、せん断によって形成された面をせん断面とし、それ以外の面を破断面とした場合に、破断面比率=(破断面面積)/(せん断面面積+破断面面積)が20%以上であれば、打ち抜き加工時にバリが生じにくく、寸法精度が向上することになる。また、金型の摩耗及び打ち抜き屑の発生を抑制することが可能となる。
なお、打ち抜き加工性をさらに確保するためには、打ち抜き断面における破断面比率を25%以上とすることが好ましく、30%以上とすることがさらに好ましい。なお、破断面比率の上限は特に制限はないが、80%以下とすることが好ましい。
ここで、打ち抜き試験時における金型のクリアランスは、特に限定しないが、板厚の約5%で設定する事が好ましい。
ここで、打ち抜き試験時における金型のクリアランスは、特に限定しないが、板厚の約5%で設定する事が好ましい。
(引張強度:500MPa以下)
本実施形態である純銅材においては、引張強度を500MPa以下とすることにより、純銅材としての特性が確保され、大電流用途の電子・電気機器用部材及び放熱用部材の素材として特に適している。
なお、純銅材の引張強度は475MPa以下であることが好ましく、450MPa以下であることがさらに好ましい。純銅材の引張強度の下限は、特に制限はないが、100MPa以上であることが好ましい。
本実施形態である純銅材においては、引張強度を500MPa以下とすることにより、純銅材としての特性が確保され、大電流用途の電子・電気機器用部材及び放熱用部材の素材として特に適している。
なお、純銅材の引張強度は475MPa以下であることが好ましく、450MPa以下であることがさらに好ましい。純銅材の引張強度の下限は、特に制限はないが、100MPa以上であることが好ましい。
(導電率:90%IACS以上)
本実施形態である純銅材においては、導電率を90%IACS以上とすることにより、純銅材としての特性が確保され、大電流用途の電子・電気機器用部材及び放熱用部材の素材として特に適している。
なお、純銅材の導電率は95%IACS以上であることが好ましく、97%IACS以上であることがさらに好ましい。純銅材の導電率の上限は、特に制限はないが、103%IACS以下であることが好ましい。
本実施形態である純銅材においては、導電率を90%IACS以上とすることにより、純銅材としての特性が確保され、大電流用途の電子・電気機器用部材及び放熱用部材の素材として特に適している。
なお、純銅材の導電率は95%IACS以上であることが好ましく、97%IACS以上であることがさらに好ましい。純銅材の導電率の上限は、特に制限はないが、103%IACS以下であることが好ましい。
次に、このような構成とされた本実施形態である純銅材の製造方法について、図3に示すフロー図を参照して説明する。
(溶解・鋳造工程S01)
まず、銅原料を溶解し、Sを添加して成分調整を行い、銅溶湯を製出する。なお、銅原料としては、例えば、C1020で規定される無酸素銅を用いることが好ましい。また、Sの添加には、S単体やCu−S母合金等を用いることができる。なお、Cu−S母合金を製造する際にも、C1020で規定される無酸素銅等を用いることが好ましい。溶解工程では、水素濃度低減のため、H2Oの蒸気圧が低い不活性ガス雰囲気(例えばArガス)による雰囲気溶解を行い、溶解時の保持時間は最小限に留めることが好ましい。
そして、成分調整された銅溶湯を鋳型に注入して鋳塊を製出する。なお、量産を考慮した場合には、連続鋳造法または半連続鋳造法を用いることが好ましい。
この鋳造時の冷却過程において、一部のSがCuと反応してCu−S系化合物が生成することになる。
まず、銅原料を溶解し、Sを添加して成分調整を行い、銅溶湯を製出する。なお、銅原料としては、例えば、C1020で規定される無酸素銅を用いることが好ましい。また、Sの添加には、S単体やCu−S母合金等を用いることができる。なお、Cu−S母合金を製造する際にも、C1020で規定される無酸素銅等を用いることが好ましい。溶解工程では、水素濃度低減のため、H2Oの蒸気圧が低い不活性ガス雰囲気(例えばArガス)による雰囲気溶解を行い、溶解時の保持時間は最小限に留めることが好ましい。
そして、成分調整された銅溶湯を鋳型に注入して鋳塊を製出する。なお、量産を考慮した場合には、連続鋳造法または半連続鋳造法を用いることが好ましい。
この鋳造時の冷却過程において、一部のSがCuと反応してCu−S系化合物が生成することになる。
(熱処理工程S02)
次に、得られた鋳塊の均質化及び溶体化のために加熱処理を行う。非酸化雰囲気又は還元性雰囲気中において、500℃以上900℃以下の熱処理温度で、1時間以上8時間以下保持する。
この熱処理工程S02により、鋳造時に生成したCu−S系化合物の一部のSを固溶させることにより、後の工程で、再度、Cu−S系化合物を生成させて均一に分散させることができる。
次に、得られた鋳塊の均質化及び溶体化のために加熱処理を行う。非酸化雰囲気又は還元性雰囲気中において、500℃以上900℃以下の熱処理温度で、1時間以上8時間以下保持する。
この熱処理工程S02により、鋳造時に生成したCu−S系化合物の一部のSを固溶させることにより、後の工程で、再度、Cu−S系化合物を生成させて均一に分散させることができる。
(熱間加工工程S03)
次に、組織の均一化のため、及び、鋳造で生成したCu−S系化合物を均一に分散させるために、熱間加工を実施する。Cu−S系化合物を分散させるためには、熱間加工の終了温度を高く設定することが有効である。具体的には、熱間加工の終了温度は500℃以上とすることが好ましく、550℃以上とすることがさらに好ましく、600℃以上とすることがより好ましく、650℃以上とすることがさらに好ましい。
なお、熱間加工温度については、500℃以上1000℃以下の範囲内とすることが好ましい。
次に、組織の均一化のため、及び、鋳造で生成したCu−S系化合物を均一に分散させるために、熱間加工を実施する。Cu−S系化合物を分散させるためには、熱間加工の終了温度を高く設定することが有効である。具体的には、熱間加工の終了温度は500℃以上とすることが好ましく、550℃以上とすることがさらに好ましく、600℃以上とすることがより好ましく、650℃以上とすることがさらに好ましい。
なお、熱間加工温度については、500℃以上1000℃以下の範囲内とすることが好ましい。
また、熱間加工の総加工率は50%以上とすることが好ましく、60%以上とすることがさらに好ましく、70%以上であることがより好ましい。
さらに、熱間加工後の冷却方法については、特に制限はないが、空冷又は水冷を行うことが好ましい。
また、熱間加工工程S03における加工方法に特に限定はなく、例えば圧延、押出、溝圧延、鍛造、プレス等を採用することができる。最終形状が板、条の場合には圧延を採用することが好ましく、最終形状が線、棒の場合には押出や溝圧延を採用することが好ましく、最終形状がバルク材の場合には鍛造やプレスを採用することが好ましい。
さらに、熱間加工後の冷却方法については、特に制限はないが、空冷又は水冷を行うことが好ましい。
また、熱間加工工程S03における加工方法に特に限定はなく、例えば圧延、押出、溝圧延、鍛造、プレス等を採用することができる。最終形状が板、条の場合には圧延を採用することが好ましく、最終形状が線、棒の場合には押出や溝圧延を採用することが好ましく、最終形状がバルク材の場合には鍛造やプレスを採用することが好ましい。
(冷間加工工程S04)
次に、熱間加工工程S03後の銅素材に対して、冷間加工を実施して所定の形状に加工する。なお、この冷間加工工程S04における温度条件は特に限定はないが、−200℃以上200℃以下の範囲で行うことが好ましい。また、この冷間加工工程S04における加工率は、最終形状に近似するように適宜選択されることになるが、後の工程で結晶粒微細化を図るには30%以上とすることが好ましい。また、さらなる強度の向上を図る場合には、加工率を50%以上とすることがより好ましい。
また、冷間加工工程S04における加工方法に特に限定はなく、例えば圧延、押出、溝圧延、鍛造、プレス等を採用することができる。最終形状が板、条の場合には圧延を採用することが好ましく、最終形状が線、棒の場合には押出や溝圧延を採用することが好ましく、最終形状がバルク材の場合には鍛造やプレスを採用することが好ましい。
次に、熱間加工工程S03後の銅素材に対して、冷間加工を実施して所定の形状に加工する。なお、この冷間加工工程S04における温度条件は特に限定はないが、−200℃以上200℃以下の範囲で行うことが好ましい。また、この冷間加工工程S04における加工率は、最終形状に近似するように適宜選択されることになるが、後の工程で結晶粒微細化を図るには30%以上とすることが好ましい。また、さらなる強度の向上を図る場合には、加工率を50%以上とすることがより好ましい。
また、冷間加工工程S04における加工方法に特に限定はなく、例えば圧延、押出、溝圧延、鍛造、プレス等を採用することができる。最終形状が板、条の場合には圧延を採用することが好ましく、最終形状が線、棒の場合には押出や溝圧延を採用することが好ましく、最終形状がバルク材の場合には鍛造やプレスを採用することが好ましい。
(再結晶熱処理工程S05)
次に、冷間加工工程S04後の銅素材に対して、再結晶を目的とした熱処理を行う。なお、Cu−S系化合物を均一に分散させるためには、700℃以下の温度で熱処理することが好ましい。
再結晶熱処理工程S05の熱処理条件は、特に限定しないが、200℃以上600℃以下の範囲の熱処理温度で、1秒以上24時間以下の範囲で保持することが好ましい。
また、再結晶組織の均一化のために、冷間加工工程S04と再結晶熱処理工程S05を2回以上繰り返して行っても良い。
次に、冷間加工工程S04後の銅素材に対して、再結晶を目的とした熱処理を行う。なお、Cu−S系化合物を均一に分散させるためには、700℃以下の温度で熱処理することが好ましい。
再結晶熱処理工程S05の熱処理条件は、特に限定しないが、200℃以上600℃以下の範囲の熱処理温度で、1秒以上24時間以下の範囲で保持することが好ましい。
また、再結晶組織の均一化のために、冷間加工工程S04と再結晶熱処理工程S05を2回以上繰り返して行っても良い。
(調質加工工程S06)
次に、材料強度を調整するために、再結晶熱処理工程S05後の銅素材に対して調質加工を行ってもよい。なお、材料強度を高くする必要がない場合は、調質加工を行わなくてもよい。
調質加工の加工率は特に限定しないが、材料強度を調整するために0%超え50%以下の範囲内で実施することが好ましい。
また、必要に応じて、残留ひずみの除去のために、調質加工後にさらに熱処理を行ってもよい。
次に、材料強度を調整するために、再結晶熱処理工程S05後の銅素材に対して調質加工を行ってもよい。なお、材料強度を高くする必要がない場合は、調質加工を行わなくてもよい。
調質加工の加工率は特に限定しないが、材料強度を調整するために0%超え50%以下の範囲内で実施することが好ましい。
また、必要に応じて、残留ひずみの除去のために、調質加工後にさらに熱処理を行ってもよい。
このようにして、本実施形態である純銅材が製出されることになる。純銅材の厚さの上限は特にないが、純銅材に対してプレス加工等の打ち抜き加工を実施して電子・電気機器用部材及び放熱用部材を製造する場合には、厚さが5.0mmを超えるとプレス機の荷重が著しく増大すること、及び、単位時間あたりの生産性が落ちることになり、コスト高になる。このため、本実施形態においては、純銅材の厚さを0.3mm超え5.0mm以下とすることが好ましい。なお、純銅材の厚さの下限は、1.0mm超えとすることが好ましく、1.5mm超えとすることがさらに好ましい。
以上のような構成とされた本実施形態である純銅材によれば、Sを20massppm以上1000massppm以下の範囲内で含んでいるので、Cu−S系化合物を生成させることができ、打ち抜き加工時にCu−S系化合物を起点として破壊が起こるため、打ち抜き加工性を向上させることができる。また、Sの含有量が上述の範囲内とすることにより、熱間加工性の低下を抑制することが可能となる。
さらに、Sを除くCuの純度が99.96mass%以上で、残部が不可避不純物とされているので、銅の純度が十分に高く、純銅材としての導電性及び熱伝導性や強度等の特性を確保することができ、大電流用途の電子・電気機器用部材及び放熱用部材の素材として適している。
さらに、Sを除くCuの純度が99.96mass%以上で、残部が不可避不純物とされているので、銅の純度が十分に高く、純銅材としての導電性及び熱伝導性や強度等の特性を確保することができ、大電流用途の電子・電気機器用部材及び放熱用部材の素材として適している。
また、本実施形態において、不可避不純物であるPb及びBiの合計含有量が20massppm以下とされている場合には、低融点のPb及びBiが粒界に偏析して熱間加工性が低下することを抑制することができ、熱間加工割れの発生をさらに抑制することが可能となる。
さらに、本実施形態において、不可避不純物であるPの含有量が5massppm以下とされている場合には、PによるCu−S系化合物の分布状態への影響を抑えることができ、Cu−S系化合物を十分に分散させることが可能となる。これにより、純銅材の打ち抜き加工性をさらに向上させることが可能となる。
また、本実施形態において、打ち抜き断面における破断面比率が20%以上とされている場合には、せん断面の比率が十分に低く、打ち抜き加工時におけるバリの発生を抑制でき、寸法精度を向上させることが可能となる。また、金型の摩耗や打ち抜き屑の発生を抑制でき、打ち抜き加工を効率良く行うことが可能となる。
さらに、本実施形態において、引張強度が500MPa以下である場合には、純銅材としての特性が十分に確保されているので、大電流用途の電子・電気機器用部材及び放熱用部材の素材として適している。
また、本実施形態において、導電率が90%IACS以上である場合には、純銅材としての特性が十分に確保されているので、大電流用途の電子・電気機器用部材及び放熱用部材の素材として適している。
さらに、本実施形態である電子・電気機器用部材においては、上述した本実施形態である純銅材で構成されているので、形状精度が良く、導電性に優れている。このため、大電流用途においても好適に使用することが可能となる。
また、本実施形態である放熱用部材においては、上述した本実施形態である純銅材で構成されているので、形状精度が良く、熱伝導性に優れている。このため、発熱量が多い用途においても、効率的に放熱させることが可能となる。
また、本実施形態である放熱用部材においては、上述した本実施形態である純銅材で構成されているので、形状精度が良く、熱伝導性に優れている。このため、発熱量が多い用途においても、効率的に放熱させることが可能となる。
以上、本発明の実施形態である純銅材、電子・電気機器用部材及び放熱用部材について説明したが、本発明はこれに限定されることはなく、その発明の技術的思想を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、上述の実施形態では、純銅材の製造方法の一例について説明したが、純銅材の製造方法は、実施形態に記載したものに限定されることはなく、既存の製造方法を適宜選択して製造してもよい。
例えば、上述の実施形態では、純銅材の製造方法の一例について説明したが、純銅材の製造方法は、実施形態に記載したものに限定されることはなく、既存の製造方法を適宜選択して製造してもよい。
以下に、本発明の効果を確認すべく行った確認実験の結果について説明する。
純度99.99mass%以上の無酸素銅(ASTM B152 C10100)からなる銅原料と、上記純度99.99mass%以上の無酸素銅に純度99mass%以上の純Sを用いて作成したCu−1mass%S母合金を準備した。
また、不純物であるPb,Bi,Pについては、純度99.9mass%以上のPb,Bi,Pと純度99.9mass%の純銅とから各々の元素の母合金を作成し、その母合金を用いて調整した。
純度99.99mass%以上の無酸素銅(ASTM B152 C10100)からなる銅原料と、上記純度99.99mass%以上の無酸素銅に純度99mass%以上の純Sを用いて作成したCu−1mass%S母合金を準備した。
また、不純物であるPb,Bi,Pについては、純度99.9mass%以上のPb,Bi,Pと純度99.9mass%の純銅とから各々の元素の母合金を作成し、その母合金を用いて調整した。
上述の銅原料を高純度グラファイト坩堝内に装入して、Arガス雰囲気とされた雰囲気炉内において高周波溶解した。得られた銅溶湯に、上述のCu−1mass%S母合金、及び、不純物量を調整するために各種元素の母合金を投入し、表1に示す成分組成に調製した。得られた銅溶湯を、カーボン鋳型に注湯して、凝固時に10℃/sec.の冷却速度で冷却して鋳塊を製出した。なお、鋳塊の大きさは、厚さ約25mm×幅約60mm×長さ約150〜200mmとした。
得られた鋳塊に対して、Arガス雰囲気中において、表2に記載の温度条件で1時間保持する熱処理を実施し、その後、水冷した。
熱処理後の銅素材を切断するとともに表面の酸化被膜を除去するために表面研削を実施した。このとき、その後の熱間圧延、冷間圧延、調質圧延の圧延率を考慮して、最終厚さが表2に示すものとなるように、熱間圧延に供する銅素材の厚さを調整した。
上述のように厚さを調整した銅素材に対して、表2に記載された条件で熱間圧延を行い、水冷を行った。
熱処理後の銅素材を切断するとともに表面の酸化被膜を除去するために表面研削を実施した。このとき、その後の熱間圧延、冷間圧延、調質圧延の圧延率を考慮して、最終厚さが表2に示すものとなるように、熱間圧延に供する銅素材の厚さを調整した。
上述のように厚さを調整した銅素材に対して、表2に記載された条件で熱間圧延を行い、水冷を行った。
熱間圧延後の銅素材に対して、表2に記載された圧延率で冷間圧延を実施した。
次に、冷間圧延後の銅素材に対して、表2に記載された条件により、再結晶熱処理を実施した。
そして、再結晶熱処理後の銅素材に対して、表2に記載された条件で調質圧延を行い、表2に示す厚さで幅60mmの特性評価用条材を製造した。
次に、冷間圧延後の銅素材に対して、表2に記載された条件により、再結晶熱処理を実施した。
そして、再結晶熱処理後の銅素材に対して、表2に記載された条件で調質圧延を行い、表2に示す厚さで幅60mmの特性評価用条材を製造した。
そして、以下の項目について評価を実施した。評価結果を表3に示す。
(加工性評価)
加工性の評価として、前述の熱間圧延、冷間圧延時における耳割れの有無を観察した。目視で耳割れが全くあるいはほとんど認められなかったものを「A」、長さ1mm未満の小さな耳割れが発生したものを「B」、長さ1mm以上3mm未満の耳割れが発生したものを「C」、長さ3mm以上の大きな耳割れが発生したものを「D」とした。
なお、耳割れの長さとは、圧延材の幅方向端部から幅方向中央部に向かう耳割れの長さのことである。
加工性の評価として、前述の熱間圧延、冷間圧延時における耳割れの有無を観察した。目視で耳割れが全くあるいはほとんど認められなかったものを「A」、長さ1mm未満の小さな耳割れが発生したものを「B」、長さ1mm以上3mm未満の耳割れが発生したものを「C」、長さ3mm以上の大きな耳割れが発生したものを「D」とした。
なお、耳割れの長さとは、圧延材の幅方向端部から幅方向中央部に向かう耳割れの長さのことである。
(引張強度)
特性評価用条材からJIS Z 2201に規定される13B号試験片を採取し、JIS Z 2241により引張強度を測定した。
なお、試験片は、引張試験の引張方向が特性評価用条材の圧延方向に対して平行になるように採取した。
特性評価用条材からJIS Z 2201に規定される13B号試験片を採取し、JIS Z 2241により引張強度を測定した。
なお、試験片は、引張試験の引張方向が特性評価用条材の圧延方向に対して平行になるように採取した。
(導電率)
特性評価用条材から幅10mm×長さ60mmの試験片を採取し、4端子法によって電気抵抗を求めた。また、マイクロメータを用いて試験片の寸法測定を行い、試験片の体積を算出した。そして、測定した電気抵抗値と体積とから、導電率を算出した。なお、試験片は、その長手方向が特性評価用条材の圧延方向に対して平行になるように採取した。
特性評価用条材から幅10mm×長さ60mmの試験片を採取し、4端子法によって電気抵抗を求めた。また、マイクロメータを用いて試験片の寸法測定を行い、試験片の体積を算出した。そして、測定した電気抵抗値と体積とから、導電率を算出した。なお、試験片は、その長手方向が特性評価用条材の圧延方向に対して平行になるように採取した。
(打ち抜き加工性)
特性評価用条材から金型で角孔(8mm×8mm)を多数打抜いて、破断面比率の測定、及びかえり高さの測定により評価を行った。金型のクリアランスは対板厚比3%となる様に適宜調整し、50spm(stroke per minute)の打ち抜き速度により打ち抜きを行った。破断面比率、かえり高さの測定は、穴抜き側の切口面を観察し、各測定箇所10点の平均値として評価した。
特性評価用条材から金型で角孔(8mm×8mm)を多数打抜いて、破断面比率の測定、及びかえり高さの測定により評価を行った。金型のクリアランスは対板厚比3%となる様に適宜調整し、50spm(stroke per minute)の打ち抜き速度により打ち抜きを行った。破断面比率、かえり高さの測定は、穴抜き側の切口面を観察し、各測定箇所10点の平均値として評価した。
比較例1は、Sの含有量が2massppmと本発明の範囲よりも少ないため、破断面比率が10%と低くなり、かえり高さが25μmと大きくなった。
比較例2は、Sの含有量が1075massppmと本発明の範囲よりも多く、熱間加工時に割れが発生した。このため、その後の加工、評価を中止した。
比較例2は、Sの含有量が1075massppmと本発明の範囲よりも多く、熱間加工時に割れが発生した。このため、その後の加工、評価を中止した。
これに対して、Sの含有量が20massppm以上1000massppm以下の範囲内とされた本発明例1−36においては、破断面比率が十分に高く、かえり高さも小さくなった。よって、寸法精度良く打ち抜き加工を行うことができた。また、熱間加工時及び冷間加工時の加工性に優れていた。
なお、Pb及びBiの合計含有量が20massppmを超えた本発明例35、及び、Pの含有量が5massppmを超えた本発明例36においては、熱間加工時に耳割れが確認されたが、実用上、問題はなかった。
なお、Pb及びBiの合計含有量が20massppmを超えた本発明例35、及び、Pの含有量が5massppmを超えた本発明例36においては、熱間加工時に耳割れが確認されたが、実用上、問題はなかった。
以上のことから、本発明例によれば、打ち抜き加工性に優れ、精度良く、かつ、効率的に打ち抜き加工を行うことが可能な純銅材を提供できることが確認された。
Claims (8)
- Sを除くCuの純度が99.96mass%以上で、残部が不可避不純物とされるとともに、Sを20massppm以上1000massppm以下の範囲内で含むことを特徴とする純銅材。
- Pb及びBiの合計含有量が20massppm以下とされていることを特徴とする請求項1に記載の純銅材。
- Pの含有量が5massppm以下とされていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の純銅材。
- 打ち抜き断面における破断面比率が20%以上であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の純銅材。
- 引張強度が500MPa以下であることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の純銅材。
- 導電率が90%IACS以上であることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の純銅材。
- 請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の純銅材からなることを特徴とする電子・電気機器用部材。
- 請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の純銅材からなることを特徴とする放熱用部材。
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