JP2020093274A - ダイカスト鋳造装置およびダイカスト鋳造方法 - Google Patents

ダイカスト鋳造装置およびダイカスト鋳造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ガス抜き性が向上された鋳造装置を提供すること。【解決手段】本発明のダイカスト鋳造装置(1)は、一対の金型の開閉および型締めを行う型締部(10)と、一対の金型のキャビティ(16)に溶湯(MM)を射出充填する射出充填部(30)と、型締部(10)および射出充填部(30)の動作を制御する制御部(50)と、を備える。本発明における制御部(50)は、第1型締力(F1)とされた一対の金型のキャビティ(16)に溶湯(MM)を射出充填する第1射出充填工程と、第1射出充填工程に続いて、第1型締力(F1)よりも大きい第2型締力(F2)とされた一対の金型のキャビティ(16)に溶湯(MM)を射出充填する第2射出充填工程と、が順に実行されるように、型締部(10)と射出充填部(30)を制御する。【選択図】図4

Description

本発明は、ガス抜き性を向上できるダイカスト鋳造装置およびダイカスト鋳造方法に関する。
ダイカスト鋳造方法は、高温で溶融状態の金属材料を金型に設けられるキャビティに射出して充填し、冷却固化後に金型から鋳造品を取り出すという手順で行われる。
ダイカスト鋳造における鋳造品の不良として、キャビティに溶湯を射出充填するときのガスの巻き込みによる鋳巣およびブローホールなどがある。ダイカスト鋳造においてこれらの鋳造欠陥が発生する要因として、溶湯の充填時間が短く、排気のための時間が短いことが掲げられる。したがって、例えば、特許文献1および特許文献2に開示されるように、金型内部からガスを排出するガス抜きに関する種々の提案がなされている。
特開2014−176888号公報 特開2018−69257号公報
ダイカスト鋳造においてガス抜きは普遍的な課題であるところ、本発明は、ガス抜き性が向上された鋳造装置および鋳造方法を提供することを目的とする。
本発明に係るダイカスト鋳造装置は、一対の金型の開閉および型締めを行う型締部と、一対の金型のキャビティに溶融金属を射出充填する射出充填部と、型締部および射出充填部の動作を制御する制御部と、を備える。
本発明における制御部は、第1型締力とされた一対の金型のキャビティに溶融金属を射出充填する第1射出充填工程と、第1射出充填工程に続いて、第1型締力よりも大きい第2型締力とされた一対の金型のキャビティに溶融金属を射出充填する第2射出充填工程と、が順に実行されるように、型締部と射出充填部を制御する。
本発明における制御部は、好ましくは、キャビティについて検知されるガス圧に基づいて第1型締力を設定する。
また、本発明における制御部は、好ましくは、キャビティついて検知されるガス圧に基づいて、第1射出充填工程から第2射出充填工程に移行させる。
本発明における一対の金型の一方または双方は、好ましくは、キャビティおよびキャビティに連なる溶融金属の流路に臨むいずれかの領域に通気性を有するポーラス金型が設けられている。
また、本発明に係るダイカスト鋳造方法は、第1型締力とされた一対の金型のキャビティに溶融金属を射出充填する第1射出充填工程と、第1射出充填工程に続いて、第1型締力よりも大きい第2型締力とされた一対の金型のキャビティに溶融金属を射出充填する第2射出充填工程と、を備えている。
本発明のダイカスト鋳造方法において、好ましくは、第1型締力は、キャビティについて検知されるガス圧に基づいて設定される。
本発明のダイカスト鋳造方法において、好ましくは、キャビティについて検知されるガス圧に基づいて、第1射出充填工程から第2射出充填工程に移行される。
本発明のダイカスト鋳造装置によれば、相対的に小さい第1型締力F1で射出充填が始められるので、一対の金型の境界である金型分割面からのガスの排出、つまりガス抜けが促進される。一方で、射出充填が行われる当初においては、溶湯圧が小さく、かつ、第1型締力F1で押し付けられる一対の金型は接して閉じているので、金型分割面から溶湯が漏れ出すのを抑制できる。
相対的に大きい第2型締力における射出充填においては、溶湯圧が大きくなっても、金型分割面からの溶湯の漏れ出しが抑えられるので、バリの発生が抑制される。
本発明の実施形態に係るダイカスト鋳造装置の概略構成を示す図である。 図1の要部拡大図である。 本実施形態に係るダイカスト鋳造方法の手順を示すフローチャートである。 本実施形態に係るダイカスト鋳造方法において、想定される射出速度、キャビティ内のガス圧、型締力を対比して示す図である。 本実施形態に係るダイカスト鋳造装置に適用されるのが好ましい金型を示す図である。
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。
本実施形態に係るダイカスト鋳造装置1は、当初には型締力を小さくして溶湯を射出充填する(第1射出充填工程)が、その後には型締力を大きくして射出充填する(第2射出充填工程)。第1射出充填工程において、固定金型11と可動金型12の間の金型分割面は閉じられているが、型締力が小さいので金型分割面からのガスの排出、つまりガス抜きが促進される。
以下、ダイカスト鋳造装置1の構成を説明した後に、ダイカスト鋳造装置1によるダイカスト鋳造方法について説明する。
[ダイカスト鋳造装置1]
ダイカスト鋳造装置1は、図1に示すように、一対の金型の開閉および型締めを行う型締部10と、一対の金型に通じる流路を介して一対の金型のキャビティに溶湯を射出充填する射出充填部30と、型締部10および射出充填部30の動作を制御する制御部50と、を備える。
なお、説明の便宜上、型締部10が設けられる側を前(F)、射出充填部30が設けられる側を後(B)と定義する。この前後の定義は相対的なものである。
[型締部10]
型締部10は、一対をなす固定金型11および可動金型12と、固定金型11を支持する固定プラテン13と、可動金型12を支持する可動プラテン14と、を備えている。型締部10は、固定プラテン13および可動プラテン14のそれぞれの四隅に固定金型11と可動金型12に型締力を加えるためのタイバー17を備えている。タイバー17は、一例として固定プラテン13の内部の油圧シリンダと接続され、可動プラテン14の側では割りナットと係合することができる。また、図示を省略するが、電動機およびボールねじを備える、可動プラテン14を前後方向に往復移動させる機構を備えることができる。可動プラテン14を前後方向に往復移動させるには、油圧もしくは電動機によるトグル機構も採用できる。
図1および図2に示すように固定金型11と可動金型12が接して金型分割面が閉じられていると、固定金型11と可動金型12の間に閉じた空間であるキャビティ16が形成される。このキャビティ16に例えばアルミニウム合金からなる溶湯MMが射出充填されることで鋳造品が成形される。ダイカスト鋳造装置1は、溶湯MMが射出充填される過程の固定金型11と可動金型12に付与する型締力Fの調整に特徴を有している。
[射出充填部30]
次に、射出充填部30について説明する。
射出充填部30は、前後方向に往復移動可能なピストン31と、ピストン31を駆動させるシリンダ41と、溶湯MMが溜められるプランジャースリーブ43と、を備える。
ピストン31は、ピストンロッド33とプランジャーロッド37とを備え、ピストンロッド33とプランジャーロッド37は接手34により連結されている。ピストンロッド33の一端側にはピストンヘッド35が設けられており、プランジャーロッド37の他端側にはプランジャーチップ38が設けられている。
シリンダ41、ピストンロッド33およびピストンヘッド35により、例えば油圧駆動の往復動ピストン/シリンダ機構が構成される。
プランジャースリーブ43は、固定プラテン13を貫通して設けられており、その内部の流路はさらに固定金型11を貫通してキャビティ16に連通する。プランジャースリーブ43には、溶湯MMが供給される注湯口45(図2参照)が形成されている。
プランジャースリーブ43の内部には、プランジャーロッド37に設けられるプランジャーチップ38が往復動可能に嵌合されている。プランジャーチップ38が前進してプランジャースリーブ43内の溶湯MMを圧送することにより、溶湯MMをキャビティ16に射出充填する。
プランジャーチップ38がプランジャースリーブ43の内部で後退した状態で、注湯口45を介してプランジャースリーブ43の内部に溶湯MMが供給される。溶湯MMの所定量の供給後に、ピストンヘッド35よりも後方に作動油を供給して、ピストンヘッド35およびピストンヘッド35を前進させる。これにより、プランジャースリーブ43に貯められた溶湯MMは、プランジャーチップ38で押され、固定金型11および可動金型12の間のキャビティ16に高圧で射出される。
[制御部50]
次に、制御部50について説明する。
制御部50は、型締部10および射出充填部30の動作を制御する。特に、本実施形態における制御部50は、射出充填の当初には型締力を小さくするが、途中から型締力を大きくして射出充填する、という動作を実現する。
制御部50は、制御装置51と、キャビティ16の内部のガスの圧力を検知するガス圧センサ53と、固定金型11と可動金型12の間の型締力を検知する型締力センサ55と、を備えている。
制御装置51は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)および外部記憶装置を備えるコンピュータにより構成される。
ガス圧センサ53は、固定金型11と可動金型12の間に形成されるキャビティ16の内部のガス圧Pを検知する。
検知されたガスの圧力P(検知ガス圧Pd)は、当初に適用される第1型締力F1を設定するのに用いられるとともに、第1型締力F1から第1型締力F1よりも大きい第2型締力F2に移行するか否かの判断にも用いられる。
ガス圧センサ53としては、例えば静電容量式、ピエゾ抵抗式、振動式の圧力センサを用いることができる。
第1型締力F1は、固定金型11と可動金型12の金型分割面が接触していることを前提とする。そして、第1型締力F1は、キャビティ16に溶湯が射出充填される間にキャビティ16に存在しているガスが金型分割面を通ってキャビティ16の外部に排出され得る程度の力で固定金型11と可動金型12を押し付ける。第1型締力F1は、固定金型11と可動金型12が単に接触している負荷がゼロの場合を含む。
第2型締力F2は、第1型締力F1と同様に固定金型11と可動金型12の金型分割面が接触していることを前提とする。そして、第2型締力F2は、少なくとも第1型締力F1より大きい値であって、バリの発生を抑制できる程度の力で固定金型11と可動金型12を押し付ける。
第1型締力F1および第2型締力F2は、固定金型11および可動金型12の形状、寸法、などの鋳造条件に応じて設定されるべきである。
型締力センサ55は、固定金型11と可動金型12の間に生じる型締力Fdを検知する。
制御装置51は、検知された型締力Fdを参照することで、固定金型11と可動金型12の間に第1型締力F1、第2型締力F2を加える。
型締力センサ55としては、例えばひずみゲージを用いることができる。
[制御手順]
次に、図3を参照しながら、制御部50によるダイカスト鋳造装置1により鋳造を行う際の動作の制御手順を説明する。
[第1型締力F1の設定]
制御部50は射出充填の当初に適用される第1型締力F1の設定のための動作を行う(図3 S101〜S105)。この動作は、射出充填部30からの溶湯の射出充填が始まる前に行われる。
はじめに、制御部50は、型締部10を制御して固定金型11と可動金型12の間に当初は第2型締力F2を加えておく(図3 S101)。ここでは、予め特定されている第2型締力F2を当初に加えておく型締力として採用する例を示すが、これに限らず、第1型締力F1よりも大きいであろうことが明らかな型締力Fを採用できる。制御装置51は、型締力Fを第2型締力F2から連続的に小さくなるように型締部10を制御する。
ここで、第2型締力F2とした後に、キャビティ16には圧縮ガス、例えば空気、窒素などの不活性ガスが吹き込まれる。このガスの吹込みによりキャビティ16に圧力が立ち、このガス圧の変動を検知することにより、キャビティ16からガスが十分に排出されるであろうことを知見できる。
制御装置51は、第2型締力F2から型締力が連続的に小さくしながら、ガス圧Pを継続的に検知する(図3 S101)。
制御装置51は、ガス圧センサ53を介してガス圧Pを検知しながら、検知ガス圧Pdと第1基準ガス圧Ps1を比較する(図3 S103)。第1基準ガス圧Ps1は、固定金型11と可動金型12の金型分割面からガスが十分に排出されることを保証する値として、予め制御装置51に設定されている。
制御装置51は、検知ガス圧Pdが第1基準ガス圧Ps1まで下がることを確認すると、そのときの型締力を第1型締力F1として設定し、型締部10に固定金型11と可動金型12を第1型締力F1で押し付けるよう制御する(図3 S105)。
なお、ここでは検知ガス圧Pdと第1基準ガス圧Ps1を比較することによって第1型締力F1を設定したが、本実施形態はこれに限定されない。したがって、例えば、検知ガス圧Pdが急激に低下した場合には、急激に低下したときの検知ガス圧Pdを第1型締力F1にすることもできる。
[溶湯の射出充填および第2型締力F2の設定]
第1型締力F1の設定後、制御装置51は第2型締力F2を設定する動作を行う。
固定金型11と可動金型12に第1型締力F1が加えられると、制御装置51は、射出充填部30に対して溶湯の射出充填を開始するように指示する(図3 S107)。制御装置51は溶湯の射出充填を開始した後も検知ガス圧Pdを継続して取得する(図3 S107)。
制御装置51は、検知する検知ガス圧Pdと第2基準ガス圧Ps2を比較する(図3 S109)。第2基準ガス圧Ps2は、ガスが十分に排出されたことを保証する値として、予め制御装置51に設定されている。
制御装置51は、検知ガス圧Pdが第2基準ガス圧Ps2まで上がることを確認すると、そのときの型締力Fを第2型締力F2として設定し、型締部10に固定金型11と可動金型12を第2型締力F2で押し付けるよう制御する(図3 S111)。
[射出停止〜保圧]
制御装置51は、必要な量の溶湯がキャビティ16に充填されたと判断すると、射出充填部30に溶湯の射出を終了するように指示する(図3 S113)。
必要な量の溶湯がキャビティ16に充填されたか否かは、例えばプランジャーチップ38の位置を検知し、検知された位置に基づいて判断できる。
制御装置51は、キャビティ16への溶湯の充填を終えたなら、射出圧力を維持して保圧または加圧を行うように射出充填部30を制御する。
[射出速度、ガス圧、型締力の対比]
次に、ダイカスト鋳造装置1における溶湯の射出速度V、キャビティ16の内部のガス圧Pおよび型締力Fの想定される推移について図4を参照して説明する。なお、図4において横軸は時間Tを示している。縦軸は、射出速度V(図4(a))、キャビティ16内のガス圧P(図4(b))および型締力F(図4(c))を示している。また、図4において、T0は射出充填を開始した時間を示し、T0においてはプランジャースリーブ43に必要な量の溶湯が貯められるなど、所定の射出開始条件が満たされている。制御装置51は、射出充填部30に対してプランジャーチップ38の前進を制御する。
ダイカスト鋳造装置1において、溶湯へのガスの巻き込みを避けるために、制御装置51は低速の射出速度VLとなるようにプランジャーチップ38を駆動させる(図4(a))。溶湯の先端が固定金型11と可動金型12のゲートに達する位置までプランジャーチップ38が移動したら、プランジャーチップ38を高速の射出速度VHに切り換えて制御し、溶湯のキャビティ16への射出充填を促進する(図4(a))。
低速度射出VL(T0〜T1)の間、キャビティ16の内部のガス圧Pは大気圧と概ね同等である。また、第1型締力F1が加えられている間に、第1型締力F1によってキャビティ16からガスが排出される。
低速度射出VLに達すると、T2までの間、高速度射出VHが行われる。
制御装置51は、例えば位置センサの検出するプランジャーチップ38の位置が所定の高速度射出VHの切換位置に到達するなど、所定の射出速度の切換条件が満たされると、プランジャーチップ38の速度を高速に切り換えるように射出充填部30を制御する。T1は射出速度の切換条件が満たされたことを意味する。これにより、溶湯MMの凝固に遅れることなく溶湯が迅速にキャビティ16に充填される。
高速度射出VH(T1〜T2)の間、ガス圧Pは、金型分割面からの排気よりもキャビティ16への溶湯の充填が速いことから、キャビティ16に溶湯が充填されるに従って高くなる。
本実施形態においては、検知ガス圧Pdが上昇して第2基準ガス圧Ps2に達すると、制御装置51は型締部10に対して第1型締力F1から第2型締力F2に切り替えるように指示する。第2型締力F2に切り替えると金型分割面からガスが排出されにくくなるので、ガス圧Pは第1型締力F1のときよりも勾配が急になる(図4(a)、(b))。
キャビティ16に溶湯が概ね充填されるT2において、プランジャーチップ38は、溶湯から反力を受け、射出速度Vは急激に低下する。なお、制御装置51は、T2以降にプランジャーチップ38を減速制御してもよい。
射出速度Vが0となるときをT4とする。
ガス圧Pは、T2〜T4の間のT3において、極大値となる。T3は、より具体的には、キャビティ16に溶湯が概ね充填されること、つまり、プランジャーチップ38の減速が概ね終了することを意味する。
[効 果]
次に、本実施形態に係るダイカスト鋳造装置1が奏する効果を説明する。
ダイカスト鋳造装置1は、当初(T0〜T1)には相対的に小さい第1型締力F1で射出充填するので、金型分割面からのガスの排出、つまりガス抜けをよくした状態で射出充填することができる。一方で、当初(T0〜T1)においては、溶湯圧が小さく、かつ、固定金型11と可動金型12は接しているので、金型分割面から溶湯が漏れ出すのを防止できる。
第1型締力F1から第2型締力F2に切り替えられると、溶湯圧が大きくなっても、金型分割面からの溶湯の漏れ出しが抑えられるので、バリの発生が抑制される。
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明は上記以外にも、本発明の主旨を逸脱しない限り、上記実施形態で挙げた構成を取捨選択したり、他の構成に適宜変更したりすることが可能である。
[射出充填の段数]
本実施形態においては、第1型締力とされた第1射出充填工程と第2型締力(F2)とされた第2射出充填工程の2段階の例を示したが、この2段階の射出充填は本発明における最小の射出充填の段数である。つまり、本発明は、3段階あるいは4段階以上の段数で射出充填することを許容する。
[第1型締力F1、第2型締力F2の設定基準]
本実施形態においては、検知ガス圧Pdに基づいて第1型締力F1、第2型締力F2を設定したが、本発明はこれに限定されない。例えば、ガス圧としては、プランジャースリーブ43の内部で検知されるガス圧に基づいて、第1型締力F1、第2型締力F2を設定することができる。この場合、当該ガス圧を検知するためのガス圧センサがプランジャースリーブ43の適所に設けられる。
または、解析や試作鋳造にて求めたバリが発生しない型締力の値に基づいて第1型締力F1、第2型締力F2を設定することもできる。
[時間に基づく制御]
例えば、実施形態で検知ガス圧Pdに基づいて第1型締力F1、第2型締力F2を設定し型締部10を制御する例を示したが、本発明はこれに限定されない。
例えば、試験的にダイカスト鋳造を行って、上述した実施形態に準拠して、第1型締力F1および第2型締力F2を求める。このとき、第1型締力F1から第2型締力F2に移行するまでの時間Tdを計測する。そうすれば、同じ条件による以後のダイカスト鋳造においては、検知ガス圧Pdを用いることなく、第1型締力F1および第2型締力F2を設定できる。また、射出充填を開始してから時間Tdに達した時点で、第1型締力F1から第2型締力F2に移行することができる。
[射出速度V]
以上の実施形態では、高速度射出VHは一定の値で推移する例を示したが、本発明はこれに限定されず、一例として、段階的に速度を高くすることができる。例えば、第1型締力F1のときには高速度射出VH1とし、第2型締力F2に移行した後は、高速度射出VH1よりも高い高速度射出VH1にすることができる。または、第1型締力F1から第2型締力F2にわたって、連続的に高速度射出VHを高くすることもできる。
[型締力F]
型締力Fについても同様であり、例えば第2型締力F2を段階的に大きくすることができるし、連続的に大きくすることもできる。
[ポーラス金型]
また、ガス抜き性を向上するために、固定金型11および可動金型12の一方または双方に例えば多孔質金属からなる部分、つまりポーラス金型を設けることができる。その一例について図5を参照して説明する。
図5(a)、(b)に示すように、型合わせされた固定金型11と可動金型12の間には、キャビティ16の他に、複数のオーバーフロー19、ビスケット21、ランナー23およびゲート25が設けられる。オーバーフロー19は、溶湯の流動先端に多く存在する酸化物や空気を含む部分を、鋳物の内部に残らないようにするために設けられている。ビスケット21、ランナー23およびゲート25は、プランジャースリーブ43の先端から溶湯をキャビティ16に導くために設けられた流路である。
図5(a)、(b)に示すように、キャビティ16、ビスケット21、ランナー23およびゲート25を平面方向から取り囲むように、固定金型11および可動金型12の金型分割面にポーラス金型27が設けられる。固定金型11と可動金型12が型合わされると、固定金型11と可動金型12の境界部分に通気性を有するポーラス金型27が設けられており、ポーラス金型27はキャビティ16および溶湯MMの流路に臨むいずれかの領域に接する。したがって、ポーラス金型27を備えることにより、射出充填の当初はもちろん、当初以降の射出充填においてもキャビティ16からのガス抜きが促進される。
[シェアエッジ構造]
上述した実施形態に係る固定金型11および可動金型12は、金型分割面が周縁まで平坦な例を示しているが、本発明はこれに限定されず、シェアエッジ構造を採用することができる。シェアエッジ構造とは、固定金型11と可動金型12の間に形成される、互いに摺動しながら挿脱することのできる嵌合構造をいう。シェアエッジ構造を採用することにより、キャビティ16に射出充填された溶湯が金型外に漏れ出すのを防止するのに有効である。特に本発明においては、型締力が小さいので、シェアエッジ構造を採用することによる溶湯の漏れ出し防止の効果をより顕著にできる。シェアエッジ構造とは、くいきり構造、あるいはインロー構造とも称される。
[適用される溶湯]
上述した実施形態における溶湯は、当該金属の融点を越えた液相のみからなることを前提としているが、本発明はこれに限定されない。例えば、液相のみからなる溶湯を冷却して半凝固状態とされた金属を対象にできるし、固相の金属を加熱して液相を生成させた固液共存の半溶融状態された金属を対象にできる。本発明において、液相のみからなる溶湯、半凝固状態とされた金属を含めて、溶融金属と総称する。
1 ダイカスト鋳造装置
10 型締部
11 固定金型
12 可動金型
13 固定プラテン
14 可動プラテン
16 キャビティ
17 タイバー
19 オーバーフロー
21 ビスケット
23 ランナー
25 ゲート
27 ポーラス金型
30 射出充填部
31 ピストン
33 ピストンロッド
34 接手
35 ピストンヘッド
37 プランジャーロッド
38 プランジャーチップ
41 シリンダ
43 プランジャースリーブ
45 注湯口
50 制御部
51 制御装置
53 ガス圧センサ
55 型締力センサ

Claims (7)

  1. 一対の金型の開閉および型締めを行う型締部と、
    一対の前記金型のキャビティに溶融金属を射出充填する射出充填部と、
    前記型締部および前記射出充填部の動作を制御する制御部と、を備え、
    前記制御部は、
    第1型締力とされた一対の前記金型の前記キャビティに前記溶融金属を射出充填する第1射出充填工程と、
    前記第1射出充填工程に続いて、前記第1型締力よりも大きい第2型締力とされた一対の前記金型の前記キャビティに前記溶融金属を射出充填する第2射出充填工程と、が順に実行されるように、前記型締部と前記射出充填部を制御する、
    ダイカスト鋳造装置。
  2. 前記制御部は、
    前記キャビティについて検知されるガス圧に基づいて前記第1型締力を設定する、
    請求項1に記載のダイカスト鋳造装置。
  3. 前記制御部は、
    前記キャビティについて検知されるガス圧に基づいて、前記第1射出充填工程から前記第2射出充填工程に移行させる、
    請求項1または請求項2に記載のダイカスト鋳造装置。
  4. 一対の前記金型の一方または双方は、前記キャビティおよび前記キャビティに連なる前記溶融金属の流路に臨むいずれかの領域に通気性を有するポーラス金型を備えている、
    請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載のダイカスト鋳造装置。
  5. 第1型締力とされた一対の金型の前記キャビティに溶融金属を射出充填する第1射出充填工程と、
    前記第1射出充填工程に続いて、前記第1型締力よりも大きい第2型締力とされた一対の前記金型の前記キャビティに前記溶融金属を射出充填する第2射出充填工程と、
    を備えるダイカスト鋳造方法。
  6. 前記第1型締力は、前記キャビティについて検知されるガス圧に基づいて設定される、
    請求項5に記載のダイカスト鋳造方法。
  7. 前記キャビティについて検知されるガス圧に基づいて、前記第1射出充填工程から前記第2射出充填工程に移行される、
    請求項5または請求項6に記載のダイカスト鋳造方法。
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