JP2020091346A - ポジ型ドライフィルムレジスト及びエッチング方法 - Google Patents

ポジ型ドライフィルムレジスト及びエッチング方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ポジ型ドライフィルムレジストを加工基材にラミネートした後に支持体フィルムを容易に剥がすことができ、また、ポジ型ドライフィルムレジストをカットやスリットする際に端部から切り屑が発生しにくいポジ型ドライフィルムレジストを提供することである。【解決手段】少なくとも(a)支持体フィルムと(b)剥離層と(c)ポジ型感光性樹脂層がこの順で積層してなり、(b)剥離層が、けん化度86.0mol%以下で且つ重合度が900以下であるポリビニルアルコールを(b)剥離層100質量部に対して80質量部以上含み、且つ、(c)ポジ型感光性樹脂層が、ノボラック樹脂及びキノンジアジドスルホン酸エステルを主成分として含むことを特徴とするポジ型ドライフィルムレジスト。【選択図】図1

Description

本発明は、ポジ型ドライフィルムレジスト及び該ポジ型ドライフィルムレジストを利用するエッチング方法に関する。
プリント配線板、リードフレーム、メタルマスク、シャドウマスク、半導体パッケージ、電極部材、電磁波シールド等の製造において、金属基材のエッチングや金属めっき等の金属加工を行う際に、レジストが使用されている。例えば、メタルマスク、リードフレーム、シャドウマスク、プリント基板等の製造において、金属基材等の加工基材をエッチングする方法が行われている。このエッチングに使用されるレジストとしては、ポリビニルアルコール(PVA)、ゼラチン、カゼインなどの水溶性高分子に、重クロム酸アンモニウム等の光架橋試薬を混合することによる光架橋を利用した感光性樹脂組成物が用いられてきた。しかし、この感光性樹脂組成物は、クロム廃液の処理が難しい等の問題を有しており、現在では、そのほとんどがアルカリ水溶液現像型感光性樹脂組成物を使用したドライフィルムレジストに置き換わっている。
現在、このドライフィルムレジストとしてはネガ型感光性レジストが利用されており、該レジスト用の感光性樹脂組成物としては、アルカリ可溶性樹脂と光重合性架橋剤と光重合開始剤を組み合わせた感光性樹脂組成物が一般的である。加工基材にドライフィルムレジストをラミネートし、画像形成したマスクを通した紫外線露光によって、感光性樹脂組成物からなる感光性樹脂層を画像状に硬化して難溶性とした後、1質量%炭酸ナトリウム水溶液等のアルカリ現像液で未露光部を溶出させてレジストパターンが形成される。
しかしながら、ネガ型感光性レジストには、経時変化により感度変化が生じる問題及び現像後に加工基材の表面にレジスト成分の残渣が生じる問題がある。また、加工基材のエッチング加工後にレジストを剥離させる際には、強アルカリ性又は有機アミンを含有する特殊な剥離液を使用する必要がある。
一方、ポジ型感光性レジストは、光重合を阻害する空気中の酸素の影響を受けにくく、経時変化による感度変化も小さく、さらには加工基材のエッチング加工後はレジストを全面露光して現像液で処理することによって、レジスト膜を容易に溶解剥離できる等の利点がある。また、ネガ型感光性レジストと比較し、レジストがアルカリ現像液に膨潤しにくいため、微細パターンに有利である。
ポジ型感光性レジストにおいては、近年、液状レジストが広く使用されており、加工基材への感光性樹脂層の形成方法としては、スピンコートやロールコート等で、直接、加工基材へ塗工する方法が適用されている。しかしながら、液状レジストにおいては、液のロスが多く、塗工の手間がかかる。ポジ型レジストは高価であるため、液ロスは好ましくない。また、両面同時に感光性樹脂層を形成するためや、感光性樹脂層を均一に形成するために、ポジ型感光性レジストをドライフィルム化して、ラミネートする方法が強く望まれている。
一方、従来から広く用いられてきたポジ型感光性レジストとしては、キノンジアジド系の材料とノボラック樹脂を主成分とする材料が挙げられる。このポジ型感光性レジストをポリエチレンテレフタレートフィルム等の支持体に塗工し、ドライフィルム化すると、支持体フィルムとポジ型レジストの接着力が高く、ラミネーターを用いて加工基材上に熱圧着したのち、支持体フィルムを剥がす工程において、支持体フィルムが剥がれず、加工基材上に感光性樹脂層を形成できないという問題があった(例えば、特許文献1)。
また、ノボラック樹脂は硬く、膜質が脆く、柔軟性に欠けるため、ドライフィルム状の塗膜としてロール状の製品とすることに難点がある。つまり、所望の幅のロール製品に加工するには、通常、広幅の塗工済みロールからスリットすることが行われるが、脆い膜質の塗膜においては、端部から切り屑が発生してしまう。また通常、ロール状フィルムを、加工基材へ連続でラミネートするが、各加工基材を切り離すため、加工基材間でドライフィルムレジストをカットする必要があり、その際にも切り屑が発生しやすい。切り屑は基板の上に付着し、欠陥となってしまう問題があった(例えば、特許文献2)。
特開2006−267660号公報 特開2002−341525号公報
本発明の課題は、ポジ型ドライフィルムレジストを加工基材にラミネートした後に支持体フィルムを容易に剥がすことができ、また、カットやスリットする際に端部から切り屑が発生しにくいポジ型ドライフィルムレジストを提供することである。
上記課題は、下記のポジ型ドライフィルムレジスト及び該ポジ型ドライフィルムレジストを利用するエッチング方法により解決される。
(1)少なくとも(a)支持体フィルムと(b)剥離層と(c)ポジ型感光性樹脂層がこの順で積層してなり、(b)剥離層が、けん化度86.0mol%以下で且つ重合度が900以下であるポリビニルアルコールを(b)剥離層100質量部に対して80質量部以上含み、且つ、(c)ポジ型感光性樹脂層が、ノボラック樹脂及びキノンジアジドスルホン酸エステルを主成分として含むことを特徴とするポジ型ドライフィルムレジスト。
(2)加工基材の少なくとも片面に、上記(1)に記載のポジ型ドライフィルムレジストを、ラミネート法で貼り付け、次に40℃以上の条件下で(a)支持体フィルムを除去し、次に所望のパターンを露光し、次にアルカリ現像液により(b)剥離層を除去すると同時に(c)ポジ型感光性樹脂層を現像してレジストパターンを形成し、次に加工基材をエッチング処理し、次にアルカリ剥離液でレジスト剥離を実施するエッチング方法。
本発明のポジ型ドライフィルムレジストは図1に示すように、少なくとも(a)支持体フィルムと(b)剥離層と(c)ポジ型感光性樹脂層がこの順で積層してなる。(c)ポジ型感光性樹脂層は硬く柔軟性が低いノボラック樹脂を含むが、本発明に係わる(b)剥離層を使用すれば、(b)剥離層と(c)ポジ型感光性樹脂層間の密着性が高く、カッター、スリッター等によりカットしても、クラックや切り屑が発生しにくい。また、(a)支持体フィルムと(b)剥離層間も強固に密着しており、同様にカッター等によりカットしてもクラックや切り屑が発生しにくく、また、ポジ型ドライフィルムレジストを折り曲げることがあったとしても、(b)剥離層や(c)ポジ型感光性樹脂層の剥がれは発生しにくい。加工基材にポジ型ドライフィルムレジストをラミネート後、(a)支持体フィルムを剥がす必要があるが、剥離する際は40℃以上に加温することで、(a)支持体フィルムと(b)剥離層間の密着力が低下し、(a)支持体フィルムと(b)剥離層の界面から、(a)支持体フィルムを容易に剥がし取ることができる。
本発明のポジ型ドライフィルムの断面図である。
本発明に係わる(a)支持体フィルムとしては、(b)剥離層を形成でき、ポジ型ドライフィルムレジストを、ラミネート法で貼り付けた後、加工基材から(a)支持体フィルムが40℃以上の条件下で剥離できれば、どのようなフィルムであってもよい。光を透過する透明フィルム、光を遮光する白色フィルム、有色フィルムであってもよい。例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリイミド、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンテレフタレート、難燃ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリフェニレンサルフィド、ポリエーテルイミド、変性ポリフェニレンエーテル、ポリウレタン等が使用できる。その中でも特に、ポリエチレンテレフタレートフィルムは、ラミネート適性、剥離適性、平滑性に対して有利であり、また、安価で、脆化せず、耐溶剤性に優れ、高い引っ張り強度を持つ等の利点から、非常に利用しやすい。支持体フィルムの厚みは、1〜100μmであることが好ましく、さらには12〜50μmが好ましい。
本発明に係わる(b)剥離層としては、けん化度86.0mol%以下で且つ重合度が900以下であるポリビニルアルコールを(b)剥離層100質量部に対して80質量部以上含む。該ポリビニルアルコールを水溶液として、(a)支持体フィルム上に塗工することによって、(b)剥離層を形成できる。また、本発明に係わる(b)剥離層は、(b)剥離層上に(c)ポジ型感光性樹脂層をムラなく均一に形成できる特性を有している。また、(a)支持体フィルムと(b)剥離層の密着性に優れ、且つ(b)剥離層と(c)ポジ型感光性樹脂層との密着性に優れた性質も有する。
(b)剥離層に含まれるポリビニルアルコールのけん化度が86.0mol%超であると、(c)ポジ型感光性樹脂層のアルカリ現像液に泡が発生し、アルカリ現像液が現像槽からあふれてしまう問題が発生したり、また、(a)支持体フィルムと(b)剥離層間の密着性が弱くなり、ハンドリングで折れ曲がった際に(b)剥離層が剥がれてしまう問題が発生したり、カッター等でカットした際、切り屑が発生する問題が発生する。けん化度86.0mol%以下であれば、アルカリ現像液のランニング性に問題がなく、また、(a)支持体フィルムと(b)剥離層間の密着性が高く、ハンドリングで折れ曲がったとしても、(c)ポジ型感光性樹脂層に割れが発生しにくく、また、カッターでカットした際にも、切り屑が発生しにくい。より好ましいけん化度は84.0mol%以下であり、さらに好ましいけん化度は75.0mol%以下である。また、けん化度は、69.0mol%以上であることが好ましい。
また、同様に、(b)剥離層に含まれるポリビニルアルコールの重合度が900を超えると、(c)ポジ型感光性樹脂層のアルカリ現像液に泡が発生し、アルカリ現像液が現像槽からあふれてしまう問題が発生する。また(a)支持体フィルムと(b)剥離層間の密着性が弱くなり、ハンドリングで剥がれてしまう問題が発生する。重合度900以下であれば、現像液のランニング性に問題がなく、また、(a)支持体フィルムと(b)剥離層間の密着性が高く、折り曲げが発生したとしてもクラックが発生しにくい。より好ましい重合度は600以下であり、さらに好ましい重合度は400以下である。また、重合度は200以上であることが好ましい。例えば、(b)剥離層に含まれるポリビニルアルコールとしては、株式会社クラレ製、クラレポバールPVA−403、PVA−405、PVA−505等が挙げられる。
(b)剥離層は、けん化度86.0mol%以下で且つ重合度が900以下であるポリビニルアルコールを、(b)剥離層100質量部に対して80質量部以上含み、より好ましくは90質量部以上含み、さらに好ましくは95質量部以上含む。(b)剥離層がポリビニルアルコールを100質量部未満含む場合、残りの成分としては、可塑剤等の低分子化合物;高分子化合物が挙げられる。高分子化合物としては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、カルボキシメチルセルロース(CMC)、にかわ、カゼイン、アルギン酸ソーダ、酢酸ビニル樹脂、ポリビニルピロリドン、ポリアクリロリルモルホリン等の水溶性樹脂が挙げられる。
(b)剥離層の膜厚は1〜20μmが好ましく、2〜10μmがより好ましい。1μmより薄いと、皮膜形成した際に膜厚むらやピンホールの問題が発生しやすく、20μmより厚いと、露光時に光が散乱し、ポジ型感光性樹脂層のレジストパターンの線幅が太くなり、解像性が悪化する傾向にある。
本発明に係わる(c)ポジ型感光性樹脂層は、ノボラック樹脂及びキノンジアジドスルホン酸エステルを主成分として含むことを特徴とする。ノボラック樹脂は、フェノール類とアルデヒド類とを、酸触媒を用いて縮合して得られる樹脂である。ノボラック樹脂としては、例えば、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、キシレノールノボラック樹脂、レゾルシノールノボラック樹脂、ナフトールノボラック樹脂等が挙げられる。
ノボラック樹脂の原料となるフェノール類としては、例えばフェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、o−エチルフェノール、m−エチルフェノール、p−エチルフェノール、o−プロピルフェノール、m−プロピルフェノール、p−プロピルフェノール、o−ブチルフェノール、m−ブチルフェノール、p−ブチルフェノール、オクチルフェノール、2,3−キシレノール、2,4−キシレノール、2,5−キシレノール、2,6−キシレノール、3,4−キシレノール、3,5−キシレノール、2,3,5−トリメチルフェノール、3,4,5−トリメチルフェノール、メトキシフェノール、2−メトキシ−4−メチルフェノール、ビニルフェノール、アリルフェノール、ベンジルフェノール、メトキシカルボニルフェノール、ベンゾイルオキシフェノール、クロロフェノール、カテコール、レゾルシノール、ピロガロール、ビスフェノールA、ビスフェノールF、β−ナフトール、p−ヒドロキシフェニル−2−エタノール、p−ヒドロキシフェニル−3−プロパノール、p−ヒドロキシフェニル−4−ブタノール、ヒドロキシエチルクレゾール等が挙げられる。これらのフェノール類は単独又は2種類以上組み合わせて用いることができる。
ノボラック樹脂を得るために用いられるアルデヒド類としては、例えば、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピルアルデヒド、ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、フルフラール、ベンズアルデヒド、ヒドロキシベンズアルデヒド、メトキシベンズアルデヒド、ヒドロキシフェニルアセトアルデヒド、メトキシフェニルアセトアルデヒド、クロトンアルデヒド、クロロアセトアルデヒド、クロロフェニルアセトアルデヒド、アセトン、グリセルアルデヒド、グリオキシル酸、グリオキシル酸メチル、グリオキシル酸フェニル、グリオキシル酸ヒドロキシフェニル、ホルミル酢酸、ホルミル酢酸メチル等が挙げられる。これらのアルデヒド類は単独又は2種類以上組み合わせて用いることができる。
本発明に係わるキノンジアジドスルホン酸エステルとしては、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノンのo−ナフトキノンジアジドスルホン酸エステル、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノンのo−ナフトキノンジアジドスルホン酸エステル、2,3,4、4′−テトラヒドロキシベンゾフェノンのo−ナフトキノンジアジドスルホン酸エステル等が挙げられる。また、フェノール樹脂のキノンジアジドスルホン酸エステル、クミルフェノールのキノンジアジドスルホン酸エステル、ピロガロール・アセトン樹脂のキノンジアジドスルホン酸エステル等を挙げることができる。
本発明のポジ型ドライフィルムレジストにおいて、キノンジアジドスルホン酸エステルは、ノボラック樹脂100質量部に対し、10〜50質量部の割合で配合するのが好ましく、15〜40質量部の割合で配合するのがより好ましい。この配合量とすることで、耐酸性や加工基材との密着性が著しく優れ、金属や金属酸化膜等の種々の素材のエッチング加工に好適である。
本発明に係わる(c)ポジ型感光性樹脂層は、ノボラック樹脂及びキノンジアジドスルホン酸エステルを主成分として含むことを特徴とする。「主成分として含む」とは、(c)ポジ型感光性樹脂層100質量部に対して、ノボラック樹脂及びキノンジアジドスルホン酸エステルが合わせて70質量部以上含まれることを言う。(c)ポジ型感光性樹脂層には、ノボラック樹脂及びキノンジアジドスルホン酸エステル以外にも、必要に応じて他の成分を含有させても良い。例えば、カルボキシル基含有ポリアクリレート、ポリウレタン、酢酸ビニル樹脂、ポリアミド等の樹脂を含有してもよい。これらの樹脂の添加によって、可とう性、耐エッチング液性、現像性、密着性が向上する場合がある。また、溶剤、着色剤(染料、顔料)、光発色剤、光減色剤、熱発色防止剤、充填剤、消泡剤、難燃剤、密着性付与剤、レベリング剤、剥離促進剤、酸化防止剤、香料、熱硬化剤、撥水剤及び撥油剤等を含有してもよい。他の成分を含有させる場合、ポジ型感光性樹脂層の全固形分量に対して、他の成分を合わせて0.01質量%以上、30質量%以下の範囲で含有させることができる。これらの成分は1種を単独で用いても良いし、2種類以上を組み合わせて用いることもできる。
(c)ポジ型感光性樹脂層の膜厚は1〜20μmが好ましく、2〜10μmがより好ましい。1μm未満であると、加工基材にラミネートする際に気泡が入り易くなり、皮膜形成した際に膜厚むらやピンホールの問題が発生しやすく、20μmより厚いと、露光時に光が(c)ポジ型感光性樹脂層底部まで届かず、レジストパターンにおけるラインのボトムが細くなり、台形形状のレジストになる傾向にある。
(a)支持体フィルム上に(b)剥離層を形成する方法及び(b)剥離層上に(c)ポジ型感光性樹脂層を設ける方法としては、ロールコータ、コンマコータ、グラビアコータ、エアーナイフ、ダイコータ、バーコータ等の方法で行うことができる。
本発明のポジ型ドライフィルムレジストは、必要に応じて保護フィルムで感光層を被覆してもよい。保護フィルムとは、(c)ポジ型感光性樹脂層の(a)支持体フィルムへのブロッキングを防止するために設けられるもので、(a)支持体フィルムとは反対側の(c)ポジ型感光性樹脂層上に設けられる。保護フィルムとしては、フィッシュアイの小さいものが好まれる。例えば、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエステルフィルム等が挙げられる。
次に、本発明のエッチング方法について詳説する。まず、本発明のポジ型ドライフィルムレジストを加工基材の少なくとも片面に、(c)ポジ型感光性樹脂層が加工基材に接触するようにして、ラミネート法によって貼り付ける。本発明に係わる加工基材とは、エッチング加工を実施する基材であり、製造物によって決定される。プリント配線板、リードフレーム、メタルマスク、シャドウマスク、半導体パッケージ、電極部材、電磁波シールド等の製造においては、金属基材が選択される。例えば、銅、銅系合金(チタン銅合金、銅ニッケル合金等)、ニッケル、クロム、鉄、タングステン、ITO、ステンレスや42アロイ等の鉄系合金、アルミ、アモルファス合金等の金属基材が使用できる。また、プリント配線板製造等に使用される、銅張積層板、(無)電解めっき済基板、フレキシブル銅張積層板、フレキシブルステンレス板、積層体等が使用できる。
加工基材の少なくとも片面にポジ型ドライフィルムレジストを貼り付ける方法は、ラミネート法が使用される。一般的な、プリント基板用熱ラミネーター、真空ラミネーター等が使用できる。ニップ圧力、搬送速度、ロール温度は、使用する基材によって異なるが、気泡やムラなく貼り付けることができれば、何れの条件であってもよい。
ポジ型ドライフィルムレジストを加工基材に貼り付けたのち、(a)支持体フィルムを除去する。(a)支持体フィルムを除去する際、40℃以上の条件下で剥がす。40℃以上の条件下であると、(a)支持体フィルムのみを(b)剥離層上から剥がすことが可能となる。40℃未満の条件下であると、(a)支持体フィルムと(b)剥離層間の接着力が高く、(a)支持体フィルムのみを剥がすことが難しい。40℃未満の条件下であると、(a)支持体フィルムを剥がした際に、(b)剥離層及び(c)ポジ型感光性樹脂層も一緒に剥がれることがある。(a)支持体フィルムを除去する際の温度は、90℃以下であることが好ましい。
次に、所望のパターンを露光する。露光方法は、レーザー直接描画、フォトマスクを介した密着露光、投影露光等によって行われ、紫外線を露光する。超高圧水銀灯、高圧水銀灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ等を用いることができる。
次に、アルカリ現像を実施する。アルカリ現像によって(b)剥離層を除去すると同時に、(c)ポジ型感光性樹脂層の露光部を除去して、レジストパターンを形成する。アルカリ現像液としては、強アルカリ水溶液が有用に使用される。現像に使用される塩基性化合物としては、例えば、ケイ酸アルカリ金属塩、アルカリ金属水酸化物、リン酸アルカリ金属塩、炭酸アルカリ金属塩、リン酸アンモニウム、炭酸アンモニウム塩等の無機塩基性化合物;エタノールアミン、エチレンジアミン、プロパンジアミン、トリエチレンテトラミン、モルホリン、水酸化テトラメチルアンモニウム等の有機塩基性化合物を挙げることができる。露光部の(c)ポジ型感光性樹脂層に対する現像性を調整するために、アルカリ現像液の濃度、温度、スプレー圧、超音波条件等を調整する必要がある。アルカリ現像液の温度が高いほど、現像速度が速くなり、40℃以上の温度が好ましい。アルカリ現像液における塩基性化合物の濃度としては、水酸化カリウムの場合、1〜4質量%であることが好ましい。装置としては、ディップ処理装置、シャワースプレー装置等を利用することができる。
次に、加工基材のエッチング処理を実施する。本発明に係わるエッチング液としては加工基材を溶解除去できるものであれば何れであってもよい。エッチング液としては、例えば、アルカリ性アンモニア液、硫酸−過酸化水素液、塩化第二銅液、過硫酸塩液、塩化第二鉄液、王水等が挙げられる。また、装置や方法としては、例えば、水平スプレーエッチング、浸漬エッチング等の装置や方法を使用できる。これらの詳細は、「プリント回路技術便覧」(社団法人日本プリント回路工業会編、1987年刊行、日刊工業新聞社発行)に記載されている。
次に、アルカリ剥離液によりレジスト剥離を実施するが、その前に、紫外線を照射して露光してもよい。露光することで、(c)ポジ型感光性樹脂層は、アルカリ剥離液によって除去しやすくなる。アルカリ剥離液に使用される塩基性化合物としては、例えば、ケイ酸アルカリ金属塩、アルカリ金属水酸化物、リン酸アルカリ金属塩、炭酸アルカリ金属塩、リン酸アンモニウム、炭酸アンモニウム塩等の無機塩基性化合物;エタノールアミン、エチレンジアミン、プロパンジアミン、トリエチレンテトラミン、モルホリン、水酸化テトラメチルアンモニウム等の有機塩基性化合物を挙げることができる。レジスト剥離工程において、アルカリ剥離液の濃度、温度、スプレー圧、超音波条件等を調整する必要がある。アルカリ剥離液の温度が高いほど、ポジ型感光性樹脂層が溶解する速度が速くなり、40℃以上の温度が好ましい。アルカリ剥離液における塩基性化合物の濃度としては、溶解性に適した濃度がよく、塩基性化合物が水酸化ナトリウムの場合、1〜4質量%であることが好ましい。装置としては、ディップ処理装置、超音波装置、シャワースプレー装置等を利用することができる。
以下、実施例によって本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
(実施例1〜6、比較例1〜6)
表1に示すポリビニルアルコールを準備し、5質量部に対して95質量部の水を加え、温水で攪拌することで溶解させ、5質量%のポリビニルアルコール水溶液を得た。次に、ワイヤーバーを用いてポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム((a)支持体フィルム、商品名:ダイアホイル(登録商標)T100、25μm厚、三菱ケミカル社製)上に実施例1〜3及び比較例1〜5のポリビニルアルコール水溶液を塗工し、90℃で10分間乾燥し、水分を除去し、PETフィルム上にポリビニルアルコールを含む(b)剥離層を3μmの厚みで設け、(a)支持体フィルムと(b)剥離層の積層フィルムを得た。
一方、表1に示す実施例3のポリビニルアルコールを使用し、5質量部に対して95質量部の水を加え、温水で攪拌することで溶解させ、5質量%のポリビニルアルコール水溶液を得、その液100質量部に対して、ポリエチレングリコール♯600を1質量部加えた液(実施例4)を作製した。また、同様にして、100質量部のポリビニルアルコール水溶液に対して、ポリエチレングリコール♯600を0.7質量部加えた液(実施例5)を作製した。また、同様にして、100質量部のポリビニルアルコール水溶液に対して、ポリエチレングリコール♯600を0.3質量部加えた液(実施例6)を作製した。また、同様にして、100質量部のポリビニルアルコール水溶液に対して、ポリエチレングリコール♯600を1.5質量部加えた液(比較例6)を作製した。次に、ワイヤーバーを用いてPETフィルム((a)支持体フィルム、商品名:ダイアホイル(登録商標)T100、25μm厚、三菱ケミカル社製)上に実施例4〜6、比較例6のポリビニルアルコール水溶液を塗工し、90℃で10分間乾燥し、水分を除去し、PETフィルム上にポリビニルアルコールとポリエチレングリコールを含む(b)剥離層を3μmの厚みで設け、(a)支持体フィルムと(b)剥離層の積層フィルムを得た。
次に、o−クレゾールノボラック樹脂(質量平均分子量44000)を100質量部、及び2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノンのナフトキノンジアジドスルホン酸エステルを30質量部、をエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート300質量部に溶解した後、この溶液をメンブレンフィルター(孔径1μm)にてろ過して、(c)ポジ型感光性樹脂層用の塗工液を得た。
次に、上記で用意した(a)支持体フィルムと(b)剥離層の積層フィルムの(b)剥離層面に、上記(c)ポジ型感光性樹脂層用の塗工液を、ワイヤーバーで塗工して、90℃で10分間乾燥し、溶剤を除去し、3層の構造((a)支持体フィルム/(b)剥離層/(c)ポジ型感光性樹脂層)からなるポジ型ドライフィルムレジストを作製した。
次に、作製したポジ型ドライフィルムレジストをカッターにて、10cm×10cmの大きさに、カッターマット上でカットした。カットした切り口を顕微鏡で観察した結果、実施例1〜6に関しては割れが発生していなかったが、比較例2、4及び5に関しては、端部から500μmの範囲内で、(c)ポジ型感光性樹脂層に割れが発生していた。
次に、研磨、脱脂した銅張積層板の銅層表面に、上記実施例1〜6、比較例1〜6のポジ型ドライフィルムレジストの(c)ポジ型感光性樹脂層が銅層表面に接触するように貼り付けた。その際、一般的なプリント基板用ラミネーターを用いた。ラミネート条件はロール温度110℃、搬送速度0.5m/min、圧力0.2MPaにて実施した。次に、40℃に設定した恒温器に、ポジ型ドライフィルムレジストを貼り付けた銅張積層板を入れ、温まったところで、(a)支持体フィルムを剥がした。実施例1〜6に関しては、問題なく(a)支持体フィルムを(b)剥離層との界面から剥がすことができた。一方、比較例1〜5に関しては、(a)支持体フィルムを剥がすと、一部、(c)ポジ型感光性樹脂層ごと剥がれてきてしまう問題が発生した。また、比較例6に関しては、(a)支持体フィルムに(b)剥離層の転写が確認され、また、テストチャートマスクを貼り付けた際、テストチャートマスクの汚染が確認され、使用困難であった。よって、比較例1〜6においては、銅張積層板上に、欠陥無く良好に(c)ポジ型感光性樹脂層を形成することができず、次の露光の工程に進めなかった。
次に、超高圧水銀灯紫外線照射装置を用い、50μmのラインとスペースを有するテストチャートマスクを(b)剥離層の上にかぶせ、吸引密着させて露光した。次に、アルカリ現像液(1質量%の水酸化カリウム水溶液)を40℃にて、80秒間浸漬させ、(b)剥離層を除去すると同時に(c)ポジ型感光性樹脂層の露光部を除去して、現像を行った。その後、水洗を行い、乾かした。テストチャートマスクと同等のラインとスペースが再現できているかどうか(レジストパターン再現性)を確認したところ、実施例1〜6では、再現性が良好であった。
次に、60℃の塩化第二鉄溶液を用意し、0.2MPaの圧力でスプレー処理を約5分間実施し、銅層のエッチングを行った。その後、速やかに水洗−乾燥を実施した。次に、300mJ/cmの紫外線を全面に照射し、次に、40℃のアルカリ剥離液(1質量%水酸化カリウム水溶液)に3分間浸漬して、レジスト剥離を実施した。銅層の50μmのラインパターンを観察し、エッチング後のパターンを評価した。パターンの欠けもなく、再現性は良好であった。
以上の結果から明らかなように、本発明では、(a)支持体フィルムを容易に剥がすことができ、また、カットする際に端部から切り屑が発生しにくいポジ型ドライフィルムレジストを提供できることが判る。
本発明のポジ型ドライフィルムレジストは、プリント配線板、リードフレーム、メタルマスク、シャドウマスク、半導体パッケージ、電極部材、電磁波シールド等の製造において、金属基材のエッチング加工のレジストとして利用可能である。
(a)支持体フィルム
(b)剥離層
(c)ポジ型感光性樹脂層

Claims (2)

  1. 少なくとも(a)支持体フィルムと(b)剥離層と(c)ポジ型感光性樹脂層がこの順で積層してなり、(b)剥離層が、けん化度86.0mol%以下で且つ重合度が900以下であるポリビニルアルコールを(b)剥離層100質量部に対して80質量部以上含み、且つ、(c)ポジ型感光性樹脂層が、ノボラック樹脂及びキノンジアジドスルホン酸エステルを主成分として含むことを特徴とするポジ型ドライフィルムレジスト。
  2. 加工基材の少なくとも片面に、請求項1に記載のポジ型ドライフィルムレジストを、ラミネート法で貼り付け、次に40℃以上の条件下で(a)支持体フィルムを除去し、次に所望のパターンを露光し、次にアルカリ現像液により(b)剥離層を除去すると同時に(c)ポジ型感光性樹脂層を現像してレジストパターンを形成し、次に加工基材をエッチング処理し、次にアルカリ剥離液でレジスト剥離を実施するエッチング方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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