JP2020090985A - 抜け止め用具及び結合構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、結合ピンの回転の抑止により容易に引き抜き作業が行える抜け止め用具の提供を目的とする。【解決手段】本発明は、複数の部材間を結合し、周面に開口する穴を有する棒状の結合ピンの抜け落ちを防止する抜け止め用具であって、一側縁側に開口し上記結合ピンと嵌合可能な切り欠きを有する基材と、上記切り欠きの奥部から開口方向へ突出して配設され、上記結合ピンの穴に挿抜可能な回転止めピンと、上記結合ピンが上記切り欠きに嵌合した状態で、上記結合ピンと上記切り欠きとの間に位置し、上記結合ピンが上記切り欠きから脱離することを防止できる外れ止め機構とを備え、上記結合ピンの穴に上記回転止めピンを挿入した際に、上記切り欠きの開口が位置する上記基材の側縁が上記部材に当接する。【選択図】図3

Description

本発明は、抜け止め用具及び結合構造に関する。
例えば複数の部材間を分離可能に結合する構造として、複数の部材の重複部分に形成された結合穴に結合ピンを挿入する構造が広く採用されている。このような結合構造において、結合ピンが意図せず抜け落ちることを防止するために、結合ピンの一端に結合穴よりも大きい頭部を設け、結合穴を貫通して露出する結合ピンの他端には径方向の貫通孔が形成され、この貫通孔に軸状の抜け止め用具が挿入される構成が一般的である(例えば特開2017−26011号公報参照)。
このような結合構造では、結合ピンが回転すると抜け止め用具を引き抜く方向に結合した部材の結合部近傍に配設された構成要素が干渉して抜け止め用具を引き抜くことができなくなる場合がある。この場合、複数の部材間を分離する際には、結合ピンを回転させて抜け止め用具を引き抜き可能とする作業が必要となる。しかしながら、例えば建設機械のブームの結合構造等では、複数の部材及び結合ピンが大きく、結合ピンを回転させて抜け止め用具を引き抜き可能にする作業が容易ではない。
また、上記従来の結合構造では、結合ピンの回転を抑止することができないため、抜け止め用具を引き抜く際に結合ピンが回転し得る。このため、抜け止め用具の引き抜き方向を一定に保つことが難しく、抜け止め用具の引き抜き作業が困難となる場合がある。
特開2017−26011号公報
本発明は、上述のような事情に基づいてなされたものであり、結合ピンの回転の抑止により容易に引き抜き作業が行える抜け止め用具及び容易に分離可能な結合構造の提供を目的とする。
上記課題を解決するためになされた発明は、複数の部材間を結合し、周面に開口する穴を有する棒状の結合ピンの抜け落ちを防止する抜け止め用具であって、一側縁側に開口し上記結合ピンと嵌合可能な切り欠きを有する基材と、上記切り欠きの奥部から開口方向へ突出して配設され、上記結合ピンの穴に挿抜可能な回転止めピンと、上記結合ピンが上記切り欠きに嵌合した状態で、上記結合ピンと上記切り欠きとの間に位置し、上記結合ピンが上記切り欠きから脱離することを防止できる外れ止め機構とを備え、上記結合ピンの穴に上記回転止めピンを挿入した際に、上記切り欠きの開口が位置する上記基材の側縁が上記部材に当接する。
当該抜け止め用具は、上記結合ピンの穴に上記回転止めピンを挿入した際に、上記切り欠きの開口が位置する上記基材の側縁が上記部材に当接する。このため、当該抜け止め用具の回転が抑止され、回転止めピンが固定される。また、上記回転止めピンが固定されると、結合ピンの回転も抑止される。従って、当該抜け止め用具は、結合ピンの回転を抑止し、引き抜き方向を一定に保つことができるので、容易に引き抜き作業が行える。
上記切り欠きの内周縁が、上記結合ピンの周方向に形成された係合溝に嵌合可能であるとよい。このように上記切り欠きの内周縁を上記結合ピンの係合溝に嵌合可能に構成することで、回転止めピンを引き抜く際の引き抜き方向をさらに安定的に保つことができる。また、この係合溝により結合ピンが軸方向に抜け落ちることを抑止することができる。
上記外れ止め機構が、上記結合ピンの穴に上記回転止めピンを挿入した状態で、上記結合ピンをその周方向に取り囲むように配置可能な環状体を有するとよい。このように上記外れ止め機構が上記環状体を有することで、比較的簡単な構成で、当該抜け止め用具が結合ピンから脱離することを防止することができる。
上記環状体が、線状のばね材から形成され、両端部が上記基材の厚さ方向に間隔を開けて保持されるとよい。このように上記環状体を上述のような線状のばね材で形成することで、環状体自身の弾性力により外れ止め機構の設定及び解除が容易かつ確実に行える。
上記課題を解決するためになされた別の発明は、周面に開口する穴を有する棒状の結合ピンと、上記結合ピンによって結合される第1部材及び第2部材と、当該抜け止め用具とを備える結合構造である。
当該結合構造は、結合ピンの回転を抑止し、引き抜き方向を一定に保つことができる本発明の抜け止め用具を備えるので、第1部材と第2部材との分離が容易である。また、当該結合構造は、第1部材及び第2部材に特別の構成を必要としないので、既存の部材間の結合に広く用いることができる。
なお、「ばね材」とは、例えばJIS等の規格において「ばね用」と冠された材料に限定されず、例えばピアノ線、ステンレス鋼線等のばねとして使用可能な材料を含む。
以上説明したように、本発明の抜け止め用具は、結合ピンの回転の抑止により容易に引き抜き作業が行える。また、本発明の抜け止め用具を用いた結合構造は、容易に分離することができる。
図1は、本発明の一実施形態の結合構造を示す模式的斜視図である。 図2は、図1のA−A線での模式的断面図である。 図3は、本発明の一実施形態の抜け止め用具を示す模式的斜視図である。 図4は、図1の抜け止め用具の模式的正面図である。 図5は、図1の抜け止め用具の模式的側面図である。 図6は、図1とは異なる結合構造を示す模式的斜視図である。 図7は、図3とは異なる抜け止め用具を示す模式的斜視図である。 図8は、図1及び図6とは異なる結合構造を示す模式的斜視図である。
[第1実施形態]
以下、本発明の一実施形態に係る結合構造及び抜け止め用具について図面を参照しつつ説明する。
〔結合構造〕
本発明の一実施形態に係る結合構造は、図1及び図2に示すように、棒状の結合ピン1と、結合ピン1によって結合される第1部材2及び第2部材3と、本発明の一実施形態に係る抜け止め用具4とを備える。
<結合ピン>
結合ピン1は、図2に示すように、基端に第1部材2及び第2部材3に挿入不能な大径の頭部11を有し、先端側が第1部材2及び第2部材3を貫通可能に構成される。
また、結合ピン1は、周面に開口する穴12と、周方向に形成される係合溝13とを有する。結合ピン1の穴12及び係合溝13は、結合ピン1が第1部材2及び第2部材3に挿入された状態で、第1部材2及び第2部材3から突出する部分に設けられ、穴12が係合溝13よりも先端側に配設される。
(穴)
穴12は、後述する当該抜け止め用具4の回転止めピン42が挿入可能に形成される。
穴12の横断面形状は、回転止めピン42が挿入できる限り特に限定されないが、回転止めピン42の断面形状と同形状とすることが好ましく、例えば共に円形状とできる。この場合、穴12の内径は、回転止めピン42の外径より大きいが、当該抜け止め用具4の引き抜き方向を一定に保ち易くするため、回転止めピン42と略同径、すなわち回転止めピン42の外径よりわずかに大きくすることが好ましい。
また、穴12の深さは、回転止めピン42が挿入できる限り特に限定されない。図2に示す結合ピン1では、回転止めピン42の長さに合わせて、穴12は結合ピン1の中心軸付近までの深さとされているが、穴12は結合ピン1を径方向に貫通するものであってもよい。穴12を貫通孔とする場合、穴12の内部に異物が溜まり難く、より確実に回転止めピン42を挿入できる。
(係合溝)
係合溝13は、結合ピン1の全周に形成されてもよいし、後述する当該抜け止め用具4の基材41が有する切り欠き41aの内周縁が結合ピン1と接する部分にのみ形成されてもよい。
係合溝13の断面形状(結合ピン1の中心軸を通る断面における形状)としては、当該抜け止め用具4の基材41との接触面積が大きくすることができるよう直線状の側壁と、基材41との隙間を小さくすることができる直線状の底壁とを有する矩形状とすることが好ましい。
係合溝13の幅は、当該抜け止め用具4の切り欠き41aの内周部の厚さよりもわずかに大きく、切り欠き41aの内周部を容易に挿入可能な幅とされる。また、係合溝13の深さは、基材41との十分な係合面積(軸方向視での重複面積)を確保できるよう選択される。
<第1部材>
第1部材2は、当該結合機構の土台となる底部21と、この底部21の表面から立設し、互いに平行な一対の板状部22とを有する。
底部21の側縁部は、一対の板状部22の外側面よりも外側に突出している。
一対の板状部22は、結合ピン1が貫通可能な結合穴23を有する。このように一対の板状部22が結合穴23を有することによって、第1部材2の先端部に結合ピン1を一定の向きで保持し、この結合ピン1を中心に第2部材3を相対的に揺動可能に接続することができる。
<第2部材>
第2部材3は、第1部材2と結合される先端部に、第1部材2の一対の板状部22の間に挿入される板状部31を有する。このように第2部材3が第1部材2の一対の板状部22に挿入される板状部31を有することによって、第1部材2と第2部材3との結合が比較的正確かつ容易となる。
板状部31は、結合ピン1を貫通可能な結合穴32を有する。この結合穴32は、第1部材2及び第2部材3を結合された状態において、第1部材2の結合穴23と重なる。つまり、第1部材2及び第2部材3を結合された状態において、結合ピン1を第1部材2の結合穴23及び第2部材3の結合穴32を連続して貫通させることで、第1部材2及び第2部材3を結合することができる。
第1部材2及び第2部材3としては、特に限定されないが、例えばウインチを旋回フレームに取り付ける場合、各種のリンク同士を結合する場合など、両者が共に小型の構造物である場合に本発明の有利性が特に顕著となる。また、第1部材2及び第2部材3が、連結されてクレーンのブームやジブを構成する複数のラチス構造体のうちの隣接し合う2つの構造体、揺動可能に連結されるブームの先端部及びジブの基端部等、共に大型の構造物である場合にも当該結合機構を好適に用いることができる。
〔抜け止め用具〕
当該抜け止め用具4は、複数の部材(第1部材2及び第2部材3)間を結合し、周面に開口する穴12を有する棒状の結合ピン1の抜け落ちを防止する抜け止め用具であり、図1に示す結合構造に用いられている。当該抜け止め用具4は、図3乃至図5に示すように、基材41と、回転止めピン42と、外れ止め機構43とを備える。
<基材>
基材41は、板状であり、一側縁側に開口し結合ピン1と嵌合可能な切り欠き41aを有する。
基材41は、板材から形成され、切り欠き41aの内周縁が、結合ピン1の係合溝13に嵌合可能である。このように切り欠き41aの内周縁を結合ピン1の係合溝13に嵌合可能に構成することで、回転止めピン42を引き抜く際の引き抜き方向をさらに安定的に保つことができる。また、当該抜け止め用具4は、この係合溝13により結合ピン1が軸方向に抜け落ちることを抑止することができる。
この切り欠き41aの内周縁の形状は、係合溝13に係合可能とするために、係合溝13の底部の直径よりもわずかに大きい幅を有し、奥部が係合溝13に対応する半円形に形成される「U」の字状とすることが好ましい。
基材41の材質としては、鉄、ステンレス鋼等が挙げられる。また、基材41の厚さとしては、想定される結合ピン1を引き抜く方向に作用する力によって変形しない程度の厚さとすればよい。なお、基材41は、結合ピン1の係合溝13が切り欠き41aの奥部まで嵌合せず、切り欠き41aの内周縁のうちの対向する2直線部のみに係合する状態であっても変形しないよう設計されることが好ましい。
図1乃至図4に示すように、U字状に形成される基材41は、このU字の脚部(側縁41b)を下にして結合ピン1に嵌合され、嵌合した際にU字の脚部が両方とも第1部材2の底部21に当接するように構成されている。つまり、当該抜け止め用具4は、結合ピン1が切り欠き41aに嵌合した状態で、切り欠き41aの開口が位置する基材41の側縁41bが、切り欠き41aの両側で第1部材2に当接する。
<回転止めピン>
回転止めピン42は、切り欠き41aの奥部から開口方向へ突出して配設され、結合ピン1の穴に挿抜可能に構成される。
回転止めピン42は、基材41に対して相対的に動かないように固定されている。基材41は、側縁41bを切り欠き41aの両側で第1部材2に当接させた状態で第1部材2及び第2部材3に対して相対的に動かないように固定されているので、回転止めピン42も第1部材2及び第2部材3に対して相対的に動かない。さらに、基材41の側縁41bを切り欠き41aの両側で第1部材2に当接させた状態で、固定された回転止めピン42は結合ピン1の穴12に挿入されているので、結合ピン1は回転することができない。このようにして、回転止めピン42は、結合ピン1が回転することを抑止できる。
回転止めピン42を配設する方法は、特に限定されないが、例えば図4に示すように、切り欠き41aの奥部に配設される外れ止め機構43の保持ブロック43a(詳細は後述する)に、先端が切り欠き41aの奥部から開口方向へ突出するよう固定する方法を挙げることができる。回転止めピン42の保持ブロック43aへの固定方法としては、特に限定されないが、例えば回転止めピン42を、基材41の切り欠き41aとは反対側まで保持ブロック43aを貫通させ、その基端部42bをかしめる方法を挙げることができる。このように固定することで、回転止めピン42が強固に固定できるので、結合ピン1の回転抑止能力を高めることができる。
回転止めピン42の形状は、特に限定されないが、結合ピン1への挿抜が容易である円柱状とすることが好ましく、さらにその先端部42aが縮径しているとよい。回転止めピン42の長さは、回転止めピン42を結合ピン1に挿入した際に、回転止めピン42の先端が結合ピン1の穴12の底部に接しない長さとされる。なお、結合ピン1の回転抑止の観点から、回転止めピン42の長さは、先端が結合ピン1の穴12の底部に接しない範囲内で、できるだけ長くとることが好ましい。
なお、回転止めピン42は、結合ピン1に挿入されることで、結合ピン1が軸方向に抜け落ちることを抑止する効果も有する。
<外れ止め機構>
外れ止め機構43は、結合ピン1が切り欠き41aに嵌合した状態で、結合ピン1と切り欠き41aとの間に位置する。外れ止め機構43は、結合ピン1が切り欠き41aから脱離することを防止できる。
本実施形態の外れ止め機構43は、切り欠き41aの奥部に配設される保持ブロック43aと、結合ピン1の穴12に回転止めピン42を挿入した状態で、結合ピン1をその周方向に取り囲むよう配置可能な環状体43bとを有する。このように外れ止め機構43が環状体43bを有することで、比較的簡単な構成で、当該抜け止め用具4が結合ピン1から脱離することを防止することができる。
(保持ブロック)
保持ブロック43aは、環状体43b及び回転止めピン42を保持する。このため、保持ブロック43aの形状及び大きさは、環状体43b及び回転止めピン42を保持できるように適宜決定される。
保持ブロック43aの材質としては、環状体43b及び回転止めピン42を保持できる強度を有する限り、特に限定されないが、例えば基材41の材質と同一とできる。保持ブロック43aの材質が基材41の材質と同一である場合、強度の観点から保持ブロック43aと基材41とは一体成形されているとよい。
(環状体)
環状体43bは、線状のばね材から形成され、図3に示すように、両端部が基材41の厚さ方向に間隔を開けて保持ブロック43aに保持される。さらに詳細に説明すると、環状体43bは、両端近傍部が保持ブロック43aにより互いに平行かつ間隔を開けて回転可能に保持される。この環状体43bは、図5に示すように、保持ブロック43aに保持される端部を中心に回動させることができる。なお、「両端近傍部」とは、図示する環状体43bのように最端部に屈曲された抜け止め構造を有するもの等が可能であることを企図する。
このように環状体43bを上述のような線状のばね材で形成することで、環状体43b自身の弾性力により外れ止め機構43の設定及び解除が容易かつ確実に行える。
環状体43bの両端部は、回転止めピン42が保持される位置よりも外側(基材41から遠い側)で保持ブロック43aに保持されるとよい。このように配設することで、環状体43bの移動に対して回転止めピン42が干渉することを抑止できる。
さらに、環状体43bは、弾性力によって結合ピン1をその周方向に取り囲む状態となるよう、結合ピン1を取り囲む状態で内部応力が緩和されるよう形成されることが好ましく、基材41が存在しなければ基材41の裏側空間(第1部材2及び第2部材3側の空間)に突出するよう回動した状態で内部応力が最小となるように形成されることがより好ましい。
このような環状体43bは、両端近傍部の保持位置をずらすことによって、結合ピン1を取り囲んだ状態から脱離させる方向(図5における反時計方向)保持ブロック43aに保持される両端近傍部を中心に回動させると形状が歪んで弾性エネルギーを蓄積する。この弾性エネルギーによって、環状体43bは、結合ピン1を取り囲む状態に復帰する。
このように環状体43bが結合ピン1をその周方向に取り囲むことによって、結合ピン1の係合溝13に嵌合する基材41が結合ピン1から脱離することが防止されるので、結合ピン1が第1部材2及び第2部材3から抜け落ちることがより確実に防止される。
環状体43bの太さは、上述の弾性エネルギーによる弾性力が、ユーザーが環状体43bを容易に回動させることができ、かつ意図せずに回動して外れ止め機構43を解除することがないよう選択される。
なお、環状体43bを形成するばね材の断面形状としては、典型的には円形とされるが、例えば多角形等の任意の形状とすることができる。環状体43bの断面形状を非円形とする場合、保持ブロック43aが回転可能に保持できるように両端近傍部に円筒状のスリーブを装着する等の構成を有してもよい。
また、環状体43bの弾性力は、保持ブロック43aにより保持される両端近傍部の位置関係によっても調整することができる。具体的には、環状体43bの両端近傍部の間隔を大きくすることによって、環状体43bの弾性力を大きくすることができる。
<利点>
当該抜け止め用具4は、結合ピン1の穴12に回転止めピン42を挿入した際に、切り欠き41aの開口が位置する基材41の側縁41bが第1部材2に当接する。このため、当該抜け止め用具4の回転が抑止され、回転止めピン42が固定される。また、回転止めピン42が固定されると、結合ピン1の回転も抑止される。従って、当該抜け止め用具4は、結合ピン1の回転を抑止し、引き抜き方向を一定に保つことができるので、容易に引き抜き作業が行える。
また、当該抜け止め用具4は、切り欠き41aの開口が位置する基材41の側縁41bが切り欠き41aの両側で第1部材2に当接するので、結合ピ1ンの回転をより確実に防止できる。
当該結合構造は、結合ピン1の回転を抑止し、引き抜き方向を一定に保つことができる本発明の抜け止め用具4を備えるので、第1部材2と第2部材3との分離が容易である。また、当該結合構造は、第1部材2及び第2部材3に特別の構成を必要としないので、既存の部材間の結合に広く用いることができる。
[第2実施形態]
以下、本発明の他の一実施形態に係る結合構造及び抜け止め用具について図面を参照しつつ説明する。
〔結合構造〕
本発明の一実施形態に係る結合構造は、図6に示すように、棒状の結合ピン1と、結合ピン1によって結合される第1部材5及び第2部材3と、本発明の一実施形態に係る抜け止め用具6とを備える。
<結合ピン>
結合ピン1は、第1実施形態における結合ピン1と同様であるので、同一符合を付して説明を省略する。
<第1部材>
第1部材5は、当該結合機構の土台となる底部51と、この底部51の表面から立設し、互いに平行な一対の板状部22とを有する。
底部51の側縁部は、一対の板状部22の外側面よりも外側に突出している。また、底部51は、一対の板状部22のうち結合ピン1の先端側が位置する側の板状部22の外側に接する凸部51aを有する。凸部51aは、図6に示すように、結合ピン1の左外側に位置し、結合ピン1の左端と凸部51aの右端とが、鉛直方向に略一致する。
一対の板状部22は、第1実施形態の第1部材2の板状部22と同様であるので、同一符号を付して詳細説明を省略する。
<第2部材>
第2部材3は、第1実施形態における第2部材3と同様であるので、同一符合を付して説明を省略する。
〔抜け止め用具〕
当該抜け止め用具6は、複数の部材(第1部材5及び第2部材3)間を結合し、周面に開口する穴12を有する棒状の結合ピン1の抜け落ちを防止する抜け止め用具であり、図6に示す結合構造に用いられている。当該抜け止め用具6は、基材61と、回転止めピン42と、外れ止め機構43とを備える。
当該抜け止め用具6の回転止めピン42及び外れ止め機構43は、第1実施形態における抜け止め用具4の回転止めピン42及び外れ止め機構43と同様であるので、同一符合を付して説明を省略する。以下、基材61について説明する。
<基材>
基材61は、板状であり、一側縁側に開口し結合ピン1と嵌合可能な切り欠き61aを有する。
基材61は、板材から形成され、切り欠き61aの内周縁が、結合ピン1の係合溝13に嵌合可能である。この切り欠き61aの内周縁の形状は、第1実施形態における抜け止め用具4の基材41の切り欠き41aと同様、「U」の字状とすることが好ましい。また、基材61の材質としては、第1実施形態における抜け止め用具4の基材41と同様とできる。
図6に示すように、略U字状に形成される基材61は、このU字の脚部(側縁61b)を下にして結合ピン1に嵌合され、嵌合した際にU字の脚部が両方とも第1部材5の底部51に当接するように構成されている。
本実施形態においては、第1部材5の凸部51aにより第1部材5の底部51の高さ(第1部材5の底面からの高さ)が、結合ピン1の左側と右側とで異なり、段差を有する。このため、基材61は、U字状の両脚部の高さを、この段差と一致するように変えることで、側縁61bが両方とも第1部材5の底部51に当接するように調整されている。基材61は板材であり、このような段差を設けることは比較的容易である。例えば、予め両脚部の高さが等しい基材61を準備しておき、第1部材5の凸部51aによる段差に適合するように切断する方法を用いることができる。また、基材61に溶接やボルト固定等により上記段差に適合する部品を追加する方法によってもよい。
以上のように、当該抜け止め用具6は、結合ピン1が切り欠き61aに嵌合した状態で、切り欠き61aの開口が位置する基材61の側縁61bを切り欠き61aの両側で第1部材5に当接させている。
<利点>
当該抜け止め用具6は、第1実施形態の抜け止め用具4と同様に、結合ピン1の回転を抑止し、引き抜き方向を一定に保つことができるので、容易に引き抜き作業が行える。
また、当該結合構造は、結合ピン1の回転を抑止し、引き抜き方向を一定に保つことができる本発明の抜け止め用具6を備えるので、第1部材5と第2部材3との分離が容易である。
[その他の実施形態]
上記実施形態は、本発明の構成を限定するものではない。従って、上記実施形態は、本明細書の記載及び技術常識に基づいて上記実施形態各部の構成要素の省略、置換又は追加が可能であり、それらは全て本発明の範囲に属するものと解釈されるべきである。
上記実施形態では、結合ピンの穴が係合溝よりも結合ピンの先端側に配設される場合を説明したが、係合溝を結合ピンの穴より先端側に配設することもできる。
上記実施形態では、結合ピンが周方向に形成される係合溝を有しており、抜け止め用具の基材の切り欠きの内周縁が、上記結合ピンの係合溝に嵌合可能である場合を説明したが、結合ピンの係合溝は必須の構成要素ではなく、係合溝のない結合ピンに対しても本発明の抜け止め用具を用いることができる。この場合、基材の切り欠きは、直接結合ピンの外周を嵌合するように構成される。この場合、結合ピンが係合溝を有することを要しないので、第1部材及び第2部材に加え、結合ピンにも特別の構成を必要とせず、既存の部材間の結合にさらに広く用いることができる。
また、上記実施形態では、基材が板状である場合を説明したが、基材は板状に限定されるものではない。例えば基材はブロック状や円柱状の棒をU字状としたものであってもよい。
本発明に係る抜け止め用具は、例えば図7に示す抜け止め用具7のように、基材71の側縁を外れ止め機構43が設けられる側に折り曲げる等の構成により、基材71の側縁に保護壁71cを形成してもよい。このように、基材71の側縁に保護壁71cを形成することにより、意図せずに他の物体が外れ止め機構43を解除することをさらに確実に防止できる。なお、図7において、第1実施形態の抜け止め用具4と同一の構成については、同一符号を付している。
基材71の保護壁71cは、外れ止め機構43の構成に応じて外れ止め機構43の解除防止に効果的な位置を選択して設けられることが好ましい。また、この保護壁71cは、基材71の切り欠き41aが開口する側の側縁にも、結合ピン1と干渉しない範囲で設けることができる。
上記実施形態では、結合ピンが抜け止め用具の切り欠きに嵌合した状態で、基材が切り欠きの両側で同方向に部材に当接する場合を説明したが、基材が部材に当接する方向は限定されず、例えば図8に示す抜け止め用具8のように、基材81が切り欠き81aの右側にある側縁81bが第1部材5の底部51に当接し、切り欠き81aの左側にある側縁81bが凸部51aの側方に当接する構成であってもよい。このように基材81が第1部材5のどこかに当接することで、結合ピン1の回転を抑止できる。なお、図8において、第1実施形態の抜け止め用具4と同一の構成については、同一符号を付している。
また、上記実施形態では、結合ピンが抜け止め用具の切り欠きに嵌合した状態で、切り欠きの開口が位置する基材の側縁が、切り欠きの両側で部材に当接する場合を説明したが、片側で部材に当接する構成も本発明の意図するところである。
上記実施形態では、抜け止め用具の外れ止め機構の保持ブロックが切り欠きの奥部に配設される場合を説明したが、保持ブロックの位置はこれに限定されず、例えば基材の他の場所に拝謁してもよい。また、複数の外れ止め機構を基材の異なる位置に設けて複数の環状体が結合ピンを重畳して取り囲むように構成してもよい。
また、抜け止め用具の外れ止め機構は、基材の切り欠きの開口部を結合ピンが通過できないようにできるものであればよく、例えば外れ止め機構が、基材の切り欠きの開口部の両側に着脱可能に係合する棒状部材を有するものであってもよい。このような棒状部材の係合方法としては、ばねを利用したスナップ係合、ねじを用いた係合、クランプを用いた締結等が挙げられる。
上記実施形態では、部材の構成として、第1部材が底部と、底部の表面から立設し、互いに平行な一対の板状部とを有し、第2部材が第1部材の一対の板状部の間に挿入される板状部を有する構成を説明したが、板状部の構成は逆であってもよい。つまり、第2部材が互いに平行な一対の板状部を有し、第1部材が底部と、底部の表面から立設し、第2部材の一対の板状部の間に挿入される板状部を有する構成とすることもできる。
以上説明したように、本発明の抜け止め用具は、結合ピンの回転の抑止により容易に引き抜き作業が行える。また、本発明の抜け止め用具を用いた結合構造は、容易に分離することができる。従って、本発明に係る抜け止め用具及び結合構造は、例えば建設機械の作業装置の組み立て構造などの重量物同士を結合するために特に好適に利用することができる。
1 結合ピン
11 頭部
12 穴
13 係合溝
2、5 第1部材
21、51 底部
51a 凸部
22 板状部
23 結合穴
3 第2部材
31 板状部
32 結合穴
4、6、7、8 抜け止め用具
41、61、71、81 基材
41a、61a、81a 切り欠き
41b、61b、81b 側縁
71c 保護壁
42 回転止めピン
42a 先端部
42b 基端部
43 外れ止め機構
43a 保持ブロック
43b 環状体

Claims (5)

  1. 複数の部材間を結合し、周面に開口する穴を有する棒状の結合ピンの抜け落ちを防止する抜け止め用具であって、
    一側縁側に開口し上記結合ピンと嵌合可能な切り欠きを有する基材と、
    上記切り欠きの奥部から開口方向へ突出して配設され、上記結合ピンの穴に挿抜可能な回転止めピンと、
    上記結合ピンが上記切り欠きに嵌合した状態で、上記結合ピンと上記切り欠きとの間に位置し、上記結合ピンが上記切り欠きから脱離することを防止できる外れ止め機構と
    を備え、
    上記結合ピンの穴に上記回転止めピンを挿入した際に、上記切り欠きの開口が位置する上記基材の側縁が上記部材に当接する抜け止め用具。
  2. 上記切り欠きの内周縁が、上記結合ピンの周方向に形成された係合溝に嵌合可能である請求項1に記載の抜け止め用具。
  3. 上記外れ止め機構が、上記結合ピンの穴に上記回転止めピンを挿入した状態で、上記結合ピンをその周方向に取り囲むように配置可能な環状体を有する請求項1又は請求項2に記載の抜け止め用具。
  4. 上記環状体が、線状のばね材から形成され、両端部が上記基材の厚さ方向に間隔を開けて保持される請求項3に記載の抜け止め用具。
  5. 周面に開口する穴を有する棒状の結合ピンと、
    上記結合ピンによって結合される第1部材及び第2部材と、
    請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の抜け止め用具と
    を備える結合構造。
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