JP2020090419A - タリウム含有量が低減された亜鉛塩水溶液の製造方法、酸化亜鉛の製造方法、及び酸化亜鉛 - Google Patents

タリウム含有量が低減された亜鉛塩水溶液の製造方法、酸化亜鉛の製造方法、及び酸化亜鉛 Download PDF

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聡宏 矢野
丈典 十時
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丈典 十時
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Abstract

【課題】 本発明は、簡便な方法により、タリウム含有量が低減された亜鉛塩水溶液を製造する方法を提供する。また、本発明は、前記亜鉛塩水溶液を用いた酸化亜鉛の製造方法、タリウム含有量が極めて少ない酸化亜鉛を提供する。【解決手段】 本発明の亜鉛塩水溶液の製造方法は、不純物元素としてタリウムを含有する亜鉛塩水溶液と、ゼオライト、活性白土、活性炭、及び陽イオン交換樹脂からなる群より選択される少なくとも1種の吸着剤とを接触させる接触工程を含む。【選択図】 なし

Description

本発明は、タリウム含有量が低減された亜鉛塩水溶液の製造方法、に関する。また、本発明は、前記亜鉛塩水溶液を用いた酸化亜鉛の製造方法、タリウム含有量が極めて少ない酸化亜鉛に関する。
現在、水銀及び鉛などの重金属類は、化粧料原料への混入が規制されている。また、タリウム及びアンチモンなどの重金属類はより低濃度であることが望ましく、さらなる高純度な化粧品原料の開発が求められている。
酸化亜鉛からタリウムなどの不純物元素を低減する技術として、例えば、特許文献1では、下記の工程(1)〜(4)を含むことを特徴とする高純度酸化亜鉛粉末の製造方法、が提案されている。
工程(1):金属亜鉛を塩酸溶液に溶解する。
工程(2):工程(1)で得られた塩化亜鉛水溶液を陰イオン交換樹脂に接触させ、亜鉛及び不純物元素を吸着させた後、吸着後の樹脂に、塩酸濃度を変えた溶離液を通液して、該塩化亜鉛水溶液中に含有される不純物元素が濃集された溶離液と亜鉛が濃集された溶離液とに分離して回収する。
工程(3):工程(2)で得られた亜鉛が濃集された溶離液に、中和剤として水酸化アンモニウム(NHOH)を添加して、水酸化亜鉛を得る。
工程(4):工程(3)で得られた水酸化亜鉛を、1200〜1400℃の温度でか焼に付す。
また、特許文献2には、平均粒子径0.1〜1μm、平均粒子厚さ0.01〜0.2μm、平均板状比3以上の薄片状酸化亜鉛粉末、及びその製造方法が開示されている。
特開2009−84139号公報 特開平1−230431号公報
しかし、特許文献1の製造方法では、不純物元素を含む全原料を一度、陰イオン交換樹脂に固定化する必要があるため、一度に処理できる量に限りがあり、さらに工程も複雑であることから、安価に高純度の酸化亜鉛を製造することは困難である。
本発明は、簡便な方法により、タリウム含有量が低減された亜鉛塩水溶液を製造する方法を提供する。また、本発明は、前記亜鉛塩水溶液を用いた酸化亜鉛の製造方法、及びタリウム含有量が極めて少ない酸化亜鉛を提供する。
本発明者らは、不純物元素としてタリウムを含有する亜鉛塩水溶液と、特定の吸着剤とを接触させることにより、亜鉛塩水溶液中のタリウムを選択的に除去できることを見出した。
すなわち、本発明は、不純物元素としてタリウムを含有する亜鉛塩水溶液と、ゼオライト、活性白土、活性炭、及び陽イオン交換樹脂からなる群より選択される少なくとも1種の吸着剤とを接触させる接触工程を含む、タリウム含有量が低減された亜鉛塩水溶液の製造方法、に関する。
また、本発明は、少なくとも前記方法で製造された亜鉛塩水溶液と、アルカリ化合物とを混合する工程を含む、酸化亜鉛の製造方法、に関する。
また、本発明は、タリウム含有量が0.0001質量%未満、平均粒子径が0.1〜1μm、平均粒子厚さが0.01〜0.2μm、及び平均板状比が3以上である酸化亜鉛、に関する。
本発明の亜鉛塩水溶液の製造方法によれば、簡便な方法により、亜鉛塩水溶液中のタリウムを選択的に除去することができ、タリウム含有量が低減された亜鉛塩水溶液を得ることができる。なお、本発明において、「タリウムを選択的に除去する」とは、亜鉛塩水溶液中に多量に含まれる亜鉛塩は除去されずに(例えば、タリウム除去処理後の亜鉛残存率が、好ましくは90%以上、より好ましくは95%以上、更に好ましくは98%以上)、微量に含まれるタリウムが除去されることを意味する。そして、タリウム含有量が低減された亜鉛塩水溶液を酸化亜鉛の原料として用いることにより、タリウム含有量が極めて少ない酸化亜鉛を得ることができる。
〔タリウム含有量が低減された亜鉛塩水溶液の製造方法〕
本発明のタリウム含有量が低減された亜鉛塩水溶液(以下、精製亜鉛塩水溶液ともいう。)の製造方法は、不純物元素としてタリウムを含有する亜鉛塩水溶液(以下、未精製亜鉛塩水溶液ともいう。)と、ゼオライト、活性白土、活性炭、及び陽イオン交換樹脂からなる群より選択される少なくとも1種の吸着剤とを接触させる接触工程を含む。
未精製亜鉛塩水溶液の原料である亜鉛塩は特に制限されず、例えば、硫酸亜鉛、塩化亜鉛、硝酸亜鉛、酢酸亜鉛、及び亜鉛酸塩(亜鉛酸ナトリウムなど)などが挙げられる。前記亜鉛塩は、無水物であってもよく、水和物であってもよい。これらは1種で用いてもよく、2種以上併用してもよい。前記亜鉛塩は、酸化亜鉛製造への適用性の観点から、好ましくは硫酸亜鉛、塩化亜鉛、硝酸亜鉛、及び酢酸亜鉛からなる群より選択される1種以上であり、より好ましくは硫酸亜鉛、及び塩化亜鉛からなる群より選択される1種以上であり、さらに好ましくは硫酸亜鉛である。
市販の前記亜鉛塩は、通常、不純物元素として最大0.005質量%程度のタリウムを含有している。
未精製亜鉛塩水溶液中の前記亜鉛塩の濃度は特に制限されないが、続く酸化亜鉛の製造効率の観点から、好ましくは1質量%以上、より好ましくは3質量%以上、更に好ましくは10質量%以上、より更に好ましくは20質量%以上であり、一方、溶解度の観点から好ましくは80質量%以下、より好ましくは70質量%以下、更に好ましくは60質量%以下である。
本発明においては、未精製亜鉛塩水溶液中の微量のタリウムを選択的に除去するために、ゼオライト、活性白土、活性炭、及び陽イオン交換樹脂からなる群より選択される少なくとも1種の吸着剤を用いる。
前記吸着剤は、未精製亜鉛塩水溶液中のタリウムを選択的に除去する観点から、好ましくはゼオライト及び陽イオン交換樹脂からなる群より選択される少なくとも1種の吸着剤、より好ましくはゼオライトである。
前記ゼオライトは特に制限されず、例えば、クリノプチロライト、モルデナイト、フェリエライト、及びアナルサイムなどの天然ゼオライト、A型、L型、Y型、X型、及びβ(ベータ)型などの合成ゼオライトが挙げられる。これらは1種で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。天然ゼオライトのうち、未精製亜鉛塩水溶液中のタリウムを選択的に除去する観点から、好ましくはクリノプチロライト及びモルデナイトから選ばれる1種以上である。また、合成ゼオライトのうち、同様の観点から、好ましくはA型及びX型から選ばれる1種以上であり、より好ましくはA型である。
天然ゼオライトにおいては、未精製亜鉛塩水溶液中のタリウムを選択的に除去する観点から、Alに対するSiOのモル比(SiO/Al)は、好ましくは15以下、より好ましくは14以下、更に好ましくは13以下、より更に好ましくは12以下である。また、入手容易性の観点から、前記モル比(SiO/Al)は、好ましくは1以上、より好ましくは1.5以上、更に好ましくは2以上、より更に好ましくは5以上である。
前記ゼオライトの形状は特に制限されず、例えば、粉末、顆粒、粒状、及びペレットなどが挙げられる。粒子の表面積の観点からは粉末が好ましく、分離性の観点から、あるいはカラムなどに充填して使用する場合にはペレットが好ましい。
前記活性白土は特に制限されず、一般的な化学成分として、SiO、Al、Fe、CaO、及びMgOなどを有し、未精製亜鉛塩水溶液中のタリウムを選択的に除去する観点から、Alに対するSiOのモル比(SiO/Al)は、好ましくは3以上、より好ましくは5以上であり、好ましくは17以下である。活性白土として、「ガレオンアース V2」(水澤化学工業株式会社製)、「活性白土SA35」(東新化成株式会社製)などの市販品を用いることができる。
前記活性白土の形状は特に制限されず、例えば、粉末、顆粒、粒状、及びペレットなどが挙げられる。粒子の表面積の観点からは粉末が好ましく、分離性の観点から、あるいはカラムなどに充填して使用する場合にはペレットが好ましい。
前記活性炭は特に制限されず、例えば、木炭、ヤシ殻炭、石炭、レーヨン、及びフェノール樹脂などを原料として製造されたものが挙げられ、好ましくはヤシ殻を原料としており、ガス賦活または薬品賦活処理をされたものであり、特に好ましくは水蒸気不活化されたものである。
前記活性炭の形状は特に制限されず、例えば、粉末、顆粒、粒状、及びペレットなどが挙げられる。粒子の表面積の観点からは粉末が好ましく、分離性の観点から、あるいはカラムなどに充填して使用する場合にはペレットが好ましい。
前記陽イオン交換樹脂は特に制限されず、例えば、強酸性陽イオン交換樹脂(スルホン酸基をもつもの等)、及び弱酸性陽イオン交換樹脂(カルボン酸基、ホスホン酸基、又はホスフィン酸基をもつもの等)が挙げられる。これらは1種で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。陽イオン交換樹脂のうち、未精製亜鉛塩水溶液中のタリウムを選択的に除去する観点から、好ましくは強酸性陽イオン交換樹脂、より好ましくはMR型(Macro Reticular型)の強酸性陽イオン交換樹脂である。
未精製亜鉛塩水溶液と、前記吸着剤とを接触させる方法は特に制限されず、例えば、未精製亜鉛塩水溶液中と前記吸着剤とを混合して撹拌する方法(以下、撹拌法という。)、前記吸着剤を充填したカラムに未精製亜鉛塩水溶液を通液する方法(以下、カラム法という。)などが挙げられる。
撹拌法において、前記吸着剤の使用量(未精製亜鉛塩水溶液中に前記吸着剤を加える場合は前記吸着剤の添加量)は、通常、未精製亜鉛塩水溶液中の亜鉛塩100質量部に対して、好ましくは1〜200質量部であり、未精製亜鉛塩水溶液中のタリウムを選択的に除去する観点から、好ましくは1質量部以上、より好ましくは10質量部以上であり、精製亜鉛塩水溶液の回収効率の観点から、好ましくは200質量部以下、より好ましくは100質量部以下、より更に好ましくは50質量部以下である。
前記吸着剤の使用量は、使用する吸着剤の除去能力によって適宜調整が可能であって、除去能力の高い天然ゼオライトや合成ゼオライトでは、通常、未精製亜鉛塩水溶液中の亜鉛塩100質量部に対して、好ましくは1〜200質量部であり、未精製亜鉛塩水溶液中のタリウムを選択的に除去する観点から、好ましくは1質量部以上、より好ましくは5質量部以上であり、精製亜鉛塩水溶液の回収効率の観点から、好ましくは200質量部以下、より好ましくは100質量部以下、より更に好ましくは50質量部以下である。
一方、除去能力が中程度である活性白土、陽イオン交換樹脂、及び活性炭では、これらの使用量は、通常、未精製亜鉛塩水溶液中の亜鉛塩100質量部に対して、好ましくは5〜200質量部であり、未精製亜鉛塩水溶液中のタリウムを選択的に除去する観点から、好ましくは5質量部以上、より好ましくは10質量部以上であり、精製亜鉛塩水溶液の回収効率の観点から、好ましくは200質量部以下、より好ましくは100質量部以下、より更に好ましくは50質量部以下である。
撹拌法において、未精製亜鉛塩水溶液の温度は、通常、好ましくは0〜100℃であり、未精製亜鉛塩水溶液中のタリウムを選択的に除去する観点から、好ましくは0℃以上、より好ましくは5℃以上であり、好ましくは100℃以下、より好ましくは80℃以下である。
撹拌法において、撹拌スピード及び撹拌時間等は、適宜調整可能である。
撹拌法においては、前記接触工程後、亜鉛塩水溶液と前記吸着剤とをろ過や遠心分離等により分離して、精製亜鉛塩水溶液を得る。
カラム法において、前記吸着剤の充填量は、通常、未精製亜鉛塩水溶液中の亜鉛塩100質量部に対して、好ましくは1〜200質量部であり、未精製亜鉛塩水溶液中のタリウムを選択的に除去する観点から、好ましくは1質量部以上、より好ましくは5質量部以上であり、好ましくは200質量部以下、より好ましくは100質量部以下である。
カラム法において、未精製亜鉛塩水溶液の温度は、通常、好ましくは0〜100℃であり、未精製亜鉛塩水溶液中のタリウムを選択的に除去する観点から、好ましくは0℃以上、より好ましくは5℃以上であり、好ましくは100℃以下、より好ましくは80℃以下である。
カラム法において、通液速度や循環回数等は、適宜調整可能である。
前記接触工程を行うことによって得られる精製亜鉛塩水溶液は、タリウムが選択的に除去されている。精製亜鉛塩水溶液中のタリウムの含有量は、好ましくは0.00001質量%以下、より好ましくは0.000005質量%以下である。また、前記接触工程後におけるタリウム除去率(%)は、好ましくは50%以上、より好ましくは80%以上、更に好ましくは90%以上である。また、前記接触工程後における亜鉛残存率(%)は、好ましくは90%以上、より好ましくは95%以上、更に好ましくは98%以上である。
〔酸化亜鉛の製造方法〕
本発明の酸化亜鉛は、前記方法で製造された精製亜鉛塩水溶液を用いること以外は、公知の方法により製造することができる。具体的には、本発明の酸化亜鉛の製造方法は、前記方法で製造された精製亜鉛塩水溶液と、アルカリ化合物とを混合する工程を含む。精製亜鉛塩水溶液と、アルカリ化合物とを混合することにより、水酸化亜鉛が得られる。そして、得られた水酸化亜鉛を分解脱水することにより酸化亜鉛が得られる。
アルカリ化合物としては、例えば、水酸化ナトリウム及び水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物、水酸化カルシウムなどのアルカリ土類金属水酸化物、水酸化アンモニウムなどが挙げられる。アルカリ化合物は、アルカリ性水溶液として用いることが好ましい。
精製亜鉛塩水溶液と、アルカリ化合物とを混合する方法は特に制限されず、例えば、精製亜鉛塩水溶液にアルカリ化合物又はアルカリ性水溶液を加える方法、アルカリ性水溶液に精製亜鉛塩水溶液を加える方法、精製亜鉛塩水溶液にアルカリ性水溶液を滴下する方法、及びアルカリ性水溶液に精製亜鉛塩水溶液を滴下する方法などが挙げられる。
アルカリ化合物やアルカリ性水溶液の添加量は、精製亜鉛塩水溶液中の亜鉛塩の含有量を考慮して適宜調整する。
〔酸化亜鉛〕
本発明の酸化亜鉛は、タリウム含有量が極めて低く、高純度である。酸化亜鉛中のタリウム含有量は、好ましくは0.0001質量%(1ppm)未満であり、より好ましくは0.00005質量%(0.5ppm)以下であり、更に好ましくは0.00001質量%(0.1ppm)以下である。
〔薄片状酸化亜鉛〕
本発明の酸化亜鉛は、好ましくはタリウム含有量が0.0001質量%未満、平均粒子径が0.1〜1μm、平均粒子厚さが0.01〜0.2μm、及び平均板状比が3以上である薄片状酸化亜鉛である。前記タリウム含有量は、より好ましくは0.00005質量%以下、更に好ましくは0.00001質量%以下である。前記平均粒子径は、より好ましくは0.2μm以上であり、また、より好ましくは0.8μm以下、更に好ましくは0.6μm以下である。前記平均粒子厚さは、より好ましくは0.02μm以上であり、また、より好ましくは0.1μm以下、更に好ましくは0.05μm以下である。前記平均板状比は、より好ましくは5以上、更に好ましくは10以上であり、また、より好ましくは30以下、更に好ましくは20以下である。
前記薄片状酸化亜鉛は、前記方法で製造された精製亜鉛塩水溶液を用いること以外は、特開平1−230431号公報に記載の方法により製造することができる。具体的な製造法は以下の通りである。
第1の製造法として、前記精製亜鉛塩水溶液を原料として用い、亜鉛イオンに対して、総量として当量を超える量の1種または2種以上の酸基を含有し、かつpH11以上の母液から沈澱を生成させることにより、前記薄片状酸化亜鉛を製造することができる。
第2の製造法として、前記精製亜鉛塩水溶液と沈澱剤とをレイノルズ数30以上の撹拌を行いながら混合して得られる、酸化亜鉛換算で15重量%以下の亜鉛濃度を有し、かつpH11以上の母液から沈澱を生成させることにより、前記薄片状酸化亜鉛を製造することができる。
また、前記製造法における沈澱生成に際し、水溶性有機物を共存させることにより、その製造における安定性を高め、粉末形状の制御性を更に高めることができる。
なお、平均粒子径、平均粒子厚さ、及び平均板状比は、下記の実施例に示す方法により測定した値である。
第1の製造法においては、酸基の共存下で、例えば、酸性の前記精製亜鉛塩水溶液とアルカリ水溶液とを、好ましくは60℃以下、より好ましくは40℃以下で短時間内に混合反応させることによって薄片状酸化亜鉛粉末を得る。
共存させる酸基としては、例えば、NO3−、SO42−、CHCOO、Cl、PO 3−、CO 2−、及びC 2−等の1種又は2種以上を挙げることができる。母液内には、これらの酸基が亜鉛イオンに対して当量を超える量存在し、かつpHが11以上であることが必要である。pHは、好ましくは12以上である。
沈澱生成後、白色スラリーを好ましくは60〜100℃、より好ましくは90〜100℃の温度に加温し、好ましくは10分以上、より好ましくは30分以上の間その温度に保つことによって、より結晶性のよい薄片状酸化亜鉛を得ることができる。
酸基の量の上限は特に制限されず、酸基イオンの種類にもよるが、単離時の洗浄性の観点から、好ましくは2当量以下、より好ましくは1.5当量以下、更に好ましくは1.05当量以下である。
亜鉛イオンに対して当量を超える酸基は、塩または酸として前記精製亜鉛塩水溶液中に入れても、アルカリ水溶液中に入れてもよい。
塩は水溶性のものであればよく、例えば、硫酸ナトリウム、硝酸ナトリウム、塩化ナトリウム、酢酸ナトリウム、硫酸カリウム、リン酸ナトリウム、蓚酸ナトリウム、及び炭酸ナトリウム等を用いることができる。これらは1種で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
また、アルカリとしては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、及び水酸化アンモニウム等が好適に挙げられる。これらは1種で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
前記精製亜鉛塩水溶液とアルカリ水溶液とを混合する方法としては、前記精製亜鉛塩水溶液中にアルカリ水溶液を注入、または滴下しても、またその逆でも、或は両方を同時に水中あるいは塩溶液中に注入、滴下してもよい。
第2の製造法において、沈澱剤とは、前記精製亜鉛塩水溶液と反応して収率50%以上で亜鉛酸化物または水酸化物を沈澱させる水溶性の酸または塩基のことであり、前記精製亜鉛塩水溶液が酸性のもの(硝酸亜鉛、硫酸亜鉛、酢酸亜鉛等の水溶液)の場合は、例えば、苛性ソーダ、アンモニア水、エタノールアミン類、及び酢酸ナトリウム等であり、また、前記精製亜鉛塩水溶液が塩基性のもの(亜鉛酸ナトリウム水溶液等)である場合は、例えば、硫酸、硝酸、塩酸、酢酸、蓚酸、クエン酸、コハク酸、及び炭酸等である。
撹拌混合においては、各種形態の撹拌翼、例えば、多段翼、アンカー型、馬蹄型、スクリュー型、2重リボン、タービン型、プロペラ型、マックスブレンド、及びビスター装置等が使用できる。あるいは、例えば、スタティックミキサー、及びラインミキサー等を単独あるいは併用してもよい。また、撹拌は、例えば、回転撹拌の場合には、下式で定義されるレイノルズ数が30以上となるように行う。
レイノルズ数=(撹拌翼の直径)×撹拌回転数×溶液の密度/溶液の粘性係数
撹拌混合方式に応じて、液体混合の強度を示す同種の他のレイノルズ数を用いても同様である。このように、液体混合の強さとして示されるレイノルズ数として、本発明において十分な撹拌とされる範囲は30以上であり、好ましくは100〜10である。
また、沈澱剤は、撹拌混合しつつ限られた時間内に添加することが好ましく、特に1秒〜15分の短時間内に添加終了することが好ましい。更に、撹拌混合の規模にもよるが、1秒〜5分内に添加を行うと更に好結果が得られる。
前記精製亜鉛塩水溶液と沈澱剤との混合方法は、前記精製亜鉛塩水溶液に沈澱剤を添加する方法、その逆の添加方法、及び両者同時混合等の方法のいずれでも良いが、粒子凝集を防ぐ上で、好ましくは前記精製亜鉛塩水溶液に沈澱剤を添加する方法、または両者同時添加法である。撹拌混合後の亜鉛塩濃度は、酸化亜鉛換算で15重量%以下であることが必要である。亜鉛塩濃度の下限は特に制限されず、亜鉛塩濃度が低い方が沈殿物の粉末形態がよく、制御も楽であるが、経済上の観点から、好ましくは0.1重量%以上である。
第2の製造法においても第1の製造法と同様に、沈澱生成時の母液はpH11以上であることが必須である。
また、反応温度は特に制限されないが、好ましくは60℃以下である。
前記第1の製造法と前記第2の製造法とを併用する場合、即ち、十分な撹拌を行いながら酸性の前記精製亜鉛塩水溶液とアルカリ水溶液を混合中和し、酸基を共存させた、pH11以上、酸化亜鉛換算濃度15重量%以下の母液から結晶を生成させる場合、薄片状酸化亜鉛粒子の形状、及び粒子径等を更に制御し易くなるため好ましい。この場合、共存させ得る酸基としては、例えば、NO3−、SO42−、CHCOO、Cl、PO 3−、CO 2−、及びC 2−等の1種又は2種以上が挙げられる。母液内に、これら酸基が亜鉛イオンに対して当量以上存在すると好ましい結果を得ることができるが、当量以上を必須とするものではない。
前記酸基は、塩または酸として前記精製亜鉛塩水溶液中に入れても、アルカリ水溶液中に入れてもよい。塩は水溶性のものであればよく、例えば、硫酸ナトリウム、硝酸ナトリウム、塩化ナトリウム、酢酸ナトリウム、硫酸カリウム、リン酸ナトリウム、蓚酸ナトリウム、及び炭酸ナトリウム等を用いることができる。これらは1種で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
いずれの場合の製造法においてもpHは11以上であることが必要であり、好ましくは12以上である。
以上の製造法によって薄片状酸化亜鉛を得ることができるが、これらの製造法において、沈澱生成に際して水溶性有機物を共存させることにより一層結晶形の制御が容易となり、好ましい物性の酸化亜鉛粉末を得ることができる。
前記水溶性有機物としては、例えば、アルコール類、ポリオール類、フェノール類、ケトン類、ポリエーテル類、エステル類、カルボン酸類、ポリカルボン酸類、セルロース類、糖類、尿素類、スルホン酸類、アミン酸類、及びアミン類等が挙げられる。具体的には、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、及びヘキサノール等の炭素数1〜6の脂肪族アルコール;プロパンジオール、ブタンジオール、エチレングリコール、グリセリン、及びポリエチレングリコール等の脂肪族多価アルコール;フェノール、カテコール、及びクレゾール等の置換基を有しない又は炭素数1〜5の置換基をもつフェノール類或いはカテコール類;フルフリルアルコール等の複素環を有するアルコール類;アセトン、アセチルアセトン、メチルエチルケトン、及びラクトン等の炭素数1〜6のケトン類;エチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、エチレンオキサイド付加物、及びプロピレンオキサイド付加物等のエーテル或いはポリエーテル類;酢酸エチル、アセト酢酸エチル、及びグリシンエチルエステル等のエステル類;ギ酸、酢酸、蓚酸、クエン酸、酒石酸、サリチル酸、安息香酸、マロン酸、アクリル酸、マレイン酸、コハク酸、プロピオン酸、グリセリン酸、エレオステアリン酸、ポリアクリル酸、ポリマレイン酸、及びアクリル酸−マレイン酸コポリマー等のカルボン酸、ポリカルボン酸或いはヒドロキシカルボン酸類やその塩酸;カルボキシメチルセルロース類、グルコース、及びガラクトース等の単糖類;庶糖、ラクトース、アミロース、キチン、及びセルロース等の多糖類;尿素、及びアセチル尿素等の尿素類;アルキルベンゼンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、アルキルスルホン酸、α−オレフィンスルホン酸、ポリオキシエチレンアルキルスルホン酸、リグニンスルホン酸、及びナフタレンスルホン酸等のスルホン酸類やその塩類;グリシン、グルタミン酸、アスパラギン酸、及びアラニン等のアミノ酸;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、及びブタノールアミン等のヒドロキシアミン類;トリメチルアミノエチルアルキルアミド、アルキルピリジニウム硫酸塩、アルキルトリメチルアンモニウムハロゲン化物、アルキルベタイン、アルキルジエチレントリアミノ酢酸等を挙げることができる。これらは1種で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
母液中の前記水溶性有機物の含有量は特に制限されないが、好ましくは0.01〜10質重%である。
また、上記の各々の製造法に共通して、下記の後処理を施すことによって、好ましい薄片状酸化亜鉛粉末を得ることができる。即ち、沈澱生成後、得られた白色スラリーを好ましくは60〜100℃、より好ましくは90〜100℃に加温し、好ましくは10分以上、より好ましくは30分以上の間その温度を保つことによって、より結晶性のよい薄片状酸化亜鉛を得ることができる。さらに、粉末として単離する場合、ろ過洗浄を行うが、最終工程として水溶性有機溶媒で洗浄を行うことにより、その後の乾燥、粉砕操作が容易になる。特に、かさ比容を大きくしたい場合には有効である。
以上の製造法で得られた薄片状酸化亜鉛は、粉末X線回折において結晶性を示すことが確認された。薄片状酸化亜鉛は、その粒子形態に起因して、非常にかさ比容が大きく、一般の気相法で得られる酸化亜鉛の数倍〜十数倍のかさ比容を有することも可能である。
UVスペクトル測定によれば、本発明の薄片状酸化亜鉛粉末は、紫外線吸収能が市販の酸化亜鉛よりも大きく、可視光吸収は逆に小さく、透明性の高い紫外線吸収剤として特徴のある挙動を示した。
本発明の酸化亜鉛は、化粧料、白色顔料、医薬品、ゴム、プラスチック充填材、触媒、電気化学材料、ガラス、及びセラミックス材料等、従来から用いられている材料に用いることができる。さらに、本発明の薄片状酸化亜鉛は、薄片状粒子であるため、塗布あるいはプレスした場合に、紫外線吸収性および光導電性が高く、かつ表面付着性も良い。そのため、本発明の薄片状酸化亜鉛は、化粧料、電子材料、配向性フェライト、蛍光体、及び製紙用フィラー等に利用した場合、優れた性能を示し、工業的価値が極めて大きいものである。
以下に、本発明及び本発明の好ましい実施態様を示す。
<1>
不純物元素としてタリウムを含有する亜鉛塩水溶液と、ゼオライト、活性白土、活性炭、及び陽イオン交換樹脂からなる群より選択される少なくとも1種の吸着剤とを接触させる接触工程を含む、タリウム含有量が低減された亜鉛塩水溶液の製造方法。
<2>
前記亜鉛塩は、好ましくは硫酸亜鉛、塩化亜鉛、硝酸亜鉛、及び酢酸亜鉛からなる群より選択される1種以上であり、より好ましくは硫酸亜鉛、及び塩化亜鉛からなる群より選択される1種以上であり、さらに好ましくは硫酸亜鉛である、<1>に記載の亜鉛塩水溶液の製造方法。
<3>
前記不純物元素としてタリウムを含有する亜鉛塩水溶液中の亜鉛塩の濃度は、好ましくは1質量%以上、より好ましくは3質量%以上、更に好ましくは10質量%以上、より更に好ましくは20質量%以上であり、好ましくは80質量%以下、より好ましくは70質量%以下、更に好ましくは60質量%以下である、<1>又は<2>に記載の亜鉛塩水溶液の製造方法。
<4>
前記吸着剤は、好ましくはゼオライト及び陽イオン交換樹脂からなる群より選択される少なくとも1種の吸着剤、より好ましくはゼオライトである、<1>〜<3>のいずれかに記載の亜鉛塩水溶液の製造方法。
<5>
前記ゼオライトは、天然ゼオライト及び/又は合成ゼオライトである、<1>〜<4>のいずれかに記載の亜鉛塩水溶液の製造方法。
<6>
前記天然ゼオライトは、好ましくはクリノプチロライト及びモルデナイトから選ばれる1種以上である、<5>に記載の亜鉛塩水溶液の製造方法。
<7>
前記合成ゼオライトは、好ましくはA型及びX型から選ばれる1種以上であり、より好ましくはA型である、<5>又は<6>に記載の亜鉛塩水溶液の製造方法。
<8>
好ましくは、前記亜鉛塩は、硫酸亜鉛、塩化亜鉛、硝酸亜鉛、及び酢酸亜鉛からなる群より選択される1種以上であり、前記吸着剤は、ゼオライト及び陽イオン交換樹脂からなる群より選択される少なくとも1種の吸着剤であり、
より好ましくは、前記亜鉛塩は、硫酸亜鉛、及び塩化亜鉛からなる群より選択される1種以上であり、前記吸着剤は、ゼオライトであり、
更に好ましくは、前記亜鉛塩は、硫酸亜鉛であり、前記吸着剤は、天然ゼオライト及び/又は合成ゼオライトであり、
より更に好ましくは、前記亜鉛塩は、硫酸亜鉛であり、前記吸着剤は、クリノプチロライト及びモルデナイトから選ばれる1種以上であり、
より更に好ましくは、前記亜鉛塩は、硫酸亜鉛であり、前記吸着剤は、A型及びX型から選ばれる1種以上であり、
より更に好ましくは、前記亜鉛塩は、硫酸亜鉛であり、前記吸着剤は、A型である、<1>又は<3>に記載の亜鉛塩水溶液の製造方法。
<9>
前記天然ゼオライトは、Alに対するSiOのモル比(SiO/Al)が、好ましくは15以下、より好ましくは14以下、更に好ましくは13以下、より更に好ましくは12以下であり、好ましくは1以上、より好ましくは1.5以上、更に好ましくは2以上、より更に好ましくは5以上である、<5>〜<8>のいずれかに記載の亜鉛塩水溶液の製造方法。
<10>
前記ゼオライトの形状は、好ましくは粉末又はペレットである、<1>〜<9>のいずれかに記載の亜鉛塩水溶液の製造方法。
<11>
前記活性白土は、Alに対するSiOのモル比(SiO/Al)が、好ましくは3以上、より好ましくは5以上であり、好ましくは17以下である、<1>〜<10>のいずれかに記載の亜鉛塩水溶液の製造方法。
<12>
前記活性白土の形状は、好ましくは粉末又はペレットである、<1>〜<11>のいずれかに記載の亜鉛塩水溶液の製造方法。
<13>
前記活性炭は、好ましくはヤシ殻を原料としており、ガス賦活または薬品賦活処理をされたものであり、より好ましくは水蒸気不活化されたものである、<1>〜<12>のいずれかに記載の亜鉛塩水溶液の製造方法。
<14>
前記活性炭の形状は、好ましくは粉末又はペレットである、<1>〜<13>のいずれかに記載の亜鉛塩水溶液の製造方法。
<15>
前記陽イオン交換樹脂は、好ましくは強酸性陽イオン交換樹脂、より好ましくはMR型(Macro Reticular型)の強酸性陽イオン交換樹脂である、<1>〜<14>のいずれかに記載の亜鉛塩水溶液の製造方法。
<16>
前記接触工程は、前記不純物元素としてタリウムを含有する亜鉛塩水溶液(未精製亜鉛塩水溶液)と、前記吸着剤とを混合して撹拌する方法(撹拌法)であり、
前記撹拌法において、前記吸着剤の使用量(未精製亜鉛塩水溶液中に前記吸着剤を加える場合は前記吸着剤の添加量)は、前記未精製亜鉛塩水溶液中の亜鉛塩100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは10質量部以上であり、好ましくは200質量部以下、より好ましくは100質量部以下、より更に好ましくは50質量部以下である、<1>〜<15>のいずれかに記載の亜鉛塩水溶液の製造方法。
<17>
前記吸着剤の使用量は、天然ゼオライトや合成ゼオライトでは、未精製亜鉛塩水溶液中の亜鉛塩100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは5質量部以上であり、好ましくは200質量部以下、より好ましくは100質量部以下、より更に好ましくは50質量部以下である、<16>に記載の亜鉛塩水溶液の製造方法。
<18>
前記吸着剤の使用量は、活性白土、陽イオン交換樹脂、及び活性炭では、未精製亜鉛塩水溶液中の亜鉛塩100質量部に対して、好ましくは5質量部以上、より好ましくは10質量部以上であり、好ましくは200質量部以下、より好ましくは100質量部以下、より更に好ましくは50質量部以下である、<16>に記載の亜鉛塩水溶液の製造方法。
<19>
前記撹拌法において、未精製亜鉛塩水溶液の温度は、好ましくは0℃以上、より好ましくは5℃以上であり、好ましくは100℃以下、より好ましくは80℃以下である、<16>〜<18>のいずれかに記載の亜鉛塩水溶液の製造方法。
<20>
前記接触工程は、前記吸着剤を充填したカラムに前記不純物元素としてタリウムを含有する亜鉛塩水溶液(未精製亜鉛塩水溶液)を通液する方法(カラム法)であり、
前記カラム法において、前記吸着剤の充填量は、前記未精製亜鉛塩水溶液中の亜鉛塩100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは5質量部以上であり、好ましくは200質量部以下、より好ましくは100質量部以下である、<1>〜<15>のいずれかに記載の亜鉛塩水溶液の製造方法。
<21>
前記カラム法において、前記未精製亜鉛塩水溶液の温度は、好ましくは0℃以上、より好ましくは5℃以上であり、好ましくは100℃以下、より好ましくは80℃以下である、<20>に記載の亜鉛塩水溶液の製造方法。
<22>
前記接触工程後、前記吸着剤を分離する工程を含む、<1>〜<21>のいずれかに記載の亜鉛塩水溶液の製造方法。
<23>
前記接触工程を行うことによって得られる亜鉛塩水溶液(精製亜鉛塩水溶液)中のタリウムの含有量は、好ましくは0.00001質量%以下、より好ましくは0.000005質量%以下であり、前記接触工程後におけるタリウム除去率(%)は、好ましくは50%以上、より好ましくは80%以上、更に好ましくは90%以上である、<1>〜<22>のいずれかに記載の亜鉛塩水溶液の製造方法。
<23−1>
前記接触工程後における亜鉛残存率(%)は、好ましくは90%以上、より好ましくは95%以上、更に好ましくは98%以上である、<1>〜<23>のいずれかに記載の亜鉛塩水溶液の製造方法。
<24>
少なくとも<1>〜<23−1>のいずれかに記載の方法で製造された亜鉛塩水溶液(精製亜鉛塩水溶液)と、アルカリ化合物とを混合する工程を含む、酸化亜鉛の製造方法。
<25>
前記アルカリ化合物は、好ましくはアルカリ性水溶液である、<24>に記載の酸化亜鉛の製造方法。
<26>
<24>又は<25>に記載の方法で製造された酸化亜鉛。
<27>
前記酸化亜鉛中のタリウム含有量は、好ましくは0.0001質量%(1ppm)未満、より好ましくは0.00005質量%(0.5ppm)以下、更に好ましくは0.00001質量%(0.1ppm)以下である、<26>に記載の酸化亜鉛。
<28>
タリウム含有量が0.0001質量%未満、平均粒子径が0.1〜1μm、平均粒子厚さが0.01〜0.2μm、及び平均板状比が3以上である酸化亜鉛。
<29>
前記タリウム含有量は、好ましくは0.00005質量%以下、より好ましくは0.00001質量%以下である、<28>に記載の酸化亜鉛。
<30>
前記平均粒子径は、好ましくは0.2μm以上であり、また、好ましくは0.8μm以下、より好ましくは0.6μm以下である、<28>又は<29>に記載の酸化亜鉛。
<31>
前記平均粒子厚さは、好ましくは0.02μm以上であり、また、好ましくは0.1μm以下、より好ましくは0.05μm以下である、<28>〜<30>のいずれかに記載の酸化亜鉛。
<32>
前記平均板状比は、好ましくは5以上、より好ましくは10以上であり、また、好ましくは30以下、より好ましくは20以下である、<28>〜<31>のいずれかに記載の酸化亜鉛。
<33>
好ましくは、前記タリウム含有量は、0.00005質量%以下であり、前記平均粒子径は、0.2μm以上0.8μm以下であり、前記平均粒子厚さは、0.02μm以上0.1μm以下であり、前記平均板状比は、5以上30以下であり、
より好ましくは、前記タリウム含有量は、0.00001質量%以下であり、前記平均粒子径は、0.2μm以上0.6μm以下であり、前記平均粒子厚さは、0.02μm以上0.05μm以下であり、前記平均板状比は、10以上20以下である、<28>に記載の酸化亜鉛。
以下、本発明について、実施例に基づき具体的に説明する。なお、以下の実施例及び比較例において、特記しない限り、「部」は「質量部」、「%」は「質量%」を意味する。また、各種物性の測定法は以下のとおりである。
<ICP−MSの測定>
亜鉛塩水溶液および酸化亜鉛の元素分析は下記測定条件で行った。
測定サンプル:上記試料0.1gを秤量し、1%硝酸で100倍希釈または溶解して作成した。
元素分析装置:サーモフィッシャーサイエンティフィック社製、iCAP Qs
方式:四重極型
分析元素:31元素
測定質量/電荷比(m/z):205TI
プラズマ条件
高周波出力:1600W
RFパワー:1550W
サンプリング深さ:5mm
プラズマガス流量:14L/min
キャリヤーガス流量:0.8L/min
添加ガス(20%O/Ar)流量:20%
ネブライザーガス流量:0.45L/min
コリジョンガス(He)流量:4.9mL/min
ネブライザーの種類:同軸型
積分時間:0.1秒
検量線測定点:9
<亜鉛残存率の測定>
前記ICP−MS測定により精製前後の亜鉛塩水溶液中の亜鉛量の定量を行い、下記式にて亜鉛残存率を算出した。
亜鉛残存率(%)=(精製亜鉛塩水溶液中の亜鉛量/未精製亜鉛塩水溶液中の亜鉛量)×100
酸化亜鉛の分析
<XRD>
リガク製のMiniFlexIIを用いて、印加電圧30kV、電流15mA、発散スリット1.25°、散乱スリット8.0mm、受光スリットは開放、の条件にて連続法で1ステップあたり0.02°で10°から70°の範囲を測定した。
得られた回折パターンから積分半値幅を求めることにより、その反射率の指数における結晶子サイズを見積もった。
<UV−VIS>
酸化亜鉛粒子のUV吸収特性、可視部の透明性は以下の手順で評価した。
酸化亜鉛粉末15mgをグリセリン5gとイオン交換水5gの混合溶媒に加え、超音波を30分間かけて分散させた。この溶液とグリセリン40gを混合し、ディスパーで4000rpm、1分間撹拌した後、デシケーター中で減圧脱泡して評価試料を調製した。
UV−VISスペクトルは、島津製Solid Spec−3700により、200−780nmの範囲を1nm刻みで透過スペクトルを測定した。リファレンスにはイオン交換水を、ベースラインにはグリセリン/イオン交換水=9/1の混合溶媒を用いた。光路長は1mmとした。
得られたスペクトルから試料のUV防御能力と可視光の透過能力を評価するが、指標として波長約360nmにおける透過率の最小値及び500nmにおける透過率を抽出した。
<BET比表面積>
BET比表面積は下記測定条件で行った。
分析装置:島津製、micromeritics Flow Sorb III
サンプル量:約0.4g
前処理条件:窒素ガス流通下、150℃、45分
窒素吸着量測定:窒素ガス流通下、サンプルを−196℃に冷却してDETモードで値が0になった時点で終了。
窒素脱着量測定:窒素ガス流通下、サンプルを−196℃から室温まで温めてDETモードで値が0になった時点で終了。その後、Surface areaに切り替えて脱着値を読み取る。

BET比表面積は上記測定により求めた値を用いて以下の式より算出した。
BET比表面積=脱着値/(測定後のセルとサンプル重量の和―空セル重量)
<平均粒子径、平均粒子厚さ>
酸化亜鉛粒子の平均粒子径及び平均粒子厚さは以下の方法で測定した。
日立ハイテクノロジーズ製の走査電子顕微鏡S−4800を用い、それぞれ20〜30個の粒子が含まれる5視野中の全粒子の長径及び厚みを写真上で実測した。それらの長径の平均を平均粒子径、厚みの平均を平均粒子厚さとした。
<平均板状比>
前記方法で求めた平均粒子径及び平均粒子厚さを用い、以下の式により平均板状比を求めた。
平均板状比=平均粒子径/平均粒子厚さ
実施例1〜5
硫酸亜鉛7水和物の50%水溶液(米山化学株式会社製)20gに対し、表1に記載された天然ゼオライト2gを加え、20℃で撹拌、及び20℃で一晩静置した。静置後の溶液を親水性PTFE製メンブレンフィルター(ADVANTEC製、DISMIC25HP020AN)にてろ過し、精製硫酸亜鉛水溶液を得た。ICP−MSを用いてタリウム量の定量を行った。結果を表1に示す。また、実施例1において、亜鉛残存率は、98.3%であった。
比較例1
天然ゼオライトの変わりにシリカゲルを用いた以外は実施例1と同様に実験を行った。結果を表1に示す。
Figure 2020090419
表1から、本発明の亜鉛塩水溶液の製造方法において、天然ゼオライトによって、選択的にタリウム含有量が低減できることが分かる。
実施例6〜13
天然ゼオライトの代わりに表2に記載された合成ゼオライトを用いた以外は実施例1と同様に実験を行った。結果を表2に示す。
実施例14
天然ゼオライトの代わりに表2に記載された活性白土を用いた以外は実施例1と同様に実験を行った。結果を表2に示す。
Figure 2020090419
表2から、本発明の亜鉛塩水溶液の製造方法において、合成ゼオライトまたは活性白土によって、選択的にタリウム含有量が低減できることが分かる。
実施例15〜16
天然ゼオライトの代わりに表3に記載された陽イオン交換樹脂を用いた以外は実施例1と同様に実験を行った。結果を表3に示す。
Figure 2020090419
表3から、本発明の亜鉛塩水溶液の製造方法において、陽イオン交換樹脂によって、選択的にタリウム含有量が低減できることが分かる。
実施例17
天然ゼオライトの代わりに表4に記載された活性炭を用いた以外は実施例1と同様に実験を行った。結果を表4に示す。
Figure 2020090419
表4から、本発明の亜鉛塩水溶液の製造方法において、活性炭によって、選択的にタリウム含有量が低減できることが分かる。
実施例18
天然ゼオライトの添加量を1gとした以外は実施例1と同様に実験を行った。結果を表5に示す。
実施例19
天然ゼオライトの添加量を0.2gとした以外は実施例1と同様に実験を行った。結果を表5に示す。
実施例20
合成ゼオライトの添加量を1gとした以外は実施例6と同様に実験を行った。結果を表5に示す。
実施例21
合成ゼオライトの添加量を4gとした以外は実施例11と同様に実験を行った。結果を表5に示す。
実施例22
合成ゼオライトの添加量を4gとした以外は実施例13と同様に実験を行った。結果を表5に示す。
Figure 2020090419
表5から、本発明の亜鉛塩水溶液の製造方法において、ゼオライトによって、選択的にタリウム含有量が低減できることが分かる。また、ゼオライトの使用量とタリウム含有量の低減量の関係が分かる。
実施例23
塩化亜鉛(和光純薬工業株式会社製)12gに対し、イオン交換水38g加え、そこへ天然ゼオライト(クチノプチロライト、ジークライト株式会社製、SGW焼成品)2gを加えた以外は実施例1と同様に実験を行った。結果を表6に示す。
実施例24
酢酸亜鉛二水和物(富士フィルム和光純薬株式会社製)19gに対し、イオン交換水50g加え、そこへ天然ゼオライト(クチノプチロライト、ジークライト株式会社製、SGW焼成品)2gを加えた以外は実施例1と同様に実験を行った。結果を表6に示す。
実施例25
硝酸亜鉛六水和物(富士フィルム和光純薬株式会社製)26gに対し、イオン交換水24g加え、そこへ天然ゼオライト(クチノプチロライト、ジークライト株式会社製、SGW焼成品)2gを加えた以外は実施例1と同様に実験を行った。結果を表6に示す。
Figure 2020090419
表6から、本発明の亜鉛塩水溶液の製造方法は、亜鉛塩の種類によらず、選択的にタリウム含有量が低減できることが分かる。
実施例26
酸化亜鉛の合成
実施例1で得られた精製硫酸亜鉛水溶液93.74g、無水硫酸ナトリウム(富士フィルム和光純薬株式会社製)5.33g、及び0.05mol/L硫酸水溶液(富士フィルム和光純薬株式会社製)1.1gをイオン交換水268.13gに加えて10分間撹拌して溶解させた。ディスパーにより6000rpmでこの溶液を撹拌している所へ2mol/L水酸化ナトリウム水溶液(富士フィルム和光純薬株式会社製)200.4gを30〜50秒かけて滴下した。滴下終了から10分間6000rpmで撹拌を続けた。
得られた乳白色の分散液を1Lのセパラブルフラスコに移し、撹拌羽を用いて400rpmで撹拌しながら98℃で90分間加熱熟成した。その後、徐冷し、ろ過を行った。ろ物を水洗し、乾燥の後、230℃で10時間焼成した。得られた焼成粉を解砕して酸化亜鉛粉末を得た。結果を表7に示す。
比較例2
精製硫酸亜鉛水溶液の変わりに未精製硫酸亜鉛水溶液(米山化学株式会社製)を用いた以外は実施例26と同様に実験を行った。結果を表7に示す。
Figure 2020090419
表7から、本発明の製造方法により得られた精製亜鉛塩水溶液を用いることにより、タリウム含有量が極めて少ない酸化亜鉛が得られることが分かる。
本発明の酸化亜鉛は、化粧料等に配合される添加剤として有用である。

Claims (6)

  1. 不純物元素としてタリウムを含有する亜鉛塩水溶液と、ゼオライト、活性白土、活性炭、及び陽イオン交換樹脂からなる群より選択される少なくとも1種の吸着剤とを接触させる接触工程を含む、タリウム含有量が低減された亜鉛塩水溶液の製造方法。
  2. 前記亜鉛塩が、硫酸亜鉛、塩化亜鉛、硝酸亜鉛、及び酢酸亜鉛からなる群より選択される1種以上である、請求項1に記載の亜鉛塩水溶液の製造方法。
  3. 前記接触工程後、前記吸着剤を分離する工程を含む、請求項1又は2に記載の亜鉛塩水溶液の製造方法。
  4. 少なくとも請求項1〜3のいずれかに記載の方法で製造された亜鉛塩水溶液と、アルカリ化合物とを混合する工程を含む、酸化亜鉛の製造方法。
  5. 請求項4に記載の方法で製造された酸化亜鉛。
  6. タリウム含有量が0.0001質量%未満、平均粒子径が0.1〜1μm、平均粒子厚さが0.01〜0.2μm、及び平均板状比が3以上である酸化亜鉛。
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