JP2020089394A - ペット用サークル - Google Patents

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Abstract

【課題】トイレ用受け皿の出し入れの際に、トレーと、ペット用サークルの設置面とが接触しないようなペット用サークルを提供する。【解決手段】ペットが出入り可能な開口部を有し、前記ペットを収容する空間を形成する周壁と、開口部が開放状態及び閉鎖状態のいずれかの状態となるように周壁に取り付けられる扉部材と、対向して配置され周壁の下端部の一部を挟んで周壁を支持する一対の支持部材7a,7bと、底部と、底部の縁部から立ち上がる立上部と、立上部の上辺から外側に向かって設けられた庇部とを有し、庇部を支持部材7a,7bに支持されて空間内に出し入れ自在に収容されるトレーとを備え、一対の支持部材7a,7bのそれぞれは、空間に向かって突出する突出部70に、トレーが取り出される側の端部に形成され周壁に向かって隆起する隆起部71を有する。【選択図】図13

Description

本発明は、ペットの居住用の空間として用いられるペット用サークルに関する。
例えば、特許文献1には、サークルトイレ空間に載置されるトイレ用受け皿を、下側開口部を通じて出し入れすることができるペット用サークルが記載されている。
特開2010−252738号公報
特許文献1に記載された従来のペット用サークルは、トイレ用受け皿が出し入れ可能な構成は有するものの、何らかの理由でトイレ用受け皿を下側開口部から出せない場合には扉を開けた時の開口部が小さいためサークルトイレ空間の清掃を容易にするには不十分であるという問題がある。また、扉を開けた時の開口部が小さい事によって清掃を容易にすることが不十分であるのは生活空間についても同様である。
一方で、トイレ用受け皿の出し入れの際に、受け皿と、ペット用サークルの設置面とが接触することがある。
そこで、本発明の目的は、トイレ用受け皿の出し入れの際に、トレーと、ペット用サークルの設置面とが接触しないようなペット用サークルを提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明の一態様に係るペット用サークルは、ペットが出入り可能な開口部を有し、前記ペットを収容する空間を形成する周壁と、前記開口部が開放状態及び閉鎖状態のいずれかの状態となるように前記周壁に取り付けられる扉部材と、対向して配置され前記周壁の下端部の一部を挟んで前記周壁を支持する一対の支持部材と、底部と、前記底部の縁部から立ち上がる立上部と、前記立上部の上辺から外側に向かって設けられた庇部とを有し、前記庇部を前記支持部材に支持されて前記空間内に出し入れ自在に収容されるトレーとを備え、前記一対の支持部材のそれぞれは、前記空間に向かって突出する突出部に、前記トレーが取り出される側の端部に形成され前記周壁に向かって隆起する隆起部を有する。
また、本発明の一態様に係るペット用サークルは、ペットが出入り可能な開口部を有し、前記ペットを収容する空間を形成する周壁と、前記開口部が開放状態及び閉鎖状態のいずれかの状態となるように前記周壁に取り付けられる扉部材と、対向して配置され前記周壁の下端部の一部を挟んで前記周壁を支持する一対の支持部材と、底部と、前記底部の縁部から立ち上がる立上部と、前記立上部の上辺から外側に向かって設けられた庇部とを有し、前記庇部を前記支持部材に支持されて前記空間内に出し入れ自在に収容されるトレーとを備え、前記一対の支持部材のそれぞれは、前記トレーを出し入れする際に乗り上げる隆起部を有する。
本発明の一態様によれば、出し入れの際に、トレーと、ペット用サークルの設置面とが接触しないようにできる。
本発明に係るペット用サークル50の構成例を示す外観斜視図である。 サークル本体3の構成例を示す斜視図である。 第1のジョイント部品40の構成例を示す図である。 第1のジョイント部品40の構成例を示す図である。 第1の部品41の構成例を示す図である。 第2の部品42の構成例を示す図である。 第2の部品42の回転動作を模式的に示す図である。 扉部材80の構成例を示す図である。 ロック部材87の構成例を示す図である。 前面パネル31に取り付けられた閉姿勢の扉部材80を示す図である。 前面パネル31に取り付けられた開姿勢の扉部材80を示す図である。 支持部材7の構成例を示す斜視図である。 支持部材7aの構成例を示す図である。 周壁130を支持する支持部材7aを拡大して示す図である。 支持部材7aの底面の構成例を示す図である。 バックル5の構成例を示す図である。 サークル本体3がトレー1に固定された状態を示す図である。 トレー1の構成例を示す図である。 トレー1が支持部材7に支持された状態を示す図である。 トレー1がペット収容空間300から引き出されている状態を示す図である。 仕切り部9の構成例を示す斜視図である。 上側仕切ジョイント部品91の構成例を示す図である。 下側仕切ジョイント部品93の構成例を示す図である。 仕切り部9がサークル本体3に取り付けられた状態を示す図である。 本発明に係るペット用サークル50の使用態様の一例を示す図である。
以下、本発明の実施形態を、図面を用いて説明する。なお、以下に説明する各図において、同一の構成を有する部分には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
〔構成〕
(1)ペット用サークル
図1に示すペット用サークル50は、ペット(例えば犬等)の居住用の空間を形成するためのものである。本実施形態のペット用サークル50は、ペットが出入り可能な開口部315を有し、ペットを収容する空間(以降、「ペット収容空間300」と称する)を形成する周壁130と、開口部315が開放状態及び閉鎖状態のいずれかの状態となるように周壁130に取り付けられる扉部材80(80a,80b)と、を備える。詳しくは後述するが、扉部材80は、折戸構造を有している。また、ペット用サークル50は、周壁130を有するサークル本体3と、サークル本体3の下側に対向して配置されて周壁130の下端部の一部を挟んで周壁130を支持する一対の支持部材7(7a,7b)とを有する。さらに、ペット用サークル50は、サークル本体3の下側で支持部材7に支持されてペット収容空間300内に出し入れ自在に収容されるトレー1と、サークル本体3と支持部材7とを固定する複数個のバックル5と、ペット収容空間300を仕切る仕切り部9とを備える。詳しくは後述するが、ペット収容空間300は、仕切り部9によって、ペット用の食器やベッドを配置する居住空間とペット用トイレを配置するトイレ用空間とに分割される。これにより、ペット用サークル50はペットに居住空間とトイレ用空間とを覚えさせるしつけ用サークルとして使用される。図1では、扉部材80がやや開いた状態であって、開口部315が半分程度開放された状態のペット用サークル50が示されている。
(1.1)サークル本体
まず、サークル本体3の構成例について、図2を用いてより具体的に説明する。
図2に示すように、サークル本体3は、前面パネル31と、後面パネル33と、左側面パネル35と、右側面パネル37と、複数個の第1のジョイント部品40と、複数個のコーナージョイント部品45とを有する。
これらのうち、前面パネル31と、後面パネル33と、左側面パネル35と、右側面パネル37とは、それぞれ、複数本の線材を格子状(即ち、縦横に交差する形状)に組み合わせた線材パネルである。即ち、前面パネル31は複数本の線材311を格子状に組み合わせた線材パネルである。後面パネル33は複数本の線材331を格子状に組み合わせた線材パネルである。左側面パネル35は複数本の線材351を格子状に組み合わせた線材パネルである。右側面パネル37は複数本の線材371を格子状に組み合わせた線材パネルである。なお、図2では、各線材311、331、351、371は、それぞれ複数本設けられているが、その一部にのみ符号を付している。各線材311、331、351、371は例えば金属製であり、その1本1本の形状は円筒棒状である。
前面パネル31の上端近傍には、前面パネル31の幅方向に沿って延在する上レール312が設けられている。また、前面パネル31の下端近傍には、前面パネル31の幅方向に沿って延在する下レール313が設けられている。上レール312と下レール313とに挟まれた領域内には、ペット収容空間300へのペットの出入りを可能にする矩形状の開口部315が形成されている。上レール312及び下レール313は、コの字状に形成された線材であってペット収容空間300の外側に向かって突出するように設けられている。また、コの字状の上レール312及び下レール313には、中央部にペット収容空間300側に向かって突出する凸部が設けられている。詳しくは後述するが、上レール312は、扉部材80を開閉する際に、後述する上側摺動キャップ881を備えた軸部880aを前面パネル31の中央領域又は左右端部領域にガイドするレールとして用いられる。また、下レール313は、扉部材80を開閉する際に、後述する下側摺動キャップ882を備えた軸部880bを前面パネル31の中央領域又は左右端部領域にガイドするレールとして用いられる。また、前面パネル31の左端辺及び右端辺には、高さ方向にそれぞれ2つの扉ジョイント部47が取り付けられている。詳しくは後述するが、扉ジョイント部47は、扉部材80を回動可能に支持するための軸受として機能する。
前面パネル31、後面パネル33、左側面パネル35及び右側面パネル37は、複数個の第1のジョイント部品40と、複数個のコーナージョイント部品45とによって互いに着脱可能に連結されている。例えば、各パネルを正面から見て、前面パネル31の左端の線材311と左側面パネル35の右端の線材351、左側面パネル35の左端の線材351と後面パネル33の右端の線材331、後面パネル33の左端の線材331と右側面パネル37の右端の線材371、右側面パネル37の左端の線材371と前面パネル31の右端の線材311、がそれぞれ第1のジョイント部品40で連結されている。
また、各パネルを正面から見て、前面パネル31の左端上の線材311と左側面パネル35の右端上の線材351、左側面パネル35の左端上の線材351と後面パネル33の右端上の線材331、後面パネル33の左端上の線材331と右側面パネル37の右端上の線材371、右側面パネル37の左端上の線材371と前面パネル31の右端上の線材311、がそれぞれコーナージョイント部品45で連結されている。
図2に示すように、前面パネル31と、後面パネル33と、左側面パネル35と、右側面パネル37とが複数個の第1のジョイント部品40及び複数個のコーナージョイント部品45によって連結されている。これにより、前面パネル31、後面パネル33、左側面パネル35及び右側面パネル37の4枚のパネルによって構成された枠状の周壁130が形成される。周壁130は、ペット収容空間300を形成する。また、周壁130は、使用者がペットを抱くなどしてペット収容空間300に出し入れしたり、ペットが自主的にペット収容空間300に出入りしたりできる開口部315を有している。周壁130の上側は天井がなく開放されているので、この開放部分から使用者がペットを抱くなどしてペット収容空間300に出し入れすることも可能である。ただし、周壁130は、サークル本体3が収容対象としているペットが上側の開放部分から自主的に出入りできない高さに構成されている。
(1.1.1)第1のジョイント部品
次に、第1のジョイント部品40の構成例について、図3及び図4を用いてより具体的に説明する。
第1のジョイント部品40は、第1の線材と第2の線材とを着脱可能に連結する連結具である。図3に示すように、第1のジョイント部品40は、例えば、前面パネル31の右端の線材311(第1の線材の一例)と、右側面パネル37の左端の線材371(第2の線材の一例)とを着脱可能に連結することよって、前面パネル31と右側面パネル37とを連結する。図4に示すように、第1のジョイント部品40は、第1の部品41と第2の部品42とを備える。
図5(a)は第1の部品41の正面側を示す斜視図、図5(b)は第1の部品41の背面側を示す斜視図、図5(c)は平面図、図5(d)は正面図、図5(e)は右側面図、図5(f)は背面図である。
図5に示すように、第1の部品41は、正面41a側に形成された第1の溝部413と、正面41a側に形成された第2の溝部414と、正面41a側に形成された係合部415と、正面41a側の外周部に形成された凸部416とを有する。第1の部品41の背面41b側は、平らで滑らかな面となっている。第1の部品41は例えば熱硬化性樹脂で形成されており、第1の溝部413、第2の溝部414、係合部415及び凸部416が一体に形成されている。
第1の溝部413は一方向(例えば、縦方向)に沿って延設された溝部である。また、第2の溝部414も一方向に沿って延設された溝部である。第1の溝部413と第2の溝部414は互いに平行で、且つ隣り合って形成されている。第1の溝部413の正面41aから底面までの距離(即ち、深さ)d1と、第1の溝部413の正面41aにおける幅w1は、連結の対象となる第1の線材の直径の設計値よりも若干大きい値である。
また、第2の溝部414の正面41aから底面までの距離(即ち、深さ)d2と、第2の溝部414の正面41aにおける幅w2も、連結の対象となる第2の線材の直径の設計値よりも若干大きい値である。第1の線材の直径の設計値と第2の線材の直径の設計値とが同じ場合は、例えば、d1=d2、W1=W2である。
係合部415は、平面視で、正面41aのうち第1の溝部413と第2の溝部414との間に形成されている。係合部415は、第1の溝部413及び第2の溝部414と平面視で重ならないように(即ち、被らないように)形成されている。また、係合部415は、正面41a側に形成された支持部415Aと、支持部415Aに支持された係合片415Bと、を有する。正面41aに支持部415Aの一端が固定され、支持部415Aの他端に係合片415Bが固定されている。
支持部415Aの形状は例えば円柱状であり、その直径は、第1の溝部413と第2の溝部414との間の離間距離と同じ値、又は、この離間距離よりも小さい値となっている。また、係合片415Bの形状は一方向(例えば、縦方向)に長手方向を有する板状である。係合片415Bの長手方向と直交する短手方向(例えば、横方向)の長さは、支持部415Aの直径と同じ値となっている。また、凸部416は、正面41a側の外周部(例えば、両側部)に形成されている。
図6(a)は第2の部品42の正面42a側を示す斜視図、図6(b)は第2の部品42の背面42b側を示す斜視図、図6(c)は平面図、図6(d)は正面図、図6(e)は右側面図、図6(f)は背面図である。
第2の部品42は、正面42aと背面42bとの間に形成された貫通穴423と、この貫通穴423の正面42a側の縁部424の周りに形成された周壁部425と、この縁部424に形成された規制部426と、背面42b側の外周部(例えば、両側部)に形成された凹部427と、を有する。
第2の部品42が有する貫通穴423の平面視による形状と大きさは、第1の部品41が有する係合部415の平面視による形状と大きさに対応している。例えば、貫通穴423の平面視による形状は係合片415Bの平面視による形状とほぼ同じである。また、貫通穴の平面視による大きさは、係合片415Bの平面視による大きさよりも若干大きい。平面視で、貫通穴423の長手方向の長さをL1とし、係合片415Bの長手方向の長さをL2(図5参照)としたとき、L1>L2となっている。これにより、第1の部品41と第2の部品42は、正面41aと背面42bとを対向させた状態で、係合部415を貫通穴423に挿入することが可能となっている。
また、周壁部425のうち、貫通穴423の長手方向と平面視で交差する方向で対向する壁同士の離間距離をL3としたとき、L3≧L2となっている。さらに、L1>L3となっている。
また、貫通穴423の正面42a側の開口端と背面42b側の開口端との距離(即ち、深さ)をd3とし、支持部415Aの一端から他端までの長さ(即ち、高さ)をhとしたとき、d3<hとなっている。これにより、係合部415を貫通穴423に挿入し、第1の部品41の正面41aと第2の部品42の背面42bとを接触させると、係合片415Bは貫通穴423の正面42a側の開口端から外側へ出た状態となる。
第1のジョイント部品40では、第1の部品41の正面41aと第2の部品42の背面42bとが対向し、且つ係合部415が貫通穴423に挿入された状態で、第2の部品42は第1の部品41に対して相対的に回転動作することが可能となる。そして、この回転動作により、係合部415は貫通穴423に係合しない状態から係合する状態に可逆的に移行する。例えば、貫通穴423に係合部415が挿入されると、係合片415Bが貫通穴423の正面42a側の開口端から外側へ出るため、第2の部品42は回転動作が可能となる。そして、この回転動作により、係合片415Bは貫通穴423の正面42a側の縁部424に係合しない状態から係合する状態に可逆的に移行する。次に、この回転動作について、より具体的に説明する。
図7(a)〜(e)は、第2の部品42の回転動作を模式的に示す図である。詳しくは、図7(a)は第2の部品42が回転動作の可動範囲の一端に位置し、係合片415Bは縁部424に係合していない状態(以下、アンロック状態ともいう)を示す。図7(b)〜(d)は、第2の部品42が回転動作の可動範囲の途中まで回転し、係合片415Bは縁部424に不安定ながらも係合している状態を示す。図7(e)は、第2の部品42が回転動作の可動範囲の他端まで回転し、係合片415Bは縁部424に安定に係合している状態(以下、ロック状態ともいう)を示している。
なお、図7では、第1の部品41と第2の部品42との見分けを容易にするため、第1の部品41をグレーに着色して示しているが、実際の製品では第1の部品41と第2の部品42は互いに同一色でも異なる色でもよい。第1の部品41及び第2の部品42の色に制限はない。
図7(a)では、ペット用サークル50の使用者は、例えば第1の部品41を左手(又は、右手)の指でつまみ、第1の部品41の第1の溝部413に第1の線材を沿わせて嵌めると共に、第2の溝部414に第2の線材を沿わせて嵌める。例えば図3に示したように、第1の線材として前面パネル31の右端の線材311を第1の溝部413に沿わせて嵌めると共に、第2の線材として右側面パネル37の左端の線材371を第2の溝部414に沿わせて嵌める。
次に、使用者は、例えば第2の部品42を右手(又は、左手)の指でつまみ、第2の部品42の背面側を第1の部品41の正面側に対向させる。そして、第2の部品42の貫通穴423に第1の部品41の係合部を挿入させ、第2の部品42の背面側を第1の部品41の正面側に接触させる。これにより、係合部の係合片415Bが貫通穴423の外側へ出る。
次に、図7(b)〜(d)に示すように、使用者は、例えば第1の部品41を左手(又は、右手)の指で動かないように固定したまま、第2の部品42を右手(又は、左手)の指で時計回りに回転させる。この回転動作により、係合片415Bは貫通穴423の縁部424の上に移動し、係合片415Bが貫通穴423に不完全ながらも係合した状態となる。そして、第2の部品42をアンロック状態から時計回りに可動範囲の端部まで回転させると、図7(e)に示すようにロック状態となる。
なお、図7(a)に示すアンロック状態では、係合片415Bの左下側と右上側とに規制部426がそれぞれ隣接している。このアンロック状態で、第2の部品42を反時計回りに回転させようとすると、係合片415Bが規制部426に接触するため、第2の部品42をそれ以上反時計回りに回転させることができない。また、図7(e)に示すロック状態では、係合片415Bの左上側と右下側とに規制部426がそれぞれ隣接している。このロック状態で、第2の部品42を時計回りに回転させようとすると、係合片415Bが規制部426に接触するため、第2の部品42をそれ以上時計回りに回転させることができない。このように、第2の部品42の回転動作の可動範囲は、規制部426によって90°の角度範囲に規制されている。
また、第2の部品42の背面42b側の外周部以外の部位であって、上記の回転動作により第1の部品41の凸部416(図5参照)と対向することになる部位は、この凸部416と接触しないように凹状に形成されている。このため、例えば図7(a)〜(c)では、凸部416は第2の部品42に接触しない。
一方、図7(d)では、第2の部品42の背面42b側の外周部は、凸部416に接触し、この凸部416に乗り上げる形となるため、回転動作に対する抵抗力が増える。さらに時計まわりの回転を継続すると、第1の部品41の凸部416は第2の部品42の凹部427に嵌り、図7(e)のロック状態になる。第1のジョイント部品40がロック状態になることで、第1の線材と第2の線材とが連結される。
なお、第2の部品42を図7(e)のロック状態から、図7(d)、(c)、(b)の順に反時計まわりに回転させると、図7(a)のアンロック状態となる。アンロック状態で、第1の部品41から第2の部品42を離す。そして、第1の部品41の第1の溝部413から第1の線材を外し、第2の溝部414から第2の線材を外す。これにより、第1の線材と第2の線材との連結が解除される。
(1.2)扉部材
次に、一対の扉部材80の構成例について、図8、図9、図10及び図11を用いてより具体的に説明する。
図8では、閉じた姿勢(閉姿勢)の扉部材80が図示されている。扉部材80は、折戸構造を有する一対の扉パネル(左扉パネル80aと右扉パネル80b)を備える。左扉パネル80aは、前面パネル31(図2参照)の左側に配置され、右扉パネル80bは、前面パネル31の右側に配置される。扉部材80は、少なくとも閉姿勢において線対称構造を有している。即ち、扉部材80が閉姿勢のとき、左扉パネル80aと右扉パネル80bとは仮想直線A−A’を対称軸として互いに線対称の関係にある。そこで、扉部材80について左扉パネル80aを例にとって詳細に説明する。なお、右扉パネル80bについては、左扉パネル80aと同一の作用・機能を奏する構成要素に同一の符号を付して詳細な説明は省略する。また、以下の図8から図11を用いた説明では、扉部材80が閉姿勢のときにペット収容空間300に面する側とは反対側を扉部材80の各構成の表側と規定する。
左扉パネル80aは、第1の回動パネル81と、第1の回動パネル81に隣接する第2の回動パネル83と、複数個(本例では、2個)の回動パネル連結部材85とを備える。左扉パネル80aは、第1の回動パネル81と第2の回動パネル83とを高さ方向の複数箇所において回動可能に連結した折戸構造を有している。第1の回動パネル81は、左扉パネル80aの吊元側として用いられ、第2の回動パネル83は、左扉パネル80aの戸先側として用いられる。第1の回動パネル81及び第2の回動パネル83のそれぞれは、サークル本体3の周壁130(本例では不図示)を形成する各パネルと同様の線材パネルであって、例えば金属製である。また、各線材の1本1本の形状は、円筒棒状である。
図8に示すように、第1の回動パネル81は、一端辺側が開放された略コの字形状の線材181を有している。線材181は、線材181の上辺を構成する上辺部181aと、上辺部181aに対向して配置され線材181の下辺を構成する下辺部181bと、第2の回動パネル83側に配置される上辺部181aの一端及び下辺部181bの一端を連結する連結部181cとを有している。また、線材181は、上辺部181aの他端を下向きに屈曲させた上側連結軸811と、下辺部181bの他端を下向きに屈曲させた下側連結軸812とを有している。上側連結軸811及び下側連結軸812は、一直線上に配置されている。また、上側連結軸811及び下側連結軸812は、連結部181cと平行に配置されている。吊元側として用いられる第1の回動パネル81は、上側連結軸811及び下側連結軸812によって、前面パネル31に回動可能に支持される。
第1の回動パネル81は、複数本(本例では、5本)の直線状の線材182を有している。複数本の線材182は、互いに平行に配置されている。複数本の線材182は、連結部181cと上側連結軸811及び下側連結軸812との間に配置されている。複数本の線材182は、上辺部181a及び下辺部181bの間に張り渡して配置されている。また、複数本の線材182は、連結部181c、上側連結軸811及び下側連結軸812と平行に配置されている。
第1の回動パネル81は、横向きU字状の線材183を有している。線材183は、第1の回動パネル81のほぼ中央であって上辺部181a及び下辺部181bの間に配置されている。線材183は、長手方向が上辺部181a及び下辺部181bの延伸方向と平行になるように配置されている。線材183は、連結部181c及び線材182に固定されている。線材183は、複数本の線材182を横断するように跨って配置されている。これにより、線材183は、気温等の環境的要因やペットがペット用サークル50のペット収容空間300から出ようとして線材182に加える力等によって直線状の線材182が湾曲するのを防止している。
回動パネル連結部材85は、第1の回動パネル81に複数個設けられている。本実施形態では、回動パネル連結部材85は、線材181の上辺部181aの一端近傍及び下辺部181bの一端近傍に合計2個設けられている。以下、上辺部181aの一端近傍に設けられた回動パネル連結部材を「回動パネル連結部材85a」と称し、下辺部181bの一端近傍に設けられた回動パネル連結部材を「回動パネル連結部材85b」と称し、回動パネル連結部材85a及び回動パネル連結部材85bを総称して「回動パネル連結部材85」と称する。
回動パネル連結部材85は、第1の回動パネル81及び第2の回動パネル83を形成する線材と同じ線材で形成されており、上面視でJ字形状を有している。回動パネル連結部材85の屈曲部分は、連結部181cから第2の回動パネル83に向かって飛び出して設けられている。回動パネル連結部材85の直線部分は、連結部181c並びに連結部181cの側から1本目及び2本目の線材182に固定されている。回動パネル連結部材85aの直線部分は、上辺部181a及び下辺部181bに平行に配置されている。回動パネル連結部材85bの直線部分は、上辺部181a及び下辺部181bに平行に配置されている。回動パネル連結部材85a及び回動パネル連結部材85bは上面視で、重なって設けられている。また、回動パネル連結部材85a及び回動パネル連結部材85bは上面視で、一直線上に設けられている。
図8に示すように、第2の回動パネル83は、逆コの字形状の線材184を有している。線材184は、線材184の上辺を構成する上辺部184aと、上辺部184aに対向して配置され線材184の下辺を構成する下辺部184bと、第1の回動パネル81側に配置される上辺部184aの一端及び下辺部184bの一端を連結する連結部184cとを有している。また、図8では図示しないが、下辺部184bのペット収容空間300側には、後述するロック部材87のロック軸部材872が挿通されるロック軸挿通部184dが設けられている。ロック軸挿通部184dは、ペット収容空間300側に向かって突出するコの字状の枠形状を有している。
第2の回動パネル83は、線材184の上辺部184aの他端と下辺部184b他端とに亘って配置されて第2の回動パネルの戸先側端部を形成する線材188を有している。線材188は、上辺部184aよりも上側に飛び出す軸部880aと、下辺部184bよりも下側に飛び出す軸部880bとを有している。軸部880aには、円筒状の上側摺動キャップ881が取り付けられている。また、軸部880bには、つば状部分を有する円筒状の下側摺動キャップ882が取り付けられている。上側摺動キャップ881及び下側摺動キャップ882は、例えば熱可塑性樹脂を素材として形成されている。
第2の回動パネル83は、複数本(本例では、3本)の直線状の線材185を有している。複数本の線材185は、互いに平行に配置されている。また、複数本の線材185は、連結部184c及び線材188の間に配置されている。複数本の線材185は、上辺部184a及び下辺部184bの間に張り渡して配置されている。また、複数本の線材185は、連結部184c及び線材188と平行に配置されている。
第2の回動パネル83は、第2の回動パネル83のほぼ中央であって、線材184の連結部184cと線材188との間に設けられた線材186を有している。線材186は、矩形枠状の形状を有している。線材186の長辺は、連結部184c及び線材188に平行に配置されている。線材186の短辺は、上辺部184a及び下辺部184bに平行に配置されている。線材186は、ロック部材87が摺動可能に取り付けられるロック部材取付部として用いられる。
ロック部材87は、第2の回動パネル83をサークル本体3の前面パネル31に対してロック状態にするために用いられる。ロック部材87は、ロック操作部材871とロック軸部材872とを有している。ロック操作部材871は、線材186の2本の長辺に対して、移動可能に取り付けられている。ロック軸部材872は、第2の回動パネル83がロック状態であるときは、線材186の枠内に配置されるとともにロック軸挿通部184dに挿通される。ロック部材87の各構成の詳細は後述する。
第2の回動パネル83は、第2の回動パネル83のほぼ中央であって、線材184の上辺部184aと下辺部184bとの間に設けられた線材187を有している。線材187は、横向きU字状の形状を有している。線材187は、長手方向が上辺部184a及び下辺部184bの延伸方向と平行になるように配置されている。線材187は、線材184、線材185及び線材188に固定されている。線材187は、複数本の線材185を横断するように跨って配置されている。これにより、線材187は、気温等の環境的要因やペットがサークルから出ようとして線材185に加える力によって直線状の線材185が湾曲するのを防止している。線材187は、線材186が設けられた領域と交差する部分であって中央付近に表側に突出する凸形状部分190を有している。凸形状部分190は、線材186を避けて設けられている。凸形状部分190は、扉部材80を開け閉めする際に取っ手としても用いることができる。
図8に示す閉姿勢の扉部材80において、第1の回動パネル81の線材183のU字形状の屈曲部分は、第2の回動パネル83側にまで張り出しており、第2の回動パネル83の線材187のU字形状の屈曲部分は、線材183の上方に第1の回動パネル81側にまで張り出している。このため、第1の回動パネル81と第2の回動パネル83との隣接部分は、2個の回動パネル連結部材85に加えて線材183と線材187によって表側から押さえられる。これにより、ペット収容空間300(図1、図2参照)の外側から第1の回動パネル81及び第2の回動パネル83に対して力が加わっても、線材183及び線材187は、線材181の連結部181c及び線材184の連結部184cがペット収容空間300側に向かって湾曲するのを防止することができる。
第2の回動パネル83は、複数個の連結部材留め具850を有している。本実施形態では、連結部材留め具850は、線材184の上辺部184aの一端近傍及び下辺部184bの一端近傍に合計2個設けられている。以下、上辺部184aの一端近傍に設けられた連結部材留め具を「連結部材留め具850a」と称し、下辺部184bの一端近傍に設けられた連結部材留め具を「連結部材留め具850b」と称し、連結部材留め具850a及び連結部材留め具850bを総称して「連結部材留め具850」と称する。
連結部材留め具850は、第1の回動パネル81及び第2の回動パネル83を形成する線材と同じ線材で形成されている。連結部材留め具850は、円筒棒状の形状を有している。連結部材留め具850の一端部は、第1の回動パネル81に隣接する線材184の連結部184cに固定され、連結部材留め具850の他端部は、連結部184cから1本目の線材185に固定されている。連結部材留め具850a及び連結部材留め具850bはそれぞれ平行に配置されている。また、連結部材留め具850aは、前面パネル31の上レール312(図2参照)に平行に配置されている。連結部材留め具850bは、前面パネル31の下レール313(図2参照)に平行に配置されている。連結部材留め具850a及び連結部材留め具850bは上面視で、重なって設けられている。また、連結部材留め具850a及び連結部材留め具850bは上面視で、一直線上に設けられている。
連結部材留め具850aの直下であって第2の回動パネル83の線材184の連結部184cには、回動パネル連結部材85aの屈曲部分が引っ掛けられている。連結部材留め具850bの直上であって連結部184cには、回動パネル連結部材85bの屈曲部分が引っ掛けられている。回動パネル連結部材85a及び回動パネル連結部材85bのそれぞれの屈曲部分の先端は、第2の回動パネル83の線材184の直径よりも内径が長くかつ直線形状部分との間隙が短くなるように、直線形状部分に向かって折り返されている。これにより、回動パネル連結部材85は、線材184から外れないようになっている。
第2の回動パネル83は、回動パネル連結部材85により、第1の回動パネル81に対して連結部184cを軸として回動可能に連結される。さらに、連結部材留め具850aが回動パネル連結部材85aの直上に配置され、連結部材留め具850bが回動パネル連結部材85bの直下に配置されている。これにより、第2の回動パネル83が第1の回動パネル81に対して下方向にずれようとすると、連結部材留め具850aが回動パネル連結部材85aに接触するので、第2の回動パネル83の下方向へのずれが規制される。また、第2の回動パネル83が第1の回動パネル81に対して上方向にずれようとすると、連結部材留め具850bが回動パネル連結部材85bに接触するので、第2の回動パネル83の上方向へのずれが規制される。これにより、第1の回動パネル81及び第2の回動パネル83が上下方へのずれを互いに規制して、扉部材80は、第1の回動パネル81に第2の回動パネル83を円滑に近づけて折り畳むことができる。
ここで、第2の回動パネル83に設けられるロック部材87の各構成について、図9を用いて説明する。図9(a)はロック部材87の平面図、図9(b)は図8に示す扉部材80の表側から見たロック部材87の正面図、図9(c)はロック部材87の底面図、図9(d)はロック部材87の背面図、図9(e)は、ロック部材87の左側面図である。
図9に示すように、ロック部材87は、ロック操作部材871と、ロック操作部材871に固定されたロック軸部材872とを有している。ロック操作部材871は、表側に配置されるロック操作パーツ871aと、ペット収容空間300側に配置されるロック操作パーツ871bとを有している。ロック操作パーツ871bは、ロック操作パーツ871aに嵌合された上で、図9(d)に示すように2本のねじ880によってロック操作パーツ871aに固定されている。
また、図9(a)及び図9(c)に示すように、ロック操作部材871の上面及び底面におけるロック操作パーツ871a及びロック操作パーツ871bの境界部には、ロック軸部材872を挿通させる軸部材挿通孔871cと第2の回動パネル83の線材186(図8参照)を挿通させるパネル線材挿通孔871dとがそれぞれ2つずつ設けられている。軸部材挿通孔871cは、ロック操作パーツ871a及びロック操作パーツ871bの双方が半円形状に切り欠かれて全体として円形状を有している。パネル線材挿通孔871dは、ロック操作パーツ871bのみが切り欠かれ、全体として半円形状を有している。パネル線材挿通孔871dの内径は、線材186の外径よりも大きいため、ロック操作部材871は、線材186に対して移動可能に取り付けられている。
図9(e)に示すように、ロック操作パーツ871aの中央には、段差890が設けられている。段差890は、ロック部材87を操作する際に使用者が指を引っ掛ける引掛け部として機能する。これにより、ロック部材87は、使用者の操作性の向上が図られている。
ロック軸部材872は、扉部材80を形成する線材と同様の円筒棒状の線材で形成されている。ロック軸部材872は、両短辺が半円形状を有し、一短辺が他短辺側に折り返され、かつ他短辺が階段状に屈曲した形状を有している。図9(e)に示すように、ロック軸部材872の一短辺側はフック形状を有している。ロック軸部材872は、ロック操作部材871の軸部材挿通孔871cに挿通されている。ロック軸部材872は、ロック操作パーツ871a及びロック操作パーツ871bに挟み込まれて、ロック操作部材871に固定されている。このため、ロック操作部材871とロック軸部材872とは、連動して移動可能になっている。
次に、扉部材80の開閉動作について図10及び図11を用いて説明する。
図10は、前面パネル31の開口部315を閉鎖状態とする閉姿勢の扉部材80の正面図である。図10に示す左扉パネル80aにおける第2の回動パネル83は、前面パネル31に対して非ロック状態となっており、右扉パネル80bにおける第2の回動パネル83は、前面パネル31に対してロック状態となっている。また、図11は、前面パネル31の開口部315を開放状態とする開姿勢の扉部材80の斜視図である。
図10及び図11に示すように、一対の扉部材80は、前面パネル31に対して開閉可能に取り付けられており、ペットが出入り可能な開口部315を開放状態または閉鎖状態にする扉として機能する。即ち、左扉パネル80aまたは右扉パネル80bを開姿勢にすると、サークル本体3の前面に設けられる前面パネル31に設けられた開口部315が現れ、左扉パネル80a及び右扉パネル80bの両方を閉姿勢にすると、開口部315が塞がれるようになっている。
図10及び図11に示すように、第1の回動パネル81の線材181に形成された上側連結軸811と下側連結軸812は、それぞれ前面パネル31に取り付けられた扉ジョイント部47に挿入される。また、軸部880aは、前面パネル31の線材311と上レール312との間に配置される。軸部880aは、上レール312のペット収容空間300側に接触するように配置される。より詳細には、軸部880aに取り付けられた上側摺動キャップ881が上レール312と接触する。また、軸部880bは、前面パネル31の線材311と下レール313との間に配置される。軸部880bは、下レール313のペット収容空間300側に接触するように配置される。より詳細には、軸部880bに取り付けられた下側摺動キャップ882が下レール313と接触する。これにより、第1の回動パネル81が前面パネル31に対して回動可能に支持されるとともに、左扉パネル80a及び右扉パネル80bが前面パネル31に対して開閉可能に取り付けられる。
第2の回動パネル83における軸部880aが前面パネル31に設けられた上レール312によってガイドされ、かつ軸部880bが前面パネル31に設けられた下レール313によってガイドされて左右に移動することにより、折り畳み自在に連結された第1の回動パネルと81第2の回動パネル83との成す角度(以降、「パネル回動角度」と称する場合がある)が変更される。扉部材80が閉姿勢になると、パネル回動角度は約180度となり(図10参照)、扉部材80が開姿勢になると、パネル回動角度が約10度となる(図11参照)。扉部材80が開姿勢のとき、第1の回動パネル81及び第2の回動パネル83は、回動パネル連結部材85を頂点として前面パネル31から突出した状態になる。
ここで、図10中に示す右扉パネル80bを参照して第2の回動パネル83のロック状態を説明し、左扉パネル80aを参照して第2の回動パネル83の非ロック状態について説明する。第2の回動パネル83は、ロック部材87と前面パネル31との位置関係によって、ロック状態又は非ロック状態となる。
ロック状態とは、ロック軸部材872のフック形状の一短辺が、折り返し部分において開口部315の上端を形成する線材311に引っ掛けられて配置された状態をいう。つまり、図10中の右扉パネル80bの第2の回動パネル83において示すように、第2の回動パネル83がロック状態にあるときには、ロック軸部材872の一短辺は、ペット収容空間300の外側から内側に向かって前面パネル31に引っ掛かっている。また、ロック軸部材872の階段状に屈曲した他短辺は、ロック軸挿通部184d(図11参照)に挿通されるとともに下レール313側に配置されて、開口部315の下端を形成する線材311よりもペット収容空間300側に入り込み、かつ当該線材311よりも下方に配置されている。このように、ロック状態における第2の回動パネル83は、ロック軸部材872の一短辺と他短辺とによって前面パネル31に回動を係止されて、開口部315を閉鎖状態に維持する。このため、ペット収容空間300内に収容されているペットが外に出ようとしてロック状態中の第2の回動パネル83を押し開けようとしても、ロック軸部材872が前面パネル31に係止されるので、第2の回動パネル83が回動してしまうのが防止される。
一方、非ロック状態とは、ロック軸部材872の一短辺が前面パネル31に引っ掛かっていない状態をいう。つまり、図10中の左扉パネル80aの第2の回動パネル83において示すように、第2の回動パネル83が非ロック状態であるときには、ロック軸部材872の一短辺の折り返し部分が線材331よりも上側に移動される。また、線材311よりもペット収容空間300側に入り込んでいたロック軸部材872の他短辺も、線材311よりも上側に移動される。このように、非ロック状態の第2の回動パネル83において、ロック軸部材872の上レール312側の一短辺及び下レール313側の他短端が線材311から離脱した状態となる。これにより、第2の回動パネル83は第1の回動パネル81に対して回動が可能となる。
例えばペット用サークル50の使用者が、ロック状態となっている第2の回動パネル83を非ロック状態にするには、指でつまんだロック操作部材871を線材186に沿って上向きに移動させる。すると、ロック軸部材872は、ロック操作部材871と連動して上向きに移動される。これにより、図10中に示す左扉パネル80aに設けられた第2の回動パネル83のように、第2の回動パネル83は非ロック状態となる。ロック操作部材871の上方向への移動は、線材187の凸形状部分190まで可能である。また、ロック操作部材871の下方向への移動は、線材186の長辺に亘って設けられた基準位置線材189まで可能である。第2の回動パネル83を非ロック状態とした後に使用者がロック操作部材871から手を放すと、ロック操作部材871は、自重により自然と基準位置線材189まで下降する。
扉部材80を図10に示す閉姿勢から図11に示す開姿勢に変化させて、開口部315を開放状態にする場合、使用者は第2の回動パネル83を非ロック状態にした後、ロック操作部材871及び線材187中央の凸形状部分190の少なくとも一方を掴んで第2の回動パネル83を手前側に引き寄せつつ、左扉パネル80aをサークル本体3の左側面側にスライドさせるとともに右扉パネル80bをサークル本体3の右側面側に向かってスライドさせる。
このとき、左扉パネル80aの軸部880aに設けられた上側摺動キャップ881は、上レール312に沿って、サークル本体3の左側側面に向かって摺動する。また、左扉パネル80aの軸部880bに設けられた下側摺動キャップ882は、下レール313に沿ってサークル本体3の左側側面に向かって摺動する。下側摺動キャップ882には、つば状部材が設けられており、つば状部材の一部が下レール313に乗り上げるようにして接している。これにより、線材188の軸部880aは、上レール312にガイドされつつ安定して左側に向かってスライドされ、軸部880bは、下レール313にガイドされつつ安定して左側に向かってスライドされる。また、同様に、右扉パネル80bの軸部880aに設けられた上側摺動キャップ881及び下側摺動キャップ882もサークル本体3の右側側面に向かって摺動し、軸部880a及び軸部880bが右側に向かってスライドされる。
上側摺動キャップ881及び下側摺動キャップ882は、熱可塑性樹脂の中でも自己潤滑性が高く摩擦係数の小さい樹脂、例えばポリアセタール等で形成されている。このため、上側摺動キャップ881は、上レール312に対して滑らかに摺動することができる。また、下側摺動キャップ882は、下レール313に対して滑らかに摺動することができる。さらに、線材188の軸部880aの先端は、上側摺動キャップ881によって保護され、上レール312に直接接触しないので、線材188及び上レール312の表面を覆う塗膜が互いの接触によって摩耗するのを防止することができる。また、軸部880bの先端は、下側摺動キャップ882によって保護され、下レール313に直接接触しないので、線材188及び下レール313を形成する線材311の表面を覆う塗膜が互いの接触によって摩耗するのを防止することができる。
左扉パネル80a及び右扉パネル80bの第2の回動パネル83が第1の回動パネル81に近づくように折り畳まれると、パネル回動角度は約180度から徐々に小さくなり、最終的に約10度となる。これに伴い、第1の回動パネル81及び第2の回動パネル83は、回動パネル連結部材85を頂点として前面パネル31から突出した状態となる。このようにして、扉部材80は、閉姿勢から開姿勢に変化する。左扉パネル80a及び右扉パネル80bは、前面パネル31に対して回動可能に取り付けられている。このため、第2の回動パネル83は、開口部315の高さ方向の辺を形成する線材311に線材188が接触するまで回動可能である。これにより、矩形状の開口部315は、ほぼ長手方向いっぱいに開放され、図11に示すような全開状態とすることができる。
扉部材80を図11に示す開姿勢から図10に示す閉姿勢に変化させて前面パネル31の開口部315を開放状態から閉鎖状態にする場合、使用者はロック操作部材871及び線材187の中央の凸形状部分190の少なくとも一方を掴んで左扉パネル80a及び右扉パネル80bのそれぞれの第2の回動パネル83の線材188を開口部315の中央に向かってスライドさせる。
これにより、左扉パネル80a及び右扉パネル80bのそれぞれの第2の回動パネル83が第1の回動パネル81から遠ざかり、左扉パネル80a及び右扉パネル80bの上辺部及び下辺部が徐々に上レール312及び下レール313に沿うような姿勢になる。このため、パネル回動角度は、約10度から徐々に大きくなり、最終的に約180となる。これに伴い、第1の回動パネル81及び第2の回動パネル83は、前面パネル31に対して平行な状態となり、扉部材80は、開姿勢から図10に示すような閉姿勢に変化する。
扉部材80を閉姿勢にした後に第2の回動パネル83をロック状態とする場合、使用者は、扉部材80が閉姿勢の状態においてロック部材87のロック操作部材871を上方向に移動させた後、ロック軸部材872の一短辺を上レール312側の線材311に引っ掛ける。これにより、第2の回動パネル83はロック状態になる。使用者は、ロック操作部材871を線材187の凸形状部分190まで上向きに移動させた後、基準位置線材189に接触するまで下向きに移動させてもよいし、ロック操作部材871を自重によって基準位置線材189まで下降させてもよい。ロック操作部材871が基準位置線材189に接触するまで下向きに移動すると、ロック軸部材872の下レール313側の他短辺は、自動的にロック軸挿通部184dに挿通されるとともに開口部315の下端を形成する線材311よりも下側かつペット収容空間300側に配置される。このようにして、第2の回動パネル83は、ロック状態となる。
このように、本実施形態によるペット用サークル50は、折戸構造を有する扉部材80を備えている。これにより、ペット用サークル50は、扉部材80の手前側の開閉スペースが少なくて済むので、ペット用サークル50が用いられる多様な住環境に適応させることができる。
また、ペット用サークル50は、開口部315をほぼ長手方向いっぱいまで開放することが可能であり、間口を広く取ることが可能な構成を有している。このため、サークル本体3内の清掃を容易にするとともに、サークル本体3への物の出し入れを容易にすることができる。
(1.3)支持部材
次に、図12、図13、図14及び図15を用いて、一対の支持部材7の構成例について説明する。図13(a)は支持部材7aの平面図、図13(b)は支持部材7aの正面図、図13(c)は支持部材7aの底面図、図13(d)は支持部材7aの右側面図、図13(e)は支持部材7aの背面図、図13(f)は支持部材7aの左側面図である。
一対の支持部材7を構成する支持部材7a,7bは、サークル本体3(図2参照)に取り付けられたときに、前面パネル31の上レール312の中点で上レール312に直交しかつサークル本体3の左側面パネル35及び右側面パネル37に平行な仮想直線を対象軸として互いに線対称の関係にある。そこで、一対の支持部材7の構成について図13から図15ではサークル本体3の左側面側を支持する支持部材7aを例にとって詳細に説明し、支持部材7bについては支持部材7aと同一の作用・機能を奏する構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
図12に示すように、支持部材7a及び支持部材7bは、立体的なL字状に形成されており、上面側に設けられた上面溝17と、右側面を形成する内側壁面8aと、正面、背面及び左側面を形成する外側壁面8bと、上面溝17及び外側壁面8bの一部を分断するように設けられた切欠き部18と、内側壁面8aに設けられた突出部70とを備えている。
図13(a)に示すように、上面溝17は、支持部材7aの上面側の端面の形状に倣って上面側の全体に亘って形成されている。上面溝17は、サークル本体3の周壁130(図2参照)を成す各線材パネル(前面パネル31、後面パネル33及び左側面パネル35)を嵌合可能に形成された周壁パネル嵌合溝として機能する。上面溝17は、支持部材7aの上側端面から底面側に向かって一定の深さを有している。
また、上面溝17は、複数箇所(本例では、10箇所)に所定の間隔を空けて形成された縦方向溝170を有している。縦方向溝170は、上面溝17の内側壁面8a側の側面に深さ方向、即ち底面側に向かって設けられた半円形状の凹状溝である。縦方向溝170の一部は、上面溝17から内側壁面8a方向にはみ出して設けられている。縦方向溝170は、周壁130を形成する各線材パネルの縦向きの各線材(線材311,331,351,371)の外周に沿う形状を有し、縦向きの各線材を挿入させる縦向き線材挿入溝として機能する。縦方向溝170は、左側面パネル35において縦向きの線材が設けられている間隔と同じ間隔に設けられている。上面溝17と縦方向溝170とを合わせた形状は、左側面パネル35及び後面パネル33の一部の下端部における横向きの線材及び縦向きの線材とほぼ同じ形状である。
また、図13(c)に示すように、支持部材7aの底面には、ペット用サークル50の移動を補助するためのキャスタ(不図示)が取り付けられるキャスタ機構700が設けられている。キャスタ機構700については後述する。支持部材7aは、例えば合成樹脂等で一体に形成されている。支持部材7aは、上面溝17が設けられた上面側の幅よりも、キャスタ機構700が設けられた底面側の幅のほうが広く形成されている。このため、支持部材7は、安定してサークル本体3を支持することができる。
図13(a)及び図13(d)に示すように、突出部70は、支持部材7の内側壁面8aに沿って、支持部材7が支持するサークル本体3のペット収容空間300(図1参照)に向かって突出するように設けられている。突出部70は、上方向、即ち上面溝17に挿入された周壁130方向に隆起する隆起部71を有している。隆起部71は、突出部70において、後述するトレー1がペット収容空間300から取り出される側の端部に形成されている。また、隆起部71は、トレー1のペット収容空間300からの出し入れを妨げず、かつトレー1がペット収容空間300の外側へずれることを防止できる程度の高さを有している。突出部70及び隆起部71は、トレー1を支持するために用いられる構成要素であって、トレー支持部として機能する。
図13(f)に示すように、支持部材7aの左側面側の外側壁面8bには、後述のバックル5を回転可能に保持するための切欠き部18が設けられている。切欠き部18には、上面溝17と平行かつ底面寄りの位置に円柱状の回転軸21が設けられている。切欠き部18は内側壁面8aを上面溝17と同じ深さだけ切り欠いて形成されている。また、切欠き部18は支持部材7aの左側面における外側壁面8bを分断して形成されており、この分断部分には内側壁面8aが露出している。また、図13(a)に示すように、切欠き部18は上面溝17の一部を分断し形成されている。
次に、支持部材7aと、サークル本体3の左側面を形成する各線材パネル(前面パネル31、後面パネル33及び左側面パネル35)との関係について図14を用いて説明する。
図14に示すように、例えばペット用サークル50の組み立て時において、支持部材7aの上面溝17には、前面パネル31の下辺(線材311)の一部と、左側面パネル35の下辺(線材351)と後面パネル33の下辺(線材331)の一部とが挿入される。また、縦方向溝170のそれぞれには、各パネル線材の縦向きの線材(線材311、線材331及び線材351)が挿入される。また、図示は省略するが、支持部材7bの上面溝17にも、同様に、前面パネル31の下辺(線材311)の一部と、右側面パネル37の下辺(線材371)と後面パネル33の下辺(線材331)の一部とが挿入され、縦方向溝170のそれぞれには、各線材パネルの縦向きの線材(線材311、線材331及び線材371)が挿入される。本実施形態のペット用サークル50を組み立てる際には、例えば使用者は、周壁130を形成する各線材パネルの下端部を上面溝17に挿入させる。上面溝17と縦方向溝170とを合わせた形状は周壁130の左右側面及び後面を形成する線材パネルの下端部の形状とほぼ同じである。このため、ペット用サークル50を組み立てる際に、横向きの線材を上面溝17に合わせれば、縦向きの線材は意識的に合されなくても自然と縦方向溝170に嵌合される。このように、サークル本体3は、一対の支持部材7に安定して支持される。
また、一対の支持部材7は、L字形状に形成されている。このため、サークル本体3の奥行方向に設けられる左側面パネル35及び右側面パネル37については下辺の全体を支持するものの、サークル本体3の幅方向に設けられる前面パネル31及び後面パネル33については下辺の一部を支持する構成になっている。これにより、支持部材7は、サークル本体3の幅方向の長さに関わらず、様々なサイズのサークル本体3の支持に用いることができる。これにより、サークル本体3の幅方向のサイズごとに支持部材を製造する必要がないので、ペット用サークルの製造コストを低減できる。
次に、図15を用いて、支持部材7の底面の構成例について支持部材7aを例として説明する。図15(a)は、キャスタ機構700にキャスタが取り付けられた状態の支持部材7aの底面を示す図である。また、図15(b)は、図15(a)に示す領域αを拡大して示す図であり、図15(c)は、図15(a)に示す領域βを拡大して示す図である。
図15(a)に示すように、支持部材7aの底面には、2つのキャスタ機構700が設けられている。以下、支持部材7aの正面側(領域α)に設けられたキャスタ機構を「キャスタ機構700a」と称し、支持部材7aの背面側(領域β)に設けられたキャスタ機構を「キャスタ機構700b」と称し、キャスタ機構700a及びキャスタ機構700bを総称して「キャスタ機構700」と称する。キャスタ機構700aとキャスタ機構700bとは、互いに平行に設けられている。また、キャスタ機構700aとキャスタ機構700bとは、一直線上に設けられていない。キャスタ機構700aは、支持部材7aの中心領域に設けられており、キャスタ機構700bはキャスタ機構700aよりもやや内側(外側壁面8bの反対側寄りの位置)に設けられている。
図15(b)に示すように、キャスタ機構700は、キャスタ710とキャスタ支持部720とを備えている。キャスタ710とキャスタ支持部720とは、例えば合成樹脂を素材としている。キャスタ710は、円筒状に形成された車輪部材711と、車輪部材711がキャスタ支持部720に対して回転する際の回転軸となるキャスタ軸713とを有する。キャスタ軸713は、円柱状を有し車輪部材711の両端に設けられている。キャスタ軸713は、車輪部材711の中心軸と一致するようにキャスタ710に設けられている。
キャスタ支持部720は、支持部材7の底面側が開放された中空の四角柱形状を有している。キャスタ支持部720の上面の縁を形成する四辺には、一辺につき1つずつ、円弧状切欠き723が設けられている。これにより、キャスタ支持部720には計4つの円弧状切欠き723が設けられている。以下、キャスタ支持部720において支持部材7aの左側面側の辺に設けられた円弧状切欠き723を「円弧状切欠き723a」と称し、支持部材7aの正面側に設けられた円弧状切欠き723を「円弧状切欠き723b」と称し、支持部材7aの右側面側に設けられたキャスタ軸支持部を「円弧状切欠き723c」と称し、支持部材7aの背面側に設けられた円弧状切欠き723を「円弧状切欠き723d」と称する。また、円弧状切欠き723a〜723dを総称して「円弧状切欠き723」と称する。円弧状切欠き723aと円弧状切欠き723cとは対向して配置されている。また、円弧状切欠き723bと円弧状切欠き723dとは対向して配置されている。
円弧状切欠き723は、キャスタ軸713を着脱可能に支持するキャスタ軸支持部として機能する。円弧状切欠き723は、U字形状の切欠きであって、キャスタ軸713を嵌合させて支持するように形成されている。円弧状切欠き723は、支持部材7の底面側の開口端が所定の長さだけ底部に向かって平行に形成されており、支持部材7の上面側がキャスタ軸713の外周の一部に沿う形状の円弧状に形成された切欠きである。また、円弧状切欠き723の底面側の開口端の幅はキャスタ軸713の直径よりも狭くなっている。このため、キャスタ710をキャスタ支持部720に取り付けた状態でペット用サークル50を持ち上げたときに、キャスタ軸713がキャスタ710の自重によって円弧状切欠き723から外れてキャスタ710が落下するのが防止される。キャスタ支持部720に取り付けられたキャスタ710は、車輪部材711の一部がわずかにキャスタ機構700から飛び出す状態でキャスタ支持部720に支持される。
キャスタ710は、キャスタ支持部720の対向する2つの円弧状切欠き723にキャスタ軸713を嵌合させて、キャスタ支持部720に取り付けられる。例えば、図15に示すα領域におけるキャスタ機構700aのように、円弧状切欠き723a及び円弧状切欠き723cにキャスタ軸713をそれぞれ嵌合させると、キャスタ710の車輪部材711は、ペット用サークル50の奥行き方向に移動するように回転する。また、例えば、β領域におけるキャスタ機構700bのように、円弧状切欠き723b及び円弧状切欠き723dにキャスタ軸713をそれぞれ嵌合させると、キャスタ710の車輪部材711は、ペット用サークル50の幅方向に移動するように回転する。
図15では、説明の便宜上、キャスタ機構700a及びキャスタ機構700bにおいてキャスタ710の回転方向がそれぞれ異なるようにキャスタ支持部720に支持されている。しかしながら、実際は、キャスタ機構700a及びキャスタ機構700bにおいて、キャスタ710は回転方向が互いに同一となるようにキャスタ支持部720に支持される。また、図15では図示しないが、支持部材7bのα領域のキャスタ710と、及び支持部材7bのβ領域のキャスタ710とは、回転方向が同じになるようにキャスタ支持部720に支持される。即ち、支持部材7aのα領域及びβ領域のキャスタ機構700と、支持部材7bのα領域及びβ領域のキャスタ機構700とのそれぞれに取り付けられるキャスタ710は、互いに回転方向が同一となるようにキャスタ軸713が円弧状切欠き723に嵌合されてキャスタ支持部720に支持される。
このように、本実施形態のペット用サークル50には、支持部材7a及び支持部材7bの底面にキャスタ機構700が設けられている。このため、使用者は、ペット用サークル50がほぼ平らな床面等に設置されている場合、容易にペット用サークル50を移動させることができる。また、キャスタ機構700において、キャスタ支持部720は、キャスタ軸713の支持方向を奥行き方向または幅方向に変更可能に構成されている。このため、使用者は、ペット用サークル50の設置場所の状態に合わせてキャスタ軸713の支持方向を適宜変更することができる。これにより、ペット用サークル50は多様な設置環境に適用することができる。
(1.4)バックル
次に、図16及び図17を用いてバックル5の構成例について説明する。図16(a)はバックル5の背面5a側を、図16(b)はバックル5の正面5b側を、図16(c)は図16(a)中に示すY5−Y’5線でバックル5を切断した断面図である。図16に示すように、バックル5は、その正面5b側であって、長手方向の一端の側にバックルの回転軸を支持するための支持部51を有する。また、バックル5は、その正面5b側であって、長手方向の他端の側にサークル本体3(図16では不図示)の線材に掛かるための掛止部53を有する。
図17に示すように、バックル5は、回転軸21を支持部51に挿入させ、回転軸21を軸として回転可能に支持部材7bに取り付けられている。バックル5は、切欠き部18において、支持部材7bに取り付けられている。バックル5は、支持部材7bに対して回転軸21を中心に回転され、例えば支持部材7bの上面溝17に嵌合させた右側面パネル37の横方向に延びる線材371にバックル5の掛止部53を引っ掛けて止められる。これにより、サークル本体3の右側面の側は、切欠き部18において支持部材7bに固定される。切欠き部18及びバックル5は、サークル本体3を支持部材7に固定するための本体固定部として機能する。図17では示さないが、サークル本体3の左側面の側も切欠き部18及びバックル5を用いて、右側面の側と同様の方法で支持部材7aに固定することができる。
なお、バックル5でサークル本体3を支持部材7に固定したとき、ペット用サークル50の最も外側に出る部分は、バックル5の背面5aではなく、支持部材7における外側壁面8bとなる。つまり、バックル5でサークル本体3を支持部材7に固定したとき、バックル5の背面5aは支持部材7における外側壁面8bよりも、内側(内側壁面8a側)に位置する。また、第1のジョイント部品40、コーナージョイント部品45(図17では不図示)の各側面も、外側壁面8bよりも、内側に位置することが好ましい。
(1.5)トレー
次に、図18及び図19を用いて、トレー1の構成例について説明する。詳しくは、図18(a)は斜視図、図18(b)は平面図、図18(c)は正面図、図18(d)は底面図、図18(e)は左側面図、図18(f)は右側面図である。
図18に示すように、トレー1は、平面視による形状が矩形(又は、角丸矩形)である底部11と、底部11の縁部から立ち上がる立上部13と、立上部13の上辺から外側に向かって設けられた庇部15とを有している。底部11、立上部13及び庇部15は、例えば合成樹脂等で一体に形成されている。底部11は、上面11a(図18(b)参照)と、上面11aの裏面側である底面11b(図18(d)参照)とを有している。上面11aには、ペット用トイレやペット用食器等が配置される。即ち、トレー1は、ペット用サークル50において、ペット用トイレやペット用食器等を配置する床部として機能する。
立上部13は、底部11の周辺部の全周にわたって隙間なく設けられている。立上部13は、上面11aの周囲に隙間なく設けられている。これにより、立上部13は、トレー1の上面11aの所定位置に配置されたペット用トイレが、トレー1の外側へずれることや、ペット用食器からこぼれたペットフードや水等が、トレー1の外側へ広がることを防止できるようになっている。また、庇部15は、トレー1の立上部13の上辺から上面11a側とは逆側に折り返されるように形成されている。庇部15は、立上部13から外側に向かって張り出して形成されている。庇部15の頂部は、曲面状を有している。庇部15の折り返し部と立上部13との間には使用者が指を差し入れることが可能な間隙が形成されている。このため、庇部15は、後述するトレー1ペット収容空間300から出し入れする際に使用者が指を引っ掛ける引掛部として機能する。これにより、トレー1の出し入れが容易となる。
図19(a)は、ペット収容空間300内でトレー1が一対の支持部材7に支持された状態のペット用サークル50(図1参照)を、切欠き部18と隆起部71との間で後面パネル33(図2参照)に平行に切断した断面図である。図19(a)には、前面パネル31(図2参照)から後面パネル33に向かって見たペット用サークル50の断面が図示されている。図19(a)では、理解を容易にするため、サークル本体3の図示が省略されている。なお、図19(a)に示すトレーの断面は、図18(b)中に示すX1−X’1線での切断面である。図19(b)は、支持部材7aに支持された状態のトレー1の左側面を拡大した斜視図である。また、図20は、トレー1をペット収容空間300に出し入れする方法を説明する図である。図20に示す双方向矢印は、トレー1を出し入れ可能な方向を示している。
図19(a)に示すように、トレー1は、庇部15の短辺の一方の下側端部で支持部材7aの突出部70に支持され、庇部15の短辺の他方の下側端部で支持部材7bの突出部70に支持される。図19(a)では図示しないが、トレー1は、短辺の一方と連続する庇部15の一方の長辺の下側端部の一部で支持部材7aの背面側の突出部70に支持され、短辺の他方と連続する庇部15の他方の長辺の下側端部の一部で支持部材7bの背面側の突出部70に支持される。
図19(b)に示すように、トレー1は、支持部材7aの背面側の内側壁面8aと支持部材7aの正面側の突出部70に設けられた隆起部71とに挟まれるようにして支持部材7aに支持される。また、図19(b)では図示しないが、トレー1は、支持部材7bの背面側の内側壁面8aと支持部材7bの正面側の突出部70が有する隆起部71によって挟まれるようにして支持部材7bに配置される。ペット収容空間300に収容されたトレー1は、支持部材7の背面側の内側壁面8aによって支持部材7の背面側の外方向へのずれが規制される。また、ペット収容空間300に収容されたトレー1は、支持部材7の隆起部71によって支持部材7の正面側の外方向へのずれが規制される。より具体的には、トレー1の庇部15は、突出部70の上面が隆起して形成された隆起部71の斜面によって支持部材7の正面方向への動きが規制されている。これにより、トレー1は、支持部材7の正面側の外方向へのずれが防止され、一対の支持部材7に安定して支持される。隆起部71は、トレー1の外方向へのずれを規制してトレー1が支持部材7から使用者の意に反して離脱するのを防止するトレー離脱防止部として機能する。
ペット収容空間300にペットが収容されている状態では、トレー1の自重及びペットの体重によってトレー1は下側方向、即ち隆起部71を乗り上げるのとは逆方向への力を受ける。このため、ペット収容空間300にペットが収容されている場合には、トレー1は隆起部71を乗り上げることができない。したがって、ペット収容空間300内でペットが激しく動いても、ペットの体重と隆起部71によるトレー1のずれの規制によって使用者の意に反してにトレー1がペット収容空間300の外側へずれることを防止できる。
図20に示すように、トレー1は、庇部15を支持部材7に支持されてペット収容空間300内に出し入れ自在に収容される。トレー1は、前面パネル31の下側の隙間から出し入れされる。トレー1がペット収容空間300内に収容されている場合、トレー1の底面11bは、ペット用サークル50の設置面に接触する。ペット収容空間300からトレー1を引き出す際に、ペット用サークル50の使用者は、庇部15に指を挿入し、底面11bが隆起部71を乗り上がるように若干持ち上げながらトレー1を引き出す。また、トレー1をペット収容空間300内へ入れる際には、使用者は、前面パネル31の下側の隙間から底面11bを隆起部71に接触させながら、トレー1をペット収容空間300内へ押し込む。トレー1の出し入れは、通常、ペット収容空間300にペットが収容されていない状態で行われる。
トレー1の出し入れ動作において、トレー1の底面11bが隆起部71を乗り上がることにより、トレー1の底面11bとペット用サークル50の設置面との接触が防止される。即ち、支持部材7の突出部70が隆起部71を有することで、トレー1の出し入れの際に使用者が意識しなくても自然と、トレー1の底面11bとペット用サークル50の設置面との接触が防止される。これにより、トレー1の出し入れの際にトレー1の底面11bがペット用サークル50の設置面と接触して劣化することが防止される。また、トレー1の底面11bと隆起部71との接触面積は、トレー1の底面11bとペット用サークル50の設置面との接触面積よりも小さくなる。したがって、底面11bを隆起部71に接触させながらトレー1の出し入れ動作を行うと抵抗は少なくなり、トレー1を円滑にペット収容空間300内から出し入れできる。
図19(b)で示すように、隆起部71はトレー1の庇部15の高さと同程度に隆起している。このため、トレー1は、ペット収容空間300にペットが収容されている状態では隆起部71によってペット収容空間300の外方向へのずれが防止されるとともに、ペット収容空間300にペットが収容されていない状態では、使用者によって容易にペット収容空間300から出し入れされる。
また、上述したように、キャスタ機構700(図15参照)に取り付けたキャスタ710は支持部材7からわずかに一部が飛び出す状態で取り付けられる。このため、キャスタ機構700にキャスタ710が取り付けられた状態でも、トレー1は、ペット用サークル50の設置面(例えば、床面等)に近い場所、即ちペット用サークル50における相対的に低い位置に維持される。このため、ペット用サークル50は、できるだけペット用サークル50の設置面となる床等に近い場所にペット用トイレやペット用食器を設置したいという使用者の要望を満たすことができる。
(1.6)仕切り部
次に、図21、図22、図23及び図24を用いて、仕切り部9の構成例について説明する。
図21に示すように、仕切り部9は、仕切りパネル19と、複数個(本例では、2個)の上側仕切ジョイント部品91(取付部材の一例)と、複数個(本例では、2個)の下側仕切ジョイント部品93(取付部材の一例)とを備えている。仕切りパネル19は、サークル本体3の周壁130(図21では不図示)を形成する各パネルと同様の線材パネルであって、例えば金属製である。また、各線材の1本1本の形状は、円筒棒状である。仕切りパネル19は、上側仕切ジョイント部品91と下側仕切ジョイント部品93とによって、周壁130に着脱自在に取り付けられ、ペット収容空間300を仕切るのに用いられる。
仕切りパネル19は、横方向に延伸する3本の線材191と、縦方向に延伸する15本の線材193を組み合わせて平板状に形成されている。また、仕切りパネル19は、矩形状を有している。仕切りパネル19には、上から1本目の線材191(線材191a)に2個の上側仕切ジョイント部品が着脱可能に取り付けられている。以下、線材191aの一端部に設けられた上側仕切ジョイント部品を「上側仕切ジョイント部品91a」と称し、線材191aの他端部に設けられた上側仕切ジョイント部品を「上側仕切ジョイント部品91b」と称すし、「上側仕切ジョイント部品91a」及び「上側仕切ジョイント部品91b」を総称して「上側仕切ジョイント部品91」と称する。
また、仕切りパネル19には、下から1本目の線材191(線材191c)に2個の下側仕切ジョイント部品が着脱可能に取り付けられている。以下、線材191cの一端部に設けられた下側仕切ジョイント部品を「下側仕切ジョイント部品93a」と称し、線材191cの他端部に設けられた下側仕切ジョイント部品を「下側仕切ジョイント部品93b」と称し、「下側仕切ジョイント部品93a」及び「下側仕切ジョイント部品93b」を総称して「下側仕切ジョイント部品93」と称する。なお、上から2本目の線材191(線材191b)には、上側仕切ジョイント部品及び下側仕切ジョイント部品は取り付けられない。
次に、上側仕切ジョイント部品91の構成例について、図22を用いて説明する。
図22(a)は上側仕切ジョイント部品91の斜視図であり、図22(b)は上側仕切ジョイント部品91の平面図であり、図22(c)は上側仕切ジョイント部品91の底面図であり、図22(d)は上側仕切ジョイント部品91の正面図であり、図22(e)は上側仕切ジョイント部品91の左側面図であり、図22(f)は上側仕切ジョイント部品91の右側面図である。
図22(b)に示すように、上側仕切ジョイント部品91は、立体的なT字状に形成されている。上側仕切ジョイント部品91は、例えば合成樹脂等で一体に形成されている。上側仕切ジョイント部品91は、仕切りパネル19の線材を挿通するのに用いられる仕切り線材挿通部910と、仕切り部9が取り付けられるサークル本体3の周壁130(図1参照)の線材を保持するのに用いられる周壁線材挿通部920とを備えている。仕切り線材挿通部910は、周壁線材挿通部920の中心部から突出している。仕切り線材挿通部910は、周壁線材挿通部920と直交して設けられている。
仕切り線材挿通部910は、上面溝911を備えている。上面溝911は、仕切り線材挿通部910の上面の全体に亘って形成されている。上面溝911は、仕切りパネル19を形成する横向きの線材191aを挿通するのに用いられる溝であって、横向き線材挿通部として機能する。
上面溝911の右側面側、即ち周壁線材挿通部920と対向する側には側部開口端912が形成されている。側部開口端912は、線材191aを上面溝911に挿入させる際に線材191aの挿入口として用いられる。上面溝911の底面913は、線材191aの外周面に沿うように上側仕切ジョイント部品91の底部側へ凹んだ曲面状の凹形状に形成されている。また、上面溝911には、底面913の中央領域から上面溝911の壁面に亘って四角形状に開放された孔部914が設けられている。孔部914が設けられている壁面は、上面溝911の両壁面のうち上側仕切ジョイント部品91の背面側に位置する方である。
上面溝911は、孔部914の上方の上面溝911の壁面から突出する爪部915を備えている。爪部915は、上面溝911の内側に向かって突出している。図22(f)に示すように、爪部915は、底面913側の面が2段階の階段状に形成された段差面916を有している。段差面916は、底面913の一部の領域に対向して配置されている。爪部915は、段差面916に対向する底面913の一部の領域に、上面溝911に挿通された線材191aを段差面916によって押さえることができる。
より具体的に、爪部915の下方には孔部914が形成されているため、上面溝911は爪部915が設けられた領域において弾性変形し易くなっている。このため、側部開口端912から挿入された線材191aは、段差面916に接触して上側仕切ジョイント部品91の背面側に爪部915を押し出しながら上面溝911に挿通される。上面溝911への線材191aの挿入が完了すると、爪部915は、元の位置に戻ろうとする弾性力によって、上面溝911に挿通された線材191aを上面溝911の底面913に段差面916で押さえ付ける。これにより、爪部915は、線材191aが上面溝911から上方向に外れることを防止する線材外れ防止部として機能する。
仕切り線材挿通部910は、側部開口端912から突出した突出部953を有している。突出部953の上面は、上面溝911の底面913と面一で形成されている。即ち、底面913が側部開口端912方向に延在して突出部953と連続した面を形成している。突出部953の上面は、線材191aの外周面に倣う形状を有している。
仕切り線材挿通部910は、突出部953の両側に設けられた第1の縦方向切欠き917a及び第2の縦方向切欠き917bを備えている。第1の縦方向切欠き917a及び第2の縦方向切欠き917bは、互いに同一の形状を有している。第1の縦方向切欠き917a及び第2の縦方向切欠き917bは、仕切りパネル19の縦向きの線材193を挿通するのに用いられる縦向き線材挿通部として機能する。
図22(a)に示すように、第1の縦方向切欠き917a及び第2の縦方向切欠き917bは、線材193の外周面に沿う円弧状に仕切り線材挿通部910の内側を切り欠いて形成されている。より具体的には、第1の縦方向切欠き917a及び第2の縦方向切欠き917bは、仕切り線材挿通部910の上面溝911側の壁面を切り欠いて形成されている。上面溝911と、第1の縦方向切欠き917a及び第2の縦方向切欠き917bとは、一続きに形成されている。第1の縦方向切欠き917a及び第2の縦方向切欠き917bの壁面に隣接する上面溝911の壁面の端部が、側部開口端912となる。図22(b)及び図22(c)に示すように、第1の縦方向切欠き917a及び第2の縦方向切欠き917bの右側面側の開口端957の幅は、縦向き線材193の外径よりも狭くなっている。このため、第1の縦方向切欠き917a及び第2の縦方向切欠き917bは、挿通されている線材193が使用者の意に反して外れてしまうのを防止できる。
図21に示すように、線材191aの一端部に取り付けられた上側仕切ジョイント部品91aでは、線材193は第2の縦方向切欠き917bに挿通される。また、線材191aの他端部に取り付けられた上側仕切ジョイント部品91bでは、線材193は第1の縦方向切欠き917aに挿通される。このように、上側仕切ジョイント部品91には線材193を挿通するための2つの縦方向切欠き(第1の縦方向切欠き917a及び第2の縦方向切欠き917b)が設けられている。これにより、仕切りパネル19の線材191aの両端にそれぞれ専用の上側仕切ジョイント部品を用いずに、上側仕切ジョイント部品91を両端で共用することができるので、上側仕切ジョイント部品の製造コストを低減できる。
図22に戻って、上側仕切ジョイント部品91に設けられた周壁線材挿通部920は、逆J字状に折り返されたアーチ形状を有している。周壁線材挿通部920は、前面パネル31の横向きの線材311又は後面パネル33の横向きの線材331(図2参照)を挿通するのに用いられる。周壁線材挿通部920の頂部は、仕切り線材挿通部910の上面と面一になっている。周壁線材挿通部920のアーチ形状の深さは、仕切り線材挿通部910の上面溝911の深さとほぼ一致している。これにより、上側仕切ジョイント部品91をサークル本体3に取り付けた際に、上側仕切ジョイント部品91を介して周壁線材挿通部920に挿通される線材311と上面溝911に挿通される線材191aとがほぼ同じ高さで直交するようになる。
図22(d)に示すように、周壁線材挿通部920の折り返し部は、線材311又は線材331の外周面に沿う円弧状の内面921を有している。また、周壁線材挿通部920は、線材311又は線材331を挿通させる際に、線材を差し込む差込口として用いられる間隙部922を有している。間隙部922の幅は、線材311及び線材331の外径とほぼ一致している。また、図22(e)に示すように、周壁線材挿通部920の折り返し側の壁面は、仕切り線材挿通部910と接している壁面よりも短くなっている。これにより、ペット用サークル50の使用者は、線材311や線材331から抵抗を受けることなく周壁130(図1参照)に対して上側仕切ジョイント部品91を着脱できる。
次に、下側仕切ジョイント部品93の構成例について、図23を用いて説明する。
図23(a)は下側仕切ジョイント部品93の斜視図であり、図23(b)は下側仕切ジョイント部品93の平面図であり、図23(c)は下側仕切ジョイント部品93の底面図であり、図23(d)は下側仕切ジョイント部品93の正面図であり、図23(e)は下側仕切ジョイント部品93の左側面図であり、図23(f)は下側仕切ジョイント部品93の右側面図である。
図23(b)に示すように、下側仕切ジョイント部品93は、立体的なT字状に形成されている。下側仕切ジョイント部品93は、例えば合成樹脂等で一体に形成されている。下側仕切ジョイント部品93は、仕切りパネル19の線材を挿通するのに用いられる仕切り線材挿通部930と、仕切り部9が取り付けられるサークル本体3の周壁130(図1参照)の線材を保持するのに用いられる周壁線材挿通部940とを備えている。仕切り線材挿通部930は、周壁線材挿通部940の中心部から突出している。仕切り線材挿通部930は、周壁線材挿通部940と直交して設けられている。
仕切り線材挿通部930は、上面側を開放端とする上面溝931と、上面溝931が形成された領域から突出して設けられた突出壁部933とを備えている。上面溝931は、仕切り線材挿通部930の上面において、突出壁部933が設けられた領域を除いて形成されている。上面溝931は、仕切りパネル19の横向きの線材191cを挿通するのに用いられる溝であって、横向き線材挿通部として機能する。
上面溝931の右側面側、即ち周壁線材挿通部940と対向する側には、側部開口端932が形成されている。側部開口端932は、線材191cを上面溝931に挿入させる際に線材191cの挿入口として用いられる。図23(f)に示すように、側部開口端932は、上面溝931及び突出壁部933によって画定されている。突出壁部933は、上面溝931の端部から下側仕切ジョイント部品93の右側面方向へ延在しており、側部開口端932よりも右側面方向に突出している。より具体的に、突出壁部933は、上面溝931が形成された領域の上面部及び両側面部から延在する下向きの凹形状を有している。上面溝931の深さ方向における突出壁部933の両側は、上面溝931の深さとほぼ同じ長さを有している。突出壁部933は、上面溝931に挿通された線材191cが上面溝931から上方向に外れることを防止する。このため、突出壁部933は、線材外れ防止部として機能する。
上面溝931の底面934は、線材191cの外周面に沿うように下側仕切ジョイント部品93の底部側へ凹んだ曲面状の凹形状に形成されている。また、上面溝931には、底面934の中央領域から上面溝931の壁面に亘って四角形状に開放された孔部935が設けられている。孔部935が設けられている壁面は、上面溝931の両壁面のうち下側仕切ジョイント部品93の背面側に位置する方である。
上面溝931は、孔部935の上方の上面溝931の壁面から突出する爪部936を備えている。爪部936は、上面溝931の内側に向かって突出している。爪部936は、底面934側の面が2段階の階段状に形成された段差面937を有している。段差面937は、底面934の一部の領域に対向して配置されている。爪部936は、段差面937に対向する底面934の一部の領域に、上面溝931に挿通された線材191cを段差面937によって押さえることができる。
より具体的に、爪部936の下方には孔部935が形成されているため、上面溝931は爪部936が設けられた領域において弾性変形し易くなっている。このため、側部開口端932から挿入された線材191cは、段差面937に接触して下側仕切ジョイント部品93の背面側に爪部936を押し出しながら上面溝931に挿通される。上面溝931への線材191cの挿入が完了すると、爪部936は、元の位置に戻ろうとする弾性力によって、上面溝931に挿通された線材191cを上面溝931の底面934に段差面937で押さえ付ける。これにより、爪部936は、線材191cが上面溝931から上方向に外れることを防止する。このため、爪部936は、突出壁部933とともに線材外れ防止部として機能する。さらに、爪部936は、線材191cが底面934側の側部開口端932を支点として傾いて線材191cの先端が上面溝931の上方に飛び出すことを防止する。このため、爪部936は、線材飛出し防止部としての機能も有する。
仕切り線材挿通部930は、上面部から延在する突出壁部933の領域に、仕切り線材挿通部930の右側面側から上面溝931側に向かって円弧状に切り欠いて形成された第1の縦方向切欠き938a及び第2の縦方向切欠き938bを備えている。第1の縦方向切欠き938a及び第2の縦方向切欠き938bは、互いに同一の形状を有している。第1の縦方向切欠き938a及び第2の縦方向切欠き938bは、仕切りパネル19の縦向きの線材193を挿通するのに用いられる縦向き線材挿通部として機能する。
図23(a)に示すように、第1の縦方向切欠き938a及び第2の縦方向切欠き938bは縦向き線材193の外周面に沿う円弧状を有している。図23(b)及び図23(c)に示すように、第1の縦方向切欠き938a及び第2の縦方向切欠き938bの右側面側の開口端967の幅は、線材193の外径よりも狭くなっている。このため、第1の縦方向切欠き938a及び第2の縦方向切欠き938bは、挿通している線材193が使用者の意に反してに外れてしまうのを防止できる。
図21に示すように、線材191cの一端部に取り付けられた下側仕切ジョイント部品93aでは、線材193は第2の縦方向切欠き938bに挿通される。また、線材191cの他端部に取り付けられた下側仕切ジョイント部品93bでは、線材193は第1の縦方向切欠き938aに挿通される。このように、下側仕切ジョイント部品93には線材193を挿通するための2つの縦方向切欠き(第1の縦方向切欠き938a及び第2の縦方向切欠き938b)が設けられている。これにより、仕切りパネル19の線材191cの両端にそれぞれ専用の下側仕切ジョイント部品を用いずに、下側仕切ジョイント部品93を両端で共用することができるので、下側仕切ジョイント部品の製造コストを低減できる。
図23に戻って、下側仕切ジョイント部品93に設けられた周壁線材挿通部940は、逆J字状に折り返されたアーチ形状を有している。周壁線材挿通部940は、前面パネル31の横向きの線材311又は後面パネル33の横向きの線材331(図24参照)を挿通するのに用いられる。周壁線材挿通部940の頂部は、仕切り線材挿通部930の上面と面一になっている。周壁線材挿通部940のアーチ形状の深さは、仕切り線材挿通部930の上面溝931の深さとほぼ一致している。これにより、下側仕切ジョイント部品93をサークル本体3に取り付けた際に、下側仕切ジョイント部品93を介して周壁線材挿通部940に挿通される線材311と上面溝931に挿通される線材191cとがほぼ同じ高さで直交するようになる。
図23(d)に示すように、周壁線材挿通部940の折り返し部は、線材311又は線材331の外周面に沿う円弧状の内面941を有している。また、周壁線材挿通部940は、線材311又は線材331を挿通させる際に、線材を差し込む差込口として用いられる間隙部942を有している。間隙部942の幅は、線材311及び線材331の外径とほぼ一致している。また、図23(e)に示すように、周壁線材挿通部940の折り返し側の壁面は、仕切り線材挿通部930と接している壁面よりも短くなっている。これにより、ペット用サークル50の使用者は、線材311や線材331から抵抗を受けることなく周壁130(図1参照)に対して下側仕切ジョイント部品93を着脱できる。
次に、図24を用いて仕切り部9とサークル本体3との関係を説明する。
図24に示すように、仕切り部9は、周壁130の開口部315を左右に2分割するようにペット収容空間300を仕切る部材である。仕切り部9の仕切りパネル19は、上側仕切ジョイント部品91と下側仕切ジョイント部品93とによって、サークル本体3の周壁130に着脱可能に取り付けられる。
上側仕切ジョイント部品91aは、前面パネル31を形成する線材311のうち、開口部315の上端を形成する横向きの線材311aに取付けられる。また、上側仕切ジョイント部品91bは、後面パネル33を形成する線材331のうち、上から3番目の横向きの線材331aに取付けられる。また、下側仕切ジョイント部品93aは、線材311のうち、開口部315の下端を形成する横向きの線材311bに取り付けられる。また、下側仕切ジョイント部品93bは、線材331のうち、下から4番目の横向きの線材331bに取付けられる。線材311aと線材331aとは、対向して配置されている。また、線材311bと線材331bとは、対向して配置されている。つまり、線材311a及び線材331aは、周壁130の上端からの距離が同じであり、線材311b及び線材331bは、周壁130の下端からの距離が同じである。このため、矩形状を有する仕切りパネル19は、線材191a及び線材191cの一端部と他端部とが同じ高さとなる水平な状態でペット収容空間300内に設置できる。
ここで、仕切り部9のサークル本体3に対する着脱方法を説明する。
ペット用サークル50の使用者は、仕切り部9をサークル本体3の周壁130に取り付ける際、例えば仕切りパネル19を配置する位置を概ね決めると、仕切り部9をペット用サークル50の上側の開放部分からペット収容空間300内に差し入れる。使用者は、仕切りパネル19の線材191cに取り付けられた下側仕切ジョイント部品93aの周壁線材挿通部940の間隙部942を線材311b上に配置するとともに、下側仕切ジョイント部品93bの周壁線材挿通部940の間隙部942を線材331b上に配置する。また、仕切りパネル19の線材191aに取り付けられた上側仕切ジョイント部品91aの周壁線材挿通部920の間隙部922を線材311a上に配置するとともに、上側仕切ジョイント部品91bの周壁線材挿通部920の間隙部922を線材331a上に配置する。上側仕切ジョイント部品91及び下側仕切ジョイント部品93を配置すると、使用者は仕切り部9をそのまま下方向へ移動させる。上述のように、間隙部922及び間隙部942は線材311及び線材331の外径とほぼ一致している。このため、使用者は、サークル本体3から抵抗を受けずに線材311及び線材331を間隙部922及び間隙部942に差し込むことができる。このように、仕切り部9は容易に周壁130に取り付けられる。
上側仕切ジョイント部品91aは、前面パネル31を形成する縦向きの線材311と交差する箇所を除く線材311a上の任意の位置に取り付けることができる。また、上側仕切ジョイント部品91bは、後面パネル33を形成する縦向きの線材331と交差する箇所を除く線材331a上の任意の位置に取り付けることができる。さらに、下側仕切ジョイント部品93aは、縦向きの線材311と交差する箇所を除く線材311b上の任意の位置に取り付けることができる。また、下側仕切ジョイント部品93bは、縦向きの線材331と交差する箇所を除く線材331b上の任意の位置に取り付けることができる。このように、ペット用サークル50では、ペット収容空間300内における仕切り部9の設置位置の自由度の向上が図られている。
図24に示すように、仕切り部9が周壁130に取付けられると、仕切りパネル19は、左側面パネル35と右側面パネル37との間に配置される。また、仕切りパネル19は、左側面パネル35及び右側面パネル37と平行にペット収容空間300内に配置される。このように、サークル本体3に上側仕切ジョイント部品91及び下側仕切ジョイント部品93を取り付けることで、仕切り部9によってペット収容空間300をペット収容空間300a及びペット収容空間300bの2つの空間に分けることができる。使用者は、2分割したペット収容空間300の一方(例えばペット収容空間300a)をペットの居住空間としてペット用食器等を配置し、他方(例えばペット収容空間300b)をペットのトイレ用空間としてペット用トイレを配置することができる。ペット用食器やペット用トイレは、図24では不図示のトレー1の上面11aに配置される。ペット収容空間300内における仕切り部9の設置位置の自由度が高められているため、使用者は、ペット用のベッドやペット用トイレのサイズに合わせて仕切り部9の設置位置を調整し、居住空間とトイレ用空間の広さの割合を変えることができる。
上側仕切ジョイント部品91aの線材311a上の移動は、隣り合う縦向きの線材311の間隔に制限される。隣り合う縦向きの線材311の間隔は、周壁線材挿通部920の幅より若干長い程度である。このため、上側仕切ジョイント部品91aの前面パネル31の幅方向のずれが防止される。また、上側仕切ジョイント部品91bの線材331a上の移動は、隣り合う縦向きの線材331の間隔に制限される。隣り合う縦向きの線材331の間隔は、周壁線材挿通部920の幅より若干長い程度である。これにより、上側仕切ジョイント部品91bの後面パネル33の幅方向のずれが防止される。さらに、下側仕切ジョイント部品93bの線材331b上の移動は、隣り合う縦向きの線材331の間隔に制限される。隣り合う縦向きの線材331の間隔は、周壁線材挿通部940の幅より若干長い程度である。これにより、下側仕切ジョイント部品93aの後面パネル33の幅方向のずれが防止される。
このように、上側仕切ジョイント部品91及び下側仕切ジョイント部品93のずれが防止されることにより、周壁130に取り付けられた仕切り部9のずれが防止される。このため、ペット収容空間300内に収容されたペットが仕切りパネル19に対して体重を掛ける等しても、仕切り部9が取り付けられた位置から使用者の意に反してずれてしまうことが防止される。
使用者は、仕切り部9をサークル本体3の周壁130から取り外す際、仕切りパネル19の線材191aを掴んで、仕切り部9を上方向に持ち上げる。そうすると、上側仕切ジョイント部品91aの周壁線材挿通部920の間隙部922から線材311aが離脱するとともに、上側仕切ジョイント部品91bの周壁線材挿通部920の間隙部922から線材331aが離脱する。また、これとほぼ同時に、下側仕切ジョイント部品93aの周壁線材挿通部940の間隙部942から線材311bが離脱すとともに、下側仕切ジョイント部品93bの周壁線材挿通部940の間隙部942から線材331bが離脱する。このようにして、仕切り部9は、周壁130から取り外されて、ペット用サークル50の上側の開放部分からペット収容空間300外に取り出される。上述のように、間隙部922及び間隙部942は線材311及び線材331の外径とほぼ一致している。このため、使用者は、サークル本体3から抵抗を受けずに線材311及び線材331から間隙部922及び間隙部942を引き上げることができる。このように、仕切り部9は容易に周壁130から取り外される。
仕切りパネル19の線材191aは、上側仕切ジョイント部品91の爪部915が有する段差面916によって、底面913方向へ押さえられている。また、仕切りパネル19の線材191cは、下側仕切ジョイント部品93の爪部936が有する段差面937と突出壁部933とによって底面934方向へ押さえられている。このため、仕切り部9が周壁130から取り外されるときに、線材191aが上面溝911から上方向に外れたり、線材191cが上面溝931から上方向に外れたりすることはない。したがって、仕切り部9は、上向きに持ち上げるだけで、上側仕切ジョイント部品91及び下側仕切ジョイント部品93が仕切りパネル19に取り付けられた状態のまま周壁130から取り外される。
このように、仕切り部9は、上側仕切ジョイント部品91及び下側仕切ジョイント部品93をそれぞれ個別に周壁130から取り外す必要がないように構成されている。このため、使用者は、短時間で容易に周壁130から仕切り部9を取り外すことができる。また、周壁130から取り外した状態の仕切りパネル19には、上側仕切ジョイント部品91及び下側仕切ジョイント部品93が取り付けられたままの状態となる。このため、使用者は、仕切り部9を周壁130に取り付ける度に上側仕切ジョイント部品91及び下側仕切ジョイント部品93を仕切りパネル19に取り付ける必要がない。これにより、使用者は、取り外された仕切り部9を短時間で容易に周壁130に取り付けることができる。
〔本実施形態の使用態様〕
次に、本実施形態によるペット用サークル50の使用態様について、図25を用いて説明する。
図25(a)は、ペット用サークル50の第1の使用態様を示す図であり、図25(b)はペット用サークル50を第1の使用態様から第2の使用態様に変更する途中の状態を示す図であり、図25(c)は、ペット用サークル50の第2の使用態様を示す図である。
図25(a)に示すペット用サークル50の第1の使用態様において、扉部材80は閉姿勢であり、サークル本体3の開口部315が閉鎖されている。ペット用サークル50の第1の使用態様は、例えば、ペットの飼い主(ペット用サークル50の使用者)の外出中や就寝中等、飼い主がペットから目を離している状況における使用態様である。このため、第1の使用態様では、ペット収容空間300に収容されたペットが自由にペット収容空間300内を移動できることが必要となる。したがって、第1の使用態様では、サークル本体3には仕切り部9が取り付けられておらず、ペット収容空間300は分割されていない。これにより、第1の使用態様ではペット収容空間300に収容されたペットは、ペット収容空間300内を自由に移動してトレー1上に配置されたペット用トイレ500を使用したり、ペット用食器(不図示)内の餌を食べたりすることができる。また、第1の使用態様においては、扉部材80はロック状態となっている。このため、ペット収容空間300に収容されたペットが、飼い主の目の届かない状況下でペット収容空間300外へ出てしまうことはない。
使用者は、外出先からの帰宅後あるいは起床後等ペットに目が届く状態になると、ペット用サークル50の態様を図25(a)に示す第1の使用態様から図25(c)に示す第2の使用態様に変更する。このとき、例えば図25(b)に示すように、扉部材80を非ロック状態にするとともに左扉パネル80aをサークル本体3の左側面パネル35側にスライドさせ、右扉パネル80bを右側面パネル37側にスライドさせる。これにより、扉部材80は、左扉パネル80a及び右扉パネル80bのそれぞれの回動角度が約90度となる半開姿勢を経て、図25(c)に示す開姿勢となる。
また、使用者は、扉部材80を開姿勢にすると、ペット収容空間300内に収容されていたペットを開口部315からペット収容空間300外へ移動させた後、サークル本体3に仕切り部9を取り付ける。これにより、図25(c)に示すように、ペット収容空間300が仕切りパネル19によってペット収容空間300aとペット収容空間300bとに分割される。本例では、ペット収容空間300aを、ペット用食器やベッド等を配置する居住空間とし、ペット収容空間300bを、ペット用トイレを配置するトイレ用空間と仮定する。図25(b)及び図25(c)ではペット用トイレ500の図示は省略している。なお、トイレ用空間においては、ペット用トイレに代えてペットシーツをトレー1上に直接敷設してもよい。上述のようにトレー1には立上部13が設けられているので、ペットシーツ上に排泄された排泄物がトレー1外に広がることが防止される。
図25(c)に示すペット用サークル50の第2の使用態様は、ペットに使用者の目が届く状況において、例えばペットに居住空間とトイレ用空間と分けて使用することを覚えさせるしつけを行うための態様である。このため、第2の使用態様では、仕切りパネル19によってペットの居住空間(ペット収容空間300a)とトイレ用空間(ペット収容空間300b)とが仕切られている。
仕切りパネル19は、サークル本体3の周壁130よりやや低い程度の高さを有している。また、仕切りパネル19の下端部とトレー1との隙間は、ペット用サークル50が収容対象とするペットが通り抜けできない程度の狭さになっている。これにより、ペットは、仕切りパネル19を乗り越えたり、くぐったりすることで居住空間とトイレ用空間とを行き来することはできない。また、第2の使用態様においては、扉部材80は開姿勢であり、サークル本体3の開口部315が長手方向いっぱいまで開放されている。これにより、ペットは、開口部315を通ってペット収容空間300内外を自由に移動できる。したがって、ペットは、開口部315からペット収容空間300外を通って仕切り部9を迂回することで、ペット収容空間300aとペット収容空間300bとを行き来せざるを得ない。これにより、使用者は、ペットに居住空間とトイレ用空間とを分けて使用することを覚えさせることができる。
通常、第2の使用態様においては、扉部材80は図25(c)に示す開姿勢に維持される。扉部材80は折戸構造を有しているため、開姿勢としたときに必要とされるペット用サークル50の手前側のスペースは少なくて済む。これにより、扉部材80の開姿勢を長時間維持しても、ペット用サークル50の設置領域において使用者の移動の邪魔になることがない。また、第2の使用態様においては、開口部315が長手方向いっぱいまで開放されるので、居住空間及びトイレ用空間の清掃が容易であるとともに、居住空間におけるペット用食器の出し入れや、トイレ用空間におけるペット用トイレの清掃やペットシーツの取り換え作業が容易である。また、トレー1は、サークル本体3の下方の隙間からペット用サークル50の手前側に引き出すことができる。このため、トレー1を清掃する場合には、仕切り部9をサークル本体3に取り付けたまま、トレー1をペット収容空間300から取り出すことができる。
〔変形例〕
上記の実施形態では、線材パネルの線材が金属からなる場合について説明した。しかしながら、本発明において、線材は金属に限定されない。線材は、例えば、樹脂製でもよい。このような場合であっても、上記の実施形態の効果と同様の効果を奏する。
また、第2の回動パネル83の線材188の軸部880aに取り付けられた上側摺動キャップ881は、軸部880aに対して回転可能に構成されていてもよい。また、線材188の軸部880bに取り付けられた下側摺動キャップ882は軸部880bに対して回転可能に構成されていてもよい。これにより、上側摺動キャップ881は、上レール312に対してより滑らかに摺動することができ、下側摺動キャップ882は下レール313に対してより滑らかに摺動することができる。
また、支持部材7には、キャスタ機構700の代わりに、所謂、自在キャスタが取付けられてもよい。自在キャスタであれば、車輪の回転方向が旋回するため、キャスタ軸713の支持方向を変更する作業なしでペット用サークル50を幅方向にも奥行き方向にも移動することができる。
また、上記の実施形態では、支持部材7の切欠き部18に回転軸21が取り付けられており、この回転軸21を中心にバックル5を回転させて、バックル5の掛止部53をサークル本体3の周壁130の線材に引っ掛けて止める場合について説明した。しかしながら、本発明において、バックル5の回転軸は支持部材7の側ではなく、周壁130の側にあってもよい。
例えば、バックル5の支持部51は、周壁130が有する複数本の線材のうち、横方向に延びる任意の線材を支持してもよい。そして、この支持部51が支持する線材を中心にバックル5を回転させて、その掛止部53を支持部材7の底面側等に引っ掛けて止めてもよい。このような場合であっても、バックル5は支持部材7とサークル本体3とを固定することができ、上記の実施形態の効果と同様の効果を奏する。
また、上記の実施形態では、扉部材80が折戸構造を有する場合について説明したが、本発明において、扉部材80は折戸構造に限定されない。扉部材80は、例えば、観音開きの構造を有していてもよい。観音開きの構造の場合、扉部材80の構成が折戸構造の場合よりも簡単になり、構成部品の部品点数も減少する。このため、ペット用サークル50の製造コストをさらに低減させることができる。また、扉部材80が観音開きの構造である場合も開口部315を長手方向いっぱいまで開放することが可能であるため、ペット用サークル50内の清掃を容易にすることができる。
<その他>
本発明は、以上に記載した実施形態や変形例に限定されるものではない。当業者の知識に基づいて上記実施形態や変形例に設計の変更等を加えてもよく、また、上記実施形態や変形例を任意に組み合わせてもよく、そのような変更が加えられた態様も本発明の範囲に含まれる。
1 トレー
3 サークル本体
5 バックル
5a 背面
5b 正面
7、7a、7b 支持部材
8a 内側壁面
8b 外側壁面
9 仕切り部
11 底部
11a 上面
11b 底面
13 立上部
15 庇部
17 上面溝
18 切欠き部
19 仕切りパネル
21 回転軸
31 前面パネル
33 後面パネル
35 左側面パネル
37 右側面パネル
40 第1のジョイント部品
41 第1の部品
41a 正面
41b 背面
42 第2の部品
42a 正面
42b 背面
45 コーナージョイント部品
47 扉ジョイント部
50 ペット用サークル
51 支持部
53 掛止部
70 突出部
71 隆起部
80 扉部材
80a 左扉パネル
80b 右扉パネル
81 第1の回動パネル
83 第2の回動パネル
85、85a、85b 回動パネル連結部材
87 ロック部材
91、91a、91b 上側仕切ジョイント部品
93、93a、93b 下側仕切ジョイント部品
130 周壁
170 縦方向溝
181 線材
181a、184a 上辺部
181b、184b 下辺部
181c、184c 連結部
182、183、184、185、186、187、188、 線材
184d ロック軸挿通部
189 基準位置線材
190 凸形状部分
191、191a、191b、191c、193 線材
300、300a、300b ペット収容空間
311、311a、311b 線材
312 上レール
313 下レール
315 開口部
331、331a、331b 線材
351、371 線材
413 第1の溝部
414 第2の溝部
415 係合部
415A 支持部
415B 係合片
416 凸部
423 貫通穴
424 縁部
425 周壁部
426 規制部
427 凹部
500 ペット用トイレ
700、700a、700b キャスタ機構
710 キャスタ
711 車輪部材
713 キャスタ軸
720 キャスタ支持部
723、723a、723b、723c、723d 円弧状切欠
811 上側連結軸
812 下側連結軸
850、850a、850b 連結部材留め具
871 ロック操作部材
871a ロック操作パーツ
871b ロック操作パーツ
871c 軸部材挿通孔
871d パネル線材挿通孔
872 ロック軸部材
880 ねじ
880a、880b 軸部
881 上側摺動キャップ
882 下側摺動キャップ
890 段差
910、930 線材挿通部
911、931 上面溝
912、932 側部開口端
913、934 底面
914、935 孔部
915、936 爪部
916、937 段差面
917a、938a 第1の縦方向切欠き
917b、938b 第2の縦方向切欠き
920、940 周壁線材挿通部
921、941 内面
922、942 間隙部
933 突出壁部
953 突出部
957、967 開口端

Claims (4)

  1. ペットが出入り可能な開口部を有し、前記ペットを収容する空間を形成する周壁と、
    前記開口部が開放状態及び閉鎖状態のいずれかの状態となるように前記周壁に取り付けられる扉部材と、
    対向して配置され前記周壁の下端部の一部を挟んで前記周壁を支持する一対の支持部材と、
    底部と、前記底部の縁部から立ち上がる立上部と、前記立上部の上辺から外側に向かって設けられた庇部とを有し、前記庇部を前記支持部材に支持されて前記空間内に出し入れ自在に収容されるトレーと
    を備え、
    前記一対の支持部材のそれぞれは、前記空間に向かって突出する突出部に、前記トレーが取り出される側の端部に形成され前記周壁に向かって隆起する隆起部を有する
    ペット用サークル。
  2. ペットが出入り可能な開口部を有し、前記ペットを収容する空間を形成する周壁と、
    前記開口部が開放状態及び閉鎖状態のいずれかの状態となるように前記周壁に取り付けられる扉部材と、
    対向して配置され前記周壁の下端部の一部を挟んで前記周壁を支持する一対の支持部材と、
    底部と、前記底部の縁部から立ち上がる立上部と、前記立上部の上辺から外側に向かって設けられた庇部とを有し、前記庇部を前記支持部材に支持されて前記空間内に出し入れ自在に収容されるトレーと
    を備え、
    前記一対の支持部材のそれぞれは、前記トレーを出し入れする際に乗り上げる隆起部を有する
    ペット用サークル。
  3. 前記トレーは、前記周壁の下方で出し入れ自在に支持されている
    請求項1又は2に記載のペット用サークル。
  4. 前記周壁は平面視矩形状をし、
    前記支持部材は、平面視矩形状の前記周壁の短辺に相当する側を支持し、
    前記トレーは、平面視矩形状の前記周壁の一方の長辺側から出し入れ可能に支持される
    請求項3に記載のペット用サークル。
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