JP2020088699A - 走査装置、及び、画像形成装置 - Google Patents

走査装置、及び、画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】メディアの幅全域について浮きの検出を簡素な構成で行うことを目的とする。【解決手段】メディアの一部の領域を照明するライン照明部と、前記メディアの幅方向に並ぶ複数の光検出素子を備え、前記ライン照明部が照明した光を検出する光量検出部と、制御装置と、を備え、前記制御装置は、前記ライン照明部が照明する前記領域を、前記メディアの幅方向全域を照明するように、前記幅方向に移動させるライン照明制御部と、前記ライン照明部が照明する前記領域を移動させる度に、前記光量検出部における、前記ライン照明部が照明した光を検出した光検出素子の位置と対応した、前記メディアにおける領域の位置を推定する照明位置推定部と、前記照明位置推定部によって位置が推定される度に、推定された位置と、前記ライン照明部が照明した領域の位置とから、前記メディアの浮きの高さを算出する演算部と、を備える走査装置。【選択図】図3

Description

本発明は、走査装置、及び、画像形成装置に関する。
帯状に連なるメディア又は枚葉状のメディアに画像を形成するインクジェット画像形成装置において、用紙が折れたり、浮いたりして、用紙がインクジェットのヘッドのノズル面を擦る場合がある。用紙がインクジェットのヘッドのノズル面を擦ることによって、ヘッド故障の頻度の高くなっている。そのような故障を防止するために、用紙の折れや浮きを検知する技術が用いられている。
この技術の一つとして、例えば、特許文献1では、用紙搬送方向にほぼ直角に交差する軸上に投光器、受光器を配置して、記録媒体により検査光が遮られることを検出して、記録媒体の浮き上がりを検出することが知られている。
また、例えば、特許文献2では、用紙がほぼ直線の形状を維持できることを前提に、既知の光像2点間の浮きがない時の距離と撮像した光像2点間の距離から片上がりした時の浮きを検知することが知られている。
しかしながら、特許文献1に開示の従来技術では、ヘッドと用紙との間のギャップは1〜2mm程度で用紙幅が広くなるほどギャップ間距離を構成する構造部品に高い加工精度や材料が求められるという課題があった。また、投・受光タイプの変位センサーに用紙浮きを長い距離で高い精度で検知するためには、センサーが高価になるという課題があった。さらに、用紙浮きを、用紙幅全域のそれぞれの場所において検出することができなかった。
特許文献2に開示の従来技術では、片上がりした時の浮きを検知することはできるが、用紙浮きを、用紙幅全域のそれぞれの場所において1〜2mm以下の精度で検知することが困難であった。
本発明は、上記事情に鑑みて、これを解決するためになされたものであり、メディアの幅全域について浮きの検出を簡素な構成で行うことを目的とする。
開示の技術は、メディアの一部の領域を照明するライン照明部と、前記メディアの幅方向に並ぶ複数の光検出素子を備え、前記ライン照明部が照明した光を検出する光量検出部と、制御装置と、を備え、前記制御装置は、前記ライン照明部が照明する前記領域を、前記メディアの幅方向全域を照明するように、前記幅方向に移動させるライン照明制御部と、前記ライン照明部が照明する前記領域を移動させる度に、前記光量検出部における、前記ライン照明部が照明した光を検出した光検出素子の位置と対応した、前記メディアにおける領域の位置を推定する照明位置推定部と、前記照明位置推定部によって位置が推定される度に、推定された位置と、前記ライン照明部が照明した領域の位置とから、前記メディアの浮きの高さを算出する演算部と、を備える走査装置である。
メディアの幅全域について浮きの検出を簡素な構成で行うことができる。
第1の実施形態に係る画像形成装置の全体構成を示す図である。 第1の実施形態に係る画像形成装置の表面形状検出部の構成を示す図である。 第1の実施形態に係る画像形成装置の制御装置のブロック構成図である。 第1の実施形態に係る画像形成装置の全体処理を示すフローチャートである。 第1の実施形態に係る画像形成装置の表面形状検出処理を示すフローチャートである。 メディアが浮いた場合の測定について説明する図である。 第2の実施形態に係る画像形成装置の表面形状検出部の構成を示す図である。 第3の実施形態に係る画像形成装置の表面形状検出部の構成を示す図である。
以下に図面を参照して本実施形態について説明する。
<第1の実施形態>
図1は、第1の実施形態に係る画像形成装置1の全体構成を示す図である。図1に示す画像形成装置1は、例えば、インクジェット方式の枚葉紙プリンタである。本実施形態に係る画像形成装置1は、枚葉状の用紙(メディア)を用いて画像を形成しているが、用紙(メディア)についてはそれに限らない。例えば、帯状に連なる用紙(メディア)を用いてもよい。
本実施形態に係る画像形成装置1は、吸引ベルト101と、ベルト駆動ローラ102と、表面形状検出部103と、インクジェットヘッド104と、制御装置105と、を備える。なお、枚葉紙P(メディア)は、図1の右側から供給され、左側へ搬送されて排出される。
吸引ベルト101は、枚葉紙Pを吸引することによって保持する。また、吸引ベルト101は、ベルト駆動ローラ102によって、図1において反時計回りに回転する。吸引ベルト101は、枚葉紙Pを吸引しながら回転することによって、枚葉紙Pを図1の右側から左側に搬送する。なお、吸引ベルト101が枚葉紙Pを吸引する面を搬送面という。
ベルト駆動ローラ102は、ベルト駆動モータによって、図1のように反時計まわりに回転される。ベルト駆動ローラ102が回転することによって、吸引ベルト101が回転される。
なお、吸引ベルト101、ベルト駆動ローラ102、ベルト駆動ローラ102を回転させるベルト駆動モータ等は、用紙搬送部60の構成の一例である。
表面形状検出部103は、枚葉紙Pが基準の位置からどれだけ浮いているかを検出する。基準の位置とは、例えば、吸引ベルト101の表面(搬送面)である。表面形状検出部103は、後述するインクジェットヘッド104に対して枚葉紙Pが搬送される用紙の搬送方向の上流側に設けられる。
インクジェットヘッド104は、枚葉紙Pの表面にインクを吐出する装置である。インクジェット部10は、インクジェットヘッド104を備える。インクジェット部10は、インクジェットヘッド104からインクを吐出することによって、枚葉紙Pの表面に画像を形成する。
なお、インクジェット部10は、色別に複数のインクジェットヘッド104を備えるようにしてもよい。また、インクジェットヘッド104は枚葉紙Pの幅方向に複数配列するようにしてもよい。なお、枚葉紙Pの幅方向とは、吸引ベルト101の搬送面に平行で、枚葉紙Pの搬送方向に垂直な方向である。さらに、インクジェットヘッド104からインクを吐出する方法としては、圧電素子によるもの、加熱により気泡を発生させるもの等を採用してもよい。
制御装置105は、画像形成装置1の全体を制御する装置である。制御装置105は、表面形状検出部103やインクジェットヘッド104等を制御する。
なお、第1の実施形態に係る画像形成装置1の表面形状検出部103と制御装置105等は、走査装置2の構成の一例である。
次に、画像形成装置1の画像形成の流れを説明する。ベルト駆動ローラ102の回転によって吸引ベルト101は図1の反時計方向へ回転移動する。吸引ベルト101は枚葉紙Pを吸引することによって保持する。枚葉紙Pは表面形状検出部103の直下を通過後、インクジェットヘッド104へ搬送される。インクジェットヘッド104は、枚葉紙Pがインクジェットヘッド104の直下を通過する際にインクを吐出して画像を形成する。
第1の実施形態に係る画像形成装置1は、表面形状検出部103を備えることで、枚葉紙Pの折れや浮きを検出することができる。表面形状検出部103はインクジェットヘッド104より枚葉紙Pの搬送方向の上流にある。したがって、折れや浮きがある枚葉紙Pをインクジェットヘッド104に搬送される前に、枚葉紙Pの折れや浮きを検出することができる。
このため、枚葉紙Pの折れや浮きを事前に検出できることから、枚葉紙Pの折れや浮きによって枚葉紙Pがインクジェットヘッド104と接触する恐れがある場合、すなわち、接触すると想定された場合に、用紙搬送部60を接触する前に停止することができる。用紙搬送部60を停止することによって、枚葉紙Pがインクジェットヘッド104のノズル面に接触することを防止し、ヘッドの破損を防止することができる。
なお、本実施形態では、「折れ」は浮きの一態様とする。また、本実施形態の「浮き」とは、吸引ベルト101の表面から枚葉紙Pまでの高さ方向の変形を示し、浮きの高さとは、吸引ベルト101の表面から枚葉紙Pまでの距離を示す。なお、吸引ベルト101の表面とは、搬送面であり、後述する基準面である。
次に、第1の実施形態に係る画像形成装置1の表面形状検出部103について説明する。図2は、第1の実施形態に係る画像形成装置1の表面形状検出部103の構成を示す図である。
第1の実施形態に係る画像形成装置1の表面形状検出部103は、ライン照明部20と、光量検出部30と、レンズ光学系40と、を備える。
ライン照明部20は、M個(Mは1以上)の発光素子202を備える。発光素子202は、例えば、LED(Light Emitting Diode)やLD(Laser Diode)等の固体発光素子等である。M個の発光素子202は個々に点灯、消灯が可能である。各発光素子202は、枚葉紙Pの表面の一部の領域を照明することできる。
発光素子202は、枚葉紙Pの表面側に配置して枚葉紙Pの表面を照明する。なお、メディアが光を透過する場合には、メディアの裏面側から照明してもよい。いずれにしても、ライン照明部20は、光量検出部30での受光を阻害しないように配置する。
また、各発光素子202は、必要に応じて各種光学素子を備えてもよい。例えば、発光素子202が発光する光の向きや広がりを調整するためにレンズや絞りを備えてもよい。また、発光素子202の色特性を調整するために、フィルター等を備えてもよい。
ライン照明部20は、複数の発光素子202を幅方向に並べることによって、枚葉紙Pの表面の幅全域を照明可能となっている。
光量検出部30は、M個の光検出素子302を備える。光検出素子302は、例えば、CCD(Charged−coupled device)センサー、CMOS(Complementary metal−oxide−semiconductor)センサー、PIN(P−intrinsic−N)ダイオード等である。光量検出部30の光検出素子302は、後述するレンズ光学系40により結像される枚葉紙Pの表面の光量を検出する。M個の光検出素子302は、それぞれ光検出素子302の検出面に入射する光の量を測定することができる。レンズ光学系40との組み合わせにより、光量検出部30は、複数の光検出素子302を枚葉紙Pの幅方向に並べることによって、枚葉紙Pの表面の幅全域を光量検出可能となっている。
レンズ光学系40は、枚葉紙Pの表面を光量検出部30の検出面に結像する縮小光学系である。ライン照明部20により枚葉紙Pの表面を照明した光は、枚葉紙Pの表面で反射してレンズ光学系40を介して光量検出部30の検出面に集光される。
ライン照明部20と、光量検出部30は、ケース等の構造物によって固定されている。したがって、発光素子202と光検出素子302の位置関係は既知である。例えばライン照明部20のN番目の発光素子202だけを点灯すると、用紙搬送部60(吸引ベルト101)の搬送面(基準面)を照明した場合はN番目の発光素子202に対応する光量検出部30のN番目の光検出素子302の受光強度が最大となる。
次に、第1の実施形態に係る画像形成装置1の機能ブロックについて説明する。図3は、第1の実施形態に係る画像形成装置1の制御装置105のブロック構成図である。
第1の実施形態に係る画像形成装置1の制御装置105は、制御部510と、ライン照明制御部520と、照明位置推定部530と、演算部540と、搬送制御部550と、吐出制御部560と、を備える。
制御部510は、画像形成装置1全体の制御を行う。制御部510が、ライン照明制御部520、照明位置推定部530、演算部540、搬送制御部550、吐出制御部560等に指令を送ることにより、それぞれの部を動作させる。
ライン照明制御部520は、ライン照明部20の発光素子202の点灯/消灯を制御する。ライン照明制御部520は、1番目〜M番目の発光素子202を順に点灯させる。具体的には、ライン照明制御部520は、一つの発光素子202が点灯しているときは、他の発光素子202は消灯するように制御する。ライン照明制御部520は、複数の発光素子202を順に点灯させることによって、ライン照明部20による枚葉紙Pの幅方向全域の照明を可能としている。なお、枚葉紙Pの幅方向を走査方向ということがある。また、それに対応して、枚葉紙Pの搬送方向を副走査方向ということがある。
照明位置推定部530は、光を検出した光量検出部30の光検出素子303に基づいて、ライン照明部20が照明した位置を推定する。照明位置推定部530は、光量検出部30から、各光検出素子302の光量を取得する。照明位置推定部530は、取得した光検出素子302が受光した光量を比較する。そして、照明位置推定部530は、受光した光の強度が一番大きい光検出素子302を、光を検出した光検出素子302として検出する。
前述のように、発光素子202に対応する光検出素子302の位置関係は既知である。したがって、照明位置推定部530は、当該受光した光の強度が一番大きい光検出素子302に対応する発光素子202が照明する領域の位置を、ライン照明部20が照明した領域の位置として推定する。
演算部540は、枚葉紙Pの浮きの高さを算出する。演算部540は、ライン照明部20が照明した基準面の位置と、照明位置推定部530によって推定された枚葉紙Pの表面の位置との距離を用いて、枚葉紙Pの浮きの高さ(基準面から枚葉紙Pまでの距離)を算出する。具体的な計算については後の段落で説明する。
搬送制御部550は、枚葉紙Pの搬送を制御する。具体的には、用紙搬送部60のベルト駆動ローラ102を回転させるベルト駆動モータを制御する。
吐出制御部560は、インクジェットヘッド104を制御する。具体的には、枚葉紙Pの表面に形成する文字や画像に応じて、インクジェットヘッド104から吐出するインクの量やインクを吐出するタイミング等を制御する。
次に、第1の実施形態に係る画像形成装置1の全体処理について説明する。
図4は、第1の実施形態に係る画像形成装置1の全体処理を示すフローチャートである。
最初に、枚葉紙Pは図1における用紙搬送部60の左端部に供給されている状態であるとする。
ステップS10:画像形成装置1の制御部510は、搬送制御部550に枚葉紙Pを表面形状検出部103の検出エリアまで移動するように指示する。搬送制御部550は、制御部510からの指示を受けて用紙搬送部60に枚葉紙Pを表面形状検出部103の検出エリアまで移動させる。表面形状検出部103の検出エリアとは、表面形状検出部103が枚葉紙Pの浮きを検出可能なエリアである。具体的には、ライン照明部20が照明可能なエリアである。いいかえれば、ライン照明部20が照射した光が枚葉紙Pによって反射された光を光量検出部30で検出可能なエリアである。
ステップS20:画像形成装置1は、表面形状検出処理を行う。表面形状検出処理の詳細については後の段落で説明する。画像形成装置1は、表面形状検出処理を行うことによって、枚葉紙Pの幅方向全域で、枚葉紙Pの浮きや折れ、でこぼこ等を検出する。
ステップS30:画像形成装置1の制御部510は、ステップS20の表面形状検出処理の結果より、枚葉紙Pがインクジェットヘッド104に接触する可能性があるかどうか判断する。接触する可能性がない場合は、ステップS40に進む。接触する可能性がある場合は、ステップS80に進む。
ステップS40:画像形成装置1の制御部510は、搬送制御部550に枚葉紙Pを所定の距離移動するように指示する。所定の距離とは、吐出制御部560で印字する際に紙送りの距離等である。搬送制御部550は、制御部510からの指示を受けて枚葉紙Pを所定の距離だけ移動させる。ステップS20での判断結果から、枚葉紙Pが移動しても、インクジェットヘッド104に枚葉紙Pが接触することはない。
ステップS50:画像形成装置1の制御部510は、吐出制御部560に印字又は描画するように指示する。吐出制御部560は、制御部510からの指示を受けて、インクジェットヘッド104からインクを吐出して印字や描画を行う。
ステップS60:画像形成装置1の制御部510は、印字する範囲が終了したかどうかを判断する。印字範囲が終了した場合は、ステップS70に進む。印字範囲がまだ残っている場合は、ステップS20に戻って処理を繰り返す。
このように、処理を繰り返すことによって、枚葉紙Pの幅方向全域での浮きや折れ、でこぼこ等の検出を実施すると共に、メディアが搬送される度に処理を繰り返して行うことができる。
ステップS70:ステップS60で印字範囲が終了したと判断した場合は、画像形成装置1の制御部510は、搬送制御部550に枚葉紙Pを画像形成装置1の吐出制御部560から排出するように指示する。搬送制御部550は、制御部510の指示を受けて、枚葉紙Pを画像形成装置1の搬出先、例えば、排紙トレイに排出させる。
ステップS80:ステップS30で枚葉紙Pがインクジェットヘッド104に接触する可能性があると判断した場合は、画像形成装置1の制御部510は、搬送制御部550に緊急停止するように指示する。搬送制御部550は、用紙搬送部60に枚葉紙Pの搬送を停止させる。そして、処理を終了する。そのように緊急停止させることから、第1の実施形態に係る画像形成装置1は、枚葉紙Pがインクジェットヘッド104に接触する可能性がある場合には、インクジェットヘッド104の方に枚葉紙Pを移動しない。
以上のような処理によって、枚葉紙Pがインクジェットヘッド104に接触することを防止することができる。また、枚葉紙Pがインクジェットヘッド104に接触することによる故障を防止することができる。
なお、枚葉紙Pがインクジェットヘッド104に接触する可能性がある場合には、インクジェットヘッド104を枚葉紙Pが接触しない場所に待避するようにして、枚葉紙Pの接触を防止してもよい。また、画像形成装置1から表示や音により警告するようにしてもよい。
次に、表面形状検出処理について説明する。
図5は、第1の実施形態に係る画像形成装置1の表面形状検出処理を示すフローチャートである。
第1の実施形態に係る画像形成装置1の表面形状検出処理では、ライン照明制御部520は、ライン照明部20の1番目の発光素子202からM番目の発光素子202まで順に点灯する。次に、照明位置推定部530がそれぞれの発光素子202を点灯させた時の光検出素子302で検出した光量を取得して、ライン照明部20が照明した発光素子202を推定する。そして、推定したライン照明部20が照明した位置から枚葉紙Pの基準面からの距離を算出する。
以下の説明では、i番目の発光素子202を点灯する場合について説明する。
ステップS110:画像形成装置1の制御部510は、ライン照明制御部520に点灯するように指示する。ライン照明制御部520は、制御部510の指示を受けて、ライン照明部20の発光素子202を順番に点灯させる。ここでは、ライン照明制御部520は、ライン照明部20のi番目の発光素子202を点灯させる。なお、i番目以外の発光素子202は消灯させる。
ライン照明部20のi番目の発光素子202が点灯させることよって、枚葉紙Pの表面の一部が照明される。
ステップS120:画像形成装置1の制御部510は、照明位置推定部530にライン照明部20によって照明された領域の位置を推定するように指示する。照明位置推定部530は、制御部510の指示を受けて、ライン照明部20が照明した位置を推定する。
具体的には、光量検出部30の中で受光した光量の一番大きい光検出素子302を検出する。当該光検出素子302に対応する発光素子202によって照明される位置を、ライン照明部20が照明した位置として推定する。当該推定した位置が、光量検出部30における、ライン照明部20が照明した光を検出した光検出素子302の位置と対応した、枚葉紙Pにおける領域の位置である。
ここで、図6を用いて基準面(用紙搬送部60(吸引ベルト101)の搬送面)から距離Hの位置に枚葉紙Pの表面がある場合に、光量検出部30でどのように検出されるかについて説明する。図6は、枚葉紙P(メディア)が浮いた場合の測定について説明する図である。
基準面である用紙搬送部60(吸引ベルト101)の搬送面を位置PosA、枚葉紙Pが搬送面から光量検出部30側に距離H浮いた場合の表面の位置を位置PosBとする。
基準面である搬送面をi番目の発光素子202で照明した場合に、上述のように、i番目の発光素子202に対応する光量検出部30のi番目の光検出素子302で受光する光の量が最大となる。したがって、照明位置推定部530は、i番目の光検出素子302に対応するi番目の発光素子202によって照明された位置を、ライン照明部20が照明した位置として推定する。
次に、枚葉紙Pの表面が位置PosBにあるとする。位置PosBにある場合、以下のように、位置PosAにある場合と比較して外側にずれた位置を発光素子202で照明された位置として照明位置推定部530は推定する。
枚葉紙Pの表面が位置PosBにある時は、照明されている領域がレンズ光学系40側に移動するため、照明しているi番目の発光素子202に対応するi番目の光検出素子302より外側の光検出素子302が検出する光が最大となる。図6の場合はi+1番目の光検出素子302が検出する光が最大となる。したがって、照明位置推定部530は、i+1番目の光検出素子302に対応するi+1番目の発光素子202によって照明された位置を、ライン照明部20が照明した位置として推定する。
なお、搬送面を発光素子202が照明した場合は、光量検出部30のi+1番目の光検出素子302が検出する光が最大となるのは、ライン照明部20はi+1番目の発光素子202を点灯した時である。
ステップS130:画像形成装置1の演算部540は、照明位置推定部530で検出した位置より、枚葉紙Pの、基準面からの距離を算出する。上述のように、枚葉紙Pの表面の位置によって、照明位置推定部530の推定結果は異なる。第1の実施形態に係る画像形成装置1(走査装置2)では、以下のステップS130により照明位置推定部530の推定結果の違いを用いて、枚葉紙Pの、基準面からの距離を算出する。
レンズ光学系40の中心から、点灯しているi番目の発光素子202までの距離をL、点灯しているi番目の発光素子202が照明した位置と照明位置推定部530により推定したライン照明部20の発光素子202(ここでは、i+1番目の発光素子202)が点灯して照明したと推定する位置との距離をx、枚葉紙Pの基準面からの距離をH、レンズ光学系40から位置PosAまでの距離をaとすると、数1より枚葉紙Pの基準面からの距離Hを算出することができる。
Figure 2020088699
第1の実施形態に係る画像形成装置1のライン照明制御部520は、ライン照明部20の発光素子202を1、2、3、・・・、Mの順に点灯させるように制御する。それぞれの発光素子202を点灯させているときに光量検出部30が光を検出する位置から枚葉紙Pの幅方向全域に渡って各箇所の基準面からの距離を検出する。それによって、枚葉紙Pの幅全域で、枚葉紙Pの基準面からの距離を検出することができる。
例えば、L=152mm,a=268mmとして、レンズ光学系40及び光量検出部30により枚葉紙Pの表面を600dpi(dots per inch)の解像度で読み取り可能であるとする。点灯した発光素子202に相当する既知の光量検出部30の位置に対し中心から外側へ2画素分の位置で光を検出した場合、枚葉紙Pの基準面からの距離Hは数2のよう求めることができる。
Figure 2020088699
なお、第1の実施形態に係る画像形成装置1では、1番目から順番に発光素子202を点灯させたが、点灯させる順番については、番号の大きい方から順番に点灯してもよいし、ランダムに点灯させてもよい。
また、第1の実施形態に係る画像形成装置1の照明位置推定部530は、受光した光量の一番大きい光検出素子302に対応する発光素子202の位置から推定しているが、推定方法はそれに限らない。例えば、光量検出部30が受光した光量分布等から、発光素子202の間を補間して推定してもよい。
上述のように、第1の実施形態に係る画像形成装置1は、ライン照明部20により枚葉紙Pの表面の一部の領域を照明して、照明位置推定部530で照明された位置を推定することによって、枚葉紙Pの基準面からの距離を検出することができる。また、ライン照明部20により枚葉紙Pの表面の一部の領域を幅全域に移動させることによって、幅全域の各場所において枚葉紙Pの基準面からの距離を検出することができる。
<第2の実施形態>
次に、第2の実施形態について説明する。
図7は、第2の実施形態に係る画像形成装置1の表面形状検出部103の構成を示す図である。
第2の実施形態に係る画像形成装置では、複数の発光素子202を備えるライン照明部20に換えて、走査光学系によるライン照明部25を用いる。
ライン照明部25は、レーザー光源251と、多面体ミラー252と、fΘレンズ253と、を備える。また、ライン照明部25は、BD(Beam Detect)センサー254と、駆動部255と、を備える。
レーザー光源251は、例えば、半導体レーザー等のレーザー光源である。レーザー光源251は、多面体ミラー252に向けてレーザー光を出射する。
多面体ミラー252は、複数の反射面を有するミラーである。多面体ミラー252は、一定の回転速度で回転する。レーザー光源251から入射したレーザー光は、多面体ミラー252の反射面で反射して、fΘレンズ253に出射する。多面体ミラー252は回転しながらレーザー光を反射することによって、レーザー光を走査する。レーザー光の走査する方向は、枚葉紙Pの幅方向である。
fΘレンズ253は、多面体ミラー252により走査されたレーザー光を枚葉紙Pの表面に垂直に入射するように変換するレンズである。
BDセンサー254は、レーザー光の走査位置を検知するためのセンサーである。
駆動部255は、レーザー光源251をOn/Offすることによって、レーザー光を点滅させるようにレーザー光源251を駆動する装置である。駆動部255は、BDセンサー254がレーザー光を検知するタイミングを起点に枚葉紙Pの幅方向に走査する間にM回のレーザー光をOn/Offする。駆動部255は、点滅装置の一例である。
ライン照明部25は、1回のレーザー光の点灯で、枚葉紙Pの表面の一部の領域にレーザー光を照射することができる。そして、枚葉紙Pの幅方向に走査する間に、M回のレーザー光の点滅を行いながら、ライン照明部25は枚葉紙Pの表面の幅全域を照明可能となっている。
枚葉紙Pの表面に照射されたレーザー光は枚葉紙Pの表面で反射されて、レンズ光学系40を介して光量検出部30に集光される。
枚葉紙Pの基準面からの距離の演算方法については、第1の実施形態と同じ演算方法を用いることができる。
ライン照明部25のようにレーザー光源の走査方式を採用することによって、微小な部位を、高速に照明することが可能である。また、微小な部位の表面形状を高速に検出可能である。
<第3の実施形態>
次に第3の実施形態について説明する。
最初に、レンズ光学系40の中心における用紙の浮きの検出について説明する。レンズ光学系40の中心からライン照明部20のi番目の発光素子202までの距離をL、ライン照明部20で点灯したi番目の発光素子202と光量検出部30により求めた点灯した判断した発光素子202との距離をx、枚葉紙Pの基準面からの距離をH、レンズ光学系40から位置PosAまでの距離をaとすると、数3のような関係となる。
Figure 2020088699
ここでL=0、すなわち、レンズ光学系の中心位置ではHの値にかかわらずxが0となり、原稿浮きを検知することができない。第3の実施形態に係る画像処理装置の表面形状検出部では、レンズ光学系の中心位置でも原稿浮きを検出できるようにする。
図8は、第3の実施形態に係る画像形成装置の表面形状検出部の構成を示す図である。第3の実施形態に係る画像形成装置は、ライン照明部22と、光量検出部31、32と、レンズ光学系41、42を備える。光量検出部31及びレンズ光学系41の右側に隣接して、光量検出部32及びレンズ光学系42が配置されている。
ライン照明部22は、複数の発光素子202を備える。複数の発光素子202を幅方向に並べることによって、ライン照明部22は枚葉紙Pの表面の幅全域を照明可能となっている。
光量検出部31、32は、第1の実施形態に係る光量検出部30と構成は同じである。第3の実施形態に係る画像形成装置は、光量検出部を複数備える。
レンズ光学系41は、枚葉紙Pの表面を光量検出部31の検出面に結像する縮小光学系である。レンズ光学系42は、枚葉紙Pの表面を光量検出部32の検出面に結像する縮小光学系である。第3の実施形態に係る画像形成装置は、各光量検出部に対応するレンズ光学系を複数備える。
光量検出部31、32と、レンズ光学系41、42の配置について説明する。なお、光量検出部31の検出範囲とは、基準面(搬送面)におけるレンズ光学系41により光量検出部31の検出面に結像される範囲である。光量検出部32の検出範囲とは、基準面(搬送面)におけるレンズ光学系42により光量検出部31の検出面に結像される範囲である。
光量検出部31は、光量検出部31の検出範囲の右端が隣接するレンズ光学系42の中心になるように配置する。光量検出部32は、光量検出部32の検出範囲の左端が隣接するレンズ光学系41の中心になるように配置する。このように位置することによって、光量検出部31の中央から右の片側の検出範囲は、光量検出部32の中央から左の片側の検出範囲と重なっている。
複数の発光素子202から構成されたライン照明部22により、枚葉紙Pの表面を幅方向に光を照射した時の反射光を、光量検出部31、32で検出するものとする。
光量検出部31と32の各々の画像のシフト量x1とx2として、それぞれのレンズ中心からの距離をL1、L2、レンズ光学系41、42から枚葉紙Pの表面までの距離をa1、a2とすると、式4、5のようになる。
Figure 2020088699
Figure 2020088699
枚葉紙Pからレンズ光学系41、42までの距離は同じ距離となるので、
Figure 2020088699
となる。
また、レンズ光学系41、42のレンズ光学系の中心間の距離をLとすると、
Figure 2020088699
となる。
同じ場所を測定していることから、
Figure 2020088699
となる。
以上の式をまとめると、画像のシフト量x1+x2は、
Figure 2020088699
となる。
したがって、検出位置がレンズ光学系41、42のレンズ中心からの距離によらず数10に基づいて枚葉紙Pの基準面からの距離Hを検出することができる。
Figure 2020088699
このように、第3の実施形態に係る画像形成装置では、レンズ光学系の中心位置でも原稿浮きを検知することができる。また、用紙幅が広がっても光量検出部を増やすことによって、検出範囲を拡張することができる。さらに、同一部品を増やす方法で拡張できるので開発負担を小さくすることができる。
なお、第3の実施形態に係る画像形成装置では、ライン照明部として、複数の発光素子202を備えるライン照明部22を採用しているが、ライン照明部25のような走査光学系によるライン照明部を採用してもよい。
本実施形態に係る走査装置、画像形成装置により、浮きの検出を簡素な構成で行うことができる。また、メディアの用紙浮きを用紙幅全域の各場所において検出することができる。さらに、用紙の浮きを検出することによって、画像形成装置において、インクジェットヘッドのノズル面を用紙が擦ることを防止して、故障することを防止することができる。
また、メディアの用紙浮きを用紙幅全域の各場所において検出することができることから、画像を形成する際に、その浮きの量を用いて補正を行うことも可能である。
1 画像形成装置
2 走査装置
10 インクジェット部
104 インクジェットヘッド
105 制御装置
20 ライン照明部
22 ライン照明部
25 ライン照明部
202 発光素子
251 レーザー光源
252 多面体ミラー
253 fΘレンズ
254 BDセンサー
255 駆動部(点滅装置)
30 光量検出部
31 光量検出部
32 光量検出部
302 光検出素子
40 レンズ光学系
41 レンズ光学系
42 レンズ光学系
60 用紙搬送部
510 制御部
520 ライン照明制御部
530 照明位置推定部
540 演算部
550 搬送制御部
560 吐出制御部
P 枚葉紙(メディア)
特許第5283483号公報 特開2009−124365号公報

Claims (7)

  1. メディアの一部の領域を照明するライン照明部と、
    前記メディアの幅方向に並ぶ複数の光検出素子を備え、前記ライン照明部が照明した光を検出する光量検出部と、
    制御装置と、を備え、
    前記制御装置は、
    前記ライン照明部が照明する前記領域を、前記メディアの幅方向全域を照明するように、前記幅方向に移動させるライン照明制御部と、
    前記ライン照明部が照明する前記領域を移動させる度に、前記光量検出部における、前記ライン照明部が照明した光を検出した光検出素子の位置と対応した、前記メディアにおける領域の位置を推定する照明位置推定部と、
    前記照明位置推定部によって位置が推定される度に、推定された位置と、前記ライン照明部が照明した領域の位置とから、前記メディアの浮きの高さを算出する演算部と、を備えること
    を特徴とする走査装置。
  2. 前記制御装置は、前記メディアが搬送される度に前記メディアの浮きの高さを実施すること
    を特徴とする請求項1に記載の走査装置。
  3. 前記ライン照明部が照明する前記領域を前記光検出素子の検出面に結像するレンズ光学系をさらに備え、
    前記演算部は、前記レンズ光学系から、基準となる面までの距離をさらに用いて、前記メディアの浮きの高さを算出すること
    を特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載の走査装置。
  4. 前記ライン照明部は、複数の発光素子を備えること
    を特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の走査装置。
  5. 前記ライン照明部は、
    1つ以上のレーザー光源と、
    前記レーザー光源をOn/Offする点滅装置と、
    一定の速度で回転する前記メディアの前記幅方向へレーザー光を走査する多面体ミラーと、
    前記多面体ミラーが走査したレーザー光を前記メディアに垂直なレーザー光にするfΘレンズと、
    を備えること
    を特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の走査装置。
  6. 前記光量検出部を複数備え、
    前記光量検出部の中央から片側の検出範囲は、隣接する光量検出部の中央から片側の検出範囲と重なっていること
    を特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の走査装置。
  7. 帯状に連なるメディア又は枚葉状のメディアに画像形成を行うインクジェットヘッドを備えるインクジェット部と、
    前記インクジェットヘッドの直下に前記メディアを搬送する用紙搬送部と、
    前記メディアの一部の領域を照明するライン照明部と、
    前記メディアの幅方向に並ぶ複数の光検出素子を備え、前記ライン照明部が照明した光を検出する光量検出部と、
    制御装置と、
    を備え、
    前記ライン照明部及び前記光量検出部は、前記インクジェットヘッドより前記メディアの搬送方向の上流に位置し、
    前記制御装置は、
    前記ライン照明部が照明する前記領域を、前記メディアの幅方向全域を照明するように、前記幅方向に移動させるライン照明制御部と、
    前記ライン照明部が照明する前記領域を移動させる度に、前記光量検出部における、前記ライン照明部が照明した光を検出した光検出素子の位置と対応した、前記メディアにおける領域の位置を推定する照明位置推定部と、
    前記照明位置推定部によって位置が推定される度に、推定された位置と、前記ライン照明部が照明した領域の位置とから、前記メディアの浮きの高さを算出する演算部と、
    前記演算部が算出した前記メディアの浮きの高さより、前記メディアが前記インクジェットヘッドと接触することが想定された時に、前記用紙搬送部に前記メディアの搬送を停止させる搬送制御部と、を備えること
    を特徴とする画像形成装置。
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