JP2020088121A - 多層基板の製造方法及び多層基板 - Google Patents

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Abstract

【課題】 配線パターンの電気特性及び剛性が高く、配線パターンと絶縁層との密着性が高く、高密度化及び高多層化が容易である多層基板の製造方法を提供すること。【解決手段】 セラミック材料を含む導電性ペーストが表面及び内部に所定形状に形成された、空洞形成材料を含む空洞形成用シートが、支持用セラミックグリーンシートで挟まれるように積層された積層体を準備する積層体準備工程と、上記積層体を焼成することによって、上記支持用セラミックグリーンシートを支持用セラミックシートとし、さらに上記空洞形成材料を焼失させて上記支持用セラミックシートの間に空洞を形成して空洞を有する基板を得る焼成工程と、上記空洞に樹脂材料を充填して、上記樹脂材料を硬化させることにより、上記支持用セラミックシートの間に樹脂層を形成する樹脂層形成工程と、上記支持用セラミックシートを上記樹脂層の表面から除去する除去工程と、を備えることを特徴とする多層基板の製造方法。【選択図】 図1

Description

本発明は、多層基板の製造方法及び多層基板に関する。
スマートフォンなどの移動体通信において通信周波数帯の高周波化に伴い、移動体通信モジュール基板には高速化と低伝送損失が要求されている。
特許文献1は、伝送特性を向上させるために、ランドを介さずにビア同士を接続した多層プリント配線板を開示している。また特許文献2は、熱伝達性と絶縁信頼性を高めた、コア層とビルドアップ層とを有する多層プリント配線基板を開示している。
特開2004−311870号公報 特開2013−89745号公報
しかしながら、特許文献1に記載された多層基板は、導体及び層間接続ビアが銅粉末の焼結体又は銅めっきで構成されているため、剛性に乏しく変形しやすいという問題があった。さらに、特許文献1に記載された多層基板では、絶縁層を構成する樹脂が焼失しない温度で導電性ペーストを焼成することによって配線及び層間接続ビアを形成しているため、配線及び層間接続ビアの表面の平滑性が乏しく、電気特性が安定しないという問題があった。
一方、特許文献2に記載された多層基板では、導体パターンである銅箔と絶縁層との密着性を向上させるために行う銅箔表面の粗化によって、電気特性が悪化してしまうという問題があった。さらに、特許文献2に記載された多層基板では、ビルドアップ工法によってビルドアップ層を作製しているが、ビルドアップ工法はリードタイムが長く製造コストの抑制が難しいという課題があった。加えて、ビルドアップ工法は、積層数に応じて工程数が増加するため、高多層化が難しいという課題があった。さらに、特許文献2に記載の多層基板では、層間接続ビア同士をランドで接続する必要があり、配線の高密度化が困難であった。
本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、配線パターンの電気特性が良好で剛性が高く、配線パターンと絶縁層との密着性が高く、高密度化及び高多層化が容易である多層基板の製造方法を提供することを目的とする。
また本発明は、配線パターンの電気特性及び剛性が高く、配線パターンと絶縁層との密着性が高く、高密度化及び高多層化が容易である多層基板を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の多層基板の製造方法の第一実施形態は、セラミック材料を含む導電性ペーストが表面及び内部に所定形状に形成された、空洞形成材料を含む空洞形成用シートが、支持用セラミックグリーンシートで挟まれるように積層された積層体を準備する積層体準備工程と、上記積層体を焼成することによって、上記支持用セラミックグリーンシートを支持用セラミックシートとし、さらに上記空洞形成材料を焼失させて上記支持用セラミックシートの間に空洞を形成して空洞を有する基板を得る焼成工程と、上記空洞に樹脂材料を充填して、上記樹脂材料を硬化させることにより、上記支持用セラミックシートの間に樹脂層を形成する樹脂層形成工程と、上記支持用セラミックシートを上記樹脂層の表面から除去する除去工程と、を備えることを特徴とする。
また、本発明の多層基板の製造方法の第二実施形態は、セラミック材料を含む導電性ペーストが表面及び内部に所定形状に形成された、空洞形成材料を含む空洞形成用シートが、支持用セラミックグリーンシート及び未焼結の第1セラミック材料を含む第1セラミックグリーンシートで挟まれるように積層された積層体を準備する積層体準備工程と、上記積層体を焼成することによって、上記支持用セラミックグリーンシートを支持用セラミックシートとし、上記未焼結の第1セラミック材料を焼結させて上記第1セラミックグリーンシートを第1セラミック層とし、さらに上記空洞形成材料を焼失させて前記支持用セラミックシートと上記第1セラミック層の間に空洞を形成して空洞を有する基板を得る焼成工程と、上記空洞に樹脂材料を充填して、上記樹脂材料を硬化させることにより、上記支持用セラミックシートと上記第1セラミック層の間に樹脂層を形成する樹脂層形成工程と、上記支持用セラミックシートを上記樹脂層の表面から除去する除去工程と、を備えることを特徴とする。
本発明の多層基板の第一実施形態は、樹脂層を含む多層基板であって、上記樹脂層には、配線導体及び貫通導体が設けられており、上記配線導体及び上記貫通導体はいずれも、セラミック材料を含んでおり、上記樹脂層の表面に露出する上記貫通導体は、上記樹脂層の表面に露出していない上記貫通導体と比較して、ガラス成分が多いことを特徴とする。
本発明の多層基板の第二実施形態は、樹脂層及び第1セラミック層を含む多層基板であって、上記樹脂層には、配線導体及び貫通導体が設けられており、上記配線導体及び上記貫通導体はいずれも、セラミック材料を含んでおり、上記樹脂層の表面に露出する上記貫通導体は、上記樹脂層の表面に露出していない上記貫通導体と比較して、ガラス成分が多いことを特徴とする。
本発明によれば、配線パターンの電気特性及び剛性が高く、配線パターンと絶縁層との密着性が高く、高密度化及び高多層化が容易である多層基板の製造方法を提供することができる。
図1(a)〜図1(f)は、本発明の多層基板の製造方法の第一実施形態の一例を模式的に示す断面図である。 図2(a)〜図2(f)は、本発明の多層基板の製造方法の第一実施形態の別の一例を模式的に示す図である。 図3(a)〜図3(c)は、本発明の多層基板の製造方法の第二実施形態の一例を模式的に示す断面図である。 図4(a)〜図4(c)は、本発明の多層基板の製造方法の第二実施形態の一例を模式的に示す断面図である。 図5(a)〜図5(d)は、本発明の多層基板の製造方法の第二実施形態の別の一例を模式的に示す断面図である。 図6(a)〜図6(c)は、本発明の多層基板の製造方法の第二実施形態の別の一例を模式的に示す断面図である。 図7は、本発明の多層基板の第一実施形態の一例を模式的に示す断面図である。 図8は、本発明の多層基板の第一実施形態の別の一例を模式的に示す断面図である。 図9は、本発明の多層基板の第二実施形態の一例を模式的に示す断面図である。 図10は、本発明の多層基板の第二実施形態の別の一例を模式的に示す断面図である。
以下、本発明の多層基板及びその製造方法について説明する。
しかしながら、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において適宜変更して適用することができる。なお、以下において記載する個々の望ましい構成を2つ以上組み合わせたものもまた本発明である。
<多層基板の製造方法>
(第一実施形態)
本発明の多層基板の製造方法の第一実施形態は、セラミック材料を含む導電性ペーストが表面及び内部に所定形状に形成された、空洞形成材料を含む空洞形成用シートが、支持用セラミックグリーンシートで挟まれるように積層された積層体を準備する積層体準備工程と、上記積層体を焼成することによって、上記支持用セラミックグリーンシートを支持用セラミックシートとし、さらに上記空洞形成材料を焼失させて上記支持用セラミックシートの間に空洞を形成して空洞を有する基板を得る焼成工程と、上記空洞に樹脂材料を充填して、上記樹脂材料を硬化させることにより、上記支持用セラミックシートの間に樹脂層を形成する樹脂層形成工程と、上記支持用セラミックシートを上記樹脂層の表面から除去する除去工程と、を備えることを特徴とする。
導電性ペーストは、空洞形成用シートの表面にパターン形成された配線導体形成用ペーストと、空洞形成用シートの貫通孔に充填された貫通導体形成用ペーストとを含むことが好ましい。
焼成工程によって、配線導体形成用ペーストは配線導体となり、貫通導体形成用ペーストは貫通導体となる。
本発明の多層基板の製造方法の第一実施形態では、導電性ペーストがセラミック材料を含むため、剛性が高く変形しにくい配線導体及び貫通導体を得ることができる。
また、本発明の多層基板の製造方法の第一実施形態では、導電性ペーストを焼成した後に樹脂層を形成するため、樹脂が分解するような温度、例えば900℃以上の温度で導電性ペーストを焼成することができる。そのため、表面が平滑で電気特性に優れる配線導体、及び、比抵抗の低い貫通導体を得ることができる。
また、本発明の多層基板の製造方法の第一実施形態では、空洞形成用シートに形成された導電性ペーストが同時に焼成されるため、貫通導体と配線導体との接触性、貫通導体同士の接触性が良好となる。特に、空洞形成用シートが複数枚積層されていた場合には、直列する貫通導体同士の接触性が高いため、貫通導体間にランドやパッドを設ける必要がなく、高密度配線を形成しやすい。
さらに、本発明の多層基板の製造方法の第一実施形態では、積層体準備工程の後に、さらにシートを積層して焼成するといった工程が存在しないため、製造工程におけるリードタイムを短くして、製造コストを抑制することができる。さらに、積層数が増加しても工程数がほとんど増加しないため、多層化も容易である。
本発明の多層基板の製造方法の第一実施形態の一例について、図1(a)〜図1(f)を参照しながら説明する。
図1(a)〜図1(f)は、本発明の多層基板の製造方法の第一実施形態の一例を模式的に示す断面図である。
まず、図1(a)に示すように、空洞形成用シート100を準備する。
空洞形成用シート100は、シート状の空洞形成材料110と、導電性ペースト120及び130からなる。空洞形成用シート100の貫通孔を充填している導電性ペースト120は、層間接続用の貫通導体形成用ペーストであり、空洞形成用シート100の表面に形成された導電性ペースト130は、配線パターンとなる配線導体形成用ペーストである。
空洞形成用シートは、後の焼成工程で焼失し、その存在していた部分に空洞を形成するための材料である空洞形成材料からなり、導電性ペーストがその表面及び内部に所定形状に形成されたシートである。
空洞形成材料は、空洞形成用シート中の貫通導体形成用ペーストの焼結開始温度での1時間の焼成による重量減少率が10%以下であり、焼成工程における焼成温度での1時間の焼成による重量減少率が99%以上である材料であることが好ましい。
また、空洞形成材料は、焼成温度(800℃以上、1000℃以下であることが好ましい)以下の温度で焼失する材料であることが好ましく、具体的には850℃以上、950℃以下の温度で焼失する材料であることが好ましい。
空洞形成材料としては、カーボンが好ましく、カーボンシートを空洞形成用シートとして好ましく使用することができる。
カーボンシートは、カーボンに有機バインダ、溶剤及び可塑剤を加えて混合粉砕してスラリーを得て、得られたスラリーをドクターブレード法によって基材フィルム上にシート状に成形し、乾燥させることによって得ることができる。
空洞形成用シートの厚さは焼成工程後に形成する予定の空洞の厚さに合わせて適宜設定すればよく、5μm以上、100μm以下とすることが好ましい。また、5μm以上、50μm以下とすることがより好ましい。
また、市販のカーボンシート(グラファイトシート)を用いることもできる。
有機バインダとしては、例えば、ブチラール樹脂(ポリビニルブチラール)、アクリル樹脂、メタクリル樹脂等を用いることができる。溶剤としては、例えば、トルエン、イソプロピレンアルコール等のアルコール等を用いることができる。可塑剤としては、例えば、ジ−n−ブチルフタレート等を用いることができる。
空洞形成用シートには、レーザーやメカパンチにより貫通孔を形成し、貫通孔に導電性ペーストを充填する。また、スクリーン印刷等の方法により導電性ペーストを用いて配線や電極を空洞形成用シート上に形成する。貫通孔に充填された導電性ペーストは貫通導体形成用ペーストであり、空洞形成用シートの表面に形成された導電性ペーストは配線導体形成用ペーストである。
導電性ペーストは、金属材料とセラミック材料を含む。
金属材料としては、金、銀及び銅から選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましく、銀又は銅を含むことがより好ましい。金、銀及び銅は、低抵抗であるため、特に、複合基板が高周波用途である場合に適している。
導電性ペーストには、溶剤、有機バインダ等が含まれることが好ましい。
また、導電性ペースト中には、焼成後の導体に含まれる金属材料の割合が40重量%以上、99重量%以下となるように金属材料が含まれていることが好ましい。また、導電性ペースト中には、焼成後の配線に含まれるセラミック材料の割合が1重量%以上、60重量%以下となるようにセラミック材料が含まれていることが好ましい。
導電性ペーストのセラミック材料の含有量は、1重量%以上、40重量%以下であることが好ましい。
セラミック材料としては、低温焼結セラミック材料を含むことが好ましい。
低温焼結セラミック材料とは、セラミック材料のうち、1000℃以下の焼成温度で焼結可能であり、金属材料として好ましく使用される銀や銅との同時焼成が可能である材料を意味する。
低温焼結セラミック材料としては、具体的には、クオーツやアルミナ、フォルステライト等のセラミック材料にホウ珪酸ガラスを混合してなるガラス複合系低温焼結セラミック材料、ZnO−MgO−Al−SiO系の結晶化ガラスを用いた結晶化ガラス系低温焼結セラミック材料、BaO−Al−SiO系セラミック材料やAl−CaO−SiO−MgO−B系セラミック材料等を用いた非ガラス系低温焼結セラミック材料等を用いることができる。
その後、図1(b)に示すように、複数枚(例えば5枚)の空洞形成用シート100a〜100eを積層する。
空洞形成用シートの枚数は特に限定されるものではないが、2枚以上、10枚以下であることが好ましい。
また、空洞形成用シートの合計厚さは特に限定されるものではないが、10μm以上、75μm以下であることが好ましい。
続いて、図1(c)に示すように、空洞形成用シート100a〜100eが、2枚の支持用セラミックグリーンシート140で挟まれるように積層して、積層体200を作製する。
支持用セラミックグリーンシートは、未焼結の低温焼結セラミック材料と、有機バインダと溶剤とを含有する支持用セラミックスラリーを、ドクターブレード法等によってシート状に成形したものであることが好ましい。
支持用セラミックスラリーには、分散剤、可塑剤等の種々の添加剤が含有されていてもよい。
続いて、積層体を焼成する焼成工程を行う。
焼成工程では、空洞形成用シート中の導電性ペーストの焼結開始温度以上の焼成温度で焼成を行う。
焼成工程によって空洞形成材料110が焼失して、図1(d)に示すように、空洞190が形成された、空洞を有する基板210が得られる。焼成によって、貫通導体形成用ペースト120、配線導体形成用ペースト130及び支持用セラミックグリーンシート140は、それぞれ貫通導体20、配線導体30、支持用セラミックシート40となる。また、焼結した貫通導体20及び配線導体30が同時に焼結されることによって強固に結合するため、空洞190の所定の厚さが保持されるとともに、貫通導体20同士がランドを介さなくても充分な電気特性を発揮する。
また、貫通導体形成用ペースト120及び配線導体形成用ペースト130はそれぞれセラミック材料を含むため、得られる貫通導体20及び配線導体30の剛性が高く、変形しにくい。
焼成工程における焼成温度は特に限定されないが、一般的には800℃以上、1000℃以下であることが好ましい。
上記のような温度で貫通導体形成用ペースト120及び配線導体形成用ペースト130が焼成されることにより、表面が平滑で電気特性に優れる配線導体30及び比抵抗の低い貫通導体20を得ることができる。
焼成雰囲気は特に限定されず、例えば、大気雰囲気、低酸素雰囲気等が挙げられる。本明細書において、低酸素雰囲気とは、大気よりも酸素分圧が低い雰囲気を意味し、例えば、窒素雰囲気又はアルゴン雰囲気等の不活性ガス雰囲気、窒素等の不活性ガスを大気に混入した雰囲気、真空雰囲気等が挙げられる。また、窒素と水素の混合ガス雰囲気であってもよい。
続けて、空洞に樹脂層を形成する樹脂層形成工程を行う。
樹脂層形成工程は、空洞に樹脂材料を充填して、硬化させることで行うことができ、例えば、樹脂材料を含む液体を準備し、図1(e)に示すように、空洞を有する基板210を樹脂材料を含む液体に含浸して、空洞190に樹脂材料を充填し、硬化させることにより行うことができる。樹脂層形成工程により、空洞190が樹脂90で充填された樹脂層95が形成される。樹脂層95を形成することで、支持用セラミックシート付き基板220が得られる。
樹脂材料を含む液体は、樹脂材料自体が液体であってもよく、樹脂材料を溶媒と混合して得られた樹脂溶液、エマルジョン又はラテックスであってもよい。また、樹脂材料を軟化点以上に加熱して得られた流動性を有する液体であってもよい。さらに、樹脂材料を含む液体中には必要に応じて可塑剤、分散剤、硬化剤等を加えてもよい。
樹脂材料の硬化は、樹脂材料が熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂等の硬化性の樹脂であれば各樹脂の硬化条件に従って硬化させればよい。また、熱可塑性樹脂の場合、加熱して流動性を有する液体としてから空隙内に浸透させ、降温させることで樹脂材料を固化させることができるが、このような手順による樹脂材料の固化も本明細書においては「樹脂材料の硬化」に含まれるものとする。
樹脂層を構成する樹脂材料としては、多層基板に付与したい特性、機能を有する任意の樹脂材料を使用することができる。例えば、フッ素系樹脂、シリコーンゴム、極性基の少ない炭化水素系樹脂(例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等)を好ましく使用することができる。より好ましい具体例としては、比誘電率ε≒2.6のフッ素系樹脂、比誘電率ε≒3.0のシリコーンゴム、比誘電率ε≒2.25のポリエチレン、比誘電率ε≒2.2のポリプロピレン、比誘電率ε≒2.45のポリスチレン等を使用することができる。
これらの樹脂材料は誘電率が低いため高周波領域での伝送損失を低減するための樹脂層を構成するための樹脂材料として適している。
また、樹脂層内にボイドが存在していることが好ましく、樹脂層内に中空ビーズ等の空隙形成材料が含まれていることも好ましい。樹脂層内にボイドが存在し、かつ、空隙形成材料が含まれていることも好ましい。
樹脂層内にボイドや空隙形成材料が存在していると、樹脂層の誘電率を低下させることができるため、高周波領域での伝送損失を低減するための樹脂層を構成するために適している。
そして、樹脂層の比誘電率εが1.5以上、3以下であることが好ましい。
樹脂層の比誘電率は樹脂材料の比誘電率ではなく、樹脂層全体として測定した比誘電率の値であり、樹脂層内にボイドや空隙形成材料、フィラーなど他の絶縁材料が存在している場合はその寄与も含まれる。
また、引っ張り弾性率の低い樹脂材料として、フッ素系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリエーテルケトン系樹脂、ポリフェニレンスルフィド系樹脂、シクロオレフィン系樹脂等を好ましく使用することができる。
より好ましい具体例としては、引っ張り弾性率E(GPa)≒0.39以上、0.55以下のフッ素系樹脂、引っ張り弾性率E(GPa)≒2.1以上、2.2以下のシクロオレフィン系樹脂等を使用することができる。
これらの樹脂材料は引っ張り弾性率が低いため、衝撃に対する応力緩和層としての樹脂層を構成するための樹脂材料として適している。
そして、樹脂層の引っ張り弾性率が3GPa以下であることが好ましい。また、樹脂層の引っ張り弾性率が1GPa以下であることがより好ましい。
また、樹脂層の引っ張り弾性率が0.02GPa以上であることが好ましい。
また、ゴム系材料、熱可塑性エラストマー(塩ビ系、スチレン系、オレフィン系、エステル系、ウレタン系、アミド系等)等の材料を使用することもできる。
樹脂層の引っ張り弾性率は樹脂材料の引っ張り弾性率ではなく、樹脂層全体として測定した引っ張り弾性率の値である。
最後に、支持用セラミックシート付き基板220から支持用セラミックシート40を除去することにより、図1(f)に示す多層基板1を得ることができる。
支持用セラミックシート40を除去する方法は特に限定されないが、例えば、支持用セラミックシート40の表面に粘着シートを貼り付けた後、支持用セラミックシートごと粘着シートを剥がす方法等が挙げられる。
なお、本明細書において多層基板とは、配線導体で構成された配線層が複数(2層以上)設けられた基板を意味する。
本発明の多層基板の製造方法の第一実施形態においては、積層体準備工程の後に、さらにシートを積層して焼成するといった工程が存在しないため、製造工程におけるリードタイムを短くして、製造コストを抑制することができる。さらに、積層数が増加しても工程数がほとんど増加しないため、多層化も容易である。
多層基板1の表面には、貫通導体20が露出しているが、必要に応じて、多層基板1の表面に露出した貫通導体20にめっき膜を形成するめっき処理工程を行ってもよい。めっき膜としては、Niめっき膜の形成、Auめっき膜等が挙げられる。さらに、貫通導体20の表面に配線導体を設けてもよく、電子部品等を搭載してもよい。
本発明の多層基板の製造方法の第一実施形態においては、空洞形成用シートを準備する際に、穴あけ後、セラミック材料を含む層間支持用のセラミックペーストを充填してもよい。
穴をあけて層間支持用のセラミックペーストを充填した空洞形成用シートを焼成することによって、樹脂層中に絶縁性の支持体を形成することができる。
層間支持用のセラミックペーストを構成するセラミック材料としては、導電性ペーストを構成するセラミック材料と同様のものを好適に用いることができる。
本発明の多層基板の製造方法の第一実施形態の別の一例について、図2(a)〜図2(f)を参照しながら説明する。
図2(a)〜図2(f)は、本発明の多層基板の製造方法の第一実施形態の別の一例を模式的に示す図である。なお、本発明の多層基板の製造方法の第一実施形態と共通する部分については、説明を省略する。
まず、図2(a)に示すように、空洞形成用シート101を準備する。
空洞形成用シート101は、シート状の空洞形成材料110と、層間接続用の貫通導体形成用ペースト120と、配線パターンとなる配線導体形成用ペースト130と、セラミック材料を含む層間支持用のセラミックペースト150とからなる。
その後、図2(b)に示すように、複数枚(例えば5枚)の空洞形成用シート101a〜101eを積層する。
空洞形成用シートの枚数は特に限定されるものではないが、2枚以上、10枚以下であることが好ましい。
また、空洞形成用シートの合計厚さは特に限定されるものではないが、10μm以上、75μm以下であることが好ましい。
続いて、図2(c)に示すように、空洞形成用シート101a〜101eが、2枚の支持用セラミックグリーンシート140で挟まれるように積層して、積層体201を作製する。
続いて、積層体を焼成する焼成工程を行う。
焼成工程によって、空洞形成材料110が焼失して、図2(d)に示すように、空洞190が形成された、空洞を有する基板211が得られる。焼成によって、貫通導体形成用ペースト120、配線導体形成用ペースト130、支持用セラミックグリーンシート140及びセラミックペースト150が焼成されて、それぞれ、貫通導体20、配線導体30、支持用セラミックシート40、絶縁性の支持体50となる。
絶縁性の支持体50が形成されることによって、2枚の支持用セラミックシート40の間に、貫通導体20、配線導体30及び絶縁性の支持体50からなる連続構造(以下、支柱構造ともいう)を形成することができる。支柱構造は、樹脂層95の上面から底面までを接続する構造であって、絶縁性の支持体50が、支柱構造の少なくとも一部を構成している。支柱構造が形成されていると、空洞形成材料110が焼失した後においても、貫通導体20及び配線導体30の変形が起こりにくい。
図2(c)に示す空洞を有する基板211では、破線で示す領域80aにおいて、貫通導体20aと20cの間に絶縁性の支持体50bが配置されており、貫通導体20cと20eの間に絶縁性の支持体50dが配置されている。また、破線で示す領域80bにおいては、下側の支持用セラミックシート40と貫通導体20bの間に絶縁性の支持体50aが配置され、貫通導体20bと貫通導体20dの間に絶縁性の支持体50cが配置され、貫通導体20dと上側の支持用セラミックシート40との間に絶縁性の支持体50eが配置されている。破線で示す領域80a、80bのように支柱構造が形成されていると、貫通導体20及び配線導体30の変形をさらに防止することができる。
続けて、空洞に樹脂層を形成する樹脂層形成工程を行うことによって、図2(e)に示すように、空洞190に樹脂90からなる樹脂層95を形成して、支持用セラミックシート付き基板221を得ることができる。最後に、支持用セラミックシート付き基板221から支持用セラミックシート40を除去することにより、図2(f)に示す多層基板2を得ることができる。
なお、図2(a)〜図2(f)では、セラミックペースト150及び絶縁性の支持体50の大きさを、貫通導体形成用ペースト120及び貫通導体20と同じ大きさとしているが、セラミックペースト150及び絶縁性の支持体50の大きさは、それぞれ貫通導体形成用ペースト120及び貫通導体20と異なる大きさであってもよい。
(第二実施形態)
本発明の多層基板の製造方法の第二実施形態は、セラミック材料を含む導電性ペーストが表面及び内部に所定形状に形成された、空洞形成材料を含む空洞形成用シートが、支持用セラミックグリーンシート及び未焼結の第1セラミック材料を含む第1セラミックグリーンシートで挟まれるように積層された積層体を準備する積層体準備工程と、上記積層体を焼成することによって、上記支持用セラミックグリーンシートを支持用セラミックシートとし、上記未焼結の第1セラミック材料を焼結させて上記第1セラミックグリーンシートを第1セラミック層とし、さらに上記空洞形成材料を焼失させて前記支持用セラミックシートと上記第1セラミック層の間に空洞を形成して空洞を有する基板を得る焼成工程と、上記空洞に樹脂材料を充填して、上記樹脂材料を硬化させることにより、上記支持用セラミックシートと上記第1セラミック層の間に樹脂層を形成する樹脂層形成工程と、上記支持用セラミックシートを上記樹脂層の表面から除去する除去工程と、を備えることを特徴とする。
導電性ペーストは、空洞形成用シートの表面にパターン形成された配線導体形成用ペーストと、空洞形成用シートの貫通孔に充填された貫通導体形成用ペーストとを含むことが好ましい。
焼成工程によって、配線導体形成用ペーストは配線導体となり、貫通導体形成用ペーストは貫通導体となる。
本発明の多層基板の製造方法の第二実施形態では、導電性ペーストがセラミック材料を含むため、剛性が高く変形しにくい配線導体及び貫通導体を得ることができる。
また、本発明の多層基板の製造方法の第二実施形態では、導電性ペーストを焼成した後に樹脂層を形成するため、樹脂が分解するような温度、例えば900℃以上の温度で導電性ペーストを焼成することができる。そのため、表面が平滑で電気特性に優れる配線導体、及び、比抵抗の低い貫通導体を得ることができる。
また、本発明の多層基板の製造方法の第一実施形態では、空洞形成用シートに形成された導電性ペーストが同時に焼成されるため、貫通導体と配線導体との接触性、貫通導体同士の接触性が良好となる。特に、空洞形成用シートが複数枚積層されていた場合には、直列する貫通導体同士の接触性が高いため、貫通導体間にランドやパッドを設ける必要がなく、高密度配線を形成しやすい。
さらに、本発明の多層基板の製造方法の第二実施形態では、積層体準備工程の後に、さらにシートを積層して焼成するといった工程が存在しないため、製造工程におけるリードタイムを短くして、製造コストを抑制することができる。さらに、積層数が増加しても工程数がほとんど増加しないため、多層化も容易である。
本発明の多層基板の製造方法の第二実施形態の一例について、図3(a)〜図3(c)及び図4(a)〜図4(c)を参照しながら説明する。なお、本発明の多層基板の製造方法の第一実施形態と共通する部分については記載を省略する。
図3(a)〜図3(c)及び図4(a)〜図4(c)は、本発明の多層基板の製造方法の第二実施形態の一例を模式的に示す断面図である。
まず、図3(a)に示すように、空洞形成用シート100を準備する。
空洞形成用シート100は、シート状の空洞形成材料110と、層間接続用の貫通導体形成用ペースト120と、配線パターンとなる配線導体形成用ペースト130からなる。
続いて、図3(b)に示す第1セラミックグリーンシート300を準備する。
第1セラミックグリーンシート300は、未焼結の第1セラミック材料160と、層間接続用の貫通導体形成用ペースト120と、配線パターンとなる配線導体形成用ペースト130からなる。
第1セラミックグリーンシートは、未焼結の第1セラミック材料と有機バインダと溶剤とを含有する第1セラミックスラリーを、ドクターブレード法等によってシート状に成型したものである。第1セラミックスラリーには、分散剤、可塑剤等の種々の添加剤が含有されていてもよい。
第1セラミックグリーンシートの厚さは特に限定されないが、5μm以上、75μm以下であることが好ましい。
第1セラミック材料は、低温焼結セラミック材料であることが好ましい。
低温焼結セラミック材料とは、セラミック材料のうち、1000℃以下の焼成温度で焼結可能であり、金属材料として好ましく使用される銀や銅との同時焼成が可能である材料を意味する。
低温焼結セラミック材料としては、具体的には、クオーツやアルミナ、フォルステライト等のセラミック材料にホウ珪酸ガラスを混合してなるガラス複合系低温焼結セラミック材料、ZnO−MgO−Al−SiO系の結晶化ガラスを用いた結晶化ガラス系低温焼結セラミック材料、BaO−Al−SiO系セラミック材料やAl−CaO−SiO−MgO−B系セラミック材料等を用いた非ガラス系低温焼結セラミック材料等を用いることができる。
有機バインダとしては、例えば、ブチラール樹脂(ポリビニルブチラール)、アクリル樹脂、メタクリル樹脂等を用いることができる。溶剤としては、例えば、トルエン、イソプロピレンアルコール等のアルコール等を用いることができる。可塑剤としては、例えば、ジ−n−ブチルフタレート等を用いることができる。
第1セラミックグリーンシートには、レーザーやメカパンチにより貫通孔を形成し、貫通孔に導電性ペーストを充填する。また、スクリーン印刷等の方法により導電性ペースト用いて配線や電極を第1セラミックグリーンシート上に形成する。貫通孔に充填された導電性ペーストは貫通導体形成用ペーストであり、空洞形成用シートの表面に形成された導電性ペーストは配線導体形成用ペーストである。
続いて、空洞形成用シートが、支持用セラミックグリーンシート及び第1セラミックグリーンシートで挟まれるように積層された積層体を準備する。
図3(c)に示すように、空洞形成用シート100a〜100eが、支持用セラミックグリーンシート140及び3枚の第1セラミックグリーンシート300a〜300cによって挟まれるように積層して、積層体400を作製する。
空洞形成用シート及び第1セラミックグリーンシートの枚数は特に限定されるものではないが、空洞形成用シートの枚数は2枚以上、10枚以下であることが好ましい。また第1セラミックグリーンシートの枚数は1枚以上、5枚以下であることが好ましい。
空洞形成用シートの枚数が2枚以上である場合、直列する貫通導体同士が同時に焼成される。このような方法で得られた貫通導体同士は接触性が高く、ランドやパッドを設ける必要がないため、高密度配線を形成しやすい。
また、空洞形成用シートの合計厚さは特に限定されるものではないが、10μm以上、75μm以下であることが好ましい。
続いて、積層体を焼成する焼成工程を行う。
焼成工程では、空洞形成用シート中の導電性ペーストの焼結開始温度以上の焼成温度で焼成を行う。
焼成工程によって空洞形成材料110が焼失して、図4(a)に示すように、空洞190が形成された、空洞を有する基板410が得られる。焼成によって、貫通導体形成用ペースト120、配線導体形成用ペースト130及び支持用セラミックグリーンシート140は、それぞれ貫通導体20、配線導体30、支持用セラミックシート40となる。また、焼結した貫通導体20及び配線導体30が同時に焼結されることによって強固に結合するため、空洞190の所定の厚さが保持されるとともに、貫通導体20同士がランドを介さなくても充分な電気特性を発揮する。
また、貫通導体形成用ペースト120及び配線導体形成用ペースト130はそれぞれセラミック材料を含むため、得られる貫通導体20及び配線導体30の剛性が高く、変形しにくい。
続けて、空洞に樹脂層を形成する樹脂層形成工程を行う。
樹脂層形成工程は、例えば、樹脂材料を含む液体を準備し、図4(b)に示すように、空洞を有する基板410を樹脂材料を含む液体に含浸して、空洞190に樹脂材料を充填し、硬化させることにより行うことができる。樹脂層形成工程により、空洞190が樹脂90で充填された樹脂層95が形成される。樹脂層95を形成することで、支持用セラミックシート付き基板420が得られる。
最後に、支持用セラミックシート付き基板420から支持用セラミックシート40を除去することにより、図4(c)に示す多層基板3を得ることができる。
支持用セラミックシート40を除去する方法は特に限定されないが、例えば、支持用セラミックシート40の表面に粘着シートを貼り付けた後、支持用セラミックシートごと粘着シートを剥がす方法等が挙げられる。
本発明の多層基板の製造方法の第二実施形態においては、空洞形成用シートを準備する際に、穴あけ後、セラミック材料を含む層間支持用のセラミックペーストを充填してもよい。
穴をあけて層間支持用のセラミックペーストを充填した空洞形成用シートを焼成することによって、樹脂層中に絶縁性の支持体を形成することができる。
層間支持用のセラミックペーストを構成するセラミック材料としては、導電性ペーストを構成するセラミック材料と同様のものを好適に用いることができる。
また、本発明の多層基板の製造方法の第二実施形態においては、第1セラミックグリーンシートと空洞形成用シートとの間に、第2セラミック材料を含む第2セラミックグリーンシートを配置してもよい。
第2セラミック材料は、第1セラミック材料よりも高い焼結温度を有するセラミック材料である。
従って、焼成工程において第1セラミック材料が焼結する温度で焼成を行ったとしても、第2セラミック材料は焼結が完全には進行せず、多孔質の第2セラミック層が形成される。
樹脂層形成工程において樹脂層を形成する際に、第2セラミック層の空隙に樹脂材料が浸透して硬化することにより、樹脂−セラミック複合層が形成され、第1セラミック層と樹脂層との接合強度を向上させることができる。
従って、積層工程において、第1セラミックグリーンシートと空洞形成用シートの間に第2セラミックグリーンシートを配置する際には、焼成工程における焼成温度を、第1セラミック材料の焼結温度以上、第2セラミック材料の焼結温度未満とすることが好ましい。
本発明の多層基板の製造方法の第二実施形態の別の一例について、図5(a)〜図5(c)及び図6(a)〜図6(c)を参照しながら説明する。
図5(a)〜図5(c)及び図6(a)〜図6(c)は、本発明の多層基板の製造方法の第二実施形態の別の一例を模式的に示す断面図である。なお、本発明の多層基板の製造方法の第二実施形態と共通する部分については、説明を省略する。
まず、図5(a)に示すように、空洞形成用シート101を準備する。
空洞形成用シート101は、シート状の空洞形成材料110と、層間接続用の貫通導体形成用ペースト120と、配線パターンとなる配線導体形成用ペースト130と、セラミック材料を含む層間支持用のセラミックペースト150とからなる。
続いて、支持用セラミックグリーンシート140、及び、図5(b)に示す第1セラミックグリーンシート300に加えて、図5(c)に示す第2セラミックグリーンシート500を準備する。
第2セラミックグリーンシートは、例えば、第1セラミックグリーンシート300における第1セラミック材料160を第2セラミック材料170に変更することで準備することができる。
第2セラミック材料170は、第1セラミック材料160よりも高い焼結温度を有するセラミック材料である。
第2セラミック材料としては、アルミナ、ジルコニア、チタニア、マグネシア等が挙げられる。
第2セラミックグリーンシートは、第2セラミック材料の他に、ホウ珪酸ガラス等の軟化性材料を含んでいてもよい。第2セラミックグリーンシートが上記軟化性材料を含んでいると、第2セラミックグリーンシートの焼結温度を調整することができる。
第2セラミックグリーンシートの厚さは特に限定されないが、1μm以上、20μm以下であることが好ましい。
続いて、図5(d)に示すように、空洞形成用シート101a〜101eを支持用セラミックグリーンシート140及び第1セラミックグリーンシート300a〜300bで挟むように積層して積層体401を作製する。このとき、空洞形成用シート101aと第1セラミックグリーンシート300bの間に、第2セラミックグリーンシート500を配置する。
空洞形成用シート、第1セラミックグリーンシート及び第2セラミックグリーンシートの枚数は特に限定されるものではないが、空洞形成用シートの枚数は2枚以上、10枚以下であることが好ましく、第1セラミックグリーンシートの枚数は1枚以上、5枚以下であることが好ましく、第2セラミックグリーンシートの枚数は1枚以上、2枚以下であることが好ましい。
また、空洞形成用シートの合計厚さは特に限定されるものではないが、10μm以上、75μm以下であることが好ましい。
続いて、積層体を焼成する焼成工程を行う。
焼成は、第1セラミック材料の焼成温度以上、第2セラミック材料の焼成温度未満とする。
焼成工程によって、空洞形成材料110が焼失して、図6(a)に示すように、空洞190が形成された、空洞を有する基板411が得られる。焼成によって、貫通導体形成用ペースト120、配線導体形成用ペースト130、支持用セラミックグリーンシート140、セラミックペースト150、第1セラミックグリーンシート300が焼成されて、それぞれ、貫通導体20、配線導体30、支持用セラミックシート40、絶縁性の支持体50、第1セラミック層60となる。
なお、第2セラミック材料170は焼結が充分に進行しないため、第2セラミックグリーンシート500は、多孔質の第2セラミック層70となる。
絶縁性の支持体50が形成されることによって、支持用セラミックシート40と第2セラミック層70の間に、貫通導体20、配線導体30及び絶縁性の支持体50からなる連続構造(以下、支柱構造ともいう)を形成することができる。支柱構造は、樹脂層95の上面から底面までを接続する構造であって、絶縁性の支持体50が、支柱構造の少なくとも一部を構成している。支柱構造が形成されていると、空洞形成材料110が焼失した後においても、貫通導体20及び配線導体30の変形が起こりにくい。
図6(a)に示す空洞を有する基板411では、破線で示す領域80aにおいて、貫通導体20aと20cの間に絶縁性の支持体50bが配置されており、貫通導体20cと20eの間に絶縁性の支持体50dが配置されている。また、破線で示す領域80bにおいては、第2セラミック層70と貫通導体20bの間に絶縁性の支持体50aが配置され、貫通導体20bと貫通導体20dの間に絶縁性の支持体50cが配置され、貫通導体20dと上側の支持用セラミックシート40との間に絶縁性の支持体50eが配置されている。破線で示す領域80a、80bのように支柱構造が形成されていると、貫通導体20及び配線導体30の変形をさらに防止することができる。
焼成後の第2セラミック層の気孔率は特に限定されないが、30%以上、70%以下であることが好ましい。
第2セラミック層の気孔率が30%未満であると、第2セラミック層中に浸透させることのできる樹脂量が少なすぎて、第1セラミック層と樹脂層との接合強度を十分に高めることができない場合がある。一方、第2セラミック層の気孔率が70%を超える場合、第2セラミック層自体の強度が低下することによって、第1セラミック層と樹脂層との接合強度が低下してしまうおそれがある。
第2セラミック層の気孔率は、第2セラミック層を厚さ方向に切断した断面のSEM画像により求めることができる。
続けて、空洞に樹脂層を形成する樹脂層形成工程を行うことによって、図6(b)に示すように、空洞190に樹脂90を含む樹脂層95を形成して、支持用セラミックシート付き基板421を得ることができる。
第2セラミック層70は多孔質であるため、樹脂材料の一部が第2セラミック層70の内部に浸透して第2セラミック層70と複合体を形成し、樹脂−セラミック複合層75となる。
多孔質の第2セラミック層70に樹脂が浸透して形成された樹脂−セラミック複合層75は、アンカー効果により樹脂との密着性が高い。そのため、樹脂層と第1セラミック層との接合強度を高めることができる。
樹脂層95を構成する樹脂は、樹脂−セラミック複合層75を構成する樹脂と同じであってもよく、異なっていてもよい。
樹脂−セラミック複合層75を構成する樹脂としては、樹脂層95を構成する樹脂等が挙げられる。
樹脂層95を構成する樹脂と、樹脂−セラミック複合層75を構成する樹脂とが異なる場合、空洞190に樹脂90を形成する工程と、第2セラミック層70の内部に樹脂材料を浸透させる工程を、別々に行ってもよい。
樹脂−セラミック複合層75を構成する樹脂は、第2セラミック層の空隙の一部にだけ形成されていてもよく、第2セラミック層の空隙の全てに形成されていてもよい。
最後に、支持用セラミックシート付き基板421から支持用セラミックシート40を除去することにより、図6(c)に示す多層基板4を得ることができる。
なお、図5(a)〜図5(d)及び図6(a)〜図6(c)では、セラミックペースト150及び絶縁性の支持体50の大きさを、貫通導体形成用ペースト120及び貫通導体20と同じ大きさとしているが、セラミックペースト150及び絶縁性の支持体50の大きさは、それぞれ貫通導体形成用ペースト120及び貫通導体20と異なる大きさであってもよい。
また、図5(a)〜図5(d)及び図6(a)〜図6(c)では、空洞形成用シート100にセラミックペースト150を形成し、空洞形成用シート100aと第1セラミックグリーンシート300bの間に第2セラミックグリーンシート500を配置する例を説明したが、本発明の多層基板の製造方法の第二実施形態では、空洞形成用シート100にセラミックペースト150を形成せずに、空洞形成用シート100aと第1セラミックグリーンシート300bの間に第2セラミックグリーンシート500を配置してもよく、空洞形成用シート100aと第1セラミックグリーンシート300bの間に第2セラミックグリーンシート500を配置せずに、空洞形成用シート100にセラミックペースト150を形成してもよい。
<多層基板>
(第一実施形態)
本発明の多層基板の第一実施形態は、樹脂層を含む多層基板であって、上記樹脂層には、配線導体及び貫通導体が設けられており、上記配線導体及び上記貫通導体はいずれも、セラミック材料を含んでおり、上記樹脂層の表面に露出する上記貫通導体は、上記樹脂層の表面に露出していない上記貫通導体と比較して、ガラス成分が多いことを特徴とする。
本発明の多層基板の第一実施形態は、配線導体及び上記貫通導体がいずれも樹脂層中に形成されているため、樹脂層の比誘電率を低く抑えることにより、高周波領域での伝送損失を抑制することができる。
本発明の多層基板の第一実施形態について、図7を参照しながら説明する。
図7は、本発明の多層基板の第一実施形態の一例を模式的に示す断面図である。
図7に示す多層基板1は、例えば図1(a)〜図1(f)に示した方法により製造される。
従って、多層基板1を構成する各種材料については、本発明の多層基板の製造方法の第一実施形態と同様である。
また焼成工程において、支持用セラミックグリーンシート140の成分が貫通導体20の表面に対して拡散するため、多層基板1の一方の主面1aに露出する貫通導体20は、主面に露出していない貫通導体20と比較して、ガラス成分が多い。
貫通導体の表面にガラス成分が多く含まれているかどうかについては、EDX、EDW及びμ−XRD等により確認することができる。
なお、ガラス成分とは、具体的にはAl、Si、Ca、Ba、Cr、Mg、Zr、Ti及びMnを指す。
すなわち、樹脂層の表面に露出する貫通導体は、樹脂層の表面に露出していない貫通導体と比較して、Al、Si、Ca、Ba、Cr、Mg、Zr、Ti及びMnからなる群から選択される少なくとも1つの元素を多く含んでいる。
従って、「樹脂層の表面に露出する貫通導体は、樹脂層の表面に露出していない貫通導体と比較してガラス成分が多い」とは「樹脂層の表面に露出する貫通導体は、樹脂層の表面に露出していない貫通導体と比較して、Al、Si、Ca、Ba、Cr、Mg、Zr、Ti及びMnの総含有量が多い」と言い換えることができる。
なお、樹脂層の表面に配線導体や電子部品が配置される場合、これらは、樹脂層の表面に露出する貫通導体の表面に形成されていてもよい。
ここで、本明細書において「樹脂層の表面に露出する」とは、「樹脂層の表面と同じ位置に貫通導体の表面が位置していること」を指す。すなわち、「樹脂層の表面に露出する貫通導体」は「樹脂層の表面と同じ面に位置する貫通導体」と言い換えることができる。
従って、樹脂層の表面に配線導体や電子部品が配置され、該配線導体や該電子部品によって貫通導体の一部又は全部が覆われた場合であっても、該電子部品や該電子部品の直下に配置されている貫通導体の表面が「樹脂層の表面に露出している」ことには変わりない。
配線導体のセラミック材料の含有量は、1重量%以上、40重量%以下であることが好ましい。
貫通導体のセラミック材料の含有量は、1重量%以上、40重量%以下であることが好ましい。
本発明の多層基板の第一実施形態は、樹脂層中にセラミック材料を含む絶縁性の支持体を備えていてもよい。
樹脂層中にセラミック材料を含む絶縁性の支持体を備える多層基板について、図8を参照しながら説明する。
図8は、本発明の多層基板の第一実施形態の別の一例を模式的に示す断面図である。
図8に示す多層基板2は、例えば図2(a)〜図2(f)に示した方法により製造される。
焼成工程において、支持用セラミックグリーンシート140の成分が貫通導体20の表面に対して拡散するため、多層基板2の一方の主面2aに露出する貫通導体20は、主面に露出していない貫通導体20と比較して、ガラス成分が多い。
さらに、図8に示す多層基板2は、破線で示す領域80a及び80bに支柱構造が形成されているため、機械的強度が高い。支柱構造に関しては、本発明の多層基板の製造方法の第一実施形態で説明した通りである。
樹脂層には貫通導体及び配線導体が形成されている。
樹脂層中に含まれる配線導体の層数は特に限定されないが、2層以上、10層以下であることが好ましい。
樹脂層の厚さは特に限定されないが、10μm以上、200μm以下であることが好ましい。
(第二実施形態)
本発明の多層基板の第二実施形態は、樹脂層及び第1セラミック層を含む多層基板であって、上記樹脂層には、配線導体及び貫通導体が設けられており、上記配線導体及び上記貫通導体はいずれも、セラミック材料を含んでおり、上記樹脂層の表面に露出する上記貫通導体は、上記樹脂層の表面に露出していない上記貫通導体と比較して、ガラス成分が多いことを特徴とする。
貫通導体の表面にガラス成分が多く含まれているかどうかについては、EDX、EDW及びμ−XRD等により確認することができる。
なお、ガラス成分とは、具体的にはAl、Si、Ca、Ba、Cr、Mg、Zr、Ti及びMnを指す。
すなわち、樹脂層の表面に露出する貫通導体は、樹脂層の表面に露出していない貫通導体と比較して、Al、Si、Ca、Ba、Cr、Mg、Zr、Ti及びMnからなる群から選択される少なくとも1つの元素を多く含んでいる。
従って、「樹脂層の表面に露出する貫通導体は、樹脂層の表面に露出していない貫通導体と比較してガラス成分が多い」とは「樹脂層の表面に露出する貫通導体は、樹脂層の表面に露出していない貫通導体と比較して、Al、Si、Ca、Ba、Cr、Mg、Zr、Ti及びMnの総含有量が多い」と言い換えることができる。
なお、樹脂層の表面に配線導体や電子部品が配置される場合、これらは、樹脂層の表面に露出する貫通導体の表面に形成されていてもよい。
ここで、本明細書において「樹脂層の表面に露出する」とは、「樹脂層の表面と同じ位置に貫通導体の表面が位置していること」を指す。すなわち、「樹脂層の表面に露出する貫通導体」は「樹脂層の表面と同じ面に位置する貫通導体」と言い換えることができる。
従って、樹脂層の表面に配線導体や電子部品が配置され、該配線導体や該電子部品によって貫通導体の一部又は全部が覆われた場合であっても、該電子部品や該電子部品の直下に配置されている貫通導体の表面が「樹脂層の表面に露出している」ことには変わりない。
配線導体のセラミック材料の含有量は、1重量%以上、40重量%以下であることが好ましい。
貫通導体のセラミック材料の含有量は、1重量%以上、40重量%以下であることが好ましい。
本発明の多層基板の第二実施形態の一例について、図9を参照しながら説明する。
図9は、本発明の多層基板の第二実施形態の一例を模式的に示す断面図である。
図9に示す多層基板3は、例えば図3(a)〜図3(c)及び図4(a)〜図4(c)に示した方法により製造される。
従って、多層基板3を構成する各種材料については、本発明の多層基板の製造方法の第二実施形態と同様である。
また、焼成工程において、支持用セラミックグリーンシート140の成分が貫通導体20の表面に対して拡散するため、多層基板3の一方の主面3aに露出する貫通導体20は、主面に露出していない貫通導体20と比較して、ガラス成分が多い。
本発明の多層基板の第二実施形態は、樹脂層中にセラミック材料を含む絶縁性の支持体を備えていてもよい。
また、本発明の多層基板の第二実施形態は、樹脂層と第1セラミック層との間に、第1セラミック層を構成する第1セラミック材料よりも焼結温度の高い第2セラミック材料を含む第2セラミック層が配置されていてもよい。
第2セラミック層は多孔質であることが好ましく、第2セラミック層の空隙中に樹脂層を構成する樹脂材料の一部が浸透していることが好ましい。
上記絶縁性の支持体及び上記第2セラミック層を備える多層基板について、図10を参照しながら説明する。
図10は、本発明の多層基板の第二実施形態の別の一例を模式的に示す断面図である。
図10に示す多層基板4は、例えば図5(a)〜図5(d)及び図6(a)〜図6(c)に示した方法により製造される。従って、多層基板4を構成する各種材料については、本発明の多層基板の製造方法の第二実施形態と同様である。
また、焼成工程において、支持用セラミックグリーンシート140の成分が貫通導体20の表面に対して拡散するため、多層基板4の一方の主面4aに露出する貫通導体20は、主面に露出していない貫通導体20と比較して、ガラス成分が多い。
さらに、図10に示す多層基板4は、破線で示す領域80a及び80bに支柱構造が形成されているため、機械的強度が高い。支柱構造に関しては、本発明の多層基板の製造方法の第一実施形態で説明した通りである。
図10に示す多層基板4では、樹脂層95と第1セラミック層60の間に、第2セラミック層の空隙に樹脂を浸透させた樹脂−セラミック複合層75が形成されているため、樹脂層95と第1セラミック層60との接合強度が高く、層間剥離やクラック等が発生しにくい。
なお、図10に示した多層基板4においては、絶縁性の支持体50及び樹脂−セラミック複合層75が形成されているが、本発明の多層基板の第二実施形態では、絶縁性の支持体50が形成され、樹脂−セラミック複合層75が形成されていなくてもよく、絶縁性の支持体50が形成されておらず、樹脂−セラミック複合層75が形成されていてもよい。
第2セラミック層の厚さは特に限定されないが、1μm以上、20μm以下であることが好ましい。
第2セラミック層の気孔率は特に限定されないが、30%以上、70%以下であることが好ましい。
なお、第2セラミック層の気孔率は、第2セラミック層を厚さ方向に切断した断面のSEM画像により求めることができる。ただし、第2セラミック層が有する空隙のうち、樹脂が占める部分も空隙とみなして、気孔率を求める。
1、2、3、4 多層基板
1a、2a、3a、4a 一方の主面
20、20a、20b、20c、20d、20e 貫通導体
30 配線導体
40 支持用セラミックシート
50、50a、50b、50c、50d、50e 絶縁性の支持体
60 第1セラミック層
70 第2セラミック層
75 セラミック−樹脂複合層
80a、80b 支柱構造が形成された領域
90 樹脂
95 樹脂層
100、100a、100b、100c、100d、100e、101、101a、101b、101c、101d、101e 空洞形成用シート
110 空洞形成材料
120 導電性ペースト(貫通導体形成用ペースト)
130 導電性ペースト(配線導体形成用ペースト)
140 支持用セラミックグリーンシート
150 セラミックペースト
160 第1セラミック材料
170 第2セラミック材料
190 空洞
200、201、400、401 積層体
210、211、410、411 空洞を有する基板
220、221、420、421 支持用セラミックシート付き基板
300、300a、300b、300c 第1セラミックグリーンシート
500 第2セラミックグリーンシート

Claims (15)

  1. セラミック材料を含む導電性ペーストが表面及び内部に所定形状に形成された、空洞形成材料を含む空洞形成用シートが、支持用セラミックグリーンシートで挟まれるように積層された積層体を準備する積層体準備工程と、
    前記積層体を焼成することによって、前記支持用セラミックグリーンシートを支持用セラミックシートとし、さらに前記空洞形成材料を焼失させて前記支持用セラミックシートの間に空洞を形成して空洞を有する基板を得る焼成工程と、
    前記空洞に樹脂材料を充填して、前記樹脂材料を硬化させることにより、前記支持用セラミックシートの間に樹脂層を形成する樹脂層形成工程と、
    前記支持用セラミックシートを前記樹脂層の表面から除去する除去工程と、を備えることを特徴とする多層基板の製造方法。
  2. 前記導電性ペーストは、前記空洞形成用シートの表面にパターン形成された配線導体形成用ペーストと、前記空洞形成用シートの貫通孔に充填された貫通導体形成用ペーストとを含み、
    前記焼成工程において、前記配線導体形成用ペーストを配線導体とし、前記貫通導体形成用ペーストを貫通導体とする請求項1に記載の多層基板の製造方法。
  3. セラミック材料を含む導電性ペーストが表面及び内部に所定形状に形成された、空洞形成材料を含む空洞形成用シートが、支持用セラミックグリーンシート及び未焼結の第1セラミック材料を含む第1セラミックグリーンシートで挟まれるように積層された積層体を準備する積層体準備工程と、
    前記積層体を焼成することによって、前記支持用セラミックグリーンシートを支持用セラミックシートとし、前記未焼結の第1セラミック材料を焼結させて前記第1セラミックグリーンシートを第1セラミック層とし、さらに前記空洞形成材料を焼失させて前記支持用セラミックシートと前記第1セラミック層の間に空洞を形成して空洞を有する基板を得る焼成工程と、
    前記空洞に樹脂材料を充填して、前記樹脂材料を硬化させることにより、前記支持用セラミックシートと前記第1セラミック層の間に樹脂層を形成する樹脂層形成工程と、
    前記支持用セラミックシートを前記樹脂層の表面から除去する除去工程と、を備えることを特徴とする多層基板の製造方法。
  4. 前記導電性ペーストは、前記空洞形成用シートの表面にパターン形成された配線導体形成用ペーストと、前記空洞形成用シートの貫通孔に充填された貫通導体形成用ペーストとを含み、
    前記焼成工程において、前記配線導体形成用ペーストを配線導体とし、前記貫通導体形成用ペーストを貫通導体とする請求項3に記載の多層基板の製造方法。
  5. 前記積層体準備工程において、前記第1セラミックグリーンシートと前記空洞形成用シートの間にさらに、前記第1セラミック材料よりも焼結温度の高い第2セラミック材料で構成された第2セラミックグリーンシートを配置し、
    前記焼成工程において、前記第1セラミック材料の焼結温度以上、前記第2セラミック材料の焼結温度以下で前記積層体を焼成する請求項3又は4に記載の多層基板の製造方法。
  6. 前記空洞形成用シートはカーボンシートである請求項1〜5のいずれかに記載の多層基板の製造方法。
  7. 前記除去工程の後に、前記樹脂層の表面に露出した前記貫通導体の表面にめっき処理を施すめっき処理工程をさらに備える請求項2又は4のいずれかに記載の多層基板の製造方法。
  8. 前記空洞形成用シートが、セラミック材料を含む層間支持用のセラミックペーストを有する請求項1〜7のいずれかに記載の多層基板の製造方法。
  9. 前記導電性ペーストの前記セラミック材料の含有量は、1重量%以上、40重量%以下である請求項1〜8のいずれかに記載の多層基板の製造方法。
  10. 樹脂層を含む多層基板であって、
    前記樹脂層には、配線導体及び貫通導体が設けられており、
    前記配線導体及び前記貫通導体はいずれも、セラミック材料を含んでおり、
    前記樹脂層の表面に露出する前記貫通導体は、前記樹脂層の表面に露出していない前記貫通導体と比較して、ガラス成分が多いことを特徴とする多層基板。
  11. 樹脂層及び第1セラミック層を含む多層基板であって、
    前記樹脂層には、配線導体及び貫通導体が設けられており、
    前記配線導体及び前記貫通導体はいずれも、セラミック材料を含んでおり、
    前記樹脂層の表面に露出する前記貫通導体は、前記樹脂層の表面に露出していない前記貫通導体と比較して、ガラス成分が多いことを特徴とする多層基板。
  12. 前記樹脂層と前記第1セラミック層の間にさらに、前記第1セラミック層を構成する第1セラミック材料よりも焼結温度の高い第2セラミック材料を含む第2セラミック層が配置されている請求項11に記載の多層基板。
  13. 前記第2セラミック層は多孔質であり、前記第2セラミック層の空隙中に前記樹脂層を構成する樹脂材料の一部が浸透している請求項12に記載の多層基板。
  14. 前記樹脂層は、前記樹脂層の上面から底面までを接続する支柱構造を有しており、
    絶縁性の支持体が、前記支柱構造の少なくとも一部を構成している請求項10〜13のいずれかに記載の多層基板。
  15. 前記配線導体の前記セラミック材料の含有量は、1重量%以上、40重量%以下であり、
    前記貫通導体の前記セラミック材料の含有量は、1重量%以上、40重量%以下である請求項10〜14のいずれかに記載の多層基板。
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