JP2020087891A - アンテナ及び成膜装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】アンテナ電圧又はその分布及びアンテナ電流分布を抑制する。【解決手段】プラズマPを発生させるためのアンテナ3であって、プラズマ非点灯時の単位長さ当たりのアンテナインピーダンスの虚数部ωLC/l[Ω]が、0<ωLC/l<1/ωC0を満たす。但し、ωは投入される電力の角周波数であり、C0はアンテナ3とプラズマPとの間の単位長さ当たりの容量であり、lはアンテナ3とプラズマPとの間に容量を持つ長さである。【選択図】図1
Description
本発明は、誘導結合型のプラズマを生成するためのアンテナ、及び、当該アンテナを用いたプラズマ処理装置に関するものである。
従来、誘導結合型のプラズマを生成するためのアンテナとして、特許文献1に示すように、誘導素子(L)と容量素子(C)とが直列接続されたLCアンテナが考えられている。このLCアンテナは、導体パイプを重ねることにより、容量素子(C)を構成するものである。
しかしながら、プラズマ生成時にアンテナインピーダンスは変化することから、アンテナ電圧が変化してしまう。また、アンテナとプラズマとの間には静電容量が存在するため、その静電容量に電流が流れることでアンテナ電流に分布ができてしまう。その結果、アンテナ電圧又はその分布が大きくなり、又は、アンテナ電流分布が大きくなり、均質な膜が成膜できない恐れがある。
そこで本発明は、上記問題点を解決すべくなされたものであり、アンテナ電圧又はその分布及びアンテナ電流分布を抑制することをその主たる課題とするものである。
すなわち本発明に係るアンテナは、誘導結合型のプラズマを発生させるためのアンテナであって、プラズマ非点灯時の単位長さ当たりのアンテナインピーダンスの虚数部(リアクタンス)ωLC/l[Ω]が、0<ωLC/l<1/ωC0を満たすことを特徴とする。
但し、ωは投入される電力の角周波数であり、C0はアンテナとプラズマとの間の単位長さ当たりの容量であり、lはアンテナとプラズマとの間に容量を持つ長さである。
但し、ωは投入される電力の角周波数であり、C0はアンテナとプラズマとの間の単位長さ当たりの容量であり、lはアンテナとプラズマとの間に容量を持つ長さである。
以下に、本発明のメカニズムについて説明する。
(1)プラズマ点灯時のアンテナインピーダンスを小さく抑制することで、アンテナ電圧又はその分布を小さく抑制することができる。
誘導結合型のプラズマは、アンテナのリアクタンスを下げる働きをする。したがって、プラズマ点灯時のアンテナインピーダンスを小さくするには、プラズマ非点灯時のアンテナリアクタンスは少なくとも正に設定する必要がある。
(1)プラズマ点灯時のアンテナインピーダンスを小さく抑制することで、アンテナ電圧又はその分布を小さく抑制することができる。
誘導結合型のプラズマは、アンテナのリアクタンスを下げる働きをする。したがって、プラズマ点灯時のアンテナインピーダンスを小さくするには、プラズマ非点灯時のアンテナリアクタンスは少なくとも正に設定する必要がある。
(2)プラズマ点灯時のアンテナインピーダンスをアンテナとプラズマとの間の容量性リアクタンスよりも小さくすることで、アンテナ電流をアンテナとプラズマとの間の容量に流れる電流よりも大きくし、アンテナ電流分布を抑制することができる。
アンテナとプラズマとの間の静電容量は単位長さ当りC0であり、プラズマ点灯時の単位長さ当りのアンテナインピーダンスZ* C/l(複素数)の大きさがアンテナ−プラズマ間のリアクタンス−1/ωC0[Ω]の大きさよりも小さければよい(図2参照)。よって単位長さ当りのアンテナインピーダンスZ* C/l(複素数)が満たすべき条件は次式で表される。
よって、アンテナリアクタンスがアンテナ−プラズマ間の容量性リアクタンスよりも小さくなるためには、次式を満たしておけば十分である。
プラズマ点灯時のアンテナインピーダンスは、虚数部だけでなく実数部も発生する恐れがある。その場合、虚数部のように相殺できないので、完全にアンテナ電圧をゼロにすることはできない。ただしその場合にも、虚数部を完全に相殺するとアンテナ電圧が最小値を取ると考えられる。
また、アンテナを長くする場合でもそのインピーダンスの増大を抑えて、アンテナに高周波電流を流れやすくし、プラズマを効率良く発生させるためには、アンテナは複数の導体要素と互いに隣り合う導体要素の間に設けられてそれらを絶縁するとともに内部に容量素子が設けられた絶縁要素とを有するものが考えられる。
この構成において、プラズマ非点灯時の単位長さ当たりのアンテナインピーダンスの虚数部(リアクタンス)ωLC/1[Ω]が、0<ωLC/1<1/ωC0を満たすためには、前記絶縁要素1個のリアクタンスXC1[Ω]が、−44.8/n<XC1<−13.9/nを満たすことが望ましい。但し、nは単位長さあたりの絶縁要素の数である。
この構成において、プラズマ非点灯時の単位長さ当たりのアンテナインピーダンスの虚数部(リアクタンス)ωLC/1[Ω]が、0<ωLC/1<1/ωC0を満たすためには、前記絶縁要素1個のリアクタンスXC1[Ω]が、−44.8/n<XC1<−13.9/nを満たすことが望ましい。但し、nは単位長さあたりの絶縁要素の数である。
このように構成した本発明によれば、アンテナ電圧又はその分布及びアンテナ電流分布を抑制することができる。
以下、本発明に係るアンテナを用いたプラズマ処理装置の一実施形態について、図面を参照しながら説明する。
<装置構成>
本実施形態のプラズマ処理装置100は、誘導結合型のプラズマPを用いて基板Wに処理を施すものである。ここで、基板Wは、例えば、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等のフラットパネルディスプレイ(FPD)用の基板、フレキシブルディスプレイ用のフレキシブル基板等である。また、基板Wに施す処理は、例えば、プラズマCVD法による膜形成、エッチング、アッシング、スパッタリング等である。
本実施形態のプラズマ処理装置100は、誘導結合型のプラズマPを用いて基板Wに処理を施すものである。ここで、基板Wは、例えば、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等のフラットパネルディスプレイ(FPD)用の基板、フレキシブルディスプレイ用のフレキシブル基板等である。また、基板Wに施す処理は、例えば、プラズマCVD法による膜形成、エッチング、アッシング、スパッタリング等である。
なお、このプラズマ処理装置100は、プラズマCVD法によって膜形成を行う場合はプラズマCVD装置、エッチングを行う場合はプラズマエッチング装置、アッシングを行う場合はプラズマアッシング装置、スパッタリングを行う場合はプラズマスパッタリング装置とも呼ばれる。
具体的にプラズマ処理装置100は、図1に示すように、真空排気され且つガス7が導入される真空容器2と、真空容器2内に配置された直線状のアンテナ3と、真空容器2内に誘導結合型のプラズマPを生成するための高周波をアンテナ3に印加する高周波電源4とを備えている。なお、アンテナ3に高周波電源4から高周波を印加することによりアンテナ3には高周波電流IRが流れて、真空容器2内に誘導電界が発生して誘導結合型のプラズマPが生成される。
真空容器2は、例えば金属製の容器であり、その内部は真空排気装置6によって真空排気される。真空容器2はこの例では電気的に接地されている。
真空容器2内に、例えば流量調整器(図示省略)及びアンテナ3に沿う方向に配置された複数のガス導入口21を経由して、ガス7が導入される。ガス7は、基板Wに施す処理内容に応じたものにすれば良い。例えば、プラズマCVD法によって基板Wに膜形成を行う場合には、ガス7は、原料ガス又はそれを希釈ガス(例えばH2)で希釈したガスである。より具体例を挙げると、原料ガスがSiH4の場合はSi膜を、SiH4+NH3の場合はSiN膜を、SiH4+O2の場合はSiO2膜を、SiF4+N2の場合はSiN:F膜(フッ素化シリコン窒化膜)を、それぞれ基板W上に形成することができる。
また、真空容器2内には、基板Wを保持する基板ホルダ8が設けられている。この例のように、基板ホルダ8にバイアス電源9からバイアス電圧を印加するようにしても良い。バイアス電圧は、例えば負の直流電圧であるが、これに限られるものではない。このようなバイアス電圧によって、例えば、プラズマP中の正イオンが基板Wに入射する時のエネルギーを制御して、基板Wの表面に形成される膜の結晶化度の制御等を行うことができる。基板ホルダ8内に、基板Wを加熱するヒータ81を設けておいても良い。
アンテナ3は、真空容器2内における基板Wの上方に、基板Wの表面に沿うように配置されている。本実施形態では、直線状のアンテナ3を複数、基板Wに沿うように(例えば、基板Wの表面と実質的に平行に)並列に配置している。このようにすると、より広い範囲で均一性の良いプラズマPを発生させることができ、従ってより大型の基板Wの処理に対応することができる。
アンテナ3の両端部付近は、図1に示すように、真空容器2の相対向する一対の側壁2a、2bをそれぞれ貫通している。アンテナ3の両端部を真空容器2外へ貫通させる部分には、絶縁部材11がそれぞれ設けられている。この各絶縁部材11を、アンテナ3の両端部が貫通しており、その貫通部は例えばパッキン12によって真空シールされている。この絶縁部材11を介してアンテナ3は、真空容器2の相対向する側壁2a、2bに対して電気的に絶縁された状態で支持される。各絶縁部材11と真空容器2との間も、例えばパッキン13によって真空シールされている。なお、絶縁部材11の材質は、例えば、アルミナ等のセラミックス、石英、又はポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)等のエンジニアリングプラスチック等である。
また、アンテナ3の材質は、例えば、銅、アルミニウム、これらの合金、ステンレス等であるが、これに限られるものではない。なお、アンテナ3を中空にして、その中に冷却水等の冷媒を流し、アンテナ3を冷却するようにしても良い。
さらに、アンテナ3において、真空容器2内に位置する部分は、直管状の絶縁カバー(アンテナ保護管)10により覆われている。この絶縁カバー10の両端部は絶縁部材11によって支持されている。なお、絶縁カバー10の両端部と絶縁部材11間はシールしなくても良い。絶縁カバー10内の空間にガス7が入っても、当該空間は小さくて電子の移動距離が短いので、通常は空間にプラズマPは発生しないからである。なお、絶縁カバー10の材質は、例えば、石英、アルミナ、フッ素樹脂、窒化シリコン、炭化シリコン、シリコン等である。
絶縁カバー10を設けることによって、プラズマP中の荷電粒子がアンテナ3を構成する金属パイプ31に入射するのを抑制することができるので、金属パイプ31に荷電粒子(主として電子)が入射することによるプラズマ電位の上昇を抑制することができると共に、金属パイプ31が荷電粒子(主としてイオン)によってスパッタされてプラズマPおよび基板Wに対して金属汚染(メタルコンタミネーション)が生じるのを抑制することができる。
アンテナ3は、図1に示すように、アンテナ方向(長手方向X)において高周波が給電される給電端部3aと、接地された接地端部3bとを有している。具体的には、各アンテナ3の長手方向Xの両端部において一方の側壁2a又は2bから外部に延出した部分が給電端部3aとなり、他方の側壁2a又は2bから外部に延出した部分が接地端部3bとなる。
ここで、各アンテナ3の給電端部3aには、高周波電源4から整合器41を介して高周波が印加される。高周波の周波数は、例えば、一般的な13.56MHzであるが、これに限られるものではない。
そして、本実施形態のアンテナ3は、プラズマ非点灯時の単位長さ当たりのアンテナインピーダンスの虚数部(リアクタンス)ωLC/l[Ω]が、0<ωLC/l<1/ωC0を満たすように構成されている。
但し、ωは投入される電力の角周波数であり、C0はアンテナとプラズマとの間の単位長さ当たりの容量であり、lはアンテナとプラズマとの間に容量を持つ長さである。
但し、ωは投入される電力の角周波数であり、C0はアンテナとプラズマとの間の単位長さ当たりの容量であり、lはアンテナとプラズマとの間に容量を持つ長さである。
例えば図3のような同軸型であれば次式で表される。
したがって、C0とプラズマ非点灯時の単位長さ当りのアンテナリアクタンス設定の上限1/ωC0は、アンテナ保護管とアンテナの径の比b/aによって決まり、例えば電源周波数f=13.56kHz、ε=8.85×10−12の場合、図4の斜線部の範囲が単位長さ当たりのアンテナリアクタンス設定範囲となる。
また、例えば角型のアンテナ保護管の場合、同軸型のように単純にC0を算出することはできない。そこで、アルミ箔をプラズマに見立ててアンテナとプラズマとの間の静電容量を直接測定した例を示す。
図5のような形状のアンテナと角管で、チャンバー内壁の長辺が2.2mの場合を想定し、角管の中央から1.1mずつの2.2mの範囲にアルミ箔を巻きプラズマと見立てて測定した。結果、C0l=263pFであった。したがって、C0=120pFである。このアンテナのプラズマ非点灯時のリアクタンス設定値は次式の範囲になる。
0<ωLC/l<1/(ω120×10−12)
⇔0<ωLC/l<98[Ω](RFの場合)
⇔0<ωLC/l<98[Ω](RFの場合)
<本実施形態の効果>
このように構成されたアンテナ3によれば、プラズマ非点灯時の単位長さ当たりのアンテナインピーダンスの虚数部ωLC/l[Ω]を0<ωLC/l<1/ωC0を満たすように構成しているので、アンテナ電圧又はその分布及びアンテナ電流分布を抑制することができる。
このように構成されたアンテナ3によれば、プラズマ非点灯時の単位長さ当たりのアンテナインピーダンスの虚数部ωLC/l[Ω]を0<ωLC/l<1/ωC0を満たすように構成しているので、アンテナ電圧又はその分布及びアンテナ電流分布を抑制することができる。
<実施例>
次に、図6に示すアンテナを6本平行に設けたプラズマ処理装置(G4CVD装置)において、プラズマ非点灯時の単位長さ当たりのアンテナインピーダンスの虚数部ωLC/l[Ω]が、0<ωLC/l<1/ωC0の関係を満たすこと、及び、当該プラズマ処理装置による膜厚分布例を示す。
次に、図6に示すアンテナを6本平行に設けたプラズマ処理装置(G4CVD装置)において、プラズマ非点灯時の単位長さ当たりのアンテナインピーダンスの虚数部ωLC/l[Ω]が、0<ωLC/l<1/ωC0の関係を満たすこと、及び、当該プラズマ処理装置による膜厚分布例を示す。
1.アンテナ構成例
本実施例のアンテナは、図6に示すように、複数の導体管(L部)と互いに隣り合う導体管の間に設けられてそれらを絶縁するとともに内部に容量素子が設けられた絶縁管(C部)とを有している。容量素子は、円筒同軸型コンデンサであり、互いに隣り合う導体管に直列接続されている。また、アンテナは内部に冷却水が流れるように構成されており、当該冷却水がC部の容量素子の誘電体となる。L部及びC部はタップにより接続されており、L部にオス部が形成され、C部にメス部が形成されている。
本実施例のアンテナは、図6に示すように、複数の導体管(L部)と互いに隣り合う導体管の間に設けられてそれらを絶縁するとともに内部に容量素子が設けられた絶縁管(C部)とを有している。容量素子は、円筒同軸型コンデンサであり、互いに隣り合う導体管に直列接続されている。また、アンテナは内部に冷却水が流れるように構成されており、当該冷却水がC部の容量素子の誘電体となる。L部及びC部はタップにより接続されており、L部にオス部が形成され、C部にメス部が形成されている。
L部の具体的寸法は、図6の下図に示すように、外径φ19mm、長さ258mm(オス部を含むと306mm)である。アンテナの両端のL部は、その他よりも短く、それぞれ155mmと118mmである(図6の上図参照)。また、C部の具体的寸法は、長さ129mmである。
2.アンテナリアクタンスの測定方法及び測定結果例
アンテナを装置より取り出し、内部に水を流す。L部とC部それぞれのリアクタンスを測定し、合計することでアンテナ1本のリアクタンスを取得する。L部を測定する場合はL部の一端部から他端部の間を測定する(図7の上図のa)。C部を測定する場合はC部の両隣のL部の端部から端部の間を測定する(図7の上図のb)。このアンテナにはPF電力が印加されるので、周波数13.56MHzにおけるリアクタンスを測定する。
アンテナを装置より取り出し、内部に水を流す。L部とC部それぞれのリアクタンスを測定し、合計することでアンテナ1本のリアクタンスを取得する。L部を測定する場合はL部の一端部から他端部の間を測定する(図7の上図のa)。C部を測定する場合はC部の両隣のL部の端部から端部の間を測定する(図7の上図のb)。このアンテナにはPF電力が印加されるので、周波数13.56MHzにおけるリアクタンスを測定する。
これによって得られた測定結果の例を図7の表に示す。
6本のアンテナリアクタンスの測定結果は22.7〜26.8Ωで、平均値は24.3Ωである。アンテナ全長は1563mmなので、単位長さあたりのリアクタンスX0は、X0=X/1.563から、14.5〜17.2Ω/mとなり、平均値は15.5Ω/mとなる。
6本のアンテナリアクタンスの測定結果は22.7〜26.8Ωで、平均値は24.3Ωである。アンテナ全長は1563mmなので、単位長さあたりのリアクタンスX0は、X0=X/1.563から、14.5〜17.2Ω/mとなり、平均値は15.5Ω/mとなる。
3.アンテナ−プラズマ間静電容量
アンテナにL部とC部が存在するが、簡単にφ19mmの導体管と見なす。(このモデルでは、C部については実際よりもアンテナ−プラズマ間静電容量が大きく見積もられ、リアクタンスは小さく見積もられる。したがって、アンテナのリアクタンス設定範囲は狭くなり、設定範囲を満たすアンテナを用いれば十分均一なプラズマを生成できる。)G4CVD装置のアンテナ保護管はφ21×25mmの石英パイプである。したがってアンテナ−プラズマ間は真空層と石英層の直列となる。
アンテナにL部とC部が存在するが、簡単にφ19mmの導体管と見なす。(このモデルでは、C部については実際よりもアンテナ−プラズマ間静電容量が大きく見積もられ、リアクタンスは小さく見積もられる。したがって、アンテナのリアクタンス設定範囲は狭くなり、設定範囲を満たすアンテナを用いれば十分均一なプラズマを生成できる。)G4CVD装置のアンテナ保護管はφ21×25mmの石英パイプである。したがってアンテナ−プラズマ間は真空層と石英層の直列となる。
よってアンテナ−プラズマ間の単位長さ当りの静電容量C0は、真空層の単位長さ当りの静電容量Cvacと石英パイプの単位長さ当りの静電容量CQを用いて次式で表される。
εS:誘電体の比誘電率
l:コンデンサの長さ
b:外側導体の内径
a:内側導体の外径
それぞれ係数を代入すると、
リアクタンスとしては、−1/ωC0=−30.9Ω/mとなる。
2.の測定結果では、ωXC/l=14.5〜17.2Ω/mであり、いずれも十分に0<ωXC/l<1/ωC0を満たす。
2.の測定結果では、ωXC/l=14.5〜17.2Ω/mであり、いずれも十分に0<ωXC/l<1/ωC0を満たす。
4.膜厚分布例
図7の表に示すリアクタンスを持つアンテナを用いてプラズマを生成し成膜した時の膜厚分布を図8に示す。なお、この膜厚分布における膜厚測定位置は図9に示すとおりである。このアンテナを用いて成膜した場合の膜厚分布の均一性は、±3.7%であった。
図7の表に示すリアクタンスを持つアンテナを用いてプラズマを生成し成膜した時の膜厚分布を図8に示す。なお、この膜厚分布における膜厚測定位置は図9に示すとおりである。このアンテナを用いて成膜した場合の膜厚分布の均一性は、±3.7%であった。
5.アンテナにおけるC部の数制限について
258mmのL部のリアクタンス測定値は、図7の表から、11.08〜12.01Ωであり、それらの平均値は11.55Ωである。つまり、L部の単位長さ当たりのリアクタンスは42.9〜46.5Ω/mとなり、平均値は44.8Ω/mとなる。
258mmのL部のリアクタンス測定値は、図7の表から、11.08〜12.01Ωであり、それらの平均値は11.55Ωである。つまり、L部の単位長さ当たりのリアクタンスは42.9〜46.5Ω/mとなり、平均値は44.8Ω/mとなる。
上記の平均値をL部の単位長さ当たりのリアクタンスとし、単位長さ当たりのC部のリアクタンス合計をXCsumとすると、単位長さ当たりアンテナリアクタンスωLC/lは次式で表される。
例えばG4CVD装置では、C0=380pF、1/ωC0=30.9Ω/mなので、XCsumの制限は次式で表される。
この関係を図10に図示する。図10の斜線部の値を満たすことによって、アンテナのリアクタンスωLC/l[Ω]が、0<ωLC/l<1/ωC0の関係を満たすことになる。
なお、本発明は前記実施形態に限られず、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であるのは言うまでもない。
100・・・プラズマ処理装置
P・・・プラズマ
3・・・アンテナ
P・・・プラズマ
3・・・アンテナ
Claims (3)
- 誘導結合型のプラズマを発生させるためのアンテナであって、
プラズマ非点灯時の単位長さ当たりのアンテナのリアクタンスωLC/l[Ω]が、
0<ωLC/l<1/ωC0
を満たすアンテナ。
但し、ωは投入される電力の角周波数であり、C0はアンテナとプラズマとの間の単位長さ当たりの容量であり、lはアンテナとプラズマとの間に容量を持つ長さである。 - 複数の導体要素と互いに隣り合う導体要素の間に設けられてそれらを絶縁するとともに内部に容量素子が設けられた絶縁要素とを有しており、
前記絶縁要素1個のリアクタンスXC1[Ω]が、
−44.8/n<XC1<−13.9/n
を満たす、請求項1記載のアンテナ。
但し、nは単位長さあたりの絶縁要素の数である。 - 請求項1又は2記載のアンテナを備えたプラズマ処理装置。
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