JP2020086237A - 表面保護フィルム付偏光板 - Google Patents

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【課題】リワークの際の破断の抑制された、表面保護フィルム付偏光板を提供する。【解決手段】本発明の表面保護フィルム付偏光板は、粘着剤層と偏光子と保護層と表面保護フィルムとをこの順に備える。該保護層がポリエチレンテレフタレート(PET)を含み、該表面保護フィルムの高速剥離力が1.0N〜2.0Nである。【選択図】図1

Description

本発明は、表面保護フィルム付偏光板に関する。
樹脂基材上にポリビニルアルコール(PVA)系樹脂層を形成し、この積層体を染色および延伸することにより偏光子を得る方法が提案されている(例えば、特許文献1)。このような方法によれば、厚みの薄い偏光子が得られるため、例えば、画像表示装置の薄型化に寄与し得るとして注目されている。
上記偏光子は、偏光子/樹脂基材の積層体の形態で得られ、代表的には、偏光子表面に保護フィルム(保護層)が貼り合わされ、次いで上記樹脂基材が剥離および除去される。しかし、樹脂基材の剥離および除去工程は、製造効率を下げる要因の一つであった。そこで、積層体に保護フィルムを貼り合わせず、さらに樹脂基材を偏光板から剥離および除去せず保護層として使用する偏光板が提案されている。
ところで、偏光板は、粘着剤層などを介して光学パネル等に取り付けられ得る。この場合、貼り合わせ時に汚染物や気泡等の異物が混入するとその部分が視認障害となるため、貼り合わせミスとして偏光板が光学パネル等より剥離および除去され、当該光学パネルは再利用される。このような作業はリワークと称される。上記のような樹脂基材をそのまま保護層として用いる偏光板においては、リワークの際に偏光板が破断してしまうという問題がある。
特開2012−073580号公報 特開2017−149923号公報
本発明は上記従来の課題を解決するためになされたものであり、その主たる目的は、リワークの際の破断が抑制された偏光板を提供することである。
本発明の表面保護フィルム付偏光板は、粘着剤層と偏光子と保護層と表面保護フィルムとをこの順に備え、該保護層がポリエチレンテレフタレートを含み、該表面保護フィルムの高速剥離力が1.0N〜2.0Nである。
一つの実施形態においては、上記表面保護フィルムの厚みが5μm〜500μmである。
一つの実施形態においては、上記保護層と上記表面保護フィルムとの間にさらにブロッキング防止層を備え、該ブロッキング防止層の表面粗さRaが5.0nm〜15.0nmである。
一つの実施形態においては、上記保護層の破断強度比が1.7〜2.4である。
本発明によれば、表面保護フィルム付偏光板において、表面保護フィルムの高速剥離力を最適化することにより、リワークの際の破断が抑制された表面保護フィルム付偏光板を提供することができる。
本発明の1つの実施形態による表面保護フィルム付偏光板の概略断面図である。
以下、本発明の実施形態について説明するが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。
A.表面保護フィルム付偏光板
図1は、本発明の1つの実施形態による表面保護フィルム付偏光板の概略断面図である。図示例の表面保護フィルム付偏光板100は、粘着剤層10と偏光子20と保護層30と表面保護フィルム50とを有する。図示していないが、偏光子20と保護層30の間には代表的には下塗り層が形成され得る。保護層はポリエチレンテレフタレート(PET)を含む。偏光子は、後述するように、樹脂基材にポリビニルアルコール(PVA)系樹脂溶液を塗布・乾燥してPVA系樹脂層を形成し、PVA系樹脂層と樹脂基材との積層体を延伸、染色等することによりPVA系樹脂層が偏光子となる。下塗り層が形成される場合には、樹脂基材の片側に下塗り層を形成し、該下塗り層表面にPVA系樹脂層を形成する。本発明の実施形態においては、当該樹脂基材をそのまま保護層として用いる。
本発明の実施形態においては、表面保護フィルムの高速剥離力は、1.0N〜2.0Nであり、より好ましくは1.5N〜2.0Nであり、さらに好ましくは、1.75N〜2.0Nである。本明細書において高速剥離力とは、表面保護フィルム付偏光板において偏光板から表面保護フィルムを30m/min以上で剥離する際に必要な力をいう。
一般的には、生産性および操作性の観点から、光学部材(例えば、偏光板)から表面保護フィルムを剥離する際には剥離力が小さいこと(軽剥離化:例えば、剥離力が0.5m/min以下)が求められている。一方、本発明者らは、樹脂基材をそのまま保護層として用いる偏光板を含む表面保護フィルム付偏光板においては、剥離力が大きい方がリワーク性に優れることを発見し、本発明を完成するに至った。これは、樹脂基材をそのまま保護層として用いる偏光板を含む表面保護フィルム付偏光板を実用に供して初めて得られた知見であり、業界の常識とは逆方向の構成により得られる予期せぬ優れた効果である。
本発明の実施形態においては、上記保護層の破断強度比は、好ましくは1.7〜2.4であり、より好ましくは1.9〜2.4であり、さらに好ましくは2.1〜2.4である。破断強度比とは、フィルム(ここでは、保護層)が破断した際の最大応力であり、搬送方向の破断強度(BS)と搬送方向と直交する方向の破断強度(BS)との比(BS/BS)である。
本発明の実施形態においては、表面保護フィルム付偏光板100は、図示例のように、必要に応じて、ブロッキング防止層40を有していてもよい。ブロッキング防止層の表面粗さRaは、好ましくは5.0nm〜15.0nmであり、より好ましくは7.0nm〜10.0nmである。表面粗さRaは、JIS B 0601に準じて求めることができる。
B.粘着剤層
粘着剤層10は、代表的にはアクリル系粘着剤で構成される。粘着剤層10は、後述の偏光子20の一方の面に形成され、光学パネル等と偏光板とを貼着する目的で設けられる。
粘着剤層の厚みは、好ましくは1μm〜150μmであり、より好ましくは2μm〜125μmであり、さらに好ましくは3μm〜110μmであり、特に好ましくは5μm〜95μmであり、最も好ましくは10μm〜80μmである。
C.偏光子
偏光子20は、代表的には、二色性物質を含む樹脂フィルムで構成される。
樹脂フィルムとしては、偏光子として用いられ得る任意の適切な樹脂フィルムを採用することができる。樹脂フィルムは、代表的には、ポリビニルアルコール系樹脂(以下、「PVA系樹脂」と称する)フィルムである。
上記PVA系樹脂フィルムを形成するPVA系樹脂としては、任意の適切な樹脂が用いられ得る。例えば、ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体が挙げられる。ポリビニルアルコールは、ポリ酢酸ビニルをケン化することにより得られる。エチレン−ビニルアルコール共重合体は、エチレン−酢酸ビニル共重合体をケン化することにより得られる。PVA系樹脂のケン化度は、通常85モル%〜100モル%であり、好ましくは95.0モル%〜99.95モル%、さらに好ましくは99.0モル%〜99.93モル%である。ケン化度は、JIS K 6726−1994に準じて求めることができる。このようなケン化度のPVA系樹脂を用いることによって、耐久性に優れた偏光子を得ることができる。ケン化度が高すぎる場合には、ゲル化してしまうおそれがある。
PVA系樹脂の平均重合度は、目的に応じて適切に選択され得る。平均重合度は、通常1000〜10000であり、好ましくは1200〜4500、さらに好ましくは1500〜4300である。なお、平均重合度は、JIS K 6726−1994に準じて求めることができる。
樹脂フィルムに含まれる二色性物質としては、例えば、ヨウ素、有機染料等が挙げられる。これらは、単独で、または、二種以上組み合わせて用いられ得る。好ましくは、ヨウ素が用いられる。
偏光子の厚みは、好ましくは15μm以下であり、より好ましくは1μm〜12μmであり、さらに好ましくは3μm〜10μmであり、特に好ましくは3μm〜8μmである。偏光子の厚みがこのような範囲であれば、加熱時のカールを良好に抑制することができ、および、良好な加熱時の外観耐久性が得られる。さらに、偏光子の厚みがこのような範囲であれば、表面保護フィルム付偏光板(結果として、偏光板および画像表示装置)の薄型化に貢献し得る。
偏光子20は、代表的には、後述のG項に記載する方法により形成され得る。
D.保護層
保護層30は、上記のとおりPETを含む。すなわち、保護層30は、後述のG項に記載する方法における樹脂基材がそのまま用いられる。
1つの実施形態においては、上記樹脂基材(保護層)の形成材料として、非晶質の(結晶化していない)ポリエチレンテレフタレート系樹脂が好ましく用いられる。中でも、非晶性の(結晶化しにくい)ポリエチレンテレフタレート系樹脂が特に好ましく用いられる。非晶性のポリエチレンテレフタレート系樹脂の具体例としては、ジカルボン酸としてイソフタル酸および/またはシクロヘキサンジカルボン酸をさらに含む共重合体や、グリコールとしてシクロヘキサンジメタノールやジエチレングリコールをさらに含む共重合体が挙げられる。
好ましい実施形態においては、上記樹脂基材は、イソフタル酸ユニットを有するポリエチレンテレフタレート系樹脂で構成される。このような樹脂基材は延伸性に極めて優れるとともに、延伸時の結晶化が抑制され得るからである。これは、イソフタル酸ユニットを導入することで、主鎖に大きな屈曲を与えることによるものと考えられる。ポリエチレンテレフタレート系樹脂は、テレフタル酸ユニットおよびエチレングリコールユニットを有する。イソフタル酸ユニットの含有割合は、全繰り返し単位の合計に対して、好ましくは0.1モル%以上、さらに好ましくは1.0モル%以上である。延伸性に極めて優れた樹脂基材が得られるからである。一方、イソフタル酸ユニットの含有割合は、全繰り返し単位の合計に対して、好ましくは20モル%以下、より好ましくは10モル%以下である。このような含有割合に設定することで、後述の乾燥収縮処理において結晶化度を良好に増加させることができる。
樹脂基材のガラス転移温度(Tg)は、好ましくは170℃以下であり、さらに好ましくは120℃以下である。1つの実施形態においては、樹脂基材のガラス転移温度は、好ましくは60℃以上である。別の実施形態においては、PVA系樹脂を含む塗布液を塗布・乾燥する際に、樹脂基材が変形しなければ、60℃より低いガラス転移温度であってもよい。なお、ガラス転移温度(Tg)は、JIS K 7121に準じて求められる値である。
樹脂基材は、吸水率が0.2%以上であることが好ましく、さらに好ましくは0.3%以上である。一方、樹脂基材の吸水率は、好ましくは3.0%以下、さらに好ましくは1.0%以下である。なお、吸水率は、JIS K 7209に準じて求められる値である。
保護層の厚みは、好ましくは10μm〜120μmである。
E.ブロッキング防止層
ブロッキング防止層40は、例えば、導電性材料およびバインダー樹脂を含む。このような構成によれば、優れた耐ブロッキング性を実現し、製造効率を向上させることができる。また、帯電防止性に優れ得る。導電性材料およびバインダー樹脂の詳細については、特開2015−125233号公報に記載されており、当該公報の記載は、本明細書に参考として援用される。
ブロッキング防止層は、保護層に、上記導電性材料および上記バインダー樹脂を含む樹脂組成物を塗布・乾燥することにより設けられる。樹脂組成物は、好ましくは、水性である。樹脂組成物の詳細については、特開2015−125233号公報に記載されており、当該公報の記載は、本明細書に参考として援用される。
ブロッキング防止層の表面粗さRaは5.0nm〜15.0nmであり、より好ましくは7.0nm〜10.0nmである。このような表面粗さRaを有することにより、リワークの際の破断が抑制された表面保護フィルム付偏光板が得られ得る。
ブロッキング防止層の厚みは、好ましくは50nm〜300nmであり、より好ましくは60nm〜150nmである。
F.表面保護フィルム
表面保護フィルム50は、基材層51と粘着剤層52とを含む。表面保護フィルム50は、粘着剤層52を介して偏光板(図示例では、そのブロッキング層40)に剥離可能に貼り合わされている。
表面保護フィルムの高速剥離力は、上記のとおり1.0N〜2.0Nであり、好ましくは1.5N〜2.0Nであり、より好ましくは1.75N〜2.0Nである。このような高速剥離力を有することにより、リワークの際の破断が抑制された表面保護フィルム付偏光板が得られ得る。
表面保護フィルムの厚みは、好ましくは5μm〜500μmであり、より好ましくは10μm〜450μmであり、さらに好ましくは15μm〜400μmであり、特に好ましくは20μm〜300μmである。
基材層51は、1層のみであってもよいし、2層以上であってもよい。基材層は、延伸されたものであってもよい。
基材層51の材料としては、用途に応じて、任意の適切な材料を採用し得る。例えば、プラスチック、紙、金属フィルム、不織布が挙げられる。好ましくは、プラスチックである。すなわち、基材層は、好ましくは、プラスチックフィルムである。基材層51は、1種の材料から構成されていてもよいし、2種以上の材料から構成されていてもよい。例えば、2種以上のプラスチックから構成されていてもよい。上記プラスチックの詳細については、特開2017−149923号公報に記載されており、当該公報の記載は、本明細書に参考として援用される。
基材層51の厚みは、好ましくは4μm〜450μmであり、より好ましくは8μm〜400μmであり、さらに好ましくは12μm〜350μmであり、特に好ましくは16μm〜250μmである。
粘着剤層52に含まれる粘着剤は、本発明の効果を損なわない範囲で任意の適切な粘着剤を採用し得る。本発明の効果をより発現させ得る点で、好ましくは、アクリル系粘着剤、ウレタン系粘着剤およびシリコーン系粘着剤から選ばれる少なくとも1種であり、本発明の効果をより発現し得る点で、より好ましくは、アクリル系粘着剤である。該アクリル系粘着剤は、ヒドロキシ基およびカルボキシル基を有する(メタ)アクリル系ポリマーを含有することが好ましい。アクリル系粘着剤の詳細については、特開2014−111703号公報に記載されており、当該公報の記載は、本明細書に参考として援用される。
粘着剤層52の厚みは、好ましくは1μm〜150μmであり、より好ましくは2μm〜140μmであり、さらに好ましくは3μm〜130μmであり、特に好ましくは4μm〜120μmである。
G.表面保護フィルム付偏光板の製造方法
本発明の表面保護フィルム付偏光板は、任意の適切な方法により作製され得る。以下、一例を説明する。
G−1.偏光板の製造方法
上記表面保護フィルム付偏光板における偏光板の製造方法は、代表的には、樹脂基材の片側にPVA系樹脂層を形成すること、および、該樹脂基材と該PVA系樹脂層との積層体を延伸および染色して該ポリビニルアルコール系樹脂層を偏光子とすること、を含む。下塗り層が形成される場合には、樹脂基材の片側に下塗り層を形成し、該下塗り層表面にPVA系樹脂層を形成する。
G−2.PVA系樹脂層の形成
PVA系樹脂層の形成方法としては、任意の適切な方法が採用され得る。好ましくは、樹脂基材上に、PVA系樹脂を含む塗布液を塗布し、乾燥することにより、PVA系樹脂層を形成する。下塗り層が形成される場合には、樹脂基材の片側に下塗り層形成用組成物を塗布して下塗り層を形成し、該下塗り層表面にPVA系樹脂層を形成する。該下塗り層を形成することによって、樹脂基材とPVA系樹脂層との密着性が向上し得る。
上記のとおり、樹脂基材の形成材料としては、PETが用いられる。
樹脂基材の延伸前の厚みは、好ましくは20μm〜300μm、より好ましくは50μm〜200μmである。20μm未満であると、PVA系樹脂層の形成が困難になるおそれがある。300μmを超えると、例えば、水中延伸において、樹脂基材が水を吸収するのに長時間を要するとともに、延伸に過大な負荷を要するおそれがある。
上記下塗り層形成用組成物は、好ましくは、PVA系成分とポリオレフィン系成分とを含む。このような組成とすることにより、優れた密着性と優れた外観とを兼ね備えた積層体を得ることができる。PVA系成分としては、任意の適切なPVA系樹脂が用いられ得る。具体的には、PVA、変性PVAが挙げられる。変性PVAとしては、例えば、アセトアセチル基、カルボン酸基、アクリル基および/またはウレタン基で変性されたPVAが挙げられる。これらの中でも、アセトアセチル変性PVAが好ましく用いられる。
下塗り層形成用組成物の塗布方法としては、任意の適切な方法を採用することができる。例えば、ロールコート法、スピンコート法、ワイヤーバーコート法、ディップコート法、ダイコート法、カーテンコート法、スプレーコート法、ナイフコート法(コンマコート法等)等が挙げられる。
下塗り層形成用組成物は、得られる下塗り層の厚みが500nm〜3000nmとなるように塗布することが好ましく、さらに好ましくは800nm〜2000nmである。下塗り層の厚みが薄すぎると、十分な密着性が得られないおそれがある。一方、下塗り層の厚みが厚すぎると、後述のPVA系樹脂塗布層の形成の際に、ハジキが発生する、得られる塗布膜にムラが生じる等の不具合が発生して、外観に優れた積層体を得るのが困難となるおそれがある。
下塗り層形成用組成物の塗布後、塗布膜は乾燥され得る。乾燥温度は、例えば50℃以上である。下塗り層形成用組成物および下塗り層の形成方法の詳細については、特開2017−114052号公報に記載されており、当該公報の記載は、本明細書に参考として援用される。
上記塗布液は、代表的には、上記PVA系樹脂を溶媒に溶解させた溶液である。溶媒としては、例えば、水、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、各種グリコール類、トリメチロールプロパン等の多価アルコール類、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン等のアミン類が挙げられる。これらは単独で、または、二種以上組み合わせて用いることができる。これらの中でも、好ましくは、水である。溶液のPVA系樹脂濃度は、溶媒100重量部に対して、好ましくは3重量部〜20重量部である。このような樹脂濃度であれば、樹脂基材に密着した均一な塗布膜を形成することができる。
塗布液に、添加剤を配合してもよい。添加剤としては、例えば、可塑剤、界面活性剤等が挙げられる。可塑剤としては、例えば、エチレングリコールやグリセリン等の多価アルコールが挙げられる。界面活性剤としては、例えば、非イオン界面活性剤が挙げられる。これらは、得られるPVA系樹脂層の均一性や染色性、延伸性をより一層向上させる目的で使用され得る。また、添加剤としては、例えば、易接着成分が挙げられる。易接着成分を用いることにより、樹脂基材とPVA系樹脂層との密着性を向上させ得る。その結果、例えば、樹脂基材からPVA系樹脂層が剥がれる等の不具合を抑制して、後述の染色、水中延伸を良好に行うことができる。易接着成分としては、例えば、アセトアセチル変性PVAなどの変性PVAが用いられる。
塗布液の塗布方法としては、任意の適切な方法を採用することができる。例えば、ロールコート法、スピンコート法、ワイヤーバーコート法、ディップコート法、ダイコート法、カーテンコート法、スプレーコート法、ナイフコート法(コンマコート法等)等が挙げられる。
上記塗布液の塗布・乾燥温度は、好ましくは50℃以上である。
PVA系樹脂層を形成する前に、樹脂基材に表面処理(例えば、コロナ処理等)を施してもよいし、樹脂基材上に易接着層を形成してもよい。このような処理を行うことにより、樹脂基材とPVA系樹脂層との密着性を向上させることができる。
上記PVA系樹脂層(延伸前)の厚みは、好ましくは3μm〜20μmである。
G−3.延伸
積層体の延伸方法としては、任意の適切な方法が採用され得る。具体的には、固定端延伸でもよいし、自由端延伸(例えば、周速の異なるロール間に積層体を通して一軸延伸する方法)でもよい。好ましくは、自由端延伸である。
積層体の延伸方向は、適宜、設定され得る。1つの実施形態においては、長尺状の積層体の長手方向に延伸する。この場合、代表的には、周速の異なるロール間に積層体を通して延伸する方法が採用される。別の実施形態においては、長尺状の積層体の幅方向に延伸する。この場合、代表的には、テンター延伸機を用いて延伸する方法が採用される。
延伸方式は、特に限定されず、空中延伸方式でもよいし、水中延伸方式でもよい。好ましくは、水中延伸方式である。水中延伸方式によれば、上記樹脂基材やPVA系樹脂層のガラス転移温度(代表的には、80℃程度)よりも低い温度で延伸し得、PVA系樹脂層を、その結晶化を抑えながら、高倍率に延伸することができる。その結果、優れた光学特性を有する偏光子を作製することができる。
積層体の延伸は、一段階で行ってもよいし、多段階で行ってもよい。多段階で行う場合、例えば、上記自由端延伸と固定端延伸とを組み合わせてもよいし、上記水中延伸方式と空中延伸方式とを組み合わせてもよい。また、多段階で行う場合、後述の積層体の延伸倍率(最大延伸倍率)は、各段階の延伸倍率の積である。
積層体の延伸温度は、樹脂基材の形成材料、延伸方式等に応じて、任意の適切な値に設定され得る。空中延伸方式を採用する場合、延伸温度は、好ましくは樹脂基材のガラス転移温度(Tg)以上であり、さらに好ましくは樹脂基材のガラス転移温度(Tg)+10℃以上、特に好ましくはTg+15℃以上である。一方、積層体の延伸温度は、好ましくは170℃以下である。このような温度で延伸することで、PVA系樹脂の結晶化が急速に進むのを抑制して、当該結晶化による不具合(例えば、延伸によるPVA系樹脂層の配向を妨げる)を抑制することができる。
水中延伸方式を採用する場合、延伸浴の液温は60℃以上であり、好ましくは65℃〜85℃であり、より好ましくは65℃〜75℃である。このような温度であれば、PVA系樹脂層の溶解を抑制しながら高倍率に延伸することができる。具体的には、上述のように、樹脂基材のガラス転移温度(Tg)は、PVA系樹脂層の形成との関係で、好ましくは60℃以上である。この場合、延伸温度が60℃を下回ると、水による樹脂基材の可塑化を考慮しても、良好に延伸できないおそれがある。一方、延伸浴の温度が高温になるほど、PVA系樹脂層の溶解性が高くなって、優れた光学特性が得られないおそれがある。延伸浴への積層体の浸漬時間は、好ましくは15秒〜5分である。
水中延伸方式を採用する場合、積層体をホウ酸水溶液中に浸漬させて延伸することが好ましい(ホウ酸水中延伸)。延伸浴としてホウ酸水溶液を用いることで、PVA系樹脂層に、延伸時にかかる張力に耐える剛性と、水に溶解しない耐水性とを付与することができる。具体的には、ホウ酸は、水溶液中でテトラヒドロキシホウ酸アニオンを生成してPVA系樹脂と水素結合により架橋し得る。その結果、PVA系樹脂層に剛性と耐水性とを付与して、良好に延伸することができ、優れた光学特性を有する偏光子を作製することができる。
上記ホウ酸水溶液は、好ましくは、溶媒である水にホウ酸および/またはホウ酸塩を溶解させることにより得られる。本発明においては、ホウ酸濃度は3.5重量%以下であり、好ましくは2.0重量%〜3.5重量%であり、より好ましくは2.5重量%〜3.5重量%である。ホウ酸濃度がこのような範囲であれば、得られる偏光子は、優れた光学特性と優れた耐久性および耐水性とを両立し得る。なお、ホウ酸またはホウ酸塩以外に、ホウ砂等のホウ素化合物、グリオキザール、グルタルアルデヒド等を溶媒に溶解して得られた水溶液も用いることができる。
後述の染色により、予め、PVA系樹脂層に二色性物質(代表的には、ヨウ素)が吸着されている場合、好ましくは、上記延伸浴(ホウ酸水溶液)にヨウ化物を配合する。ヨウ化物を配合することにより、PVA系樹脂層に吸着させたヨウ素の溶出を抑制することができる。ヨウ化物としては、例えば、ヨウ化カリウム、ヨウ化リチウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化亜鉛、ヨウ化アルミニウム、ヨウ化鉛、ヨウ化銅、ヨウ化バリウム、ヨウ化カルシウム、ヨウ化錫、ヨウ化チタン等が挙げられる。これらの中でも、好ましくは、ヨウ化カリウムである。ヨウ化カリウム濃度を調整することにより、偏光子中のヨウ素濃度を調整することができる。延伸浴中のヨウ化カリウムの濃度は、水100重量部に対して、好ましくは0.05重量部〜15重量部、より好ましくは0.5重量部〜8重量部である。
積層体の延伸倍率(最大延伸倍率)は、積層体の元長に対して、好ましくは5.0倍以上である。このような高い延伸倍率は、例えば、水中延伸方式(ホウ酸水中延伸)を採用することにより、達成し得る。なお、本明細書において「最大延伸倍率」とは、積層体が破断する直前の延伸倍率をいい、別途、積層体が破断する延伸倍率を確認し、その値よりも0.2低い値をいう。
1つの実施形態においては、上記積層体を高温(例えば、95℃以上)で空中延伸した後、上記ホウ酸水中延伸および後述の染色を行う。このような空中延伸は、ホウ酸水中延伸に対する予備的または補助的な延伸として位置付けることができるため、以下「空中補助延伸」という。
空中補助延伸を組み合わせることで、積層体をより高倍率に延伸することができる場合がある。その結果、より優れた光学特性(例えば、偏光度)を有する偏光子を作製することができる。例えば、上記樹脂基材としてポリエチレンテレフタレート系樹脂を用いた場合、ホウ酸水中延伸のみで延伸するよりも、空中補助延伸とホウ酸水中延伸とを組み合せる方が、樹脂基材の配向を抑制しながら延伸することができる。当該樹脂基材は、その配向性が向上するにつれて延伸張力が大きくなり、安定的な延伸が困難となったり、破断したりする。そのため、樹脂基材の配向を抑制しながら延伸することで、積層体をより高倍率に延伸することができる。
また、空中補助延伸を組み合わせることで、PVA系樹脂の配向性を向上させ、そのことにより、ホウ酸水中延伸後においてもPVA系樹脂の配向性を向上させ得る。具体的には、予め、空中補助延伸によりPVA系樹脂の配向性を向上させておくことで、ホウ酸水中延伸の際にPVA系樹脂がホウ酸と架橋し易くなり、ホウ酸が結節点となった状態で延伸されることで、ホウ酸水中延伸後もPVA系樹脂の配向性が高くなるものと推定される。その結果、優れた光学特性(例えば、偏光度)を有する偏光子を作製することができる。
空中補助延伸における延伸倍率は、好ましくは3.5倍以下である。空中補助延伸の延伸温度は、PVA系樹脂のガラス転移温度以上であることが好ましい。延伸温度は、好ましくは95℃〜150℃である。なお、空中補助延伸と上記ホウ酸水中延伸とを組み合わせた場合の最大延伸倍率は、積層体の元長に対して、好ましくは5.0倍以上、より好ましくは5.5倍以上、さらに好ましくは6.0倍以上である。
G−4.染色
PVA系樹脂層の染色は、代表的には、PVA系樹脂層にヨウ素を吸着させることにより行う。当該吸着方法としては、例えば、ヨウ素を含む染色液にPVA系樹脂層(積層体)を浸漬させる方法、PVA系樹脂層に当該染色液を塗工する方法、当該染色液をPVA系樹脂層に噴霧する方法等が挙げられる。好ましくは、染色液にPVA系樹脂層(積層体)を浸漬させる方法である。ヨウ素が良好に吸着し得るからである。
上記染色液は、好ましくは、ヨウ素水溶液である。ヨウ素の配合量は、水100重量部に対して、好ましくは0.1重量部〜0.5重量部である。ヨウ素の水に対する溶解度を高めるため、ヨウ素水溶液にヨウ化物を配合することが好ましい。上記のとおり、ヨウ化物としては、ヨウ化カリウムが好ましい。ヨウ化カリウム濃度を調整することにより、偏光子中のヨウ素濃度を調整することができる。染色浴中のヨウ化カリウムの配合量は、水100重量部に対して、好ましくは0.02重量部〜20重量部、より好ましくは0.1重量部〜10重量部である。染色液の染色時の液温は、PVA系樹脂の溶解を抑制するため、好ましくは20℃〜50℃である。染色液にPVA系樹脂層を浸漬させる場合、浸漬時間は、PVA系樹脂層の透過率を確保するため、好ましくは5秒〜5分である。また、染色条件(濃度、液温、浸漬時間)は、最終的に得られる偏光子の偏光度もしくは単体透過率が所定の範囲となるように、設定することができる。1つの実施形態においては、得られる偏光子の偏光度が99.98%以上となるように、浸漬時間を設定する。別の実施形態においては、得られる偏光子の単体透過率が43.0%以下となるように、浸漬時間を設定する。いずれの実施形態においても、得られる偏光子におけるヨウ素濃度およびカリウム濃度が所望の範囲となるように、染色液中のヨウ素濃度、ヨウ化カリウム濃度および浸漬時間が調整され得る。
染色処理は、任意の適切なタイミングで行い得る。上記水中延伸を行う場合、好ましくは、水中延伸の前に行う。
G−5.その他の処理
上記PVA系樹脂層(積層体)は、延伸および染色以外に、偏光子とするための処理が、適宜施され得る。偏光子とするための処理としては、例えば、不溶化処理、架橋処理、洗浄処理、乾燥処理、加熱処理等が挙げられる。なお、これらの処理の回数、順序等は、特に限定されない。
上記不溶化処理は、代表的には、ホウ酸水溶液にPVA系樹脂層(積層体)を浸漬することにより行う。不溶化処理を施すことにより、PVA系樹脂層に耐水性を付与することができる。当該ホウ酸水溶液の濃度は、水100重量部に対して、好ましくは1重量部〜4重量部である。不溶化浴(ホウ酸水溶液)の液温は、好ましくは20℃〜50℃である。好ましくは、不溶化処理は、上記水中延伸や上記染色処理の前に行う。
上記架橋処理は、代表的には、ホウ酸水溶液にPVA系樹脂層(積層体)を浸漬することにより行う。架橋処理を施すことにより、PVA系樹脂層に耐水性を付与することができる。当該ホウ酸水溶液の濃度は、水100重量部に対して、好ましくは1重量部〜5重量部である。また、上記染色処理後に架橋処理を行う場合、さらに、ヨウ化物を配合することが好ましい。ヨウ化物を配合することにより、PVA系樹脂層に吸着させたヨウ素の溶出を抑制することができる。上記のとおり、ヨウ化物としては、ヨウ化カリウムが好ましい。ヨウ化カリウム濃度を調整することにより、偏光子中のヨウ素濃度を調整することができる。架橋浴中のヨウ化カリウムの配合量は、水100重量部に対して、好ましくは1重量部〜5重量部である。ヨウ化物の具体例は、上述のとおりである。架橋浴(ホウ酸水溶液)の液温は、好ましくは20℃〜60℃である。好ましくは、架橋処理は上記水中延伸の前に行う。好ましい実施形態においては、空中延伸、染色処理および架橋処理をこの順で行う。
上記洗浄処理は、代表的には、ヨウ化カリウム水溶液にPVA系樹脂層(積層体)を浸漬することにより行う。上記乾燥処理における乾燥温度は、好ましくは30℃〜100℃である。
上記乾燥処理の後、さらに加熱処理が行われてもよい。加熱処理としては、ロールによる連続加熱、非接触(テンター把持)加熱およびオーブン加熱等が挙げられる。好ましくはオーブン加熱が採用され得る。オーブンの炉内の温度は、好ましくは30℃〜100℃である。また、オーブンによる加熱時間は、好ましくは1秒〜300秒である。熱風の風速は、好ましくは10m/s〜30m/s程度である。当該加熱処理により、PET系樹脂基材の結晶化が進行し得る。その結果、上記所望の破断強度比が得られ、リワークの際の破断が抑制された表面保護フィルム付偏光板が得られ得る。
以上のようにして、樹脂基材上に偏光子が形成される。当該樹脂基材は、保護層としてそのまま用い得る。したがって、樹脂基材(保護層)/偏光子の構成を有する偏光板が得られ得る。
G−6.表面保護フィルムの貼り合わせ
上記で得られた偏光板の保護層表面に、表面保護フィルムを粘着剤層52を介して貼り合わせる。さらに、偏光子表面に粘着剤層10を形成し、必要に応じて粘着剤表面にセパレーターを剥離可能に貼り合わせる。このようにして、表面保護フィルム付偏光板が得られ得る。
H.画像表示装置
本発明の実施形態による表面保護フィルム付偏光板は、画像表示装置に適用され得る。代表的には、表面保護フィルム付偏光板は、表面保護フィルムが視認側となるようにして画像表示装置の視認側に配置され、実用に際しては、表面保護フィルムは剥離除去される。画像表示装置の代表例としては、液晶表示装置、有機エレクトロルミネセンス(EL)表示装置、量子ドット表示装置が挙げられる。好ましくは液晶表示装置であり、より好ましくはIPSモードの液晶表示装置である。斜め方向の色相改善がより顕著だからである。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例によって限定されるものではない。なお、各特性の測定方法は以下の通りである。
1.表面保護フィルムの高速剥離力
実施例および比較例で得られた表面保護フィルム付偏光板について、万能引張試験機にて剥離速度30m/分(高速剥離)、剥離角度180°で剥離したときの初期粘着力(A)(N/25mm)を測定した。測定は23℃×50%RHの環境下で行った。
2.端部浮き
表面保護フィルムが貼りあわされた偏光板の端面状態を、リワーク性評価前に確認した。
表面保護フィルム及び粘着剤層が偏光板から浮いている距離を測定した。
○:浮きなし
△:10μm〜99μm
×:100μm以上
3.リワーク
<リワーク性の評価>
作製した粘着剤層付偏光フィルムを、32インチに裁断したものをサンプルとした。当該サンプルを、無アルカリガラス板に、ラミネーターを用いて貼り付け、次いで50℃、5atmで15分間オートクレーブ処理して完全に密着させた。その後、リワーク装置を用いて、剥離角度90°、剥離速度0.6m/minの条件でリワークした時の成功率を確認した。検体数は4検体で行った。そして、下記基準で評価した。
◎:リワーク100%
〇:リワーク50%以上
×:リワーク25%以下
[実施例1]
樹脂基材として、長尺状で、吸水率0.75%、Tg75℃で、非晶質のイソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚み:100μm)を用いた。
樹脂基材の片面に、コロナ処理(処理条件:55W・min/m)を施し、このコロナ処理面に、厚み2μmの下塗り層を形成し、その上にポリビニルアルコール(重合度4200、ケン化度99.2モル%)90重量部およびアセトアセチル変性PVA(日本合成化学工業社製、商品名「ゴーセファイマーZ410」)10重量部、ならびにヨウ化カリウム13重量部を含む水溶液を塗布し、60℃で乾燥して、厚み13μmのPVA系樹脂層を形成し、積層体を作製した。
得られた積層体を、130℃のオーブン内で周速の異なるロール間で縦方向(長手方向)に2.4倍に自由端一軸延伸した(空中補助延伸)。
次いで、積層体を、液温40℃の不溶化浴(水100重量部に対して、ホウ酸を4重量部配合して得られたホウ酸水溶液)に30秒間浸漬させた(不溶化処理)。
次いで、液温30℃の染色浴(水100重量部に対して、ヨウ素を0.3重量部配合し、ヨウ化カリウムを2.0重量部配合して得られたヨウ素水溶液)に60秒間浸漬させた(染色処理)。
次いで、液温40℃の架橋浴(水100重量部に対して、ヨウ化カリウムを3重量部配合し、ホウ酸を5重量部配合して得られたホウ酸水溶液)に30秒間浸漬させた(架橋処理)。
その後、積層体を、液温70℃のホウ酸水溶液(ホウ酸濃度3.0重量%)に浸漬させながら、周速の異なるロール間で縦方向(長手方向)に総延伸倍率が5.5倍となるように一軸延伸を行った(水中延伸)。
その後、積層体を液温20℃の洗浄浴(水100重量部に対して、ヨウ化カリウムを4重量部配合して得られた水溶液)に浸漬させた(洗浄処理)。
その後、積層体を70℃に保たれたオーブン中で乾燥した(乾燥処理)。
さらに100℃のオーブンで30秒加熱し、PETフィルムを結晶化させた(加熱処理)。
このようにして、樹脂基材上に厚み5μmの偏光子を形成し、偏光子/樹脂基材(保護層)の構成を有する偏光板を得た。
さらに、得られた偏光板の樹脂基材(保護層)表面に、表面保護フィルムとして特開2014−111703の比較例2の手順に従って作製したPETフィルム(基材厚み38μm、厚み15μm)を貼り合わせた。さらに、偏光子表面(保護層と反対側の面)に粘着剤層10を形成し、粘着剤表面にセパレーターを剥離可能に貼り合わせ、表面保護フィルム付偏光板を得た。表面保護フィルムの高速剥離力は、1.8Nであった。得られた表面保護フィルム付偏光板を端部浮きおよびリワークの評価に供した。結果を表1に示す。
[比較例1]
表面保護フィルムとして特開2014−111703の実施例8の手順に従って作製したPETフィルム(基材厚み38μm、厚み15μm、高速剥離力0.6N)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、表面保護フィルム付偏光板を作製した。得られた表面保護フィルム付偏光板を実施例1と同様の評価に供した。結果を表1に示す。
[比較例2]
表面保護フィルムとして特開2014−111703の実施例20の手順に従って作製したPETフィルム(基材厚み38μm、厚み7μm、高速剥離力0.6N)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、表面保護フィルム付偏光板を作製した。得られた表面保護フィルム付偏光板を実施例1と同様の評価に供した。結果を表1に示す。
[比較例3]
表面保護フィルムとして特開2014−111703の実施例21の手順に従って作製したPETフィルム(基材厚み38μm、厚み7μm、高速剥離力0.6N)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、表面保護フィルム付偏光板を作製した。得られた表面保護フィルム付偏光板を実施例1と同様の評価に供した。結果を表1に示す。
Figure 2020086237
表1から明らかなように、本発明の実施例の表面保護フィルム付偏光板は、端部浮きがなく、リワークによる破断も防止されていることがわかる。
本発明の表面保護フィルム付偏光板は、液晶表示装置、有機EL表示装置、量子ドット表示装置のような画像表示装置に好適に用いられ得る。
10 粘着剤層
20 偏光子
30 保護層
40 ブロッキング防止層
50 表面保護フィルム
51 基材層
52 粘着剤層
100 表面保護フィルム付偏光板







Claims (5)

  1. 粘着剤層と偏光子と保護層と表面保護フィルムとをこの順に備え、
    該保護層がポリエチレンテレフタレートを含み、
    該表面保護フィルムの高速剥離力が1.0N〜2.0Nである、
    表面保護フィルム付偏光板。
  2. 表面保護フィルムの厚みが5μm〜500μmである、請求項1に記載の表面保護フィルム付偏光板。
  3. 前記保護層と前記表面保護フィルムとの間にさらにブロッキング防止層を備え、該ブロッキング防止層の表面粗さRaが5.0nm〜15.0nmである、請求項1または2に記載の表面保護フィルム付偏光板。
  4. 前記保護層の破断強度比が1.7〜2.4である、請求項1から3のいずれかに記載の表面保護フィルム付偏光板。
  5. 請求項1から4のいずれかに記載の表面保護フィルム付偏光板を備える、画像表示装置。
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