JP6921953B2 - 積層体、積層体の製造方法、偏光板、および偏光板の製造方法 - Google Patents

積層体、積層体の製造方法、偏光板、および偏光板の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、積層体、積層体の製造方法、偏光板、および偏光板の製造方法に関する。
ポリエステル系樹脂基材上にポリビニルアルコール系樹脂層を形成し、この積層体を延伸、染色することにより、厚みの薄い偏光子を得る方法が提案されている(例えば、特許文献1)。このような偏光子の製造方法は、例えば、画像表示装置の薄型化に寄与し得るとして注目されている。
上記ポリエステル系樹脂基材は、剥離除去されることなく偏光子の保護層として用いられ得る。これにより、偏光子に保護フィルムを貼り合せることなく、ポリエステル系樹脂基材と偏光子との積層体をそのまま偏光板として用いることができ、例えば、画像表示装置の低コスト化に寄与し得る。
特開2000−338329号公報
しかしながら、上記のような方法で得られたポリエステル系樹脂基材と偏光子との積層体である偏光板は、ポリエステル系樹脂基材と偏光子との密着性が不十分になる場合がある。
本発明は上記従来の課題を解決するためになされたものであり、その主たる目的は、ポリエステル系樹脂基材とポリビニルアルコール系樹脂層との密着性に優れる積層体、そのような積層体の製造方法、ポリエステル系樹脂基材と偏光子との密着性に優れる偏光板、および、そのような偏光板の製造方法を提供することにある。
本発明の積層体は、表面に易接着層が形成されたポリエステル系樹脂基材と、上記易接着層を介して上記ポリエステル系樹脂基材に積層されたポリビニルアルコール系樹脂層と、を有し、上記易接着層の水接触角は、上記易接着層に水を滴下した直後に70°以上であり、該滴下から30秒が経過することにより2°以上減少する。
1つの実施形態においては、易接着層が、ポリビニルアルコール系成分とポリオレフィン系成分とを含む。
1つの実施形態においては、上記ポリビニルアルコール系成分と上記ポリオレフィン系成分との配合比が、10:90〜50:50である。
本発明の別の局面によれば、積層体の製造方法が提供される。この積層体の製造方法は、ポリエステル系樹脂基材の表面に易接着層を形成することと、上記易接着層の表面にポリビニルアルコール系樹脂層を形成することと、を含み、上記易接着層の水接触角は、上記易接着層に水を滴下した直後に70°以上であり、該滴下から30秒が経過することにより2°以上減少する。
本発明の別の局面によれば、偏光板の製造方法が提供される。この偏光板の製造方法は、上記積層体を染色および延伸することにより上記ポリビニルアルコール系樹脂層を偏光子とすることを含む。
本発明の別の局面によれば、偏光板が提供される。この偏光板は、表面に易接着層が形成されたポリエステル系樹脂基材と、上記易接着層を介して上記ポリエステル系樹脂基材に積層された偏光子と、を有し、上記偏光子の厚みが10μm以下であり、上記易接着層の水接触角は、上記易接着層に水を滴下した直後に70°以上であり、該滴下から30秒が経過することにより2°以上減少する。
本発明によれば、水接触角が、水を滴下した直後に70°以上であり、滴下から30秒が経過することにより2°以上減少する、易接着層を用いることにより、ポリエステル系樹脂基材とポリビニルアルコール系樹脂層との密着性に優れる積層体、そのような積層体の製造方法、および、ポリエステル系樹脂基材と偏光子との密着性に優れる偏光板を提供し得る。
本発明の1つの実施形態に係る偏光板の概略断面図である。
以下、本発明の実施形態について説明するが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。
A.積層体
図1は、本発明の1つの実施形態による積層体の概略断面図である。積層体100は、表面に易接着層20が形成されたポリエステル系樹脂基材10と、易接着層20を介してポリエステル系樹脂基材10に積層されたポリビニルアルコール(PVA)系樹脂層30と、を有する。易接着層20の水接触角は、易接着層20に水を滴下した直後に70°以上であり、滴下から30秒が経過することにより2°以上減少する。上記水接触角の経時変化(減少)は、代表的には、易接着層に水を滴下した直後の水接触角(θ1)と、滴下から30秒後の水接触角(θ2)とを測定し、θ2からθ1を差し引くことにより得られる。易接着層に水を滴下した直後の水接触角は、代表的には、滴下から1秒後に測定される水接触角である。1つの実施形態においては、易接着層20はポリビニルアルコール系成分とポリオレフィン系成分とを含む。この場合、ポリビニルアルコール系成分とポリオレフィン系成分との配合比は、好ましくは10:90〜50:50である。これにより、ポリエステル系樹脂基材とPVA系樹脂層との密着性に優れる積層体が得られ得る。1つの実施形態においては、上記積層体は偏光板の作製に用いられ得る。偏光板の製造方法は、D項で後述するように、積層体を染色および延伸することによりPVA系樹脂層を偏光子とすることを含む。
A−1.ポリエステル系樹脂基材
ポリエステル系樹脂基材の形成材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、イソフタル酸、シクロヘキサン環等を含む脂環式のジカルボン酸または脂環式のジオール等を含む共重合PET(PET−G)、その他ポリエステル、および、これらの共重合体やブレンド体等を用いることができる。なかでも、非晶質の(結晶化していない)PETまたは共重合PETを用いることが好ましい。これらの樹脂によれば、未延伸状態では非晶で高倍率延伸に適した優れた延伸性を有し、延伸、加熱により結晶化することで、耐熱性および寸法安定性を付与できる。さらに、未延伸の状態でPVA系樹脂を塗布、乾燥することが可能な程度の耐熱性を確保できる。
ポリエステル系樹脂基材のガラス転移温度(Tg)は、好ましくは170℃以下である。このようなポリエステル系樹脂基材を用いることにより、PVA系樹脂層の結晶化を抑制しながら、延伸性を十分に確保することができる。水によるポリエステル系樹脂基材の可塑化と、水中延伸を良好に行うことを考慮すると、120℃以下であることがさらに好ましい。1つの実施形態においては、ポリエステル系樹脂基材のガラス転移温度は、好ましくは60℃以上である。このようなポリエステル系樹脂基材を用いることにより、後述のPVA系樹脂を含む塗布液を塗布・乾燥する際に、ポリエステル系樹脂基材が変形(例えば、凹凸やタルミ、シワ等の発生)する等の不具合を防止することができる。また、積層体の延伸を、好適な温度(例えば、60℃〜70℃程度)にて良好に行うことができる。別の実施形態においては、PVA系樹脂を含む塗布液を塗布・乾燥する際に、ポリエステル系樹脂基材が変形しなければ、60℃より低いガラス転移温度であってもよい。なお、ガラス転移温度(Tg)は、JIS K 7121に準じて求められる値である。
1つの実施形態においては、ポリエステル系樹脂基材は、吸水率が0.2%以上であることが好ましく、さらに好ましくは0.3%以上である。このようなポリエステル系樹脂基材は水を吸収し、水が可塑剤的な働きをして可塑化し得る。その結果、水中延伸において延伸応力を大幅に低下させることができ、延伸性に優れ得る。一方、ポリエステル系樹脂基材の吸水率は、好ましくは3.0%以下、さらに好ましくは1.0%以下である。このようなポリエステル系樹脂基材を用いることにより、製造時にポリエステル系樹脂基材の寸法安定性が著しく低下して、得られる積層体の外観が悪化するなどの不具合を防止することができる。また、水中延伸時に破断したり、ポリエステル系樹脂基材からPVA系樹脂層が剥離したりするのを防止することができる。なお、吸水率は、JIS K 7209に準じて求められる値である。
ポリエステル系樹脂基材の厚みは、好ましくは20μm〜300μm、さらに好ましくは30μm〜200μmである。
ポリエステル系樹脂基材の表面には、予め、表面改質処理(例えば、コロナ処理等)が施されていてもよい。このような処理によれば、密着性をさらに向上させ得る。
A−2.易接着層
上記のとおり、易接着層の水接触角は、水を滴下した直後に70°以上であり、滴下から30秒が経過することにより2°以上減少する。水を滴下した直後の易接着層の水接触角は、好ましくは75°〜85°である。滴下から30秒が経過することによる水接触角の経時変化は、好ましくは−2°(2°の減少)〜−5°(5°の減少)である。水を滴下した直後の易接着層の水接触角が70°以上であり、かつ、滴下から30秒が経過することによる水接触角の経時変化(減少)が2°以上であることにより、易接着層の上にPVA系樹脂層を形成した場合に易接着層形成用組成物がPVA系樹脂層に溶出し得る。具体的には、上記水接触角の経時変化が−2°〜−5°であることにより、易接着層の上にPVA系樹脂の塗布層を形成したときに、易接着層形成用組成物の10体積%〜34体積%程度がPVA系樹脂の塗布層に溶出し得る。これにより、ポリエステル系樹脂基材とPVA系樹脂層との密着性が向上し得る。
易接着層は、実質的に後述する易接着層形成用組成物のみから形成される層であってもよく、易接着層形成用組成物と後述のPVA系樹脂層とが混合(相溶を含む)した層または領域であってもよい。易接着層が形成されていることにより、優れた密着性が得られ得る。易接着層の厚みは、好ましくは500nm〜3000nmであり、さらに好ましくは800nm〜2000nmである。易接着層の厚みが薄すぎると、十分な密着性が得られないおそれがある。一方、易接着層の厚みが厚すぎると、後述のPVA系樹脂塗布層の形成の際に、ハジキが発生する、得られる塗布膜にムラが生じる等の不具合が発生して、外観に優れた積層体を得るのが困難となるおそれがある易接着層は、例えば、積層体の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察することにより確認することができる。
易接着層は、好ましくはポリビニルアルコール系成分とポリオレフィン系成分とを含む。このような組成とすることにより、易接着層の水接触角および水接触角の経時変化が上記の範囲内の角度となり得、その結果、ポリエステル系樹脂基材とPVA系樹脂層との密着性に優れる積層体を得ることができる。さらには、上記積層体を染色および延伸することにより、ポリエステル系樹脂基材と偏光子との密着性に優れる偏光板を得ることができる。ポリビニルアルコール系成分としては、任意の適切なPVA系樹脂が用いられ得る。具体的には、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコールが挙げられる。変性ポリビニルアルコールとしては、例えば、アセトアセチル基、カルボン酸基、アクリル基および/またはウレタン基で変性されたポリビニルアルコールが挙げられる。これらの中でも、アセトアセチル変性PVAが好ましく用いられる。アセトアセチル変性PVAとしては、下記一般式(I)で表わされる繰り返し単位を少なくとも有する重合体が好ましく用いられる。
Figure 0006921953
上記式(I)において、l+m+nに対するnの割合は、好ましくは1%〜10%である。
アセトアセチル変性PVAの平均重合度は、好ましくは1000〜10000であり、好ましくは1200〜5000である。アセトアセチル変性PVAのケン化度は、好ましくは97モル%以上である。アセトアセチル変性PVAの4重量%水溶液のpHは、好ましくは3.5〜5.5である。なお、平均重合度およびケン化度は、JIS K 6726−1994に準じて求めることができる。
上記ポリオレフィン系成分としては、任意の適切なポリオレフィン系樹脂が用いられ得る。ポリオレフィン系樹脂の主成分であるオレフィン成分としては、例えば、エチレン、プロピレン、イソブチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン等の炭素数2〜6のオレフィン系炭化水素が挙げられる。これらは単独で、または、二種以上組み合わせて用いることができる。これらの中でも、エチレン、プロピレン、イソブチレン、1−ブテン等の炭素数2〜4のオレフィン系炭化水素が好ましく、さらに好ましくはエチレンが用いられる。
上記ポリオレフィン系樹脂を構成するモノマー成分のうち、オレフィン成分の占める割合は、好ましくは50重量%〜95重量%である。
上記ポリオレフィン系樹脂は、カルボキシル基および/またはその無水物基を有することが好ましい。このようなポリオレフィン系樹脂は水に分散し得、易接着層が良好に形成され得る。このような官能基を有するモノマー成分としては、例えば、不飽和カルボン酸およびその無水物、不飽和ジカルボン酸のハーフエステル、ハーフアミドが挙げられる。これらの具体例としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸、フマル酸、クロトン酸が挙げられる。
ポリオレフィン系樹脂の分子量は、例えば5000〜80000である。
易接着層において、ポリビニルアルコール系成分とポリオレフィン系成分との配合比(前者:後者(固形分))は、好ましくは10:90〜50:50、さらに好ましくは20:80〜50:50である。ポリビニルアルコール系成分が多すぎると密着性が十分に得られないおそれがある。具体的には、PVA系樹脂層をポリエステル系樹脂基材から剥離する際に要する剥離力が低下して、十分な密着性が得られないおそれがある。一方、ポリビニルアルコール系成分が少なすぎると得られる積層体の外観が損なわれるおそれがある。具体的には、易接着層の形成の際に、塗布膜が白濁する等の不具合が発生して、外観に優れた積層体を得ることが困難となるおそれがある。
A−3.PVA系樹脂層
上記PVA系樹脂層を形成するPVA系樹脂としては、任意の適切な樹脂が採用され得る。例えば、ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体が挙げられる。ポリビニルアルコールは、ポリ酢酸ビニルをケン化することにより得られる。エチレン−ビニルアルコール共重合体は、エチレン−酢酸ビニル共重合体をケン化することにより得られる。PVA系樹脂のケン化度は、通常85モル%〜100モル%であり、好ましくは95.0モル%〜99.95モル%、さらに好ましくは99.0モル%〜99.93モル%である。ケン化度は、JIS K 6726−1994に準じて求めることができる。このようなケン化度のPVA系樹脂を用いることによって、耐久性に優れた偏光子が得られ得る。ケン化度が高すぎる場合には、ゲル化してしまうおそれがある。
PVA系樹脂の平均重合度は、目的に応じて適切に選択され得る。平均重合度は、通常1000〜10000であり、好ましくは1200〜4500、さらに好ましくは1500〜4300である。なお、平均重合度は、JIS K 6726−1994に準じて求めることができる。
PVA系樹脂層の厚みは、代表的には20μm以下、好ましくは15μm以下であり、さらに好ましくは10μm以下である。一方、PVA系樹脂層の厚みは、好ましくは1.0μm以上、さらに好ましくは2.0μm以上である。
B.積層体の製造方法
本発明の積層体は、任意の適切な方法により製造され得る。1つの実施形態においては、上記積層体は、ポリエステル系樹脂基材の表面に易接着層を形成することと、易接着層の表面にPVA系樹脂層を形成することと、を含む方法により製造される。
B−1.易接着層の形成
ポリエステル系樹脂基材の表面に易接着層を形成する方法としては、任意の適切な方法が採用され得る。代表的には、ポリエステル系樹脂基材の表面に、易接着層形成用組成物を塗布し、乾燥することにより、易接着層を形成する。易接着層形成用組成物において、ポリビニルアルコール系成分とポリオレフィン系成分との配合比(前者:後者(固形分))は、好ましくは10:90〜50:50、さらに好ましくは20:80〜50:50である。
易接着層形成用組成物は、好ましくは水系である。易接着層形成用組成物は、有機溶剤を含み得る。有機溶剤としては、例えば、エタノール、イソプロパノール等が挙げられる。易接着層形成用組成物の固形分濃度は、好ましくは1.0重量%〜10重量%である。
易接着層形成用組成物に添加剤を配合してもよい。添加剤としては、例えば、架橋剤等が挙げられる。架橋剤としては、例えば、オキサゾリン、ホウ酸、トリメチロールメラミン等のメチロール化合物、カルボジイミド、イソシアネート化合物、エポキシ化合物等が挙げられる。易接着層形成用組成物における添加物の配合量は、目的等に応じて適切に設定され得る。例えば、架橋剤の配合量は、ポリビニルアルコール系成分とポリオレフィン系成分との合計100重量部に対して、好ましくは10重量部以下、より好ましくは0.01重量部〜10重量部、さらに好ましくは0.1重量部〜5重量部である。
易接着層形成用組成物の塗布方法としては、任意の適切な方法を採用することができる。例えば、ロールコート法、スピンコート法、ワイヤーバーコート法、ディップコート法、ダイコート法、カーテンコート法、スプレーコート法、ナイフコート法(コンマコート法等)等が挙げられる。
易接着層形成用組成物の塗布後、塗布膜は乾燥され得る。乾燥温度は、例えば50℃以上である。
B−2.PVA系樹脂層の形成
易接着層の表面にPVA系樹脂層を形成する方法としては、任意の適切な方法が採用され得る。好ましくは、ポリエステル系樹脂基材に形成された易接着層の表面に、PVA系樹脂を含む塗布液を塗布し、乾燥することにより、PVA系樹脂層を形成する。
PVA系樹脂を含む塗布液は、代表的には、上記PVA系樹脂を溶媒に溶解させた溶液である。溶媒としては、例えば、水、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、各種グリコール類、トリメチロールプロパン等の多価アルコール類、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン等のアミン類が挙げられる。これらは単独で、または、二種以上組み合わせて用いることができる。これらの中でも、好ましくは、水である。塗布液のPVA系樹脂濃度は、溶媒100重量部に対して、好ましくは3重量部〜20重量部である。このような樹脂濃度であれば、均一な塗布膜を形成することができる。
塗布液に、添加剤を配合してもよい。添加剤としては、例えば、可塑剤、界面活性剤等が挙げられる。可塑剤としては、例えば、エチレングリコールやグリセリン等の多価アルコールが挙げられる。界面活性剤としては、例えば、非イオン界面活性剤が挙げられる。これらは、得られるPVA系樹脂層の均一性や染色性、延伸性をより一層向上させる目的で使用され得る。また、添加剤としては、例えば、易接着成分が挙げられる。易接着成分を用いることにより、ポリエステル系樹脂基材とPVA系樹脂層との密着性を向上させ得る。その結果、例えば、ポリエステル系樹脂基材からPVA系樹脂層が剥がれる等の不具合を抑制して、後述の染色、水中延伸を良好に行うことができる。易接着成分としては、例えば、アセトアセチル変性PVAなどの変性PVAが用いられる。
塗布液の塗布方法としては、上記易接着層形成用組成物の塗布方法と同様の方法が採用され得る。塗布後、塗布膜は乾燥され得る。この場合の乾燥温度は、好ましくは50℃以上である。
PVA系樹脂層を形成する前に、易接着層に表面処理(例えば、コロナ処理等)を施してもよい。このような処理を行うことにより、ポリエステル系樹脂基材とPVA系樹脂層との密着性を向上させることができる。
C.偏光板
本発明の偏光板は、表面に易接着層が形成されたポリエステル系樹脂基材と、易接着層を介してポリエステル系樹脂基材に積層された偏光子と、を有する。偏光子の厚みは10μm以下である。易接着層については上記A−2項で説明したとおりであり、易接着層の形成方法は上記B−1項で説明したとおりである。これにより、ポリエステル系樹脂基材と偏光子との密着性に優れる偏光板が得られ得る。偏光板は、偏光子の易接着層とは反対側に保護フィルムを有していてもよい。
C−1.偏光子
偏光子は、実質的には、ヨウ素が吸着配向されたPVA系樹脂層である。偏光子の厚みは、上記のとおり10μm以下であり、好ましくは7.5μm以下であり、より好ましくは5μm以下である。一方、偏光子の厚みは、好ましくは0.5μm以上、より好ましくは1.5μm以上である。厚みが薄すぎると得られる偏光子の光学特性が低下するおそれがある。偏光子は、好ましくは、波長380nm〜780nmのいずれかの波長で吸収二色性を示す。偏光子の単体透過率は、好ましくは40.0%以上、より好ましくは41.0%以上、さらに好ましくは42.0%以上である。偏光子の偏光度は、好ましくは99.8%以上、より好ましくは99.9%以上、さらに好ましくは99.95%以上である。
上記PVA系樹脂層を形成するPVA系樹脂については、上記A−3項で説明したとおりである。
C−2.保護フィルム
偏光板は、上記のとおり、偏光子の易接着層とは反対側に保護フィルムを有し得る。上記保護フィルムの形成材料としては、例えば、(メタ)アクリル系樹脂、ジアセチルセルロース、トリアセチルセルロース等のセルロース系樹脂、シクロオレフィン系樹脂、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート系樹脂等のエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、これらの共重合体樹脂等が挙げられる。保護フィルムの厚みは、好ましくは10μm〜100μmである。
D.偏光板の製造方法
本発明の偏光板の製造方法は、上記A項で説明した積層体を染色および延伸することによりPVA系樹脂層を偏光子とすることを含む。1つの実施形態においては、積層体に、染色処理、延伸処理、不溶化処理、架橋処理、洗浄処理、乾燥処理などの各種処理を施すことを含み得る。これらの処理は、目的に応じて適宜選択され得る。また、処理順序、処理のタイミング、処理回数等、適宜設定され得る。以下、各々の処理について説明する。
D−1.空中延伸処理
空中補助延伸の延伸方法は、固定端延伸(たとえば、テンター延伸機を用いて延伸する方法)でもよいし、自由端延伸(たとえば、周速の異なるロール間に積層体を通して一軸延伸する方法)でもよい。一つの実施形態においては、空中延伸処理は、上記積層体をその長手方向に搬送しながら、熱ロール間の周速差により延伸する熱ロール延伸工程を含む。空中延伸処理は、代表的には、ゾーン延伸工程と熱ロール延伸工程とを含む。なお、ゾーン延伸工程と熱ロール延伸工程の順序は限定されず、ゾーン延伸工程が先に行われてもよく、熱ロール延伸工程が先に行われてもよい。ゾーン延伸工程は省略されてもよい。1つの実施形態においては、ゾーン延伸工程および熱ロール延伸工程がこの順に行われる。
積層体の延伸温度は、樹脂基材の形成材料等に応じて、任意の適切な値に設定することができる。空中延伸処理における延伸温度は、好ましくは樹脂基材のガラス転移温度(Tg)以上であり、さらに好ましくは樹脂基材のガラス転移温度(Tg)+10℃以上、特に好ましくはTg+15℃以上である。一方、積層体の延伸温度の上限は、好ましくは170℃である。このような温度で延伸することで、PVA系樹脂の結晶化が急速に進むのを抑制して、当該結晶化による不具合(例えば、延伸によるPVA系樹脂層の配向を妨げる)を抑制することができる。
積層体の延伸倍率は、樹脂基材の形成材料等に応じて、任意の適切な値に設定することができる。空中延伸処理における延伸倍率は、好ましくは1.5倍以上3.0倍以下である。
D−2.不溶化処理
上記不溶化処理は、代表的には、ホウ酸水溶液にPVA系樹脂層を浸漬することにより行う。不溶化処理を施すことにより、PVA系樹脂層に耐水性を付与することができる。当該ホウ酸水溶液の濃度は、水100重量部に対して、好ましくは1重量部〜4重量部である。不溶化浴(ホウ酸水溶液)の液温は、好ましくは20℃〜50℃である。好ましくは、不溶化処理は、水中延伸や染色処理の前に行う。
D−3.染色処理
上記染色処理は、代表的には、PVA系樹脂層を二色性物質で染色することにより行う。好ましくは、PVA系樹脂層に二色性物質を吸着させることにより行う。当該吸着方法としては、例えば、二色性物質を含む染色液にPVA系樹脂層(積層体)を浸漬させる方法、PVA系樹脂層に当該染色液を塗工する方法、当該染色液をPVA系樹脂層に噴霧する方法等が挙げられる。好ましくは、染色液に積層体を浸漬させる方法である。二色性物質が良好に吸着し得るからである。
上記二色性物質としては、例えば、ヨウ素、有機染料が挙げられる。これらは単独で、または、二種以上組み合わせて用いることができる。二色性物質は、好ましくは、ヨウ素である。二色性物質としてヨウ素を用いる場合、上記染色液は、好ましくは、ヨウ素水溶液である。ヨウ素の配合量は、水100重量部に対して、好ましくは0.05重量部〜5.0重量部である。ヨウ素の水に対する溶解度を高めるため、ヨウ素水溶液にヨウ化物を配合することが好ましい。ヨウ化物としては、例えば、ヨウ化カリウム、ヨウ化リチウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化亜鉛、ヨウ化アルミニウム、ヨウ化鉛、ヨウ化銅、ヨウ化バリウム、ヨウ化カルシウム、ヨウ化錫、ヨウ化チタン等が挙げられる。これらの中でも、好ましくは、ヨウ化カリウムである。ヨウ化物の配合量は、水100重量部に対して、好ましくは0.3重量部〜15重量部である。
染色液の染色時の液温は、好ましくは20℃〜40℃である。染色液にPVA系樹脂層を浸漬させる場合、浸漬時間は、好ましくは10秒〜300秒である。このような条件であれば、PVA系樹脂層に十分に二色性物質を吸着させることができる。また、染色条件(濃度、液温、浸漬時間)は、最終的に得られる偏光子の偏光度もしくは単体透過率が所定の範囲となるように、設定することができる。1つの実施形態においては、得られる偏光子の偏光度が99.98%以上となるように、浸漬時間を設定する。別の実施形態においては、得られる偏光子の単体透過率が40%程度となるように、浸漬時間を設定する。
D−4.架橋処理
上記架橋処理は、代表的には、ホウ酸水溶液にPVA系樹脂層(積層体)を浸漬することにより行う。架橋処理を施すことにより、PVA系樹脂層に耐水性を付与することができる。当該ホウ酸水溶液の濃度は、水100重量部に対して、好ましくは1重量部〜5重量部である。また、上記染色処理後に架橋処理を行う場合、さらに、ヨウ化物を配合することが好ましい。ヨウ化物を配合することにより、PVA系樹脂層に吸着させたヨウ素の溶出を抑制することができる。ヨウ化物の配合量は、水100重量部に対して、好ましくは1重量部〜5重量部である。ヨウ化物の具体例は、上述のとおりである。架橋浴(ホウ酸水溶液)の液温は、好ましくは20℃〜60℃である。好ましくは、架橋処理は水中延伸処理の前に行う。好ましい実施形態においては、空中延伸処理、染色処理および架橋処理をこの順で行う。
D−5.水中延伸処理
水中延伸処理における延伸方法としては、任意の適切な方法を採用することができる。具体的には、固定端延伸(例えば、テンター延伸機を用いる方法)でもよいし、自由端延伸(例えば、周速の異なるロール間に積層体を通して一軸延伸する方法)でもよい。また、同時二軸延伸(例えば、同時二軸延伸機を用いる方法)でもよいし、逐次二軸延伸でもよい。積層体の延伸は、一段階で行ってもよいし、多段階で行ってもよい。多段階で行う場合、積層体の延伸倍率(最大延伸倍率)は、各段階の延伸倍率の積である。
積層体の延伸方向としては、任意の適切な方向を選択することができる。1つの実施形態においては、長尺状の積層体の長手方向に延伸する。具体的には、積層体を長手方向に搬送し、その搬送方向(MD)である。別の実施形態においては、長尺状の積層体の幅方向に延伸する。具体的には、積層体を長手方向に搬送し、その搬送方向(MD)と直交する方向(TD)である。
積層体の延伸温度は、樹脂基材の形成材料、延伸方式等に応じて、任意の適切な値に設定することができる。延伸温度は、好ましくは40℃〜85℃、より好ましくは50℃〜85℃である。このような温度であれば、PVA系樹脂層の溶解を抑制しながら高倍率に延伸することができる。具体的には、上述のように、樹脂基材のガラス転移温度(Tg)は、PVA系樹脂層の形成との関係で、好ましくは60℃以上である。この場合、延伸温度が40℃を下回ると、水による樹脂基材の可塑化を考慮しても、良好に延伸できないおそれがある。一方、延伸浴の温度が高温になるほど、PVA系樹脂層の溶解性が高くなって、優れた光学特性が得られないおそれがある。
水中延伸は、好ましくは、ホウ酸水溶液中に積層体を浸漬して行う(ホウ酸水中延伸)。延伸浴としてホウ酸水溶液を用いることで、PVA系樹脂層に、延伸時にかかる張力に耐える剛性と、水に溶解しない耐水性とを付与することができる。具体的には、ホウ酸は、水溶液中でテトラヒドロキシホウ酸アニオンを生成してPVA系樹脂と水素結合により架橋し得る。その結果、PVA系樹脂層に剛性と耐水性とを付与して、良好に延伸することができ、優れた光学特性(例えば、偏光度)を有する偏光子を作製することができる。
上記ホウ酸水溶液は、好ましくは、溶媒である水にホウ酸および/またはホウ酸塩を溶解させることにより得られる。ホウ酸濃度は、水100重量部に対して、好ましくは1重量部〜10重量部である。ホウ酸濃度を1重量部以上とすることにより、PVA系樹脂層の溶解を効果的に抑制することができ、より高特性の偏光子を作製することができる。なお、ホウ酸またはホウ酸塩以外に、ホウ砂等のホウ素化合物、グリオキザール、グルタルアルデヒド等を溶媒に溶解して得られた水溶液も用いることができる。
染色処理により、予め、PVA系樹脂層に二色性物質(代表的には、ヨウ素)が吸着されている場合、好ましくは、上記延伸浴(ホウ酸水溶液)にヨウ化物を配合する。ヨウ化物を配合することにより、PVA系樹脂層に吸着させたヨウ素の溶出を抑制することができる。ヨウ化物としては、例えば、ヨウ化カリウム、ヨウ化リチウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化亜鉛、ヨウ化アルミニウム、ヨウ化鉛、ヨウ化銅、ヨウ化バリウム、ヨウ化カルシウム、ヨウ化錫、ヨウ化チタン等が挙げられる。これらの中でも、好ましくは、ヨウ化カリウムである。ヨウ化物の濃度は、水100重量部に対して、好ましくは0.05重量部〜15重量部、より好ましくは0.5重量部〜8重量部である。
積層体の延伸倍率(最大延伸倍率)は、積層体の元長に対して、代表的には4.0倍以上、好ましくは5.0倍以上である。このような高い延伸倍率は、例えば、水中延伸方式(ホウ酸水中延伸)を採用することにより、達成し得る。なお、本明細書において「最大延伸倍率」とは、積層体が破断する直前の延伸倍率をいい、別途、積層体が破断する延伸倍率を確認し、その値よりも0.2低い値をいう。
好ましくは、水中延伸処理は染色処理の後に行う。
D−6.洗浄処理
上記洗浄処理は、代表的には、ヨウ化カリウム水溶液にPVA系樹脂層を浸漬させることにより行う。
D−7.乾燥処理
乾燥処理における乾燥温度は、好ましくは30℃〜100℃である。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例によって限定されるものではない。なお、各特性の測定方法および評価方法は以下の通りである。
(1)厚み
デジタルマイクロメーター(アンリツ社製、製品名「KC−351C」)を用いて測定した。
(2)水接触角
易接着層の水接触角について、協和界面科学株式会社製の自動接触角計(DM500)を使って測定し、FAMAS(接触角測定アドインソフトウェア)を使って解析した。測定用の水は、超純水を用い、液滴は0.5μlとした。
ポリエステル系樹脂基材の表面に易接着層を形成した後、易接着層に水を滴下してから1秒経過後の水接触角(θ1)と、滴下から30秒後の水接触角(θ2)とを測定し、30秒経過による水接触角の経時変化(θ2−θ1)を算出した。
<実施例1>
1.積層体の作製
ポリエステル系樹脂基材として、長尺状で、吸水率0.75%、Tg75℃の非晶質のイソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタレート(IPA共重合PET)フィルム(厚み:100μm)を用いた。
ポリエステル系樹脂基材の片面に、コロナ処理を施し、このコロナ処理面に、アセトアセチル変性PVA(日本合成化学工業社製、商品名「ゴーセファイマーZ200」、重合度1200、ケン化度99.0モル%以上、アセトアセチル変性度4.6%)の4.0%水溶液と変性ポリオレフィン樹脂水性分散体(ユニチカ社製、商品名「アローベースSE1030N」、固形分濃度22%)と純水を混合した混合液(固形分濃度4.0%)を、乾燥後の厚みが2000nmになるように塗布し、60℃で3分間乾燥し、易接着層を形成した。ここで、混合液におけるアセトアセチル変性PVAと変性ポリオレフィンとの固形分配合比は50:50であった。
次いで、易接着層表面に、コロナ処理を施し、このコロナ処理面に、ポリビニルアルコール(重合度4200、ケン化度99.2モル%)およびアセトアセチル変性PVA(重合度1200、アセトアセチル変性度4.6%、ケン化度99.0モル%以上、日本合成化学工業社製、商品名「ゴーセファイマーZ200」)を9:1の比で含む水溶液を25℃で塗布および乾燥して、厚み11μmのPVA系樹脂層を形成した。こうして、積層体を作製した。
2.偏光板の作製
得られた積層体を、120℃のオーブン内で周速の異なるロール間で縦方向(長手方向)に2.0倍に自由端一軸延伸した(空中補助延伸)。
次いで、積層体を、液温30℃の不溶化浴(水100重量部に対して、ホウ酸を4重量部配合して得られたホウ酸水溶液)に30秒間浸漬させた(不溶化処理)。
次いで、液温30℃の染色浴に、得られる偏光板が所定の透過率となるようにヨウ素濃度、浸漬時間を調整しながら浸漬させた。本実施例では、水100重量部に対して、ヨウ素を0.2重量部配合し、ヨウ化カリウムを1.0重量部配合して得られたヨウ素水溶液に60秒間浸漬させた(染色処理)。
次いで、液温30℃の架橋浴(水100重量部に対して、ヨウ化カリウムを3重量部配合し、ホウ酸を3重量部配合して得られたホウ酸水溶液)に30秒間浸漬させた(架橋処理)。
その後、積層体を、液温70℃のホウ酸水溶液(水100重量部に対して、ホウ酸を4重量部配合し、ヨウ化カリウムを5重量部配合して得られた水溶液)に浸漬させながら、周速の異なるロール間で縦方向(長手方向)に総延伸倍率が5.5倍となるように一軸延伸を行った(水中延伸)。
その後、積層体を液温30℃の洗浄浴(水100重量部に対して、ヨウ化カリウムを4重量部配合して得られた水溶液)に浸漬させた(洗浄処理)。
こうして、厚み30μmのポリエステル系樹脂基材の片側に厚み5μmの偏光子が形成された偏光板を得た。
<実施例2>
混合液におけるアセトアセチル変性PVAと変性ポリオレフィンとの固形分配合比を30:70としたこと以外は実施例1と同様にして、偏光板を得た。
<実施例3>
混合液におけるアセトアセチル変性PVAと変性ポリオレフィンとの固形分配合比を20:80としたこと以外は実施例1と同様にして、偏光板を得た。
<実施例4>
混合液におけるアセトアセチル変性PVAと変性ポリオレフィンとの固形分配合比を10:90としたこと以外は実施例1と同様にして、偏光板を得た。
<比較例1>
易接着層の形成に際し、アセトアセチル変性PVA(ゴーセファイマーZ200)の4.0%水溶液を用いたこと以外は実施例1と同様にして、偏光板を得た。
<比較例2>
混合液におけるアセトアセチル変性PVAと変性ポリオレフィンとの固形分配合比を90:10としたこと以外は実施例1と同様にして、偏光板を得た。
<比較例3>
混合液におけるアセトアセチル変性PVAと変性ポリオレフィンとの固形分配合比を70:30としたこと以外は実施例1と同様にして、偏光板を得た。
<比較例4>
易接着層の形成に際し、変性ポリオレフィン樹脂水性分散体(ユニチカ社製、商品名「アローベースSE1030N」、固形分濃度22%)と純水を混合した混合液(固形分濃度4.0%)を用いたこと以外は実施例3と同様にして、偏光板を得た。
(評価)
上記実施例および比較例について、PVA剥離力および基材剥離力を測定することにより、密着性を評価した。評価結果を表1にまとめる。PVA剥離力および基材剥離力の測定方法は、以下のとおりである。
(PVA剥離力)
ガラス板に、得られた偏光板をポリエステル系樹脂基材面側に粘着剤を塗布して貼り合わせ、偏光子面に補強用のポリイミドテープ(日東電工(株)製、ポリイミド粘着テープNo.360A)を貼り合わせて、測定用サンプルを作製した。この測定用サンプルの偏光子とポリエステル系樹脂基材との間にカッターナイフで切込みを入れ、偏光子および補強用のポリイミドテープをポリエステル系樹脂基材面に対して90°の角度をなすように立ち上げ、剥離速度3000mm/minで剥離する際に要する力(N/15mm)を角度自在タイプ粘着・皮膜剥離解析装置「VPA−2」(共和界面化学株式会社製)により測定した。
(基材剥離力)
ガラス板に、得られた偏光板を偏光子面側に粘着剤を塗布して貼り合わせて、測定用サンプルを作製した。この測定用サンプルの偏光子とポリエステル系樹脂基材との間にカッターナイフで切込みを入れ、ポリエステル系樹脂基材を偏光子面に対して90°の角度をなすように立ち上げ、剥離速度3000mm/minで剥離する際に要する力(N/15mm)を上記「VPA−2」により測定した。
Figure 0006921953
表1から明らかなように、水を滴下した直後の易接着層の水接触角が70°以上であり、かつ、滴下から30秒が経過することにより易接着層の水接触角が2°以上減少する実施例1〜4の偏光板は、偏光子とポリエステル系樹脂基材との密着性に優れていた。
本発明の積層体は、偏光板の作製に好適に用いられる。本発明の偏光板は、液晶表示装置、有機EL表示装置等の画像表示装置に好適に用いられる。
10 ポリエステル系樹脂基材
20 易接着層
30 ポリビニルアルコール系樹脂層
100 積層体

Claims (4)

  1. 表面に易接着層が形成されたポリエステル系樹脂基材と、前記易接着層を介して前記ポリエステル系樹脂基材に積層されたポリビニルアルコール系樹脂層と、を有し、
    前記易接着層が、ポリビニルアルコール系成分とポリオレフィン系成分とを10:90〜50:50の配合比で含み、該ポリビニルアルコール系成分がアセトアセチル変性ポリビニルアルコールを含み、
    前記易接着層の水接触角は、前記易接着層に水を滴下した直後に70°以上であり、該滴下から30秒が経過することにより2°以上減少する、積層体。
  2. ポリエステル系樹脂基材の表面に易接着層を形成することと、
    前記易接着層の表面にポリビニルアルコール系樹脂層を形成することと、を含み、
    前記易接着層が、ポリビニルアルコール系成分とポリオレフィン系成分とを10:90〜50:50の配合比で含み、該ポリビニルアルコール系成分がアセトアセチル変性ポリビニルアルコールを含み、
    前記易接着層の水接触角は、前記易接着層に水を滴下した直後に70°以上であり、該滴下から30秒が経過することにより2°以上減少する、積層体の製造方法。
  3. 請求項1に記載の積層体を染色および延伸することにより前記ポリビニルアルコール系樹脂層を偏光子とすることを含む、偏光板の製造方法。
  4. 表面に易接着層が形成されたポリエステル系樹脂基材と、前記易接着層を介して前記ポリエステル系樹脂基材に積層された偏光子と、を有し、
    前記偏光子の厚みが10μm以下であり、
    前記易接着層が、ポリビニルアルコール系成分とポリオレフィン系成分とを10:90〜50:50の配合比で含み、該ポリビニルアルコール系成分がアセトアセチル変性ポリビニルアルコールを含み、
    前記易接着層の水接触角は、前記易接着層に水を滴下した直後に70°以上であり、該滴下から30秒が経過することにより2°以上減少する、偏光板。
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