以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
(複眼撮像装置の構成)
図1〜図6を参照して、本発明の一実施形態による複眼撮像装置100の構成について説明する。以下の説明では、Z方向を光軸方向とする。また、光軸方向に直交する面内で、互いに直交する2方向をそれぞれX方向およびY方向とする。なお、光軸方向とは、後述するレンズ31aの光軸Aが延びる方向であるとともに、後述するイメージセンサ2の撮像面に対して垂直な方向である。
図1および図2に示すように、複眼撮像装置100は、単一のイメージセンサ2に対して、複数のレンズ31a(複数の個眼)の各々による複数の像(複数の個眼像)を一度に結像させる装置である。これにより、複眼撮像装置100は、単一のイメージセンサ2により、複数のレンズ31aの各々による複数の画像を一度に形成可能に構成されている。また、複眼撮像装置100は、互いに同じ視点の複数の画像を一度に形成可能に構成されている。たとえば、複眼撮像装置100は、互いに分光特性が異なる互いに同じ視点の複数の画像を一度に形成可能である。これにより、被写体の分光特性に関する様々な情報を一度の撮像により取得可能である。
複眼撮像装置100は、複眼光学系1と、イメージセンサ2とを備えている。複眼光学系1は、フィルタ部10と、絞り部20と、レンズ部30と、隔壁部40とを備えている。フィルタ部10と、絞り部20と、レンズ部30と、隔壁部40と、イメージセンサ2とは、光軸方向(Z方向)の一方側(Z1方向側)から他方側(Z2方向側)に向かって、この順に配置されている。なお、絞り部20は、必ずしもフィルタ部10とレンズ部30の間に配置されているとは限らず、光学性能上妥当な位置に配置されていればよい。たとえば、絞り部20がフィルタ部10よりもZ1方向側に配置されていてもよい。また、フィルタ部10は、レンズ部30に対してイメージセンサ2側とは反対側である物体側(被写体側、Z1方向側)に配置されている方が、光路長を変化させないという観点および取り替えの容易性という観点において、好ましい。フィルタ部10は、所定の性質を有する光を選択的に透過するために設けられている。絞り部20は、フィルタ部10を通過した光の光量調整、収差補正、焦点深度調整などの結像性能を向上させるために設けられている。レンズ部30は、絞り部20を通過した光を結像させるために設けられている。隔壁部40は、レンズ部30を通過した光をイメージセンサ2に導き、かつ、隣接する個眼像がイメージセンサ2上で互いに干渉することを防止するために設けられている。イメージセンサ2は、隔壁部40を通過した光により画像を形成するために設けられている。
フィルタ部10は、第1のフィルタアレイ11と、第1のフィルタ保持部12と、第2のフィルタアレイ13と、第2のフィルタ保持部14と、フィルタ押さえ部材15および16とを含んでいる。第1のフィルタアレイ11は、レンズ部30の後述するレンズアレイ31の複数(6つ)のレンズ31aに対応するように、複数(6つ)のフィルタ11aを含んでいる。フィルタ11aは、偏光用のフィルタ、分光用のフィルタ(バンドパスフィルタ、ハイパスフィルタ、ローパスフィルタ)、減光用のフィルタ(ND(Neutral Density)フィルタ)などの光学フィルタである。
第1のフィルタ保持部12(第1のフィルタ枠)は、第1のフィルタアレイ11を保持するように設けられている。第1のフィルタ保持部12は、板状に設けられている。第1のフィルタ保持部12は、光軸方向(Z方向)から見て、略矩形形状を有している。また、第1のフィルタ保持部12は、第1のフィルタアレイ11の複数(6つ)のフィルタ11aに対応するように、複数(6つ)のフィルタ被配置部12aを含んでいる。フィルタ被配置部12aは、第1のフィルタ保持部12を光軸方向に貫通する貫通孔により構成されている。複数のフィルタ11aの各々は、対応するフィルタ被配置部12a内に設けられている。
第2のフィルタアレイ13は、第1のフィルタアレイ11に対して光軸方向の他方側(Z2方向側、レンズアレイ31に近い側)に設けられている。複眼撮像装置100は、第1のフィルタアレイ11のフィルタ11aと第2のフィルタアレイ13のフィルタ13aとの2枚のフィルタを光軸方向に重ねて用いるように構成されている。
第2のフィルタアレイ13は、レンズ部30のレンズアレイ31の複数(6つ)のレンズ31aに対応するように、複数(6つ)のフィルタ13aを含んでいる。フィルタ13aは、偏光用のフィルタ、分光用のフィルタ(バンドパスフィルタ、ハイパスフィルタ、ローパスフィルタ)、減光用のフィルタ(ND(Neutral Density)フィルタ)などの光学フィルタである。なお、第1のフィルタアレイ11のフィルタ11aの種類と、第2のフィルタアレイ13のフィルタ13aの種類とは、複眼撮像装置100の用途に応じて、適宜決定されている。
第2のフィルタ保持部14(第2のフィルタ枠)は、第2のフィルタアレイ13を保持するように設けられている。第2のフィルタ保持部14は、板状に設けられている。第2のフィルタ保持部14は、光軸方向(Z方向)から見て、略矩形形状を有している。また、第2のフィルタ保持部14は、第2のフィルタアレイ13の複数(6つ)のフィルタ13aに対応するように、複数(6つ)のフィルタ被配置部14aを含んでいる。フィルタ被配置部14aは、第2のフィルタ保持部14を光軸方向に貫通する貫通孔により構成されている。複数のフィルタ13aの各々は、対応するフィルタ被配置部14a内に設けられている。
フィルタ押さえ部材15は、第1のフィルタアレイ11が第1のフィルタ保持部12のフィルタ被配置部12a内に保持されるように、第1のフィルタ保持部12に保持された第1のフィルタアレイ11を光軸方向の一方側(Z1方向側)から押さえるための部材である。フィルタ押さえ部材15は、第1のフィルタ保持部12に対して光軸方向の一方側に設けられている。また、フィルタ押さえ部材15は、板状に設けられている。フィルタ押さえ部材15は、光軸方向(Z方向)から見て、略矩形形状を有している。また、フィルタ押さえ部材15は、第1のフィルタアレイ11の複数(6つ)のフィルタ11aに対応するように、複数(6つ)の開口部15aを含んでいる。開口部15aは、フィルタ押さえ部材15を光軸方向に貫通する貫通孔により構成されている。開口部15aを介して、第1のフィルタ保持部12に保持された第1のフィルタアレイ11のフィルタ11aに光が入射する。
フィルタ押さえ部材16は、第1のフィルタアレイ11が第1のフィルタ保持部12のフィルタ被配置部12a内に保持されるように、第1のフィルタ保持部12に保持された第1のフィルタアレイ11を光軸方向の他方側(Z2方向側)から押さえるための部材である。また、フィルタ押さえ部材16は、第2のフィルタアレイ13が第2のフィルタ保持部14のフィルタ被配置部14a内に保持されるように、第2のフィルタ保持部14に保持された第2のフィルタアレイ13を光軸方向の一方側(Z1方向側)から押えるための部材でもある。フィルタ押さえ部材16は、第1のフィルタアレイ11の押さえ部材と、第2のフィルタアレイ13の押さえ部材とを兼ねている。フィルタ押さえ部材16は、光軸方向において、第1のフィルタ保持部12と第2のフィルタ保持部14との間に設けられている。
また、フィルタ押さえ部材16は、板状に設けられている。フィルタ押さえ部材16は、光軸方向(Z方向)から見て、略矩形形状を有している。また、フィルタ押さえ部材16は、第1のフィルタアレイ11の複数(6つ)のフィルタ11aおよび第2のフィルタアレイ13の複数(6つ)のフィルタ13aに対応するように、複数(6つ)の開口部16aを含んでいる。開口部16aは、フィルタ押さえ部材16を光軸方向に貫通する貫通孔により構成されている。開口部16aを介して、第1のフィルタアレイ11のフィルタ11aを通過した光が、第2のフィルタ保持部14に保持された第2のフィルタアレイ13のフィルタ13aに入射する。
絞り部20は、板状に設けられている。絞り部20は、光軸方向(Z方向)から見て、略矩形形状を有している。また、絞り部20は、レンズ部30のレンズアレイ31の複数(6つ)のレンズ31aに対応するように、複数(6つ)の絞り開口部20aを含んでいる。絞り開口部20aは、絞り部20を光軸方向に貫通する貫通孔により構成されている。また、絞り開口部20aは、光軸方向から見て、略円形状を有している。絞り開口部20aの開口面積は、フィルタ押さえ部材16の開口部16aの開口面積に比べて十分に小さい。これにより、絞り開口部20aは、レンズ部30のレンズアレイ31のレンズ31aに入射する光の光量を調整するように設けられている。また、絞り部20は、第2のフィルタアレイ13が第2のフィルタ保持部14のフィルタ被配置部14a内に保持されるように、第2のフィルタ保持部14に保持された第2のフィルタアレイ13を光軸方向の他方側(Z2方向側)から押えるように設けられている。絞り部20は、光量調整部材と、第2のフィルタアレイ13の押さえ部材とを兼ねている。
レンズ部30は、レンズアレイ31と、レンズ保持部32と、レンズ押さえ部材33および34とを含んでいる。レンズアレイ31は、複数(6つ)のレンズ31aを含んでいる。複数のレンズ31aは、2行×3列の行列状に配列されている。複数のレンズ31aの各々は、イメージセンサ2に個別に光を結像させるように設けられている。複数のレンズ31aの各々は、複眼を構成する1つ1つの目である個眼として機能する。レンズ保持部32(レンズスロット)は、レンズアレイ31を保持するように設けられている。レンズ保持部32は、略直方体状に設けられている。レンズ保持部32は、光軸方向(Z方向)から見て、略矩形形状を有している。また、レンズ保持部32は、レンズアレイ31の複数(6つ)のレンズ31aに対応するように、複数(6つ)のレンズ被配置部32aを含んでいる。レンズ被配置部32aは、レンズ保持部32を光軸方向に貫通する貫通孔により構成されている。複数のレンズ31aの各々は、対応するレンズ被配置部32a内に設けられている。
レンズ押さえ部材33は、レンズアレイ31がレンズ保持部32のレンズ被配置部32a内に保持されるように、レンズ保持部32に保持されたレンズアレイ31を光軸方向の一方側(Z1方向側)から押さえるための部材である。レンズ押さえ部材33は、レンズ保持部32に対して光軸方向の一方側に設けられている。また、レンズ押さえ部材33は、板状に設けられている。レンズ押さえ部材33は、光軸方向(Z方向)から見て、略矩形形状を有している。また、レンズ押さえ部材33は、レンズアレイ31の複数(6つ)のレンズ31aに対応するように、複数(6つ)の開口部33aを含んでいる。開口部33aは、レンズ押さえ部材33を光軸方向に貫通する貫通孔により構成されている。開口部33aを介して、絞り部20の絞り開口部20aを通過した光が、レンズ保持部32に保持されたレンズアレイ31のレンズ31aに入射する。
レンズ押さえ部材34は、レンズアレイ31がレンズ保持部32のレンズ被配置部32a内に保持されるように、レンズ保持部32に保持されたレンズアレイ31を光軸方向の他方側(Z2方向側)から押さえるための部材である。レンズ押さえ部材34は、レンズ保持部32に対して光軸方向の他方側に設けられている。また、レンズ押さえ部材34は、板状に設けられている。レンズ押さえ部材34は、光軸方向(Z方向)から見て、略矩形形状を有している。また、レンズ押さえ部材34は、レンズアレイ31の複数(6つ)のレンズ31aに対応するように、複数(6つ)の開口部34aを含んでいる。開口部34aは、レンズ押さえ部材34を光軸方向に貫通する貫通孔により構成されている。開口部34aを介して、レンズアレイ31のレンズ31aを通過した光が、イメージセンサ2に向かって出射される。
隔壁部40は、イメージセンサ2に向かって出射されたレンズアレイ31のレンズ31a毎の光が互いに干渉しないように、レンズアレイ31のレンズ31a毎の光の光路を区画するように設けられている。これにより、レンズアレイ31のレンズ31a毎の光が互いに干渉することを抑制することができるので、レンズアレイ31のレンズ31a毎の画像を精度良く取得可能である。隔壁部40は、略直方体状に設けられている。隔壁部40は、光軸方向(Z方向)から見て、略矩形形状を有している。また、隔壁部40は、レンズアレイ31の複数(6つ)のレンズ31aに対応するように、複数(6つ)の区画部40aを含んでいる。区画部40aは、隔壁部40を光軸方向に貫通する貫通孔により構成されている。区画部40aは、隔壁である側壁により他の区画部40aとの間で遮光しつつ、レンズ31aを通過した光をイメージセンサ2に導くように設けられている。区画部40aは、レンズアレイ31のレンズ31aの近傍からイメージセンサ2の近傍まで、光軸方向に沿って延びるように設けられている。レンズアレイ31のレンズ31a毎の光は、対応する区画部40a内を通過して、イメージセンサ2に到達する。
イメージセンサ2は、CMOS(Complementrary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサ、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサなどの半導体イメージセンサである。イメージセンサ2は、レンズアレイ31を透過した光により、レンズアレイ31のレンズ31a毎の画像を形成するように構成されている。イメージセンサ2は、光軸方向(Z方向)から見て、略矩形形状を有している。イメージセンサ2は、プリント基板2aに設けられている。プリント基板2aは、イメージセンサ2からの信号を伝送するための回路が形成された基板である。
(複眼撮像装置の各部の取り付けに関する構成)
次に、図2および図3を参照して、複眼撮像装置100の各部の取り付けに関する構成について説明する。なお、図3では、理解の容易のため、複眼撮像装置100の模式的な断面図を示している。模式的な断面図である図3では、複眼撮像装置100の各部の大きさが誇張して図示されているとともに、後述する全ての種類のねじ部材が図示されている。
図2および図3に示すように、イメージセンサ2は、複眼撮像装置100の筐体100a(図3参照)に取り付けられている。具体的には、イメージセンサ2は、プリント基板2aと、センサベース2bと、筐体取付部材2cとを介して、筐体100aに取り付けられている。
プリント基板2aは、センサベース2bに取り付けられている。具体的には、プリント基板2aは、ねじ部材である複数(4つ)の固定ねじ51により、センサベース2bに取り付けられている。プリント基板2aは、固定ねじ51が挿入される孔であって、ねじ溝を有しない複数(4つ)の貫通孔2aa(いわゆる、バカ孔)を有している。貫通孔2aaは、光軸方向(Z方向)に沿って延びるように設けられている。また、センサベース2bは、固定ねじ51が挿入される孔であって、固定ねじ51と係合するねじ溝を有する複数(4つ)のねじ孔2baを有している。ねじ孔2baは、光軸方向に沿って延びるように設けられている。固定ねじ51は、光軸方向の他方側(Z2方向側)からプリント基板2aの貫通孔2aaに挿入された状態で、センサベース2bのねじ孔2baと係合している。
また、センサベース2bは、筐体取付部材2cに取り付けられている。具体的には、センサベース2bは、ねじ部材である複数(4つ)の固定ねじ52により、筐体取付部材2cに取り付けられている。センサベース2bは、固定ねじ52が挿入される孔であって、固定ねじ52と係合するねじ溝を有する複数(4つ)のねじ孔2bbを有している。ねじ孔2bbは、光軸方向に沿って延びるように設けられている。また、筐体取付部材2cは、固定ねじ52が挿入される孔であって、ねじ溝を有しない複数(4つ)の貫通孔2caを有している。貫通孔2caは、光軸方向に沿って延びるように設けられている。固定ねじ52は、光軸方向の一方側(Z1方向側)から筐体取付部材2cの貫通孔2caに挿入された状態で、センサベース2bのねじ孔2bbと係合している。
また、筐体取付部材2cは、筐体100a(図3参照)に取り付けられている。具体的には、ねじ部材である複数(4つ)の固定ねじ53(図3参照)により、筐体100aに取り付けられている。筐体取付部材2cは、固定ねじ53が挿入される孔であって、ねじ溝を有しない複数(4つ)の貫通孔2cbを有している。貫通孔2cbは、光軸方向に沿って延びるように設けられている。また、筐体100aは、固定ねじ53が挿入される孔であって、固定ねじ53と係合するねじ溝を有する複数(4つ)のねじ孔100bを有している。ねじ孔100bは、光軸方向に沿って延びるように設けられている。固定ねじ53は、光軸方向の他方側(Z2方向側)から筐体取付部材2cの貫通孔2cbに挿入された状態で、筐体100aのねじ孔100bと係合している。これらの結果、イメージセンサ2は、筐体100aに取り付けられている。
複眼光学系1は、複眼撮像装置100の筐体100a(図3参照)に取り付けられている。具体的には、複眼光学系1は、筐体取付部材2cを介して、筐体100aに取り付けられている。
複眼光学系1のフィルタ部10と、絞り部20とは、レンズ部30に取り付けられている。具体的には、フィルタ部10と、絞り部20とは、ねじ部材である複数(4つ)の固定ねじ54により、レンズ部30に取り付けられている。フィルタ部10の第1のフィルタ保持部12と、第2のフィルタ保持部14と、フィルタ押さえ部材15、フィルタ押さえ部材16と、絞り部20とは、それぞれ、固定ねじ54が挿入される孔であって、ねじ溝を有しない複数(4つ)の貫通孔12b、14b、15b、16b、20bを有している。貫通孔12b、14b、15b、16b、20bは、光軸方向(Z方向)に沿って延びるように設けられている。貫通孔12b、14b、15b、16b、20bは、略矩形形状の各部材の各辺の中央部に対応するように設けられている。
また、レンズ部30のレンズ保持部32は、固定ねじ54が挿入される孔であって、固定ねじ54と係合するねじ溝を有する複数(4つ)のねじ孔32bを有している。ねじ孔32bは、光軸方向に沿って延びるように設けられている。ねじ孔32bは、略矩形形状のレンズ保持部32の各辺の中央部に対応するように設けられている。固定ねじ54は、光軸方向の一方側(Z1方向側)から、フィルタ部10の第1のフィルタ保持部12の貫通孔12bと、第2のフィルタ保持部14の貫通孔14bと、フィルタ押さえ部材15の貫通孔15bと、フィルタ押さえ部材16の貫通孔15bと、絞り部20の貫通孔20bとに挿入された状態で、レンズ部30のレンズ保持部32のねじ孔32bと係合している。
複眼光学系1の隔壁部40は、レンズ部30に取り付けられている。具体的には、隔壁部40は、ねじ部材である複数(4つ)の固定ねじ55により、レンズ部30に取り付けられている。隔壁部40は、固定ねじ55が挿入される孔であって、固定ねじ55と係合するねじ溝を有する複数(4つ)のねじ孔40bを有している。ねじ孔40bは、光軸方向に沿って延びるように設けられている。ねじ孔40bは、略矩形形状の隔壁部40の各角に対応するように設けられている。また、レンズ部30のレンズ保持部32と、レンズ押さえ部材33と、レンズ押さえ部材34とは、それぞれ、固定ねじ55が挿入される孔であって、ねじ溝を有しない複数(4つ)の貫通孔32c、33b、34bを有している。貫通孔32c、33b、34bは、光軸方向(Z方向)に沿って延びるように設けられている。貫通孔32c、33b、34bは、略矩形形状の各部材の各角に対応するように設けられている。固定ねじ55は、光軸方向の一方側(Z1方向側)から、レンズ部30のレンズ保持部32の貫通孔32cと、レンズ押さえ部材33の貫通孔33b、レンズ押さえ部材34の貫通孔34bとに挿入された状態で、隔壁部40のねじ孔40bと係合している。
なお、フィルタ部10の第1のフィルタ保持部12と、第2のフィルタ保持部14と、フィルタ押さえ部材15、フィルタ押さえ部材16と、絞り部20とは、それぞれ、固定ねじ55のねじ頭が挿入される孔であって、ねじ溝を有しない複数(4つ)の貫通孔12c、14c、15c、16c、20cを有している。貫通孔12c、14c、15c、16c、20cは、光軸方向(Z方向)に沿って延びるように設けられている。貫通孔12c、14c、15c、16c、20cは、略矩形形状の各部材の各角に対応するように設けられている。固定ねじ55は、フィルタ部10の第1のフィルタ保持部12の貫通孔12cと、第2のフィルタ保持部14の貫通孔14cと、フィルタ押さえ部材15の貫通孔15cと、フィルタ押さえ部材16の貫通孔15cと、絞り部20の貫通孔20cとに、ねじ頭が挿入された状態で、レンズ部30のレンズ保持部32のねじ孔32bと係合している。
また、レンズ押さえ部材33は、固定ねじ54が挿入される孔であって、ねじ溝を有しない複数(4つ)の貫通孔33cも有している。貫通孔33cは、光軸方向(Z方向)に沿って延びるように設けられている。貫通孔33cは、略矩形形状のレンズ押さえ部材33の各辺の中央部に対応するように設けられている。固定ねじ54は、光軸方向の一方側(Z1方向側)から、フィルタ部10の第1のフィルタ保持部12の貫通孔12bと、第2のフィルタ保持部14の貫通孔14bと、フィルタ押さえ部材15の貫通孔15bと、フィルタ押さえ部材16の貫通孔15bと、絞り部20の貫通孔20bと、レンズ部30のレンズ押さえ部材33の貫通孔33cとに挿入された状態で、レンズ部30のレンズ保持部32のねじ孔32bと係合している。
レンズ部30は、筐体取付部材2cに取り付けられている。具体的には、レンズ部30は、ねじ部材である複数(4つ)の固定ねじ56により、筐体取付部材2cに取り付けられている。レンズ部30のレンズ保持部32は、固定ねじ56が挿入される孔であって、ねじ溝を有しない複数(4つ)の貫通孔32dを有している。貫通孔32dは、光軸方向に沿って延びるように設けられている。貫通孔32dは、貫通孔32cよりも外側において、略矩形形状のレンズ保持部32の各角に対応するように設けられている。また、筐体取付部材2cは、固定ねじ56が挿入される孔であって、固定ねじ56と係合するねじ溝を有する複数(4つ)のねじ孔2ccを有している。ねじ孔2ccは、光軸方向(Z方向)に沿って延びるように設けられている。固定ねじ56は、光軸方向の一方側(Z1方向側)から、レンズ部30のレンズ保持部32の貫通孔32dに挿入された状態で、筐体取付部材2cのねじ孔2ccと係合している。これらの結果、複眼光学系1は、筐体100aに取り付けられている。
ここで、本実施形態では、複眼撮像装置100は、イメージセンサ2に対するレンズ部30のレンズアレイ31の光軸方向(Z方向)の位置を調整するためのレンズ位置調整部材60を備えている。レンズ位置調整部材60は、レンズ部30のレンズ保持部32を回転方向の位置を保持しながら光軸方向に移動させることにより、レンズ部30のレンズアレイ31を回転方向の位置を保持しながら光軸方向に移動させるように構成されている。なお、回転方向とは、光軸方向に沿って延びる回転軸線を回転中心とした回転方向を意味している。
レンズ位置調整部材60は、ねじ部材である複数(4つ)の位置調整ねじ61を含んでいる。位置調整ねじ61は、回転されることにより、レンズ部30のレンズ保持部32を回転方向の位置を保持しながら光軸方向に移動させるように構成されている。また、位置調整ねじ61は、レンズ部30の略矩形形状のレンズ保持部32の各辺に対応するように設けられている。具体的には、位置調整ねじ61は、レンズ部30の略矩形形状のレンズ保持部32の各辺の中央部に対応するように設けられている。また、レンズ部30のレンズ保持部32は、位置調整ねじ61が挿入される孔であって、位置調整ねじ61と係合するねじ溝を有する複数(4つ)のねじ孔32eを有している。ねじ孔32eは、光軸方向に沿って延びるように設けられている。ねじ孔32eは、ねじ孔32bよりも外側において、レンズ部30の略矩形形状のレンズ保持部32の各辺の中央部に対応するように設けられている。位置調整ねじ61は、光軸方向の一方側(Z1方向側)から挿入された状態で、レンズ部30のレンズ保持部32のねじ孔32eと係合している。
また、図3に示すように、位置調整ねじ61は、ねじ孔32eと係合した状態で、先端部61aがねじ孔32eから突出するように設けられている。位置調整ねじ61は、ねじ孔32eに係合した状態で回転されることにより、ねじ孔32eから突出した先端部61aの光軸方向の位置が移動するように設けられている。また、位置調整ねじ61は、ねじ孔32eから突出した先端部61aの光軸方向の位置が移動されることにより、レンズ部30のレンズ保持部32を回転方向の位置を保持しながら光軸方向に移動させるように構成されている。具体的には、位置調整ねじ61は、ねじ孔32eから突出した先端部61aが、光軸方向に対向する位置決め面である筐体取付部材2cの光軸方向の一方側の面2cdに当たることにより、レンズ保持部32を光軸方向に位置決めするように設けられている。先端部61aは、位置決め面である筐体取付部材2cの面2cdに光軸方向に対向する平坦面を有している。レンズ保持部32は、位置調整ねじ61の先端部61aが光軸方向の一方側(Z1方向側)に移動した場合、光軸方向の他方側(Z2方向側)に移動し、位置調整ねじ61の先端部61aが光軸方向の他方側(Z2方向側)に移動した場合、光軸方向の一方側(Z1方向側)に移動するように設けられている。なお、位置調整ねじ61は、レンズ保持部32(レンズアレイ31)の光軸方向の位置の調整範囲内において、ねじ頭がレンズ保持部32に接しないように設けられている。
また、本実施形態では、レンズ位置調整部材60は、レンズ保持部32を光軸方向に移動させる位置調整ねじ61に加えて、レンズ保持部32の光軸方向への移動を案内する案内部材62を含んでいる。案内部材62は、固定ねじ56により構成されている。案内部材62である固定ねじ56は、レンズ保持部32の光軸方向への移動を案内するだけでなく、位置調整ねじ61により調整された位置でレンズ保持部32を固定するように設けられている。固定ねじ56は、案内部材62と、固定部材とを兼ねている。なお、固定ねじ56は、特許請求の範囲の「案内ねじ」の一例である。
固定ねじ56は、レンズ保持部32の貫通孔32dに挿入され、筐体取付部材2cのねじ孔2ccと係合した状態で、光軸方向(Z方向)に沿って延びるねじ軸56aにより、レンズ保持部32の貫通孔32dを被案内部として、レンズ保持部32の光軸方向への移動を案内するように設けられている。具体的には、固定ねじ56は、ねじ軸56aがレンズ保持部32の貫通孔32dに光軸方向と直交する方向に当たることにより、レンズ保持部32の光軸方向と直交する方向への移動を規制しつつ、光軸方向へ移動を案内するように設けられている。また、図4に示すように、固定ねじ56は、レンズ保持部32を固定しない状態である非固定状態で、レンズ保持部32の光軸方向への移動を案内するように設けられている。固定ねじ56が非固定状態である場合、レンズ保持部32は、固定ねじ56のねじ軸56aに沿って光軸方向にスライド移動可能に設けられている。非固定状態では、固定ねじ56は、レンズ保持部32の貫通孔32dに挿入され、筐体取付部材2cのねじ孔2ccと係合しているが、レンズ保持部32を光軸方向に固定していない。
なお、上記の通り、レンズ部30は複眼光学系1の各部と一体的になるように接続されているため、レンズ位置調整部材60によりレンズアレイ31(レンズ保持部32)の光軸方向の位置の調整が行われた場合、複眼光学系1の全体が回転方向の位置を保持しながら光軸方向に移動される。具体的には、レンズ位置調整部材60によりレンズアレイ31の光軸方向の位置の調整が行われた場合、レンズ部30と共に、フィルタ部10、絞り部20および隔壁部40も、回転方向の位置を保持しながら光軸方向に移動される。このため、レンズアレイ31の光軸方向の位置の調整が行われた場合にも、フィルタ部10、絞り部20および隔壁部40に対するレンズアレイ31の光軸方向の位置は変化しない。
(レンズアレイの光軸方向の位置の調整)
次に、図4〜図6を参照して、本実施形態の複眼撮像装置100におけるレンズアレイ31の光軸方向の位置の調整について説明する。なお、レンズアレイ31の光軸方向の位置の調整は、複眼撮像装置100の出荷前や、複眼撮像装置100のメンテナンス時などのレンズアレイ31の光軸方向の位置の調整を要する場合に、作業者により行われる。
図4に示すように、まず、作業者は、複数(4つ)の固定ねじ56をドライバなどの工具を用いて非固定状態とする。そして、図5に示すように、作業者は、レンズ位置調整部材60の複数(4つ)の位置調整ねじ61をドライバなどの工具を用いて回転させることにより、レンズ保持部32を回転方向の位置を保持させながら光軸方向に移動させる。この際、作業者は、図示しない表示装置に表示させた複眼撮像装置100により取得された画像を確認しつつ、複眼撮像装置100により適切な画像が取得可能になるように、レンズ保持部32を回転方向の位置を保持させながら光軸方向の一方側(Z1方向側)または他方側(Z2方向側)に移動させる。また、レンズ保持部32を光軸方向に移動させる際、作業者は、複数(4つ)の位置調整ねじ61の各々を微量ずつ(たとえば、10度ずつなど)回転させることにより、レンズ保持部32の各辺を微量ずつ光軸方向に移動させる。また、レンズ保持部32を光軸方向に移動させる際、案内部材62である固定ねじ56により、レンズ保持部32の光軸方向への移動が案内される。そして、図6に示すように、複眼撮像装置100により適切な画像が取得可能と判断した場合、作業者は、固定ねじ56をドライバなどの工具を用いて回転させることにより、固定ねじ56によるレンズ保持部32の固定を行う。この結果、調整された位置でレンズ保持部32が固定される。
(本実施形態の効果)
本実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
本実施形態では、上記のように、複眼撮像装置100を、レンズ保持部32を回転方向の位置を保持しながらレンズアレイ31の光軸方向に移動させることにより、レンズアレイ31を回転方向の位置を保持しながら光軸方向に移動させるように、レンズアレイ31の光軸方向の位置を調整するためのレンズ位置調整部材60を備えるように構成する。これにより、たとえば、複眼撮像装置100の製造時にレンズアレイ31の光軸方向の位置にばらつきが生じた場合に、レンズアレイ31の光軸方向の位置のばらつきによる影響を吸収するように、レンズ位置調整部材60によりレンズアレイ31の光軸方向の位置を調整してレンズアレイ31のレンズ31aの焦点位置を調整することができる。また、たとえば、経時変化に起因してレンズアレイ31の光軸方向の位置に変化が生じた場合に、レンズアレイ31の光軸方向の位置の変化による影響を吸収するように、レンズ位置調整部材60によりレンズアレイ31の光軸方向の位置を調整してレンズアレイ31のレンズ31aの焦点位置を調整することができる。また、たとえば、遠くの被写体を撮像する用途に用いる場合に、レンズ位置調整部材60によりレンズアレイ31のレンズ31aの焦点位置を遠くの被写体を撮像するのに適した位置に調整することができるとともに、近くの被写体を撮像する用途に用いる場合に、レンズ位置調整部材60によりレンズアレイ31のレンズ31aの焦点位置を近くの被写体を撮像するのに適した位置に調整することができる。これらのように、レンズアレイ31のレンズ31aの焦点位置を適切な位置に調整可能な複眼撮像装置100を提供することができる。
また、複眼撮像装置100では、イメージセンサ2に対するレンズアレイ31の回転方向の位置がずれた場合、レンズアレイ31のレンズ31a毎の画像をイメージセンサ2に正確に形成することができない(意図したように形成することができない)ため、レンズアレイ31の光軸方向の位置を調整する際、イメージセンサ2に対するレンズアレイ31の回転方向の位置を保持する必要がある。この点を考慮して、本実施形態による複眼撮像装置100では、レンズ位置調整部材60によりレンズアレイ31を回転方向の位置を保持しながら光軸方向に移動させるので、レンズアレイ31の光軸方向の位置を調整する際、イメージセンサ2に対するレンズアレイ31の回転方向の位置を保持することができる。その結果、レンズアレイ31の光軸方向の位置を調整した場合にも、イメージセンサ2に対するレンズアレイ31の回転方向の位置がずれることに起因して、レンズアレイ31のレンズ31a毎の画像をイメージセンサ2に正確に形成することができなくなるのを抑制することができる(意図したように形成することができなくなるのを抑制することができる)。
また、本実施形態では、上記のように、レンズ位置調整部材60を、ねじ部材である位置調整ねじ61を含むように構成する。また、位置調整ねじ61を、回転されることにより、レンズ保持部32を回転方向の位置を保持しながら光軸方向に移動させるように構成する。これにより、位置調整ねじ61という簡素な構成でかつ位置調整ねじ61を回転させるという簡単な作業により、レンズアレイ31の光軸方向の位置を調整してレンズアレイ31のレンズ31aの焦点位置を調整することができる。
また、本実施形態では、上記のように、レンズ保持部32を、位置調整ねじ61と係合するねじ孔32eを有するように構成する。また、ねじ孔32eを、光軸方向に沿って延びるように設ける。また、位置調整ねじ61を、先端部61aがねじ孔32eから突出するように設ける。また、位置調整ねじ61を、レンズ保持部32のねじ孔32eに係合した状態で回転され、ねじ孔32eから突出した先端部61aの位置が移動されることにより、レンズ保持部32を回転方向の位置を保持しながら光軸方向に移動させるように構成する。これにより、ねじ孔32eから突出した先端部61aの位置を移動させるだけで、レンズアレイ31の光軸方向の位置を調整してレンズアレイ31のレンズ31aの焦点位置を簡単に調整することができる。
また、本実施形態では、上記のように、レンズ保持部32を、光軸方向から見て、略矩形形状を有するように構成する。また、位置調整ねじ61を、略矩形形状のレンズ保持部32の各辺に対応するように設ける。これにより、略矩形形状のレンズ保持部32の各辺を均等に移動させることができるので、レンズ保持部32に傾きが生じることを抑制しつつ、レンズ保持部32を光軸方向に移動させることができる。その結果、レンズ保持部32に保持されたレンズアレイ31に傾きが生じることを抑制することができるので、レンズアレイ31の光軸方向の位置の調整作業を容易化することができる。
また、本実施形態では、上記のように、位置調整ねじ61を、略矩形形状のレンズ保持部32の各辺の中央部に対応するように設ける。これにより、略矩形形状のレンズ保持部32の各辺をより均等に移動させることができるので、レンズ保持部32に傾きが生じることをより抑制しつつ、レンズ保持部32を光軸方向に移動させることができる。
また、本実施形態では、上記のように、レンズ位置調整部材60を、レンズ保持部32を光軸方向に移動させる位置調整ねじ61に加えて、レンズ保持部32の光軸方向への移動を案内する案内部材62を含むように構成する。これにより、案内部材62によりレンズ保持部32に傾きが生じることをより一層抑制しつつ、レンズ保持部32を光軸方向に移動させることができる。
また、本実施形態では、上記のように、案内部材62を、ねじ部材である固定ねじ56であるように構成する。また、固定ねじ56を、レンズ保持部32の光軸方向への移動を案内するだけでなく、位置調整ねじ61により調整された位置でレンズ保持部32を固定するように設ける。これにより、固定ねじ56に、案内機能および固定機能を持たせることができるので、位置調整ねじ61および固定ねじ56とは別個に独立して固定用のねじを設ける場合に比べて、部品点数の削減を図ることができるとともに、部品点数の削減に伴い構造の簡素化および組立工数の低減を図ることができる。また、位置調整ねじ61とは別個に独立して固定用のねじ(固定ねじ56)を設けることにより、レンズ保持部32の光軸方向の位置の調整および調整後のレンズ保持部32の固定を互いに独立して行うことができるので、レンズ保持部32の光軸方向の位置の調整および調整後のレンズ保持部32の固定をそれぞれ精度よく行うことができる。
[一実施形態の変形例]
次に、図7を参照して、一実施形態の変形例について説明する。この一実施形態の変形例では、上記実施形態とは異なり、レンズ位置調整部材がばねをさらに含んでいる例について説明する。なお、上記実施形態と同一の構成については、図中において同じ符号を付して図示し、その説明を省略する。
本発明の一実施形態の変形例によるレンズ位置調整部材160は、図7に示すように、光軸方向(Z方向)への移動の際に傾かないようにレンズ保持部32を光軸方向に付勢するばね163をさらに含んでいる。ばね163は、光軸方向において、レンズ保持部32と筐体取付部材2cとの間に設けられている。ばね163は、光軸方向の他方側(Z2方向側)から一方側(Z1方向側)に向かって、レンズ保持部32を付勢するように設けられている。ばね163は、たとえば、コイルばねであり、固定ねじ56に対応するように設けられている。つまり、ばね163は、略矩形形状のレンズ保持部32の各角に対応するように設けられている。ばね163は、固定ねじ56のねじ軸56aが輪の内側に挿入されるように設けられている。ばね163は、レンズ保持部32を固定ねじ56のねじ頭に向かって付勢するように設けられている。
なお、上記実施形態の変形例のその他の構成は、上記実施形態と同様である。
一実施形態の変形例では、上記のように、レンズ位置調整部材160を、光軸方向への移動の際に傾かないようにレンズ保持部32を光軸方向に付勢するばね163を含むように構成する。これにより、ばね163による付勢力によりレンズ保持部32に傾きが生じることを確実に抑制しつつ、レンズ保持部32を光軸方向に移動させることができる。
なお、上記実施形態の変形例のその他の効果は、上記実施形態と同様である。
[変形例]
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
たとえば、上記実施形態では、複眼撮像装置が、互いに同じ視点の複数の画像を一度に形成可能に構成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、複眼撮像装置が、互いに異なる視点の複数の画像を一度に形成可能に構成されていてもよい。
また、上記実施形態では、複眼撮像装置が、2枚のフィルタを光軸方向に重ねて用いるように構成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、複眼撮像装置が、3枚以上のフィルタを光軸方向に重ねて用いるように構成されていてもよいし、複数のフィルタを光軸方向に重ねて用いるように構成されていなくてもよい。
また、上記実施形態では、レンズアレイが、6つのレンズを含んでいる例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、レンズアレイが、6つ以外の複数のレンズを含んでいてもよい。
また、上記実施形態では、レンズアレイの複数のレンズが、行列状に配列されている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、レンズアレイの複数のレンズが、必ずしも行列状に配列されていなくてもよい。たとえば、レンズアレイの複数のレンズが、一列に配列されていてもよいし、ジグザグに配列されていてもよい。
また、上記実施形態では、レンズ位置調整部材が、位置調整ねじが回転されることにより、レンズ保持部を回転方向の位置を保持しながら光軸方向に移動させるように構成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、レンズ位置調整部材が、位置調整ねじが回転される以外の方法により、レンズ保持部を回転方向の位置を保持しながら光軸方向に移動させるように構成されていてもよい。
また、上記実施形態では、位置調整ねじが、4つ設けられている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、位置調整ねじが、4つ以外の複数設けられていてもよい。
また、上記実施形態では、位置調整ねじが、レンズ保持部のねじ孔と係合するように設けられている例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、位置調整ねじが、必ずしもレンズ保持部のねじ孔と係合するように設けられていなくてもよい。たとえば、位置調整ねじが、レンズ保持部の外側に設けられてもいてもよい。この場合、位置調整ねじが、回転されて光軸方向に移動された先端部によりレンズ保持部を押すことにより、レンズ保持部を回転方向の位置を保持しながら光軸方向に移動させるように構成されていてもよい。
また、上記実施形態では、レンズ保持部が、光軸方向から見て、略矩形形状を有している例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、レンズ保持部が、光軸方向から見て、略円形状を有していてもよいし、矩形以外の多角形形状を有していてもよい。
また、上記実施形態では、位置調整ねじが、略矩形形状のレンズ保持部の各辺の中央部に対応するように設けられている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、位置調整ねじが、略矩形形状のレンズ保持部の各辺の端部に対応するように設けられていてもよい。また、たとえば、位置調整ねじが、略矩形形状のレンズ保持部の各角に対応するように設けられていてもよい。
また、上記実施形態では、レンズ位置調整部材が、案内部材を含んでいる例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、レンズ位置調整部材が、必ずしも案内部材を含んでいなくてもよい。
また、上記実施形態では、案内部材が、4つ設けられている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、案内部材が、4つ以外の複数設けられていてもよい。
また、上記実施形態では、案内部材が、ねじ部材である例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、案内部材が、ピンやレールなどであってもよい。つまり、案内部材が、固定部材を兼ねていなくてもよい。この場合、位置調整ねじが固定部材を兼ねるように設けられていてもよいし、案内部材と位置調整ねじとは別個に独立して固定部材が設けられていてもよい。
また、上記実施形態では、レンズ位置調整部材が、レンズアレイの光軸方向の位置の調整用の小型のアクチュエータをさらに含んでいてもよい。小型のアクチュエータとしては、たとえば、駆動源としてピエゾ素子を含むアクチュエータを用いることができる。小型のアクチュエータを設けた場合、小型のアクチュエータにより、作業者による手作業だけでは調整しにくい微妙な調整も精度良く行うことができる。
また、上記実施形態では、レンズ部のレンズ保持部、隔壁部などが、エッチング加工により形成された複数の薄板が光軸方向に積層された構造を有していてもよい。この場合、複数の薄板の各々には、各部材の貫通孔に対応するように、エッチング加工による貫通孔が形成されている。これにより、厚板を切削加工した構造によりレンズ部のレンズ保持部、隔壁部などを構成する場合に比べて、レンズ部のレンズ保持部、隔壁部などを精度良く製作することができる。その結果、加工精度に起因して複眼撮像装置の性能が低下することを抑制することができる。この効果は、加工精度の影響が生じやすい小型の複眼撮像装置を製作する場合に、特に有効である。また、レンズ部のレンズ保持部、隔壁部などが、薄板積層造を有する場合、レンズ部のレンズ保持部、隔壁部などにねじ孔を設けることができない。したがって、この場合には、レンズ部のレンズ保持部、隔壁部とは別個に独立して、ねじ孔を設けた厚板部材をさらに設け、厚板部材のねじ孔に、位置調整ねじや固定ねじを係合させればよい。
また、上記実施形態の変形例では、ばねが、コイルばねである例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、ばねが、板ばねなどのばねであってもよい。
また、上記実施形態の変形例では、ばねが、案内部材である固定ねじに対応するように設けられている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、ばねが、案内部材である固定ねじとは離れた位置に設けられていてもよい。また、ばねが、略矩形形状のレンズ保持部の各角ではなく、略矩形形状のレンズ保持部の各辺に対応するように設けられていてもよい。