JP2015114441A - 駆動装置および光学機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】小型の構成で高精度な駆動制御をすること
【解決手段】駆動装置は、駆動ベース25に対して回転する駆動リング26と、駆動リングの駆動ベースに対する回転軸を規定するガイドコロ38と、駆動リングの回転範囲を制限する制限端25a、27aと、を有する。制限端27aは駆動リング26と共に回転し、制限端25aは制限端27aが接触可能で、回転範囲の一端を規定するように駆動ベース25に固定される。回転軸に直交する平面において、制限端25a、27aが接触する第1接触面と放射方向のなす角度Bは10°以上60°以下である。
【選択図】図1
【解決手段】駆動装置は、駆動ベース25に対して回転する駆動リング26と、駆動リングの駆動ベースに対する回転軸を規定するガイドコロ38と、駆動リングの回転範囲を制限する制限端25a、27aと、を有する。制限端27aは駆動リング26と共に回転し、制限端25aは制限端27aが接触可能で、回転範囲の一端を規定するように駆動ベース25に固定される。回転軸に直交する平面において、制限端25a、27aが接触する第1接触面と放射方向のなす角度Bは10°以上60°以下である。
【選択図】図1
Description
本発明は、駆動装置および光学機器に関する。
近年の光学機器には高精細化がますます要求され、自動焦点調節(AF)の更なる高精度化が要求されている。このため、より高精度なレンズ駆動が可能なレンズ駆動装置が必要とされており、いわゆるメカ端と呼ばれる駆動範囲の端部の高精度な検出が重要となる。
特許文献1は、光軸周りの所定角度領域内で移動してコロリングからの駆動力を駆動機構に伝達する伝達部材と、スケールとの相対変位に応じた信号を出力するセンサと、を有し、センサは、光軸方向において所定角度領域に重なる光学機器を開示している。コロリングは、ユニット本体の外周に配置されてユニット本体に対して光軸周りに回転可能な回転環である。特許文献2は、レンズ駆動系の回転伝達環を定位置回転可能に保持するためのボールとボールレースによる構成が開示されている。
しかしながら、特許文献1では、コロリングはユニット本体に対して回転可能であるため、所定のガタを持って保持されており、ガタ内での動きがレンズ駆動の高精度化の妨げになっている。特許文献2は、円環状のボールレースが複数必要であり、小型化を妨げていた。
本発明は、小型の構成で高精度な駆動制御が可能な制御装置および光学機器を提供することを例示的な目的とする。
本発明の駆動装置は、ベース部材と、前記ベース部材に対して回転する円筒部材と、前記円筒部材の前記ベース部材に対する回転軸を規定する回転ガイド手段と、前記円筒部材の回転範囲を制限する回転制限部と、を有し、前記回転制限部は、前記円筒部材と共に回転する第1接触部と、前記第1接触部が接触可能で、前記回転範囲の一端を規定するように前記ベース部材に固定された第2接触部と、を有し、前記回転軸に直交する平面において、前記第1接触部と前記第2接触部が接触する第1接触面と、当該第1接触面を通る前記回転軸を中心とする第1放射方向のなす角としての第1角度は、前記第1放射方向から前記回転範囲の他端に向かう方向を正とすると、10°以上60°以下であることを特徴とする。
本発明によれば、小型の構成で高精度な駆動制御が可能な制御装置および光学機器を提供することができる。
図2は、本実施形態のカメラシステム(光学機器)の概略断面図である。カメラシステムは、レンズ交換式デジタル一眼レフカメラと交換レンズからなる。1はカメラ(撮像装置)、2は交換レンズ(レンズ装置)である。1aはカメラ1のカメラマウント部、2aはレンズ2のレンズマウント部であり、両者はバヨネット結合により機械的に着脱可能であり、カメラ1と交換レンズ2はマウント部を介して電気的な通信を行なう。また、カメラ1から交換レンズ2に電源を供給する。
カメラ1において、3はメインミラー、4はペンタプリズム、5はファインダレンズである。交換レンズ2により結像される被写体像がメインミラー3で反射され、ペンタプリズム4で正立像となりファインダレンズ5により観察可能となる。
また、6はサブミラー、7は焦点検出ユニットである。交換レンズ2により結像される被写体像は、メインミラー3で透過された一部の光束がサブミラー6で反射され、焦点検出ユニット7へ導かれる。焦点検出ユニット7は、周知のフィールドレンズ、二次結像レンズ、一対のAFセンサより成り、いわゆる位相差方式により焦点検出を行なう。
8は撮像素子であり、CCDやCMOSなど、撮影光学系が形成した光学像を光電変換する光電変換素子である。撮像素子8のセンサ面と焦点検出ユニット7のAFセンサのセンサ面は共役の関係にあり、焦点検出ユニット7により、撮像素子8での合焦状態を予め検出することが可能である。
9はディスプレイパネルであり、撮像素子8から得られた被写体像の確認が可能であり、その他の様々な撮影情報の確認やカメラのモード設定を図示しない操作手段により行なわれる。
交換レンズ2は、被写体の光学像を形成する撮影光学系を有し、撮影光学系は、第1レンズ群L1、第2レンズ群L2(添え字は後述)、第3レンズ群L3、第4レンズ群L4(添え字は後述)、第5レンズ群L5、第6レンズ群L6からなる。第1レンズ群L1、第3レンズ群L3、第5レンズ群L5、第6レンズ群L6は点線で示す光軸方向に固定のレンズ群である。第2レンズ群L2および第4レンズ群L4は光軸方向に移動して焦点調節を行うフォーカスレンズ群である。光軸の上に表記している第2レンズ群L2と第4レンズL4が無限の被写体に合焦している状態であり、光軸の下に表記してある第2レンズ群L2mと第4レンズL4mが最至近の被写体に合焦している状態である。10は絞りであり、交換レンズ2が結像する被写体の光量を調整する。
図3は、交換レンズ2の分解斜視図である。
11は第1レンズ群L1を含む第1レンズユニット、12は第2レンズ群L2を含む第2レンズユニットである。13は第3レンズ群L3および絞り10を含む第3レンズユニット、14は第4レンズ群L4を含む第4レンズユニット、15は第5レンズ群L5および第6レンズ群L6を含む第5レンズユニットである。
16は前側固定リングユニットであり、透明窓部16aを有する。17は後側固定リングユニット、18はメイン基板、19はレンズマウントユニットである。20はフォーカスユニットであり、第2レンズユニット12、第3レンズユニット13、第4レンズユニット14を含み合焦動作を行なう。20aはフォーカスユニット20に設けられたマニュアル操作リングであり、撮影者が手動で操作することで合焦状態を調節できる。20bは被写体距離を表示する距離指標であり、前側固定リングユニット16の透明窓部16aを通して被写体距離を確認することができる。
図2および図3において、不図示のカメラ1のカメラ制御手段は被写体の合焦状態を焦点検出ユニット7から検出し、マウント1a、2aを介して、交換レンズ2にレンズを駆動すべき量を通信する。交換レンズ2ではメイン基板18内のレンズ制御手段により合焦動作が行なわれる。その後、メインミラー3およびサブミラー6が光路外に退避され、撮像素子8により撮影画像が得られる。
図4から図7を参照して、フォーカスユニット20の構成について更に説明する。
図4は、フォーカスレンズユニット23の分解斜視図である。第2レンズユニット12は、周辺部に3個のカムフォロワーピン12a、第3レンズユニット13は、周辺部に3個の支持ピン13a、第4レンズユニット14は周辺部に3個のカムフォロワーピン14aを有する。21は、各レンズユニットの支持および案内をする案内筒である。3本の直進溝21aで3個のカムフォロワーピン12aを支持することで第2レンズユニット12を直進案内している。また、3個の穴部21bで3個の支持ピン13aを介して第三レンズユニット13を固定支持している。22は、案内筒21の内部に定位置回転可能に支持されているカム筒である。
図5は、カム筒22の斜視図である。カム筒22には、第2レンズユニット12および第4レンズユニット14の倒れを規制する3本のカム溝22a、22cが設けられている。22dは、カム筒22を案内筒21に対して回転させるための連結ピンである。図4に示すように、連結ピン22dは、案内筒21の周方向溝部21dから外周に突出している。第3レンズユニット13は、案内筒21に固定支持されているので、カム筒22には3本の支持ピン13aの逃がし溝22bが設けられている。
図6は、フォーカスレンズユニット23の斜視図である。図6(a)は、図2の光軸の上に表記している第2レンズ群L2と第4レンズL4が無限の被写体に合焦している状態を示す斜視図である。図6(b)は、図2で光軸の下に表記してある最至近の被写体に合焦している状態を示す斜視図である。
図7(a)(b)は、フォーカスユニット20の2方向から見た斜視図である。マニュアル操作リング20a、距離指標20bは省略されている。フォーカスユニット20は、フォーカスレンズユニット23と後述するフォーカス駆動ユニット24から構成されている。フォーカス駆動ユニット24でフォーカスレンズユニット23の連動ピン22dを回転させることで合焦動作が行なわれる。
図8は、フォーカス駆動ユニット24の斜視図であり、図7(b)と同一方向視である。図1は、フォーカス駆動ユニット24の背面図であり、図10は、図1にA−Aで示すフォーカス駆動ユニット24の要部断面図である。図9は、フォーカス駆動ユニット24の分解斜視図である。図1、図8、図9および図10にてフォーカス駆動ユニット24の構成について詳細に説明する。
25は、駆動ベース(ベース部材)、26は、駆動ベースに対して回転する駆動リング(円筒部材)、27は、連結キーである。連結キー27は、駆動リング26にビス2本で固定され、図7(b)に示すように、フォーカスレンズユニット23の連動ピン22dと係合する。連結キー27は、駆動リング26の回転を制限する回転制限部を構成する。
図9において、28は、マニュアル連動リング、29は、滑りリングである。滑りリング29は、駆動ベース25に径嵌合しており、マニュアル連動リング28は、滑りリング29に回転可能に径嵌合している。30は、USM(超音波モータ)連動リング、31は、USMロータ、32は、加圧用板バネを含むUSMステータユニット、33は、ステータ回転止めリングである。31〜33で周知の振動波モータを構成しており、USM連動リング30とUSMロータ31は一体で回転する。
34は、3個の差動コロであり、駆動リング26の周囲に放射方向に設けられた3か所の軸部26aに回転可能に支持されている。3個の差動コロ34は、USMステータユニット32に含まれる加圧用板バネの加圧力でマニュアル連動リング28とUSM連動リング30で挟みこまれて駆動リング26を光軸方向に支持している。USMステータユニット32によりUSMロータ31を回転させると、止まっているマニュアル連動リング28と回転するUSM連動リング30に挟まれた差動コロ34は、マニュアル連動リング28の上を転動していき駆動リング26を回転させる。また、マニュアル連動リング28を回転させると、止まっているUSM連動リング30の上を差動コロ34が転動して駆動リング26が回転する。
マニュアル連動リング28は、図3のマニュアル操作リング20aと回転を伝えるように係合しており、マニュアル操作リング20aを手動で回転させることで駆動リング26を回転させることができる。つまり、駆動リング26はいつでも電動、手動のどちらからでも回転させることが可能であり、いわゆるフルタイムマニュアルの構成になっている。
35は、光学式位置検出エンコーダ(回転角検出手段)の一部を成すフィルムスケールである。短冊状で可撓性を有する反射式のスケールであり、駆動リング26の内周壁に一体的に固定されている。
36は、センサヘッドであり、フィルムスケール35との組合せで光学式位置検出エンコーダを構成している。37は、センサヘッド36を保持するセンサホルダである。センサヘッド36は、センサホルダ37を介してフィルムスケール35に対して精度良く位置決めの上で駆動ベース25に一体的に固定されている。
38は、駆動リング26の内的に接触および離れるように構成されたガイドコロ、39(39a,39b)はガイドコロ38の回転軸である。ガイドコロ38と回転軸39の3組を120度均等で駆動ベース25に対して配置し、駆動リング26の内周壁26bをガイドコロ38に当接させることで回転ガイド手段を構成し、駆動リング26の回転軸を規定して定位置回転が可能なように支持している。このため、特許文献1と異なり、駆動リング26はガタなく駆動ベース25に対して回転することができるが、メカ端における衝撃(反力)によってメカ端位置を検出する回転角検出手段の検出結果にノイズが含まれることを低減または防止する必要がある。
次に、図11〜図14を参照して、駆動リング26の駆動ベース25に対する回転角度を検出する回転角検出手段としての光学式位置検出エンコーダの構成および検出原理について説明する。本実施形態のエンコーダは絶対位置の検出が可能な絶対値エンコーダである。
図11は、光学式エンコーダを説明する図であり、図11(a)は斜視図、図11(b)は断面図である。また、簡略化するために円周方向を展開した構成で説明する。図中の座標軸はそれぞれ、Y軸は光軸方向、X軸は円周方向を展開した方向、Z方向は放射方向である。図11(b)はX軸方向から見た断面図であり、光軸を含む平面での断面に相当する。
フィルムスケール35とセンサヘッド36が対向して配置され、フィルムスケール35が駆動リング26に一体的に固定され、格子配列方向であるX軸方向に移動可能である。
36aは、LEDチップからなる光源、36b、36cは、信号処理回路を内蔵した二つのフォトチップIC、36d、36eは、フォトチップIC36b、36c上に実装されたフォトダイオードアレイからなる二つの受光部である。36fは、プリント基板、36gは、透明樹脂、36hは、保護ガラスであり、光源36aとフォトチップIC36b、36cはプリント基板36fに実装され、透明な樹脂36gと保護ガラス36hで封入されている。
図12は、光学スケールを説明する図であり、図12(a)は、フィルムスケール35の全体構成を示し、図12(b)は、スリットパターンの拡大図である。
スリットパターンは、反射膜により形成されている。フィルムスケール35は、第1トラック35aと第2トラック35bからなり、第1トラック35aの反射パターンはピッチP1の周期的なパターン35c、第2トラック35bの反射パターンはP1よりも若干大きなピッチP2の周期的なパターン35dである。周期パターン35dは、幅方向に等間隔で欠落したパターンとなっており、反射部の反射面積は移動方向に幅が変化する構成になっている。
光源36aから出射された光は、フィルムスケール35の反射パターンに照射される。反射パターン35cが形成された第1トラック35a、反射パターン35dが形成された第2トラック35bに照射された光は、それぞれの反射パターンで反射され受光部36dと受光部36eへ入射する。受光部36dへの入射光量に対する総出力に基づいて光源36aの発光量が制御され受光部36dの出力振幅が一定値に保たれる。これにより、光源36aの温度下や経時劣化などによる発光効率の変化を受けない構成となる。
図13は、第2トラック35bのセンサ出力例であり、受光部36eが第2トラック35bの反射パターン35dに対して出力する信号の生波形であり、上述した欠落したパターンに対応した反射面積に応じて振幅が変化している。
フォトチップIC36dおよび36eから得られる信号は、それぞれ反射パターン35cの反射パターンのピッチP1および反射パターン35dのピッチP2に対応した90度位相のずれた正弦波の組である。
次に、図14を参照して、絶対位置の検出原理について説明する。図14は、信号同期を説明する図である。図14(c)は下位信号であり、フォトチップIC36dから得られたピッチP1の90度位相のずれた2つの正弦波を逆正接変換して得られた−πから+πの間で繰り返す位相信号である。同様に、フォトチップIC36eからはピッチP2の位相信号が得られる。両者を差し引きしたものが図14(b)の中位信号である。中位信号は位相の差信号なので元信号の誤差が拡大され下位信号よりも精度が劣化している。図14(a)は上位信号であり、図13に示す振幅に対応している。絶対位置は上位信号の出力値より中位信号の繰り返し信号の何番目であるかを特定し、更に中位信号の出力値より下位信号が中位信号の繰り返し信号内で何番目であるかを特定することで得られる。第1トラック35aおよび第2トラック35bの反射パターン35cおよび35dの精度が何らかの要因で精度が劣化すると中位信号および下位信号は大きく劣化して信号同期が取れなくなるので反射パターンを精度よく保つ必要がある。
以上の構成の光学式位置検出エンコーダにより駆動ベース25に対する駆動リング26の回転角度を精度良く検出することが可能である。但し、フィルムスケール35とセンサヘッド36の相対変位に対して出力がでるので、回転角度精度を良好に保つためには回転ガイド手段により駆動リング26の回転軸が規定されていることが必要である。
図15は、駆動リングユニット周りの要部斜視図である。駆動リング26に一体化されている差動コロ34、連結キー27およびフィルムスケール35の保持部の機構を含めて駆動リングユニットと称する。
図16は、駆動リングユニット周りの要部背面図であり、フォーカス駆動ユニットの背面図である図1と併せて駆動リングユニット周りの構成について更に説明する。図16と図1は同一の方向視の図であり、フォーカスの無限端位置を表している。
前述したように、3組のガイドコロ38と回転軸39は、駆動ベース25に対して略均等な角度で配置されている。上側の2か所は回転軸39aが駆動ベース25に固定されており、下側の回転軸39bを駆動ベース25に対して放射方向外向きに付勢する。これにより、駆動リング26の内周壁26bと3個のガイドコロ38が当接して駆動リング26はガタ無く定位置で回転可能となっている。45はガイドコロホルダ、46は圧縮コイルバネである。
図17は、上記の付勢されているガイドコロ38の斜視図であり、図17(a)は組込み状態、図17(b)は分解斜視図である。ガイドコロホルダ45は、穴部45a、45bで回転軸39bを保持し、駆動ベース25に対して2個の圧縮コイルバネ46でガイドコロ38を駆動リング26方向に付勢している。連結キー27において、27aはフォーカス無限側の制限端、27bはフォーカス至近側の制限端であり、25aは駆動ベース25に設けられたフォーカス無限側の制限端、25bはフォーカス至近側の制限端である。
図1において、フォーカス無限側の制限端である25aと27aは面接触している。制限端25aと27aで無限側の回転制限部を構成する。制限端27aは、駆動リング26と共に回転する第1接触部である。制限端25aは、制限端27aが接触可能で、駆動リング26の回転範囲の一端を規定するように駆動ベース25に固定された第2接触部である。
また、フォーカス至近側の制限端25bと27bで至近側の回転制限部を構成している。フォーカス至近側の制限端である25bと27bは面接触している。制限端である25bと27bで至近側の回転制限部を構成する。制限端27bは、駆動リング26と共に回転する第3接触部である。制限端25bは、制限端27bが接触可能で、駆動リング26の回転範囲の一端を規定するように駆動ベース25に固定された第4接触部である。
回転制限部は駆動リング26の回転範囲を制限する。フォーカス無限側の制限端である25aと27aは駆動リング26の回転軸を中心とする放射方向から角度B傾けて設けられている。本実施形態では、Bは45°である。
但し、駆動リング26の回転軸に直交する平面において、制限端27aと25aが接触する第1接触面と、第1接触面を通る回転軸を中心とする第1放射方向となす角としての第1角度である角度Bは45°に限定されず、10°以上60°以下であればよい。10°未満であると、メカ端における駆動リング26の回転軸のずれが大きくなり、光学式位置検出エンコーダに含まれるノイズが大きくなり、メカ端の高精度な位置検出ができなくなる。60°を超えると駆動リング26の回転制限を安定して行えなくなる。なお、第1角度は、第1放射方向から回転範囲の他端に向かう方向を正とする。また、駆動リング26の回転軸は撮影光学系の光軸でもある。角度Bは30°以上60°以下であるとさらに良い。
同様に、駆動リング26の回転軸に直交する平面において、制限端27bと25bが接触する第2接触面と第2接触面を通る回転軸を中心とする第2放射方向となす第2角度は、10°以上60°以下である。なお、第2放射方向から回転範囲の他端に向かう方向を正とする。
図18は、フォーカス駆動ユニットの背面図であり、駆動リング26は矢印Cで示す時計周りに回転してフォーカス至近側の制限端25bと27bが当接している至近端の状態を示している。フォーカス至近側の制限端である25bと27bも駆動リング26の回転軸を中心とする放射方向から角度B傾けて設けられている。なお、図18では後の説明と合せるためにフォーカス駆動ユニットを駆動ベース25に固定されている回転軸39aが下側に均等な角度に位置するように回転させて示している。
図19は、駆動リングユニットの挙動を説明する模式図であり、配置は図18と合わせている。図19(a)にV1からV5で示す矢印は、図18のフォーカス至近端での駆動リング26に働く力のベクトルを示している。矢印の根元が力の働いている点であり、矢印は力の大きさおよび方向を表す。
V1とV2は、マニュアル連動リング28もしくはUSM連動リング30の回転によって駆動リング26に作用させている偶力、V3は制限端27bが制限端25bから受ける反力を表す。V4およびV5は、2個のガイドコロ38が駆動リング26の内周壁26bに当接している点を放射方向に固定するために必要な力を表している。
図19(a)は、V4およびV5の作用点を固定している状態での力のバランスを示しており、図18に示す制限端である25bと27bの角度Bは零の設定で放射方向に両制限端は当接している状態である。また、ガイドコロの付勢は行なっていない。
図19(b)、(c)は、図19(a)に対応させた、駆動リング26の内周壁26b、ガイドコロ38、制限端25b、27bの関係を模式的に表している。図19(b)は、V4とV5の力の作用点を固定した状態を示している。
V4とV5は、図19(a)に示すように、ベクトルが回転軸の方向を向いている。このため、作用点を固定しない実際の状態では、図19(c)に示すように、制限端25b、27bが放射方向にずれながら駆動リング26の回転軸は矢印D方向に移動して、2個のガイドコロ38と駆動リング26の内周壁26bは離れてしまう。つまり、駆動リング26は、マニュアル連動リング28もしくはUSM連動リング30の回転によって、回転トルクを受けて制限端25b、27bが当接すると、駆動リング26の回転軸がずれてしまうことを表している。
図20は、駆動リングユニットの挙動を説明する模式図であり、制限端である25bと27bの角度Bが45度の設定で両制限端が当接している状態である。
図20(a)は、図19(a)と対比させた本実施形態の図である。図19(a)では、V4とV5は共に回転軸の中心方向を向いているが、図20(a)では、V4は外向きのベクトルとなり、V5はベクトルの長さが短く、つまり、力が小さくなっている。これは、制限端に角度を設け、制限端27bが制限端25bから受ける反力の方向を周方向から回転軸の方向に傾けることで、駆動リング26の回転軸がずれることを抑制しているからである。
図20(b)は、3つのガイドコロのうち駆動リング26の回転範囲の両端(制限端25a、25b、27a、27b)から最も遠いガイドコロを、駆動リング26の回転軸を中心とする第3放射方向に力のベクトルV6で付勢する付勢手段を加えた場合を示す。3個のガイドコロ38は均等角度に配置しているので、V6として加える力の大きさでV4およびV5との力のバランスでV5も外向きのベクトルとすることができる。即ち、駆動リング26の制限端での回転軸ずれを防止することで検出される回転角度精度を良好に保つことができる。
本実施形態によれば、円筒部材をベース部材に対して定位置回転可能に支持し、回転制限部を、回転軸を中心とする放射方向から傾けて設け、回転部材がベース部材より受ける反力により回転軸がずれることを抑制している。これにより、小型の構成で高精度なメカ端検出が可能であり、それにより高精度な駆動制御が可能な制御装置および光学機器を提供することができる。
本発明は、光学素子を駆動する駆動装置に適用することができる。
25…駆動ベース(ベース部材)、25a、25b、27a、27b…制限端(回転制限部)、26…駆動リング(円筒部材)、38…ガイドコロ(回転ガイド手段)
Claims (8)
- ベース部材と、
前記ベース部材に対して回転する円筒部材と、
前記円筒部材の前記ベース部材に対する回転軸を規定する回転ガイド手段と、
前記円筒部材の回転範囲を制限する回転制限部と、
を有し、
前記回転制限部は、
前記円筒部材と共に回転する第1接触部と、
前記第1接触部が接触可能で、前記回転範囲の一端を規定するように前記ベース部材に固定された第2接触部と、を有し、
前記回転軸に直交する平面において、前記第1接触部と前記第2接触部が接触する第1接触面と、当該第1接触面を通る前記回転軸を中心とする第1放射方向のなす角としての第1角度は、前記第1放射方向から前記回転範囲の他端に向かう方向を正とすると、10°以上60°以下であることを特徴とする駆動装置。 - 前記回転制限部は、
前記円筒部材と共に回転する第3接触部と、
前記第3接触部が接触可能で、前記回転範囲の前記他端を規定するように前記ベース部材に固定された第4接触部と、を有し、
前記平面において、前記第3接触部と前記第4接触部が接触する第2接触面と、当該第2接触面を通る前記回転軸を中心とする第2放射方向のなす角としての第2角度は、前記第2放射方向から前記回転範囲の他端に向かう方向を正とすると、10°以上60°以下であることを特徴とする請求項1に記載の駆動装置。 - 前記円筒部材の前記ベース部材に対する回転角度を検出する回転角検出手段を有することを特徴とする請求項1または2に記載の駆動装置。
- 前記回転角検出手段は絶対値エンコーダであることを特徴とする請求項3に記載の駆動装置。
- 前記回転ガイド手段は、前記円筒部材の内周壁と接触および離れるように構成されたガイドコロを含むことを特徴とする請求項1乃至4のうちいずれか1項に記載の駆動装置。
- 前記回転ガイド手段は、3つのガイドコロを含み、
前記3つのガイドコロのうち前記回転範囲の両端から最も遠いガイドコロを、前記回転軸を中心とする第3放射方向に付勢する付勢手段を有することを特徴とする請求項1乃至5のうちいずれか1項に記載の駆動装置。 - 光学素子と、
円筒部材が回転することによって前記光学素子を駆動する、請求項1乃至6のうちいずれか1項に記載の駆動装置と、
を有することを特徴とする光学機器。 - 撮像装置に着脱可能なレンズ装置であることを特徴とする請求項7に記載の光学機器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013255633A JP2015114441A (ja) | 2013-12-11 | 2013-12-11 | 駆動装置および光学機器 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2013255633A JP2015114441A (ja) | 2013-12-11 | 2013-12-11 | 駆動装置および光学機器 |
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Family Applications (1)
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2018051645A1 (ja) * | 2016-09-13 | 2018-03-22 | ソニー株式会社 | レンズ装置 |
WO2022124364A1 (ja) * | 2020-12-09 | 2022-06-16 | 株式会社ニコン | レンズ鏡筒及び撮像装置 |
-
2013
- 2013-12-11 JP JP2013255633A patent/JP2015114441A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2018051645A1 (ja) * | 2016-09-13 | 2018-03-22 | ソニー株式会社 | レンズ装置 |
WO2022124364A1 (ja) * | 2020-12-09 | 2022-06-16 | 株式会社ニコン | レンズ鏡筒及び撮像装置 |
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