JP2020085755A - イムノクロマトグラフィー試験片、並びに、それを用いる被験物質測定方法及びイムノクロマトグラフィー試験キット - Google Patents
イムノクロマトグラフィー試験片、並びに、それを用いる被験物質測定方法及びイムノクロマトグラフィー試験キット Download PDFInfo
- Publication number
- JP2020085755A JP2020085755A JP2018223315A JP2018223315A JP2020085755A JP 2020085755 A JP2020085755 A JP 2020085755A JP 2018223315 A JP2018223315 A JP 2018223315A JP 2018223315 A JP2018223315 A JP 2018223315A JP 2020085755 A JP2020085755 A JP 2020085755A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- substance
- test
- sample
- antibody
- globulin
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Landscapes
- Peptides Or Proteins (AREA)
- Investigating Or Analysing Biological Materials (AREA)
Abstract
Description
[1]試料中の被験物質を測定するためのイムノクロマトグラフィー試験片であって、
コンジュゲートパッド、テストライン、及びコントロールラインを備えており、
前記コンジュゲートパッドには、前記被験物質に対して特異的に結合可能な第一の物質、ブロッキング剤、及び標識体を含む標識試薬が溶出可能に保持されており、
前記標識体は、前記第一の物質と結合しており、かつ、前記ブロッキング剤でブロッキングされており、
前記テストラインには、前記被験物質に対して特異的に結合可能な第二の物質が固定化されており、
前記コントロールラインには、前記ブロッキング剤に対して特異的に結合可能な第三の物質が固定化されている、
ことを特徴とする、イムノクロマトグラフィー試験片。
[2]前記ブロッキング剤が、カゼイン、大腸菌由来熱ショックタンパク質、牛血清アルブミン、ヒト血清アルブミン、及びスキムミルクからなる群から選択される少なくとも1種のタンパク質であることを特徴とする、[1]に記載のイムノクロマトグラフィー試験片。
[3]前記試料が非特異反応抑制剤を含有するか、又は、前記コンジュゲートパッドに前記非特異反応抑制剤がさらに溶出可能に保持されていることを特徴とする、[1]又は[2]に記載のイムノクロマトグラフィー試験片。
[4]前記非特異反応抑制剤が、ノーマルマウスグロブリン、ノーマルウサギグロブリン、ノーマルウシグロブリン、ノーマルヤギグロブリン、ノーマルヒツジグロブリン、ノーマルラットグロブリン、ノーマルアルパカグロブリン、及びノーマルニワトリグロブリンからなる群から選択される少なくとも1種であることを特徴とする、[3]に記載のイムノクロマトグラフィー試験片。
[5]前記第三の物質が、マウス、ウサギ、ウシ、ヤギ、ヒツジ、ラット、アルパカ、及びニワトリからなる群から選択される少なくとも1種の生物由来の抗ブロッキング剤抗体であることを特徴とする、[1]〜[4]のうちのいずれか1項に記載のイムノクロマトグラフィー試験片。
[6][1]〜[5]のうちのいずれか1項に記載のイムノクロマトグラフィー試験片を用いて試料中の被験物質を測定する方法であり、
前記コンジュゲートパッドに前記試料を接触させ、前記試料中の前記被験物質と前記標識試薬との複合体を形成させる工程、
前記テストラインにおいて、前記第二の物質で前記被験物質を介して前記複合体を捕捉して検出する工程、
前記コントロールラインにおいて、前記第三の物質で前記ブロッキング剤を介して前記標識試薬を捕捉する工程、
を含むことを特徴とする、被験物質測定方法。
[7]前記試料若しくは前記コンジュゲートパッドに非特異反応抑制剤を添加する工程をさらに含むか、又は、前記コンジュゲートパッドに前記非特異反応抑制剤がさらに溶出可能に保持されていることを特徴とする、[6]に記載の被験物質測定方法。
[8][1]〜[5]のうちのいずれか1項に記載のイムノクロマトグラフィー試験片を含むことを特徴とする、イムノクロマトグラフィー試験キット。
[9]非特異反応抑制剤をさらに含むことを特徴とする、[8]に記載のイムノクロマトグラフィー試験キット。
[10]前記非特異反応抑制剤が、ノーマルマウスグロブリン、ノーマルウサギグロブリン、ノーマルウシグロブリン、ノーマルヤギグロブリン、ノーマルヒツジグロブリン、ノーマルラットグロブリン、ノーマルアルパカグロブリン、及びノーマルニワトリグロブリンからなる群から選択される少なくとも1種であることを特徴とする、[9]に記載のイムノクロマトグラフィー試験キット。
本発明において、測定される「被験物質」としては、特に制限されず、病原体若しくはこれらに由来する糖鎖等の物質、特定の疾患のマーカーとなる物質が挙げられ、より具体的には、細菌、原生生物や真菌、ウイルス、タンパク質、多糖類、核酸等が挙げられ、例えば、レジオネラ属菌、肺炎球菌、A群β溶血連鎖球菌、ノロウイルス(NV)、ロタウイルス、アデノウイルス、RSウイルス(RSV)、インフルエンザウイルス等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本発明において、被験物質の測定に用いられる「試料」としては、前記被検物質が存在し得る試料である限り特に制限はない。前記試料としては、対象(好ましくはヒト)から採取された尿、糞便、喀痰、咽頭ぬぐい液、血液、血清、血漿、唾液、耳漏などの検体を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。なお、本明細書では「検体」も「試料」と同義に使用される。また、例えば、特許文献4〜5で用いられているようなビオチンを用いたイムノクロマトグラフィー試験片では、ビオチンを含む血液や尿等の検体を試料として用いるとコントロールラインのシグナル強度が著しく減弱することが推察されるが、本発明においてはビオチンを用いる必要がないため、ビオチンを含む血液や尿等の検体も試料として好適に用いることができる。
本発明において、「被験物質の測定」には、被験物質の存在の有無を確認する検出、及び被験物質の量の定量又は半定量が含まれる。本発明において、被験物質の測定は、テストラインにおけるシグナルを検出し、必要に応じてこれを定量することによって行われ、また、その測定の成否は、コントロールラインのシグナルを検出し、必要に応じてこれを定量することによって判定するが、前記「シグナル」には、呈色(発色)、反射光、発光、蛍光、放射性同位体による放射線等が含まれ、肉眼で確認できるものの他、シグナルの種類に応じた検出方法・装置によって確認できるものも含まれる。
本発明のイムノクロマトグラフィー試験片は、
試料中の被験物質を測定するためのイムノクロマトグラフィー試験片であって、
コンジュゲートパッド、テストライン、及びコントロールラインを備えており、
前記コンジュゲートパッドには、前記被験物質に対して特異的に結合可能な第一の物質、ブロッキング剤、及び標識体を含む標識試薬が溶出可能に保持されており、
前記標識体は、前記第一の物質と結合しており、かつ、前記ブロッキング剤でブロッキングされており、
前記テストラインには、前記被験物質に対して特異的に結合可能な第二の物質が固定化されており、
前記コントロールラインには、前記ブロッキング剤に対して特異的に結合可能な第三の物質が固定化されている、
ことを特徴とする。
前記コンジュゲートパッドに接しているサンプルパッド、及び
前記コンジュゲートパッドに接しており、かつ、前記テストライン及び前記コントロールラインを有する多孔性メンブレン、
をさらに備えることが好ましい。
本発明に係るサンプルパッド(図1ではサンプルパッド140)は、滴下又は塗布された試料を受容する試料供給部として機能する。さらに、前記サンプルパッドは、試料中の不溶物粒子などをろ過する機能や試料が溢れることを防ぐ機能をも兼ねることができる。前記サンプルパッドの材料としては、均一な特性を有する材料であることが好ましく、例えば、セルロースろ紙、ガラス繊維、ポリウレタン、ポリアセテート、酢酸セルロース、ナイロン、不織布、及び綿布が挙げられる。前記サンプルパッドの厚さ及び大きさとしては、特に制限されず、適宜調整することができる。
本発明に係るコンジュゲートパッド(図1ではコンジュゲートパッド130)は、標識試薬を溶出可能に保持する標識試薬保持部として機能する。前記コンジュゲートパッドの材料としては、多孔性材料であることが好ましく、例えば、セルロースろ紙、ガラス繊維、及び不織布が挙げられ、これらの中でも、ガラス繊維がより好ましい。前記コンジュゲートパッドの厚さとしては、特に制限されず、通常、260〜950μmとすることができる。前記コンジュゲートパッドの面積としても特に制限されず、通常、10〜100mm2とすることができる。
本発明において、前記コンジュゲートパットによって保持される標識試薬は、標識体と、前記被験物質に対して特異的に結合可能な第一の物質と、ブロッキング剤とを含み、前記標識体は前記第一の物質と結合しており、かつ、前記ブロッキング剤でブロッキングされている。
本発明に係る多孔性メンブレン(図1では多孔性メンブレン120)は、イムノクロマトグラフィーのクロマトグラフィー媒体(固定相)として機能する不溶性担体である。また、本発明に係る多孔性メンブレンは、下記のテストライン及びコントロールラインを有する抗体固定化メンブレンでもある。
本発明において、前記多孔性メンブレンが有するテストライン(図1ではテストライン122)は、前記多孔性メンブレンのテストライン領域に前記被験物質に対して特異的に結合可能な第二の物質が固定化されてなるものであり、本発明のイムノクロマトグラフィー試験片の検出部として機能する。本発明に係るテストラインは、前記コンジュゲートパッドよりも下流側に配置される。
本発明において、前記多孔性メンブレンが有するコントロールライン(図1ではコントロールライン124)は、前記多孔性メンブレンのコントロールライン領域に対照試薬が固定化されてなるものであり、本発明のイムノクロマトグラフィー試験片において、試験成立の可否を判定するためのコントロール部として機能する。本発明に係るコントロールラインは、前記コンジュゲートパッドよりも下流側に配置されており、同コントロールラインとしては、前記テストラインと前記コンジュゲートパッドから等距離にあるか、前記テストラインよりも下流側に配置されていることが好ましい。
本発明において、前記コントロールラインに固定化される対照試薬は、前記ブロッキング剤に対して特異的に結合可能な第三の物質である。本発明において、「ブロッキング剤に対して特異的に結合可能な第三の物質(以下、場合により単に「第三の物質」という)」とは、前記ブロッキング剤を特異的に認識し、結合することができる物質を示す。このような第三の物質としては、典型的には、前記ブロッキング剤に対して特異的に結合可能な抗ブロッキング剤抗体である。また、本発明に係る第三の物質は、種々の生物由来物質の非特異反応抑制剤と結合しない又はし難いものであることがより好ましい。
本発明に係る吸収パッド(図1では吸収パッド150)は、クロマトグラフィー媒体である前記多孔性メンブレンを移動した試料や展開液、テストラインやコントロールラインに捕捉されなかった標識試薬や対照試薬などを吸収する機能を有する部材である。本発明に係る吸収パッドは、通常、前記テストライン及び前記コントロールラインよりも下流側に配置される。前記吸収パッドの材料としては、特に制限されず、例えば、セルロースろ紙、不織布、布、セルロースアセテート膜等の吸水性材料が挙げられる。
本発明の被験物質測定方法は、本発明のイムノクロマトグラフィー試験片を用いて試料中の被験物質を測定する方法であり、
前記コンジュゲートパッドに前記試料を接触させ、前記試料中の前記被験物質と前記標識試薬との複合体を形成させる工程、
前記テストラインにおいて、前記第二の物質で前記被験物質を介して前記複合体を捕捉して検出する工程、
前記コントロールラインにおいて、前記第三の物質で前記ブロッキング剤を介して前記標識試薬を捕捉する工程、
を含むことを特徴とする。より好ましくは、
前記試料を前記サンプルパッドに受容させる工程(工程1)、
前記コンジュゲートパッドに前記試料を接触させ、前記試料中の前記被験物質と前記標識試薬との複合体を形成させる工程(工程2)、
前記テストラインにおいて、前記第二の物質で前記被験物質を介して前記複合体を捕捉して検出する工程(工程3)、及び
前記コントロールラインにおいて、前記第三の物質で前記ブロッキング剤を介して前記標識試薬を捕捉する工程(工程4)、
を含むことを特徴とする。
本発明のイムノクロマトグラフィー試験キットは、少なくとも、本発明のイムノクロマトグラフィー試験片を含む。
<イムノクロマトグラフィー試験片の作製>
下記の(1)〜(3)にしたがって、図1に示す構造を有するイムノクロマトグラフィー試験片を作製した。作製したイムノクロマトグラフィー試験片は、粘着シート110上に、ニトロセルロース膜からなる多孔性メンブレン120が配置され、さらにその上の一方の端にコンジュゲートパッド130が配置された構成を有しており、コンジュゲートパッド130には、ブロッキング剤(大腸菌由来熱ショックタンパク質(BPF))によりブロッキングされた標識試薬(抗レジオネラニューモフィラ血清型1LPSウサギポリクローナル抗体感作金コロイド粒子)が保持されている。また、コンジュゲートパッド130の下流側に位置する検出部であるテストライン122には、抗被験物質抗体として抗レジオネラニューモフィラ血清型1LPSウサギポリクローナル抗体が固定化されている。さらに、コンジュゲートパッド130の下流側に位置するコントロール部であるコントロールライン124には、抗ブロッキング剤抗体として抗BPF抗体が固定化されている。
従来法で調製した抗レジオネラニューモフィラ血清型1LPSウサギポリクローナル抗体(抗レジオネラウサギ抗体)を予め20mMリン酸緩衝液(pH7.5)に希釈し、0.5mg/mlとした。これをニトロセルロース膜からなる多孔性メンブレンのテストライン領域に塗布して乾燥させ、前記抗レジオネラウサギ抗体が固定化されたテストライン(図1ではテストライン122)を作製した。また、従来法で調製したBPFに対するウサギ由来の精製IgG抗体(抗BPFウサギ抗体)を予め10mMリン酸緩衝液(pH7.5)に希釈し、1.5mg/mlとした。これを前記多孔性メンブレンのコントロールライン領域に塗布し、乾燥させて、前記抗BPFウサギ抗体が固定化されたコントロールライン(図1ではコントロールライン124)を作製し、テストライン及びコントロールラインを有する多孔性メンブレン120を得た。
先ず、金コロイド溶液1000μLに対して、50mMホウ酸緩衝液(pH9.0)で希釈済みの抗レジオネラニューモフィラ血清型1LPSウサギポリクローナル抗体(抗レジオネラウサギ抗体)の溶液100μLを添加した。次いで、この溶液にブロッキング剤としてBPF溶液を100μL添加後、遠心分離機を用いて10,000×g、25℃の条件で10分間遠心分離して上澄み液を除去した後、20mM Tris−HCl(pH8.2)からなる保存液を加えた。次いで、ボルテックスミキサーにより粒子を再分散させた後、10,000×g、25℃の条件で10分間遠心分離した。さらに、上澄み液を除去した後、20mM Tris−HCl(pH8.2)からなる保存液を加えて、ボルテックスミキサーにより粒子を再分散させ、抗レジオネラウサギ抗体感作金コロイド粒子(標識試薬)の溶液を得た。次いで、この標識試薬の溶液100μLに対して、Normal Rabbit Globlin(NRG、非特異反応抑制剤)を含む20mM Tris−HCl(pH8.2)溶液を400μLの割合となるように加え、よく混和した。得られた溶液800μLをガラス繊維パッドに添加して均一に馴染ませ、十分に乾燥させて、前記標識試薬及びNRGが保持されたコンジュゲートパッド130を得た。
(1)で作製したテストライン及びコントロールラインを有する多孔性メンブレン120上に、(2)で作製したコンジュゲートパッド130を配置し、さらにその上にサンプルパッド140としてガラス繊維パッドを配置した。また、展開された水溶液を吸収するための吸収パッド150としてのセルロースアセテート膜をコントロールラインの下流側となるように多孔性メンブレン120上に配置して、イムノクロマトグラフィー試験片100を得た。
抗BPFウサギ抗体に代えて、従来法で調製したカゼインに対するウサギ由来の精製IgG抗体(抗カゼインウサギ抗体)を用いたこと以外は実施例1の(1)と同様にしてテストライン及びコントロールラインを有する多孔性メンブレンを作製した。また、ブロッキング剤としてBPF溶液に代えてカゼイン溶液を用いたこと以外は実施例1の(2)と同様にしてコンジュゲートパッドを作製した。さらに、これらを多孔性メンブレン120及びコンジュゲートパッド130としてそれぞれ用いたこと以外は実施例1の(3)と同様にして、イムノクロマトグラフィー試験片を得た。
抗レジオネラウサギ抗体に代えて、従来法で調製した抗RSVラットモノクローナル抗体(抗RSVラット抗体)を用いたこと以外は実施例1の(1)と同様にして、テストライン及びコントロールラインを有する多孔性メンブレンを作製した。また、抗レジオネラウサギ抗体に代えて前記抗RSVラット抗体を用い、NRGを加えなかったこと以外は実施例1の(2)と同様にして、コンジュゲートパッドを作製した。さらに、これらを多孔性メンブレン120及びコンジュゲートパッド130としてそれぞれ用いたこと以外は実施例1の(3)と同様にして、イムノクロマトグラフィー試験片を得た。
抗BPFウサギ抗体に代えて実施例2と同様の抗カゼインウサギ抗体を用いたこと以外は実施例3と同様にして、テストライン及びコントロールラインを有する多孔性メンブレンを作製した。また、ブロッキング剤としてBPF溶液に代えてカゼイン溶液を用いたこと以外は実施例3と同様にして、コンジュゲートパッドを作製した。さらに、これらを多孔性メンブレン120及びコンジュゲートパッド130としてそれぞれ用いたこと以外は実施例3と同様にして、イムノクロマトグラフィー試験片を得た。
抗RSVラット抗体に代えて、従来法で調製した抗NVマウスモノクローナル抗体(抗NVマウス抗体)を用いたこと以外は実施例3と同様にして、テストライン及びコントロールラインを有する多孔性メンブレンを作製した。また、抗RSVラット抗体に代えて前記抗NVマウス抗体を用いたこと以外は実施例3と同様にして、コンジュゲートパッドを作製した。さらに、これらを多孔性メンブレン120及びコンジュゲートパッド130としてそれぞれ用いたこと以外は実施例3と同様にして、イムノクロマトグラフィー試験片を得た。
(1)抗BPFウサギ抗体に代えて、従来法で調製した抗マウスIgG抗体を用いたこと以外は実施例1の(1)と同様にしてテストライン及びコントロールラインを有する多孔性メンブレンを作製した。
NRGを加えなかったこと以外は比較例1の(2)と同様にして、コンジュゲートパッドを得た。これをコンジュゲートパッド130に代えて用いたこと以外は比較例1と同様にして、イムノクロマトグラフィー試験片を得た。
抗BPFウサギ抗体に代えて、従来法で調製した抗ウサギIgG抗体を用いたこと以外は実施例1の(1)と同様にして、テストライン及びコントロールラインを有する多孔性メンブレンを作製した。これを多孔性メンブレン120に代えて用いたこと以外は実施例1と同様にして、イムノクロマトグラフィー試験片を得た。
NRGを加えなかったこと以外は比較例3と同様にしてコンジュゲートパッドを作製し、これをコンジュゲートパッド130に代えて用いたこと以外は比較例3と同様にして、イムノクロマトグラフィー試験片を得た。
尿を試料とするイムノクロマトグラフィー試験片におけるブロッキング剤検出法によるコントロールラインのシグナル強度及び非特異反応抑制効果(従来技術との対比)
試料として、レジオネラ由来の多糖抗原の不存在を確認済みのヒトの尿検体(陰性試料A〜C)、前記陰性試料A〜CにHARA血清をそれぞれ10質量%となるように添加(スパイク)した偽陽性試料A〜C、前記陰性試料A〜Cにレジオネラ由来の多糖抗原をそれぞれ添加した陽性試料A〜Cの計9種を用いた。なお、尿検体中のレジオネラ由来の多糖抗原の存在・不存在は、イムノクロマト試薬であるレジオネラキット「イムノキャッチ―レジオネラ」(栄研化学株式会社製)を用いて確認した。
+ :テストラインの呈色がはっきりと確認できる(陽性)
+↓:テストラインの呈色がわずかに確認できる(弱陽性)
− :テストラインの呈色が確認できない(陰性)
により判定した。また、コントロールラインのシグナルの確認も目視にて行い、次の基準:
A:コントロールラインの呈色がはっきりと確認できる
B:コントロールラインの呈色がわずかに確認できるが確認しづらい
C:コントロールラインの呈色が確認できない
により判断した。さらに、テストラインが線状ではなく点状に呈色しており、明らかに多孔性メンブレンが目詰まりを起こしていることが確認されているものについては、詰まりの判定を「あり」とし、それ以外は「なし」とした。得られた結果を下記の表1に示す。
尿を試料とするイムノクロマトグラフィー試験片におけるブロッキング剤検出法によるコントロールラインのシグナル強度及び非特異反応抑制効果(ブロッキング剤の種類)
試料として、レジオネラ由来の多糖抗原の不存在を確認済みのヒトの尿検体(陰性試料D〜F)、前記陰性試料D〜FにHARA血清をそれぞれ10質量%となるように添加(スパイク)した偽陽性試料D〜F、前記陰性試料D〜Fにレジオネラ由来の多糖抗原をそれぞれ添加した陽性試料D〜Fの計9種を用いた。なお、尿検体中のレジオネラ由来の多糖抗原の存在・不存在は、イムノクロマト試薬であるレジオネラキット「イムノキャッチ―レジオネラ」(栄研化学株式会社製)を用いて確認した。
鼻腔ぬぐい液を試料とするイムノクロマトグラフィー試験片におけるブロッキング剤検出法によるコントロールラインのシグナル強度及び非特異反応抑制効果
試料として、RSV抗原の不存在を確認済みのヒトの鼻腔ぬぐい液検体を、非特異反応抑制剤としてのラット抗体(従来法で調製)を含む抽出用液(HEPES緩衝液)で懸濁した陰性試料G〜I、前記陰性試料G〜Iにヒト抗ラット抗体血清をそれぞれ10質量%となるように添加(スパイク)した偽陽性試料G〜I、前記陰性試料G〜IにRSV抗原をそれぞれ添加した陽性試料G〜Iの計9種を用いた。なお、検体中のRSV抗原の存在・不存在は、PCR試薬である「Respiratory Viral Panel」(GenMark社製)を用いて確認した。
便を試料とするイムノクロマトグラフィー試験片におけるブロッキング剤検出法によるコントロールラインのシグナル強度及び非特異反応抑制効果
試料として、NV抗原の不存在を確認済みのヒトの便検体を、非特異反応抑制剤としてのマウス抗体(従来法で調製)を含む抽出用液(HEPES緩衝液)で懸濁した陰性試料J〜L、前記陰性試料J〜LにHAMA血清をそれぞれ5質量%となるように添加(スパイク)した偽陽性試料J〜L、前記陰性試料J〜LにNV抗原をそれぞれ添加した陽性試料J〜Lの計9種を用いた。なお、NV抗原の存在・不存在は、イムノクロマト試薬である「イムノキャッチ―ノロ」(栄研化学社製)を用いて確認した。
Claims (10)
- 試料中の被験物質を測定するためのイムノクロマトグラフィー試験片であって、
コンジュゲートパッド、テストライン、及びコントロールラインを備えており、
前記コンジュゲートパッドには、前記被験物質に対して特異的に結合可能な第一の物質、ブロッキング剤、及び標識体を含む標識試薬が溶出可能に保持されており、
前記標識体は、前記第一の物質と結合しており、かつ、前記ブロッキング剤でブロッキングされており、
前記テストラインには、前記被験物質に対して特異的に結合可能な第二の物質が固定化されており、
前記コントロールラインには、前記ブロッキング剤に対して特異的に結合可能な第三の物質が固定化されている、
ことを特徴とする、イムノクロマトグラフィー試験片。 - 前記ブロッキング剤が、カゼイン、大腸菌由来熱ショックタンパク質、牛血清アルブミン、ヒト血清アルブミン、及びスキムミルクからなる群から選択される少なくとも1種のタンパク質であることを特徴とする、請求項1に記載のイムノクロマトグラフィー試験片。
- 前記試料が非特異反応抑制剤を含有するか、又は、前記コンジュゲートパッドに前記非特異反応抑制剤がさらに溶出可能に保持されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載のイムノクロマトグラフィー試験片。
- 前記非特異反応抑制剤が、ノーマルマウスグロブリン、ノーマルウサギグロブリン、ノーマルウシグロブリン、ノーマルヤギグロブリン、ノーマルヒツジグロブリン、ノーマルラットグロブリン、ノーマルアルパカグロブリン、及びノーマルニワトリグロブリンからなる群から選択される少なくとも1種であることを特徴とする、請求項3に記載のイムノクロマトグラフィー試験片。
- 前記第三の物質が、マウス、ウサギ、ウシ、ヤギ、ヒツジ、ラット、アルパカ、及びニワトリからなる群から選択される少なくとも1種の生物由来の抗ブロッキング剤抗体であることを特徴とする、請求項1〜4のうちのいずれか1項に記載のイムノクロマトグラフィー試験片。
- 請求項1〜5のうちのいずれか1項に記載のイムノクロマトグラフィー試験片を用いて試料中の被験物質を測定する方法であり、
前記コンジュゲートパッドに前記試料を接触させ、前記試料中の前記被験物質と前記標識試薬との複合体を形成させる工程、
前記テストラインにおいて、前記第二の物質で前記被験物質を介して前記複合体を捕捉して検出する工程、
前記コントロールラインにおいて、前記第三の物質で前記ブロッキング剤を介して前記標識試薬を捕捉する工程、
を含むことを特徴とする、被験物質測定方法。 - 前記試料若しくは前記コンジュゲートパッドに非特異反応抑制剤を添加する工程をさらに含むか、又は、前記コンジュゲートパッドに前記非特異反応抑制剤がさらに溶出可能に保持されていることを特徴とする、請求項6に記載の被験物質測定方法。
- 請求項1〜5のうちのいずれか1項に記載のイムノクロマトグラフィー試験片を含むことを特徴とする、イムノクロマトグラフィー試験キット。
- 非特異反応抑制剤をさらに含むことを特徴とする、請求項8に記載のイムノクロマトグラフィー試験キット。
- 前記非特異反応抑制剤が、ノーマルマウスグロブリン、ノーマルウサギグロブリン、ノーマルウシグロブリン、ノーマルヤギグロブリン、ノーマルヒツジグロブリン、ノーマルラットグロブリン、ノーマルアルパカグロブリン、及びノーマルニワトリグロブリンからなる群から選択される少なくとも1種であることを特徴とする、請求項9に記載のイムノクロマトグラフィー試験キット。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018223315A JP7153545B2 (ja) | 2018-11-29 | 2018-11-29 | イムノクロマトグラフィー試験片、並びに、それを用いる被験物質測定方法及びイムノクロマトグラフィー試験キット |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018223315A JP7153545B2 (ja) | 2018-11-29 | 2018-11-29 | イムノクロマトグラフィー試験片、並びに、それを用いる被験物質測定方法及びイムノクロマトグラフィー試験キット |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2020085755A true JP2020085755A (ja) | 2020-06-04 |
JP7153545B2 JP7153545B2 (ja) | 2022-10-14 |
Family
ID=70907658
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2018223315A Active JP7153545B2 (ja) | 2018-11-29 | 2018-11-29 | イムノクロマトグラフィー試験片、並びに、それを用いる被験物質測定方法及びイムノクロマトグラフィー試験キット |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP7153545B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20220166575A (ko) | 2021-06-10 | 2022-12-19 | 주식회사 제우스 | 진단키트 및 진단 방법 |
WO2024090518A1 (ja) * | 2022-10-28 | 2024-05-02 | 東洋紡株式会社 | イムノクロマト試験片 |
Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US20030157729A1 (en) * | 1999-06-14 | 2003-08-21 | Thayer Richard M. | Bidirectional lateral flow test strip and method |
JP2010512537A (ja) * | 2006-12-11 | 2010-04-22 | ジェンザイム・コーポレーション | 間接側方流動サンドイッチアッセイ |
US20100267049A1 (en) * | 2009-04-15 | 2010-10-21 | Rutter William J | Diagnostic devices and related methods |
JP2016191658A (ja) * | 2015-03-31 | 2016-11-10 | 古河電気工業株式会社 | 生体分子の検出又は定量方法、及び生体分子の検出又は定量用標識試薬粒子 |
WO2018203572A1 (ja) * | 2017-05-02 | 2018-11-08 | 田中貴金属工業株式会社 | 非特異反応抑制剤 |
-
2018
- 2018-11-29 JP JP2018223315A patent/JP7153545B2/ja active Active
Patent Citations (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US20030157729A1 (en) * | 1999-06-14 | 2003-08-21 | Thayer Richard M. | Bidirectional lateral flow test strip and method |
JP2010512537A (ja) * | 2006-12-11 | 2010-04-22 | ジェンザイム・コーポレーション | 間接側方流動サンドイッチアッセイ |
US20100267049A1 (en) * | 2009-04-15 | 2010-10-21 | Rutter William J | Diagnostic devices and related methods |
JP2012524277A (ja) * | 2009-04-15 | 2012-10-11 | レリア ダイアグノスティック システムズ,インク. | 試験ストリップのダイナミックレンジの拡張 |
JP2016191658A (ja) * | 2015-03-31 | 2016-11-10 | 古河電気工業株式会社 | 生体分子の検出又は定量方法、及び生体分子の検出又は定量用標識試薬粒子 |
WO2018203572A1 (ja) * | 2017-05-02 | 2018-11-08 | 田中貴金属工業株式会社 | 非特異反応抑制剤 |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20220166575A (ko) | 2021-06-10 | 2022-12-19 | 주식회사 제우스 | 진단키트 및 진단 방법 |
WO2024090518A1 (ja) * | 2022-10-28 | 2024-05-02 | 東洋紡株式会社 | イムノクロマト試験片 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP7153545B2 (ja) | 2022-10-14 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US9372192B2 (en) | Method and device for combined detection of viral and bacterial infections | |
JP6247741B2 (ja) | 検体不添加サンプルを操作不適サンプルと判定できるイムノクロマトグラフィーに基づく検出方法及びこれに用いるテストストリップ | |
JP5753942B2 (ja) | 赤血球含有サンプル中の対象物を検出するためのイムノクロマトグラフィー用テストストリップおよびイムノクロマトグラフィーを利用した検出方法 | |
KR20120029549A (ko) | 신속한 결과 및 향상된 감도를 갖는 측방 유동 면역 분석 디바이스 | |
JP7153545B2 (ja) | イムノクロマトグラフィー試験片、並びに、それを用いる被験物質測定方法及びイムノクロマトグラフィー試験キット | |
JP6399632B2 (ja) | 赤血球含有サンプル中の対象物を検出するためのイムノクロマトグラフィー用テストストリップ、および該テストストリップを使用するイムノクロマトグラフィー | |
JP2024012473A (ja) | Rsウイルスを検出するための検出用試薬又はキット及びrsウイルスを検出する方法 | |
WO2014189143A1 (ja) | 対象物質の濃度測定方法、イムノクロマトグラフィーキットおよびイムノクロマトグラフィー装置 | |
US20210389318A1 (en) | Lateral flow assays for differential isotype detection | |
JPWO2020085289A1 (ja) | イムノクロマト用試験片 | |
JP5723484B2 (ja) | 赤血球含有サンプル中の対象物を検出するためのイムノクロマトグラフィー用テストストリップおよびイムノクロマトグラフィーを利用した検出方法 | |
KR102593963B1 (ko) | 면역학적 측정용 시약 조성물 및 이의 용도 | |
JP5541748B2 (ja) | アビジン−ビオチン連結標識試薬を用いたイムノクロマトグラフ用試験具及びその利用 | |
WO2017078170A1 (ja) | Ck19に特異的なモノクローナル抗体およびこれを産生するハイブリドーマ、癌の検出キット、癌の検出方法および癌の転移の判定方法 | |
US11320427B2 (en) | Tandemly repeated antibody-binding protein and its applications | |
CN107209179B (zh) | 用于检测含红细胞的样品中的对象物的免疫色谱用测试条、及使用该测试条的免疫色谱 | |
JP2022046827A (ja) | イムノクロマト用試験片及びイムノクロマト検出キット | |
JP6962834B2 (ja) | モノクローナル抗体および非特異反応抑制剤 | |
JP6943789B2 (ja) | モノクローナル抗体および非特異反応抑制剤 | |
JP7496582B2 (ja) | SARS-CoV-2の検出キットおよびSARS-CoV-2の検出方法 | |
JP6426873B1 (ja) | マイコプラズマ・ニューモニエの免疫学的検出方法 | |
JP6703354B2 (ja) | 非特異反応抑制剤および前処理方法 | |
JP2017026591A (ja) | 免疫学的検出方法 | |
KR20240019074A (ko) | 분변 검체의 검사 방법 및 그것을 위한 이뮤노크로마토그래피 시험편 | |
JP2020125994A (ja) | イムノクロマト用試験片 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20211122 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20220928 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20220928 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20221003 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 7153545 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |