JP2020085735A - 撮像装置、検査装置、検査システムおよび撮像装置の制御方法 - Google Patents

撮像装置、検査装置、検査システムおよび撮像装置の制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】検査装置の構成が簡素となる撮像装置を提供する。【解決手段】車輪の踏面を検査するための撮像装置(100)は、撮像部(101)と、第一検知部(1031)と、第二検知部(1032)と、第一検知部(1031)および第二検知部(1032)の検知結果に基づいて、撮像部(101)に車輪の踏面を撮影させる制御部(104)とを備えている。【選択図】図1

Description

本発明は、撮像装置、検査装置、検査システムおよび撮像装置の制御方法に関する。
例えば、鉄道車両など、車輪を備えるものは、安全な運行が行われるために、車両の種々の部品に対して定期的に検査が行われる。それらの検査の一つとして、車輪の踏面(車輪踏面)に傷などの異常が生じていないかどうかを検査する車輪踏面の検査がある。車輪踏面の異常の例として、車両急制動による滑走および制輪子との摩擦を原因とする、車輪踏面にフラットおよび剥離などの異常がある。車輪踏面にこのような異常が生じると、安全性の低下だけではなく、振動および騒音を引き起こす可能性があるため、車輪踏面の異常を早期に発見することが必要となる。
このような車輪踏面の検査では、車輪踏面の状態を確認するために検査員が目視にて異常がないかどうか検査を行っている。そのため、鉄道車両などが備える多数の車輪を検査する場合は、検査に手間および時間がかかることから、車輪の検査漏れが生じやすいなどの問題がある。また、車輪踏面の一部が、接地箇所および車輪周辺のものによって隠れることから、車両停車時には車輪踏面全体を目視にて確認することが困難だという問題もある。
そのため、線路脇に設置した撮像装置を用いて走行中の回転する車輪踏面を撮影することで取得した画像から、車輪踏面に異常がないかどうかを検査する技術がある。
特許文献1では、線路脇に複数の撮像装置、照明装置および車輪検知装置を線路方向に一定距離ずらして配置し、走行する車両の車輪に対して検出位置ごとに車輪踏面の分割撮影を行い、車輪踏面の全周画像を取得する技術が示されている。
特開平7−174672号
しかしながら、特許文献1に示した技術は、検査装置が大掛かりになるため、簡素な構成の検査装置とならないという課題がある。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、検査装置の構成が簡素となる撮像装置およびその関連技術を提供する。
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る車輪の踏面を検査するための撮像装置は、線路上を通過する車輪の踏面を撮影する撮像部と、前記車輪を前記線路上または前記線路上方の第一検知位置において検知する第一検知部と、前記車輪を前記線路上または前記線路上方の第二検知位置において検知する第二検知部と、前記第一検知部および前記第二検知部のそれぞれの検知結果に基づいて、前記撮像部に前記車輪の踏面を撮影させる制御部とを備えている。
本発明の一態様に係る検査システムは、車輪の踏面を検査するための撮像装置と、該車輪の踏面を検査する検査部と、該検査部による検査結果を表示する表示部とを備え、前記撮像装置は、線路上を通過する車輪の踏面を撮影する撮像部と、前記車輪を前記線路上または前記線路上方の第一検知位置において検知する第一検知部と、前記車輪を前記線路上または前記線路上方の第二検知位置において検知する第二検知部と、前記第一検知部および前記第二検知部のそれぞれの検知結果に基づいて、前記撮像部に前記車輪の踏面を撮影させる制御部とを備えている。
本発明の一態様に係る撮像装置の制御方法は、線路上を通過する車輪の踏面を撮影する撮像ステップと、前記車輪を前記線路上または前記線路上方の第一検知位置において検知する第一検知ステップと、前記車輪を前記線路上または前記線路上方の第二検知位置において検知する第二検知ステップと、前記第一検知ステップおよび前記第二検知ステップのそれぞれにおける検知結果に基づいて、前記撮像ステップにて前記車輪の踏面を撮影させる制御ステップとを包含している。
本発明の一態様によれば、検査装置の構成が簡素となる撮像装置およびその関連技術を提供する。
実施形態1に係る検査システムの概略構成例を示す機能ブロック図である。 従来の検査システムの撮像部によって撮影される車輪について説明するための図である。 従来の検査システムによる車輪踏面の撮影について説明するための図である。 従来の検査システムにおける撮影範囲と車輪との位置関係について説明するための図である。 実施形態1に係る検査システムによる車輪踏面の撮影について説明するための図である。 実施形態1に係る検査システムによる車輪踏面の撮影について説明するための図である。 各移動方向における検知信号と撮影期間との関係を示す図である。 照明部を配置した場合の実施形態1に係る検査システムによる車輪踏面の撮影を説明するための図である。 実施形態2に係る検査システムによる車輪踏面の撮影について説明するための図である。 実施形態2に係る検査システムによる車輪踏面の撮影について説明するための図である。 照明部を配置した場合の実施形態2に係る検査システムによる車輪踏面の撮影を説明するための図である。 実施形態3における鉄道車両および台車の概略構成を示す図である。 実施形態3に係る検査システムの概略構成を示す機能ブロック図である。 実施形態3に係る検査システムによる車輪踏面の撮影について説明するための図である。 各移動方向における検知信号と撮影期間との関係を示す図である。 照明部を配置した場合の実施形態3に係る検査システムによる車輪踏面の撮影を説明するための図である。 実施形態4に係る検査システムによる車輪踏面の撮影について説明するための図である。 撮影範囲が車輪踏面の全周の長さに比べて短くなる例について説明するための図である。 実施形態5に係る検査システムによる車輪踏面の撮影について説明するための図である。 実施形態5に係る検査システムによる車輪踏面の撮影について説明するための図である。 実施形態5に係る検査システムによる車輪踏面の撮影について説明するための図である。 各移動方向における検知信号と撮影期間との関係を示す図である。
<実施形態1>
以下、実施形態1に係る検査システム1、検査装置10、撮像装置100および撮像装置100の制御方法について、図1〜8を参照しながら説明する。
〔検査システム1〕
図1は、実施形態1に係る検査システム1の概略構成例を示す機能ブロック図である。図1に示すように、検査システム1は、検査装置10と、照明部102と、表示部107とを備えている。
〔検査装置10〕
検査装置10は、車輪の踏面(車輪踏面)を検査する。図1に示すように、実施形態1に係る検査装置10は、撮像装置100と、照明部102と、画像処理部(検査部)105と、記録部106とを備えている。
〔撮像装置100〕
撮像装置100は、撮像部101と、検知部(第一検知部、第二検知部)103と、制御部104とを備えている。
[撮像部101]
撮像部101は、線路上を通過する車輪踏面を撮影する。撮像部101は、レンズおよびCCD(Charge Coupled Device)またはCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)などの撮像素子から構成される。
[照明部102]
照明部102は、LED(Light Emitting Diode)、OLED(Organic Light Emitting Diode)、蛍光灯、水銀灯および白熱電球などの光源によって構成される。照明部102は、制御部104によって制御される。具体的には、照明部102は、制御部104から入力された(受信した)制御信号に応じて点灯し、夜間および曇天時など低照度の場合、検査対象が撮影できる状態となるように照射して明るさを調整する。
[検知部103]
図1に示すように、検知部103は、第一検知部1031および第二検知部1032を備えており、複数の検知部から構成されている。第一検知部1031は、車輪を線路上または線路上方の第一検知位置において検知する。すなわち、第一検知部1031は、第一検知位置に達した(差し掛かった)車輪を検知する。第二検知部1032は、車輪を線路上または線路上方の第二検知位置において検知する。すなわち、第二検知部1032は、第二検知位置に達した車輪を検知する。検知部103は、第一検知部1031および第二検知部1032のそれぞれが車輪を検知したことを示す検知信号を制御部104へと出力する。ここでは、第一検知部1031および第二検知部1032は、それぞれ車輪202の真ん中の高さと同じ高さに設置されているものとする。
検知部103は、レーザを用いた物体検知デバイスにより構成することができる。検知部103としては、例えば、遮断式センサなどが挙げられる。検知部103が遮断式センサの場合、出射するレーザ光の遮断によって物体の有無を検知し、レール(移動経路)の脇からレールが伸びる方向に向けて車輪が検知位置を通過した際にレーザ光を遮断するように検知部103を配置することができる。
[制御部104]
制御部104は、第一検知部1031および第二検知部1032それぞれの検知結果に基づいて、撮像部101に車輪踏面を撮影させる。具体的には、制御部104は、検知部103における第一検知部1031および第二検知部1032から出力された検知結果に関する検知信号に基づき、撮像部101にシャッター信号を出力する。また、制御部104は、撮像部101が撮影する際の露出を制御することで、撮影される検査領域(撮影領域)が所定の明るさとなるように制御する。
また、制御部104は、車輪の移動方向にさらに基づいて、撮像部101に車輪踏面を撮影させることが好ましい。これにより、より好適に車輪踏面を撮影することができる。
例えば、制御部104は、車輪の移動方向が、第一検知位置から第二検知位置に向かう第一移動方向であり、第一検知部1031が車輪を検知していない第一非検知状態から、車輪を検知した第一検知状態に変化したとする。この場合、制御部104は、撮像部101に車輪を撮影させる。また、車輪の移動方向が、第二検知位置から第一検知位置に向かう第二移動方向であり、第二検知部1032が車輪を検知した第二検知状態から車輪を検知していない第二非検知状態に変化したとする。この場合、制御部104は、撮像部101に車輪を撮影させることが好ましい。これにより、さらに好適に車輪踏面を撮影することができる。
制御部104は、車輪の移動方向が第一移動方向であり、第一検知状態から、第一非検知状態に変化した場合に、撮像部101に車輪の撮影を終了させることが好ましい。また、制御部104は、移動方向が第二移動方向であり、第二非検知状態から、第一検知状態に変化した場合に、撮像部101に車輪の撮影を終了させることが好ましい。これにより、さらに好適に車輪踏面を撮影することができる。
上述のように、制御部104が撮像部101に車輪踏面を撮影させる場合、具体的には、撮像部101側の車輪踏面が、第一検知位置に達してから、第二検知位置に達するまでの間、または、撮像部101側の車輪踏面が、第二検知位置に達してから、第一検知位置に達するまでの間において、撮像部101に車輪踏面を撮影させることになる。これにより、さらに好適に車輪踏面を撮影することができる。
図1に示すように、制御部104は移動方向取得部108と車輪踏面位置検出部109とを備えている。
(移動方向取得部108)
移動方向取得部108は、検知部103から受信した検知信号に基づき、車両の車輪がどちらの方向に移動しているかを示す移動方向(移動方向情報)を取得する。
(車輪踏面位置検出部109)
車輪踏面位置検出部109は、検知部103から出力された検知信号が示す検知位置の検知状態と、移動方向取得部108から得られた車輪の移動方向とに基づいて、撮影対象となる車輪踏面の位置を検出する。例えば、車輪踏面位置検出部109は、車輪踏面が撮影範囲の両端のうち、いずれの端部に進入したのか、または、出て行ったのかを検知する。
[画像処理部105]
また、画像処理部(検査部)105は、撮影画像から車輪踏面の領域を検出し、当該車輪踏面の領域から剥離領域などの異常箇所の検出を行うことで、車輪踏面の検査を行う。これにより、非接触で車輪踏面を検査することができる。画像処理部105は、車輪踏面に異常が検出された場合、車輪踏面における異常箇所が識別できる異常検出情報などを含む検査結果を撮影画像とともに記録部106に出力する。
車輪踏面の領域を検出する処理としては、例えば、撮像画像と、あらかじめ記録部106に記憶された車輪および車輪踏面を示す参照画像とをパターンマッチングすることで、撮像画像における、記録部106に記憶された車輪および車輪踏面に近い領域を検出する処理が挙げられる。
異常箇所の検出方法としては、例えば、車輪踏面の領域に対してエッジ検出処理を行うことで、段差を有する箇所を検出する方法が挙げられる。また、車輪踏面の領域に対して2値化処理を行い、欠けおよびへこみなどによって陰影差が生じている領域が鮮明になるようにすることで検出する方法が挙げられる。
画像処理部105は、撮像部101によって撮影された撮影画像を取得し、車輪踏面の検査がしやすいように、撮影画像に対して明るさおよび歪みなどを調整するなど、各種画像処理を施してもよい。各種画像処理としては、例えば、画像処理部105は、撮影画像に対して、デモザイク、ノイズリダクション、ホワイトバランスおよびガンマ補正などが挙げられる。
[記録部106]
記録部106は、画像処理部105から受け取った撮影画像または各種画像処理を施された画像および検査結果と、車輪踏面の検査に必要な車輪の識別情報とを対応づけて、記録デバイスに記録する。記録デバイスとしては、例えば、ハードディスク、光ディスクおよびフラッシュメモリなどが挙げられる。識別情報としては、例えば、検査対象の車輪踏面の車輪がどの車輪であるかを示すID情報であったり、同一の車輪ごとに複数の撮像画像がある場合は、当該撮像画像が同じ車輪であることを示すための情報であったりする。
また、記録部106は、画像処理部105によって各種画像処理を施された画像を記録してもよい。また、無線または有線により、遠隔地のサーバまたはPCに画像および検査結果の少なくとも一方を転送し、記録するようにしてもよい。なお、記録デバイスは、システムに搭載されてもよいし、着脱可能であってもよい。
〔表示部107〕
表示部107は、記録部106に記録された画像、検査結果および車輪の識別情報などをユーザが視認可能な状態で表示する。例えば、車輪踏面に異常が検出された場合には、表示部107は、車輪踏面の異常の検出を通知するための表示を行うとともに、画像検索によって見つかった車輪踏面における異常箇所を表示する。また、表示部107は、車輪踏面における異常箇所が分かるように異常箇所にマーカーを重畳して表示したり、異常箇所の色を変えて表示したり、車輪踏面全周の画像を表示したりするなど、ユーザの目的に応じて分かりやすく表示する。
なお、表示部107が画像および検査結果を表示するものであれば、表示部107は液晶ディスプレイなどによって構成される。また、記録部106が着脱可能な記録デバイスであったり、無線または有線によって遠隔地に情報を転送していたりする場合は、表示部107は、画像および検査結果などを異なる場所において表示することができる。
〔従来の検査システムによる車輪踏面の撮影〕
次に、特許文献1に記載されている従来の検査システムによる車輪踏面の撮影について図2〜4を用いて説明する。
(従来の検査システムの撮像部101によって撮影される車輪202)
図2は従来の検査システムの撮像部101によって撮影される車輪202について説明するための図である。具体的には、図2は、1本のレール(移動経路)201上を移動する車輪202の概要を示している。図2の(a)はレール201が伸びる方向から見た図、図2の(b)はレール201の側面方向から見た図、図2の(c)はレール201の上面方向(鉛直上方)から見た図を示している。以下、各図面において同じ部材番号は同じ部材を示すものとし、説明を省略する。
図2の(a)に示すように、車輪202は車輪踏面203およびフランジ204を備えている。図2の(b)に示すように、車輪202は、車輪踏面203が接触領域205においてレール201と接触するように配置される。また、車輪202は、回転方向206に回転しながら第一移動方向207に移動する。
ここで、車輪踏面203に欠けなどの異常が生じると滑らかにレール201上を進まなくなることで、車輪踏面203が振動したり騒音が生じたりする。このことから、車輪踏面203の状態を把握するために車輪踏面203を撮影する必要がある。車輪踏面203を撮影するためには、図2の(c)に示すように、撮像部101を配置して撮影する必要がある。ここで、車輪踏面203の接触領域205の部分は見えないため、車輪踏面203の全周を撮影する場合は回転する車輪202の車輪踏面203を複数枚撮影する必要がある。
このような車輪踏面203を撮影する際の撮像部101の配置位置について図2の(c)を用いて以下に説明する。例えば、車輪202の側面方向である撮影方向208から撮影するように撮像部101を配置した場合、車輪踏面203が見えずに撮影できない。また、建築限界および車両との衝突の防止の観点から、レール201が伸びる方向と同じ方向となる位置に撮像部101を配置することもできない。
そのため、レール201が伸びる方向に対して角度210をつけた撮影方向に光軸209が向くように撮像部101を配置して撮影を行う必要がある。このような配置の場合、撮像部101は、レール201の伸びる方向に対して撮像部101と反対側の車輪踏面203は死角となる。そのため、撮像部101は、撮像部101と反対側の車輪踏面203を撮影することができず、撮像部101側の車輪踏面203を撮影することになる。
なお、撮像部101側の車輪踏面203および撮像部101側とは反対側の車輪踏面203とは、それぞれ車輪踏面203における特定の位置を指すわけではなく、撮影範囲のうち、車輪202が達した位置において、撮像部101側にある車輪踏面203であるか、撮像部101とは反対側のいずれの側の車輪踏面203であるかを指している。
(従来の検査システムによる車輪踏面203の撮影)
レール201が伸びる方向に対して角度210をつけた撮影方向に光軸209が向くように撮像部101を配置した場合における、従来の検査システムによる車輪踏面203の撮影について図3を用いて説明する。図3は、従来の検査システムによる車輪踏面203の撮影について説明するための図である。ここでは便利上、車輪202のフランジ204は省略している。
図3の(a)は、レール201の鉛直上方から見た図を示している。図3の(a)に示すように、撮像部101は、レール201の側面方向(車輪202の側面方向)からレール201側に角度210をつけた撮影方向に光軸209が向くように配置されている。また、図3の(a)に示すように、撮像部101は、レール201上を第一移動方向207に移動する車輪202を撮影している。
ここで、図3の(a)に示すように、撮像部101は撮影範囲(第一撮影範囲)301において撮影可能である。また、撮像部101は、検知部103が撮影範囲301に車輪踏面203が収まる第一検知位置302を車輪202が通過した場合に、シャッターを切ることで車輪踏面203を撮影する。ここで、撮影範囲301とは、撮像部101の画角内であって、検査に適切な位置において、検査に適切な合焦度合いで車輪踏面203を撮影できる範囲のことをいう。
図3の(b)は、レール201の側面方向から見た図を示している。検知部103は、第一検知位置302を車輪202が通過した場合に車輪202を検知し、撮像部101は車輪踏面203を撮影する。この場合、撮像部101は、車輪202の接触領域205に対して撮像部101側の車輪踏面203が第一検知位置302に達した場合に、撮像部101側の車輪踏面203を撮影する。
図3の(c)は、レール201の側面方向から見た図を示している。図3の(c)では、撮像部101および検知部103は同じ位置に配置されているのに対し、車輪202は、図3の(b)に示す第一移動方向207とは逆向きの第二移動方向304に移動している。検知部103は、第一検知位置302を車輪202が通過した場合に、車輪202を検知し、撮像部101は、撮像部101側の車輪踏面203を撮影する。撮像部101は、車輪202の接触領域205に対して撮像部101と反対側の車輪踏面203が第一検知位置302を通過した場合に、撮像部101側の車輪踏面203を撮影する。また、撮像部101は、車輪踏面203を、第一検知位置302に対して撮像部101側に寄った位置において撮影する。
(従来の検査システムにおける撮影範囲301と車輪202との位置関係)
次に、従来の検査システムにおける撮影範囲301と車輪202との位置関係について図4を用いて説明する。図4は、従来の検査システムにおける撮影範囲301と車輪202との位置関係について説明するための図である。
図4は、撮像部101が、車輪踏面203を撮影に適した状態で撮影できる範囲である、レール201の側面方向における第一検知位置302を基準とする撮影範囲301を示している。ここで、撮影に適した状態で撮影できる範囲とは、車輪踏面203を撮影した画像におけるフォーカスによる鮮明さ、画角および分解能などが、車輪踏面203の検査においてユーザが要求する要件を満たす範囲を表す。撮影範囲301は撮像部101のセンサおよびレンズなどによっても変わり、ユーザが任意に設定することができる。図4では、撮影範囲301が、車輪202が1回転する際に移動する距離、すなわち、車輪踏面203の1周分の長さに対して短い例を示している。
図4の(a)は、撮像部101に向かって第一移動方向207に車輪202が移動する例を示している。図4の(a)では、検知部103が、第一検知位置302において車輪202を検知した場合に、撮像部101は、撮影範囲301に移動する車輪踏面203の撮影を行う。これにより、撮影範囲301において撮像部101側の車輪踏面203を撮影することができる。図4の(b)は、図4の(a)に示す第一移動方向207とは逆の第二移動方向304に車輪202が移動する例を示している。一方で、図4の(b)では、検知部103が第一検知位置302において車輪202を検知した場合であっても、撮像部101は、撮像部101側の車輪踏面203を撮影に適した状態で撮影することができない。これは、撮像部101側の車輪踏面203が、撮影範囲301外に位置するためである。
上述したように、従来の検査システムでは、車輪202の移動方向が第一移動方向207および第二移動方向304のいずれであっても、車輪202が第一検知位置302に達した場合に撮像部101が車輪踏面203を撮影する。
(従来の検査システムの問題点)
上述したように、従来の検査システムによれば、車輪202の移動方向によって撮影位置がずれる。撮像部101は、撮影範囲301内では好適に車輪踏面203を撮影することができる。ただし、このような撮影位置のずれによって、撮影範囲301の領域内では好適に車輪踏面203を撮影できない可能性がある。また、図3の(c)に示すように、車輪202が第二移動方向304に移動している場合のみに車輪202が検知されたタイミングからオフセットを設け、一定時間後に撮像部101のシャッターを切るようにしたとする。この場合も、車輪202の移動速度は一定ではないため、移動速度が遅い場合は撮影範囲301内に車輪202が到達する前に車輪踏面203が撮影され、移動速度が速い場合は撮影範囲301を過ぎて車輪踏面203が撮影される可能性がある。
そのため、従来の検査システムでは、このような移動方向による撮影位置のずれに対して、車輪202の移動方向ごとに撮像部101および検知部103をずらして配置する必要がある。例えば、撮像部101および検知部103をレール201が伸びる方向に可動する台車に設置し、車輪202の移動方向に応じて台車の位置を変えるなど複雑な制御を行う必要がある。
よって、車輪202の移動方向が第一移動方向207および第二移動方向304のどちらでも車輪踏面203を撮影できるようにするには、検査システムが大掛かりになるなど、検査システムの構成が複雑になる可能性がある。例えば、撮像部101および検知部103を可動にするためにこれらの部材が可動部を備えている場合、可動部を備えていることで故障の発生確率の増大および定期的なメンテナンスが必要になる。そのため、運用コストが増加する課題がある。特に撮像部101および検知部103を屋外に設置する場合には、砂埃および雨などが可動部の隙間に進入する可能性が高くなり、故障の原因となりやすい。
また、図4に示すように、従来の検査システムでは、車輪202の移動方向によらず、車輪202が第一検知位置302など、ある特定の位置に達した場合にのみ撮像部101は車輪踏面203を撮影する。そのため、車輪202の移動方向が異なることに起因して第一検知位置302から少しでもずれた位置において撮像部101が車輪踏面203を撮影した場合、車輪踏面203を好適に撮影することができなくなる可能性がある。このことから、従来の検査システムでは、撮像部101の被写界深度などが広く、1つの撮像部101によって車輪202が1回転する間に移動する距離を撮影できるなど、撮像部101の撮影範囲301が広い場合であっても、撮影範囲301を有効に活用できないという問題もある。また、移動方向が異なることに起因して第一検知位置302からずれた車輪踏面203を撮影できるように撮影範囲301を拡大するためには、検査システムを大掛かりな構成にする必要がある。例えば、検査システムに手前側の被写体を画角内に収めるための広画角レンズおよび広画角でも精度を確保するための高解像度センサなどを備える必要がある。また、被写界深度を深くするために絞りを絞るために必要な明るい照明部102、および、撮影範囲301全体を照明するための複数の照明部102などを備える必要がある。
〔検査システム1による車輪踏面203の撮影〕
次に、実施形態1に係る検査システム1による車輪踏面203の撮影について図5〜7を用いて説明する。
(検査システム1における撮影範囲301と車輪202との位置関係)
まず、実施形態1に係る検査システム1における撮影範囲301と車輪202との位置関係について図5を用いて説明する。図5は、実施形態1に係る検査システム1による車輪踏面203の撮影について説明するための図である。図5の(a)は、レール201上を撮像部101側の第一移動方向207に移動している車輪202における撮像部101側の車輪踏面203を撮影する様子について、レール201の鉛直上方から見た図を示している。また、図5の(a)は、実施形態1に係る検査システム1における、車輪踏面203を撮影する撮像部101および検知部103の配置構成を示している。なお、撮像部101および検知部103には、図1のように制御部104、画像処理部105および記録部106が接続されているが、図5には示していない。制御部104、画像処理部105および記録部106については撮影に影響のない配置であればよい。
図5の(a)に示すように、撮像部101は、構造物を設置できない領域の境界である建築限界の外側の位置から、レール201上を通過する車輪踏面203が視認可能な撮影方向に光軸209が向くように配置されている。ここで、撮像部101は車輪踏面203を撮影する範囲として、レール201方向に撮影範囲301を有する。撮影範囲301は、ユーザが任意に設定可能で、例えば、撮像部101の解像度、レンズ画角および被写界深度などに応じて設定される。撮影範囲301において撮影された画像は、画像に写された車輪踏面203の分解能、フォーカス(ぼけ)および見切れていないかなど、ユーザが検査に必要と要件を満たすように設定することが好ましい。また、実際には、分解能およびフォーカス(被写界深度)は撮像部101の光軸209が向く撮影方向における撮影範囲3010が影響するが、実施形態1では、レール201方向における撮影範囲301が影響するものとして説明する。また、ここでは撮像部101は連射機能を有しており、車輪踏面203が撮影範囲301を通過中に複数枚の画像を取得できるものとする。
図5の(a)に示すように、検知部103を構成する第一検知部1031および第二検知部1032は、第一移動方向207に沿った撮影範囲301の両端において車輪202をそれぞれ検知する。ここでは、第一検知部1031および第二検知部1032は遮断式センサであり、透過型の光電センサである。第一検知部1031は第一発光部1031aと第一受光部1031bとから構成され、第二検知部1032は第二発光部1032aと第二受光部1032bとから構成されている。第一発光部1031aおよび第二発光部1032aと、第一受光部1031bおよび第二受光部1032bとは、第一発光部1031aおよび第二発光部1032aから照射されたレーザ光が第一受光部1031bおよび第二受光部1032bにおいて受光するように向かい合わされた状態で撮影範囲301の両端にそれぞれ配置されている。第一検知部1031および第二検知部1032は、第一発光部1031aおよび第二発光部1032aと、第一受光部1031bおよび第二受光部1032bとの間のレーザ光が、通過する車輪202によって遮断された遮断状態を検知することで車輪202を検知する。
このように、車輪202の移動方向が第一移動方向207である場合、撮影範囲301の両端の第一検知位置302および第二検知位置303において、レーザ光の遮断開始時および遮断終了時を検知する。これにより、撮影範囲301において車輪踏面203の撮影を行うことができる。
(検査システム1による車輪踏面203の撮影)
次に、検査システム1による車輪踏面203の撮影動作の流れ(撮像装置100の制御方法)について、図5の(b)〜図7を用いて説明する。
図5の(b)、(c)および(d)は、それぞれ図5の(a)をレール201の側面方向から見た図であり、車輪202が撮影範囲301内を第一移動方向207に移動する様子を示している。図5の(b)は、車輪202が車輪位置501に達し、接触領域205に対して撮像部101側の、レール201上を通過する車輪踏面203が第一検知位置302に達した状態を示している。図5の(c)は、車輪202が車輪位置502に達し、撮像部101側の車輪踏面203が撮影範囲301内に位置する状態を示している。図5の(d)は、車輪202が車輪位置503に達し、撮像部101側の車輪踏面203が第一検知位置302に達した状態を示している。図5の(b)〜(d)にかけて、撮像部101側の車輪踏面203は、撮影範囲301内に位置し、図5(d)に示す車輪位置503よりも車輪202が移動すると撮像部101側の車輪踏面203は撮影範囲301外となる。
まず、図5の(b)に示すように、車輪202が車輪位置501に達した場合、撮像部101側の車輪踏面203はレール201上の第一検知位置302に差し掛かる。これにより、第一検知部1031間のレーザ光が遮断され、検知部103は、車輪202が撮影範囲301内に進入したことを検知する(第一検知ステップ)。検知部103は、第一検知位置302および第二検知位置303のいずれかにおいて遮断状態が検知されたタイミングで、車輪202を検知したことを示す検知信号を制御部104へと出力する。以下、第一検知位置302に配置された第一検知部1031の検知信号を検知信号A、第二検知位置303に配置された第二検知部1032の検知信号を検知信号Bと記載する。
制御部104における移動方向取得部108は、検知部103から受信した検知信号に基づき、車輪202の移動方向情報を取得する。ここで、移動方向取得部108は、第二検知位置303よりも先に第一検知位置302における第一検知部1031から検知信号Aを受信したため、撮像部101に向かう方向である第一移動方向207に車輪202が移動しているという移動方向情報を取得する。また、制御部104における車輪踏面位置検出部109は、検知部103から受信した検知信号Aが示す第一検知位置302の検知状態と、移動方向取得部108が取得した車輪202の移動方向とから、撮像部101側の車輪踏面203の位置を検出する。ここでは、車輪踏面位置検出部109は、車輪202の移動方向が第一移動方向207であり、撮像部101側の車輪踏面203が第一検知位置302を通過したことが検知されていることから、撮像部101側の車輪踏面203が撮影範囲301に進入したことを検出する。制御部104は、撮影対象となる撮像部101側の車輪踏面203が第一検知位置302において検知され、撮影範囲301に進入したことを示す検出結果を受け、撮像部101に撮影を開始させる。すなわち、制御部104は、第一検知ステップにおける検知結果に基づいて、撮像部101に撮像部101側の車輪踏面203を撮影させる(制御ステップ)。図5の(c)のように、車輪踏面203が撮影範囲301内に位置する間は、撮像部101は、連続的に撮像部101側の車輪踏面203の撮影を行い、取得した画像データを画像処理部105へと出力する(撮像ステップ)。
次に、図5の(d)のように、撮像部101側の車輪踏面203が第二検知位置303に達した場合、レール201上の第二検知部1032間のレーザ光が車輪202によって遮断される。これにより、検知部103は、車輪202が撮影範囲301内に進入したことを検知する(第二検知ステップ)。検知部103は、第二検知位置303において車輪202を検知したことを示す検知信号Bを制御部104に出力する。制御部104における車輪踏面位置検出部109は、検知部103から受信した検知信号Bと、移動方向情報とに基づき、撮像部101側の車輪踏面203が第一検知位置302に位置し、撮影範囲301から出て行ったことを検出する。制御部104は、車輪踏面位置検出部109による検出結果を受け、撮像部101による撮影を停止する。このように、車輪202の移動方向が第一移動方向207である場合、撮影範囲301内に撮影対象となる車輪踏面203が位置している間において撮影が実行される。
次に、移動方向が第一移動方向207とは逆の場合における検査システム1による車輪踏面203の撮影動作の流れについて図6を用いて説明する。図6は、実施形態1に係る検査システム1による車輪踏面203の撮影について説明するための図である。具体的には、図6の(a)〜(d)は、車輪202が撮像部101から遠ざかる方向、すなわち、図5における車輪202の第一移動方向207とは逆の第二移動方向304に移動する場合の撮影の様子をレール201の側面方向から見た図である。図6における撮像部101および検知部103の配置は、図5における撮像部101および検知部103の配置と同様である。
図6の(a)は、車輪202が、レール201上を撮像部101側から第二移動方向304に移動し、車輪202が車輪位置601に達した際に、接触領域205に対して撮像部101と反対側の車輪踏面203が第二検知位置303に達した状態を示している。この場合、第二検知部1032のレーザ光が車輪202によって遮断され、検知部103は、レール201上の第二検知位置303において車輪202を検知したことを示す検知信号Bを制御部104に出力する。
制御部104における移動方向取得部108は、検知部103から受信した検知信号Bに基づき、車輪202の移動方向情報を取得する。この場合、移動方向取得部108は、第一検知位置302よりも先に撮像部101側の第二検知位置303における第二検知部1032から検知信号Bを受信する。そのため、移動方向取得部108は、撮像部101側から遠ざかる第二移動方向304に車輪202が移動しているという移動方向情報を取得する。また、制御部104における車輪踏面位置検出部109は、検知部103から受信した検知信号Bが示す第一検知位置302および第二検知位置303の検知状態と、移動方向取得部108が取得した車輪202の移動方向とから、車輪踏面203の位置を検出する。ここでは、車輪202の移動方向が第二移動方向304であり、撮像部101と反対側の車輪踏面203が第二検知位置303を通過したことを検知されている。このことから、車輪踏面位置検出部109は、撮像部101と反対側の車輪踏面203が第二検知位置303に位置しているように検出する。そのため、制御部104は、撮像部101に撮影を行わせない。
図6の(b)は、車輪202が車輪位置602に到達し、撮像部101と反対側の車輪踏面203が第一検知位置302に達した状態を示す。この場合、第一検知位置302における第一検知部1031のレーザ光が車輪202によって遮断され、検知部103は、レール201上の第一検知位置302において車輪202を検知したことを示す検知信号Aを制御部104に出力する。制御部104における車輪踏面位置検出部109は、検知部103から受信した検知信号Aが示す第一検知位置302の検知状態と、移動方向取得部108が取得した車輪202の移動方向とから、撮像部101と反対側の車輪踏面203の位置を検出する。ここでは、車輪202の移動方向が第二移動方向304であり、撮像部101と反対側の車輪踏面203が第一検知位置302を通過したことを検知されている。このことから、車輪踏面位置検出部109は、撮像部101と反対側の車輪踏面203が第一検知位置302に位置しているように検出する。
図6の(c)は、車輪202が車輪位置701に達した状態を示す。この場合、第二検知位置303における第二検知部1032のレーザ光が車輪202によって遮断されなくなり、検知部103は、レール201上の第二検知位置303において車輪202の通過を検知したことを示す検知信号Bを制御部104に出力する(第二検知ステップ)。制御部104における車輪踏面位置検出部109は、検知部103から受信した検知信号B、および、制御部104における移動方向取得部108が取得した第二移動方向304に基づき、撮像部101側の車輪踏面203が第二検知位置303に位置しているように検出する。そこで、制御部104は、撮像部101によって撮像部101側の車輪踏面203の撮影を開始させる(制御ステップ)。撮像部101は、撮像部101側の車輪踏面203が撮影範囲301に位置している間、撮像部101側の車輪踏面203の撮影を実行し、撮影データを画像処理部105に出力する(撮像ステップ)。
図6の(d)は、車輪202が車輪位置702に到達し、撮像部101側の車輪踏面203が第一検知位置302に達した状態を示す。この場合、第一検知位置302における第一検知部1031のレーザ光が車輪202によって遮断され、検知部103は、レール201上の第一検知位置302において車輪202を検知したことを示す検知信号Aを制御部104に出力する(第一検知ステップ)。制御部104における車輪踏面位置検出部109は、検知部103から受信した検知信号A、および、移動方向取得部108が取得した第二移動方向304に基づき、撮像部101側の車輪踏面203が第一検知位置302に位置しているように検出する。そこで、制御部104は、撮像部101による撮像部101側の車輪踏面203の撮影を停止させる。
このように、車輪202の移動方向が第二移動方向304である場合であっても、撮影範囲301の両端の第一検知位置302および第二検知位置303において、レーザ光の遮断開始時および遮断終了時を検知する。これにより、撮影範囲301において撮像部101側の車輪踏面203の撮影を行うことができる。
(各移動方向における検知信号と撮影期間との関係)
以下に、実施形態1における検知信号と撮影期間との関係について図7を用いて説明する。図7は、各移動方向における検知信号と撮影期間との関係を示す図である。具体的には、図7は、各移動方向における第一検知位置302に配置された第一検知部1031の検知信号A、および、第二検知位置303に配置された第二検知部1032の検知信号を検知信号Bと、撮影範囲301に撮像部101側の車輪踏面203が位置している期間である撮影期間との関係を示す図(タイミングチャート)である。
図7における検知信号AおよびBのONおよびOFFは、それぞれ第一検知部1031および第二検知部1032の遮断状態および非遮断状態を示している。具体的には、車輪202によって第一検知部1031および第二検知部1032のレーザ光が遮断されている状態では検知信号AおよびBがONになり、車輪202によって第一検知部1031および第二検知部1032のレーザ光が遮断されていない状態では検知信号AおよびBがOFFになる。換言すれば、第一検知部1031が非遮断状態であり、OFFの場合は、第一非検知状態を示し、第一検知部1031が遮断状態であり、ONの場合は、第一検知状態を示している。また、第二検知部1032が非遮断状態であり、OFFの場合は、第二非検知状態を示し、第二検知部1032が遮断状態であり、ONの場合は、第二検知状態を示している。
移動方向取得部108は、先にONとなった検知信号に対応する検知部103からの検知信号に基づいて車輪202の移動方向を取得する。図7の(a)に示すように、車輪202の移動方向が撮像部101側に向かう第一移動方向207である場合は、先に検知信号AがONになり、次に検知信号BがONになる。また、図7に示すように、撮影範囲301に撮像部101側の車輪踏面203が位置している間の期間である撮影期間は、検知信号AがONになってから検知信号BがONとなるまでの間となる。第一検知位置302と第二検知位置303との位置関係および車輪202の移動速度によって撮影期間は変化する。例えば、車輪202の移動速度が遅い場合および第一検知位置302と第二検知位置303との間隔が広い場合は、検知信号AがONになるときと、検知信号BがONになるときとの時間の差は大きくなる。ただし、このような場合でも検知信号AがONとなったときから検知信号BがONになったときとの間に撮影範囲301に撮像部101側の車輪踏面203が位置していることは変わらない。そのため、車輪202の移動速度および第一検知位置302と第二検知位置303との間隔の変化によらず、撮像部101側の車輪踏面203が撮影範囲301に位置している撮影期間において撮影することができる。
図7の(b)に示すように、車輪202の移動方向が撮像部101側から遠ざかる第二移動方向304である場合は、先に検知信号BがONになり、次に検知信号AがONになる。撮像部101側における検知信号Bが先にONになった場合は、検知信号BがOFFになってから検知信号AがOFFになるまでの間に撮像部101側の車輪踏面203が撮影範囲301を通過する期間となる。そのため、撮影期間は、検知信号BがOFFとなってから検知信号AがOFFとなるまでの間となる。こちらも同様に、車輪202の移動速度および第一検知位置302と第二検知位置303との間隔の変化によらず、撮像部101側の車輪踏面203が撮影範囲301に位置している撮影期間において撮影することができる。
このように、車輪202の移動方向によらず、撮像部101、照明部102および検知部103などの配置を変更することなく、所望の車輪踏面203を撮影することができる。そのため、検査システム1の簡素化を図ることができる。また、撮影範囲301をどのように設定しても、その撮影範囲301内に撮影対象となる車輪踏面203が位置している間に車輪踏面203を撮影することができ、様々な撮像部101を検査システム1における撮像装置100に適用することができる。また、車輪202の移動速度および大きさに関わらず、どのような車輪202であっても、第一移動方向207および第二移動方向304に移動する車輪202の車輪踏面203をそれぞれ撮影することができる。
特に、車輪踏面203を連写撮影によって撮像することで複数枚の画像を取得する場合、全ての画像の被写体となる車輪踏面203が撮影に適した撮影範囲301において撮影された画像を取得できる。これにより、撮影範囲301を有効に活用することができる。例えば、撮影範囲301に撮像部101側の車輪踏面203が位置している間に車輪202が回転することで複数枚、車輪踏面203を撮影することができるため、より広い範囲において車輪踏面203の画像を取得することができる。
また、車輪202の周辺部品などによりレール201などの踏面を視認できる範囲が少ない場合は、1回の撮影で取得できる車輪踏面203の領域が狭い。これに対し、このように撮影に適した撮影範囲301に車輪踏面203が位置している間に複数枚の画像を取得することで、1つの撮像部101でも広い範囲の車輪踏面203を撮影することができる。そのため、必要な撮像部101の数を低減させることもできる。
〔変形例1〕
実施形態1に係る検査システム1では、制御部104は、夜間でも車輪踏面203を検査することができるように、検知部103から出力される検知信号に基づいて撮像部101と同様に照明部102を制御してもよい。換言すれば、制御部104は、検知部103の検知結果に基づいて照明部102を制御してもよい。以下に図8を用いて照明部102を配置した場合の検査システム1による車輪踏面203の撮影について説明する。図8は、照明部102を配置した場合の実施形態1に係る検査システム1による車輪踏面203の撮影を説明するための図である。具体的には、図8の(a)はレール201の鉛直上方から見た図であり、図8の(b)はレール201の側面方向から見た図である。
図8の(a)および(b)に示すように、照明部102は、撮影範囲301を照射する方向に光軸801が向くように配置され、撮影範囲301を移動中の車輪202の車輪踏面203を照射する。ここで、照明部102は、撮像部101によって撮影された車輪踏面203の撮影画像が検査に必要な明るさとなる光量および照明範囲を有するものとする。また、照明部102の照明は、車輪202の移動中に連続的に点灯するものでもよいし、撮像部101が撮影する瞬間にフラッシュによって点灯するものでもよい。照明部102がフラッシュによって点灯する場合は、点灯時間を短くすることができ、消費電力の低減および漏れ光による周辺への影響を低減させることができる。
また、フラッシュ点灯による照明の明滅が周辺環境に影響する場合は、照明部102は、撮影対象となる車輪踏面203が撮影範囲301に位置している間のみ照明を点灯するようになっていることが好ましい。この場合、照明部102の制御は、撮像部101の撮影の制御と同様に行われる。これは、図7に示す撮影期間だけ照明部102を点灯させることを意味する。このようにすることで、撮影に必要な期間だけ照明部102を点灯できるため、消費電力の低減および周辺環境への照明光の影響を低減することができる。
〔変形例2〕
また、上述の例では、検知部103は遮断式センサによって構成されているが、本実施形態ではこれに限定されない。本実施形態では、検知部103は反射型の物体検知センサ(反射型センサ)およびスイッチなど、車輪202が撮影範囲301を通過する際に撮影範囲301の両側において車輪踏面203が検知できるものであればよい。反射型センサとしては、例えば、照射したレーザ光が照射された物体からの反射光を受光することで車輪202を検知する反射型光電センサが挙げられる。この場合、反射型光電センサなどの反射型センサは、レール201の片側のみに配置される。
〔変形例3〕
また、上述の例では、移動方向取得部108が検知部103から出力された検知信号に基づき、車輪202の移動方向情報を取得しているが、本実施形態ではこれに限定されない。本実施形態では、検知部103が車輪202の移動方向を検知する検知センサであり、当該検知センサを撮影範囲301の両側に配置し、当該検知センサから移動方向情報を取得してもよい。このような場合であっても、上述の例と同様に移動方向情報および検知信号に基づき、車輪202の移動方向によらず、同じ撮影範囲301において車輪踏面203を撮影することができる。
〔変形例4〕
また、上述の例では、第一検知部1031および第二検知部1032は、それぞれ車輪202の真ん中の高さと同じ高さである第一検知位置302および第二検知位置303において車輪202を検知しているが、本実施形態ではこれに限定されない。本実施形態では、第一検知位置302および第二検知位置303は、車輪202の真ん中の高さと同じ高さでなくてもよい。例えば、第一検知部1031および第二検知部1032は、車輪202の真ん中の高さよりも低い検知位置または高い検知位置において、車輪202を検知してもよいし、線路上にある検知位置において車輪202を検知してもよい。この場合も、上述の例と同様に車輪踏面203を好適に撮影することができる。例えば、第一検知位置302および第二検知位置303が線路上にある場合、線路上に第一検知部1031および第二検知部1032をスイッチとして設置することによって、好適に車輪202を検知することができる。
〔変形例5〕
上述の例では、撮像部101は撮影範囲301において車輪踏面203を連続撮影しているが、本実施形態ではこれに限定されない。本実施形態では、撮像部101は、撮影範囲301において車輪踏面203を撮影できれば、連続撮影しなくてもよい。例えば、検知部103は、第一検知部1031から第二検知部1032までの撮影範囲301における第三検知位置(不図示)において車輪202を検知する1つ以上の第三検知部(不図示)をさらに備え、制御部104は、第三検知部の検知結果に基づいて、撮像部101に車輪踏面203を撮影させてもよい。例えば、制御部104は、車輪踏面203が第三検知部を通過するタイミングにおいて、撮像部101に車輪踏面203を撮影させてもよい。これにより、撮影範囲301における特定に位置においても車輪踏面203を好適に撮影することができる。
〔変形例6〕
上述の例では、撮像部101は、第一検知部1031および第二検知部1032のレーザ光の遮断が解除された場合に撮影を停止しているが、本実施形態ではこれに限定されない。本実施形態では、レーザ光の遮断が解除された後であっても、撮像部101は、車輪踏面203の撮影を一定時間継続してもよい。また、撮像部101は、第一検知部1031および第二検知部1032のレーザ光の遮断が解除された後、再びレーザ光が遮断されるまでの時間が短い場合には、車輪踏面203の撮影を継続してもよい。
例えば、車輪202の一部に開口がある場合には、開口をレーザ光が通ることにより車輪202が第一検知位置302および第二検知位置303などの検知位置を通過したと検知部103が誤判断して撮像部101が撮影を停止する可能性がある。これに対し、上述の構成によれば、車輪202の一部に開口がある場合であっても車輪202の撮影を継続することができる。また、検知部103が反射型センサである場合には、車輪202の表面の凸凹などに起因する誤検知によって撮影が停止されてしまう虞があるが、上述の構成によれば、誤検知による撮影の停止を防ぐことができる。
<実施形態2>
上述の実施形態1に係る検査システム1では、撮影範囲301において1つの車輪踏面203を撮影している。ただし、実施形態2に係る検査システム1aのように、撮影範囲301において複数の車輪踏面(第一車輪踏面203aおよび第二車輪踏面203b)を撮影してもよい。
以下、実施形態2に係る検査システム1a(不図示)について図9〜11を用いて説明する。なお、説明の便宜上、実施形態1にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
〔検査システム1a〕
検査システム1aは、実施形態1に係る検査装置10の代わりに検査装置10a(不図示)を備えている。この点以外は、検査システム1aは、実施形態1に係る検査システム1と同様の構成である。
〔検査装置10a〕
検査装置10aは、実施形態1に係る撮像装置100の代わりに、撮像装置100aを備えている。この点以外は、検査装置10aは、実施形態1に係る撮像装置100と同様の構成である。
〔撮像装置100a〕
撮像装置100aは、実施形態1における撮像部101の代わりに複数の撮像部から構成される撮像部101aを備えている。この点以外は、検査装置10aは、実施形態1における検査装置10と同様の構成である。
[撮像部101a]
撮像部101aは、第一撮像部(撮像部)1011および第二撮像部(撮像部)1012を備えている。第一撮像部1011は第一車輪(車輪)202aを撮影し、第二撮像部1012は第二車輪(車輪)202bを撮影する。また、撮像部101aにおける第一撮像部1011および第二撮像部1012は、第一検知位置から第二検知位置までの撮影範囲(第一撮影範囲)301において、線路上を通過する車輪踏面203を撮影するようにそれぞれ配置されている。
また、上述の例では、撮像部101aは2つの撮像部を備えているが、本実施形態ではこれに限定されない。本実施形態では、撮像部101aは3つ以上の撮像部を備えていてもよい。また、撮像部101aにおける第一撮像部1011および第二撮像部1012のように、複数の撮像部101aのうちの少なくとも2つの撮像部101aは、車輪202が移動するレール201に対して互いに反対側に配置されていることが好ましい。これにより、より好適に車輪踏面203を撮影することができる。
〔検査システム1aによる車輪踏面203の撮影〕
次に、実施形態2に係る検査システム1aによる車輪踏面203の撮影(撮像装置100aの制御方法)について図9〜11を用いて説明する。
図9は、実施形態2に係る検査システム1aによる車輪踏面203の撮影について説明するための図である。具体的には、図9は、撮像部101aによる、第一レール201aおよび第二レール201b上を移動する第一車輪202aおよび第二車輪202bの第一車輪踏面(車輪踏面)203aおよび第二車輪踏面(車輪踏面)203bの撮影について説明するための図である。また、図9は、第一レール201aおよび第二レール201bの鉛直上方から見た図を示している。
図9の(a)および(b)に示すように、車輪202を構成する第一車輪202aと第二車輪202bとは、中央の軸によって固定されている。第一車輪202aおよび第二車輪202bは、レール201を構成する第一レール201aおよび第二レール201bをそれぞれ同時に移動する。実施形態2に係る検査システム1aでは、第一撮像部1011および第二撮像部1012は、第一車輪202aおよび第二車輪202bが撮影範囲301を通過する際に第一車輪踏面203aおよび第二車輪踏面203bを同時に撮影する。
図9の(a)および(b)は第一車輪202aおよび第二車輪202bが第一撮像部1011および第二撮像部1012に向かって第一移動方向207に移動している様子を示している。図9の(a)および(b)では、第一車輪202aの第一車輪踏面203aおよび第二車輪202bの第二車輪踏面203bを撮影するために、撮像部101aは第一撮像部1011および第二撮像部1012から構成される。また、第一撮像部1011および第二撮像部1012は、それぞれ第一レール(移動経路)201aおよび第二レール(移動経路)201b上であって、撮影範囲301の両側に配置され、第一レール201aおよび第二レール201bに対して撮影範囲301に向くように角度をつけて配置される。この場合、第一撮像部1011および第二撮像部1012は、光軸が光軸209aおよび光軸209bを向くようにそれぞれ配置される。
図9の(a)および(b)に示すように、検知部103と撮影範囲301と車輪202との配置関係は実施形態1と同様である。また、図9の(a)および(b)に示すように、第二撮像部1012は、第二撮像部1012の撮影方向が撮影範囲301に一致するように配置される。
以下、検査システム1aにおける第一撮像部1011および第二撮像部1012による第一車輪踏面203aおよび第二車輪踏面203bの撮影動作(撮像装置100aの制御方法)について図9〜11を用いて説明する。図9の(a)は、第一車輪202aおよび第二車輪202bが、第一撮像部1011および第二撮像部1012に向かって第一移動方向207に移動しており、第一撮像部1011および第二撮像部1012側の第一車輪踏面203aおよび第二車輪踏面203bが第一検知位置302に達した状態を示している。これにより、第一レール201aおよび第二レール201b上の第一検知部1031間のレーザ光が第一車輪202aおよび第二車輪202bによって遮断され、検知信号AがONになる。検知部103は検知信号Aを制御部104に出力する(第一検知ステップ)。
制御部104における移動方向取得部108は、検知部103から受信した検知信号Aに基づき、移動方向情報として、撮像部101a(第一撮像部1011および第二撮像部1012)側に向かって第一車輪202aおよび第二車輪202bが移動する第一移動方向207を示す移動方向情報を取得する。制御部104における車輪踏面位置検出部109は、受信した検知信号Aおよび取得した移動方向情報から、撮像部101a側の第一車輪踏面203aおよび第二車輪踏面203bが、第一レール201aおよび第二レール201b上の第二検知位置303に達し、撮影範囲301内に進入したことを検出する(第二検知ステップ)。制御部104は、撮影対象となる撮像部101a側の第一車輪踏面203aおよび第二車輪踏面203bが撮影範囲301内に進入したことを示す検出結果を受け、撮像部101aに撮影を開始させる(制御ステップ)。撮像部101aを構成する第一撮像部1011および第二撮像部1012は、第一車輪踏面203aおよび第二車輪踏面203bが撮影範囲301に位置する間、第一車輪踏面203aおよび第二車輪踏面203bの撮影を行う。第一撮像部1011および第二撮像部1012は、取得した画像データを画像処理部105に出力する(撮像ステップ)。
図9の(b)は、第一車輪202aおよび第二車輪202bがさらに移動し、撮像部101a側の第一車輪踏面203aおよび第二車輪踏面203bが第二検知位置303に達した状態を示している。これにより、第一レール201aおよび第二レール201b上の第二検知部1032間のレーザ光が第一車輪202aおよび第二車輪202bによって遮断される。検知部103は、第二検知位置303において第一車輪202aおよび第二車輪202bを検知したことを示し、ONになった検知信号Bを制御部104に出力する。車輪踏面位置検出部109は受信した検知信号Bと移動方向情報とに基づき、撮像部101a側の第一車輪踏面203aおよび第二車輪踏面203bが第二検知位置303に達し、撮影範囲301外に出て行ったことを検出する。制御部104は、車輪踏面位置検出部109による、撮像部101a側の第一車輪踏面203aおよび第二車輪踏面203bが撮影範囲301外に出て行くという検出結果を受ける。制御部104は、当該検出結果に基づき、第一撮像部1011および第二撮像部1012による撮影を終了させる(制御ステップ)。このように、第一車輪202aおよび第二車輪202bの移動方向が第一移動方向207である場合、撮影範囲301内に撮影対象となる撮像部101a側の第一車輪踏面203aおよび第二車輪踏面203bが位置している間において撮影が実行される。
次に、移動方向が第一移動方向207とは逆の場合における検査システム1aによる車輪踏面203の撮影動作の流れについて図10を用いて説明する。図10は、実施形態2に係る検査システム1aによる車輪踏面203の撮影について説明するための図である。
図10の(a)は、第一車輪202aおよび第二車輪202bが、撮像部101a(第一撮像部1011および第二撮像部1012)側から第二移動方向304に移動し、撮像部101a側と反対側の第一車輪踏面203aおよび第二車輪踏面203bが第二検知位置303に達した状態を示している。この場合、第二検知部1032のレーザ光が車輪202によって遮断され、検知部103は、第一レール201aおよび第二レール201b上の第二検知位置303において車輪202を検知したことを示す検知信号Bを制御部104に出力する。制御部104における車輪踏面位置検出部109は、検知部103から受信した検知信号Bから車輪202の移動方向および撮像部101a側の第一車輪踏面203aおよび第二車輪踏面203bの位置を検知する。この場合、移動方向取得部108は、撮像部101a側の第二検知位置303における第二検知部1032から検知信号Bを受信するため、撮像部101a側から遠ざかる第二移動方向304に車輪202が移動しているという移動方向情報を取得する。また、制御部104における車輪踏面位置検出部109は、移動方向情報が示す第二移動方向304および車輪検知状態から、第二検知位置303において検知されたのは撮像部101aと反対側の第一車輪踏面203aおよび第二車輪踏面203bであるように検出する。そのため、制御部104は、撮像部101に撮影を行わせない。
図10の(b)は、第一車輪202aおよび第二車輪202bがさらに移動し、第二検知位置303においてレーザ光が撮像部101a側の車輪202によって遮断され、検知信号BがOFFになった状態を示している。この場合、検知部103は、第一レール201aおよび第二レール201b上の第二検知位置303において第一車輪202aおよび第二車輪202bを検知したことを示し、OFFになった検知信号Bを制御部104に出力する(第二検知ステップ)。OFFになった検知信号Bを受信した制御部104における車輪踏面位置検出部109は、移動方向が第二移動方向304であることから、撮像部101a側の第一車輪踏面203aおよび第二車輪踏面203bが第二検知位置303を通過し、撮影範囲301内に進入したことを検出する。制御部104は、車輪踏面位置検出部109による、撮像部101a側の第一車輪踏面203aおよび第二車輪踏面203bが撮影範囲301内に進入したことを示す検出結果を受け、第一撮像部1011および第二撮像部1012による撮影を開始させる(制御ステップ)。第一撮像部1011および第二撮像部1012は、撮像部101a側の第一車輪踏面203aおよび第二車輪踏面203bが撮影範囲301に位置する間、撮像部101a側の第一車輪踏面203aおよび第二車輪踏面203bの撮影を行い、取得した画像データを画像処理部105に出力する(撮像ステップ)。
図10の(c)は、第一車輪202aおよび第二車輪202bがさらに移動し、撮像部101a側の第一車輪踏面203aおよび第二車輪踏面203bが第一検知位置302に達した状態を示している。この場合、第一検知位置302における第一検知部1031のレーザ光の遮断が無くなり、検知信号AがOFFになる。検知部103は、第一レール201aおよび第二レール201b上の第一検知位置302において第一車輪202aおよび第二車輪202bを検知したことを示し、OFFになった検知信号Aを制御部104に出力する(第一検知ステップ)。OFFになった検知信号Bを受信した制御部104における車輪踏面位置検出部109は、移動方向が第二移動方向304であることから、撮像部101a側の第一車輪踏面203aおよび第二車輪踏面203bが第一検知位置302を通過し、撮影範囲301外に出て行ったことを検出する。制御部104は、車輪踏面位置検出部109による、撮像部101a側の第一車輪踏面203aおよび第二車輪踏面203bが撮影範囲301外に出て行ったことを示す検出結果を受け、第一撮像部1011および第二撮像部1012による撮影を停止させる。
このように、第一車輪202aおよび第二車輪202bの移動方向によらず、撮影範囲301の両端の第一検知位置302および第二検知位置303において、レーザ光の遮断開始時および遮断終了時を検知する。これにより、撮影範囲301において第一車輪踏面203aおよび第二車輪踏面203bの撮影を行うことができる。なお、検知信号AおよびBと撮影期間との関係については図7と同様になるため、説明を省略する。
また、上述の例では、第一車輪202aおよび第二車輪202bのそれぞれが第一レール201aおよび第二レール201b上を移動する場合に、第一レール201aおよび第二レール201bの両側に、共通の撮影範囲301を有するように第一撮像部1011および第二撮像部1012を配置し、共通する検知部103によってこれらの撮像部の撮影を制御する。これにより、第一車輪202aおよび第二車輪202bの移動方向が第一移動方向207および第二移動方向304のいずれであっても、検査システム1aを複雑にすることなく、撮影範囲301内における撮影対象となる第一車輪踏面203aおよび第二車輪踏面203bが位置する間、これらの車輪踏面を好適に撮影することができる。
〔変形例1〕
実施形態2に係る検査システム1では、夜間でも第一車輪踏面203aおよび第二車輪踏面203bを検査することができるように、検知部103から出力される検知信号に基づいて撮像部101aと同様に照明部102を制御してもよい。以下に図11を用いて照明部102を配置した場合の検査システム1aによる第一車輪踏面203aおよび第二車輪踏面203bの撮影について説明する。図11は、照明部102を配置した場合の実施形態2に係る検査システム1aによる車輪踏面203の撮影を説明するための図である。具体的には、図11の(a)は第一レール201aおよび第二レール201bの鉛直上方から見た図であり、図11の(b)は第一レール201aおよび第二レール201bの側面方向から見た図である。ここで、実施形態2では、照明部102は第一照明部102aおよび第二照明部102bから構成されている。
図11の(a)および(b)に示すように、第一照明部102aおよび第二照明部102bは、撮影範囲301を移動中の第一車輪202aの第一車輪踏面203aおよび第二車輪202bの第二車輪踏面203bそれぞれが明るく撮影されるように照射光を照射する。
第一照明部102aは、撮影範囲301を移動する第一車輪202aの第一車輪踏面203aを照射する方向である光軸801aを向くように配置される。また、第二照明部102bは、撮影範囲301を移動する第二車輪202bの第二車輪踏面203bを照射する方向である光軸801bを向くように配置される。
ここで、第一照明部102aおよび第二照明部102bは、第一撮像部1011および第二撮像部1012によって撮影された第一車輪踏面203aおよび第二車輪踏面203bの撮像画像が検査に必要な明るさとなる光量および照明範囲を有するものとする。また、第一照明部102aおよび第二照明部102bの照明は、第一車輪202aおよび第二車輪202bの移動中に連続的に点灯するものでもよいし、第一撮像部1011および第二撮像部1012が撮影する瞬間にフラッシュによって点灯するものでもよい。第一照明部102aおよび第二照明部102bがフラッシュによって点灯する場合は、点灯時間を短くすることができ、消費電力の低減および漏れ光による周辺への影響を低減させることができる。
また、フラッシュ点灯による照明の明滅が周辺環境に影響する場合は、照明部102は、撮影対象となる第一車輪踏面203aおよび第二車輪踏面203bが撮影範囲301に位置している間のみ照明を点灯するようになっていることが好ましい。この場合、第一照明部102aおよび第二照明部102bの制御は、第一撮像部1011および第二撮像部1012の撮影の制御と同様に行われる。これは、図7に示す撮影期間だけ照明部102を点灯させることを意味する。このようにすることで、撮影に必要な期間だけ第一照明部102aおよび第二照明部102bを点灯できるため、消費電力の低減および周辺環境への照明光の影響を低減することができる。
〔変形例2〕
また、上述の例では、検知部103は遮断式センサによって構成されているが、本実施形態ではこれに限定されない。本実施形態では、検知部103は反射型の物体検知センサ(反射型センサ)など、第一車輪202aおよび第二車輪202bが撮影範囲301を通過する際に撮影範囲301の両側における第一車輪踏面203aおよび第二車輪踏面203bが検知できるものであればよい。反射型センサの例としては、照射したレーザ光が照射された物体からの反射光を受光することで第一車輪202aおよび第二車輪202bを検知する反射型光電センサがある。この場合、反射型光電センサなどの反射型センサは、第一レール201aまたは第二レール201bの片側のみに配置される。
〔変形例3〕
また、上述の例では、移動方向取得部108が検知部103から出力された検知信号に基づき、第一車輪202aおよび第二車輪202bの移動方向情報を取得しているが、本実施形態ではこれに限定されない。本実施形態では、検知部103が第一車輪202aおよび第二車輪202bの移動方向を検知する検知センサであり、当該検知センサを撮影範囲301の両側に配置し、当該検知センサから移動方向情報を取得してもよい。このような場合であっても、上述の例と同様に移動方向情報および検知信号に基づき、第一車輪202aおよび第二車輪202bの移動方向によらず、同じ撮影範囲301において第一車輪踏面203aおよび第二車輪踏面203bを撮影することができる。
〔変形例4〕
また、上述の例では、第一検知部1031および第二検知部1032は、それぞれ車輪202の真ん中の高さと同じ高さに設置されているが、本実施形態ではこれに限定されない。本実施形態では、第一検知部1031および第二検知部1032は、第一検知位置302および第二検知位置303それぞれにおいて車輪202を検知できれば、車輪202の真ん中の高さと同じ高さでなくてもよい。例えば、第一検知部1031および第二検知部1032は、車輪202の真ん中の高さよりも低い高さであってもよいし、高い高さであってもよい。この場合も、上述の例と同様に車輪踏面203を好適に撮影することができる。
〔変形例5〕
上述の例では、撮像部101aは撮影範囲301において車輪踏面203を連続撮影しているが、本実施形態ではこれに限定されない。本実施形態では、撮像部101aは、撮影範囲301において車輪踏面203を撮影できれば、連続撮影しなくてもよい。これによっても、車輪踏面203を好適に撮影することができる。
<実施形態3>
実施形態3では、鉄道車両の車輪踏面の撮影を例にレール方向に複数個の車輪が配置された場合の車輪踏面の撮影について説明する。
図12は実施形態3における鉄道車両(車両1301)および台車1302の概略構成を示す図である。具体的には、図12の(a)は複数台の鉄道車両が連接された列車において、そのうち1つの車両1301の全体図を示す。通常、車両1301は、第一台車1302aおよび第二台車1302bから構成される台車1302を備え、第一台車1302aおよび第二台車1302bは、それぞれ2組の車輪を有する。第一台車1302aおよび第二台車1302bのそれぞれの車輪はレール201上に接触している。図12の(b)は第一台車1302aをより詳細に示した図である。図12に示すように、第一車輪(車輪)1303aおよび第二車輪(車輪)1303bの2つの車輪から構成される車輪1303は、車両1301の下に備えられた台車1304によって固定されている。第一台車1302aには様々な周辺部品が取り付けられており、特に第一車輪1303aおよび第二車輪1303bの内側(間)に多数の部品が配置されている場合が多い。例えば、第一車輪1303aおよび第二車輪1303bの移動速度を減速させるためのブレーキである制輪子1305、すなわち、第一制輪子1305aおよび第二制輪子1305bが、それぞれ第一車輪踏面1306aおよび第二車輪踏面1306bの近傍にあり、第一車輪1303aおよび第二車輪1303bの内側の第一車輪踏面1306aおよび第二車輪踏面1306bから構成される車輪踏面1306は視認できる領域が少ない。第一車輪1303aおよび第二車輪1303bの内側の第一車輪踏面1306aおよび第二車輪踏面1306bを撮影しようとすると、第一車輪踏面1306aおよび第二車輪踏面1306b全周を撮影する際の撮影回数が多くなったり、照明光を照射する際に周辺部品によって第一車輪踏面1306aおよび第二車輪踏面1306bに影ができて検査に影響が生じたりする可能性がある。そのため、第一車輪踏面1306aおよび第二車輪踏面1306bを撮影する場合には、第一台車1302aの外側の方向の第一車輪1303aおよび第二車輪1303bを撮影することが好ましい。これにより、第一車輪1303aの第一車輪踏面1306aおよび第二車輪1303bの第二車輪踏面1306bを好適に撮影することができる。
実施形態3では、このような第一車輪1303aおよび第二車輪1303bによって第一車輪踏面1306aおよび第二車輪踏面1306bを撮影可能な方向が存在する場合において、車両1301が通過する際に台車1304に取付けられた第一車輪1303aおよび第二車輪1303bの第一車輪踏面1306aおよび第二車輪踏面1306bを台車1304の両方向(外側)から撮影する検査システム1bを例に説明する。
〔検査システム1b〕
図13は、実施形態3に係る検査システム1bの概略構成を示す機能ブロック図である。図13に示すように、検査システム1bは、実施形態1に係る検査装置10の代わりに、検査装置10bを備えている。この点以外は、検査システム1bは、実施形態1に係る検査システム1と同様の構成である。
〔検査装置10b〕
検査装置10bは、実施形態1に係る撮像装置100の代わりに、撮像装置100bを備えている。この点以外は、検査装置10bは、実施形態1に係る検査装置10と同様の構成である。
〔撮像装置100b〕
撮像装置100bは、実施形態1における撮像部101および制御部104の代わりに、撮像部101aおよび制御部104bを備えている。この点以外は、撮像装置100bは、実施形態1に係る撮像装置100と同様の構成である。
[制御部104b]
制御部104bは、実施形態1における車輪踏面位置検出部109の代わりに、車輪踏面位置検出部109bを備えている。この点以外は、制御部104bは、実施形態1における制御部104と同様の構成である。
(車輪踏面位置検出部109b)
車輪踏面位置検出部109bは、車輪判定部1091を備えている。車輪判定部1091は、第一検知位置302または第二検知位置303において、第一車輪1303aおよび第二車輪1303bのいずれの車輪が検知されたのかを判定する。これにより、制御部104bは、車輪判定部1091の判定結果に基づいて、撮像部101aに車輪踏面をより好適に撮影させることができる。
ここで、第一車輪1303aおよび第二車輪1303bのうちの1つの車輪が第一検知位置302および第二検知位置303のいずれかを通過したとする。この場合、当該車輪が当該検知位置を通過し始める際に検知信号がONになり、通過し終えた際に検知信号がOFFになる。そのため、車輪判定部1091は第一検知位置302および第二検知位置303のそれぞれにおいて検知信号AおよびBのONおよびOFFの回数をそれぞれカウントする。そして、車輪判定部1091は、何番目の車輪、すなわち、第一車輪1303aおよび第二車輪1303bのいずれが第一検知位置302または第二検知位置303を通過しているかを判定する。
〔検査システム1bによる車輪踏面1306の撮影〕
次に、実施形態3に係る検査システム1bによる車輪踏面1306の撮影について図14〜16を用いて説明する。
(検査システム1bにおける撮影範囲301と車輪1303との位置関係)
まず、実施形態3に係る検査システム1bにおける撮影範囲301と車輪1303との位置関係について図14を用いて説明する。図14は、実施形態3に係る検査システム1bによる車輪踏面1306の撮影について説明するための図である。図14の(a)は、レール201上を第一移動方向207に移動している台車1304における第一車輪1303aおよび第二車輪1303bを撮影する様子について、レール201の鉛直上方から見た図を示している。図14の(a)に示すように、台車1304には第一車輪1303aおよび第二車輪1303bが取り付けられており、移動している。撮像部101aは第一撮像部1011および第二撮像部1012から構成されている。第一撮像部1011および第二撮像部1012は、光軸がそれぞれ光軸209aおよび光軸209cであり、レール201が伸びる方向に沿って互いに向き合うように配置されている。この場合、第一撮像部1011および第二撮像部1012は、共通の撮影範囲301を有するように配置されている。すなわち、実施形態3では、第一撮像部1011および第二撮像部1012は、撮影範囲301に対して互いに反対側に配置されている。第一撮像部1011は第一車輪1303aの第一車輪踏面1306aを撮影し、第二撮像部1012は第二車輪1303bの第二車輪踏面1306bを撮影する。このように、第一撮像部1011および第二撮像部1012が、撮影範囲301に対して互いに反対側に配置されていることで、第一車輪踏面1306aおよび第二車輪踏面1306bを好適に撮影することができる。
(検査システム1bによる車輪踏面1306の撮影)
次に、検査システム1bによる車輪踏面1306の撮影動作の流れ(撮像装置100bの制御方法)について、図14の(b)〜図16を用いて説明する。
図14の(b)は、第一移動方向207に移動する台車1304における第一車輪1303aの第一車輪踏面1306aが第一検知位置302に達した状態を示している。この場合、第一車輪1303aによって、レール201上の第一検知部1031間のレーザ光が遮断され、検知信号AがONになる(第一検知ステップ)。検知部103は、第一検知位置302において第一車輪1303aを検知したことを示し、ONになった検知信号Aを制御部104bに出力する。
制御部104bにおける移動方向取得部108は、第二検知位置303よりも先に第一検知位置302における第一検知部1031から検知信号Aを受信したため、第一移動方向207に第一車輪1303aが移動しているという移動方向情報を取得する。また、制御部104bにおける車輪踏面位置検出部109bは、検知部103から受信したONになった検知信号A、移動方向情報が示す第一移動方向207および車輪判定部1091の判定結果に基づき、第一車輪踏面1306aおよび第二車輪踏面1306bのいずれが第一検知位置302に達したのかを判定する。具体的には、車輪踏面位置検出部109bにおける車輪判定部1091は、第一検知位置302において何番目の車輪、すなわち、第一車輪1303aおよび第二車輪1303bのいずれが検知されたのかを判定する。ここでは、第一検知位置302において検知信号Aが1回目にONになったため、車輪判定部1091は、第一移動方向207に対して1個目の車輪である第一車輪1303aを検知したように判定する。このことから、車輪踏面位置検出部109bは、第一撮像部1011側の第一車輪踏面1306aが第一検知位置302に達し、撮影範囲301に進入したことを検出する。制御部104bは、第一撮像部1011側の第一車輪踏面13061aが第一検知位置302において検知され、撮影範囲301に進入したことを示す検出結果を受け、第一撮像部1011による第一撮像部1011側の第一車輪踏面13061aの撮影を開始させる(制御ステップ)。第一車輪踏面1306aが撮影範囲301内に位置する間は、第一撮像部1011は、連続的に第一撮像部1011側の第一車輪踏面13061aの撮影を行い、取得した画像データを画像処理部105へと出力する(撮像ステップ)。
図14の(c)は、台車1304における第一車輪1303aおよび第二車輪1303bがさらに移動し、第一撮像部1011側の第一車輪踏面13061aが第二検知位置303に達した状態を示している。これにより、レール201上の第二検知部1032間のレーザ光が第一車輪1303aによって遮断され、検知信号BがONになる(第二検知ステップ)。検知部103は、第二検知位置303において第一車輪1303aを検知したことを示し、ONになった検知信号Bを制御部104bに出力する。車輪踏面位置検出部109bは、検知部103から受信したONになった検知信号B、移動方向情報が示す第一移動方向207および車輪判定部1091の判定結果に基づき、第一車輪踏面1306aおよび第二車輪踏面1306bのいずれが第二検知位置303に達したのかを判定する。ここでは、第二検知位置303において検知信号Bが1回目にONになったため、車輪判定部1091は、第一移動方向207に対して1個目の車輪である第一車輪1303aを検知したように判定する。このことから、車輪踏面位置検出部109bは、第一撮像部1011側の第一車輪踏面1306aが第二検知位置303に達し、撮影範囲301を出て行ったことを検出する。制御部104bは、第一撮像部1011側の第一車輪踏面13061aが第二検知位置303において検知され、撮影範囲301を出て行ったことを示す検出結果を受け、第一撮像部1011による第一車輪踏面1306aの撮影を停止させる。
図14の(d)は、台車1304における第一車輪1303aおよび第二車輪1303bがさらに移動し、第二撮像部1012側の第二車輪踏面13062bが第一検知位置302に達した状態を示している。これにより、第一検知位置302における第二車輪1303bによるレール201上の第一検知部1031間のレーザ光の遮断が終了し、検知信号AがOFFになる(第一検知ステップ)。検知部103は、第一検知位置302においてOFFになった検知信号Aを制御部104bに出力する。車輪踏面位置検出部109bは、検知部103から受信したOFFになった検知信号A、移動方向情報が示す第一移動方向207および車輪判定部1091の判定結果に基づき、第一車輪踏面1306aおよび第二車輪踏面1306bのいずれが第一検知位置302に達したのかを判定する。ここでは、第一検知位置302において検知信号Aが2回目にOFFになったため、車輪判定部1091は、第一移動方向207に対して2個目の車輪である第二車輪1303bを検知したように判定する。このことから、車輪踏面位置検出部109bは、第二撮像部1012側の第二車輪踏面1306bが第一検知位置302に達し、撮影範囲301に進入したことを検出する。制御部104bは、車輪踏面位置検出部109bによる、第二撮像部1012側の第二車輪踏面13062bが撮影範囲301内に進入したことを示す検出結果を受け、第二撮像部1012による撮影を開始させる(制御ステップ)。第二車輪踏面1306bが撮影範囲301内に位置する間は、第二撮像部1012は、連続的に第二撮像部1012側の第二車輪踏面13062bの撮影を行い、取得した画像データを画像処理部105へと出力する(撮像ステップ)。
図14の(e)は、台車1304における第一車輪1303aおよび第二車輪1303bがさらに移動し、第二撮像部1012側の第二車輪踏面1306bが第二検知位置303に達した状態を示している。これにより、第二検知位置303における第二車輪1303bによるレール201上の第二検知部1032間のレーザ光の遮断が終了し、検知信号BがOFFになる(第二検知ステップ)。検知部103は、第二検知位置303においてOFFになった検知信号Bを制御部104bに出力する。車輪踏面位置検出部109bは、検知部103から受信したOFFになった検知信号B、移動方向情報が示す第一移動方向207および車輪判定部1091の判定結果に基づき、第一車輪踏面1306aおよび第二車輪踏面1306bのいずれが第二検知位置303に達したのかを判定する。ここでは、第二検知位置303において検知信号Bが2回目にOFFになったため、車輪判定部1091は、第一移動方向207に対して2個目の車輪である第二車輪1303bを検知したように判定する。このことから、車輪踏面位置検出部109bは、第二撮像部1012側の第二車輪踏面13062bが第二検知位置303に達し、撮影範囲301から出て行ったことを検出する。制御部104bは、車輪踏面位置検出部109bによる、第二撮像部1012側の第二車輪踏面13062bが撮影範囲301から出て行くという検出結果を受け、第二撮像部1012による撮影を停止させる。このようにして、第一車輪1303aの第一車輪踏面1306aおよび第二車輪1303bの第二車輪踏面1306bの撮影を行うことができる。
ここで、レール201が伸びる方向と平行な方向に撮影範囲301を中心に第一撮像部1011と第二撮像部1012とが互いに向き合うように配置されている。このことから、移動方向が第一移動方向207の逆方向である第二移動方向304の場合でも、第一車輪1303aおよび第二車輪1303bの移動方向である第二移動方向304側から撮影が行われる。移動方向が第二移動方向304の場合、まず、第二撮像部1012による第二車輪踏面1306bの撮影を行った後に、第一撮像部1011による第一車輪踏面1306aの撮影を行う。これ以外、移動方向が第一移動方向207である場合と同様の制御によって、第一車輪1303aの第一車輪踏面1306aおよび第二車輪1303bの第二車輪踏面1306bの撮影を行うことができる。
(各移動方向における検知信号と撮影期間との関係)
以下に、検知信号と撮影期間との関係について図15を用いて説明する。図15は、各移動方向における検知信号と撮影期間との関係を示す図である。
台車1304における第一車輪1303aおよび第二車輪1303bの移動方向が第一移動方向207であるとする。この場合、検知信号AがONになってから検知信号BがONになるまでの間、第一車輪1303aの第一車輪踏面1306aが撮影範囲301に位置し、検知信号Aが2回目にOFFになってから検知信号Bが2回目にOFFになるまでの間、第二車輪1303bの第二車輪踏面1306bが撮影範囲301に位置する。また、第一撮像部1011および第二撮像部1012は、台車1304の外側から第一車輪踏面1306aおよび第二車輪踏面1306bをそれぞれ撮影する。そのため、図15の(a)に示すように、第一車輪踏面1306aが撮影範囲301に位置する間が第一撮像部1011による撮影期間となり、第二車輪踏面1306bが撮影範囲301に位置する間が第二撮像部1012による撮影期間となる。
台車1304における第一車輪1303aおよび第二車輪1303bの移動方向が第一移動方向207の逆の第二移動方向304であるとする。この場合、先に検知信号BがONになるため、検知信号BがONになってから検知信号AがONになるまでの間、第二車輪1303bの第二車輪踏面1306bが撮影範囲301に位置し、検知信号Bが2回目にOFFになってから検知信号Aが2回目にOFFになるまでの間、第一車輪1303aの第一車輪踏面1306aが撮影範囲301に位置する。また、第一撮像部1011および第二撮像部1012は、台車1304の外側から第一車輪踏面1306aおよび第二車輪踏面1306bをそれぞれ撮影する。そのため、図15の(b)に示すように、第二車輪踏面1306bが撮影範囲301に位置する間が第二撮像部1012による撮影期間となり、第一車輪踏面1306aが撮影範囲301に位置する間が第一撮像部1011による撮影期間となる。
このように、第一車輪1303aおよび第二車輪1303bの移動方向によらず、複数の車輪が撮影範囲301を通過する場合でも、第一車輪1303aおよび第二車輪1303bの各車輪における撮影される側の第一車輪踏面1306aおよび第二車輪踏面1306bがいつ撮影範囲301に位置しているのかを検知できる。また、それに合わせて第一撮像部1011および第二撮像部1012を制御することで、検査対象とする第一車輪踏面1306aおよび第二車輪踏面1306bをそれぞれ好適に撮影することができる。
〔変形例1〕
上述の例では、第一車輪1303aおよび第二車輪1303bの2つの車輪は、レール201が伸びる方向に並んで配置されている。また、それぞれの車輪に対して向き合う方向から第一車輪踏面1306aおよび第二車輪踏面1306bの撮影を行う場合について説明している。ただし、実施形態3では、第一検知位置302または第二検知位置303において、複数の車輪踏面1306のうち、いずれの車輪踏面1306が検知されたのかを判定することができる。そのため、車輪1303が3つ以上の車輪から構成されていても、当該車輪1303の移動方向に関わらず、任意の移動方向における車輪踏面1306を撮影することができる。
例えば、車輪1303が3つある場合、左端の車輪踏面および真ん中の車輪踏面を第一撮像部1011によって撮影し、右端の車輪踏面を第二撮像部1012によって撮影してもよい。また、左端の車輪の車輪踏面を第一撮像部1011によって撮影し、真ん中および右端の車輪踏面を第二撮像部1012によって撮影してもよい。また、真ん中の車輪を第一撮像部1011および第二撮像部1012の両方から撮影してもよい。このように、車輪1303が3つ以上ある場合には、第一撮像部1011および第二撮像部1012から等距離にある車輪1303があっても、第一撮像部1011および第二撮像部1012のいずれによって車輪1303を撮影するのかを任意に決定してもよい。この場合も、上述の例と同様に各々の車輪1303の車輪踏面1306を好適に撮影することができる。
〔変形例2〕
実施形態3に係る検査システム1bでは、夜間でも第一車輪踏面1306aおよび第二車輪踏面1306bを検査することができるように、検知部103から出力される検知信号に基づいて撮像部101aと同様に照明部102を制御してもよい。以下に図16を用いて照明部102を配置した場合の検査システム1bによる第一車輪踏面1306aおよび第二車輪踏面1306bの撮影について説明する。図16は、照明部102を配置した場合の実施形態3に係る検査システム1bによる車輪踏面1306の撮影を説明するための図である。具体的には、図16の(a)はレール201の鉛直上方から見た図であり、図16の(b)はレール201の側面方向から見た図である。ここで、実施形態3では、照明部102は第一照明部102aおよび第二照明部102bから構成されている。
図16の(a)および(b)に示すように、第一照明部102aおよび第二照明部102bは、撮影範囲301を移動中の第一車輪1303aの第一車輪踏面1306aおよび第二車輪1303bの第二車輪踏面1306bそれぞれが明るく撮影されるように照射光を照射する。
第一照明部102aは、撮影範囲301を移動する第一車輪1303aの第一車輪踏面1306aを照射する方向である光軸801aを向くように配置される。また、第二照明部102bは、撮影範囲301を移動する第二車輪1303bの第二車輪踏面1306bを照射する方向である光軸801cを向くように配置される。
ここで、第一照明部102aおよび第二照明部102bは、第一撮像部1011および第二撮像部1012によって撮影された第一車輪踏面1306aおよび第二車輪踏面1306bの撮像画像が検査に必要な明るさとなる光量および照明範囲を有するものとする。また、第一照明部102aおよび第二照明部102bの照明は、第一車輪1303aおよび第二車輪1303bの移動中に連続的に点灯するものでもよいし、第一撮像部1011および第二撮像部1012が撮影する瞬間にフラッシュによって点灯するものでもよい。第一照明部102aおよび第二照明部102bがフラッシュによって点灯する場合は、点灯時間を短くすることができ、消費電力の低減および漏れ光による周辺への影響を低減させることができる。
また、フラッシュ点灯による照明の明滅が周辺環境に影響する場合は、照明部102は、撮影対象となる第一車輪踏面1306aおよび第二車輪踏面1306bが撮影範囲301に位置している間のみ照明を点灯するようになっていることが好ましい。この場合、第一照明部102aおよび第二照明部102bの制御は、第一撮像部1011および第二撮像部1012の撮影の制御と同様に行われる。これは、図15に示す撮影期間だけ照明部102を点灯させることを意味する。
また、第一照明部102aと第二照明部102bとはレール201が伸びる方向に沿って互いに向き合うように配置される。そのため、例えば、第一撮像部1011による第一車輪踏面1306aの撮影中に、第一撮像部1011に向き合う方向に配置された第二照明部102bから見た場合に、撮影される第一車輪踏面1306aは死角になる。このことから、第一車輪踏面1306aは逆光になる可能性があり、暗く撮影される可能性がある。そのため、第一撮像部1011および第二撮像部1012にそれぞれ対応する第一照明部102aおよび第二照明部102bの照明の点灯を第一撮像部1011および第二撮像部1012の動作に合わせて切り替えることが好ましい。これにより、より好適な第一車輪踏面1306aおよび第二車輪踏面1306bの画像を取得することができる。
〔変形例3〕
また、上述の例では、移動方向取得部108が検知部103から出力された検知信号に基づき、第一車輪1303aおよび第二車輪1303bの移動方向情報を取得しているが、本実施形態ではこれに限定されない。本実施形態では、検知部103が第一車輪1303aおよび第二車輪1303bの移動方向を検知する検知センサであり、当該検知センサを撮影範囲301の両側に配置し、当該検知センサから移動方向情報を取得してもよい。このような場合であっても、上述の例と同様に移動方向情報および検知信号に基づき、第一車輪1303aおよび第二車輪1303bの移動方向によらず、同じ撮影範囲301において第一車輪踏面1306aおよび第二車輪踏面1306bを撮影することができる。
〔変形例4〕
また、上述の例では、第一検知部1031および第二検知部1032は、それぞれ第一車輪1303aおよび第二車輪1303bの真ん中の高さと同じ高さに設置されているが、本実施形態ではこれに限定されない。本実施形態では、第一検知部1031および第二検知部1032は、第一検知位置302および第二検知位置303それぞれにおいて第一車輪1303aおよび第二車輪1303bを検知できれば、第一車輪1303aおよび第二車輪1303bの真ん中の高さと同じ高さでなくてもよい。例えば、第一検知部1031および第二検知部1032は、第一車輪1303aおよび第二車輪1303bの真ん中の高さよりも低い高さであってもよいし、高い高さであってもよい。この場合も、上述の例と同様に第一車輪踏面1306aおよび第二車輪踏面1306bを好適に撮影することができる。
〔変形例5〕
上述の例では、撮像部101aは撮影範囲301において車輪踏面1306を連続撮影しているが、本実施形態ではこれに限定されない。本実施形態では、撮像部101aは、撮影範囲301において車輪踏面1306を撮影できれば、連続撮影しなくてもよい。これによっても、車輪踏面1306を好適に撮影することができる。
<実施形態4>
実施形態3では、1つのレール201上を移動する第一車輪1303aの第一車輪踏面1306aおよび第二車輪1303bの第二車輪踏面1306bの撮影について説明している。ただし、実施形態4では、レール201は、第一レール201aおよび第二レール201bの2つのレールから構成される線路であり、当該線路上を移動する車輪1303の車輪踏面1306を撮影してもよい。
以下、実施形態4に係る検査システム1cについて図17を用いて説明する。なお、説明の便宜上、上述の実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
〔検査システム1c〕
検査システム1c(不図示)は、実施形態3に係る検査装置10bの代わりに検査装置10cを備えている。この点以外は、検査システム1cは、実施形態3に係る検査システム1bと同様の構成である。
〔検査装置10c〕
検査装置10cは、実施形態3に係る撮像装置100bの代わりに撮像装置100cを備えている。この点以外は、検査装置10cは、実施形態3に係る検査装置10bと同様の構成である。
〔撮像装置100c〕
撮像装置100cは、実施形態3における撮像部101aの代わりに撮像部101cを備えている。この点以外は、撮像装置100cは、実施形態3に係る撮像装置100bと同様の構成である。
[撮像部101c]
撮像部101cは、第一撮像部1011、第二撮像部1012、第三撮像部(撮像部)1013および第四撮像部(撮像部)1014を備えている。第一撮像部1011は、線路上を通過する第一車輪1303aの第一車輪踏面1306aを撮影し、第二撮像部1012は、線路上を通過する第二車輪1303bの第二車輪踏面1306bを撮影し、第三撮像部1013は、線路上を通過する第三車輪(車輪)1303cの第三車輪踏面1306cを撮影し、第四撮像部1014は、線路上を通過する第四車輪(車輪)1303dの第四車輪踏面1306dを撮影する。
〔検査システム1cによる車輪踏面1306の撮影〕
次に、実施形態4に係る検査システム1cによる車輪踏面1306の撮影について図17を用いて説明する。図17は、実施形態4に係る検査システム1cによる車輪踏面1306の撮影について説明するための図である。具体的には、図17は、第一レール201aおよび第二レール201bから構成されるレール(線路)201上を第一車輪1303a、第二車輪1303b、第三車輪1303cおよび第四車輪1303dの4つの車輪から構成される車輪1303を備えた台車1901が移動している間に、第一車輪1303aの第一車輪踏面1306a、第二車輪1303bの第二車輪踏面1306b、第三車輪1303cの第三車輪踏面(車輪踏面)1306c(不図示)および第四車輪1303dの第四車輪踏面(車輪踏面)1306d(不図示)を撮影する様子を上から見た図である。
図17に示すように、台車1901は第一レール201aおよび第二レール201b上に跨っており、第一車輪1303aおよび第二車輪1303bは第一レール201a上を移動する。また、第三車輪1303cおよび第四車輪1303dは第二レール201b上を同時に移動する。図17に示すように、第一車輪1303a、第二車輪1303b、第三車輪1303cおよび第四車輪1303d各々の車輪踏面1306を撮影するために、第一撮像部1011、第二撮像部1012、第三撮像部1013および第四撮像部1014はレール201の両側に配置されている。
ここで、領域1902における構成は、実施形態3の図14に示す構成と同じであり、上述した実施形態3における動作にて第一車輪踏面1306aおよび第二車輪踏面1306bの撮影を行うことができる。領域1902と反対側の領域1903では、第三車輪1303cの第三車輪踏面1306cおよび第四車輪1303dの第四車輪踏面1306dについて、第二レール201b側に配置された第三撮像部1013および第四撮像部1014によって撮影を行う。第三撮像部1013および第四撮像部1014は、共通の撮影範囲301を撮影する方向に、それぞれ光軸209bおよび209dが向くように配置される。
第一車輪1303aと第三車輪1303c(第二車輪1303bと第四車輪1303d)とは、レール201が伸びる方向に平行な方向に対して互いに同じ位置となるように移動する。そのため、第三撮像部1013は、第一撮像部1011と同じタイミングで撮影を行うことで、第三車輪踏面1306cを撮影することができる。同様に、第四撮像部1014は、第二撮像部1012と同じタイミングで撮影を行うことで、第四車輪踏面1306dを撮影することができる。
このように、第一検知位置302と第二検知位置303との間の撮影範囲301を共通の撮影範囲となるように各撮像部を配置する。これにより、領域1902および領域1903の両方とも共通の検知部103に基づく撮像部101cの制御のみで4つの車輪踏面の撮影を行うことができ、検査システム1cの簡素化が図れる。また、レール201が伸びる方向に平行な方向に撮像部101cの位置を寄せることができるため、検査システム1c全体の敷設面積を低減することができる。
〔変形例1〕
実施形態4に係る検査システム1cでも、実施形態3に準じて照明部102を配置してもよい。この場合、図16に示す照明部102を、領域1902だけでなく、領域1903においても配置し、第一レール201aおよび第二レール201bの両側から撮影範囲301を照射すればよい。このようにすることで、第一レール201aおよび第二レール201bの2つのレールから構成されるレール201であり、当該レール201上を4つの車輪1303が移動する場合であっても、上述の実施形態と同様に、撮影に必要な期間に制限して点灯する。これにより、消費電力の低減および周辺環境への照明光の影響を低減することができる。
〔変形例2〕
また、上述の例では、第一検知部1031および第二検知部1032は、それぞれ第一車輪1303a、第二車輪1303b、第三車輪1303cおよび第四車輪1304dの真ん中の高さと同じ高さに設置されているが、本実施形態ではこれに限定されない。本実施形態では、第一検知部1031および第二検知部1032は、第一検知位置302および第二検知位置303それぞれにおいて第一車輪1303a、第二車輪1303b、第三車輪1303cおよび第四車輪1304dを検知できれば、第一車輪1303a、第二車輪1303b、第三車輪1303cおよび第四車輪1304dの真ん中の高さと同じ高さでなくてもよい。例えば、第一検知部1031および第二検知部1032は、第一車輪1303a、第二車輪1303b、第三車輪1303cおよび第四車輪1304dの真ん中の高さよりも低い高さであってもよいし、高い高さであってもよい。この場合も、上述の例と同様に第一車輪踏面1306a、第二車輪踏面1306b、第三車輪踏面1306cおよび第四車輪踏面1306dを好適に撮影することができる。
<実施形態5>
実施形態5では、車輪踏面203の全周の長さが撮影範囲301に比べて狭くなる場合に、レール201が伸びる方向に配置された複数の撮像部101aによって車輪踏面203を分割撮影する場合について説明する。
ところで、検査に必要な車輪踏面203の撮像画像を取得するために必要な各部材の性能および配置の制約などによって、車輪踏面203の全周の長さに対して広い撮影範囲301を設定できない場合がある。例えば、照明部102の照明の明るさが十分でない環境では撮像部101のレンズ絞りを絞って被写界深度を深くすることができなかったり、高精度の検査が必要で焦点距離を短くできなかったりする。この場合、撮影範囲301が車輪踏面203に比べて短くなる可能性がある。
以下、図18を用いてより具体的に説明する。図18は、撮影範囲301が車輪踏面203の全周の長さに比べて短くなる例について説明するための図である。図18に示すように、車輪202はレール201上を第一移動方向207に向かって移動している。撮像部101は、撮像部101側に向かってくる車輪202の車輪踏面203を撮影範囲301において撮影する。ここで、上述したように、撮影範囲301は、撮像部101によって検査に適した画質で車輪踏面の撮影ができる範囲である。また、撮影範囲301以外の領域では、例えば被写界深度外でぼけが発生したり、撮影対象の車輪踏面203が画角外となったりするなど、所望の車輪踏面203の画像が得られない。そのため、車輪202の車輪踏面203の全周の長さが撮影範囲301以上であると、撮影範囲301内において撮影しても、車輪踏面203の全周の撮像画像を取得することができない。例えば、車輪踏面203上の点2030が1回転するまでに車輪202が距離1500だけ移動する場合、図18に示すように、撮影範囲301を超えてしまうため、車輪踏面203の全周の撮像画像を取得することができない。
これに対し、実施形態5では、撮像部101aをレール201が伸びる方向に平行な方向に複数配置し、車輪踏面203全周以上の長さの撮影範囲301となるようにすることで、車輪202の移動方向によらず、車輪踏面203の全周を撮影する。
以下、実施形態5に係る検査システム1dについて図19〜22を用いて説明する。なお、説明の便宜上、上述の実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
〔検査システム1d〕
検査システム1d(不図示)は、実施形態1に係る検査装置10の代わりに検査装置10dを備えている。この点以外は、検査システム1dは、実施形態1に係る検査システム1と同様の構成である。
〔検査装置10d〕
検査装置10dは、実施形態1に係る撮像装置100の代わりに、撮像装置100d(不図示)を備えている。この点以外は、検査装置10dは、実施形態1に係る検査装置10と同様の構成である。
〔撮像装置100d〕
撮像装置100dは、実施形態1における撮像部101および検知部103の代わりに、撮像部101aおよび検知部(第一検知部、第二検知部、第四検知部)103d(不図示)を備えている。この点以外は、撮像装置100dは、実施形態1に係る撮像装置100と同様の構成である。
[検知部103d]
検知部103dは、第一検知部1031および第二検知部1032に加え、車輪202を第四検知位置において検知する第四検知部1033をさらに備えており、複数の検知部から構成されている。検知部103dは、第一検知部1031、第二検知部1032および第四検知部1033の検知位置に達した(差し掛かった)車輪202をそれぞれ検知し、当該車輪202を検知したことを示す検知信号を制御部104へと出力する。
〔検査システム1dによる車輪踏面203の撮影〕
次に、実施形態5に係る検査システム1dによる車輪踏面203の撮影(撮像装置100dの制御方法)について図19〜22を用いて説明する。
(検査システム1dにおける撮影範囲301と車輪202との位置関係)
まず、実施形態5に係る検査システム1dにおける撮影範囲301と車輪202との位置関係について図19を用いて説明する。図19は、実施形態5に係る検査システム1dによる車輪踏面203の撮影について説明するための図である。具体的には、図19は、レール201上を車輪202が第一移動方向207に向かって移動している際に車輪踏面203を撮像部101aによって撮影する様子を上から見た図を示している。図19に示すように、第一撮像部1011は、光軸が光軸209aとなり、第一撮影範囲301aにおける、撮像部101a側の車輪踏面203を撮影できるように配置される。また、第二撮像部1012は、光軸が光軸209eとなり、第一撮影範囲301aに隣接し、第二検知位置303から第三検知位置305までの第二撮影範囲301bにおける、撮像部101a側の車輪踏面203を撮影できるように配置される。また、第一撮像部1011および第二撮像部1012は、第一撮影範囲301aおよび第二撮影範囲301bに互いに同じ側に配置されている。これにより、より好適に車輪踏面203を撮影することができる。
ここで、第一撮影範囲301aおよび第二撮影範囲301bは、それぞれ、第一撮像部1011および第二撮像部1012が車輪踏面203を好適な状態で撮影できる範囲である。また、第一撮影範囲301aおよび第二撮影範囲301bは、それぞれ、車輪202が1回転で移動する距離より短く、第一撮影範囲301aと第二撮影範囲301bとを合わせた範囲は、車輪202が1回転で移動する距離よりも大きいものとする。図16に示すように、第一検知部1031、第二検知部1032および第四検知部1033は、隣接する第一撮影範囲301aおよび第二撮影範囲301bの少なくとも一方の端部に対応する位置である第一検知位置302、第二検知位置303および第三検知位置305にそれぞれ配置される。この場合、第二検知位置303は、第一撮影範囲301aと第二撮影範囲301bとの間に位置し、これらの撮影範囲で共有される。第一検知部1031、第二検知部1032、第四検知部1033は、それぞれ、第一検知位置302に配置された第一発光部1031aおよび第一受光部1031b、第二検知位置303に配置された第二発光部1032aおよび第二受光部1032b、ならびに、第三検知位置305に配置された第三発光部1033aおよび第三受光部1033bから構成される。
(検査システム1dによる車輪踏面203の撮影)
次に、検査システム1dによる車輪踏面203の撮影動作の流れについて、図20および21を用いて説明する。
図20は、実施形態5に係る検査システム1dによる車輪踏面203の撮影について説明するための図である。具体的には、図20の(a)〜(c)は、第一撮像部1011および第二撮像部1012に向かう第一移動方向207に移動する車輪202における車輪踏面203を撮影する様子について、レール201の側面方向から見た図を示している。
図20の(a)は、車輪202が第一撮像部1011および第二撮像部1012に向かって第一移動方向207に移動しており、第一撮像部1011および第二撮像部1012側の車輪踏面203が第一検知位置302に達した状態を示している。この場合、車輪202によってレール201上の第一検知部1031間のレーザ光が遮断され、検知信号AがONになる(第一検知ステップ)。検知部103dは、第一検知位置302において車輪202を検知したことを示し、ONになった検知信号Aを制御部104に出力する。制御部104における移動方向取得部108は、第一検知位置302において受信した検知信号Aに基づき、第一撮像部1011および第二撮像部1012側の第一移動方向207に車輪202が移動しているという移動方向情報を取得する。また、制御部104における車輪踏面位置検出部109は、検知部103dから受信したONになった検知信号Aおよび移動方向情報が示す第一移動方向207に基づき、第一撮像部1011および第二撮像部1012側の車輪踏面203が第一検知位置302に達し、第一撮影範囲301aに進入したことを検出する。制御部104は、第一撮像部1011および第二撮像部1012側の車輪踏面203が第一検知位置302において検知され、第一撮影範囲301aに進入したことを示す検出結果を受ける。制御部104は、当該検出結果に基づき、第一撮像部1011による車輪踏面203の撮影を開始させる(制御ステップ)。車輪踏面203が第一撮影範囲301a内に位置する間は、第一撮像部1011は、連続的に車輪踏面203の撮影を行い、取得した画像データを画像処理部105へと出力する(撮像ステップ)。
図20の(b)は、車輪202がさらに移動し、第一撮像部1011および第二撮像部1012側の車輪踏面203が第二検知位置303に達した状態を示している。これにより、レール201上の第二検知部1032間のレーザ光が車輪202によって遮断され、検知信号BがONになる(第二検知ステップ)。検知部103dは、第二検知位置303において車輪202を検知したことを示し、ONになった検知信号Bを制御部104に出力する。車輪踏面位置検出部109は、制御部104から受信したONになった検知信号Bおよび移動方向情報が示す第一移動方向207に基づき、第一撮像部1011および第二撮像部1012側の車輪踏面203が第二検知位置303に達し、第一撮影範囲301aを出て行き、第二撮影範囲301bに進入したことを検出する。制御部104は、第一撮像部1011および第二撮像部1012側の車輪踏面203が第二検知位置303において検知され、第一撮影範囲301aを出て行き、第二撮影範囲301bに進入したことを示す検出結果を受ける。制御部104は、当該検出結果に基づき、第一撮像部1011による車輪踏面203の撮影を停止させることともに、第二撮像部1012による車輪踏面203の撮影を開始させる(撮像ステップ)。車輪踏面203が第二撮影範囲301b内に位置する間は、第二撮像部1012は、連続的に車輪踏面203の撮影を行い、取得した画像データを画像処理部105へと出力する(撮像ステップ)。
図20の(c)は、車輪202がさらに移動し、第一撮像部1011および第二撮像部1012側の車輪踏面203が第三検知位置305に達した状態を示している。これにより、第四検知部1033間のレーザ光が車輪202によって遮断され、第三検知位置における検知信号である検知信号CがONになる。検知部103dは、第三検知位置においてONになった検知信号Cを制御部104に出力する。車輪踏面位置検出部109は、検知部103dが受信したONになった検知信号Cおよび移動方向情報が示す第一移動方向207に基づき、第一撮像部1011および第二撮像部1012側の車輪踏面203が第三検知位置305に達し、第二撮影範囲301bを出て行ったことを検出する。制御部104は、車輪踏面位置検出部109による、第一撮像部1011および第二撮像部1012側の車輪踏面203が第二撮影範囲301bを出て行くという検出結果を受け、第二撮像部1012による撮影を停止する。このように、第一撮影範囲301aと第二撮影範囲301bとを合わせた範囲を車輪202が移動する間、車輪踏面203の撮影を行うことで、車輪202の車輪踏面203全周の画像を取得することができる。
図21は、実施形態5に係る検査システム1dによる車輪踏面203の撮影について説明するための図である。具体的には、図21の(a)〜(d)は、車輪202の移動方向が第一移動方向207の逆の第二移動方向304に移動する車輪202における車輪踏面203を撮影する様子について、レール201の側面方向から見た図を示している。
図21の(a)は、車輪202が第一撮像部1011および第二撮像部1012側から第二移動方向304に移動しており、第一撮像部1011および第二撮像部1012と反対側の車輪踏面203が第三検知位置305に達した状態を示している。この場合、車輪202によって第四検知部1033間のレーザ光は遮断され、検知信号CがONになる(第三検知ステップ)。検知部103dは、第三検知位置305において車輪202を検知したことを示し、ONになった検知信号Cを制御部104に出力する。制御部104における移動方向取得部108は、第三検知位置305において受信した検知信号Cに基づき、第一撮像部1011および第二撮像部1012から遠ざかる第二移動方向304に車輪202が移動しているという移動方向情報を取得する。車輪踏面位置検出部109は、検知部103dから受信したONになった検知信号Cおよび移動方向情報が示す第二移動方向304に基づき、第一撮像部1011および第二撮像部1012とは反対側の車輪踏面203が第三検知位置305に達し、第二撮影範囲301bに進入したことを検出する。制御部104は、第一撮像部1011および第二撮像部1012側の車輪踏面203が第三検知位置305において検知され、第二撮影範囲301bに進入したことを示す検出結果を受ける。制御部104は、当該検出結果に基づき、第二撮像部1012側の車輪踏面203が第三検知位置305に達するまでは、第二撮像部1012による車輪踏面203の撮影を行わせないようにする。
図21の(b)は、車輪202がさらに移動し、第一撮像部1011および第二撮像部1012側の車輪踏面203が第三検知位置305に達した状態を示している。これにより、第四検知部1033間のレーザ光が車輪202によって遮断され、検知信号CがOFFになる(第三検知ステップ)。検知部103dは、第三検知位置305において車輪202を検知したことを示し、OFFになった検知信号Cを制御部104に出力する。車輪踏面位置検出部109は、制御部104から受信したOFFになった検知信号Cおよび移動方向情報が示す第二移動方向304に基づき、第一撮像部1011および第二撮像部1012側の車輪踏面203が第三検知位置305に達し、第二撮影範囲301bに進入したことを検出する。制御部104は、第一撮像部1011および第二撮像部1012側の車輪踏面203が第三検知位置305において検知され、第二撮影範囲301bに進入したことを示す検出結果を受ける。制御部104は、当該検出結果に基づき、第二撮像部1012による車輪踏面203の撮影を開始させる(制御ステップ)。車輪踏面203が第二撮影範囲301b内に位置する間は、第二撮像部1012は、連続的に車輪踏面203の撮影を行い、取得した画像データを画像処理部105へと出力する(撮像ステップ)。
図21の(c)は、車輪202がさらに移動し、第一撮像部1011および第二撮像部1012側の車輪踏面203が第二検知位置303に達した状態を示している。この場合、レール201上の第二検知部1032間のレーザ光が車輪202によって遮断され、検知信号BがOFFになる(第二検知ステップ)。検知部103dは、第二検知位置303において車輪202を検知したことを示し、OFFになった検知信号Cを制御部104に出力する。車輪踏面位置検出部109は、検知部103dから受信したOFFになった検知信号Cおよび移動方向情報が示す第二移動方向304に基づき、第一撮像部1011および第二撮像部1012側の車輪踏面203が第二検知位置303に達し、第二撮影範囲301bを出て行き、第一撮影範囲301aに進入したことを検出する。制御部104は、第一撮像部1011および第二撮像部1012側の車輪踏面203が第二検知位置303において検知され、第二撮影範囲301bを出て行き、第一撮影範囲301aに進入したことを示す検出結果を受ける。制御部104は、当該検出結果に基づき、第二撮像部1012による車輪踏面203の撮影を停止させるとともに、第一撮像部1011による車輪踏面203の撮影を開始させる(制御ステップ)。車輪踏面203が第一撮影範囲301a内に位置する間は、第一撮像部1011は、連続的に車輪踏面203の撮影を行い、取得した画像データを画像処理部105へと出力する(撮像ステップ)。
図21の(d)は、車輪202がさらに移動し、第一撮像部1011および第二撮像部1012側の車輪踏面203が第一検知位置302に達した状態を示している。この場合、レール201上の第一検知部1031間のレーザ光が車輪202によって遮断され、検知信号AがOFFになる(第一検知ステップ)。検知部103dは、第一検知位置302において車輪202を検知したことを示し、OFFになった検知信号Aを制御部104に出力する。車輪踏面位置検出部109は、検知部103dから受信したOFFになった検知信号Aおよび移動方向情報が示す第二移動方向304に基づき、第一撮像部1011および第二撮像部1012側の車輪踏面203が第一検知位置302に達し、第一撮影範囲301aを出て行ったことを検出する。制御部104は、第一撮像部1011および第二撮像部1012側の車輪踏面203が第一検知位置302において検知され、第一撮影範囲301aを出て行ったことを示す検出結果を受ける。制御部104は、当該検出結果に基づき、第一撮像部1011による車輪踏面203の撮影を停止させる。
このように、上述の撮影方法によれば、制御部104は、第一撮像部1011側の車輪踏面203が、第一検知位置302に達してから、第二検知位置303に達するまでの間、または、第一撮像部1011側の車輪踏面203が、第二検知位置303に達してから、第一検知位置302に達するまでの間において、第一撮像部1011に車輪踏面203を撮影させる。また、制御部104は、第二撮像部1012側の車輪踏面203が、第二検知位置303に達してから、第三検知位置305に達するまでの間、または、第二撮像部1012側の車輪踏面203が、第三検知位置305に達してから、第二検知位置303に達するまでの間において、第二撮像部1012に車輪踏面203を撮影させる。
これにより、車輪202の移動方向によらず、車輪踏面203の全周の長さが第一撮影範囲301aおよび第二撮影範囲301bのそれぞれよりも長い場合であっても、第一撮影範囲301aおよび第二撮影範囲301bに車輪踏面203が位置する間に、車輪踏面203を好適に撮影することができる。
(各移動方向における検知信号と撮影期間との関係)
以下に、検知信号と撮影期間との関係について図22を用いて説明する。図22は、各移動方向における検知信号と撮影期間との関係を示す図である。
図22の(a)に示すように、車輪202の移動方向が第一移動方向207である場合、検知信号AがONになってから検知信号BがONになるまでの間、車輪踏面203が第一撮影範囲301aに位置し、第一撮像部1011によって車輪踏面203の撮影を行う。また、検知信号BがONになってから検知信号CがONになるまでの間、車輪踏面203が第二撮影範囲301bに位置し、第二撮像部1012によって車輪踏面203の撮影を行う。
図22の(b)に示すように、車輪202の移動方向が第二移動方向304である場合、検知信号C、B、Aの順にONになる。第一撮像部1011および第二撮像部1012側の検知信号CがOFFになってから検知信号BがOFFになるまでの間、車輪202の車輪踏面203が第二撮影範囲301bに位置するため、第二撮像部1012にて車輪踏面203の撮影を行う。また、検知信号BがOFFになってから検知信号AがOFFになるまでの間、車輪202の車輪踏面203が第一撮影範囲301aに位置するため、第一撮像部1011にて車輪踏面203の撮影を行う。
このように、車輪202の全周の長さに比べて、第一撮影範囲301aおよび第二撮影範囲301bのそれぞれが短い場合でも、第一撮影範囲301aおよび第二撮影範囲301bを隣接させ、第一撮影範囲301aと第二撮影範囲301bとの端部に第二検知部1032を共有させるように検知部103dを配置する。これにより、少ない数の検知信号によって広い撮影範囲において車輪踏面203の撮影を行うことができる。また、この場合、車輪202の移動方向に応じて第一撮像部1011および第二撮像部1012を可動させなくても、第一移動方向207および第二移動方向304のいずれにおいても共通の撮影範囲301にて撮影対象となる車輪踏面203を撮影することができる。これにより、検査システム1dの簡素化が図れる。
〔変形例1〕
上述の例では、第一撮像部1011および第二撮像部1012は、撮影範囲301を第一撮影範囲301aおよび第二撮影範囲301bの複数の撮影範囲に分けて、車輪踏面203を撮影している。ただし、本実施形態ではこれに限定されず、3つ以上の撮像部によって車輪踏面203を撮影してもよい。この場合も、それぞれの撮像部の撮影範囲をレール201が伸びる方向に平行な方向に隣接して配置し、それぞれの撮影範囲の両側に検知部103が位置するように配置すればよい。これにより、車輪202の移動方向によらず、広い範囲の車輪踏面203を好適に撮影することができる。
〔変形例2〕
実施形態5に係る検査システム1dでは、夜間でも車輪踏面203を検査することができるように、検知部103dから出力される検知信号に基づいて撮像部101と同様に照明部102を制御してもよい。
この場合、照明部102は、実施形態1の変形例1と同様に、撮影範囲301(第一撮影範囲301aおよび第二撮影範囲301b)を照射するように配置され、撮影範囲301を移動中の車輪202の車輪踏面203を照射してもよい。また、複数の照明部102のうち、一方の照明部102が第一撮影範囲301aを移動中の車輪202の車輪踏面203を照射し、他方の照明部102が第二撮影範囲301bを移動中の車輪202の車輪踏面203を照射するようになっていてもよい。
ここで、照明部102は、第一撮像部1011および第二撮像部1012(撮像部101a)によって撮影された車輪踏面203の撮像画像が検査に必要な明るさとなる光量および照明範囲を有するものとする。また、照明部102の照明は、車輪202の移動中に連続的に点灯するものでもよいし、撮像部101aが撮影する瞬間にフラッシュによって点灯するものでもよい。照明部102がフラッシュによって点灯する場合は、点灯時間を短くすることができ、消費電力の低減および漏れ光による周辺への影響を低減させることができる。
また、フラッシュ点灯による照明の明滅が周辺環境に影響する場合は、照明部102は、撮影対象となる車輪踏面203が第一撮影範囲301aおよび第二撮影範囲301b(撮影範囲301)に位置している間のみ照明を点灯するようになっていることが好ましい。この場合、照明部102の制御は、第一撮像部1011および第二撮像部1012の撮影の制御と同様に行われる。これは、図22に示す撮影期間だけ照明部102を点灯させることを意味する。このようにすることで、撮影に必要な期間だけ照明部102を点灯できるため、消費電力の低減および周辺環境への照明光の影響を低減することができる。
〔変形例3〕
また、上述の例では、検知部103dは遮断式センサによって構成されているが、本実施形態ではこれに限定されない。本実施形態では、検知部103dは反射型の物体検知センサ(反射型センサ)など、車輪202が第一撮影範囲301aおよび第二撮影範囲301bのそれぞれを通過する際に、第一撮影範囲301aおよび第二撮影範囲301bそれぞれの両側において車輪踏面203を検知できるものであればよい。反射型センサの例としては、照射したレーザ光が照射された物体からの反射光を受光することで車輪202を検知する反射型光電センサがある。この場合、反射型光電センサなどの反射型センサは、レール201の片側のみに配置される。
〔変形例4〕
また、上述の例では、移動方向取得部108が検知部103dから出力された検知信号に基づき、車輪202の移動方向情報を取得しているが、本実施形態ではこれに限定されない。本実施形態では、検知部103dが車輪202の移動方向を検知する検知センサであり、当該検知センサを第一撮影範囲301aおよび第二撮影範囲301bの両側に配置し、当該検知センサから移動方向情報を取得してもよい。このような場合であっても、上述の例と同様に移動方向情報および検知信号に基づき、車輪202の移動方向によらず、同じ第一撮影範囲301aおよび第二撮影範囲301bにおいて車輪踏面203を好適に撮影することができる。
〔変形例5〕
また、上述の例では、第一撮像部1011が第一撮影範囲301aにおける車輪踏面203を撮影し、第二撮像部1012が第二撮影範囲301bにおける車輪踏面203を撮影しているが本実施形態ではこれに限定されない。本実施形態では、例えば、第一撮像部1011が第二撮影範囲301bにおいて車輪踏面203を好適に撮影でき、第二撮像部1012が第一撮影範囲301aにおいて車輪踏面203を好適に撮影できればよい。例えば、第一撮像部1011が第二撮影範囲301bにおける車輪踏面203を撮影し、第二撮像部1012が第一撮影範囲301aにおける車輪踏面203を撮影するようになっていてもよい。この場合、第一撮像部1011を広角レンズ、第二撮像部1012を望遠レンズから構成することで実現することができる。
〔変形例6〕
また、上述の例では、第一検知部1031および第二検知部1032は、それぞれ車輪202の真ん中の高さと同じ高さに設置されているが、本実施形態ではこれに限定されない。本実施形態では、第一検知部1031および第二検知部1032は、第一検知位置302および第二検知位置303それぞれにおいて車輪202を検知できれば、車輪202の真ん中の高さと同じ高さでなくてもよい。例えば、第一検知部1031および第二検知部1032は、車輪202の真ん中の高さよりも低い高さであってもよいし、高い高さであってもよい。この場合も、上述の例と同様に車輪踏面203を好適に撮影することができる。
〔変形例7〕
上述の例では、撮像部101aは第一撮影範囲301aおよび第二撮影範囲301bにおいて車輪踏面203を連続撮影しているが、本実施形態ではこれに限定されない。本実施形態では、撮像部101aは、第一撮影範囲301aおよび第二撮影範囲301bにおいて車輪踏面203を撮影できれば、連続撮影しなくてもよい。これによっても、車輪踏面203を好適に撮影することができる。
〔ソフトウェアによる実現例〕
検査システム1、1a、1b、1cおよび1dの検査装置10、10a、10bおよび10dにおける撮像装置100、100a、100bおよび100dの制御ブロックは、集積回路(ICチップ)などに形成された論理回路(ハードウェア)によって実現してもよいし、ソフトウェアによって実現してもよい。
後者の場合、撮像装置100、100a、100bおよび100dは、各機能を実現するソフトウェアであるプログラムの命令を実行するコンピュータを備えている。このコンピュータは、例えば少なくとも1つのプロセッサ(制御装置)を備えていると共に、上記プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な少なくとも1つの記録媒体を備えている。そして、上記コンピュータにおいて、上記プロセッサが上記プログラムを上記記録媒体から読み取って実行することにより、本発明の目的が達成される。上記プロセッサとしては、例えばCPU(Central Processing Unit)を用いることができる。上記記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、ROM(Read Only Memory)などの他、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。また、上記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)などをさらに備えていてもよい。また、上記プログラムは、該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波など)を介して上記コンピュータに供給されてもよい。なお、本発明の一態様は、上記プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
〔まとめ〕
本発明の態様1に係る車輪の踏面を検査するための撮像装置は、線路上を通過する車輪の踏面を撮影する撮像部と、前記車輪を前記線路上または前記線路上方の第一検知位置において検知する第一検知部と、前記車輪を前記線路上または前記線路上方の第二検知位置において検知する第二検知部と、前記第一検知部および前記第二検知部のそれぞれの検知結果に基づいて、前記撮像部に前記車輪の踏面を撮影させる制御部とを備えている。
本発明の態様2に係る車輪の踏面を検査するための撮像装置は、前記態様1において、前記制御部は、前記車輪の移動方向にさらに基づいて、前記撮像部に前記車輪の踏面を撮影させてもよい。
本発明の態様3に係る車輪の踏面を検査するための撮像装置は、前記態様2において、前記制御部は、前記移動方向が、前記第一検知位置から前記第二検知位置に向かう第一移動方向であり、前記第一検知部が前記車輪を検知していない第一非検知状態から、前記車輪を検知した第一検知状態に変化した場合に、前記撮像部に前記車輪を撮影させ、前記移動方向が、前記第二検知位置から前記第一検知位置に向かう第二移動方向であり、前記第二検知部が前記車輪を検知した第二検知状態から前記車輪を検知していない第二非検知状態に変化した場合に、前記撮像部に前記車輪を撮影させてもよい。
本発明の態様4に係る車輪の踏面を検査するための撮像装置は、前記態様3において、前記制御部は、前記移動方向が前記第一移動方向であり、前記第一検知状態から、前記第一非検知状態に変化した場合に、前記撮像部に前記車輪の撮影を終了させ、前記移動方向が前記第二移動方向であり、前記第二非検知状態から、前記第一検知状態に変化した場合に、前記撮像部に前記車輪の撮影を終了させてもよい。
本発明の態様5に係る車輪の踏面を検査するための撮像装置は、前記態様1から4のいずれか1つにおいて、前記第一検知位置から前記第二検知位置までの第一撮影範囲における第三検知位置において前記車輪を検知する第三検知部をさらに備え、前記制御部は、前記第三検知部の検知結果に基づいて、前記撮像部に前記車輪の踏面を撮影させてもよい。
本発明の態様6に係る車輪の踏面を検査するための撮像装置は、前記態様1から5のいずれか1つにおいて、複数の撮像部を備え、前記複数の撮像部は、前記第一検知位置から前記第二検知位置までの第一撮影範囲において、前記車輪の踏面を撮影するようにそれぞれ配置されていてもよい。
本発明の態様7に係る車輪の踏面を検査するための撮像装置は、前記態様6において、前記複数の撮像部のうちの少なくとも2つの撮像部は、前記車輪が移動する移動経路に対して互いに反対側に配置されていてもよい。
本発明の態様8に係る車輪の踏面を検査するための撮像装置は、前記態様6または7において、前記複数の撮像部のうちの少なくとも2つの撮像部は、前記第一撮影範囲に対して互いに反対側に配置されていてもよい。
本発明の態様9に係る車輪の踏面を検査するための撮像装置は、前記態様6から8のいずれか1つにおいて、前記車輪を第四検知位置において検知する第四検知部をさらに備え、前記複数の撮像部は、第一撮像部および第二撮像部を備えており、前記第一撮像部は前記第一撮影範囲を撮影し、前記第二撮像部は、前記第一撮影範囲に隣接し、前記第二検知位置から前記第四検知位置までの第二撮影範囲において、前記車輪の踏面を撮影し、前記第一撮像部および前記第二撮像部は、前記第一撮影範囲および前記第二撮影範囲に対して互いに同じ側に配置されていてもよい。
本発明の態様10に係る車輪の踏面を検査するための撮像装置は、前記態様1から9のいずれか1つにおいて、前記制御部は車輪判定部を備え、前記車輪判定部は、前記第一検知部または前記第二検知部が、前記第一検知位置または前記第二検知位置において複数の車輪を検知する場合、前記第一検知位置または前記第二検知位置において、前記複数の車輪のうち、いずれの車輪を検知しているかを判定し、前記制御部は、前記車輪判定部の判定結果に基づいて、前記撮像部に前記車輪の踏面を撮影させてもよい。
本発明の態様11に係る車輪の踏面を検査するための撮像装置は、前記態様1から10のいずれか1つにおいて、前記制御部は、撮像部側の前記車輪の踏面が、前記第一検知位置に達してから、前記第二検知位置に達するまでの間、または、撮像部側の前記車輪の踏面が、前記第二検知位置に達してから、前記第一検知位置に達するまでの間において、前記撮像部に前記車輪の踏面を撮影させてもよい。
本発明の態様12に係る車輪の踏面を検査するための撮像装置は、前記態様9において、前記制御部は、第一撮像部側の前記車輪の踏面が、前記第一検知位置に達してから、前記第二検知位置に達するまでの間、または、前記第一撮像部側の前記車輪の踏面が、前記第二検知位置に達してから、前記第一検知位置に達するまでの間において、前記第一撮像部に前記車輪の踏面を撮影させ、かつ、第二撮像部側の前記車輪の踏面が、前記第二検知位置に達してから、前記第四検知位置に達するまでの間、または、前記第二撮像部側の前記車輪の踏面が、前記第四検知位置に達してから、前記第二検知位置に達するまでの間において、前記第二撮像部に前記車輪の踏面を撮影させてもよい。
本発明の態様13に係る検査装置は、前記態様1から12のいずれか1つにおける撮像装置と、前記車輪の踏面を検査する検査部とを備えている。
本発明の態様14に係る検査システムは、車輪の踏面を検査するための撮像装置と、該車輪の踏面を検査する検査部と、該検査部による検査結果を表示する表示部とを備え、前記撮像装置は、線路上を通過する車輪の踏面を撮影する撮像部と、前記車輪を前記線路上または前記線路上方の第一検知位置において検知する第一検知部と、前記車輪を前記線路上または前記線路上方の第二検知位置において検知する第二検知部と、前記第一検知部および前記第二検知部のそれぞれの検知結果に基づいて、前記撮像部に前記車輪の踏面を撮影させる制御部とを備えている。
本発明の態様15に係る撮像装置の制御方法は、線路上を通過する車輪の踏面を撮影する撮像ステップと、前記車輪を前記線路上または前記線路上方の第一検知位置において検知する第一検知ステップと、前記車輪を前記線路上または前記線路上方の第二検知位置において検知する第二検知ステップと、前記第一検知ステップおよび前記第二検知ステップのそれぞれにおける検知結果に基づいて、前記撮像ステップにて前記車輪の踏面を撮影させる制御ステップとを包含している。
本発明の各態様に係る車輪の踏面を検査するための撮像装置は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを上記撮像装置が備える各部(ソフトウェア要素)として動作させることにより上記撮像装置をコンピュータにて実現させる撮像装置の撮像プログラム、およびそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
1、1a、1b、1c、1d 検査システム
10、10a、10b、10c、10d 検査装置
100、100a、100b、100c、100d 撮像装置
101、101a、101c、 撮像部
103、103d 検知部(第一検知部、第二検知部、第三検知部、第四検知部)
104、104b、 制御部
107 表示部
201 レール(移動経路)
201a 第一レール(移動経路)
201b 第二レール(移動経路)
202、1303 車輪
202a、1303a 第一車輪(車輪)
202b、1303b 第二車輪(車輪)
203、1306 車輪踏面
203a、1306a 第一車輪踏面(車輪踏面)
203b、1306b 第二車輪踏面(車輪踏面)
207 第一移動方向
301、3010 撮影範囲
301a 第一撮影範囲
301b 第二撮影期間
302 第一検知位置
303 第二検知位置
304 第二移動方向
305 第三検知位置
1011 第一撮像部(撮像部)
1012 第二撮像部(撮像部)
1013 第三撮像部(撮像部)
1014 第四撮像部(撮像部)
1031 第一検知部
1032 第二検知部
1033 第四検知部
1091 車輪判定部
1303c 第三車輪(車輪)
1303d 第四車輪(車輪)
1306c 第三車輪踏面(車輪踏面)
1306d 第四車輪踏面(車輪踏面)

Claims (15)

  1. 線路上を通過する車輪の踏面を撮影する撮像部と、
    前記車輪を前記線路上または前記線路上方の第一検知位置において検知する第一検知部と、
    前記車輪を前記線路上または前記線路上方の第二検知位置において検知する第二検知部と、
    前記第一検知部および前記第二検知部のそれぞれの検知結果に基づいて、前記撮像部に前記車輪の踏面を撮影させる制御部とを備えていることを特徴とする車輪の踏面を検査するための撮像装置。
  2. 前記制御部は、前記車輪の移動方向にさらに基づいて、前記撮像部に前記車輪の踏面を撮影させることを特徴とする請求項1に記載の車輪の踏面を検査するための撮像装置。
  3. 前記制御部は、
    前記移動方向が、前記第一検知位置から前記第二検知位置に向かう第一移動方向であり、前記第一検知部が前記車輪を検知していない第一非検知状態から、前記車輪を検知した第一検知状態に変化した場合に、前記撮像部に前記車輪を撮影させ、
    前記移動方向が、前記第二検知位置から前記第一検知位置に向かう第二移動方向であり、前記第二検知部が前記車輪を検知した第二検知状態から前記車輪を検知していない第二非検知状態に変化した場合に、前記撮像部に前記車輪を撮影させることを特徴とする請求項2に記載の車輪の踏面を検査するための撮像装置。
  4. 前記制御部は、
    前記移動方向が前記第一移動方向であり、前記第一検知状態から、前記第一非検知状態に変化した場合に、前記撮像部に前記車輪の撮影を終了させ、
    前記移動方向が前記第二移動方向であり、前記第二非検知状態から、前記第一検知状態に変化した場合に、前記撮像部に前記車輪の撮影を終了させることを特徴とする請求項3に記載の車輪の踏面を検査するための撮像装置。
  5. 前記第一検知位置から前記第二検知位置までの第一撮影範囲における第三検知位置において前記車輪を検知する第三検知部をさらに備え、
    前記制御部は、前記第三検知部の検知結果に基づいて、前記撮像部に前記車輪の踏面を撮影させることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の車輪の踏面を検査するための撮像装置。
  6. 複数の撮像部を備え、
    前記複数の撮像部は、前記第一検知位置から前記第二検知位置までの第一撮影範囲において、前記車輪の踏面を撮影するようにそれぞれ配置されていることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の車輪の踏面を検査するための撮像装置。
  7. 前記複数の撮像部のうちの少なくとも2つの撮像部は、前記車輪が移動する移動経路に対して互いに反対側に配置されていることを特徴とする請求項6に記載の車輪の踏面を検査するための撮像装置。
  8. 前記複数の撮像部のうちの少なくとも2つの撮像部は、前記第一撮影範囲に対して互いに反対側に配置されていることを特徴とする請求項6または7に記載の車輪の踏面を検査するための撮像装置。
  9. 前記車輪を第四検知位置において検知する第四検知部をさらに備え、
    前記複数の撮像部は、第一撮像部および第二撮像部を備えており、
    前記第一撮像部は前記第一撮影範囲を撮影し、前記第二撮像部は、前記第一撮影範囲に隣接し、前記第二検知位置から前記第四検知位置までの第二撮影範囲において、前記車輪の踏面を撮影し、
    前記第一撮像部および前記第二撮像部は、前記第一撮影範囲および前記第二撮影範囲に対して互いに同じ側に配置されていることを特徴とする請求項6から8のいずれか1項に記載の車輪の踏面を検査するための撮像装置。
  10. 前記制御部は車輪判定部を備え、
    前記車輪判定部は、前記第一検知部または前記第二検知部が、前記第一検知位置または前記第二検知位置において複数の車輪を検知する場合、前記第一検知位置または前記第二検知位置において、前記複数の車輪のうち、いずれの車輪を検知しているかを判定し、
    前記制御部は、前記車輪判定部の判定結果に基づいて、前記撮像部に前記車輪の踏面を撮影させることを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の車輪の踏面を検査するための撮像装置。
  11. 前記制御部は、
    撮像部側の前記車輪の踏面が、前記第一検知位置に達してから、前記第二検知位置に達するまでの間、または、
    撮像部側の前記車輪の踏面が、前記第二検知位置に達してから、前記第一検知位置に達するまでの間において、前記撮像部に前記車輪の踏面を撮影させることを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載の車輪の踏面を検査するための撮像装置。
  12. 前記制御部は、
    第一撮像部側の前記車輪の踏面が、前記第一検知位置に達してから、前記第二検知位置に達するまでの間、または、前記第一撮像部側の前記車輪の踏面が、前記第二検知位置に達してから、前記第一検知位置に達するまでの間において、前記第一撮像部に前記車輪の踏面を撮影させ、かつ、
    第二撮像部側の前記車輪の踏面が、前記第二検知位置に達してから、前記第四検知位置に達するまでの間、または、前記第二撮像部側の前記車輪の踏面が、前記第四検知位置に達してから、前記第二検知位置に達するまでの間において、前記第二撮像部に前記車輪の踏面を撮影させることを特徴とする請求項9に記載の車輪の踏面を検査するための撮像装置。
  13. 請求項1から12のいずれか1項に記載の撮像装置と、
    前記車輪の踏面を検査する検査部とを備えていることを特徴とする検査装置。
  14. 車輪の踏面を検査するための撮像装置と、該車輪の踏面を検査する検査部と、該検査部による検査結果を表示する表示部とを備え、
    前記撮像装置は、
    線路上を通過する車輪の踏面を撮影する撮像部と、
    前記車輪を前記線路上または前記線路上方の第一検知位置において検知する第一検知部と、
    前記車輪を前記線路上または前記線路上方の第二検知位置において検知する第二検知部と、
    前記第一検知部および前記第二検知部のそれぞれの検知結果に基づいて、前記撮像部に前記車輪の踏面を撮影させる制御部とを備えていることを特徴とする検査システム。
  15. 線路上を通過する車輪の踏面を撮影する撮像ステップと、
    前記車輪を前記線路上または前記線路上方の第一検知位置において検知する第一検知ステップと、
    前記車輪を前記線路上または前記線路上方の第二検知位置において検知する第二検知ステップと、
    前記第一検知ステップおよび前記第二検知ステップのそれぞれにおける検知結果に基づいて、前記撮像ステップにて前記車輪の踏面を撮影させる制御ステップとを包含していることを特徴とする車輪の踏面を検査するための撮像装置の制御方法。
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