JP2020085482A - 残留フィルム検出装置および検出方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】検査対象物の表面上に残留したフィルムを精度よく検出する。【解決手段】残留フィルム検出装置10は、検査対象物Bの表面上の旋光性を有する残留フィルムf1を検出するであって、検査対象物Bの表面に光を照射する照明装置12と、検査対象物Bの表面を撮像する撮像装置14と、照明装置12と検査対象物Bとの間に配置され、照明装置12から照射された光を偏光する第1の偏光フィルター16と、検査対象物Bと撮像装置14との間に配置され、検査対象物Bの表面上で反射した光を偏光する第2の偏光フィルター18とを備える。【選択図】図1
Description
本発明は、基板等の検査対象物の表面に残留したフィルムを検出する装置および方法に関する。
プリント配線板のパターン形成方法は、高精度、高信頼性の要求に応えるため、ドライフィルムレジスト(DFR)を用いた写真法が主流である。一般にドライフィルムレジストは、レジスト層および保護フィルム(PETフィルム)の2層からなっている。保護フィルムは、レジスト層表面の保護および異物の付着防止を目的としており、基板へのラミネートの際にレジスト層から剥離される。保護フィルムは、レジスト層を基板にラミネートする際の支持体の働きをもち、露光後現像前に剥離される。しかし、保護フィルムを剥離する際にその一部が剥離されずに基板側に残る場合がある。基板に残留した保護フィルムはレジスト層の現像を阻害し、また搬送ローラに巻き付いて後続の基板に傷を付けることがある。
基板上に残留した保護フィルムを検出するものではないが、下記特許文献1には、フィルムに対する異物検査方法が開示されている。この異物検査方法は、フィルム状被検査対象に光源から照明光を照射し、その反射光をラインセンサで検出し、所定の画像処理を施して異物を検査・解析するものである。
しかしながら、特許文献1で開示されたような光源および撮像装置を用い、基板上に残留した保護フィルムを検出する場合、撮像装置は、残留した保護フィルムからの反射光だけではなく、保護フィルムが除去された箇所、つまり露出したレジスト層からの反射光も受光することになるため、残留した保護フィルムの検出精度は低い。
本発明は、検査対象物の表面上に残留した旋光性を有する残留フィルムを検出する残留フィルム検出装置であって、前記検査対象物の前記表面に光を照射する照明装置と、前記検査対象物の前記表面を撮像する撮像装置と、前記照明装置と前記検査対象物との間に配置され、前記照明装置から照射された光を偏光する第1の偏光フィルターと、前記検査対象物と前記撮像装置との間に配置され、前記検査対象物の前記表面上で反射した光を偏光する第2の偏光フィルターと、を備える。
本発明は、検査対象物の表面上に残留した旋光性を有する残留フィルムを検出する残留フィルム検出方法であって、照明装置によって前記検査対象物の前記表面に光を照射することと、撮像装置によって前記検査対象物の前記表面を撮像することと、前記照明装置と前記検査対象物との間に配置された第1の偏光フィルターによって、前記照明装置から照射された光を偏光することと、前記検査対象物と前記撮像装置との間に配置された第2の偏光フィルターによって、前記検査対象物の前記表面上で反射した光を偏光することと、を含む。
本発明の実施形態によれば、検査対象物の表面上に残留したフィルムを精度よく検出することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき詳細に説明する。本実施形態の残留フィルム検出装置および検出方法は、検査対象物の表面上に残留した旋光性をもつフィルムを検出するものである。検査対象物の一例は、プリント配線板である。プリント配線板の製造においては、パターン形成やソルダーレジスト形成に、ドライフィルムが用いられる場合がある。ドライフィルム型のレジストは、保護フィルム(PETフィルム)と感光性のレジスト層とからなる。保護フィルムは、プリント配線板へのラミネートの際にレジスト層から剥離される。保護フィルムは、PET(ポリエチレンテレフタラート)製であり、レジスト層をプリント配線板にラミネートし、露光した後、現像前に剥離される。しかし、保護フィルムを剥離する際にその一部が剥離されずにプリント配線板に残る場合がある。本実施形態の残留フィルム検出装置および検出方法は、プリント配線板の表面上に残留したPET製の保護フィルムを有利に検出可能である。
本実施形態の残留フィルム検出装置10は、照明装置12と、撮像装置14と、第1の偏光フィルター16と、第2の偏光フィルター18とを備える。図1の例では、検査対象物Bの表面上に検出すべき残留フィルム(例えば保護フィルム)f1が存在し、残留フィルムf1から下層(例えばレジスト層)f2が露出している。
照明装置12は、少なくとも検査対象物Bの検査区域に光を照射する。照明装置12は、電球、蛍光灯、発光ダイオード(LED)等である。検査区域は、撮像装置14の視野範囲である。照明装置12は、検査区域よりも広い範囲に光を照射してよい。青色から赤色の光、つまり435nm〜750nmの範囲内の波長の光が好適である。このような波長の光を用いることで、例えば残留フィルムf1として、感光性のレジスト層(下層f2)上の保護フィルムを検出する際に、レジスト層が照明装置12の光によって感光されるのを防止することができる。
撮像装置14は、検査対象物Bの表面を撮像するものである。撮像装置14は、検査対象物Bの表面で反射した光を受光する。撮像装置14の一例は、CCD(Charge
Coupled Device)イメージセンサまたはCMOS(Complementary Metal−Oxide Semiconductor)イメージセンサ等の撮像素子を備えたデジタルカメラである。
Coupled Device)イメージセンサまたはCMOS(Complementary Metal−Oxide Semiconductor)イメージセンサ等の撮像素子を備えたデジタルカメラである。
第1の偏光フィルター16は、照明装置12と検査対象物Bとの間に配置され、照明装置12から照射された光を偏光する。図示例では、第1の偏光フィルター16は、照明装置12の出射側に取り付けられている。
第2の偏光フィルター18は、検査対象物Bと撮像装置14との間に配置され、検査対象物B上で反射した光を偏光する。図示例では、第2の偏光フィルター18は、撮像装置14のレンズの外側(入射側)に取り付けられている。好適には、第1および第2の偏光フィルター16,18は、互いに直交する透過軸を有する。
図2を参照し、第1の偏光フィルター16および第2の偏光フィルター18による作用を説明する。照明装置12から出射された光は、第1の偏光フィルター16によって特定の1方向(図2(a)の例では上下方向)に振動する光以外が遮断される。第1の偏光フィルター16を通過した特定の偏光軸を有する光は、第1の偏光フィルター16に対して90度の角度で配置された第2の偏光フィルター18を通過できず、遮断される。これを撮像装置14で撮像すると、撮像された画像中、光が遮断された部分は暗く(黒く)写る。
これに対し、図2(b)に示すように、第1の偏光フィルター16と第2の偏光フィルター18との間に旋光性を有するフィルム(検査対象物Bの表面上の残留フィルムf1)が存在する場合、第1の偏光フィルター16を通過した特定の偏光軸をもつ光がフィルムに入射し、偏光軸が回転される。旋光角度はフィルムの物性により異なり、2軸延伸法で製造されたPETフィルムでは、約90度である。残留フィルムf1で偏光軸が約90度回転した光は、第1の偏光フィルター16の透過軸に対して直交する透過軸を有する第2の偏光フィルター18を通過可能である。これを撮像装置14ですると、撮像された画像中、光が通過した部分は明るく写る。このように残留フィルムf1の有無により明暗が生じるので、残留フィルムf1を検出することができる。
なお、残留フィルムf1の旋光角度は90度である必要はない。つまり、旋光角度が90度に近づくほどより多くの光が第2の偏光フィルター18を通過するが、90度未満または90度を超えて回転した光も部分的には第2の偏光フィルター18を通過可能である。旋光角度に応じて第2の偏光フィルター18の透過軸の向きを変更してもよい。このために、第2の偏光フィルター18は、検出すべき残留フィルムf1の旋光角度に応じて、撮像装置14の光軸周りの取り付け位置(第2の偏光フィルター18の透過軸の向き)を調整可能に撮像装置14に取り付けるのが好ましい。
本実施形態の残留フィルム検出方法は、照明装置12によって検査対象物Bの表面に光を照射することと、撮像装置14によって検査対象物Bの表面を撮像することと、照明装置12と検査対象物Bとの間に配置された第1の偏光フィルター16によって、照明装置12から照射された光を偏光することと、検査対象物Bと撮像装置14との間に配置された第2の偏光フィルター18によって、検査対象物Bの表面上で反射した光を偏光することと、を含む。
本実施形態の残留フィルム検出方法の好適な態様では、検出すべき残留フィルムf1はPET製である。PETフィルムは、約90度の旋光角度を有するため、残留フィルムf1で反射した偏光は90度回転し、第2の偏光フィルター18を通過可能である。
本実施形態の残留フィルム検出方法の好適な態様では、第1および第2の偏光フィルター16,18は、互いに直交する透過軸を有する。これにより、検査対象物Bの表面の残留フィルムf1で約90度回転した偏光が第2の偏光フィルター18を通過でき、撮像装置14で残留フィルムf1の存在を検出することができる。
本実施形態の残留フィルム検出方法の好適な態様では、照明装置12から照射される光の波長は、435nm〜750nmの範囲内にある。このような波長の光を用いることで、例えば残留フィルムf1として、感光性のレジスト層上の保護フィルムを検出する際に、保護フィルムから露出したレジスト層が照明装置12の光によって感光されるのを防止することができる。
本実施形態の残留フィルム検出方法の好適な態様では、検出すべき残留フィルムの旋光角度に応じて、第2の偏光フィルター18の透過軸の向きを変更することをさらに含む。これにより、検査対象物Bの表面上の異なる旋光角度を有する残留フィルムf1を検出することができる。
図3は、図1の装置を用いて検査対象物Bであるプリント配線板の表面を撮影した写真である。保護フィルムが剥離されレジスト層が露出した部分で反射した光は、第2の偏光フィルター18を通過できずに黒く写り、保護フィルムが残留した部分で反射した光は、第2の偏光フィルター18を通過して明るく写っているのが確認される。
10 残留フィルム検出装置
12 照明装置
14 撮像装置
16 第1の偏光フィルター
18 第2の偏光フィルター
B 検査対象物
f1 残留フィルム
f2 下層
12 照明装置
14 撮像装置
16 第1の偏光フィルター
18 第2の偏光フィルター
B 検査対象物
f1 残留フィルム
f2 下層
Claims (10)
- 検査対象物の表面上の旋光性を有する残留フィルムを検出する残留フィルム検出装置であって、
前記検査対象物の前記表面に光を照射する照明装置と、
前記検査対象物の前記表面を撮像する撮像装置と、
前記照明装置と前記検査対象物との間に配置され、前記照明装置から照射された光を偏光する第1の偏光フィルターと、
前記検査対象物と前記撮像装置との間に配置され、前記検査対象物の前記表面上で反射した光を偏光する第2の偏光フィルターと、を備える。 - 請求項1に記載の残留フィルム検出装置であって、前記残留フィルムはPET製である。
- 請求項2に記載の残留フィルム検出装置であって、前記第1および第2の偏光フィルターは、互いに直交する透過軸を有する。
- 請求項1から3までのいずれか一項に記載の残留フィルム検出装置であって、前記照明装置から照射される光の波長は、435nm〜750nmの範囲内にある。
- 請求項1から4までのいずれか一項に記載の残留フィルム検出装置であって、前記第2の偏光フィルターは、検出すべき前記残留フィルムの旋光角度に応じて、前記撮像装置の光軸周りの取り付け位置を調整可能に前記撮像装置に取り付けられている。
- 検査対象物の表面上の旋光性を有する残留フィルムを検出する残留フィルム検出方法であって、
照明装置によって前記検査対象物の前記表面に光を照射することと、
撮像装置によって前記検査対象物の前記表面を撮像することと、
前記照明装置と前記検査対象物との間に配置された第1の偏光フィルターによって、前記照明装置から照射された光を偏光することと、
前記検査対象物と前記撮像装置との間に配置された第2の偏光フィルターによって、前記検査対象物の前記表面上で反射した光を偏光することと、を含む。 - 請求項6に記載の残留フィルム検出方法であって、前記残留フィルムはPET製である。
- 請求項7に記載の残留フィルム検出方法であって、前記第1および第2の偏光フィルターは、互いに直交する透過軸を有する。
- 請求項6から8までのいずれか一項に記載の残留フィルム検出装置であって、前記照明装置から照射される光の波長は、435nm〜750nmの範囲内にある。
- 請求項6から9までのいずれか一項に記載の残留フィルム検出方法であって、検出すべき前記残留フィルムの旋光角度に応じて、前記第2の偏光フィルターの透過軸の向きを変更することをさらに含む。
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