JP2020085286A - ベーキング炉 - Google Patents

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碩 名倉
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文太 谷岡
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俊介 山元
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Abstract

【課題】省スペースを実現でき、かつ、熱損失を低減することができるベーキング炉を提供すること。【解決手段】ベーキング炉100は、めっき後に被処理物品に対して熱処理を行うものである。ベーキング炉100の炉体10に、被処理物品を出し入れする開口部を有する。炉体10の下部に、水平面内で回動する環状炉床20が配置されている。環状炉床20に旋回棚30が設けられ、被処理物品が収容される複数の棚部31が所定のピッチで放射状に、かつ、複数段配設されている。炉体10の上部に、気体を加熱する燃焼室40が着脱自在に設けられている。さらに、燃焼室40から環状炉床20に亘って炉体10内部の気体を循環させる循環装置50を備えている。【選択図】図1

Description

本発明は、めっき後に被処理物品に対して熱処理を行うベーキング炉に関する。
電気めっきによってめっき処理膜層内に反応産物としての水素が介在することが原因で、金属をアタックしてしまい、機械的強度を落としてしまう。特にねじ、ボルト類の強度が落ちると大変なことになる。このため、水素を除去する方法が採られている。
従来、水素を除去する方法としては、一定加熱温度域にて4〜5時間かけてゆっくりと水素を追い出す処理作業が採られている。
この処理作業を行う従来のベーキング炉として、めっきにおける連続ベーキング炉が開示されている。これは、トンネル箱型タイプの処理炉であり、めっき済みのワークが収容された処理篭を炉室の搬入口から搬出口へ搬送する搬送手段を炉室のほぼ全長に亘って設け、さらにバーナにより加熱された気流を炉室全体へ循環させ温度勾配の少ない加熱環境を形成するための循環ファンを有する加熱手段を炉室に設けたものであった(特許文献1)。
また、円筒縦型段積方式を採用する従来のベーキング装置が開示されている。これは、旋回軸まわりに複数の棚部が設けられた旋回棚と、この旋回棚の旋回駆動手段と、旋回棚を取り囲む炉本体と、この炉本体内を加熱する加熱手段と、炉本体に対して被処理物品を出し入れする物品受け渡し装置とを有している。その加熱手段は、炉本体の外部に設けられたダクトにバーナとブロアーを有する構成とされていた(特許文献2)。
特開平8−5254号公報 特開2005-226879号公報
しかしながら、従来のメッキにおける連続ベーキング炉においては、滞留処理時間が長いと炉長が長くなってしまい、設置スペースの問題があった。
また、従来のベーキング装置においては、炉本体が高さ方向に高くなり、建屋との取合に問題が生じ、加熱手段が炉本体の外部にダクトを介して設けてあるので、放熱が大きいという問題があった。
そこで、本発明の目的は、省スペースを実現でき、かつ、熱損失を低減することができるベーキング炉を提供することにある。
本発明のベーキング炉は、被処理物品を出し入れする開口部を有する炉体と、該炉体下部に配置され、かつ、水平面内で回動する環状炉床と、該環状炉床に被処理物品が収容される複数の棚部が所定のピッチで放射状に、かつ、複数段配設された旋回棚と、前記炉体上部に配置され、かつ、前記炉体内部で気体を加熱する燃焼室と、該燃焼室から前記環状炉床に亘って前記炉体内部の気体を循環させる循環装置とを備えている。
また、本発明のベーキング炉は、前記燃焼室が前記炉体に着脱自在に設けられていることが好ましい。
さらに、本発明のベーキング炉は、前記循環装置が前記燃焼室の気体を吸い込み前記環状炉床に向けて吐出する軸流ファンを備えていることが好ましい。
さらにまた、本発明のベーキング炉は、前記開口部を塞ぐとともに前記旋回棚の各段の棚部毎に開閉される扉部を備えていることが好ましい。
さらにまた、本発明のベーキング炉は、前記環状炉床を回動自在に支持する旋回環を備えていることが好ましい。
さらにまた、本発明のベーキング炉は、前記環状炉床が所定角度の回動と所定時間の一時停止とを繰返し、該一時停止のときに、被処理物品の出し入れを行う運搬装置を備えていることが好ましい。
本発明によれば、上記構成としたので、旋回棚に被処理物品が収納されて環状炉床が回動し、燃焼室で気体を加熱し、加熱された気体を循環装置が循環させ、これらが炉体内部で行われ、ダクトを設けること無く、省スペースを実現でき、かつ熱損失を低減することができるという効果を奏する。
また、本発明によれば、燃焼室が炉体に着脱自在に設けられている場合、分離してメンテナンスを行うことができるという効果を奏する。
さらに、本発明によれば、軸流ファンを備えている場合、そうでないときより風量が多く、効率よくエネルギーの送風を行うことができるという効果を奏する。
さらにまた、本発明によれば、旋回棚の各段の棚部毎に開閉される扉部を備えている場合、被処理物品の取出し又は投入をする棚部に対応する扉部のみを開閉し、それ以外の扉部を閉じた状態のまま保持することができ、さらに熱損失を低減することができるという効果を奏する。
さらにまた、本発明によれば、旋回環を備えている場合、環状炉床をスムーズに回動させることができるという効果を奏する。
さらにまた、本発明によれば、運搬装置を備えている場合、環状炉床が一時停止のときに、被処理物品の出し入れを効率的に行うことができるという効果を奏する。
図1は本発明に係るベーキング炉の一実施形態を示す中央縦断面図である。 図2は図1のA−A線に相当する矢視図である。 図3は本発明に係るベーキング炉の燃焼室を脱着した炉殻の状態を示す一部分解斜視図である。 図4は図1のB−B線に相当する矢視図である。 図5は本発明に係るベーキング炉の炉殻に設けた扉部を示す斜視図である。 図6は扉駆動部のカバーを外した状態を拡大して示す部分切欠き正面図である。 図7は扉駆動部のカバーを外した状態を拡大して示す側面図である。 図8は図1のC−C線に相当する矢視図である。 図9は本発明の運搬装置の構成とその動作を示す側面視概念図である。
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照しつつ、詳細に説明する。なお、本発明は以下の実施形態に何ら限定されない。
本実施形態のベーキング炉100は、被処理物品Wの素材のひずみ除去又はめっき後の水素除去を目的として行う熱処理用加熱炉である。ベーキング炉100は、図1〜図9に示すように、炉体10と、環状炉床20と、旋回棚30と、燃焼室40と、循環装置50と、扉部60と、旋回環70と、運搬装置80とを備えている。なお、ベーキング炉100は、図示しない制御手段、記憶手段、入出力手段、表示手段、及び電源等を備えており、制御されている。
炉体10は、図1に示すように、下部周壁部12と、中部周壁部13と、上部周壁部14と、炉頂部15とを備えている。炉頂部15は、上部周壁部14と同径の炉壁上部15aと、炉壁上部15aに設けられた炉の最上部又は天井部15bとを有している。下部周壁部12と中部周壁部13と上部周壁部14と炉壁上部15aは、夫々着脱自在に設けられており、組み合わされて円筒形の炉壁を構成する。以下、炉体10の内部を炉内といい、炉体10の外部を炉外という。
本実施形態の炉体10は、下部周壁部12が、炉体10の下部の架台などの支持構造材2に据え付けられ固定されている。下部周壁部12で囲まれた炉体10の内側には、その中心軸下方に位置する基礎1に架台を設け、その架台に固定柱16が立設されている。即ち、固定柱16は、基礎1から旋回環70及び環状炉床20を貫通して炉内に突出している。固定柱16のまわりに、環状炉床20が回動可能に設けられている。
環状炉床20は、中心軸まわりに貫通孔を有する環状に形成されており、ベーキング炉100の炉床を構成し、炉内と対向するように配置されている。炉床は、基礎1から所定高さを有して設けられている。また、環状炉床20のまわりに下部周壁部12が設けられており、環状炉床20と下部周壁部12は、固定柱16を同心とするように設けられている。
また、環状炉床20と固定柱16との間、及び環状炉床20と下部周壁部12との間には、例えば、ロックウィル又はブランケット等の断熱材17がそれらの隙間を埋めるように設けられており、炉床に熱シールが施されている。環状炉床20は、旋回環70を介して、炉体10下部の水平面内で固定柱16を中心軸として回動する。環状炉床20の上には、旋回棚30が配置されている。
旋回棚30は、複数の棚部31を備えている。複数の棚部31は、環状炉床20の外周に等間隔で配列され、かつ、所定の高さ間隔を有して鉛直方向である上下方向に、さらに複数段配設されて段積状に設けられている。各棚部31には、複数の被処理物品Wが収容された処理篭が載置される。旋回棚30は、環状炉床20に固定されており、環状炉床20の回動に伴って炉内の外周側領域を旋回する。
燃焼室40は、炉体10の上部である炉頂部15に配置されており、炉内で気体を加熱する。また、燃料室40は、炉頂部15内部において、環状炉床20に対峙して設けられている。炉頂部15には、図2に示すように、炉壁上部15aに複数のバーナ取付部43が設けられている。バーナ取付部43は、炉壁上部15aの周方向において180度離れた位置に配置されており、その開口方向が互いに平行となるように設けられている。炉頂部15の各々のバーナ取付部43に、バーナ41が設けられている。各バーナ41には、保炎筒48が設けられ、保炎筒48が炉内に突出する。バーナ41は、燃焼室40の気体を加熱し、保炎筒48がその炎を保ちつつ、まっすぐに炉内に伸ばしている。
また、燃焼室40には、複数の熱電対センサ47を備えている。熱電対センサ47は、炉壁上部15aに複数設けられている。なお、熱電対センサ47は、燃焼室40の他の場所や炉体10の複数個所にも設けられている。
さらに、燃焼室40には、バーナ41の燃焼後の気体を廃棄する排気口42が複数設けられている。複数の排気口42は、燃焼室40の内部から外部へ突出するように天井部15bに鉛直方向に設けられている。排気口42は、循環装置50で循環された気体のうち、燃焼室40の内部で燃えたガス量だけを、炉外へ逃がすことができる。
さらにまた、燃焼室40を有する炉頂部15は、図3に示すように、上部周壁部14に着脱自在に設けられており、炉体10から分離できる構成とされている。また、天井部15bには、複数の排気口取付部44が設けられており、排気口取付部44に排気口42が取り付けられる。なお、天井部15bに複数の点検口45が設けられている。
炉体10には、下部周壁部12から上部周壁部14に亘って上下方向一列に開口する単一の開口部18を有する。開口部18は、被処理物品Wの出し入れをするための単数の投入口であり、取出し口をも兼ねる。天井部15bには、略中央に、循環装置50を取り付けるための循環装置取付部46を有する。
循環装置50は、軸流ファン51と、ファンモータ52と、炉内仕切り53と、ゾーン仕切り54と、仕切り壁55とを備えている。循環装置50は、図1に示す矢印の方向に、燃焼室40から環状炉床20に亘って炉内の気体を上下方向に循環させる。
軸流ファン51は、循環装置取付部46に取り付けられており、被駆動部であるファン部分が炉内で天井部15bと環状炉床20との間に配置され、燃焼室40の気体を吸い込み環状炉床20に向けて吐出する。
ファンモータ52は、軸流ファン51の駆動部であり、炉頂部15の炉外に設けられており、軸流ファン51を駆動する。
炉内仕切り53は、旋回棚30の内径と同径の筒状本体53aと、筒状本体53aより小径で、かつ、軸流ファン51のファン部分より大径の筒状口部53cと、筒状口部53cと筒状本体53aとを接続する仕切り肩部53bとを備えている。
筒状本体53aは、旋回棚30に設けられており、環状炉床20の回動に伴って回動する。本実施形態では、筒状本体53aは、旋回棚30の内周側の複数の内周柱を包含する円筒状に形成されており、旋回棚30の所定下方を含まない高さから上方まで、具体的には旋回棚30の第3段から最上段までに設けられている。すなわち、筒状本体53aは、旋回棚30のうち、設置下部から第2段までを除く部分で、炉内を外周側領域とそれよりも内側の内方側領域とに分離する。
筒状口部53cは、仕切り肩部53bを介して筒状本体53aと連設されており、旋回棚30の最上段より更に上方へ突出している。また、筒状口部53cは、軸流ファン51のファン部分のまわりを覆っている。いわば、筒状口部53cは、軸流ファン51の吸込側のガイドの役目を果たす。
ゾーン仕切り54は、筒状本体53aより小径で、かつ、筒状口部53cより大径の有底筒状に形成されている。ゾーン仕切り54は、旋回棚30の所定下方の高さより若干高くなるように、具体的には旋回棚30の第2段の高さより高く、旋回棚30の第3段の高さより低い高さに形成されている。
また、ゾーン仕切り54は、固定柱16に固定されており、環状炉床20が回動しても、ゾーン仕切り54は、回動しない。ゾーン仕切り54は、基礎1から炉内に突出する固定柱16の頭頂部に受け部を設けて構成した底部を備えている。この底部が、環状炉床20の上方に配置されており、環状炉床20の内方側領域を覆っている。また、ゾーン仕切り54は、筒状本体53aの下方で、かつ、炉内仕切り53の内側に配設されており、側方の筒状上部が炉内仕切り53の下部と一部オーバーラップしている。
さらに、ゾーン仕切り54は、図4に示すように、側方の一部において中心軸から旋回棚30方向に所定の開口角θで切欠かれている。この切欠かれた部分である下部ガス流れ切欠部54aは、旋回棚30の第1段より更に下方から第2段までの高さに対応する高さに形成されている。この開口角θの切欠き側の領域で、ガスを積極的に旋回棚30側に流動させる昇温ゾーン56を構成する。即ち、ゾーン仕切り54は、下部ガス流れ切欠部54aを有する部分の昇温ゾーン56と、切欠きなき部分のキープゾーン57とを有する炉内ゾーン構成を行う。このゾーン構成は、さらに仕切り壁55によって細分化されている。
仕切り壁55は、旋回棚30の内周柱又は炉内仕切り53から旋回棚30の外周端まで所定のピッチで放射状に複数設けられており、かつ、旋回棚30の設置下部から最上段までに設けられている。
炉内仕切り53、ゾーン仕切り54及び仕切り壁55によるゾーン構成のなか、環状炉床20が図4の中央の矢印で示す反時計方向に回動することで、旋回棚30に収容された被処理物品Wが炉内のゾーンを移動し、ゾーン切替えが行われる。炉内のゾーン構成と作用について、以下に説明する。
燃焼室40で加熱されたガスが、軸流ファン51と炉内仕切り53によって炉内の内方側領域を下降する。昇温ゾーン56では、下部ガス流れ切欠部54aを通過して旋回棚30の下方へ放射状に向かい、外周側領域で旋回棚30の下方から上方へ向かう。昇温ゾーン56では、このようにガスが各棚部31の下段から上段へ流動することで、被処理物品Wの昇温を行う。
また、キープゾーン57では、ゾーン仕切り54が存在することで、ガスが、外周側領域へ向かうことを防止し、旋回棚30を流動しなくても構わないゾーンを形成する。キープゾーン57では、このようにして被処理物品Wの均熱化を行う。
さらに、仕切り壁55を備えていることで、昇温ゾーン56又はキープゾーン57を、旋回する旋回棚30において、ガスが、仕切り壁55で区切られた列毎に流動し、隣接する列に流れることを防止している。
本実施形態のゾーン構成では、全体として炉内を、ゾーン仕切り54が昇温ゾーン56とキープゾーン57とに2分割しており、仕切り壁55が旋回棚30を12分割している。下部ガス流れ切欠部54aの開口角θは180度より小さく150度より広く設定されており、昇温ゾーン56よりキープゾーン57の面積が広い。この場合、炉内で旋回棚30が旋回すると、被処理物品Wは、概ね、第1から第6までに6分割された昇温ゾーン56を通り、次いで、第1から第6までに6分割されたキープゾーン57を通ることで、1周することになる。各ゾーンの第1から第3のゾーンを前半といい、第4から第6のゾーンを後半という。
なお、棚部31は、ガスが流動可能で、かつ、被処理物品Wの処理篭が載置可能に形成されており、各列の両仕切り壁55に配設されている。勿論、処理篭もガスが流動可能に形成されている。また、炉体10には、昇温ゾーン56に対応する位置に点検扉62が設けられている。
また、キープゾーン57の終わりである第6のゾーン59に対応する炉体10に、単一の開口部18を有する。開口部18は、旋回棚30に当接可能なシリコンの板が上下左右に設けられ、熱シールされている。また、炉体10には、開口部18を塞ぐ扉部60が設けられている。
扉部60は、複数のスライドドアがそれぞれ各段の棚部31に対応して上下方向に縦一列に配列され、図5に示すように、開口部18を隙間なく覆っている。また、扉部60の各スライドドアは扉駆動部61の駆動によって各段の棚部31毎に開閉される。開閉される扉部60の各スライドドアは、扉駆動部61が以下の構成を備えているため、炉体10の外周に沿って周方向に駆動される。なお、扉駆動部61には、通常、カバーが設けられている。
扉駆動部61は、開口部18及び扉部60に隣接して設けられており、そのカバーを外すると、図6に示すように、扉部60の各スライドドアに対応する複数の駆動部を有している。各駆動部は、レール63と、チェーン64と、複数のコロ65と、扉取付部66と、扉スプロケット67と、扉用減速機68と、扉駆動モータ69とを備えており、各々のスライドドアを個別に駆動する。
レール63は、炉体10の外周に沿って湾曲する帯状の板状部材からなり、炉体10に固定されている。レール63の長手方向が旋回棚30の旋回方向に対応し、短手方向が炉体10の上下方向に対応する。レール63の上下端には、夫々長手方向にコロ65が転動可能な軌道が設けられている。また、レール63の表面には、長手方向に開口するチェーン用開口部が設けられ、チェーン用開口部にチェーン64が設けられている。
チェーン64は、複数の内リンク及び外リンクを有しており、これらのリンクがレール63の長手方向に配列されている。配列された複数の内リンクがレール63から炉体10の外側方向へ突出する。
コロ65は、転動体と、この転動体を転動可能に保持する保持器とを備えている。複数のコロ65は、その保持器が、扉取付部66の4か所に設けられている。コロ65は、転動体が、レール63の上端の軌道に2か所と、下端の軌道の2か所に、夫々転動可能に配設されている。
コロ65は、図7に示すように、レール63の上下端の軌道のいずれにおいても、一体化された転動体ではなく、2分割された転動体を有しており、内輪コロ65aと、外輪コロ65bとを備えている。そして保持器が、内輪コロ65aと外輪コロ65bとを別々に転動可能に軸挿して支持している。内輪コロ65a及び外輪コロ65bは、ともに左右対称の円錐状に形成されており、その円錐面がレール63の軌道上を転動する。内輪コロ65aは、炉体10側に配列され、外輪コロ65bは、扉取付部66側に配列されている。
扉取付部66は、チェーン64に対応する位置に噛合用開口部を有する矩形枠状に形成され、一側方に扉部60が取り付けられている。また、扉取付部66は、扉用減速機68を取り付けるための設置台を備えている。
扉スプロケット67は、扉用減速機68の回転軸に設けられており、扉取付部66の噛合用開口部でチェーン64の内リンクと噛み合う。扉スプロケット67は、扉用減速機68の回転に伴い、チェーン64上を回転する。
扉用減速機68は、扉取付部66の設置台に設けられており、扉駆動モータ69と組み合わせて構成されている。扉用減速機68は、扉駆動モータ69によって駆動され、その回転速度を減じて出力する。この出力として、減速比に比例したトルクを得ることができる。
扉駆動モータ69は、扉用減速機68と共に扉取付部66の設置台に設けられている。なお、扉駆動モータ69は、減速機と一体となったギヤードモータであってもよい。
扉部60のスライドドアは、次のように開閉駆動される。先ず、図示しない制御手段によって、扉駆動モータ69が駆動され、扉用減速機68の減速比に比例したトルクで扉スプロケット67が回転する。このとき、扉スプロケット67がチェーン64の内リンクと噛み合って回転することで扉取付部66がレール63上を摺動し、扉取付部66に取り付けられた扉部60が炉体10の周方向に沿ってスライドする。
ここで、コロ65は、その転動体が別体に構成されており、内輪コロ65aと外輪コロ65bとを備えているので、内輪コロ65aの転動数と、外輪コロ65bの転動数を異ならせることができる。このようにして、炉体10の外周方向距離が内輪コロ65a側と外輪コロ65b側で異なっている本実施形態の円筒形の炉壁を有する炉体10においても、コロ65が内輪側と外輪側とで別々に異なる転動数で回転し、湾曲するレール63に沿って転動することができる。このコロ65の転動に伴い、扉取付部66がレール63上をスムーズに摺動し、扉部60が炉体10の外周に沿って周方向にスライド開閉可能となる。
旋回環70は、環状炉床20を回動自在に支持するものであり、ギア付きベアリングを有する外周側リングと、ベアリングを介して外周側リングの内側に配列される内周側リングとを有する。本実施形態のベーキング炉100においては、NIPPON ROBALLO SLEWING RINGSのロバロ旋回環が好ましい。旋回環70は、炉体10の下方において、基礎1と環状炉床20との間に設けられている。そして、旋回環70は、図8に示すように、まわりを支持構造材2に囲まれて配設されており、旋回環70の中央空洞に固定柱16が貫通している。
また、旋回環70の内周側リングは、架台を介して基礎1に固定されている。他方、旋回環70の外周側リングは、その上方に環状炉床20を連設して回動可能に支持し、ギアが外側リングの外周に設けられている。
本実施形態では、旋回環70は、そのギアに噛み合うピニオンギア71を有するウォームギア付減速機72と、ウォームギア付減速機72を駆動する旋回モータ73とを備えている。ウォームギア付減速機72は、旋回モータ73によって駆動される。
さらに、旋回環70は、図示しない制御手段によって、旋回モータ73が駆動制御され、ウォームギア付減速機72のウォーム軸が回転することによってそのウォームホイールが回転するとともにピニオンギア71が回転する。ピニオンギア71が回転すると、ピニオンギア71に噛み合っている旋回環70の外周側リングが回転し、旋回環70の回転に伴い環状炉床20が固定柱16のまわりで反時計方向に回動する。
このとき、制御手段の制御によって旋回モータ73を制御して、環状炉床20を間欠回動させることができる。間欠回動は、まず、旋回環70の回転を所定時間一時停止させて環状炉床20の回動を一時停止させ、旋回棚30内の被処理物品Wをそのゾーン内に保持する。次いで、旋回モータ73を駆動して、所定時間経過後に旋回環70を回転させて環状炉床20を回動させる。このとき、仕切り壁55で区切られた一つのゾーン分だけ旋回棚30が旋回したところで、制御手段の制御によって再度所定時間、旋回環70の回転を一時停止させ、環状炉床20の回動を一時停止させる。被処理物品Wは細分化されたゾーン毎に所定時間保持されることとなる。この一時停止と回動の動作を繰り返すことが間欠回動である。
運搬装置80は、炉外に隣接して設けられており、基礎1から炉頂部15までの高さを有する。運搬装置80は、図示しない制御手段によって開口部18を介して各段の棚部31から被処理物品Wの取出し及び/又は各段の棚部31に被処理物品Wの投入を行う。運搬装置80は、図9に示すように、投入アーム81と、昇降用モータ82と、投入アーム用モータ83と、ジップチェーン84とを備えている。
投入アーム81は、被処理物品Wが収容された処理篭に対して、めっき工程から流れてきたコンベアからすくい上げ、炉体10前で待機、上昇若しくは下降中の保持、棚部31からの取出し若しくは投入に使われるものである。
昇降用モータ82は、制御手段の制御によって、投入アーム81を上下方向に昇降させる駆動部である。昇降用モータ82には、投入アーム81を吊り下げるための滑車が設けられている。この滑車には、つり合いをとるためのカウンターウエイトと、投入アーム81とが吊り下げられており、昇降用モータ82が駆動制御されることで、投入アーム81が上下動及び/又は停止を繰り返す。
投入アーム用モータ83は、制御手段の制御によって、投入アーム81とジップチェーン84とを水平方向に駆動させる駆動部である。例えば、環状炉床20が一時停止しているときに、ベーキングの最終段階での被処理物品Wが収容された処理篭の炉外への取出しと、ベーキング処理前の被処理物品Wが収容された処理篭の炉内への投入とを行う。
ジップチェーン84は、投入アーム81に伸縮可能に設けられている。ジップチェーン84は、複数のチェーンがジッパーのように噛み合い、強固な単数の伸縮チェーンとなる。ジップチェーン84は、被処理物品Wの出し入れの際、投入アーム81から強固な押し又は投入アーム81への引きができるものである。ジップチェーン84は、投入アーム用モータ83の駆動によって、炉外の投入アーム81から炉内の旋回棚30に対して所定ストローク分伸張される。また、ジップチェーン84は、投入アーム用モータ83の駆動によって、伸張された所定ストローク分が炉内の旋回棚30から炉外の投入アーム81へ引き戻される。
次に、本実施形態のベーキング炉100を用いた熱処理方法について、説明する。炉外では、めっき工程において電気めっきが行われている。他方、炉内では、環状炉床20の回動が所定角だけ回動して所定時間一時停止しており、開口部18を挟んで所定列の複数段の棚部31が、扉部60の前に正対している状態とする。このとき、コンベアを介して被処理物品Wが収納された処理篭がめっき工程から所定のコンベア高さで送られてくる。
まず、ベーキング処理後の被処理物品Wを炉外へ取り出す。即ち、昇降用モータ82を駆動して、投入アーム81を第1段の棚部31の高さまで上昇させる。このとき、投入アーム81を、第1段の棚部31の所定の高さに対して、若干のストローク高さ分だけ低い状態で扉部60の前で停止する。
そして、扉駆動部61を駆動して第1段の棚部31に対応する扉部60のみを開き、投入アーム用モータ83を駆動してジップチェーン84を炉内のその棚部31の下方に伸張させる。このとき、ジップチェーン84は、目的の棚部31の高さより若干のストローク高さ分だけ低い高さから進入することになる。さらに、昇降用モータ82を駆動させて伸張したジップチェーン84を含めて投入アーム81を上昇させると、第1段の棚部31の被処理物品Wの処理篭がジップチェーン84上に載置された状態となる。
さらに、昇降用モータ82を駆動して、投入アーム81を上昇させ、差し込まれたジップチェーン84が棚部31から所定ストローク分だけ高くなる位置へ上昇させる。このとき、被処理物品Wが収納された処理篭が棚部31から上方に持ち上げられた状態となる。この状態から、投入アーム用モータ83が駆動されてジップチェーン84が引き戻される。これに伴い、処理篭が、ジップチェーン84から投入アーム81上に移動し、炉外へ取り出される。
そして、扉駆動部61を駆動して、開いていた扉部60を閉じる。また、昇降用モータ82を駆動して投入アーム81を所定高さのコンベアまで下降させ、炉外へ取り出された処理篭を、投入アーム81から次工程のコンベアへ搬出する。これにより、まず第1段の棚部31のベーキング処理後の処理篭が取り出された状態となる。
次に、めっき後でベーキング処理前の被処理物品Wを炉内へ投入する。搬出後の投入アーム81上に、処理前の被処理物品Wが収容された処理篭が載置されると、昇降用モータ82を駆動して、投入アーム81を第1段の棚部31の高さまで上昇させる。このとき、投入アーム81を、第1段の棚部31の高さに対してさらに所定ストロークを有する高さ、即ち、棚部31の所定の高さに対して若干の高さ分だけ高い投入高さで停止する。
そして、扉駆動部61を駆動して第1段の棚部31に正対する扉部60のみを開き、投入アーム用モータ83を駆動してジップチェーン84をその棚部31に対して炉外から炉内へ伸張させる。このとき、ジップチェーン84は、目的の棚部31の高さより若干のストローク分の高さを有して炉外から炉内へ進入することになる。ここで、昇降用モータ82を駆動させて伸張したジップチェーン84ごと投入アーム81を下降させると、ジップチェーン84上の処理篭が第1段の棚部31に載置される。
さらに、昇降用モータ82を駆動して、投入アーム81を下降させ、差し込まれたジップチェーン84を棚部31から所定ストローク分だけ低くなる位置へ下降させる。このとき、処理篭がジップチェーン84から離れる。この状態から、投入アーム用モータ83を駆動するとジップチェーン84が引き戻される。これに伴い、処理篭が、棚部31に保持されたままとなり、炉内へ投入された状態となる。
このとき、扉駆動部61を駆動して、開いていた扉部60を閉じ、第1段の棚部31への被処理物品Wの投入が完了した状態となる。
続いて、上記一連の工程において、処理高さを変更し、上記工程を繰り返し、第2段から最上段の棚部31に対する被処理物品Wの出し入れを行う。
こうして、ベーキング処理前の被処理物品Wの所定列の棚部31への投入が完了した状態となると、旋回環70が駆動されて環状炉床20が所定角度分だけ回動する。環状炉床20が所定角度まで回動されると、旋回環70の駆動が一時停止されて環状炉床20が所定時間一時停止する。このとき、回動前にはキープゾーン57の第5のゾーン58にあった所定列の複数段の棚部31が、キープゾーン57の第6のゾーン59に旋回移動し、扉部60を介して開口部18に正対することとなる。さらに上記一連の工程が繰り返され、この列の被処理物品Wの出し入れが行われる。この回動と一時停止に伴う動作を繰り返すことで、連続してベーキングが行われる。
すなわち、本実施形態のベーキング炉100を用いた熱処理方法は、まず、開口部18を介して炉外から炉内へ投入された被処理物品Wが、環状炉床20の回動に伴い、昇温ゾーン56の第1のゾーンへゾーン移動する。
次いで、昇温ゾーン56の第1のゾーンで所定時間一時停止した後、昇温ゾーン56の第2のゾーンへゾーン移動し、第2のゾーンで所定時間一時停止する。この回動と一時停止の一連のタイミングを繰返し、昇温ゾーン56の第1のゾーンから第6のゾーンまでのゾーン移動が行われ、被処理物品Wの昇温が行われる。
昇温が行われた被処理物品Wが、環状炉床20の回動に伴い、キープゾーン57の第1のゾーンへゾーン移動する。さらに、環状炉床20の回動と一時停止の一連のタイミングを繰返し、キープゾーン57の第1のゾーンから第6のゾーン59までのゾーン移動が行われ、被処理物品Wの均熱化が行われる。
被処理物品Wがキープゾーン57の第6のゾーン59で一時停止しているときに、運搬装置80が、開口部18に正対している各段の棚部31の被処理物品Wを、順に取出し、投入を行う。
さらに、環状炉床20の回動と一時停止に伴い、次に開口部18に正対する列の棚部31に対して被処理物品Wの出し入れが行われる。このようにして、環状炉床20の間欠回動に伴い、被処理物品Wが炉内ゾーンを1周し、一連のめっき後のベーキング処理を連続して行う。
以上説明した本実施形態のベーキング炉100によれば、上記構成としたので、被処理物品Wが棚部31に載置されて炉内のゾーン移動をすることで熱処理を行うことができる。このため、トンネル箱型タイプの処理炉のように直線状に搬送手段を長く敷設する必要がないし、また炉外にダクトを設けなくてもよいので、省スペースを実現できる。また、下部周壁部12と中部周壁部13と上部周壁部14と炉壁上部15aが、夫々着脱自在に設けられているので、個別に搬入し、組み合わせて設置又は分解することができる。
そして、炉内の燃焼室40で気体を加熱し、加熱された気体が循環装置50により循環されて熱処理が行われるので、炉外にダクトを設けた場合と比べて、その分の熱損失を低減することができる。
また、被処理物品Wが出し入れされる開口部18が、旋回棚30の所定列に対応する単一の出し入れ口を構成し、かつ、キープゾーン57の最終ゾーンである第6のゾーン59に対応する炉体10に設けてあるので、そうでない場合に比べて、熱損失が少ない。
さらに、環状炉床20と固定柱16との間、及び環状炉床20と下部周壁部12との間に、断熱材17がそれらの隙間を埋めるように設けられており、炉床に熱シールが施されているので、それらの隙間からの気体の流動を防止でき、熱損失が少ない。また、開口部18は、旋回棚30に当接可能なシリコンの板が上下左右に設けられて熱シールされているので、旋回棚30と炉体10との隙間からの気体の流動を防止でき、熱損失が少ない。
一方、燃焼室40が炉体10に着脱自在に設けられているので、個別に搬入し、組み合わせて設置できるとともに、分離してメンテナンスを行うことができる。燃焼室40には、排気口42が複数設けられているので、燃えたガス量だけを、炉外へ逃がすことができる。
他方、軸流ファン51を備えているので、そうでないときより風量が多く、効率よくエネルギーの送風を行うことができる。また、炉内を、炉内仕切り53、ゾーン仕切り54及び仕切り壁55によるゾーン構成としたので、昇温ゾーン56で被処理物品Wの昇温を行い、キープゾーン57で被処理物品Wの均熱化を行い、流動するガスの流れを仕切り壁55で区切られた列毎に対応するゾーンに更に細分化し、ガスが隣接する列に流れることを防止することができる。環状炉床20の回動に伴い、効率的に、かつ、確実に熱処理を行うことができる。
本実施形態のベーキング炉100によれば、各段の棚部31毎に開閉される扉部60を備えているので、扉駆動部61を駆動して、被処理物品Wの取出し又は投入をするときに応じて対応する扉部60のみを開き、それ以外は扉部60を閉じた状態のまま保持することができ、さらに熱損失を低減することができる。
コロ65は、2分割された別体の転動体を有しており、内輪コロ65aと、外輪コロ65bとを備えているので、内輪コロ65aと外輪コロ65bとがレール63の軌道上を転動することで、扉部60を炉体10の外周に沿って周方向にスライド開閉させることができる。
このように、扉部60が、直線運動ではなく、炉体10の円周方向に沿って駆動されるので、スムーズに動くとともに、直線移動に比べてデザイン的にも良い。
また、本実施形態のベーキング炉100によれば、扉部60を閉じている状態で運搬装置80を待機させることができ、熱効率が良い。扉部60を開いている状態で、運搬装置80を待機させると、その分の熱損失が多くなるので、熱効率が悪いのである。また、環状炉床20の回動中に炉外で待機させることができるので、時間短縮を行うことができる。
また、本実施形態のベーキング炉100によれば、旋回環70を備えているので、偏荷重に強い。環状炉床20をスプロケットチェーンで回動させた場合、ガタが多くガクガクと動くこととなり、正確に回動させることができないのに対し、ギアが一体型の旋回環70を回転させて環状炉床20を回動させた場合、ギアの噛み合わせが良く、回動が安定する。このため、被処理物品Wのゾーン移動をスムーズに行うことができる。環状炉床20の間欠回動もスムーズに、かつ、正確に行うことができる。また、旋回環70を用いれば、中央に固定柱16を通すことができる。中央に通した固定柱16にゾーン仕切り54を固定して設けることができる。
さらに、本実施形態のベーキング炉100によれば、運搬装置80を備えているので、環状炉床20が一時停止のときの所定時間内に、開口部18に正対する列の旋回棚30に対してベーキングの最終段階での被処理物品Wの取出し及び/又はベーキング処理前の被処理物品Wの投入を行うことができる。即ち、単数の開口部18で、被処理物品Wの投入と取出しとを行うことができる。
また、投入アーム81を、旋回棚30に対して所定ストロークを有して炉内へ進入させることができるので、旋回棚30などに引っかかることなく、スムーズに被処理物品Wの出し入れを行うことができる。
本実施形態のベーキング炉100を用いた熱処理方法によれば、環状炉床20の間欠回動に伴い、被処理物品Wの出し入れと炉内での昇温と均熱化の一連のベーキング工程を、炉体10の周方向に旋回棚30の列毎に連続して行うことができ、効率的で、かつ、確実に熱処理を行うことができる。
[炉内温度テスト]
上記した実施形態のベーキング炉100において、処理篭を自動投入したときの温度分布を測定した。測定条件は、以下の通りである。運搬装置80による旋回棚30の所定列に対する被処理物品Wの出し入れを各段2分間隔で約25〜30分で第1段から第11段まで終わり、環状炉床20を30度回動させる間欠回動とした。バーナ41のコントロールは200℃とした。熱電対センサ47を、炉体10の周方向において夫々45度離れた位置で、かつ、各段の棚部31に対応するように等間隔で、複数配置し、そのうちの表に記載したゾーン及び棚部31の段数の箇所での炉内温度を、表に記載した計測時刻に測定した。測定結果を表1に示す。表1に示すように、すべての測定値が、200℃±5℃以内にある。
Figure 2020085286
[実施形態の変形]
本発明のベーキング炉に係る構成は、上記実施形態に何ら限定されるものではなく、ベーキング炉の形状、構造に係る構成について、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で必要に応じて適宜変更可能である。
例えば、燃焼室は、炉体に固定されていてもよい。また、循環装置は、上記実施形態に何ら限定されず、燃焼室から環状炉床に亘って炉内の気体を循環させるものであればよい。
もっとも、循環装置は、次の構成が好ましい。即ち、炉内を旋回棚が設置されている外周側領域とそれよりも内側の内方側領域とに分離する炉内仕切りと、炉内仕切りの下部に固定して設けられ、一部が切欠かれた所定の開口角の下部ガス流れ切欠部を有するゾーン仕切りと、外周側領域に所定のピッチで放射状に、かつ、旋回棚の設置下部から最上段まで配設され、旋回棚を列毎に細分化する仕切り壁とを備えている循環装置が好ましい。
この循環装置を備えたベーキング炉によれば、仕切り壁は環状炉床の回動に伴い回動するもののゾーン仕切りは回動せず固定されているので、炉内に昇温ゾーンとキープゾーンのゾーン構成を形成することができる。さらに、ガスが仕切り壁で細分化された所定の列から隣接する列へ流動することを防止することができ、炉内温度を均一化することができ、温度ムラを防止することができる。
また、開口部は、ゾーン仕切りの下部ガス流れ切欠部なき部分に対応する炉体に有することが好ましい。
この場合のベーキング炉によれば、開口部に正対した所定列の旋回棚は、炉内仕切りとゾーン仕切りによって炉内の内方側領域と仕切られ、かつ、仕切り壁によって隣接する他の列と旋回棚の設置下部から最上段まで仕切られて別の空間を形成しているので、開口部から炉内の熱気を逃げ難くすることができる。
さらに、各段の棚部に対応する扉部を開けた場合、炉外の気体が吸い込まれるときがあるが、開口部に正対する所定列の旋回棚の空間は、他の空間とは独立した空間を形成しており、炉内温度の均一化が図られる。もっとも、その気体は旋回棚を上昇し、燃料室で加熱されることになる。
なお、ゾーン仕切り54は、図4に示した形状、構造と同一のものではなくてもよい。同様に、下部ガス流れ切欠部54aの高さ、開口角θ、開口面積は、適宜変更してもよい。
また、仕切り壁55のピッチは、図4に示したピッチに何ら限定されるものではなく、他のピッチを採用することができる。本実施形態では、仕切り壁55が旋回棚30を12分割する実施形態を挙げたが、何らこれに限定されるものではなく、例えば、8分割、6分割又は4分割であってもよい。このように、循環装置は、他の形状、構造であってもよいし、他の異なる構成であってもよい。
また、扉部は、開口部を塞ぐとともに旋回棚の各段の棚部毎に開閉されるものであればよく、上記実施形態で例示した、扉駆動部61によって駆動されるものに何ら限定されるものではない。例えば、扉部は、シリンダで駆動されるものであってもよい。
1…基礎、2…支持構造材、10…炉体、12…下部周壁部、13…中部周壁部、14…上部周壁部、15…炉頂部、15a…炉壁上部、15b…天井部、16…固定柱、17…断熱材、18…開口部、20…環状炉床、30…旋回棚、31…棚部、40…燃焼室、41…バーナ、42…排気口、43…バーナ取付部、44…排気口取付部、45…点検口、46…循環装置取付部、47…熱電対センサ、48…保炎筒、50…循環装置、51…軸流ファン、52…ファンモータ、53…炉内仕切り、53a…筒状本体、53b…仕切り肩部、53c…筒状口部、54…ゾーン仕切り、54a…下部ガス流れ切欠部、55…仕切り壁、56…昇温ゾーン、57…キープゾーン、58…キープゾーンの第5のゾーン、59…キープゾーンの第6のゾーン、60…扉部、61…扉駆動部、62…点検扉、63…レール、64…チェーン、65…コロ、65a…内輪コロ、65b…外輪コロ、66…扉取付部、67…扉スプロケット、68…扉用減速機、69…扉駆動モータ、70…旋回環、71…ピニオンギア、72…ウォームギア付減速機、73…旋回モータ、80…運搬装置、81…投入アーム、82…昇降用モータ、83…投入アーム用モータ、84…ジップチェーン、100…ベーキング炉、W…被処理物品、θ…開口角

Claims (6)

  1. 被処理物品を出し入れする開口部を有する炉体と、
    該炉体下部に配置され、かつ、水平面内で回動する環状炉床と、
    該環状炉床に被処理物品が収容される複数の棚部が複数段配設された旋回棚と、
    前記炉体上部に配置され、かつ、前記炉体内部で気体を加熱する燃焼室と、
    該燃焼室から前記環状炉床に亘って前記炉体内部の気体を循環させる循環装置とを備えていることを特徴とするベーキング炉。
  2. 前記燃焼室は、前記炉体に着脱自在に設けられていることを特徴とする請求項1記載のベーキング炉。
  3. 前記循環装置は、前記燃焼室の気体を吸い込み前記環状炉床に向けて吐出する軸流ファンを備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載のベーキング炉。
  4. 前記開口部を塞ぐとともに前記旋回棚の各段の棚部毎に開閉される扉部を備えていることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のベーキング炉。
  5. 前記環状炉床を回動自在に支持する旋回環を備えていることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載のベーキング炉。
  6. 前記環状炉床が所定角度の回動と所定時間の一時停止とを繰返し、該一時停止のときに、被処理物品の出し入れを行う運搬装置を備えていることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載のベーキング炉。
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