JP2009243877A - 熱風循環炉 - Google Patents

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Abstract

【課題】小型でありながら連続処理が可能でかつ大量処理できるようにする。また、均等加熱が可能で、同じ温度の熱風を使って加熱帯と均熱帯を構成可能とする。
【解決手段】熱源5と回転炉床2とを備える炉体1と、回転炉床2の上に備えられ放射方向にワークを搬入搬出可能に載置すると共に循環流が上下方向に通過可能なワーク載置棚24を備えるワーク載置台23と、炉体1の天井4付近に備えられて炉体1の内側から外側に放射状に循環流を炉体内全域に形成する軸流ファン11と、炉内をワーク載置台23が設置されている外周側領域6とそれよりも内側の内方側領域7とに分離すると共に炉体1の炉床2付近及び天井4付近で循環流が反転する通路9,10を区画する環状仕切り8とを有するようにしている。より好ましくは環状仕切り8の内側には入口側θの開口よりも出口側の開口θを狭めて軸流ファン11から吐出された高温ガスの風速の一部を高めてワーク載置台23に供給するゾーン分離用の仕切り12を有することである。
【選択図】図1

Description

本発明は熱風を循環させてワークを所定の熱処理温度まで加熱する熱風循環炉に関する。さらに詳述すると、本発明は、例えばアルミニウム合金のT6熱処理のような、比較的サーマルヘッドのとり難い材料の熱処理に好適な熱風循環炉に関する。
従来、ファンにより強制的に循環させられる熱風によってワークを加熱する熱風循環式の熱処理炉としては、例えば図9に示すようなものがある(特開2002−173708号)。この高速昇温炉は、耐火材から成る炉室2内に上下端開口の筒状のワーク収容室3を同軸的に配置し、炉底部に設置されたバーナBにて生成された熱風を循環ファン(シロッコファン)4により渦流として強制的に対流させることによって、ワークWを高速で昇温するようにしたものである。熱風は、ワーク収容室3の底部からワーク収容室3内に流入して循環ファン4でワーク収容室3とその周囲の耐火壁21との間の循環通路5に吐出されて下降するような循環を形成するように設けられている。また、ワーク収容室3の第2ワーク搬送口35に扉7を設け、扉7を閉じることにより、炉室2とワーク収納室3との間の全周にわたって熱風が均一に循環される循環通路を確保するようにしている。この炉へのワークWの出し入れは、第1ワーク搬送口22の扉Dと炉室2内のワーク収容室3の扉7とを開くことにより行われるものであり、熱処理をバッチ処理とするものである。
また、連続処理炉としては、図示していないがトンネル型の長い処理炉が一般的であり、一端のワーク搬入口から搬入したワークが他端のワーク搬出口へ向けて移動する間に所定温度にまで加熱されるようにしている。
特開2002−173708号
しかしながら、図9の高速昇温炉はバッチ処理であるため、ワークの搬入・搬出のたびに大量の炉内熱風が流出しかつ炉外の冷たい空気が流入して炉室2内が冷却されるため、熱効率が悪いと共に処理時間が余分にかかってしまう問題がある。
また、この高速昇温炉に用いられている循環ファン4は、シロッコファンであり、かつブレードが剥き出しとされた構造となっていることから、実際には循環流が発生せず、高速には加熱できない問題がある。シロッコファンは周囲のケーシングのデザインによって風量が決まるものであり、ブレードがむき出しでケーシングがないと風量がでない。したがって、ブレードをむき出しにしたシロッコファンを設置しても静圧回収できず、ファンの周囲の空気をかき混ぜるだけで、炉内全体に行き渡る循環流は起こらない。また、仮にケーシングを設けて風量が得られるようにした場合にも、熱風の循環流が渦流となるため、循環流の偏りが生じ、ワークに対して均一に接触できないことから加熱むらが生じ易い問題がある。更に、ワークを中央に配置し周囲に循環通路を設けるようにしているため、デッドスペースが多くなり、炉体容積の割に処理できるワーク量が少なく、加熱効率が悪いという問題がある。
しかも、渦流となって循環する熱風により加熱するため、炉内を加熱帯と均熱帯とに分けることができないので、昇温に時間がかかり、特にアルミニウム合金のようなサーマルヘッドを大きくとることができないワークの場合にはその影響が大きい。例えば、アルミ合金の熱処理は、焼入れ(溶体化処理)をアルミの融点(軟化点)に近い温度で行うので、サーマルヘッドを大きくとることはできず、対流伝熱による加熱に依存するしかない。つまり、炉温と被加熱物とのサーマルヘッドを大きくとれば昇温時間を短縮することができるが、アルミ熱処理炉の場合は一般の熱処理炉とは異なって、被加熱物の溶損や変形のおそれがあるためサーマルヘッドを大きくとることができない。サーマルヘッドが小さいと放射伝熱による加熱の比率が低下し、対流伝熱による加熱の比率が高くなる。一般的には500℃程度の中温領域のT6処理においては、バスケットを使用した場合の伝熱量は対流伝熱が85%、放射伝熱が15%程度である。斯様に、放射伝熱による加熱が限界炉温の存在によって制限されるので、ワークの昇温は必然的に対流伝熱による加熱に依存することになる。対流伝熱による加熱能力は周知のように加熱流体の流量と流速の関数として決定されるので、炉内熱風循環ファンの適切な設計が非常に重要である。しかしながら実際の炉の設計においては、熱風循環ファンの流量あるいは流速を無制限に高めることはできず、炉体サイズとの関係から大型ファンの設置には限界がある。
また、トンネル型の連続処理炉の場合には、大型化してしまう問題がある。特に、アルミニウム合金のような、比較的サーマルヘッドのとり難い材料の熱処理に用いる場合には、加熱に時間がかかるため、炉長が長大化する傾向がある。
一方で、生産形態は常に変化、多様化しており、以前のような大型連続炉による生産コスト低減だけにとどまらず、自動車のモデルや生産台数等との関係でさまざまな熱処理設備が要求されている。このため熱処理炉の単独設備としてではなく、たとえば鋳造ラインの最終工程に設置する高性能な専用工業炉が求められている。例えば、鋳造ラインの端に処理量の小さな炉を設置して、鋳造したら冷却せずにそのまま熱処理をして常温から加熱する無駄をなくすことが望まれる。また、アルミの鍛造品(加熱してプレス。緻密になる)においても、一次加熱、二次加熱、焼き入れ、焼き戻しを行うために、1品ずつワークを加熱する必要がある。この場合には、ワークを1品1品毎に装入・搬送・搬出できる処理量の小さい炉が望まれる。このことはアルミ製品に限らず、その他の非鉄金属合金や鉄鋼においても同様である。このような要望に対して大量処理を前提とする大形の従来のトンネル型の連続熱処理炉では容易に応ずることができない。
そこで、本発明は、小型でありながら処理量が多い、連続処理の熱風循環炉を提供することを目的とする。また、本発明は、均等加熱が可能な熱風循環炉を提供することを目的とする。更に、本発明は、加熱帯と均熱帯を構成可能な熱風循環炉を提供することを目的とする。
かかる目的を達成するため、請求項1記載の発明にかかる熱風循環炉は、熱源と回転炉床とを備える炉体と、前記回転炉床の外周側寄りの部位に前記炉体の周壁に沿って備えられると共に放射方向に前記ワークを搬入搬出可能に載置しかつ熱ガスの循環流が上下方向に通過可能な通気性の素材ないし構造から成るワーク載置棚を内部に備える通気性の構造から成る環状のワーク載置台と、前記炉体内を前記ワーク載置台が設置されている外周側領域とそれよりも内側の内方側領域とに区画すると共に前記回転炉床付近及び前記天井付近に前記内方側領域と前記外周側領域とを連通させる上下の通路をそれぞれ設ける環状仕切りと、前記炉体の天井付近に備えられ前記熱源から熱を受けた熱ガスをファンの外周から中心部に向かって吸い込み前記環状仕切りの内側である前記内方側領域を通して前記回転炉床に向けて吐出する軸流ファンとを備え、前記熱ガスは前記軸流ファンによって前記内方側領域に吐出され、前記環状仕切りの内側を前記環状仕切りに沿って前記回転炉床付近の前記下の通路を経て前記環状仕切りの外側の前記外周側領域に放射状に流出され、前記ワーク載置台の前記ワーク載置棚を通過して上昇し、再び前記熱源で昇温されてから前記軸流ファンに吸い込まれる循環流を形成するようにしている。
軸流ファンは外周の雰囲気をあまり攪拌せずに吸い込み、軸方向(炉底方向)に吹き出す特性があり、ほぼ同じ所を循環させることができる。したがって、熱源から供給される熱風は軸流ファンによって炉中央の空間に吐出され、環状仕切りの内側を環状仕切りに沿って回転炉床付近の通路を経て環状仕切りの外側に流出し、ワーク載置台のワーク載置棚を通過して上昇し、再び熱源で加熱されあるいは熱源から供給される熱風と混合されて昇温されてから軸流ファンに吸い込まれる循環流、即ち炉体の内側から外側に放射状に循環流を炉内全域に形成する。そして、炉内の雰囲気が一定の循環を行うのであれば、特定のバーナの出力を特定のゾーンに供給することが可能となる。例えば、加熱帯、均熱帯といった複数のゾーンを設けてそれぞれにバーナを備え、各ゾーンの温度に従い別々に出力を制御することが可能となる。これにより、ゾーン毎に要求される熱量例えば新しく投入したワークによる温度降下が著しい加熱帯と温度降下が少ない均熱帯とでそれぞれ必要とする熱量を分けて供給し、加熱帯と均熱帯にそれぞれ供給される熱ガスの温度を同じにしてあるいは所望の温度差を設定して供給できる。
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載の熱風循環炉において、ワーク載置台が複数段のワーク載置棚を有するようにしている。この場合には、上昇する熱風によって次々にワーク載置棚のワークを加熱できるので、大量に処理できる。
また、請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の熱風循環炉において、ワーク載置台が、一度に処理する分のワークを載置するスペース毎に周方向に区画する仕切りによって周方向に隔離されると共に、鉛直方向にはワーク載置棚を介して連通するようにしている。この場合には、ワーク縦一列ごとの熱風流路が仕切りによって確保されるため、軸流ファンによって形成された循環流がワークとの接触によっても乱れることなくほぼ同じ所を循環可能である。
更に、請求項4記載の発明は、請求項1から3のいずれか1つに記載の熱風循環炉において、ワーク載置台の各段のワーク載置棚毎にワークの出し入れを可能とする装入口並びに抽出口を炉体の周壁に有するようにしている。この場合には、必要なワークが収納されているスペースだけを開放し、ワークを取り出すことができるので、ワーク装入ないし抽出時に生じる熱ロスが少なくなる。
更に、請求項5記載の発明は、請求項4記載の熱風循環炉において、装入口と抽出口とは各々独立して開閉する扉を有し、装入口と抽出口との間にはワーク載置台のワーク収容スペースが少なくとも1つ存在する間隔が設定されているものである。この場合には、ワークの抽出(取り出し)時並びにワーク装入時に炉外と連通するワーク収容スペースは、装入口並びに抽出口に臨むワーク収容スペースに限られるため、余分な熱が逃げない。また、装入口と抽出口とが同時に開放されても、これらの間に少なくとも1つのワーク収容スペースが存在するため、装入口と抽出口とが直接連通することはない。
以上の説明より明らかなように、請求項1記載の発明にかかる熱風循環炉によると、デッドエリアとなる炉の中央を利用して軸流ファンが設置できるので、炉内スペースを有効利用でき、無駄なスペースが生ぜずに、炉がコンパクトになる。しかも、環状のワーク載置台は回転炉床の外周部に配置されているので、もっとも長いワーク載置棚を構成できるので、炉の据付面積の割に大量のワークを処理できる。
また、軸流ファンによる熱ガスの放射状の循環は、ファン外周の雰囲気をあまり攪拌せずにほぼ同じ所を循環させるので特定のバーナの出力を特定のゾーンに供給することができることから、加熱帯と均熱帯とにそれぞれサーミスタとバーナとを設けて各ゾーンの温度に従い別々にバーナ出力を制御すれば、加熱帯のみ必要な熱量を供給することができる。これにより新しく投入したワークによる均熱帯の温度降下は起こらず、加熱帯のみ必要な熱量を供給することができる。加えて軸流ファン(軸に沿って吐出する)は周囲にケーシングがなくとも均等な風量がでることから、均等加熱ができる。
更に、請求項2記載の発明にかかる回転炉床式熱風循環炉によると、ワーク載置棚数分だけ同時に処理できるワーク数を増やし、大量処理を可能にできる。
また、請求項3記載の発明にかかる回転炉床式熱風循環炉によると、ワーク縦一列ごとの熱風流路が確保されるため、軸流ファンによって形成された循環流がワークとの接触によっても乱れることなくほぼ同じ所を循環可能である。このために、1台の軸流ファンでもゾーン分離が更に容易となる。
また、請求項4記載の発明にかかる回転炉床式熱風循環炉によると、必要なワークが収納されているスペースだけを開放し、ワークを取り出すことができるので、ワーク装入ないし抽出時に生じる熱ロスが少なくなる。
また、請求項5記載の発明にかかる回転炉床式熱風循環炉によると、ワークの取り出し時並びにワーク装入時に炉外と連通するワーク収容スペースは、装入口並びに抽出口に臨むワーク収容スペースに限られるため、余分な熱が逃げない。また、装入口と抽出口とが同時に開放されても、これらの間に少なくとも1つのワーク収容スペースが存在するため、装入口と抽出口とが直接連通することはない。
本発明の熱風循環炉の一実施形態を示す原理図で、正面図である。 同熱風循環炉の側面図である。 同熱風循環炉の平面図である。 同熱風循環炉の斜視図である。 本発明の熱風循環炉をアルミのT6熱処理炉に適用した一実施例を示す中央縦断面図である。 同T6熱処理炉の横断面図である。 同T6熱処理炉の平面図である。 同T6熱処理炉の正面図である。 従来の熱処理炉の平面図である。
以下、本発明の構成を図面に示す実施形態に基づいて詳細に説明する。
図1から図4に本発明の熱風循環炉の一実施形態を示す。この熱風循環炉は、炉体1の炉床2部分がターンテーブルで構成され、その上に据え付けられたワーク載置台23に被加熱物(図示省略。本明細書ではワークと呼ぶ)を載せて炉床2が1回転する間に所定の加熱を完了させ、順次取り出せるようにした連続加熱炉である。
炉体1は、耐火耐熱材などからなる円筒形の周壁(炉壁)3と、天井4と、これらとは分離され回転可能な炉床2とから成り、周壁3の外側に熱源5を備える。回転炉床2を囲う周壁3並びに天井4は、炉の図示省略している支持構造材に据え付けられ固定されている。
炉内は、ワーク載置台23が設置されている外周側領域6とそれよりも内側の内方側領域7とに、環状仕切り8で区画されて分離されている。この環状仕切り8は、炉床2から天井4までの全域を完全に仕切るのではなく、回転炉床2付近及び天井4付近に循環流が反転する上下の通路9、10をそれぞれ設けるように備えられている。即ち、環状仕切り8で内方側領域7と外周側領域6とに分離された炉内を炉床付近の下部通路(開口)9と天井付近の上部通路(開口)10とによって連通させ、軸流ファン11の駆動によって外周側領域6と内方側領域7との間をガスが循環できるように設けられている。
軸流ファン11は、天井4付近の炉体中央に炉床2に向けて備えられ、熱ガスをファン外周方向から中心方向へ向けて吸い込み炉床2へ向けて吐出することにより、内方側領域7→下部通路9→外周側領域6→上部通路10→内方側領域7へと炉体の内側から外側へ放射状に流れる循環流を炉体内全域に形成する。軸流ファン11は外周の雰囲気をあまり攪拌せずに吸い込み、軸方向即ち本実施形態の場合には炉床2の方向に吹き出す特性がある。更に、ファンの吸込側や吐出側にガイドを付けることにより一層整流効果が高くなる。この特性より、炉内の雰囲気は、ほぼ同じ所を循環させることができる。したがって、軸流ファンは一台でも適切なガイドや仕切りを設ければ、ゾーンの分離が可能である。尚、図示していないが軸流ファンの駆動源は好ましくは炉体1の外に配置され、炉内に配置されるファンの回転軸を天井4から炉外に突き出させてチェーンとスプロケットなどを介在させて回転させるようにしている。
そこで、環状仕切り8の内側の内方側領域7には、必要に応じてゾーン分離をより確実なものとするなどのために仕切りが設けられることがある。本実施形態の場合には、循環流が流入する入口側よりも出口側の開口を狭めた仕切り12が取り付けられている。この場合には、仕切り12によって区画された内方側領域7の天井付近での入口開口角度θに対し、炉床4付近の出口開口角度θが絞られており、開口面積の減少分だけ循環ガスの流速の増大が図られ、軸流ファン11から吐出された高温ガスの一部を風速を高めてワーク載置台23に供給することができる。また、炉内全域で循環流の風速(加熱状態)に変化を持たせる必要はないがより明確なゾーン分離の必要性があるときには、入口開口角度θと出口開口角度θとが同じ角度でまっすぐに仕切られる仕切り(図示省略)が用いられる。この場合には、軸流ファンから吐出される熱風量は均等であり、仕切りの入り口側開口面積に応じた量が導入されると共に入り口側開口面積よりも狭い出口側開口から吐出される。このため、出口側開口面積が狭まった分だけ、熱風の速度が増速されてワーク載置台の下から吐出され、ワーク載置棚を通過して上昇する。即ち、熱風の一部が一部領域に他の領域よりも循環流が高速となる領域を形成できるので、対流伝熱を主体とする加熱においては同じ温度の循環ガスを使って加熱帯と均熱帯を形成できる。
尚、炉中央のデットスペースには、該空間を埋める円筒体14が配置されて、流れが乱れるのを防ぐようにしている。
本実施形態の場合には、環状仕切り8は天井4に据え付けられた軸流ファン11のカバー13を利用して天井4に吊り下げられている。即ち、軸流ファン11の回転軸を支える天井4の軸受け部を覆うカバー13に例えば3枚の板状のステー15を介して環状仕切り8が吊り下げられている。更に、この環状仕切り8の内側に径方向に配置される放射状の仕切り12が取り付けられ、更にこの仕切り12を介して内側に炉内中央のデッドスペースを埋める円筒体14が取り付けられて天井4に吊り下げられている。これら環状仕切り8、仕切り12並びに円筒体14は、溶接やリベット止めなどで互いに接合されて一体となって天井4に取り付けられたカバー13を介して炉体1に固定されている。しかし、円筒体14並びに環状仕切り8は、炉床2の回転中心と同軸に配置されるので、炉床2の回転とは無関係に定位置にあることが要求されるゾーン分離用の仕切り12とは異なり、必ずしも固定的な炉体側例えば天井4などに取り付け支持させることはない。即ち、場合によっては、円筒体14並びに環状仕切り8は、炉床2の上に起立させるようにして設置しても良い。
炉床2には、下降してくる熱風を滑らかに上方へ反転させて上昇流に変換せさる反転部28が外周側領域6と内方側領域7とにかけて環状に設けられている。本実施形態では、反転部28は横断面形状半円形の凹部で形成されている。ここで、炉床2の反転部28はワーク載置台23の据え付けと循環流の流れる位置とを考慮して、炉床2の周縁部と中央部を残した領域に形成されている。そして、反転部28の外側の縁はワーク載置台23のほぼ中央に位置し、内側の縁は炉床2の中央のデッドスペースを埋める円筒体14付近に位置するように形成され、ワーク載置台23のほぼ中央から熱風が上昇してくるように設けられている。尚、反転部28は円筒体14に半円形に反り返るスカートを備えることによっても形成できる。この場合には、炉床2を構成する耐火耐熱材に対して炉床2の外周縁部を除いて均一な深さからなる単純な形状の凹部を設ければ足りるので、炉床2の製作が容易となる。スカート部は、例えば円筒体14と同じ材料で形成して溶接などで一体化され、円筒体14ともども炉床2の上に据え付けられる。
外周側領域6の回転炉床2の上には環状のワーク載置台23が周壁3に沿って備えられている。このワーク載置台23は、放射方向にワークを搬入搬出可能に載置すると共に循環流が上下方向に通過可能なワーク載置棚24を備える。ワーク載置棚24は、好ましくは複数段設けられ、処理量の確保が図られる。また、ワーク載置台23には、ワーク縦一列ごとの熱風流路確保のために仕切り25を設けることが好ましい。本実施形態の場合には、放射方向に仕切り25を配置してワーク載置台23を周方向に区画してワーク収容スペース22を作り出すようにしている。ここで、ゾーンの仕切りはリークが問題となるものではないので、薄い鉄板を炉床2から天井4へ向かう溝・スリットに差し込むようにして設置だけで十分であり、この場合には仕切り25の自由な伸び縮みを可能として支持できる。例えば、ワーク載置台23の内側と外側とに配置されている鉛直方向に延びる溝形鋼や鉛直方向に開口するスリット等に鋼板から成る仕切り25を差し入れることによって、伸縮可能に支持されている。尚、炉内に配置されるワーク載置台23、環状仕切り8、ゾーン分離用の仕切り12並びに円筒体14などは、循環させる熱ガスの温度・組成に応じた適宜材料、例えば耐熱鋼などで構成されることは言うまでもない。
また、各ワーク載置棚24は熱風の流通がスムースになるような通気性の素材ないし構造とされている。例えば、径方向あるいは周方向若しくはその双方に間隔をあけて配置された棒材、あるいはメッシュないしパンチングメタルなどで構成することが好ましい。更に、場合によっては、ワーク載置棚24の外周縁と内周縁とを形成する枠材によってワークの内端外端の両端を受け支えるようにしても良い。即ち、外周環と内周環との2重環だけでワーク載置棚24を構成しても良い。このような、バスケットがなくともワークが支持可能なワーク載置棚とすれば、バスケットを加熱するための熱量が不要となり、燃料原単位の向上とワーク昇温時間の短縮が可能となる。また、バスケットの製作コストおよびメンテナンスコストも不要となる。
炉体の周壁1には、図示していないがワークの出し入れを可能とする装入口20並びに抽出口21が備えられる。本実施形態の場合には、ワーク載置台23の各段のワーク載置棚24毎にワークの取り出しを可能とする装入口20並びに抽出口21が備えられている。装入口20と抽出口21とは図3に示すように、各々独立して開閉する扉26,27を有し、装入口20と抽出口21との間にはワーク載置台23のワーク収容スペース22が少なくとも1つ存在する間隔が設定されていることが好ましいが、場合によってはスペースをあけずに隣接させて配置するようにしても良い。装入口20および抽出口21は、場合によっては共用で一個所に設けられても良いし、さらには1つの扉の中に更に個別のワーク載置棚24毎の扉を設けるようにしても良い。装入口20と抽出口21とが少なくとも1つのワーク収容スペース22を設けずにワーク収容スペース22分の隙間より狭い間隔で配置されたとしても、両口20,21の間に仕切り25が存在すれば、装入口20と抽出口21とはある程度分離される。
熱源5としては、バーナの使用が好ましいが、場合によってはラジアントチューブや電熱ヒータなどを用いることも可能である。バーナを用いる場合には、炉体の周壁の外に配置され、炉体中央に配置されている軸流ファンに対してほぼ接線方向に燃焼ガスを噴射するように据え付けられている。ここで、炉内に生じる循環流を複数のゾーンに分離する場合には、各ゾーン毎に熱源としてのバーナ5を配置して、各々独立してその出力を制御できるようにすることが好ましい。この場合には、炉内の雰囲気が一定の循環を行うことと相まって特定のバーナの出力を特定のゾーンに供給することが可能となり、各ゾーン毎に温度設定をしたり、あるいは各ゾーン毎に必要な熱量を供給してゾーン毎の温度差が生じないようにすることも可能である。
尚、加熱ゾーン17と均熱ゾーン16には、温度センサ例えばサーミスタが設置され、外周側領域6のワーク載置台23に供給される直前の循環ガスの温度が設定温度となるように熱源5が制御されている。
以上のように構成された熱風循環炉によれば、熱源5から供給される熱風は軸流ファン11によって炉中央の空間・内方側領域7に吐出され、環状仕切り8の内側を環状仕切り8に沿って下降し回転炉床2付近の下部通路9を経て環状仕切り8の外側の外周側領域6に流出し、ワーク載置台23のワーク載置棚24を通過しながら上昇して、再び炉天井4付近の熱源5で加熱されあるいは熱源5から供給される熱風と混合されて昇温されてから軸流ファン11に吸い込まれ、再び内方側領域7へ吐出される。即ち、軸流ファン11によって循環される炉内雰囲気は、内方側領域7と外周側領域6との間で上から見て放射状にほぼ同じ所を循環する。
したがって、ゾーンの分離が可能であり、特定のバーナの出力を特定のゾーンに供給することが可能となる。更にこのゾーン分離は、軸流ファン11の吐出側あるいは吸入側に適切なガイドを配置することにより一層厳密なものとできる。そこで、例えば環状仕切り8の内側に仕切り12を設けることによってあるいは図示していないが軸流ファン11の吸入側にガイドを配置することによって、一台の軸流ファン11から供給される循環流でありながら互いに独立した複数のゾーンを形成できる。例えば、加熱帯17、均熱帯16といった複数のゾーンを設けてそれぞれにバーナ5を備え、各ゾーン16,17の温度に従い別々に出力を制御することが可能となる。これにより、ゾーン16,17毎に要求される熱量例えば新しく投入したワークによる温度降下が著しい加熱帯17と温度降下が少ない均熱帯17とでそれぞれ必要とする熱量を分けて供給し、加熱帯17と均熱帯16にそれぞれ供給される熱ガスの温度を同じにしてあるいは所望の温度差を設定して供給できる。
このとき、軸流ファン11から吐出される熱風量は均等であり、仕切り12の入り口側開口面積に応じた量が導入される。したがって、入口開口角度θと出口開口角度θとが異なり、入口開口角度θに比べて出口開口角度θが狭くなるように絞られている図示の仕切り12を用いる場合には、出口側開口面積が狭まった分だけ、熱風の速度が増速されてワーク載置台23の下から吐出される。即ち、熱風の一部が一部領域に他の領域よりも循環流が高速となる領域を形成できるので、対流伝熱が支配的となる加熱温度領域例えばアルミニウムのT6処理等においては、同じ温度の循環ガスを使ってもその流速の差によって加熱帯と均熱帯を形成できる。依って、サーマルヘッドをとらないで加熱帯17と均熱帯16とを設定できる。この場合には、軸流ファンから吐出される熱風量は均等であり、仕切りの入り口側開口面積に応じた量が導入されると共に入り口側開口面積よりも狭い出口側開口から吐出される。このため、出口側開口面積が狭まった分だけ、熱風の速度が増速されてワーク載置台の下から吐出され、ワーク載置棚を通過して上昇する。即ち、熱風の一部が一部領域に他の領域よりも循環流が高速となる領域を形成できるので、対流伝熱を主体とする加熱においては同じ温度の循環ガスを使って加熱帯と均熱帯を形成できる。
ワーク載置棚24を通過して上昇する熱風・熱ガスはその際にワークを加熱する。そして、回転炉床2が1回転する間に所望の熱処理を完了する。
ここで、各ワーク載置棚24へのワークの装入と各ワーク載置棚24からのワークの抽出は、ワーク収容スペース22の1つ分の間隔をあけてワーク載置棚24毎に設けられた装入口20と抽出口21によって別々に行われる。しかも、装入口20と抽出口21との間には少なくとも1つのワーク収容スペース22が存在するように、装入口20と抽出口21とが配置されている。したがって、ワークの取り出し時並びにワーク装入時に炉外と連通するワーク収容スペース22は、装入口20並びに抽出口21に臨むワーク収容スペース22に限られるため、余分な熱が逃げない。また、装入口20と抽出口21とが同時に開放されても、これらの間に少なくとも1つのワーク収容スペース22が存在するため、装入口20と抽出口21とが直接連通することもない。
図5〜図8に本発明の熱風循環炉をアルミT6熱処理炉として実施した一例を示す。この回転炉床形アルミT6熱処理炉は、炉体1の炉床2がターンテーブル31上に構成され、その上に据え付けられたワーク載置台23に載せられたワークに対して炉床が1回転する間にT6熱処理を完了し、順次取り出せるようにした連続加熱炉である。
炉体1は、耐火耐熱材からなる円筒形の炉壁(周壁)3、天井4及びこれらとは分離された回転炉床2とから成る。回転炉床2の外縁と周壁3の内周面との間には、これらが回転炉床2の回転中に接触しないように隙間があけられ、その隙間部分に水シール30が備えられている。水シール30は、水面を利用して高温ガスの流出並びに冷気の侵入を阻止するものであり、環状の水槽の中に貯められている水に回転炉床2の縁と固定周壁3の縁がそれぞれ浸されてガスが漏れ出ないように設けられている。
炉床2は、ターンテーブル31の上に載置されることによって回転可能に支持されている。この炉床2は、周縁部と中央を除いてその間に低く抉られた環状凹部から成る反転部28を備える共に、炉床中央のデッドスペースを埋める円筒体14を配置させることによって、下降してくる熱風を反転部28に沿って滑らかに反転させて上昇流に変換せさるように設けられている。ここで、半円形の凹部から成る反転部28の外側の終端はワーク載置台23のほぼ中央で垂直に立ち上がるような形状を成し、ワーク載置台23のほぼ真下から熱風が上昇してくるように設けられている。
ターンテーブル31は、スラストベアリング32とアンギュラ形ラジアルベアリング33とを併用して水平回転可能に支持されている。ターンテーブル31を回転させる駆動機構34は、ターンテーブル31の周縁に固定されているチェーン35と、これに噛み合うスプロケット36並びに該スプロケット36を駆動するギャードモータ37とによって構成され、所定速度でターンテーブル31ひいてはその上の回転炉床2とワーク載置台23を回転させる。これら回転駆動機構34やワーク搬送用の駆動機構が炉内に存在せず、またワークの乗継ぎのための機構も炉内に存在しないことから、高温に晒されることがなく、駆動が安定する上に高温用部品を使わなくとも済むので設備コストも安価となる。ここで、炉床の回転角は在炉ワーク数で決定される。また、回転炉床2を囲う周壁3は、炉の支持構造材38に据え付けられ固定されている。
炉体1の周壁3には、ワークの出し入れを可能とする装入口20並びに抽出口21が各段のワーク載置棚毎に各々独立して開閉するように隣合わせて設けられている。装入口20と抽出口21とは各々独立して開閉する扉26,27を有し、装入口20と抽出口21との間には、ワーク載置台23のワーク収容スペース22が少なくとも1つ存在する間隔が設定されている。炉内で昇温の完了した抽出直前のワークと次に熱処理される装入直後の低温ワークとが隣り合うので、低温ワークの影響による抽出直前のワークの温度低下を防ぐために、この2つのワークの間にワークの存在しないワーク収容スペース22が設けられている。尚、扉26,27は、ヒンジ39によって炉体・周壁3に旋回可能に取り付けられ、アクチュエータ40の駆動によって開閉するように設けられている。
熱源としてはバーナ5,5’が使用されており、炉体の周壁3に据え付けられ、燃焼ガスを炉体中央に配置されている軸流ファン11に対してほぼ接線方向に噴射するように据え付けられている。バーナ5,5’は、加熱帯17並びに均熱帯16のそれぞれに配置されると共に同様に各ゾーンに設置された温度センサ(図示省略)によって検出された各ゾーン17,16の温度に従い図示していないコントローラで別々にバーナ出力を制御するように設けられている。
炉体の天井4には、軸流ファン11が周りから吸い込んだ炉内ガスを炉床2に向けて吐出するように設置されている。軸流ファン11のモータ41は周壁3の外壁面に設置され、チェーン駆動によって軸流ファン11のシャフト42を駆動するように設けられている。尚、図中の符号43はチェーンカバーである。
ワーク載置台23は、放射方向にワークを搬入搬出可能に載置する円環状の複数段(例えば3〜5段)のワーク載置棚24を備え、外周側領域6の回転炉床2の上に周壁3に沿って据え付けられている。ワーク載置棚24は、簀の子状に金属製の棒44を一定ピッチで放射状に並べて構成され、循環流が上下方向に通過可能とされている。
炉内は環状仕切りによってワーク載置台が設置されている外周側領域6とそれよりも内側の内方側領域7とに分離され、炉床2付近及び天井4付近で循環流が反転する通路9,10が形成されている。
ワーク載置台23の縦方向にはワーク縦一列ごとの熱風流路を確保するためにワーク載置棚24を縦に貫通する仕切り25を設け、独立したワーク収容スペース22を形成してその中に流れる熱風が他のワーク収容スペース22へ流れ込まないように設けられている。ここで、仕切り25はリークが問題となるものではないので、薄い鉄板を鉛直方向に延びる溝・スリット(図示省略)に差し込んで自由に伸び縮み可能なように保持するようにして設置されている。
環状仕切り8の内側には、この環状仕切り8と円筒体14との間の空間を外周側領域6の加熱帯17に繋がる空間と均熱帯16に繋がる空間とに仕切ると共に加熱帯17に繋がる空間の出口開口を入口開口よりも狭める仕切り12が配置されている。この仕切り12は、加熱帯17に繋がる空間側の入口開口角度θを180゜、炉床4付近の出口開口角度θを120゜に絞り、軸流ファン11から内方側領域7に吐出された熱ガスを2分して、加熱帯17に供給される熱ガスの速度を均熱帯16に供給される熱ガスの速度よりも速い速度で供給するように設けられている。これにより、すばやく昇温するために大量の熱量投入と高速の熱ガス循環が必要な加熱帯17と、熱量的には飽和した均熱帯16における熱ガス循環とを1台の循環ファン11で行うようにしている。開口面積の減少分だけ循環ガスの流速の増大が図られる。
尚、本実施例の炉は扉26,27の開閉をアクチュエータ40の制御によって行い、装入口20及び抽出口21から真っ直ぐ前進後退させることでワークの出し入れが行えるので、炉内へのワークの装入・抽出はロボットで行うことができ、装入・抽出コンベア等の付帯設備を省略できる。
以上のように構成されたアルミT6熱処理炉によると、バーナ5,5’から供給される熱風は軸流ファン11によって炉中央の空間・内方側領域7に吐出され、環状仕切り8の内側を環状仕切り8に沿って回転炉床2付近の通路9を経て環状仕切り8の外側の外周側領域6に流出し、ワーク載置台23のワーク載置棚24を通過して上昇する間にワークを加熱し、再び熱源5,5’で加熱されあるいは熱源5,5’から供給される熱風と混合されて設定温度まで昇温されてから軸流ファン11に吸い込まれる循環流、即ち炉内の外周側領域6と内方側領域7との間を放射状に循環する循環流を炉内全域に形成する。このとき、炉内の雰囲気が一定の循環を行うので、特定のバーナの出力を特定のゾーンに供給すること、即ち加熱帯バーナ5の出力を加熱帯17に、均熱帯バーナ5’の出力を均熱帯16にそれぞれ供給が可能となる。そこで、加熱帯バーナ5と均熱帯バーナ5’とを、各ゾーンの温度に従い別々に出力を制御することにより、新しく投入したワークによる温度降下が著しい加熱帯17と温度降下が少ない均熱帯16とでそれぞれ必要とする熱量を分けて供給し、加熱帯17と均熱帯16にそれぞれ供給される熱ガスの温度を同じにして供給される。
このとき、軸流ファン11から吐出される熱風量は均等であり、ゾーン分離用の仕切り12の入り口側開口面積に応じた量が導入される。したがって、仕切り12によって入口側開口が均等に仕切られた(入口開口角度θ=180゜)均熱帯16と加熱帯17とにそれぞれ繋がる空間に供給される熱風の量は等しい。そして、加熱ゾーン17に繋がる空間では出口側開口が狭く(出口開口角度θ=120゜)絞られているので、出口側開口面積が狭まった分だけ、熱風の速度が増速されてワーク載置台23の下から吐出される。ここで、アルミニウムのT6処理のように対流伝熱が支配的となる加熱温度領域においては、同じ温度の循環ガスを使ってもその流速の差によって加熱帯17におけるワークの昇温が熱ガスの速度が増すほどに早く上がることから、加熱帯17と均熱帯16を形成できる。依って、サーマルヘッドをとらないで加熱帯と均熱帯とを設定できる。
これにより、炉床外周部のワークに熱風を理想的な流れで吹きつけることができ、対流伝熱による加熱能力が向上し、ワーク間の加熱時間差を縮小し、トータルの昇温時間を短縮できる。
なお、上述の実施形態は本発明の好適な実施の一例ではあるがこれに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。例えば、本実施例ではバスケットレス回転炉床形アルミ合金熱処理炉に適用した例を挙げて主に説明したがこれに限られず、その他の非鉄合金の熱処理や鉄鋼などの熱処理などにも適用可能であるし、バスケットにワークを入れて搬入・搬出する場合でも実施可能である。
1 炉体
2 炉床
3 周壁
4 天井
5,5’ 熱源
6 外周側領域
7 内方側領域
8 環状仕切り
9 下部通路
10 上部通路
11 軸流ファン
12 ゾーン分離用の仕切り
16 均熱ゾーン
17 加熱ゾーン
20 装入口
21 抽出口
22 ワーク収容スペース
23 ワーク載置台
24 ワーク載置棚
25 仕切り

Claims (5)

  1. 熱源と回転炉床とを備える炉体と、前記回転炉床の外周側寄りの部位に前記炉体の周壁に沿って備えられると共に放射方向に前記ワークを搬入搬出可能に載置しかつ熱ガスの循環流が上下方向に通過可能な通気性の素材ないし構造から成るワーク載置棚を内部に備える通気性の構造から成る環状のワーク載置台と、前記炉体内を前記ワーク載置台が設置されている外周側領域とそれよりも内側の内方側領域とに区画すると共に前記回転炉床付近及び前記天井付近に前記内方側領域と前記外周側領域とを連通させる上下の通路をそれぞれ設ける環状仕切りと、前記炉体の天井付近に備えられ前記熱源から熱を受けた熱ガスをファンの外周から中心部に向かって吸い込み前記環状仕切りの内側である前記内方側領域を通して前記回転炉床に向けて吐出する軸流ファンとを備え、前記熱ガスは前記軸流ファンによって前記内方側領域に吐出され、前記環状仕切りの内側を前記環状仕切りに沿って前記回転炉床付近の前記下の通路を経て前記環状仕切りの外側の前記外周側領域に放射状に流出され、前記ワーク載置台の前記ワーク載置棚を通過して上昇し、再び前記熱源で昇温されてから前記軸流ファンに吸い込まれる循環流を形成することを特徴とする熱風循環炉。
  2. 前記ワーク載置台は複数段の前記ワーク載置棚を有することを特徴とする請求項1記載の熱風循環炉。
  3. 前記ワーク載置台は、一度に処理する分のワークを載置するスペース毎に周方向に区画する仕切りによって周方向に隔離されると共に、鉛直方向には前記ワーク載置棚を介して連通することを特徴とする請求項1または2記載の熱風循環炉。
  4. 前記ワーク載置台の各段のワーク載置棚毎に前記ワークの出し入れを可能とする装入口並びに抽出口を前記炉体の周壁に有することを特徴とする請求項1から3のいずれか1つに記載の熱風循環炉。
  5. 前記装入口と前記抽出口とは各々独立して開閉する扉を有し、前記装入口と前記抽出口との間には前記ワーク載置台のワーク収容スペースが少なくとも1つ存在する間隔が設定されていることを特徴とする請求項4記載の熱風循環炉。
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