JP2020084784A - 圧縮機 - Google Patents
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Abstract
【課題】逃がし溝に起因する流体の漏れを抑制できる圧縮機を提供すること。【解決手段】圧縮機10は、回転軸12と、両ロータ60,80と、両ロータ60,80間に設けられ、両ロータ60,80の回転に伴って軸方向Zに移動するベーン100と、両ロータ60,80を収容するのに用いられる両シリンダ40,50とを備えている。ここで、リアシリンダ50は、第1パーツ52及び第2パーツ53を有するリアシリンダ底部51と、リアシリンダ底部51と一体形成されているリアシリンダ側壁部56と、を備えている。リアシリンダ底部51には、ベーン100が挿入されるものであってリアシリンダ底部51を軸方向Zに貫通したベーン溝110が形成されている。ベーン溝110は、第2パーツ53において径方向R外側に開口していない一方、第1パーツ52において径方向R外側に開口している。【選択図】図4
Description
本発明は、圧縮機に関する。
例えば、特許文献1に示すように、2つのロータの回転に伴いベーンが回転軸の軸方向に移動して2つの圧縮室において流体の吸入及び圧縮が行われる圧縮機が知られている。特許文献1に記載の圧縮機では、軸方向の両端部が開口している円筒状のハウジングの中央に壁が一体形成されており、当該壁の両側に両ロータが配置され且つハウジングの軸方向の両端部の開口が蓋によって閉鎖されることによって、2つのロータが収容される構成となっている。
2つのロータを収容する構成としては種々の構成が考えられる。この点、本願発明者らは、有底筒状の2つのシリンダを用いて2つのロータを収容することに着目した。この場合、両シリンダのうちいずれか一方にベーン溝を形成する必要が生じ得る。
ここで、ベーン溝の加工には精度が求められるため、例えばエンドミルを用いてベーン溝を形成することが考えられる。エンドミルを用いて所望の幅のベーン溝を得るためには、エンドミルの中心付近まで移動させる必要がある。このため、ベーン溝の端には、所望の幅の部分とは別に逃がし溝が形成される。この場合の逃がし溝とは、必要な位置までエンドミルの中心付近を移動させた際にエンドミルの一部が上記必要な位置からはみ出すことによって形成されるエンドミルの掘削痕である。そして、本願発明者らは、逃がし溝が流体の漏れの要因になることを見出した。
本発明は、上述した事情を鑑みてなされたものであり、その目的は逃がし溝に起因する流体の漏れを抑制できる圧縮機を提供することである。
上記目的を達成する圧縮機は、回転軸と、前記回転軸の軸方向に互いに離間して対向配置された第1ロータ面及び第2ロータ面を有し、前記回転軸の回転に伴って回転する第1ロータ及び第2ロータと、前記第1ロータ及び前記第2ロータの間に設けられ、前記両ロータの回転に伴って前記軸方向に移動するベーンと、前記軸方向の一方に開口した有底筒状であって、前記第1ロータを収容するのに用いられる第1シリンダと、前記第1シリンダ内に形成され、前記ベーンにより容積変化が生じて流体の吸入及び圧縮が行われる第1圧縮室と、前記第1シリンダに対して前記第1シリンダの開口側から前記軸方向に取り付けられ、前記第2ロータを収容するのに用いられる有底筒状の第2シリンダと、前記第2シリンダ内に形成され、前記ベーンにより容積変化が生じて流体の吸入及び圧縮が行われる第2圧縮室と、を備え、前記第1シリンダは、前記回転軸が挿通される第1シリンダ挿通孔を有する第1シリンダ底部と、前記第1シリンダ底部から前記第2シリンダに向けて前記軸方向に起立したものであって、第1シリンダ先端面、及び、前記第1ロータの外周面と前記回転軸の径方向に対向する第1シリンダ内周面を有する第1シリンダ側壁部と、を備え、前記第2シリンダは、前記第1ロータ及び前記第2ロータの間に配置され、前記回転軸が挿通される第2シリンダ挿通孔、前記第1ロータ面と前記軸方向に対向する外側底面及び前記第2ロータ面と前記軸方向に対向する内側底面を有する第2シリンダ底部と、前記第2シリンダ底部と一体形成されたものであって、前記第2ロータの外周面と前記回転軸の径方向に対向する第2シリンダ内周面を有する第2シリンダ側壁部と、を備え、前記第1圧縮室は、前記第1ロータ面、前記外側底面、及び前記第1シリンダ内周面によって区画されており、前記第2圧縮室は、前記第2ロータ面、前記内側底面、及び前記第2シリンダ内周面によって区画されており、前記第2シリンダ底部は、前記第1シリンダ側壁部の内側に入り込んだ状態で前記第1シリンダ側壁部に嵌合している第1パーツと、前記第1パーツよりも前記径方向に大きく、前記第1シリンダ先端面と当接している第2パーツと、を有し、前記第1シリンダの開口を塞ぐように前記第1シリンダに取り付けられ、前記第2シリンダ底部には、前記ベーンが挿入されるものであって、前記第2シリンダ底部を前記軸方向に貫通したベーン溝が形成されており、前記ベーン溝は、前記ベーンが挿入される本体溝と、前記第2パーツにおける前記本体溝よりも前記径方向外側に形成された逃がし溝と、を備え、前記第2パーツにおいて、前記ベーン溝は前記径方向外側に開口しておらず、前記第1パーツにおいて、前記ベーン溝は前記回転軸の径方向外側に開口しており、当該ベーン溝の開口は前記第1シリンダ内周面によって覆われていることを特徴とする。
かかる構成によれば、ベーン溝は第1パーツにおいて径方向外側に開口しているため、逃がし溝が第1パーツには形成されない。そして、ベーン溝の開口が第1シリンダ内周面に覆われていることによって、ベーン溝の開口からの流体の漏れが規制されている。これにより、第2シリンダ底部の全体に亘って逃がし溝が形成される構成と比較して、逃がし溝を介した流体の漏れを抑制できる。
また、第2シリンダ底部における第1パーツが、第1シリンダ側壁部内に入り込んだ状態で第1シリンダ側壁部に嵌合することによって両シリンダが径方向に位置決めされ、第2パーツが第1シリンダ先端面と当接することによって両シリンダが軸方向に位置決めされる。これにより、両シリンダの位置合わせを精度よく行うことができる。
上記圧縮機について、前記第1パーツの前記軸方向の長さは、前記第2パーツの前記軸方向の長さよりも長いとよい。
かかる構成によれば、エンドミルによって形成される逃がし溝の軸方向の長さを短くすることができるため、逃がし溝を介した流体の漏れをより好適に抑制できる。
かかる構成によれば、エンドミルによって形成される逃がし溝の軸方向の長さを短くすることができるため、逃がし溝を介した流体の漏れをより好適に抑制できる。
ここで、逃がし溝を短くする観点に着目すれば、第2シリンダ底部全体の軸方向の長さを短くすることも考えられる。しかしながら、第2シリンダ底部全体の軸方向の長さを短くすると、ベーン溝の軸方向の長さが短くなり、ベーンの保持能力が低下してベーンがベーン溝内にてガタつく不都合が懸念される。
この点、本構成によれば、逃がし溝が形成されない第1パーツの軸方向の長さを、逃がし溝が形成される第2パーツの軸方向の長さよりも長くすることにより、ベーン溝の全体の軸方向の長さを確保しつつ、逃がし溝の軸方向の長さを短くすることができる。これにより、上記不都合を抑制しつつ、逃がし溝を介した流体の漏れを好適に抑制できる。
上記圧縮機について、前記第1シリンダ先端面と前記第2パーツとの間には、前記第1シリンダ先端面と前記第2パーツとの間をシールするシール部材が配置されているとよい。
かかる構成によれば、両シリンダの境界部分、詳細には第2シリンダ底部と第1シリンダ側壁部との境界部分から流体が漏れるのを抑制できる。
特に、ベーン溝の開口から漏れる流体は、第1シリンダ先端面と第2パーツとの間とを介して流出することが想定される。これに対して、本構成によれば、シール部材によって第1シリンダ先端面と第2パーツとの間がシールされているため、ベーン溝の開口から漏れる流体が両シリンダ外に漏れることを抑制できる。
特に、ベーン溝の開口から漏れる流体は、第1シリンダ先端面と第2パーツとの間とを介して流出することが想定される。これに対して、本構成によれば、シール部材によって第1シリンダ先端面と第2パーツとの間がシールされているため、ベーン溝の開口から漏れる流体が両シリンダ外に漏れることを抑制できる。
上記圧縮機について、前記第1シリンダ及び前記第2シリンダは同一内径の円筒状であり、前記第1シリンダ内周面及び前記第2シリンダ内周面は面一であり、前記第1ロータ及び前記第2ロータは同一形状であり、前記第1圧縮室と前記第2圧縮室の大きさは同一であるとよい。
かかる構成によれば、一方の圧縮室を他方の圧縮室よりも小さくする構成と比較して、圧縮機全体の容積の向上を図ることができる。
ここで、両シリンダが同一径の円筒状であって両シリンダ内周面が面一である場合に、エンドミルを用いて第2シリンダ底部に軸方向に貫通するベーン溝を形成しようとすると、逃がし溝が両圧縮室の間の全体に亘って形成されることとなり、逃がし溝によって両圧縮室が直接連通することとなる。このため、両圧縮室間での流体の漏れという不都合が特に生じ易い。
ここで、両シリンダが同一径の円筒状であって両シリンダ内周面が面一である場合に、エンドミルを用いて第2シリンダ底部に軸方向に貫通するベーン溝を形成しようとすると、逃がし溝が両圧縮室の間の全体に亘って形成されることとなり、逃がし溝によって両圧縮室が直接連通することとなる。このため、両圧縮室間での流体の漏れという不都合が特に生じ易い。
この点、上述したとおり、第1パーツにおいてベーン溝が径方向外側に開口しているため、第1パーツに逃がし溝が形成されない。これにより、逃がし溝によって両圧縮室が直接連通されることを抑制できるため、両シリンダを同一径の円筒状とし更に両シリンダ内周面を面一にしても、上記不都合が生じにくい。したがって、逃がし溝による流体の漏れを抑制しつつ、両圧縮室の大きさを同一にできる。
上記圧縮機について、前記回転軸、前記第1シリンダ及び前記第2シリンダを収容するハウジングを備え、前記第2シリンダ側壁部は、前記ハウジングにおける前記軸方向の端部に対して前記軸方向に突き合わせられており、前記第2ロータは、前記ハウジングの前記端部と前記内側底面とによって前記軸方向に位置決めされているとよい。
かかる構成によれば、第2シリンダ底部と第2シリンダ側壁部とが一体形成されているため、第2シリンダ底部と第2シリンダ側壁部との間で位置ずれが生じない。このため、第2シリンダ側壁部がハウジングの端部に対して軸方向に突き合わせられていることによってハウジングの端部に対する第2シリンダ側壁部の位置が決まると、自ずとハウジングの端部に対する第2シリンダ底部の軸方向の位置も決まる。これにより、軸方向におけるハウジングの端部に対する内側底面の位置も決まり、両者の相対位置を精度よく規定することができる。そして、第2ロータは、ハウジングの端部と内側底面とによって軸方向に位置決めされているため、第2ロータと内側底面との相対位置の精度を向上させることができる。
この発明によれば、逃がし溝に起因する流体の漏れを抑制できる。
以下、圧縮機の一実施形態について図面を用いて説明する。なお、本実施形態の圧縮機は、例えば車両用であり、詳細には車両に搭載されて使用される。圧縮機は、例えば車両用空調装置に用いられるものであり、本実施形態の圧縮機における圧縮対象の流体はオイルを含む冷媒である。また、図示の都合上、図1においては、回転軸12及び両ロータ60,80を側面図で示す。
図1に示すように、圧縮機10は、ハウジング11と、回転軸12と、電動モータ13と、インバータ14と、フロントシリンダ40と、リアシリンダ50と、フロントロータ60と、リアロータ80とを備えている。
ハウジング11は、例えば全体として筒状であり、外部からの吸入流体が吸入される吸入口11a及び圧縮流体が吐出される吐出口11bを有している。回転軸12、電動モータ13、インバータ14、両シリンダ40,50及び両ロータ60,80は、ハウジング11内に収容されている。
ハウジング11は、フロントハウジング21と、リアハウジング22と、インバータカバー25とを備えている。
フロントハウジング21は、有底筒状でリアハウジング22に向けて開口している。吸入口11aは、例えばフロントハウジング21の側壁部のうち開口端部よりも底部側の位置に設けられている。但し、吸入口11aの位置は任意である。
フロントハウジング21は、有底筒状でリアハウジング22に向けて開口している。吸入口11aは、例えばフロントハウジング21の側壁部のうち開口端部よりも底部側の位置に設けられている。但し、吸入口11aの位置は任意である。
リアハウジング22は、有底筒状であり、フロントハウジング21に向けて開口している。リアハウジング22は、リアハウジング底部23と、リアハウジング底部23からフロントハウジング21に向けて起立したリアハウジング側壁部24とを有している。吐出口11bは、リアハウジング側壁部24に設けられている。但し、吐出口11bの位置は任意である。
フロントハウジング21とリアハウジング22とは、互いに開口部同士が向き合う状態でユニット化されている。
インバータカバー25は、フロントハウジング21に対してリアハウジング22側とは反対側に配置されている。インバータカバー25は、フロントハウジング21の底部に突き合せられた状態でフロントハウジング21に固定されている。
インバータカバー25は、フロントハウジング21に対してリアハウジング22側とは反対側に配置されている。インバータカバー25は、フロントハウジング21の底部に突き合せられた状態でフロントハウジング21に固定されている。
インバータカバー25内には、インバータ14が収容されている。インバータ14は、電動モータ13を駆動させるものである。
本実施形態の圧縮機10では、インバータ14、電動モータ13及び両ロータ60,80が軸方向Zに順に並んでいる。但し、これら各部品の位置は任意であり、例えばインバータ14が電動モータ13に対して回転軸12の径方向R外側に配置されていてもよい。
本実施形態の圧縮機10では、インバータ14、電動モータ13及び両ロータ60,80が軸方向Zに順に並んでいる。但し、これら各部品の位置は任意であり、例えばインバータ14が電動モータ13に対して回転軸12の径方向R外側に配置されていてもよい。
回転軸12は、本体部30と、回転軸12の軸方向Zの両端部である第1端部31及び第2端部32と、を有している。両端部31,32は、本体部30に対して軸方向Zの両側に設けられている。
圧縮機10は、ハウジング11に対して回転軸12を回転可能に支持する第1ラジアル軸受33及び第2ラジアル軸受35を備えている。
詳細には、フロントハウジング21の底部には、底部から突出したリング状のボス部34が設けられている。第1ラジアル軸受33は、ボス部34に対して回転軸12の径方向R内側に配置された状態でボス部34に取り付けられている。第1ラジアル軸受33は、回転軸12の第1端部31を回転可能に支持している。
詳細には、フロントハウジング21の底部には、底部から突出したリング状のボス部34が設けられている。第1ラジアル軸受33は、ボス部34に対して回転軸12の径方向R内側に配置された状態でボス部34に取り付けられている。第1ラジアル軸受33は、回転軸12の第1端部31を回転可能に支持している。
ハウジング11は、回転軸12の第1端部31とは反対側の第2端部32及び第2ラジアル軸受35を収容する軸収容部としての軸収容凹部36を備えている。軸収容凹部36は、リアハウジング底部23に形成された凹部である。軸収容凹部36には、第2端部32が挿入されている。第2ラジアル軸受35は、軸収容凹部36内に配置された状態で軸収容凹部36に取り付けられており、第2端部32を回転可能に支持している。本実施形態では、第2ラジアル軸受35は、第2端部32の側面(詳細には外周面)を支持している。
ボス部34と軸収容凹部36とは、同一軸線上に配置されており、両ラジアル軸受33,35は同軸となっている。回転軸12は、両ラジアル軸受33,35によって、回転軸12の軸方向Zがハウジング11の軸方向と一致している状態でハウジング11に対して回転可能に支持されている。なお、両ラジアル軸受33,35の具体的な構成(種類)は任意である。
ちなみに、回転軸12の軸方向Zとの関係に着目すれば、フロントハウジング21の底部及びリアハウジング底部23が、ハウジング11の軸方向Zの両端部を構成しているといえる。
図1〜図3に示すように、フロントシリンダ40及びリアシリンダ50は、軸方向Zに対向配置されており、軸方向Zに取り付けられている。
第1シリンダとしてのフロントシリンダ40は、第1ロータとしてのフロントロータ60を収容するのに用いられる。フロントシリンダ40は、リアハウジング22よりも小さく形成された有底筒状である。フロントシリンダ40は、軸方向Zの一方(詳細にはリアシリンダ50)に向けて開口している。
第1シリンダとしてのフロントシリンダ40は、第1ロータとしてのフロントロータ60を収容するのに用いられる。フロントシリンダ40は、リアハウジング22よりも小さく形成された有底筒状である。フロントシリンダ40は、軸方向Zの一方(詳細にはリアシリンダ50)に向けて開口している。
フロントシリンダ40は、フロントシリンダ底部41と、フロントシリンダ側壁部42と、を有している。
フロントシリンダ底部41は、回転軸12が挿通可能なフロントシリンダ挿通孔41aを有している。フロントシリンダ挿通孔41aの径は、例えば回転軸12(詳細には本体部30)の径よりも大きい。回転軸12の本体部30は、フロントシリンダ挿通孔41aに挿通されている。なお、本実施形態では、回転軸12の本体部30とフロントシリンダ挿通孔41aの内壁面との間には空間が形成されているが、これに限られず、本体部30がフロントシリンダ挿通孔41aの内壁面に当接していてもよい。
フロントシリンダ底部41は、回転軸12が挿通可能なフロントシリンダ挿通孔41aを有している。フロントシリンダ挿通孔41aの径は、例えば回転軸12(詳細には本体部30)の径よりも大きい。回転軸12の本体部30は、フロントシリンダ挿通孔41aに挿通されている。なお、本実施形態では、回転軸12の本体部30とフロントシリンダ挿通孔41aの内壁面との間には空間が形成されているが、これに限られず、本体部30がフロントシリンダ挿通孔41aの内壁面に当接していてもよい。
フロントシリンダ側壁部42は、軸方向Zを軸線方向とする筒状(本実施形態では円筒状)である。フロントシリンダ側壁部42は、フロントシリンダ底部41からリアシリンダ50に向けて起立しており、先端部において軸方向Zに開口している。フロントシリンダ側壁部42は、リアハウジング22の内側に配置されている。
フロントシリンダ側壁部42は、第1シリンダ内周面としてのフロントシリンダ内周面43と、フロントシリンダ内周面43とは反対側のフロントシリンダ外周面44と、第1シリンダ先端面としてのフロントシリンダ先端面45と、を備えている。
フロントシリンダ内周面43は、例えば軸方向Zに延びた円筒面である。フロントシリンダ外周面44は、リアハウジング側壁部24の内周面と径方向Rに対向している。本実施形態では、フロントシリンダ外周面44は、段差状となっている。詳細には、フロントシリンダ外周面44は、リアハウジング側壁部24の内周面と当接する第1パーツ外周面44aと、第1パーツ外周面44aよりも縮径された第2パーツ外周面44bと、を有する。第2パーツ外周面44bと、リアハウジング側壁部24の内周面との間には、隙間が形成されている。
なお、本明細書において「対向」とは、特に説明がない限り、技術的に矛盾しない範囲内において、隙間を介して互いに向き合う態様と、両者が当接している態様との双方を含む。また、第1面と第2面とが対向する場合とは、一部が当接し、その他が離間している態様を含む。
フロントシリンダ先端面45は、例えば軸方向Zに交差(本実施形態では直交)する面であり、フロントシリンダ内周面43とフロントシリンダ外周面44とを繋いでいる。
フロントシリンダ40には、回転軸12の径方向R外側に張り出した膨出部46が設けられている。膨出部46は、フロントシリンダ底部41及びフロントシリンダ側壁部42の基端側(フロントシリンダ底部41側)の双方に跨る位置に設けられている。フロントハウジング21とリアハウジング22とは、膨出部46を挟んだ状態でユニット化されている。両ハウジング21,22によってフロントシリンダ40の軸方向Zの位置ずれが規制されている。
フロントシリンダ40には、回転軸12の径方向R外側に張り出した膨出部46が設けられている。膨出部46は、フロントシリンダ底部41及びフロントシリンダ側壁部42の基端側(フロントシリンダ底部41側)の双方に跨る位置に設けられている。フロントハウジング21とリアハウジング22とは、膨出部46を挟んだ状態でユニット化されている。両ハウジング21,22によってフロントシリンダ40の軸方向Zの位置ずれが規制されている。
図1に示すように、本実施形態では、フロントハウジング21及びフロントシリンダ底部41によってモータ室A1が区画されており、モータ室A1に電動モータ13が収容されている。電動モータ13は、インバータ14から駆動電力を供給されることにより、回転軸12を、矢印Mで示す方向、詳細には電動モータ13から両ロータ60,80を見て時計回りの方向に回転させる。
ちなみに、吸入口11aはモータ室A1を区画するフロントハウジング21に設けられているため、吸入口11aから吸入された吸入流体はハウジング11内のモータ室A1に吸入される。つまり、モータ室A1内には吸入流体が存在する。換言すれば、モータ室A1は、吸入流体が吸入される吸入室といえ、フロントシリンダ底部41は、モータ室A1を区画するものであるといえる。
図2〜図4に示すように、第2シリンダとしてのリアシリンダ50は、第2ロータとしてのリアロータ80を収容するのに用いられる。リアシリンダ50は、リアハウジング22よりも一回り小さく形成されており、リアハウジング22内に収容されている。リアシリンダ50は、リアハウジング底部23に向けて開口した有底筒状である。リアシリンダ50は、フロントシリンダ40に対して当該フロントシリンダ40の開口40a側から軸方向Zに取り付けられており、フロントシリンダ40の開口40aを塞いでいる。
リアシリンダ50は、第2シリンダ底部としてのリアシリンダ底部51と、リアシリンダ底部51と一体形成された第2シリンダ側壁部としてのリアシリンダ側壁部56と、を備えている。
本実施形態のリアシリンダ底部51は、第2シリンダ挿通孔としてのリアシリンダ挿通孔51aを有するリング状であり、その厚さ方向が軸方向Zと一致するように配置されている。回転軸12は、リアシリンダ挿通孔51aに挿通されている。
図4に示すように、リアシリンダ挿通孔51aは、例えば本体部30と同一径の大きさであり、リアシリンダ挿通孔51aの内壁面は本体部30の外周面と接触している。このため、リアシリンダ挿通孔51aの内壁面と本体部30の外周面との間に隙間が形成されないようになっている。この場合、回転軸12は、回転に伴ってリアシリンダ挿通孔51aの内壁面に対して摺動する。なお、これに限られず、回転軸12とリアシリンダ挿通孔51aの内壁面とは離間していてもよい。
リアシリンダ底部51は、フロントシリンダ40の開口40aを塞ぐようにフロントシリンダ40に取り付けられている。詳細には、リアシリンダ底部51は、フロントシリンダ側壁部42に嵌合している第1パーツ52と、第1パーツ52よりも径方向Rに大きい第2パーツ53と、を有している。
第1パーツ52は、第2パーツ53よりもフロントロータ60側(換言すればフロントシリンダ底部41側)に配置されており、フロントシリンダ側壁部42の径方向R内側に入り込んだ状態でフロントシリンダ側壁部42に嵌合している。詳細には、第1パーツ52はフロントシリンダ側壁部42の形状に対応させて形成されており、本実施形態では、フロントシリンダ側壁部42が円筒形状であることに対応させて、第1パーツ52は円板状に形成されている。そして、第1パーツ52の径は、フロントシリンダ内周面43の径と同一またはそれよりも若干小さく設定されており、第1パーツ52とフロントシリンダ内周面43とが径方向Rに当接又は若干の隙間を介して対向している。
第2パーツ53は、第1パーツ52よりもリアロータ80側(換言すればリアハウジング底部23側)に配置されている。第2パーツ53は、第1パーツ52よりも径方向Rに大きく形成されており、フロントシリンダ先端面45と軸方向Zに当接している。本実施形態では、第2パーツ53は、第1パーツ52よりも拡径した円板状であり、第1パーツ52よりも径方向R外側にはみ出したはみ出し部53aを有している。はみ出し部53aとフロントシリンダ先端面45とが軸方向Zに突き合わせられている。
すなわち、両シリンダ40,50は、第1パーツ52がフロントシリンダ側壁部42に嵌合し且つ第2パーツ53とフロントシリンダ側壁部42とが突き合わせられた状態で取り付けられている。これにより、フロントシリンダ40の開口40aが塞がれるとともに、両者の位置ずれが規制されている。詳細には、径方向Rの位置ずれは、第1パーツ52とフロントシリンダ側壁部42との嵌合によって規制され、軸方向Zの位置ずれは、第2パーツ53とフロントシリンダ先端面45との当接によって規制されている。つまり、両シリンダ40,50は位置決めされている。
ちなみに、本実施形態のフロントシリンダ先端面45は、径方向R内側部分が径方向R外側部分よりも凹んだ段差状に形成されており、径方向R内側部分がはみ出し部53aと突き合わさるように構成されている。このため、フロントシリンダ先端面45の径方向R外側部分は、第2パーツ53を径方向R外側から覆っている。これにより、フロントシリンダ先端面45とリアシリンダ底部51との境界から流体が漏れにくくなっている。ただし、フロントシリンダ先端面45の形状は、段差状に限られず任意である。
図4に示すように、第1パーツ52の厚さである第1厚さD1は、第2パーツ53の厚さである第2厚さD2よりも厚い。なお、第1厚さD1は、第1パーツ52の軸方向Zの長さともいえるし、第2厚さD2は、第2パーツ53の軸方向Zの長さともいえる。
リアシリンダ底部51は、底面として、外側底面54及び内側底面55を有している。外側底面54は第1パーツ52に対応する底面であり、内側底面55は第2パーツ53に対応する底面である。外側底面54及び内側底面55は、軸方向Zから見てリング状(例えば円環状)の平坦面であり、軸方向Zに直交している。本実施形態では、両底面54,55の外径及び内径は同一である。
リアシリンダ側壁部56は、第2パーツ53からリアハウジング底部23に向けて軸方向Zに起立した筒状(詳細には円筒状)であり、リアハウジング底部23に向けて開口している。リアシリンダ50は、リアシリンダ側壁部56の開口端がリアハウジング底部23に対して軸方向Zに突き合わせられていることによってリアハウジング22(換言すればハウジング11)に対して位置決めされている。
リアシリンダ側壁部56は、第2シリンダ内周面としてのリアシリンダ内周面57と、リアシリンダ外周面58と、を有している。
本実施形態では、リアシリンダ内周面57は、フロントシリンダ内周面43と同一径の円筒面である。つまり、両シリンダ内周面43,57は面一である。すなわち、本実施形態の両シリンダ40,50は、同一内径の円筒状である。
本実施形態では、リアシリンダ内周面57は、フロントシリンダ内周面43と同一径の円筒面である。つまり、両シリンダ内周面43,57は面一である。すなわち、本実施形態の両シリンダ40,50は、同一内径の円筒状である。
リアシリンダ外周面58は、リアハウジング側壁部24の内周面よりも一回り小さく形成された円筒面である。リアシリンダ外周面58は、リアハウジング側壁部24の内周面に対して径方向Rに離間して対向しており、両者の間には隙間が形成されている。
図4に示すように、フロントシリンダ40の開口40aがリアシリンダ底部51によって塞がれるように両シリンダ40,50が取り付けられることによって、フロントロータ60が収容されるフロント収容室A2が形成されている。フロント収容室A2は、フロントシリンダ底部41と、フロントシリンダ内周面43と、外側底面54とによって区画されている。
同様に、リアシリンダ50の開口端がリアハウジング底部23に突き合せられることによって、リアロータ80が収容されるリア収容室A3が形成されている。リア収容室A3は、リアハウジング底部23と、リアシリンダ内周面57と、内側底面55とによって区画されている。
本実施形態では、フロント収容室A2とリア収容室A3とは同一の大きさとなっている。詳細には、両収容室A2,A3の体積は同一である。
両収容室A2,A3はリアシリンダ底部51によって仕切られており、両ロータ60,80はリアシリンダ底部51を介して軸方向Zに離間して対向配置されている。すなわち、リアシリンダ底部51は、両ロータ60,80の間に配置されている。
両収容室A2,A3はリアシリンダ底部51によって仕切られており、両ロータ60,80はリアシリンダ底部51を介して軸方向Zに離間して対向配置されている。すなわち、リアシリンダ底部51は、両ロータ60,80の間に配置されている。
ちなみに、リアシリンダ50は、フロントシリンダ40とリアハウジング底部23とによって軸方向Zに挟まれている。これにより、リアシリンダ50の軸方向Zの位置が決まっている。
図2〜図4に示すように、フロントロータ60は、リング状(例えば円環状)であり、回転軸12が挿通可能なフロントロータ貫通孔61を有している。本実施形態では、フロントロータ貫通孔61は本体部30と同径である。フロントロータ60は、フロントロータ貫通孔61に回転軸12の本体部30が挿通された状態で回転軸12に取り付けられており、回転軸12の回転に伴って回転する。
なお、回転軸12に対するフロントロータ60の取付態様は任意であり、例えば固定ピンや圧入によって固定される構成でもよいし、キー等の連結部材によって連結される構成でもよい。
フロントロータ60の外周面であるフロントロータ外周面62は、回転軸12と同軸の円筒面であり、フロントシリンダ内周面43に対して径方向Rに対向している。なお、フロントロータ外周面62とフロントシリンダ内周面43とは、当接していてもよいし、若干の隙間を介して離間していてもよい。
フロントロータ60は、外側底面54に対して軸方向Zに対向する第1ロータ面としてのフロントロータ面70を有している。フロントロータ面70は、リング状(例えば円環状)である。フロントロータ面70は、軸方向Zと直交する第1フロント平坦面71及び第2フロント平坦面72と、両フロント平坦面71,72を繋ぐ湾曲面としての一対のフロント湾曲面73と、を備えている。
図4に示すように、両フロント平坦面71,72は、軸方向Zにずれている。詳細には、第2フロント平坦面72は、第1フロント平坦面71よりも外側底面54に近い位置に配置されている。第2フロント平坦面72は外側底面54に当接している。また、両フロント平坦面71,72は、フロントロータ60の周方向に離間して配置されており、例えば両者は180°ずれている。本実施形態では、両フロント平坦面71,72は扇状である。なお、以降の説明において、両ロータ60,80の周方向位置を角度位置ともいう。
一対のフロント湾曲面73はそれぞれ扇状である。図3に示すように、一対のフロント湾曲面73は、軸方向Z及び両フロント平坦面71,72の対向方向の双方と直交する方向に対向配置されている。両フロント湾曲面73は同一形状である。
一対のフロント湾曲面73はそれぞれ、両フロント平坦面71,72を繋いでいる。詳細には、一対のフロント湾曲面73のうち一方は、両フロント平坦面71,72の周方向の一端部同士を繋いでおり、他方は、両フロント平坦面71,72の周方向の上記一端部とは反対側の他端部同士を繋いでいる。
ここで、説明の便宜上、フロント湾曲面73と第1フロント平坦面71との境界部分の角度位置を第1角度位置θ1とし、フロント湾曲面73と第2フロント平坦面72との境界部分の角度位置を第2角度位置θ2とする。なお、図示の都合上、図3においては、各角度位置θ1,θ2を破線で示すが、実際には境界部分は滑らかに連続している。
フロント湾曲面73は、フロントロータ60の角度位置に応じて軸方向Zに変位した湾曲面である。詳細には、フロント湾曲面73は、第1角度位置θ1(第1フロント平坦面71)から第2角度位置θ2(第2フロント平坦面72)に向かうにしたがって徐々に外側底面54に近づくように軸方向Zに湾曲している。このため、フロント湾曲面73の途中位置で切断した場合には、フロント湾曲面73は、軸方向Zにおいて両フロント平坦面71,72の間であって、外側底面54と離間した位置にある。
但し、本実施形態のフロント湾曲面73は、第1角度位置θ1及び第2角度位置θ2に限られず、周方向に互いに離間した任意の2つの角度位置間において徐々に外側底面54に近づく(又は遠ざかる)ように軸方向Zに湾曲している。換言すれば、一対のフロント湾曲面73は、第2フロント平坦面72に対して周方向の両側に設けられ、第2フロント平坦面72から周方向に離れるに従って徐々に外側底面54から離れるように軸方向Zに湾曲しているともいえる。
本実施形態では、図1に示すように、フロント湾曲面73は、外側底面54に対して凹となるように軸方向Zに湾曲しているフロント凹面73aと、外側底面54に向けて凸となるように軸方向Zに湾曲しているフロント凸面73bと、を有している。
フロント凹面73aは、第2フロント平坦面72よりも第1フロント平坦面71側に配置されており、フロント凸面73bは、第1フロント平坦面71よりも第2フロント平坦面72側に配置されている。フロント凹面73aとフロント凸面73bとは繋がっている。つまり、フロント湾曲面73は、変曲点を有する湾曲面である。
なお、フロント凸面73bが占める角度範囲とフロント凹面73aが占める角度範囲とは同一であってもよいし、異なっていてもよい。つまり、変曲点の位置は任意である。また、フロント湾曲面73は波状に湾曲している湾曲面ともいえるため、この点に着目すれば、フロントロータ面70は波状に湾曲している部分を含むウェーブ面ともいえる。
図4に示すように、フロントロータ60は、フロントロータ面70とは反対側の面であるフロント背面74を有している。フロント背面74は、軸方向Zに直交する平坦面である。フロント背面74はフロントシリンダ底部41と軸方向Zに対向している。
図2〜図4に示すように、リアロータ80は、リング状(例えば円環状)であり、回転軸12が挿通可能なリアロータ貫通孔81を有している。リアロータ80は、リアロータ貫通孔81に回転軸12が挿通された状態で、回転軸12の回転に伴って回転するように回転軸12に取り付けられている。
回転軸12に対するリアロータ80の取付態様は任意であり、例えば固定ピンや圧入によって固定される構成でもよいし、キー等の連結部材によって連結される構成でもよい。また、フロントロータ60の取付態様と、リアロータ80の取付態様とは、同一でもよいし、異なっていてもよい。
本実施形態のリアロータ80は、フロントロータ60と同一形状である。リアロータ80の外周面であるリアロータ外周面82は、フロントロータ外周面62と同一径の円筒面である。リアロータ外周面82とリアシリンダ内周面57とは径方向Rに対向している。なお、リアロータ外周面82とリアシリンダ内周面57とは当接していてもよいし、若干の隙間を介して離間していてもよい。
リアロータ80は、内側底面55と軸方向Zに対向する第2ロータ面としてのリアロータ面90を有している。リアロータ面90は、リング状(例えば円環状)である。本実施形態では、リアロータ面90は、フロントロータ面70と同一形状である。リアロータ面90は、軸方向Zと直交する第1リア平坦面91及び第2リア平坦面92と、両リア平坦面91,92を繋ぐ湾曲面としての一対のリア湾曲面93と、を備えている。
図4に示すように、両リア平坦面91,92は、軸方向Zにずれている。詳細には、第2リア平坦面92は、第1リア平坦面91よりも内側底面55に近い位置に配置されている。第2リア平坦面92は内側底面55に当接している。また、両リア平坦面91,92は、リアロータ80の周方向に離間して配置されており、例えば両者は180°ずれている。本実施形態では、両リア平坦面91,92は扇状である。
一対のリア湾曲面93はそれぞれ扇状である。一対のリア湾曲面93は、軸方向Z及び両リア平坦面91,92の対向方向の双方と直交する方向に対向配置されている。
一対のリア湾曲面93のうち一方は、両リア平坦面91,92の周方向の一端部同士を繋いでおり、他方は、両リア平坦面91,92の周方向の上記一端部とは反対側の他端部同士を繋いでいる。
一対のリア湾曲面93のうち一方は、両リア平坦面91,92の周方向の一端部同士を繋いでおり、他方は、両リア平坦面91,92の周方向の上記一端部とは反対側の他端部同士を繋いでいる。
両ロータ面70,90は、リアシリンダ底部51を介して軸方向Zに互いに離間して対向しており、両者は互いに角度位置が180°ずれている。換言すれば、リアシリンダ底部51は、フロントロータ面70と軸方向Zに対向する外側底面54と、リアロータ面90と軸方向Zに対向する内側底面55とを有するものである。
両ロータ面70,90の対向距離は、その角度位置(換言すれば周方向位置)に関わらず一定となっている。詳細には、図4に示すように、第1フロント平坦面71と第2リア平坦面92とが軸方向Zに離間して対向しており、第2フロント平坦面72と第1リア平坦面91とが軸方向Zに離間して対向している。そして、両フロント平坦面71,72間の軸方向Zのずれ量と、両リア平坦面91,92間のずれ量とは同一となっている。以降、両フロント平坦面71,72間の軸方向Zのずれ量及び両リア平坦面91,92間のずれ量を単にずれ量L1という。
また、フロント湾曲面73の湾曲具合と、リア湾曲面93の湾曲具合とは同一となっている。すなわち、フロント湾曲面73とリア湾曲面93とは、その角度位置に応じて対向距離が変動しないように同一方向に湾曲している。これにより、両ロータ面70,90間の対向距離は、いずれの角度位置であっても一定となっている。
なお、第1リア平坦面91、第2リア平坦面92、リア湾曲面93の具体的な形状については、第1フロント平坦面71、第2フロント平坦面72、フロント湾曲面73と同様であるため、詳細な説明を省略する。また、リア湾曲面93は波状に湾曲している湾曲面ともいえるため、この点に着目すれば、リアロータ面90は波状に湾曲している部分を含むウェーブ面ともいえる。
図4に示すように、リアロータ80は、リアロータ面90とは反対側の面であるリア背面94を有している。リア背面94は、軸方向Zに直交する平坦面である。リア背面94は、リアシリンダ底部51と軸方向Zに対向している。
回転軸12及び両ロータ60,80は、同一軸である。つまり、本圧縮機10は、偏芯運動ではなく、軸心運動の構造となっている。
ここで、両ロータ60,80の周方向と回転軸12の周方向とは一致しており、両ロータ60,80の径方向と回転軸12の径方向Rとは一致しており、両ロータ60,80の軸方向と回転軸12の軸方向Zとは一致している。このため、回転軸12の周方向、径方向R及び軸方向Zは、適宜両ロータ60,80の周方向、径方向及び軸方向と読み替えてよい。
ここで、両ロータ60,80の周方向と回転軸12の周方向とは一致しており、両ロータ60,80の径方向と回転軸12の径方向Rとは一致しており、両ロータ60,80の軸方向と回転軸12の軸方向Zとは一致している。このため、回転軸12の周方向、径方向R及び軸方向Zは、適宜両ロータ60,80の周方向、径方向及び軸方向と読み替えてよい。
図2〜図4に示すように、圧縮機10は、両ロータ60,80の間に設けられ、両ロータ60,80の回転に伴って軸方向Zに移動(詳細には揺動)するベーン100と、ベーン100が挿入されるベーン溝110と、を備えている。
ベーン100は、例えば板状である。ベーン100は、例えばベーン100の板面が回転軸12の周方向に対して直交するように、両ロータ60,80(換言すれば両ロータ面70,90)の間に配置されている。つまり、ベーン100は、軸方向Z及び径方向Rの双方と直交する方向を厚さ方向とする板状である。
ベーン100は、軸方向Zの両端部としての第1ベーン端部101及び第2ベーン端部102と、径方向Rの両端面としてのベーン内側端面103及びベーン外側端面104と、を有している。
第1ベーン端部101はフロントロータ面70と当接しており、第2ベーン端部102はリアロータ面90に当接している。なお、両ベーン端部101,102の具体的な形状は任意であるが、例えば両ロータ面70,90に向けて凸となるように湾曲しているとよい。ベーン内側端面103及びベーン外側端面104については後述する。
図2〜図4に示すように、ベーン溝110は、リアシリンダ底部51に形成されている。ベーン溝110は、周方向に互いに対向した両側面を有している。ベーン溝110の両側面とベーン100の両板面とは互いに対向している。ベーン溝110の幅(換言すればベーン溝110の両側面の対向距離)は、ベーン100の板厚と同一又はそれよりも若干広いとよい。なお、ベーン溝110の幅方向とは、径方向R及び軸方向Zの双方に直交する方向とも言える。
ベーン溝110は、軸方向Zに貫通しており、両底面54,55に開口している。また、ベーン溝110は、第1パーツ52及び第2パーツ53の双方とも、リアシリンダ底部51の内周端(詳細にはリアシリンダ挿通孔51aの内壁面)に開口しており、当該内周端から径方向R外側に向けて延びている。
ここで、リアシリンダ底部51のうち第1パーツ52においては、ベーン溝110は径方向R外側に開口している。つまり、本実施形態では、ベーン溝110は、第1パーツ52を径方向Rに貫通している。なお、説明の便宜上、第1パーツ52に形成されているベーン溝110の開口を溝開口111という。
一方、第2パーツ53においては、ベーン溝110は径方向R外側に開口していない。つまり、ベーン溝110は、第2パーツ53を径方向Rに貫通しておらず、第2パーツ53の外周面に開口していない。このため、第2パーツ53には、ベーン溝110の径方向R外側の端面であるベーン溝端面112が形成されている。
ここで、図5を用いて、ベーン溝110の形成方法について説明する。
本実施形態では、ベーン溝110は、エンドミルEMを用いてリアシリンダ50を加工することによって形成される。詳細には、まず、ベーン溝110が形成されていないリアシリンダ50を用意する。当該リアシリンダ50には、リアシリンダ挿通孔51aが形成されている。そして、そのリアシリンダ50に対して、ベーン溝110の幅に対応する径のエンドミルEMをリアシリンダ挿通孔51aに挿入し、第1パーツ52の全体に亘ってエンドミルEMを径方向R内側から径方向R外側に向けて移動させながら削る。これにより、精度がよいベーン溝110が形成される。
本実施形態では、ベーン溝110は、エンドミルEMを用いてリアシリンダ50を加工することによって形成される。詳細には、まず、ベーン溝110が形成されていないリアシリンダ50を用意する。当該リアシリンダ50には、リアシリンダ挿通孔51aが形成されている。そして、そのリアシリンダ50に対して、ベーン溝110の幅に対応する径のエンドミルEMをリアシリンダ挿通孔51aに挿入し、第1パーツ52の全体に亘ってエンドミルEMを径方向R内側から径方向R外側に向けて移動させながら削る。これにより、精度がよいベーン溝110が形成される。
通常、エンドミルEMは、螺旋状の刃が形成された円柱状であり、エンドミルEMを用いて所望の幅(エンドミルEMの直径)の溝を形成するためには、エンドミルEMの中心付近まで移動させる必要がある。このため、第1パーツ52の全体に亘ってベーン溝110が形成されるためには、エンドミルEMの一部が第1パーツ52から径方向R外側にはみ出す必要がある。具体的には、所望の幅(例えばエンドミルEMの直径)の溝開口111を形成するために、エンドミルEMの中心付近を第1パーツ52の外周面付近まで移動させる必要があり、エンドミルEMの一部が第1パーツ52の外周面よりも径方向R外側にはみ出すことにより、その分だけ第2パーツ53が削られる。よって、図4及び図6に示すように、第2パーツ53に形成されるベーン溝端面112は、第1パーツ52の外周面よりも径方向R外側にはみ出すこととなり、両シリンダ内周面43,57よりも径方向R外側に位置することとなる。
すなわち、図6に示すように、ベーン溝110は、第1パーツ52及び第2パーツ53の双方に亘って形成された本体溝113と、第2パーツ53のみに形成され且つ本体溝113よりも径方向R外側に配置された逃がし溝114と、を有している。
本体溝113は、リアシリンダ挿通孔51aの内壁面から、第1パーツ52の外周面及び第2パーツ53における第1パーツ52の外周面と連続する位置まで形成されている部分であり、一定幅を有している。
本実施形態の逃がし溝114は、ベーン溝110を形成する工具としてのエンドミルEMを逃がすために形成されたものであり、詳細にはエンドミルEMを用いて本体溝113を形成する際に生じた掘削痕である。逃がし溝114は、ベーン溝110における第1パーツ52の外周面(換言すれば両シリンダ内周面43,57)よりも径方向R外側に凹んだ部分である。逃がし溝114は、エンドミルEMの形状(例えば円柱)に対応しており、径方向Rの位置に応じて幅が変動している。詳細には、逃がし溝114は、本体溝113の幅よりも狭い幅の部分を有している。
既に説明したとおり、第1パーツ52はフロントシリンダ側壁部42の内側に入り込んだ状態でフロントシリンダ側壁部42に嵌合しており、第1パーツ52とフロントシリンダ内周面43とが径方向Rに当接又は若干の隙間を介して対向している。このため、溝開口111は、フロントシリンダ内周面43によって覆われている。なお、第1パーツ52とフロントシリンダ内周面43とが当接している場合には、溝開口111はフロントシリンダ内周面43によって塞がれているともいえる。
ベーン100は、ベーン内側端面103が回転軸12(本体部30)に当接し且つベーン外側端面104がフロントシリンダ内周面43又は両シリンダ内周面43,57に当接している状態でベーン溝110の本体溝113に挿入されている。この場合、ベーン100は、ベーン溝110(本体溝113)の両側面によって周方向への移動が規制されている一方、ベーン溝110に沿って軸方向Zに移動することが許容されている。
かかる構成によれば、両ロータ60,80が回転することによって、ベーン100が両ロータ面70,90に沿って軸方向Zに移動(詳細には揺動)する。これにより、ベーン100の第1ベーン端部101が、フロント収容室A2に入り込んだり、第2ベーン端部102がリア収容室A3に入り込んだりする。
一方、ベーン100は、ベーン溝110(詳細にはベーン溝110における互いに対向している両側面)と当接することによって周方向への移動が規制されているため、両ロータ60,80の回転に伴ってベーン100が回転しないようになっている。
換言すれば、ベーン溝110は、ベーン100が両収容室A2,A3に跨って配置されるようにするものであるとともに、両ロータ60,80の回転に伴うベーン100の回転を規制するものであるといえる。
ベーン100の移動距離(換言すれば揺動距離)は両フロント平坦面71,72間(又は両リア平坦面91,92間)の軸方向Zの変位量(ずれ量L1)である。また、ベーン100は、両ロータ60,80の回転中、両ロータ面70,90と当接している状態を維持している。すなわち、ベーン100は、両ロータ60,80の回転中、両ロータ面70,90と継続して当接しており、断続的な当接(詳細には定期的に離間したり当接したりすること)が生じないようになっている。
また、ベーン100は、回転軸12の外周面及び両シリンダ内周面43,57に対して摺動しながら軸方向Zに移動する。この場合、ベーン100は、揺動に関わらず、回転軸12の外周面と両シリンダ内周面43,57とによって径方向Rから挟まれている。これにより、ベーン100が径方向Rに位置ずれしにくくなっているため、ベーン100の径方向Rの位置ずれを抑制することができる。
ここで、逃がし溝114は、両シリンダ内周面43,57よりも径方向R外側に位置しているため、ベーン100が逃がし溝114に入り込むことは生じにくい。また、ベーン100の移動に関わらず、ベーン外側端面104とベーン溝端面112とは径方向Rに離間して対向している。
また、図4に示すように、逃がし溝114における軸方向Zの両端部のうち第1パーツ52側に位置する第1端部はフロントシリンダ先端面45によって塞がれており、リアシリンダ側壁部56側に位置する第2端部はリアシリンダ側壁部56によって塞がれている。
すなわち、本実施形態では、逃がし溝114によって、ベーン外側端面104及びベーン溝端面112と、フロントシリンダ先端面45とリアシリンダ側壁部56とによって囲まれたはみ出し空間115が形成されている。はみ出し空間115は、軸方向Z及び径方向Rに囲まれている空間であり、他の空間とは連通していない。したがって、はみ出し空間115を介して流体が漏れることは生じにくい。
ちなみに、ベーン内側端面103は、例えば回転軸12の外周面の曲率に対応させて形成されているとよく、詳細には本体部30の外周面の曲率と同一曲率の凹面であるとよい。但し、これに限られず、ベーン内側端面103の具体的な形状については任意である。
同様に、ベーン外側端面104は、例えば両シリンダ内周面43,57の曲率に対応させて形成されているとよく、例えば両シリンダ内周面43,57の曲率と同一曲率に湾曲した凸面であるとよい。但し、これに限られず、ベーン外側端面104の具体的な形状については任意である。
図4に示すように、圧縮機10は、フロントシリンダ側壁部42とリアシリンダ底部51とをシールするシール部材121を備えている。シール部材121は、例えばOリングである。
本実施形態のシール部材121は、フロントシリンダ先端面45と第2パーツ53との間に配置されており、フロントシリンダ先端面45と第2パーツ53との間をシールしている。例えば、フロントシリンダ先端面45、詳細にはフロントシリンダ先端面45におけるはみ出し部53aと軸方向Zに突き合わせられた部分には、環状のシール溝122が形成されており、シール溝122にシール部材121が設けられている。シール溝122及びシール部材121は、逃がし溝114よりも径方向R外側に配置されている。シール部材121によって、フロントシリンダ先端面45と第2パーツ53(詳細にははみ出し部53a)とがシールされている。これにより、フロントシリンダ側壁部42とリアシリンダ底部51との境界、本実施形態ではフロントシリンダ先端面45と第2パーツ53との境界から流体が漏れることを抑制できる。
特に、本実施形態では、シール部材121が逃がし溝114よりも径方向R外側に配置されているため、逃がし溝114を介して漏れる流体もシールされている。つまり、本実施形態のシール部材121は、フロントシリンダ側壁部42とリアシリンダ底部51との境界からの流体の漏れを規制するとともに、逃がし溝114からの流体の漏れを規制するものとして機能している。
圧縮機10は、吸入流体の吸入及び圧縮が行われるフロント圧縮室A4及びリア圧縮室A5を備えている。
図4に示すように、フロント圧縮室A4は、フロントシリンダ40内(詳細にはフロント収容室A2内)に形成されており、フロントロータ60(詳細にはフロントロータ面70)と、フロントシリンダ内周面43と、外側底面54とによって区画されている。
図4に示すように、フロント圧縮室A4は、フロントシリンダ40内(詳細にはフロント収容室A2内)に形成されており、フロントロータ60(詳細にはフロントロータ面70)と、フロントシリンダ内周面43と、外側底面54とによって区画されている。
同様に、リア圧縮室A5は、リアシリンダ50内(詳細にはリア収容室A3内)に形成されており、リアロータ80(詳細にはリアロータ面90)と、リアシリンダ内周面57と、内側底面55とによって区画されている。両圧縮室A4,A5は、リアシリンダ底部51の軸方向Zの両側に配置されている。本実施形態では、フロント圧縮室A4とリア圧縮室A5とは同じ大きさである。
両圧縮室A4,A5ではそれぞれ、回転軸12の回転に伴いベーン100によって周期的な容積変化が生じて流体の吸入/圧縮が行われる。つまり、ベーン100は、両圧縮室A4,A5において容積変化を生じさせるものであるとも言える。また、両圧縮室A4,A5それぞれにて流体の吸入及び圧縮が行われる点に着目すれば、本実施形態の圧縮機10は2気筒であると言える。
本実施形態では、回転軸12(詳細には回転軸12の外周面)が、両圧縮室A4,A5を区画するものとして機能している。但し、これに限られず、回転軸12とは別の部材、例えば回転軸12を覆うカバー部材が設けられている場合には当該カバー部材が、両圧縮室A4,A5を区画するものとして機能してもよい。つまり、両圧縮室A4,A5を区画するものとして、回転軸12は必須ではない。
ハウジング11内には、両圧縮室A4,A5にて圧縮された圧縮流体が吸入される吐出室A6が形成されている。吐出室A6は、両シリンダ外周面44,58と、リアハウジング22の内面とによって区画されている。詳細には、吐出室A6は、フロントシリンダ外周面44とリアハウジング22の内周面との間に形成された隙間と、当該隙間と連通しているものであってリアシリンダ外周面58とリアハウジング22の内周面との間に形成された隙間とによって構成されている。本実施形態では、吐出室A6は、軸方向Zを軸線方向とする筒状であり、両シリンダ40,50の径方向R外側に配置されている。吐出室A6は、吐出口11bと連通しており、吐出室A6の圧縮流体は吐出口11bから吐出される。
圧縮機10は、フロント圧縮室A4に吸入流体を吸入するフロント吸入ポート131と、フロント圧縮室A4にて圧縮された圧縮流体を吐出するフロント吐出ポート132と、を備えている。
図2及び図3に示すように、フロント吸入ポート131は、例えばフロントシリンダ40に形成されている。詳細には、フロント吸入ポート131は、フロントシリンダ底部41及びフロントシリンダ側壁部42の双方に跨って形成されており、フロントシリンダ底部41を貫通する貫通孔と、フロントシリンダ内周面43のうち当該貫通孔と連続する部分を凹ませて形成された凹部と、によって構成されている。
フロント吸入ポート131は、モータ室A1に開口している。フロント吸入ポート131は、軸方向Zに延びており、フロント圧縮室A4に開口している。フロント吸入ポート131によって、モータ室A1とフロント圧縮室A4とが連通している。これにより、フロント圧縮室A4には、側方から吸入流体が吸入される。
フロント吸入ポート131は、フロント圧縮室A4の容積が大きくなる位相においてフロント圧縮室A4に連通している一方、フロント圧縮室A4の容積が小さくなる位相においてフロント圧縮室A4に連通していない位置に配置されている。例えば、図7に示すように、フロント吸入ポート131は、ベーン100(換言すればベーン溝110)に対して両ロータ60,80の回転方向Mの先側に形成されている。
図3及び図7に示すように、フロント吐出ポート132は、例えばフロントシリンダ側壁部42に形成されている。フロント吐出ポート132は、フロント圧縮室A4の容積が小さくなる位相においてフロント圧縮室A4に連通している一方、フロント圧縮室A4の容積が大きくなる位相においてフロント圧縮室A4に連通していない位置に配置されている。例えば、フロント吐出ポート132は、ベーン100(換言すればベーン溝110)に対して両ロータ60,80の回転方向Mとは反対側に形成されている。軸方向Zから見て、フロント吸入ポート131及びフロント吐出ポート132は、ベーン100における周方向の両側に配置されている。
図4に示すように、吐出室A6の一部は、フロント圧縮室A4の径方向R外側に配置されている。フロント吐出ポート132は、フロントシリンダ側壁部42を径方向Rに貫通しており、フロント圧縮室A4と吐出室A6とを連通している。これにより、フロント圧縮室A4によって圧縮された圧縮流体は、フロント吐出ポート132を介して、吐出室A6に吐出される。
圧縮機10は、リア圧縮室A5に吸入流体を吸入するリア吸入ポート133と、リア圧縮室A5にて圧縮された圧縮流体を吐出するリア吐出ポート134と、を備えている。
図2に示すように、リア吸入ポート133は、リアシリンダ底部51に形成されている。リア吸入ポート133は、リアシリンダ底部51を軸方向Zに貫通しており、両底面54,55に開口している。図6に示すように、リア吸入ポート133は、リアシリンダ底部51におけるベーン100(換言すればベーン溝110)よりも両ロータ60,80の回転方向Mの先側に形成されている。本実施形態では、軸方向Zから見て、リア吸入ポート133は、フロント吸入ポート131と重なっている。リア吸入ポート133によって、容積が大きくなる位相における両圧縮室A4,A5が連通している。
図2に示すように、リア吸入ポート133は、リアシリンダ底部51に形成されている。リア吸入ポート133は、リアシリンダ底部51を軸方向Zに貫通しており、両底面54,55に開口している。図6に示すように、リア吸入ポート133は、リアシリンダ底部51におけるベーン100(換言すればベーン溝110)よりも両ロータ60,80の回転方向Mの先側に形成されている。本実施形態では、軸方向Zから見て、リア吸入ポート133は、フロント吸入ポート131と重なっている。リア吸入ポート133によって、容積が大きくなる位相における両圧縮室A4,A5が連通している。
図6に示すように、リア吐出ポート134は、例えばリアシリンダ側壁部56に形成されている。リア吐出ポート134は、リア圧縮室A5の容積が小さくなる位相においてリア圧縮室A5に連通している一方、リア圧縮室A5の容積が大きくなる位相においてリア圧縮室A5に連通していない位置に配置されている。詳細には、リア吐出ポート134は、リアシリンダ側壁部56のうちベーン100(換言すればベーン溝110)に対して両ロータ60,80の回転方向Mとは反対側に形成されている。
図4に示すように、吐出室A6の一部は、リア圧縮室A5の径方向R外側に配置されている。リア吐出ポート134は、リアシリンダ側壁部56を径方向Rに貫通しており、リア圧縮室A5と吐出室A6とを連通している。これにより、リア圧縮室A5によって圧縮された圧縮流体は、リア吐出ポート134を介して、吐出室A6に吐出される。
ちなみに、リア吐出ポート134と逃がし溝114とは周方向に離間している。このため、リア吐出ポート134と逃がし溝114とが連通しないようになっている。
なお、図示は省略するが、両吐出ポート132,134の少なくとも一方に、吐出ポートを塞ぐものであって規定圧力が付与されたことに基づいて吐出ポートを開放させる吐出弁が設けられていてもよい。ただし、吐出弁は必須ではなく、省略してもよい。
なお、図示は省略するが、両吐出ポート132,134の少なくとも一方に、吐出ポートを塞ぐものであって規定圧力が付与されたことに基づいて吐出ポートを開放させる吐出弁が設けられていてもよい。ただし、吐出弁は必須ではなく、省略してもよい。
図4に示すように、圧縮機10は、ロータ60,80を支持するスラスト軸受141,142を備えている。本実施形態では、両スラスト軸受141,142は同一である。
フロントスラスト軸受141は、フロントシリンダ底部41に取り付けられており、フロント背面74を支持している。この場合、フロントロータ60は、フロントスラスト軸受141及び外側底面54によって軸方向Zから挟まれている。これにより、フロントロータ60の軸方向Zの位置が決められている。
フロントスラスト軸受141は、フロントシリンダ底部41に取り付けられており、フロント背面74を支持している。この場合、フロントロータ60は、フロントスラスト軸受141及び外側底面54によって軸方向Zから挟まれている。これにより、フロントロータ60の軸方向Zの位置が決められている。
図4に示すように、リアスラスト軸受142は、リアハウジング底部23に取り付けられており、リア背面94を支持している。この場合、リアロータ80は、リアスラスト軸受142及び内側底面55によって軸方向Zから挟まれている。これにより、リアロータ80の軸方向Zの位置が決められている。
次に、図8及び図9を用いて本実施形態における各ポート131〜134の位置関係と、ベーン100による圧縮室A4,A5の容積変化とについて詳細に説明する。
図8及び図9は、両ロータ60,80及びベーン100の様子を示す展開図であり、両者は位相が異なっている。図8及び図9では、各ポート131〜134を模式的に示す。
図8及び図9は、両ロータ60,80及びベーン100の様子を示す展開図であり、両者は位相が異なっている。図8及び図9では、各ポート131〜134を模式的に示す。
図8に示すように、ベーン100は、両圧縮室A4,A5に跨って配置されている状況において、ベーン100の第1ベーン端部101側の一部はフロント圧縮室A4に入り込んでいる。これにより、フロント圧縮室A4は、ベーン100を境界として2つに仕切られている。説明の便宜上、一方のフロント圧縮室A4を第1フロント圧縮室A4aとし、他方のフロント圧縮室A4を第2フロント圧縮室A4bという。第1フロント圧縮室A4aと第2フロント圧縮室A4bとは、第2フロント平坦面72と外側底面54との当接箇所と、ベーン100とによって仕切られており、周方向に隣接している。
第1フロント圧縮室A4aはフロント吸入ポート131と連通している一方、フロント吐出ポート132とは連通していない。第2フロント圧縮室A4bはフロント吐出ポート132と連通している一方、フロント吸入ポート131とは連通していない。
つまり、ベーン100は、フロント吸入ポート131とフロント吐出ポート132とが直接連通しないように、フロント吸入ポート131と連通している第1フロント圧縮室A4aと、フロント吐出ポート132と連通している第2フロント圧縮室A4bとを仕切っているとも言える。
同様に、ベーン100の第2ベーン端部102側の一部はリア圧縮室A5に入り込んでいるため、リア圧縮室A5は、ベーン100を境界として2つに仕切られている。説明の便宜上、一方のリア圧縮室A5を第1リア圧縮室A5aとし、他方のリア圧縮室A5を第2リア圧縮室A5bという。第1リア圧縮室A5aと第2リア圧縮室A5bとは、第2リア平坦面92と内側底面55との当接箇所と、ベーン100とによって仕切られており、周方向に隣接している。
第1リア圧縮室A5aは、リア吸入ポート133と連通している一方、リア吐出ポート134とは連通していない。第2リア圧縮室A5bは、リア吐出ポート134と連通している一方、リア吸入ポート133とは連通していない。
つまり、ベーン100は、リア吸入ポート133とリア吐出ポート134とが直接連通しないように、リア吸入ポート133と連通している第1リア圧縮室A5aと、リア吐出ポート134と連通している第2リア圧縮室A5bとを仕切っているとも言える。
その後、電動モータ13によって回転軸12が回転すると、それに伴って両ロータ60,80が回転する。なお、図8では、両ロータ60,80は紙面下方向に移動する。これにより、ベーン100が軸方向Z(図8では紙面左右方向)に移動しながら、両圧縮室A4,A5において容積変化が生じる。
詳細には、図9に示すように、第1フロント圧縮室A4aでは、容積が増加してフロント吸入ポート131から吸入流体の吸入が行われる一方、第2フロント圧縮室A4bでは容積が減少して吸入流体の圧縮が行われる。第2フロント圧縮室A4bにて圧縮された圧縮流体は、フロント吐出ポート132から吐出室A6に流れる。
同様に、第1リア圧縮室A5aでは、容積が増加してリア吸入ポート133から吸入流体の吸入が行われる。詳細には、第1フロント圧縮室A4a内にある吸入流体が、第1リア圧縮室A5aに吸入される。一方、第2リア圧縮室A5bでは容積が減少して流体の圧縮が行われる。第2リア圧縮室A5bにて圧縮された圧縮流体は、リア吐出ポート134から吐出室A6に流れる。
以上のとおり、両ロータ60,80が回転することによって両圧縮室A4,A5では720°(両ロータ60,80の2回転分)を1周期とする吸入及び圧縮のサイクル動作が繰り返し行われている。
ここで、説明の便宜上、両フロント圧縮室A4a,A4bを区別して説明したが、フロント圧縮室A4では720°を1周期とするサイクル動作が行われる点に着目すれば、第1フロント圧縮室A4aは、位相が0°〜360°のフロント圧縮室A4と言え、第2フロント圧縮室A4bは、位相が360°〜720°のフロント圧縮室A4と言える。つまり、フロントロータ面70、外側底面54、及びフロントシリンダ内周面43によって区画された空間は、ベーン100によって、位相が0°〜360°のフロント圧縮室A4と、位相が360°〜720°のフロント圧縮室A4とに仕切られているとも言える。換言すれば、ベーン100は、上記空間を、流体が吸入される第1室と、流体が吐出される第2室とに仕切った状態で、両ロータ60,80の回転に伴って第1室及び第2室の容積変化(詳細には第1室については容積増加、第2室については容積減少)を生じさせるものであると言える。第1リア圧縮室A5a及び第2リア圧縮室A5bについても同様である。
次に本実施形態の作用について説明する。
リアシリンダ底部51とリアシリンダ側壁部56とが一体形成されているため、リアシリンダ底部51とリアシリンダ側壁部56との間に流体が流れる隙間が生じないとともに、リアシリンダ側壁部56に対してリアハウジング底部23が位置ずれすることが生じない。これにより、リアシリンダ底部51とリアシリンダ側壁部56との間から流体が漏れることがないとともに、リアシリンダ側壁部56の位置が決められることによって自ずとリアシリンダ底部51の位置が決まる。
リアシリンダ底部51とリアシリンダ側壁部56とが一体形成されているため、リアシリンダ底部51とリアシリンダ側壁部56との間に流体が流れる隙間が生じないとともに、リアシリンダ側壁部56に対してリアハウジング底部23が位置ずれすることが生じない。これにより、リアシリンダ底部51とリアシリンダ側壁部56との間から流体が漏れることがないとともに、リアシリンダ側壁部56の位置が決められることによって自ずとリアシリンダ底部51の位置が決まる。
また、ベーン溝110は第1パーツ52において径方向R外側に開口しているため、第1パーツ52において逃がし溝114が形成されない。そして、第1パーツ52に形成されたベーン溝110の開口である溝開口111は、フロントシリンダ内周面43によって覆われているため、溝開口111からの流体の漏れが規制されている。
以上詳述した本実施形態によれば以下の効果を奏する。
(1)圧縮機10は、回転軸12と、回転軸12の軸方向Zに互いに離間して対向配置され且つ回転軸12の回転に伴い回転する両ロータ60,80と、両ロータ60,80間に設けられ、両ロータ60,80の回転に伴って軸方向Zに移動するベーン100と、両ロータ60,80を収容するのに用いられる両シリンダ40,50とを備えている。ロータ60,80は、軸方向Zに互いに離間して対向しているロータ面70,90と、ロータ外周面62,82と、を有している。
(1)圧縮機10は、回転軸12と、回転軸12の軸方向Zに互いに離間して対向配置され且つ回転軸12の回転に伴い回転する両ロータ60,80と、両ロータ60,80間に設けられ、両ロータ60,80の回転に伴って軸方向Zに移動するベーン100と、両ロータ60,80を収容するのに用いられる両シリンダ40,50とを備えている。ロータ60,80は、軸方向Zに互いに離間して対向しているロータ面70,90と、ロータ外周面62,82と、を有している。
フロントシリンダ40は、軸方向Zの一方に開口した有底筒状であり、回転軸12が挿通されるフロントシリンダ挿通孔41aを有するフロントシリンダ底部41と、フロントシリンダ底部41からリアシリンダ50に向けて軸方向Zに起立したフロントシリンダ側壁部42と、を備えている。フロントシリンダ側壁部42は、フロントロータ外周面62と径方向Rに対向するフロントシリンダ内周面43と、フロントシリンダ側壁部42の先端面であるフロントシリンダ先端面45と、を備えている。
リアシリンダ50は、リアロータ80を収容するのに用いられる有底筒状であり、フロントシリンダ40に対してフロントシリンダ40の開口側から軸方向Zに取り付けられている。
リアシリンダ50は、両ロータ60,80の間に配置されたリアシリンダ底部51を備えている。リアシリンダ底部51は、回転軸12が挿通されるリアシリンダ挿通孔51aと、ロータ面70,90と軸方向Zに対向する底面54,55と、有している。リアシリンダ50は、リアシリンダ底部51と一体形成され且つリアロータ外周面82と径方向Rに対向するリアシリンダ内周面57を有するリアシリンダ側壁部56を備えている。
シリンダ40,50内には、ロータ面70,90、底面54,55及びシリンダ内周面43,57によって区画された圧縮室A4,A5が形成されており、両圧縮室A4,A5では、ベーン100により容積変化が生じて流体の吸入及び圧縮が行われる。
ここで、リアシリンダ底部51は、第1パーツ52及び第2パーツ53を有しており、フロントシリンダ40の開口40aを塞ぐようにフロントシリンダ40に取り付けられている。第1パーツ52は、フロントシリンダ側壁部42内に入り込んだ状態でフロントシリンダ側壁部42に嵌合しており、第2パーツ53は、第1パーツ52よりも径方向Rに大きく、フロントシリンダ先端面45と当接している。
かかる構成によれば、フロントシリンダ40の開口40a側からリアシリンダ50が軸方向Zに取り付けられており、その両シリンダ40,50内に両ロータ60,80が収容されるとともに圧縮室A4,A5が形成されている。
ここで、リアシリンダ底部51における第1パーツ52が、フロントシリンダ側壁部42内に入り込んだ状態でフロントシリンダ側壁部42に嵌合することによって両シリンダ40,50の径方向Rの位置決めが行われ、第2パーツ53がフロントシリンダ先端面45と当接することによって両シリンダ40,50の軸方向Zの位置決めが行われる。これにより、両シリンダ40,50の位置合わせを精度よく行うことができる。
特に、第2パーツ53がフロントシリンダ先端面45と当接することによって、フロントシリンダ40に対する外側底面54の位置が決まる。これにより、フロントシリンダ40に対してフロントロータ60を位置決めすることによって、フロントロータ面70と外側底面54との相対位置を、フロントシリンダ40を基準として規定することができる。これにより、フロントロータ面70と外側底面54との相対位置を精度よく規定できる。
また、フロントシリンダ40の開口40aがリアシリンダ底部51によって塞がされるため、フロントシリンダ40内に形成されるフロント圧縮室A4の気密性の向上を図ることができる。更に、両ロータ60,80の間に介在するリアシリンダ底部51と、リアシリンダ側壁部56とは一体形成されているため、両者の間から流体が漏れたり、両者の位置ずれが生じたりすることがない。これにより、リアシリンダ底部51とリアシリンダ側壁部56との間からの流体の漏れの抑制と、両者の位置ずれの抑制とを図ることができる。
(2)リアシリンダ底部51には、ベーン100が挿入されるものであって、リアシリンダ底部51を軸方向Zに貫通したベーン溝110が形成されている。ベーン溝110は、第2パーツ53において径方向R外側に開口していない一方、第1パーツ52において径方向R外側に開口している。そして、第1パーツ52におけるベーン溝110の開口部分である溝開口111は、フロントシリンダ内周面43によって覆われている。
かかる構成によれば、第1パーツ52においてベーン溝110が開口しているため、エンドミルEMを用いてベーン溝110を形成した場合に生じ得る逃がし溝114が第1パーツ52には形成されない。そして、溝開口111がフロントシリンダ内周面43に覆われていることによって、溝開口111からの流体の漏れが規制されている。これにより、リアシリンダ底部51の全体に亘って逃がし溝114が形成される構成と比較して、逃がし溝114を介した流体の漏れを抑制できる。例えば、逃がし溝114がリアシリンダ底部51の軸方向Zの全体に亘って形成される構成されると比較して、逃がし溝114が形成される領域が小さくなる分だけ、逃がし溝114を介して圧縮行程中の圧縮室から吸入行程中の圧縮室に向けて流体が流れる流量を小さくできる。圧縮行程中の圧縮室とは、第2フロント圧縮室A4b及び第2リア圧縮室A5bであり、吸入行程中の圧縮室とは、第1フロント圧縮室A4a及び第1リア圧縮室A5aである。
また、仮に一定径の円板状のリアシリンダ底部に、エンドミルEMを用いて径方向R外側に開口させないようにベーン溝110を形成した場合、逃がし溝114が軸方向Zに貫通する。この場合、逃がし溝114を介して両圧縮室A4,A5が連通するおそれがある。
これに対して、本実施形態では、リアシリンダ底部51が径方向Rの大きさが異なる第1パーツ52と第2パーツ53とを含み、第1パーツ52においてベーン溝110を開口させることによって、第1パーツ52において逃がし溝114が形成されないようになっている。これにより、逃がし溝114によって両圧縮室A4,A5が連通することを抑制できる。
(3)両シリンダ40,50は同一径の円筒状であり、両シリンダ内周面43,57は面一である。そして、両ロータ60,80は同一形状であり、両圧縮室A4,A5の大きさは同一である。
かかる構成によれば、一方の圧縮室を他方の圧縮室よりも小さくする構成と比較して、圧縮機10の全体の容積を高くすることができる。
ここで、両シリンダ40,50が同一径の円筒状であって両シリンダ内周面43,57が面一である場合に、エンドミルEMを用いてリアシリンダ底部51に軸方向Zに貫通するベーン溝110を形成しようとすると、逃がし溝114を介して両シリンダ内周面43,57が繋がるため、両圧縮室A4,A5間での流体の漏れという不都合が生じ易い。
ここで、両シリンダ40,50が同一径の円筒状であって両シリンダ内周面43,57が面一である場合に、エンドミルEMを用いてリアシリンダ底部51に軸方向Zに貫通するベーン溝110を形成しようとすると、逃がし溝114を介して両シリンダ内周面43,57が繋がるため、両圧縮室A4,A5間での流体の漏れという不都合が生じ易い。
この点、本実施形態では、上述したとおり、第1パーツ52において逃がし溝114が形成されないため、逃がし溝114はリアシリンダ底部51の全体を軸方向Zに貫通していない。これにより、逃がし溝114によって両圧縮室A4,A5が直接連通することがないため、両シリンダ40,50を同一径の円筒状とし更に両シリンダ内周面43,57を面一にしても上記不都合が生じにくい。これにより、逃がし溝114による流体の漏れを抑制しつつ、両圧縮室A4,A5の大きさを同一にできる。
(4)第1パーツ52の厚さである第1厚さD1は、第2パーツ53の厚さである第2厚さD2よりも厚い。かかる構成によれば、逃がし溝114の軸方向Zの長さを短くすることができるため、逃がし溝114を介した流体の漏れをより好適に抑制できる。
ここで、逃がし溝114を短くする観点に着目すれば、リアシリンダ底部51全体の厚さを薄くすることも考えられる。しかしながら、リアシリンダ底部51全体の厚さを薄くすると、ベーン溝110の軸方向Zの長さが短くなり、ベーン100の保持能力が低下してベーン100がベーン溝110内にてガタつく不都合が懸念される。
この点、本実施形態では、逃がし溝114が形成されない第1厚さD1を、逃がし溝114が形成される第2厚さD2よりも厚くすることにより、ベーン溝110の全体の軸方向Zの長さを確保しつつ、逃がし溝114の軸方向Zの長さを短くすることができる。これにより、上記不都合を抑制しつつ、逃がし溝114を介した流体の漏れを好適に抑制できる。
(5)圧縮機10は、フロントシリンダ先端面45と第2パーツ53との間に配置され、フロントシリンダ先端面45と第2パーツ53との間をシールするシール部材121を備えている。
かかる構成によれば、両シリンダ40,50の境界部分、詳細にはリアシリンダ底部51とフロントシリンダ側壁部42との境界部分から流体が漏れるのを抑制できる。
特に、溝開口111から漏れる流体は、フロントシリンダ先端面45と第2パーツ53との間を介して流出することが想定される。これに対して、本実施形態では、フロントシリンダ先端面45と第2パーツ53との間がシールされているため、溝開口111から漏れる流体が両シリンダ40,50外に漏れることを抑制できる。
特に、溝開口111から漏れる流体は、フロントシリンダ先端面45と第2パーツ53との間を介して流出することが想定される。これに対して、本実施形態では、フロントシリンダ先端面45と第2パーツ53との間がシールされているため、溝開口111から漏れる流体が両シリンダ40,50外に漏れることを抑制できる。
(6)リアシリンダ側壁部56には、リア圧縮室A5から圧縮流体が吐出されるリア吐出ポート134が形成されている。軸方向Zから見て、リア吐出ポート134とベーン溝110とは周方向にずれて配置されている。
かかる構成によれば、逃がし溝114とリア吐出ポート134とが周方向に離間している。これにより、逃がし溝114とリア吐出ポート134とが連通することを回避でき、それを通じてリア吐出ポート134から吐出される圧縮流体が逃がし溝114を介して漏れることを抑制できる。
(7)圧縮機10は、回転軸12及び両シリンダ40,50を収容するハウジング11を備えている。リアシリンダ側壁部56は、ハウジング11における軸方向Zの端部であるリアハウジング底部23に対して軸方向Zに突き合わせられている。リアロータ80は、リアハウジング底部23と内側底面55とによって軸方向Zに位置決めされている。
かかる構成によれば、リアシリンダ底部51とリアシリンダ側壁部56とが一体形成されているため、リアシリンダ底部51とリアシリンダ側壁部56との間で位置ずれが生じない。このため、リアシリンダ側壁部56がリアハウジング底部23に対して軸方向Zに突き合わせられていることによってリアハウジング底部23に対するリアシリンダ側壁部56の位置が決まると、自ずとリアハウジング底部23に対するリアシリンダ底部51の軸方向Zの位置も決まる。これにより、軸方向Zにおけるリアハウジング底部23に対する内側底面55の位置も決まり、両者の相対位置を精度よく規定することができる。そして、リアロータ80は、リアハウジング底部23と内側底面55とによって軸方向Zに位置決めされているため、リアロータ80を精度よく配置できる。
詳述すると、仮にリアシリンダ底部51とリアシリンダ側壁部56とが別体である場合、両者間で取り付け誤差が生じる。すると、リアシリンダ側壁部56の開口端がリアハウジング底部23に突き合わせられることによってリアシリンダ側壁部56が位置決めされたとしても、リアシリンダ底部51の位置が変動し得るため、軸方向Zにおける内側底面55とリアハウジング底部23との位置関係が変動し得る。
これに対して、本実施形態では、リアシリンダ底部51とリアシリンダ側壁部56とが一体形成されているため、リアハウジング底部23に対するリアシリンダ側壁部56の位置が決められることによって、自ずとリアハウジング底部23に対する内側底面55の位置が決められる。これにより、軸方向Zにおける内側底面55とリアハウジング底部23との位置関係を精度良く決めることができ、それを通じて両者によって位置決めされるリアロータ80を精度よく配置できる。
(8)圧縮機10は、フロントシリンダ底部41に取り付けられ、フロントロータ60を支持するフロントスラスト軸受141を備えており、フロントロータ60は、フロントスラスト軸受141と外側底面54とによって軸方向Zから挟まれている。
かかる構成によれば、フロントロータ60に付与される圧縮荷重をフロントスラスト軸受141が受けることができる。また、フロントロータ60は、フロントスラスト軸受141と外側底面54とによって軸方向Zから挟まれていることによって、軸方向Zに位置決めされている。
ここで、既に説明したとおり、第2パーツ53とフロントシリンダ先端面45とが軸方向Zに突き合わせられることによって、フロントシリンダ40に対する外側底面54の位置が決まる。そして、フロントスラスト軸受141はフロントシリンダ底部41に取り付けられているものであるため、フロントシリンダ40に対するフロントスラスト軸受141の位置は決まっている。つまり、外側底面54及びフロントスラスト軸受141の位置がフロントシリンダ40を基準にして規定されていることになる。これにより、両者の相対位置を精度よく規定できる。そして、その外側底面54及びフロントスラスト軸受141で挟むことによってフロントロータ60の位置を精度よく規定でき、フロントロータ60のガタつきやフロントロータ60と外側底面54との過度な干渉を抑制できる。
(9)圧縮機10は、リアハウジング底部23に取り付けられ、リアロータ80を支持するリアスラスト軸受142を備えており、リアロータ80は、リアスラスト軸受142と内側底面55とによって軸方向Zから挟まれている。
かかる構成によれば、リアロータ80に付与される圧縮荷重をリアスラスト軸受142が受けることができる。また、フロントロータ60は、フロントスラスト軸受141と外側底面54とによって軸方向Zから挟まれていることによって、軸方向Zに位置決めされている。
ここで、既に説明したとおり、リアシリンダ側壁部56の開口端とリアハウジング底部23とが軸方向Zに突き合わせられることによって、リアハウジング22に対する内側底面55の位置が決まる。そして、リアスラスト軸受142はリアハウジング底部23に取り付けられているものであるため、リアハウジング22に対するリアスラスト軸受142の位置は決まっている。つまり、内側底面55及びリアスラスト軸受142の位置が同一部材(リアハウジング22)を基準にして規定されていることになる。これにより、両者の相対位置を精度よく規定できる。そして、その内側底面55及びリアスラスト軸受142で挟むことによってリアロータ80の位置を精度よく規定でき、リアロータ80のガタつきやリアロータ80と内側底面55との過度な干渉を抑制できる。
上記実施形態は以下のように変更してもよい。なお、上記各実施形態及び以下の各別例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせてもよい。
○ 第1厚さD1と第2厚さD2との大小関係は任意であり、例えば第2厚さD2が第1厚さD1よりも厚くてもよいし、両厚さD1,D2が同一でもよい。
○ 第1厚さD1と第2厚さD2との大小関係は任意であり、例えば第2厚さD2が第1厚さD1よりも厚くてもよいし、両厚さD1,D2が同一でもよい。
○ シール部材121は、フロントシリンダ先端面45とはみ出し部53aとをシールする構成に限られず、例えば第1パーツ52とフロントシリンダ内周面43との間をシールする構成でもよい。
○ シール部材121の具体的な構成は、Oリングに限られず任意である。
○ シール部材121及びシール溝122を省略してもよい。
○ 両ロータ60,80は同一形状であったが、これに限られず、例えばフロントロータ60がリアロータ80に対して大径であってもよいし、その逆でもよい。この場合、両ロータ60,80の形状に合わせて、両シリンダ側壁部42,56の内径を異ならせてもよい。つまり、両圧縮室A4,A5の容積は同一でもよいし、異なってもよい。同様に、両シリンダ内周面43,57は、面一でもよいし面一でなくてもよい。
○ シール部材121及びシール溝122を省略してもよい。
○ 両ロータ60,80は同一形状であったが、これに限られず、例えばフロントロータ60がリアロータ80に対して大径であってもよいし、その逆でもよい。この場合、両ロータ60,80の形状に合わせて、両シリンダ側壁部42,56の内径を異ならせてもよい。つまり、両圧縮室A4,A5の容積は同一でもよいし、異なってもよい。同様に、両シリンダ内周面43,57は、面一でもよいし面一でなくてもよい。
○ 回転軸12の形状は任意である。例えば、本体部30の径と両端部31,32の径とは同一でもよいし、本体部30の径が両端部31,32の径よりも小さくてもよい。
○ 圧縮機10は、2段圧縮を行う構成でもよい。例えば、圧縮機10は、リア圧縮室A5にフロント圧縮室A4にて圧縮された圧縮流体を吸入し、リア圧縮室A5にて更に圧縮する構成でもよい。この場合、リア圧縮室A5の大きさはフロント圧縮室A4よりも小さいとよい。
○ 圧縮機10は、2段圧縮を行う構成でもよい。例えば、圧縮機10は、リア圧縮室A5にフロント圧縮室A4にて圧縮された圧縮流体を吸入し、リア圧縮室A5にて更に圧縮する構成でもよい。この場合、リア圧縮室A5の大きさはフロント圧縮室A4よりも小さいとよい。
○ 両ラジアル軸受33,35のいずれか一方を省略してもよい。ただし、回転軸12の傾きを抑制した状態で回転軸12を支持できる点に着目すれば、両ラジアル軸受33,35の双方が設けられている構成のほうが好ましい。
○ 吸入ポート131,133及び吐出ポート132,134の位置や形状は任意である。例えば、リア吸入ポート133は、フロント圧縮室A4とリア圧縮室A5とを連通させるものではなく、両収容室A2,A3に対して径方向R外側に配置され、且つ、リア圧縮室A5とモータ室A1とを連通させるものでもよい。要は、両圧縮室A4,A5に吸入流体を吸入させるための構成、及び、両圧縮室A4,A5にて圧縮された圧縮流体を吐出口11bから吐出させる構成は任意である。
○ 両スラスト軸受141,142は、同一の構成に限られず、異なっていてもよい。
○ 両スラスト軸受141,142を省略してもよい。この場合、フロントロータ60が直接フロントシリンダ底部41に取り付けられるとよい。これにより、フロントシリンダ40に対するフロントロータ60の位置が決められる。同様に、リアロータ80が直接リアハウジング底部23に取り付けられるとよい。ただし、フロントロータ60とフロントシリンダ底部41との摩擦を鑑みれば、フロントスラスト軸受141が設けられている方が好ましい。リアスラスト軸受142についても同様である。
○ 両スラスト軸受141,142を省略してもよい。この場合、フロントロータ60が直接フロントシリンダ底部41に取り付けられるとよい。これにより、フロントシリンダ40に対するフロントロータ60の位置が決められる。同様に、リアロータ80が直接リアハウジング底部23に取り付けられるとよい。ただし、フロントロータ60とフロントシリンダ底部41との摩擦を鑑みれば、フロントスラスト軸受141が設けられている方が好ましい。リアスラスト軸受142についても同様である。
○ 吐出室A6の位置及び形状は任意であり、例えばリアシリンダ50内に設けられていてもよいし、リアハウジング底部23に設けられていてもよい。
○ ベーン100の数は任意であり、例えば複数でもよい。また、ベーン100の周方向位置は任意である。
○ ベーン100の数は任意であり、例えば複数でもよい。また、ベーン100の周方向位置は任意である。
○ ベーン100及びベーン溝110の形状は、ベーン100の軸方向Zの移動を許容する一方、周方向の移動が規制されれば、各実施形態のものに限られず任意である。例えばベーンは扇状でもよい。
また、ベーンは、所定箇所を中心として振り子のように軸方向Zに移動する構成でもよい。つまり、ベーンは、直線運動に限られず、回転運動によって軸方向Zに移動する構成でもよい。
○ ベーン溝110は、本体溝113と逃がし溝114とを有する構成であれば、エンドミルEMを用いる方法以外の方法によって形成されてもよい。
○ 第1ベーン端部101とフロントロータ面70とは、内周端から外周端までの全部に亘って当接する構成に限られず、一部の径方向R範囲に亘って当接する構成でもよい。また、第1ベーン端部101とフロントロータ面70とは、全周に亘って当接する構成に限られず、一部の角度範囲に亘って当接する構成でもよい。第2ベーン端部102とリアロータ面90とについても同様である。
○ 第1ベーン端部101とフロントロータ面70とは、内周端から外周端までの全部に亘って当接する構成に限られず、一部の径方向R範囲に亘って当接する構成でもよい。また、第1ベーン端部101とフロントロータ面70とは、全周に亘って当接する構成に限られず、一部の角度範囲に亘って当接する構成でもよい。第2ベーン端部102とリアロータ面90とについても同様である。
○ 両シリンダ40,50の具体的な形状は任意である。例えば、膨出部46を省略してもよい。
○ 両ハウジング21,22の具体的な形状については任意である。
○ 両ハウジング21,22の具体的な形状については任意である。
○ 電動モータ13及びインバータ14を省略してもよい。つまり、電動モータ13及びインバータ14は圧縮機10において必須ではない。
○ 圧縮機10は、空調装置以外に用いられてもよい。例えば、圧縮機10は、燃料電池車両に搭載された燃料電池に対して圧縮空気を供給するのに用いられてもよい。
○ 圧縮機10は、空調装置以外に用いられてもよい。例えば、圧縮機10は、燃料電池車両に搭載された燃料電池に対して圧縮空気を供給するのに用いられてもよい。
○ 圧縮機10の搭載対象は、車両に限られず、任意である。
○ 圧縮機10の圧縮対象の流体は、オイルを含む冷媒に限られず、任意である。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる好適な一例について以下に記載する。
○ 圧縮機10の圧縮対象の流体は、オイルを含む冷媒に限られず、任意である。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる好適な一例について以下に記載する。
(イ)前記逃がし溝は、例えば前記ベーン溝において前記第1パーツの外周面よりも前記径方向外側の部分であるとよい。
10…圧縮機、11…ハウジング、12…回転軸、40…フロントシリンダ(第1シリンダ)、40a…フロントシリンダの開口、41…フロントシリンダ底部(第1シリンダ底部)、41a…フロントシリンダ挿通孔(第1シリンダ挿通孔)、42…フロントシリンダ側壁部(第1シリンダ側壁部)、43…フロントシリンダ内周面(第1シリンダ内周面)、45…フロントシリンダ先端面(第1シリンダ先端面)、50…リアシリンダ(第2シリンダ)、51…リアシリンダ底部(第2シリンダ底部)、51a…リアシリンダ挿通孔(第2シリンダ挿通孔)、52…第1パーツ、53…第2パーツ、53a…はみ出し部、54…外側底面、55…内側底面、56…リアシリンダ側壁部(第2シリンダ側壁部)、57…リアシリンダ内周面(第2シリンダ内周面)、60…フロントロータ(第1ロータ)、62…フロントロータ外周面(第1ロータの外周面)、70…フロントロータ面、80…リアロータ(第2ロータ)、82…リアロータ外周面(第2ロータの外周面)、90…リアロータ面、100…ベーン、110…ベーン溝、111…溝開口、112…ベーン溝端面、113…本体溝、114…逃がし溝、115…はみ出し空間、121…シール部材、131…フロント吸入ポート、132…フロント吐出ポート、133…リア吸入ポート、134…リア吐出ポート、A4…フロント圧縮室(第1圧縮室)、A5…リア圧縮室(第2圧縮室)、D1…第1厚さ、D2…第2厚さ、EM…エンドミル。
Claims (5)
- 回転軸と、
前記回転軸の軸方向に互いに離間して対向配置された第1ロータ面及び第2ロータ面を有し、前記回転軸の回転に伴って回転する第1ロータ及び第2ロータと、
前記第1ロータ及び前記第2ロータの間に設けられ、前記両ロータの回転に伴って前記軸方向に移動するベーンと、
前記軸方向の一方に開口した有底筒状であって、前記第1ロータを収容するのに用いられる第1シリンダと、
前記第1シリンダ内に形成され、前記ベーンにより容積変化が生じて流体の吸入及び圧縮が行われる第1圧縮室と、
前記第1シリンダに対して前記第1シリンダの開口側から前記軸方向に取り付けられ、前記第2ロータを収容するのに用いられる有底筒状の第2シリンダと、
前記第2シリンダ内に形成され、前記ベーンにより容積変化が生じて流体の吸入及び圧縮が行われる第2圧縮室と、
を備えた圧縮機であって、
前記第1シリンダは、
前記回転軸が挿通される第1シリンダ挿通孔を有する第1シリンダ底部と、
前記第1シリンダ底部から前記第2シリンダに向けて前記軸方向に起立したものであって、第1シリンダ先端面、及び、前記第1ロータの外周面と前記回転軸の径方向に対向する第1シリンダ内周面を有する第1シリンダ側壁部と、
を備え、
前記第2シリンダは、
前記第1ロータ及び前記第2ロータの間に配置され、前記回転軸が挿通される第2シリンダ挿通孔、前記第1ロータ面と前記軸方向に対向する外側底面及び前記第2ロータ面と前記軸方向に対向する内側底面を有する第2シリンダ底部と、
前記第2シリンダ底部と一体形成されたものであって、前記第2ロータの外周面と前記回転軸の径方向に対向する第2シリンダ内周面を有する第2シリンダ側壁部と、
を備え、
前記第1圧縮室は、前記第1ロータ面、前記外側底面、及び前記第1シリンダ内周面によって区画されており、
前記第2圧縮室は、前記第2ロータ面、前記内側底面、及び前記第2シリンダ内周面によって区画されており、
前記第2シリンダ底部は、
前記第1シリンダ側壁部の内側に入り込んだ状態で前記第1シリンダ側壁部に嵌合している第1パーツと、
前記第1パーツよりも前記径方向に大きく、前記第1シリンダ先端面と当接している第2パーツと、
を有し、前記第1シリンダの開口を塞ぐように前記第1シリンダに取り付けられ、
前記第2シリンダ底部には、前記ベーンが挿入されるものであって、前記第2シリンダ底部を前記軸方向に貫通したベーン溝が形成されており、
前記ベーン溝は、前記ベーンが挿入される本体溝と、前記第2パーツにおける前記本体溝よりも前記径方向外側に形成された逃がし溝と、を備え、
前記第2パーツにおいて、前記ベーン溝は前記径方向外側に開口しておらず、
前記第1パーツにおいて、前記ベーン溝は前記回転軸の径方向外側に開口しており、当該ベーン溝の開口は前記第1シリンダ内周面によって覆われていることを特徴とする圧縮機。 - 前記第1パーツの前記軸方向の長さは、前記第2パーツの前記軸方向の長さよりも長い請求項1に記載の圧縮機。
- 前記第1シリンダ先端面と前記第2パーツとの間には、前記第1シリンダ先端面と前記第2パーツとの間をシールするシール部材が配置されている請求項1又は請求項2に記載の圧縮機。
- 前記第1シリンダ及び前記第2シリンダは同一内径の円筒状であり、前記第1シリンダ内周面及び前記第2シリンダ内周面は面一であり、
前記第1ロータ及び前記第2ロータは同一形状であり、
前記第1圧縮室と前記第2圧縮室の大きさは同一である請求項1〜3のうちいずれか一項に記載の圧縮機。 - 前記回転軸、前記第1シリンダ及び前記第2シリンダを収容するハウジングを備え、
前記第2シリンダ側壁部は、前記ハウジングにおける前記軸方向の端部に対して前記軸方向に突き合わせられており、
前記第2ロータは、前記ハウジングの前記端部と前記内側底面とによって前記軸方向に位置決めされている請求項1〜4のうちいずれか一項に記載の圧縮機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018215528A JP2020084784A (ja) | 2018-11-16 | 2018-11-16 | 圧縮機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018215528A JP2020084784A (ja) | 2018-11-16 | 2018-11-16 | 圧縮機 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2020084784A true JP2020084784A (ja) | 2020-06-04 |
Family
ID=70907049
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2018215528A Pending JP2020084784A (ja) | 2018-11-16 | 2018-11-16 | 圧縮機 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2020084784A (ja) |
-
2018
- 2018-11-16 JP JP2018215528A patent/JP2020084784A/ja active Pending
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