JP2020084349A - ケーキの製造方法、ロービングパッケージの製造方法、及びロービングパッケージ - Google Patents

ケーキの製造方法、ロービングパッケージの製造方法、及びロービングパッケージ Download PDF

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Abstract

【課題】毛羽の発生を抑えることを可能にしたケーキの製造方法、ロービングパッケージの製造方法、及びロービングパッケージを提供する。【解決手段】ケーキの製造方法は、複数本のガラスストランドを巻き取ることでケーキを得る。ケーキの製造方法における複数本のガラスストランドは、第1ガラスストランドS1と、第2ガラスストランドS2と、第3ガラスストランドS3とを含み、第2ガラスストランドS2は、第1ガラスストランドS1と第3ガラスストランドS3との間で隣り合って配置される。ケーキの製造方法では、第1ガラスストランドS1と第2ガラスストランドS2との間隔D1よりも第2ガラスストランドS2と第3ガラスストランドS3との間隔D2を広くする間隔規制部材11を用いる。【選択図】図1

Description

本発明は、ガラスストランドを巻き取ることで得られるケーキの製造方法、ロービングパッケージの製造方法、及びロービングパッケージに関する。
特許文献1に開示されるように、複数個のケーキから引き出された複数本のガラスストランドを合糸することでロービングを得る方法が知られている。このようなロービングを得るためのケーキとして、特許文献1に開示されるように複数本のガラスストランドが巻き取られてなるケーキを用いる場合がある。
特開2008−150720号公報
上記従来のケーキのように、巻き取るガラスストランドの本数を増やすことで、例えば、ケーキの製造工程や製造装置を簡略化することが可能となる。ところが、ガラスストランドの本数を増やしたケーキから得られるロービングパッケージでは、引き出されたロービングから発生する毛羽(モノフィラメントが脱落した脱落繊維)が増加する傾向にある。
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、毛羽の発生を抑えることを可能にしたケーキの製造方法、ロービングパッケージの製造方法、及びロービングパッケージを提供することにある。
上記課題を解決するケーキの製造方法は、複数本のガラスストランドを巻き取ることでケーキを得るケーキの製造方法であって、前記複数本のガラスストランドは、第1ガラスストランドと、第2ガラスストランドと、第3ガラスストランドとを含み、前記第2ガラスストランドは、前記第1ガラスストランドと前記第3ガラスストランドとの間で隣り合って配置され、前記第1ガラスストランドと前記第2ガラスストランドとの間隔よりも前記第2ガラスストランドと前記第3ガラスストランドとの間隔を広くする間隔規制部材を用いる。
上記ケーキの製造方法において、前記間隔規制部材は、前記第2ガラスストランドと前記第3ガラスストランドとの間隔を前記第1ガラスストランドと前記第2ガラスストランドとの間隔の1.5倍以上、2.5倍以下の範囲内とすることが好ましい。
上記ケーキの製造方法において、前記複数本のガラスストランドは、前記第3ガラスストランドと隣り合う第4ガラスストランドをさらに含み、前記間隔規制部材は、前記第3ガラスストランドと前記第4ガラスストランドとの間隔よりも前記第2ガラスストランドと第3ガラスストランドとの間隔を広くすることが好ましい。
上記ケーキの製造方法において、前記複数本のガラスストランドは、前記第4ガラスストランドと隣り合う第5ガラスストランドと、前記第1ガラスストランドと隣り合う第6ガラスストランドと、をさらに含み、前記間隔規制部材は、前記第4ガラスストランドと前記第5ガラスストランドとの間隔よりも前記第2ガラスストランドと前記第3ガラスストランドの間隔を広くし、かつ前記第1ガラスストランドと前記第6ガラスストランドとの間隔よりも前記第2ガラスストランドと前記第3ガラスストランドの間隔を広くすることが好ましい。
上記課題を解決するロービングパッケージの製造方法は、複数本のガラスストランドを巻き取ることでケーキを得る工程と、複数個の前記ケーキを準備し、前記複数個のケーキから引き出された複数本のガラスストランドを合糸することでロービングを得る工程と、前記ロービングを巻き取ることでロービングパッケージを得る工程と、を備えるロービングパッケージの製造方法であって、前記ケーキを得るための前記複数本のガラスストランドは、第1ガラスストランドと、第2ガラスストランドと、第3ガラスストランドとを含み、前記第2ガラスストランドは、前記第1ガラスストランドと前記第3ガラスストランドとの間で隣り合って配置され、前記ケーキを得る工程では、前記第1ガラスストランドと前記第2ガラスストランドとの間隔よりも前記第2ガラスストランドと前記第3ガラスストランドとの間隔を広くする間隔規制部材を用いる。
上記ロービングパッケージの製造方法において、前記ロービングを得る工程では、前記複数本のガラスストランドを撚らずに合糸し、前記ロービングパッケージを得る工程では、撚らずに合糸した前記複数本のガラスストランドを巻き取ることが好ましい。
上記課題を解決するロービングパッケージは、複数本のガラスストランドを合糸したロービングが巻回されてなるロービングパッケージであって、前記ロービングパッケージから引き出した前記ロービングを水平方向に引っ張った状態としたとき、長さ100mの前記ロービングの単位長さ2m中に、高さ30mm以上のループが存在する存在率が10%以下である。
上記ロービングパッケージにおいて、前記複数本のガラスストランドは、撚らずに合糸した状態で巻回されてなることが好ましい。
上記ロービングパッケージにおいて、前記ガラスストランドの番手は、30〜100texであり、前記ガラスストランドを構成するモノフィラメントの本数は、30〜100本であることが好ましい。
上記ロービングパッケージにおいて、前記ロービングの番手は、2500〜6000texであることが好ましい。
上記ロービングパッケージは、チョップドストランドを形成する用途に用いられることが好ましい。
本発明によれば、毛羽の発生を抑えることが可能となる。
実施形態のケーキの製造方法を説明する概略図である。 ロービングパッケージの製造方法を説明する概略図である。 ケーキの製造方法の変更例を説明する概略図である。 ケーキの製造方法の変更例を説明する概略図である。 ケーキの製造方法の変更例を説明する概略図である。
以下、ケーキの製造方法、ロービングパッケージの製造方法、及びロービングパッケージの実施形態について図面を参照して説明する。なお、図面では、説明の便宜上、構成の一部を誇張又は簡略化して示す場合がある。また、各部分の寸法比率についても、実際と異なる場合がある。
図1に示すように、ケーキの製造方法は、複数本のガラスストランドを巻き取ることでケーキを得る方法である。本実施形態の複数本のガラスストランドは、第1ガラスストランドS1と、第2ガラスストランドS2と、第3ガラスストランドS3とを含む。第2ガラスストランドS2は、第1ガラスストランドS1と第3ガラスストランドS3との間で隣り合って配置されている。
第1ガラスストランドS1、第2ガラスストランドS2及び第3ガラスストランドS3の各ガラスストランドは、数十本〜数千本のモノフィラメント(ガラスモノフィラメメント)が集束されたものである。モノフィラメントは、周知のようにブッシングノズルを用いて紡糸することで得られる。モノフィラメントのガラスとしては、例えば、Eガラス(アルカリ含有量2%以下のガラス)、Dガラス(低誘電率ガラス)、ARガラス(耐アルカリ性ガラス)、Cガラス(耐酸性のガラス)、Mガラス(高弾性率のガラス)、Sガラス(高強度、高弾性率のガラス)、Tガラス(高強度、高弾性率のガラス)、Hガラス(高誘電率のガラス)、NEガラス(低誘電率ガラス)が挙げられる。モノフィラメントの密度は、例えば、2.0〜3.0g/mである。
ガラスストランドは、ブッシングのノズルから紡糸された所定本数のモノフィラメントに周知のようにアプリケータを用いて集束剤を塗布し、ギャザリングシューを通過させることで得られる。ガラスストランドは、集束剤から形成された被膜を有している。被膜の材料としては、例えば、ポリプロピレン樹脂、変性ポリプロピレン樹脂、ナイロン樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリ酢酸ビニル、ポリエステル、エポキシ樹脂等が挙げられる。
ガラスストランドを構成するモノフィラメントの本数は、30〜100本であることが好ましい。ガラスストランドの番手は、30〜100texであることが好ましい。
ケーキの製造方法では、第1ガラスストランドS1と第2ガラスストランドS2との間隔が間隔D1となり、第2ガラスストランドS2と第3ガラスストランドS3との間隔が間隔D2となるように間隔を規制する間隔規制部材11を用いる。間隔規制部材11は、第1ガラスストランドS1と第2ガラスストランドS2との間隔D1よりも第2ガラスストランドS2と第3ガラスストランドS3との間隔D2を広くするように間隔を規制する。
詳述すると、間隔規制部材11は、第1ガラスストランドS1の位置を規制する第1規制部12と、第2ガラスストランドS2の位置を規制する第2規制部13と、第3ガラスストランドS3の位置を規制する第3規制部14とを備えている。間隔規制部材11は、第1規制部12、第2規制部13、及び第3規制部14が固定されるシャフト15をさらに備えている。シャフト15は、所定の高さとなるように固定されている。
間隔規制部材11は、ブッシング及びギャザリングシューの下流側に配置される。間隔規制部材11を通過した第1ガラスストランドS1、第2ガラスストランドS2、及び第3ガラスストランドS3は、トラバース16に導かれる。トラバース16としては、例えば、ワイヤートラバースを好適に用いることができる。トラバース16で綾振りされた第1ガラスストランドS1、第2ガラスストランドS2、及び第3ガラスストランドS3をコレット17に装着されたボビン18に巻き取ることで、ケーキ19が得られる。
ケーキの製造方法で用いる間隔規制部材11は、第2ガラスストランドS2と第3ガラスストランドS3との間隔D2を第1ガラスストランドS1と第2ガラスストランドS2との間隔D1の1.5倍以上となるように規制することが好ましい。この場合、第2ガラスストランドS2と第3ガラスストランドS3との接着をより抑えることができる。ケーキの製造方法で用いる間隔規制部材11は、第2ガラスストランドS2と第3ガラスストランドS3との間隔D2を第1ガラスストランドS1と第2ガラスストランドS2との間隔D1の2.5倍以下となるように規制することが好ましい。この場合、トラバース16を用いた綾振りをより安定させることができる。
ケーキの製造方法で用いる間隔規制部材11は、第2ガラスストランドS2と第3ガラスストランドS3との間隔D2を25mm以上、50mm以下の範囲内となるように規制することが好ましい。ケーキの製造方法で用いる間隔規制部材11は、第1ガラスストランドS1と第2ガラスストランドS2との間隔D1を10mm以上、20mm以下の範囲内となるように規制することが好ましい。
複数本のストランドを巻き取って得られるケーキ19は、分糸ケーキと呼ばれ、本実施形態のようにストランドの本数が3本の場合は、3分糸ケーキと呼ばれる。ケーキ19の幅寸法は、例えば、100mm以上、500mm以下の範囲内である。ケーキ19の形状としては、例えば、片テーパ形状、ダブルスクエア形状、ダブルテーパ形状等が挙げられる。ケーキ19の形状は、複数のガラスストランドの巻き取りや引き出しをより円滑に行うという観点から、ダブルテーパ形状であることが好ましい。
次に、ロービングパッケージの製造方法及びロービングパッケージについて説明する。
図2に示すように、ロービングパッケージ製造方法は、上述したようにケーキ19を得る工程と、複数個のケーキ19を準備し、複数個のケーキ19から引き出された複数本のガラスストランドを合糸することでロービングRを得る工程とを備えている。ロービングパッケージの製造方法は、ロービングRを巻き取ることでロービングパッケージRPを得る工程を備えている。
ロービングRを得る工程で用いるケーキ19の数は、例えば、10〜40個の範囲内であることが好ましい。複数のガラスストランドは、ケーキ19の内周側から引き出してもよいし、ケーキ19の外周側から引き出してもよい。
ロービングRを得る工程では、複数本のガラスストランドを撚らずに合糸し、ロービングパッケージRPを得る工程では、撚らずに合糸した複数本のガラスストランドを巻き取ることが好ましい。
ロービングパッケージRPでは、ロービングパッケージRPから引き出したロービングRを水平方向に引っ張った状態としたとき、長さ100mのロービングRの単位長さ2m中に、高さ30mm以上のループが存在する存在率が10%以下となっている。
ここで、ロービングパッケージRPに含まれるループについて説明する。ロービングパッケージRPのロービングRは、複数本のストランド同士が互いに接着された接着部分を含む。複数本のストランドの長さ方向において離間して複数の接着部分が存在し、かつ複数本のストランドにおいて接着部分と接着部分との間の長さが互いに異なる場合、少なくとも1本のストランドが弛むことで環状部分が生じる。この環状部分がループと呼ばれ、例えば、擦れ等によって毛羽(モノフィラメントが脱落した脱落繊維)を発生させる一つの要因となる。
ロービングパッケージRPにおいて、複数本のガラスストランドは、撚らずに合糸した状態で巻回されてなることが好ましい。ロービングパッケージRPにおいて、ガラスストランドの番手は、30〜100texであることが好ましい。ロービングパッケージRPにおいて、ガラスストランドを構成するモノフィラメントの本数は、30〜100本であることが好ましい。ロービングRの番手は、2500〜6000texであることが好ましい。
ロービングパッケージRPは、チョップドストランドを形成する用途に用いられることが好ましい。チョップドストランドの繊維長は、例えば、25〜175mmである。
チョップドストランドは、補強材として好適に用いることができる。チョップドストランドは、例えば、SMC(シートモールディングコンパウンド)法、スプレーアップ法、プリフォーム法等の成形法に用いることができる。
次に、本実施形態の作用及び効果について説明する。
(1)ケーキの製造方法では、図1に示すように第1ガラスストランドS1と第2ガラスストランドS2との間隔D1よりも第2ガラスストランドS2と第3ガラスストランドS3との間隔D2を広くする間隔規制部材11を用いる。
この方法によれば、間隔規制部材11によって、第1ガラスストランドS1と第2ガラスストランドS2と接着部分に対して第2ガラスストランドS2と第3ガラスストランドS3との接着部分を削減することが可能となる。このように、各ガラスストランド間において接着部分の偏りを生じさせることで、複数本のガラスストランドの大半が接着されることを抑えることが可能となる。これにより、例えば、比較的大きいループを削減することが可能となる。従って、毛羽の発生を抑えることが可能となる。
(2)ケーキの製造方法で用いる間隔規制部材11は、第2ガラスストランドS2と第3ガラスストランドS3との間隔D2を第1ガラスストランドS1と第2ガラスストランドS2との間隔D1の1.5倍以上、2.5倍以下の範囲内とすることが好ましい。この場合、第2ガラスストランドS2と第3ガラスストランドS3との接着をより抑えることができ、かつトラバース16を用いた綾振りをより安定させることができる。
(3)ロービングパッケージの製造方法におけるロービングパッケージRPを得る工程において、撚らずに合糸した複数本のガラスストランドを巻き取る場合、例えば、複数本のガラスストランドを切断することで得られるチョップドストランドの分散性を高めることができる。
(4)ロービングパッケージRPにおいて、高さ30mm以上のループが存在する存在率が10%以下であることで、毛羽の発生を好適に抑えることができる。このロービングパッケージRPにおいて、ガラスストランドの番手は、30〜100texであることが好ましい。ガラスストランドの番手が30tex以上の場合、ガラスストランド同士の凝集を抑制することができる。ガラスストランドの番手が100tex以下の場合、ガラスストランドの分散を促進することができる。
(5)ロービングパッケージRPにおいて、ロービングRの番手は、2500〜6000texであることが好ましい。この場合、例えば、分散性の高いチョップドストランドを得ることが可能となる。
(変更例)
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・図3に示すように、ケーキの製造方法において、複数本のガラスストランドは、第3ガラスストランドS3と隣り合う第4ガラスストランドS4をさらに含んでもよい。すなわち、ケーキ19は、4分糸ケーキであってもよい。この変更例のケーキの製造方法で用いる間隔規制部材11は、第4ガラスストランドS4の位置を規制する第4規制部20をさらに備えている。この間隔規制部材11は、第3ガラスストランドS3と第4ガラスストランドS4との間隔D3よりも第2ガラスストランドS2と第3ガラスストランドS3との間隔D2を広くするようにガラスストランドを規制することが好ましい。この場合、複数のガラスストランドの全幅(第1ガラスストランドS1と第4ガラスストランドS4との間隔)が過剰に広くなることを抑えることで、トラバース16を用いた綾振りを安定させることができる。この間隔D3は、上記実施形態で説明した間隔D1と同様の間隔に設定されることが好ましい。
なお、図4に示すように、上記第4ガラスストランドS4の位置を第1ガラスストランドS1と隣り合う位置に変更することもできる。この間隔規制部材11は、第1ガラスストランドS1と第2ガラスストランドS2との間隔D1よりも第4ガラスストランドS4と第1ガラスストランドS1との間隔D3を広くするようにガラスストランドを規制しているが、間隔D3については適宜変更してもよい。この間隔D3は、例えば、上記実施形態で説明した間隔D1や間隔D2と同様の間隔に設定することができる。
・図5に示すように、ケーキの製造方法において、複数本のガラスストランドは、上述した第4ガラスストランドS4と隣り合う第5ガラスストランドS5と、第1ガラスストランドS1と隣り合う第6ガラスストランドS6とをさらに含んでいてもよい。すなわち、ケーキ19は、6分糸ケーキであってもよい。この変更例のケーキの製造方法で用いる間隔規制部材11は、第5ガラスストランドS5の位置を規制する第5規制部21と、第6ガラスストランドS6の位置を規制する第6規制部22とをさらに備えている。この間隔規制部材11は、第4ガラスストランドS4と第5ガラスストランドS5との間隔D4よりも第2ガラスストランドS2と第3ガラスストランドS3の間隔D2を広くすることが好ましい。また、間隔規制部材11は、第1ガラスストランドS1と第6ガラスストランドS6との間隔D5よりも第2ガラスストランドS2と第3ガラスストランドS3の間隔D2を広くするようにガラスストランドを規制することが好ましい。この場合、複数のガラスストランドの全幅(第1ガラスストランドS1と第6ガラスストランドS6との間隔)が過剰に広くなることを抑えることで、トラバース16を用いた綾振りを安定させることができる。この間隔D4及び間隔D5は、上記実施形態で説明した間隔D1と同様の間隔に設定されることが好ましい。例えば、間隔規制部材11の間隔D1,D3,D4,D5は、14mmであり、間隔D2は30mmである。
・ケーキの製造方法は、例えば、5分糸ケーキや7分糸以上のケーキを製造するように変更することもできる。例えば、5分糸ケーキの場合、図5に示す6本のガラスストランドのうち、第5ガラスストランドS5及び第6ガラスストランドS6のいずれか一方を省略した5本のガラスストランドによって製造することが好ましい。すなわち、5分糸ケーキの製造に用いる間隔規制部材は、第5ガラスストランドS5と、この第5ガラスストランドS5と隣り合うガラスストランドとの間隔よりも、上記間隔D2を広くするようにガラスストランドを規制することが好ましい。
例えば、7分糸ケーキの場合、図5に示す6本のガラスストランドのうち、第5ガラスストランドS5及び第6ガラスストランドS6のいずれか一方に隣り合う位置に、第7ガラスストランドを配置して製造することができる。
図示を省略するが、7分糸以上のケーキの製造方法に用いる間隔規制部材は、隣り合う2本又は3本のガラスストランドを所定の間隔で配置される一つの組として、複数の組の間隔を規制するように構成することができる。このとき、間隔規制部材は、一つの組を構成するガラスストランドの間隔よりも、隣り合う複数の組の間隔を広くするようにガラスストランドを規制することが好ましい。
・ケーキの製造方法において、1個のケーキ19に対して一つのトラバース16を用いてもよいし、1個のケーキ19に対して複数のトラバースを用いてもよい。但し、製造設備を簡略化するという観点から、1個のケーキ19に対して一つのトラバース16を用いることが好ましい。
・ロービングパッケージRPは、チョップドストランドを形成する用途に限定されず、例えば、フィラメントワインディング法、引抜法等に用いることもできる。
次に、実施例、比較例を説明する。
(実施例1)
図3に示すように、4本のストランドを一つのトラバースで綾振りしながら、1個のケーキ(幅寸法250mmの4分糸ケーキ)を作製した。各ストランドの番手は、80texである。間隔規制部材における間隔D1は18mmであり、間隔D2は36mmである。このようにケーキを作製することで、合計15個のケーキを準備した。15個のケーキを並列となるように配置し、各ケーキから引き出された複数のストランドを互いに撚らずに合糸することでロービングを得た。得られたロービングの番手は、4800texである。続いて、ロービングを巻き取ることでロービングパッケージを得た。
(比較例1)
比較例1では、間隔規制部材における間隔D1及び間隔D2をいずれも18mmに設定した以外は、実施例1と同様にロービングパッケージを得た。
(ロービングパッケージの評価:毛羽の発生抑制)
各例のロービングパッケージの内周側からロービングを所定の張力をかけながら以下の条件で引き出した際に発生した毛羽の質量を測定した。
ロービングを引き出す速度:300m/分
引き出したロービングの長さ:1500m
この結果を表1中の“毛羽の発生量”欄に示す。
(ロービングパッケージの評価:ループの発生抑制)
ロービングを水平方向に引っ張ったとき、30mm以上の高さを有するループの存在率について次のように求めた。まず、水平方向に引っ張ったロービング100mを測定対象とし、長さ2m毎に上記ループが存在するか否かを確認した。合計50回の確認結果から、下記式によりループの存在率を算出した。
ループの存在率(%)=上記ループが存在した回数/50×100
この結果を表1中の“ループの存在率”欄に示す。
(チョップドストランドの評価:SMCの外観)
実施例1のロービングパッケージから引き出したロービングを50mmの長さに切断することで、チョップドストランドを作製した。次に、チョップドストランドに、不飽和ポリエステル樹脂及び充填材である炭酸カルシウムを含む樹脂ペーストを含侵させた後、シート状に成形して加熱することで、板状のSMCを得た。比較例1のロービングパッケージからも同様にして板状のSMCを得た。
各例のSMCの外観について以下の基準で評価した。この評価結果を表1の“SMCの外観評価結果”欄に示す。
評価5:ガラス繊維が全く透けて見えない。
評価4:透けて見えるガラス繊維の面積割合が0%を超え、15%以下の範囲。
評価3:透けて見えるガラス繊維の面積割合が15%を超え、35%以下の範囲。
評価2:透けて見えるガラス繊維の面積割合が35%を超え、65%以下の範囲。
評価1:透けて見えるガラス繊維の面積割合が65%超える。
実施例1のロービングでは、比較例1のロービングよりも毛羽が発生し難いことが分かる。実施例1のロービングでは、比較例1のロービングよりも高さ30mm以上のループが発生し難いことが分かる。また、実施例1のロービングから得られたSMCは、外観評価結果が良好であることが分かる。
11…間隔規制部材、19…ケーキ、D1〜D5…間隔、R…ロービング、RP…ロービングパッケージ、S1…第1ガラスストランド、S2…第2ガラスストランド、S3…第3ガラスストランド、S4…第4ガラスストランド、S5…第5ガラスストランド、S6…第6ガラスストランド。

Claims (11)

  1. 複数本のガラスストランドを巻き取ることでケーキを得るケーキの製造方法であって、
    前記複数本のガラスストランドは、第1ガラスストランドと、第2ガラスストランドと、第3ガラスストランドとを含み、
    前記第2ガラスストランドは、前記第1ガラスストランドと前記第3ガラスストランドとの間で隣り合って配置され、
    前記第1ガラスストランドと前記第2ガラスストランドとの間隔よりも前記第2ガラスストランドと前記第3ガラスストランドとの間隔を広くする間隔規制部材を用いることを特徴とするケーキの製造方法。
  2. 前記間隔規制部材は、前記第2ガラスストランドと前記第3ガラスストランドとの間隔を前記第1ガラスストランドと前記第2ガラスストランドとの間隔の1.5倍以上、2.5倍以下の範囲内とすることを特徴とする請求項1に記載のケーキの製造方法。
  3. 前記複数本のガラスストランドは、前記第3ガラスストランドと隣り合う第4ガラスストランドをさらに含み、
    前記間隔規制部材は、前記第3ガラスストランドと前記第4ガラスストランドとの間隔よりも前記第2ガラスストランドと第3ガラスストランドとの間隔を広くすることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のケーキの製造方法。
  4. 前記複数本のガラスストランドは、前記第4ガラスストランドと隣り合う第5ガラスストランドと、前記第1ガラスストランドと隣り合う第6ガラスストランドと、をさらに含み、
    前記間隔規制部材は、前記第4ガラスストランドと前記第5ガラスストランドとの間隔よりも前記第2ガラスストランドと前記第3ガラスストランドの間隔を広くし、かつ前記第1ガラスストランドと前記第6ガラスストランドとの間隔よりも前記第2ガラスストランドと前記第3ガラスストランドの間隔を広くすることを特徴とする請求項3に記載のケーキの製造方法。
  5. 複数本のガラスストランドを巻き取ることでケーキを得る工程と、
    複数個の前記ケーキを準備し、前記複数個のケーキから引き出された複数本のガラスストランドを合糸することでロービングを得る工程と、
    前記ロービングを巻き取ることでロービングパッケージを得る工程と、を備えるロービングパッケージの製造方法であって、
    前記ケーキを得るための前記複数本のガラスストランドは、第1ガラスストランドと、第2ガラスストランドと、第3ガラスストランドとを含み、
    前記第2ガラスストランドは、前記第1ガラスストランドと前記第3ガラスストランドとの間で隣り合って配置され、
    前記ケーキを得る工程では、前記第1ガラスストランドと前記第2ガラスストランドとの間隔よりも前記第2ガラスストランドと前記第3ガラスストランドとの間隔を広くする間隔規制部材を用いることを特徴とするロービングパッケージの製造方法。
  6. 前記ロービングを得る工程では、前記複数本のガラスストランドを撚らずに合糸し、
    前記ロービングパッケージを得る工程では、撚らずに合糸した前記複数本のガラスストランドを巻き取ることを特徴とする請求項5に記載のロービングパッケージの製造方法。
  7. 複数本のガラスストランドを合糸したロービングが巻回されてなるロービングパッケージであって、
    前記ロービングパッケージから引き出した前記ロービングを水平方向に引っ張った状態としたとき、長さ100mの前記ロービングの単位長さ2m中に、高さ30mm以上のループが存在する存在率が10%以下であることを特徴とするロービングパッケージ。
  8. 前記複数本のガラスストランドは、撚らずに合糸した状態で巻回されてなることを特徴とする請求項7に記載のロービングパッケージ。
  9. 前記ガラスストランドの番手は、30〜100texであり、
    前記ガラスストランドを構成するモノフィラメントの本数は、30〜100本であることを特徴とする請求項7又は請求項8に記載のロービングパッケージ。
  10. 前記ロービングの番手は、2500〜6000texであることを特徴とする請求項7から請求項9のいずれか一項に記載のロービングパッケージ。
  11. チョップドストランドを形成する用途に用いられることを特徴とする請求項7から請求項10のいずれか一項に記載のロービングパッケージ。
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