JP2020083595A - 乗りかごの整風カバー - Google Patents
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Abstract
Description
このような整風カバーは、乗りかごの上下方向に長く延伸できれば、風切り音抑制により効果的になるが、その半面、かご上の機器の設置スペースを奪うため、例えば、特許文献1では、複数の整風板を蛇腹式に組み合わせて上下方向に伸縮可能な省スペース構造の整風カバーが提案されている。
同様に、乗りかごが最下階に停止するときの昇降路底部では、かご下にある整風カバーの上下方向の寸法にピットの深さによる制限を受けてしまう。
図1は、本発明の一実施形態による伸縮型整風カバーの伸長状態を示す斜視図である。図2は、図1の伸縮型整風カバーが縮小した状態を示す斜視図である。
整風カバーは、乗りかご10のかご上と、かご下にそれぞれ設置される。参照番号20は、かご上に設けられるかご上整風カバーを示し、参照番号30は、かご下に設けられるかご下整風カバーを示している。かご上整風カバー20、かご下整風カバー30とも、基本的に同じ構造であり、上下が逆の整風カバーである。ここで、エレベータ昇降路における乗りかご10の向きについて言及すると、図1において、出入口のあるのが正面、正面の反対側が背面、残りが左右の側面である。なお、乗りかご10は、上梁12、縦枠13、下梁14からなるかご枠によって支持されている。
かご上整風カバー20は、乗りかご10の正面側を除いた3方の面、すなわち、左右の側面整風カバー21、22と、背面整風カバー23とから構成され、これらの三面が乗りかご10の上面を底面とする四角錐の整風カバーを形成するようになっている。かご上整風カバー20の頂部には、天面整風カバー24が取り付けられている。
かご下整風カバー30でも、縮小時と伸長時とで、側面整風カバー21、22と背面整風カバー23とがなす稜線R1、R2が変化するようになっている点もかご上整風カバー20と同様である。
図3、図4に示されるように、かご上整風カバー20の正面側には、整風板は設けられてない。乗りかご10の正面側は、昇降路壁面やフェッシャープレートとの間にわずかな隙間を保つようになっており、風を通さないことから、正面側の整風板は必要ないからである。この場合、側面整風カバー21、22の端縁は、昇降路壁面と平行に延びている。
図5は、背面整風カバー23において、その一部を構成している背面整風板の連結構造を示す図である。
図5では、分かりやすくするために、3枚の背面整風板23b、23c、23dを例に連結構造が示されており、背面整風板23b、23c、23dは、伸長した状態である。背面整風板23b、23c、23dは、台形形状の板であり、上にある背面整風板23b、23c、23dになるにしたがって、段々と底辺の長さは小さくなっている。背面整風板23b、23c、23dでは、下にある背面整風板の上辺部と、上にある背面整風板の底辺部が重なるようになっている。
図6は、背面整風板23b、23cを裏側から表した図である。
上側の背面整風板23cには、下側の背面整風板23bのスライド溝40bにスライド可能に係合する連結突起41が取り付けられている。連結突起41には、スライド溝40bから外れるのを防止するために、ボルト、ナットなとの締結部材42が取り付けられている。このようなスライド式の伸縮連結構造により連結されていることで、背面整風板23b、23c、23dは、重なり合ったまま伸縮することができる。
なお、側面整風カバー21、22における整風板の連結構造も、上述した背面整風カバー22と同様である。
図7は、伸長したかご上整風カバー20を模式的に示す図で、図8は、縮小したかご上整風カバー20を模式的に示す図である。
図7に示されるように、かご上整風カバー20が伸長すると、側面整風カバー21、22と背面整風カバー23とがなす稜線R2に沿って大きな隙間90、91、92が形成されてしまう。これらの隙間90、91、92ができるのは、かご上整風カバー20を伸縮可能な構造にしていることから生じている。
そこで、本実施形態では、かご上整風カバー20の稜線R2に沿ってできる隙間90、91、92を塞ぐための塞ぎ板を以下のように設けている。
かご上整風カバー20が伸長していない状態では、背面整風板23cは、実線で示す位置にある。このとき、塞ぎ板44は、背面整風板23cの裏側に退避している。かご上整風カバー20が伸長し、背面整風板23cが上方に移動すると、斜線で示される領域に隙間90が形成されることになる。このとき、背面整風板23cの移動とともに、塞ぎ板44はピン47を中心に回動する。ピン47が係合しているスライド溝45は、カム溝として機能するからである。以上のようにして塞ぎ板44は隙間90を塞ぐことができる。このような塞ぎ板44は、側面整風カバー21、22にも同様のものが設けられている。
次に、図12は、かご上整風カバー20を構成する側面整風カバー21、22に設けられている折り畳み式の整風板を示す図である。
側面整風カバー21、22には、かご室10を支持する上梁12が伸縮動作に干渉しないように、逃げ27、27が形成されている。このような逃げ27、28は、風切り音の抑制にマイナスに作用する。本実施形態では、逃げ26、27を折り畳み式整風板25、26で閉塞するようにして、風切り音抑制効果を維持している。なお、かご下整風カバー30にも同様の折り畳み式整風板35が設けられている(図1参照)。
但し、最上階では、かご上整風カバー20が最大伸長したままであると、オーバーヘッドの寸法によっては、乗りかご10が最上階に着床することができないことがあり得る。また、最下階では、かご下整風カバー30が最大伸長したままであると、ピットの深さによっては、乗りかご10は最上階に着床することができない。したがって、乗りかご10が最上階に近付いた時は、かご上整風カバー20を縮小させ、乗りかご10が最下階に近付いた時は、かご下整風カバー30を縮小させる。乗りかご10がそれ以外の区間を走行する場合には、かご上整風カバー20、かご下整風カバー30とも最大伸長させた状態を保つようにすれば、最も風切り音抑制効果が高くなる。
図3、図4に示したように、かご上整風カバー20については、油圧式ダンパー50によって伸縮が駆動される。
乗りかご10が上昇する場合、最下階に位置するときから、かご上整風カバー20は、油圧式ダンパー50によって伸長した状態に保たれる。最上階よりも1階床以上下階の階床の着床スイッチ(図示せず)が縮小動作開始の信号を与えるスイッチとして利用される。この階床の着床スイッチがONすると、油圧式ダンパー50は縮小し、かご上整風カバー20の縮小動作が開始される。この縮小動作は、乗りかご10が最上階に停止するまでに完了する。
かご下整風カバー30については、乗りかご10が最下階に着床している時以外は、自重によって常に伸長している状態になる。したがって、乗りかご10の走行中、かご下整風カバー30は、最大伸長状態を維持している。
ピット70には、支持台80を介して、複数個の整風カバー受け81が設置されている。この整風カバー受け81は、ウレタンゴム等の弾性材料から成形されている。乗りかご10が最下階に着床するときには、かご下整風カバー30は縮小しながら、整風カバー受け81に着地し、衝撃が吸収されるようになっている。このように、かご下整風カバー30の伸縮動作には、かご上整風カバー20と異なり、伸縮駆動装置や伸縮スペース確保を検知するスイッチ類は、必要とされない。
前記乗りかごの背面側に配置される伸縮可能な背面整風カバーと、前記乗りかごの左右の側面側にそれぞれ配置される伸縮可能な側面整風カバーとから、全体として四角錐形状で伸縮可能な整風カバーを形成し、
前記整風カバーは、前記背面整風カバーおよび前記側面整風カバーの傾斜が前記整風カバーの最小縮小時よりも緩くなるように伸長することを特徴とするものである。
Claims (7)
- 乗りかごが昇降路内を昇降する際に発生する風切り音を抑制するために、前記乗りかごの上部と下部にそれぞれ設置される整風カバーであって、
前記乗りかごの背面側に配置される伸縮可能な背面整風カバーと、前記乗りかごの左右の側面側にそれぞれ配置される伸縮可能な側面整風カバーとから、全体として四角錐形状で伸縮可能な整風カバーを形成し、
前記整風カバーは、前記背面整風カバーおよび前記側面整風カバーの傾斜が最小縮小時よりも緩くなるように伸長することを特徴とする乗りかごの整風カバー。 - 前記背面整風カバーおよび前記側面整風カバーは、それぞれ台形状の整風板を単位として、伸縮方向に隣り合う前記整風板同士が、その上辺部と下辺部とが重なり合ったままスライド可能に連結されていることを特徴とする請求項1に記載の乗りかごの整風カバー。
- 前記整風カバーが伸長する過程で、隣り合った前記背面整風カバーと側面整風カバーとがなす稜線にそって開口する隙間を前記整風板の動きに追従して閉塞する塞ぎ板を、前記背面整風カバーおよび側面整風カバーがそれぞれ備えることを特徴とする請求項2に記載の乗りかごの整風カバー。
- 前記側面整風板は、前記整風カバーが伸長する過程で、かご枠の上梁または下梁との干渉を防ぐ逃げを閉塞する折り畳み式の塞ぎ板を備えることを特徴とする請求項2に記載の乗りかごの整風カバー。
- 前記乗りかごの上部に設置されるかご上の整風カバーは、前記整風カバーの内側に設置され、前記整風カバーの伸縮を駆動する伸縮駆動装置と接続されていることを特徴とする請求項1に記載の乗りかごの整風カバー。
- 昇降路内の最上階から下の所定の階床には、乗りかごから上の昇降路に前記整風カバーが最大伸長するのを許容するスペースが確保されたことを検知する検知手段が配置されていることを特徴とする請求項5に記載の乗りかごの整風カバー。
- 前記乗りかごの下部に設置されるかご下の整風カバーは、自重により伸縮可能であり、昇降路最下部のピットには、前記乗りかごが着床した時に、かご下の整風カバーが縮小しながら着地する最の衝撃を吸収する整風カバー受けが配置されていることを特徴とする請求項1に記載の乗りかごの整風カバー。
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