JP2020083354A - 牛肉用包装フィルム、牛肉用包装体、及び、牛肉包装製品 - Google Patents
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Abstract
【課題】 脱気包装をした牛肉包装製品であっても、綺麗な外観をした牛肉を提供することができる上、従来のプラスチックトレーとラップとからなる牛肉包装製品よりも、消費期限が長く、かつ、プラスチックトレーの体積分について廃棄物を減らすことができる、牛肉用包装フィルム、牛肉用包装体、及び、牛肉包装製品を提供することを目的とする。【解決手段】 内側フィルムと外側フィルムとが貼り合わさってなる二層の牛肉用包装フィルムであって、前記内側フィルムは、20℃・90%RHの条件下において、1000〜6000cc/m2・24hr・atmの範囲内の酸素透過度を有しており、前記外側フィルムは、20℃の条件下において、5000〜8500cc/m2・24hr・atmの範囲内の酸素透過度を有しており、前記内側フィルムのみが牛肉と接触するようにして使用される。【選択図】 なし
Description
本発明は、牛肉用包装フィルム、牛肉用包装体、及び、牛肉包装製品に関するものである。
従来より、牛肉、豚肉、鶏肉等の食肉が、スーパーマーケット等の店頭において販売される際は、プラスチックトレーの上に、これらの食肉が置かれ、その上からラップフィルムを覆い被せたものが陳列されている。また、最近では、食肉用包装フィルムのみによって食肉を包んだ後に脱気して真空にしたもの、いわゆる真空パック製品(真空ノートレー包装品)と呼ばれるものも、広く販売されるようになってきている。
このような真空パック製品は、プラスチックトレーを使用していない分、ゴミの量が少ないため、消費者らの環境問題への意識の向上もあって、近年特に、認知度や関心が高まっている。出願人が得た情報によれば、一部のスーパーマーケットにおいては、真空パック製品の方が、プラスチックトレーを使用した食肉製品よりも、より多く売れるという事実があることも確認している。
しかしながら、真空パックによって牛肉を包装した場合は、牛肉の色が黒褐色となって、外観が著しく損なわれてしまい、商品として不適当なものになってしまうという問題があった。この問題は、豚肉や鶏肉には発生しないため、これらは、真空パック製品として広く販売されているものの、牛肉については、この問題により、真空パック製品が、ほぼ販売されていないという現状となっている。
ここで、この牛肉の真空パック製品の問題について詳しく説明する。牛肉は、食肉として加工された直後の鮮度の良い状態、すなわち未だ酸素とほとんど触れてない状態(第一段階)においては、茶色を呈している。その後、酸素と触れて、牛肉中に含まれるミオグロビンと呼ばれる物質が酸化してオキシミオグロビンとなることによって、時間の経過と共に、赤色を呈する状態(第二段階)に移行する。この状態の赤色は、見た者の食欲を増進させるような非常に綺麗で鮮やかな赤色であり、購買意欲を高められると認められることから、プラスチックトレーとラップフィルムとによって包装されている牛肉は、その多くが、この状態で陳列・販売されている。
牛肉を真空パック製品にしようとする場合は、前記の第一段階において、食肉用包装フィルムで包んでから脱気して真空にすることになるが、このようにすると、牛肉の色が黒褐色に変わってしまう上、黒褐色のまま、包装・脱気後の牛肉が、酸素と触れない状態が続くため、前記の第二段階に移行しないことになってしまう。これにより、牛肉の真空パック製品においては、外観が悪く、前述したような、牛肉が綺麗で鮮やかな赤色を呈しないという問題が生じることになってしまっていた。
なお、従来の食肉用包装フィルムは、一般的に、内側フィルムと外側フィルムとが貼り合わさってなる二層のものであって、内側フィルムがLLDPE(Linear Low Density Polyethylene,直鎖状低密度ポリエチレン)、外側フィルムがナイロンによって構成されている。そして、これらのフィルムの酸素透過度は、基本的に、20℃・90%RHの条件下において、LLDPEが1000〜6000cc/m2・24hr・atmの範囲内、ナイロンが30〜35cc/m2・24hr・atmの範囲内となっている。従って、ナイロンからなる外側フィルムの低い酸素透過度によって、包装内の食肉への酸素の接触が抑制されるようになっている。
本願発明者は、このような実情のもと、以上の問題を解決することができる方法や手段について鋭意検討を重ねてきた。その結果、牛肉を包む包装フィルムにおける酸素透過度を調節することによって、以上のような問題を解決できるという知見を得、本発明を創作するに至った。
なお、本発明を出願するにあたって、本願発明者や出願人において過去の特許文献等を調査したところ、本発明の属する技術分野において、下記の文献を発見することができたが、本発明に係る技術的思想等を詳述した特許文献等については発見することができなかった。
本発明は、脱気包装をした牛肉包装製品であっても、綺麗な外観をした牛肉を提供することができる上、従来のプラスチックトレーとラップとからなる牛肉包装製品よりも、消費期限が長く、かつ、プラスチックトレーの体積分について廃棄物を減らすことができる、牛肉用包装フィルム、牛肉用包装体、及び、牛肉包装製品を提供することを目的とする。
そのための手段として、本発明に係る牛肉用包装フィルムは、内側フィルムと外側フィルムとが貼り合わさってなる二層の牛肉用包装フィルムであって、前記内側フィルムは、20℃・90%RHの条件下において、1000〜6000cc/m2・24hr・atmの範囲内の酸素透過度を有しており、前記外側フィルムは、20℃の条件下において、5000〜8500cc/m2・24hr・atmの範囲内の酸素透過度を有しており、前記内側フィルムのみが牛肉と接触するようにして使用されることを特徴としている。
また、本発明に係る牛肉用包装体は、前述の牛肉用包装フィルムを、その内側フィルムを内側、その外側フィルムを外側となるように袋状に構成したことを特徴としている。
さらに、本発明に係る牛肉包装製品は、前述の牛肉用包装フィルムによって牛肉が包まれ、その内部が脱気されていること、または、前述の牛肉用包装体によって牛肉が包まれ、その内部が脱気されていること、を特徴としている。
本発明によれば、脱気包装をした牛肉包装製品であっても、綺麗な外観をした牛肉を提供することができる上、従来のプラスチックトレーとラップとからなる牛肉包装製品よりも、消費期限が長く、かつ、プラスチックトレーの体積分について廃棄物を減らすことができる、牛肉用包装フィルム、牛肉用包装体、及び、牛肉包装製品を提供することができる。
以下、本発明に係る牛肉用包装フィルム等を実施するための形態について説明する。本実施形態に係る牛肉用包装フィルムは、内側フィルムと外側フィルムとが貼り合わさってなる二層のものであること、及び、内側フィルムが、LLDPEフィルム、または、これと同等の酸素透過度を有するフィルムであることについては従来からの食肉用包装フィルムと共通している。なお、LLDPEフィルムと同等とは、20℃・90%RHの条件下において、1000〜6000cc/m2・24hr・atmの範囲内の酸素透過度を有していることをいう。
そして、本実施形態に係る牛肉用包装フィルムは、その外側フィルムが、従来の食肉用包装フィルムの外側フィルムよりも、高い酸素透過度を有していることを特徴としている。具体的には、20℃の条件下において、5000〜8500cc/m2・24hr・atmの範囲内の酸素透過度を有していることをいう。このような条件を満たすフィルムとしては、延伸ポリプロピレン(OPP)フィルム等が挙げられる。
以上のような構成をした二層の牛肉用包装フィルムによって、内側フィルムのみが牛肉と接触するようにして牛肉を包み、その内部を脱気することによって、本実施形態に係る牛肉包装製品を得ることができる。
なお、この際、牛肉用包装フィルムを、その内側フィルムを内側、その外側フィルムを外側となるように袋状に構成してから、その内部に牛肉を入れて包み、その内部を脱気することによって、本実施形態に係る牛肉包装製品を得ても良い。
以上のようにして得られる牛肉包装製品は、一見すると真空パックされたものと認められるが、外側フィルムが、高い酸素透過度を有しているので、内部の牛肉が酸素に触れ、ミオグロビンがオキシミオグロビンへと変化することによって、見た者の食欲を増進させるような非常に綺麗で鮮やかな赤色を呈する牛肉を提供することができる。これにより、牛肉購買者の購買意欲を高めることも可能となる。
また、本発明に係る牛肉用包装フィルムは、従来の食肉用包装フィルムよりも酸素透過度が高いとはいっても、プラスチックトレーとラップフィルムとで牛肉を包んだ包装体よりは、酸素透過度は低いため、より長い間、牛肉の酸化を防ぎ、鮮度を保つことが可能である。
従って、本発明によれば、脱気包装をした牛肉包装製品であっても、綺麗な外観をした牛肉を提供することができる上、従来のプラスチックトレーとラップとからなる従来の牛肉包装製品よりも、消費期限が長く、かつ、プラスチックトレーの体積分について廃棄物を減らすことができる。
次に、以下に示す実施例により、本発明について更に詳細に説明を行う。
[実施例(本願発明)](ビーフパック)
以下の内容にて、真空パック製品を得た。
外側フィルム:フタムラ化学(株)製ポリプロピレンフィルム(PORO−FL2)
内側フィルム:フタムラ化学(株)製LLDPEフィルム(LL−XMTN)
牛肉:豪州産ステーキ用モモ肉
脱気後の真空率:97%
以下の内容にて、真空パック製品を得た。
外側フィルム:フタムラ化学(株)製ポリプロピレンフィルム(PORO−FL2)
内側フィルム:フタムラ化学(株)製LLDPEフィルム(LL−XMTN)
牛肉:豪州産ステーキ用モモ肉
脱気後の真空率:97%
[比較例(従来技術)](真空袋)
外側フィルム:ユニチカ(株)製ナイロンフィルム(ON)
内側フィルム:フタムラ化学(株)製LLDPEフィルム(LL−XMTN)
牛肉:豪州産ステーキ用モモ肉
脱気後の真空率:97%
外側フィルム:ユニチカ(株)製ナイロンフィルム(ON)
内側フィルム:フタムラ化学(株)製LLDPEフィルム(LL−XMTN)
牛肉:豪州産ステーキ用モモ肉
脱気後の真空率:97%
牛肉の色の変化が分かる資料として、実施例と比較例との双方を経過時間毎に写した写真について、参考資料として物件提出書によって提出する。なお、牛肉は、共に5℃で冷蔵保存し、撮影のみ常温下で行った。
従って、本発明によれば、脱気包装をした牛肉包装製品であっても、綺麗な外観をした牛肉を提供することができる上、従来のプラスチックトレーとラップとからなる従来の牛肉包装製品よりも、消費期限が長く、かつ、プラスチックトレーの体積分について廃棄物を減らすことができる。
また、本発明によれば、プラスチックトレーを使用せずに、フィルムのみによって牛肉を包装できるので、包装体の上部に、吊下フックを通せるような貫通孔を開けることも可能となり、牛肉をフックに吊り下げて陳列・販売することもできる。
Claims (3)
- 内側フィルムと外側フィルムとが貼り合わさってなる二層の牛肉用包装フィルムであって、
前記内側フィルムは、20℃・90%RHの条件下において、1000〜6000cc/m2・24hr・atmの範囲内の酸素透過度を有しており、
前記外側フィルムは、20℃の条件下において、5000〜8500cc/m2・24hr・atmの範囲内の酸素透過度を有しており、
前記内側フィルムのみが牛肉と接触するようにして使用される牛肉用包装フィルム。 - 請求項1に記載の牛肉用包装フィルムを、その内側フィルムを内側、その外側フィルムを外側となるように袋状に構成したことを特徴とする牛肉用包装体。
- 請求項1に記載の牛肉用包装フィルムによって牛肉が包まれ、その内部が脱気されていること、または、請求項2に記載の牛肉用包装体によって牛肉が包まれ、その内部が脱気されていること、を特徴とする牛肉包装製品。
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2018
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