JP2020081526A - カテーテルならびにカテーテルの先端チップおよびその製造方法 - Google Patents

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光彦 吉原
Mitsuhiko Yoshihara
光彦 吉原
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Abstract

【課題】圧力伝達媒体を充満させた圧力センサの収容孔の開口を的確に塞ぐことができるとともに、高感度の圧力検知ができる構造を容易に得ることができ、生産性の向上が図られるカテーテルの先端チップを提供する。【解決手段】遠位端1A側の先端面40aに形成された圧力検知用の第1の開口42aと、近位端1B側に形成された圧力伝達媒体70の充填口45である第2の開口42bとを有する光センサ収容孔42に光センサ50が収容されるとともに圧力伝達媒体70が充満される先端チップ40において、第2の開口42bを封止部80により封止し、少なくとも封止部80および第1の開口42aを覆う領域の表面を被覆部90により被覆する。【選択図】図4

Description

本発明は、カテーテル治療等に用いられるカテーテルに係り、特にカテーテルの先端に設けられる圧力検知用の光センサを内蔵する先端チップに関する。
近年の医療においては、体内に挿入するカテーテルによって種々の治療や検査が多く行われている。例えば、心不全等の心機能低下時の治療として、大動脈内にバルーンカテーテルを挿入し、心臓の拍動に合わせてバルーンを膨張・収縮させて心機能の補助を行う大動脈内バルーンポンピング法(IABP法)が行われている。また、心臓の拍動を正確に検出するために、カテーテルの遠位端に圧力センサを設け、カテーテルの遠位端における血圧を検出することが行われている。
従来、血圧測定用の圧力センサを内蔵する先端チップを遠位端側の先端に設けるとともに、そのチップの近位端側にバルーンを設け、検出した血圧の変動に基づいて上記IABP法を行うことができるようにしたバルーンカテーテルが知られている(例えば、特許文献1等)。
上記特許文献1に開示されるバルーンカテーテルの先端チップは、その内部に形成されたセンサ収容孔に圧力センサが収容されるとともに圧力伝達媒体(ゲル状物質)が充填され、遠位端側の開口が柔軟性を有するポリウレタン膜等の隔壁膜で塞がれた構成となっており、先端チップの外部の圧力すなわち血圧の変動が、隔壁膜から圧力伝達媒体を経て圧力センサに伝わるような構成となっている。
特開2016−002346号公報
上記特許文献1に記載の従来のカテーテルの先端チップにあっては、圧力を検出するための開口から圧力伝達媒体をセンサ収容孔に充填し、その開口を塞ぐ隔壁膜を先端チップに固定する構造となっている。このため、圧力センサとその開口を塞ぐ隔壁膜との間に圧力伝達媒体を充満させた状態を得にくいことが懸念される。また、圧力センサの感度は隔壁膜が薄ければ薄いほど高くなるが、開口を隔壁膜で単に塞ぐ構造では、薄い隔壁膜を先端チップに固定することが困難であり、よって高感度の圧力検知ができる構造を容易に得にくいという問題があった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、圧力伝達媒体を充満させた圧力センサの収容孔の開口を的確に塞ぐことができるとともに、高感度の圧力検知ができる構造を容易に得ることができ、生産性の向上が図られるカテーテルの先端チップを提供することを目的としている。
本発明に係るカテーテルの先端チップは、体内に挿入される側の遠位端および体外に配置される側の近位端を有するカテーテル管の前記遠位端側の先端に設けられ、圧力センサを内蔵する先端チップであって、前記遠位端側の先端面に形成された第1の開口および前記近位端側に形成された第2の開口を有し、前記圧力センサが収容されるとともに圧力伝達媒体が充満される圧力センサ収容孔が形成されており、前記第2の開口が封止材により形成された封止部により封止され、少なくとも前記封止部および前記第1の開口を覆う領域の表面が被覆材により形成された被覆部により被覆されており、前記被覆部における前記第1の開口を覆う部分が、前記圧力伝達媒体を介して前記圧力センサに外部の圧力変動を伝達可能とする隔壁膜を構成し、前記第2の開口が、前記圧力センサ収容孔へ前記圧力伝達媒体を充填する充填口を構成することを特徴とする。
この構成によれば、第2の開口から圧力センサ収容孔に圧力伝達媒体を充填することにより、第1の開口から空気を排出させて圧力伝達媒体を圧力センサ収容孔に的確に充満させることができる。また、予め第2の開口が封止部により封止された状態から、この封止部とともに第1の開口を覆う被覆部で先端チップの表面を被覆する構造のため、第1の開口および第2の開口を確実に塞いで圧力伝達媒体を圧力センサ収容孔内に封入することができる。
また、予め第2の開口が封止部で封止されるため、第1の開口と第2の開口を一括して被覆部で被覆する場合と比べると、被覆材の量が少なくても被覆部を形成することができる。このため被覆部の厚さを薄くすることができ、その結果、高感度の圧力検知ができる構造を容易に得ることができ、生産性の向上が図られる。
本発明のカテーテルの先端チップは、前記圧力センサは光センサで構成され、該光センサに接続されて圧力検知信号を外部に送信する光ファイバが挿通される光ファイバ挿通孔が形成されていることを特徴とする。
この構成により、光センサからなる圧力センサに接続する光ファイバを当該先端チップに的確に具備させることができる。
また、本発明のカテーテルの先端チップは、前記光ファイバ挿通孔に挿通された前記光ファイバを支持する光ファイバ支持部を有することを特徴とする。
この構成により、光ファイバが先端チップ内において安定して支持されるとともに、光ファイバが接続される圧力センサの位置決めおよび固定が的確になされる。
次に、本発明のカテーテルは、体内に挿入される側の遠位端および体外に配置される側の近位端を有するカテーテル管と、前記カテーテル管の前記遠位端側の先端に、上記本発明の先端チップが設けられていることを特徴とする。
また、本発明のカテーテルは、前記遠位端に、拡縮可能なバルーンを備えることを特徴とする。バルーンを備えることにより、前述のIABP法を行うことができるカテーテルとなる。
次に、本発明のカテーテルの先端チップの製造方法は、体内に挿入される側の遠位端および体外に配置される側の近位端を有するカテーテルの前記遠位端側の先端に設けられ、圧力センサを内蔵する先端チップの製造方法であって、前記先端チップには、前記遠位端側の先端面に形成された第1の開口および前記近位端側に形成された第2の開口を有し、前記圧力センサが収容されるとともに圧力伝達媒体が充満される圧力センサ収容孔が形成されており、前記圧力センサ収容孔に前記圧力伝達媒体を充満させるにあたり、前記第2の開口から前記圧力センサ収容孔に前記圧力伝達媒体を充填し、次いで、前記第2の開口に硬化性樹脂を封止材として滴下、または塗布して該樹脂を硬化させることにより該第2の開口を封止する封止部を形成し、次いで、少なくとも前記封止部および前記第1の開口を覆う領域の表面に硬化性樹脂を被覆材として塗布して該樹脂を硬化させることにより該領域に被覆部を形成することを特徴とする。
この製造方法によれば、第2の開口から圧力センサ収容孔に圧力伝達媒体を充填することにより、第1の開口から空気を排出させて圧力伝達媒体を圧力センサ収容孔に的確に充満した状態に封入することができる。予め第2の開口が封止部により封止された状態から、この封止部とともに第1の開口を覆う被覆部で先端チップの表面を被覆するので、第1の開口および第2の開口を確実に塞いで圧力伝達媒体を圧力センサ収容孔内に封入することができる。
また、予め第2の開口を封止部で封止するため、第1の開口と第2の開口を一括して被覆部で被覆する場合と比べると、被覆材の量が少なくても被覆部を形成することができる。このため被覆部の厚さを薄くすることができ、その結果、高感度の圧力検知ができる構造を容易に得ることができ、生産性の向上が図られる。
本発明のカテーテルの先端チップの製造方法は、前記封止材における前記硬化性樹脂の濃度が、前記被覆材における前記硬化性樹脂の濃度よりも低いことを特徴とする。
これにより、第2の開口を封止する封止部の厚さを被覆部の厚さよりも薄くしやすくなる。第2の開口を封止する封止部が厚いと被覆部もそれに伴って厚くなってしまうが、そのようなことが起こりにくく、結果として被覆部全体の厚さを薄くすることができ、高感度の圧力検知ができる構造が得られる。
本発明のカテーテルの先端チップの製造方法は、前記封止材および前記被覆材におけるそれぞれの硬化性樹脂の濃度は、具体的には、前記封止材における前記硬化性樹脂の濃度は2〜6重量%とされ、前記被覆材における前記硬化性樹脂の濃度は6〜11重量%とされる。これらの範囲においては、前記封止材における前記硬化性樹脂の濃度は3〜5重量%が好ましく、3.5〜4.5重量%がより好ましい。また、前記被覆材における前記硬化性樹脂の濃度は6.5〜10.5重量%であることが好ましく、7〜9重量%がより好ましい。
本発明のカテーテルの先端チップの製造方法は、前記被覆材を塗布しやすい観点から、前記被覆材に前記先端チップを浸漬して前記被覆材を前記先端チップに塗布する方法が好ましい。
本発明によれば、圧力伝達媒体を充満させた圧力センサの収容孔の開口を的確に塞ぐことができるとともに、高感度の圧力検知ができる構造を容易に得ることができ、生産性の向上が図られるカテーテルの先端チップを提供することができる。
本発明の一実施形態に係るバルーンカテーテルの全体を概略的に示す側面図である。 本発明の一実施形態に係るバルーンカテーテルにおけるバルーンの近位端側とカテーテル管との接続構造を示す側断面図である。 本発明の一実施形態に係る先端チップの側断面図である。 本発明の一実施形態に係る先端チップの先端部分の側断面図である。 本発明の一実施形態に係る先端チップの第2の開口に封止部を形成する方法を示す側断面図である。 本発明の一実施形態に係る先端チップの第1の開口に被覆部を形成する方法を示す側断面図である。
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
まず、構成について説明する。
図1は、一実施形態に係るバルーンカテーテル1の全体を概略的に示している。このバルーンカテーテル1は、前述のIABP法を好適に実施可能なものである。
本実施形態に係るバルーンカテーテル1は、体内に挿入される側の遠位端1Aおよび体外に配置される側の近位端1Bを有する。また、本実施形態に係るバルーンカテーテル1は、遠位端1Aから近位端1Bにわたり延在するカテーテル管10と、カテーテル管10の遠位端1A側に拡縮可能に設けられたバルーン20と、カテーテル管10の近位端1Bに接続された分岐管30と、遠位端1Aの先端に設けられ先端チップ40と、を有している。
図2に示すように、カテーテル管10は、外管11と、外管11内に挿通された内管12と、を有している。
外管11を構成する材料は特に限定されないが、例えば、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド等の合成樹脂等が好ましく、さらにこれらの材料にステンレス鋼線等が埋設されていてもよい。
内管12は、遠位端1Aから近位端1Bにわたり先端チップ40、バルーン20、外管11および分岐管30の内部を軸方向に延在している。
内管12は、例えば、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ナイロン、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)等の合成樹脂チューブ、あるいはニッケルチタン合金細管、ステンレス鋼細管等で構成される。また、内管12を合成樹脂チューブで構成する場合は、ステンレス鋼線等が埋設されていてもよい。
内管12の外径は特に限定されないが、外管11の内径の30〜60%が好ましい。内管12と外管11との間の空間は、流体導通路11aを構成する。
内管12の内部は、図示せぬガイドワイヤが挿通されるガイドワイヤ通路12aを構成する。ガイドワイヤ通路12aは、分岐管30の後述するガイドワイヤ用枝管31内に連通している。ガイドワイヤを用いることにより、バルーンカテーテル1をスムーズに動脈内に挿入してバルーン20を速やかに目的位置に留置することができる。
バルーン20は、カテーテル管10と同軸状の円筒状に形成されたものである。バルーン20は、図2に示すように、その軸方向の近位端1B側がカテーテル管10の外管11における遠位端1A側の端部外周面に気密的に接合されている。また、図3に示すように、バルーン20の軸方向の遠位端1A側は、先端チップ40の近位端1B側の外周面に気密的に接合されている。先端チップ40は、その遠位端1A側の先端部がバルーン20から突出している。
バルーン20は、膜厚50〜150μm程度の薄膜で構成されている。バルーン20の材料は特に限定されないが、耐屈曲疲労特性に優れた材質であることが好ましく、例えばポリウレタン等が好適とされる。
バルーン20の外径および長さは、心機能の補助効果に大きく影響する内容積と動脈血管の内径等に応じて決定される。バルーン20の内容積は特に限定されないが、例えば20〜50ccであり、バルーン20の外径は膨張時で12〜16mm程度が好ましく、長さは150〜250mm程度が好ましい。バルーンカテーテル1を動脈内に挿入する際、バルーン20は収縮して内管12に巻きついた状態とされる。
先端チップ40の材料は特に限定されないが、例えばポリウレタン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド等が好適とされる。
バルーン20をカテーテル管10の外管11および先端チップ40に接合する手段としては、接着剤による接着、熱溶着、溶剤による溶着、超音波溶着等の手段が好適に採用される。
上記分岐管30は、熱融着あるいは接着等の手段により外管11の近位端1B側の端部に接続されている。分岐管30は、外管11と同軸状に近位端1B側に延びるガイドワイヤ用枝管31と、カテーテル管10に対し傾斜して近位端1Bに延びるバルーン用枝管32と、を有する。外管11と分岐管30との接続部は、蛇腹状のカバー33で覆われている。
カテーテル管10の内管12の近位端1Bはガイドワイヤ用枝管31の内部まで延びており、内管12のガイドワイヤ通路12aはガイドワイヤ用枝管31内に連通している。
バルーン用枝管32の内部は、外管11と内管12との間の流体導通路11aに連通している。バルーン用枝管32を介して、流体導通路11aに圧力流体が導入されたり流体導通路11aから圧力流体が導出されたりするようになっている。
バルーン用枝管32は図示せぬポンプ装置に接続され、このポンプ装置によって流体導通路11aに対し圧力流体が導入および導出されることにより、バルーン20は心臓の拍動に合わせて膨張および収縮することができるようになっている。
上記圧力流体は特に限定されないが、上記ポンプ装置の駆動に応じて速やかにバルーン20が膨張および収縮するように、粘性および質量の比較的小さいヘリウムガス等が好適に用いられる。
図3に示すように、本実施形態に係る先端チップ40は円筒状に形成されており、圧力検知用の光センサ(圧力センサ)50を内蔵している。先端チップ40は、遠位端1A側(図3で左側)の先端部40Aが近位端1B側(図3で右側)の主体部40Bよりもやや大径に形成されており、先端部40Aと主体部40Bとの間に環状の段部40cが形成されている。先端部40Aの先端面40aは、動脈内に挿入しやすいように略球面状に形成されている。
先端チップ40の内部には、先端チップ40の軸心と略平行に延びるガイドワイヤ挿通孔41が遠位端1Aから近位端1Bにわたり貫通形成されている。本実施形態のガイドワイヤ挿通孔41は、遠位端1A側のガイド孔41aと、ガイド孔41aと同軸状かつガイド孔41aよりも大径に形成された近位端1B側の内管挿入孔41bとにより構成されている。
内管挿入孔41bには、上記内管12の遠位端1A側の端部が挿入されて熱融着や接着等の手段により接合されている。これにより先端チップ40はカテーテル管10の遠位端1Aの先端に装着された状態となっている。上記ガイドワイヤは、本実施形態のバルーンカテーテル1を動脈内に挿入する際のガイドとしてガイド孔41aから内管12内のガイドワイヤ通路12aに挿通される。
また、先端チップ40の内部には、ガイドワイヤ挿通孔41と略平行に延びる遠位端1A側の光センサ収容孔42および近位端1B側の光ファイバ挿通孔43が、同軸状に形成されている。なお、本実施形態のガイドワイヤ挿通孔41と、光センサ収容孔42および光ファイバ挿通孔43は、それぞれ先端チップ40の軸心に対し偏心した位置に形成されている。
光センサ収容孔42は、先端チップ40の遠位端1A側の先端面40aに形成された第1の開口42aと、近位端1B側の外周面である側面40b側に形成され第2の開口42bと、を有している。
光センサ収容孔42の遠位端1A側に、光ファイバ挿通孔43が形成されている。光ファイバ挿通孔43の遠位端1A側にはスリーブ44が挿入して固定されており、光センサ収容孔42は、スリーブ44と先端面40aとの間に延在している。
光センサ収容孔42の第2の開口42bは、段部40cよりもやや遠位端1A側に形成されている。開口42bは、光センサ収容孔42の近位端1B側の端部から側面40bにわたる部分を穿孔することにより形成されている。
光センサ収容孔42には、光センサ50が収容されている。そして光センサ50には、近位端1B側から光ファイバ挿通孔43に挿通されてスリーブ44内を貫通する光ファイバ60が接続されている。光センサ50は、光ファイバ60を通して伝達する光の行路差などを利用して圧力を検出するセンサである。光センサ50による圧力の検知信号は、光ファイバ60によって外部に送信されるようになっている。
光センサ収容孔42には、光センサ50を覆うようにして圧力伝達媒体70が充満されている。光センサ50と光センサ収容孔42の内壁面との間には僅かな隙間が空く状態となっており、圧力伝達媒体70はその隙間を通ることにより光センサ収容孔42に充満することが可能となっている。
図4に示すように、光センサ収容孔42の第2の開口42bは後述する封止材(樹脂81)により形成された封止部80で封止され、第1の開口42aは後述する被覆材(樹脂91)により形成された被覆部90で被覆されている。
封止材および被覆材をそれぞれ構成する樹脂81、91は、いずれも厚さが数十μm程度の薄膜を形成するのに好適な硬化性樹脂が用いられ、例えばポリウレタン、シリコーン、ポリアミドエラストマー、ポリエステルエラストマー、ポリエチレン、ポリプロピレン等の樹脂が好適とされる。
本実施形態では、封止部80は、第2の開口42bを塞ぐようにして先端チップ40の側面40bに形成されている。すなわち封止部80は、第2の開口42bを封止する機能のみを有するように形成されている。一方、被覆部90は、先端チップ40の球面状の先端面40aから段部40cを越えてこの段部40cよりもやや近位端1B側にわたる領域の表面全面に形成されている。これにより被覆部90は、第1の開口42aおよび封止部80の表面を被覆している。
本実施形態では、第2の開口42bは、光センサ収容孔42へ圧力伝達媒体70を充填する充填口45を構成している。また、被覆部90における第1の開口42aを覆う部分は、圧力伝達媒体70を介して光センサ50に血圧の変動を伝達可能とする隔壁膜90aを構成している。圧力伝達媒体70は、第1の開口42aを塞ぐ隔壁膜90aと、第2の開口42bを塞ぐ封止部80とによって、光センサ収容孔42内に隙間なく充満して封入された状態が保持されている。
光センサ50には、隔壁膜90aから圧力伝達媒体70を介して、先端チップ40の外部の血圧が伝達されるようになっている。圧力伝達媒体70としては、例えばシリコーンゲル、ポリアクリルアミドゲル、ポリエチレンオキサイドゲル等のゲル状物質が好適に用いられる。
光ファイバ60は、先端チップ40から図2に示すように近位端1B側へバルーン20内、流体導通路11aを経て、分岐管30から外部に導出され、例えば光コネクタ等を介して血圧測定装置(いずれも図示略)に接続される。バルーンカテーテル1は、そのような血圧測定装置で測定した血圧の変動に基づいて前述したようにポンプ装置を制御することにより、心臓の拍動に合わせてバルーン20が膨張および収縮するようになっている。なお、光ファイバ60は、バルーン20内おいては熱収縮チューブ等により内管12の外周面に保持されていてもよい。
本実施形態の先端チップ40は、光ファイバ挿通孔43に挿通された光ファイバ60を支持する光ファイバ支持部46を有する。光ファイバ支持部46は、図3に示すように光ファイバ挿通孔43に沿って形成された複数(この場合、3つ)の孔46aと、これら孔46aに充填されて光ファイバ60に付着する接着剤46bとによって構成されている。光ファイバ60は接着剤46bを介して先端チップ40に固定され、これにより光ファイバ60は光ファイバ挿通孔43内に保持された状態となっている。
以上が本実施形態のバルーンカテーテル1の構成であり、次に、上記先端チップ40を製造するにあたって、光センサ収容孔42に圧力伝達媒体70を充満させて封止部80および被覆部90によりその圧力伝達媒体70を先端チップ40内に封入する方法を説明する。
圧力伝達媒体70を先端チップ40内に封入するにあたっては、事前に光センサ50を光センサ収容孔42に収容するとともに、光ファイバ挿通孔43に通した光ファイバ60を光センサ50に接続する。そして、充填口45すなわち第2の開口42bから光センサ収容孔42内に圧力伝達媒体70を充填し、圧力伝達媒体70を光センサ収容孔42内に充満させる。
次に、図5(a)に示すように、ディスペンサー100を用いて、上述したポリウレタン等の硬化性樹脂(以下、封止樹脂と称する)81を封止材として第2の開口42bに滴下する。封止樹脂81は、第2の開口42bを塞ぐように先端チップ40の側面40bに塗布され、この封止樹脂81を乾燥させて硬化させることにより、図5(b)に示すように第2の開口42bを封止する封止部80を形成する。封止部80の厚さは、例えば5〜20μmが好ましい。
封止樹脂81を塗布する際には、THF(テトラヒドロフラン)等の溶媒中にその封止樹脂81を溶解させた混合液を塗布する。封止部80の厚さを5〜20μm程度に調整するには、溶媒に対する封止樹脂81の濃度を例えば2〜6重量%とするとよい。この範囲においては3〜5重量%が好ましく、3.5〜4.5重量%がより好ましい。
封止樹脂81を硬化させる際には、図5(b)に示すように第2の開口42bを塞ぐ封止樹脂81が上側に配されるように先端チップ40を横向きして封止樹脂81を保持し、所定時間(例えば30分以上)自然乾燥させる。
次に、図6(a)に示すように、先端チップ40の先端部40Aを下向きにして、この先端部40Aを、被覆材を構成する硬化性樹脂(以下、被覆樹脂と称する)91中に所定時間浸漬する。続いて先端チップ40を被覆樹脂91から引き上げ、その被覆樹脂91を乾燥させて硬化させる。これにより、図6(b)に示すように第2の開口42bを封止する封止部80を含む先端部40Aおよび段部40cを越えてやや近位端1B側に至る領域の表面全面に、被覆部90を形成する。
被覆部90を形成する被覆樹脂91は、上述したポリウレタン等の硬化性樹脂が用いられ、封止部80を形成する封止樹脂81と同じであってもよい。被覆樹脂91は、THF(テトラヒドロフラン)等の溶媒中にその被覆樹脂91を溶解させた混合液であり、溶媒に対する被覆樹脂91の濃度は封止樹脂81よりも高く、例えば6〜11重量%とされるが、この範囲においては6.5〜10.5重量%であることが好ましく、7〜9重量%がより好ましい。
被覆部90の厚さは、封止部80を覆う厚さが確保されるように調整され、その厚さは例えば5〜20μmとされる。被覆部90厚さの調整は、先端チップ40を被覆樹脂91中に浸漬していく降下速度、浸漬時間および被覆樹脂91からの引き上げ速度を制御することで可能である。例えば、降下速度を1mm/秒、浸漬時間を5秒、引き上げ速度を4mm/秒とすることにより、好適な被覆部90の厚さを得ることができる。
被覆樹脂91を硬化させる際には、図6(b)に示すように先端部40Aを下向きにした状態で所定時間(例えば12時間程度)自然乾燥させた後、オーブン等を用いて例えば70℃で6時間程度の加熱を施すといった方法が挙げられる。
以上の処方は一例であり、樹脂の種類や、形成する封止部80および被覆部90の目的厚さ等に応じて適宜な処方が採用される。
次に、本実施形態の作用について説明する。
本実施形態に係るバルーンカテーテル1の先端チップ40は、第2の開口42bから光センサ収容孔42に圧力伝達媒体70を充填することにより、第1の開口42aから空気を排出させて圧力伝達媒体70を光センサ収容孔42に的確に充満させることができる。予め第2の開口42bが封止部80により封止された状態から、この封止部80とともに第1の開口42aを覆う被覆部90で先端チップ40の表面が被覆されるため、第1の開口42aおよび第2の開口42bを確実に塞いで圧力伝達媒体70を光センサ収容孔42内に封入することができる。
また、予め第2の開口42bが封止部80で封止されるため、第1の開口42aと第2の開口42bを一括して被覆部90で被覆する場合と比べると、被覆材91の量が少なくても被覆部90を形成することができる。このため被覆部90の厚さを薄くすることができ、その結果、高感度の圧力検知ができる構造を容易に得ることができ、生産性の向上が図られる。また、第2の開口42bが封止部80で塞がれているため、圧力伝達媒体70が撥水性を有していても被覆材91が圧力伝達媒体70ではじかれるおそれがなく、被覆部90を良好な状態に形成することができる。
また、本実施形態では、封止部80を形成する封止樹脂81の濃度が、被覆部90を形成する被覆樹脂91の濃度よりも低いため、封止部80の厚さを被覆部90の厚さよりも薄くしやすくなる。第2の開口42bを封止する封止部80が厚いと被覆部90もそれに伴って厚くなってしまうが、そのようなことが起こりにくく、結果として被覆部90全体の厚さを薄くすることができる。したがってこの点からも高感度の圧力検知ができる構造を得ることができる。
また、被覆部90を形成するにあたって、先端チップ40の先端側を被覆樹脂91中に所定時間浸漬した後、先端チップ40を引き上げるといった樹脂の塗布方法は、被覆樹脂91を均一な厚さに塗布することが容易であり、生産性の向上が図られる。
また、本実施形態では、先端チップ40に光ファイバ60が挿通される光ファイバ挿通孔43が形成されているため、光ファイバ60を先端チップ40に的確に具備させることができる。
また、本実施形態の先端チップ40は、光ファイバ60を支持する光ファイバ支持部46を有するため、光ファイバ60が先端チップ40内において安定して支持されるとともに、光ファイバ60が接続される光センサ50の位置決めおよび固定が的確になされる。
なお、上記実施形態では、先端チップ40に形成された被覆部90は、第2の開口42bを含めて先端部40Aの表面全面を覆うように形成されているが、本発明は、少なくとも封止部80の表面と、第1の開口42aを覆う領域の表面を被覆部90により被覆するものであり、当該領域を含んでいれば、被覆部90の形成領域は上記実施形態に限定されるものではない。
本発明のカテーテルの先端チップは、圧力伝達媒体を充満させた圧力センサの収容孔の開口を的確に塞ぐことができるとともに、高感度の圧力検知ができる構造を容易に得ることができ、生産性の向上が図られるという効果を奏する。よって本発明は、例えばIABP法を行うためのバルーンカテーテルの先端チップとして有用である。
1 バルーンカテーテル
1A 遠位端
1B 近位端
10 カテーテル管
20 バルーン
40 先端チップ
40a 先端面
41 ガイドワイヤ挿通孔
42 光センサ収容孔
42a 第1の開口
42b 第2の開口
43 光ファイバ挿通孔
45 充填口
46 光ファイバ支持部
50 光センサ(圧力センサ)
60 光ファイバ
70 圧力伝達媒体
80 封止部
81 封止樹脂(封止材)
90 被覆部
90a 隔壁膜
91 被覆樹脂(被覆材)

Claims (9)

  1. 体内に挿入される側の遠位端および体外に配置される側の近位端を有するカテーテル管の前記遠位端側の先端に設けられ、圧力センサを内蔵する先端チップであって、
    前記遠位端側の先端面に形成された第1の開口および前記近位端側に形成された第2の開口を有し、前記圧力センサが収容されるとともに圧力伝達媒体が充満される圧力センサ収容孔が形成されており、
    前記第2の開口が封止材により形成された封止部により封止され、
    少なくとも前記封止部および前記第1の開口を覆う領域の表面が被覆材により形成された被覆部により被覆されており、
    前記被覆部における前記第1の開口を覆う部分が、前記圧力伝達媒体を介して前記圧力センサに外部の圧力変動を伝達可能とする隔壁膜を構成し、
    前記第2の開口が、前記圧力センサ収容孔へ前記圧力伝達媒体を充填する充填口を構成することを特徴とするカテーテルの先端チップ。
  2. 前記圧力センサは光センサで構成され、該光センサに接続されて圧力検知信号を外部に送信する光ファイバが挿通される光ファイバ挿通孔が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のカテーテルの先端チップ。
  3. 前記光ファイバ挿通孔に挿通された前記光ファイバを支持する光ファイバ支持部を有することを特徴とする請求項1または2に記載のカテーテルの先端チップ。
  4. 体内に挿入される側の遠位端および体外に配置される側の近位端を有するカテーテル管と、
    前記カテーテル管の前記遠位端側の先端に、請求項1〜3のいずれかに記載の先端チップが設けられていることを特徴とするカテーテル。
  5. 前記遠位端に、拡縮可能なバルーンを備えることを特徴とする請求項4に記載のカテーテル。
  6. 体内に挿入される側の遠位端および体外に配置される側の近位端を有するカテーテルの前記遠位端側の先端に設けられ、圧力センサを内蔵する先端チップの製造方法であって、
    前記先端チップには、前記遠位端側の先端面に形成された第1の開口および前記近位端側に形成された第2の開口を有し、前記圧力センサが収容されるとともに圧力伝達媒体が充満される圧力センサ収容孔が形成されており、
    前記圧力センサ収容孔に前記圧力伝達媒体を充満させるにあたり、
    前記第2の開口から前記圧力センサ収容孔に前記圧力伝達媒体を充填し、
    次いで、前記第2の開口に硬化性樹脂を封止材として滴下、または塗布して該樹脂を硬化させることにより該第2の開口を封止する封止部を形成し、
    次いで、少なくとも前記封止部および前記第1の開口を覆う領域の表面に硬化性樹脂を被覆材として塗布して該樹脂を硬化させることにより該領域に被覆部を形成することを特徴とするカテーテルの先端チップの製造方法。
  7. 前記封止材における前記硬化性樹脂の濃度が、前記被覆材における前記硬化性樹脂の濃度よりも低いことを特徴とする請求項6に記載のカテーテルの先端チップの製造方法。
  8. 前記封止材における前記硬化性樹脂の濃度が2〜6重量%であり、
    前記被覆材における前記硬化性樹脂の濃度が6〜11重量%であることを特徴とする請求項7に記載のカテーテルの先端チップの製造方法。
  9. 前記被覆材に前記先端チップを浸漬して前記被覆材を前記先端チップに塗布することを特徴とする請求項6〜8のいずれかに記載のカテーテルの先端チップの製造方法。
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WO2021200368A1 (ja) * 2020-03-30 2021-10-07 日本ゼオン株式会社 センサ搭載型カテーテル

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