JP2020079858A - 感光性組成物、レジストパターンの形成方法、およびメッキ造形物の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
[1] 2つ以上のラジカル重合性不飽和二重結合基、および前記2つの不飽和二重結合基を結ぶ分子鎖中に存在する酸解離性基酸解離性基を有する重合性化合物(A)、光ラジカル重合開始剤(B)、多官能チオール(C)、および酸発生剤(D)を含有することを特徴とする感光性組成物。
[2] 前記重合性化合物(A)100質量部に対して、前記多官能チオール(C)を80〜150質量部含有する前記[1]に記載の感光性組成物。
[3] 前記重合性化合物(A)が下記式(1)に示す(メタ)アクリレート化合物である前記[1]又は[2]に記載の感光性組成物。
[4] さらに、アルカリ可溶性樹脂(F)を含有する前記[1]〜[3]のいずれかに記載の感光性組成物。
[5] 前記酸発生剤(D)が、熱酸発生剤(D1)である前記[1]〜[4]のいずれかに記載の感光性組成物。
[6] 前記[1]〜[5]のいずれかに記載の感光性組成物を基板上に塗布して塗膜を形成する工程(1)、前記塗膜を露光する工程(2)、露光後の塗膜を現像する工程(3)、を有することを特徴とするレジストパターンの形成方法。
[7] 前記[6]に記載のレジストパターンの形成方法によって形成したレジストパターンをマスクにして、前記基板に対してメッキ処理を行う工程(4)、およびレジストパターンを、アルカリ性化合物を含まない実質的に有機溶剤のみからなるレジスト剥離液で除去する工程(5)を有することを特徴とするメッキ造形物の製造方法。
本発明の感光性組成物は、2つ以上のラジカル重合性不飽和二重結合基、および前記2つの不飽和二重結合基を結ぶ分子鎖中に存在する酸解離性基酸解離性基を有する重合性化合物(A)(以下、「重合性化合物(A)」ともいう)、光ラジカル重合開始剤(B)、多官能チオール(C)、および酸発生剤(D)を含有する。
本発明の感光性組成物を基板上に塗布して塗膜を形成し、この塗膜を選択的に露光すると、本発明の感光性組成物はネガ型であるので、露光された部位において、光ラジカル重合開始剤(B)から発生するラジカルの作用により、ラジカル重合性不飽和二重結合基において重合性化合物(A)が重合し、架橋体が形成される。このとき、多官能チオール(C)も重合に関与し、多官能チオールから導かれる構成単位が架橋体の一部を構成すると考えられる。
Zとしては、例えば下記式(2)又は式(3)で表わされる基を挙げることができる。
重合性化合物(A)としては、例えば、下記式(4)で表わされる化合物が好ましい。
光ラジカル重合開始剤(B)としては、例えば、オキシム系化合物、有機ハロゲン化化合物、オキシジアゾール化合物、カルボニル化合物、ケタール化合物、ベンゾイン化合物、アクリジン化合物、有機過酸化化合物、アゾ化合物、クマリン化合物、アジド化合物、メタロセン化合物、ヘキサアリールビイミダゾール化合物、有機ホウ酸化合物、ジスルホン酸化合物、オニウム塩化合物、アシルホスフィン(オキシド)化合物が挙げられる。これらの中でも、感度の点から、オキシム系光ラジカル重合開始剤(B1)、特にオキシムエステル構造を有する光ラジカル重合開始剤が好ましい。
これらの光ラジカル重合開始剤(B)は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
多官能チオール(C)の含有量は、多官能チオール(C)が有する上記作用を好適に発現させる観点から、重合性化合物(A)100質量部に対して、好ましくは80〜150質量部、より好ましくは100〜140質量部、さらに好ましくは105〜130質量部である。
重合性化合物(E)は、好ましくは、1分子中に少なくとも1個のエチレン性不飽和二重結合を有する。
重合性化合物(E)の含有量は、重合性化合物(A)100質量部に対して、好ましくは1〜100質量部、より好ましくは5〜50質量部、さらに好ましくは10〜30質量部である。
前記フェノール性水酸基を有するアルカリ可溶性樹脂(F)としては、下記式(5)で表される構造単位(以下「構造単位(5)」ともいう)を有するアルカリ可溶性樹脂(F1)が好ましい。
アルカリ可溶性樹脂(F)の含有量は、重合性化合物(A)100質量部に対して、通常100〜300質量部、好ましくは150〜250質量部である。アルカリ可溶性樹脂の含有量が前記範囲にあると、メッキ液耐性に優れたレジストの形成が可能となる。
本発明の感光性組成物は、溶剤を含有することで、取り扱い性が向上したり、粘度の調節が容易になったり、保存安定性が向上したりする。
メタノール、エタノール、プロピレングリコールなどのアルコール類;
テトラヒドロフラン、ジオキサンなどの環状エーテル類;
エチレングリコール、プロピレングリコールなどのグリコール類;
エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルなどのアルキレングリコールモノアルキルエーテル類;
エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテートなどのアルキレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;
トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類;
アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノンなどのケトン類;
酢酸エチル、酢酸ブチル、エトキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸エチル、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、乳酸エチルなどのエステル類;
N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルホルムアニリド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、ベンジルエチルエーテル、ジヘキシルエーテル、アセトニルアセトン、イソホロン、カプロン酸、カプリル酸、1−オクタノール、1−ノナノール、ベンジルアルコール、酢酸ベンジル、安息香酸エチル、シュウ酸ジエチル、γ−ブチロラクトン、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、フェニルセロソルブアセテートなどが挙げられる。
溶剤の使用量は、膜厚0.1〜100μmのレジストパターンを形成する場合、本感光性組成物の固形分が、5〜80質量%となる量とすることができる。
本発明の感光性組成物は、上記成分を均一に混合することにより製造することができる。
本発明のレジストパターンの形成方法は、前述の感光性組成物を基板上に塗布して塗膜を形成する工程(1)、前記塗膜を露光する工程(2)、露光後の塗膜を現像する工程(3)、を有することを特徴とする。
基板としては、半導体基板、ガラス基板、シリコン基板および半導体板、ガラス板、シリコン板の表面に各種金属膜などを設けて形成される基板などを挙げることができる。基板の形状には特に制限はない。平板状であってもシリコンウェハーのように平板に凹部(穴)を設けてなる形状であってもよい。凹部を備え、さらに表面に銅膜を有する基板の場合、TSV構造のように、その凹部の底部に銅膜が設けられてもよい。
工程(2)では、前記塗膜を露光する。すなわち、工程(3)においてレジストパターンが得られるように前記塗膜を選択的に露光する。
現像液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、アンモニア水、エチルアミン、n−プロピルアミン、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、ピロール、ピペリジン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノナンの水溶液を使用することができる。また、上記アルカリ類の水溶液にメタノール、エタノールなどの水溶性有機溶剤や界面活性剤を適当量添加した水溶液を現像液として使用することもできる。
レジストパターンは流水等により洗浄してもよい。その後、エアーガンなどを用いて風乾したり、ホットプレートやオーブンなどの加熱下で乾燥させてもよい。
本発明のメッキ造形物の製造方法は、前述のレジストパターンの形成方法によって形成したレジストパターンをマスクにして、前記基板に対してメッキ処理を行う工程(4)、およびレジストパターンを、アルカリ性化合物を含まない実質的に有機溶剤のみからなるレジスト剥離液(以下、「レジスト剥離液」ともいう)で除去する工程(5)を有することを特徴とする。
レジストパターンの形成は、前述のレジストパターンの形成方法に従って行う。
工程(4)の前記メッキ処理としては、電解メッキ処理、無電解メッキ処理、および溶融メッキ処理等の湿式メッキ処理、化学気層蒸着、およびスパッタ等の乾式メッキ処理が挙げられる。ウエハーレベルでの加工における配線や接続端子を形成する場合、メッキ処理は通常、電解メッキ処理により行われる。
電解メッキ処理に使用されるメッキ液としては、例えば、硫酸銅、またはピロリン酸銅等を含む銅メッキ液;シアン化金カリウムを含む金メッキ液処理;および硫酸ニッケルまたは炭酸ニッケルを含むニッケルメッキ液;が挙げられる。
レジスト剥離液で除去する前に、レジストパターン中に含まれる酸発生剤(D)から酸を発生させて、レジストパターン中の重合性化合物(A)による架橋構造を分解させる。
酸発生剤(D)から酸を発生させるために、通常、酸発生剤(D)が熱酸発生剤(D1)の場合は、80〜250℃で加熱処理を行い、酸発生剤(D)が光酸発生剤の場合は、紫外線照射処理を行う。
また、熱酸発生剤(D1)から酸を発生させるために行う加熱処理も、酸解離性基を有する重合性化合物(A)による架橋構造の分解を促進させるために行う加熱処理もどちらも、通常、工程(1)に感光性組成物をスピンコートした後の塗膜の乾燥での加熱温度より高い温度で行う。
前記レジスト剥離液とレジストパターンとの接触方法は、例えば、レジストパターンを有する基板上にレジスト剥離液を盛る方法、およびレジストパターンを有する基板をレジスト剥離液に浸漬する方法が挙げられる。
レジスト剥離液は、レジストパターンの剥離を促進するために、例えば、50〜150℃に温めて用いることができる。
アルカリ可溶性樹脂の重量平均分子量(Mw)は、下記条件でゲルパーミエーションクロマトグラフィー法におけるポリスチレン換算により算出した値である。
・カラム:東ソー株式会社製カラムのTSK−MおよびTSK2500を直列に接続。
・溶媒:テトラヒドロフラン
・カラム温度:40℃
・検出方法:屈折率法
・標準物質:ポリスチレン
・GPC装置:東ソー株式会社製、装置名「HLC−8220−GPC」
[実施例1A〜2A、および比較例1A〜3A]
溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを用いて、下記表1に示す量の各成分を前記溶剤に、固形分濃度が65質量%となるよう加えて、混合し、カプセルフィルター(孔径3μm)で濾過して、実施例1A〜2A、および比較例1A〜3A
の感光性組成物を製造した。なお、表1中に示す各成分の詳細は以下の通りである。
A−1:上記式(4)に示す化合物
B−1:下記式(B−1)に示す化合物
C−1:ペンタエリスリトール テトラキス (3−メルカプトブチレート)(製品名「カレンズMT PE1」、昭和電工(株)製)
D−1:ベンジル(4−ヒドロキシフェニル)メチルスルホニウムと、トリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロホスフェート との塩
E−1:ポリエステルアクリレート(製品名「アロニックスM−8060」、東亜合成(株)製)
E−2:水添フタル酸とエポキシアクリレートとの反応物( 商品名「デナコールDA−722」、ナガセケムテックス(株)社製)
F−1:下記式(F−1)に示す、記号a〜eを付した構造単位を有するアクリル系樹脂(Mw:18,000、構造単位a〜eの含有割合:a/b/c/d/e=10/15/20/25/30(質量%))
[実施例1B]
6インチシリコンウエハ上に銅スパッタ膜を備える基板に、実施例1Aの感光性組成物をスピンコート法にて塗布し、ホットプレートにて80℃で300秒間加熱し、50μmの膜厚を有する塗膜を形成した。
A:メッキ液のしみ込み無。
B:メッキ液のしみ込み有。
メッキ処理後、レジストパターンを剥離液で除去した。
A:レジストパターンが残っていない。
B:レジストパターンが残っている。
実施例1Bにおいて、表2に示す感光性組成物を用いた以外は実施例1Bと同様の手法にてレジストパターンを形成およびメッキ造形物を製造し、レジストパターンのメッキ液耐性およびレジストパターンの剥離性を評価した。評価結果を表2に示す。
Claims (7)
- 2つ以上のラジカル重合性不飽和二重結合基、および前記2つの不飽和二重結合基を結ぶ分子鎖中に存在する酸解離性基酸解離性基を有する重合性化合物(A)、光ラジカル重合開始剤(B)、多官能チオール(C)、および酸発生剤(D)を含有することを特徴とする感光性組成物。
- 前記重合性化合物(A)100質量部に対して、前記多官能チオール(C)を80〜150質量部含有する請求項1に記載の感光性組成物。
- さらに、アルカリ可溶性樹脂(F)を含有する請求項1〜3のいずれかに記載の感光性組成物。
- 前記酸発生剤(D)が、熱酸発生剤(D1)である請求項1〜4のいずれかに記載の感光性組成物。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の感光性組成物を基板上に塗布して塗膜を形成する工程(1)、前記塗膜を露光する工程(2)、露光後の塗膜を現像する工程(3)、を有することを特徴とするレジストパターンの形成方法。
- 請求項6に記載のレジストパターンの形成方法によって形成したレジストパターンをマスクにして、前記基板に対してメッキ処理を行う工程(4)、およびレジストパターンを、アルカリ性化合物を含まない実質的に有機溶剤のみからなるレジスト剥離液で除去する工程(5)を有することを特徴とするメッキ造形物の製造方法。
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