JP2020079858A - 感光性組成物、レジストパターンの形成方法、およびメッキ造形物の製造方法 - Google Patents

感光性組成物、レジストパターンの形成方法、およびメッキ造形物の製造方法 Download PDF

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Abstract

【解決手段】2つ以上のラジカル重合性不飽和二重結合基、および前記2つの不飽和二重結合基を結ぶ分子鎖中に存在する酸解離性基酸解離性基を有する重合性化合物(A)、光ラジカル重合開始剤(B)、多官能チオール(C)、および酸発生剤(D)を含有することを特徴とする感光性組成物。【効果】本発明の感光性組成物は、アルカリ性化合物を含まない実質的に有機溶剤のみを含むレジスト剥離液で基板から容易に剥離することが可能なレジストパターンを形成することができる。本発明の感光性組成物を用いて形成されたレジストパターンを、メッキ等の加工を行った後、アルカリ性化合物を含まない実質的に有機溶剤のみを含むレジスト剥離液で剥離することにより、電極や配線などに用いられる銅などの金属の腐食を防止することができる。【選択図】なし

Description

本発明は、感光性組成物、レジストパターンの形成方法、およびメッキ造形物の製造方法に関する。
半導体素子や、液晶ディスプレイやタッチパネル等の表示素子の各種部材は、レジストパターンを基板上に形成し、そのレジストパターンをマスクにして基板にメッキやエッチングなどの加工を施すことにより形成されている。そして、加工後のレジストパターンは、例えば、レジスト剥離液によるウェット処理により基板から除去される。
ウェット処理に用いられるレジスト剥離液には、通常、レジストパターン中の有機物を分解してレジストパターンが基板から除去されやすくするために、アルカリ性化合物が用いられる。しかし、アルカリ性化合物は電極や配線などに用いられる銅などの金属を腐食することが知られており、特に、アルカリ性化合物が水と共存すると、銅の腐食が促進されることが知られている(特許文献1〜3参照)。そして、水はアルカリ性化合物を溶解する目的で通常用いられ、また、アルカリ性化合物は吸湿性や潮解性を有するので、空気中より水を取り込む。このため、レジスト剥離液にアルカリ性化合物を用いる場合、レジスト剥離液に水を完全に含ませないようにすることは非常に困難である。つまり、レジスト剥離液にアルカリ性化合物を用いる限り、銅などの金属の腐食を完全になくすことは非常に困難である。
特開2006−146272号公報 特開2005−043874号公報 特開2017−040928号公報
よって、銅などの金属の腐食を完全になくすことは、アルカリ性化合物を含まないレジスト剥離液を用いないと困難である。つまり、レジストパターンが、アルカリ性化合物を含まない実質的に有機溶剤のみを含むレジスト剥離液で剥離することができれば、銅などの金属の腐食を完全になくすことが可能になると考えられる。
本発明は、アルカリ性化合物を含まない実質的に有機溶剤のみを含むレジスト剥離液で剥離することが可能なレジストパターンを形成できる感光性組成物を提供すること、前記レジストパターンを形成できるレジストパターンの形成方法を提供すること、および前記レジストパターンを用いたメッキ造形物の製造方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成する本発明は、例えば下記[1]〜[7]に関する。
[1] 2つ以上のラジカル重合性不飽和二重結合基、および前記2つの不飽和二重結合基を結ぶ分子鎖中に存在する酸解離性基酸解離性基を有する重合性化合物(A)、光ラジカル重合開始剤(B)、多官能チオール(C)、および酸発生剤(D)を含有することを特徴とする感光性組成物。
[2] 前記重合性化合物(A)100質量部に対して、前記多官能チオール(C)を80〜150質量部含有する前記[1]に記載の感光性組成物。
[3] 前記重合性化合物(A)が下記式(1)に示す(メタ)アクリレート化合物である前記[1]又は[2]に記載の感光性組成物。
Figure 2020079858
(式(1)において、pは2以上の整数を示し、Zは末端の炭素のうち少なくとも1つが三級炭素であるp価の有機基を示し、R1 は、水素原子またはメチル基を示す)
[4] さらに、アルカリ可溶性樹脂(F)を含有する前記[1]〜[3]のいずれかに記載の感光性組成物。
[5] 前記酸発生剤(D)が、熱酸発生剤(D1)である前記[1]〜[4]のいずれかに記載の感光性組成物。
[6] 前記[1]〜[5]のいずれかに記載の感光性組成物を基板上に塗布して塗膜を形成する工程(1)、前記塗膜を露光する工程(2)、露光後の塗膜を現像する工程(3)、を有することを特徴とするレジストパターンの形成方法。
[7] 前記[6]に記載のレジストパターンの形成方法によって形成したレジストパターンをマスクにして、前記基板に対してメッキ処理を行う工程(4)、およびレジストパターンを、アルカリ性化合物を含まない実質的に有機溶剤のみからなるレジスト剥離液で除去する工程(5)を有することを特徴とするメッキ造形物の製造方法。
本発明の感光性組成物は、アルカリ性化合物を含まない実質的に有機溶剤のみを含むレジスト剥離液で基板から容易に剥離することが可能なレジストパターンを形成することができる。本発明の感光性組成物を用いて形成されたレジストパターンを、メッキ等の加工を行った後、アルカリ性化合物を含まない実質的に有機溶剤のみを含むレジスト剥離液で剥離することにより、電極や配線などに用いられる銅などの金属の腐食を防止することができる。
メッキ造形物の製造方法は、上記の理由により、電極や配線などのメッキ造形物に用いられる銅などの金属の腐食を生じさせることなく、メッキ造形物を製造することができる。
[感光性組成物]
本発明の感光性組成物は、2つ以上のラジカル重合性不飽和二重結合基、および前記2つの不飽和二重結合基を結ぶ分子鎖中に存在する酸解離性基酸解離性基を有する重合性化合物(A)(以下、「重合性化合物(A)」ともいう)、光ラジカル重合開始剤(B)、多官能チオール(C)、および酸発生剤(D)を含有する。
本発明の感光性組成物から形成されたレジストパターンは、アルカリ性化合物を含まない実質的に有機溶剤のみを含むレジスト剥離液で基板から剥離することができる。
本発明の感光性組成物を基板上に塗布して塗膜を形成し、この塗膜を選択的に露光すると、本発明の感光性組成物はネガ型であるので、露光された部位において、光ラジカル重合開始剤(B)から発生するラジカルの作用により、ラジカル重合性不飽和二重結合基において重合性化合物(A)が重合し、架橋体が形成される。このとき、多官能チオール(C)も重合に関与し、多官能チオールから導かれる構成単位が架橋体の一部を構成すると考えられる。
重合性化合物(A)は酸解離性基を有するので、上記のように形成された架橋体は酸解離性基を含む。露光した塗膜を現像し、レジストパターンを形成した後、架橋体に含まれる酸解離性基は、酸発生剤(D)から発生する酸の作用により解離する。このため、レジストパターン中の架橋構造は分解され、レジストパターンは、アルカリ性化合物を含まない実質的に有機溶剤のみを含むレジスト剥離液によっても、基板から剥離することができるようになると考えられる。
ここで、レジストパターンの形成に使用する感光性組成物が、重合性化合物(A)、光ラジカル重合開始剤(B)および酸発生剤(D)を含み、多官能チオール(C)を含有しない場合には、形成されたレジストパターンを、アルカリ性化合物を含まない実質的に有機溶剤のみを含むレジスト剥離液によって基板から剥離することは困難である。
感光性組成物が多官能チオール(C)を含有しない場合に、レジストパターンを、アルカリ性化合物を含まない実質的に有機溶剤のみを含むレジスト剥離液によって基板から剥離することは困難であるのは、重合性化合物(A)のみをラジカル重合させると、連鎖重合になり、ラジカル活性種近辺で重合が進むため局所的に密な架橋構造になる。このため、形成される架橋体の架橋密度が高くなりすぎて、レジストパターンへのレジスト剥離液の浸透が弱くなるからであると考えられる。さらに、逐次反応では、1分子のアクリレートに対して1分子のチオールが反応するため、主鎖に分解基が導入される。一方、連鎖重合では、アクリレート同士が反応していくため、主鎖に分解性基が導入されにくい。このため、分解したときのサイズが前者の方が小さくなり、よって溶解性が高くなる。
感光性組成物が重合性化合物(A)とともに多官能チオール(C)を含有すると、多官能チオール(C)によるエンチオール反応のより、ラジカル活性種の寿命が延びるため逐次重合となり、架橋体の架橋密度が低くなると考えられる。このため、レジストパターンにレジスト剥離液が十分に浸透することができ、その結果、レジストパターンを基板から剥離することが容易になると考えられる。
つまり、本発明の感光性組成物は、重合性化合物(A)に起因する、酸発生剤(D)の作用により架橋構造が分解されるという効果と、多官能チオール(C)に起因する、架橋体の架橋密度が低くなる効果との、複合的な効果により、アルカリ性化合物を含まない実質的に有機溶剤のみを含むレジスト剥離液により基板から剥離することが容易なレジストパターンを形成するものである。
2つ以上のラジカル重合性不飽和二重結合基、および酸解離性基を有する重合性化合物(A)は、露光により光ラジカル重合開始剤から発生する活性種によりラジカル重合する成分である。前述のとおり、ラジカル重合性不飽和二重結合基は、光ラジカル重合開始剤(B)から発生するラジカルの作用による重合に寄与する基であり、酸解離性基は、酸発生剤(D)から発生する酸の作用により解離する基である。
重合性化合物(A)としては、(メタ)アクリロイル基を2つ以上有する(メタ)アクリレート化合物を挙げることができる。このような(メタ)アクリレート化合物としては、例えば下記式(1)で表わされる化合物を挙げることができる。
Figure 2020079858
式(1)において、pは2以上の整数であり、好ましくは2〜3、より好ましくは2である。Zはp価の有機基である。R1 は、水素原子またはメチル基である。
Zは、末端の炭素のうち少なくとも1つが三級炭素であることが好ましい。重合性化合物(A)が、(メタ)アクリロイルオキシ基に結合する炭素原子が三級炭素である(メタ)アクリレート化合物であると、酸発生剤(D)から発生する酸の作用により解離しやすくなり、架橋体が分解されやすくなるので好ましい。
Zとしては、例えば下記式(2)又は式(3)で表わされる基を挙げることができる。
Figure 2020079858
Figure 2020079858
Yは、エーテル結合を含んでもよい炭素数1〜20の炭化水素基であり、mは0又は1を示す。R2 は炭素数1〜8の直鎖、分岐鎖又は環状のアルキル基であり、R3 は水素原子又は炭素数1〜8の直鎖、分岐鎖又は環状のアルキル基、R4 は炭素数1〜8の直鎖、分岐鎖又は環状のアルキル基を示す。R2 同士、R2 とYとは互いに結合して環を形成してもよい。iは1以上の整数であり、jは0以上の整数であり、qは1以上の整数であり、rは1以上の整数であり、sは0〜4の整数、好ましくは0又は1である
重合性化合物(A)としては、例えば、下記式(4)で表わされる化合物が好ましい。
Figure 2020079858
これらの重合性化合物(A)は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
光ラジカル重合開始剤(B)は、露光光の照射によりラジカルを発生し、光重合性化合物(A)のラジカル重合を開始させる化合物である。
光ラジカル重合開始剤(B)としては、例えば、オキシム系化合物、有機ハロゲン化化合物、オキシジアゾール化合物、カルボニル化合物、ケタール化合物、ベンゾイン化合物、アクリジン化合物、有機過酸化化合物、アゾ化合物、クマリン化合物、アジド化合物、メタロセン化合物、ヘキサアリールビイミダゾール化合物、有機ホウ酸化合物、ジスルホン酸化合物、オニウム塩化合物、アシルホスフィン(オキシド)化合物が挙げられる。これらの中でも、感度の点から、オキシム系光ラジカル重合開始剤(B1)、特にオキシムエステル構造を有する光ラジカル重合開始剤が好ましい。
オキシムエステル構造を有する光ラジカル重合開始剤にはオキシムの二重結合に起因する幾何異性体が存在しうるが、これらは区別されず、いずれも光ラジカル重合開始剤(B)に含まれる。
オキシムエステル構造を有する光ラジカル重合開始剤としては、例えば、WO2010/146883号公報、特開2011−132215号公報、特表2008−506749号公報、特表2009−519904、および特表2009−519991号公報に記載光ラジカル重合開始剤が挙げられる。
オキシムエステル構造を有する光ラジカル重合開始剤の具体例としては、N−ベンゾイルオキシ−1−(4−フェニルスルファニルフェニル)ブタン−1−オン−2−イミン、N−エトキシカルボニルオキシ− 1−フェニルプロパン−1−オン−2−イミン、N−ベンゾイルオキシ−1−(4−フェニルスルファニルフェニル)オクタン−1−オン−2−イミン、N−アセトキシ−1− [9 −エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]エタン−1−イミン、およびN−アセトキシ−1−[9−エチル−6−{2−メチル−4−(3,3−ジメチル−2,4−ジオキサシクロペンタニルメチルオキシ)ベンゾイル}−9H−カルバゾール−3−イル]エタン−1−イミン、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1-(O−アセチルオキシム)等が挙げられる。
これらの光ラジカル重合開始剤(B)は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本感光性樹脂組成物における光ラジカル重合開始剤(B)の含有量は、重合性化合物(A)100に対して、通常1〜40質量部であり、好ましくは3〜35質量、より好ましくは5〜30質量部である。光ラジカル重合開始剤(B)の含有量が前記範囲内であると、好適なラジカル量が得られ、優れた解像度が得られる。
多官能チオール(C)は、前述のとおり、重合性化合物(A)とともに重合し、架橋体の架橋密度を低くすることにより、レジストパターンの基板からの剥離を容易にする作用を有する。
多官能チオール(C)とは、チオール基(メルカプト基)を分子内に2個以上有する化合物である。多官能チオール(C)としては、分子量100以上の低分子化合物が好ましく、具体的には、分子量100〜1,500であることがより好ましく、150〜1,000が更に好ましい。
多官能チオール(C)の官能基数としては、2〜10官能が好ましく、2〜8官能がより好ましく、2〜4官能が更に好ましい。官能基数が大きくなると膜強度に優れる一方、官能基数が小さいと保存安定性に優れる。上記範囲の場合、これらを両立することができる。
多官能チオール(C)としては、脂肪族多官能チオール化合物が好ましい。脂肪族多官能チオール化合物の好ましい例としては、脂肪族炭化水素基と、−O−、−C(=O)−の組み合わせからなる化合物であって、脂肪族炭化水素基の水素原子の少なくとも2つがチオール基で置換された化合物が例示される。
多官能チオール(C)におけるチオール基は、第一級チオール基であっても、第二級チオール基であっても、第三級チオール基であってもよいが、感度及び耐薬品性の観点から、第一級又は第二級チオール基であることが好ましく、第二級チオール基であることがより好ましい。また、保存安定性の観点からは、第二級又は第三級チオール基であることが好ましく、第二級チオール基であることがより好ましい。
脂肪族多官能チオール化合物としては、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)、1,4−ビス(3−メルカプトブチリルオキシ)ブタン、1,3,5−トリス(3−メルカプトブチリルオキシエチル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトブチレート)、トリメチロールエタントリス(3−メルカプトブチレート)、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)、トリス[(3−メルカプトプロピオニルオキシ)エチル]イソシアヌレート、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、テトラエチレングリコールビス(3−メルカプトプロピオネート)、及び、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−メルカプトプロピオネート)等を挙げることができ、これらの中でも、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)、1,4−ビス(3−メルカプトブチリルオキシ)ブタン、及び、1,3,5−トリス(3−メルカプトブチリルオキシエチル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン等がより好ましい。
脂肪族多官能チオール(C)の市販品としては、例えば、カレンズMT−PE−1、カレンズMT−BD−1、カレンズMT−NR−1、TPMB、TEMB(以上、昭和電工(株)製)、TMMP、TEMPIC、PEMP、EGMP−4、及び、DPMP(以上、堺化学工業(株)製)等が挙げられる。
これらの多官能チオール(C)は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
多官能チオール(C)の含有量は、多官能チオール(C)が有する上記作用を好適に発現させる観点から、重合性化合物(A)100質量部に対して、好ましくは80〜150質量部、より好ましくは100〜140質量部、さらに好ましくは105〜130質量部である。
酸発生剤(D)は、前述のとおり、レジストパターン中で、重合性化合物(A)から形成される架橋体部分に含まれる酸解離性基を解離して、架橋構造を分解することにより、レジストパターンの基板からの剥離を容易にする機能を有する。
酸発生剤(D)としては、熱酸発生剤および光酸発生剤(ただし、その吸収波長領域は光ラジカル重合開始剤(B)の吸収波長領域と異なる)を挙げることができ、熱酸発生剤(D1)が特に好ましい。
熱酸発生剤(D1)としては、熱により酸を発生することができれば特に制限はなく、例えば、スルホニウム塩、ベンゾチアゾリウム塩、アンモニウム塩、ホスホニウム塩などのオニウム塩等が挙げられる。具体例としては、特開2009−215328号公報の段落〔0051〕および段落〔0057〕に記載されているものや、ベンジル(4−ヒドロキシフェニル)メチルスルホニウム、(4−アセトキシフェニル)ジメチルスルホニウム、(4−ヒドロキシフェニル)ジメチルスルホニウム、(2−メチルベンジル)(4−ヒドロキシフェニル)メチルスルホニウム、(1−ナフチルメチル)(4−ヒドロキシフェニル)メチルスルホニウムおよびベンジル(4−アセトキシフェニル)メチルスルホニウムから選ばれるカチオンと、トリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロホスフェート、ヘキサフルオロホスフェート、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ヘキサフルオロアンチモネート、p−トルエンスルホネート、ドデシルベンゼンスルホネート、トリフルオロメタンスルホネート、パーフルオロブタンスルホネートからなる群より選ばれるアニオンの塩が挙げられる。
熱酸発生剤(D1)の市販品としては、商品名「PP−33」、「CP−66」、「CP−77」(以上、株式会社ADEKA製)、商品名「FC−509」(米国スリーエム社製)、商品名「UVE1014」(米国ゼネラル・エレクトリック社製)、商品名「サンエイド SI−45L」、「サンエイド SI−60L」、「サンエイド SI−80L」、「サンエイド SI−100L」、「サンエイド SI−110L」、「サンエイド SI−150L」、「サンエイド SI−45」、「サンエイド SI−60」、「サンエイド SI−80」、「サンエイド SI−100」、「サンエイド SI−110」、「サンエイド SI−150」、「サンエイド SI−300」、「サンエイド SI−360」、「サンエイド SI−B2A」、「サンエイド SI−B3」、「サンエイド SI−B3A」、「サンエイド SI−B4」、「サンエイド SI−B5」(以上、株式会社三新化学工業製)、商品名「CG−24−61」(BASF製)、商品名「TA−60」、「TA−100」、「TA−120」、「TA−160」(以上、株式会社サンアプロ製)、商品名「CXC−1612」、「CXC−1733」、「CXC−1738」、「CXC−1615」、「CXC−1614」、「CXC−1821」、「TAG−2700」、「TAG−2713」、「TAG−2689」、「CXC−2689」、「CXC−1742」、「TAG−2690」、「TAG−2678」、「CXC−1820」、「TAG−1820」、「TAG−2172」、「TAG−2179」、「TAG−2507」、「CXC−1889」、「CXC−1890」、「CXC−1880」(以上、米国KING社製)が挙げられる。
熱酸発生剤(D1)の分解温度は、好ましくは80〜200℃、より好ましくは100〜180℃、さらに好ましくは110〜160℃である。熱酸発生剤(D1)の分解温度が前記範囲内であれば、工程(1)や工程(2)での加熱処理によって熱酸発生剤(D1)が分解せず、工程(5)での加熱処理により容易にレジストパターンが分解することができるため、レジストパターンを容易に剥離することができるため好ましい。
酸発生剤(D)の含有量は、酸発生剤(D)が有する上記作用を好適に発現させる観点から、重合性化合物(A)100質量部に対して、好ましくは5〜70質量部、より好ましくは10〜40質量部、さらに好ましくは15〜30質量部である。
本発明の感光性組成物は、重合性化合物(A)以外の重合性化合物(E)を含有することができる。
重合性化合物(E)は、好ましくは、1分子中に少なくとも1個のエチレン性不飽和二重結合を有する。
重合性化合物(E)としては、(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレート化合物、ビニル基を有する化合物が好ましい。前記(メタ)アクリレート化合物は、単官能性(メタ)アクリレート化合物と多官能性(メタ)アクリレート化合物とに分類されるが、いずれの化合物であってもよい。
上記単官能性(メタ)アクリレート化合物としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、ドデシルアミル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート、エチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、エチレングリコールモノエチルエーテル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、トリシクロ〔5.2.1.02,6〕デカジエニル(メタ)アクリレート、トリシクロ〔5.2.1.02,6〕デカニル(メタ)アクリレート、トリシクロ〔5.2.1.02,6〕デセニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ボルニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、アクリル酸アミド、メタクリル酸アミド、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、イソブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、tert−オクチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、7−アミノ−3,7−ジメチルオクチル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
上記多官能性(メタ)アクリレート化合物としては、例えば、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンPO(propylene oxide)変性トリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートジ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのジグリシジルエーテルに(メタ)アクリル酸を付加させたエポキシ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジ(メタ)アクリロイルオキシエチルエーテル、ビスフェノールAジ(メタ)アクリロイルオキシメチルエチルエーテル、ビスフェノールAジ(メタ)アクリロイルオキシエチルオキシエチルエーテル、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート(三官能以上)、フタル酸とエポキシアクリレートとの反応物などが挙げられる。
重合性化合物(E)として、市販されている化合物をそのまま用いることができる。市販されている化合物としては、例えば、アロニックスM−210、同M−309、同M−310、同M−320、同M−400、同M−7100、同M−8030、同M−8060、同M−8100、同M−9050、同M−240、同M−245、同M−6100、同M−6200、同M−6250、同M−6300、同M−6400、同M−6500(以上、東亞合成(株)製)、KAYARAD R−551、同R−712、同TMPTA、同HDDA、同TPGDA、同PEG400DA、同MANDA、同HX−220、同HX−620、同R−604、同DPCA−20、DPCA−30、同DPCA−60、同DPCA−120(以上、日本化薬(株)製)、ビスコート#295、同300、同260、同312、同335HP、同360、同GPT、同3PA、同400(以上、大阪有機化学工業(株)製)などが挙げられる。
これらの重合性化合物(E)は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
重合性化合物(E)の含有量は、重合性化合物(A)100質量部に対して、好ましくは1〜100質量部、より好ましくは5〜50質量部、さらに好ましくは10〜30質量部である。
本発明の感光性組成物は、アルカリ可溶性樹脂(F)を含有することが好ましい。感光性組成物がアルカリ可溶性樹脂(F)を含有すると、レジストにメッキ液に対する耐性を付与することができ、且つ現像をアルカリ現像液にて行うことができる。
アルカリ可溶性樹脂(F)は、目的とする現像処理が可能な程度にアルカリ性の現像液に溶解する性質を有する樹脂である。アルカリ可溶性樹脂(F)としては、例えば、特開2008−276194号公報、特開2003−241372号公報、特表2009−531730号公報、WO2010/001691号公報、特開2011−123225号公報、特開2009−222923号公報、および特開2006−243161号公報等に記載のアルカリ可溶性樹脂が挙げられる。
アルカリ可溶性樹脂(F)のゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定されたポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)は、通常、1,000〜1,000,000、好ましくは2,000〜50,000、より好ましくは3,000〜20,000の範囲にある。
アルカリ可溶性樹脂(F)は、レジストのメッキ液耐性が向上する点で、フェノール性水酸基を有することが好ましい。
前記フェノール性水酸基を有するアルカリ可溶性樹脂(F)としては、下記式(5)で表される構造単位(以下「構造単位(5)」ともいう)を有するアルカリ可溶性樹脂(F1)が好ましい。
Figure 2020079858
(式(5)中、R5は、水素原子、炭素数1〜10の置換若しくは非置換のアルキル基、またはハロゲン原子を示し、R6は、単結合又はエステル結合を示し、R7はヒドロキシアリール基を示す。)
アルカリ可溶性樹脂(F)に前記アルカリ可溶性樹脂(F1)を用いることで、後述の基板に対してメッキ処理を行う工程(4)において膨潤しにくいレジストパターンを得ることができる。その結果、基材からのレジストパターンの浮きや剥れが発生しないため、メッキを長時間実施した場合であってもメッキ液が基材とレジストパターンとの界面にしみ出すことを防ぐことができる。また、アルカリ可溶性樹脂(A)に前記アルカリ可溶性樹脂(A1)を用いることで、感光性組成物の解像性を良好にすることもできる。
アルカリ可溶性樹脂(F)は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
アルカリ可溶性樹脂(F)の含有量は、重合性化合物(A)100質量部に対して、通常100〜300質量部、好ましくは150〜250質量部である。アルカリ可溶性樹脂の含有量が前記範囲にあると、メッキ液耐性に優れたレジストの形成が可能となる。
本発明の感光性組成物は、その他の成分として、光ラジカル重合開始剤(B)以外の光ラジカル重合開始剤、溶剤、界面活性剤、接着助剤、増感剤、無機フィラー、重合禁止剤等を、本発明の目的および特性を損なわない範囲で含有してもよい。
本発明の感光性組成物は、溶剤を含有することで、取り扱い性が向上したり、粘度の調節が容易になったり、保存安定性が向上したりする。
溶剤としては、
メタノール、エタノール、プロピレングリコールなどのアルコール類;
テトラヒドロフラン、ジオキサンなどの環状エーテル類;
エチレングリコール、プロピレングリコールなどのグリコール類;
エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルなどのアルキレングリコールモノアルキルエーテル類;
エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテートなどのアルキレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;
トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類;
アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノンなどのケトン類;
酢酸エチル、酢酸ブチル、エトキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸エチル、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、乳酸エチルなどのエステル類;
N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルホルムアニリド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、ベンジルエチルエーテル、ジヘキシルエーテル、アセトニルアセトン、イソホロン、カプロン酸、カプリル酸、1−オクタノール、1−ノナノール、ベンジルアルコール、酢酸ベンジル、安息香酸エチル、シュウ酸ジエチル、γ−ブチロラクトン、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、フェニルセロソルブアセテートなどが挙げられる。
溶剤は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
溶剤の使用量は、膜厚0.1〜100μmのレジストパターンを形成する場合、本感光性組成物の固形分が、5〜80質量%となる量とすることができる。
本発明の感光性組成物は、上記成分を均一に混合することにより製造することができる。
[レジストパターンの形成方法]
本発明のレジストパターンの形成方法は、前述の感光性組成物を基板上に塗布して塗膜を形成する工程(1)、前記塗膜を露光する工程(2)、露光後の塗膜を現像する工程(3)、を有することを特徴とする。
工程(1)では、前記感光性組成物を基板上に塗布して塗膜を形成する。
基板としては、半導体基板、ガラス基板、シリコン基板および半導体板、ガラス板、シリコン板の表面に各種金属膜などを設けて形成される基板などを挙げることができる。基板の形状には特に制限はない。平板状であってもシリコンウェハーのように平板に凹部(穴)を設けてなる形状であってもよい。凹部を備え、さらに表面に銅膜を有する基板の場合、TSV構造のように、その凹部の底部に銅膜が設けられてもよい。
感光性組成物の塗布方法としては、例えば、スプレー法、ロールコート法、スピンコート法、スリットダイ塗布法、バー塗布法、インクジェット法を採用することができ、特にスピンコート法が好ましい。スピンコート法の場合、回転速度は通常は800〜3000rpm、好ましくは800〜2000rpmであり、回転時間は通常は1〜300秒間、好ましくは5〜200秒間である。感光性組成物をスピンコートした後は、通常、50〜180℃、好ましくは60〜150℃、さらに好ましくは70〜110℃で1〜30分間程度、得られた塗膜を加熱乾燥する。
塗膜の膜厚は通常0.1〜200μm、好ましくは5〜150μm、より好ましくは20〜100μm、さらに好ましくは30〜80μmである。
工程(2)では、前記塗膜を露光する。すなわち、工程(3)においてレジストパターンが得られるように前記塗膜を選択的に露光する。
露光は、通常、所望のフォトマスクを介して、例えばコンタクトアライナー、ステッパーまたはスキャナーを用いて、上記塗膜に対して露光を行う。露光光としては、波長200〜500nmの光(例:i線(365nm))を用いる。露光量は、塗膜中の成分の種類、配合量、塗膜の厚さなどによって異なるが、露光光にi線を使用する場合、通常、1〜10,000mJ/cm2である。
また、露光後に加熱処理を行うこともできる。露光後の加熱処理の条件は、塗膜中の成分の種類、配合量、塗膜の厚さなどによって適宜決められるが、通常70〜180℃、1〜60分間である。
工程(3)では、露光後の塗膜を現像する。これによりレジストパターンが形成される。
現像液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、アンモニア水、エチルアミン、n−プロピルアミン、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、ピロール、ピペリジン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノナンの水溶液を使用することができる。また、上記アルカリ類の水溶液にメタノール、エタノールなどの水溶性有機溶剤や界面活性剤を適当量添加した水溶液を現像液として使用することもできる。
現像時間は、組成物中の各成分の種類、配合割合、塗膜の厚さなどによって異なるが、通常30〜600秒間である。現像の方法は液盛り法、ディッピング法、パドル法、スプレー法、シャワー現像法などのいずれでもよい。
レジストパターンは流水等により洗浄してもよい。その後、エアーガンなどを用いて風乾したり、ホットプレートやオーブンなどの加熱下で乾燥させてもよい。
[メッキ造形物の製造方法]
本発明のメッキ造形物の製造方法は、前述のレジストパターンの形成方法によって形成したレジストパターンをマスクにして、前記基板に対してメッキ処理を行う工程(4)、およびレジストパターンを、アルカリ性化合物を含まない実質的に有機溶剤のみからなるレジスト剥離液(以下、「レジスト剥離液」ともいう)で除去する工程(5)を有することを特徴とする。
前記メッキ造形物としては、バンプ、配線等が挙げられる。
レジストパターンの形成は、前述のレジストパターンの形成方法に従って行う。
工程(4)の前記メッキ処理としては、電解メッキ処理、無電解メッキ処理、および溶融メッキ処理等の湿式メッキ処理、化学気層蒸着、およびスパッタ等の乾式メッキ処理が挙げられる。ウエハーレベルでの加工における配線や接続端子を形成する場合、メッキ処理は通常、電解メッキ処理により行われる。
電解メッキ処理を行う前に、レジストパターンの内壁表面とメッキ液との親和性を高めるため、レジストパターンの内壁表面にアッシング処理、フラックス処理、およびデスミア処理等の前処理を行うことができる。
電解メッキ処理の場合、スパッタまたは無電解メッキ処理によりレジストパターン内壁に形成した層をシード層として用いることができ、また、表面に金属膜を有する基板を基板に用いる場合は、前記金属膜をシード層として用いることもできる。
シード層を形成する前にバリア層を形成してもよく、シード層をバリア層として用いることもできる。
電解メッキ処理に使用されるメッキ液としては、例えば、硫酸銅、またはピロリン酸銅等を含む銅メッキ液;シアン化金カリウムを含む金メッキ液処理;および硫酸ニッケルまたは炭酸ニッケルを含むニッケルメッキ液;が挙げられる。
メッキ処理は、異なるメッキ処理を順次行うことができる。例えば、はじめに銅メッキ処理を行い、次にニッケルメッキ処理を行い、次に溶融はんだメッキ処理を行うことで、はんだ銅ピラーバンプを形成することができる。
工程(5)では、レジストパターンを、レジスト剥離液で除去する。
レジスト剥離液で除去する前に、レジストパターン中に含まれる酸発生剤(D)から酸を発生させて、レジストパターン中の重合性化合物(A)による架橋構造を分解させる。
酸発生剤(D)から酸を発生させるために、通常、酸発生剤(D)が熱酸発生剤(D1)の場合は、80〜250℃で加熱処理を行い、酸発生剤(D)が光酸発生剤の場合は、紫外線照射処理を行う。
酸発生剤(D)から酸を発生させた後、重合性化合物(A)による架橋構造の分解を促進させるため、80〜250℃で加熱処理を行うことができる。
また、熱酸発生剤(D1)から酸を発生させるために行う加熱処理も、酸解離性基を有する重合性化合物(A)による架橋構造の分解を促進させるために行う加熱処理もどちらも、通常、工程(1)に感光性組成物をスピンコートした後の塗膜の乾燥での加熱温度より高い温度で行う。
レジストパターン中の重合性化合物(A)による架橋構造を分解させた後、レジスト剥離液とレジストパターンとを接触させることで、レジストパターンを剥離する。
前記レジスト剥離液とレジストパターンとの接触方法は、例えば、レジストパターンを有する基板上にレジスト剥離液を盛る方法、およびレジストパターンを有する基板をレジスト剥離液に浸漬する方法が挙げられる。
レジスト剥離液とレジストパターンとの接触時間は、通常、1000秒間以下、好ましくは600秒間以下であり、下限は30秒間以上である。
レジスト剥離液は、レジストパターンの剥離を促進するために、例えば、50〜150℃に温めて用いることができる。
レジスト剥離液としては、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、シクロヘキサノン、アセトン、N−メチル−2−ピロリドン、乳酸エチル、またはメチルアミルケトン等の有機溶剤;若しくはこれらの組み合わせ;のみからなる剥離液が挙げられる。
前記レジストパターンの形成方法は、前述の感光性組成物を用いてレジストパターンを形成することから、アルカリ性化合物を含まない実質的に有機溶剤のみを含むレジスト剥離液で基板から容易に剥離することが可能なレジストパターンを形成することができる。したがって、このレジストパターンをマスクにして、基板にメッキ等の加工を行った後、アルカリ性化合物を含まない実質的に有機溶剤のみを含むレジスト剥離液でレジストパターンを剥離することにより、バンプ電極や配線などのメッキ造形物に用いられる銅などの金属に腐食を発生させることなくメッキ造形物を製造することができる。
以下、本発明を実施例に基づいてさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されない。以下の実施例等の記載において、「部」は「質量部」の意味で用いる。
アルカリ可溶性樹脂の重量平均分子量(Mw)は、下記条件でゲルパーミエーションクロマトグラフィー法におけるポリスチレン換算により算出した値である。
・カラム:東ソー株式会社製カラムのTSK−MおよびTSK2500を直列に接続。
・溶媒:テトラヒドロフラン
・カラム温度:40℃
・検出方法:屈折率法
・標準物質:ポリスチレン
・GPC装置:東ソー株式会社製、装置名「HLC−8220−GPC」
<感光性組成物の製造>
[実施例1A〜2A、および比較例1A〜3A]
溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを用いて、下記表1に示す量の各成分を前記溶剤に、固形分濃度が65質量%となるよう加えて、混合し、カプセルフィルター(孔径3μm)で濾過して、実施例1A〜2A、および比較例1A〜3A
の感光性組成物を製造した。なお、表1中に示す各成分の詳細は以下の通りである。
A−1:上記式(4)に示す化合物
B−1:下記式(B−1)に示す化合物
Figure 2020079858
B−2:2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド
C−1:ペンタエリスリトール テトラキス (3−メルカプトブチレート)(製品名「カレンズMT PE1」、昭和電工(株)製)
D−1:ベンジル(4−ヒドロキシフェニル)メチルスルホニウムと、トリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロホスフェート との塩
E−1:ポリエステルアクリレート(製品名「アロニックスM−8060」、東亜合成(株)製)
E−2:水添フタル酸とエポキシアクリレートとの反応物( 商品名「デナコールDA−722」、ナガセケムテックス(株)社製)
F−1:下記式(F−1)に示す、記号a〜eを付した構造単位を有するアクリル系樹脂(Mw:18,000、構造単位a〜eの含有割合:a/b/c/d/e=10/15/20/25/30(質量%))
Figure 2020079858
Figure 2020079858
<レジストパターンの形成およびメッキ造形物の製造>
[実施例1B]
6インチシリコンウエハ上に銅スパッタ膜を備える基板に、実施例1Aの感光性組成物をスピンコート法にて塗布し、ホットプレートにて80℃で300秒間加熱し、50μmの膜厚を有する塗膜を形成した。
前記塗膜を、ステッパー(ニコン社製、型式「NSR−i12D」)を用い、パターンマスクを介して露光し、2.38質量%のテトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド水溶液に200秒間浸漬して現像し、レジストパターン(縦20μm、横20μm、深さ50μmのホールパターン)を形成した。
前記レジストパターンをマスクにして、電解メッキ処理を行い、メッキ造形物を製造した。電解メッキ処理の前処理として、酸素プラズマによるアッシング処理(出力100W、酸素流量100ミリリットル、処理時間60秒間)を行い、次いで水洗を行った。前処理後の基板を銅メッキ液(製品名「ミクロファブCu300」、日本エレクトロプレイティング・エンジニヤース株式会社製)1L中に浸漬し、メッキ浴温度40℃、電流密度2A/dm2に設定して、15分間電界メッキ処理を行い、メッキ造形物を製造した。
前記メッキ造形物の製造後において、前記レジストパターンと基板との界面にメッキ液がしみ込んでいるか否かを電子顕微鏡で観察し、そのメッキ液のしみ込みの有無を「メッキ液耐性」として下記評価基準にて評価した。評価結果を下記表2に示す。
A:メッキ液のしみ込み無。
B:メッキ液のしみ込み有。
メッキ処理後、レジストパターンを剥離液で除去した。
メッキ処理後の基板を、ホットプレートにて120℃で300秒間加熱した。加熱後、基板を室温(23℃)に戻し、次いで基板を剥離液として23℃のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに300秒間浸漬し、ホットプレートで乾燥した。
浸漬・乾燥後の基板に残存するレジストパターンの有無を電子顕微鏡で観察し、レジストパターンの有無を「レジストパターンの剥離性」として、下記評価基準にて評価した。評価結果を下記表2に示す。
A:レジストパターンが残っていない。
B:レジストパターンが残っている。
[実施例2B、比較例1B〜3B]
実施例1Bにおいて、表2に示す感光性組成物を用いた以外は実施例1Bと同様の手法にてレジストパターンを形成およびメッキ造形物を製造し、レジストパターンのメッキ液耐性およびレジストパターンの剥離性を評価した。評価結果を表2に示す。
Figure 2020079858

Claims (7)

  1. 2つ以上のラジカル重合性不飽和二重結合基、および前記2つの不飽和二重結合基を結ぶ分子鎖中に存在する酸解離性基酸解離性基を有する重合性化合物(A)、光ラジカル重合開始剤(B)、多官能チオール(C)、および酸発生剤(D)を含有することを特徴とする感光性組成物。
  2. 前記重合性化合物(A)100質量部に対して、前記多官能チオール(C)を80〜150質量部含有する請求項1に記載の感光性組成物。
  3. 前記重合性化合物(A)が下記式(1)に示す(メタ)アクリレート化合物である請求項1又は2に記載の感光性組成物。
    Figure 2020079858
    (式(1)において、pは2以上の整数を示し、Zは末端の炭素のうち少なくとも1つが三級炭素であるp価の有機基を示し、R1 は、水素原子またはメチル基を示す)
  4. さらに、アルカリ可溶性樹脂(F)を含有する請求項1〜3のいずれかに記載の感光性組成物。
  5. 前記酸発生剤(D)が、熱酸発生剤(D1)である請求項1〜4のいずれかに記載の感光性組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の感光性組成物を基板上に塗布して塗膜を形成する工程(1)、前記塗膜を露光する工程(2)、露光後の塗膜を現像する工程(3)、を有することを特徴とするレジストパターンの形成方法。
  7. 請求項6に記載のレジストパターンの形成方法によって形成したレジストパターンをマスクにして、前記基板に対してメッキ処理を行う工程(4)、およびレジストパターンを、アルカリ性化合物を含まない実質的に有機溶剤のみからなるレジスト剥離液で除去する工程(5)を有することを特徴とするメッキ造形物の製造方法。
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