JP2020079814A - レンズ駆動装置、前記レンズ駆動装置を使用したカメラモジュールおよびレンズ駆動装置の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 レンズ保持部材を合成樹脂材料で成型する際に、イジェクトピンの成型痕をフランジ部に形成し、筒状部に成型痕を形成しないようにして、筒状部の肉厚を最適に設定できるようにしたレンズ駆動装置、前記レンズ駆動装置を使用したカメラモジュールおよびレンズ駆動装置の製造方法を提供する。【解決手段】 レンズ保持部材10は筒状部13とフランジ部11を有し、フランジ部11のZ1方向に向く表面に、射出成型工程で金型から分離させるためのイジェクトピンの成型痕16が形成されている。ケース3には、フランジ部11が当たるストッパ部となる内壁部3cが形成されているが、その先端部3fには、成型痕16と当たらないように凹部3gが形成されている。【選択図】図7
Description
本発明は、レンズ体が搭載されるレンズ保持部材と、前記レンズ保持部材に巻かれたコイルと、前記コイルに対向する磁石とを有するレンズ駆動装置、前記レンズ駆動装置を使用したカメラモジュールおよびレンズ駆動装置の製造方法に関する。
特許文献1に、レンズ駆動装置に関する発明が記載されている。
このレンズ駆動装置は、レンズ体を搭載可能なレンズ保持部材と、支持部材とを有している。レンズ保持部材は、下側板ばねと上側板ばねを介して支持部材に支持されている。
このレンズ駆動装置は、レンズ体を搭載可能なレンズ保持部材と、支持部材とを有している。レンズ保持部材は、下側板ばねと上側板ばねを介して支持部材に支持されている。
レンズ保持部材には、周回方向の全域に連続して側方へ突出する鍔部と、周回方向に間隔を空けて形成されて前記鍔部と光軸方向で対向する突部とが一体に形成されている。前記鍔部と前記突部との間で、レンズ保持部材の外側部に導線が巻かれて前記コイルの巻回部が形成されている。
支持部材側には、磁石が固定されており、この磁石が前記コイルの巻回部に対向している。支持部材に埋設された金属部材に接続端子部が形成されており、この接続端子部から、下側板ばねを介してコイルに駆動電流が与えられて、レンズ保持部材が、レンズ体の光軸方向へ移動させられる。この動作によって、撮像素子への像の焦点が合わせられる。
特許文献1に記載されたレンズ保持部材は、合成樹脂材料で射出成型される。射出成型工程では、金型のキャビティ内に溶融状態の合成樹脂材料が射出され、合成樹脂材料が固化した後に、金型が分離されて、イジェクトピンを用いて、成型後のレンズ保持部材が取り出される。
このとき、レンズ保持部材において光軸方向の前方に延びる筒状部の先端部をイジェクトピンで押す構造にすると、筒状部の肉厚を大きくすることが必要になる。筒状部の肉厚を大きくすると、筒状部のレンズ体を収納する円筒空間の内径寸法が小さくなったり、逆に、筒状部の外径寸法が大きくなりすぎる問題が生じる。さらに、筒状の肉厚が大きくなると、合成樹脂材料の固化時のヒケにより、円筒空間の内径寸法の精度が低下しやすくなる。
本発明は、上記従来の課題を解決するものであり、レンズ保持部材の筒状部の肉厚を必要以上に大きくすることなく、内径寸法などの寸法精度を高くして成型することができるレンズ駆動装置、前記レンズ駆動装置を使用したカメラモジュールおよびレンズ駆動装置の製造方法を提供することを目的としている。
本発明は、天井部に開口部が形成されたケースと、少なくとも一部が前記ケースの内側に位置してレンズ体を搭載可能なレンズ保持部材と、前記レンズ保持部材を前記レンズ体の光軸方向へ移動自在に支持する弾性支持部材と、前記レンズ保持部材に形成された筒状部の外側部に配置されたコイルと、前記ケース内に設けられて前記コイルに対向する磁石と、を有するレンズ駆動装置において、
前記レンズ保持部材の筒状部の外側部に、前記光軸を中心とする周回方向に沿うように延びるフランジ部が設けられ、前記フランジ部が、前記コイルと前記光軸方向で対向しており、
前記フランジ部の前記コイルに向く表面に、前記レンズ保持部材を合成樹脂材料で射出成型したときのイジェクトピンの成型痕が形成されていることを特徴とするものである。
前記レンズ保持部材の筒状部の外側部に、前記光軸を中心とする周回方向に沿うように延びるフランジ部が設けられ、前記フランジ部が、前記コイルと前記光軸方向で対向しており、
前記フランジ部の前記コイルに向く表面に、前記レンズ保持部材を合成樹脂材料で射出成型したときのイジェクトピンの成型痕が形成されていることを特徴とするものである。
本発明のレンズ駆動装置は、前記フランジ部が、光軸方向における前記レンズ保持部材の一端部に形成されているものである。
本発明のレンズ駆動装置は、前記ケースの内部に、先端部が前記フランジ部に対向する内壁部が設けられ、前記内壁部の前記フランジ部に向く先端部に、前記成型痕に対向する凹部が形成されているものである。
本発明の駆動装置は、前記凹部が、前記内壁部の幅方向の中間部に形成されていることが好ましい。
本発明のレンズ駆動装置は、前記フランジ部が前記内壁部の先端部に当たって、前記レンズ保持部材の前記光軸方向の移動が規制される。
本発明のレンズ駆動装置は、前記ケースが磁性材料で形成されて、前記内壁部が対向ヨーク部として機能しており、
前記内壁部が、前記レンズ保持部材の筒状部と前記コイルとの間の隙間内に位置し、前記ケースの内部に固定された磁石が、前記コイルの外側に対向し、
前記成型痕は、前記レンズ保持部材の筒状部と前記コイルとの前記隙間に対向する位置に形成されているものとして構成できる。
前記内壁部が、前記レンズ保持部材の筒状部と前記コイルとの間の隙間内に位置し、前記ケースの内部に固定された磁石が、前記コイルの外側に対向し、
前記成型痕は、前記レンズ保持部材の筒状部と前記コイルとの前記隙間に対向する位置に形成されているものとして構成できる。
本発明のレンズ駆動装置は、前記成型痕が、前記フランジ部の複数個所に形成されていることが好ましい。
次に、本発明のカメラモジュールは、前記いずれかに記載のレンズ駆動装置と、前記レンズ駆動装置の前記レンズ保持部材に保持されたレンズ体と、前記レンズ体に対向する撮像素子と、を有することを特徴とするものである。
さらに、本発明は、天井部に開口部が形成されたケースと、少なくとも一部が前記ケースの内側に位置してレンズ体を搭載可能なレンズ保持部材と、前記レンズ保持部材を前記レンズ体の光軸方向へ移動自在に支持する弾性支持部材と、前記レンズ保持部材に形成された筒状部の外側部に配置されたコイルと、前記ケース内に設けられて前記コイルに対向する磁石と、を有するレンズ駆動装置の製造方法において、
金型内に合成樹脂材料を射出して前記筒状部を有する前記レンズ保持部材を成型し、前記レンズ保持部材の筒状部の外側部に、前記光軸を中心とする周回方向に沿うように延びるフランジ部を形成し、
前記フランジ部の前記光軸方向に向く表面をイジェクトピンで押し、成型後の前記レンズ保持部材を前記金型から離脱させて、前記フランジ部の表面に、前記イジェクトピンによる成型痕を形成し、
前記レンズ保持部材の筒状部の外側部に、前記フランジ部に対向する前記コイルを装備させることを特徴とするものである。
金型内に合成樹脂材料を射出して前記筒状部を有する前記レンズ保持部材を成型し、前記レンズ保持部材の筒状部の外側部に、前記光軸を中心とする周回方向に沿うように延びるフランジ部を形成し、
前記フランジ部の前記光軸方向に向く表面をイジェクトピンで押し、成型後の前記レンズ保持部材を前記金型から離脱させて、前記フランジ部の表面に、前記イジェクトピンによる成型痕を形成し、
前記レンズ保持部材の筒状部の外側部に、前記フランジ部に対向する前記コイルを装備させることを特徴とするものである。
本発明のレンズ駆動装置の製造方法は、前記フランジ部は、光軸方向における前記レンズ保持部材の一端部に形成するものである。
本発明のレンズ駆動装置の製造方法は、前記ケースの内部に、先端部が前記フランジ部に対向する内壁部を設け、前記内壁部の前記フランジ部に向く先端部に、前記成型痕に対向する凹部を形成することが好ましい。
本発明のレンズ駆動装置の製造方法は、前記凹部を、前記内壁部の幅方向の中間部に形成することが好ましい。
本発明のレンズ駆動装置の製造方法は、前記ケースを磁性材料で形成して、前記内壁部を対向ヨーク部とし、
前記ケース内に前記レンズ保持部材を組み込む際に、前記内壁部を、前記レンズ保持部材の筒状部と前記コイルとの間の隙間内に入り込ませ、前記ケースの内部に固定された磁石を、前記コイルの外側に対向させ、
前記成型痕を、前記レンズ保持部材の筒状部と前記コイルとの前記隙間に位置する前記内壁部に対向させるものとして構成できる。
前記ケース内に前記レンズ保持部材を組み込む際に、前記内壁部を、前記レンズ保持部材の筒状部と前記コイルとの間の隙間内に入り込ませ、前記ケースの内部に固定された磁石を、前記コイルの外側に対向させ、
前記成型痕を、前記レンズ保持部材の筒状部と前記コイルとの前記隙間に位置する前記内壁部に対向させるものとして構成できる。
本発明のレンズ駆動装置の製造方法は、前記成型痕を、前記フランジ部の複数個所に形成することが好ましい。
本発明のレンズ駆動装置およびその製造方法は、レンズ保持部材を射出成型する際に、筒状部の外側部においてコイルに対向する位置に形成されるフランジ部の表面にイジェクトピンを当てて成形後のレンズ保持部材を金型から離脱させている。イジェクトピンを、レンズ体を保持する筒状部の先端部ではなくフランジ部に当てることで、筒状部の肉厚を薄く形成することができる。その結果、筒状部の内径寸法を大きくでき、さらにはレンズ保持部材の外形寸法が過大になるのを防止できる。また、筒状部の肉厚を必要以上に大きくする必要がないため、筒状部を成形する樹脂の固化時のヒケの影響を少なくでき、筒状部の寸法精度を高く維持しやすくなる。
また、ケースに対向ヨーク部などとして機能する内壁部を形成したときに、この内壁部の前記フランジ部に対向する先端部に、イジェクトピンの成型痕に対向する凹部を形成することで、先端部が成型痕に直接当たるのを防止できる。その結果、万が一成型痕にバリが有ったときに、このバリが装置内に脱落することなどを防止できるようになる。
図1と図2に、本発明の実施の形態のレンズ駆動装置1の全体構造が示されており、図3に、支持基台と下部板ばねとレンズ保持部材およびコイル、ならびに磁石とケースが示されている。図4には、レンズ保持部材とコイルが示されており、図7に、レンズ保持部材とケースとの対向状態が示されている。
レンズ駆動装置1はレンズ保持部材10を有している。レンズ保持部材10は、合成樹脂材料で射出成型されて形成されている。図3と図4および図7に示すように、レンズ保持部材10は、筒状部13を有している。筒状部13は比較的薄肉の円筒体であり、Z1−Z2方向に連続する中心穴13aを有している。筒状部13の中心穴13aにレンズ体(レンズバレルまたは鏡筒)が装着される。レンズ体は、1枚のレンズまたは複数枚のレンズを組み合わせたレンズ組と、前記レンズまたは前記レンズ組を保持したレンズホルダとから構成される。例えば、中心穴13aに雌ねじ部が形成され、レンズホルダの外周面に雄ねじ部が形成されて、雄ねじ部が雌ねじ部に螺着されることで、レンズ体が筒状部13の内部に装着されて搭載される。あるいは、レンズ体が中心穴13aの内部に挿入され、レンズ体と筒状部13の内面とが接着剤で固定される。
各図に示すZ1−Z2方向は、上下方向であり、レンズ体の光軸Oと平行な方向(光軸方向)である。レンズ駆動装置1は、携帯電話などの携帯用電子機器に搭載される。レンズ駆動装置1よりもZ2側に、CCDなどの撮像素子が配置される。レンズ駆動装置1と、レンズ体および撮像素子とが組み合わされてカメラモジュールが構成される。カメラモジュールでは、レンズ保持部材10とこれに搭載されたレンズ体がZ1−Z2方向へ移動することによって、撮像素子に結像する像の自動焦点合わせが行われる。
図1と図2および図3に示すように、レンズ駆動装置1に、支持基台2とケース3とが設けられている。支持基台2とケース3とを組み合わせることにより、内部に収納空間を有するハウジングが構成される。
支持基台2は、光軸方向から見た平面形状が四角形状であり、非磁性材料である合成樹脂材料で形成されている。図3に示すように、支持基台2の4箇所の角部の上に、ばね固定部2aが形成されている。支持基台2の上に、互いに分離された一対の下部板ばね20が取り付けられている。それぞれの下部板ばね20は、固定側支持部21と、その内側の可動側支持部22、および固定側支持部21と可動側支持部22とを繋ぐ弾性腕部23が、導電性を有する板ばね金属材料で一体に形成されている。それぞれの下部板ばね20の固定側支持部21には、X1側とX2側に取付け穴21aが形成されている。それぞれの取付け穴21aが、支持基台2のばね固定部2aに形成された突起に嵌合し、前記突起が熱かしめされることで、一対の下部板ばね20の固定側支持部21が支持基台2の上に固定される。
図3に示すように、それぞれの下部板ばね20の可動側支持部22には、X1側とX2側に取付け穴22aが形成されている。図5の底面図に示すように、レンズ保持部材10のZ2方向に向けられた下面では、X1側とX2側にばね固定部10bが設けられている。それぞれのばね固定部10bでは、Y1側にZ2方向へ突出する突起10cが一体に形成され、Y2側にZ2方向に突出する突起10dが一体に形成されている。Y1側の下部板ばね20の可動側支持部22に形成された取付け穴22aを、突起10cに嵌合させ、前記突起10cを熱かしめすることで、一方の下部板ばね20の可動側支持部22が、レンズ保持部材10の下面のばね固定部10bに固定される。同様に、Y2側の下部板ばね20の取付け穴22aを前記突起10dに嵌合して突起10dを熱かしめすることで、他方の下部板ばね20もばね固定部10bに固定される。
図1と図2および図3に示すケース3は、磁性を有する鉄鋼板(普通鋼による鋼板)などで形成されて磁性ヨークとして機能している。ケース3は天井部3aを有している。前記支持基台2には、中央部分に光透過穴2bが開口しているが、ケース3の天井部3aにも開口部3bが開口している。支持基台2の光透過穴2bと、ケース3の開口部3bは、Z1−Z2方向に対向し、前記レンズ保持部材10の中心穴13aに対しても上下から対向している。
ケース3は平面形状が四角形状(矩形状)であり、外壁部として、4つの平面側板部3dと、それぞれの平面側板部3dどうしを連続させる角側板部3eとが設けられている。4つの平面側板部3dと4つの角側板部3eによって、外壁部は筒状に形成されている。天井部3aに形成された開口部3bの平面形状は四角形状であり、開口部3bの内縁の4つの角部からは、それぞれZ2方向に向けて折り曲げられた内壁部3cが一体に形成されている。内壁部3cは、それぞれの角側板部3eの内面に対してケース内側から対向し、対向ヨーク部として機能する。
ケース3の天井部3aは、光軸方向である上方から見た平面形状が矩形状であり、その4つの角部に第1貫通部4aまたは第1貫通部4bが形成されている。第1貫通部4a,4bは、ケース3の内部に固定される磁石MにZ1方向で対向する。第1貫通部4aは、天井部3aの3つの角部に形成されており、天井部3aをZ1−Z2方向に貫通する円形(真円)の穴である。第1貫通部4bは、天井部3aの1つの角部に形成されており、天井部3aをZ1−Z2方向に貫通する長穴(または楕円穴)である。長穴の長手方向は、光軸Oを中心とした半径方向に向けられている。4つの第1貫通部は全てが円形の貫通穴であってもよいが、4つの第1貫通部のうちの少なくとも1つが長穴であることが好ましい。
図2に示すように、ケース3の天井部3aよりも上方(Z1方向)に上部板ばね30が設置される。上部板ばね30は、ほぼ四角形の枠形状の固定側支持部31と、その内側のリング形状の可動側支持部32、および固定側支持部31と可動側支持部32とを4か所で繋ぐ弾性腕部33とが、板ばね金属材料で一体に形成されている。固定側支持部31の4箇所の角部が取付け部31aとなっており、それぞれの取付け部31aに第2貫通部34aまたは第2貫通部34bが形成されている。2か所に設けられた第2貫通部34aは、取付け部31aをZ1−Z2方向に貫通する円形の穴である。他の2か所に設けられた第2貫通部34bは、弾性腕部33に向けて開放された切欠き部である。4か所の第2貫通部は、全てが貫通穴であってもよいし、全てが弾性腕部33に向けて開放された切欠き部であってもよい。
図2に示すように、ケース3の天井部3aの外面側で、さらに上部板ばね30の上方(Z1方向)に支持部材(ばね固定部材)6が設けられている。支持部材6は合成樹脂材料などの非磁性材料によって矩形状に形成されている。図6の断面図に示すように、支持部材6のZ2方向に向く下面では、4つの角部に挟持部6aが形成されている。図2に示すように、それぞれの挟持部6aからZ2方向に向けて突部7が一体に形成されている。支持部材6の中央部には光透過穴6bが開口している。光透過穴6bは、ケース3の天井部3aに形成された開口部3bに対向している。図6に示すように、支持部材6の下面では、挟持部6aと光透過穴6bとの間に、ケース3の天井部3aから離れるZ1方向に向けて窪んでいる窪み部6cが形成されている。
図6に示すように、ケース3の天井部3aのZ1側に向く外面に上部板ばね30の固定側支持部31(取付け部31a)が設置され、さらにZ1側に支持部材6が重ねられた状態で、図2に示されている支持部材6の4か所に設けられた突部7が、上部板ばね30の固定側支持部31の4か所の取付け部31aに形成された第2貫通部34a,34bに挿通され、さらにケース3の天井部3aの4か所に形成された第1貫通部4a,4bに挿通される。そして、ケース3の天井部3aの内側で、突部7のZ2側に向く先端部が熱変形させられて、上部板ばね30を挟んだ状態で、支持部材6とケース3の天井部3aとが、熱かしめ固定される。
図2と図3に示すように、レンズ駆動装置1には4個の磁石Mが設けられている。4個の磁石Mはそれぞれ独立して形成されている。図3に示すように、それぞれの磁石Mは、光軸Oを中心とした半径方向の外側に向けられた外側着磁面となる外側面Maと、光軸Oに向く着磁面Mgを有している。内側着磁面である着磁面Mgは、光軸Oを中心とする円筒面に沿う凹曲面形状である。それぞれの磁石Mは、着磁面Mgと外側面Maとが異なる極性となるように着磁されている。また、全ての磁石Mの着磁面Mgは同じ極性となるように着磁されている。それぞれの磁石Mは、Z1方向に向く平坦な上面Mbを有している。
図6に示すように、4個の磁石Mは、それぞれ、ケース3の内部で、角側板部3eの内側に配置される。ケース3の角側板部3eおよび平面側板部3dの内面に流動性を有する接着剤が塗布された状態で、それぞれの磁石Mは、着磁面Mgを光軸Oに向けた姿勢で、ケース3の各角部で90度の角度で対向する平面側板部3dの内面に磁気吸着される。これにより、ケース3の内面とそれぞれの磁石Mとの間に接着剤が介在する。また、磁石Mの平坦な外側面Maと、ケース3の角側板部3eの内面との間に隙間が形成されるため、この隙間に接着剤が充填されやすくなる。図6に示すように、それぞれの磁石Mは、Z1方向に向く上面Mbが、支持部材6に形成された突部7のZ2側の先端部7aに突き当てられて、ケース3の角側板部3eの内側で磁石MがZ1方向(光軸O方向)に位置決めされる。
レンズ駆動装置1の組立て時において、ケース3の角側板部3eおよび平面側板部3dの内面と磁石Mとの間に与えられた流動性を有する接着剤は、一部が支持部材6に形成された突部7と、ケース3の天井部3aに形成された第1貫通部4a,4bとの隙間内に流れ込む。そして、天井部3aのZ1方向に向く外面と、上部板ばね3の固定側支持部31の取付け部31aとの間に、接着剤が毛細管現象で浸透する。そして、接着剤が熱硬化させられて、ケース3の内部でそれぞれの磁石Mが接着固定されるとともに、ケース3の天井部3aの外面と、上部板ばね3の取付け部31aとが接着固定される。ケース3と磁石Mとを固定する接着剤が、突部7と第1貫通部4a,4bとの間の隙間に連続し、さらに天井部3aと上部板ばね3との間にも浸透して、全てが一緒に固定されるため、接着剤を供給する工程を共通に行うことが可能になる。
図6に示すように、支持部材6には、挟持部6aと光透過穴6bとの間に窪み部6cが形成されており、上部板ばね30の弾性腕部33は、窪み部6cに対向する。そのため、弾性腕部33が変形動作したときに、弾性腕部33が支持部材6に当たるのを防止できる。
レンズ保持部材10は非磁性の合成樹脂材料で形成されている。図3と図4および図7に示すように、レンズ保持部材10の筒状部13のZ1方向に向く上面にばね固定部10aが設けられている。ケース3の内部に磁石Mが固定され、ケース3の天井部3aの外側に上部板ばね30と支持部材6が固定された後に、コイル40が巻かれたレンズ保持部材10と下部板ばね20と支持基台2とが組み付けられた組立体が、ケース3の内部に下方から挿入される。図6に示すように、レンズ保持部材10のばね固定部10aは、ケース3の天井部3aに形成された開口部3b内を通過して天井部3aの外面よりも上方(Z1方向)に突出する。そして、ばね固定部10aが上部板ばね30の可動側支持部32の下側に突き当てられ、ばね固定部10aと可動側支持部32とが接着剤で固定される。また、支持基台2とケース3も互いに固定される。
図2と図3に示すように、下部板ばね20に設けられた弾性腕部23は、細い湾曲形状すなわち蛇行形状に成形されており、上部板ばね30に設けられた弾性腕部33も、細い湾曲形状すなわち蛇行形状に成形されている。レンズ保持部材10の下端と、支持基台2とが、下部板ばね20を介して連結され、レンズ保持部材10の筒状部13の上端と、ケース3の天井部3aとが上部板ばね30を介して連結される。この支持構造により、下部板ばね20の弾性腕部23と上部板ばね30の弾性腕部33の双方の弾性変形によって、レンズ保持部材10が、ケース3の内部で、光軸方向であるZ1−Z2方向へ移動自在に支持されることになる。すなわち、前記下部板ばね20と前記上部板ばね30で、レンズ保持部材10を光軸方向へ移動自在に支持する弾性支持部材が構成されている。
図4と図7に示すように、レンズ保持部材10の筒状部13の外側部(外周部)には、Z2側にフランジ部11が形成され、Z1側に複数の規制突部12が形成されている。フランジ部11は、レンズ保持部材10において光軸方向の一端部であるZ2側に偏った位置に形成されて、筒状部13のZ2側の端部に一体に形成されている。フランジ部11は、光軸Oを中心とする周回方向(周方向)に沿って延びるように形成されている。フランジ部11は、周回方向に連続して延びる鍔形状であってもよいし、周回方向に間欠的に形成されていてもよい。図4と図7に示すように、実施の形態のフランジ部11では、Y1側とY2側の双方に欠損部11bが形成されている。
規制突部12は周回方向に間隔を空けて形成されている。フランジ部11と複数の規制突部12は、光軸方向(Z1−Z2方向)に対向している。レンズ保持部材10の筒状部13の外側部では、フランジ部11と規制突部12との間に、コイル巻き付け面14が形成されている。規制突部12が形成されていない部分では、レンズ保持部材10(筒状部13)の外側部に、コイル巻き付け面14よりも光軸Oに向けて後退する逃げ外側面15が形成されている。
図4と図7に示すように、フランジ部11のZ1方向に向く表面、すなわちコイル40に対向する表面11aに成型痕16が形成されている。この成型痕16(または圧痕)は、後に説明する射出成型工程で、成型後のレンズ保持部材10を金型から分離するときに使用されるイジェクトピンの先端部によって形成される。成型痕16は、規制突部12が形成されていない箇所において、逃げ外側面15の外周側部分に対応したフランジ部11に形成されている。
成型痕16はイジェクトピンの直径に対応する大きさで形成されるが、この成型痕16をフランジ部11に形成し、筒状部13のZ1側に向く先端部に形成しないことで、筒状部13を過剰な肉厚に形成することを避けることができ、筒状部13を最適な肉厚寸法で形成できるようになる。その結果、中心穴13aの内径寸法を比較的大きくしても、筒状部13の外形寸法を過剰に大きくする必要がなくなり、口径が大きなレンズを装備することができ、しかもレンズ駆動装置1を小型に構成できる。また、筒状部13の肉厚寸法を適切に設定することで、筒状部13を成形するときの樹脂材料の固化によるヒケの現象を抑制することができ、筒状部13の寸法精度を高く維持することができる。
図5の底面図に示すように、レンズ保持部材10のZ2方向に向く底面の2か所に、突起19a,19bが一体に形成されている。突起19a,19bはZ2方向に向けて突出している。Y1側に位置する突起19aは、コイル40を形成する導線41の巻き始端41aを固定する巻き付け突起であり、Y2側に位置する突起19bは、導線41の巻き終端41bを固定する巻き付け突起である。コイル40を形成するための導線41は被覆導線であり、導電性の金属線である銅線と、銅線を被覆する絶縁性の被覆層とを有している。被覆層は銅線を被覆するポリウレタン樹脂などの絶縁層と、その表面のポリアミド樹脂などの融着層の二層構造である。
導線41の巻き始端41aで被覆層が除去されて、巻き始端41aが、図5に示すY1側の突起19aに巻き付けられる。突起19aから延びる導線41は、フランジ部11のY1側の欠損部11bを通過して、フランジ部11の上に導かれ、フランジ部11と規制突部12との間で、導線41がコイル巻き付け面14に複数ターン巻き付けられる。導線41の巻き付け工程で、熱風が与えられるなどして導線41が加熱され、融着層の溶融によって絶縁層どうしが融着接合されてコイル40が形成される。コイル40を巻き終わった導線41は、フランジ部11のY2側の欠損部11bを通過させてレンズ保持部材10の下面側へ引き出される。導線41の巻き終端41bは、被覆層が除去されて、図5に示すY2側のレンズ保持部材10の突起19bに巻き付けられる。
図5に示すように、レンズ保持部材10のZ2方向に向く下面のばね固定部10b,10bに形成された突起10c,10dが、下部板ばね20の可動側支持部22に形成された対応する取付け穴22aに挿通され、突起10c,10dの先端部が熱かしめされて固定される。Y1側の突起19aに巻かれている導線41の巻き始端41aは、Y1側の下部板ばね20の可動側支持部22とほぼ接触する状態となり、巻き始端41aと可動側支持部22とが半田付けされる。Y2側の突起19bに巻かれている導線41の巻き終端41bと、Y2側の下部板ばね20の可動側支持部22も互いに接触した状態となって半田付けされる。その結果、一方の下部板ばね20が導線41の巻き始端41aに導通し、他方の下部板ばね20が巻き終端41bに導通される。
図2と図3に示すように、レンズ保持部材10のコイル巻き付け面14に導線41が巻かれてコイル40が形成されると、規制突部12が存在していない部分で、レンズ保持部材10の逃げ外側面15と、コイル40との間に隙間(i)が形成される。隙間(i)は、レンズ保持部材10(筒状部13)の外側部の4か所に形成される。図6に示すように、レンズ保持部材10がケース3の内部に収納されて、レンズ保持部材10の上端部と上部板ばね30の可動側支持部32とが固定されると、ケース3の開口部3bの周囲の4か所から下向きに折り曲げられた内壁部3cが、前記隙間(i)の内部に入り込む。よって、コイル40の外側に磁石Mの着磁面Mgが対向し、コイル40の内側に対向ヨーク部である内壁部3cが対向する。また、天井部3aからZ2側(フランジ部11側)に突出した内壁部3cは、板状部(内面部)がレンズ保持部材10の筒状部13の外周面である逃げ外側面15に対向するとともに、内壁部3cの先端部3fがフランジ部11に対向する。
さらに、レンズ保持部材10の外側部にコイル40が形成された状態において、レンズ保持部材10のフランジ部11に形成された成型痕16の少なくとも一部が、逃げ外側面15とコイル40との前記隙間(i)に対向し、且つケース3の内壁部3cの先端部3fに対向する。
図3に示す支持基台2の内部には、3つに分割された金属板が埋設されており、そのうちの2つの金属板のそれぞれの一部が接続端子45として支持基台2の側方から下向きに突出している。支持基台2の上面に、接続端子45を形成する金属板の一部が露出した露出部が設けられており、この露出部と下部板ばね20の固定側支持部21とが半田付けまたは溶接されて導通させられ、2つの接続端子45が、2つの下部板ばね20に、1対1で導通させられている。よって、2つの接続端子45から、それぞれの下部板ばね20を介して、コイル40に駆動電流を通電可能となる。
なお、支持基台2に埋設されている、3つに分割された金属板のうちの前記接続端子45を構成していない1つの金属板は、支持基台2の内部でX1側およびY1側とY2側の側辺に沿うようにU字形状に形成されて埋設されている。この金属板の一部は、図1ないし図3などに示すように、支持基台2の角部に接地用端子46として外方に突出している。図6に示すように、支持基台2とケース3とが組み合わされると、接地用端子46がケース3に接合されて、ケース3が接地電位に設定される。
次に、レンズ駆動装置1の製造方法を説明する。
図8に、レンズ保持部材10を射出成型する成型方法が示されている。射出成型に使用する金型50は、例えば、筒状部13とフランジ部11を形成するためにZ1−Z2方向に分離可能に組み合わされる第1金型51および第2金型52と、中心穴13aを形成するための第3金型(入子)53と、さらに規制突部12とコイル巻き付け面14を形成するための図示しない第4金型(入子)などで構成されている。個々の金型の形状および組み合わせは、レンズ保持部材10の形状に応じて適宜設計される。また、筒状部13の中心穴13aの内周面に雌ねじ部が形成されている場合には、第3金型(入子)53の外周面に雄ねじ部が形成されるとともに、第3金型53は、回転しながらZ1−Z2方向に移動可能な構成とする。なお、規制突部12と対向する部分におけるフランジ部11は、第2金型52と第4金型(入子)とによって形成される。第1金型51には、イジェクトピン54がZ1−Z2方向へ摺動自在に装備されている。
図8に、レンズ保持部材10を射出成型する成型方法が示されている。射出成型に使用する金型50は、例えば、筒状部13とフランジ部11を形成するためにZ1−Z2方向に分離可能に組み合わされる第1金型51および第2金型52と、中心穴13aを形成するための第3金型(入子)53と、さらに規制突部12とコイル巻き付け面14を形成するための図示しない第4金型(入子)などで構成されている。個々の金型の形状および組み合わせは、レンズ保持部材10の形状に応じて適宜設計される。また、筒状部13の中心穴13aの内周面に雌ねじ部が形成されている場合には、第3金型(入子)53の外周面に雄ねじ部が形成されるとともに、第3金型53は、回転しながらZ1−Z2方向に移動可能な構成とする。なお、規制突部12と対向する部分におけるフランジ部11は、第2金型52と第4金型(入子)とによって形成される。第1金型51には、イジェクトピン54がZ1−Z2方向へ摺動自在に装備されている。
射出成型工程では、金型50のキャビティ内に溶融された合成樹脂材料が射出された後に、金型を冷却することでレンズ保持部材10が成型される。その後、それぞれの金型を分離し、イジェクトピン54によって成形後のレンズ保持部材10がZ2方向へ押されて、レンズ保持部材10が第1金型51から分離される。フランジ部11のZ1側に向く表面11aには、イジェクトピン54の先端部の形状に倣う成型痕16または圧痕が形成される。また、キャビティに注入された溶融樹脂が、第1金型51とイジェクトピン54との隙間に入り込むことがあり、成型痕16の周囲に小さなバリ16aが残ることがある。
成形後のレンズ保持部材10を、フランジ部11の表面11aの複数箇所において、イジェクトピン54で押すことで、レンズ保持部材10に対して、第1金型51から分離するための力Fをバランスよく与えることができる。また、イジェクトピン54でフランジ部11を押すようにし、筒状部13のZ1側の先端部がイジェクトピン54で押されることがないため、筒状部13の肉厚を薄く、最適な寸法に成型することができる。
レンズ駆動装置1の組立工程では、支持部材6と上部板ばね30とケース3を順に重ね、支持部材6の挟持部6aからZ2方向へ突出する突部7を、上部板ばね30に形成された第2貫通部34a,34bに挿通させ、天井部3aに形成された第1貫通部4a,4bに挿通させる。ケース3の内部で、加熱した治具をそれぞれの突部7のZ2方向に向く先端部に当て、突部7の先端部を加熱してかしめ変形部を形成し、支持部材6と上部板ばね30およびケース3の天井部3aを、熱かしめ固定する。かしめ変形部を形成する際に、支持部材6のZ1方向に向く外面から突部7のZ2方向に向く先端部までの高さ寸法を調節することで、後に組み込まれる磁石Mのケース3内での高さ位置を高精度に設定できるようになる。
磁石Mの組み込み工程では、Z1方向(天井部3a)が重力方向となるように配置したケース3の内面と磁石Mとの間に流動性を有する熱硬化性の接着剤を介在させる。ケース3の内面に接着剤を塗布してから磁石Mをケース3の内面に磁気吸着させ、それぞれの磁石Mをケース3の内面に沿ってZ1方向へ摺動させ、磁石MのZ1方向に向く上面Mbを、突部7のZ2側に向く先端部に突き当てて、それぞれの磁石Mを位置決めする。このとき、接着剤は、重力の力と、さらに磁石MをZ1方向へ押す力によって、その一部が、第1貫通部4a,4bと、支持部材6から延びる突部7の外周面との隙間に浸入し、さらに、天井部3aの外面と上部板ばね30の取付け部31aとの間に毛細管現象で浸透する。その後の加熱工程で、熱硬化性の接着剤を硬化させることで、ケース3と磁石Mとが接着固定されるとともに、ケース3の天井部3aと上部板ばね30の取付け部31aとが接着固定され、上部板ばね30の取付け部31aと支持部材6も接着固定される。
ケース3に上部板ばね30と支持部材6および磁石Mが固定された後に、ケース3の内部にレンズ保持部材10を組み込む。図2に示すように、周囲にコイル40が巻かれたレンズ保持部材10は、支持基台2上に下部板ばね20を介して固定しておく。支持基台2と下部板ばね20とレンズ保持部材10およびコイル40が組み立てられた組立体を、ケース3の内部に挿入し、レンズ保持部材10のZ1側の上部に形成されたばね固定部10aを、上部板ばね30の可動側支持部32に接着剤で固定する。また、支持基台2とケース3も接着剤あるいは溶接によって固定する。
次に、上記構造のレンズ駆動装置1およびこれを使用したカメラモジュールの動作を説明する。
図6に示すように、コイル40に駆動電流が与えられていないときは、弾性支持部材である下部板ばね20と上部板ばね30で支持されているレンズ保持部材10がZ2方向へ移動した位置で安定している。このとき、レンズ保持部材10の下面側の一部と支持基台2の一部とが当接している。また、フランジ部11のZ1方向に向く表面11aは、ケース3の内壁部3cのZ2方向に向く先端部3fから距離Hだけ離れて対向している。支持基台2から突出する接続端子45,45に駆動電流が与えられると、駆動電流は、一対の下部板ばね20,20を介して、導線41の巻き始端41aと巻き終端41bとの間を流れる。コイル40に流れる電流と、磁石Mから発生する磁界とによる電磁力で、レンズ保持部材10が光軸方向(Z1方向)へ駆動される。このレンズ保持部材10の動作によって、レンズ保持部材10に保持されたレンズ体で撮像素子に結像される像の焦点が合わせられる。
図6に示すように、コイル40に駆動電流が与えられていないときは、弾性支持部材である下部板ばね20と上部板ばね30で支持されているレンズ保持部材10がZ2方向へ移動した位置で安定している。このとき、レンズ保持部材10の下面側の一部と支持基台2の一部とが当接している。また、フランジ部11のZ1方向に向く表面11aは、ケース3の内壁部3cのZ2方向に向く先端部3fから距離Hだけ離れて対向している。支持基台2から突出する接続端子45,45に駆動電流が与えられると、駆動電流は、一対の下部板ばね20,20を介して、導線41の巻き始端41aと巻き終端41bとの間を流れる。コイル40に流れる電流と、磁石Mから発生する磁界とによる電磁力で、レンズ保持部材10が光軸方向(Z1方向)へ駆動される。このレンズ保持部材10の動作によって、レンズ保持部材10に保持されたレンズ体で撮像素子に結像される像の焦点が合わせられる。
図6に示す構造のレンズ駆動装置1において、コイル40に与えられる駆動電流に重畳するノイズなどの影響で、レンズ保持部材10がZ1方向へ大きく移動し、あるいは、落下等にともなう強い外部衝撃の加速度で、レンズ保持部材10がZ1方向へ大きく移動すると、フランジ部11の表面11aが、内壁部3cの先端部3fに当たる。内壁部3cの先端部3fをストッパ部として機能させることで、レンズ保持部材10がZ1方向へ過剰に動くのを規制し、弾性支持部材である下部板ばね20と上部板ばね30が必要以上に変形するのを規制できる。
レンズ保持部材10のフランジ部11の表面11aでは、逃げ外側面15の外側に、イジェクトピン54による成型痕16(または圧痕)が形成されている。レンズ保持部材10の小型化のためにはフランジ部11の外方への突出幅寸法は小さいことが好ましく、さらに、イジェクトピン54とフランジ部11との当接面積はなるべく大きいことが好ましい。この条件を満足させると、フランジ部11の幅寸法に対して成型痕16の直径が大きくなり、成型痕16の一部が、ケース3の内壁部3cの先端部3fに対向することになる。
したがって、レンズ保持部材10がZ1方向へ大きく移動すると、成型痕16が内壁部3cの先端部3fに当たることになるが、このとき、図8に示すように、成型痕16の周囲にバリ16aが形成されていると、先端部3fとの当接でバリ16aが剥がれてケース3内の可動部内に落下するおそれがある。
そこで、実施の形態のレンズ駆動装置1では、図7などに示すように、ケース3の内壁部3cの先端部3fにフランジ部11から離れる方向へ窪む凹部3gが形成されている。レンズ保持部材10のフランジ部11が先端部3fに当たることがあっても、凹部3gが成型痕16に離間して対向することで、先端部3fが成型痕16に直接に当たらなくなる。そのため、フランジ部11の表面11aからバリ16aが分離されるのを防止することができる。図7に示すように、内壁部3cの先端部3fでは、凹部3gが内壁部3cの幅寸法Wの中央部に形成されているため、レンズ保持部材10がZ1方向へ大きく移動したときに、凹部3gの両側に位置する先端部3fが、フランジ部11の成型痕16を挟んだ両側に当接することになり、フランジ部11の表面11aと先端部3fとが安定して当接し、先端部3fがストッパ部として機能できるようになる。言うまでもないが、凹部3gの幅寸法は、凹部3gが対向する部分における成型痕16の幅寸法よりも大きく形成されている。
なお、前記実施の形態では、フランジ部11に形成される成型痕16の数を4つとしたが、それ以外の個数でも構わない。また、成型痕16の形状も円形に限定されず、楕円形状や他の形状であっても構わない。
なお、前記実施の形態は、図5に示すように、コイル40を構成する導線41の巻き始端41aと巻き終端41bが、レンズ保持部材10の下面の突起19a,19bに巻き付けられ、この巻き付けられた部分とそれぞれの下部板ばね20とが半田付けされて導通されている。ただし、本発明は、コイル40から延びる導線41の巻き始端41aと巻き終端41bとが、直接にそれぞれの下部板ばね20に半田付けされて接続されている構造であってもよい。
なお、前記実施の形態は、図5に示すように、コイル40を構成する導線41の巻き始端41aと巻き終端41bが、レンズ保持部材10の下面の突起19a,19bに巻き付けられ、この巻き付けられた部分とそれぞれの下部板ばね20とが半田付けされて導通されている。ただし、本発明は、コイル40から延びる導線41の巻き始端41aと巻き終端41bとが、直接にそれぞれの下部板ばね20に半田付けされて接続されている構造であってもよい。
また、前記実施の形態においては、レンズ保持部材であるレンズ保持部材10を光軸方向のみに駆動して自動焦点合わせを行うレンズ駆動装置について説明したが、本発明はこれに限られない。例えば、自動焦点合わせを行う可動ユニットを光軸方向と交差方向へ駆動していわゆる手振れ補正を行うことが可能なレンズ駆動装置に本発明を適用することができる。この場合には、一般的に、上部板ばねが2つに分割されており、コイル40の導線41の巻き始端41aと巻き終端41bとが、それぞれの上部板ばねに半田や導電性接着剤で接合される。
1 レンズ駆動装置
2 支持基台
3 ケース
3a 天井部
3b 開口部
3c 内壁部
3f 先端部
3g 凹部
4a,4b 第1貫通部
6 支持部材
6a 挟持部
6c 窪み部
7 突部
10 レンズ保持部材
10a,10b ばね固定部
11 フランジ部
12 規制突部
13 筒状部
14 コイル巻き付け面
20 下部板ばね
30 上部板ばね
31 固定側支持部
32 可動側支持部
33 弾性腕部
34a,34b 第2貫通部
35 連結部
40 コイル
41 導線
M 磁石
Mg 着磁面
O 光軸
2 支持基台
3 ケース
3a 天井部
3b 開口部
3c 内壁部
3f 先端部
3g 凹部
4a,4b 第1貫通部
6 支持部材
6a 挟持部
6c 窪み部
7 突部
10 レンズ保持部材
10a,10b ばね固定部
11 フランジ部
12 規制突部
13 筒状部
14 コイル巻き付け面
20 下部板ばね
30 上部板ばね
31 固定側支持部
32 可動側支持部
33 弾性腕部
34a,34b 第2貫通部
35 連結部
40 コイル
41 導線
M 磁石
Mg 着磁面
O 光軸
Claims (14)
- 天井部に開口部が形成されたケースと、少なくとも一部が前記ケースの内側に位置してレンズ体を搭載可能なレンズ保持部材と、前記レンズ保持部材を前記レンズ体の光軸方向へ移動自在に支持する弾性支持部材と、前記レンズ保持部材に形成された筒状部の外側部に配置されたコイルと、前記ケース内に設けられて前記コイルに対向する磁石と、を有するレンズ駆動装置において、
前記レンズ保持部材の筒状部の外側部に、前記光軸を中心とする周回方向に沿うように延びるフランジ部が設けられ、前記フランジ部が、前記コイルと前記光軸方向で対向しており、
前記フランジ部の前記コイルに向く表面に、前記レンズ保持部材を合成樹脂材料で射出成型したときのイジェクトピンの成型痕が形成されていることを特徴とするレンズ駆動装置。 - 前記フランジ部は、光軸方向における前記レンズ保持部材の一端部に形成されている請求項1記載のレンズ駆動装置。
- 前記ケースの内部に、先端部が前記フランジ部に対向する内壁部が設けられ、前記内壁部の前記フランジ部に向く先端部に、前記成型痕に対向する凹部が形成されている請求項1または2に記載のレンズ駆動装置。
- 前記凹部は、前記内壁部の幅方向の中間部に形成されている請求項3記載のレンズ駆動装置。
- 前記フランジ部が前記内壁部の先端部に当たって、前記レンズ保持部材の前記光軸方向の移動が規制される請求項3または4記載のレンズ駆動装置。
- 前記ケースが磁性材料で形成されて、前記内壁部が対向ヨーク部として機能しており、
前記内壁部が、前記レンズ保持部材の筒状部と前記コイルとの間の隙間内に位置し、前記ケースの内部に固定された磁石が、前記コイルの外側に対向し、
前記成型痕は、前記レンズ保持部材の筒状部と前記コイルとの前記隙間内に対向する位置に形成されている請求項3ないし5のいずれかに記載のレンズ駆動装置。 - 前記成型痕は、前記フランジ部の複数個所に形成されている請求項1ないし6のいずれかに記載のレンズ駆動装置。
- 前記請求項1ないし7のいずれかに記載のレンズ駆動装置と、前記レンズ駆動装置の前記レンズ保持部材に保持されたレンズ体と、前記レンズ体に対向する撮像素子と、を有することを特徴とするカメラモジュール。
- 天井部に開口部が形成されたケースと、少なくとも一部が前記ケースの内側に位置してレンズ体を搭載可能なレンズ保持部材と、前記レンズ保持部材を前記レンズ体の光軸方向へ移動自在に支持する弾性支持部材と、前記レンズ保持部材に形成された筒状部の外側部に配置されたコイルと、前記ケース内に設けられて前記コイルに対向する磁石と、を有するレンズ駆動装置の製造方法において、
金型内に合成樹脂材料を射出して前記筒状部を有する前記レンズ保持部材を成型し、前記レンズ保持部材の筒状部の外側部に、前記光軸を中心とする周回方向に沿うように延びるフランジ部を形成し、
前記フランジ部の前記光軸方向に向く表面をイジェクトピンで押し、成型後の前記レンズ保持部材を前記金型から離脱させて、前記フランジ部の表面に、前記イジェクトピンによる成型痕を形成し、
前記レンズ保持部材の筒状部の外側部に、前記フランジ部に対向する前記コイルを装備させることを特徴とするレンズ駆動装置の製造方法。 - 前記フランジ部は、光軸方向における前記レンズ保持部材の一端部に形成する請求項9記載のレンズ駆動装置の製造方法。
- 前記ケースの内部に、先端部が前記フランジ部に対向する内壁部を設け、前記内壁部の前記フランジ部に向く先端部に、前記成型痕に対向する凹部を形成する請求項9または10に記載のレンズ駆動装置の製造方法。
- 前記凹部を、前記内壁部の幅方向の中間部に形成する請求項11記載のレンズ駆動装置の製造方法。
- 前記ケースを磁性材料で形成して、前記内壁部を対向ヨーク部とし、
前記ケース内に前記レンズ保持部材を組み込む際に、前記内壁部を、前記レンズ保持部材の筒状部と前記コイルとの間の隙間内に入り込ませ、前記ケースの内部に固定された磁石を、前記コイルの外側に対向させ、
前記成型痕を、前記レンズ保持部材の筒状部と前記コイルとの前記隙間内に位置する前記内壁部に対向させる請求項11または12に記載のレンズ駆動装置の製造方法。 - 前記成型痕を、前記フランジ部の複数個所に形成する請求項9ないし13のいずれかに記載のレンズ駆動装置の製造方法。
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