JP2020079005A - 車体前部構造 - Google Patents
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Abstract
Description
そして、ラジエータはラジエータブラケットを介してアッパーバーの下方に配置されている。
また、車両の操縦安定性を高めるためには車体前部の剛性を高めることが望ましい。
本発明は上記事情に鑑み案出されたものであって、その目的は、部品点数を増やすことなくエンジンルームで暖められた空気のラジエータの前方への回り込みを抑制でき、同時に車体前部の剛性を高める上で有利な車体前部構造を提供することにある。
また、延設部は、アッパーバーに設けられているため、エンジンルームの空気の回り込みを防止するための専用の部材を設ける必要がなく、部品点数の低減によりコストダウンを図る上で有利となり、車体の軽量化を図る上で有利となる。
また、アッパーバーに延設部を設けることで、アッパーバーの剛性を高めることができるとともに、アッパーバーサイドとヘッドランプサポートに結合されたロア部材に延設部を設けるため車体前部に入力された曲げや捩れ変形の荷重を効率よく伝達することができることで車体前部全体の剛性が高められ、車体のねじれを抑制し車両の操縦安定性の向上を図る上で有利となる。
以下の図面において符号UPは車両上方を示し、符号FRは車両前方を示し、符号LHは車幅方向左側を示す。なお、車両の左右は車両の後方から前方を見ていうものとする。
図1に示すように、車体10の前部で車幅方向の両側部には、車体骨格部材として、一対のフロントサイドメンバ12と、一対のヘッドランプサポート14と、一対のアッパーフレーム16と、一対のアッパーバーサイド18とが位置している。
一対のフロントサイドメンバ12は、車幅方向に間隔をおいて車体10の前後方向に延設されている。
一対のアッパーフレーム16は、一対のフロントサイドメンバ12の上方で車体10の前後方向に延設され、一対のアッパーフレーム16の後端はストラットタワー20を介してカウルトップ22に連結されている。
一対のヘッドランプサポート14は、一対のフロントサイドメンバ12の前端からそれぞれ上方に立設されている。
一対のアッパーバーサイド18は、車体10の前後方向に延設され、一対のヘッドランプサポート14の上端と一対のアッパーフレーム16の前端とをそれぞれ連結している。
フロントエンドクロスメンバ24は、車幅方向に延設され、両側のフロントサイドメンバ12の前部下部間を連結している。
バンパビーム26は、フロントエンドクロスメンバ24の上方で車幅方向に延設され、両側のフロントサイドメンバ12の前端間を連結している。
アッパーバー28は、ラジエータ30の上方箇所で車幅方向に延設され、一対のヘッドランプサポート14の上端間および一対のアッパーバーサイド18の前端間を連結している。
アッパー部材32は、上方に向けられたアッパー上面部3202と、アッパー上面部3202の前端から下方に延設されたアッパー前面部3204と、アッパー上面部3202の後端から下方に延設されたアッパー後面部3206とを有している。
ロア部材34は、上方に向けられたロア上面部3402と、ロア上面部3402の前端から下方に延設されたロア前面部3404と、ロア上面部3402の後端所から下方に延設されたロア後面部3406とを有している。
また、アッパーバーサイド18の前端の上面部1802と前面部1804と後面部1806の上に、アッパーバー28のロア部材34の車幅方向の端部のロア上面部3402とロア前面部3404とロア後面部3406とが被せられ、アッパーバーサイド18の上面部1802と前面部1804と後面部1806と、ロア部材34のロア上面部3402とロア前面部3404とロア後面部3406とが重ねられる。
そして、このようにヘッドランプサポート14の上端とアッパーバーサイド18の前端とロア部材34の車幅方向の端部とが重ねられた状態でボルト36A、36B、36C、ナット38A、38B、38Cにより締結されている。
アッパーバー側フランジ3410は第1フランジ部3410Aと第2フランジ部3410Bとを有している。
第1フランジ部3410Aは、アッパーバーサイド18の前面部1804のアッパーバーサイド側フランジ1808に連続して車幅方向に延設されている。
第2フランジ部3410Bは、第1フランジ部3410Aの車幅方向内側の端部に接続されロア部材34の車幅方向両端から下方に延在するヘッドランプサポート14に沿って下方に延設されている。
なお、図8、図9に示すように、第1フランジ部3410Aはロア後面部3406の車幅方向両端の箇所にも設けられている。
このようにロア前面部3404の車幅方向両端に第1フランジ部3410Aと第2フランジ部3410Bとを設けることで、アッパーバーサイド18およびフロントヘッドランプサポート14との結合箇所における剛性が高められている。
図6(B)に示すように、延設部3420の下端は、ラジエータ30の上面の近傍の箇所に位置している。すなわち、延設部3420は、アッパー部材32の前面部3204の下端より下方かつラジエータ30の上部近傍まで延設している。
図2、図3に示すように、アッパー部材32およびロア部材34の車幅方向の中央部にフードラッチ機構を設けるための開口部28Aが設けられている。
すなわち、開口部28Aは、アッパー部材32及びロア部材34の車幅方向の中央部の上面部(アッパー上面部3202、ロア上面部3402)から前面部(アッパー前面部3204、ロア前面部3404)にかけて設けられている。
なお、アッパーバー28の開口部28Aには、フードラッチ機構を取り付けるためのリンフォース(補強部材)が設けられるので、開口部28Aによってアッパーバー28の剛性が低下することはない。
本実施の形態では、第1ビード部3430と第2ビード部3432とは段差により形成されている。
図2、図3(B)に示すように、延設部3420の車幅方向両側には、後述するラジエータブラケット40の起立面部4004を車体10前方に向けて露出させる下方に開放状の切り欠き3440が設けられている。
なお、図1、図2において符号3442は、エンジンを冷却した冷却水が供給されるラジエータ30のアッパーホース取り付け部3002との干渉を防止するための切り欠きを示している。
また、図4に示すように、上述の第2フランジ部3410Bは、延設部3420の車幅方向の両端に設けられている。
図10、図11に示すように、ラジエータブラケット40は、取り付け孔4008が設けられた底面部4002と、底面部4002の後端部から起立する起立面部4004と、起立面部4004の上端から屈曲された上面部4006とを有している。
底面部4002には屈曲片4010が設けられ、起立面部4004の両側には溶接用の取り付け片4012が設けられ、上面部4006の両側と先端には溶接用の取り付け片4014、4016が設けられている。
上面部4006の両側の取り付け片4014は、ロア後面部3406の車体10前側に位置する前面3406Aに溶接により取り付けられている。
上面部4006の先端の取り付け片4016は、ロア後面部3406の下端に設けられたフランジ3406Bに下方から重ねられ溶接により取り付けられている。
また、底面部4002の取り付け孔4008に挿通されたボルトがラジエータ30の上部に締結されている。
なお、ラジエータ30の下部は、取り付けブラケットを介して車体骨格部材を構成する部材に取着されている。
このようにラジエータブラケット40を介してラジエータ30が取り付けられた状態で、図1、図2に示すように、起立面部4004は、切り欠き3404を介し車体10前方に露出している。
本実施の形態では、アッパーバー28のロア前面部3404は、アッパー前面部3204の下端より下方かつラジエータ30の上部近傍まで延設した延設部3420を有するため、図6(B)に示すように、延設部3420の下端とラジエータ30の上面との間の隙間Sを小さい寸法とすることができる。
そのため、エンジンルームで暖められた空気が、アッパーバー28とラジエータ30上面との間の隙間Sを介してラジエータ30の前方に回り込むことを抑制することができ、ラジエータ30の冷却効率の向上を図る上で有利となる。
また、延設部3420は、アッパーバー28に設けられているため、エンジンルームの空気の回り込みを防止するための専用の部材を設ける必要がなく、部品点数の低減によりコストダウンを図る上で有利となり、車体10の軽量化を図る上で有利となる。
また、アッパーバー28に延設部3420を設けることで、アッパーバー28の剛性を高めることができるとともに、アッパーバーサイド18とヘッドランプサポート14に結合されたロア部材34に延設部3420を設けるため車体前部に入力された曲げや捩れ変形の荷重を効率よく伝達することができることで車体前部全体の剛性が高められ、車体10のねじれを抑制し車両の操縦安定性の向上を図る上で有利となる。
したがって、延設部3420の面剛性を高めることができるとともに、アッパーバー28、アッパーバーサイド18およびフロントヘッドランプサポート14との結合箇所における剛性を高める上で有利となり、車体前部全体の剛性が高められ、車体10のねじれを抑制し、車両の操縦安定性の向上を図る上でより有利となる。
したがって、第1ビード部3430および第2ビード部3432により延設部3420の剛性を高める上で有利となり、車体前部構造の剛性が高められ、車体10のねじれを抑制し、車両の操縦安定性の向上を図る上でより有利となる。
また、本実施の形態では、ラジエータブラケット40をロア部材34の前面部3404に溶接で取着する場合について説明したが、ラジエータブラケット40をロア部材34にボルト締結するなど従来公知の様々な取り付け構造が使用可能である。
14 ヘッドランプサポート
18 アッパーバーサイド
1808 アッパーバーサイド側フランジ
28 アッパーバー
28A 開口部
30 ラジエータ
32 アッパー部材
3204 アッパー前面部(アッパー部材の前面部)
34 ロア部材
3404 ロア前面部(ロア部材の前面部)
3404A 背面
3410アッパーバー側フランジ
3410A 第1フランジ部
3410B 第2フランジ部
3420 延設部
3430 第1ビード部
3432 第2ビード部
3440 切り欠き
40 ラジエータブラケット
Claims (4)
- 車体前部で車幅方向に延設されアッパー部材とロア部材とで構成されるアッパーバーと、
前記ロア部材の車幅方向両端にそれぞれ結合され前記ロア部材の車幅方向両端からそれぞれ車体後方へ延設された一対のアッパーバーサイドと、
前記ロア部材の車幅方向両端にそれぞれ結合され前記ロア部材の車幅方向両端からそれぞれ下方に向けて延設された一対のヘッドランプサポートと、
前記ロア部材に取着され前記アッパーバーの下方に設けられるラジエータの上部を支持するラジエータブラケットと、
を備える車体前部構造であって、
前記ロア部材の前面部は、前記アッパー部材の前面部の下端より下方かつ前記ラジエータの上部近傍まで延設した延設部を有する、
ことを特徴とする車体前部構造。 - 前記ロア部材の延設部の車幅方向両端にはアッパーバー側フランジが設けられ、
前記アッパーバー側フランジは、前記アッパーバーサイドの前面部のアッパーバーサイド側フランジに連続して車幅方向に延設された第1フランジ部と、前記第1フランジ部に接続され前記ヘッドランプサポートに沿って下方に延設された第2フランジ部とを有している、
ことを特徴とする請求項1記載の車体前部構造。 - 前記ラジエータブラケットは、前記ラジエータの上部を支持する底面部と、前記底面部の後端部から上方に起立し取り付け片を介して前記延設部の背面に取着される起立面部を少なくとも有し、
前記延設部には、前記ラジエータブラケットの前記起立面部を前方に向けて露出させる下方に開放状の切り欠きが設けられている、
ことを特徴とする請求項1または2記載の車両前部構造。 - 前記アッパーバーは、前記アッパー部材及び前記ロア部材の車幅方向の中央部の上面部から前面部にかけてフードラッチ機構を設けるための開口部を有し、
前記延設部は、前記開口部の車幅方向両側で車幅方向に延設された第1ビード部と、前記開口部よりも下方で車幅方向に延設された第2ビード部とを有する、
ことを特徴とする請求項1から3の何れか1項記載の車体前部構造。
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