JP2020077959A - 画像読取装置、画像読取方法およびプログラム - Google Patents

画像読取装置、画像読取方法およびプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】 原稿の搬送方向に対する方向および該方向に直交する方向の読取解像度にかかわらず、原稿の斜行量に応じて原稿画像を精度よく補正可能な画像読取装置、画像読取方法およびプログラムを提供する。【解決手段】 原稿を搬送する搬送手段と、搬送手段によって搬送されている原稿を読取る読取手段と、読み取られた原稿の画像データから原稿の斜行量を決定する決定手段と、斜行量と、画像データの、原稿を搬送する搬送方向に対応する第1方向の解像度および前記第1方向に直交する第2方向の解像度とに基づき、画像データに対して斜行補正を行う斜行補正手段と、を有する。【選択図】 図3

Description

本発明は、原稿の画像(以下、「原稿画像」という。)を読取るスキャナ等の画像読取装置、画像読取方法およびプログラムに関する。
画像読取装置は、例えば、複写機や複合機等の画像形成装置に設けられ、複写やファクシミリ送信の際の原稿画像の読取りに用いられる。また、画像読取装置は、パーソナルコンピュータ等の情報処理装置に接続されて、スキャナとして用いられることもある。画像読取装置は、複数枚の原稿を1枚ずつ連続して読取る場合があり、ADF(Automatic Document Feeder)と呼ばれる原稿搬送装置を備える。画像読取装置は、原稿搬送装置により原稿を連続して取り込むことで、効率的に原稿画像の読取りを行うことができる。
画像読取装置は、画像読取ユニットにより原稿画像を読取る。画像読取ユニットは、原稿に光を照射する発光部と、原稿により反射された反射光を受光する受光部とを備える。受光部が受光した反射光に基づいて、画像読取装置は原稿画像を読取る。画像読取装置は、原稿の搬送経路を挟むように2つの画像読取ユニットを備える構成が知られている。2つの画像読取ユニットを備える場合、原稿読取装置は、搬送中の原稿の2面(表面及び裏面)の画像を、原稿の一度の搬送により読取ることができる。
通常、画像読取ユニットの発光部は、複数の発光素子が直線状に並んで構成される。受光部は、複数の発光素子の並びに並行して複数の受光素子が直線状に並んで構成される。複数の発光素子及び複数の受光素子が直線状に並ぶため、画像読取ユニットは、原稿の搬送方向(副走査方向)に直交する方向を主走査方向として、1ラインずつ順に原稿画像を読取ることができる。このような構成では、画像読取ユニットの画像読取装置への取り付け精度が原稿画像の読取品質に影響する。例えば、発光素子及び受光素子の並びが走査方向に対して傾斜する場合がある。この場合、画像読取ユニットは、受光素子の傾きに応じて原稿を走査するために、斜行した原稿画像を読取ることになり、長方形の原稿であっても読取られた原稿画像は平行四辺形となる。
特許文献1は、画像読取ユニット(光デバイス素子)により原稿位置決め用の基準スケール近辺に配置されたパタンを読取り、読取った結果に基づいて原稿画像をシフトすることでスキューを補正する画像読取装置を開示する。特許文献2は、筐体内部に設けられた基準パタンの読取り結果に基づいて画像読取ユニットの傾きを検出する画像読取装置を開示する。画像読取装置は、画像読取ユニットが読取った原稿画像を画像読取ユニットの斜行に応じて補正する。このように特許文献1、2の画像読取装置では、基準パタンに基づいて画像読取ユニットの斜行量を検出し、検出結果に応じて原稿画像の斜行量(傾き)を補正する。特許文献3は、搬送される原稿の斜行量を検出して、読取った原稿画像を、検出した原稿の斜行量に応じて補正する画像読取装置を開示する。
特開2004−56524号公報 特開2010−93760号公報 特開2010−118911号公報
特許文献1、2の画像読取装置は、基準パタンに基づいて画像読取ユニットの斜行量を検出するが、基準パタン自体が傾く場合には正確な画像読取ユニットの斜行量が検出できない。また、基準パタンを読取るために画像読取ユニットを駆動する必要があり、画像読取ユニットの読取り動作による基準パタンの検出精度も画像読取ユニットの正確な斜行量の検出に影響する。特許文献3の画像読取装置は、搬送される原稿の斜行量を検出することはできるが、画像読取ユニットの斜行量については考慮されていない。そのため、市場において確実に画像読取ユニットの斜行量を検出する技術が求められている。
また、画像読取ユニットにて原稿を読取る際に生産性確保を目的として、主走査方向と副走査方向を異なる読取解像度とする場合がある。例えば、主走査方向の読取解像度を600dpiとし、原稿の搬送速度を速くして副走査方向の読取解像度を300dpiとする場合(読取解像度:600dpi×300dpi)がある。また、画像読取ユニットの読取走査速度を速くして主走査方向の読取解像度を300dpiとし、副走査方向の読取解像度を600dpiとする場合(読取解像度:300dpi×600dpi)がある。その際に、原稿が斜行して読取られると長方形の原稿でも主走査方向と副走査方向の傾斜が異なり、原稿画像は平行四辺形となる。特許文献1、2、3の画像読取装置は、このような主走査方向と副走査方向の読取解像度が異なり、読取り原稿が斜行して搬送された場合ついて考慮されていないため、正しい斜行量の検出及び補正が出来ない。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものである。
本発明の目的は、原稿の搬送方向に対する方向および該方向に直交する方向の読取解像度にかかわらず、原稿の斜行量に応じて原稿画像を精度よく補正することができるようにすることである。
上記目的を達成する本発明の画像読取装置は以下の構成を備える。
本発明の画像読取装置は、原稿を搬送する搬送手段と、前記搬送手段によって搬送されている原稿を読取る読取手段と、前記読み取られた原稿の画像データから前記原稿の斜行量である第1斜行量を決定する決定手段と、前記第1斜行量と、前記画像データの、前記原稿を搬送する搬送方向に対応する第1方向の解像度および前記第1方向に直交する第2方向の解像度とに基づき、前記画像データに対して斜行補正を行う斜行補正手段とを備えることを特徴とする。
本発明によれば、原稿の搬送方向に対する方向および該方向に直交する方向の読取解像度にかかわらず、原稿の斜行量に応じて原稿画像を精度よく補正することができる。
実施形態による画像読取装置の構成図。 画像読取ユニットの構成図。 コントローラの構成図。 エッジ情報取得部の詳細な構成図。 エッジ検出処理及び主走査エッジ位置の検出処理の説明図。 (a)〜(c)はエッジ検出処理及び主走査エッジ位置の検出処理の説明図。 原稿の影の画像と原稿の搬送方向先端のエッジ画像との関係の説明図。 有効データ範囲の説明図。 原稿の搬送状態及び読取った原稿画像の対応を表す図。 テスト原稿の例示図。 主走査方向と副走査方向の解像度の違いによる原稿画像。 基準位置算出処理の説明図。 基準位置算出処理を表すフローチャート。 アフィン変換による一連の処理の説明図。 画像処理装置のフローチャート。
以下、本発明を実施するための形態について図面を用いて例示的に詳しく説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成要素はあくまで例示であり、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
以下の実施形態においては、画像読取装置の一例として、複写機やプリンタのようにコピー機能を有する画像形成装置に本発明を適用した例について説明する。
図1は、本発明の実施形態による原稿搬送機構を搭載する画像読取装置の構成図である。画像読取装置100は、原稿トレイ101、原稿搬送モータ105、画像読取ユニット106、及び排紙トレイ108を備える。原稿トレイ101には、1枚以上の矩形の原稿102が載置される。原稿102の搬送経路120に沿って、給紙ローラ121、搬送ローラ122、及び排出ローラ123が設けられる。給紙ローラ121、搬送ローラ122、及び排出ローラ123は、原稿搬送モータ105により駆動される。
原稿トレイ101は、原稿102の搬送方向に直交する方向に並んだ2つの原稿ガイド103を備える。本明細書では、原稿102の搬送方向に直交する方向を原稿102の幅走査方向という。2つの原稿ガイド103は、原稿102の幅方向にスライド可能であり、原稿トレイ101に載置される原稿102を挟み込んで整合する。また、原稿トレイ101には原稿積載検出用の原稿検知センサ124が設けられている。給紙ローラ121は、原稿トレイ101に載置される原稿102を1枚ずつ取り込む。搬送ローラ122は、給紙ローラ121により取り込まれた原稿102を画像読取ユニット106へ搬送する。
搬送経路120を挟んで画像読取ユニット106に対向する位置には、原稿背景板109が設けられる。画像読取ユニット106は、原稿背景板109との間に画像読取位置107を形成する。画像読取ユニット106は、搬送ローラ122により搬送された原稿102が画像読取位置107を通過する際に、原稿画像を読取る。原稿画像が読取られた原稿102は、排出ローラ123により画像読取位置107から排紙トレイ108へ排出される。
図2は、画像読取ユニット106の構成図である。画像読取ユニット106は、LED(Light Emitting Diode)光源201、レンズ202、CCD(Charge Coupled Device)ラインセンサ203、及びミラー204〜207を備える。
LED光源201は、画像読取位置107を通過する原稿102に対して光を照射する。LED光源201は、複数のLED素子(発光素子)が原稿102の幅方向に並んで構成されてもよく、また、原稿102の幅方向に移動可能に構成されてもよい。そのため画像読取ユニット106の主走査方向は、原稿102の幅方向になり、副走査方向は、原稿102の搬送方向になる。
LED光源201から原稿102に照射される光は、原稿102により反射される。原稿102による反射光は、ミラー204〜207により反射されて、レンズ202に導かれる。レンズ202は、反射光をCCDラインセンサ203の受光面に集光する。CCDラインセンサ203は、長辺が主走査方向に伸びる矩形の受光面を有する。CCDラインセンサ203は、受光面に集光された反射光を光電変換し、原稿画像を表す電気信号であるアナログ画像データを生成して出力する。
図3は、画像読取装置の動作を制御するコントローラの構成図である。コントローラ300は、画像読取装置に内蔵される。コントローラ300は、CPU(Central Processing Unit)301により画像読取装置による原稿画像の読取処理を制御する。また、コントローラ300は、A/D変換部303、シェーディング補正部304、エッジ情報取得部305、エッジ判断部306、メモリ307を備える。さらに、コントローラ300は、原稿画像の斜行補正のために、傾き式算出部308、オフセット記憶部311、基準位置算出部309、及び斜行補正部310を備える。CPU301はこれら各部303〜311の制御を行う。
コントローラ300は、原稿搬送モータ105及び画像読取ユニット106(LED光源201及びCCDラインセンサ203)に接続され、原稿搬送モータ105による原稿102の搬送制御及び画像読取ユニット106による画像読取制御を行う。コントローラ300は、CCDラインセンサ203から原稿画像を表すアナログ画像データを取得し、斜行補正等の画像処理を行って画像データを生成する。生成された画像データは、複写やファクシミリ送信、パーソナルコンピュータ等への送信に用いられる。
コントローラ300は、ボリューム抵抗器104に接続され、ボリューム抵抗器104の抵抗値を検出する。ボリューム抵抗器104は、2つの原稿ガイド103の間隔に応じて抵抗値が変化する。コントローラ300は、ボリューム抵抗器104の抵抗値により2つの原稿ガイド103の間隔を検出することができる。コントローラ300は、2つの原稿ガイド103の間隔により、原稿トレイ101に載置される原稿102の幅方向のサイズである原稿幅を検出する。
コントローラ300は操作部406に接続される。操作部406は、入力装置であり、ユーザからの画像読取処理の開始指示、原稿サイズ指定、読取モード等の指示を受け付けて、コントローラ300に送信する。また操作部406は、ディスプレイ等の出力装置を備え、コントローラ300の制御によりメッセージの表示等を行う。
CPU301は、指示された読取モードの主走査と副走査の解像度を判定する。判定結果は後述する基準位置算出部309及び斜行補正部310にて参照される。またCPU301は、画像読取装置の各部の動作を制御することで画像読取処理を行う。CPU301は、画像読取処理では、LED光源201の発光制御、原稿搬送モータ105による原稿102の搬送制御、CCDラインセンサ203により受光した反射光の光電変換等の制御を行う。CPU301は、操作部406から入力されるユーザの指示に基づいて、画像読取処理を行う。また、CPU301は、ボリューム抵抗器104の抵抗値に基づいて、原稿トレイ101に載置される原稿102の原稿幅を検出する。
A/D変換部303は、CCDラインセンサ203から入力されるアナログ画像データをデジタル画像データに変換する。シェーディング補正部304は、デジタル画像データを処理して、LED光源201の光量の不均一性やCCDラインセンサ203の画素感度の影響を補正(シェーディング補正)する。
エッジ情報取得部305は、シェーディング補正部304により補正されたデジタル画像データに基づいて、画像読取ユニット106の読取りばらつきによるランダムノイズ除去を行う。また、エッジ情報取得部305は、シェーディング補正部304により補正されたデジタル画像データに基づいて、原稿画像の主走査方向(幅走査方向)に対する斜行量(傾斜、即ち、傾斜率)を検知する。エッジ情報取得部305は、検知した斜行量をCPU301に入力する。
また、エッジ情報取得部305は、シェーディング補正部304により補正されたデジタル画像データに基づいて、原稿画像のエッジ部分を表すエッジ情報を検出して、メモリ307に格納する。なお、エッジ情報取得部305は、デジタル画像データをシェーディング補正部304から直接取得する他に、メモリ307から取得してもよい。エッジ情報取得部305の詳細については後述する。
エッジ判断部306は、原稿画像の主走査方向(幅方向)の2つのエッジ部分を左主走査エッジ位置及び右主走査エッジ位置として検出し、CPU301に入力する。また、エッジ判断部306は、エッジ情報取得部305で生成されるエッジ情報をメモリ307から取得し、CPU301から指示される原稿画像のエッジ部分を判断するための閾値である原稿エッジ判断値に基づいて、原稿画像のエッジ部分を判断する。
傾き式算出部308は、エッジ判断部306で判断された左主走査エッジ位置及び右主走査エッジ位置に基づいて、原稿画像の傾きを表す一次式を算出するための範囲を判断する。また、傾き式算出部308は、メモリ307から取得するエッジ情報により一次式を算出するための範囲のデータを取得して、斜行量、傾き方向、切片、切片向きを表す一次式を算出する。傾き式算出部308は、算出した一次式をCPU301に入力する。
基準位置算出部309は、原稿102の搬送方向前側の原稿画像の二つの角部の位置(角位置)のいずれか一方を、原稿画像の斜行補正時の基準位置としてCPU301に入力する。基準位置算出部309は、原稿102の各辺の状態劣化及び原稿102の斜行量に関わらず、原稿102の正確な角位置を算出する。そのために基準位置算出部309は、エッジ情報と一次式とに基づいて、原稿102の搬送方向前側の二つの角位置のいずれか一方を、左主走査エッジ位置又は右主走査エッジ位置に応じて主走査方向に微調整する。基準位置算出部309は、傾き式算出部308で算出された一次式と、微調整した角位置とから、斜行補正時の基準位置となる原稿102の搬送方向前部の角位置を推定する。
斜行補正部310は、斜行量、傾き方向、及び斜行補正時の基準位置に基づいてデジタル画像データの斜行補正及び位置補正を行って、画像データを生成し、生成した画像データを出力する。また、斜行補正部310は、シェーディング補正されたデジタル画像データをメモリ307に格納する。
以下にエッジ情報取得部305、エッジ判断部306、傾き式算出部308、オフセット記憶部311、基準位置算出部309、及び斜行補正部310の詳細について説明する。
(エッジ情報取得部)
図4は、エッジ情報取得部305の詳細な構成図である。エッジ情報取得部305は、入力データ選択部401、ノイズ除去部402、エッジ検出部403、主走査カウンタ404、及び副走査カウンタ405を備える。
入力データ選択部401は、CPU301からの入力データ選択指示に基づいて、シェーディング補正部304及びメモリ307の少なくとも一方から取得するデジタル画像データを、ノイズ除去部402に送信する。ノイズ除去部402は、入力データ選択部401から取得したデジタル画像データに対して画像読取ユニット106に起因するランダムノイズ成分の除去処理を行う。ランダムノイズ成分は、エッジ検出処理時に原稿画像のエッジ部分であるエッジ画像に誤検知される可能性がある。
そのためにノイズ除去部402は、エッジ検出前にノイズ成分の除去を行う。なお、ノイズ除去部402は、一般的な移動平均フィルタや、エッジ画像を保存しつつノイズ成分の除去が可能なバイラテラルフィルタ等によりノイズ除去を行うことができる。ノイズ除去部402は、ノイズ除去後のデジタル画像データをエッジ検出部403に送信する。
エッジ検出部403は、ノイズ除去後のデジタル画像データに対してエッジ検出処理を行い、原稿画像のエッジ部分を表すエッジ画像を検出する。主走査カウンタ404は、CPU301から設定された主走査方向(幅方向)のエッジ検出範囲に基づき、エッジ検出部403がエッジを検出する主走査方向における範囲を制御する。副走査カウンタ405は、CPU301から設定された副走査方向(搬送方向)のエッジ検出範囲に基づき、エッジ検出部403がエッジを検出する副走査方向における範囲を制御する。
エッジ検出部403は、主走査カウンタ404及び副走査カウンタ405により設定されたエッジ検出範囲内で、原稿画像のエッジ画像を検出する。エッジ検出部403は、検出したエッジ画像及びエッジ画像から生成される後述のエッジ情報をメモリ307に格納する。また、エッジ検出部403は、公知の一次微分、二次微分、ハフ変換等により、原稿画像のエッジ画像を検出する。
図5A、図5Bは、エッジ検出処理及び主走査方向の原稿画像のエッジ位置である主走査エッジ位置の検出処理の説明図である。図5A、図5Bの左右方向が主走査方向(幅方向)、上下方向が副走査方向(搬送方向)である。ここでは、下から上方向が搬送方向とする。なお、説明のために、図中左端の画素を1画素目、右端の画素を36画素目とする。図5Aは、原稿画像のエッジ検出範囲の説明図である。本実施形態では、主走査カウンタ404に設定される主走査方向のエッジ検出範囲Hが36画素、副走査カウンタ405に設定される副走査方向のエッジ検出範囲Vが4画素である。エッジ検出範囲Vが4画素あるために、エッジ検出部403は、原稿画像が多少傾く場合であっても原稿画像のエッジ部分の検出を行うことができる。
エッジ検出範囲Vは、原稿102の搬送状況に応じて設定される。また、エッジ検出範囲Vは、原稿102の搬送方向先端より前の位置から所定画素分(所定ライン分)の範囲に設定される。原稿画像からエッジ検出処理により得られる検出画像は、原稿102のエッジ部分を表すエッジ画像110に、固着ゴミによる直線の固着ゴミ画像111及び浮遊ゴミによる破線の浮遊ゴミ画像112を含む。
ここでの浮遊ゴミとは、原稿102を搬送した際に発生する紙粉である。紙粉は静電気や空気の対流により移動するため、固着せずに浮遊する。この浮遊した紙粉は、画像読取ユニット106で読取られると浮遊ゴミ画像112となる。
エッジ検出部403は、エッジ検出範囲H、V内でエッジ検出を行うことで、図5B(a)の検出結果を得る。エッジ検出部403は、主走査方向または副走査方向において、例えば、色が背景色から他の色に変化した画素をエッジ部分として検出する。エッジ検出部403は、検出画像を、エッジ部分として検出した画素を「1」、エッジ部分として検出しなかった画素を「0」として、2値化して表す。ここで、固着ゴミ画像111及び浮遊ゴミ画像112もエッジ部分として検出されるために、当該画素が「1」となる。そこで、エッジ検出部403は、この検出画像に基づいて、主走査方向の位置毎に副走査方向に論理和演算を行い、主走査方向の画素毎に、一度でもエッジ画像が検出された画素を「1」、一度もエッジが検出されない画素を「0」とする演算結果を算出する。
図5B(b)は、このような副走査方向の論理和演算の結果を表す。論理和演算の結果は、主走査方向の位置毎のエッジ画像の有無を表す。エッジ検出部403は、エッジ情報として、この論理和演算の結果をメモリ307に格納する。本実施形態では、論理和演算の結果、固着ゴミ画像111及び浮遊ゴミ画像112の影響で、主走査方向の図中右から3画素目及び34画素目がエッジ部分として検出される。このようにエッジ検出部403は、デジタル画像データから図5B(b)に例示するエッジ情報を生成する。
(エッジ判断部)
エッジ判断部306は、エッジ検出部403で生成された図5B(b)のようなエッジ情報をメモリ307から取得し、このエッジ情報に基づいて、左右の主走査エッジ位置の検出処理を行う。図5B(c)は、エッジ判断部306が行う左右の主走査エッジ位置の検出処理の説明図である。エッジ判断部306は、エッジ情報を主走査方向の両方向から1画素ずつ順に確認して、エッジ画像110の主走査方向の両端部を検出する。本実施形態では主走査方向の両方向からエッジ情報の確認を同時に行うことで、エッジ画像110の左右両端部を検出する。エッジ判断部306は、エッジ情報において、値が「1」に設定された画素が所定数連続した場合に、その先頭の画素を主走査エッジ位置と判断する。本実施形態では、値「1」が連続する所定数を「5」とする。
連続する所定数は、CPU301により原稿エッジ判断値としてエッジ判断部306に設定される。エッジ判断部306は、左端部原稿エッジカウンタ及び右端部原稿エッジカウンタ(いずれも不図示)を備え、値が「1」の画素が連続する数をカウントする。エッジ判断部306は、値が「1」に設定された画素を主走査エッジ位置としてラッチしておき、値が「0」の画素を検出すると、カウント値を「0」にクリアし、且つ主走査エッジ位置もクリアする。
図5B(c)の例では、3画素目が値「1」であるために、エッジ判断部306は、3画素目を左主走査エッジ位置にラッチして、左端部原稿エッジカウンタのカウント値を「1」に設定する。しかしながら、4画素目の値が「0」であるために、エッジ判断部306は、ラッチした左主走査エッジ位置をクリアして、左端部原稿エッジカウンタのカウント値を「0」にクリアする。10画素目が値「1」であるために、エッジ判断部306は、10画素目を左主走査エッジ位置にラッチして、左端部原稿エッジカウンタのカウント値を「1」に設定する。値が「1」の画素は、27画素目まで連続する。本実施形態では、原稿エッジ判断値が「5」であるために、エッジ判断部306は、15画素目の値を確認した段階でラッチしている左主走査エッジ位置の画素を原稿画像の左端部のエッジ位置と判断する。
右端部のエッジ位置は、以下のように判断される。図5B(c)の例では34画素目が値「1」であるために、エッジ判断部306は、34画素目を右主走査エッジ位置にラッチして、右端部原稿エッジカウンタのカウント値を「1」に設定する。しかしながら、33画素目の値が「0」であるために、エッジ判断部306は、ラッチした右主走査エッジ位置をクリアして、右端部原稿エッジカウンタのカウント値を「0」にクリアする。27画素目が値「1」であるために、エッジ判断部306は、27画素目を右主走査エッジ位置にラッチして、右端部原稿エッジカウンタのカウント値を「1」に設定する。値が「1」の画素は、10画素目まで連続する。本実施形態では、原稿エッジ判断値が「5」であるために、エッジ判断部306は、23画素目の値を確認した段階でラッチしている右主走査エッジ位置の画素を原稿画像の右端部のエッジ位置と判断する。
以上のようにエッジ判断部306は、CPU301から指示された所定数だけ値「1」に設定された画素が連続する場合に、その先頭の画素がゴミによる縦スジではなく、読取った原稿画像のエッジ部分であると判断する。エッジ判断部306は、左端部の原稿開始位置が10画素目、右端部の原稿開始位置が27画素目と判断して、CPU301へ左右両端部の主走査エッジ位置の判断結果を送信する。
(副走査方向のエッジ検出)
原稿画像の副走査方向のエッジは、エッジ情報取得部305のエッジ検出部403により行われる。エッジ検出部403による原稿画像の副走査方向のエッジ画像の検出、つまり搬送方向先端のエッジ検出処理について説明する。搬送方向における原稿102の先端部には、LED光源201からの光と搬送されている原稿102との位置関係から、影が生じる。この影部は、搬送方向にある程度の幅をもっている。原稿102の搬送方向先端の斜行補正を精度よく行うためには、原稿画像から副走査方向のエッジ画像を正確に検出する必要がある。
図6は、原稿の影の画像と原稿102の搬送方向先端のエッジ画像との関係の説明図である。図示するように、エッジ検出部403は、影により生じるエッジ部を影部エッジ画像701として検出し、影部から原稿部に変化する部分を原稿部エッジ画像702として検出する。このように、影部エッジ画像701と原稿部エッジ画像702とは、エッジ検出部403により二重に検出される。これは、エッジ検出時の検出局所領域(フィルタサイズ)にもよるが、影幅が広く出た場合には影部の輝度が安定する傾向にあり、検出局所領域(フィルタサイズ)内でのエッジ変化が無いと判定されてしまうことにより発生する。
原稿画像からエッジ画像を正確に検出するために、エッジ検出部403は、図5(b)のエッジ検出結果を副走査方向に確認して、2回目のエッジ変化(「0」から「1」へ値の変化)位置(画素)を原稿部エッジ画像702として検出する。また、影部エッジ画像701が検出されない場合がある。この場合、エッジ画像が一重に出現する。エッジ検出部403は、1回目のエッジ変化(「0」から「1」の変化)位置(画素)をラッチしておき、このラッチした位置から副走査方向に所定画素数だけエッジ変化の有無を確認する。エッジ検出部403は、エッジ変化がなければラッチした位置を原稿部エッジ画像702として検出する。原稿部エッジ画像702が原稿画像の副走査方向のエッジ位置(副走査エッジ位置)となる。副走査エッジ位置は、メモリ307へ格納される。
(傾き式算出部)
傾き式算出部308による一次式の算出処理について説明する。傾き式算出部308は、CPU301から、エッジ判断部306で判断された左右両端部の主走査エッジ位置と、メモリ307からエッジ検出部403で検出された副走査エッジ位置を取得し、一次式の算出に用いるエッジ検出結果の有効データ範囲を判断する。傾き式算出部308は、有効データ範囲で原稿画像の主走査方向に対する斜行量を表す一次式を算出する。一次式の算出は、例えば一般的な最小二乗法やハフ変換により行われる。原稿102の端部、特に角部は、破れ、自然劣化、角折れ等により劣化する可能性がある。そのため、傾き式算出部308は、一次式の算出を有効データ範囲内のエッジ検出結果により行う。
傾き式算出部308は、エッジ判断部306で判断した左右の主走査エッジ位置から、原稿画像中央位置((左主走査エッジ位置)+(右主走査エッジ位置)/2)及び原稿画像長((右主走査エッジ位置)−(左主走査エッジ位置))を算出・決定する。傾き式算出部308は、エッジ検出結果から、原稿画像長の範囲内(右主走査エッジ位置と左主走査エッジ位置との間)で、原稿画像中央位置を中心にして主走査方向に所定数の画素の値を取得する。原稿画像中央位置を中心にして主走査方向に所定数の画素が、有効データ範囲となる。
図7は、有効データ範囲の説明図である。この例では、主走査方向の画素数が7200画素であり、図の最も左側の画素が1画素目、最も右側の画素が7200画素目である。エッジ判断部306は、左主走査エッジ位置を100画素目、右主走査エッジ位置を5060画素目と判断する。この場合、原稿画像中央位置は2580画素目となり、原稿画像長は4960画素となる。図7では、原稿画像中央位置を中心にして、主走査方向に2048画素の範囲(1557画素目〜2604画素目)を有効データ範囲とする。
傾き式算出部308は、有効データ範囲内の副走査エッジ位置に基づいて、(y=ax+b)で表される一次式を算出する。具体的には、斜行量及び切片の傾き方向(符号)に関して、プラスの場合「0」、マイナスの場合「1」として、斜行量a、傾き方向(0又は1)、切片b、切片方向(0又は1)が算出される。なお、傾き式算出部308は、本処理により算出された原稿画像長等をCPU301へ出力し、それをCPU301は読取原稿の主走査サイズを確定する目的で使用することも可能である。
(オフセット記憶部)
はじめに、原稿搬送機構及び画像読取ユニット106に起因する斜行量について説明する。原稿搬送機構及び画像読取ユニット106が、原稿102の搬送方向に対して大きく傾いて設置されている場合、基準位置の推定が正確に行えなくなる可能性がある。図8は、原稿搬送機構及び画像読取ユニット106の取り付けが調整されていない場合の、原稿102の搬送状態及び読取った原稿画像の対応を表す図である。
原稿画像は、基本的には平行四辺形の画像として読取られる。そのため原稿画像の傾き方向(プラス「0」、マイナス「1」)の情報のみでは、基準位置算出部309は、主走査エッジ位置の調整量の算出及び傾き方向(プラス、マイナス)の判断ができない。調整量の算出及び傾き方向の判断のために、以降で説明する処理により原稿搬送機構の斜行量αの取得を行う。
画像読取装置は、斜行補正機能を外部からの操作によりオフできる構成になっている。画像読取装置は、斜行補正機能をオフした状態で搬送機構及び画像読取ユニット106の取り付け状態に起因する斜行量αを算出する。そのため、画像読取装置は、図9に示す斜行量算出用のテスト原稿を、斜行補正機能をオフした状態で読取る。テスト原稿には、各辺に平行に縦横に直線が印字されている。画像読取装置は、このテスト原稿を読取り、読取った原稿画像から線の斜行量の差分を算出する。また、画像読取装置の調整者は、図8に示す原稿画像のパタンから原稿搬送機構及び画像読取ユニット106の取り付け傾き方向を判定する。算出した差分は、原稿搬送機構及び画像読取ユニット106の斜行量αに相当する。
次に、オフセット記憶部311へ記憶するデータについて説明する。
オフセット記憶部311は、原稿搬送機構及び画像読取ユニット106に起因する斜行量α及び傾き方向(0又は1)を記憶する。オフセット記憶部311の記憶内容は、斜行補正機能の有効時に使用される。オフセット記憶部311には、画像読取装置の使用前に予め測定された結果が記憶される。
即ち、上記したように、調整者は操作部406により画像読取装置を調整モードに設定して、図9のテスト原稿を複写出力させる。画像読取装置は、調整モードに設定されることで、斜行補正機能がオフされる。調整者は、複写出力の結果から原稿搬送機構及び画像読取ユニット106の斜行量αと方向(0又は1)を判定して、操作部406から入力する。入力値は、CPU301によりオフセット記憶部311に記憶される。
(読取モード)
以降で説明する基準位置算出部309、斜行補正部310は、読取モードに応じて処理される。まず、読取モードについて説明する。ここでの読取モードとは主走査と副走査の解像度を表す。
図10(a)は、主走査解像度600dpi、副走査解像度600dpiで読取られた原稿画像であり、主走査方向と副走査方向の斜行量aが等しくなる。図10(b)は、主走査解像度600dpi、副走査解像度300 dpiで読取られた原稿画像であり、主走査方向の斜行量aに対して副走査方向の斜行量aが4倍、即ち、4aとなる。
ここで、主走査方向と副走査方向の解像度の違いによる主走査方向と副走査方向の斜行量の関係を示す斜行係数Nは以下の数式(1)で表される。
読取モードに応じた斜行係数Nは、CPU301によって演算されて、例えば、内部の記憶領域に記憶され、後述するように基準位置算出部309、斜行補正部310にて参照される。
(基準位置算出部)
基準位置算出部309による基準位置算出処理について説明する。ここでは、原稿画像の搬送方向側の副走査方向端部のうち左端部角位置を基準位置として算出する例を説明する。なお、基準位置算出部309は、CPU301の指示により、左端部角位置及び右端部角位置のいずれか一方を基準位置として算出してよい。
原稿102の端部が劣化している場合、エッジ検出結果から正確に原稿画像の角位置を判断することができないため、角位置を推定する必要がある。角位置の正確な推定には、エッジ判断部306で判断された左主走査エッジ位置と、エッジ検出部403で検出された副走査エッジ位置、傾き式算出部308で算出された一次式を用いる。
図11は、基準位置算出処理の説明図である。ここでは、読取モードは主走査解像度600dpi、副走査解像度600dpiであり、斜行係数N=1とする。また、オフセット記憶部311の斜行量αは0であり、読取った原稿画像の斜行量aは0.2とする。また、切片bは150とする。従って、一次式はy=0.2x+150と表される。図11は、左主走査エッジ位置x0が「100」、左主走査エッジ位置のエッジ画像110の副走査方向の位置y0が「350」、一次式が(y=0.2x+150)の場合の基準位置(x2,y2)を表す。この場合、左主走査エッジ位置を通る副走査方向に伸びる直線と、一次式との交点(仮想基準位置)の副走査方向の位置y1は、(y1=0.2×100+150=170)となる。左主走査エッジ位置x0と位置y1との副走査方向の差分Δyは、(Δy=350−170=180)となる。
|斜行量a(0.2)- 斜行量α(0)|(=0.2)と差分Δy(=180)と斜行係数Nとの(=1)との乗算値である36画素が、主走査方向の調整量となる。主走査方向の調整量の算出は、従来は複雑で精密な計算により行われるが、本実施形態では、このように簡素化して行われる。この算出方法では、原稿画像の傾きが大きくなるにつれて調整量の精度が低下する。しかし、斜行補正部310で補正可能な傾きの範囲では、調整量の精度低下は誤差範囲内である。
基準位置算出部309は、算出した調整量により仮想基準位置を調整することで基準位置を算出する。基準位置算出部309は、算出した主走査方向の調整量を、左主走査エッジ位置に対してプラス方向(0)、マイナス方向(1)のいずれに調整すればよいかを判断する。傾き式算出部308で算出された一次式の傾き方向がプラス(0)の場合、原稿画像は、右下に傾いている状態であり、左主走査エッジ位置に対してプラス方向に補正される。傾き式算出部308で算出された一次式の傾き方向がマイナス(1)の場合、原稿画像は、右上に傾いている状態であり、左主走査エッジ位置に対してマイナス方向に補正される。
例えば、図11のように原稿画像が右下に傾いて(傾き方向:プラス(0))おり、左主走査エッジ位置x0が100画素目であり、調整量が36画素である場合、基準位置算出部309は、プラス方向(0)の調整と判断する。また基準位置算出部309は、(100+36=136)画素目を原稿画像の左端部の推定主走査エッジ位置x2と推定する。推定副走査エッジ位置y2は、調整された左端部の推定主走査エッジ位置x2を一次式に代入することで算出される。
図11の例では、一次式に左端部の推定主走査エッジ位置x2(=136)を代入することで左端部の推定副走査位置(y2=0.2×136+150=177)が算出される。なお、この例では小数点以下を四捨五入しているが、切り捨ててもよい。これらの処理により、基準位置算出部309は、斜行補正部310が斜行補正に用いる斜行補正時の基準位置(x2,y2)を推定する。
上述した基準位置算出部309の演算は、CPU301で実行しても良い。
図12は、CPU301による斜行補正時の基準位置の算出処理を表すフローチャートである。以下の説明では、左端部角位置を基準位置として推定する場合を説明するが、右端部角位置を基準位置として推定する場合も同様の処理となる。
本フローチャートに係る画像読取装置100上で動作するプログラムは、例えば、図3のコントローラ300内の図示しないROMに格納されており、同じく図示しないRAMに読み出されCPU301によって実行される。これは、以下に説明する他のフローチャートについても同様である。また、以下の説明において、符号Sはステップを示す。
CPU301は、エッジ判断部306で判断された左主走査エッジ位置x0に対応する副走査方向の位置y0を取得する(S1201)。CPU301は、傾き式算出部308で算出された一次式にエッジ判断部306で判断された左主走査エッジ位置x0を代入し、仮想基準位置の副走査方向の位置y1を算出する(S1202)。
CPU301は、仮想基準位置の副走査方向の位置y1から、左主走査エッジ位置の副走査位置y0を減算して差分Δyを算出する(S1203)。
CPU301は、オフセット記憶部311から斜行量α及びその方向(「0」又は「1」)を取得し、傾き式算出部308で算出された斜行量a及びその方向(「0」又は「1」)との加算処理を行う(S1204)。加算結果は、傾き量skewとなる。CPU301は、算出した傾き量skewが0以上であるか否かを判断する(S1205)。
傾き量skewが0以上である場合(S1205:Y)、CPU301は、推定主走査エッジ位置x2を、左主走査エッジ位置x0に、|斜行量a−斜行量α|と読取モードに応じた斜行係数Nと差分Δyとの積を加算することで算出する(S1206)。傾き量skewが0未満である場合(S1205:N)、CPU301は、推定主走査エッジ位置x2を、左主走査エッジ位置x0から、|斜行量a−斜行量α|と読取モードに応じた斜行係数Nと差分Δyとの積を減算することで算出する(S1207)。
CPU301は、傾き式算出部308で算出された一次式に、算出した推定主走査エッジ位置x2を代入することで、斜行補正時の基準位置となる推定副走査エッジ位置y2を算出する(S1208)。CPU301は、算出した推定主走査エッジ位置x2及び推定副走査エッジ位置y2を、斜行補正部310による斜行補正時に用いられる斜行補正の基準位置として出力する(S1209)。以上の処理により、斜行補正時の基準位置が算出される。
(斜行補正部)
斜行補正部310は、CPU301の指示により、斜行係数(N)とオフセット記憶部311から斜行量α及び方向(「0」又は「1」)を取得し、傾き式算出部308で算出された一次式に含まれる斜行量aに基づいて、原稿画像の斜行補正及び位置補正を行う。斜行補正部310は、例えば一般的なアフィン変換等により、斜行補正を行う。
斜行補正部310は、例えば、以下に示すアフィン変換の数式(2)によって、斜行量aに応じた角度θおよび斜行量αに応じた角度βに基づく補正を行った画素の位置(主走査方向(X),副走査方向(Y))を算出する。
数式(2)内の各符号は以下のように定義される。
X:主走査方向の補正後の画素位置,Y:副走査方向の補正後の画素位置
x:補正前の主走査方向の画素位置,y:補正前の副走査方向の画素位置
x2:主走査方向の平行移動量(主走査回転基準位置)
y2:副走査方向の平行移動量(副走査回転基準位置)
θ:原稿先端から算出された斜行量aに基づく角度
β:取り付け状態に起因する斜行量αに基づく角度
N:斜行係数
斜行補正部310は、メモリ307に格納されたデジタル画像データをアフィン変換することで、斜行を補正した画像データを出力する。角度βの前の符号は、取り付け傾き方向が「0」の場合プラス、「1」の場合マイナスとなる。基準位置(x2,y2)は、斜行補正されたデジタル画像データを平行移動させるための移動量(補正量)となる。この移動量によって、原稿画像の先端部及び端部の出力位置を斜行量a、αに応じて正しい位置に合わせることができる。
アフィン変換による一連の処理を図13に示す。斜行補正部310は、図13(a)に示す原稿画像を図13(b)に示す回転処理及び図13(c)に示す平行移動をすることで斜行補正を行う。
以下に、本実施形態における画像読取装置の斜行補正処理のフローチャートを図14に示す。なお本処理は、CPU301によって実行される。
CPU301は、S1401において、原稿トレイ101上の原稿102の有無を判定する。判定は、原稿検知センサ124による検出値によって実行される。例えば、原稿検知センサの検出値はデジタル値であり、CPU301は、検出値が「0」の場合に原稿なし、「1」の場合に原稿ありと判断する。
CPU301は、S1402において、画像読取装置の読取モードを確定する。ユーザが、操作部406から入力した読取りモード設定にもとづいて、主走査方向と副走査方向の解像度を確定する。また、CPU301は、確定結果から斜行係数Nを演算し、内部の記憶領域に記憶する。
CPU301は、S1403において、ユーザにより操作部406の開始ボタンが押下されたと判断すると、S1404において、原稿102の搬送及び、画像読取ユニット106による原稿102の読取動作を開始する。
CPU301は、S1405において、エッジ情報取得部305、エッジ判断部306、傾き式算出部308によって、読取った原稿画像の斜行量aと仮基準位置を検知する。
CPU301は、S1406において、検知した斜行量aと仮基準位置及び、斜行係数Nと斜行量αの情報から、斜行補正部310での斜行補正に使用する回転基準位置(x2、y2)の推定演算を実行する(S1201〜S1209)。
CPU301は、S1407において、基準位置が確定した場合、斜行量aと基準位置及び、斜行係数Nとオフセット記憶部311の斜行量αの情報を斜行補正部310へ出力する。
CPU301は、S1408において、アフィン変換処理を実行する。アフィン変換処理は、CPU301の指示により、斜行補正部310で実行され、上記で説明した処理により、斜行した原稿画像の先端及び端部の出力位置を斜行量a、αに応じて正しい位置に補正する。
CPU301は、S1409において、原稿検知センサ124の検知結果が「1」の場合に原稿102ありと判断し、S1405の処理へ戻る。また、CPU301は、原稿検知センサ124の検知結果が「0」の場合に原稿102なしと判断し、画像読取装置の一連の斜行補正処理を終了する。
以上のような構成及び処理により、画像読取装置は、原稿搬送機構や画像読取ユニットの取り付けに起因する原稿画像の斜行等と、主走査と副走査の異なる解像度による読取りに起因する平行四辺形画像を精度よく簡単な処理で補正することができる。
即ち、主走査方向と副走査方向の読取解像度が異なる場合においても、画像読取ユニットの斜行量と原稿の斜行量に応じて原稿画像を精度よく補正することで品質の高い原稿画像を提供できるものである。
なお、上記実施の形態では、斜行補正部310において、原稿の先端から算出された斜行量および取付け状態に起因する斜行量の両方に基づき画像データを補正した。しかしながら、斜行補正部310において、取付け状態に起因する斜行量に基づく画像データの補正を実行しないようにしても構わない。たとえば、斜行しないように取り付けることを前提とした画像読取装置、もしくは、取付け状態に起因する斜行量に基づく画像データの補正は別途異なる回路で補正する画像読取装置の場合、取付け状態に起因する斜行量に基づく画像データの補正を実行する必要はない。つまり、斜行補正の回路に機能を組み込む必要もない。
100:画像読取装置
106:画像読取ユニット
300:コントローラ
310:斜行補正部

Claims (12)

  1. 原稿を搬送する搬送手段と、
    前記搬送手段によって搬送されている原稿を読取る読取手段と、
    前記読み取られた原稿の画像データから前記原稿の斜行量である第1斜行量を決定する決定手段と、
    前記第1斜行量と、前記画像データの、前記原稿を搬送する搬送方向に対応する第1方向の解像度および前記第1方向に直交する第2方向の解像度とに基づき、前記画像データに対して斜行補正を行う斜行補正手段と
    を備えることを特徴とする画像読取装置。
  2. 前記第1方向は前記画像データの主走査方向であり、前記第2方向は前記画像データの副走査方向であることを特徴とする、請求項1に記載の画像読取装置。
  3. さらに、前記画像データの第1方向の両端部の第1エッジ位置を判断する判断手段と、
    前記画像データの第2方向の第2エッジ位置を検出する検出手段と、
    前記第1および第2エッジ位置に基づき、前記画像データの前記第1方向に対する傾斜率である前記第1斜行量を得る第1取得手段と、
    前記両端部の前記第1エッジ位置の中央位置を含む所定の範囲内の前記第2エッジ位置と前記第1斜行量に基づいて前記第1方向の傾きを示す一次式を得る第2の取得手段と、
    前記第1エッジ位置及び前記一次式により、斜行補正時の基準となる基準位置を得る第3の取得手段を備え、
    前記斜行補正手段は、前記第1斜行量から傾き量を得、前記傾き量を第1方向と第2方向の解像度との比から得た係数に応じて調整した第2斜行量及び前記基準位置により得られた値を前記第1方向の補正量とし、前記一次式により得られた値を前記第2方向の補正量とする、ことを特徴とする、請求項2記載の画像読取装置。
  4. 前記第2の取得手段は、前記中央位置を中心にし、前記両端部の前記第1エッジ位置の間で前記第1方向に所定数の画素を含む範囲内の前記第2エッジ位置に基づいて、前記一次式を得ることを特徴とする、請求項3に記載の画像読取装置。
  5. 前記第3の取得手段は、一方の前記第1エッジ位置と前記一次式とにより仮想基準位置を得、前記仮想基準位置と前記第1エッジ位置との差分に前記第2斜行量を乗算することで調整量を得、前記仮想基準位置を前記調整量に応じて調整することで前記基準位置を得ることを特徴とする、請求項3または4に記載の画像読取装置。
  6. 前記斜行補正手段は、前記画像データを回転処理及び平行移動することで斜行補正を行うことを特徴とする、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の画像読取装置。
  7. 前記斜行補正手段は、前記画像データをアフィン変換することにより前記画像データの回転処理及び平行移動を行うことを特徴とする、請求項6に記載の画像読取装置。
  8. 前記画像データのエッジ部分の画像を検出して、前記第1方向の位置毎に、該位置の前記第2方向のエッジ部分の画像の有無を表すエッジ情報を取得する情報取得手段を備えており、
    前記判断手段は、前記エッジ情報に基づいて、前記主走査方向の両方向から前記エッジ部分の画像が所定数連続して検出される位置を検出し、検出した位置に応じて前記両端部の前記第1エッジ位置を取得することを特徴とする、請求項3乃至7のいずれか1項に記載の画像読取装置。
  9. さらに、前記読取手段に起因する前記画像データの前記第2方向に対する傾斜率である第3斜行量を記憶する記憶手段を備え、
    前記斜行補正手段は、前記第1および第2エッジ位置と、前記第1および第3斜行量と、前記第1方向の解像度と前記第2方向の解像度に基づく係数とに基づき、前記第1方向の補正量および前記第2方向の補正量を得、前記画像データの斜行補正を行う、ことを特徴とする、請求項2記載の画像読取装置。
  10. さらに、前記画像データの第1方向の両端部の第1エッジ位置を判断する判断手段と、
    前記画像データの第2方向の第2エッジ位置を検出する検出手段と、
    前記第1および第2エッジ位置に基づき、前記画像データの前記第1方向に対する傾斜率である第1斜行量を得る第1取得手段と、
    前記両端部の前記第1エッジ位置の中央位置を含む所定の範囲内の前記第2エッジ位置と前記第1斜行量に基づいて前記主走査方向の傾きを示す一次式を得る第2の取得手段と、
    前記第1エッジ位置及び前記一次式により、斜行補正時の基準となる基準位置を得る第3の取得手段を備え、
    前記斜行補正手段は、前記第1および第3斜行量から傾き量を得、前記傾き量を第1方向と第2方向の解像度との比から得た前記係数に応じて調整した第2斜行量及び前記基準位置により得られた値を前記第1方向の補正量とし、前記一次式により得られた値を前記第2方向の補正量とする、ことを特徴とする、請求項9記載の画像読取装置。
  11. 原稿を搬送する搬送手段と、前記原稿を走査して原稿画像を読取る画像読取手段とを備えた画像読取装置により実行される方法であって、
    前記搬送手段によって搬送されている原稿を読取る読取工程と、
    前記読み取られた原稿の画像データから前記原稿の斜行量を決定する決定工程と、
    前記斜行量と、前記画像データの、前記原稿を搬送する搬送方向に対応する第1方向の解像度および前記第1方向に直交する第2方向の解像度とに基づき、前記画像データに対して斜行補正を行う斜行補正工程と、を備える画像読取方法。
  12. 請求項11項に記載された画像読取方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
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