JP2020077620A - 電気化学素子用バインダー組成物 - Google Patents

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悠 石原
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Abstract

【課題】少量であっても高い結着性を有する電気化学素子用バインダー組成物を提供する。【解決手段】オキソ酸塩と、カルボキシル基及びカルボキシル基の塩から選択される1以上を含むポリマーと、アミド基及びアミド結合から選択される1以上を含むポリマー、又は、カルボキシル基及びカルボキシル基の塩から選択される1以上と、アミド基及びアミド結合から選択される1以上を含むポリマー、とを含む電気化学素子用バインダー組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、電気化学素子用バインダー組成物に関する。
二次電池は、繰り返し充放電を行うことができる電池である。近年の環境問題への関心の高まりを背景に、携帯電話、ノートパソコン等の電子機器だけでなく、自動車、航空機等の輸送機においても使用が進んでいる。このような二次電池への需要の高まりを受けて、研究も活発に行われている。二次電池の中でも軽量、小型かつ高エネルギー密度のリチウムイオン電池は、各産業界から特に注目されており、開発が盛んに行われている。
リチウムイオン電池は、正極、電解質、負極、及びセパレータから主に構成される。リチウムイオン電池の電極は、電極組成物を集電体の上に塗布したものが通常用いられている。
電極組成物のうち、正極の形成に用いられる正極組成物は、正極活物質、導電助剤、バインダー及び溶媒を通常含み、負極の形成に用いられる負極組成物は、負極活物質、導電助剤、バインダー及び溶媒を通常含む。電極組成物のバインダーとしては、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)が、電極組成物の溶媒としては、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)が一般に用いられている。これは、PVDFが化学的、電気的に安定であり、NMPがPVDFを溶解する経時安定性のある溶媒であるためである。
しかしながら、低分子量のPVDFは十分な密着性を得ることが難しく、高分子量のPVDFは溶解濃度が不十分で固形分濃度を上げることが難しい。また、NMPは、沸点が高いため、NMPを溶媒として用いると電極を形成する際に溶媒の揮発に多くのエネルギーを必要とするといった問題がある。それに加え、近年は環境問題への関心の高まりを背景に、電極組成物にも有機溶媒を使用しない水系のものが求められてきている。
特許文献1には、ポリアクリル酸に少量のポリアクリルアミド、ポリエチレンイミンを添加し、脱水縮合した負極用バインダーの開示がある。
特許文献2には、ポリアクリルアミドにホウ酸リチウムを添加した負極用バインダーの開示がある。また、特許文献2では、黒鉛表面における電解液の分解を抑制し、水溶性高分子の結合を弱めることでリチウムイオン伝導を改善することが開示されている。
特許文献3には、シリコン系負極材料上に設けた、リン酸アニオンがポリビニルアルコールに化学結合した被膜の開示がある。また、特許文献3には、この非水溶性コーティング被膜によって、サイクル特性を向上させることが開示されている。
特許文献4には、ホウ酸系化合物を正極バインダーに利用することが開示されている。
特開2007−287570号公報 特開2012−094498号公報 特開2017−63026号公報 特開2013−157318号公報
特許文献1では、ポリアクリル酸に対してごく少量のポリアクリルアミド、ポリエチレンイミンを添加し脱水縮合している。膨張収縮の大きなシリコン等が活物質の場合、エネルギー密度向上のためには極限までバインダー等の充放電に直接関与しない物質の量を低減することが求められる。しかしながら、特許文献1のバインダーは、少量では十分な結着性が得られない。
特許文献2では、水溶性ポリマーにホウ酸化合物を添加しているが、バインダーとしてスチレンブタジエンラテックスが別途添加されており、結着性に関する議論はされていない。
特許文献3では、リン酸を含むコーティング被膜が、バインダーとしての機能を果たしておらず、ポリアクリル酸リチウムをバインダーに使用している。
特許文献4では、バインダーが無機物のみであるため、得られる電極が脆く、実際に電極を製造する際に割れが問題になるおそれがある。
本発明の目的は、少量であっても高い結着性を有する電気化学素子用バインダー組成物を提供することである。
本発明によれば、以下の電気化学素子用バインダー組成物等が提供される。
1.オキソ酸塩と、
カルボキシル基及びカルボキシル基の塩から選択される1以上を含むポリマーと、アミド基及びアミド結合から選択される1以上を含むポリマー、又は
カルボキシル基及びカルボキシル基の塩から選択される1以上と、アミド基及びアミド結合から選択される1以上を含むポリマーと
を含む電気化学素子用バインダー組成物。
2.前記オキソ酸塩が、リン酸塩、ホウ酸塩、硫酸塩及びケイ酸塩から選択される1以上である1に記載の電気化学素子用バインダー組成物。
3.前記オキソ酸塩が、ホウ酸塩である1又は2に記載の電気化学素子用バインダー組成物。
4.前記オキソ酸塩が、オキソ酸のアルカリ金属塩である1〜3のいずれかに記載の電気化学素子用バインダー組成物。
5.前記オキソ酸塩が、オキソ酸のリチウム塩又はオキソ酸のナトリウム塩である1〜4のいずれかに記載の電気化学素子用バインダー組成物。
6.前記オキソ酸塩の2.0質量%水溶液のpHが7.0以上である1〜5のいずれかに記載の電気化学素子用バインダー組成物。
7.前記オキソ酸塩の固形分中の含有率が2質量%以上である1〜6のいずれかに記載の電気化学素子用バインダー組成物。
8.前記カルボキシル基及びカルボキシル基の塩から選択される1以上を含むポリマーが、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸塩及びメタクリル酸塩から選択される1以上のモノマー単位を含むポリマーであり、
前記アミド基及びアミド結合から選択される1以上を有するポリマーが、アクリルアミド、N−アルキルアクリルアミド及びN−ビニルアセトアミドから選択される1以上のモノマー単位を含むポリマーである1〜7のいずれかに記載の電気化学素子用バインダー組成物。
9.前記カルボキシル基及びカルボキシル基の塩から選択される1以上を含むポリマーが、アクリル酸及びアクリル酸塩から選択される1以上をモノマー単位として50mol%以上含む1以上のポリマーであり、
前記アミド基及びアミド結合から選択される1以上を含むポリマーが、アクリルアミドをモノマー単位として50mol%以上含むポリマーである1〜8のいずれかに記載の電気化学素子用バインダー組成物。
10.前記カルボキシル基及びカルボキシル基の塩から選択される1以上と、アミド基及びアミド結合から選択される1以上を含むポリマーが、グルタミン酸、アスパラギン酸、グルタミン酸塩及びアスパラギン酸塩から選択される1以上のモノマー単位を含むポリマーである1〜9のいずれかに記載の電気化学素子用バインダー組成物。
11.前記カルボキシル基及びカルボキシル基の塩から選択される1以上と、アミド基及びアミド結合から選択される1以上を含むポリマーが、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸塩及びメタクリル酸塩から選択される1以上のモノマー単位、並びに、アクリルアミド、Nアルキルアクリルアミド及びNビニルアセトアミドから選択される1以上のモノマー単位の両方を含むポリマーである1〜9のいずれかに記載の電気化学素子用バインダー組成物。
12.前記ポリマーが含むカルボキシル基の中和度が50mol%以上である1〜11のいずれかに記載の電気化学素子用バインダー組成物。
13.前記ポリマーが含むカルボキシル基の塩が、アルカリ金属イオン又は有機カチオンで中和したカルボキシル基の塩である1〜12のいずれかに記載の電気化学素子用バインダー組成物。
14.前記ポリマーが含むカルボキシル基の塩が、アルカリ金属イオンで中和したカルボキシル基の塩である1〜13のいずれかに記載の電気化学素子用バインダー組成物。
15.1〜14のいずれかに記載の電気化学素子用バインダー組成物を用いた電気化学素子。
16.1〜14のいずれかに記載の電気化学素子用バインダー組成物を含むリチウムイオン電池用電極。
17.1〜14のいずれかに記載の電気化学素子用バインダー組成物と、シリコン及びスズから選択される1以上を構成元素として含む活物質を含むリチウムイオン電池用電極。
18.1〜14のいずれかに記載の電気化学素子用バインダー組成物を含むリチウムイオン電池用セパレータ。
本発明によれば、少量であっても高い結着性を有する電気化学素子用バインダー組成物を提供できる。
本発明の一態様に係る二次電池の一実施形態を示す概略断面図である。
以下に本発明を詳述する。
尚、以下において記載される本発明の個々の好ましい形態を2つ以上組み合わせた形態もまた、本発明の好ましい形態である。
<電気化学素子用バインダー組成物>
本発明の一態様に係る電気化学素子用バインダー組成物は、オキソ酸塩を含むバインダー組成物であって、さらに、
(1)カルボキシル基及びカルボキシル基の塩から選択される1以上を含むポリマーと、アミド基及びアミド結合から選択される1以上を含むポリマー、又は、
(2)カルボキシル基及びカルボキシル基の塩から選択される1以上と、アミド基及びアミド結合から選択される1以上を含むポリマーを含む。
ここで電気化学素子とは、リチウムイオン電池等の二次電池、及びキャパシタを含む意味である。
本態様の一実施形態では、バインダーポリマーとして、カルボキシル基及びカルボキシル基の塩から選択される1以上を官能基として含むポリマーと、アミド基及びアミド結合から選択される1以上を官能基及び/又は結合として含むポリマーとを、組み合わせて用いる。これらポリマーを組み合わせて用いることで、2種類のポリマーの相互作用によるネットワークが形成され、バインダーポリマーを溶媒に溶解させた場合に高い粘度を示すことができる。
本態様の他の実施形態では、バインダーポリマーとして、カルボキシル基及びカルボキシル基の塩から選択される1以上と、アミド基及びアミド結合から選択される1以上とを、官能基及び/又は結合として含むポリマーを用いる。このポリマーを用いることで、ポリマー同士の相互作用によるネットワークが形成され、バインダーポリマーを溶媒に溶解させた場合に高い粘度を示すことができる。
本態様においては、高い粘度を示す上記バインダーポリマーによって、例えば膨張収縮の大きなシリコン系活物質を用いた場合であっても、良好なサイクル特性が得られる。また、バインダーポリマーを構成する上記ポリマーはいずれも水溶性であるので、NMP等の有機溶媒を用いる必要が無く、環境負荷を低減することができる。
本態様において、オキソ酸塩とは、プロトンとして解離し得る水素が酸素原子に結合した酸(オキソ酸)の塩に相当する化合物、及び当該オキソ酸の塩の水和物に相当する化合物を含む意味である。
オキソ酸塩は、上記バインダーポリマーと相互作用して、強靭な被膜を形成することができる。また、バインダー組成物を電極組成物としたときは、オキソ酸塩は水に良好に溶解し、高い分散性を示すことができる。
オキソ酸塩を含む本態様のバインダー組成物は、活物質に例えば膨張収縮の大きなシリコン系活物質を用いた場合であっても、集電体上に活物質を強固に接着することができ、充放電の繰り返しによる充放電特性の劣化を抑制することができる。
以下、本態様の電気化学素子用バインダー組成物が含む各成分について説明する。
[バインダーポリマー]
カルボキシル基及びカルボキシル基の塩から選択される1以上を含むポリマーにおいて、全モノマー単位に対して、カルボキシル基を含むモノマー単位及びカルボキシル基の塩を含むモノマー単位の合計が50mol%以上だと好ましく、80mol%以上だとより好ましい。
アミド基及びアミド結合から選択される1以上を含むポリマーとの相互作用を得るため、カルボキシル基を含むモノマー単位及びカルボキシル基の塩を含むモノマー単位は多いほど好ましい。
カルボキシル基及びカルボキシル基の塩から選択される1以上を含むポリマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸塩及びメタクリル酸塩から選択される1以上のモノマー単位を含むポリマーが好ましく、アクリル酸又はアクリル酸塩をモノマー単位として50mol%以上含む1以上のポリマーがより好ましく、ポリアクリル酸又はポリアクリル酸塩がさらに好ましい。
また、カルボキシル基を含むモノマーとして、クロトン酸、イソクロトン酸等の炭素数3〜10のエチレン性不飽和モノカルボン酸単量体;イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸、グルタコン酸等の炭素数4〜10のエチレン性不飽和ジカルボン酸単量体及びその塩も好適に用いることができる。
カルボキシル基及びカルボキシル基の塩から選択される1以上を含むポリマーが含むカルボキシル基の塩は、アルカリ金属イオン又は有機カチオンで中和されたカルボキシル基の塩であると好ましい。
アルカリ金属イオンとしては、リチウム金属イオン又はナトリウム金属イオンが好ましい。
有機カチオンとしては、炭素数が16以下のアルキルアンモニウムカチオン、炭素数が16以下のピリジニウムカチオン、炭素数が16以下のホスホニウムカチオン、又は炭素数が16以下のスルホニウムカチオンが好ましい。これらのうち、毒性及びコスト等の観点から、炭素数が16以下のアルキルアンモニウムカチオン、又は炭素数が16以下のピリジニウムカチオンがより好ましい。
上記炭素数が16以下のアルキルアンモニウムカチオンとしては、テトラエチルアンモニウムカチオン、テトラブチルアンモニウムカチオン等が挙げられ、炭素数が16以下のピリジニウムカチオンとしては、N−エチルピリジニウムカチオン、N−1−ブチルピリジニウムカチオン等が挙げられるが、こられに制限されるものではない。
カルボキシル基及びカルボキシル基の塩から選択される1以上を含むポリマーにおいて、ポリマーが含むカルボキシル基の中和度は、50%〜100%であると好ましく、60%〜95%であるとより好ましく、70%〜90%であるとさらに好ましい。ここで中和度とは、ポリマーが含むカルボキシル基とカルボキシル基の塩におけるカルボキシル基の塩の割合(カルボキシレート基部位/(カルボキシル基部位+カルボキシレート基部位))である。
中和度を50%以上とすることで、アミド基及び/又はアミド結合を含むポリマーとの相互作用による沈殿形成を防ぐことができる。
カルボキシル基及びカルボキシル基の塩から選択される1以上を含むポリマーの上記中和度は、実施例に記載の方法で確認する。
カルボキシル基及びカルボキシル基の塩から選択される1以上を含むポリマーの重量平均分子量(Mw、PEG換算)は、100,000以上10,000,000以下であると好ましく、120,000以上、130,000以上、140,000以上、150,000以上であり得、また9,000,000以下、8,000,000以下、7,000,000以下、6,000,000以下又は5,000,000以下であり得る。かかる重量平均分子量は、例えば、200,000以上9,500,000以下又は250,000以上8,000,000以下であってもよい。
カルボキシル基及びカルボキシル基の塩から選択される1以上を含むポリマーの重量平均分子量が100,000以上であれば、当該ポリマーは電解液に溶出しにくくなり、分子鎖の絡み合いによる相互作用も得ることができる。カルボキシル基及びカルボキシル基の塩から選択される1以上を含むポリマーの重量平均分子量が10,000,000以下であれば、良好な溶解性が得られ、塗工可能な粘度のバインダー組成物とすることができる。
カルボキシル基及びカルボキシル基の塩から選択される1以上を含むポリマーの重量平均分子量の測定は、実施例に記載のゲルパーミエーションクロマトグラフィーで行うことができる。
カルボキシル基及びカルボキシル基の塩から選択される1以上を含むポリマーの重量平均分子量は、重合条件を適宜調整することで、所望の範囲とすることができる。
アミド基及びアミド結合から選択される1以上を含むポリマーにおいて、全モノマー単位に対して、アミド基を含むモノマー単位及びアミド結合を含むモノマー単位の合計が50mol%以上だと好ましく、80mol%以上だとより好ましい。
アミド基及びアミド結合から選択される1以上を含むポリマーは、カルボキシル基及びカルボキシル基の塩から選択される1以上を含むポリマーとの相互作用によるネットワーク形成のみならず、後述する電極組成物が含む活物質の分散性も向上させることができる。
アミド基及びアミド結合から選択される1以上を含むポリマーが含むモノマー単位としては、アクリルアミド、N−アルキルアクリルアミド、N,N−アルキルアクリルアミド、N−ビニルアセチルアミド等が挙げられる。
アミド基及びアミド結合から選択される1以上を含むポリマーとしては、アクリルアミド、N−アルキルアクリルアミド及びN−ビニルアセトアミドから選択される1以上のモノマー単位を含むポリマーが好ましく、アクリルアミドをモノマー単位として50mol%以上含むポリマーがより好ましく、ポリアクリルアミドがさらに好ましい。
尚、アミド結合を有する水溶性ポリマーとしては、ポリ−γ−グルタミン酸及びその塩等のポリアミノ酸、水溶性ナイロン等が挙げられる。
アミド基及びアミド結合から選択される1以上を含むポリマーの重量平均分子量(Mw、PEG換算)は、100,000以上10,000,000以下であると好ましく、200,000以上9,500,000以下であるとより好ましく、は250,000以上8,000,000以下であると最も好ましい。
アミド基及びアミド結合から選択される1以上を含むポリマーの重量平均分子量が100,000以上であれば、当該ポリマーは電解液に溶出しにくくなり、分子鎖の絡み合いによる相互作用も得ることができる。アミド基及びアミド結合から選択される1以上を含むポリマーの重量平均分子量が10,000,000以下であれば、良好な溶解性が得られ、塗工可能な粘度のバインダーとすることができる。
アミド基及びアミド結合から選択される1以上を含むポリマーの重量平均分子量の測定は、実施例に記載のゲルパーミエーションクロマトグラフィーで行うことができる。
本態様の電気化学素子用バインダー組成物のバインダーポリマーとして、カルボキシル基及びカルボキシル基の塩から選択される1以上を有するポリマーと、アミド基及びアミド結合から選択される1以上を有するポリマーとを用いる場合、これらポリマーの含有比は、質量比(カルボキシル基及びカルボキシル基の塩から選択される1以上を含むポリマー:アミド基及びアミド結合から選択される1以上を含むポリマー)で2:8〜8:2が好ましく、3:7〜7:3がより好ましく、4:6〜6:4がさらに好ましい。
カルボキシル基及びカルボキシル基の塩から選択される1以上と、アミド基及びアミド結合から選択される1以上とを含むポリマーにおいて、全モノマー単位に対して、カルボキシル基を含むモノマー単位、カルボキシル基の塩を含むモノマー単位、アミド基を含むモノマー単位、及びアミド結合を含むモノマー単位の合計が50mol%以上だと好ましく、80mol%以上だとより好ましい。
カルボキシル基及びカルボキシル基の塩から選択される1以上と、アミド基及びアミド結合から選択される1以上とを含むポリマーにおいて、カルボキシル基を含むモノマー単位及びカルボキシル基の塩を含むモノマー単位と、アミド基を含むモノマー単位及びアミド結合を含むモノマー単位の存在比((カルボキシル基を含むモノマー単位+カルボキシル基の塩を含むモノマー単位):(アミド基を含むモノマー単位+アミド結合を含むモノマー単位))は、2:8〜8:2が好ましく、3:7〜7:3がより好ましく、4:6〜6:4が特に好ましい。
カルボキシル基及びカルボキシル基の塩から選択される1以上と、アミド基及びアミド結合から選択される1以上とを含むポリマーは、グルタミン酸、アスパラギン酸、グルタミン酸塩及びアスパラギン酸塩から選択される1以上のモノマー単位を含むポリマーであると好ましく、グルタミン酸及びグルタミン酸塩から選択される1以上をモノマー単位として50mol%以上含むとより好ましく、ポリグルタミン酸又はポリグルタミン酸塩であるとさらに好ましい。
カルボキシル基及びカルボキシル基の塩から選択される1以上と、アミド基及びアミド結合から選択される1以上とを含むポリマーは、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸塩及びメタクリル酸塩から選択される1以上のモノマー単位、並びに、アクリルアミド、N−アルキルアクリルアミド及びN−ビニルアセトアミドから選択される1以上のモノマー単位の両方を含むポリマーであると好ましい。
カルボキシル基及びカルボキシル基の塩から選択される1以上と、アミド基及びアミド結合から選択される1以上とを含むポリマーにおいて、カルボキシル基の塩は、アルカリ金属イオン又は有機カチオンで中和されたカルボキシル基の塩であると好ましい。
アルカリ金属イオンとしては、リチウム金属イオン又はナトリウム金属イオンが好ましい。
有機カチオンとしては、炭素数が16以下のアルキルアンモニウムカチオン、炭素数が16以下のピリジニウムカチオン、炭素数が16以下のホスホニウムカチオン、又は炭素数が16以下のスルホニウムカチオンが好ましい。これらのうち、毒性及びコスト等の観点から、炭素数が16以下のアルキルアンモニウムカチオン、又は炭素数が16以下のピリジニウムカチオンがより好ましい。
上記炭素数が16以下のアルキルアンモニウムカチオンとしては、テトラエチルアンモニウムカチオン、テトラブチルアンモニウムカチオン等が挙げられ、炭素数が16以下のピリジニウムカチオンとしては、N−エチルピリジニウムカチオン、N−1−ブチルピリジニウムカチオン等が挙げられるが、こられに制限されるものではない。
カルボキシル基及びカルボキシル基の塩から選択される1以上と、アミド基及びアミド結合から選択される1以上とを含むポリマーにおいて、ポリマーが含むカルボキシル基の中和度は、50%〜100%であると好ましく、60%〜95%であるとより好ましく、70%〜90%であると最も好ましい。ここで中和度とは、ポリマーが含むカルボキシル基とカルボキシル基の塩についてのカルボキシル基の塩の割合(カルボキシレート基部位/(カルボキシル基部位+カルボキシレート基部位))である。
中和度を50%以上とすることで、ポリマーの沈殿形成を防ぐことができる。
カルボキシル基及びカルボキシル基の塩から選択される1以上と、アミド基及びアミド結合から選択される1以上とを含むポリマーの上記中和度は、実施例に記載の方法で確認する。
カルボキシル基及びカルボキシル基の塩から選択される1以上と、アミド基及びアミド結合から選択される1以上とを含むポリマーの重量平均分子量(Mw、PEG換算)は、100,000以上10,000,000以下であると好ましく、200,000以上9,500,000以下であるとより好ましく、は250,000以上8,000,000以下であると最も好ましい。
カルボキシル基及びカルボキシル基の塩から選択される1以上と、アミド基及びアミド結合から選択される1以上とを含むポリマーの重量平均分子量が100,000以上であれば、当該ポリマーは電解液に溶出しにくくなり、分子鎖の絡み合いによる相互作用も得ることができる。カルボキシル基及びカルボキシル基の塩から選択される1以上と、アミド基及びアミド結合から選択される1以上とを含むポリマーの重量平均分子量が10,000,000以下であれば、良好な溶解性が得られ、塗工可能な粘度のバインダーとすることができる。
カルボキシル基及びカルボキシル基の塩から選択される1以上と、アミド基及びアミド結合から選択される1以上とを含むポリマーの重量平均分子量の測定は、実施例に記載のゲルパーミエーションクロマトグラフィーで行うことができる。
本態様のバインダーポリマーを2.5質量%含む水溶液の粘度は、好ましくは5,000mPa・s以上であり、より好ましくは10,000mPa・s以上であり、さらに好ましくは100,000mPa・s以上である。当該粘度は、バインダーポリマーを構成するポリマー同士の相互作用の強さによって変化し、バインダーポリマーを構成するポリマーの相互作用が大きいほど粘度は高くなる。
上記粘度が5,000mPa・s以上であれば、バインダーポリマーの含有量が少量であっても電極組成物の粘度をコントロール可能である。また、電極組成物から電極を製造する場合にも、活物質同士や活物質と集電体を強固に結着することが期待できる。
バインダーポリマーを2.5質量%含む水溶液の粘度の上限は特になく、粘度が高いほど少量で電極組成物の粘度をコントロールできる。上記粘度は実施例に記載の方法で確認する。
[オキソ酸塩]
オキソ酸塩は、リン酸塩、ホウ酸塩、硫酸塩及びケイ酸塩から選択される1以上であると好ましく、リン酸塩、ホウ酸塩、又はケイ酸塩がより好ましく、ホウ酸塩又はケイ酸塩がさらに好ましい。
オキソ酸塩は、オキソ酸のアルカリ金属塩であると好ましく、オキソ酸のリチウム塩又はナトリウム塩であるとより好ましい。
オキソ酸塩は、ホウ酸塩又はケイ酸塩のアルカリ金属塩であると好ましく、ホウ酸塩又はケイ酸塩のリチウム塩又はナトリウム塩であるとより好ましい。
オキソ酸塩の具体例としては、四ホウ酸リチウム、四ホウ酸ナトリウム、リン酸一水素二リチウム、リン酸一水素二ナトリウム、リン酸リチウム、リン酸ナトリウム、メタケイ酸リチウム、ケイ酸ナトリウム、及びこれらの水和物等が挙げられる。
使用するオキソ酸塩は、上記オキソ酸塩を1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
使用するオキソ酸塩のオキソ酸は、組成物が含むバインダーポリマーと相互作用するため、水中で速やかに電離してアニオンになるオキソ酸が好ましい。このようなオキソ酸としては、2.0質量%のオキソ酸水溶液のpHが7.0以上となるようなオキソ酸が挙げられる。
オキソ酸水溶液のpHは、実施例に記載の方法で確認する。
尚、オキソ酸塩は本態様のバインダーポリマーとの組み合わせであれば、優れた効果が得られるが、例えばバインダーポリマーがポリビニルアルコールである場合、相互作用が強くなりすぎてゲル化し、分散性が良好な電極組成物を作ることが困難となるおそれがある。
本態様のバインダー組成物におけるオキソ酸塩の含有量は、溶媒を除いたバインダー組成物の固形分中の2質量%以上、50質量%以下が好ましく、3質量%以上、40質量%以下がより好ましく、4質量%以上、30質量%以下が最も好ましい。
また、バインダー組成物が電極組成物である場合は、電極組成物中のオキソ酸塩の含有量は、溶媒を除いた電極組成物の固形分中の0.01質量%以上、4質量%以下が好ましく、0.015質量%以上、3.6質量%以下がより好ましく、0.02質量%以上、2.4質量%以下が最も好ましい。
[その他の成分]
本態様のバインダー組成物は、本態様のバインダーポリマーとオキソ酸塩を含めばよく、溶媒は含んでもよいし、含まなくてもよい。本態様のバインダー組成物が溶媒を含む場合、本態様のバインダー組成物は、本態様のバインダーポリマーが溶媒に溶解した溶液であってもよい。
上記溶媒としては、水が好ましい。溶媒として水を含む場合、溶媒における水の含有量は、多いほど好ましく、例えば10質量%以上、30質量%以上、50質量%以上、70質量%以上、80質量%以上、90質量%以上、100質量%の順に好ましい。即ち、バインダー組成物の溶媒が水のみであることが最も好ましい。
本態様のバインダー組成物が、溶媒として水を主に使用する水系バインダーであることで、環境負荷を小さくすることができ、且つ、溶媒回収コストも低減することができる。
バインダー組成物が含みうる水以外の溶媒としては、例えば、エタノール、2−プロパノール等のアルコール系溶媒、アセトン、NMP、エチレングリコール等が挙げられる。但し、水以外の溶媒はこれらに限定されるものではない。
本態様のバインダー組成物は、エマルションを含んでもよい。
バインダー組成物が含むエマルションは特に限定されないが、(メタ)アクリル系ポリマー、ニトリル系ポリマー、ジエン系ポリマー等の非フッ素系ポリマー;PVDFやPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)等のフッ素系ポリマー(フッ素含有重合体);等のエマルションが挙げられる。エマルションは、粒子間の結着性と柔軟性(膜の可とう性)に優れるものが好ましい。この観点から、(メタ)アクリル系ポリマー、ニトリル系ポリマー、及び(メタ)アクリル変性フッ素系ポリマーが例示される。
本態様のバインダー組成物は、分散剤を含んでもよい。
バインダー組成物が含む分散剤としては、特に制限されず、アニオン性、ノニオン性もしくはカチオン性の界面活性剤、又は、スチレンとマレイン酸との共重合体(ハーフエステルコポリマー−アンモニウム塩を含む)等の高分子分散剤等の種々の分散剤を用いることができる。
バインダー組成物が分散剤を含む場合には、後述する導電助剤100質量%に対して5〜20質量%含有することが好ましい。分散剤の含有量がこの範囲であると、導電助剤を充分に微粒子化でき、且つ活物質を混合した場合の分散性を充分に確保することが可能となる。
本態様のバインダー組成物が含むその他の水溶性高分子としては、ポリオキシアルキレン、水溶性セルロース、等が挙げられる。
本態様のバインダー組成物は、上述した溶媒を含む塗工液であってもよい。このような場合、バインダー組成物は、該バインダー組成物に塗工に適した表面張力を付与する等の目的で、表面張力低下剤等のような、該バインダー組成物の表面張力を調整可能な成分を含んでもよい。表面張力低下剤は格別限定されず、例えば、フッ素変性アクリルコポリマー等が挙げられる。
バインダー組成物が表面張力低下剤を含む場合、バインダー組成物における表面張力低下剤の含有量は格別限定されず適宜設定可能であるが、例えば、バインダー組成物100質量%に対して0.1〜10質量%であり得る。
また、表面張力の影響で塗工液がはじかれる場合は、基材に親水性を付与することも有効である。親水性付与の方法は、親水性のアンダーコート剤の塗工やプラズマ処理などが挙げられるがこれに限定されない。
本態様のバインダー組成物は、本態様のバインダーポリマー、オキソ酸塩、及び任意に含まれるその他成分(溶媒、エマルション、分散剤、及びその他の水溶性高分子から選択される1以上)から本質的になってもよく、本態様のバインダー組成物は、例えば、70質量%以上、80質量%以上、又は90質量%以上が、本態様のバインダーポリマー、オキソ酸塩、及び任意に含むその他成分からなってもよい。
本態様のバインダー組成物は、本態様のバインダーポリマー、オキソ酸塩、及び任意に含まれるその他成分のみからなってもよい。この場合、本態様のバインダー組成物は不可避不純物を含んでもよい。
<電極組成物>
本発明のバインダー組成物は、電気化学素子の電極を形成する電極組成物のバインダーとして好適に用いることができる。本発明のバインダー組成物は、正極活物質を含む正極組成物及び負極活物質を含む負極組成物のいずれにも用いることができる。
本発明の一態様に係る電極組成物は、本発明のバインダー組成物を含む。本態様の電極組成物は、バインダー組成物の他にさらに活物質及び導電助剤を含むと好ましい。
本態様の電極組成物において、バインダーポリマーの含有量は、溶媒を除いた固形分中の例えば0.5〜8.0質量%とすることができ、1.0〜6.0質量%とすると好ましい。
ポリマーバインダーの含有量が少量であっても十分な結着性を得ることができる。
導電助剤は二次電池を高出力化するために用いられ、導電性カーボンが挙げられる。
導電性カーボンとしては、ケッチェンブラック、アセチレンブラック等のカーボンブラック;ファイバー状カーボン;黒鉛等がある。これらの中でもケッチェンブラック、アセチレンブラックが好ましい。ケッチェンブラックは中空シェル構造を持ち、導電性ネットワークを形成しやすい。そのため、従来のカーボンブラックに比べ、半分程度の添加量で同等性能を発現することができる。アセチレンブラックは高純度のアセチレンガスを用いることで副生される不純物が非常に少なく、表面の結晶子が発達しているため好ましい。
導電助剤であるカーボンブラックは、平均粒子径が1μm以下のものであることが好ましい。平均粒子径が1μm以下の導電助剤を用いることにより、本態様の電極組成物を用いて電極とした場合に出力特性等の電気特性を優れた電極とすることが可能となる。
導電助剤の平均粒子径は、より好ましくは0.01〜0.8μmであり、さらに好ましくは0.03〜0.5μmである。導電助剤の平均粒子径は、動的光散乱の粒度分布計(例えば導電助剤屈折率を2.0とする)により測定することができる。
導電助剤であるファイバー状カーボンとして、カーボンナノファイバー又はカーボンナノチューブを用いると、導電パスが確保できるため、出力特性、サイクル特性が向上するので好ましい。
ファイバー状カーボンは、太さ0.8nm以上、500nm以下、長さ1μm以上、100μm以下が好ましい。太さが当該範囲であれば、十分な強度と分散性が得られ、長さが当該範囲内であれば、ファイバー形状による導電パスの確保が可能となる。
正極活物質は、リチウムイオンを吸蔵及び放出できる活物質であると好ましい。このような正極活物質を用いることで、リチウムイオン電池の正極として好適に用いることができるものとなる。
正極活物質としては、種々の酸化物、硫化物が挙げられ、具体例としては、二酸化マンガン(MnO)、リチウムマンガン複合酸化物(例えばLiMn又はLiMnO)、リチウムニッケル複合酸化物(例えばLiNiO)、リチウムコバルト複合酸化物(LiCoO)、リチウムニッケルコバルト複合酸化物(例えばLiNi1−xCo)、リチウム−ニッケル−コバルト−アルミニウム複合酸化物(LiNi0.8Co0.15Al0.05)、リチウムマンガンコバルト複合酸化物(例えばLiMnCo1−x)、リチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物(例えばLiNiMnCo1−x−y)、ポリアニオン系リチウム化合物(例えば、LiFePO、LiCoPOF、LiMnSiO等)、バナジウム酸化物(例えばV)等が挙げられる。また、導電性ポリマー材料、ジスルフィド系ポリマー材料、等の有機材料も挙げられる。硫黄、硫化リチウム等のイオウ化合物材料も挙げられる。導電性の乏しい活物質に関しては、炭素等の導電性物質と複合化して用いてもよい。
これらのうち、リチウムマンガン複合酸化物(LiMn)、リチウムニッケル複合酸化物(LiNiO)、リチウムコバルト複合酸化物(LiCoO)、リチウムニッケルコバルト複合酸化物(LiNi0.8Co0.2)、リチウム−ニッケル−コバルト−アルミニウム複合酸化物(LiNi0.8Co0.15Al0.05)、リチウムマンガンコバルト複合酸化物(LiMnCo1−x)、リチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物(例えばLiNiMnCo1−x−y)、Li過剰系ニッケル−コバルト−マンガン複合酸化物(LiNiCoMnCO固溶体)、LiCoPO、LiNi0.5Mn1.5が好ましい。
正極活物質は、電池電圧の観点から、LiMO、LiM、LiMO又はLiMXO3or4、LiMXOで表されるLi複合酸化物が好ましい。ここで、Mは80%以上がNi、Co、Mn及びFeから選択される1以上の遷移金属元素からなるが、遷移金属以外にもAl、Ga、Ge、Sn、Pb、Sb、Bi、Si、P、B等が添加されていてもよい。Xは80%以上がP、Si及びBから選択される1以上の元素からなる。
上記正極活物質のうち、MがNi、Co及びMnの1以上であるLiMO、LiM又はLiMOの複合酸化物が好ましく、MがNi、Co及びMnの1以上であるLiMOの複合酸化物がより好ましい。Li複合酸化物は導電性ポリマー等の正極物質と比較して体積当たりの電気容量(Ah/L)が大きく、エネルギー密度の向上に有効である。
正極活物質は、電池容量の観点から、LiMOで表されるLi複合酸化物が好ましい。ここで、MはNiを含むと好ましく、Mのうち25%以上がNiであるとより好ましく、Mの45%以上がNiであるとさらに好ましい。MがNiを含むと、MがCo及びMnの場合に比べて、正極活物質の重量当たりの電気容量(Ah/kg)が大きくなり、エネルギー密度の向上に効果的である。
正極活物質を金属酸化物、炭素等で被覆することもできる。正極活物質を金属酸化物又は炭素で被覆することで正極活物質が水に触れたときの劣化を抑制し、充電時のバインダーや電解液の酸化分解を抑制することができる。
被覆に用いる金属酸化物は特に限定されないが、Al、ZrO、TiO、SiO、AlPO等の金属酸化物や、Liを含有するLiαβγで表される化合物でもよい。尚、Liαβγにおいて、Mは、Al、Ti、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zr、Nb、Mo、Ag、Ta、W、Irから選択される1以上の金属元素であり、0≦α≦6、1≦β≦5、0<γ≦12である。
正極活物質及び本発明のバインダー組成物を含む正極組成物において、正極組成物の固形分におけるバインダーポリマー、正極活物質、導電助剤、エマルション、及びこれらの成分以外のその他の成分の含有割合(質量比)は、バインダーポリマー/正極活物質/導電助剤/エマルション/その他の成分=0.2〜8/70〜98/2〜20/0〜10/0〜5であることが好ましい。
このような含有割合であると、正極組成物から形成される電極を電池の正極として用いた場合の出力特性や電気特性を優れたものとすることが可能となる。より好ましくは、0.5〜7/80〜97/1〜10/0〜6/0〜2である。さらに好ましくは、1.0〜6/85〜97/1.5〜8/0〜4/0〜1.5である。尚、ここでいうその他の成分は、バインダーポリマー、正極活物質、導電助剤、エマルション以外の成分を指し、分散剤、バインダーポリマー以外の水溶性高分子等が含まれる。
本態様の電極組成物では、本発明のバインダーポリマーが少量であっても十分な粘度と結着性が得られるので、正極活物質の含有量を増やすことができ、エネルギー密度を向上させることができる。
本発明のバインダー組成物を含む正極組成物は、正極活物質や導電助剤等のフィラー成分の分散安定性を確保し、さらに、塗膜の形成能、基材との密着性に優れたものとなる。そしてこのような正極組成物から形成される正極は、二次電池用の正極として充分な性能を発揮することができるものである。
正極組成物が、本発明のバインダー組成物、正極活物質、導電助剤と水とを含むものである場合、当該正極水系組成物の製造方法としては、正極活物質と導電助剤とが均一に分散されることになる限り特に制限されず、ビーズ、ボールミル、攪拌型混合機等を用いることで製造できる。
負極活物質は、グラファイト、天然黒鉛、人造黒鉛、ハードカーボン、ソフトカーボン等の炭素材料;ポリアセン系導電性高分子、チタン酸リチウム等の複合金属酸化物;シリコン、シリコン合金、シリコン複合酸化物、スズ等のリチウムと合金を形成する化合物等、リチウムイオン二次電池で通常用いられる材料を用いることができる。
上記負極活物質のうち、シリコン及びスズから選択される1以上を構成元素として含む活物質は、充放電による膨張収縮が大きいが、本発明のバインダー組成物は少量であっても強固な結着性を示すことができるので、活物質の膨張収縮による電気化学素子の性能低下を抑えることができる。
これらのうち、炭素材料、シリコン、シリコン合金、シリコン複合酸化物が好ましい。シリコン複合酸化物やシリコン系の材料においては、事前にリチウムを含有させることも好ましい。
負極活物質及び本発明のバインダー組成物を含む負極組成物において、負極組成物の固形分におけるバインダーポリマー、負極活物質、導電助剤、エマルション、及び、その他の成分の含有比率(重量比)は、0.3〜8/80〜99/0〜10/0〜9/0〜5であることが好ましい。このような含有割合であると、負極組成物から形成される電極を電池の負極として用いた場合の出力特性や電気特性を優れたものとすることが可能となる。より好ましくは、0.5〜7/85〜98/0〜5/0〜3/0〜3である。さらに好ましくは、1.0〜6/85〜97/0〜4/0〜2.5/0〜1.5である。尚、ここでいうその他の成分は、負極活物質、導電助剤、バインダーポリマー及びエマルション以外の成分を意味し、分散剤や増粘剤等が含まれる。
本態様の電極組成物では、バインダーポリマーが少量であっても十分な粘度と結着性が得られるので、負極活物質の含有量を増やすことができ、エネルギー密度を向上させることができる。
本発明のバインダーを含む負極組成物は、負極活物質の分散安定性を確保し、さらに、塗膜の形成能、基材との密着性に優れたものとなる。そしてこのような負極組成物から形成される負極は、二次電池用の負極として充分な性能を発揮することができるものである。
また、本発明のバインダー組成物は、バインダーポリマー同士のネットワーク形成により、活物質及び導電助剤を集電体上に強くつなぎとめることが可能である。従って、本態様の電極組成物は、エネルギー密度が高い一方で、膨張収縮が大きく、劣化し易いシリコン及びスズから選択される1以上を構成元素として含む活物質の耐久性を向上させることができる。
負極組成物が、本発明のバインダーポリマー、負極活物質、導電助剤、エマルションと水とを含むものである場合、当該負極水系組成物の製造方法としては、負極活物質と導電助剤とが均一に分散されることになる限り特に制限されず、ビーズ、ボールミル、攪拌型混合機等を用いることで製造できる。
本態様の電極組成物は、本質的に本発明のバインダー組成物、活物質、導電助剤からなってもよく、さらに溶媒が含まれてよい。本態様の電極組成物の、例えば70質量%以上、80質量%以上、又は90質量%以上が、本発明のバインダー組成物、活物質、導電助剤、溶媒であってもよい。また、本態様の電極組成物は、本発明のバインダー組成物、活物質、導電助剤、溶媒のみからなってもよい。この場合、不可避不純物を含んでもよい。尚、電極組成物に含まれる溶媒は、バインダー組成物に用いることができる溶媒が使用でき、バインダー組成物に含まれる溶媒と同一であっても異なってもよい。
本態様の電極組成物を集電体上に塗布し、乾燥することで電極とすることができる。
より具体的には、電極組成物が正極活物質を含む正極組成物である場合、正極組成物を正極集電体上に塗布及び乾燥することで正極とすることができ、電極組成物が負極活物質を含む負極組成物である場合、負極組成物を負極集電体上に塗布及び乾燥することにより負極とすることができる。
正極集電体は、電子伝導性を有し、保持した正極材料に通電し得る材料であれば特に限定されない。正極集電体としては、例えば、C、Ti、Cr、Mo、Ru、Rh、Ta、W、Os、Ir、Pt、Au、Al等の導電性物質;これら導電性物質の二種類以上を含有する合金(例えば、ステンレス鋼)を使用し得る。
電気伝導性が高く、電解液中の安定性と耐酸化性がよい観点から、正極集電体としてはC、Al、ステンレス鋼等が好ましく、さらに材料コストの観点からAlが好ましい。アルカリが強い正極スラリーにおいては、アルカリに耐食性を有するステンレス鋼を用いることもできる。
負極集電体は、導電性材料であれば特に制限されること無く使用できるが、電池反応時に電気化学的に安定な材料を使用することが好ましく、例えば銅、ステンレス等を使用することができる。
炭素系の活物質には導電性の高い銅が好ましく、膨張収縮が大きなシリコンやスズ等を含有する活物質においては強度に優れたステンレス鋼を適用するのが好ましい。
集電体の形状には、特に制約はないが、箔状基材、三次元基材等を用いることができる。これらのうち、三次元基材(発泡メタル、メッシュ、織布、不織布、エキスパンド等)を用いると、集電体との密着性に欠けるようなバインダーポリマーを含む電極組成物であっても高い容量密度の電極が得られ、高率充放電特性も良好になる。
集電体が箔状である場合、あらかじめ、集電体表面上にプライマー層を形成することで高容量化を図ることができる。プライマー層は、活物質層と集電体との密着性が良好で、且つ導電性を有しているものであればよい。例えば、炭素系導電助剤を混ぜ合わせたバインダーポリマーを集電体上に0.1μm〜50μmの厚みで塗布することでプライマー層を形成できる。
プライマー層用の導電助剤は、炭素粉末が好ましい。金属系の導電助剤であると、容量密度を上げることは可能だが、入出力特性が悪くなるおそれがある一方、炭素系の導電助剤であれば、入出力特性を向上させることができる。
炭素系導電助剤としては、ケッチェンブラック、アセチレンブラック、気相法炭素繊維、グラファイト、グラフェン、カーボンチューブ等が挙げられ、これら一種単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。これらのうち、導電性とコストの観点から、ケッチェンブラック又はアセチレンブラックが好ましい。
プライマー層用のバインダーポリマーは、炭素系導電助剤を結着できるものであれば、特に限定されない。但し、本発明のバインダーの他、PVA、CMC、アルギン酸ナトリウム等の水系バインダーを用いてプライマー層を形成すると、活物質層を形成する際に、プライマー層が溶け、効果が顕著に発揮されないおそれがある。そのため、このような水系バインダーを用いる際は、あらかじめプライマー層を架橋するとよい。架橋材としては、ジルコニア化合物、ホウ素化合物、チタン化合物等が挙げられ、プライマー層用スラリー形成時にバインダー量に対して0.1〜20wt%添加するとよい。
プライマー層は、箔状の集電体で、水系バインダーを用いて容量密度を上げることが可能なだけでなく、高い電流で充放電を行っても、分極が小さくなり高率充放電特性を良好にすることができる。
尚、プライマー層は箔状の集電体だけに効果があるのではなく、三次元基材でも同様の効果が得られる。
<二次電池>
図1は、本発明のバインダー組成物を正極及び/又は負極に用いたリチウムイオン二次電池の一実施形態を示す概略断面図である。
図1において、リチウムイオン二次電池10は、正極缶9上に正極集電体7、正極6、セパレータ及び電解液5、リチウム金属4(負極)及びSUSスペーサー3がこの順に積層しており、当該積層体は、積層方向両側面をガスケット8によって、及び積層方向をウェーブワッシャー2を介した負極缶1によって固定されている。
二次電池における電解液としては、有機溶媒に電解質を溶解した溶液である非水系電解液を用いることができる。
有機溶媒としては、例えばプロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネート等のカーボネート類;γ−ブチロラクトン等のラクトン類;トリメトキシメタン、1,2−ジメトキシエタン、ジエチルエーテル、2−エトキシエタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン等のエーテル類;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類;1,3−ジオキソラン、4−メチル−1,3−ジオキソラン等のオキソラン類;アセトニトリル、ニトロメタン、NMP等の含窒素類;ギ酸メチル、酢酸メチル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、リン酸トリエステル等のエステル類;ジグライム、トリグライム、テトラグライム等のグライム類;アセトン、ジエチルケトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類;スルホラン等のスルホン類;3−メチル−2−オキサゾリジノン等のオキサゾリジノン類;1,3−プロパンスルトン、4−ブタンスルトン、ナフタスルトン等のスルトン類等が挙げられる。これらの有機溶媒は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
電解質としては、例えばLiClO、LiBF、LiI、LiPF、LiCFSO、LiCFCO、LiAsF、LiSbF、LiAlCl、LiCl、LiBr、LiB(C、LiCHSO、LiCSO、Li(CFSON、Li[(COB等が挙げられる。
非水系電解液としては、カーボネート類にLiPFを溶解した溶液が好ましく、該溶液はリチウムイオン二次電池の電解液として特に好適である。
正極及び負極の両極の接触による電流の短絡等を防ぐためのセパレータとしては、両極の接触を確実に防止することができ、かつ電解液を通したり含んだりすることができる材料を用いるとよく、例えばポリテトラフルオロエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン等の合成樹脂製の不織布、ガラスフィルター、多孔質セラミックフィルム、多孔質薄膜フィルム等を用いることができる。これらの材料は、後述するセパレータ基材に含まれる材料としても用いることができる。
セパレータに耐熱性等の機能を付与するため、セパレータは、本発明のバインダー組成物を含むことが好ましい。一実施形態において、セパレータ基材上に本発明のバインダー組成物を含む組成物(塗工液)を塗布して、バインダー組成物を含むコート層(以下、「セパレータコート」あるいは単に「コート」とも称する。)を形成してもよい。このようにして、本発明のバインダー組成物を含むセパレータが得られる。一実施形態において、塗工液は溶媒を含んでおり、基材上に塗布された塗工液中の溶媒を乾燥させることによってコート層を形成することができる。本実施形態では、セパレータは、セパレータ基材と、該セパレータ基材を被覆するコート層とを含み、該コート層が本発明のバインダー組成物を含む。
本発明のバインダー組成物に、例えば、シリカ(二酸化ケイ素)、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、酸化ニオブ、酸化バリウム等のセラミック粒子等のようなフィラーを混合した組成物(塗工液)をセパレータ基材上に塗布してコート層を形成することもできる。このように、セパレータ基材を、フィラーを含むコート層で被覆することで、セパレータの耐熱性を向上できる。
上記の効果が発揮される理由は必ずしも明らかではないが、本発明のバインダー組成物による高い結着性が高温下においても好適に発揮されること等が推定される。特にバインダー組成物がフィラーを含有する場合は、該フィラーがバインダー組成物中に均一に分散し、フィラー同士が良好な結着力で結束されることにより、膜が良好に維持されることが推定される。このような効果は、セパレータが特にリチウムイオン電池等のような二次電池に用いられる場合により顕著に発揮される。本発明のバインダー組成物を含むセパレータは、二次電池の内部短絡時の高温下(正極と負極との接触による大電流に起因する発熱下)における変形を抑制する効果に優れる。セパレータの変形(さらには流動、溶融)が抑制されることによって、短絡が生じたとしても連続的な反応による熱暴走が抑制され、安全性(例えば発火防止性等)の向上が期待できる。
バインダー組成物におけるフィラーの含有量は格別限定されず、例えば、フィラー100質量部に対して、バインダー組成物添加量は1質量部以上、3質量部以上又は4質量部以上であり得、また、20質量部以下、10質量部以下又は8質量部以下であり得る。
セパレータ基材としては、前述したものを制限なく用いることができるが、多孔質薄膜フィルムが好ましく、湿式法、乾式法を用いて作成したポリオレフィン多孔膜を好適に用いることができる。ポリオレフィン多孔膜等のようなセパレータ基材は、単層構造でもよく、ポリプロピレン/ポリエチレン/ポリプロピレンの三層多孔膜(微多孔膜)等のような積層構造でもよい。
上記組成物は、正極上もしくは負極上にコートし保護膜として用いることも可能である。このような保護膜を正極もしくは負極上に形成することで電池のサイクル特性の向上が期待できる。
二次電池は、例えば、負極、電解質を含浸したセパレータ、正極を外装体の中に入れて密封することで製造することができる。密封の方法には加締め、ラミネートシール等公知の方法を用いてよい。
比較例1
アミド基及びアミド結合から選択される1以上を有するポリマーである、市販のポリアクリルアミド(Polyscience社製、粘度平均分子量[Mv]=6,000,000)について、下記装置及び条件で重量平均分子量を評価した。その結果、このポリアクリルアミドの重量平均分子量は、2,692,854であった。
[測定装置と測定条件]
カラム:東ソー製TSKgel GMPWXL 2本
溶媒 :0.2M NaNO aq.
示差屈折率(RI)検出器:日本分光製 RI−1530
濃度 :0.3w/v%
注入量:100μL
流速 :1.0mL/min
カラム温度:40℃
検量線用標準試料:東ソー製 TSKgel std PEO及びAgilent製 PEG(標準試料は分子量420〜110万)
検量線:三次関数
上記ポリアクリルアミドは水溶性ポリマーであり、このポリアクリルアミドに水を加えて混錬し、ポリアクリルアミド10質量%水溶液を調製した。ポリアクリルアミド水溶液に、オキソ酸塩として四ホウ酸リチウム(和光純薬工業製)の2質量%水溶液、及び負極活物質としてシリコン(シリコンが炭素マトリックス中に分散したシリコン含有負極活物質、GELON製S1000)を添加し、シリコン:ポリアクリルアミド:四ホウ酸リチウムの固形分質量比=94:5.7:0.3(質量比)となるように混合し、負極組成物として、固形分濃度40質量%のスラリーを得た。
マイクロメーター付フィルムアプリケーター(テスター産業製、SA−204)と自動塗工装置(テスター産業製、PI−1210)を用いて、得られた負極組成物を厚さ10μmのCu箔に塗工し、60℃×20分乾燥し、120℃で5時間真空乾燥後、プレスを室温で行い、2mAh/cm、空隙率25〜35%の電極シートを作製した。得られた電極シートを14mmφに打ち抜いて、120℃5時間真空乾燥を行い、電極とした。尚、電極打ち抜きの際に、粉落ちはなかった。
製造した電極シート(プレス前)について、斜め切削装置(SAICAS)(ダイプラ・ウィンテス社製 DN−20S型)を用いて、電極シート界面の切削強度を評価したところ、170.3N/mであった。
酸素濃度10ppm以下、水分濃度5ppm以下に管理された、Ar置換のグローブボックス中にて、コインセル(宝泉株式会社製、コインセル2032)の正極缶にガスケットをはめ、製造した電極を正極とし、さらにセパレータを順に積層し、電解液を加えた。さらに負極、SUSスペーサー、ウェーブワッシャー、負極缶を重ね、コインセルかしめ機(宝泉株式会社製)を用いて、密閉することでコインセルを作製した。得られたコインセルの概略断面図を図1に示す。
ここでは負極ハーフセルでの評価のため、正極部分に製造した電極を用いた。
尚、コインセルの各構成部材は以下の通りである。
<コインセルの各構成部材>
正極:上記で用意した14mmφのシート
セパレータ:ポリプロピレン/ポリエチレン/ポリプロピレン三層セパレータ
負極(対極兼、参照極):15mmφのLi箔
電解液:1mol/L LiPFEC/DEC=3/7(キシダ化学製)
得られたコインセルの充放電特性である放電容量を下記測定条件で評価した。その結果、容量維持率は33.1%であった。
尚、評価した放電容量は、下記条件では初回の充放電の不可逆容量が大きいため、2サイクル目の放電容量を採用した。また、容量維持率は下記測定条件において(63回目の放電容量)/(2回目の放電容量)を容量維持率として算出した。また、シリコンの電池容量を1gあたり900mAhとして算出し、その容量をもとに1C(1時間で完全に放電する電流値)を算出した。
<測定条件>
[第1回充放電]
充電条件:0.2C−CC・CV Cut−off 0.01V
充電終了条件:電流値0.01C以下
放電条件:0.2C−CC Cut−off 1.0V
繰り返し:2回
[第2回充放電]
充電条件:1C−CC・CV Cut−off 0.01V
充電終了条件:電流値0.01C以下
放電条件:1C−CC Cut−off 1.0V
繰り返し:10回
[第3回充放電]
充電条件:0.2C−CC・CV Cut−off 0.01V
充電終了条件:電流値0.01C以下
放電条件:0.2C−CC Cut−off 1.0V
繰り返し:2回
[第4回充放電]
充電条件:0.2C−CC・CV Cut−off 0.01V
充電終了条件:電流値0.01C以下
放電条件:10C−CC Cut−off 1.0V
繰り返し:1回
[第5回充放電]
充電条件:0.2C−CC・CV Cut−off 0.01V
充電終了条件:電流値0.01C以下
放電条件:5C−CC Cut−off 1.0V
繰り返し:1回
[第6回充放電]
充電条件:0.2C−CC・CV Cut−off 0.01V
充電終了条件:電流値0.01C以下
放電条件:2C−CC Cut−off 1.0V
繰り返し:1回
[第7回充放電]
充電条件:0.2C−CC・CV Cut−off 0.01V
充電終了条件:電流値0.01C以下
放電条件:1C−CC Cut−off 1.0V
繰り返し:1回
[第8回充放電]
充電条件:0.2C−CC・CV Cut−off 0.01V
充電終了条件:電流値0.01C以下
放電条件:0.5C−CC Cut−off 1.0V
繰り返し:1回
[第9回充放電]
充電条件:0.2C−CC・CV Cut−off 0.01V
充電終了条件:電流値0.01C以下
放電条件:0.2C−CC Cut−off 1.0V
繰り返し:2回
[第10回充放電]
充電条件:1C−CC・CV Cut−off 0.01V
充電終了条件:電流値0.01C以下
放電条件:1C−CC Cut−off 1.0V
繰り返し:40回
[第11回充放電]
充電条件:0.2C−CC・CV Cut−off 0.01V
充電終了条件:電流値0.01C以下
放電条件:0.2C−CC Cut−off 1.0V
繰り返し:2回
実施例1
カルボキシル基及びカルボキシル基の塩から選択される1以上を有するポリマーである、市販のポリアクリル酸(富士フイルム和光純薬製 平均分子量1,000,000)に水酸化リチウム一水和物を加えて中和し、ポリアクリル酸リチウムを調製した。得られたポリアクリル酸リチウムの中和度をCHNコーダー法及びICP分光分析法を用いて元素分析により測定したところ、中和度は89%であった。
ポリアクリル酸リチウムについて、下記装置及び条件で重量平均分子量を評価した。その結果、このポリアクリル酸リチウムの重量平均分子量Mwは、176,649であった。
[測定装置と測定条件]
カラム:東ソー製TSKgel GMPWXL 2本
溶媒 :0.2M NaNO aq.:アセトニトリル=1:9(v:v)
示差屈折率(RI)検出器:日本分光製 RI−1530
濃度 :0.3w/v%
注入量:100μl
流速 :1.0ml/min
カラム温度:40℃
検量線用標準試料:東ソー株式会社製TSKgel std PEO及びAgilent製 PEG
検量線:三次関数
上記ポリアクリル酸リチウムは水溶性ポリマーであり、水を添加して、ポリアクリル酸リチウムの2.5質量%水溶液を調製した。このポリアクリル酸リチウム水溶液の粘度を、粘度計(ブルックフィールド社製、DV−II+Pro)で評価したところ、粘度は3125mPa・sであった。
比較例1のポリアクリルアミドについても、ポリアクリルアミドの2.5質量%水溶液を調製し、粘度を評価したところ、ポリアクリルアミド水溶液の粘度は3134mPa・sであった。
ポリアクリル酸リチウム及びポリアクリルアミドに水を添加して、ポリアクリル酸リチウム及びポリアクリルアミドの質量比が1:1である、ポリアクリル酸リチウム及びポリアクリルアミドが合計2.5質量%になるよう水溶液を調製した。このポリアクリル酸リチウム及びポリアクリルアミドの水溶液について、粘度を評価したところ58961mPa・sであった。
上記粘度測定の結果から、ポリアクリル酸リチウム単独の粘度及びポリアクリルアミド単独の粘度よりも、ポリアクリル酸リチウム及びポリアクリルアミドの混合物の粘度は、18.9倍の粘度向上が確認された。ポリアクリル酸リチウムとポリアクリルアミドの強い相互作用が推察できる。
上記ポリアクリル酸リチウムの10質量%水溶液と比較例1のポリアクリルアミドの10質量%水溶液をそれぞれ調製し、これらを混合して、ポリアクリル酸リチウムとポリアクリルアミドの質量比が1:1である、ポリアクリル酸リチウムとポリアクリルアミドの水溶液を調製した。調製したポリアクリル酸リチウムとポリアクリルアミドの水溶液に、オキソ酸塩として四ホウ酸リチウム(和光純薬工業製)の2質量%水溶液、及び負極活物質としてシリコン(シリコンが炭素マトリックス中に分散したシリコン含有負極活物質、GELON製S1000)を添加し、シリコン:(ポリアクリル酸リチウム+ポリアクリルアミド):四ホウ酸リチウムの固形分質量比=94:5.7:0.3(質量比)となるように混合し、負極組成物として、固形分濃度40質量%のスラリーを得た。
尚、四ホウ酸リチウムの2.0質量%水溶液を別途調整して、HANNA Instruments製 Checker Portable pH Meterにより水素イオン指数を評価したところ、pH9.3であった。水素イオン指数の測定は、その他の市販のpHメーター等を用いることもできる。
負極組成物として実施例1の負極組成物を用いた他は、比較例1と同様にして電極シートとコインセルを製造し、評価した。その結果、電極シートの切削強度310.0N/mであり、コインセルの容量維持率は53.2%であった。
比較例2
比較例1において、四ホウ酸リチウムを加えず、シリコン:ポリアクリルアミドの固形分質量比が94:6(質量比)となるように混合して負極組成物を調製した他は、実施例1と同様にして電極シートとコインセルを製造し、評価した。その結果、電極シートの切削強度154.1N/mであり、コインセルの容量維持率は28.0%であった。
オキソ酸塩である四ホウ酸リチウムが、水溶性ポリマー(ポリアクリル酸リチウムとポリアクリルアミド)と相互作用して、結着性向上と電池特性向上に寄与していると考えられる。
比較例3
実施例1において、四ホウ酸リチウムを加えず、シリコン:(ポリアクリル酸リチウム+ポリアクリルアミド)の固形分質量比が94:6(質量比)となるように混合して負極組成物を調製した他は、実施例1と同様にして電極シートとコインセルを製造し、評価した。その結果、電極シートの切削強度274.4N/mであり、コインセルの容量維持率は43.6%であった。
比較例4
特開2007−287570号公報に記載の未中和のポリアクリル酸の10質量%水溶液と比較例1のポリアクリルアミドの10質量%水溶液をそれぞれ調製し、ポリアクリル酸とポリアクリルアミドの固形分の質量が1:1になるように混合したところ、沈殿の形成がみられた。沈殿物が存在するため、電極シートの形成はできなかった。
ポリアクリル酸とポリアクリルアミドの混合物の相互作用をコントロールするため、中和度の調整も重要になる場合があること分かった。
実施例2
カルボキシル基及びカルボキシル基の塩から選択される1以上と、アミド基及びアミド結合から選択される1以上を有するポリマーとしてポリ-γ-グルタミン酸リチウム、オキソ酸塩として四ホウ酸リチウム、及び負極活物質としてシリコン(シリコンが炭素マトリックス中に分散したシリコン含有負極活物質、GELON製S1000)をそれぞれ用い、シリコン:ポリ-γ-グルタミン酸リチウム:四ホウ酸リチウムの固形分質量比=94:5.7:0.3(質量比)となるように混合して負極組成物を調製した他は、実施例1と同様にして電極シートとコインセルを製造し、評価した。その結果、電極シートの切削強度215.6N/mであり、コインセルの容量維持率は45.4%であった。
上記ポリ−γ−グルタミン酸リチウムは、下記文献等の方法で合成したポリグルタミン酸を水酸化リチウム・一水和物を用いて中和し、凍結乾燥後粉砕して得たポリグルタミン酸リチウムである。得られたポリグルタミン酸リチウムを実施例1と同様にして、分子量、中和度を求めたところ、重量平均分子量は529,000であり、中和度は90%であった。
Journal of Molecular Catalysis B: Enzymatic 35 (2005) 128-133
Journal of the Chinese Chemical Society,2006,53,1363-1384.
比較例5
四ホウ酸リチウムを用いず、シリコン:ポリ−γ−グルタミン酸リチウムの固形分質量比=94:6(質量比)とした以外は実施例2と同様にして電極シートとコインセルを製造し、評価した。その結果、電極シートの切削強度249.7N/mであり実施例と同等程度であったが、コインセルの容量維持率は23.7%と低い値であった。
これはオキソ酸塩が、電極内でポリマー間の相互作用を促していたために維持されていた電極内の電子伝導パスが、維持できなくなったためと考えられる。
実施例3
カルボキシル基及びカルボキシル基の塩から選択される1以上と、アミド基及びアミド結合から選択される1以上を有するポリマーとしてポリ−γ−グルタミン酸ナトリウム(PGAバイオ技術研究所製、PGA−DF)、オキソ酸塩として四ホウ酸ナトリウム(富士フィルム和光純薬製)、フィラーとして酸化アルミニウム(住友化学株式会社製、AKP3000)、表面張力低下剤(フッ素変性アクリルコポリマー固形分10wt%のジプロピレングリコールモノメチルエーテル溶液)、及び溶媒として水を、ポリ−γ−グルタミン酸ナトリウム:四ホウ酸ナトリウム:酸化アルミニウム:表面張力低下剤:水=0.7:0.6:24.4:2.5:71.8(質量比)となるように均一に混合して塗工液を得た。この塗工液を、セパレータ基材(ポリプロピレン/ポリエチレン/ポリプロピレンの三層微多孔膜、厚み22μm)上に塗工した後、60℃のホットプレートで10分間乾燥させてコート層(セパレータコート)を形成した。このようにして、セパレータ基材と、該セパレータ基材を被覆するコート層とを含むセパレータを得た。
得られたセパレータの一部を切り出し、厚みを評価したところ、26μmであった。セパレータ基材の厚みが22μmであることから、コート層の厚みは4μm程度と推定される。
得られたセパレータに420℃に熱したはんだごての先端を当て15秒保持したところ、形成された穴の直径は1mm以下と小さく、大きなシュリンクは見られなかった。
比較例6
バインダーとしてPVDF(アルケマ製、HSV900)、フィラーとして酸化アルミニウム(住友化学株式会社製、AKP3000)、溶媒としてNMPを、PVDF:酸化アルミニウム:NMP=1.7:32.1:66.2(質量比)となるように混合して得られたスラリーを塗工液として用い、乾燥条件を60℃で40分間とした以外は実施例3と同様にしてセパレータを得た。
得られたセパレータの一部を切り出し、厚みを評価したところ、29μmであった。セパレータ基材の厚みが22μmであることから、コート層の厚みは7μm程度と推定される。
得られたセパレータに420℃に熱したはんだごての先端を当て15秒保持したところ、形成された穴の直径は2.5mmであり、大きくシュリンクしていた。
以上のことから、セパレータが本発明のバインダー組成物を含むことによって、該セパレータの変形(特に高温下における変形)が防止されることが分かる。よって、本発明の組成物はセパレータ用の組成物としても有用であることが分かる。
以上、本発明を若干の実施形態及び実施例によって説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形が可能である。本発明は、実施形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法及び結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成)を包含する。また本発明は、上記の実施形態で説明した構成の本質的でない部分を他の構成に置き換えた構成を包含する。さらに本発明は、上記の実施形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成をも包含する。さらに本発明は、上記の実施形態で説明した構成に公知技術を付加した構成をも包含する。
例えば、実施例はリチウムイオン二次電池の負極用、正極用及びセパレータ用(セパレータコート用)バインダーを例にとって説明したが、これに限定されるものではなく、その他の電気化学素子、例えば電気二重層キャパシタのバインダー等としても好適に用いることができる。特に、リチウムイオン電池のセパレータコート用バインダーやキャパシタ用バインダー等、酸化環境にさらされる他の電気デバイスには好適に用いることができる。
本発明のバインダー組成物を用いて製造した、リチウムイオン電池、電気二重層キャパシタ等の電気化学素子は、様々な電気機器や車両に用いることができる。電気機器としては携帯電話やノートパソコン等、車両としては自動車、鉄道、飛行機等が挙げられるが、上記に限定されるものではない。
1 負極缶
2 ウェーブワッシャー
3 SUSスペーサー
4 リチウム金属
5 セパレータ及び電解液
6 正極
7 正極集電体
8 ガスケット
9 正極缶
10 リチウムイオン二次電池

Claims (18)

  1. オキソ酸塩と、
    カルボキシル基及びカルボキシル基の塩から選択される1以上を含むポリマーと、アミド基及びアミド結合から選択される1以上を含むポリマー、又は
    カルボキシル基及びカルボキシル基の塩から選択される1以上と、アミド基及びアミド結合から選択される1以上を含むポリマー、
    とを含む、電気化学素子用バインダー組成物。
  2. 前記オキソ酸塩が、リン酸塩、ホウ酸塩、硫酸塩及びケイ酸塩から選択される1以上である請求項1に記載の電気化学素子用バインダー組成物。
  3. 前記オキソ酸塩が、ホウ酸塩である請求項1又は2に記載の電気化学素子用バインダー組成物。
  4. 前記オキソ酸塩が、オキソ酸のアルカリ金属塩である請求項1〜3のいずれかに記載の電気化学素子用バインダー組成物。
  5. 前記オキソ酸塩が、オキソ酸のリチウム塩又はオキソ酸のナトリウム塩である請求項1〜4のいずれかに記載の電気化学素子用バインダー組成物。
  6. 前記オキソ酸塩の2.0質量%水溶液のpHが7.0以上である請求項1〜5のいずれかに記載の電気化学素子用バインダー組成物。
  7. 前記オキソ酸塩の固形分中の含有率が2質量%以上である請求項1〜6のいずれかに記載の電気化学素子用バインダー組成物。
  8. 前記カルボキシル基及びカルボキシル基の塩から選択される1以上を含むポリマーが、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸塩及びメタクリル酸塩から選択される1以上のモノマー単位を含むポリマーであり、
    前記アミド基及びアミド結合から選択される1以上を有するポリマーが、アクリルアミド、N−アルキルアクリルアミド及びN−ビニルアセトアミドから選択される1以上のモノマー単位を含むポリマーである請求項1〜7のいずれかに記載の電気化学素子用バインダー組成物。
  9. 前記カルボキシル基及びカルボキシル基の塩から選択される1以上を含むポリマーが、アクリル酸及びアクリル酸塩から選択される1以上をモノマー単位として50mol%以上含む1以上のポリマーであり、
    前記アミド基及びアミド結合から選択される1以上を含むポリマーが、アクリルアミドをモノマー単位として50mol%以上含むポリマーである請求項1〜8のいずれかに記載の電気化学素子用バインダー組成物。
  10. 前記カルボキシル基及びカルボキシル基の塩から選択される1以上と、アミド基及びアミド結合から選択される1以上を含むポリマーが、グルタミン酸、アスパラギン酸、グルタミン酸塩及びアスパラギン酸塩から選択される1以上のモノマー単位を含むポリマーである請求項1〜9のいずれかに記載の電気化学素子用バインダー組成物。
  11. 前記カルボキシル基及びカルボキシル基の塩から選択される1以上と、アミド基及びアミド結合から選択される1以上を含むポリマーが、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸塩及びメタクリル酸塩から選択される1以上のモノマー単位、並びに、アクリルアミド、Nアルキルアクリルアミド及びNビニルアセトアミドから選択される1以上のモノマー単位の両方を含むポリマーである請求項1〜9のいずれかに記載の電気化学素子用バインダー組成物。
  12. 前記ポリマーが含むカルボキシル基の中和度が50mol%以上である請求項1〜11のいずれかに記載の電気化学素子用バインダー組成物。
  13. 前記ポリマーが含むカルボキシル基の塩が、アルカリ金属イオン又は有機カチオンで中和したカルボキシル基の塩である請求項1〜12のいずれかに記載の電気化学素子用バインダー組成物。
  14. 前記ポリマーが含むカルボキシル基の塩が、アルカリ金属イオンで中和したカルボキシル基の塩である請求項1〜13のいずれかに記載の電気化学素子用バインダー組成物。
  15. 請求項1〜14のいずれかに記載の電気化学素子用バインダー組成物を用いた電気化学素子。
  16. 請求項1〜14のいずれかに記載の電気化学素子用バインダー組成物を含むリチウムイオン電池用電極。
  17. 請求項1〜14のいずれかに記載の電気化学素子用バインダー組成物と、シリコン及びスズから選択される1以上を構成元素として含む活物質を含むリチウムイオン電池用電極。
  18. 請求項1〜14のいずれかに記載の電気化学素子用バインダー組成物を含むリチウムイオン電池用セパレータ。
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