JP2020077557A - 車載用コネクタ - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、車載用コネクタの内部に侵入した液体を排出することを目的とする。【解決手段】車載用コネクタ10は、USBソケット38と、USBソケット38を収容する筐体とを備えている。筐体は、本体筐体12と、その前方に被せられたフロント筐体14とを備えている。USBソケット38は、USBソケット38の内側と外側とを連通する連通穴44を備えている。筐体は、内側と外側とを連通する筐体穴46が設けられた筐体壁を備えている。USBソケット38は、連通穴44を筐体壁側に向けて配置されている。筐体壁の内面は、連通穴44に対向する位置から筐体穴46に向かう傾斜面を有し、この傾斜面は、フィン状のリブ42の縁によって形成されている。【選択図】図5
Description
本発明は、車載用コネクタに関し、特に、コネクタに侵入した液体を排出する構造に関する。
自動車には、カーナビゲーション、オーディオ装置等のアクセサリ機器が搭載されている。アクセサリ機器には、ユーザが車内に持ち込んだパーソナルコンピュータ、スマートフォン等の情報処理装置が接続されることで、情報処理装置との間でデータの転送が可能なものがある。
自動車のインストルメントパネルにはアクセサリ機器と共に、USBコネクタ(USBソケット)等のデータ転送用コネクタが設けられることが多い。ユーザは、データ転送用コネクタに適合するプラグが設けられたケーブルを用いて情報処理装置をデータ転送用コネクタに接続し、アクセサリ機器および情報処理装置にデータの転送を行わせる。
液体、埃等による接触不良等を回避するため、データ転送用コネクタには蓋が設けられたものがある。例えば、引用文献1では、開閉蓋が設けられた車載用USB端子装置が提案されている。この車載用USB端子装置では、USBプラグがUSBソケットに挿入されていない状態では付勢力によって開閉蓋が閉じ、ユーザの手操作によって開閉蓋が開けられた状態でUSBプラグがUSBソケットに挿入される。
上記のような蓋付きの車載用コネクタであっても、蓋が開いているときには、コネクタのプラグ差し込み口から飲料物等の液体が侵入してしまうことがある。また、液体が多量である場合には、蓋の隙間から内部に液体が侵入してしまうことがある。車載用コネクタの内部に液体が浸入した場合、回路基板において絶縁されていた箇所が短絡してしまう可能性がある。
本発明は、車載用コネクタの内部に侵入した液体を排出することを目的とする。
本発明は、プラグを受け入れるプラグ受容部と、前記プラグ受容部を収容する筐体と、を備え、前記プラグ受容部は、前記プラグ受容部の内側と外側とを連通する連通穴を備え、前記筐体は、前記筐体の内側と外側とを連通する筐体穴が設けられた筐体壁を備え、 前記プラグ受容部は、前記連通穴を前記筐体壁側に向けて配置されており、前記筐体壁の内面は、前記連通穴に対向する位置から前記筐体穴に向かう傾斜面を有することを特徴とする。
望ましくは、前記筐体壁の内面は、前記傾斜面が縁に形成されたリブを有する。
望ましくは、前記傾斜面は、前記プラグ収容部の内側から前記連通穴の出口に至った液体を、表面張力によって前記筐体穴に導く。
望ましくは、前記プラグ収容部が固定された基板を備え、前記筐体は、前記プラグを受け入れるプラグ差し込み口を有し、前記差し込み口と前記プラグ受容部の開口とが重なり、前記連通穴の開口が前記傾斜面に向けられた姿勢で前記基板を支持する。
本発明によれば、車載用コネクタの内部に侵入した液体を排出することができる。
図1には、本発明の実施形態に係る車載用コネクタ10の斜視図が示されている。車載用コネクタ10は、例えば、車室のインストルメントパネルに固定される。図1のx軸正方向は車載用コネクタ10から車室側に向かう方向に対応し、z軸正方向は車室の上方向に対応する。以下の説明では、車載用コネクタ10から車室側を見る視点で左右方向を定義する。なお、本明細書において車載用コネクタ10に対して定義される上下左右の用語は、構造を説明するための便宜上のものであり、車載用コネクタ10が配置される向きおよび姿勢を限定するものではない。また、本明細書の「略」が付された形状を示す用語は、部材の機能を発揮するために適宜変形が加えられたことを意味する。
車載用コネクタ10は、本体筐体12およびフロント筐体14を備えている。本体筐体12は筒状に形成されており、本体筐体12の内部にはUSBソケットが収容されている。フロント筐体14は、本体筐体12の車室側の開口に被せられている。フロント筐体14は、USBソケットの開口の位置にプラグ差し込み口18が設けられたフロントパネル16と、フロントパネル16の後面から後方に突出した略四角筒形状の筐体筒19から構成される。
図2には、車載用コネクタ10の分解斜視図が示されている。本体筐体は、下筐体20および上筐体22から構成されている。下筐体20は、底板24、右前方側壁26R、左前方側壁26L、右後方側壁28Rおよび左後方側壁28Lから構成されている。底板24は略長方形状に形成されている。右前方側壁26Rは、底板24の右側の辺の前方1/4程度の区間から立ち上がり、前方にフロント筐体固定領域30が広がっている。左前方側壁26Lは、底板24の左側の辺の前方1/4程度の区間から立ち上がり、前方にフロント筐体固定領域30が広がっている。右前方側壁26Rおよび左前方側壁26Lのそれぞれにおけるフロント筐体固定領域30の外側には、フロント筐体14を固定するための固定爪32が形成されている。固定爪32は、前方から後方に向かうにつれて厚くなる突起である。右後方側壁28Rは、底板24の右側の辺の後方半分程度の区間から立ち上がっている。左後方側壁28Lは、底板24の左側の辺の後方半分程度の区間から立ち上がっている。
上筐体22は、天板34、右側壁36Rおよび左側壁36Lから構成されている。天板34は略長方形状に形成されている。右側壁36Rは、天板34の右側の辺の後方2/3程度の区間から下方に向かっている。左側壁36Lは、天板34の左側の辺の後方2/3程度の区間から下方に向かっている。USBソケット38は、前面に開口を有する略直方体の容器形状を有している。基板40の下面の前方には、基板40の前方の縁に開口が位置するようにUSBソケット38が固定されている。フロント筐体14が備える筐体筒19の左右の壁には、下筐体20における各フロント筐体固定領域30に形成された固定爪32が入り込む固定穴41が形成されている。
上筐体22の右側壁36Rが、下筐体20の右前方側壁26Rおよび右後方側壁28Rの外側に重なり、上筐体22の左側壁36Lが、下筐体20の左前方側壁26Lおよび左後方側壁28Lの外側に重なるように、上筐体22および下筐体20が重ねられる。ただし、下筐体20の右前方側壁26Rおよび左前方側壁26Lのそれぞれにおけるフロント筐体固定領域30には、上筐体22は重ならない。基板40は、USBソケット38の開口が前方を臨むように、上筐体22および下筐体20に囲まれる空間に固定される。すなわち、基板40は、USBソケット38の開口が前方を臨むように、上筐体22および下筐体20によって構成される筐体に支持される。
フロント筐体14は、筐体筒19の左右の壁に形成された固定穴41に、下筐体20の左右それぞれのフロント筐体固定領域30に形成された固定爪32が入り込むことで、上筐体22および下筐体20から構成される本体筐体に固定される。このとき、フロントパネル16に設けられたプラグ差し込み口18と、USBソケット38の開口とが重なる。
図3には、図1に示されているAA線における断面が示されている。USBソケット38を形成する側壁のうち、基板40に接触している側壁に対向する側壁には、連通穴44が開けられている。連通穴44は、USBソケット38の内側と外側とを連通させる。すなわち、連通穴44は、USBソケット38におけるプラグが差し込まれる空間と、USBソケット38の外側とを連通させる。基板40は、下筐体20の底板24の上面に対向するように本体筐体12内に固定されている。また、USBソケット38の連通穴44の開口は、フロント筐体14の底板側(フロント筐体14の底板に相当する筐体壁側)に向けられている。
フロント筐体14の底板と下筐体20の底板24との境界には、本体筐体12およびフロント筐体14の内側と外側とを連通させる筐体穴46が設けられている。USBソケット38の連通穴44の下方では、フロント筐体14の底面上にリブ42が形成されている。リブ42は、車載用コネクタ10の横方向を厚み方向とするエッジ形状を有し、前後方向に延びている。リブ42の上側の縁は、USBソケット38との間に隙間δを隔てて対向している。隙間δの距離は、連通穴44の前後方向の長さd以下である。リブ42の上側の縁は、連通穴44に対向する領域では前後方向に水平に延びており、連通穴44の後端から筐体穴46の前端に向かって傾斜し下降している。
図4には、車載用コネクタ10を下方から見た底面図が示されている。フロント筐体14の底面には、連通穴44およびリブ42が破線によって示されている。下筐体20の底板24の前方の縁には、切り欠き48が設けられており、この切り欠き48が、フロント筐体14の底板と下筐体20の底板24との境界において筐体穴46を形成する。
連通穴44の幅をa、リブ42の厚みをb、筐体穴46の幅をcとしたときに、a、bおよびcの間にはa≦b≦cの関係が実現されている。すなわち、リブ42の厚みbは連通穴44の幅aよりも大きいか、または連通穴44の幅aに等しい。筐体穴46の幅cはリブ42の厚みbよりも大きいか、またはリブ42の厚みbに等しい。
このように、本発明の実施形態に係る車載用コネクタ10は、プラグを受け入れるプラグ受容部としてのUSBソケット38と、USBソケット38を収容する筐体としての本体筐体12およびフロント筐体14を備えている。USBソケット38は、USBソケット38の内側(プラグが差し込まれる空間)と外側とを連通する連通穴44を備えている。本体筐体12およびフロント筐体14によって形成される筐体は、その内側と外側とを連通する筐体穴46が設けられた底板(筐体壁)を備えている。USBソケット38は、連通穴44を底板側に向けて配置されている。底板の上面(内面)は、連通穴44に対向する位置から筐体穴46に向かう傾斜面を有し、この傾斜面が、フィン状のリブ42の縁によって形成されている。
また、本発明の実施形態に係る車載用コネクタ10は、USBソケット38が固定された基板40を備えている。フロント筐体14は、プラグを受け入れるプラグ差し込み口18を有し、本体筐体12は、リブ42の縁によって形成される傾斜面側に連通穴44の開口が向けられる姿勢で、基板40を支持する。
次に、プラグ差し込み口18からUSBソケット38の開口に液体が侵入した場合の液体の動きについて図5を参照して説明する。図5には、液体50と、液体50が移動する方向を示す矢印(S1〜S3)が示されている。
USBソケット38の内部に侵入した液体50は、連通穴44からその下方の出口に至る(S1)。USBソケット38とリブ42の縁との間の隙間δは、連通穴44の前後方向の大きさd以下である。そして、リブ42の幅bは連通穴44の幅aと同等であるか、もしくは幅aよりも大きい。したがって、連通穴44の出口に達した液体50は、リブ42の縁との間に作用する表面張力によってリブ42の縁に付着する(S2)。液体50は、さらに、リブ42の縁との間に作用する表面張力と重力によって、リブ42の縁の傾斜を伝わって下降して筐体穴46に至り(S3)、筐体穴46から本体筐体12およびフロント筐体14の外に排出される。
なお、ここでは、プラグ差し込み口18が横方向に向けられた実施形態について説明した。プラグ差し込み口18が、上側(重力方向の反対側)に向けられている場合であっても、液体50を排出する効果が得られる。すなわち、連通穴44の出口に達した液体50は、リブ42の縁との間に作用する表面張力によってリブ42の縁に付着し、リブ42の縁との間に作用する表面張力と重力によってリブ42の縁の傾斜を伝わって筐体穴46に至り、筐体穴46から本体筐体12の外に排出される。
上記では、車載用コネクタ10としてUSBプラグが差し込まれる実施形態について説明した。本発明は、HDMI(登録商標)等その他の規格のコネクタに用いられてもよい。また、車載用コネクタ10のフロント筐体14には、プラグ差し込み口18を開閉する蓋が設けられてもよい。
10 車載用コネクタ、12 本体筐体、14 フロント筐体、16 フロントパネル、18 プラグ差し込み口、19 筐体筒、20 下筐体、22 上筐体、24 底板、26R 右前方側壁、26L 左前方側壁、28R 右後方側壁、28L 左後方側壁、30 フロント筐体固定領域、32 固定爪、34 天板、36R 右側壁、36L 左側壁、38 USBソケット、40 基板、42 リブ、44 連通穴、46 筐体穴、48 切り欠き、50 液体。
Claims (4)
- プラグを受け入れるプラグ受容部と、
前記プラグ受容部を収容する筐体と、を備え、
前記プラグ受容部は、前記プラグ受容部の内側と外側とを連通する連通穴を備え、
前記筐体は、前記筐体の内側と外側とを連通する筐体穴が設けられた筐体壁を備え、
前記プラグ受容部は、前記連通穴を前記筐体壁側に向けて配置されており、
前記筐体壁の内面は、前記連通穴に対向する位置から前記筐体穴に向かう傾斜面を有することを特徴とする車載用コネクタ。 - 請求項1に記載の車載用コネクタにおいて、
前記筐体壁の内面は、
前記傾斜面が縁に形成されたリブを有することを特徴とする車載用コネクタ。 - 請求項1または請求項2に記載の車載用コネクタにおいて、
前記傾斜面は、前記プラグ収容部の内側から前記連通穴の出口に至った液体を、表面張力によって前記筐体穴に導くことを特徴とする車載用コネクタ。 - 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の車載用コネクタにおいて、
前記プラグ収容部が固定された基板を備え、
前記筐体は、
前記プラグを受け入れるプラグ差し込み口を有し、
前記差し込み口と前記プラグ受容部の開口とが重なり、前記連通穴の開口が前記傾斜面に向けられた姿勢で前記基板を支持することを特徴とする車載用コネクタ。
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- 2018-11-09 JP JP2018211004A patent/JP2020077557A/ja active Pending
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