JP2020074473A - 半導体光素子、アレイ半導体光素子、及び光モジュール - Google Patents
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Abstract
【課題】寄生容量が低減される構造を有しつつも設計自由度が高い、半導体光素子、アレイ半導体光素子、及び光モジュールの提供。【解決手段】半絶縁性基板と、一方の導電型の第1半導体層と、発光特性を有する活性層と、他方の導電型の第2半導体層と、絶縁層と、導電層と、が下から順に積層された多層構造を有し、多層構造は、発光構造と、第1電極構造と、第2電極構造と、を含み、半絶縁性基板及び第1半導体層には、第2電極構造を残りの部分から分離して、全体的に直線よりも第2電極構造に接近するように非直線を描く第1溝が形成される。【選択図】図1A
Description
本発明は、半導体光素子、アレイ半導体光素子、及び光モジュールに関し、特に、半導体光素子の寄生容量軽減に関する。
1対の電極がともに基板の一方の面に配置される片面電極構造を有する半導体光素子が用いられている。半導体光素子には、さらなる高速動作が求められており、半導体光素子の寄生容量の低減が望まれる。
W. Kobayashi, et al、"Design and Fabrication of Wide Wavelength Range 25.8-Gb/S, 1.3-μM, Push-Pull-Driven DMLs"、IEEE Journal of Lightwave Technology、vol32、No.1、2014年1月1日、3−9頁
非特許文献1に、片側電極構造を有するリッジ導波路導波路型の直接変調レーザが開示されている。チップの寄生容量を低減させるために、p電極部が厚膜のBCB(ベンゾシクロブテン:Benzocyclobutene)で埋め込まれており、p電極のパッドがBCBの上側に配置される。
しかしながら、BCBなど厚膜の有機物層を形成する場合、有機物層の膜厚の制御は容易ではない。その結果、n型コンタクト層の上面とp型コンタクト層の上面との間に大きな高低差(約5μm)が発生している。また、十分な低容量化を実現するために、有機物層の厚さは一般に1〜3μm程度は少なくとも必要であり、この段差に起因した電極の段切れなど、作製工程の歩留まり低下が生じる懸念がある。また、基板の表面の一部が盛り上がるなど、凹凸が生じることもあり得る。この結果、p電極とn電極とをともに実装される基板の電極部分に良好な状態で接続させることは難しく、実装の観点でも歩留まりや信頼性の低下を引き起こし得る。
特許文献1に、片側電極構造を有するリッジ導波路型の半導体レーザ素子が開示されている(図1参照)。低容量構造とするために、リッジ16及び両側の溝15を含む部分の一側に第1分離溝31が、他の一側に第2分離溝32が、それぞれ形成されている。アノード電極25(p電極)が、リッジ16の上面に接触し、第2分離溝32を越えて、さらに平坦面35の上面に広がっている。第2分離溝32は、奥行き方向(長さ方向)に前方端面から後方端面までエッチングによって形成され、最上層のp−InGaAs層9から活性層6及びFe−InP層3を越えて半導体基板2の途中深さまで設けられている。第2分離溝32が前方端面から後方端面まで至る全体として直線状に形成されることにより、電極パッドを広範囲に確保することが出来るが、反対に、素子の設計自由度が小さくなってしまう。
本発明は、かかる課題を鑑みてなされたものであり、寄生容量が低減される構造を有しつつも設計自由度が高い、半導体光素子、アレイ半導体光素子、及び光モジュールの提供を目的とする。
(1)上記課題を解決するために、本発明に係る半導体光素子は、半絶縁性基板と、p型及びn型の一方の導電型の第1半導体層と、発光特性を有する活性層と、前記第1半導体層とは反対の導電型の第2半導体層と、絶縁層と、導電層と、が下から順に積層された多層構造を有し、前記多層構造は、発光構造と、第1電極構造と、第2電極構造と、を含み、前記半絶縁性基板及び前記第1半導体層には、前記第2電極構造を残りの部分から分離して、全体的に直線よりも前記第2電極構造に接近するように非直線を描く第1溝が形成され、前記第1半導体層は、前記第1溝により分離される前記残りの部分が前記発光構造及び前記第1電極構造で連続し、前記活性層は、前記発光構造、前記第1電極構造及び前記第2電極構造に、それぞれ、相互に分離して形成され、前記第2半導体層は、前記発光構造、前記第1電極構造及び前記第2電極構造に、それぞれ、相互に分離して形成され、前記絶縁層は、前記発光構造では前記第1半導体層を覆って前記第2半導体層の一部を露出させ、前記第1電極構造では前記第2半導体層を覆い、前記第2電極構造では前記第1半導体層及び前記第2半導体層を覆い、前記第1溝の内面では前記第1半導体層を覆うように形成され、前記導電層は、前記第1半導体層に接触して前記第1電極構造の上端に至る前記第1配線パターンと、前記発光構造で前記第2半導体層に接触して前記第1溝の内側で前記絶縁層の上を通って前記第2電極構造の上端に至る第2配線パターンと、を含む。
(2)上記(1)に記載の半導体光素子であって、前記発光構造は、前記第2半導体層の一部によって構成されるリッジを有してもよい。
(3)上記(1)又は(2)に記載の半導体光素子であって、前記絶縁層は、前記発光構造と前記第1電極構造の間では前記第1半導体層の一部を露出させるように形成され、前記第1配線パターンは、前記発光構造と前記第1電極構造の間で、前記第1半導体層に接触して電気的に接続してもよい。
(4)上記(1)から(3)のいずれかに記載の半導体光素子であって、前記発光構造は、回折格子をさらに含み、分布帰還型レーザとして構成されてもよい。
(5)上記(1)から(3)のいずれかにに記載の半導体光素子であって、前記発光構造は、分布ブラッグ反射鏡をさらに含み、分布ブラッグ反射型レーザとして構成されてもよい。
(6)上記(1)から(3)のいずれかに記載の半導体光素子であって、前記発光構造は、分布帰還型レーザと分布ブラッグ反射鏡をさらに含み、分布反射型レーザとして構成されてもよい。
(7)上記(1)から(6)のいずれかに記載の半導体光素子であって、前記発光構造から出射した光を前記導体層とは反対側へ向けて反射させるミラー構造が、モノリシックに集積されてもよい。
(8)上記(1)から(7)のいずれかに記載の半導体光素子であって、前記半絶縁性基板及び前記第1半導体層は、厚み方向に広がる側面を有し、前記第1溝の少なくとも一端は、前記半絶縁性基板及び前記第1半導体層の前記側面に開口するように形成されてもよい。
(9)本発明に係るアレイ半導体光素子は、複数の半導体光素子を有し、前記複数の半導体光素子のそれぞれは、上記(1)から(7)のいずれかに記載の前記半導体光素子であり、前記複数の半導体光素子は、モノリシックに集積され、前記半絶縁性基板及び前記第1半導体層には、隣同士の前記半導体光素子の間を分離する第2溝が形成されていてもよい。
(10)上記(9)に記載のアレイ半導体発光素子であって、前記隣同士の前記複数の半導体光素子の一方に形成される前記第1溝の少なくとも一端は、前記第2溝に開口するように形成されていてもよい。
(11)本発明に係る光モジュールは、上記(1)から(8)のいずれかに記載の半導体光素子と、前記半導体光素子を駆動するための駆動回路と、前記半導体光素子と光学的に接続される外部導波路と、前記半導体光素子と前記駆動回路と前記外部導波路とをそれぞれ所定の位置に固定するためのパッケージと、を含む光モジュールであってもよい。
(12)本発明に係る光モジュールは、上記(9)又は(10)に記載のアレイ半導体光素子と、前記複数の半導体光素子を駆動するための駆動回路と、前記複数の半導体光素子とそれぞれ光学的に接続される、複数の外部導波路と、前記複数の半導体光素子と前記駆動回路と前記複数の外部導波路とをそれぞれ所定の位置に固定するためのパッケージと、を含む光モジュールであってもよい。
本発明により、寄生容量が低減される構造を有しつつも設計自由度が高い、半導体光素子、アレイ半導体光素子、及び光モジュールが提供される。
以下に、図面に基づき、本発明の実施形態を具体的かつ詳細に説明する。なお、実施形態を説明するための全図において、同一の機能を有する部材には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。なお、以下に示す図は、あくまで、実施形態の実施例を説明するものであって、図の大きさと本実施例記載の縮尺は必ずしも一致するものではない。
[第1の実施形態]
図1Aは、本発明の第1の実施形態に係る半導体光素子の平面図である。当該実施形態に係る半導体光素子は、波長帯1.3μmのリッジ導波路型のDFBレーザ(Distributed Feedback Laser:分布帰還型レーザ)であり、p側電極107とn側電極108とが基板の一方側(ここでは、上表面)に配置される片面電極構造を有している。なお、半導体光素子の図1Aの上端(上側の辺)にある側面が前方端面であり、半導体光素子は前方端面より光を出射する。また、下端(下側の辺)が後方端面である。
図1Aは、本発明の第1の実施形態に係る半導体光素子の平面図である。当該実施形態に係る半導体光素子は、波長帯1.3μmのリッジ導波路型のDFBレーザ(Distributed Feedback Laser:分布帰還型レーザ)であり、p側電極107とn側電極108とが基板の一方側(ここでは、上表面)に配置される片面電極構造を有している。なお、半導体光素子の図1Aの上端(上側の辺)にある側面が前方端面であり、半導体光素子は前方端面より光を出射する。また、下端(下側の辺)が後方端面である。
図1Bは、当該実施形態に係る半導体光素子の断面図であり、図1Aに示すIB−IB線による断面を示している。図1Bに示す通り、半導体光素子は多層構造を有している。多層構造は、半絶縁性InP基板101と、n型InP層102と、InGaAlAs系活性層103と、p型半導体層と、SiO2保護膜106と、導電層と、が下から順に積層される構造である。
半絶縁性InP基板101は、半絶縁性基板であり、FeがドープされるInPからなる。半絶縁性とみなせる程度に電気伝導性が小さい(電気抵抗が大きい)半導体基板であれば、これに限定されることはない。n型InP層102は、第1半導体層であり、ここでは、n型の導電型であるが、p型及びn型の一方の導電型であればよい。InGaAlAs系活性層103は、発光特性を有する活性層であり、電流注入によって利得を生じる。InGaAlAs系活性層103は、ともにInGaAlAs系である井戸層と障壁層とが交互に複数回積層される多重量子井戸構造を含んでおり、量子井戸の組成波長は1.31μmである。p型半導体層は、p型の第2半導体層であり、第2半導体層の導電型は、第1半導体層とは反対である。p型半導体層は、p型エッチングストップ層(図示せず)と、p型InP層104と、p型InGaAsコンタクト層105と、を含んでいる。SiO2保護膜106は、絶縁層である。導電層は、p側電極107と、n側電極108と、を含んでいる。なお、半導体光素子の半導体層は、半絶縁性InP基板101と、n型InP層102と、InGaAlAs系活性層103と、p型半導体層とで構成される。
多層構造は、発光構造と、第1電極構造と、第2電極構造と、を含んでいる。当該実施形態に係る半導体光素子に、InGaAlAs系活性層103と、InGaAlAs系活性層103の上方に所定の幅で形成されるリッジと、が配置される。InGaAlAs系活性層103のうち、リッジの下方に位置する部分に導波路が形成され、導波路より光を出射する。すなわち、多層構造のうちリッジが形成される部分が発光構造であり、発光構造は該リッジを有する。リッジの延伸方向は、半絶縁性InP基板101の[110]方向、または[1-10]方向であり、ここでは図1Aの上下方向となっている。発光構造は、図1A及び図1Bには発光部110として記されている。リッジは前方端面から後方端面に亘って延伸しており、光の出射方向とリッジの延伸方向は一致している。ここで、共振器長(前方端面から後方端面までの長さ)は150μmである。
リッジの両側にバンク(土手部分)が配置され、一方が第1電極構造(n側電極構造)であり、他方が第2電極構造(p側電極構造)である。第1電極構造は、該一方のバンクの上面にn側電極108が形成される部分であり、図にはn電極形成部112として示されている。第2電極構造は、該他方のバンクの上面にp側電極107が形成される部分であり、図にはp電極形成部111として示されている。なお、p側電極107のうち、p電極形成部111(第2電極構造)に形成される部分は、ワイヤボンディングのためのパッド部である。
当該実施形態に係る半導体光素子の主な特徴は、p電極形成部111(p側電極107のパッド部)を囲うように、分離溝109(第1溝)が配置されていることにある。図1Bに示す通り、分離溝109の深さ(厚み方向(積層方向)に沿って最下点)は、半絶縁性InP基板101に達している。すなわち、分離溝109は、半絶縁性InP基板101及びn型InP層102に形成される溝であり、p電極形成部111(第2電極構造)を残りの部分から分離している。
分離溝109は、半導体光素子の側面(図1Aの右端)より、p側電極107のパッド部の前方側からパッド部の図1Aの上辺に沿って、リッジの延伸方向に垂直な方向(図1Aの左向き)に延び、屈曲して、パッド部の図1Aの左辺に沿って、リッジの延伸方向に(図1Aの下向き)に延び、さらに屈曲して、パッド部の図1Aの下辺に沿って(図1Aの右向き)に延伸して、半導体光素子の側面に及んでいる。すなわち、分離溝109は、平面視して、p側電極107のパット部を、残りの部分から分離して、全体的に直線よりパッド部に接近するように非直線を描く溝である。
半導体素子の該側面は、半絶縁性InP基板101及びn型InP層102にも形成されるので、半絶縁性InP基板101及びn型InP層102は厚み方向(積層方向)に広がる該側面を有している。そして、分離溝109の両端は、半導体素子の該側面に開口するように形成されている。本明細書において、側面は、半導体光素子より光が出射する前方端面と、前方端面とは反対側の後方端面と、の間に、厚み方向(積層方向)に延びる面をいう、なお、側面は、素子上面及び下面と、前方端面及び後方端面と、を含まない。
n型InP層102(第1半導体層)は、分離溝109(第1溝)により、p電極形成部111(第2電極構造)が残りの部分から分離され、該残りの部分が発光部110(発光構造)及びn電極形成部112(第1電極構造)で連続している。
InGaAlAs系活性層103(活性層)は、発光構造、第1電極構造及び第2電極構造に、それぞれ、相互に分離して形成される。
p型半導体層(第2半導体層)は、発光構造、第1電極構造及び第2電極構造に、それぞれ、相互に分離して形成される。
SiO2保護膜106(絶縁層)は、発光部110(発光構造)では、n型InP層102(第1半導体層)を覆ってp型半導体層(第2半導体層)の一部を露出させるように形成される。n電極形成部112(第1電極構造)では、p型半導体層(第2半導体層)を覆うように形成される。p電極形成部111(第2電極構造)では、n型InP層102及びp型半導体層を覆い、分離溝109の内面ではn型InP層102を覆うように形成される。発光部110とn電極形成部112の間ではn型InP層102の一部を露出させるように形成される。当該実施形態では、SiO2保護膜106は、リッジの上面(の少なくとも一部)の領域と、リッジとn側電極108側のバンクとの間にある平坦領域(の一部)と、を除いて、素子の上表面全域に形成されている。
なお、図1Aでは、半導体光素子の表面(上面)にSiO2保護膜106が形成される領域を明確にするために、網掛けを付している。また、分離溝109が形成される領域のうち、SiO2保護膜106が露出している領域に、別の網掛けを付している。
n側電極108は、n型InP層102に接触し、n電極形成部112の上端に至る第1配線パターンである。当該実施形態では、発光部110とn電極形成部112の間で、SiO2保護膜106が形成されず、n型InP層102を露出させる部分において、n側電極108はn型InP層102に接触して電気的に接続される。n側電極108とn型InP層102との接続領域を発光部110の近傍に配置することにより、n側電極108とn型InP層102との間の電流経路を短くすることが出来、素子の電気抵抗を低減することが出来る。
p側電極107は、発光部110でp型半導体層に接触し、分離溝109(第1溝)の内側でSiO2保護膜106の上を通って、p電極形成部111の上端に至る第2配線パターンである。なお、当該実施形態では、p型半導体層の最上層はp型InGaAsコンタクト層105であり、p側電極107は、リッジ上面で、SiO2保護膜106が形成されない部分において、p型InGaAsコンタクト層105と接触している。
図1Aに示す通り、p側電極107は、発光部110のリッジの上面と両側面に形成される部分と、p電極形成部111に形成されるパッド部と、発光部110とp電極形成部11との間を接続する接続部と、を有しており、分離溝109がリッジの延伸方向に沿って延びる部分において、分離溝109を横切ってp側電極107の接続部が図1Aの左右方向に延びている。
また、図1Aに示す通り、n側電極108は、発光部110とn電極形成部112との間にある平坦領域においてn型InP層102に接触する部分と、n電極形成部112に形成される部分と、該両部分とを接続する接続部と、を有している。
当該実施形態に係る半導体光素子では、分離溝109により、n型InP層102が、第2電極構造と残りの部分とで分離されている。第2電極構造が残りの部分と、半導体層において電気的に分離されており、寄生容量が低減される構造となっている。なお、半絶縁性InP基板101は、第2電極構造と残りの部分で連続している。しかしながら、半絶縁性InP基板101の抵抗率は高く、本明細書において、電気的に分離されているとする。
分離溝109が、全体的に直線より第2電極構造に接近するように非直線を描く溝であることにより、他の構造を避けて形成することができるので、他の構造を設ける領域を広くすることができ、高い設計自由度を実現している。ここでは、分離溝109の両端が、半導体素子の該側面に開口するように形成されており、第2電極構造の前方及び後方において、他の光学部品を配置でき、さらに高い設計自由度を実現している。当該実施形態においては、分離溝109の両端が、半導体素子の該側面に開口するように形成されているがこれに限定されることはなく、少なくとも一端が該側面に開口するよう形成されていてもよい。この場合、分離溝109の一端は該側面に開口し、他の一端は前方端面又は後方端面に開口することになるが、該側面に開口する側において高い設計自由度を実現している。また当該実施形態においては、分離溝109は直線を組み合わせた形状としているがこれに限定されることはなく、曲線を含む形状であっても構わない。
以上、当該実施形態に係る半導体光素子について説明した。以下、当該実施形態に係る半導体光素子の製造方法について説明する。図2A乃至図2Hは、当該実施形態に係る半導体光素子の製造工程を示す断面図であり、図1AにIB−IB線で示す断面に対応している。
まず、半絶縁性InP基板101からなるウエハ上に、n型InP層102、InGaAlAs系活性層103、p型エッチングストップ層(図示せず)、p型InPスペーサ層113、及びp型InGaAsP回折格子層114を、有機金属気相成長法などを用いて、順にエピタキシャル成長する(図2A)。p型エッチングストップ層は、リッジを形成するエッチングのために積層される。
InGaAlAs系活性層103は、n型InGaAlAsで構成されたn側光閉じ込め層と、p型InGaAlAsで構成されたp側光閉じ込め層と、その間に配置される、多重量子井戸構造を含む。ここで、多重量子井戸構造は、厚さ7nmの井戸層(ウェル層)と厚さ8nmの障壁層(バリア層)を8周期積層したものであり、井戸層及び障壁層はともにアンドープのInGaAlAsで構成される。多重量子井戸構造は、出力される出射光が十分な特性を実現できるように設計されている。
次に、p型InGaAsP回折格子層114を電子ビーム露光法を用いて、リッジの延伸方向(図2Aの紙面を前後に貫く方向)に沿って均一なピッチを有する回折格子を形成する。回折格子の構造は、室温でのDFBレーザの発振波長が1.31μmとなるように形成した。その後、ウエハを再度成長炉内に導入し、ウエハ全面にp型InP層104及びp型InGaAsコンタクト層105を積層する(図2B)。図2Bに示す断面は回折格子が形成されない部分であるために、図2Bには回折格子は図示されていない。また、図2Bには、p型InPスペーサ層113はp型InP層104と一体として図示されており、特にp型InP層104と別の層とはしていない。p型InGaAsコンタクト層105のドーピングによるキャリア濃度を1018cm−3としている。
なお、当該実施形態では、回折格子が半導体光素子(DFBレーザ)の全領域で均一に形成されているが、これに限定されることはなく、InGaAlAs系活性層103の上方となる領域の一部で回折格子の位相がずらして構成される、いわゆる位相シフト構造を有していてもよい。また、回折格子の周期が光の光軸方向に沿って変化している構造を有していてもよい。
続いて、ウエハ上に、SiO2膜(二酸化珪素膜)を所定の形状に被覆して保護マスクを形成する。保護マスクを用いて、p型InP層104及びp型InGaAsコンタクト層105の一部を除去し、リッジと、リッジの両側に所定の距離を隔ててバンク(土手部分)を形成する(図2C)。後の工程によって、リッジが発光部110と、両側のバンクがそれぞれn電極形成部112及びp電極形成部111となる。
続いて、InGaAlAs系活性層103の一部を、ホトリソグラフィー法とウェットエッチングにより除去する(図2D)。InGaAlAs系活性層103が除去される領域は、n側電極108がn型InP層102に接触する領域を含んでおり、素子の電気抵抗を低減する観点から、リッジとn側電極108側のバンクとの間に、かかる領域を配置している。ここでは、InGaAlAs系活性層103が除去される領域は、リッジとバンクの間の領域から、リッジから両側に所定の距離広がる領域を除いた領域としている。
次に、ホトリソグラフィー法と臭化水素系のウェットエッチングを用いて、分離溝109を形成する(図2E)。分離溝109の深さが、半絶縁性InP基板101に到達するように調整する。
その後、ウエハ全面に、SiO2保護膜106を形成する(図2F)。そして、リッジの最上層にあるp型InGaAsコンタクト層105の上面に配置されるSiO2保護膜106を除去する(図2G)。
さらに、n側電極108がn型InP層102に接触する領域に配置されるSiO2保護膜106を除去する。そして、所定の形状にp側電極107を蒸着する(図2H)。ここで、p側電極107の所定の形状は、リッジ上面においてp型InGaAsコンタクト層105に接触し、分離溝109を延びて、p電極形成部111の上端に至る形状である。
次に、所定の形状にn側電極108を蒸着する。n側電極108の所定の形状は、リッジとバンクとの間にあるn型InP層102との接触領域を含み、n電極形成部112の上端に至る形状である。
その後、ウエハ裏面を100μmの厚みまで研磨する。以上で、ウエハプロセスを完了する。さらに、劈開によりウエハからチップを切り出し、半導体光素子の前方端面(出射側劈開端面)に誘電体無反射膜を形成し、また、後方端面に誘電体高反射膜を形成して、半導体光素子が作製される(図1B)。
以上の製造工程により作製される半導体光素子を、ジャンクションダウンでサブマウントに実装する。当該実施形態に係る半導体光素子は、第1電極構造と第2電極構造とが同一の積層構造を有しており、n電極形成部112とp電極形成部111との高さの差は低減されており、実質的に上面は同一面にある(高さが同じ)。よって、半導体光素子をサブマウントに実装する際に、半導体素子の傾きが低減され、はんだ接続不良が抑制され、安定した実装が実現できる。
当該実施形態に係る半導体光素子の発振特性を評価している。室温での発振しきい電流は7mA、スロープ効率は0.3W/Aであり、副モード抑圧比40dB以上の良好な単一波長発振を得ている。これら評価結果は、同じ共振器構造を有し、分離溝を有していないDFBレーザと同等の良好な結果となっている。すなわち、分離溝を設けることによる発振特性の劣化は非常に抑制されている。また、半導体光素子の素子容量を測定したところ、0.5pFと低い値を得ることができ、低容量化が実現しており、当該実施形態に係る半導体光素子が顕著な効果を奏することが確認されている。
クラウドコンピューティングの普及に伴い、データセンタの通信量が増大している。これに対応するため、データセンタ内のインターコネクトに向けた次世代100GbEや、更なる大容量化に向けた400GbEの標準化が進められている。これら100GbEや400GbE向け光トランシーバでは、多チャンネル方式が採用されている。更に、チャンネル当たりの速度も従来の10Gbpsより高速化が要求されており、例えば、100GbEでは、25Gbps×4チャンネル、400GbEでは50Gbps×8チャンネルなどが提案されている。一方、データセンタでは、通信量の増大に伴い、運用コストの低減が重要な課題となっているため、データの送受信に用いられる光モジュールにも小型化、低コスト化、低電力化が強く要求されている。よって、当該実施形態に係る半導体光素子は、光通信に用いられる光モジュールに備える半導体光素子に最適である。
当該実施形態に係る半導体光素子は、InP基板上に形成される波長帯1.3μmのInGaAlAs量子井戸型レーザであるが、基板材料や活性層材料、そして発振波長は当該実施形態に限定されるものではない。本発明は、例えば波長帯1.55μmの半導体レーザや、量子井戸がInGaAsP系の半導体レーザなど、異なる基板材料や異なる活性層材料、異なる発振波長の半導体レーザにも適用することが出来る。
[第2の実施形態]
図3Aは、本発明の第2の実施形態に係る半導体光素子の平面図(上面図)である。図3Bは、当該実施形態に係る半導体光素子の底面図(下面図)である。図3Cは、当該実施形態に係る半導体光素子の断面図であり、図3Aに示すIIIC−IIIC線による断面を示している。当該実施形態に係る半導体光素子は、波長帯1.3μmの面出射半導体レーザ(LISEL:Lens Integrated Surface Emitting Laser)である。ここで、LISELは、半導体レーザとミラーとレンズとが基板上に集積された半導体光素子であり、LISELの一般的な構造については特許文献2に開示されている。LISELに備えられる半導体レーザは、例えば、従来のDFBレーザと同じ構造をしている。当該実施形態に係る半導体光素子をLISELとすることにより、光結合効率の向上と光モジュールの小型化が実現される。
図3Aは、本発明の第2の実施形態に係る半導体光素子の平面図(上面図)である。図3Bは、当該実施形態に係る半導体光素子の底面図(下面図)である。図3Cは、当該実施形態に係る半導体光素子の断面図であり、図3Aに示すIIIC−IIIC線による断面を示している。当該実施形態に係る半導体光素子は、波長帯1.3μmの面出射半導体レーザ(LISEL:Lens Integrated Surface Emitting Laser)である。ここで、LISELは、半導体レーザとミラーとレンズとが基板上に集積された半導体光素子であり、LISELの一般的な構造については特許文献2に開示されている。LISELに備えられる半導体レーザは、例えば、従来のDFBレーザと同じ構造をしている。当該実施形態に係る半導体光素子をLISELとすることにより、光結合効率の向上と光モジュールの小型化が実現される。
当該実施形態に係る半導体光素子のレーザ部はDFBレーザであり、第1の実施形態に係る半導体光素子と同じ構造をしている。共振器長(リッジの延伸方向に沿う長さ)は、第1の実施形態と同様に150μmである。図3Aに示すIB−IB線による断面は、第1の実施形態に係る半導体光素子の断面図である図1Bと同じである。
当該実施形態に係る半導体光素子は、第1の実施形態に係る半導体光素子と、発光部110から出射した光を裏面へ向けて反射させるミラー構造116と、ミラー構造116で反射される光を集光するレンズ117とが、モノリシックに集積されている。
半導体光素子の導体層(p側電極107及びn側電極108)側の表面にある半導体層が除去され、レーザ部が出射する光の出射方向に対して斜交する面が形成されている。かかる面が図3Aに示すミラー構造116である。また、半導体光素子の裏面(半絶縁性InP基板101側の面)にある半導体層(半絶縁性InP)が除去され、凸面が形成されている。かかる面により図3Bに示すレンズ117が構成される。なお、図3Aには、平面視して、裏面にレンズ117が形成される領域が示されている。
ここでは、ミラー構造116の反射面の法線がレーザ部の光の出射方向に対して45°で交わっており、ミラー構造116で反射される光は厚み方向(積層方向)に進行し、レンズ117で集光され、半絶縁性基板101の裏面に垂直な方向に出射する。しかし、ミラー構造116の反射面の法線がレーザ部の光の出射方向と交わる角度は45°に限定されることはなく、反射される光が半絶縁性基板101の裏面に到達するのであればよい。また、レンズ117は凸レンズであり、半導体光素子の裏面より出射する光が収束光であるのが望ましい。しかし、これに限定されることはなく、裏面より出射する光が平行光であってもよいし、レーザ部より出射する光よりも発散が抑制される発散光であってもよい。なお、半導体光素子の後方端面に、誘電体高反射膜115が配置されている。また、図3Cに、p型InGaAsP回折格子層114の回折格子が図示されており、それゆえ、p型InPスペーサ層113がp型InP層104と区別して示されている。
第1の実施形態と同様に、当該実施形態において、分離溝109は、p電極形成部111(p側電極107のパッド部)を囲うように配置されている。これにより、当該実施形態のように、光の出射方向側にミラー構造116が集積される場合においても、分離溝109がミラー構造116と干渉することなく、p電極形成部111にあるn型InP層102を残りの部分と電気的に分離することが出来ており、格別の効果を奏している。
以下、当該実施形態に係る半導体光素子の製造方法について説明する。半導体光素子のレーザ部を作製する工程は、第1の実施形態に係る半導体光素子の製造方法と一部が共通している。第1の実施形態において、電子ビーム露光法を用いて、リッジの延伸方向(図2Aの紙面を前後に貫く方向)に沿って均一なピッチを有する回折格子を形成する工程までは、当該実施形態においても同様である。当該実施形態では、この後、ホトリソグラフィー法とエッチングを用いて、ミラーを形成する領域を含み発光部110の前方となる領域にある、p型InGaAsP回折格子層114、p型InPスペーサ層113、及びInGaAlAs系活性層103を除去する。
続いて、ウエハを再度成長炉内に導入し、ウエハ全面にp型InP層104及びp型InGaAsコンタクト層105を積層する。以上の工程により、後にミラーを形成する部分の半導体層は、p型InP層104とp型InGaAsコンタクト層105のみが成長される。続いて、ウエハ上に、SiO2膜(二酸化珪素膜)を所定の形状に被覆して保護マスクを形成する。その後、第一実施例と同様に、SiO2保護マスクを用いて、p型InP層104及びp型InGaAsコンタクト層105の一部を除去して、リッジおよびバンクを形成する。その後、保護マスクとして用いたSiO2膜を除去する。
次に、ホトリソグラフィー法とエッチングにより、ミラー構造116が形成される領域のp型InGaAsコンタクト層105を除去する。続いて、続いて、ウエハ全面にSiO2膜を形成する。その後、ミラーを形成する領域にあるSiO2膜をホトリソグラフィー法とエッチングにより除去し、半導体(p型InP)をエッチングにより除去することにより、傾斜面を形成する(ミラー構造116)。かかるエッチングは、塩素とアルゴンガスを用いた化学アシストイオンビームエッチング(CAIBE:Chemically Assisted Ion Beam Etching)であり、ウエハ上に、傾斜角45°の角度に傾斜させてエッチングすることが出来る。エッチングは、これに限定されることはなく、例えば、塩素系ガスの反応性イオンビームエッチング(RIBE:Reactive Ion Beam Etching)や、ウェットエッチングを用いても良い。
ウエハの表面にある半導体を除去して新たに形成される面を、一方の切断面を傾斜角45°の斜面としてもう一方の切断面を厚み方向に広がる面としている(側面は厚み方向に広がる直角三角形)が、これに限定されることはない。両方の切断面を傾斜角45°の斜面としてもよい(側面は厚み方向に広がる直角二等辺三角形)。この場合、断面はV字状となる。前述の通り、傾斜角は45°に限定されず、それ以外の角度であってもよい。
次に、第1の実施形態と同様に、リッジの上面に配置されるSiO2保護膜106、及びn側電極108がn型InP層102に接触する領域に配置されるSiO2保護膜106を除去する。
p側電極107及びn側電極108をそれぞれ所定の形状に蒸着する。その後、ウエハ裏面を150μmの厚みまで研磨した後、ウエハ裏面にSiN(窒化珪素)マスクを形成する。続いて、メタンと水素の混合ガスを用いた反応性イオンエッチングにより、直径125μmで深さ30μmのリング柱状に半導体をエッチングする。ここで、エッチングにより除去されて残存するのは円柱(リングの内部)である。ここで残存するのは円柱であるが、用途に応じて楕円柱であってもよい。
続いて、残存する円柱の部分の上部のSiNマスクを除去し、ウェットエッチングにより、円柱の部分の表面から食刻されて角が取れ、凸面を形成する。かかる凸面がレンズ117であり、半絶縁性InP基板101の裏面に形成されるモノリシック集積レンズである。なお、レンズ117の表面に、後の工程で、反射防止膜(図示せず)が形成される。
当該実施形態において、レーザ部の共振器長は150μmとし、回折格子の結合係数は200cm−1としているが、これらに限定されることはなく、他の値を用いてもよい。また、半導体光素子のリッジ延伸方向における全長を400μmとしている。また、p型InGaAsP回折格子層114の回折格子ピッチはウエハ均一として、1.31μmで発振するように設計している。なお、第1の実施形態と同様に、回折格子は、位相シフト構造を有していてもよいし、回折格子の周期が変化する構造(複数のピッチ長で配置される構造)を有していてもよい。
この後の工程は、第1の実施形態に係る製造方法と同様であり、図3Cに示す通り、後方端面に誘電体高反射膜115を形成するが、第1の実施形態において前方端面に形成する誘電体無反射膜は不要である。このようにして、当該実施形態に係る半導体光素子が作製される。第1の実施形態と同様に、当該実施形態に係る半導体光素子を、ジャンクションダウンでサブマウントに実装する。当該実施形態に係る半導体光素子は、第1の実施形態に係る半導体光素子と同様に、安定した実装が実現できる。
当該実施形態に係る半導体光素子の直流電流特性を評価している。室温での発振しきい電流は5mA、スロープ効率は0.35W/Aであり、良好な発振特性が得ている。また、波長1.3μmで良好な単一波長発振が実現されており、ミラー構造116、レンズ117などの機能部の集積による発振特性の劣化も、分離溝109を設けることによる発振特性の劣化も、非常に抑制されている。また、半導体光素子の素子容量を測定したところ、1.0pF程度を得ており、低容量化が実現しており、当該実施形態に係る半導体光素子がさらなる効果を奏することが確認されている。
また、半導体光素子の出射光のファーフィールドパターン(FFP)は、裏面に平行な平面においていずれも半値全幅で約3°であり、レンズ117による非常に狭いFFPを得ている。半導体光素子とシングルモードファイバ(SMF:Single Mode Fiber)との直接光結合実験を実施しているが、結合損失−3dB程度の良好な光結合を得ることが出来ている。また、結合効率−1dB劣化時の位置ズレ量は10μm前後である。よって、当該実施形態に係る半導体光素子がミラー構造やレンズといった機能部を集積することにより、部品点数削減と簡易な実装を可能としている。
次に、当該実施形態に係る半導体光素子の高周波特性を測定している。室温での変調帯域がバイアス電流40mAの低電流で室温での変調帯域が25GHzと低容量構造を反映した、広い帯域を得ることが出来ている。以上の説明した通り、当該実施形態により、低容量化と簡易実装に対応した次世代の高速光源として好適な高速素子を歩留まり良く作製することが可能となっている。
[第3の実施形態]
図4Aは、本発明の第3の実施形態に係る半導体光素子の平面図(上面図)である。図4B乃至図4Dは、当該実施形態に係る半導体光素子の断面図であり、図3Aに示すIVB−IVB線による断面、IVC−IVC線による断面、及びIVD−IVD線による断面をそれぞれ示している。当該実施形態に係る半導体光素子は、レーザ部の構造がDRレーザ(Distributed Reflector Laser:分布反射型レーザ)であることと、レーザ部の後方にモニタPD(Photo Detector)をさらに備えること以外は、第2の実施形態に係る半導体光素子と同じ構造をしている。
図4Aは、本発明の第3の実施形態に係る半導体光素子の平面図(上面図)である。図4B乃至図4Dは、当該実施形態に係る半導体光素子の断面図であり、図3Aに示すIVB−IVB線による断面、IVC−IVC線による断面、及びIVD−IVD線による断面をそれぞれ示している。当該実施形態に係る半導体光素子は、レーザ部の構造がDRレーザ(Distributed Reflector Laser:分布反射型レーザ)であることと、レーザ部の後方にモニタPD(Photo Detector)をさらに備えること以外は、第2の実施形態に係る半導体光素子と同じ構造をしている。
図4Aに示す通り、当該実施形態に係る半導体光素子のレーザ部は、DFBレーザ領域となる発光部110と、発光部110に後方に接して配置される後方DBR(Distributed Bragg Reflector:分布ブラッグ反射)ミラー部121(後方DBRミラー領域)と、さらに後方に、モニタPD部122と、がさらにモノリシックに集積されている。すなわち、発光構造は、DFBレーザ領域と後方DBRミラー領域とを含んでいる。DFBレーザ領域となる発光部110と、後方DBRミラー部121と、モニタPD部122とは、光軸を調整して、バットジョイント(Butto Joint:BJ)集積されている。モニタPD部122と後方端面との間の領域は窓構造となっている。すなわち、当該実施形態に係る半導体光素子は、発光構造は分布ブラッグ反射鏡をさらに含み、分布反射型レーザとして構成されている。
当該実施形態に係る半導体光素子のDFBレーザ領域の構造は、第1の実施形態に係る半導体光素子の発光部110と同じ構造をしている。図4Aに示すIBーIB線による断面は、第1の実施形態に係る半導体光素子の断面図である図1Bと同じである。
図4Bに示す通り、後方DBRミラー部121は、発光部110と異なり、n型InP層102の上側に、アンドープInGaAsP光導波路層119が配置されている。アンドープInGaAsP光導波路層119の上側には、図示されていないが、p型エッチングストップ層、p型InPスペーサ層113、p型InGaAsP回折格子層114が形成されている。図4Bには、p型InP層104のみが図示されて、p型InPスペーサ層113はp型InP層104に含まれる。なお、p型InP層104の上側に積層されるp型InGaAsコンタクト層105は除去されており、後方DBRミラー部121のリッジでは、p型InP層104の上側に、SiO2保護膜106が形成されている。
図4Cに示す通り、モニタPD部122(モニタPD領域)は、分離溝109が形成されていないことと、バンク上にn側電極108とがそれぞれ形成されていないこととを除いて、DFBレーザ領域の発光部110と同じ構造をしている。モニタPD部122の吸収層に、発光部110のInGaAlAs系活性層103と同じ半導体層を用いている。モニタPD部122のp側電極107Aは、DFBレーザ領域の発光部110のp側電極107と同様に、リッジの上面に接触して、p電極形成部の上端に至っている。前述の通り、後方DBRミラー部121のリッジの上面に、p型InGaAsコンタクト層105は形成されていない。それゆえ、発光部110のp側電極107と、モニタPD部122のp側電極107Aとは、p型InGaAsコンタクト層105を介しては電気的に接続されておらず、p型InP層104を介してのみ電気的に接続されており、実質的には電気的に分離されていると言ってもよい。
なお、n側電極108は、DFBレーザ領域の発光部110とモニタPD部122とで共通しており、バンク上にn側電極108が形成されるのは、DFBレーザ領域の発光部110のn電極形成部112のみであり、モニタPD部122のバンク上にはn側電極108は形成されていない。リッジとバンク(n側電極108側)との間にある平坦領域において、n側電極108がn型InP層102に接する部分は、DFBレーザ領域からモニタPD部122まで延伸している。
図1B、図4B、及び図4Cに示す通り、当該実施形態に係る半導体光素子に、延伸方向に連続して延伸するリッジが形成され、さらに、リッジの両側にそれぞれバンクが形成されている。各領域において、リッジと両側のバンクは同じ半導体構造を有している。その結果、DFBレーザ領域の発光部110のp電極形成部111及びn電極形成部112と、ポストPD部122のp電極形成部と、互いの高さの差はそれぞれ低減されており、実質的には各上面は同一面にある。よって、安定した実装が実現できる。
第1及び第2の実施形態と同様に、当該実施形態において、分離溝109は、p電極形成部111(p側電極107のパッド部)を囲うように配置されている。これにより、当該実施形態のように、DFBレーザ領域の前方にミラー構造116を、DFBレーザ領域の後方に、後方DBRミラー部121やモニタPD部122を、それぞれ集積することが出来ており、さらなる効果を奏している。
以下、当該実施形態に係る半導体光素子の製造方法について説明する。当該実施形態に係る半導体光素子の製造方法は、レーザ部の製造工程が第2の実施形態に係る半導体光素子の製造方法と異なっているが、それ以外については同じである。
ウエハ上に、n型InP層102、InGaAlAs系活性層103、p型エッチングストップ層(図示せず)、p型InPスペーサ層113、及びp型InGaAsP回折格子層114を、有機金属気相成長法などを用いて、順にエピタキシャル成長する(図2A)。
後方DBRミラー部121が形成される領域にある半導体層をInGaAlAs系活性層103までエッチングにより除去する。この際、モニタPD部122が形成される領域にある半導体層は除去せず残存している。この工程において、レーザ部の前方となる領域(ミラー構造116が形成される領域を含む)やモニタPD部122の後方の領域にある半導体層を併せて除去する。
続いて、後方DBRミラー部121が形成される領域に、アンドープInGaAsP光導波路層119、p型エッチングストップ層(図示せず)、p型InPスペーサ層113、及びp型InGaAsP回折格子層114を、順にエピタキシャル成長によりバットジョイント成長する。ここで、p型InPスペーサ層113及びp型InGaAsP回折格子層114が、DFBレーザ領域の発光部110から後方DBRミラー部121に亘って繋がるように、InGaAlAs系活性層103及びアンドープInGaAsP光導波路層119の高さや各層のエピタキシャル成長条件を調整している。
その後、DFBレーザ領域の発光部110から後方DBRミラー部121に亘って、p型InGaAsP回折格子層114に回折格子を形成する。このとき、モニタPD部122のp型InGaAsP回折格子層114を除去する。図4Dに示す通り、p型InGaAsP回折格子層114は、DFBレーザ領域から後方DBRミラー部121に亘って形成されているが、モニタPD部122には形成されていない。構造をより明確化するために、図4Dでは、p型InPスペーサ層113がp型InP層104と区別して示されている。
ウエハ上に、p型InP層104を積層する。モニタPD部122と後方端面との間の領域を、p型InP層104で埋め込むことにより窓構造としている。また、レーザ部の前方となる領域に、p型InP層104を積層する。その後の工程は、第2の実施形態に係る半導体光素子と同様である。
なお、ウエハ裏面の研磨は、第2の実施形態と同様に150μmの厚みまで行っている。当該実施形態の半導体光素子では、DFBレーザ領域の後方に、後方DBRミラー部121及びモニタPD部122が集積されており、後方端面に誘電体無反射膜のコーティングは不要である。当該実施形態に係る半導体光素子は、第1及び第2の実施形態に係る半導体光素子と同様に、安定した実装が実現できる。
当該実施形態において、DFBレーザ領域の発光部110の共振器長を例えば100μmとし、回折格子の結合係数は200cm−1とし、モニタPD部122の長さを30μmとしているが、これらに限定されることはなく、他の値を用いてもよい。また、半導体光素子のリッジ延伸方向における全長を例えば600μmとしている。また、p型InGaAsP回折格子層114の回折格子ピッチはウエハ均一として、1.31μmで発振するように設計している。回折格子の構造は、第1及び第2の実施形態同様、これに限定されない。
当該実施形態に係る半導体光素子の直流電流特性を評価している。室温での発振しきい電流は4mA、スロープ効率は0.4W/Aであり、短共振器構造を反映する良好な発振特性を得ている。また、波長1.3μmで良好な単一波長発振が実現されており、第2の実施形態と同様に、機能部の集積や分離溝109を設けることによる発振特性の劣化が非常に抑制されている。また、半導体光素子の素子容量を測定したところ、1.0pF程度を得ており、低容量化が実現しており、当該実施形態に係る半導体光素子がさらなる効果を奏することが確認されている。
また、半導体光素子の出射光のファーフィールドパターン(FFP)についても第2の実施形態と同様であり、部品点数削減と簡易な実装を可能としている。
次に、当該実施形態に係る半導体光素子の高周波特性を測定している。室温での変調帯域がバイアス電流40mAの低電流で室温での変調帯域が30GHzと、短共振器構造と低容量構造を反映した、広い帯域を得ることが出来ている。以上の説明した通り、当該実施形態により、低容量化と簡易実装に対応した次世代の高速光源として好適な高速素子を歩留まり良く作製することが可能となっている。
なお、第1乃至第3の実施形態に係る半導体光素子のレーザ部は、DBRレーザ又はDRレーザであるが、これに限定されることはなく、例えば、DBRレーザなど、他の半導体レーザであってもよい。DBRレーザ(分布ブラッグ反射型レーザ)では、発光構造が分布ブラッグ反射鏡をさらに含んでいる。
[第4の実施形態]
図5Aは、本発明の第4の実施形態に係るアレイ半導体光素子の平面図である。図5Bは、当該実施形態に係るアレイ半導体光素子の断面図である。当該実施形態に係るアレイ半導体光素子は、第1の実施形態に係る複数の半導体光素子が所定の間隔でモノリシックに集積されるアレイ半導体光素子であり、アレイ型のリッジ導波路型DFBレーザである。ここでは、4チャンネルのDFBレーザアレイである。当該実施形態に係るアレイ半導体光素子の各チャンネルは、第1の実施形態に係る半導体光素子と同じ構造である。当該実施形態に係るアレイ半導体光素子の複数の半導体光素子のリッジは該所定の間隔で並んでおり、各半導体光素子(各チャンネル)の発光部110より光が出射される。それゆえ、当該実施形態に係るアレイ半導体光素子の複数の半導体光素子より、所定の間隔で、光が出射される。
図5Aは、本発明の第4の実施形態に係るアレイ半導体光素子の平面図である。図5Bは、当該実施形態に係るアレイ半導体光素子の断面図である。当該実施形態に係るアレイ半導体光素子は、第1の実施形態に係る複数の半導体光素子が所定の間隔でモノリシックに集積されるアレイ半導体光素子であり、アレイ型のリッジ導波路型DFBレーザである。ここでは、4チャンネルのDFBレーザアレイである。当該実施形態に係るアレイ半導体光素子の各チャンネルは、第1の実施形態に係る半導体光素子と同じ構造である。当該実施形態に係るアレイ半導体光素子の複数の半導体光素子のリッジは該所定の間隔で並んでおり、各半導体光素子(各チャンネル)の発光部110より光が出射される。それゆえ、当該実施形態に係るアレイ半導体光素子の複数の半導体光素子より、所定の間隔で、光が出射される。
図5Aには、上下方向に4チャンネルの半導体光素子が示されており、図5Bは、図1Bと同様に、延伸方向に垂直な平面であって、n電極形成部112からp電極形成部111を貫く断面が示されている。隣同士の半導体光素子の間には、チャンネル間分離溝133(第2溝)が形成されており、4チャンネルのレーザアレイの場合、3本のチャンネル間分離溝133が配置される。チャンネル間分離溝133は、前方端面から後方端面に至ってリッジの延伸方向に沿って形成されており、チャンネル間分離溝133が平面視して位置する領域にある半導体層がn型InP層102まで除去され、半絶縁性InP基板101が露出している。チャンネル間分離溝133により、隣同士の半導体光素子が電気的に分離されている。なお、各チャンネルの半導体光素子の共振器長さは150μmである。なお、チャンネル間分離溝133が形成される領域の表面(溝の底面及び側面)にSiO2保護膜106が形成される。チャンネル間分離溝133が形成される領域を明確にするために、分離溝109と同様の網掛けを付している。
隣同士の半導体光素子の一方(図5Aの上側)に形成される分離溝109の両端は、チャンネル間分離溝133に開口するように形成されており、高い設計自由度を実現している。これに限定されることはなく、分離溝109の少なくとも一端がチャンネル間分離溝133に開口するよう形成されていてもよい。チャンネル間分離溝133に開口する側において高い設計自由度を実現している。
当該実施形態に係るアレイ半導体光素子の製造方法は、以下の点を除いて、第1の実施形態に係る半導体光素子の製造方法と同じである。SiO2保護膜106を形成する工程の前に、フォトリソグラフィー法とウェットエッチングにより、チャンネル間のn型InP層102をエッチングして、チャンネル間分離溝133を形成する工程をさらに含む。その後、ウエハ全面に、SiO2保護膜106を形成するので、チャンネル間分離溝133の底面と側面にもSiO2保護膜106が形成される。また、チップを劈開する工程が異なる。
当該実施形態に係るアレイ半導体光素子は、第1乃至第3の実施形態に係る半導体光素子と同様に、安定した実装が実現できる。また、当該実施形態に係るアレイ半導体光素子の発振特性を評価しているが、第1の実施形態に係る半導体光素子の発振特性と同様の評価結果を得ている。よって、当該実施形態においても、分離溝109やチャンネル間分離溝133を設けることに発振特性の劣化が非常に抑制され、また、複数の半導体光素子を集積することによる影響が極めて限定されることを確認している。また、各半導体光素子(各チャンネル)の素子容量についても、0.5pFと低い値を得ており、アレイ半導体光素子においても、容量低減化効果を確認している。以上の説明した通り、当該実施形態により、低容量化と簡易実装に対応した次世代の高速光源として好適なアレイ型の高速素子を歩留まり良く作製することが可能となっている。例えば、多チャンネル方式であって、チャンネル当たりの速度も従来の10Gbpsより高速で駆動されるアレイ半導体光素子において、当該実施形態は最適である。
[第5の実施形態]
図6は、本発明の第5の実施形態に係るアレイ半導体光素子の平面図である。当該実施形態に係るアレイ半導体光素子は、第2の実施形態に係る複数の半導体光素子が所定の間隔でモノリシックに集積されるアレイ半導体光素子であり、アレイ型のLISELである。ここでは、4チャンネルのLISELアレイである。当該実施形態に係るアレイ半導体光素子の各チャンネルは、第2の実施形態に係る半導体光素子と同じ構造である。当該実施形態に係るアレイ半導体光素子は、第4の実施形態と同様に、チャンネル間分離溝133が形成されている。
図6は、本発明の第5の実施形態に係るアレイ半導体光素子の平面図である。当該実施形態に係るアレイ半導体光素子は、第2の実施形態に係る複数の半導体光素子が所定の間隔でモノリシックに集積されるアレイ半導体光素子であり、アレイ型のLISELである。ここでは、4チャンネルのLISELアレイである。当該実施形態に係るアレイ半導体光素子の各チャンネルは、第2の実施形態に係る半導体光素子と同じ構造である。当該実施形態に係るアレイ半導体光素子は、第4の実施形態と同様に、チャンネル間分離溝133が形成されている。
当該実施形態に係るアレイ半導体光素子の複数の半導体光素子のリッジは該所定の間隔で並んでおり、裏面に配置されるレンズ117も該所定の間隔で並んでいる。それゆえ、当該実施形態に係るアレイ半導体光素子の裏面より、該所定の間隔で、光が出射される。
当該実施形態に係るアレイ半導体光素子は、第4の実施形態に係るアレイ半導体光素子と同様に、安定した実装が実現できる。また、当該実施形態に係るアレイ半導体光素子の発振特性を評価しているが、第2の実施形態に係る半導体光素子の発振特性と同様の評価結果を得ている。さらに、全半導体光素子(全チャンネル)を同時に駆動する場合と、個別に駆動する場合と、25℃における25Gb/sのアイ波形の相違は非常に抑制されており、チャンネル間のクロストークの影響が非常に抑制されていることも確認している。また、出射光のFFPや光結合についても、第2の実施形態に係る半導体光素子と同様の結果を得ている。
以上の説明した通り、当該実施形態により、低容量化と簡易実装に対応した次世代の高速光源として好適なアレイ型の高速素子を歩留まり良く作製することが可能となっている。
[第6の実施形態]
図7Aは、本発明の第6の実施形態に係る光モジュールの斜視図である。図7Bは、当該実施形態に係る光モジュールの側面図である。当該実施形態に係る光モジュールは、第4の実施形態に係るアレイ半導体光素子202と、アレイ半導体光素子202を駆動するための集積回路205(駆動回路)と、複数の光ファイバ206(SMF)と、アレイ半導体光素子202と集積回路205と複数の光ファイバ206とをそれぞれ所定の位置に固定するためのパッケージと、を備える。ここで、パッケージは、ファイバアレイコネクタ201及び多層配線セラミック基板204である。また、光ファイバ206は、アレイ半導体光素子202に備えられる複数の半導体光素子と光学的にそれぞれ接続される外部導波路である。
図7Aは、本発明の第6の実施形態に係る光モジュールの斜視図である。図7Bは、当該実施形態に係る光モジュールの側面図である。当該実施形態に係る光モジュールは、第4の実施形態に係るアレイ半導体光素子202と、アレイ半導体光素子202を駆動するための集積回路205(駆動回路)と、複数の光ファイバ206(SMF)と、アレイ半導体光素子202と集積回路205と複数の光ファイバ206とをそれぞれ所定の位置に固定するためのパッケージと、を備える。ここで、パッケージは、ファイバアレイコネクタ201及び多層配線セラミック基板204である。また、光ファイバ206は、アレイ半導体光素子202に備えられる複数の半導体光素子と光学的にそれぞれ接続される外部導波路である。
多層配線セラミック基板204の上に、アレイ半導体光素子202と、集積回路205とが、金バンプ208により電気的な接続を取りながら実装されており、それぞれ所定の位置に固定されている。多層配線セラミック基板204の表層には、複数のストリップ線路が形成されており、集積回路205と、アレイ半導体光素子202の複数の半導体光素子(複数のチャンネル)それぞれとを、電気的に接続している。前述の通り、アレイ半導体光素子202は、各半導体光素子のp電極形成部111とn電極形成部112とが実質的に同じ高さで保持されているので、安定した実装が実現されている。
ここでは、複数(4本)の光ファイバ206が鉛直方向から水平方向へ90°屈曲されて、ファイバアレイコネクタ201に実装されている。第5の実施形態に係るアレイ半導体光素子より所定の間隔で光が出射され、該所定の間隔で、複数の光ファイバ206のコア層が並んでいる。ファイバアレイコネクタ201は、コネクタ支柱203により、アレイ半導体光素子202の各半導体光素子(各チャンネル)と、各光ファイバ206とが最適な光結合を有する位置に実装されている。ファイバアレイコネクタ201は、嵌合穴207を具備しており、コネクタ支柱203は嵌合穴207に差し込まれ、最適位置にアライメントされた後に、接着剤で固定される。
アレイ半導体光素子202は、低容量構造を実現しつつ、ミラー構造116とレンズ117とが集積されているので、光ファイバ206との高効率な光結合が可能となっている。光ファイバ206が90°屈曲されてファイバアレイコネクタ201に実装されていることにより、光ファイバ206の受光面と、アレイ半導体光素子202の光出射面との間で、最適な光結合を有する位置に容易に実装することが可能となっている。
当該実施形態に係る光モジュールは、小型化が実現されている。そして、当該実施形態に係る光モジュールについて、各チャンネル当たり25Gb/sの伝送実験を実施している。各チャンネル共に、低容量構造と高効率な光結合を反映して、2kmにおいて十分な光出力とエラーフリー動作が実現されている。当該実施形態により、ルータ装置内用として好適な小型かつ低コストな多チャンネル光モジュールを作製することが出来る。
当該実施形態に係る光モジュールは、第5の実施形態に係るアレイ半導体光素子を備えるとしたが、これに限定されることがないのは言うまでもない。第4の実施形態に係るアレイ半導体光素子を備えてもよいし、本発明に係る他のアレイ半導体光素子を備えていてもよい。また、アレイ半導体光素子は複数の半導体光素子(チャンネル)を有しているが、この場合に限定されることはなく、光モジュールが、(1チャンネルの)半導体光素子を備えていてもよい。第1乃至第3の実施形態のいずれかに係る半導体光素子であってもよいし、本発明に係る他の半導体光素子であってもよい。この場合、本発明に係る光モジュールは、本発明に係る半導体光素子と、半導体光素子を駆動するための駆動回路と、半導体光素子と光学的に接続される外部導波路と、半導体光素子と駆動回路と外部導波路とをそれぞれ所定の位置に固定するためのパッケージと、を含む。
以上、本発明の実施形態に係る半導体光素子、アレイ半導体光素子、及び光モジュールについて説明した。本発明は上記実施形態に限定されることはなく、パッド部を有する電極構造に広く適用することが出来る。例えば、他の波長帯、例えば1.5μm帯の光通信を行うための半導体光素子であってもよく、光通信以外の目的の半導体光素子であってもよい。
101 半絶縁性InP基板、102 n型InP層、103 InGaAlAs系活性層、104 p型InP層、105 p型InGaAsコンタクト層、106 SiO2保護膜、107 p側電極、108 n側電極、109 分離溝、110 発光部、111 p電極形成部、112 n電極形成部、113 p型InPスペーサ層、114p型InGaAsP回折格子層、115 誘電体高反射膜、116 ミラー構造、117 レンズ、119 アンドープInGaAsP光導波路層、121 後方DBRミラー部、122 モニタPD部、133 チャンネル間分離溝、201、202 アレイ半導体光素子、203 コネクタ支柱、204 多層配線セラミック基板、205 集積回路、206 光ファイバ、207 嵌合穴、208 金バンプ。
Claims (12)
- 半絶縁性基板と、
p型及びn型の一方の導電型の第1半導体層と、
発光特性を有する活性層と、
前記第1半導体層とは反対の導電型の第2半導体層と、
絶縁層と、
導電層と、
が下から順に積層された多層構造を有し、
前記多層構造は、発光構造と、第1電極構造と、第2電極構造と、を含み、
前記半絶縁性基板及び前記第1半導体層には、前記第2電極構造を残りの部分から分離して、全体的に直線よりも前記第2電極構造に接近するように非直線を描く第1溝が形成され、
前記第1半導体層は、前記第1溝により分離される前記残りの部分が前記発光構造及び前記第1電極構造で連続し、
前記活性層は、前記発光構造、前記第1電極構造及び前記第2電極構造に、それぞれ、相互に分離して形成され、
前記第2半導体層は、前記発光構造、前記第1電極構造及び前記第2電極構造に、それぞれ、相互に分離して形成され、
前記絶縁層は、前記発光構造では前記第1半導体層を覆って前記第2半導体層の一部を露出させ、前記第1電極構造では前記第2半導体層を覆い、前記第2電極構造では前記第1半導体層及び前記第2半導体層を覆い、前記第1溝の内面では前記第1半導体層を覆うように形成され、
前記導電層は、前記第1半導体層に接触して前記第1電極構造の上端に至る前記第1配線パターンと、前記発光構造で前記第2半導体層に接触して前記第1溝の内側で前記絶縁層の上を通って前記第2電極構造の上端に至る第2配線パターンと、を含むことを特徴とする半導体光素子。 - 請求項1に記載の半導体光素子であって、
前記発光構造は、前記第2半導体層の一部によって構成されるリッジを有することを特徴とする半導体光素子。 - 請求項1又は2に記載の半導体光素子であって、
前記絶縁層は、前記発光構造と前記第1電極構造の間では前記第1半導体層の一部を露出させるように形成され、
前記第1配線パターンは、前記発光構造と前記第1電極構造の間で、前記第1半導体層に接触して電気的に接続することを特徴とする半導体光素子。 - 請求項1から3のいずれか1項に記載の半導体光素子であって、
前記発光構造は、回折格子をさらに含み、
分布帰還型レーザとして構成されたことを特徴とする半導体光素子。 - 請求項1から3のいずれか1項に記載の半導体光素子であって、
前記発光構造は、分布ブラッグ反射鏡をさらに含み、
分布ブラッグ反射型レーザとして構成されたことを特徴とする半導体光素子。 - 請求項1から3のいずれか1項に記載の半導体光素子であって、
前記発光構造は、分布帰還型レーザと分布ブラッグ反射鏡をさらに含み、
分布反射型レーザとして構成されたことを特徴とする半導体光素子。 - 請求項1から6のいずれか1項に記載の半導体光素子であって、
前記発光構造から出射した光を前記導体層とは反対側へ向けて反射させるミラー構造が、モノリシックに集積される半導体光素子。 - 請求項1から7のいずれか1項に記載の半導体光素子であって、
前記半絶縁性基板及び前記第1半導体層は、厚み方向に広がる側面を有し、
前記第1溝の少なくとも一端は、前記半絶縁性基板及び前記第1半導体層の前記側面に開口するように形成されていることを特徴とする半導体光素子。 - 複数の半導体光素子を有し、
前記複数の半導体光素子のそれぞれは、請求項1から7のいずれか1項に記載の前記半導体光素子であり、
前記複数の半導体光素子は、モノリシックに集積され、
前記半絶縁性基板及び前記第1半導体層には、隣同士の前記半導体光素子の間を分離する第2溝が形成されていることを特徴とするアレイ半導体発光素子。 - 請求項9に記載のアレイ半導体発光素子であって、
前記隣同士の前記複数の半導体光素子の一方に形成される前記第1溝の少なくとも一端は、前記第2溝に開口するように形成されていることを特徴とするアレイ半導体光素子。 - 請求項1から8のいずれか1項に記載の半導体光素子と、
前記半導体光素子を駆動するための駆動回路と、
前記半導体光素子と光学的に接続される外部導波路と、
前記半導体光素子と前記駆動回路と前記外部導波路とをそれぞれ所定の位置に固定するためのパッケージと、
を含む光モジュール。 - 請求項9又は10に記載のアレイ半導体光素子と、
前記複数の半導体光素子を駆動するための駆動回路と、
前記複数の半導体光素子とそれぞれ光学的に接続される、複数の外部導波路と、
前記複数の半導体光素子と前記駆動回路と前記複数の外部導波路とをそれぞれ所定の位置に固定するためのパッケージと、
を含む光モジュール。
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